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2023.06.12

【DAZN観戦記】23年第17節:横浜C 0-0 浦和 最下位相手に塩試合ではリーグ優勝なんておこがましい限り・・・

 7連戦の最終戦&ムシムシした環境下で選手達の疲労も溜まりに溜まっていたせいか、90分間ほとんど見せ場を作れずに試合終了。これではリーグ優勝なんて夢のまた夢ですなぁ・・・

《スタメン》

 浦和は5/20アウェー福岡戦から続く7連戦の最終戦。水曜日の天皇杯でほぼターンオーバーを敢行したことから予想されたことですが、この試合では天皇杯のスタメンから全員入れ替え。前節鹿島戦のスタメンと比べるとリンセン→岩尾の入れ替えのみ。
 
 但し、鹿島戦と比べるとベンチメンバーが大きく代わり、彩艶、モーベルグ、早川、カンテがベンチ外となり、代わって鹿島戦ではベンチ外だった牲川、小泉、髙橋、平野がベンチ入り。リンセンもベンチスタート。
 
 といっても彩艶と早川は世代別代表の欧州遠征、カンテもギニア代表に招集されての離脱なので、純然たるベンチ外はモーベルグだけという勘定。モーベルグは天皇杯での不振でまた一から出直しにになったと目されます。
 
 またエジプト戦が14日なのでカンテはてっきりこの試合を終えてから代表合流と思っていたのですが、代表戦では「キックオフの48時間前には代表チームに参加しないといけない」ルールがあり、ギニアは遠すぎてこの試合を終えてから出発では間に合わないとのこと。
 
 一方、横浜Cは前節から坂本→山下、三田→ユーリララ、武田→近藤とスタメン3名変更。横浜Cはなんと水曜日に天皇杯がなく日程面で浦和より有利ですが、その代わりといってはなんですが、前節コロナ禍で四方田監督以下複数人が離脱した模様。チームの大黒柱=小川航基が前節ベンチ外、今節ベンチスタートなのはその関係でしょう、たぶん。

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《試合展開》

 「横浜Cは5-4-1で自陣に引き籠ってロングカウンター狙い」との戦前予想に反して、キックオフ直後は横浜Cが前からプレスをかけてきたのには面喰いましたが、7分にアクシデント発生。カプリーニがマリウスと交錯した際に筋肉系の故障があった模様で横浜Cは一時的に数的不利に。そしてこのアクシデントを契機に横浜Cは5-4-1で自陣に構える戦前予想通りの試合展開に落ち着きました。

 9分大久保クロス→ファーで明本ヘッド、22分興梠ふんわりクロス→安居ヘッド、38分大久保右サイドからマイナスに折り返して安居ミドルシュートと浦和はサイドチェンジを交えながら両SHを軸に何度も攻撃の形を作ったものの決定機には至らず。最も惜しかったのは44分酒井が強引に右サイドで2人剥がして大久保クロス→興梠に繋がりかかった場面。しかしこれもDFにブロックされてしまいました。
 
 横浜Cは浦和在籍時は攻守ともJ1レベルにない残念な出来に終始した岩武がCBをやっていることに象徴されるように、最終ラインの強度が足りないのが弱点。よって綺麗に崩せなくても「物理的に殴りに行くのが有効」と思っていたのですが、案の定前半終了間際にはCKでマリウスに合わせに行く形が2回見られました。

 カウンター狙いの横浜Cの前半のチャンスは2回。20分明本の横パスをカットしたことから始まるショートカウンターは最後の最後でショルツに防がれてシュートを撃てず。25分、ショルツが自陣深い位置で山下に絡まれてまさかのボールロスト!!しかし山下のシュートは西川が難なくキャッチ。
 
 後半に入って53分カウンターから関根が右サイドへ多く展開→大久保が珍しく右足でニアを狙うもGKセーブ。そしてこの攻撃を最後に浦和の攻撃はしばしグダグダに。横浜Cは前半より前からの圧力を強めだしたせいか、浦和のビルドアップは急激に不安定になり、球際の競り合いで優位に立ってなんとかカウンターを食らうのを防いでいるだけに。それでも63分井上がバイタルエリアから放ったミドルシュートがディフレクトしてわずかに枠外でヒヤリ。

 スコルジャは67分に精彩を著しく欠いた興梠に代えてリンセン、関根に代えて小泉を投入するも、小泉はパスミスはするわ、ボールは簡単に失うわともう目も当てられない出来で完全にブレーキに。
 
 68分大久保→小泉スルーパス→伊藤と繋がった場面がこの試合最もゴールに近づいた場面でしょうが、伊藤はシュートを撃ち切れず。70分のカウンターでは左サイドに流れたリンセンがクロス→相手DFに当たった跳ね返りを明本ヘッドも枠外。
 
 77分に伊藤に代えて髙橋を入れて4-4-2に布陣変更。髙橋は最前線から猛然と前プレを仕掛け始めて孤軍奮闘というか孤立無援な雰囲気を醸し出していましたが、逆に投入当初はキレのある動きをしていたリンセンがなぜか消えてしまう不可解な状態に。スコルジャは82分に荻原を投入して北関東連合に一縷の望みを託すも、浦和はお疲れのためかボールを前に運ぶことすら出来なくなり、ロクにクロスも入れられず。終盤でチャンスらしいチャンスは88分酒井クロス→髙橋ヘッドだけでしょう。でも高橋を入れたんだからハイクロスじゃないと意味がないかと・・・
 
