2016.12.04

【観戦記】16年CS決勝 第2戦:浦和 1-2 鹿島 ~ 浦和らしさを放棄した報いか、またしても不条理の業火に焼かれる

・2点以上取られて負けなければ浦和優勝という状況下できっちり2点取られて負ける浦和。しかも先制点を取りながらの逆転負け。浦和のリーグ制覇は目前で潰えてしまいました。

・年間勝ち点1位になってもCSを勝ち抜かないとリーグ優勝できない。しかもCSでは年間勝ち点1位のチームにさしたるアドヴァンテージがあるわけでもない。そんな不条理極まりない制度が浦和からシャーレを奪い去った。ただただ残念でなりません。

・しかし、年間勝ち点1位の重みがたった2試合で失われたこと以上に悲しかった、やるせなかったのはこの2試合浦和が「浦和らしさ」を喪失したような試合内容で敗れ去ったこと。

・試合勘のなさが懸念された第1戦は浦和らしさ、いやミシャらしいサッカーができなくてもある程度しかたないと思いました。そしてそれがある意味奏功してアウェーで存外の勝ち点3が得られました。しかし、第2戦でも浦和らしいパスワーク、浦和らしい連携はどこへやら。前半半ば辺りから簡単に前に蹴りだすだけの情けないチームに成り下がってしまいました。そんな消極的な試合運びを2試合も続けて結果を出せるほど老獪なチームじゃなかろうに。

・そしてなにより腹立たしかったのは、逆転を許した後にミシャが突如槙野を最前線に上げたこと。槙野は時々セットプレーで点を取るけれども、基本的にDFを背負って何かできる選手ではなく、パワープレーには全く向いていません。しかも那須大作戦ならともかく、槙野大作戦なんてこれまで実戦でやったことがなく、練習でやってる話すら聞いたことがない代物。槙野と2トップを組んだ格好になったズラタンの出来も酷いもので、浦和はほとんどチャンスらしいチャンスを掴めずに試合終了。

・如何せん戦術的な幅がないミシャ。ビハインドのまま終盤を迎えてもいつものように敵陣でパスを回してそのまま敗れ去ってしまうことも少なくありません。でも大幅な戦術転換ができなくても、試合中に微修正を重ねに重ねて今年勝ち点74を積み上げてきたのではないのか??? それなのに最重要な一戦で自らの信じるところを捨てて、ろくに練習すらしていないような策を講じてしまうのか?

・レギュレーションが不条理とはいえ、勝負事なので負けたこと自体は受け入れるしかない。しかし、同じ負けるにしても負け方というものがあるだろう! 「敗れてなお強し」と万人に思わせるような負け方、美しい棋譜と絶賛されるような負け方、そういう負けではなかったのが何より残念でした。

005

-----興梠-----
--高木----武藤--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

得点:7分 興梠

59分 高木→青木(柏木がシャドーへ)
61分 関根→駒井
71分 興梠→ズラタン

・とにかく2点取らないといけない鹿島はもちろんのこと、浦和も試合の入りは意外なくらいかなり積極的。鹿島が左SHに柴崎を置いたのが良くないのか、浦和は立ち上がりに右サイドから2度決定機を掴み、興梠が早々と先制ゴール。サイド攻撃が見事に結実した浦和らしいゴールシーンでした。その直後にも武藤に決定機がありましたがシュートはバーを直撃。

・浦和の試合の入りは上出来でしたが、1点取ったところで浦和が特に有利になったわけではないというのが曲者。鹿島にしてみればどっちみち2点以上取らないといけない状況になんら変わりはなく、当然スタンスは超前がかり。いつもの浦和ならカウンターを狙うのに絶好の相手だったはずですが、どういうわけか浦和はボールを奪ってもしっかり繋がず、いとも簡単にボールを前に蹴りだすだけになってしまいました。まるで第1戦の終盤と同じように。宇賀神のボール奪取から武藤に絶好機がありましたが、ただそれだけかな?

・それでも守り切れればなんら差し支えなく、実際鹿島に全くと言っていいほど何もさせていませんでしたが、前半も終わろうとする時間帯に宇賀神がまさかの大失態。遠藤康への対応を誤り、遠藤康がどフリーでクロス→ファーで金崎のマークが外れていて(森脇がボールウォッチャー)これまたいとも簡単にゴール。ファーへのクロスによる失点は浦和が何度も喰らったもの。

・前半半ば以降のあんまりな浦和の出来にミシャが激怒したのか、後半も立ち上がりにボールをしっかり繋いで両サイドから仕掛ける浦和らしい攻撃が復活し、宇賀神→高木の決定機を作りましたがシュートは枠外。そして終わってみればこれが最後の決定機でした。

・早目に青木を入れたのでミシャは守り切る腹を固めたのかと思いきや、2枚目のカードは関根→駒井という趣旨が判然としないもの。これが良くなかったのか、浦和のスタンスは攻めるでもなく守るでもなく、なんとも煮え切らないものと化し、しかも自陣で致命傷になりかねないミスすら散見されるようになってしまいました。

・失点の気配がプンプンする中で案の定といってはなんですが、カウンターを喰らってスルーパスを鈴木に通され、槙野がエリア内で鈴木を倒してPK与。金崎がPKを決めて鹿島が逆転に成功。

・それでも時間は10分以上あり、今年の浦和の終盤の強さを思えば同点に追いつくには十分すぎるくらいだと思ったのですが、ミシャがまさかここで「ビックリドッキリメカ」を発進させて、しかも自爆ボタンを「ぽちっとな」とばかりに押すとはなぁ・・・

004

---金崎--土居---
柴崎--------遠藤
--小笠原--永木---
山本-昌子--ファン---西
-----曽ケ端----

得点:40分 金崎、79分 金崎

58分 遠藤→鈴木
73分 小笠原→伊東
88分 鈴木→赤﨑

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2016.11.30

【TV観戦記】16年CS決勝 第1戦:鹿島 0-1 浦和 ~ ミシャらしからぬ実利最優先の闘いぶりで虎の子の1点を守り切る

・57分にPKで得た得点を守り切ってCS第1戦はアウェーで勝利。第2戦は引き分け以上なら当然、今季のレギュレーションでは0-1での敗戦(合計スコア1-1)でも延長戦はなくてそのまま浦和優勝となるので、目下の情勢は浦和やや有利。第1戦の結果はほぼ満点といって差し支えないでしょう。

・ただ試合内容は全く浦和らしくありませんでした。特に攻撃面で浦和らしさ、いやミシャらしさが垣間見られたのは序盤にちょっとあっただけ(左右からクロスが入った場面)。ほとんどの時間帯で全員が走り回って守備をしていたような試合、負けないことに徹していた試合と総括してもいいくらい。

