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2023.10.29

【DAZN観戦記】23年第31節:鹿島 0-0 浦和 ~ はいはい、毎度お馴染みのスコアレスドローの巻

 ACL浦項戦の面子を落としてまで必勝を期したアウェー鹿島戦でしたが、結果は毎度お馴染みのスコアレスドロー。守備は堅くて相手にほとんど決定機を許していない一方、攻めても選手層が薄いのが祟ってあと一押しが足りないといういつもの光景が広がる中で、事実上リーグ戦優勝の目は潰えました。

《スタメン》

 ACL浦項戦から中3日の浦和はリンセン→カンテ、柴戸→岩尾、岩波→ショルツ、大畑→酒井とスタメン4名入れ替え。
 
 浦項戦はACLグループステージで最重要試合と目されたにも関わらず岩尾・酒井・ショルツはベンチスタートとして鹿島戦で向けて万全を期したのが丸わかりだったのでこの3名のスタメン復帰は自然ですが、浦項戦でベンチ外だったカンテがここでスタメンに復帰するのはポジティブサプライズでした。
 
 一方浦項戦で続々復帰した故障明け組で引き続きベンチ入りしたのは明本だけ。リンセン、大久保、中島がベンチ外なのが気がかりと思っていたら、試合中に伝えられたDAZNの情報によると大久保は直前にどこかしら傷めたとのこと。
 
 スコルジャは試合後「ACLの試合で大久保を使ってしまったことが、私のミスだったと思います」と語っているのと合わせると、浦項戦の試合後に「本日の試合の後、もしかしたら怪我人が増えるかもしれません。今のところ名前は挙げたくないのですが、このような厳しい状況にいます」と話していた選手はカンテでも酒井でもなく、大久保だったのか!!
 
 リーグ優勝の目は完全に潰えた鹿島は神戸戦から荒木→垣田、藤井→仲間とスタメン2名入れ替え。

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《試合展開》

 浦和の布陣はいつもの4-2-3-1ではなく、カンテ&髙橋の2トップ気味で安居右SH。スコルジャなりに考えての対鹿島仕様だったようですが、ビルドアップは上手く行かず、最初に良い攻撃の形を作ったのは鹿島。
 
 15分FW鈴木が前線でボールを収めて左SB安西クロス→ファーに右SB広瀬が飛び込むもシュートは枠外。これ以降鹿島がボールを握って浦和を自陣に押し込む時間帯が長くなり、25分には左サイドから安西クロス→FW垣田ヘッドの良い形を再び作ったものの、シュートは枠を捉えきれず。
 
 ロングボールを多用して早めに2トップにボールを預けて、サイドからのクロスに再度2トップが突っ込むのは鹿島の得意中の得意パターンですが、両CBが強力すぎる浦和戦に限って言えばそもそもFWが最初にボールを収めるのが容易ではない上に、サイドからのクロスは往々にして簡単に弾き返されてしまうので、鹿島がいくら良さげな形を作ろうとも点が入る気はしませんでした。

 そして鹿島はこの良さげな時間帯でとうとう決定機を作れず、逆に浦和が34分岩尾FK→マリウスヘッドのビッグチャンスを掴みましたが、ここはGK早川が辛うじてセーブ。
 
 やりたいことは判る鹿島に対して、浦和は左SB荻原からのクロスに何かを託したい風でしたが、これがさっぱり形にならず。またコンディションの差なのか、やはり球際では浦和劣勢のまま前半終了。

 後半になってようやくカンテに多少ボールが収まるようになり、56分荻原低いクロス→髙橋シュートがオフサイドポジションにいた小泉を直撃、62分荻原クロス→安居がファーでヘッドと、ようやく荻原からのクロス攻撃も形になり始め、63分小泉→明本と代えて攻勢を強めようとするものの、残念ながら「メディカル的な理由で90分プレーできない」カンテがこの辺で電池切れ。
 
 71~72分に立て続けにCKを与え、CKのこぼれ玉を途中投入の土居が拾ってミドルシュートが枠内を急襲するピンチがありましたが、ここは西川が難なくセーブ。
 
 浦和はこの苦しい時間帯を耐えた後に74分カンテ→興梠、髙橋→エカニット、83分安居→早川とと勝負手を放つもCKくらいしか得点の可能性がないまま時間が徒過。鹿島は安西が故障して両SB共に本職ではない選手を起用せざるをえない状況に陥っているにも関わらず、浦和はサイドアタッカーにタレントを欠いてその穴を咎められないのがなんとも辛い。

 88分には樋口の縦パスに反応して最終ラインの裏に抜け出した佐野を明本が倒してしまってイエロー。89分好位置での樋口FKはクロスバーを叩いて得点ならず。
 
 この試合もはや勝利しか意味がない浦和は終盤前がかりになって攻めに出て、90+2分西川のロングフィード→右サイドで酒井が頭で落として興梠がキープ→エカニットがミドルシュートの良い形を作りましたが、シュートはバーの上に飛んで試合終了。

