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2023.06.08

【TV観戦記】23年天皇杯2回戦:浦和 1-0 関西大学 ~ 勝てば良かろうとしか言いようがない

 過密日程ゆえほぼフルターンオーバーで天皇杯に臨んだのは理解できるものの試合内容は悲惨で、しかも個人レベルでも収穫といえるものはほとんどなく、まさに勝っただけの試合でした。トーナメントなのでそれで十分なのでしょうが。

《スタメン》

 浦和は鹿島戦から中3日、かつ7連戦の6試合目であることも考慮して、リンセン以外スタメン全員入れ替え。故障離脱していた小泉がいきなりスタメンに復帰。
 
 なお彩艶と早川は世代別代表で欧州遠征中。

《試合展開》

 試合の入りはもう目を覆いたくなる惨状。関大の基本フォーメーションは4-4-2で、学生らしく、悪く言えば後先考えずに元気よく前からプレスをかけてきました。その勢いに浦和はたじろいだのか、立ち上がりは自陣におしこまれてしまいました。もっとも関大もサイドから攻撃の形は作れたものの、犬飼&岩波が控える中央を割るのは難しいようで、可能性の感じられないシュートを何本か放っただけ。
 
 10分も過ぎるとようやく浦和がボールを握り始めましたが、最終ラインでボールを回している時間帯が長くてビルドアップに四苦八苦。おまけにパスミスが続出しただけでなく、あろうことか球際で学生相手に競り負ける場面も目立つテイタラク。もう「自爆ボタンを握りしめながらプレーしている」ようにしか見えない選手が何人もいるのにはホトホト参りました。
 
 それでも最初に決定機を掴んだのは浦和。16分カウンターで小泉が右サイドのモーベルグへ大きく展開。モーベルグがDFと対峙しながらカットイン&左足シュートという得意になりましたがGKがセーブ。前半はこのような右サイドで開いているモーベルグや馬渡を使う攻撃が繰り返し見られました。
 
 さらに25分には敵陣深い位置で小泉がボール奪取。リンセン→ボックス内でモーベルグが右足でシュートを放ったが枠を捉えきれず。
 
 ゴールにより近い決定機こそ浦和のほうが多いものの、浦和は相変わらずパスミス、トラップミスだらけで不安定極まりなく、失点の臭いがするのはどう見ても浦和の方という残念な状況で時間が徒過。なおスタート時の浦和の布陣はリンセン左SHの4-2-3-1でしたが、あまりにも機能しないことを見てスコルジャは25分で諦めて、リンセンFW、小泉左SHの4-4-2に布陣変更。しかし、それで劇的に良くなった感じはせず。

 そこでスコルジャはついに57分柴戸→伊藤、小泉→明本、モーベルグ→大久保の3枚替えを決断。この交代、特に伊藤と大久保の投入効果は絶大で、これ以降浦和が関大を自陣に押し込んで一方的に攻め続ける展開に。

 60分右サイドから大久保がドリブルで持ち運んでからリンセンへくさびの縦パス→リンセンが右にはたいてカンテがシュートを放ったものの、シュートはなんとGKの正面。
 
 77分にはGKが前に出過ぎているのを見たリンセンがセンターライン付近から意表を突いてロングシュートを放ったものの、辛うじてGKがキャッチ。79分には左サイドから明本クロス→リンセンヘッドも力なくGKの元へ。80分右サイドから大久保がカットイン&シュートと得意の形を作りましたが、これまたシュートは仕様通りに枠外へ。
 
 この試合浦和最大のピンチは87分岩波のロングフィードをカンテが収めそこなってカウンターを食らった場面。浦和は攻勢に転じてやや前がかりになっていたこともあってか、頭数はいるのに関大の反撃を組織的に受け止められず、しかも2番のスルーパスをボックス内で受けた4番に対して大畑が安易に飛び込んで豪快に交わされる大失態。しかし4番のシュートを岩波がゴールマウス直前でブロック。こぼれ玉を詰めた3番のシュートはバーの上。時間も時間なので、これが決まっていたら浦和が2回戦で負けていた可能性が極めて高かった決定的な場面でした。
 
 中3日で横浜C戦が控えているので延長戦をやりたくないのか、スコルジャは90分に大畑→荻原、カンテ→髙橋と代えてみたものの、その甲斐もなく試合は延長戦突入。

 ただ左サイドの「北関東連合」はやはり学生には脅威だったようで、93分荻原が独力で左サイドを突破&クロス→髙橋には僅かに合わなかったものの、こぼれ玉をリンセンシュート!しかしDFにブロックされてゴールならず。
 
 98分には犬飼が両足を攣って試合続行不可能となり、マリウス投入という非常事態に。
 
 そしてついに均衡が破れたのが105分。リンセンが高い位置でボール奪取したのを契機に、左サイドから荻原グラウンダーのクロス→ボックス内で明本がどフリーでシュートを放つものの、イージーな決定機は決まらないの明本の仕様通りにDFがブロック。しかしこぼれ球を伊藤が押し込んでようやく浦和先制。