・H&Aで決まるCS決勝。第1戦で事実上勝負がついてしまうような事態だけは絶対に避けなければならない。浦和はアウェーゴールが取れるに越したことはないが、攻め急ぐあまりにカウンターを浴びて次々失点しては元も子もない。さらにいえば浦和は12日に天皇杯4回戦を闘ってから2週間以上も試合がなく、試合勘が懸念される状態。

・よって第1戦でいきなり好調時の出来を引き出すのは難しく、出来が悪い時なりの闘い方をやるしかない。それゆえミシャは「第1戦はスコアレスドローでも構わない」とばかりにかなり守備に重きを置いた試合を選択し、その意図は選手達にもしっかり浸透していたように伺えました。

・ミシャは概してロマンチストで常に攻撃的、華々しい闘い方を好み、悪く言えば状況如何に関わらずいつも同じような派手な試合を指向してしまう。そしてミシャをあざ笑うかのようなリアリズムの前に何度も苦汁を舐めされられ、タイトルに手が届かずにいた。そんなミシャが実利最優先の試合運びができるようになっただけでも大いなる驚き。そしてスコアレスドローでも構わないとの想いで臨んだ試合なのにPKによる1点で勝利が転がり込むとは!! 

・もっとも第2戦で鹿島が2点以上取って勝つ可能性も少なからず残されており、阿部キャプテンが試合後に「もう1試合あるので、まだ何も決まっていません。」としっかり締めるのも道理。放牧から戻り、第1戦でひと叩きした浦和が続く第2戦でホーム埼スタで鹿島に「浦和らしさ」を存分に見せつけて快勝してくれれば言うことありませんが、確実に実を取りにいった第1戦の試合運びを見ると第2戦も案外渋い試合になってしまうかもしれません。でも久しぶりのリーグ優勝奪還のためにはそれもまた良しでしょう。

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・懸念された浦和の試合勘。少なくともぼんやり&ふわっと試合に入ってしまい、集中力に欠けたとか玉際が弱かったとか、そういう意味合いでの「試合勘のなさ」は全くなく、むしろ上々の出来だったと思います。よってミシャはこの長い中断期間中にモチベーションの維持には成功したといって良いでしょう。

・ただ縦パスと言い、サイドチェンジといい、コンビネーションプレーといい、浦和らしい攻撃を形作る諸要素の精度は壊滅的でした。この辺が試合勘のなさなのでしょう。長い中断期間中に大学生相手にしか練習試合が組めなかったのがモロに響いたのかもしれません。

・鹿島は2トップ&両SHが前から積極的にプレッシャーをかけてのショートカウンター狙い。前でボールが奪えなければしっかり引いて守備ブロックを形成(時にボランチの一方が下がって5バック気味に)。浦和はビルドアップに苦しみ、序盤こそサイドから可能性のあるクロスが入りましたが、その後はほとんど攻撃の形を作れず。40分過ぎにぽっかり空いたバイタルエリアを阿部が使って武藤が枠内シュートを撃ったのがこの日流れの中からでは唯一の決定機。

・鹿島の浦和対策が見事に奏功したという見方もできますが、前述のようにスコアレスドローでも構わないと割り切った浦和が無理をしなかったと見てもいいでしょう。浦和は長短とも縦パスの精度がイマイチで、鹿島のショートカウンター狙いに嵌りかかる場面もなくはなかったのですが、ボールを失ってからの攻守の切り替えが滅茶苦茶早かった! 鹿島のカウンターを早めに潰せたため、前半の鹿島はなんとシュートゼロ。

・浦和最大のピンチは50分、浦和右サイド深い位置で遠藤航が鹿島のプレス網に引っかけられたのを機に遠藤康に決定機を許してしまいましたが、西川が前に出て好セーブ。その後直後にも浦和がボールを繋ぎながらも攻めきれずにカウンターを喰らいかかって、阿部が金崎をイエロー覚悟で止める一幕も。

・試合の流れが鹿島に傾きかかりましたが、先制したのは浦和。柏木のクロスに反応した興梠を西がエリア内で後ろから倒してしまってPKの判定。ボールへの競り合いでもなんでもないところで西が興梠を倒しているのを家本主審がしっかり見ていました。阿部がゴールど真ん中に決めて浦和先制。

・鹿島はすかさず中村→柴崎でサイドからの攻勢を強め、その後の浦和は防戦一方に。ミシャは駒井→関根でサイドからの反撃姿勢を見せてはいましたが、カウンターが成り立ったのは関根に一回あっただけ。それもクロスが相手に引っかかってシュートに至らず。

・武藤→青木の交代以降は前三人も守備に走り回っているだけになってしまい、当然ながらボールを奪ってもただ前に蹴りだすだけに。随分自陣深い位置でのFK&CKを与えてしまい、CK→金崎ヘッド、ATには柴崎→土居ヘッドでヒヤリとした場面もありましたが、それでもなんとか逃げ切りに成功。

・鹿島は2ndステージの不振なんてどこへやら。CS準決勝では内容度外視=ワンチャンスで得た1点を守り切るという鹿島らしい試合運びで川崎を退けました。しかし、その試合運びをまさかホームで浦和にやられるとは思わなかったでしょうなぁ(笑)

-----興梠-----
--武藤----李---
宇賀神-阿部-柏木-駒井
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

得点:57分 阿部(PK)

68分 駒井→関根
74分 武藤→青木(柏木がシャドーに上がる)
81分 興梠→ズラタン

・高木がベンチスタートになり、久しぶりに李がスタメン復帰。高木はリーグ戦終盤明らかに調子を落としており、守備もサボり気味だったので、守備的に入るという趣旨では妥当な選択でしょう。

・また宇賀神が左WBに戻ったのはともかく、右WBには関根ではなく駒井を起用。駒井は序盤こそ攻撃に絡んでいましたが、その後は完全に山本に封殺されてしまいました。関根は左右ともこなせるので第1戦はあえてベンチスタートにしたのかもしれませんが、第2戦は中3日なので関根がスタメンでもなんら不思議はありません。

・天皇杯で不振を極めたズラタンは81分に登場。1トップではなく左シャドーに入ったように見えました(李が1トップ)が、試合の流れに呼応して専ら守備に奔走。おそらく鹿島の放り込み攻撃に対する防波堤代わりの投入なんでしょうが。

