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2022.09.04

【DAZN観戦記】22年第28節:鹿島 2-2 浦和 ~ 鈴木優磨「フェアプレー。そんなものはない。以上」

 謎の大幅駒落ち、謎過ぎる判定、そして実に汚くて狡賢い伝統的なスタイルに回帰した相手といくつもの難しい要素を抱えながらもよくぞ勝ち点1を拾ったと評価するか、勝ち点2を失ったと評価するか微妙な試合でした。

《スタメン》

・浦和はACLでの激闘を終えて中8日で3週間ぶりのリーグ戦。中8日のうち最初の3日をオフに充てただけではまだまだきつかったのか、試合の2日前にもう一日オフを追加するという異例の形で鹿島戦に臨みました。

・残念ながら試合前に選手1名がコロナ陽性判定を受けた話が出ていたので、その選手絡みでのスタメン入れ替えはあるだろうなとは予想していましたが、蓋を開けてみると浦和のベンチ入りメンバーはもう想像の遥か斜め上!!

・浦和はACL準決勝から西川→彩艶、酒井→宮本、モーベルグ→ユンカーとスタメン3名を入れ替え。それだけならまだしもスタメンから外れた西川、酒井、モーベルグに加え、ACLでコンスタントにベンチには入っていた江坂、大久保、馬渡がベンチにもおらず。

・試合後酒井がACLで負傷(ふくらはぎ肉離れ)し、しかも全治未定という話が公表されましたが、それ以外の選手がベンチ外になった理由は判然とせず。試合当日になってコロナ陽性判定を受けた選手が続出したのなら後日その旨が公表されるでしょうし、単にACLの激闘のダメージがデカすぎてコンディションが良くない選手が続出したのかもしれません。いずれにせよ、酒井も含めて今週の練習で大原にいることが浦和公式インスタで確認されていた選手がごっそりベンチ外なのには心底驚きました。

・ACLでは外国人枠から外れてメンバー外だったものの、故障が癒えて大原で元気そうにしていたシャルクが久しぶりにベンチ入り。但し、総じて控えに前目の選手が少ないのは否めず。

・鹿島は前節川崎戦からGKをスンテから沖に入れ替えただけ。控えに長期離脱していた荒木が戻って来たものの、前節謎の欠場だった土居は今節もベンチ外。なお右SB常本が故障中。

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《試合展開》

・鹿島は基本中盤ダイヤモンド型の4-4-2というか4-3-1-2の構え。但し浦和が最終ラインでボールを保持している際にはトップ下仲間が最前線に加わって3トップ気味に前から強くプレスをかけてきました。

・この鹿島の出方は容易に想像できたはずですが、浦和はどういうわけかビルドアップに苦労。パスミスや危険な位置でのボールロストも頻発してボールを前に進められないどころか安定的に保持すらできず、序盤はやや鹿島ペース。

・そして16分左サイドから樋口クロス→カイキヘッドで失点。クロスの精度もさることながらにそのクロスに対して鈴木・カイキ・仲間と3人飛び込んでおり、もうこれは岩政監督が事前に仕込みに仕込んだ得意パターン。浦和守備陣はカイキへのマークがずれてしまいました。

・でもこの失点はそもそも小泉の縦パスをカットされたところから始まっており、しかも小泉のミスはそれ以前から散見されたので起こるべくして起こったような気も。

・20分過ぎからようやく浦和がボールを握り始めて鹿島を自陣に押し込み、試合のペースを掴み出したと思ったら、27分GKのロングフィードに競り勝ったカイキが左サイドからカットイン&ミドルシュート。シュートは彩艶が楽々セーブと思いきや、なんと彩艶がシュートを弾き切れずにボールはまさかのゴールマウスへ!! シュートがわずかに岩波に当たってGKには難しいボールになったようですが、弾いたボールがゴール方向へ飛んでしまうとはDAZN実況桑原氏や解説水沼氏も含めて誰一人予想しなかっただろうなぁ・・・

・しかし、ボールを支配し出した浦和はそれなりに何度も攻めの形を作っており、30分右サイドからボックスの内外で細かくボールを繋ぎ、最後は岩尾のワンタッチパス→松尾の反転シュートがCB関川に当たってコースが変わる運も味方して決まって反撃開始。

・試合の雲行きが怪しくなってきたと感じたのか、鹿島は守備時仲間がCHに下がって4-4-2でリトリート主体に切り替え。浦和も鹿島ボール保持時は関根が最終ラインに降りて5-3-2気味となり、お互いに攻め倦みの様相で時間が徒過。おまけに笠原主審の不安定というか謎過ぎるジャッジと鹿島の小汚いプレーの数々に浦和の選手達が苛立ちを露わにする場面が増え始めて、47分には小泉が主審への異議という実にくだらない形でイエローも。

