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2023.04.30

【DAZN観戦記】ACL2022決勝第1戦:アルヒラル 1-1 浦和 ~ 予想以上の好結果、好内容で折り返し

 かなり腰が引けたような形で試合に入ったのが災いして早い時間帯に失点。しかし浦和の立て直しは案外早くて一方的な試合にならなかったどころか、ややラッキーな形でアウェーゴールをもぎ取ってのドローという予想以上の好結果での折り返しに。

《スタメン》

・4/9名古屋戦で故障した酒井は随分早い時期に大原に姿を現していたので、「ACL決勝に間に合うと見せかけた実は故障したまま」という「逆アジジ作戦」ではないかと案じられ、前日の記者会見でも酒井の状態は何とも言えない感じでしたが、無事スタメンに復帰。よってACL決勝第1戦は鉄板のスタメンで臨めることに。

・3つしかないACLの外国人枠の3つ目に滑り込んだのはやはりカンテで、まずはベンチスタート。

・アルヒラルの外国人枠はイガロ、マレガ、ミシャエウ、そしてアジア枠でチャン・ヒョンスとこちらも予想の範囲内。

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《試合展開》

・アルヒラルの基本布陣は4-3-3と聞いていましたが、蓋を開けてみるとどう見てもイガロ&マレガの2トップでミシャエウが右SHにいる4-4-2。

・試合後スコルジャも選手達も残念がっていましたが、浦和の試合の入りは全く良くありませんでした。良く言えば相手の出方を見極めるために慎重に試合に入ったのでしょうが、どちらかと言えばどアウェーの雰囲気に飲まれ、相手の圧力にも押しつぶされ、少々びびったような状態で試合に入ってしまったかなぁ。

・まぁスタメンでACL決勝の経験があるのは西川・関根・興梠だけですし、欧州でビッグゲームの経験がある酒井やショルツは別格としても他の選手はいきなり未経験ゾーンに突入したようなものですから、こうなってしまうのも無理はないかと。

・浦和は全然前からプレスには行かず、自陣に4-4-2の守備ブロックを敷いて構えるのはともかく、なんとかボールを奪っても全くと言っていいほど前に繋げないのには参りました。ボールを保持して自分たちの時間を作るどころか、ボールを持つのを怖がるかのように簡単に前に蹴っては相手に奪い返されるの繰り返し。

・そして13分に早々と失点。明本がミシャエウにあっさりと抜かれたのはともかく、ミシャエウの低いクロスへの対応でショルツと西川の連携が拙くてどちらもボールに触れられず、非常に狭いところを抜けたボールをファーでアルドサリにぶち込まれてしまいました。

・浦和が初めて反撃に転じたのは18分小泉の浮き球縦パスが最前線の興梠に通るも、プレスバックしてきたDFに捕まってシュートは撃てず。

・浦和がなんとか落ち着きを取り戻し、曲がりなりにもボールを持てるようになったのは前半も半ばを過ぎてから。しかし28分大久保が高い位置でボールを奪った好機で、バスを出した先の興梠がまさかの転倒。この転倒場面もさることながら、見た目と違ってピッチコンディションが良くないのか、前半はボールコントロールに失敗する場面が散見されました。

・特に24分には小泉の緩い、緩すぎるバックパスが直接相手に渡ってしまった場面は失点しなかったのが不思議なくらい(しかも小泉のバックパスが相手に渡ったのはこれが2回目)でしたし、31分には岩尾のGKへのバックパスがなぜか浮いてしまって枠内を襲い、西川が辛うじて処理する場面も。

・後半になると浦和の最終ラインも上がって、前からのプレスも次第にきつめに。ボール支配率は依然としてアルヒラル優位でしたが、序盤と違って相手にボールを持たせている感じに。

・そして53分大久保のスルーパスのクリアし損ねがなんとポストを直撃。その跳ね返りを諦めずに詰めていた興梠がぶち込んでややラッキーな形で同点に!!しかも貴重なアウェーゴール!! なおACLも次大会からアウェーゴールルールは廃止されるので、これが最後のアウェーゴールになるかも。

・後半唯一危なかったのは66分縦パスがボックス内でマレガに通った場面。しかしマレガのシュートはわずかに枠外。72分にはマレガが露骨にシミューションでボックス内で倒れる場面も。この猿芝居に引っかからなかったマリウスは立派。でも目の前で見ていたはずの主審はイエローを出さず。

・立ち上がりから守備に奔走させられた浦和の消耗は激しく、足を攣る選手が続出して67分興梠→カンテ、小泉→安居、81分酒井→荻原、大久保→早川、85分伊藤→柴戸と早めに選手交代。カンテの守備がいかにも手ぬるいのには参りましたが、その分安居が前目での守備強度マシマシ。おまけにカンテの穴を埋めるかのように早川まで激走ってユースの子にそこまで重荷を背負わせるなよ・・・

