【観戦記】16年CS決勝 第2戦:浦和 1-2 鹿島 ~ 浦和らしさを放棄した報いか、またしても不条理の業火に焼かれる
・2点以上取られて負けなければ浦和優勝という状況下できっちり2点取られて負ける浦和。しかも先制点を取りながらの逆転負け。浦和のリーグ制覇は目前で潰えてしまいました。
・年間勝ち点1位になってもCSを勝ち抜かないとリーグ優勝できない。しかもCSでは年間勝ち点1位のチームにさしたるアドヴァンテージがあるわけでもない。そんな不条理極まりない制度が浦和からシャーレを奪い去った。ただただ残念でなりません。
・しかし、年間勝ち点1位の重みがたった2試合で失われたこと以上に悲しかった、やるせなかったのはこの2試合浦和が「浦和らしさ」を喪失したような試合内容で敗れ去ったこと。
・試合勘のなさが懸念された第1戦は浦和らしさ、いやミシャらしいサッカーができなくてもある程度しかたないと思いました。そしてそれがある意味奏功してアウェーで存外の勝ち点3が得られました。しかし、第2戦でも浦和らしいパスワーク、浦和らしい連携はどこへやら。前半半ば辺りから簡単に前に蹴りだすだけの情けないチームに成り下がってしまいました。そんな消極的な試合運びを2試合も続けて結果を出せるほど老獪なチームじゃなかろうに。
・そしてなにより腹立たしかったのは、逆転を許した後にミシャが突如槙野を最前線に上げたこと。槙野は時々セットプレーで点を取るけれども、基本的にDFを背負って何かできる選手ではなく、パワープレーには全く向いていません。しかも那須大作戦ならともかく、槙野大作戦なんてこれまで実戦でやったことがなく、練習でやってる話すら聞いたことがない代物。槙野と2トップを組んだ格好になったズラタンの出来も酷いもので、浦和はほとんどチャンスらしいチャンスを掴めずに試合終了。
・如何せん戦術的な幅がないミシャ。ビハインドのまま終盤を迎えてもいつものように敵陣でパスを回してそのまま敗れ去ってしまうことも少なくありません。でも大幅な戦術転換ができなくても、試合中に微修正を重ねに重ねて今年勝ち点74を積み上げてきたのではないのか??? それなのに最重要な一戦で自らの信じるところを捨てて、ろくに練習すらしていないような策を講じてしまうのか?
・レギュレーションが不条理とはいえ、勝負事なので負けたこと自体は受け入れるしかない。しかし、同じ負けるにしても負け方というものがあるだろう! 「敗れてなお強し」と万人に思わせるような負け方、美しい棋譜と絶賛されるような負け方、そういう負けではなかったのが何より残念でした。
-----興梠-----
--高木----武藤--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----
得点:7分 興梠
59分 高木→青木(柏木がシャドーへ)
61分 関根→駒井
71分 興梠→ズラタン
・とにかく2点取らないといけない鹿島はもちろんのこと、浦和も試合の入りは意外なくらいかなり積極的。鹿島が左SHに柴崎を置いたのが良くないのか、浦和は立ち上がりに右サイドから2度決定機を掴み、興梠が早々と先制ゴール。サイド攻撃が見事に結実した浦和らしいゴールシーンでした。その直後にも武藤に決定機がありましたがシュートはバーを直撃。
・浦和の試合の入りは上出来でしたが、1点取ったところで浦和が特に有利になったわけではないというのが曲者。鹿島にしてみればどっちみち2点以上取らないといけない状況になんら変わりはなく、当然スタンスは超前がかり。いつもの浦和ならカウンターを狙うのに絶好の相手だったはずですが、どういうわけか浦和はボールを奪ってもしっかり繋がず、いとも簡単にボールを前に蹴りだすだけになってしまいました。まるで第1戦の終盤と同じように。宇賀神のボール奪取から武藤に絶好機がありましたが、ただそれだけかな?
・それでも守り切れればなんら差し支えなく、実際鹿島に全くと言っていいほど何もさせていませんでしたが、前半も終わろうとする時間帯に宇賀神がまさかの大失態。遠藤康への対応を誤り、遠藤康がどフリーでクロス→ファーで金崎のマークが外れていて(森脇がボールウォッチャー)これまたいとも簡単にゴール。ファーへのクロスによる失点は浦和が何度も喰らったもの。
・前半半ば以降のあんまりな浦和の出来にミシャが激怒したのか、後半も立ち上がりにボールをしっかり繋いで両サイドから仕掛ける浦和らしい攻撃が復活し、宇賀神→高木の決定機を作りましたがシュートは枠外。そして終わってみればこれが最後の決定機でした。
・早目に青木を入れたのでミシャは守り切る腹を固めたのかと思いきや、2枚目のカードは関根→駒井という趣旨が判然としないもの。これが良くなかったのか、浦和のスタンスは攻めるでもなく守るでもなく、なんとも煮え切らないものと化し、しかも自陣で致命傷になりかねないミスすら散見されるようになってしまいました。
・失点の気配がプンプンする中で案の定といってはなんですが、カウンターを喰らってスルーパスを鈴木に通され、槙野がエリア内で鈴木を倒してPK与。金崎がPKを決めて鹿島が逆転に成功。
・それでも時間は10分以上あり、今年の浦和の終盤の強さを思えば同点に追いつくには十分すぎるくらいだと思ったのですが、ミシャがまさかここで「ビックリドッキリメカ」を発進させて、しかも自爆ボタンを「ぽちっとな」とばかりに押すとはなぁ・・・
---金崎--土居---
柴崎--------遠藤
--小笠原--永木---
山本-昌子--ファン---西
-----曽ケ端----
得点:40分 金崎、79分 金崎
58分 遠藤→鈴木
73分 小笠原→伊東
88分 鈴木→赤﨑
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