【観戦記】23年ル杯GS第6節:清水 1-1 浦和 ~ こんなんでもGS首位通過(苦笑)
大学生相手でもJ1最下位相手でも塩試合の連続。案の定J2中位相手でも苦しい試合となってドローに終わりましたが、「なんだかんだと負けてない」のが効いて、勝ち点たった8でGS首位通過(苦笑)
《スタメン》
共に週央に試合がなかったチーム同士の対戦。特に浦和は7連戦明けで週央に試合がないのが久しぶり。スコルジャ監督も試合前の会見で「メンバーはミックスであると言えます」と語っていたので、いつものメンバーからどの程度代えてくるか楽しみでしたが、蓋を開けてみると横浜C戦のスタメンから西川→彩艶、酒井→荻原、伊藤→小泉と三名入れ替えのみ。モーベルグがベンチに復帰。
とにかく酒井がベンチスタートなのがビッグサプライズ!!来週の川崎戦で酒井が出場停止なので、それに向けて明本右SBを再テストしたものと思われます。また伊藤が突然日本代表に招集されたので、岩尾を相方に安居を抜擢。そして空いたトップ下に小泉を起用。スコルジャは試合前「新たなものも試していければ」とも話していましたが、面子や布陣にはさしたる新味はなく、やむを得ない選択という色が強く出た感じ。
清水は意外にも熊本戦からなんと8人もスタメン変更。連闘は北爪、鈴木、宮本の3人のみ。意図は図りかねますが、基本的に天皇杯2回戦でJ3岐阜に敗れるという心温まる結果に終わったメンバーの多くがスタメンに名を連ねたようです。
浦和の立ち上がりは上々で、前プレがハマって小泉が高い位置でボールを奪う形が二度あり、さらに10分には左サイドから関根クロス→大久保が飛び込んでヘディングシュートの決定機を作りましたがここはGK大久保が辛うじてセーブ。そして残念ながら前半浦和が良かったのはそこまで。
浦和はCHが最終ラインに落ちない形でのビルドアップを試行していましたが、守備時は高い位置に4-4-2の守備ブロックを敷く清水相手にビルドアップに四苦八苦。清水のプレス強度が思った以上にきつかったのかもしれませんが、いくらなんでもJ2中位相手でこれはいただけません。何とか前にボールを運んでもシュートどころかラストパスにも持って行かずにカウンターを喰らう場面が目立ちました。
笑いが込み上げてきたのは26分浦和CKからの流れでセカンドボールを拾って二次攻撃に繋げようとした関根がボールコントロールに失敗してボールを掻っ攫われてカウンターを喰らった場面。最後は北爪のフィニッシュにまで持って行かれましたが、幸いにもシュートは彩艶の正面。
しかしそんな幸運は続く訳もなく、33分右サイドから攻めきれずにカウンターを喰らってバイタルエリアから北川にミドルシュートをぶち込まれてしまいました。今春の駒場での試合もそうでしたが、清水はなぜかこんな無理目な、強引なシュートが決まるんだよぁ・・・
その後は早々と自陣に引いた清水を攻めあぐねる非常にまずい試合展開となり、酷すぎる試合内容にスコルジャはとうとうブチ切れたのか、後半頭から小泉→リンセン、関根→酒井の2枚替え。
そしていきなり左サイドの北関東連合が猛威を奮って49分彩艶のロングフィードを左サイドの明本が頭で落としたのを契機に、大久保ドリブル突破のこぼれ玉を明本が押し込むような形で同点。その直後51分には荻原クロス→明本ヘッドの決定機がありましたが、ここはGKがセーブ。
しかし、明らかに浦和が押していたのはここまで。共に前目の選手を次々と代えてオープンな試合展開での攻め合いとなりましたが、決定機を量産したのは清水のほう。特に69分カルリーニョス、77分サンタナ&オ・セフンの投入効果は絶大で、79分カルリーニョスが独力でシュートコースをこじ開けて放ったシュートはわずかに枠の外。80分左サイドからサンタナがクロス→ファーでオ・セフンヘッドは明本が辛うじてCKに逃れました。
浦和の絶好機は89分。乾が強引にドリブルでボックス内に突入するもシュートは角度がなくて彩艶セーブ。そのこぼれ玉を途中投入の平野がすかさずロングフィード。リンセンが大久保と一対一になり、誰もがゴールを確信したところでリンセンのループ気味のシュートはなんと枠外・・・・
最後の清水CKでGKが上がってきたので、「引き分けだと清水の勝ち抜けは無理」と薄々わかりましたが、試合終了直後は浦和の選手達にも罵声&野次が飛び交っていたので浦和のGS通過の可否はその場では判らずじまい。浦和がGS首位通過を知ったのは帰りのバスの中でした(苦笑)。
浦和も清水も「勝ったほうがGS首位通過」という判りやすい試合でしたが、この試合がドローに終わった場合は裏カードの湘南vs川崎戦の結果次第。そして裏カードは川崎が2点ビハインドを跳ね返して逆転勝ちとなり、浦和・川崎・清水が勝ち点8で並ぶことに。
この3チームでは得失点差は川崎がダントツですが、この大会は「勝点が同じ場合は、勝点が同一のチーム同士で行った試合の勝点」で勝ち抜けを決めるレギュレーション。この3チーム同士だと浦和は1勝3分と負けていないのが効いて、川崎&清水の1勝1敗2分を辛うじて上回ってGS首位通過となりました。
