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2025.05.18

【観戦記】25年第17節:浦和 3-2 F東京 ~ スコルジャ、超久しぶりの逆転勝ち!!

 試合内容通りの結果が得られたこともさることながら、「超過密日程を睨んでのスタメン入れ替えに部分的ながら目途が立ったこと」、さらに「途中投入の選手が活躍しだしたこと」の2点がこの試合の大きな収穫だと思いました。

《スタメン》

 浦和はこの試合から中3日でアウェー川崎戦、中2日でアウェー名古屋戦、中3日でホームC大阪戦、中3日でホーム横浜C戦と、ちょっと蒸し暑くなってきた環境下でCWC参戦に向けて超過密日程の5連戦が始まります。

 前節アウェー新潟戦でさすがに鉄板スタメン組も疲労の色が濃くて苦戦を余儀なくされたことをスコルジャも認めざるを得なかったのか、浦和は牲川→西川、長沼→大久保、松本→グスタフソン、金子→大久保と前節からスタメンを一気に4枚入れ替え。

 戦前グスタフソンや西川が練習に復帰していると報じられていたのでグスタフソンのスタメン復帰は十分予想できましたが、西川がこんなに早くスタメンに戻ってきたのはポジティブサプライズでした。

 大久保や荻原のスタメン入りは試合前にスコルジャが「今まであまり出場機会がなかった選手たちにそのチャンスを与えたいと思っています。特に来週は川崎戦、名古屋戦と中2日で続きますので、そこで同じメンバーで行くことは難しいと思いますので、必ずローテーションが必要になってくると思います。」と話した通りでしょう。

 グスタフソンと西川が復帰した関係で吉田と髙橋がベンチ外に。長倉と髙橋のベンチ入り競争は実に激烈です。

 一方F東京は前節から小泉→高の入れ替えのみ。

Ftokyo2505003

《試合展開》

 浦和の試合の入りは非常に積極的でした。F東京のビルドアップに難があるのを見越してか、浦和はいつになく高い位置からプレッシングをかけて何度も高い位置でボールを奪って相手ゴールに迫りましたが決定機を掴むには至らず。

 とはいえ、浦和の試合の入りは非常に良かったのですが、7分安居が実にあっさりをPKを献上。ボックス内に突入している遠藤を安居が後方から手で押しているのでPKを取られても仕方がなく、あまりにもPKすぎて主審に抗議する選手もほとんどいませんでした。

 ただJリーグの残念な審判団って概してこの程度のプッシングってファウルを取らない傾向が強く(リンセンや明本が何度泣かされてきたことやら!)、この場面だけきっちりPKを取られたのは正直もやります。9分ヒアンがPKを決めてここまで何もしていなかったはずのF東京が先制。

 昨年のホームF東京戦はCB井上のクリアミスによるオウンゴールで9分に先制を許して試合を難しくしてしまいました、今年もまたしても同じ試合展開に。こうなると試合は一転してカウンター得意のF東京のペースとなり、先制したF東京は高めの位置に5-2-3の守備ブロックを敷いて待ち構える格好に。そんな相手に浦和はボールを持たされ気味に。20分くらいからサヴィオがフリーダムに動き回っていましたがさしたる効果はなく、時折カウンターを食らいかかる場面も。

 28分には安居縦パスで大久保が右サイドで裏抜けに成功→松尾が白井を引き連れながらボックス内で潰れ、こぼれ玉がどフリーのサヴィオに繋がる決定機がありましたが、思った以上にシュートコースがなかったのかサヴィオのシュートはまさかの枠外。

 それでも浦和はF東京を自陣に押し込み続け、執拗に最終ライン裏を狙い続けた甲斐あって、32分には松尾クロス→大久保ヘッドがバーを直撃。その跳ね返りを拾った石原のミドルが決まって浦和同点!! 石原のシュートをF東京守備陣は全く予想していなかったのか、全員足が止まっているのには苦笑せざるを得ませんでした。

