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2023.12.07

【DAZN観戦記】ACL2023/24 GS MD6:ハノイ 2-1 浦和 ~ あまりにも選手層が薄くてGSも突破出来ず

 ハノイに勝ってもGS勝ち抜けできるかどうか怪しかったのですが、負けてGS敗退だとかえってサバサバ。こんなに薄い選手層で超過密日程をこなすのは無理ゲーでした。選手・スタッフの皆さま、そして現地組、誠にお疲れさまでした。

《スタメン》

 札幌戦から中2日&長距離移動と日程が超過酷な浦和は関根→荻原、明本→大畑、マリウス→岩波、伊藤→安居、大久保→シャルク、カンテ→リンセンとスタメン6名入替。

 武漢戦で故障した大畑は幸い軽傷でスタメンに復帰できたので、明本出場停止を受けて故障明けの関根を無理やり右SB起用せずに済んだのは好材料でした。
 
 なお武漢戦に続いてスコルジャ監督は出場停止なので、ラファル ジャナスコーチが指揮を執る格好に。
 
 一方ハノイもホームゲームとは言え連戦を強いられていた模様で、直近のリーグ戦からメンバーを大幅に入れ替え。連続でスタメンで出ていたのはたった3名だけで、若手を先発起用していたそうで。既にGS敗退が決まっているので、リーグ戦を重視してこの試合は半ばテストの場だったのかもしれません。

《試合展開》

 蓋を開けてみてびっくりしたのは荻原が左SBで、大畑を右SBに配していたこと。荻原は左が本職で右も一応できるのに対し、大畑は左専門で右はほとんどやったことがないはず。ここでわざわざこの形を採った理由は試合後会見で誰も突っ込んでくれなかったので真意は不明ですが、札幌戦が出場停止で相対的にはコンディションがマシな荻原の攻撃力を最大限生かしたかったのかも。
 
 それはさておき、試合はいきなり動いて6分岩尾CKをファーでシャルクが折り返したところ、なぜかバンザイしている#26の手を直撃。かなりはっきりしたハンドなのに主審はわざわざOFRまで実施(シャルクが折り返した時点でタッチを割っていたかどうかの確認?)して、当然ながらPKの判定に。
 
 ところがなんとこのPKをショルツが失敗!!ただショルツが蹴る前にGKがゴールラインより前に出ているように見えましたが、主審はVARと軽く交信しただけで終了。OFRでじっくり見るべきなのはこちらではないのかなぁ??? ともあれショルツのPK失敗はアウェーC大阪戦以来。あの時も過密日程で疲労困憊状態でPKを蹴って失敗したんだよなぁ・・・
 
 その後は5-4-1で自陣に引いて構えるハノイ相手に浦和がボールを支配するものの攻め倦みの様相。2列目がドリブラー皆無なためか、相手の守備ブロックの前で止まりがちな選手の足元から足元へパスを繋ぐだけに終始し、時折ハノイ最終ライン裏狙いの意図は伺えたものの、出てくるパスの質も低ければ飛び出す選手とのタイミングも合わない惨状。
 
 従って裏狙いで前半決定機に繋がったのは33分ショルツスルーパス→安居くらい。また引いた相手を崩す常道=ミドルシュートも42分安居のボール奪取からそのまま持ち上がって自ら放った場面だけ

 あんまりな試合内容を受けてジャナスコーチは後半頭から小泉→大久保、岩尾→伊藤と代えただけでなく、SBの左右を入れ替え。「荻原左SB、大畑右SB」の奇策は案の定大畑右SBが全く機能しない(勝たないといけないのに攻撃面での寄与ゼロ)上に、左SB荻原は前のシャルクとの相性があまり良くないのか、こちらもたいして機能しなかったので、この入れ替えは当然でしょう。
 
 しかし、その効果が出る前に53分CKのセカンドボールを#26に押し込まれてまさかの失点。西川は#6のヘッドをセーブするのが精一杯で、セカンドボールには対応できず。でも今季の浦和には滅多にないセットプレーからの失点で、#6に簡単にヘッドを許している辺りに浦和の選手達の疲労の濃さが感じられました。
 
 そこでジャナスコーチは60分エカニット→カンテ、シャルク→関根と代えたのが奏功。65分CKからの流れで右サイドから荻原低いクロス→リンセンが得意の裏抜け&シュートで同点に。
 
 さらに71分荻原CK→カンテヘッドが炸裂するもここはGKが好セーブ。そこでジャナスコーチは75分大畑→興梠と代えて関根右SB、荻原左SBとポジションを代える勝負手を放ち、80分リンセンのヒールパスを受けて左サイドから荻原がボックス内に突入するもシュートはやや角度が厳しくてGKがセーブ。
 
 そして83分浦和右サイドからのクロスに対して裏を取られた荻原がボックス内で#14を倒してしまってPKに。87分PKを途中投入の#9ファム トゥアン ハイに決められてハノイに突き放されてしまいました。
 
