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2022.11.10

【雑感】2022シーズンおよび3年計画の振り返りと2023シーズンに向けて

 昨日(11/9)浦和から公表された「2022シーズンおよび3年計画の振り返りと2023シーズンに向けて」についての雑感をまとめておきます。
 
 ホンマは「大槻監督の1年目は当初予定より下ブレで終わったので、これこれを期待してリカを呼んだんだが、やっぱり3年目で目標未達に終わりました」みたいなものを読みたかったのですが、そこまで直截的に書くアホもおらんでしょうし、まぁこんなもんかなぁ?というのが率直感想です。
 
Hanseisaru
 
(1)今後も「クラブ主導でのチーム作り」を継続

 3年計画の3年目で「リーグ優勝」という目標にはほど遠い結果に終わったものの、この3年間を通じて「2020シーズン開幕前に策定したコンセプトに沿って、クラブ主導でチームと選手の育成を進め」ることは出来たし、「これからもクラブ主導で、コンセプトに沿った育成、強化を継続してまいります。」と3年計画終了後も基本的なチーム作りの方針は変えないことを明言しました。
 
 言い換えれば「3年計画は大失敗に終わったので、従来のような『監督丸投げ方式』に戻る」ようなことはしないということでしょう。
 
(2)結局リカに何を求めていたのだろう?

 「チーム」の評価の冒頭に「今シーズン、リカルド ロドリゲス監督の強みである、ピッチ上において選手の位置的な優位性を元にゲームを支配するサッカーと、ボールを保持したときにはまずゴールを目指す縦にスピード感のあるサッカーとの融合を目指してきました。」と謳っているのが目を惹きました。
 
 先に拙稿「【補遺】リカルド ロドリゲス監督の監督職解除」で触れたように、浦和フットボール本部はやはり「縦に早いサッカーもボールを大事にするサッカーも両方できるようにしてくれ!」という要求をはっきりと掲げていましたようです。しかし、リカが最後の記者会見で「『我々がこのスタイルをやっていく上で適切な選手』が揃っていなかった」ことに触れているのを見ると、この虫が良いというか難易度が高い要求をフットボール本部とリカの間で擦り合わせ、妥協点を見つける努力をしていたのかどうか気になります。
 
 さらに「【リスクを負って得点を取りにいくこと<自陣ゴール前に人数をかけてリスクを低減させること】という戦い方が多くなり、得点を量産することができませんでした。」と課題を述べています。しかし、リカのスタイルはそもそも「ピッチ上でコントロール出来ないリスクを最小化する」というもので、凡そフットボール本部の掲げるコンセプトとリカの哲学は真逆のように伺えます。
 
 最後の「姿勢」の項では「クラブは選手一人一人に対し、たとえ負けた試合でも、見ている方々の心を動かすようなプレーや試合をすることを求めています。その観点で言うと、大きく課題を残すシーズンとなりました。」とも述べていますが、ロティーナにも相通じる「リスクをコントロールして、勝てる確率を高める」系の監督はその辺のお気持ち面で物足りなさがあるのは確かでしょう。
 
 よって今回の振り返りを読むと、結局のところ「なんでリカを招聘したん??」という疑問に行き着いてしまいます。敵味方とも全く予想がつかないカオスの中に勝機を見出す「マルティノスサイコロの旅」の後は、やっぱりキジェ招聘が本筋だったのでしょうなぁ・・・
 
(3)低かった守備への評価

 今季の反省点と言えば「とにかく点が取れなかったこと(特にシーズン前半)」を挙げると思いきや、「ディフェンスラインを含んだチームの平均的なプレーエリアが非常に低かったこと。そして次に、アクティブ(能動的)な守備を前線の高い位置から仕掛けることができていなかったこと」と守備面の課題を先に挙げているのが目を惹きました。
 
 その後の「決定力不足」とは対照的に、それらの原因にまで踏み込んでいないのが不思議ですが、正直どちらも中盤より前の主力が「J2オールスターズ」なので強度が不足したからではないかと思います。岩尾も強度が高いとは言いかねますし。ユンカーに至ってはそもそも「アクティブな守備」なんて苦手ですし。その結果、強度マシマシで前からプレスをかけてくる相手にはこの2年間苦労しっぱなしでした。
 
(4)慢心?環境の差?

 「選手編成においては外国籍選手等、怪我によって今シーズンはほぼパフォーマンスできなかった選手もいるなど、質の優位性という点での編成上の課題を認識しております。」
 
 「個性あふれる選手達が相手ゴール前で存分に、イキイキとパフォーマンスできるような、チャレンジしやすい、心身両面における環境設定にも課題がありました。」

 「試合に出場できる選手は11名+交代要員のみであり、それ以外の選手のメンタルも含めたコンディションをどう高く保つかという課題には改善の余地があります。また、監督だけではなく、チームスタッフ、メディカル、フロントスタッフ含め、選手たちに対して個の高い能力を維持し、発揮し続けてもらうためのアプローチには数え切れないほど多くの方法がありますが、そういったマネジメント面において、まだまだ向上の余地があると考えております。」

 今季リーグ戦の戦績が芳しくなった原因は編成面やサポート面に問題があったことを率直に認めています。特に心身両面でコンディショニングに問題があった件についてどういう手を打つのかが今オフの目玉です。

(5)ビルドアップはそんなに改善したかな?

 ポジティブな評価として「チーム全体での自陣ゴール前からの丁寧なビルドアップと崩し」を挙げていますが、これは少々疑問。ビルドアップなんて概念が無きに等しかった大槻時代と比べるとリカの1年目のビルドアップ能力は飛躍的に伸びたと思いますが、2年目は停滞ないし後退した印象すら受けました。その結果がシーズン終盤の大敗の連続。

(6)安居!!!

 故障がちだった酒井に代わって予想以上の出場機会を得た宮本はともかく、ベンチ入りもままならなかった安居の名前を挙げて「来期以降へむけての期待材料」と評価しているのには正直びっくりしました。
 
(7)妥当過ぎる目標の再設定

 「ロクに補強も出来ないのに目標だけはやたら高いんだよなぁ、浦和は!」」とリカにボロクソに言われたせいか、「クラブとして2023シーズン以降は、毎シーズン常に、『J1リーグで優勝争いをすること』『ACLの出場権を獲得すること』を目標とします。」と目標を至って穏当なレベルに緩和し、「3年」といった具体的な数字を掲げるのを止めました。「3年計画」の目標及びスケジュールが具体的過ぎて監督に無理ゲーな要求を強いて、自分で自分の首を締めた感があったのを反省したのでしょう。
 
 

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