【DAZN観戦記】23年第6節:柏 0-3 浦和 ~ ついにFWが点を取りだした!!
前半はどちらかといえば柏ペースだったにも関わらず、先制点を取られるや否や急激に失速。終盤は全く反発力を見せることなく、終わってみれば大敗。これが「長らく勝ってないチーム」なのかと背筋が寒くなりました(遠い目)
《スタメン》
・浦和のスタメンは直近のルヴァン杯からリンセン→興梠、荻原→明本、岩波→マリウス、牲川→西川と4名入れ替えで、リーグ戦新潟戦と全く同じ。但し、ルヴァン杯でのあんまりな出来が祟ったのかモーベルグがベンチ外になって、代わりにシャルクがベンチ入り。
・試合前の記者会見で「公式戦にはかなり近づいてきています。すでにフルで全体トレーニングに参加していますので、近くお見せすることができると思います」との言及があったカンテはベンチ入りならず。
・柏のスタメンは直近のルヴァン杯から武藤→仙頭、片山→戸嶋と2名入れ替え。武藤とU-22欧州遠征帰りの細谷はベンチスタート。今季スタメン出場を続けていた右WB/SB片山がベンチにもいないのが謎でしたが、ルヴァン杯で60分と早めに交代させられているので小破したのかも。
・なおリーグ戦広島戦からはスタメン4人変更(片山→戸嶋、細谷→仙頭、山田→サヴィオ、椎橋→小屋松)で、ルヴァン杯のほうをベースにスタメンを組んだのは広島戦の試合内容がスコア(0-1)以上に悲惨だったからかも。またこの広島戦から19歳のCB田中とCB土屋を起用し始めたのも謎。
《試合展開》
・柏は相手の基本フォーメーションに合わせてわざわざ「ミラーゲーム」に持ち込んでくるという話もありましたが、この試合は基本3-1-4-2、守備時5-3-2で浦和の4-2-3-1と対峙してきました。浦和は2列目の並びが新潟戦とは違い、頭から左SH関根は久しぶりに見たような。
・開始早々小泉がバイタルエリアから放ったシュートがポストを直撃しましたが、序盤の浦和の見せ場はそれだけ。フォーメーションの噛み合わせが悪いせいか浦和のプレスは全然ハマらず、立ち上がりはフロート目掛けてロングボールをバンバン蹴ってくる柏ペースで推移。14分仙頭CK→ファーのサヴィオに際どいシュートを撃たれてヒヤリ。
・22分岩尾CK→ファーでどフリーの酒井ヘッドはGKの正面に飛んでしまったものの、このあたりからようやく戦況は五分五分に。しかし浦和はビルドアップに苦しんで最終ラインでボールを回している時間がやたら長く、たまに縦パスを入れても興梠が柏守備陣に徹底的に潰されて、高い位置でボールが回らないまま時間が徒過しました。
・これといった決定機は掴めないものの内容的に柏やや優勢で前半が終わろうとしていたところ、44分マリウスのロングフィードを最前線で明本が頭で落とし、ボックス内に突入した関根が2人を交わして縦に突破してからの折り返しを興梠が決めて浦和先制。興梠はDFに囲まれながらもシュートフェイント一発(何かに躓いたようにしか見えないフェイントw)でDFどころかGKもずっこけさせてしまう神業を見せてくれました!!これぞ点取り屋!!
