馬渡和彰選手 松本山雅FCへ完全移籍
昨日(1/7)馬渡和彰選手の松本山雅FCへの完全移籍が公表されました。
馬渡の移籍話は1/7朝に機関紙スポニチに出ただけで、しかもその直後に公式発表された格好となりました。
馬渡は2022年に大宮から完全移籍加入。馬渡の主戦場は右SBですが左SBも可能。両サイドがこなせるSBという点では退団が決まった宇賀神の後釜といった意味合いが感じ取れる補強でした。また馬渡は1年だけですが徳島でリカの薫陶を受けており、戦術理解も早いものと目されての獲得と思われました。
もちろん本職の右SBには絶対的な存在=酒井がいるので馬渡本人にとって浦和移籍はかなりの冒険だったと思われますが、一応左SBが出来るのが幸いして加入当初は故障が癒えない大畑に代わって左SBでスタメン出場。その後も無理使い出来ない大畑に代わって左SBで、故障がちの酒井に代わって右SBでとシーズン序盤はなんだかんだと試合に出続けました。
第3節湘南戦では終盤左サイドを激走した馬渡がボックス内に突入し、明本のスルーパスを受けて角度のないところからGK谷の頭上をぶち抜く豪快な一撃を決めて試合を決定づける追加点をゲット!!
しかし、リカが左SBに明本を起用し出してから左SBでの出番を失い、右SBでは酒井の代わりの一番手は宮本になって馬渡の出番は5月下旬の第14節以降激減。馬渡が最後にスタメン出場したのは第30節湘南戦でしたが、そこでも良いところなく前半だけでお役御免になってしまいました。
監督がスコルジャに代わった2023年は前年よりさらに出番がなくなり、リーグ戦出場はなんとたった3試合計24分のみ!!リーグ戦ではベンチ入りすら出来ずに完全にカップ戦要員となって、それも勝ち上がると共に出番はなくなってしまいました。シーズン終盤に酒井、明本、荻原と右SBが出来る選手が相次いで故障したにも関わらず、右SBが本職の馬渡は監督に見向きもされずに関根が転用されたのは馬渡にとってさぞかし屈辱的な事態だったことでしょう。
スコルジャの下で馬渡の出番がほとんどなかったのは「SBとしては守れなさすぎる」という単純明快な理由と推察されます。とにかく馬渡は山中以上に極端に攻撃偏重型のSBで、破壊力あるドリブルや高精度クロスを有し、さらにはプレースキッカーとしてどんなに魅力的であろうとも、「とにかく守れない」という馬渡の欠点がスコルジャには目に余り過ぎたのでしょう。
またスコルジャとの相性云々以前にリカの下でも次第に出番を減らしていたことを考え合わせると、過去広島に移籍したものの鳴かず飛ばずに終わり、その後川崎→湘南と移籍してもやはり主力にはほど遠かったというキャリア=J1で使える実力に達していないことを浦和でも改め得て証明しただけなのかもしれません。昨季出番がほとんどなく、しかも32歳という年齢を考えれば馬渡が放出対象になってしまうのは致し方なく、公式発表が案外遅かったのは行先を見つけるのに時間がかかっただけなのかもしれません。
馬渡の次の活躍の場はJ3松本。先述のように長所と短所が非常にはっきりした選手なので、監督の嗜好次第、使い方次第ではJ3では「生態系を破壊する」レベルの選手になりえるでしょう。また馬渡はチャラそうな見た目に反して、苦労人らしいキャリアを反映して出番が無くても非常に真摯にサッカーに取り組む選手、全然心が折れない選手で、出番が少ない割には応援したくなる選手、何かしらの可能性を感じざるを得ない選手の一人だったようにも思えました。
2年間ありがとうございました。
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