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2023.03.27

【観戦記】23年ル杯GS第2節:浦和 1-1 清水 ~ ワンサイドゲームになるんじゃなかったのか???

 最初の選手交代までほぼ一方的な浦和ペースでしたが、その間に1点しか取れなかったのが災いに。その後は選手を代えれば代えるほど悪くなるありさま。ルヴァン杯らしい試行錯誤の連続で高い授業料を払う羽目に。

《スタメン》

・浦和のスタメンは直近のリーグ戦から興梠→リンセン、明本→荻原、マリウス→岩波、西川→牲川と4名入れ替え。試合前の監督記者会見で起用が示唆されていたGK牲川以外はベンチスタートも含めてお試し色皆無。記者会見で名前が挙がっていたカンテや堀内、早川といった面々は影も形もなし。

・スコルジャは同記者会見で通常ベンチスタートの選手たちに出場機会を与える必要がある反面、リーグに通常出場している選手たちを起用しないと試合間隔が2週間空いてしまって試合感のところで不安が残ることにも触れており、今回のスタメン&ベンチメンバーが後者をかなり重く見たのでしょう。

・また同記者会見でリーグ戦5試合でメンバーを固定している理由の一つにACL決勝が迫っていることを挙げており、それに向けて固定メンバーで連携を深めることを選手層を厚くすることより優先させているようです。

・なお彩艶がU-22日本代表に選出されているため、この試合にはU-21選手の先発出場義務ルールが適用なし。

・清水は中2日でリーグ戦を控えているせいか、直近のリーグ戦からスタメン全員入れ替え。サンタナはベンチにもおらず。

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《試合展開》

・試合は立ち上がりから一方的な浦和ペース。清水はほとんど前からプレスをかけて来ず、4-4-2でリトリート主体に守っていましたが、縦パスが入って来たところでボールの受け手に対して特に厳しく対処するわけでもなく、おまけに球際で負けまくるのでほとんど守備の体をなしていなかったかと。

・さらになんとかボールを奪い返しても素早く攻守を入れ替えた浦和のプレス網に捕まってロクにビルドアップは出来ず、仕方なくコロリ目掛けてロングボールを蹴ったところでショルツに易々と迎撃されてしまい、浦和に一方的に殴り続けられる無間地獄に陥ってしまいました。

・そんな相手に浦和は5分岩尾スルーパス→関根シュート、6分右サイドから関根クロス→酒井ヘッド、29分こぼれ玉を拾った関根がミドルシュートと決定機を作りましたがいずれも決められず。この試合を通じて酒井が巧く相手最終ライン裏を取ってマイナスに折り返したり、ショルツが何度もモーゼ攻撃を仕掛けたりと見せ場はアホほどありましたが、いずれもラストパスがわずかに合わなかったり、シュートまで持ち込めなかったり・・・

・降り続く雨でピッチはかなりスリッピーだったようで、なぜか浦和に滑って転ぶ選手が続出。肝心なところで転んでしまって失点に直結することだけが怖いと思っていたら21分右SB北川のクロスをヘッドでクリアしようとした岩波が転倒!!コロリに決定機が転がり込みましたが、幸いにもシュートは枠外。

・一方的な試合内容なのに一点も入らないというもどかしい展開でしたが、ようやく38分に浦和に待望の先制点。左サイドから荻原クロス→リンセンがボールにライダーキック!!みたいな格好で飛び込み、GK大久保は弾き切れずにボールはゴールの中へ。

・先制点を取られた直後から前半終了まで清水が攻勢を仕掛ける場面もありましたが決定機らしい決定機は掴めず、後半になると試合は再度浦和ペースに。58分アーク付近からリンセンが巻いて放ったシュートはGKが辛うじてセーブ。59分CKからの流れでこぼれ玉を拾った関根がアーク付近からミドルシュートを放つも、これまたGKがセーブ。61分清水の自陣深い位置でのミスに乗じてリンセン→関根の決定機を掴むも、またまたGKがセーブ。そして62分ショルツ渾身のモーゼ攻撃から大久保に決定機が訪れるも、大久保はなんとシュートをGKにぶち当て・・・

・決定機を逃し続けたところでスコルジャは66分関根→モーベルグ、66分小泉→安居と交代。試合展開とは無関係な、リーグ戦を見据えてのコンディション調整的な意味合いが強い交代と思いましたが、モーベルグが入ったのはいつもの右SHではなく、なんと左SH!! 投入された時は清水FKだったので、たまたまセットプレーの守備の流れで左サイドにいるものと思っていたのですが、時が経ってもずっと左サイドにいるのは心底驚きました。

・そして案の定というかなんというかモーベルグは全くゲームに入れずに右往左往するばかり。71分清水のロングフィードを荻原が難なくヘッドでクリアして、前にいるモーベルグへ繋ごうとしたものの、モーベルグはボールをコントロールしきれないでいるうちに背後から迫って来た北爪にボールを奪われる大失態。北爪からボールを受けたコロリはアーク手前から豪快にミドルシュートを突き刺してまさかまさかの同点に!!