---金崎--土居---
中村--------遠藤
--小笠原--永木---
山本-昌子--ファン---西
-----曽ケ端----

62分 中村→柴崎
80分 遠藤→ファブリシオ
89分 小笠原→伊東

・鹿島はCS準決勝川崎戦から左SHファブリシオを中村に代えただけ。怪我明けの柴崎はベンチスタート。

・FW鈴木優は小破したようでベンチ外。このためビハインドに陥ったにも関わらず鹿島は攻め駒不足でした。

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2016.11.13

【TV観戦記】第96回天皇杯4回戦:川崎 3-3(PK4-1)浦和 ~ 一見壮絶なPK戦敗退だが、内容は甚だお粗末

・土壇場に追いつかれ、3-3になってからのPK戦負け。結果だけはACLラウンド16のソウル戦とそっくりで壮絶そのもの。興行的には非常に面白くはありましたが、内容は甚だお粗末。ソウル戦と違って「浦和はやるべきことをやり尽くしたが、相手も滅茶苦茶強かった。」といった負けてサバサバみたいな充実感はまるでなし。

「3度先制したのにその度に追いつかれてPK戦に持ち込まれたらこうなるわなぁ」といった予定調和的敗戦。いやそれ以前に前半のうちに川崎に虐殺されても何ら不思議はなくくらい浦和は酷い内容でした。主力がごっそりいないのが響いてか、前半数多繰り返された浦和のミスを一度もモノにできなかった川崎の出来も褒められたものではなく、「壮絶な凡戦」と形容するのが妥当でしょう。

・浦和はルヴァン決勝の激闘以降、リーグ戦は負けていないとはいえ内容はイマイチでしたから、ミシャが最終節のスタメンをベースにしたのがそもそも良くなかったのかもしれません。またリーグ戦年間勝ち点1位という目標を達成して、レギュラー陣を中心にチームに緩みが出てしまったのかもしれません。

・こりゃいかんとばかりにミシャは李&青木を早めに投入して(延長戦がありうることなんて一切考えない!)取り繕ったところまでは良かったのですが、最後に入れたズラタンの出来が酷くて攻守ともに足を引っ張りまくったのは大誤算。川崎が最後に投入した森本との出来の差で浦和は勝ちきれずにPK戦に持ち込まれたといっても過言ではないでしょう。

・よってミシャはCSに向けてスタメン&ベンチメンバーの見直しを余儀なくされると思います。試合間隔が2週間以上も空き、コンディション調整が難しいかもしれませんが、天皇杯敗退がチームを再度引き締め直す薬として作用してくれれば大いに結構。また天皇杯早期敗退によって浦和はCWCを闘ってもなおそこそこオフが取れることになったので、来年のチーム作りがやり易くなったとポジティブに受け止めることもできましょう。

・もっとも当然悪い見方もできましょう。風間監督の今季限りでの退任が確定しており、主力中の主力=大久保が移籍を公言しているようなチームが天皇杯やCSにモチベーションを保てるのかどうか正直疑わしかったのですが、主力を欠く川崎に等々力で劇的な勝ち方を許し、勢いを与えてしまったのがこの試合最大の痛手かもしれません。

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・それにしてもお粗末すぎる前半でした。浦和は代表で槙野&西川を欠いているとはいえ、既にルヴァン杯で何度も鍛えられた面子。川崎は小林・大島・中村を故障で欠いて、馴染みのない面子がゾロゾロ。川崎はやっているサッカーが技巧的というか芸術的なので、主力を欠くとどうしてもチーム力がガタ落ちになりがちゆえ、チームの成熟度の差で浦和が押し切れるだろうと戦前楽観視していましたが、その予想がこうも悪いほうに裏切られるとは!!!

・若手が名を連ねる川崎が無謀なくらいに前からガンガンプレッシャーをかけてくる、その勢いに気圧されたのか、浦和はパスミス続出。FC東京のようにペース配分もへったくれもなくプレッシャーをかけてくるチームなんて本来浦和には良いカモのはずで、パスを回して相手を再三走らせてしまえば何のことはないはずなのに、なぜかそれができない。まるでチーム立ち上げ時にまで退行したかのよう。

・特に柏木が自陣深い位置でボールを失うこと2度。また遠藤の縦パスが川崎にカットされる場面も。また浦和は玉際で競り負ける場面も多く、高い位置でのボール奪取ができない上に、後方からゴリゴリとドリブルで進出してくるエウシーニョや板倉になすすべなしといった情けない場面も。

・ところが川崎は大久保が低い位置にいる局面が多いせいもあってか、前目がいかにもタレント不足でせっかくの好機をことごとくフイに。特に三好は再三エリア内で絶好機を迎えながらなぜかシュートを躊躇。これに浦和は随分助けられました。

・たまらずミシャは後半頭から高木→李。さらに58分に柏木→青木と早めにお仕置き気味の交代。特に後者は一定の効果があり、川崎の運動量が落ちたことも相まって徐々に浦和がゆったりと落ち着いてボールを繋げるようになってきました。

・とはいえ、川崎が引いて守る5バックを攻略できる気配を醸し出すまでにはいきませんでしたが、武藤→ズタランの投入直後に森脇クロス→興梠で浦和先制。興梠の飛び出し&トラップは絶妙でしたが、GKチョン・ソンリョンが飛び出しを躊躇したことで生まれた得点ともいえる感じ。ソンリョンは怪我明けで試合勘がなかったと評されても仕方なく、これで川崎が負けてたらボロクソに叩かれていたでしょう。

・ところが、浦和は最後に投入したズラタンが攻守にわたって大不振。森脇がエリア内でハンド=PKを取られたのは良く判りませんでしたが、ズラタンがしょーもないパスミスでカウンターを喰らったのがその契機。ズラタンはその後も守備は緩慢だわ、攻撃にはほとんど絡まずに空気と化しているわ、おまけに最後はPKを失敗するわと散々な出来で、どう見てもこの試合の「負け選手」。これでは全く出番がない石原が不憫すぎる!

・川崎も川崎でエドゥアルド・ネットが自陣深い位置でのボールロストを機に浦和の波状攻撃を浴びる始末。そして興梠クロス→李ヘッドはソンリョンがなんとかセーブしたものの遠くに弾ききれなかったのが災いして、登里が倒れ込みながら自陣ゴールに叩き込んでしまう爆笑モノのオウンゴール。

・これでなんとか逃げ切れるかと思いきや、ATに入って登里クロス→森本で再び同点。直接的にはクロスに対する宇賀神の対応がトホホなんですが、それ以前にパワープレーモードの川崎に簡単にボールを前に運ばれているのが問題で、ここでもズタランのフォアチェックが全然なっていない。

・延長前半には川崎CKからのロングカウンターが炸裂。李→青木で前半のうちに浦和が再度リード。

・延長も後半になると双方足を攣る選手が続出しましたが、浦和は駒井・森脇と右サイドが二人とも足を攣り、しかも共にイエローカードをもらっているのが最後は痛手に。パワープレーに突入した川崎に浦和右サイドからノープレッシャーでクロスを上げられ、上げた先では関根&宇賀神とも長身の板倉に競り負け。最後はエドゥワルドに押し込まれて三度同点に追いつかれる大失態。

