【短感】CWC準決勝:浦和 0-3 マンチェスターシティー ~ ぐうの音も出ない完敗
浦和のスタメンはレオン戦と全く同じ。複数失点してしまうとどうにもならない相手ですし、いつも以上に守備重視の面子で臨まざるを得ないでしょう。試合前は故障明けの酒井が今にもスタメンで出そうなコメントを連発していましたが、さすがにここは自重したようでベンチスタートに。
恥ずかしながらDAZNでプレミアリーグの中継をやらなくなってから海外サッカーは全くと言っていいほど見なくなってしまったので、マンチェスターシティーのスタメンがどこまでベストメンバーに近いのか皆目見当がつかず。スタメンで顔と名前が一致するのはGKエデルソンだけ。同じく顔と名前が一致するデ・ブライネはベンチ外でした。
浦和は立ち上がりから積極的に前からプレスをかけに行きましたが、残念ながら全くと言って良いくらいボールを良い形奪えず。やっと奪ったと思ったらすばやく攻守を切り替えてボール奪回に転じたシティーのプレッシングの前にもともと苦手なビルドアップは体をなさず、シュートどころか前線にまでボールを運べず。
攻撃面は壊滅的だったものの守備は大健闘を見せて序盤のシティーのシュートはミドルシュートだけ。浦和が初めてボックス内からのシュートを撃たれたのは、31分右サイドから#20シウバのパスをボックス内で受けた#27ヌネスがやや角度の厳しいところから強引に撃ってきた場面。この場面以降浦和は自陣に押し込まれがちになり、36分#47フォーデンシュートが西川の正面を突くなど危ない場面も増えてきましたが、右SB関根が再三シティー攻撃陣に狙い撃ちに遭いながらも健闘を見せて相手に決定的な場面は与えず。
このままスコアレスで前半終了かと思いきや、45+1分岩尾がヌネスに入れ替わられたのが痛恨。ヌネスはシウバとのパス交換で浦和左サイド深くまで進出。そこからの折り返しをマリウスがクリアしようとしたところで運悪くオウンゴールに。カット出来なかったら後ろにフォーデンがいたからなぁ・・・
前半シュートゼロに終わった浦和は後半立ち上がりにようやくチャンスらしいチャンスをゲット。小泉左サイド深い位置でボールを奪ってカンテに繋いだもののカンテのシュートはブロックされてしまいましたが、これが浦和の初シュート。
先制点を許した後も特にチームがガタガタになることもなく時間が経過していましたが、52分ウォーカーが自陣の右サイドから長い距離のスルーパス一発。これが関根とショルツの間にいたコバチッチに通って、コバチッチはそのままボックス内突入。豪快な右足シュートが炸裂して追加点を取られてしまいました。遠くで「ここに出せ!!」と言わんばかりに高々と手を上げているコバチッチにまんまとスルーパスを通されてしまうとはアラート無さすぎ・・・
シティー相手に2点も取られて窮地に陥った浦和は57分大久保→シャルク、伊藤→荻原と代えただけでなく、既にヘロヘロの関根を左SHに上げて明本を右SBに入れるといった工夫を見せたものの、岩尾の疲労の色が濃い上に投入した選手は守備に難がある選手であることも相まって次第にやられ放題に。
59分#25アカンジに全くプレスがかかっていないのが災いして最後方から縦パスを入れられてヌネスがミドルシュート(ヌネスに対峙しているのがなぜか荻原)。ここはGK西川が辛うじてセーブしたものの。こぼれた玉に詰めたシウバのシュートがマリウスに当たってコースが変わったのが災いして3点目を取られて事実上勝負あり
64分にはカンテ→リンセン、小泉→中島と代えて反撃に転じ、80分には右サイド深い位置からショルツが持ち運んだのを契機にこぼれ球に反応してボックス内に突入した中島がGKエデルソンとの1対1になりかかるこの試合最大の見せ場を作ったものの、エデルソンの飛び出しが鋭すぎてシュートを撃ち切れずにそのまま試合終了。
終わってみればシュート数2対25、ボールポゼッション26%対74%のスタッツ通り、全く勝ち目がないどころか引き分けで終える目すらなかった完敗。欧州王者の背中が見えるどころか、その影さえ見えないくらい彼我の差が大きいことを思い知らされました。
ただ3失点とも守備ブロックを綺麗に崩されたのでは無く、浦和が攻めに転じようとしたところでやられました。言い換えればビルドアップが拙くて攻撃に見るべきところがないチームらしい負けっぷり。それでもアジアレベルならなんとか誤魔化しが効いたものの、欧州王者は浦和の小さな綻びを確実に突いてきました。いやはや誠に恐れ入りましたとしか言いようがありません。
守備がまるで通用しなかった=普段は出来ていることがシティ相手に出来ずに大敗したのではなく、普段から苦手なことをしっかり相手に咎められての大敗。普段の延長戦上での負け方なのが浦和の改善点がはっきりしている分、妙な話ですが負け方としては救いのある話と思います。
普段は誤魔化しが効くはずの欠点が誤魔化しきれないのは巨大すぎる相手とガチで対戦してこそ得られる貴重な経験。名前だけビッグクラブとの親善試合をいくらやっても得られるものは知れています。やはりACL決勝でアルヒラルと、そしてその先のCWCでガチンコの試合を経験して得られるものには遠く及ばない。だからACLには出続けないといけないし、そのために何としてもはリーグ戦でコンスタントに優勝争いしないと。それを何年も何年も積み重ねて、また欧州王者とガチンコ対戦の場に帰ってきましょう。
次は中2日でエジプトのアルアハリとの3位決定戦。スタメンはかなり入れ替えざるを得ないでしょうし、シティ戦でメンタル的に燃え尽きた選手もいるかもしれません。それでも勝って終わりたい、勝ちにこだわる選手がどれだけいるかどうか。3決にありがちなシチュエーションですが、何かを掴んで今シーズンの締めくくりにして欲しいものです。
なおレオン戦では前半一杯壊滅状態だったFIFA+の映像はシティー戦は何の問題もなし。大失敗はしたものの、その後の修正が効くまともな組織でした。Jリーグとは違うのだよ、Jリーグとは!!またFIFA+の映像はボロ負けした浦和へのリスペクトが感じられました。これが日テレならただの噛ませ犬扱いやったでしょうなぁ・・・
-----カンテ----
小泉---安居--大久保
---岩尾--伊藤---
明本-マリウス--ショルツ-関根
-----西川-----
(得点)
45+1分 オウンゴール(MCI:マリウス)
52分 コバチッチ(MCI)
59分 シウバ(MCI)
(交代)
57分 大久保→シャルク
57分 伊藤→荻原
64分 小泉→中島
64分 カンテ→リンセン
78分 岩尾→柴戸
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