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2024.07.01

【観戦記】24年第21節:浦和 3-0 磐田 ~ この面子でここまでやれるのか!!

 前節名古屋戦以上に相手に何もやらせない完勝。川島の奮戦で3点止まりに終わったといっても過言ではない試合でした。それにしても動ける選手をかき集めたような面子でここまでやれるとは!!

《スタメン》

 浦和のスタメンは前節名古屋戦と全く同じ。この試合でレンタル契約満了となる予定のソルバッケンも最後までお勤め。

 試合前の会見でヘグモは「ハムストリングに違和感を感じたタカ(関根貴大)と足首をひねった(前田)直輝がどうかというところは状態を見なければいけません。サミュエル(グスタフソン)はトレーニングで良くなってきていたなかで少し発熱などがありましたので、明日の状態を見なければいけません」と語っていましたが、結局この3人は戻ってこず、故障していた選手は興梠が戻ってきただけ。

 徳島への移籍が決まった岩尾もベンチ外となったので、今季ここまで全く出番がなかった宇賀神と堀内がついにベンチ入り。ソルバッケンが90分持つかどうか怪しいのに、サイドアタッカーが控えに一人もいない苦しい陣容を強いられました。

 一方磐田は前節から森岡→グラッサ、金子→平川、ジョゼ→松本とスタメン三枚入れ替え。前節東京V相手に3-0と完勝したので「勝ったチームはいじらない」と個人的には予想していましたが、試合後の監督会見によると「SHはハードワークをしないといけないのでフレッシュな選手を入れた」とのこと。

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《試合展開》

 キャプテンに加えて副キャプテンまで壊滅した浦和は、満を持していたかのように伊藤がゲームキャプテンに。そして浦和の布陣は名古屋戦同様4-2-3-1でしたが、渡邊左SH、武田トップ下と両者の位置を名古屋戦から入れ替えてスタートしたのが目を惹きました。

 一方磐田ははっきりした4-4-2でリトリート主体の守備。従ってボールは早々と浦和が一方的に保持する展開になりましたが、磐田の守備ブロックの外でぐるぐるボールを回すだけでほぼ持たされている格好に。

 13分には大畑がボックス内で右SB植村に引き倒されたように見えましたがPKはなく、おまけにVARもなぜか沈黙。しかもそこからカウンターを食らって平川の際どい一発を浴びてヒヤリ。

 その後も浦和が辛抱強くボールを回して隙を伺う時間が続き、21分珍しく左サイドに回っていた伊藤が渡邊のさらに外を回ってクロス→ファーで石原が平川の前に走り込んでヘッドが炸裂して先制!!169cmしかない石原ですが、相手の前に入ってしまえば背の低さは全く関係ありません。

 石原はこれが浦和加入後初ゴールどころかプロ入り後初ゴールなんだとか。湘南ではボックス内に飛び込む仕事なんて全く求められていなかったのでしょうが、浦和では逆サイドにボールがあるときのポジショニングの改善、要するに点を取ることをしつこく要求されて、それが見事に実ったようです。

 ボールを持たされた挙句、焦りからのパスミスからカウンターを食らってしまう試合展開が怖かったのですが、先制点を取ってしまえば試合は完全にボールが握れる浦和ペースに。浦和のボール回しにも余裕が生まれ、43分好位置での武田FKが枠内を急襲するもここは川島がセーブ。前半終了間際の渡邊シュートはわずかに枠外。

 前半全くいいところがなかった磐田は左SH平川に代えて古川を投入しただけでなく、なぜかCBグラッサに代えて森岡を投入。どうもグラッサは故障明けで前半だけでお疲れだった模様。まぁあれだけボールを好き放題回されたらさもありなん。

 浦和は武田と渡邊のポジションを入れ替えたのが効いてきたのか、後半は立ち上がりから猛攻。48分左サイドから武田の折り返しを伊藤シュートは川島に阻まれ、50分武田スルーパス→渡邊ボックス内からのシュートはわずかにオフサイド。しかし、52分石原のボール奪取からカウンターで石原の縦パスを右サイドのスペースで伊藤が受け、その折り返しを渡邊が決めて2点目。目の前にCB森岡がいてシュートコースがほとんどない難しいシュートを見事に決めてくれました!!

 57分には武田FKの跳ね返りをアーク付近から大畑がミドルシュートを放つも、ここは川島がビッグセーブ。62分には武田FKがバーを直撃。2点ビハインドの磐田は59分松本→ジョゼ、71分上原→山田と早めに代えるも何の効果もなし。

 一方浦和は73分にソルバッケンに代えてサンタナを投入して4-4-2気味に布陣変更。するとその直後の74分高い位置での渡邊ボール奪取から大畑クロス→武田スルーが効いて伊藤が試合を決定づける3点目をゲット。

 事実上これで試合が終わってしまい、ヘグモは82分にリンセンに代えてエカニットで試運転。最後は宇賀神・井上・堀内とここまでリーグ戦出番のなかった選手をお試し投入する余裕も。そしてエカニットのボックス内突入もあれば、最後は宇賀神が武田CKのこぼれ玉を拾ってミドルシュートを高々と打ち上げるなどそこそこ見せ場を作った上で、磐田に全く何もやらせずに完勝。

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《総評》

 前節名古屋戦は相手に何もやらせない完勝でしたが、スコア上はウノゼロの辛勝。しかしこの試合は名古屋戦以上に相手に全く何もやらせず、しかもその内容をきっちりスコアにも反映させた3-0の完勝。ヘグモが「名古屋戦からさらにステップアップして、試合を通じて一貫性のあるプレーを見せることができたと思います。」とまとめた通りのケチのつけようがない試合内容でした。

 この一週間で酒井・ショルツ・岩尾とチームの顔的存在だった選手を立て続けに3人も失った上に怪我人の回復は相変わらず芳しくなく、「動ける選手を全部かき集めてなんとか18人揃えた」だけに過ぎないようなチーム状態でこれほどまでのパーフェクトゲームが出来るとは!!

