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2024.08.12

【DAZN観戦記】24年第26節:鳥栖 1-1 浦和 ~ いよいよ残留争いかぁ・・・

 残留争い組との4連戦で僅か勝ち点2に終わったことで、浦和の目標はもはや残留でしかなくなったのはある意味「良かった探し」なのかも。やるべきことがはっきりしたから。その割にはFB本部の動きが鈍すぎるのが気になります。

《スタメン》

 浦和は前節柏戦が雷雨のため順延になったので中断明け初戦の一方、鳥栖は酷暑下で中3日の連戦。

 浦和のスタメンは札幌戦から松尾→二田、武田→大畑、伊藤→グスタフソンと3名入れ替え。幻の柏戦スタメンと比べるとら松尾→二田、中島→大畑、伊藤→グスタフソンとやはり3名入れ替え。そして新加入の長沼が早速ベンチ入り。

 なお幻の柏戦スタメン同様にサンタナがなぜかベンチ外。「サンタナも海外移籍か??」と案じられましたが、試合後の会見によると「7,8日くらい前にちょっとした怪我をしました。彼もブライアンも復帰して、来週はメンバー入りできる状態になっていると思います」とのこと。

 鳥栖のスタメンは前節鹿島戦からテヒョン→木村、上夷→堺屋、西矢→河原、横山→楢原、清武→日野と5名入れ替え。FW富樫が出場停止。

 また4月の前回対戦時と比べると、浦和は酒井・岩尾・ショルツ・伊藤が抜け、鳥栖は菊地・手塚・横山・長沼が抜け、おまけに鳥栖は試合前々日の8/9に監督が川井氏から木谷氏に代わったばかりと、奇しくも残念なチーム事情を抱えた者同士の一戦に。

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《試合展開》

 伊藤の離脱を受けてヘグモは4-2-1-3をとうとう放棄して、アウェー名古屋戦で上手く行った4-2-3-1が基本布陣に。安居&グスタフソンの横並びでしたが、ヘグモの弁を借りると「海渡はより守備的な仕事をして、サミュエル(グスタフソン)がより自由に前に行く、という形」に。

 鳥栖は監督交代後も布陣に変更はなくいつもの4-2-3-1で、形の上では浦和とがっぷり四つ。そして序盤は後方からボールを繋ぐ浦和に対して鳥栖がハイプレスで対抗する構図となり、6分左サイドから日野クロス→ファーで中原が大畑の前に入ってフリーでヘッドを放つ決定機を作りましたが、枠を捉えきれず。

 時間の経過と共に浦和は鳥栖のやり方に慣れ、15分くらいから浦和が鳥栖を自陣に押し込む格好に。ただ浦和はボールを持っているだけでなかなか決定機が作れず、流れの中から良い形が作れたのは33分マリウスロングフィード→二田ポスト→渡邊シュートくらい。

 一方セットプレーは中断期間中にそれなりに仕込んだ気配があり、26分CKをファーで折り返してグスタフソンヘッドが決まったか!!と思われましたが、惜しくもゴール前でカバーに入った福田がクリア。

 鳥栖はビルドアップに困ってスピードのあるヒアンを使ってのカウンター頼みに。37分不十分なクリアに対する大久保の対応が軽くて堺屋に競り負け、堺屋にそのままシュートまで持っていかれるピンチがありましたが、ここは西川が好セーブ。

 後半頭は鳥栖が一転して大攻勢。開始早々あまりにも軽い、軽すぎる石原の残念な対応が契機となって日野やヒアンに立て続けに浦和の守備ブロックが切り裂かれ、49分右サイドから福田クロス→ヒアンヘッド、50分ヒアンとのワンツーで日野シュートと決定機を許してしまいましたが、鳥栖のシュートはいずれも枠を捉えられず。

 大ピンチの連続をなんとか凌いだ後は前半に続いて鳥栖を自陣に押し込む浦和の時間帯に。55分CKからの流れで左サイドからの渡邊カットイン&シュートはポスト直撃。58分鳥栖の前プレを簡単に交わして、大久保がドリブルで運んでボックス内で二田に繋がるという非常に良い形を作りましたが、二田のシュートはイルギュの守備範囲内。

 63分に二田に代えて松尾を投入。その直後に松尾が左サイドからカットインしてボックス内突入するもシュートはサイドネット。

 浦和ペースで試合が進む中、浦和の先制点は意外な形から。73分自陣左サイド深い位置で浦和がボールを奪い、ハーフウェーライン手前でパスを受けた松尾が追いすがる原田を卓越したスピードで振り切って単騎ドリブルでボックス内まで運んでGKの股抜きシュートが決まってゴール!!!もう再現性もへったくれもない、「一人で出来た!!」としか言いようがないゴールでしたが、ゴールはゴールです。

 鳥栖は後半頭の時間帯以外なにも出来ていなかったので、なんとか先制点を取った浦和がそのまま逃げ切り勝ちと信じて疑わなかったのですが、そんな試合を勝ち切れないのが今の浦和の情けなさ。79分井上のヘッドでのバックパスがあまりにも緩すぎてヒアンに拾われ、西川がヒアンをラグビータックルのような格好で止めてしまったので当然一発レッド。

