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2023.11.26

【観戦記】23年第33節:浦和 2-3 福岡 ~ 毎度毎度の残念なホーム最終戦

 今季限りで退任が決まってる監督の下で、3位維持という中途半端な目標を掲げるだけではモチベーションを維持するのは難しかったようで、毎度毎度の残念なホーム最終戦に。

《スタメン》

 浦和は出場停止の岩尾&前節神戸戦で負傷した伊藤に代わって柴戸&安居をスタメン起用した他、大畑→明本、岩波→関根、エカニット→中島とスタメン5名入れ替え。
 
 故障明けの荻原はベンチスタート止まりとなったため、関根右SBの奇策ふたたび。他に平野とシャルクがベンチ入りしたのが目を惹きました。エカニットはタイ代表帰りでコンディションが良くないのかベンチスタートで、U-22代表帰りの大畑に至ってはベンチにすら入れず。
 
 福岡のスタメンは前節G大阪戦と全く同じ。

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《試合展開》

 立ち上がりから浦和がボールを持たされて、5-4-1で引いて守る福岡守備陣を攻め倦む展開になりかかったところで、13分明本が中島との壁パスでボックス内に突入して転倒。上田主審の判定はノーファウルで浦和が抗議する様子もなくそのまま何事もなく試合が進むと思われたところで唐突に西村VARが介入。
 
 長々と交信した末にOFRとなり、明本の足にCB奈良の足がかかっているのがはっきりと映し出されてPKに。18分GK永石はショルツがゴール右側へ蹴ると読んでいたようですが、ショルツはそんなGKの動きを見切ったかのように中央上方へ蹴り込んで浦和先制。
 
 しかし、その後プレス強度を上げてきた福岡に対して浦和は前進もままならなくなり、福岡がボールを持つ時間も長くなってきたところで32分GK西川からのロングボールが福岡CBに跳ね返されたところで柴戸の対応がいかにも緩慢。ワンバウンドしたボールがそのまま山岸に渡ってしまう失態を犯し、山岸のスルーパスを受けて紺野が裏抜けに成功。しかも西川が中途半端に前に出てしまって紺野のループシュートが決まって同点に。

 その後の戦況も芳しくなく、浦和のチャンスらしいチャンスは44分中島のミドルシュートが枠を捉えたくらい。逆に45分右サイドからカットインしてきた紺野が際どい一発も放つ場面がある等、やや福岡が押し気味の展開となったところで前半終了。

 ところがスコルジャが放った一手は後半頭から小泉→荻原という傍目に謎すぎる交代。スコルジャは試合後「後半に入ってからは、左サイドからもより相手の背後に抜け出す動きを増やそうと思い、佳穂を交代して明本を前に置きました。」と説明していましたが、明本を前に出すなら何の役に立っていない中島を下げたほうがまだマシだったのではないかと。
 
 前半攻撃をほぼ一人で支えていた小泉を下げたので戦況は好転する訳がなく、54分左からカットインしてきた金森のクロスを後半頭から投入された右WB小田にどフリーで叩きこまれてしまいました。
 
 副審は毅然としてオフサイドの旗を上げているので九死に一生を得たとばかりに安堵していたところ、またしても西村VARが介入。小田へのクロスではなく、その前の金森へボールが渡ったところがオフサイド臭かったようですが、荻原がいるオフサイドラインを金森は越えていなかったようでゴール認定。ここでの荻原は責められませんが、小田をどフリーにした罪は免れません。ルヴァン杯決勝に続けて福岡に狙われる荻原。スコルジャの采配はものの見事に裏目に。
 
 スコルジャはすぐに中島に代えてエカニットを投入して反撃に転じたものの、62分西川のパスを受けて柴戸がボックス内で無理に前を向こうとしたところでCH前に絡まれてボールを失う大失態。またしても紺野のゴールを許して決定的な3点目を奪われてしまいました。

 たまらずスコルジャは65分リンセン、シャルクを投入して2トップ気味に布陣を変更。70分には岩波を投入してショルツを右SBへ配転してリスクコントロールも何もないバンザイ突撃級の反撃に。75分岩波の縦パスを契機とする一連の攻撃でリンセンはディフレクトしてバーにバーに弾かれたものの、シャルクが詰めて1点差に迫ったものの、まさに反撃もここまで。
 
 リスク無視で攻めている割には決定機は作れず。ハイボールには強い福岡守備陣に対して単調なクロス攻撃を試みるばかり。特にセットプレーに何の工夫も見られないのが残念無念。岩尾も大久保もおらず、しかも故障明けの荻原はセットプレーのキッカーを務めるのは無理なようでシャルクが蹴っていたのが絶望感に拍車をかけ、試合終了間際にリンセンが放ったバイシクルシュートがスタジアムを沸かせただけで試合終了。

