2009年フィンケ考
・オフに永井&相馬と昨年の主力を放出した一方、とうとう最後まで即戦力補強を見送ったため前年比戦力ダウン。しかも浦和にどっぷり染みついた「○○頼みの糞サッカー」から180度方向転換して、攻守とも複数の選手が連動する「コンビネーションサッカー」に取り組み始めた初年。
・順位は6位と昨年(7位)を上回ったた反面、勝ち点は52どまりで昨年より1点減。(戦力補強を見送った件について監督の責任がないとは思えませんが)監督の置かれた状況と残した結果だけを見ればなんとか合格点だと思います。
・だいたい「キャンプ時に測定してみたらあまりにも運動量がなくて愕然とさせられた選手達」たちを率いて「コンビネーションサッカー」なんて無謀にも程があります。06年をピークとして明らかに下り坂に入りつつあるチームが真っ逆さまに墜落するのを防いだだけでも良しとすべきなのかもしれません。
・にも関らず、フィンケ監督に対してがっかり感が拭えないのは「負け方があまりにも悪かった」点に尽きるかと。
・リーグ戦7連敗。ナビスコ杯を含めて8連敗。しかも判で押したような負けの連続でした。ボールは支配するが決定機は作れず、そうこうしているうちにカウンターを食らって失点。その後全く点が入る気配のないまま試合終了。
・悪夢の8連敗の後、涼しくなって運動量を取り戻したこともあってか戦績は上向き基調に転じましたが、その中においても埼スタで横浜Mと大宮に惨敗。試合終了を待たずにぞろぞろ客が帰る光景が珍しくなくなったのも今期の特筆事項の一つ。
・そして極め付きが天皇杯2回戦でアマチュアクラブに力負け。事故のような失点を食らった後、そのまま守り切られた典型的なアップセットでもなんでもなく、どこからどう見ても力負けですわ・・・フィンケ監督に対する不信感が頂点に達したのはこの試合の後だったような・・・
・フィンケ監督が今期前半に圧倒的に支持された理由の第一が若手の起用だったと思いますが、シーズンを通してみれば竜頭蛇尾。これもフィンケに対する「がっかり感」の一因かも。
・年を通じて起用されたのは原口だけで、その原口も期待値が高すぎて不憫とはいえ、思ったほど点には絡むことなく伸び悩み状態でシーズン終了。フィンケサッカーの心臓と期待された直輝は後半怪我ばかりで真価を発揮できず。適任者のいないSBでポジションを掴むかと思われた峻希はホーム名古屋戦での失態で守備を問題視されたのか、その後長らく出番を失ってしまいました。
・まぁある程度結果を残しながら一気に世代交代を期待するほうが無理というもので、レギュラーを掴んでいる、ないし掴みかかっている10代の選手が3人いるだけで若返りは成功といってもいいでしょうけど。
・で、8連敗だとかアマチュア相手に敗戦だとか、途中いろいろあったけれども来期もフィンケ続投。ここ一戦で選手のモチベーションを上げまくったり、相手を徹底的に分析して奇策を弄したり、あるいは絶妙の選手交代によって、とにかく勝ちにゆく監督ではないのは明らか。試合の前にやるべきことを全部済ませてしまう「トレーナー」タイプなんでしょうなぁ・・・ 従って08年末に廃墟と化した浦和を立て直すには最適かもしれないけれど、土台が固まっていよいよある程度結果を出さないといけない時期に差し掛かれば別れを告げなければいけないだろうなぁ・・・来年がその時とは全く思わないので続投は当然だけれど。
・ただ今年のように目標を全く立てずに一年中トレーニング代わりの試合をやっているみたいなっちゅーのは勘弁ですな。これはフロントにも監督にも言えることですが。
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