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2023.05.29

【DAZN観戦記】23年第15節:京都 0-2 浦和 ~ いつの間にこんなに勝負強いチームになったんや!!

 手数こそ京都が優勢で浦和の決定機は僅少でしたが、それでもセットプレーからの流れで2ゴールを奪っての完封勝ち。いやはや浦和がこんなに勝負強いチームになってしまうとは!!

《スタメン》

 共にルヴァン杯から中2日。浦和はルヴァン杯でフルターンオーバーしたので、元のリーグ戦のメンバーに戻すだけと思いきや、何と酒井がスタメンに復帰。「酒井は故障が慢性化していて中3日で使うのは厳しい」という話があり、しかもルヴァン杯に後半途中投入されたばかりだったので、この試合でのスタメン起用には心底驚きました。
 
 福岡戦で負傷交代を余儀なくされた明本もベンチ入り。ルヴァン杯前の会見で「そこまで重傷ではないと思われますが、復帰のタイミングも早過ぎてはいけませんので、見極めながら行っていきたいと思っています」と話していたのは何だったのか・・・代わって馬渡がベンチ外になったのはルヴァン杯でのやられっぷりが監督の心証を害したのかも。逆にルヴァン杯の出来を評価されたのか、モーベルグもベンチ入り。
 
 京都は驚いたことにパトリック・木村・川﨑・麻田を除く7名がルヴァン杯からの中2日での連闘。京都はここまで4-1-2-3のアンカー以下がほぼスタメン固定な反面、前目が試行錯誤中という印象でしたが、リーグ戦4連敗と結果が出ていないので、直近のルヴァン杯でG大阪相手に勝ったメンバーを軸に切り替えたのかも。

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《試合展開》

 京都は例によってキジェ流のハイテンション・ハイライン・ハイプレスの「3ハイ」で試合に入り、5分自陣アーク付近で後ろ向きの岩尾が川﨑に絡まれてボールを失う大ピンチがありましたが、川﨑がシュートモーションに入るのを手間取っているうちにマリウスが戻って来てシュートブロック!!さらに12分カウンターから右SB福田クロス→パトリックがオーバーヘッドシュートを放つも威力が無くて西川楽々キャッチ。
 
 ビルドアップに苦労していた浦和も20分くらいから徐々に反撃開始。20分右サイドから大久保クロス→安居ヘッドはバーの上。31分カウンターで大久保クロスのこぼれ球を安居が拾うもシュートはブロックされて枠外へ。さらに41分岩尾スルーパス→安居シュートも枠外。不思議なことに浦和のチャンスになったところでフィニッシュに絡むのは全部安居で、興梠はどこにいったのやら?
 
 スコルジャは後半頭から大久保に代えてモーベルグを投入。大久保の出来も悪くはなかったので、今後中3日&中3日で広島戦・鹿島戦が控えていることを考えてのプレー時間調整的な交代とその場では思ったのですが、試合後の会見によると「右サイドの強化」という戦術的な意図があった模様。そしてルヴァン杯でのモーベルグの出来を相当評価していることも明かされました。
 
 そしてゲームが動いたのは52分、川﨑の不用意なファウルで得たFKから。モーベルグFKは壁を直撃するも、そのこぼれ球を拾ったモーベルグが縦に仕掛けて右足でふんわりクロス→ファーでどフリーの興梠がシュート。これがカバーに入った福田の体に当ってコースが変わったのも幸いして浦和が先制。ややラッキーな側面もありましたが、ボックス内でボールを拾ったモーベルグを京都守備陣全員が見入ってしまって興梠がどフリーなのには腹から笑いました。
 
 しかしその直後の54分にはこの試合最大のピンチ。浦和右サイド深い位置でパトリックがショルツを薙ぎ倒すもなぜかファウルは取られず、パトリックがクロス→豊川ヘッドがバーを直撃。その跳ね返りを再度豊川ヘッドも今度は西川がワンハンドで枠外へ押し出して難を逃れました。
 
 59分には浦和は興梠→カンテ、荻原→明本、岩尾→平野と代え、京都も豊川→山田、木村→木下と選手交代。京都がボールを持つ時間が長くなったものの、もともとボール保持を得意とするチームではないせいかこれといった決定機は作れず。64分谷内田のシュートがモーベルグの残り脚でブロックされたのが惜しかった程度。頼みのパトリックもマリウス&ショルツ相手ではどうにもならず。とはいえ、浦和も浦和でしっかりボールが握れず、カウンターも仕掛けられずに試合はグダグダに。
 
 事故でもなければそのまま浦和逃げ切り勝ちの様相が濃かった試合展開でしたが、浦和がダメを押したのが90+3分。右サイドでFKから。モーベルグが意表を突いて中央の伊藤へ横パス→伊藤がどフリーで低いミドルシュート。ディフレクトしたせいかGK太田は弾くのが精一杯でしたが、正面に弾いてしまったのが運の尽き。真っ先に反応したカンテが待望の追加点を上げて勝負あり。