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《総評》

 前節神戸戦での敗戦で優勝どころか2位になる可能性も消滅して、24-25ACLE出場の目はなくなり、3位を確保して24-25ACL2の出場を目指すしか具体的な目標がなくなった浦和。しかし「優勝しか意味がない」とばかりに監督の指示を公然と無視して攻撃参加するGKがいるようなチームですから3位という中途半端な目標ではモチベーションが維持できないのか、非常に残念なプレーの連続でルヴァン杯決勝に続いて福岡に完敗。今季限りで監督の退任が決まっているのもモチベーション低下に拍車をかけた感も少々。
 
 スコルジャは試合後の会見で「2失点目もシンプルなミスからでした。今シーズンはしっかりとペナルティーエリア内をコントロールしながらそのようなミスをずっと避けてきたのですが、この終盤で出てくるようになってしまいました。」「立ち上がりのパフォーマンスを、失点の後は戻すことができませんでした。それがなぜだったのかは、非常に答えにくい質問だと思います。」「失点の後、我々のアイデアや信念の部分を失ってしまってはいけないと思いますが、本日はそこの低下があったと思います。」と不可解かつ残念過ぎるプレーがあまりにも多かったのを認めざるを得なかったようです。
 
 選手達もさることながら、スコルジャの迷采配、特に真っ先に小泉を下げた謎は責められても仕方ないでしょう。当然ながら試合後質問が飛んで「ゲームの流れやチームの機能のところで、私の読みのミスだったと思います」とスコルジャらしく、珍妙な言い訳はせず、選手に責任を押し付けずに自らのミスを認めています。
 
 10/20のホーム柏戦を最後に全く勝てなくなり、11月のルヴァン杯決勝に始まるビッグマッチ3連戦は全敗。そしてこの試合も負けて4連敗。夏に補強した選手はたいして役に立たず、主力に怪我人が続出し、故障明けの選手も調子が上がらず、代表招集でコンディションを崩す選手までいる中で、シーズン最終盤に諸々のツケが回ってきたのでしょう。
 
 ボロ雑巾状態の浦和にはまだACL2試合、アウェー札幌戦、そしてCWCが残っていますが、もはや試合になるのかどうか。

《選手評等》

・柴戸の浦和でのキャリアはもう終わったかもしれません。岩尾出場停止&敦樹故障を受けて柴戸にスタメンでの出番が巡ってきましたが、大失態の連続で65分に懲罰的な交代を食らってしまいました。そもそも頭数が足りないSH/WGと違ってCHは頭数はいるのものの、結局使い物になるのは岩尾と敦樹だけだったのが超過密日程をこなす上で無理があり、控え選手との落差がこんなところで顕わになるとは!

・前節神戸戦で監督の指示を公然と無視した挙句に敗戦の主犯格となった西川は規律違反の咎でしばらくベンチ外になっても何の不思議もないはずですが、きっちりスタメン維持。監督が決める問題なのでとやかく言うべき話ではないのでしょうが、これでは今季限りで監督の退任が決まっているので今更規律もへったくれもないと見られても仕方ありません。GK練習開始時に西川へのコールがなかったのが今の西川への大方の見方を如実に表していました。

・中島の補強は今のところ完全にハズレ。守備に汗をかくタイプではないこともあって、ボールを持っていない時はほぼ行方不明。しかもボールを持ったところで俄然輝くというほどの仕事も出来ない。なんでこの出来の中島より先に小泉を下げたのか謎過ぎました。

・荻原は判定に不満でボールを地面に叩きつけてイエロー→イエロー累積で次節出場停止。SBは頭数が足りないのに愚行を繰り返す北関東コンビ・・・

・どんなに悲惨な最終戦でも、最後はショル子投入でほっこりさせる反則技!!

Fukuoka2311001

-----カンテ----
小泉---中島--大久保
---柴戸--安居---
明本-マリウス--ショルツ-関根
-----西川-----

(得点)
18分 ショルツ(PK)
75分 シャルク

(交代)
HT 小泉→荻原
57分 中島→エカニット
65分 大久保→シャルク
65分 柴戸→リンセン
70分 関根→岩波

-----山岸-----
--金森----紺野--
前嶋-前--井手口-湯澤
--宮--奈良-田代--
-----永石-----

(得点)
32分 紺野
54分 小田
62分 紺野

(交代)
HT 湯澤→小田
68分 紺野→ルキアン
76分 宮→三國
90分 金森→ウェリントン

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