・またこの場面、興梠の神業もさることながら、興梠の後ろにはフリーで酒井、ファーには大久保がこれまたフリーで突っ込んでいるので柏には思った以上に絶望的な局面だったみたいで。
・後半になっても浦和が最終ラインでボールを回している時間がやたら長い試合内容は変わらず。しかしリードしている以上もはや浦和は急ぐ理由がありません。ビハインドの柏はとりあえずボールを奪わないと話にならないのですが、負け癖がついているチームの性なのか、あるいは単なるトレーニング不足なのか、一向にプレッシングの的が定まらないまま走り続ける選手達は次第に疲弊。特に頼みのフロートの疲弊が顕著に。
・前半浦和のプレスは全くハマりませんでしたが、GK守田のキック精度が酷いことに目を付けたあたりからそれなりにハマるようになり、次第にフロートへ効果的なボールは入らなくなったのも地味に効いたかも。
・そこでネルシーニョは63分戸嶋→モハマド、69分フロート→細谷、小屋松→山田と早めに選手を代えましたが、組織的にボールを奪う形が出来ないのは変わりなし。柏の決定機は71分ショルツが左サイドで無理に出した縦パスをサヴィオにカットされ、そのままカットインしたサヴィオに際どいミドルシュートを撃たれた場面だけ。
・浦和もだらだら後方でボールを回しているだけで、攻撃の形は58分右サイドから酒井の低いクロスがCB古賀にクリアされてわずかに興梠に合わなかった場面があったくらい。スコルジャも消耗を考慮して62分興梠→リンセン、72分関根→シャルク、小泉→安居と早めに選手を代えましたが、途中投入の出来の差が試合を決定づけることに。
・75分最後尾からしっかり繋いでから大久保のスルーパスはリンセンを狙った臭いのですが、カットしようとしたCBに当たったのが幸いして、こぼれ玉に反応したシャルクがどフリーでゴール!
・さらに82分明本のパスを受けて安居が左サイドを激走。安居→大久保→シャルクがワンタッチでクロス。これをいつの間にかボックス内に突入していた明本がジャンピングボレー!おいおい、とにかくシュートが下手で決定機を外しに外していた明本が、よりによって難易度がめっちゃ高いボレーシュートだけ決めるんだよ!!ファーにどフリーでいたリンセンは「俺の見せ場が取られた!!」って頭抱えとるやんw
・試合はこれで事実上終了。終盤の柏の見せ場はAT+2分サヴィオFKが枠内を襲った場面だけで、それも西川が難なくセーブ。途中投入の細谷は一回得意の裏抜けを見せただけで、あとは消えっ放しでした。
《総評》
・シュート数は柏7、浦和8と少なく、しかも浦和が60%以上ボールを支配しているとはいえ最終ラインで回しているだけの時間が長かったので第三者的にはやや退屈な試合だったかもしれません。
・しかし、浦和はシュート数が少ない割には決定機を悉く決めて(決められなかったのは22分酒井ヘッドだけ)終わってみれば大勝。柏はシュート数こそ拮抗しているものの、ボックス内からのシュート数で大差がついたようで「決定機の質の差」がそのまんまスコアの差になったようです。浦和のリーグ戦4連勝は2017年4月以来なんだとか(もっとも同年7月末にミシャは解任されましたがorz)。
・それにしても点を取るのはなぜかCHやSBばかりだった浦和が、ルヴァン杯清水戦でのリンセンのゴールを皮切りにとうとう前目の選手がボコボコ点を取り始めるようになるとは!!