・モーベルグ投入後浦和の守備はガタガタになり、73分には北爪クロス→途中投入の北川がヘッドを放つもここは牲川が好セーブ。あまりの惨状にスコルジャも逆転負けの臭いを感じたのか、75分岩尾→明本、大久保→興梠と代えてモーベルグ左SHを早々と断念。それでも浦和の状態はグダグダのままで、66分までの一方的な試合展開は何だったのかと訝しくなるくらい。86分最後に投入された平野が自陣深い位置から右サイドでフリーのモーベルグへ展開。モーベルグ得意中の得意な展開になりましたが、モーベルグはCB井林にあっさり封じられる始末。

・ATはドタバタ劇の連続。90+1分には自陣深い位置での明本の横パスを北川に奪われる大ピンチがありましたが、牲川がビッグセーブ!! 90+3分には浦和のプレスがハマってのカウンターでリンセンスルーパス→GKが前に出ているのを見て興梠がループシュートを放つもバーの上。モーベルグがどフリーで併走しており、そちらに出したほうが可能性ははるかに高かったでしょうに・・・試合後興梠は「モーベルグは見えてなかった」と語っていますが、それは表向きモーベルグを庇っただけで、内心全然モーベルグを信用してないんじゃないかと・・・

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《総評》

・どこからどう見ても「重要な勝ち点2を失った試合」でした。J2、しかも控えメンバーだらけの相手に、ほぼフルメンバーで挑んで引き分けで終わってしまうとは誠に残念無念。試合終了後出島の方々がまるで勝ったかのように歓声を爆発させていたのも無理はありません。

・まさかまさかの引き分けに終わってしまった直接の原因は「モーベルグ左SH」という奇策にあったのは間違いないでしょう。スコルジャは試合後「デヴィッドのところで別のオプションにどういうものがあるかを、今は見ているところでもあります」と、ルヴァン杯らしい試行錯誤だったことを認めています。それ以外にも左SHは小泉→関根→モーベルグ→明本とコロコロ代わり、選手起用こそお試し色はほとんどなかったものの、選手の配置にルヴァン杯らしいお試し色を強く出した結果、勝ち点2という高い授業料を払う羽目になったのかもしれません。

・また質疑応答の最後のほうで「交代のときに、チームの構造を少し変えましたので、交代選手が機能しなかったから勝てなかった試合だとは言えないと思います」等々、「構造」をキーワードに哲学的な問答が続いているのが気になりました。この辺は双方何を言っているのかさっぱり判らないので識者の解説を待つことにします。単に終盤興梠&リンセンの2トップにしたことかもしれませんが。

・まぁこういう「お試し」で高い授業料を払うのはルヴァン杯ならではの話なのであまり気にならないのですが、明らかに問題なのはモーベルグ投入までワンサイドゲームだったにも関わらず一点しか入らなかったこと。

・試合後も「シュートの一つ前まではよくなっていると思うが、その先については、トレーニングでも質が十分でないのか、トレーニングではうまくできていても試合ではかみ合っていないのか?」と記者にがっつり喰いつかれ、スコルジャも「改善・進歩のところがあまり見られていない」と頭を抱えたままのようです。モーベルグが大不振に陥っている中で「CFらしいCFがいないのに、この2列目でどうやって点を取れっちゅーねん!!!」と言いたいかもしれませんが、とにかく浦和は2列目に得点力が無さすぎ。しょぼい、しょぼすぎる!!

・リンセンは興梠みたいに中盤に下がっては来ない反面、サイドに流れる癖がある様子。従ってCFに興梠を起用しようが、リンセンを起用しようが、CFに代わってボックス内へ誰かが入らないと点が取れません。そのCFと入れ替わって中へ飛び込む形が出来ている分リカ時代よりはマシと感じますが、飛び込む2列目が揃いも揃ってしょぼすぎ!!! はるか後方から敦樹が飛び込むのが一番マシというのは結構深刻な問題かと・・・

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《選手評等》

・前半は「牲川はほとんど守備機会のないまま終わるかも」と思っていたのですが、終盤突然見せ場の連続に。好セーブ連発もさることながら、フィードといい、ビルドアップへの寄与といい、特段怪しいところはなく、第3GKなのが勿体ないくらい。

・リンセンがついに浦和でゴール。それ以上に最後までハードワーク出来る辺りがリンセンの真骨頂なのかも。ユンカーはこれが出来ないから放出対象になったのが良く判る出来でした。もっとももうちょっと点を取って貰わないと割に合わないのですが・・・

・左SB荻原は都内の方々とはしっくりこないようなので、東武東上線にしてみたらこれもイマイチ。そしてもうやんと組ませたら大決壊して、最後に北関東連合に戻した時にはもう荻原の電池が切れていたっちゅーのがこの試合の笑いどころというか泣きどころというか。明本に代わってスタメンで出るのはちょっと難しそう。

・浦和のモーゼが日本海歩いて渡れるレベルで何度も海割れ起しているのに前目の奴らは全然決められないとなると、そりゃモーゼも最後はぶちきれるわなぁ。一緒や!!ナンボ守っても!!!ショルツがあからさまに味方に怒っているのは今年初めて見たかも。

・今日の主審は決定的な疑問符が無かった分、Jリーグでではマシなほうと思ったけどなあ。Jリーグの中では。

・ルヴァン杯&雨&J2相手&シーチケ対象外とはいえ、もはや1万ちょっとしか入らないことを考えると、駒場に価値を見出している方はかなり少なくなっているみたいで。今後は埼スタが何らかの事情で使えない事態にならない限り、天皇杯以外での駒場開催はないでしょうなぁ。残念ながらもう駒場はJ1の興行の場としてはボロすぎるわ・・・

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-----リンセン-----
小泉--大久保---関根
---岩尾--伊藤---
荻原-ショルツ--岩波-酒井
-----牲川-----

(得点)
38分 リンセン

(交代)
66分 関根→モーベルグ(モーべルグ左SH、大久保右SH)
66分 小泉→安居(安居トップ下へ)
75分 岩尾→明本(明本左SH、モーベルグ右SH、安居CHへ)
75分 大久保→興梠(リンセンとほぼ2トップ)
84分 伊藤→平野


---乾---コロリ----
カルリーニョス-------中山
---宮本--神谷---
吉田-井林--菊地-北爪
-----大久保----

(得点)
71分 コロリ

(交代)
64分 神谷→ホナウド
64分 乾→北川
84分 コロリ→岸本
84分 中山→森重

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