【DAZN短感】FCWC25 GS第1節:リーベル・プレート 3-1 浦和
FCWCはまず4チームによるグループステージがあり、上位2チームが勝ち抜けというレギュレーション。浦和はリーベル・プレート→インテル・ミラノ→モンテレイの順にそれぞれ中3日で対戦するスケジュール。先日のCLで準優勝だったインテル・ミラノが図抜けて強いというのが専らの下馬評で、浦和は初戦のリーベル戦で少なくとも勝ち点1を奪わないとグループステージ勝ち抜けは難しいという立場でした。
ゆえに浦和は6/1にリーグ戦横浜FC戦を終えた後早々と米国入りしてキャンプを張り、時差ぼけ解消を含めて入念な準備を進めていました。
その甲斐あってか、リーベル戦のスタメンはいつもの鉄板組が勢ぞろい。直近の横浜FC戦と比べると荻原に代えて長沼が入りましたが、対面の右WGマスタントゥオーノ(#30)が弱冠17歳にしてレアル・マドリー入りが決まっているくらいの逸材で、その対策として荻原よりも守備に信頼が置ける長沼を左SBに置いたものと目されます。
浦和は序盤ほとんど前からプレスをかけず、専らミドルブロックを敷いて待ち構えることに。ただボールを奪ってもリーベルの攻守の切り替えの速さや守備強度に戸惑って、もともと怪しいビルドアップが壊滅状態になってすぐにボールを失ってしまうのには参りました。
そして9分ドリウッシ(#15)がアーク付近で反転して浦和守備陣のわずかな隙間から強引にねじ込んだようなシュートがポストを直撃。さらに12分マスタントゥオーノが突如センターサークル付近までカットインして左サイドへ展開し、左SBアクーニャ(#21)がクロス。これをボザがちょっと被ったような格好になってしまって、マリウスとの間に走り込んだコリーディオ(#11)がヘッドでズドン。浦和は早い時間帯に先制を許してしまいました。
基本4-1-2-3でピッチを広く使う相手が4-4-2の守備ブロックを崩す際の常套手段みたいなもんですが、ここまで上手くやられるとは・・・
ところがビハインドに陥った浦和は一向に前に出る様子はなく、相変わらずミドルブロックを敷いて待ち構えたまま。2点目を取られたらお話にならないので慎重に試合を進めているのかな?と思ったのですが、さすがにこの姿勢にはスコルジャも怒り心頭だったことが試合後明らかに。松尾も「立ち上がり20分のコントロールに問題があった」と試合後認めていました。
それでも20分くらいに渡邊と松尾のポジションを入れ替えてゼロトップ状態にした辺りから浦和もようやく反撃開始。32分にはサヴィオFK→マリウスヘッドがネットを揺らしたものの、マリウスがわずかにオフサイド。42分にはボザが前へ運んで金子に繋ぎ、金子の枠内シュートで終わる良い形も。
反撃ムードマシマシになった展開をぶち壊したのは48分の凡ミスによる失点。マリウスがバックヘッドで西川へ戻そうとしたボールをドリウッシに攫われて失点という非常に情けないものでしたが、マリウスと西川の連携の怪しさもさることながら、その前に相手のクロスを長沼がヘッドで中に折り返したのがこんなしょっぱい失点の引き金に。長沼は先日の名古屋戦でもやらずもがなのヘディングクリア失敗が失点の契機になっており、SBが本職ではない難点がこんなところで露わに(それでも左SB本職の荻原よりマシというのがスコルジャの評価ですが・・・)。
事実上勝敗は決した感のあった痛恨の2失点目でしたが、一度火が付いた浦和の闘志は全く衰えることなく、56分西川からボールを繋いで浦和得意のロングカウンターの展開に。グスタフソンのパスをボックス内で受けた金子がアクーニャに倒されてPKゲット。58分松尾がPKを決めて1点差に。なお松尾がPKを蹴ったのはプロキャリアで初めてだったそうで。
その後も浦和が押せ押せの展開になり、62分西川のロングフィードをどフリーで受けた長沼がそのまま前方へ進出してシュートを放つ場面があったり、好位置でFKを獲得する場面があったり。しかし決定機は作れず。
スコルジャは71分サヴィオ→サンタナ、金子→関根と代えて攻勢を強めましたが、その攻勢をばっさりと断ち切ったのが73分。アクーニャCKに対して後半投入のメサ(#8)が上手くボザの前に飛び込んでヘッドでズドン。
残念ながらその後の浦和は選手を代えれば代えるほど悪くなるいつもの展開に。80分には守備に奔走する時間帯が長すぎて消耗著しかった安居を代えざるを得なくなり、のらりくらりと時間を使いだしたリーベルに手も足も出ず。終盤浦和唯一の決定機は90分左サイドから松尾クロス→関根がヘッドで後方へ逸らしてサンタナが胸トラップ&シュートという場面でしたが、サンタナはこれを決められず。うーーーん、これを決めないとスコルジャが守備貢献度の低さに目を瞑ってまで使いたくなるCFにはなれんわ・・・
全く手も足も出なかったわけではなかったけれど、ゲームキャプテンのマリウスが試合前に相手との握手を忘れるくらいテンパってしまったのに象徴されるように、やっぱり場慣れしていないせいか、必要以上に相手をリスペクトしてしまったのが残念でした。ただそんな中でグスタフソンの「普段通り」が別格すぎました。
またお粗末な2失点目はもちろん、浦和守備陣のちょっとした綻びを確実に突いてくるリーベルのプレー精度には恐れ入りました。Jリーグでは無双レベルのボザがめっちゃやられるんだからなぁ・・・
リーベル戦で勝ち点ゼロに終わったため、浦和は次戦インテル・ミラノ相手に勝たないとグループリーグ突破は難しくなってしまいましたが、インテルも初戦でモンテレイ相手にまさかの引き分けに終わったため、こちらも浦和相手に必勝を期すことに。ガチガチのガチな状況下で迎えることになった次節はどうなることやら。
-----松尾-----
渡邊---サヴィオ---金子
---グスタフ--安居---
長沼-マリウス--ボザ-石原
-----西川-----
(得点)
12分 コリディオ
48分 ドリウッシ
58分 松尾(PK)
73分 メサ
(交代)
71分 サヴィオ→サンタナ(サンタナCF、松尾左SH、渡邊トップ下へ)
71分 金子→関根
80分 安居→松本
80分 長沼→荻原
87分 グスタフソン→原口(原口トップ下、渡邊CHへ)
アルゼンチンのチームなので「とにかく汚い!」という先入観がありましたが、この試合に関して言えば全然そんな印象は受けませんでした。むしろJリーグのいくつかのクラブの方が遥かに汚いかと。
アルゼンチンのチームとは思えないくらい汚いファウルが少なかったのは、後方からのファウルにはきっちりイエローを出す神主審だったからかも。主審が良いとプレーも良くなる好循環。またそもそも「手を使って相手を止める」というJリーグでありがちなアホすぎるファウルなんてリーベルにはほとんどありませんでした。
主審もさることながら、Jリーグみたいに必要以上にオフサイドディレイを取らず、サクサク旗上げる副審にも好印象。FCWCに全く呼ばれないことに象徴されるように、とにかく残念過ぎるJリーグの審判団に見習ってほしい神裁きでした。
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