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2022.10.24

【観戦記】22-23年第1節:浦和L 3-2 長野L ~ 勝てば良かろうに近いかなぁ・・・

 序盤の2得点で今日は楽勝かと思いきや、大失態の連続で無駄にややこしい試合に。でも勝つには勝ったので中下位チームに勝ち点を落としまくった昨季よりはマシかなぁ・・・

《スタメン》

・カップ戦決勝から水谷→遠藤、佐々木→上野と両SBを入れ替え。左SB佐々木は小破が伝えられていたので入れ替えは想定内でしたし、右SBはカップ戦では遠藤がスタメンで出た試合のほうが多かったくらいので、ここの入れ替えも違和感なし。

・昨季長期離脱を余儀なくされた栗島がベンチ入り。なおレギュラークラスでは依然GK池田とCB長船が長期離脱中。

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《試合展開》

・浦和の基本フォーメーションは4-2-3-1で、ボール保持時には塩越ないし柴田が前に出て4-1-4-1っぽくなる感じでしょうか。

・序盤の浦和の出来は圧巻!早いパス回し&ボールを失ったら素早く攻守を切り替えて怒涛のプレッシングの連続で長野に全く何もさせず、早々と長野を自陣に押し込んで猛攻を仕掛けると、5分右サイドで細かくダイレクトパスを繋いだ後に塩越が突如カットイン。ボックス内に入った塩越は狭いシュートコースを見事に突いていきなり先制!! 普段はお世辞にもシュート意識は高いとは言い難いのに決める時はだいたいゴラッソという塩越らしいゴールでした。

・さらに11分猶本シュートがDFに当たってのこぼれ玉にボックス内でいち早く反応した清家が追加点。前には3人もDFがいましたが、清家はシュート意識の塊みたいな選手。普段シュートがあまり枠に飛ばないのが難ですが、ここは見事にシュートがゴール右上隅に突き刺さりました。

・これで今日は楽勝と思いきや、16分まさかの失点。長野がゴールキックからの反撃で、ボールが最前線のFW川船のもとへ。それでも川船には石川&はなとCB2枚がしっかり付いていたので何事もなかろうと思って見ていたのですが、石川のバックパスが緩くて川船に掻っ攫われる大惨事が発生。石川の対応もさることながらはなのポジショニングが謎過ぎて石川へのサポートにも何にもなっていないのがいやはや何とも・・・

・アホすぎる失点でしたが、その後も浦和は一転して大崩れする訳ではなく安定的にボールを保持してゲームをコントロール。とはいえ、長野も1点返して落ち着きを取り戻したのか、高い位置に4-4-2のタイトな守備ブロックを形成して、「浦和が無理攻めしてきたところでショートカウンター」という本来狙いとしたであろうサッカーを披露し始めて試合は膠着状態に。

・長野が守備ブロックを整えた状態から前プレをかけ始めると浦和のビルドアップはたちまり行き詰まってしまい、SB→SHで前進を試みるも菅澤までボールが入ることはなく、また下げて作り直しの連続。正直CH塩越のパス捌きがアバウト過ぎるのがネックになってCH経由でのビルドアップが機能しないように見えたのですが・・・唯一43分にワンタッチパスの連続でゴールに迫る見せ場を作りましたが、菅澤へのラストパスがオフサイド。

・長野の高い最終ライン裏を縦ポンで狙うも、パスの出し手にプレッシャーがかかっていためか、ボールの精度が低かったり、タイミングが合わずにオフサイドの山を築いたりと散々。運よく菅澤が裏抜けしかかっても長野CBが粘り強く対応して菅澤には何もさせず。ビルドアップが上手くいかないため、残念ながらこの日の菅澤はほぼいないも同然でした。

・膠着した戦況を打開すべく、楠瀬監督は後半頭から上野に代えて水谷を投入。特に上野自身の出来は悪いようには思えませんでしたが、この交代で浦和はようやくボールが前に進むようになり、47分右サイドから清家クロス→菅澤ヘッドの良い形。そして49分から立て続けにCKから決定機があったものの、追加点ならず。

・再び戦況が膠着状態に陥ったところで浦和は61分遠藤→栗島と代え、さらに71分安藤→島田の交代ではっきりとした2トップに。それでも戦況はさして好転せず、かといって失点する気配もないというシオシオな塩梅で時間が徒過していたところ、84分右サイドからの栗島スローインをボックス内で受けた島田がいきなりCBを背負ったまま豪快に反転シュート!!これがゴール左下隅に突き刺さって浦和に待望の3点目!!