 45+1分には荻原がボックス内で佐藤に足を引っかけられた場面があったにも関わらずノーファウル。安居のPKをあっさり取るなら、これも取るだろう、どう考えても・・・さらにその直後に浦和の好機でアドバンテージを取らずに笛を吹いて試合を止める(しかもイエローを出す訳でもない)場面があり、山本主審の残念さが際立ったまま前半終了。

 F東京は48分に橋本に代えて小泉を投入。現地では全く判りませんでしたが、橋本の故障に伴うものでしょう。だからF東京は小泉のアップの時間を稼ぐべく、延々と円陣を組んで試合開始を遅らせていたのか・・・実にせこい、せこすぎる・・・

 49分西川が荻原へ付けようとしたパスを白井にカットされたことを契機にヒアンに決定機を与えてしまいましたが、ここは西川自ら火消し。

 55分石原クロス→ファーでサヴィオヘディングシュートの決定機を掴むもここはGK波多野が好セーブ。さらに続く56分左サイド角度のないところからサヴィオが放ったシュートが枠内を襲うもここもGKセーブ。

 62分には頼みのヒアンが故障して、松橋監督はやむなく安斎を投入。ここを勝負どころと見たのか、あるいは単に久々スタメン出場のグスタフソン&大久保に無理をさせたくなかったのか、67分グスタフソン&大久保と久々スタメン組を下げて金子&長倉を投入。

 ところがこの交代で既にヘロヘロの渡邊をCHに下げたのが仇となったのか、68分浦和右サイドを安斎に破られ、クロスを遠藤に押し込まれて再びリードを許してしまいました。しかも遠藤のシュートはボザに当たって、かつポストにも当たってゴールという半ば不運な形で。

 またしてもビハインドに陥った浦和は73分渡邊→松本、サヴィオ→関根と交代。さらに78分荻原→原口を代えて関根を左SBに下げる攻めダルマと化したスコルジャの強攻策が見事に的中。

 80分CKからの流れで右サイドから金子クロス→松本ゴールで浦和同点。現地では金子のゴールがそのまま入ったように見受けられましたが、結果的に松本が押し込んでいました。ただその後長々とVAR検証が・・・(これについては後述)。

 そのためATはなんと11分もありましたが、90+2分には原口が左サイドからカットイン&シュートという得意の形を見せて埼スタが沸き返り、続く90+3分またしてもCKからの流れで関根クロスをファーで胸で収めた松本が倒れ込みながらも逆転ゴール!!

 11分もあるATってどのくらいあるのか体感的に掴めないので実に気持ち悪かったものの、F東京にチャンスらしいチャンスは与えずにそのまま試合終了。

Ftokyo2505001

《総評》

 先制されるととにかく弱いスコルジャ浦和。試合後のやりとりによると2年前は5月に3試合逆転勝利していたそうで、それ以来の逆転勝ちとなるとそりゃ記憶にないはずですわ!!!

 結果的に接戦になってしまいましたが、それは安居のしょーもないPK与から始まったもの。2失点目はともかく試合トータルでは相手に何もさせてないような印象が強く、2失点目も半ば不運が伴ったもの。一方浦和は狙い通りに裏抜けを何度も敢行して決定機を作り、かつ今年に入って滅法強くなったセットプレーを活かして3点取りましたから、試合内容通りの結果に落ち着いたと言えましょう。

 試合内容通りの結果が得られたこともさることながら、「超過密日程を睨んでのスタメン入れ替えに部分的ながら目途が立ったこと」、さらに「途中投入の選手が活躍しだしたこと」の2点がこの試合の大きな収穫だと思いました。

 「超過密日程を睨んでのスタメン入れ替え」という点では特に右SHで大久保と金子の併用に目途が立ったのは大きいかと。同ポジションながら特徴が全く違う大久保と金子。大久保が90分出られるコンディションではないことを考えると当面60分大久保をスタメンで使って、金子が途中出場というパターンになろうかと思いますし、スピードがある金子が途中から出てくるほうが相手も嫌でしょうし。もっとも大久保はちょっと調子が良くなるとまた故障してしまう懸念が拭えませんが・・・

