エカニット パンヤ選手 期限付き移籍期間満了
昨日(11/28)ムアントン ユナイテッド(タイ1部)より期限付き移籍で在籍していたエカニット パンヤ選手(愛称「ブック」)が同移籍期間の満了に伴い退団することが決まった旨が公表されました。
ブックは2023年7月に浦和加入。浦和はムアントン ユナイテッドとパートナーシップ契約を結んでいる関係で、同年5月中旬から約2週間浦和の練習にチームメート2選手と参加し、そこで一定の評価を受けたのがブックの獲得に繋がったようです。
当初の期限付き移籍期間は2023年12月31日までと短く、いかにも「お試し期間」っぽい感じの加入でした。悪く言えば単にタイ市場の開拓というビジネス優先の選手獲得と陰口を叩かれるのも仕方ない感じでしたが、過密日程に悩まされたスコルジャはACLグループリーグハノイ戦(H:10/4)でついにブックを途中投入。しかもいきなり得点も取る華々しい浦和デビューを遂げました。
その後終盤の途中出場を続けながら、ACLグループリーグ浦項戦、そして続くリーグ戦神戸戦でついに立て続けにスタメン出場。さらにリーグ戦札幌戦、ACLグループリーグハノイ戦(A)でもスタメン出場して主力に近い位置づけとなり、期限付き移籍契約の延長を勝ち取って2024年シーズンも浦和で闘うことになりました。
浦和で十分やれると手応えを感じたのか、ブックはヘグモ新体制となった浦和の沖縄キャンプに参加することを望んでアジア杯タイ代表招集を辞退。この行動には当然ながらタイ国内で非難囂囂だったようですが、浦和から観れば男気を感じるお話でした。
しかしヘグモ体制下でのブックの出場機会はなかなか訪れず、ルヴァン杯2回戦鳥取戦でようやく途中出場。その後途中出場がしばらく続き、ルヴァン杯2回戦長崎戦でついにスタメン出場を果たしましたがヘグモの信頼を得るには至らず。リーグ戦湘南戦(7/4)でスタメン出場して前半限りでお役御免となったのが実質的に浦和での最後の出場になってしまいました。以後はベンチ入りも叶わず。
ブックの最適ポジションは4-2-3-1のトップ下。過密日程&2023年夏の補強の目玉だったはずの中島が完全に期待外れに終わったことも手伝って、ブックはその年の終盤に得意のトップ下で活躍の場を得ました。狭い局面でちょこちょこ動き、スピードも結構ある点でいかにもタイ出身らしい選手でしたが、ブック本人も認めるように戦術理解にあやふやなところがあり、絶えず周囲をきょろきょろ見てて連動しようとする意識があるものの、やはりCFと連動してのプレスのかけ方に怪しさ満点でした。そして最大の難点はプレー強度の乏しさ。
翌2024年ヘグモの基本フォーメーションは4-1-2-3でしたが、そのプレー強度の乏しさが祟ってかブックはしばらくベンチ入りすら出来ず。怪我人続出を受けて4月下旬になってようやく途中出場の機会を得たものの、全く適性がないWGでの起用ばかりで当然ながらこれといった活躍もできませんでした。
スコルジャが浦和に戻ってきて基本フォーメーションは再び4-2-3-1に変わりましたが、前年と違って日程スカスカ、かつトップ下には渡邊が絶対的存在になっていたのでブックの出番はありませんでした。
大失敗に終わった2023年夏の補強選手の中では出場機会があっただけマシという前向きな評価も出来ましょうが、総じて浦和でポジションを掴むにはちょっと力不足。チャナティップやスパチョークの域には遠く及びませんでした。宮本とそっくりで遠目には区別がつかないのが一番の思い出かも。1年半でしたがありがとうございました。
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