・これで誰の目にも勝負ありと思われましたが、87分自陣深い位置ではなが途中投入のFW稲村を余裕をかましにかましながら交わそうとして失敗。「いくらなんでも勝っている試合の終盤でやることかよ!!」とメンズならサポから袋叩きにされそうなあんまりな大失態で再び一点差に。

・とはいえ、長野の攻撃は基本的に相手のミス待ちで、ボールを動かして能動的に点が取れるチームではなく、またミスを誘発するだけの強度を持ったプレスが出来ている訳でもないので、何事もなくそのまま試合終了。

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《総評》

・長野の得点はいずれも浦和CBの凡ミスに乗じたもので、それ以外の決定機は皆無。そもそも長野にシュートを4本しか撃たれていないので、本来3-0で勝って然るべき試合があんまりな失態の連続で無駄に競った試合に。監督が「しっくりこない、締まりのないゲームになってしまった」と評するのも無理はないと思います。

・また浦和は3点取ったといっても、いずれも個人技による(3点目が典型)もので長野守備陣をきっちり崩した形ではありませんでした。試合後の会見では監督がビルドアップに課題山積だったこと、そして意図的な崩しはあまり出来なかったことを自認していて、3点取った割にはそんなに喜べない試合だったかなとも感じました。

・ビルドアップについては上述のように今季なぜかCHで起用されている塩越が案の定というかなんというかあまり機能していないのが主因になっている気が多々。ぬるぬる系ドリブルと意外性のある一発が持ち味の塩越を深い位置で使う意図は正直図りかね、せめて柴田をアンカー、塩越をIH気味におけば塩越が活きるのではないかと思ったのですが、そこまではっきりしている訳でもなさそうで。

・昨季は栗島故障を受けて柴田の相方を試行錯誤を重ねている間に勝ち点を落としまくったのがI神戸に勝ち点で大差をつけられた主因になってしまいました。結局安藤老師のCHコンバートという奇策でチームは持ち直しましたが、時すでに遅し。しかもさすがに今季も老師に頼るわけにはいかないので塩越がやっているのかもしれません。でもWEリーグはなにせ試合数が少ないので「高い授業料」を払っているうちに事実上シーズンが終わってしまいかねないのが悩ましいところ。

・良かったところに目を転じれば、昨季アホほどあった「押し込んでいるのに攻めきれず、カウンターをくらいまくる」とか「終始ボールを支配しているのになぜか先に電池切れになる」という、「なんかこのチームって構造的におかしくね?」と思われる場面は見られなかったことでしょうか。昨季だと先制したのになぜか終盤失速して同点に追いつかれる、あるいは逆転されてしまう試合がまま見られましたから。この感じだと中下位チームに何度も不覚をとる可能性は低いかなと思いました。

・さらにいえば、浦和はシーズンの通算成績が良い年でも概してなぜかホームゲームの戦績があまり良くありません。その点、4604人もの観客が集まったリーグ開幕戦をきっちり勝利に飾れたのはなによりでした。

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《選手評等》

・石川はモロに失点に絡んでしまいましたが、隙あらば縦パス突き刺しまくりなのはいかにも今時のCBでめっちゃ好印象。岩波はこれが出来るまで随分かかりましたし、槙野は最後まで出来なかったしたから石川のセンスには驚愕しました。監督目線からは「少しリスクマネージメントを考えると、そこじゃない」というリスキーな縦パスも目立ったのは事実ですが、そもそもあのパスを出せないCBがあまりにも多いからなあ・・・むしろこの試合で残念だったのは石川の縦パスを活かせない受け手だろうという気も少々。

・また失点場面こそ残念でしたが、その後は1対1には何の問題もないことを再三実証。むしろ新人の石川をサポートしないといけない立場のはながたびたび不安定なのには参りました。はなはカップ戦決勝でも大失態を犯しており、諸先輩方からきつーいお仕置きがありそう(つД`)

・島田はこれがリーグ戦初ゴール。昨季は何度も出場機会を与えられながらも全く良いところがなくて、正直「ピッチ上を徘徊している」という印象しかなかったのですが、今季はカップ戦でそれなりに戦力になっている姿を見せてスタメン出場で1ゴールを上げていましたから、リーグ戦でのゴールも時間の問題だったでしょう。それでもそのゴールが難易度の高い「一人でできた!」系だったのは度肝を抜かれました。

・水谷はGKとCB以外ならどこでもできる(CFは見たことないが、セカンドトップ的なFWはできる)という意味で「高学歴の明本」みたいな感じになってきたかな。ベンチにいるとありがたい存在ですがが、本人はスタメンで出たいでしょうし、監督も頭が痛かろうかと。

・ほぼ1年に及ぶ長期離脱を経てついにピッチに戻って来た栗島。最初は気丈夫に明るく振る舞っていたものの、インタビュアーがリハビリ仲間との悪戦苦闘など泣かせる話に持って行くのに釣られてついに号泣。全米が泣いた。

・この日の観客は4604人ちょっと。トップの試合がない週で、かつ入場料も500円と格安、天気は暑くも寒くもないと好条件が重なり、子供連れでの来場が目立ちました。リーグ開幕戦ということもあって事前の告知も目一杯やっており、この数字が現在の浦女の観客数MAXレベルでしょう、たぶん。

・選手紹介の動画、なんか初期のWebサイト動画みたいで洗練されてるとは言い難いものの、女子色丸出しをやめたのは評価したい。

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-----菅澤-----
安藤---猶本---清家
---塩越--柴田---
上野-はな--石川-遠藤
-----福田-----

(得点)
5分 塩越
11分 清家
16分 川船(長野)、
84分 島田、
87分 稲村(長野)

(交代)
HT 上野→水谷
61分 遠藤→栗島
70分 安藤→島田(菅澤&島田の2トップへ。猶本左SHへ)
88分 清家→植村(植村左SH、猶本右SHへ)

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