 ヒアンが猛然と詰めてきているのは井上も見えていたはずなので、タッチに出していれば何事もなかった場面。井上への西川のコーチングがどうだとか、そもそも西川の位置が低すぎないかとか、付随的な意見もありましょうが、とにかく一義的には井上の大失態なのは疑いのないところ。ヘグモはやむなし関根を下げてGK牲川を送り出しましたが、ヒアンのPKはコースが完璧すぎて牲川はどうにもならず。

 数的不利に陥った浦和は布陣を3-5-1に代え、なおもボールをしっかり繋いで勝ちに行く構え。しかし、それが祟ったのか90+1分浦和CKを跳ね返したボールへの石原の対応があまりにも軽すぎてヒアンが独走!!しかし大畑が追いすがったのも多少助けとなったのか、牲川がヒアンとの間合いを巧妙に詰めてビッグセーブ。

 逆に90+2分石原の縦パス一本で松尾が裏抜けに成功するもシュートはGKイルギュが難なくセーブと双方決定機を決めきれず、勝ち点1を分け合って試合終了。

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《総評》

 弱い、とにかく弱い。札幌と言い、鳥栖と言い、全然強いとは思えないチームにすら勝てない弱さ。湘南・京都・札幌・鳥栖と続いた残留争い組との4連戦で勝ち点わずか2で終わるという圧倒的な弱さ。「クラブワールドカップから逆算した、世界の競合クラブと伍して闘うことのできるチーム作り」なんてもう狂人の世迷言としか思えないくらいの圧倒的なスピードで残留争い本格参入へ向けて坂を転がり落ちる浦和。

 鳥栖の前プレなんて全く苦にしない流麗なビルドアップだけはホンマ見てて惚れ惚れします。これだけはヘグモを招聘して浦和が確実に良くなった点。ただ問題はアタッキングサードにボール運んでから。それでも後半はボックス内に縦パスを刺せるようになり、前半は見られなかった裏抜けもチラホラみられるようになりました。

 そして狙っていた形ではなかったにせよなんとか先制。だがそれでも勝てないんだよなあ。守備が脆弱すぎて。同点に追いつかれたのは井上の大失態というほぼ個人的な問題なのでヘグモを責めても仕方ありませんし、後半立ち上がりのやられっぷり&最後のヒアンのカウンターも石原の対応が酷すぎるとは思いますが・・・スコルジャの堅守も結局最終ラインの個人能力頼みで、マリウス以外の3人がいなくなった今はこうなってしまうのも仕方ないのかもしれません。それにしても脆い。

 さすがにヘグモも守備がヤバすぎることを気に病んだのか、伊藤の離脱を契機にとうとう4-1-2-3を完全に放棄して、基本4-2-3-1&守備時は4-4-2に布陣転換。そして中断期間中には「マティアス監督やマリオ エドゥアルド チャヴェスコーチがゾーンディフェンスの指導をしていた」という、まるで「ようやく始めた冷やし中華かよ!!」みたいな話も。多少その成果はあったのか、前プレとミドルゾーンでの守備ブロック形成の使い分け、切り替えはかなりマシになり、鳥栖はとうとうビルドアップを放棄して「ヒアン頼みの○サッカー」に堕していたような印象さえ受けましたが、結局その○サッカーに屈してしまうのですからいやはや何とも。

 残留争い組との4連戦で僅か勝ち点2に終わったことで、浦和の目標はもはや残留でしかなくなったのはある意味「良かった探し」なのかも。やるべきことがはっきりしたから。その割にはFB本部の動きが鈍すぎるのが気になりますが、西野のトンズラが響いているのかもなぁ・・・ とにかくショルツや酒井等の移籍で得た大金を握りしめたまま降格する愚は避けてほしいものです。

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《選手評等》

・松尾CFは札幌戦でまるでダメ男だったので、幻の柏戦後の練習を見てCFを二田に代えたのかな?でも二田へ向けてバンバンハイボール蹴ってるのは謎すぎました。ビルドアップがめっちゃ良くなってるんだから、リカ時代みたいに徹底的に後ろから繋いでも良いのに。

・大畑がすぐに欧州へ行ってしまう可能性があると思えるほどの出来ではなかったのは、「良かった探し」に入れていいものかどうか(苦笑)。

・今夏に獲得した二田・本間・長沼がいきなりちゃんと稼働しているだけで昨夏よりはずっとマシ。数少ないFB本部の「良かった探し」。

・鳥栖サポは毎度毎度あんなめちゃくちゃな解説中払に耐えてるのか!!頓珍漢どころか、明らかに間違っている解説がゾロゾロ。特にファウルの解説が・・・

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-----二田-----
関根---渡邊--大久保
---安居--グスタフ---
大畑-マリウス--井上-石原
-----西川-----

(得点)
73分 松尾

(交代)
63分 二田→松尾
77分 安居→武田
77分 大久保→本間
83分 渡邊→長沼
83分 関根→牲川

-----ヒアン----
楢原---日野---中原
---河原--福田---
堺屋-木村--山﨑-原田
-----イルギュ-----

(得点)
84分 ヒアン

(交代)
61分 堺屋→丸橋
61分 楢原→シルバ
77分 日野→清武
90+6分 原田→西矢

※写真は試合とは全く関係ありません。

 

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