 先制したとはいえ延長後半15分が丸々残っていて、最後は馬渡も足を攣って動けなくなり、明本が右SBに回って馬渡を右SHに出し、大久保が左SHに回る応急措置。しかし、関大も途中怪我人や足を攣る者が出て早めに選手を代えざるをえなかったのが祟って反撃の余力はなく、そのまま試合終了。

《総評》

 それにしても酷い試合でした。試合終了後駒場スタジアムをぐるぐると挨拶に回る関大の学生さん達に惜しみない拍手が送られた一方、浦和の選手達には野次が飛び交っていたのもやむを得ないでしょう。正直この出来ではもうリーグ戦で見ることはないというレベルの選手も何人かいましたし・・・
 
 スコルジャも「今日は非常に悪いゲーム、非常にプレーが乏しい試合でした」「今日の試合の勝者は関西大学だった」「今日の試合では、(メンタル、フィジカル、もしくは戦術)全ての面で足りなかったと思います」とこの試合をボロクソに評していて怒り心頭のご様子。怒りのあまりコメントが短すぎて、この残念な試合の主因がどこにあると見ているのか監督のコメントからはよく判りません。
 
 同じようにほぼターンオーバーを仕掛けた先週のルヴァン杯川崎戦のスタメンと比べると違っているのはトップ下(小泉→早川)とGK(彩艶→牲川)だけ。ルヴァン杯川崎戦では普段の控え組の出来にスコルジャもそこそこ手応えを得ていたようなので、まさかここまで酷い試合になるとはスコルジャも夢にも思わなったことでしょう。
 
 スコルジャが話さなかった、話せなかったことを小泉の試合後コメントから察するに、メンタル面では「みんな少し余裕がなかった」「必要以上にネガティブになっている、ナーバスになっている」、戦術面では「ビルドアップのところでいい立ち位置を取る、もしくは個人の質で着実にビルドアップしていく方法と、多少ひっくり返してハイプレスでそこに閉じ込める、その2つの方法があったと思いますけど、どちらも中途半端な形になってしまいました。」といった辺りでしょうか。
 
 伊藤なんて「一人一人自分勝手なプレーをしてましたし、少しチームとして機能していなかった。」と辛辣な評価をしており、傍目にはこのコメントが最もしっくりきました。言い換えれば「大学生を相手にしてリスペクトが足りなかった」と。
 
 リーグ戦でスタメンでは出られない選手、そしてベンチ入りも難しくなってきた選手にはそれなりの理由があることが良く判った試合。見ている者にとっては、甚だ残念な意味合いながらそれが収穫と言えましょう。

《選手評等》

・小破してベンチ外が続いていた小泉がこの試合でいきなりスタメン復帰。コンディションは思いのほか良さそうで、この試合のスタメンではマシなほうと感じました。早めに下げられたのは出来の悪さではなく、横浜C戦での出場を睨んだものと目されます。

・小泉は「前日練習であまり僕が落ちない形を多くやっていたので、そういうところにとらわれすぎたと思います。」とのコメントを残していて、やはりスコルジャ流の「公式試合でのテスト」を課された上でプレーしていた模様。ただ周りの選手、特に往々にして自由過ぎるプレーをする前目の外国人選手をコントロールする「猛獣使い」としてはもはや早川に及ばない気も。

・スコルジャはなぜかリンセン左SHでの起用に拘り続けていますが、今日も今日とて単なる時間の無駄遣いに終始。しかし2トップの一角に入ったところで決定機は決められず、何の連動性も感じられないまま気ままに走り続けること120分。それだけ走れるのが凄いといえば凄いのですが、こんなに組織の中に組み込むのが難しく、しかも点も取れない選手をこれ以上抱える意味があるのかどうか。大学生相手にすら違いを見せられない、大学生相手ですらボールが収まらないリンセンって何なん??臨戦体制!!!ってワクテカしてたあの日々が虚しいわ・・・

・柴戸、平野、馬渡、モーベルグ、大畑と「自爆ボタンの早押し競争」「自爆ボタンの連打競争」みたいになっていて恐ろしいのなんの。今の敦樹は今の柴戸の3人分くらい仕事しているイメージ。柴戸はなんでこんなに敦樹と差がついてしまったのか・・・

・そしてこの試合でベンチにすら入れない松崎・知念・シャルクはもはや戦力外で夏の放出候補なのだろう。

 この試合のMOMは関大の女子マネ。同志社や関学ならともかく、関大に可愛い女子マネがいるのが意外過ぎたわ!!昔とだいぶイメージちゃうなぁ・・・そして出島にも女子マネがいるのには驚いた!!!

Komaba_20230608092601  

-----カンテ------
リンセン---小泉--モーゲルグ
---柴戸--平野---
大畑-犬飼--岩波-馬渡
-----牲川-----

(得点)
105分 伊藤

(交代)
57分 柴戸→伊藤
57分 小泉→明本
57分 モーベルグ→大久保
90分 大畑→荻原
90分 カンテ→髙橋
98分 犬飼→ホイブラーテン(両足攣ったため)

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