もっとも裏カードが引き分けに終わっても「勝ち点8で浦和と清水が並び、直接対決も2分で同じながらグループ全体の得失点差で浦和が首位通過」だったので、88分に川崎が同点に追いついた時点で現場はGS首位通過を確信していたのかもしれません。試合後スコルジャも「ドローで十分だということが湘南の試合の途中経過を見ながら分かりましたので、最後のところは少しゲームを落ち着かせようとしました。」と語っていますし。もっともリンセンのまさかの決定機逸には頭を抱えたことでしょうが。
1勝5分でGS首位通過。他のグループを見ると最低勝ち点10を積まないとGSは2位通過も難しかったようで、E組なんで京都は勝ち点9もあるのに3位に終わっています。B組はとんでもない団子レースというかどんぐりの背比べに終始しましたが、そんな中で浦和は「とにかく負けない」というチームカラーが活きて首位通過を果たしました。カップ戦なので結果が全て。
ただ天皇杯と違ってACLには繋がらない大会なので、同じカップ戦でも天皇杯よりはテストの場としての色彩がどうしても強くなりがち。従って「何らかのテストをして収穫があったか?」となるとこの試合の評価は甚だネガティブなものにならざるを得ません。
わざわざ酒井をベンチスタートにして明本右SBを再テストしたものの、大久保の不振も相まって右サイドからの攻撃は全く形をなさず。岩尾&安居の組み合わせに至ってはビルドアップの阻害要因にしかなっておらず、完全に失敗。小泉トップ下も最悪期は脱した感はありましたし、それどころか序盤は上々の出来と思いましたが急激にフェードアウト。
スコルジャ的に最も頭が痛いと思われるのはリンセン&モーベルグの不振。共に守備貢献度が高くないにも関わらず、それを補って余りあるだけの攻撃力、得点力を一向に見せてくれないこと。清水が後半投入したカルリーニョスやサンタナと比べ「前目の外国人選手の質で負けている」というのが非常に衝撃的でした。
鹿島とスコアレスドローに終わったのはまだしも、大学生・J1最下位・J2中位相手にあんまりな攻撃力の無さから来るしょっぱい試合の連続。試合前の会見でスコルジャは「ファイナルサードの形」を随分練習したと語っていましたが、残念ながら決定機を決められないのではなく、決定機にすら至らないのが現状。
最悪期を脱したっぽい川崎相手に酒井を欠き、カンテもギニア帰りでコンディション面で不安要素満点の浦和がどこまで出来るかなぁ・・・
《選手評等》
・またしても「猶本は決まるがリンセンは決まらない」。カルロス髙橋に泥臭い仕事を全部やらせて、リンセンは得点に専念してる風なのにアレ外したらもう存在価値ゼロやん!
・興梠ももはやボールの収まりが良いとは言い難い感じなんで、もうカンテがファーストチョイスになるのも時間の問題。この試合でちょっとだけ夢を見させてくれたのは何と言ってもカルロスでした。
・カルロスは下手なりに一生懸命やってるのがわかりやすいプレースタイルなので、赤者の琴線には触れやすいでしょう。でも肝心の点が取れないと「イケメンではない杉本」になりかねません。とにかくFWは得点が大事
・安居はボール持ってなんかするタイプでも、周りを使うタイプでもない。後ろに控えるようなポジションは全く向いてないと思いました。岩尾との相性は最悪。少なくとも岩尾が後ろ、安居が前と役割を整理すべきかと。
・平野は安居とは真逆で後ろに控えていたほうが活きるタイプですが、この試合は安居に代わって投入されたので普段よりえらく前にいました。でもそんな位置からでも決定的な縦パスを出そうとする意識は普段通り。89分の決定機に象徴されるようにリンセンとの相性はかなり良さげですが、それを全部フイにするのがリンセン(つД`)
・福島主審。割と簡単にファウル取る系で一貫していましたが、びっくりするくらい取らない場面もあって酒井がブチ切れていたのがこの試合のハイライト。しかもファウルは簡単に取るのにイエローカードはガンとして出さずに、たった1枚だけ。
-----興梠-----
関根---小泉--大久保
---岩尾--安居---
荻原-マリウス--ショルツ-明本
-----西川-----
(得点)
49分 明本
(交代)
HT 小泉→リンセン
HT 関根→酒井
71分 荻原→モーベルグ
77分 興梠→髙橋
85分 安居→平野
-----北川-----
コロリ----乾----中山
---宮本--成岡---
岸本-鈴木--井林-北爪
-----大久保----
(得点)
33分 北川
(交代)
HT 岸本→高橋
HT 成岡→白崎
69分 中山→カルリーニョス
77分 北川→オセフン
77分 宮本→サンタナ
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