・2失点目、3失点目と同じような形でやられたのは今後の大反省材料。高さのある相手に宇賀神CBは無理があり、最終ラインが下がってしまうとどうしてもそこが狙われてしまう。また最終ラインが下がってしまうと那須ではなく遠藤を起用している意味がほとんどなくなってしまう。そして最終ラインが下がってしまった遠因は何か? 天皇杯早期敗退という大きな代償を払いましたが、この敗戦をCSの勝利に活かしてほしいものです。

-----興梠-----
--高木----武藤--
関根-阿部--柏木-駒井
-宇賀神-遠藤--森脇-
-----大谷-----

得点:71分 興梠 慎三、88分 OWN GOAL(登里)、97分 青木

HT 高木→李
58分 柏木→青木
71分 武藤→ズラタン

-----長谷川----
--三好---大久保-ー
車屋--ネット--板倉-エウシー
-谷口-エドゥアルド-田坂-
-----ソンリョン-----

得点:86分 大久保(PK)、90+1分 森本、117分 エドゥアルド

53分 エウシーニョ→森谷(負傷の影響?)
68分 長谷川→登里
75分 車屋→森本(登里が左WBへ)

・大島不在の川崎はボランチに大久保を起用するとの報道もありましたが、蓋を開けてみるとなんと本職CBの板倉がボランチに。しかもこれが出色の出来。

・主力不在が祟って川崎らしいパスワークでの崩しによる得点こそありませんでしたが、本来の持ち味とは真逆の力攻というか高さでのゴリ押しが最後の最後で効いてくるとは!

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2016.11.04

【観戦記】16年2nd第17節:浦和 1-1 横浜M ~ 逃げ切りに失敗してすっきりとはしないものの、年間勝ち点1位を確保し真の王者に!

・浦和が相手を押し込んでいるものの横浜M(以下「鞠」)の堅守を崩しきれないまま時間が経過。スタジアムが沸き返る場面が少ない「塩試合」ぽくなってしまったという意味では鞠ペースの試合だったかと思います。ただ鞠の攻め手は極端に少ないので、浦和が先制さえすればそのまま逃げ切り勝ちできたはず。

・しかし、待望の先制点を得たにも関わらず逃げ切りに失敗。幸い同日川崎がG大阪に逆転負けを喫したために浦和の年間勝ち点1位が決定し、最後の最後で川崎に差し返されてしまう最悪の事態は免れてスタジアムにはどことなく安堵の空気が流れてはいました。とはいえ、勝ってすっきり決まったわけでもないのでお祭り騒ぎにもならず。

・年間勝ち点1位を確保してクラブとしての目標は達成したけれども、それはタイトルでもなんでもない。公式にタイトルとして認められるためにはCSを勝ち抜かなければならない。そんな現実を前に「喜びの持って行き場がない」という珍妙な最終節でした。

006

・戦前鞠が4-3-3を採用すると報じられていましたが、確かに攻撃時は喜田アンカーの4-3-3っぽい感じ。しかしそんな時間帯は非常に少なく、守備時は両WGとIHの片方(主に兵藤)下がって4-4-2を形成している時間のほうがはるかに長く、基本の4-2-3-1の両SHが下がるのと大差ないかと。

・新潟や磐田と違って、浦和に簡単にロングボールを蹴らせないように前からプレッシャーをかけてきてはいましたが積極的にショートカウンターを狙うほどではなく、基本的にはリトリート主体の守備。1トップの富樫すら自陣にいましたから、鞠はドン引きに近いと言って差し支えないかと。

・割り切って守備を固めて来た鞠は実に手強く、前半の浦和は全くといっていいほど攻め手を見いだせず。中央を無理にこじ開けてカウンターを喰らう愚を避けるため、浦和の攻撃はサイド中心。それもクロスは鞠守備陣に弾き返されるのがほとんどで森脇クロス→興梠ヘッドと森脇クロス→GKが弾いたこぼれ玉を高木が巻いてシュートを放ったのが惜しかったくらい。これ以外の決定機は高木のFKだけ。

・しかし鞠の攻撃は浦和以上に悲惨。鞠はそもそもボールを奪う位置が低く、しかもビルドアップがそんなに上手くないので、浦和のプレッシャーを交わせずにしょっちゅうボールロスト。ところがボールを失った後の鞠の攻守の切り替えが速いことも相まって浦和はショートカウンターのチャンスを活かせず前半終了。

・鞠は何の役にも立たなかった富樫に代えて頭から伊藤を入れ、前半よりは目に見えて攻勢に転じてきましたが、鞠の攻め手のなさは絶望的で立ち上がりに斎藤が単騎カットインして見せ場を作っただけ。結局後半も浦和が押し気味に推移。

・鞠の守備網が前半よりは多少ルーズになり、バイタルエリアが空いて来たためか、関根・駒井、さらに途中投入の李が立て続けにエリア内からシュート。さらに李との壁パスで中央突破に成功した関根のシュートのこぼれ玉を柏木が詰めてついに浦和が先制。

・先制された鞠の攻撃はほとんど体をなさず、斎藤が破れかぶれ気味にミドルシュートを放っただけ。モンバエルツ監督は遅まきながらマルティノスや遠藤とスピードがある選手を入れてきましたが、不意にカウンターを喰らって裏を取られさえしなければ何の問題もなく、実際引き気味に構えてスペースを消しながら守っていたはずなのに、残り5分でまさかの失点。

・浦和のスローインだったのに駒井がボールを失ったのがケチのつけ始め。マルティノスにスルーパスを出されたのはやむを得ないにしても、マルティノスを槙野と関根が挟む格好で対峙しており、より体勢が良い槙野は最悪イエロー覚悟で止められたはず。しかし、槙野が減速して関根に任せてしまう謎の行動。これはいったい何なのか??? ここで2ndステージ3枚目のイエローをもらうとCSに出られないと勘違いしたのか???