 得点は3点ともサイド攻撃から。しかもサイドアタッカーが独力で仕掛けてぶち込んだものではなく、ラストパスを出す者、それを受けてシュートを撃つ者、良い形でシュートを撃てるように相手DFの的を絞らせないように動く者とチーム内で仕込みに仕込んだ形が結実したゴールだったのには感涙しました。

 ヘグモは「サイドで2対1を作ってクロス上げたところに、しっかりとペナルティーエリアに進入している選手が点を取るという素晴らしい1点目がありました」と石原を褒めていましたが、石原へのポジショニング指導が実ってのゴールですからそりゃ嬉しいでしょうなぁ。

 またこの試合で目に付いたのはゴールへ至る選手たちの動きもさることながら、ボールを失った後の浦和の選手たちの切り替えの早さとボール奪回時の強度の高さ。これが怪我人を山のように出しているヘグモ式トレーニングの生き残りの強さなのかも。走行距離は浦和109.8km、磐田107.6㎞とやや浦和が多い程度ですが、スプリント回数は102回vs60回と大差があり、浦和が蒸し暑い中で「肝心な時だけ滅茶苦茶走っている」様がスタッフに如実に表れています。

 ボールを失った途端に浦和の選手たちは攻守を素早く切り替え、しかも複数人で磐田のボールホルダーへ殺到して磐田得意のカウンターを封殺。また磐田がロングボールでプレスを回避しようとしてもマリウス&佐藤の両CBはそもそもハイボールの競り合いには滅法強いタイプな上に、4-2-3-1への布陣転換が奏功して伊藤&安居がこぼれ玉へ反応しやすい位置にいるので、磐田は全く攻め手がありませんでした。

 磐田はカウンターを仕掛けようにも最後までボールの奪いどころが定まらず、ボールを良い形で奪えずにピッチ上を虚しく徘徊するだけ。25年くらい前は浦和と磐田の立ち位置は逆だったと思うと実に感慨深い完勝劇でした。

 そして3度目のACL優勝という超ビッグタイトルをもたらした偉大な3選手が浦和を去り、代わって伊藤・石原・佐藤の98年組が浦和を背負う時代がいきなり到来した感もある試合でした。

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《選手評等》

・リンセンってこれまで如何せん稼働時間が短かったせいもあって正直あまり評価していなかったのですが、めっちゃ周りを活かせる上に守備も案外頑張れることにびっくり。ボールが来ないことに本人は不満のようですが、チームが点を取るための仕事は真面目にこなしているので監督の評価は高そう。

・一方サンタナはスタメン外れてちょっと焦ってるかなぁ。投入直後に無理目なミドルシュートを二本。でも3点目にはファーで伊藤を助けるポジションを取っていてサンタナらしい献身性が失われたわけではないので、おいおい決定的な仕事をしてくれそう。

・武田はトップ下だと磐田相手ですらちょっと強度不足なので途中からSHに回したのかな?SHだとクロスマシーンみたいな感じになっていましたが、ドリブルでぶち抜くタイプではないからしゃーないか。またプレースキッカーとしてはかなり頼もしいことを再確認。

・磐田のゴール期待値って0.2くらいだろうと思っていたら、なんと0.76もあったとは!しかし13分大畑PKなしよ!からのカウンターで得た決定機で期待値を押し上げただけでそこから全く伸びてない(苦笑)でも前半のゴール期待値は磐田のほうが上ってこの数値はなんか致命的な欠陥があるなw

・この試合の川俣主審は判定基準がめちゃくちゃで非常に難儀。しかもVAR福島氏の仕事っぷりがそれ以上に謎。

・68分浮き球に西川・マリウス・ペイショットが競り合った場面では、ペイシェントがヘディングシュートをした直後に西川のパンチがペイショットの後頭部を直撃する場面がありましたが、PKがないどころかVAR介入もなし。84分マリウスのハンド疑惑がありましたが、マリウスが不自然に手を広げてはおらず、PKになる可能性は低いにも関わらず、なぜかこの場面ではVARが介入して案の定ノーファウル。

・選手紹介Vも各種ポスターもチームの顔的な主力選手がごっそりいなくなったんだから、せめて中断期間で作り直しせんとなあ・・・

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-----リンセン-----
渡邊---武田--ソルバッケン
---安居--伊藤---
大畑-マリウス--佐藤-石原
-----西川-----

(得点)
21分 石原
52分 渡邊
74分 伊藤

(交代)
73分 ソルバッケン→サンタナ
82分 リンセン→エカニット
89分 佐藤→井上
89分 安居→堀内
89分 渡邊→宇賀神

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--ペイショット--ジャメイン--
平川--------松本
---上原--ゴメス---
松原-グラッサ--鈴木-植村
-----川島-----

(交代)
HT 平川→古川
HT グラッサ→森岡
59分 松本→ジョゼ
71分 上原→山田
81分 植村→西久保

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