・無駄に熱いものの、実に見所の乏しかった時間帯で両チームの見せ場らしい見せ場は67分岩波クロスのこぼれ玉を拾ってからの流れでアーク付近からの松尾シュートがGKを脅かしたくらいでしょうか。

・そしてその直後にリカはユンカーに代えて柴戸を投入し、松尾1トップはともかく伊藤を左SHへ出す珍しい形に。68分伊藤のパスを受けた大畑が対面の右SB広瀬の股を抜いて裏抜けしようとしたところで、広瀬はたまらずファウル。そこで得たFKを69分岩尾→ニアで岩波がヘッドですらしてゴール!!! 岩波は試合後「イメージどおりでしたし、今日のメンバーを見るとターゲットになる選手が僕しかいない状況でした。実際に今日のターゲットはほとんどが僕でしたので、しっかりと得点できてよかったです」と語っており、まさに会心の一撃だった模様。

・同点に追いつかれた鹿島は72分に和泉→エヴェラウド、さらに78分にはカイキ→荒木、広瀬→ブエノ、樋口→舩橋と代えて3バックに変えたようでしたが、全く決定機を作れず。性懲りもなく汚い小技や臭い演技を繰り返していた鈴木に77分になってようやくイエローが出て劇団鹿島も次第に千秋楽へ。

・浦和は78分に小泉→明本、90分に松尾→シャルクと数少ない攻め駒を投入して大勝負に。シャルクは投入直後にバックパスが直接エヴェラウドに渡ってしまう大失態がありましたが、エヴェラウドの突破は岩波が阻止。90+2分にショルツのロングフィードをシャルクがボックス手前で受けて、どフリーで走り込んで明本へ折り返し。後は明本が決めるだけという絶好機を迎えましたが、不死身の明本の最大の難点は射撃。ダイレクトで撃てずにトラップしたのが仇となり、後方から走って来た舩橋に阻まれてシュートを撃てず。

・そして最後の最後まで笠原主審の大迷走は続き、最後になんで関根にイエローが出るのかさっぱり判らないまま試合終了。

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《総評》

・スコアこそ2対2とそれなりに動きましたが、両チームともそんなに数多く決定機を作っていた訳ではありませんし、結果は妥当な範囲内でしょう。ただ浦和の2失点目は彩艶が残念すぎましたし、しかも浦和は次第に試合のペースを握って後半は鹿島に何もさせず、さらに最後の明本の決定機逸は「まさかやーーー!!」と絶叫せざるをえないレベルでしたから、リカが試合後「今日の結果に関しては、勝ち点2を落としてしまったと思っています。」と語るのも判らなくもありません。

・ただ合わせてリカが「失点に関してもどういった部分が危険になるのかはある程度把握している中で、そこを修正しきる前に失点してしまったのは非常に残念な点だと思います。」とも語っているように、序盤は完全に鹿島のペースにずっぽりハマってしまったのも確かなので、間違いなく勝てた試合というほどでもないと思います。

・それにしても主力が突然大量にベンチ外になったのには参りました。リカが名古屋との3連戦でついに発見したと思われたスタメンの最適解は非常に意外な形で大崩壊。

・試合前の会見でリカが「以前はゲームプランを最優先し、ゲームプランに選手を当てはめていくというやり方でしたが、現在はそうではなく、選手のパフォーマンスやプレーに値するかどうかということを優先し、それをベースに組み立てています。」という話をしていたのが実に意味深。

・個人的には「ゲームプラン優先だと、相手が変わるとゲームプランも変わり、それに伴ってスタメンも変わる。今は選手のパフォーマンスが落ちない限りスタメンは変わらない。鉄板スタメンでさまざまなゲームプランに対応できるようになった」という意味合いと解釈しましたが、諸般の事情で突然パフォーマンスがガタ落ちする選手が続出して、無理やりスタメンどころかベンチ入りメンバーまで大幅に代えざるを得なくなるとはリカもさぞかし頭が痛かったことでしょう。

・でも諸般の事情でスタメンは大幅に弄らざるを得なかったものの、本職ではないポジションをやらされてる選手は全くいませんでしたから、出番を得た選手はそれなりにやってくれないと・・・でも残念ながら名古屋3連戦やACLで出番を減らしていた選手にはそれなりの理由があったことがよく判る試合内容でした。残留争いしている状態ならこのメンバーで勝ち点1は満足すべきでしょうが、ACL決勝でアルヒラルをぶっ倒すつもりならこの面子でも勝ち点3を取れないとかなり厳しい。そんな感じでしょうか。

・特にユンカーをスタメンで使う弊害は「運動量がしょぼすぎて前プレが全然効かない」点で顕著でした。またモーベルグ&酒井を共に欠いた右サイドの迫力不足は目に余るレベル。なんだか終始縮こまっているように見える宮本はまだしも、関根が対面の相手を一枚剥がせないのが結構辛かったかと。モーベルグに慣れきってしまった目には。