・また試合後の報道で判明したことですが、試合中川崎が逆転されたのを知っている選手と知らない選手がいたこと。つまらないボールロストを犯した駒井は「知らなかった」派。ATも終わり頃になって西川が時間を稼ぎ出したので、その頃には超遅まきながらベンチからはっきりとした指示が出たのかもしれませんが、槙野の謎行動と言い、方針をはっきり指示しないベンチワークと言い、なんか最終節になって浦和伝統の「脇の甘さ」が顔をのぞかせたような気がしてなりません。こういうのは短期決戦では命取り。

007

・天皇杯や代表戦を挟む関係でリーグ戦最終節からCS決勝戦までひと月近く間が開き、興行的にはいかにも間延びというかマヌケなスケジュール設定。途中一応天皇杯があるとはいえ妙に間が開いて選手のコンディション調整も一苦労だとは思います。

・ただルヴァン杯決勝の激闘によるダメージは殊の外大きく、その後のリーグ戦3試合の内容が低調だったのは確か。よってこの中断期間をリフレッシュ期間として前向きに捉えることもできましょう。調整が難しいとはいえ、11日間で3試合をこなす羽目になった川崎or鹿島よりは日程上有利なのも確かなので、中断期間中はあれこれ細かいことを気にせずに良い意味で悠然、泰然と構えてCS決勝を迎えるのが吉かと。

003_3

-----興梠-----
--高木----武藤--
関根-阿部--柏木-駒井
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

得点:66分 柏木

58分 高木→李
70分 武藤→青木(柏木がシャドーへ上がる)
81分 興梠→ズラタン

004

-----富樫-----
齋藤-天野--兵藤-前田
-----喜田-----
金井-パク---中澤-小林
-----榎本-----

得点:85分 マルティノス

HT 富樫→伊藤
70分 天野→マルティノス(前田がIHへ)
80分 前田→遠藤

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2016.11.02

【展望】16年2nd第17節横浜M戦

(横浜Mの現状)

・勝ち点50(13勝11分9敗)の年間9位。1stは勝ち点22の11位だったのに対し、2ndは勝ち点28(7勝7分2敗)と多少勝ち点を伸ばしてはいますが、優勝争いには一切絡まず。今年も典型的な中位クラブの位置から抜け出せずにシーズン終了確定。

・年を通じてみれば引き分けが非常に多く勝ちきれない試合だらけなのが中位止まりに終わっている主因。ルヴァン杯準決勝から続くG大阪との3連戦が全部引き分け(しかも全てスコアが違う!)って狙ってもなかなかできない特殊な芸風。

・もっとも弱い相手から固め取りしているので順位の割には得失点差が15と大きいのが特徴。引き分け数が同じ11の大宮の得失点差は6でしかないのに、年間順位は大宮のほうがはるかに上(年間4位)という辺りは苦笑を禁じ得ません。

・伝統的に守備が堅いチームとされていますが、今年の総失点37は似たような順位にいるFC東京や鳥栖と大差なく、スタッツ上際立った特徴とは言えません。

(戦力)

・3月になってからFWカイケとFWマルティノスを獲得したためか、夏の移籍期間中に目立った補強はなく、今年なぜか出番が激減していた三門を福岡へ放出したのが目立つ程度。

・前回対戦時から戦力にほとんど変化がない一方、主力に故障者が続出して、前回対戦時と前節鳥栖戦のスタメンを比較するとがらっと入れ替わっています。。

・頼みの綱の中村が故障して長期離脱中。第6節から離脱して第12節にいったんベンチ入りしたものの再び戦線離脱。

・CBファビオが故障し(但し、前節ベンチ入り)、その代役として久しぶりにスタメンに復帰した栗原も故障。そのため、中澤の相方は大卒新人のパク・ジョンスが務めています。

・2ndに入って左SBが下平→金井に代わり、下平はベンチにもいないのでこれまた故障離脱中なのかも。またボランチの一角としてレギュラー格だった中町が鳥栖戦の前に故障してベンチ外。

・2ndステージに入って遅まきながら開花の兆しを見せていたCFカイケが度重なる規律違反で「謹慎」を喰らい、伊藤翔も小破したので1トップには大卒新人の富樫を再抜擢。

(戦術)

・喜田が故障した影響もあってか、一時4-1-4-1を採用した時期がありましたが、最近は4-2-3-1に回帰。

・前回対戦時の横浜Mはホームゲームにも関わらずドン引きで守り倒す、徹底した塩試合を選択。もっともモンバエルツ監督が試合後の会見で「守備的にやろうとしたわけではないのですけれども、やはり今日は浦和に下げさせられました。」と語っているように、横浜Mはハナからドン引きだったわけではなく、結果的に早々とドン引きに追い込まれたと見るのが妥当でしょう。

・目標が何もない横浜Mが最終節のアウェーゲームで守り倒してせこく勝ち点1を取りに来るのかどうか。昨年のような積極策(=浦和の最終ラインに圧力をかけて縦パスを封じる & 浦和が無理に縦パスを入れて来たところでボールを奪ってカウンター発動)に出てきても特段不思議はありません。

・中村が長期離脱しているにも関わらず、相変わらずセットプレーが最大の得点源。なお鳥栖戦では天野や兵藤がセットプレーのキッカーを務めていました。

・スペースがあれば当然、スペースがなくても小刻みなドリブルで守備網を切り裂ける齋藤が極めて厄介。たまらずファウルで齋藤を止めればセットプレーの脅威に晒されます。また齋藤が厄介なのはドリブルで突破しにかかるだけでなく、自分で行くと見せかけて決定的なパスを出せること。

・横浜Mがどの位置でボールを奪いに来るのかはふたを開けてみないと判りませんが、カウンターから良い形で齋藤にボールが渡ってしまうとそのまま決定的な場面を作られかねません。浦和守備陣は相手を押し込むような展開になってもリスクマネジメントを怠ることのないよう願いたいものです。

(浦和の対応)

・前回対戦時はつまらないスコアレスドローになってしまいましたが、広州恒大とのビッグマッチを終えて中4日という悪条件付き。決定機は何度か作れていて内容も悪くありませんでしたが、如何せんお疲れなのか肝心なところでシュート精度を欠いたり、その前のトラップが乱れたり、タイミングが合わなかったりして、横浜Mの強固な守備陣をぶち破るには至らず。

・奇しくも今回の対戦も中4日。横浜Mは怪我人が多くて面子にあまり選択の余地がないのに対し、浦和は多少の入れ替えが効くので、共に中4日同士なら浦和が有利でしょうか。とはいえ、宇賀神の出場が依然難しいのであればミシャがスタメンを大きく弄る可能性はありません。

・浦和は勝てば文句なく年間勝ち点1位が決まる一方、横浜Mは目標も何もありません。ただモチベーションの差がそのまま結果を左右するほど世の中甘くないのも確か。

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<前節:鳥栖 2-2 横浜M>

-----富樫-----
齋藤---兵藤---前田
---天野--喜田---
金井-パク---中澤-小林
-----榎本-----

得点:54分 中澤、69分 齋藤

66分 兵藤→マルティノス
79分 前田→伊藤
90+6分 金井→新井

<前回:横浜M 0-0 浦和>

-----カイケ----
遠藤---中村--マルティノス
---中町--喜田---
下平-ファビオ--中澤-小林
-----飯倉-----

72分 カイケ→伊藤
77分 遠藤→前田

・興行的魅力に著しく乏しい塩試合。非常に見辛いスタジアムで、全くと言っていいほど面白味のない試合を見る羽目になった方々はまことにお気の毒様としか言いようがありません。

