2年間ありがとうございました。プロの監督としては良くも悪くも誠実さに溢れてて人柄はめっちゃ信頼できて好きなタイプでした。しかし「この監督でもう一年続けても意味ないな」と思わせるに十分な塩試合でした。
《スタメン》
・浦和は前節から出場停止の酒井に代えて宮本をスタメン起用した他、大畑→明本、江坂→小泉、ユンカー→松崎とスタメン4名入れ替え。
・リカは試合前の会見で「福岡のスタイルも考慮しながらですが、ACLの姿を取り戻すことを今週の最も大きな目標としてトレーニングを行ってきました」と語っていました。ゆえに今季最も良かったACLノックアウトステージの頃のスタメンで福岡戦に臨み、ユンカー&江坂がスタメンから外れることは容易に予想できましたが、大畑共々いきなりベンチ外になってびっくり!! 大畑はともかくユンカーや江坂は大原で練習している姿が公表されていただけに。
・浦和は試合前日(11/4)に「トップチーム選手1名が新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けました」との話があり、ひょっとすると試合当日になって感染が広がったためにいきなりベンチ外になったのかも??と邪推したのですが、試合終了後にスタジアムを周回する選手の中にユンカー・江坂・大畑の姿は確認できたので、なんでいきなりベンチ外なのかさっぱり判らず。
・一方松崎が8月のアウェー名古屋戦以来のリーグ戦スタメン出場を果たした他、ベンチには平野・安居・シャルクと今季出場どころかベンチ入りの機会も少なかった面子がゾロゾロ。
・福岡はCBグローリ→三国の入れ替えのみ

《試合展開》
・福岡は長谷部監督就任以降一貫して4-4-2だったはずですが、いつの間にか3-4-2-1併用型に。直近の札幌戦・柏戦も3-4-2-1で結果も出ており、この試合もそのスタイルを継続してきました。
・リカも福岡が守備時5-4-1になるところまで想定してトレーニングをやっていたようですが、目標も何もない上に監督が今季限りなのも判っているせいかもはやトレーニングの効果はほとんどないようで、全くと言っていいほど見せ場を作れないまま前半終了。大邱相手に一点も取れなかった頃にそっくりの惨状でした。
・福岡はハナからドン引きではなくラフプレーヤーファンマを先頭にそれなりにプレッシャーをかけてきますが、その強度は浦和のビルドアップを制限できるほどでもないので、浦和がほぼ一方的に福岡を押し込む格好に。しかし、そこから先がびっくりするくらい何もない。浦和は福岡の守備ブロックの前でボールを延々と回すだけでロクにシュートも撃てず。前半唯一の決定機は28分左サイドから大久保クロス→小泉ヘッドでしたが、ヘッドは無情にもGK正面に。
・浦和は思い出したように浮き球パスで福岡最終ライン裏を突くも、これが受け手に全然合わず。35分小泉→明本が最も惜しかったくらい。福岡が守備ブロックを整える前に攻め切れれば面白かったのですが、14分福岡の前プレを交わして明本が長い距離をドリブルで運んでゴールに迫る場面があったものの、明本はアーク付近まで来てシュートは撃てず、他へ展開するでもなく、福岡守備陣に潰されておしまい。
・浦和のピンチは27分左サイドでビルドアップに詰まってファンマに際どい一発を撃たれた場面だけ。
・双方チャンスらしいチャンスが少ない上に、GK村上がゴールキックにやたら時間をかける等、他会場(特に札幌vs清水)の様子を見て福岡が「リスクをかけてまで勝ちに行く必要はない」と腹を括ったような試合運びに入ったことも手伝って、もう眠いのなんの。たまにざわついている奴がいるなと思えば「札幌が先制した!!」とのお知らせでした(苦笑)。
・この惨状にはさすがにリカも耐えかねたのか、後半頭から松崎に代えて馬渡を左SBへ投入し、明本左SH・大久保右SHと配転。これで若干攻撃はマシになり、49分高い位置でのボール回収から松尾がボックス内突入(シュートはGKセーブ)、50分岩尾ミドルシュート、55分右サイドで宮本がオーバーラップ&ハイクロスがわずかに中で小泉&馬渡に合わずと徐々に良い感じに。
・そしてその宮本クロスの流れから、56分岩波のミドルシュートが炸裂!!無回転シュートがクロスバーを叩きながらもゴールに吸い込まれました。
・引き分け上等みたいな感じで試合を進めてきた福岡はこれで一気に窮地に立たされましたが、60分に福岡が十八番を披露。湯澤が右サイドからクロス→フアンマのヘッドですぐに同点に。ファンマにはショルツが付いていましたが・・・ それ以上に湯澤にあっさりクロスを許してしまった馬渡が責められる案件かなぁ?福岡のクロス攻撃はもっとも気を付けるべき点のはずですが・・・
・68分宮本→モーベルグと代え、モーベルグ右SH、馬渡右SB、明本左SB、大久保左SHと再び大規模配転を敢行するも、頼みのモーベルグは完調にはほど遠くて投入直後に好位置でFKを取ったくらい。戦況に大きな変化はなく、浦和は福岡の守備ブロックを崩しきれずにミドルシュートをやたら放つだけ。
・周囲はもうこの試合に完全に興味を失って、スマホをチェックする輩が続出。特に完全にバカ試合になっている札幌vs清水!!
・福岡は浦和以上にチャンスはなく、最後まで引き分けで満足するかのような試合運びでそのまま試合終了。無事J1残留が決まってビジター席はお祭り騒ぎでした。

