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2024.11.23

【観戦記】24年第28節:浦和 1-1 川崎 ~ 試合への取り組み姿勢が違いすぎて話にならず

 川崎は45分仕様のサッカーをしていたが、浦和は90分仕様のサッカーの前半で終わった。それに尽きましょう、この試合は。結果は引き分けですが気持ち的には負け試合。しかも「闘う前から負けている」ような試合でした。

《スタメン》

 8/24に行われた第28節ホーム川崎戦は雷雨の影響で前半のみで中止。そしてほぼ3ヶ月もの時を経て後半から試合再開。ただその間に浦和は監督が代わっている(というか、中断された川崎戦が結果的にヘグモ前監督の最後の試合になった)という珍妙な再開試合になってしまいました。

 後半から再開される試合なので出場選手にはいろいろと縛りがあって、基本的には試合中断時(=前半終了時)にピッチにいた選手が今試合の後半開始時にピッチへ立つことが義務付けられています。但し、中断している間に負傷等でこの試合に出られない選手がいる場合は代わりの選手を出場させることが出来、その交代は交代枠にはカウントされません。

 そこで浦和は横浜M戦&広島戦を欠場した大久保はちょっとした怪我orコンディション不良ではなく、なんと右膝半月板損傷で全治3ヶ月だった旨が試合前に公表され、代わって松尾が「スタメン」入り。空いたベンチにはサンタナが入りました。

 川崎は故障中の脇坂に代わって小林悠が「スタメン」に入り、ジェジエウがベンチ入り。

《前半》はこちら参照。底意地の悪いJリーグに「前半はなかった」ことにはされなかったので備忘録がそのまんま役に立ちました。

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《試合展開-後半》

 共にJ1残留決定済み&ACL圏入りの可能性もないという意味で「完全無欠の消化試合」だった点は同じ。ただ川崎は「とにかく1点取ろう!!」という判りやすい目標があったのに対し、浦和はこの試合の意味を見出し難かったのか、なんとなく試合に入ってしまったのが仇に。その「お気持ち」の差はプレー強度の差、球際に如実に表れたように伺えました。特に関根&石原が左SB三浦にいとも簡単に蹂躙されるのにはホトホト参りました。

 川崎の布陣は脇坂に代えて小林を入れた関係か、中断前の4-2-3-1ではなく4-4-2というか4-2-4にすら見える感じ。さらに川崎は試合時間が45分しかないことを見越して残り燃料を全く考えないかのように強烈な前プレを仕掛けてくるので、ただでさえビルドアップに難を抱えている今の浦和ではどうにもならず。一方浦和も一応積極的に前プレを仕掛けるものの、これが笑えるくらいにハマらない。

 当然ながら立ち上がりから浦和は防戦一方になり、55分川崎好位置でのFKからの流れで三浦クロス→小林ヘッドであっという間に同点に。

 川崎はこの後中3日でACLEアウェー・ブリーラム(タイ)戦を控えているせいか、「同点に追いついてとりあえず目標達成」といわんばかりに56分大島に代えて河原を投入。同点に追いついた川崎のプレス強度は一層鋭さを増し、64分には河原クロス→小林ヘッドと55分と酷似した形で決定機。その後も浦和は何度も川崎のボックス内への侵入を許し、最後の最後で凌ぎ切る場面が目立ちました。

 浦和がようやく反撃らしい反撃を始めたのは65分渡邊がシュートコースを探しに探して放ったシュートが枠内を急襲したところから。79分にはグスタフソンスルーパス→渡邊が右サイドを激走してボックス内でタメを作り、アーク付近で松尾がどフリーでシュートを放つ好機を作りましたが、残念ながらシュートはポストを直撃。そしてこの試合で浦和の見せ場はこれだけ。

 ACLEを控える川崎はサクサクと主力を下げる選手交代を連発。浦和も70分にリンセンに代えてサンタナを入れた上に82分に意図の判然としない3枚替えを敢行するなど、どちらも消化試合らしい「不要不急の交代」が目立ちましたが、最後まで川崎優勢の流れは変わることなくそのまま試合終了。

