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2023.11.28

ホセ カンテ選手 現役引退

 昨日(11/27)ホセ カンテ選手の現役引退が公表されました。
 
 カンテはまだ33歳で引退するには若すぎるような気がしてなりませんが、11/26日付の日刊スポーツによると「家族との時間を大切にしたい気持ちが強く、第2の人生を送ることを決断」したのが引退理由だそうです。Jリーグで大活躍している割には急にギニア代表に呼ばれなくなったのを見ると、その筋の方には早めに引退を意向を漏らしていたのかもしれません。

Kante
 
 カンテは今年3月に加入したばかり。カンテの前所属は中国スーパーリーグの滄州雄獅ですが、クラブの公式発表で「滄州雄獅より完全移籍加入」と書かれていなかったのは、滄州雄獅が2ヶ月以上給与未払い状態に陥っているため、ホセ・カンテはFIFAの規定上フリーになったためと推察されます。
 
 ギアクマキス獲得が夢幻と終わり、そうこうしているうちに欧州主要リーグの移籍ウィンドウもクローズしてしまうという非常事態だったにも関わらず、浦和フットボール本部のリカバリーショットが意外に早かったのは高く評価されて然るべきでしょう。
 
 クラブの釣り書きでは「足下のテクニックがあり、攻撃の起点にもなれ、自らゴールを決めることも、アシストをして貢献することもできるマルチなストライカー。前線での守備的な貢献にも期待できる、経験豊かで、コンビネーションプレーも抜群の選手。」とあって、逆に「何が苦手なん???」と訝しくなるレベル。
 
 カンテは4/5ルヴァン杯川崎戦での途中投入で浦和での公式戦デビューを飾り、その後も後半途中投入の形で試運転を重ねた結果、ACL決勝では先任のリンセンやモーベルグを押しのけて3人の外国人枠を一角を得るまでスコルジャの信頼を勝ち取りました。
 
 ただシーズン開幕後の加入かつ過密日程が災いしてコンディションを上げるのが大変だったのか、カンテがコンスタントにリーグ戦でスタメン出場するようになったのは8月に入ってから。要するにリーグ戦も半分以上消化してからで、稼働期間が案外短かった(リーグ戦出場時間は興梠より短い!)のは惜しまれます。しかし、実質4ケ月程度の稼働期間の中でカンテが赤者に与えた印象は強烈でした。
 
 カンテと言えばとにかく「理不尽」。「まさか撃ってはこないだろう」という位置&タイミングでカンテが放つミドルシュートに一歩も動けなかったGKは数知れず。一応CFなもののボックス内でデンと構えるタイプではなく、結構サイドに流れがちなので相手DFも掴まえづらかったでしょう。
 
 またDFを背負ってポストプレーやハイボールでの競り合いはそんなに得意では無さげでしたが、半身で構えながらボールをキープするのは非常に得意(倒れているのにボールを奪われない謎芸も!)で、かつ周りもちゃんと使い(早川ですら「こいつは使える!!」と思ったら使い倒す柔軟さ)、さらに広範囲が見えているのでカウンターの中継点としても非常に役立ちました。おまけにスコルジャの求めに応じて2列目と連動しながらの前プレもさぼらずに敢行。実に有難いプレーヤーでした。クラブの釣り書きもあながち誇大表示ではなかったようです。

 カンテの最大の謎はたまに変なスイッチが入ってしまうこと。ぱっと見も言動も非常に温厚なのに、なぜか変なスイッチが入って一発レッドが2回。しかもその判定に対して主審に激昂するどころか一転して「賢者タイム」に入って主審に挨拶したり握手を求めたりする謎っぷり。まるで「北関東とは違うのだよ、北関東とは!!」と言わんばかり。
 
 そして何の予兆も、何の前触れもない、唐突の現役引退。別れ方まである意味「理不尽」でした。カンテが引退を決めた真相はおいおい各種媒体で報じられるでしょう。カンテの晩年のキャリアは「カイラト アルマトイ(カザフスタン)→滄州雄獅足球倶楽部(中国)→浦和レッズ(日本)」とどんどん地元スペインから遠ざかる一方だったので、ここで一区切りをつけて家族を大切にする道を選んだのかもしれません。
 
 短い間でしたが浦和のために全身全霊全力を尽くしていただきありがとうございました。そしてお疲れさまでした。

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