杉本健勇選手 ジュビロ磐田へ完全移籍
・先日(1/4)、ジュビロ磐田へ期限付き移籍した杉本健勇選手が、そのままジュビロ磐田へ完全移籍することとなった旨が公表されました。
・杉本は2019年にC大阪から完全移籍加入。当時の浦和はファブリシオが長期離脱中な上にズラタンの退団も決まっていて、FWの頭数は不足気味。世代交代の意味合いも兼ねて当時26歳だった杉本に目を付けたのでしょう。12年ロンドン五輪代表で、A代表経験もあってネームバリューはかなり高いという、いかにもシュータン好みの補強です。チームに合う合わないとは何の関係もなしに。
・そして残念ながら杉本は浦和在籍の2年半、浦和の期待を徹頭徹尾裏切り続けました。浦和のFWでは唯一高さのある選手でハイボールをある程度収めてくれはしますが、ハイクロスをヘッドで合わせてバンバン点を取るタイプではありません。ポストプレーも出来なくはないのですが、武藤よりはマシといった程度で興梠には遠く及ばず、従ってCFにはあまり向いていません。守備もある程度真面目にこなしますし、フォアチェックもさぼらずやってくれるのですが、献身性という点では武藤に遠く及ばず。
・何より致命的だったのはあんまりな決定力。2017年にFWへコンバートされた山村のポスト能力を活かしての2トップ体制がハマリにハマってリーグ戦22ゴールを決めており、それが正しい杉本の使い方なのだろうと思いますが、2020年大槻体制下で度々2トップの一角を任されながらも杉本はとうとう覚醒することはありませんでした。特にレオナルドには露骨に無視されて非常に気の毒なことに。
・また杉本は全く空気を読めない性格なのか、不振を極めているにも関わらず月額2980円の会員制SNS、オンラインサロンサービスを始めて浦和サポの怒りの炎に油を注ぐことに。さらに2021年初の沖縄キャンプでは柏木共々規律違反(=飲食店貸切っての外食)を犯してしまいました。
・柏木と違って杉本は規律違反としては初犯だったせいかチーム追放は免れ、しかも興梠が故障離脱中だったこともあって開幕戦にはスタメンで起用されるなどリカも杉本を諦めずに何度も出場機会を与えましたが、最後の最後まで杉本は眠ったまま。興梠の復帰と共にベンチスタート&途中投入が基本となり、ユンカー加入後はベンチ入りさえも難しくなりました。
・杉本はよく言えばある程度なんでもこなしてくれる、悪く言えばこれといった特徴がないFWと化しており、しかも「いろんなタスクを負わされて可哀そう」という庇いだてが虚しく聞こえるくらいFWとしては致命的なくらい得点を期待できない。その割りに高年棒というとんでもなくコストパフォーマンスが悪い選手なので、西野TDの目線では放出対象になってしまうのは至極当然でしょう。
・そこで7月に横浜Mへ期限付き移籍。横浜Mはオナイウが今夏フランス2部トゥールーズへ移籍したためCFの補強に動いたものと思われますが、オナイウを失ってもなお選手層が厚い横浜Mではそれほど出番はなく、リーグ戦11試合に出場したもののスタメンはわずか2試合。基本的に後半途中からの出場止まりで、しかもリーグ戦最後の4試合はベンチ外になってしまいました。
・それでも横浜Mでは3ゴールを上げたので杉本の評価は(少なくとも鞠サポの間では)浦和よりマシだった模様。従ってそのまま横浜Mに借りパクされても不思議はなかったのですが、空恐ろしいことに浦和と杉本との契約は3年で満了ではありませんでした!!さすがに横浜Mもこのレベルの選手に違約金を払ってまで獲得する意欲はなかったようで、今年一杯で浦和へ返却。レンタル継続の話も出なかった辺り、横浜Mフロントの杉本評もそんなに高くなかったのかもしれません。
・この時点で既に杉本の心は完全に浦和から離れていた模様。いくら興梠が移籍してCFが手薄になったとはいえ、こんな選手を返却されてそのままチームに留めておくほど今の浦和はバカではなく、磐田からの期限付き移籍のオファーを渡りに船とばかりに快諾したようです。
・磐田での杉本はリーグ戦30試合1778分出場とほぼレギュラー格の扱い。最前線でそれなりにボールを収めてくれるのでそこそこ重宝されたようですが、肝心の得点能力は依然として眠ったままだったようで、1年でわずか1点止まり。それもPKだったというあんまりな結果に終わりました。
・この結果では磐田から返却されても何の不思議もなかったのですが、磐田はFWファビアン・ゴンザレスとの契約規律違反を巡ってFIFAから来季の補強禁止などの処分を食らってしまったので、その処分に該当しない「期限付きで加入済の選手の完全移籍」という形で磐田は杉本を確保せざるを得なかったようです。横浜Mへのレンタルが終了した時点でまだ杉本との契約期間が残っていたのには心底驚きましたが、今回はさすがに契約切れでのゼロ円移籍でしょう。まさかの5年契約でまだ契約期間が残っていたのであれば、浦和はもはや買い取るしかない磐田の足元を見て杉本売り抜けに成功したことになりますが(苦笑)。
・C大阪へ莫大な移籍金を払った話は出ていない(=たぶん契約切れに伴うゼロ円移籍)のでシュータンの「負の遺産」としては杉本はまだマシなほうなのでしょうが、それにしても杉本との長期契約にはホトホト参りました。浦和在籍中の2年半もの間に何一つ良いところはなかったと断言できる、あんまりな出来に終始した杉本でしたが、2021年4月の日本平で決めたスーペルゴラッソだけは眼福モノでした。ありがとうございました。
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