【観戦記】10年天皇杯準々決勝:G大阪 2-1 浦和
小雪舞う万博競技場。フィンケとの2年にわたる旅は無残な形で幕を閉じました。なんとか延長戦にもつれ込みはしたものの、120分を通じて浦和にチャンスらしいチャンスは少なく、G大阪(以下「脚」)との力の差は歴然。脚とはあと10試合やっても一回も勝てないのではないかと思われるほど。
スピラが風邪で離脱したくらいで、遅まきながらようやく全軍出撃となった浦和ですが、怪我人が戻ったところで試合内容に劇的な改善が見られないどころか、惨敗に終わったリーグ戦最終戦をなぞるような試合になってしまいました。
守備は両CBが奮闘してなんとか様になっていましたが、無残なのは攻撃。浦和は脚守備陣の前に全く手も足も出ず、4×2の脚守備ブロックの前で右往左往するだけ。浦和の攻撃が低調に終わったのは、エジが不振で、最前線で全くといって良いほどボールを収められないのが主因でしょう。ルーカスがボールをキープし、その近くでイグノなり宇佐美なりが素早くサポートに入って簡単に攻めてくる脚とは対照的。
エジへの縦パスがほとんど意味を成さないので、浦和の攻撃はサイド、特に峻希を走らせるパターンに終始。それでもサイド攻撃が実を結んだのは前半の峻希→エジ(シュートはブロックされてCK)が一回あったくらい。浦和は最後まで脚守備陣を崩す形を見出せず、脚DFライン前から無理やりシュートを放つ場面が目立ちました。
エジの出来はお話になりませんでしたが、その他の選手もおしなべて低調。特に攻守の切り替えで脚に負けまくっていた印象を受けましたし、パスミスも多発。負ければ浦和でのラストゲームとなるポンテや細貝もプレーに冴えは感じられず。それどころか前半の細貝は安易にアタックに行ってあっさり交わされてピンチを招く場面も。
先制されてからセルと達也が投入されましたが、運が悪いというかなんというか、達也が投入直後に負傷。もっとも達也が傷んで試合が止まると思い込んだ脚守備陣の一瞬の隙をついて宇賀神のゴールが生まれたので全くの不運というわけでもないのですが、浦和は交代枠を使い切ってしまったために達也を下げるに下げられず。延長戦に持ち込むことに成功したとはいえ、攻撃に手詰まり感が漂いまくりしかも事実上一人少なくなった浦和に延長戦での勝ち目は非常に乏しかったといわざるを得ません。
脚の出来もさほど良いようには見受けられませんでしたが、しっかり守ってカウンター攻撃という、もはや対浦和戦の常道というべき作戦が嵌りまくり。浦和のCKなんて脚からすれば絶好のカウンターのチャンスでしょう。
遠藤のFKが見事に決まった先制点も、元はといえばカウンターを食らったことから。なんとか縦パスをインターセプトしたかに見えた暢久がハンドを取られ、その直後に遠藤にやられてしまいました。
決勝点もカウンター。縦パス一本でルーカス→宇佐美と繋がれてジ・エンド。
なんだか「悪い時の浦和」の総集編みたいな試合で、ある意味フィンケの2年間を象徴するような試合になってしまったのが残念です。
-----エジ-----
峻希---柏木--ポンテ
---細貝-堀之内---
宇賀神-坪井-暢久-岡本
-----山岸-----
49分:堀之内→啓太
74分:細貝→セル
78分:峻希→達也
得点:81分 宇賀神
怪我人が続々復帰したにも関わらず、スタメンに堀之内を起用したのには驚かされました。堀之内の出来自体は可もなく不可もなくといった感じでしたが、残念ながら後半開始早々に負傷退場。もっともその後に入った啓太の出来を見れば、堀之内のほうがはるかにマシだったのを実感・・・
柏木が久しぶりにトップ下に復帰しましたが、最前線にボールが収まらないと柏木の飛び出しも生かせず、結果的に特に何をするわけでもなく浮遊していただけのような・・・
---李---ルーカス---
橋本--------武井
---遠藤--明神---
下平-高木--中澤-安田
-----藤ヶ谷----
69分:武井→宇佐美
98分:イ グノ→佐々木
111分:橋本→山口智
得点:72分 遠藤、103分 宇佐美
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