・それでも大胆なターンオーバーで臨んだリーグ戦のアウェー名古屋戦のように大敗はしなかったのだから「悪くはなかった」のかも。ACL優勝という大目標を掲げる限りは超寂しい話ですが。

・一方8月にレネ・ヴァイラー監督を突如更迭し(=チーム内でのクーデター勃発が主因という有力な噂も)、岩政コーチを監督に据えて「岩政を漢にしようぜ!」とばかりに意気上がる鹿島。

・湘南戦では鈴木目掛けてロングボールを蹴りまくる場面が目立ち、湘南も鈴木だけタイトに対応していれば問題なしとばかりに早々と対策を練って来たので鹿島が劣勢な内容でドローに終わりましたが、この試合の内容は湘南戦よりはずっとマシでした。少なくとも徹頭徹尾鈴木頼みという感じには見えませんでしたし、アホほどロングボールを多用するわけでもなく、人数をかけて押し上げてサイドからのクロス攻撃の形を作る意図は伺えました。

・しかしいみじくも岩政自身が「このハイペースのサッカーを90分間最初からできるとも思っていないです」と語っているようにいかにも序盤から体力任せ、根性まかせで突っ走っているようにしか見えない場面も多々あり、当然ながら試合は次第に浦和ペースへ。岩政がどんな絵を描こうとしているのかよく判りませんが、鹿島の変化、変革って結局のところ戦術云々なんてどうでもよくて「汚くて、狡賢くって、激しいあの頃に帰る」だけでしかないような、傍目には・・・

・そして明本のアレが決まっていたら、今頃鹿島界隈は岩政懐疑論で沸き返っていたでしょうに。実に惜しい、惜しすぎる。

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《選手評等》

・酒井の肉離れはACL準決勝の最後の場面=渾身のタックル&クロスで生じたものでしょう、たぶん。しばらくゴールライン外で座っていましたし。酒井はACLグループステージ突破後に手術、準決勝突破後に肉離れという巡り合わせ。移籍に周囲から反対されたことを反駁するためにもACLにかける思いはチーム内でダントツなんでしょう。もうゆっくり養生してくれとしか言いようがありません。


・全北現代の右SHに結構やられてPKすら献上してしまった大畑。全北同様強度マシマシ系の鹿島相手では明本に代えられるかも?と思ったのですが、この試合の大畑は大過ないどころかほぼ満点の出来。攻撃時は松尾をインサイドに、大畑が大外を取る形が多めでしたがコンビネーションには何の問題もなく、守備も破綻なし。もっとも鈴木が思ったほど大畑のところへ流れて来なかったのにも助けられましたが。

・西川がミレッGKコーチの下で再成長を見せているのに対して、彩艶は伸び悩み気味なのかなぁ?2失点目の失態もさることながら西川より優位だったはずのキックも長短ともイマイチでした。

・鹿島はフェアプレーもへったくれもないチームであることについて小泉を筆頭に概して浦和の若手(というか鹿島との対戦が少ない選手)はいかにも経験不足でした。欧州から監督を招聘して「洋務運動」に勤しんでいた頃の妙に大人しい鹿島しか知らないでしょうし。審判もアレでしたが、すっかり古典回帰した鹿島の汚いやり口にいちいちいらつくのは鹿島の思う壺。過去浦和はこれで何度痛い目に遭ったことか!!

・リカは交代枠を2つも余して試合終了。あまり良いところがない関根を最後まで引っ張って松崎は出番なし。うーーん、これは事実上戦力外かも・・・一方短時間ながらシャルクが使えたのがこの試合の数少ない収穫。

・笠原主審は昨年第2節のアウェー鳥栖戦で仙頭のライダーキックが岩波の頭を直撃しているにも関わらず、レッドではなくイエロー止まりにした曰くつきの主審。そしてこの試合でも謎判定のオンパレード。笠原主審のアレっぷりを見せつけられたような90分でホトホト疲れました。笠原主審の謎判定を全部ジャッジリプレイで取り上げたら一日終わってしまうがな・・・桑原さん死ぬで。

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-----ユンカー-----
松尾---小泉---関根
---岩尾--伊藤---
大畑-ショルツ--岩波-宮本
-----彩艶-----

(得点)
30分 松尾
69分 岩波

(交代)
67分 ユンカー→柴戸(松尾CF、伊藤左SH、柴戸CH)
78分 小泉→明本
90分 松尾→シャルク

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---カイキ----鈴木--
-----仲間-----
-和泉--ビトゥカ--樋口-
安西-三竿--関川-広瀬
-----沖------

(得点)
16分 カイキ
27分 カイキ

(交代)
64分 仲間→中村
72分 和泉→エヴェラウド(カイキが左SHに入り、鈴木&エヴェラウドの2トップへ)
78分 カイキ→荒木
78分 広瀬→ブエノ
78分 樋口→舩橋

※写真は試合とは関係ありません。

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