 「途中投入の選手が活躍しだした」点では今季のチームの顔である関根や原口がついに攻撃面で見せ場を作り始め、チームを勢いづけだした感がありました。前節起死回生の同点ゴールを決めた長倉もこの日はゴールこそありませんでしたが、最前線で身体を張りまくり、前から必死にボールを追って攻撃を活性化するのにひと役買っていました。そして2得点の松本はもう文句なし。正直ヘロヘロの渡邊との交代が遅いと思えたくらい。

 この試合の悪材料を挙げると「フリーダムすぎるサヴィオ問題」でしょうか。サヴィオがワンマンショーよろしく勝手に動き回っていて、あとでスコルジャにこってり絞られるものだと思いきや、試合後の会見によると「前半の数分が経ったところから(松尾)佑介がウイングに移る、というのは試合前からのプランでした。1トップとしての佑介が最近は分析されていて、あまり相手がスペースを与えてくれないという状況がありました。それが最も大きな理由です」とスコルジャが話していて、監督公認の徘徊だったとのこと。

 でもそれが効果的だったかどうか。浦和は前半グスタフソンが普段よりかなり前目にいたせいか、相手守備陣の急所にパスを出し、ポケットを取るといった良い形を作りましたが、結局のところそこからシュートに持ち込めなかったのはゼロトップ化しているか故なのかも。また単に松尾や渡邊、そしてサヴィオ自身もお疲れで、肝心なところであと一歩が出なかったからだったのかも。

 次節の川崎は長谷部監督得意の「あえて相手にボールを渡す」形に持ち込まれることが十分予想できるので、「フリーダムすぎるサヴィオ問題」をスコルジャがどう解消するのかが見ものです。

《選手評等》

・80分の松本ゴールを巡って長々と続いたVARの件。

(1)金子クロスをボザが触っていれば松本がオフサイド
(2)松本がハンドくさい

という二つの問題を一遍にVARで確認していれば、その結論はともかく試合進行上は何の問題もなかったのですが、この試合の審判団はあろうことか(1)だけ検討して「ボザは触ってないので松本のオフサイドはない」と判断していったんゴール認定。ところがF東京の抗議を受けて再度VARを見直して(2)を検討し、「松本のハンドもない」と確認して再度ゴールを認めた模様。もう抗議すればゴール認定が覆るってなんなん???山本主審もVARもJ1を担当する資格ないだろう、これでは・・・

・ボザは触っていないのにゴール後やたら喜んでいて、この所作が事態をややこしくする羽目に(苦笑)

・浦和の途中投入の選手たちが躍動したのに対して、同点に追いつかれたF東京が87分に投入したのは長友&森重の大ベテラン。「こいつら勝つ気あるんかよ!!」と思っていたら予想以上に案の定で大笑い・・・長友は最後にしょーもないイエローをもらう始末w そして長友にイエローが出た瞬間に「ブラボー!!!」って叫ぶセンスには脱帽

・またF東京は新潟を辛うじてJ1残留に導いたに過ぎない松橋監督を招聘したものの、新潟でやっていたようなポゼッションにはもはや全然拘らなくなっており、ビルドアップは相変わらず下手なままで、いったい何をしたいのかよくわからないチームのままでした。こんなチームにちゃんと勝てて良かったなぁ、ホンマ。

Ftokyo2505002
-----松尾-----
サヴィオ---渡邊--大久保
---グスタフ--安居---
荻原-マリウス--ボザ-石原
-----西川-----

(得点)
32分 石原
80分 松本
90+3分 松本

(交代)
67分 グスタフソン→長倉(松尾&長倉の2トップ気味に。渡邊CHへ)
67分 大久保→金子
73分 渡邊→松本
73分 サヴィオ→関根
78分 荻原→原口(原口左SH、関根左SBへ

Ftokyo2505004
-----ヒアン----
--俵積田---佐藤--
遠藤-高---橋本-白井
-トレビ--木村--土肥-
-----波多野----

(得点)
9分 ヒアン(PK)
68分 遠藤

(交代)
48分 橋本→小泉
62分 ヒアン→安斎(安斎左WB、遠藤シャドー、佐藤CFへ)
87分 佐藤→仲川
87分 トレヴィザン→森重
87分 遠藤→長友

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