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2023.08.07

【観戦記】23年第22節:浦和 0-0 横浜M ~ 塩試合はもちろん、面白い試合をしてもスコアレスドローで終わるのは浦和の仕様なのか?

 エンタメ的には十分満足できる試合で、内容も今季ベストゲームだったかもしれないが、それでも勝てないどころか1点も取れず。絶対に勝てた試合を勝ちきれないのはやっぱり攻撃陣のしょぼさを呪うしかないのか?

《スタメン》

 天皇杯名古屋戦から中3日の浦和は興梠→カンテ、関根→早川とスタメン2枚入れ替え。試合前の会見でスコルジャが「メディカルスタッフからゴーサインが出れば、できるだけ早く出場機会を与えたいと思っています」と言われていた中島がサブに入り、代わってリンセンがベンチ外に。中断明け後の復帰が予想されていた明本の復帰が遅れているようで、引き続きベンチ外。

 なお同じく試合前の記者会見で小泉は体調不良、安部は「8月に出場することはないと思いますが10月より前に絡んでくることを望んでいます」との言及がありました。
 
 天皇杯は3回戦敗退済の横浜Mは故障していた西村がマルコスに代わってスタメンに戻って来た他、上島→畠中、藤田→喜田と前節川崎戦からスタメン3枚入れ替え。

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《試合展開》

 スコルジャが試合前に「ホームゲームですので、いつも通りハイプレスをかけながら攻撃的にプレーしたいと思っています」と語った通り、浦和のゲームの入りはいつになく積極的。横浜Mも当然ながらガンガン前からプレスをかけてくるので、真夏の試合とは思えないくらい共にハイプレスを掛け合うハイテンションなゲームの入りとなりました。
 
 そんな中で最初に決定機を掴んだのは浦和。5分左サイドタッチ際から早川スルーパス→ボックス内で受けた荻原はDFを交わして得意の左足でシュートを放ったところまでは良かったものの、シュートはなんと枠外(つД`)
 
 一方横浜Mも11分エウベルが左サイドからクロス→ファーでロペスヘッドの決定機がありましたが、これはGK西川の正面。

 さすがにこんなハイテンションの試合が続く訳がなく20分くらいから試合が落ち着きかかりましたが、30分過ぎから浦和が主に右サイドから大攻勢。31分酒井のクロスは中に飛び込んだ安居&大久保にわずかに合わず。同じ時間帯に大久保や伊藤が枠内にミドルシュートを放つ場面もありましたが、ゴールを陥れるには至らず。
 
 39分には酒井縦パス→右サイドの裏に抜け出した伊藤が折り返し→ボックス内でフリーになったカンテに通ったものの、カンテのシュートはなんとバーの上。浦和のしょっぱい2列目のシュートが決まらないのは諦めも付くのですが、カンテも決定機を決められないとなると誰が点を取るんや・・・
 
 横浜Mは11分の決定機以降も左サイドからクロス攻撃の型を何度か作ってはいましたが決定機には至らず。途中からエウベルとヤンマテウスのポジションを入れ替えたものの、さしたる効果はないまま前半終了。

 スコルジャはそんなに悪い出来には見えなかったカンテと早川と後半頭から興梠と関根に交代。これには意表を突かれましたが、試合後の会見によると「慎三と関根を後半の頭から入れるというのは、プラン通りでした。今週はウィークデーにも非常にタフな試合を戦っています。それによって、今日はこのようなプランで挑みました。」とのこと。

 ハーフタイムを挟んでもなお浦和の攻勢は続き、48分酒井→伊藤、51分関根→大久保、52分関根→興梠と左右からのクロスを中で撃ち切れない場面が続いた後、55分には最後尾から右サイドを経由して、最後は興梠のスルーパスを受けた大久保がボックス内に突入する決定機を得るもシュートはGKがセーブ。

 66分には自陣からのスローインからのロングカウンターで大久保スルーパス→酒井が長い距離を走ってボックス内に突入する決定機を得るもGK一森が身を挺して阻止。ふんわりと上がったボールも松原にクリアされてしまいました。しかしこのプレーでGK一森が傷み、一度はピッチに復帰したものの結局76分に飯倉と交代。

 飯倉は試合勘がないのかいかにも挙動不審で、79分西川のロングフィードへの反応が遅れて目の前で大久保にボールを奪われる失態。その隙を突いて酒井がシュートを放つもDFにブロックされて決まらず。

 スコルジャは83分岩尾に代えて満を持して中島を投入するも、残念ながらまだ中島は実戦で使えるコンディションにはないようで全く動けず。しかも伊藤の電池切れも重なって終盤は一転して横浜Mペースに。

 90分には中島のシュートがブロックされたのを契機に2対3の数的不利なカウンターを食らいながらも最後はマリウスが辛うじて防いだり、AT+3分途中投入の水沼が右サイドから入れたクロスを西川がなんと後逸してしまう大失態がありましたが、詰めてきた相手のシュートへの西川の反応が早くて事なきを得ました。
 