・鞠は齋藤が小破してベンチ外。後半のカウンターチャンスに齋藤がいたらと思うとぞっとしますが、いたらいたで浦和の攻めが消極的になって塩分が増すだけに終わったかと。

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2016.10.30

【TV観戦記】16年2nd第16節:磐田 0-1 浦和 ~ 誰も喜ばず、2ndステージ優勝も形ばかりの表彰式で終える(苦笑)

・虚しい、実に虚しい。既に年間2位以上が確定してCS出場権を獲得済みなので、2ndステージを優勝したからといって賞金がもらえる他は何か特典があるわけではなし。またステージ優勝してもCSで勝たなければ何の意味もないことは昨年嫌ほど経験しています。

・「浦和の目先の目標=年間勝ち点1位」であることが選手・スタッフどころかファン・サポーターにまで浸透しており、磐田に勝って2ndステージ優勝を果たしても試合後の様子は普段のリーグ戦の1勝とたいして変わったところはありませんでした。もちろんスポンサー様の顔を立てて一応表彰式はやりましたが、式は実にあっさりしたもので森脇のスベリ芸は封印。

・同日川崎も勝ったため、川崎との勝ち点差は1のままで年間勝ち点1位確定は最終節まで持ち越し。最終節で勝てば文句なく年間勝ち点1位となり目先の目標達成で埼スタは沸き返るのでしょうが、そうなったからといって公式イベントは何もないという摩訶不思議な状態(=誰も喜ばないのに公式イベントだけあった磐田戦後と真逆)に。現行の2ステージ制の珍妙さがこんな形で浮き彫りになろうとは(苦笑)。

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・試合は90分を通じて磐田に何もさせず、どこからどう見ても浦和の完勝。ただ1点がなかなか入らず、しかも1点しか入らなかったのでセットプレーなど事故っぽい形で点を取られやしないかと最後までハラハラしましたが、磐田から見れば「絶望的に遠い1点」だったかもしれません。それほど力の差は歴然としていました。

・磐田は前節出場停止だった森下がスタメンに復帰し、森下・大井・藤田の3バックを組むのかと思いましたが、蓋を開けてみれば布陣はここ数試合と同じ4-2-3-1で森下が左SBに。また特段浦和向けに変わった手を打った様子もありませんでした。

・そんな磐田に対し、浦和は序盤から攻勢。なにぶんジェイが全く守備をしない(その分トップ下の川辺が消耗を強いられる)のが祟って、磐田は浦和の最終ラインにほとんどプレッシャーをかけてこないので、浦和は両WBへワイドに展開してからの攻撃が目立ち、遠藤→関根→興梠でいきなり決定機(シュートはバー直撃)を演出。

・また興梠が再三磐田最終ラインの裏取りに成功したのが効いてか、磐田の最終ラインが下がって陣形は次第にルーズになり、攻守の切り替えが遅いことも相まってバイタルエリアがゆるゆるに。そこを使ってショートカウンターから武藤・柏木・高木と相次いで際どいシュートを放つも得点ならず。好位置で得た柏木FKもポスト直撃。駒井が上手くサイドを抉った場面もありましたが、高木も興梠もシュートをブロックされてしまいました。

・ただ浦和も攻撃に手数がかかってしまうと磐田が低い位置に作る守備ブロックを前に苦しむ傾向が強く、後半は李投入まで高木クロス→興梠ヘッドの決定機くらいでこれといったチャンスは作れず、戦況は膠着状態に。

・磐田は残留争いしているとはいえ、16位名古屋との勝ち点差が3あるので浦和戦で勝ち点1でも積み上げられれば万々歳とばかりに前に出て来なくなり、両SHもサイドの守備に専念。ほとんどの時間帯で守備に奔走させられてヘロヘロになったアダイウトンを66分に下げてより一層専守防衛の構え。

・とはいえ、序盤から浦和のワイドな攻撃で守備ブロックを左右に振り回され、深い位置でボールをなんとか奪い返して攻めに出ようとしたらすぐに奪い返されて守備に戻らざるを得なくなるの連続だったので磐田の消耗は相当激しかったと思います。駒井が縦に抜け出してからのクロスを武藤がヘッドで決めてついに浦和先制。

・その後は前に出て来ざるを得なくなった磐田相手に武藤や途中投入のズラタンが裏抜けに成功してGKと1対1になる絶好機がありましたが、共にカミンスキーが阻止。さらに駒井クロス→関根ヘッド、CKから遠藤ヘッドという好機もものに出来ず。

・決定機はいくつもありながら1点しか取れないので非常に気持ちが悪い試合展開になってしまいましたが、磐田の攻撃は非常に絶望的。前半の磐田は浦和の前からのプレッシャーに気圧されて全くビルドアップが出来ず。ジェイやアダイウトンへのロングボールで打開を図るが、共にボールが収まらず。無理なミドルシュートを放つのが精一杯。

・後半ショートカウンターで数的優位で浦和ゴールに迫る場面が1回ありましたが、ジェイに槙野がしっかり付いてシュートを撃たせず。頼みのセットプレーも不発というかそもそもCKを2つしか取れていませんし。終盤森島を入れるも思うようにパワープレーの形に持ち込めず。

・アホほどあった決定機を一つしか決められなかった攻撃陣の出来は正直褒められないと思いますが、槙野や森脇が苛立って無理な攻撃を仕掛けるような場面はありませんでした。当然「いつでも点が取れる」とばかりに相手を舐めたようなプレーは一切なし。ジェイを擁してとにかく一発がある相手なので、最後の最後までリスクコントロールを怠らず、集中を切らさなかった守備陣が称えられて然るべき試合でしょう。

-----興梠-----
--高木----武藤--
関根-阿部--柏木-駒井
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

得点:72分 武藤

68分 高木→李
80分 武藤→ズラタン
87分 柏木→青木

・小破して前節出場しなかった柏木、右足つま先を痛めている関根とも何の問題もなく今節スタメン出場。

・ここ2試合遠藤はアデミウソン、ラファエル・シルバと立て続けに1対1でやられてしまいましたが、今回は全く危なげなし。ただセットプレーでの好機は今回も決められず。年を通じて何回も得点機があるのになぜか一点が遠い遠藤。

-----ジェイ-----
アダイウトン--川辺---太田
---上田--宮崎---
森下-大井--藤田-山本
-----カミンスキー----

66分 アダイウトン→齊藤
73分 宮崎→松浦(川辺がボランチへ)
84分 上田→森島(2トップ化。4-1-3-2?)