・しかも3点目なんて安居が左サイドを激走してるとか、大久保が左に流れてパスを受けているとか、知らん間に明本が中へ入っているとか、複数の選手がポジションを替えながら柏守備陣をきっちり崩すってスコルジャの理想形でしょうなぁ、たぶん。スコルジャが「昨日までのレッズにとって、シュートのところはあまりストロングポイントではありませんでした。」と頭を抱えていたのに、上手く行く時は実に見事なもの(苦笑)。
・今の浦和が後方からきっちりボールを繋げるのはリカの遺産で、それゆえ結果が出始めるのはリカよりずっと早いのでしょうが、リカが最後まで出来なかった「アタッキングサードに入ってからの崩し」に関するスコルジャの仕込みもちょっとずつ実になりつつあるのかも。
・またリーグ戦どころかルヴァン杯清水戦ですらベンチに入れなかったシャルクを突然ベンチに入れただけでなく、勝負所で途中投入。そしてそのシャルクが1ゴール1アシストで応えるとは監督冥利に尽きるというもの。と同時に、シャルクの活躍は現在ベンチに入れない選手にも刺激になるでしょう。長いシーズンを闘う上で絶対に必要な、ベンチ外の選手を含めてのチームの一体感。そんなものがこの試合を契機に浦和に積みあがると良いのですが。
・一方柏は先制点を取られるまでは今季一勝もしていないどころか、昨年8月の京都戦を最後に全く勝っていないチームとは信じ難いくらいの出来。やや優勢といっても差し支えない出来だったにも関わらず、ひとたび先制点を取られると急激に失速して全くの無為無策というか、笛吹けど踊らずというか、ほぼ無抵抗状態に陥って終わってみれば大敗。
・先制点を取られたら最後、後はいとも簡単に土俵を割る姿ってちょっと前までの浦和もそうだったんだよなあ、と思わず遠い目に。もうやっていることに自信がないんだよなあ、たぶん。それなのに長期契約が祟ってネルシーニョ監督を切るに切れないとの噂。これは辛いで・・・(つД`)
《選手評等》
・突如起用されて、その起用に見事応えたシャルク。ベンチ外が続き、いろいろとメンタル的に葛藤はあったようですが腐らずに練習した甲斐がありました。スコルジャとも対話を重ねていたようですが、ベンチ外になっても腐らない外国人選手ってベンチスタートになるとすぐブーたれる選手より監督的にはありがたいのでしょう。またシャルクはリンセン兄貴との相性がめっちゃ良いのかも。この組み合わせで使ったことってなさそうですし。
・なおシャルクは昨年のホーム柏戦でもチームがコロナ禍に見舞われたことを契機に左SHでスタメン出場して浦和加入後リーグ戦で初ゴールを上げており、何気に対柏専用機にw
・数年前まで何か知らんけど外国人枠を余らせていたチームだったのに、今や外国人選手同士でベンチ入りを巡って競争が発生しているとは!!ルヴァン杯清水戦のあんまりな出来でとうとうベンチ外になってしまったモーベルグ。どうするモーベルグ??
・興梠は柏守備陣のマークが厳しい上に主審との相性も悪かったので下がって中盤でボールを収める仕事は全然出来ませんでした。その辺は本人も認めているようですが、FWとして最重要の「点を取るお仕事」を完遂した以上、もう何も言うまい。ありがとう、興梠。
・「興梠選手はレッズの将軍と言ってもいいと思います」って、お飾りに過ぎない将軍が日本史上アホほどおるのをスコルジャは知らんのでしょうなあ・・・でも興梠は執権とか、興梠は大老とか言い出すのも嫌やな(苦笑)
・この試合の主審はトム ブラモールさん。「審判員交流研修プログラム」としてイングランドより来た審判員の一人だそうで。でもプレミアから来た主審の割にはこまめにファウルを取るのには驚きました(その割に興梠へのアタックだけ全然ファウルを取らんのは謎)。でも怪しい笛はなかったのでJ基準だとかなりマシな主審という感想。あえて言えば明本のファウルスローを取る主審はあんまりおらんでしょうに。
-----興梠-----
関根---小泉--大久保
---岩尾--伊藤---
明本-マリウス--ショルツ-酒井
-----西川-----
(得点)
44分 興梠
75分 シャルク
82分 明本
(交代)
62分 興梠→リンセン
72分 関根→シャルク
72分 小泉→安居
83分 大久保→荻原(荻原左SB、明本左SH、シャルク右SH)
83分 岩尾→平野
---仙頭--フロート---
--小屋松--サヴィオ---
三丸---高嶺---戸嶋
-田中--土屋--古賀-
-----守田-----
(交代)
63分 戸嶋→モハマド
69分 フロート→細谷
69分 小屋松→山田
83分 高嶺→椎橋
※写真は試合とは全く関係ありません
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