 #9はベトナム代表で結構スピードがあってヘロヘロの浦和守備陣には極めて厄介な存在に。ATは8分もありましたが、気落ちも重なったのか全く動けなくなった浦和はカウンターを繰り出すハノイを止めることすら出来ず、決定的な3点目を取られなかっただけマシというありさまに。試合終了直前の好位置でのFKも実らず、そのまま試合終了。

 
《総評》

 ACLの日程が発表された時点で中2日で厳寒の札幌から亜熱帯のハノイへの長距離移動を余儀なくされるGS最終節はコンディション面で極めてきつく、この試合の前にGS勝ち抜けを決めておかないとかなりしんどくなることは十分予想されました。
 
 そして「ハノイに勝たないとGS勝ち抜けの可能性が消滅する(勝っても他グループの結果次第でGS敗退の可能性大)」という状況に追い込まれてハノイに乗りこんだ結果は、ハノイに勝つどころか負けてACL終了。「まさかの」を付けるのも馬鹿らしくなるほど浦和の選手達は攻守両面で精彩を欠き、当然までは言わないまでも敗退を受け入れざるを得ない試合内容でハノイに破れました。
 
 浦和がGSで敗退するのは2015年以来5大会ぶり。また前シーズンのACL王者がGSで敗退するのは、ラウンド16から参戦できるシード権が撤廃されて以降で史上3度目だそうです。
 
 ACLが秋春制へ移行し、かつ昨シーズンのようなセントラル方式ではなくH&AによるGS付きの開催へ戻っての大会。リーグ戦の終盤とACLのGSが重なってしまう経験は当然ながらJ各クラブともありませんが、浦和は特に春のACL決勝以来ずっと過密日程を強いられてきたので、今大会のGSは一際厳しい闘いになってしまいました。
 
 今大会のターニングポイントは個人的にはホーム浦項戦だと考えています。このグループ最大のライバルと目される浦項相手にメンバーを落としてホームで敗戦。当時はルヴァン杯優勝やリーグ優勝の目が残っている段階だったのでそれらを重視し、ACLはここで浦項に負けても残り3試合で取り戻せるとスコルジャは判断したのでしょう。しかし結果はルヴァン杯は決勝で福岡に破れ、浦項にはアウェーでも破れ、さらに神戸に負けてリーグ優勝の目もなくなってしまうという悪夢の3連敗。三兎を追って一兎も得ず。
 
 同じ話の繰り返しで恐縮ですが、三兎を追うには選手層が薄すぎました。また一応頭数はいるポジションでもスコルジャの基準(おそらく守備面)を満たす選手が少なすぎました。特にシーズンを通じて2列目のしょっぱさ加減には参りましたが、その中でも頭数的にはIH型がやたら多くてSH型が少ないというアンバランスぶり。しかも夏の補強はなぜかIH系だらけという不可解さ。
 
 そしてこの試合では2列目のスタメン全員がIH系で5-4-1の相手に挑むという無理ゲー。そしてこれじゃ無理と判って疲れの大久保と故障明けの関根を使うしかなくなった時点で半ば詰み。

 これで来年はACLの負担が一切なくなり、おまけに残念ながら天皇杯もないので浦和の日程は今年とは一変していきなりスカスカに。新聞辞令ではまもなく新監督が決まりそうですが、スコルジャと違ってチーム作りの時間はたっぷり取れそうなので、ACL負担のない来年こそは全身全霊、全員一丸となってリーグ優勝へ向けて邁進してほしいものです。

《選手評等》

・この試合のゴールがおそらくリンセンの正しい使い方の典型なんだが、今年の攻撃の仕込み、その前のビルドアップの仕込みではなかなかボックス内でリンセンに勝負させる形は作れず。リンセンはたぶんリカ向きだったと思うけど、リカ時代に出落ち芸一発で故障(つД`)

・パンヤは札幌戦&ハノイ戦の出来だと契約更新なしでも特に不思議はないなぁ。もともとIH系過剰ですし。武田戻ってくるし。

・割とはっきりしたファウルなのにVARとの交信&OFRにやたら時間をかけるとか、VARが介入してしかるべき事象になぜか介入しないとか、この試合の審判団はかなりJリーグっぽかったなあ。教訓「人生いたるところJリーグあり」

・この試合のあの方の解説は必要以上のダメ出し、不愉快になるレベルのディスりがなくてかなりマシだったかと。でも劣勢の状況下で元気にさせてくれる話もゼロでした。

World_vietnam_aozai

-----リンセン-----
シャルク---エカニット---小泉
---岩尾--安居---
荻原-ショルツ--岩波-大畑
-----西川-----

(得点)
53分 ダオ バン ナム(ハノイ)
65分 リンセン
87分 ファム トゥアン ハイ(ハノイ:PK)

(交代)
HT 岩尾→伊藤
HT 小泉→大久保(荻原、大畑のSB左右入れ替え)
60分 エカニット→カンテ(カンテ&リンセンの2トップ気味へ)
60分 シャルク→関根
75分 大畑→興梠(関根右SB、荻原左SB、リンセン左SHへ)

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