・ずっと守備させられて、しかも後半半ばを待たずに代えられたアダイウトンには爆笑。アダイウトンがボール奪っても深い位置から単騎突破しかなかったから、浦和の複数人にあっという間に囲まれてジ・エンド。一回だけ駒井の裏に抜け出しましたが、遠藤が無難に対応して終了。ジェイへのクロスの供給源がこの有り様では浦和から勝ち点を取るのは難しかったかと。

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2016.10.28

【展望】16年2nd第16節磐田戦

(磐田の現状)

・勝ち点33(7勝12分13敗)で年間13位。1stステージは勝ち点23の8位で終えたものの2ndステージの失速が著しく、2ndはわずか勝ち点10(1勝7分7敗)と降格が決まった福岡&湘南よりわずかにマシといったテイタラク。そのため磐田も残留争いに巻き込まれてしまい、降格圏にいる16位名古屋との勝ち点差はわずかに3。

・残留争いの渦中にある4チーム(磐田・甲府・新潟・名古屋)には失点が多い共通点がありますが、磐田はこの中では比較的点が取れるチーム。ただそれも1stで稼いだ分が多く、2ndは得点力に大差がなくなった反面失点の多さが目立っています。

・2ndステージ総得点15のうち8つがジェイ。1stステージのジェイは故障がちだったにも関わらず6ゴールを上げており、判りやすすぎる「ジェイ頼みの○サッカー」を演じています。J2ではそれが猛威を振るったわけですが、J1ではそんな単純なやり方では時間の経過と共に勝てなくなってしまうという、これまた判りやすい経緯を辿っている模様。J2でも上位チームの中では失点が多いほうで、その欠点が徐々に顕わに。

(戦力)

・磐田との前回対戦は何分ホーム開幕戦(第2節)だったので、磐田の主力も若干異動が見られます。

・伊野波を放出したため駒不足に陥っていたCBに、5月になってパパパパフィーパパドプーロスを獲得。元ギリシャ代表なのにオーストラリア国籍を持っていてアジア枠で登録でき、しかも無所属だったのでタダ。こりゃええわ!と思ったのですが、どうも名波流に合わないのかしょっちゅうイエローをもらっています。さらに直近故障した模様で前節名古屋戦はベンチスタート。

・1stステージは昇格組にしては好成績だったためか、夏の移籍期間の補強はなし。8月にMF小林祐希がオランダ1部ヘーレンフェインへ移籍したものの、その穴埋めもせず、それまでボランチだった川辺をトップ下に配転。ボランチにはそれまでサブ組だった上田を起用。

・一時GKカミンスキーやCB大井が故障した苦しい時期もありましたが、現在は主力に目立った怪我人はなし。

(戦術)

・2ndステージ途中で3-4-1-2を試行したものの結果が出なかったためか、第13節から再び元の4-2-3-1に回帰。もっとも4バックに戻したのが大井とパパドプーロスが共に不在だった時期と重なっているので、戦術上の理由ではなく窮余の一策なのかもしれません。右SBに本来SHの山本康を起用している羽目に陥っている辺りもいかにも苦しげ。

・磐田の攻撃は両サイドからジェイ、あるいはせいぜい左サイドから走りこんでくるアダイウトン目がけての放り込み一辺倒。流れの中からはほぼそれしかないと言っていいほど徹底しており、時間が経過して戦局が煮詰まってくると両サイドはもろにクロスマシーン化。ゆえにジェイが封じられれば磐田は手も足も出ませんが、それでも何とかしてしまうのがジェイの恐ろしいところ。当然ながらセットプレーでもジェイの高さは脅威。

・一方守備はそのジェイの存在が重荷に。なにせ守備をほとんどしない。それゆえ最終ラインは裏を取られるのが怖くて思い切って押し上げられず、必然的に陣形は間延びしがち。中盤のスペースを選手たちが駆けずり回って対処できるうちはいいものの、終盤はガス欠してどうにもならず。磐田の総失点49のうち12失点が75分以降に生じているのは偶然ではないでしょう。また前回対戦時に磐田がコンパクトな布陣を維持できたのはジェイが後半途中からの出場だったというのもその傍証になるかと。

(浦和の対応)

・前回対戦はホーム開幕戦で1-2の敗戦。最終ラインの構成に試行錯誤していた時期で、「森脇-槙野-遠藤」と並べてみたものの森脇左CBが大失敗に終わり、自爆で試合をわざわざ難しくての敗戦。ACLを睨みながら選手をローテーションしたものの、これまた上手く行かず、さらに選手交代も全く機能しないと負ける要素てんこ盛りでした。

・今の浦和はその時期とは置かれている状況が全く違って基本メンバー構成は安定しており、しかも選手を少々入れ替えても何の問題もありませんから、前回対戦は全くと言っていいほど参考にならないでしょう。

・ただルヴァン杯優勝の代償は殊の外大きく、前節は宇賀神が負傷欠場。柏木もベンチスタートになって出番なしに終わり、さらに関根は右足つま先を負傷したまま無理やり出場している状態。また新潟戦の出来を見ると森脇や武藤の調子が明らかに下降線に入った模様。

・従って磐田戦も故障者の状況、選手のコンディション如何で多少メンバーの入れ替えがあるでしょう。宇賀神が復帰できず、関根も無理となるとかなりメンバー構成が苦しくなります。またジェイ対策として那須をCB中央に据えるかもしれません。

・駒井の裏をアダイウトンに徹底的に突かれると非常に厄介ですが、逆にアダイウトンは前目に残りがちで守備が緩慢なので駒井が磐田左サイドを蹂躙しまくる可能性も十二分にあり、このサイドの攻防が見どころ。また前述のようにジェイが守備をしないため、磐田が不用意に最終ラインを上げて来たところで遠藤なり阿部なりの縦パス一本で興梠に裏を取らせるのも有効でしょう。

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<前節:名古屋 1-1 磐田>

-----ジェイ-----
アダイウトン--川辺---太田
---上田--宮崎---
中村-大井--藤田-山本
-----カミンスキー----

得点:47分 ジェイ

70分 宮崎→松浦
79分 アダイウトン→齊藤
90分 ジェイ→森島

※CB森下が出場停止

<前回:浦和 1-2 磐田>

-----齊藤-----
アダイウトン--小林---太田
---宮崎--上田---
中村-森下--大井-櫻内
-----カミンスキー----

得点:30分 太田、82分 ジェイ

69分 アダイウトン →ジェイ(齊藤が左SHへ)
81分 齊藤→松浦
90+3分 小林→山本康

・磐田は高い位置に4-4-2の守備ブロックを形成。積極的にショートカウンターを狙うほど浦和最終ラインなりGKへプレッシャーは厳しくかけないけれども、浦和のビルドアップを阻害する程度にはしっかりかけてきました。自陣深くボールを運ばれても守備ブロックを崩さず、特に慌てて飛び込んで交わされる愚を犯さないように粘り強く対応。ずっとそんな感じで浦和の大チョンボをひたすら待って、それが見事に奏功。

