キャスパー ユンカー選手 名古屋グランパスへ期限付き移籍内定
・先日(1/5)、キャスパー ユンカー選手の名古屋グランパスへ期限付き移籍が内定したとの旨が公表されました。同選手はメディカルチェック後に正式契約となるとのこと。
・ユンカーの移籍話は昨年12月半ば辺りから表面化。12/14にはデンマークメディア"BT"がMLSのポートランド・ティンバーズがユンカー獲得へ向けて動いていると報じ、12/22には機関紙スポニチが「デンマーク人FWキャスパー・ユンカー(28)の移籍も濃厚となった。米MLSポートランド・ティンバーズが好条件の正式オファーを提示。そのほか、国内外の複数クラブが獲得に興味を示しているという。」とやや突っ込んだ形で同じ旨を報じました。
・ところが12/25に日刊や報知が「浦和FWキャスパー・ユンカー(28)が今季限りで退団し、新たな移籍先に名古屋が国内の最有力候補に挙がっていることが24日、分かった。」と報じた辺りから風向きが変わり、年明け1/5には報知が「J1名古屋が浦和からデンマーク出身FWキャスパー・ユンカー(28)を期限付きで獲得することが4日、明らかになった。」と当確を打って、同日レンタル移籍内定の運びに。珍しく機関紙スポニチが報知に出し抜かれた形になってしまいました。
・ユンカーは2021年4月にKボーデ/グリムト(ノルウェー1部)から浦和へ完全移籍加入。獲得当初、西野TDは「今シーズンに関しては時間が掛かると思っています。得点を取るためには得点を取る場所にボールを運ぶ、正確なボールを入れるということも併せて必要になってきます。そうした態勢が整ったときにはリーグのトップスコアラーになってくれる可能性がある選手だと思って獲得しています」と語っていましたが、超意外なことにユンカーは加入直後からいきなりゴールを量産。イケメン長身というルックスとその「ツイ廃」ぶりも相まって、早々と浦和の人気選手にのし上がりました。
・ところが8月のトレーニング中に右頬骨を骨折したのがケチのつけ始め。それでも8月の試合はフェイスガード着用でスタメン出場を続けていましたが、9月以降はフル出場は一度もなく、後半途中から、あるいは前半のみの出場に留まる試合だらけになり、そもそもベンチ外になる試合も目立ち始めました。誰もがユンカー欠場の理由を訝しんでいたところ、11月末になって報知が「10月10日のルヴァン杯準決勝・C大阪戦でグロインペイン(脚の付け根)を負傷したと明かした」と報じました。
・このグロインペインにユンカーは長く苦しむことになり、2022年リーグ戦開幕時はベンチ入りも出来ず、ベンチ入り&途中出場は3月に入ってから。その後もフル出場出来た試合は非常に少なく、リーグ戦中断期間後の6~7月はグロインペインが再発したのか再びベンチ外に。この間リカがやむなく松尾をCFで起用したところ、その強烈なプレッシングが奏功したのか浦和の戦績が急激に好転してユンカーの立場はますます辛いものに。
・ユンカーは8月からピッチに戻ってきましたが、もともと「ボックス内での仕事人」なタイプな上にグロインペインを気に病んでか最前線から鋭くプレスをかけるようなことはしないので、次第にリカ的には使いづらい存在に。またリカがユンカーを途中で交代させたり、途中投入に留めたりしたことについて、ユンカーとあまりコミュニケーションが取れていなかったのか、次第に感情的に対立しているようにも伺えました(この辺は江坂も同じ)。
・浦和とユンカーとの契約はデンマークメディア"BT"が2022年1月に「両者が2024年1月までの契約延長で合意した」と報じており、契約はあと1年残っている模様ですが、ユンカーはグロインペインを抱えていて今後もコンスタントな出場が見込めない上に、スコルジャ新監督が語る「ハイプレスを増やしたい」「ボールを失ったらできるだけ早く取り返す、できれば相手のペナルティーエリアの近くで取り返す」というタスクに耐えられそうにないとして、浦和が損切りした模様です。
・レンタル先が噂ベースで先行していたポートランドではなく名古屋になった理由は全く判りません。金銭面でMLSのクラブに神戸ならともかく名古屋が圧倒的に優位とも思えないのですが・・・また名古屋から移籍金を分捕って完全移籍なら浦和にも悪くはない話だったと思いますが、放出したいのは浦和の方なので足元を見られたのかレンタル移籍に留まりました。レンタル料で揉めたのか「キャスパー ユンカー選手は2023シーズン公式戦にて浦和レッズの『ホームゲーム』には出場できません。」と、なんとも不可解な条項が付いています。
・浦和がユンカー放出に至った理由は非常に合理的ですし、ユンカー自身にも全く悪い印象はありません。もっともユンカーはグリムトと揉めた末に浦和へ来てますし、浦和とも円満とは言い難い形で出ることになったので、ああ見えても案外面倒な選手なのかも。その辺は江坂同様。
・今季の数少ないフル出場試合=横浜M戦で0-3のビハインドからハットトリックで同点に追いついたことと、ACL準決勝で延長後半終了間際に劇的な同点ゴールをぶち込んだのが個人的に印象に残った試合の双璧かな? 圧倒的な人気にも関わらず浦和在籍は意外に短いものになってしまいましたが、ありがとうございました。
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