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《総評》

 スコルジャが試合後「非常に強いプレスをかけられて、我々もかなり苦しみました。ビルドアップを用意してきましたが、そのプレッシャーの下で、あまり実行することができませんでした。ですので、切り替えのところくらいしかチャンスがなかった試合でした。」と語った通り、面白い試合でも良い試合でもありませんでした。
 
 しかし勝ったのは浦和。浦和の決定機らしい決定機なんて2回しかなかったと思いますが、それを共に決めての完封勝ち。しかも共にセットプレーからの流れで。
 
 シュート数、枠内シュート数、ボックス内からのシュート数とも京都が優勢。そして何の慰めにもならないことで悪名高いゴール期待値は1.77vs1.05と大差がついたようですが、傍目からすれば京都の決定機らしい決定機って54分の豊川ヘッドだけかと。しかもそれが決まっていればVARでパトリックのショルツへのファウルが取られて取り消しになっていた可能性が高かったでしょう。
 
 浦和って両CBを中心に守備が堅いので、決定機を作ったように見えて寸前のところでブロックされてしまう、あるいは西川が楽に取れる範囲内にシュートコースを狭められて撃たされてしまうケースが非常に多く、シュート数、さらには枠内シュート数の割には案外相手に決定機はありません。
 
 攻撃陣、特に2列目の得点力がしょぼすぎて、ACL決勝が典型例のように「守り勝ち」がメインシナリオになっているのが今の浦和で」、この試合も御多分に漏れず。スコルジャは「それで良し」としている訳ではないでしょうが、ACL必勝を最優先にチーム作りをしていたせいか、結果的にそんな色彩が濃くなっている傾向は否めません。
 
 しかし、ここに来てカンテがついにチームにフィットし始めてポコポコ点を取りだし、さらにACL決勝では出場枠に入れず、小破もあって不遇をかこっていたモーベルグも覚醒の兆しを見せて、ようやくしょぼい、しょぼすぎる攻撃陣に厚みが増してきたのは明るい材料。
 
 そしてルヴァン杯で非常にいいパフォーマンス、いいプレーを見せてくれた選手が何人もいて、スコルジャが試合後「今後はスタメンにもう少し変更を加えていってもいいのではないかと思っています」と語ったように、これまでリーグ戦ではほぼ固定していたスタメンを少しずつ入れ替える目途が立ったのは過密日程を闘う上でこれまた明るい材料でしょう。

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《選手評等》

・ルヴァン杯に続いてリーグ戦でもゴールを決めたカンテ。こぼれ玉にいち早く反応してDFを抑え込んでる上に、GKの動きを見て空いてるところに撃ってるんだから凄いわ!!この落ち着きが大久保に欲しい!!

・モーベルグはひとしきり捏ねた後に右足でふんわりクロスが新しい芸風になってきたのかなあ。カットインからの左足一発ではJ1だと「一発屋」どまりだから、新芸風に期待。

・ゲームメーカー的な仕事は全く求められないトップ下って実に面白い。そんな仕事に適性を見出される安居。良い監督に巡り会ってホンマ良かった。

・日本代表に選出された京都のアンカー川﨑。DAZNでもしきりに取り上げられていましたが、どう見ても強度マシマシとラフプレーをはき違えている典型的なキジェ専用機と思ったけどなあ。この程度なら間違いなくすぐに伸び悩むでしょう。しかし、川崎といい森下といい、単なるラフプレーヤーが代表に選ばれるってなんなんやろ?

・木下は後半途中から出てきたものの、最後までいないも同然で全く存在感なし。京都では徐々に出番が減りつつあるようで、やっぱJ1.5かな?

・この試合非常に難儀だったのが御厨主審。浦和のイエローカード3枚はいずれも妥当ですが、京都の悪質なファウルはなぜかスルー。特にパトリックが繰り出す肘打ちにイエローを出さないのが謎でした。御厨主審は無位無官なので麿にイエローなんて無理なんやろうなあ(意味不明)

・亀岡までアホほどやって来た赤者。昨年の開幕戦はまだいろいろ制限があったから、亀岡は今回が初めての赤者が多かったのかな??個人的には小さい吹田、駅に近い吹田スタジアムという印象を持っていますが・・・

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-----興梠-----
関根---安居--大久保
---岩尾--伊藤---
荻原-マリウス--ショルツ-酒井
-----西川-----

(得点)
52分 興梠
90+3分 カンテ

(交代)
HT 大久保→モーベルグ
59分 興梠→カンテ
59分 荻原→明本
59分 岩尾→平野
89分 関根→早川

木村---パトリック--豊川
--平戸---谷内田--
-----川﨑-----
麻田-イヨハ---アピア-福田
-----太田-----

(交代)
59分 豊川→山田
59分 木村→木下
74分 麻田→井上
78分 福田→荒木
78分 川﨑→金子

※写真は試合とは全く関係ありません。

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