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2022.12.27

江坂 任選手 蔚山現代FCへ完全移籍

・先日(12/26)江坂 任選手が蔚山現代FCへ完全移籍する旨が公表されました。

・江坂の移籍話は12/9に韓国メディア「フットボーリスタ」が関係者の話として「江坂の蔚山現代への移籍が近づいている」と報じたのが嚆矢。今季までプレーした横浜F・マリノスから期限付き移籍中の天野純が、来季は全北現代モータースにレンタルされるため、新たな中盤の攻撃の要を探していたとのこと。

・翌日デイリーがその報道を受けて「蔚山に完全移籍することが9日までに濃厚となった。複数の関係者によると、江坂は今季で浦和との契約が満了となり、移籍金は発生しないという。交渉は大筋合意に達しており、今後はメディカルチェックなどを経て、正式契約に至る。」との続報を流し、12/22にはついに機関紙スポニチが「蔚山に完全移籍することが21日までに決定的となった。現地でメディカルチェックを終えており、近日中にも正式発表される見込み。来季まで契約は残っていたものの、クラブとの話し合いの末、本人にとって初の海外挑戦を決断した。」と報じました。

・デイリーとスポニチでは江坂の契約期間が異なりますが、おそらく浦和情報には絶大な信頼と実績があるスポニチが正しく、浦和は江坂移籍に際して何がしかの移籍金を獲得したものと思われます。

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・それにしても、少々不可解な移籍劇でした。

・江坂は2021年6月に柏から完全移籍加入。どうもネルシーニョ監督との確執から柏で干されて末に浦和に転がり込んできた模様。

・当時の浦和はリカ1年目でビルドアップ、特に最前線への配球について小泉が絶対的存在になっており、小泉不在時にはどうしてもビルドアップが停滞しがちという問題を抱えていました。また小泉は組立こそ巧みなものの、得点には多くを期待できませんでした。ゆえに江坂の補強は浦和にとってまさに願ったりかなったり。また江坂が獲得時29歳というのは当時の浦和で比較的薄い年齢層を埋めるという意味でも的確。これ以上ない絶妙の補強でした。

・江坂はリカの期待に応えて、加入直後から基本的に4-2-3-1のトップ下、必要に応じてゼロトップ、2トップの一角などでスタメン出場。過密日程の影響でやむなくベンチスタートになった場合でも必ずと言っていいくらい後半頭から投入されるくらい酷使され続けました。ユンカー不在時の浦和の攻撃陣は決定力に難があり。2列目では最も点が取れる選手として期待されてもいたでしょう。2021年ではショルツや明本と並んで全く代えの効かない存在だったと思います。

・今年も当然ながら主力中の主力として期待され、シーズン開幕を告げるスーパーカップでは江坂の2ゴールで見事に川崎を粉砕!!しかしふり返ってみればなんとその試合が今年の江坂のピークだったようで・・・

・江坂は今年も開幕から代えの効かない選手としてスタメン出場を続けていましたがチームの勝ち点は伸びず、おまけに第12節アウェー柏戦で徹底的に削られた(柏を出る時はかなり遺恨が残ったようで、この試合ではネルシーニョから露骨に「江坂を削れ!」指令が出てた臭いんだよなぁ・・・)辺りから急激にパフォーマンスが落ちて、ベンチスタートになる試合が増えてきました。

・また江坂が調子を落としている間に、7月くらいから松尾CF&小泉トップ下の新布陣が機能し始めて浦和が急激に勝ち点を伸ばしだし、その勢いでACL準決勝を突破するに及んで江坂の立場は一気に苦しいものに。7月以降江坂は後半からの途中投入が基本となりました。

Matunaga

・それでもチームが勝っているうちはその立場を受け入れるしかなかったのでしょうが、ACL終了後再び浦和の負けが込み始めると江坂の「謀反癖」が頭をもたげ始めたようで・・・10月のアウェー広島戦に大敗した後には「チームとして、ポゼッションだけじゃ勝てないともう1回認識しないといけない。理想のサッカーだけじゃ勝てない。個人ではがす部分も必要だし、割り切らないといけない部分もある」「ボールを保持することが一番にきている。ゴールを目指していないし、バックパスが多い。それで相手の勢いが前にきて、プレスがはまりやすい」と監督批判と捉えられても仕方がない発言をしてしまいました。

・柏でネルシーニョに干された時もなんか言っちゃったんだろうなと思わざるを得ない話。しかも柏と違ってスポーツ紙がネタ欲しさにウヨウヨ嗅ぎまわる浦和はちょっとした批判が表ざたになってしまうんだよなぁ・・・

・グロインペイン症候群を抱えたユンカーが強く前プレをかけられないがゆえに出番を失っているのとは違い、江坂は極端にプレス強度が落ちる訳でもないのでリカとの確執さえ無くなれば浦和残留の可能性はそれなりにあったと思いますが、もはや浦和フットボール本部とも「売り言葉に買い言葉」状態なのか、江坂の心はすっかり浦和から離れてしまい、新監督の来日を待たずに蔚山現代へ移籍の運びとなりました。

・まぁ「クラブへの忠誠心ゼロ」の選手なのでJリーグ中位をウロウロしているクラブより、Kリーグチャンピオンのクラブでプレーするのを選ぶのは一応ステップアップなので判らなくもありません。ただ柏&浦和との移籍の経緯から江坂=「何かとめんどくさい選手」というイメージは拭えないでしょう。

・浦和フットボール本部から見れば、移籍金を分捕った上で国内のライバルクラブではなく海外へ移籍してくれるならそんなに悪い話ではありません。また江坂の移籍は急に出た話でもないので、代わりの選手を探していると思います。万一後任なし、あるいは代わりの選手がJ2オールスターズ止まりなら「今年はACL圏入りは諦めました」宣言と受け止めるますが・・・

・一応天皇杯をもたらしてくれましたし、もともと「クラブへの忠誠心ゼロ」な、実力を評価してくれる主君の下へと渡り歩くプロの仕事人的な選手だと割り切ってしまえるので、個人的には江坂にそんなに遺恨はありません。たった1年半の短い期間でしたがありがとうございました。

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