 試合終了間際には横浜Mにボックス内でのハンド臭いプレーが2回あったもののVARは介入せず。埼スタは審判団への大ブーイングに包まれて試合終了。

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《総評》

 この試合を含めてリーグ戦は残り13試合。首位神戸との勝ち点差は7、2位横浜Mとの勝ち点差は6あるので、まずは横浜Mとの直接対決に勝って勝ち点差を3に縮めるのが優勝争いに残り続けるための必須条件。スコルジャが試合前に「全ての面で150パーセントの力を発揮しなければいけない試合」と語っていた通り、選手達も相当の覚悟を持ってこの試合に臨んだようで、試合内容では横浜Mを圧倒しました。
 
 シュート数は公式スタッツで12対5。DAZNだと18対9(うち枠内6対3)。しかも浦和のシュートはボックス内から放ったものが多くて決定機の数では横浜Mを圧倒。守っては強打の横浜M相手に与えた決定機は11分ロペスヘッドと最後の西川ポロリだけで、スタッツ上は前年チャンピオンを完全に凌駕しました。
 
 浦和は攻守とも見所てんこ盛りで90分、いや長いATを含めて100分近く全く飽きることがない、一瞬たりとも目を離せない、エンタメとしては文句なしの好ゲームだったと思います。相手の強さを考えれば、内容は今季のベストゲームと評してもいいくらい。名古屋みたいにボールを捨てるチームよりは横浜Mのようにボールを握りたがるチームの方が浦和の持ち味は出やすいようです。
 
 試合後の会見でも質問があった通り、酒井を高い位置、具体的には左WBエウベルの裏に置いての右サイド攻撃が面白いように嵌まりましたし、天皇杯名古屋戦のボロ負けを受けてスコルジャが執拗に求めていた「裏へ抜ける動き」も再三見受けられました。
 
 それでも試合には勝てませんでした。この試合で勝って横浜Mとの勝ち点差を3に縮めるのが優勝争いに残り続けるための必須条件だったことを考えると、そのタスクを完遂できなかった以上敗戦に近いのかもしれません。幸い同日神戸が横浜C相手にまさかの取りこぼしを演じてくれたので辛うじて優勝争いに踏みとどまってはいるようですが、「絶対に勝てる試合を勝ち切れない」ようでは優勝なんてまだまだ。そんな思いを今季何度繰り返したことやら。
 
 端的に言えば5分の荻原、39分のカンテ。あんな絶好機を決められないどころかシュートが枠内に飛ばないってなんなん?? J1ではダントツの攻撃力を誇る横浜M相手に2対3の数的不利なカウンター食らいながらも防ぎ切れるCBを有してる浦和って、そこだけはまさにアジアチャンピオンの風格。完全にJリーグのレベルを突き抜けてるのですが、一方前目のクォリティーはほぼJ2並み。超決定機を決められない姿ってJ2でよく見るからなぁ・・・こればかりはスコルジャでも如何ともしがたいかと。
 
 それでも何一つ良いところがなかった天皇杯名古屋戦のボロ負けから、わずか中3日。「ゲームの間の日数が少ないということで、戦術練習は1回しかできませんでした。」という厳しい条件下でスコルジャはよくここまでチームを立て直しました。スコルジャのチーム作りは明らかに「叩き良化型」。開幕時とか中断明けの一戦目は凡走に終わるものの、次はまさに「叩き一変」。開幕時はそれでも横浜M相手にチーム完成度の差を見せつけられて完敗を喫しましたが、今回は意外なくらいチーム立て直しのスピードが速くて横浜Mをあと一歩のところまで追い詰めました。
 
 そんなスコルジャの努力に報いるためにFB本部は前目の即戦力を補強してやらんとなあ・・・

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《選手評等》

 中島を投入した時間帯で伊藤の電池切れが顕著でしたが、試合後の会見によると「相手のGKが交代する(までの)時間で、そこが長すぎて体が固まってしまって、再開してから少し思うように動かなくなっていました。」とのこと。脳震盪の疑いがあったアクシデントで中断が長くなったのは仕方ありませんが、やはりあの中断はずっと攻勢をかけていた浦和には凶だったようで。
 
 一方、意外に早い浦和デビューとなった中島は残念ながらまだまだコンディションが整っていないようで、途中投入なのにまるで動けず。スコルジャは試合後「翔哉ができるだけ早くなじむように、環境を整えてあげたいと思っています」と語っていましたが、終盤短時間の起用を繰り返しながらコンディションを上げてゆく腹積もりなのでしょう。今季故障で出遅れたモーベルグも開幕当初はそんな使い方でしたが、こちらは結局小破を繰り返してモノにならずじまいに終わりました(>_<)

 この試合の大久保はホンマシュート以外は文句なし。特にプレスバックからの守備意識の高さが目を惹きましたし、攻撃面でも酒井&伊藤とポジションを変えながら上手く相手を崩せていたと思います。それだけにシュートの残念さだけがなぁ・・・

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-----カンテ----
早川---安居--大久保
---岩尾--伊藤---
荻原-マリウス--ショルツ-酒井
-----西川-----

HT カンテ→興梠
HT 早川→関根
68分 荻原→大畑
83分 岩尾→中島
90+5分 伊藤→柴戸

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エウベル---ロペス---ヤンマテ
-----西村-----
---渡辺--喜田----
永戸-エドゥ--畠中-松原
-----一森-----

59分 西村→マルコス
59分 ヤンマテウス→宮市
76分 一森→飯倉 ※脳震盪での交代扱い
76分 エウベル→水沼
90+1分 喜田→山根
90+1分 ロペス→植中

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