温泉津「震湯カフェ内蔵丞」 & 温泉津温泉
島根県の中部にある温泉津(ゆのつ)温泉。近隣の港が石見銀の積み出し港だったことから世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」の登録を受けていますが、普段は歓楽色が薄い鄙びた温泉街です。
その中で一際目立つ派手な建物が薬師湯の旧館。温泉津に現存する温泉施設としては最古、大正時代に建てられた木造洋館で、今は温泉津では数少ない飲食店「震湯カフェ内蔵丞」として営業しています。
もともと浴室&更衣室だった館内にはアンティークな家具・調度品がゴテゴテと並んでいて、少々装飾過剰な気がしないでもないのですが、重厚な雰囲気を醸し出しています。
注文した「内蔵丞カレー(1000円)」はルーの中にいろんなものが溶けこみまくって非常に粘り気が強くてとにかく旨味で押しまくるタイプ。その反面たいして辛くはなく、若干酸味強めといったところでしょうか。
具はれんこん、赤ピーマン、にんじん、じゃがいも、かぼちゃ、半熟卵、しいたけ等で、じゃがいも以外の野菜類は素揚げして火を通した感じ。思いのほか満足度が高い一杯でした。
食後には隣の薬師湯でひと風呂。こちらが新館といっても昭和29年築なので相当年期が入っています。100%かけ流しで、日本温泉協会の天然温泉の審査で最高の「オール5」の評価を受けたのが自慢。泉質は「ナトリウム・カルシウム-塩化物泉」で当然ながら若干塩気がある上に、少々鉄臭いのが特徴でしょうか。ただ建物の大きさと比べて湯船は驚くほど小さく、小判型の湯船が浴室中央にポツンとあるだけ。
中央部の出っ張りというか出窓は2F休憩室。
3Fからは屋上バルコニーにも出られ、湯上りの涼み処に。隣の旧館から突き出た尖塔がやたら目立ちます。
| 固定リンク