・途中でミシャエウが左に回ったり、3トップ気味にしてみたりと手は尽くしたものの完全に攻め倦み状態に陥ったアルヒラルは焦りの色が濃く(おまけにスタジアムもまるで飛田給のようにうなだれ、すっかり静かになって浦和サポの声しか聞こえない状態に)、86分ラグビータックルで突破を阻止しようとした岩尾ともつれ合って倒れたアルドサリが、なんと岩尾の腹を蹴ってしまって一発退場!!お前は車屋か・・・サレム・クルマヤなのか・・・

・ATには前プレが効かずにロングボールが右サイド深い位置のマレガに通ってしまい、マレガの折り返しがゴールマウスを横切るというヒヤリとする場面もありましたが、アルヒラルの決定機らしい決定機は結局のところ失点場面と66分の2回だけでした。

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《総評》

・戦前予想はアルヒラルが断然優位。アルヒラルはサウジアラビア代表がゾロゾロいる上に、豊富な資金力に物を言わせて外国人選手も強力。おまけに2019年ACL決勝にも出場していた選手がかなり残っていて経験豊富。

・一方今回の浦和の面子で現役代表クラスは酒井だけ。外国人選手は3人目がかなり頼りなく、おまけにACL決勝の経験がない選手がゾロゾロ。そりゃアウェーでの第1戦は「1点ビハインドくらいなら上出来」と考えるのも無理はないでしょう。

・そんな思いが選手達にも色濃く出てしまったのか、立ち上がりは最悪と評されても仕方ないかと。ところがそこで立て続けに失点しないどころか決定機らしい決定機も与えず、割と早い時間帯にチームを立て直せたのが「アウェーゴールを一つもぎ取ってのドロー」という予想を遥かに上回る好結果に繋がりました。

・後半明らかに浦和を攻め倦み、焦りの色が濃くなっていったアルヒラルの選手達、そしてすっかり静まりかえってしまったスタジアムを見ると、アルヒラルってチームもサポも相手にリスペクトされるのに慣れ過ぎているのかも。自陣に引き籠っているだけのチームなら自信をもってタコ殴りに行くけど、前に出て殴り返してくるチームへの対応は案外苦手という印象を受けました。

・第2戦はスコアレスドローでも浦和優勝ですが、下手に守りきろうとすると相手を勢いづかせるだけ。6万人近くの大声援をバックに「次の試合ではさらに攻撃的に、ゴールを目指しながらプレーしたいと思っています」というスコルジャの言葉そのまんまの試合になるでしょう。2019年の時ほど相手との実力差はないことがはっきり判りましたし。

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《選手評等》

・アルヒラルのストロングポイントが右サイド攻撃と聞いていたので明本の出来が心配でしたが、最初にミシャエウにスコーンと抜かれて以降は実に粘り強く守って、しょーもないファウルで止めることもなし。途中で北関東のスイッチが入ってしまう場面もありましたが、得意の喉輪はちゃんと封印していました。

・関根がヘロヘロになってしまい、やむなくラグビータックルでアルドサリを止めにいった岩尾課長。彼もまた北関東の人間であった・・・でもまさかアルドサリの一発退場を誘発するとは、岩尾本人も思わなかっただろなあ・・・

・ショルツ&マリウスだと相手FWの質的優位で殴り倒される心配はまずないのがでかい。マレガには際どい一発を浴びましてしまいたが、レガロは完封。それだけにショルツは失点場面の対応が悔やまれることでしょう。

・酒井が81分に交代した時は強行出場が祟っての故障再発か!!と案じられましたが、試合後の酒井本人の弁によると第2戦に備えて無理をしなかっただけみたいで。でも安居が知らん間に投入されてるとか、酒井が知らん間にいなくなっているとか、選手交代の場面をちゃんと写さない中継には参りました。浦和のスタメン紹介なんて「アレクサンダー岩波」「マリウス敦樹」「慎三犬飼」とか滅茶苦茶でしたし。

・かつてよりも入国が容易になったとはいえ、キング・ファハド国際スタジアムに詰めかけた赤者はなんと700人!!精鋭中の精鋭が集っただけあって、終盤は静まり返ったスタジアムの中で赤者の声だけが響くことに。誠にお疲れさまでした。

・そして深夜の埼スタでのパブリックビューイングには7000人弱もの赤者が(苦笑)。SRの終電でやって来て、始発で帰るのか・・・


-----興梠-----
関根---小泉--大久保
---岩尾--伊藤---
明本-マリウス--ショルツ-酒井
-----西川-----

(得点)
13分 アルドサリ
53分 興梠

(交代)
67分 興梠→カンテ
67分 小泉→安居
81分 酒井→荻原(荻原が左SB、明本が右SBへ)
81分 大久保→早川
85分 伊藤→柴戸

※写真は試合とは全く関係ありません。

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