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《総評》

 川崎は45分仕様のサッカーをしていたが、浦和は90分仕様のサッカーの前半で終わった。それに尽きましょう、この試合は。結果は引き分けですが気持ち的には負け試合。しかも「闘う前から負けている」ような試合でした。

 個人的に今日の浦和はブーイングするほどでもないと感じたのは出来の悪い試合の前半そのもの=よくある光景だったから。「45分しかないんだから、その中でやれることをやれ!!」と期待する向きには当然不満が出ましょうし、それが自然な反応なのかもしれません。

 そして試合後会見でのスコルジャはあからさまに激怒。「本日のパフォーマンスは、我々のスタンダードを下回るものになってしまいました。あらゆる側面でそれが言えると思います。戦術的な規律もそうですし、メンタルの側面でもそうです」「姿勢やモチベーションのところだと思います。そこに改善の余地があると思います」「本日のメンタル面は、十分なレベルにあったとは言えません」とメンタル面の問題を嘆く言葉がズラズラっと並んでいます。「状況を変えようとする強い性格」を持っている選手もいるころはいるが、チーム全体としてはそうなっていないとも。

 「だからGKをキャプテンにするのは嫌やったんや!!!」とスコルジャの喉元まで出かかっていそうな言葉まではさすがにぐっと堪えて飲み込んでいましたが(苦笑)。

 浦和のメンタルの弱さは何もこの試合に限った話ではなく、「先制点を取られるとすぐにしゅんとなってしまう」等々今季随所に見受けられました。ショルツ・岩尾・酒井とキャプテンシーがある選手、チームを鼓舞し、良い影響を与えられる選手が一挙にいなくなった結果こんな脆弱なチームになってしまったのかもしれません。

 前ハメが一向にハマらない主因をメンタル面に求めるとは正直どうかと思いますが、スコルジャはFB本部にキャプテンタイプの選手の補強も要求するでしょうなぁ、この感じでは。

 そしてこの残念な試合を受けてスコルジャは「今までベンチスタートが多かった選手に出場の機会を与えることを、残りの2試合でやっていきたいと思います」と明言。

 それで良いとは思いますが、控え組を数多くスタメン起用すると当然ながら連携に難があったり、能力的にちょっと寂しい点もあるでしょうから、「気持ちが入っているのは判るが少々空回り」になるかもしれません。

 さらに最終節までに新潟の残留が確定していないようなら、J1残留を賭けて全身全霊&一心不乱の境地で冥府魔道の道を行く新潟にホームでボコられる覚悟が必要でしょうなぁ・・・

 最終節終了後恒例のスピーチ。今季特段の非がない浦和社長はなんら非難される謂れはないと思いますが、別途FB本部の挨拶があるとは思えないので赤者的には怒りのやり場がないという展開になりそう・・・そして全てを有耶無耶にする興梠の引退挨拶&スタジアム周回・・・

《選手評等》

・試合中に公表された観客数は35,188人。どう見ても3万人もいない客入りだったので盛大な集計ミスをやらかしたのか??と思ったのですが、後刻クラブから「再開試合の観客数は20,214人」との発表がありました。ただ第28節全体の公式入場者数は中断前の観客数=35,188人になるようです。

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《後半開始時の布陣》

-----リンセン-----
松尾---渡邊---関根
---安居--グスタフ---
大畑-マリウス--井上-石原
-----西川-----

(得点)
23分 渡邊

(交代)
70分 リンセン→サンタナ
83分 関根→中島
83分 大畑→長沼
83分 安居→二田

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---山田--小林---
マルシ-ニョ-------家長
---大島--橘田---
三浦-車屋--佐々木-際
-----ソンリョン-----


(得点)
55分 小林

(交代)
56分 大島→河原
73分 マルシーニョ→遠野
81分 ファンウェルメスケルケン→ジェジエウ
81分 山田→エリソン

 

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