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2025.03.24

【短感】AWCL24-25準々決勝:浦和L 0-0(PK5-6)武漢江大

 浦和のアジアでの挑戦、そして世界の強豪たちとガチンコで闘う夢はPK戦負けという形で砕け散りました。

 120分を通じて浦和が敵陣内でボールを支配する試合展開で、シュート数12対2という公式記録通り武漢にしてみれば「10回やって1回勝てるかどうか」と言っても過言ではないくらい力の差はあったと感じました。

 ゆえに武漢は立ち上がりから5-4の守備ブロックを自陣深くに作る「ドン引き」の構え。そして前に33番のCFをポツンと残してあわよくばカウンターで1点をもぎ取る狙いもはっきりしていました。

 浦和が後半頭から対人守備に無類の強さを誇る石川を投入したためカウンターでの得点の可能性も潰えると、今度はPK戦までもつれこませるべく露骨にちょこちょこ時間稼ぎをし始め、最後はPK戦のスペシャリストGKまで投入して武漢の目論み通りにPK戦に突入。

 こうなると120分劣勢だった武漢のほうが明らかにメンタル的に気楽。浦和は監督が自信を持って送り出したであろう5人目までに決着を付けられず、既にヘロヘロの伊藤や遠藤が蹴る羽目になった(遠藤は公式戦で初めてPK蹴ったらしい)時点で辛いものがあったかと。

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 「10回やって1回勝てるかどうか」という相手になんとか勝ち筋を見出して、その勝ち筋通りに「1回の勝ち」を引き当てるってこの試合の武漢は浦和ACL2023決勝と非常によく似ていた気も。ダーティーなプレーも少なく(その一方審判団の残念さには泣かされましたが)、武漢は統制の取れた良いチームだったと感じました。

 一方浦和はPKに失敗した選手を責めても仕方なく(PK戦は運ではないので、それはそれとして練習はすべきだとは思いますが)、90分どころか120分でも1点も取れなかった不甲斐なさこそ責められてしかるべきでしょう。まぁ「ボールを握って攻めている割には点が入らない」というのは今季の浦和がずっと抱えている宿痾で、それがこの大一番でまた顔を覗かせたと言ってしまえばそれまでですが。

 ただこの試合に関して言えば点が入らない要因はいくつもあったような気も。まず5-4の守備ブロックを敷いてドン引きするチームはWEリーグでもままありますが、守備陣が揃いも揃ってフィジカル的に屈強だというのはWEリーグでは体験できません。これがACLの怖さ。一方浦和はフィジカルが強い猶本が大宮戦に続いて欠場し、菅澤・安藤・水谷の復帰も遅れていて、そんないかにも「フィジカル的にACL向きな選手」をごっそり欠いた状態で武漢と闘う羽目になったのは痛手でした。

 天山山脈とヒマラヤ山脈が並んでいるようなところにハイクロス(おまけに精度も笑えるくらい低い)攻撃はあまり意味がなく、セットプレーも全くチャンスになりませんでした。よって浦和の攻撃は必然的に地上戦頼みになりましたが、なんとかボックス内に突入してもそこからが武漢は粘り強くてなかなかシュートまで持ち込ませてもらえず。ドン引きを崩す常套手段=ミドルシュートを撃てる猶本の不在がここでも痛手に。

 延長戦に入ってようやく生粋のドリブラー藤﨑が武漢ゴールを脅かすようになりましたが、「パスワークで綺麗に崩したがる選手」を前に並べるだけではなかなか点は取れませんでした。そしてパスワークが生命線のチームにとって不慣れな熊谷での試合は結構難儀だったようで、この試合ではパスミスが続出。こんな形で熊谷が浦和の前に立ちふさがるとは・・・

 元々「ボールを握って攻めている割には点が入らない」という難点を抱えているチーム。WEリーグでこそ「戦術兵器はな」でなんとか誤魔化してきたものの、ACLを勝ち抜くには色々と足りないものが多すぎた。そんなところでしょうか。

 こんな負け方ではメンタルを立て直すのも大変でしょうが、次節アウェーINAC戦に勝って、さらにリーグ戦3連覇を果たしてまたアジアの舞台へ戻って来ましょう!!

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-----高橋-----
伊藤---塩越---島田
---柴田--角田---
栗島-長嶋--後藤-遠藤
-----池田-----

(交代)
HT 長嶋→石川
73分 角田→藤﨑(藤﨑左SH、伊藤CHへ)
延長前半頭 島田→高塚

 

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