《総評》
・前から強度マシマシでプレスをかけてくるチームにはとことん弱い。かといって引いて5-4-1の守備ブロックを作る相手を崩しきる力もない。その結果が「15」にも及んだ引き分けの山で、今季圧倒出来た相手は攻守とも見るべきものは何もなかった磐田だけ。6月の中断明けにいったんチーム状態が良くなったものの、ACL準決勝以降の失速は顕著で、この試合も御多分に漏れず。
・今季の成績不振については監督以上にフットボール本部の責任が問われてしかるべきシーズンだったとは思いますが、この1年間でのリカの積み上げは非常に乏しく、残留争い真っただ中の福岡相手にこの程度の試合しか出来ないのであればもう1年やらせる必然性は全くない。横浜M戦での惨敗後に抱いた感想をさらに強めただけの試合でした。
・試合の前後にリカが監督契約解除に至った経緯やこの1年間について結構ぶっちゃけた話をしていて、それらに関する感想は別途「【補遺】リカルド ロドリゲス監督の監督職解除」としてまとめる予定です。

《選手評等》
・松崎はアウェー名古屋戦、ルヴァン杯C大阪戦に続いて前半だけでお役御免。もうノーインパクトの極みとしか言いようがなく、悪目立ちすらしない。監督による向き不向きではなく、能力的にJ1では厳しいのかもなあ。
・そして馬渡は「なんだかんだと馬渡のところからやられてしまう」と過去の所属先の監督から言われ続けたパターンをまたしても披露。こちらはどうなるかなぁ?
・選手交代はたった二人だけ。久しぶりにベンチ入りしたシャルクに出番はなく、事実上戦力外なのかも。
・「古巣絶対殺すマン」の後田中達也は福岡移籍後も最近完全に出番を失ってて、こちらももうJ1では厳しいのかも。
・コロナ禍=入場料に収入激減にも関わらず、法人営業を頑張ってスポンサーからの収入を伸ばして黒字を確保した今季の社長の仕事ぶりは褒められこそすれ、ブーイングされる謂れは全くないはず。それでも「社長に脊髄反射的にブーイングする輩が出てくるのが実に浦和!」と案じていたところ、なぜかそんな輩は試合終了後にゾロゾロ退場したため、例年になく社長挨拶は静かなものに。
・だから別に社長は絶叫する必要なんてなかったのに、なぜか絶叫してしまうのが実に浦和。
・最後のスタジアム周回で監督が先頭に立つのが実にリカらしい。締めは選手のお子様たちの大暴れでほっこりさせるいつもの手口www(特にシャル子)
・試合は実にしょっぱかったものの、壺が割れたので試合後は祝杯を上げる赤者が続出した模様。
-----松尾-----
大久保--小泉---松崎
---岩尾--伊藤---
明本-ショルツ--岩波-宮本
-----西川-----
(得点)
56分 岩波
(交代)
HT 松崎→馬渡
68分 宮本→モーベルグ
-----ファンマ-----
--山岸----ルキアン--
志知-前---中村-湯澤
--宮--奈良--三國-
-----村上-----
(得点)
60分 フアンマ
(交代)
80分 フアンマ→渡
88分 ルキアン→金森