 とはいえ、横浜Cの攻撃も実にしょぼく、双方点が入る気配がないまま試合終了。

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《総評》

 横浜Cが大量失点を繰り返していた最悪期を脱した主因は「四方田監督が実権を取り戻したから!!」という風説の真偽はさておき、確かに守備の立て直しに成功したチームに勝つのは容易ではありません。しかし相手は最下位であることには変わりなく、そんな相手に無得点どころかこれといった決定機も作れずにスコアレスドローでは、そりゃ試合終了後のスタジアムがブーイングに包まれるのも無理はないでしょう。
 
 一方、早くも残留争いにどっぶり腰まで浸かっている横浜Cは上位チーム相手に勝ち点1で大満足なようで、終盤はGKも露骨に時間稼ぎ。
 
 今の浦和は「負けないが、勝てもしない」。そんな状態に留まっていることが良く判った残念な試合でした。浦和のシュートは18本、うち枠内10もあるせいか、とにかく虚しいことで知られるゴール期待値は1.68もあったようですが、実に虚しい。主観的には横浜Cの0.5と大差がない、どちらも点が入る気がしない塩試合でした。
 
 岩武を狙い撃ちにすればなんとかなるやろ!と思ってたら、そもそもハイクロスが入らないという展開になるとはなあ。CKもマリウスに当てだしただけで、いかにも工夫が足りませんでした。
 
 スコルジャは天皇杯でサブ組のあまりの低調さにおかんむりなのか、この試合は鹿島戦で見られた「公式戦を半ばテストの場にする」ような色合いは全くなく、ほぼACL決勝組でがっつり勝ち点3を確保しにいった様子。しかし蓋を開けて見れば、まるで天皇杯の再現のような残念な試合に終始してしまいました。強いて天皇杯との差を挙げれば「負ける可能性はほとんどなかった」ことだけで、そこだけはスコルジャも「横浜FCの強力な武器であるカウンターを止めるところはうまくいっていたと思います」と満足している模様。
 
 しかし、攻撃面では「クロスを上げても中に一人しかおらんやんけ!!」「足元、足元で受けようとする奴ばっかりで、裏抜けしようとする奴が全然おらん!!いったいどうなっとるんや!!責任者出てこい!!」と憤懣やるかたないご様子。
 
 そうはいってもその原因は「ここ数週間は、試合前の戦術練習があまりできない、セッション数をあまりかけることができない状況で練習してきました。」と練習時間が取れないことにあるのも判り切っているみたいで。
 
 ただ浦和の場合厄介なのは、「ある程度戦術のベースが固まった上での練習不足&相手の研究不足」ではなく、戦術面の転換を図っている過程での練習不足が重なっているので低調さが際立っているのかもしれません。端的に言えば「ACL決勝で勝ち目を見出すのに特化したチームを、リーグ戦でコンスタントに勝てるチームに改造するには練習時間がなさすぎる」のでしょう。
 
 それに加えて攻撃陣、特に2列目の手駒がいかにもしょぼい、しょぼすぎる。今回の7連戦は確かにきついことはきついのですが、秋にはACL絡みで遠距離遠征付きの連戦が待ってて、さらにきついんじゃないかと。連戦がきついのではなく、連戦をこなしきれない戦力しか持ってないのがきついのです!!

 「負けないが勝てない」この感じだとまたしても天皇杯ルートで24-25年ACL出場権獲得が現実的っぽいなあ・・・リーグ戦での3位入りはかなり微妙。

 この日は試合結果&内容とも極めて残念でしたが、ACL優勝という超難易度の高い結果を出し、かつリーグ戦でも悪くない順位につけている以上、スコルジャへの信頼は全く揺るぎません。チーム再建のための時間がないとか、手駒がしょぼいとかは監督の責任ではありませんし。ぼちぼち夏場の外国人補強話も流れてきましたが、リーグ優勝を目指すならフットボール本部の一層の奮起が必要でしょう。

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《選手評等》

・興梠はここまで毎試合60~70分限定、かつ連戦を避けて大事に使ってきましたが、ついに夏場を迎えて限界が来た、耐用年数が切れたような気がしました。そもそも今季大ベテランにこんなに頼ることになるとは夢にも思わなかったからなぁ・・・

・天皇杯で復調の兆しを見せたはずの小泉。いったんどうしたんや・・・何があったんや・・・

・25分の凡ミスを見るとショルツも相当お疲れ。神も疲れるよ。


-----興梠-----
関根---安居--大久保
---岩尾--伊藤---
明本-マリウス--ショルツ-酒井
-----西川-----

(交代)
67分 興梠→リンセン
67分 関根→小泉
77分 伊藤→髙橋(4-4-2になり、髙橋FW、安居CHへ)
82分 大久保→荻原(小泉右SH、明本左SH、荻原左SB)


-----マルセロ-----
--山下----カプリーニ-
林--井上-ユーリララ--近藤
-モラエス--岩武--吉野-
-----ブロダセン----

(交代)
10分 カプリーニ→坂本
63分 ヒアン→小川慶
63分 山下→小川航(小川航がCF、小川慶がシャドーへ)
75分 ユーリララ→三田
75分 近藤→長谷川

※写真は試合とは全く関係ありません

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