ふく寿司@広島・広島駅弁当(「おみやげ街道新山口店」にて購入)
時刻表上では新山口駅から「駅弁マーク」が消えて久しいのですが、これは新山口駅の駅弁屋が廃業したためで、実際は広島の「広島駅弁当」が新山口駅の売店で駅弁を売っています。
当然ながら「夫婦あなごめし」や「もみじ弁当」といった広島駅でも売っている駅弁も並んでいますが、今回はいかにも山口らしい「ふく寿司(1200円)」を購入。
この駅弁はもともとは下関の名物駅弁。しかし製造元の下関駅弁当は新山口駅の小郡駅弁当に吸収合併される形で消滅。いったん「ふく寿司」は小郡駅弁当が引き継いだものの、今後は小郡駅弁当が駅弁から撤退したので現在は広島駅弁当が製造販売中という経緯を辿っています。なお「ふぐ」では「ふく」なのは下関での「ふぐ」の呼び名に由来しています。
酢飯の上に錦糸卵を敷き、その上にえび酢漬、ふぐ皮酢漬、椎茸煮、いくら醤油漬、茎わかめ醤油漬、生姜酢漬などがゴテゴテと並んでビジュアルは結構賑やか。山陰でありがちな「かに寿司」の類と違って酢飯の酢加減も割と穏やか。
ただ肝心のふぐはどうも唐揚げのようで・・・もともとはこれも酢漬だったはずですが、製造元が2度も変わった過程でレシピが失われたのか、あるいは変に大昔のレシピに拘らず、客の好みの変化に合わせて行った結果なのか・・・ふぐの唐揚げは食感が硬いのが残念ですが、味は「ふぐひれ酒」の「ふぐひれ」に相通じるようなほんのりとした香ばしさが感じられ、他の具材が酢漬だらけで単調になりがちなところを救っています。メインの具なのに箸休めっぽい仕事をしているのは妙な話ですが。
またお酒のアテには不向きな面々の中で異彩を放っているのがうにくらげ。ほんのちょっとしか入っていませんが、これだけはお酒に合う!合う!!
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