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《総評》

 共に流れの中からは決定機は作れず、得点の可能性があったのはセットプレーだけだったので、スコアレスドローに終わったのは内容相応でしょう。
 
 またスコルジャは勝たないと意味がない試合でも最初から遮二無二リスクをかけまくって攻めに出ず、攻守のバランスを考えるタイプなので強力2トップがいる相手に両SBを上げてまで攻めには出ず、酒井が終始自重気味。よって荻原クロスしか攻め手がなくていかにも迫力不足。
 
 そしてカンテの電池切れと共に浦和は詰んだも同然となり、興梠&エカニットの投入で作ったチャンスは一度だけ。流れを変えようにも手駒が少なすぎてスコルジャが大久保や関根の不在を嘆くのも無理はありません。

 同日神戸は引き分け、横浜Mは勝ったため、残り3試合で首位神戸との勝ち点差は8のまま。2位横浜Mの勝ち点差は6に広がってしまいました。
 
 もともと優勝の可能性は数字上のものでしかないも同然だったのであまり気になりませんが、横浜Mとは得失点差で大差をつけられているので2位でACLE出場権を獲得する目もかなり薄くなってしまい、浦和はもはや3位でACL2の出場権を確保するくらいしかリーグ戦の目標がなくなってしまいました。
 
 スコルジャはACL浦項戦で面子を落としてまで鹿島戦に全力をぶつけましたが、結果は浦項戦で完敗を喫しただけでなく、鹿島戦も負けに等しい引き分けに終わってしまうという最悪な形に。それでも試合終了後選手や監督&コーチを責める声なんてほとんどなく、カシマスタジアムが静まり返っていたのが非常に印象的でした。
 
 アウェー鹿島戦での引き分け自体は悪い結果ではないのですが、残念ながら今季の浦和は下位相手の引き分け、勝てそうな試合を勝ちきれずに引き分けてしまう試合が多すぎて、リーグ戦終盤になって引き分けが致命傷になる羽目に。今年の浦和はどんな相手とやっても引き分ける能力があり、そこまでの能力しかないとも言えるのが実にもどかしい。横浜Mとやっても引き分け、横浜Cとやっても引き分け。リーグ戦で優勝するには後者の引き分けがとにかく痛すぎました。
 
 それでも現場はめっちゃよくやっているのが皆わかっているので、選手や監督らをスタジアムで詰る方はほとんどいない。特に今の浦和は能力が物足りないのはともかく、闘志が表情に出ない、出にくい選手はいないので「やる気あるんか!!」と理不尽系の野次を浴びることも少ない。
 
 ただリーグ戦はチームの総力が問われるので、現場の頑張りだけじゃ優勝できないんだよあなぁ・・・ろくに補給がないのに「全軍突撃」を命じるのが浦和。

 もはやルヴァン杯決勝&アウェー浦項戦が今シーズンのすべてを決する試合となり、神戸戦は面子的に事実上消化試合になっても仕方ないでしょう。幸い次の神戸戦で浦和の目の前で優勝が決まる可能性はありませんし。
 
 ルヴァン杯だけは絶対獲りましょう!!

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《選手評等》

・浦項戦に出ていたリンセンも中島もベンチ外だったのにはびっくり。中島は浦項戦2失点目に直結したボールロストを見るとスコルジヤが評価しないタイプかもなあ。この試合のエカニットも守備がかなり怪しいと思ったけど。スコルジヤが関根がいない上に大久保不在を嘆くのは納得。得点能力は残念でも守備はちゃんとやるのがスコルジヤ好み。

・イエローが出ない程度のファウルで相手にダメージを与えるのが伝統的に上手い鹿島。垣田は何回ラフプレーをかましても全然イエローが出ないのに、木村主審がショルツ神に簡単にイエローを出したのには唖然としました。それ以外のイエローは妥当ですが。

 

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---カンテ-髙橋---
小泉--------安居
---岩尾--伊藤---
荻原-マリウス--ショルツ-酒井
-----西川-----

(交代)
63分 小泉→明本
74分 カンテ→興梠
74分 髙橋→エカニット(興梠CF、エカニットトップ下へ)
83分 安居→早川


---鈴木--垣田---
仲間--------樋口
---ビトゥカ--佐野---
安西-関川--植田-広瀬
-----早川-----

(交代)
54分 仲間→松村
69分 広瀬→土居(土居右SH、樋口CH、佐野右SBへ)
74分 安西→舩橋(故障による交代)
74分 垣田→師岡


※写真は試合とは全く関係ありません

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