【短感】22-23年第2節:東京NB 3-5 浦和L ~ 今年の浦女のコンセプトは「鋼鉄のザル」かよ!!
・計8ゴールも生まれる壮絶な撃ち合いになりましたが、試合自体は終始浦和が優勢。公式記録ではシュート数ベレーザ13,浦和12と互角ですが決定機は浦和のほうが遥かに多かった印象を受けました。ただ浦和の失点があまりにもアレすぎて無駄に失点を重ねた結果、派手なスコアになってしまいました。
・試合後の両チームの監督が「来年の女子ワールドカップに向けてお互いにディフェンスの練習をもっとしなければいけないな」「試合としては荒れた、点数として3-5という大味なゲームになってしまいました」とあまり良い顔をしないのも当然と言えば当然でしょう。興行的には非常に面白い(=昨季のWEリーグに往々にして欠けていたもの)のは間違いないのですが、強いチーム、確実に勝ち点を積み上げられるチームの試合内容ではないのは確か。
・とはいえ、ほぼ1カ月前にカップ戦決勝で0-3のビハインドから後半一挙に3点を叩きこんでPK戦勝ちを呼びこんだのに続いてベレーザから大量得点で完勝。ベレーザは体調不良でFW植木、DF石川を欠き、メニーナの選手を起用せざるを得ない苦しい布陣だったことを割り引いたとしても、ベレーザに浦和への苦手意識を植え付けるには十分な圧勝劇だったとは思います。
・この試合で浦和は怒涛のハイプレスでベレーザに対抗しつづけました。早くも3分には岩清水のパスミスに乗じて島田の決定機がありましたし、その後も浦和がベレーザのパスを中盤で寸断してショートカウンターを仕掛ける場面が続出。53分塩越のパスカットに始まって右サイドから清家グラウンダーの横パス→菅澤ゴールは浦和の狙いが見事にハマったものでした。
・また浦和はボールを奪ったらあまり手数をかけずに直線的にゴールへ向かう姿勢が顕著でした。37分センターサークル付近からハナエスタ柴田スルーパス→猶本裏抜けしてゴールがその典型ですし、83分ロングボールをはながヘッドで跳ね返し、こぼれ玉を清家が浮き球で前方へ展開→菅澤ループシュートも同様。昨年までの浦和はボールを圧倒的に支配するも攻めきれずにカウンターを食らいまくる試合展開が目立っただけにシンプルにゴールを目指す姿は新鮮でした。
・小柄な選手がやたら多いベレーザ戦で体格に勝る浦和がセットプレーでの得点を狙うのは常套手段。24分猶本FK→菅澤ヘッドでのゴールは生まれるべくして生まれたもの。69分CKの跳ね返りをファーで拾った塩越が倒れ込みながらゴールに捻じ込んだのはちょっと出来過ぎでしょうけど。
・このように得点は狙い通りのものだらけだったのに対し、失点は半ば構造的なものが半分、マヌケなものが半分といった印象。
・半ば構造的というのは浦和の前ハメを突破された時の脆さはハンパなく、いきなり最終ライン前がガラ空きになりがちな点。7分の失点は最終的には非常に狭いシュートコースをこじ開けた岩崎を褒めるしかないのですが、その前にバイタルエリアでどフリーで木下から岩崎への展開を許しているのが気になりました。30分には石川の縦パスを村松にカットされてカウンターを食らい、そのまま村松→藤野→村松のワンツーで決定的なシュートを撃たれる惨事も。ゆずほどこ行ったんや・・・
・マヌケなのは42分PKでの失点に至る前の混乱。左サイド深い位置で何度も大きくクリアする機会があったにも関わらず、ボールロストを繰り返して最後はボックス内で倒れながらも手が上がっていた遠藤がハンドを取られたようですが、責められるのはどう見ても遠藤ではなく、その前の一連のボールロストの連続なんだよなぁ・・・特にゆずほ・・・・
・79分の失点は極めつけのマヌケ。縦パスを受けた藤野に対して石川とはなの二人が付いていて、3人とももつれ合って転倒。遅れて遠藤が駆けつけたもののなぜかボールを蹴り出せず、こぼれたボールにいち早く反応した藤野がゴールってどんだけマヌケやねん・・・
・マヌケな失点は個人の能力不足ではなく連携の拙さに起因するものだらけのようにも伺え、時間が解決するのかもしれませんが、現状の浦和は「鋼鉄のザル」と評するのがピッタリ。そんな試合でした。でもベレーザに全然勝てなかった頃の浦和は前プレが効いている時間帯は良い試合が出来るのに電池切れと共に逆転負けするのが通例だったことを思えば、今や中盤で終始ベレーザを圧倒し続けて最後まで顕著な電池切れもしないんだから感慨もひとしお。
---菅澤--島田---
清家--------猶本
---塩越--柴田---
長嶋-はな--石川-遠藤
-----福田-----
(得点)
7分 岩﨑(東京NB)
24分 菅澤
37分 猶本
42分 木下(東京NB)
53分 菅澤
69分 塩越
79分 藤野(東京NB)
83分 菅澤
(交代)
HT 長嶋→水谷
63分 島田→安藤
80分 猶本→栗島(栗島が左SB、水谷がCHへ)
90+1分 遠藤→西村
90+1分 清家→植村
・前節から上野→長嶋、安藤→島田とスタメン2名入れ替え。島田は前節のゴラッソを評価されたのか、いきなりスタメンに抜擢されましたが、その期待に応えるべく3分の決定機は決めないとな!でも53分の菅澤ゴールの前に島田が「俺が!俺が!」とばかりにシュートを撃たずにスルーして相手DFを惹き付ける地味な仕事に徹していたのは若いFWらしくないGJでした。
・左SB佐々木の故障は案外重いのかな?前節は上野、今節は長嶋が起用されましたが、共に前半限りで水谷に交代。
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