松尾佑介選手 KVCウェステルローへ期限付き移籍
・先日(1/30)、松尾佑介選手のKVCウェステルロー(ベルギーリーグ1部)への期限付き移籍が公表されました。
・松尾の移籍話は1/14に報知が「浦和のMF松尾佑介(25)がベルギー1部のウェステルローへの期限付き移籍が濃厚になったことが13日、分かった。現在は沖縄キャンプに参加中だが、契約交渉は大詰め。期間は1年間で、買い取りオプションが付帯する見通しという。」と報じたのが嚆矢。
・この報道が出た後も松尾はしばらく沖縄キャンプに参加し続けていましたが、1/20のトレーニングキャンプからようやく「海外クラブへの移籍を前提とした手続きと準備のため(中略)チームを離脱」と公式発表されました。そして1/30に期限付き移籍が決定したとの流れ。このタイミングを待っていたかのように「文春」が派手に祝砲を打ち鳴らしています(苦笑)。
・キャンプに参加していた選手が突然移籍するというのはこれが初めてではなく、最近では橋岡もそう。Jリーグと欧州主要リーグの移籍ウィンドウがズレているがために「Jリーグの編成が大方終わった時点で選手が突然欧州へ移籍する」「冬に欧州で獲得した選手が開幕に間に合わない」という話が頻発します。
・松尾の「年齢的にも僕にとってのラストチャンスかもしれない海外挑戦。チャレンジしない自分が想像できませんでした。浦和レッズに来たから僕は、このチャンスを貰えたと思っています。」とのコメントから伺えるように、そもそも浦和への移籍自体が海外移籍へ向けての足がかりであり、年齢的にラストチャンスと思われるタイミングで飛び込んできたオファーに飛びついたということなのでしょう。キャンプ途中での移籍なんてチームには迷惑極まりないのですが、そんな移籍を認めないと有望な選手は来ないのが実情なので、もはやそういうことを織り込んでチーム編成せざるを得ないかと。
・松尾は昨季横浜FCからの完全移籍加入。松尾は横浜FCと契約が残っていたので移籍金を払っての獲得でした。しかし松尾は故障で出遅れてリーグ戦で試合に出始めたのは4月に入ってから。しかもその後しばらくは途中投入止まり。
・しかし、5月末のアウェー福岡戦で初めてフル出場、しかも本職の左SHではなくなんとCFで起用されたのが転機に。小泉とのセットで前からガンガン相手にプレスをかけてゆくスタイルがハマりにハマって、ACLでもリーグ戦でもチームの戦績は一気に好転し、そのままシーズン終盤までチームの主力中の主力に定着しました。
・ただ松尾CFは、ユンカーが故障がちな上に前からガンガンプレスをかけるスタイルを得意としていないことから来る「窮余の一策」という側面も強く、CFとしては得点能力がしょぼすぎてがっかりさせられた場面も多々。それでも明本CFよりはマシでしたが(苦笑)。
・スコルジャが松尾をどのポジションで起用しようと考えていたのか全く判りませんが、リカ同様「(J1での得点能力には疑問符がつくが)とにかく前からガンガンプレスをかけてくれるCF」という点では高橋を獲得しているのでたいした痛手にはならないかもしれません。しかし本職の左SHでの起用を考えていたのであれば、松尾見合いで獲得した選手はいないのでそのポジションが手薄になった気も。もっとも本職が大久保と関根しかいないだけで、場合によっては明本や荻原、さらにはシャルクやリンセンも転用できるでしょうから、慌てて補強には動かないでしょう。
・松尾は川口市出身で浦和レッズジュニアユース&浦和レッズユースに在籍していたもののトップチームには上がれず仙台大に進学し、横浜FCを経由しての浦和凱旋という経緯があるせいか、少々言動が鬱屈しているというか斜に構えているというか、かなり変わった色をわざわざ出していて、それが不思議な人気の源泉になっていました。
・念願かなってようやく掴んだ欧州移籍。KVCウェステルローが思わず買い取りオプションを行使したくなるくらいの活躍を見せて、浦和に何がしかのお土産を残してくれるよう願うばかりです。
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