・ジェイはコンディションが万全でなく、後半半ばからの出場。限られた時間ながら槙野を抑え込んで、不格好ながらもいきなりゴール。またハイボールで永田に競り勝ってこぼれ玉を拾わせてカウンターを仕掛ける場面もありました。

・で、そのジェイが出てくるまでなんとかスコアレスで耐えるというのが名波監督の作戦。しかも浦和の自爆でリードした状態でジェイを投入できたのだから、名波的には万々歳。

・ただ悪く言えば磐田は守備は完璧だったけれどもジェイが出てくるまで攻撃は全くといいていいほど何もできず、頼みのアダイウトンすらずっと守備に追われっぱなし。それゆえ浦和は自爆さえしなければ負ける相手ではなかったと思うのですが、そこで自爆するのが浦和。そして上手く自爆するように森脇に太田をけしかけた磐田が良かったといえばそれまでですが。

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2016.10.23

【観戦記】16年2nd第15節:新潟 1-2 浦和 ~ 復活、全農にいがたのおにぎりパワーだ!最後の最後で新潟を突き放す

・新潟とはなぜか極端に相性が良く、リーグ戦ではわずか1敗しかしたことがない相手ですが、楽勝だった試合は少なく毎度毎度辛勝どころか「勝てたのが不思議」としか言いようがない試合も少なくありません。そして今回もまたしてもいつもの新潟戦の展開に。

・戦前予想で3週間試合のなかった新潟を「浦和戦に向けて準備期間が十分取れた反面、試合勘がまるでないかもしれない」と評しましたが、試合展開はほぼその予想通りに。立ち上がりは試合勘のなさを露呈して早々に失点。しかし森脇の大失態で早い時間帯に同点に追いついた後は周到に準備された浦和対策が見事に奏功して、間違いなく勝ち点1は掴める流れになっていたと思います。

・しかし最後の最後で勝ち点3に色気を出し、関根を完璧に封じていた小泉を外して指宿を入れたのが仇となって、残留争いを勝ち抜く上で是非とも必要な勝ち点1すら奪えない最悪の結果に。もちろんその失点の直前の武蔵ヘッドが決まっていたら片渕采配ズバリになっていたわけでその辺は所詮結果論なのかもしれませんが、「勝ち点3に色気を出して勝ち点1すら奪えずに終わる」あたりがいかにも新米監督

・悪い試合ではなく、敗れても新潟の選手を野次る声はほとんど聞こえなかったのは頷けますが、もはや内容なんてどうでも良くて勝ち点だけが重要な時期だから、新米監督にとって痛すぎる敗戦かと。

・一方浦和の出来は良くありませんでした。120分&PK戦に及んだルヴァン杯決勝のダメージは殊の外大きく、宇賀神が負傷欠場した上に柏木も足首捻挫でベンチスタートながら事実上使えない状態。さらに関根も右足つま先を傷めたまま出場。こういった明らかな故障者・負傷者がいるだけでなく全体に動きが良くなく、最近の浦和には珍しく玉際での競り負けも少なくありませんでした。もっとも競った相手が往々にして中央を駆けまわるレオシルバで「相手が悪かった」という気もしますが。

・同点に追いつかれた後の浦和の攻撃は時間の経過と共に手詰まりに陥って、どう見てもドロー已む無しといった展開に。それでも勝ち点3を焦ってむやみに前がかりになることなく粘り強く闘い、大ピンチの直後に訪れたカウンターチャンスを生かして最後の最後で新潟を振り切っての辛勝。万全には程遠いチーム状態でも勝ち点3を掴み取れるようになったあたり、浦和も強くなったものだと感涙に咽ぶことしきり。

001

・新潟は基本4-4-2ながら、守備時には右SH小泉が最終ラインに下がって5-3-2、さらには成岡も2列目に下がって5-4-1の守備ブロックを作る前回対戦時と同様の浦和対策。吉田前監督が埼スタから勝ち点1を持ち帰った策をほぼ丸パクリしたようなもので、この辺りに丸3週間も試合がなかった新潟の用意周到さが見て取れました。

・但し、前回対戦時よりは立ち上がりの最終ラインはかなり高めで、それなりに前からプレッシャーをかけてきました。この「それなりに」というのが曲者で、悪く言えばいかにも中途半端。遠藤からの縦パス一本で興梠に最終ラインの裏を取られてたちまち失点。ボールの出し手にたいしてプレッシャーがかかってないのに最終ラインが高い時にありがちな失点パターンで、この辺が新潟の試合勘のなさを露呈したような気がしました。

・毎度毎度難しい試合になる新潟戦で早々と点が取れたため、その後はやむなく前に人数をかけざるを得なくなった新潟相手に淡々とカウンターをお見舞いするだけと軽く考えていたのですが、そんなお気楽ムードを木っ端微塵にしたのが森脇の大失態。遠藤への緩いバックパスをいきなりラファエルシルバに掻っ攫われるというこれ以上ない大失態。さらに遠藤もあっさり交わされてラファエルシルバは楽々独走でゴール。

・早目に同点に追いついた新潟はやや最終ラインを下げ、かつリトリート主体に切り替えて来たためか、浦和の最終ライン裏狙いは奏功しなくなりました。楔のパスなんてほとんど入った試しがなく、浦和の攻撃はロングボールでいきなり両WB、特に駒井へ展開してのサイド攻撃一本槍に。

・しかし、クロスは全部中央で弾き返されて決定機に至らず。それどころか攻めきれずにカウンターを食らう場面が増え始め、森脇と駒井にイエロー。特に森脇は大失態を犯して以降大暴走してしまい、特にレオシルバに絡まれてボールを失う場面が目立ちました。

021

・浦和右サイドが2人とも前半のうちにイエローをもらってしまう非常事態に直面したミシャは、メロメロだった森脇を前半だけでクビチョンパにする大英断!対面に攻撃だけは元セレソンの匂いを微かに残しているコルテースがいるだけに、右サイドで退場者が出てしまう、あるいはイエローを恐れて対応が軽くなるのを恐れての大英断なのでしょう。もっともそれは遠藤が右CBで使える目処が立っているからこそ成り立つ算段なのでしょうが。

・ミシャはさらに武藤→ズラタン、高木→李と早めに交代枠を使い果たしましたが、いずれも奏功したとはいえず。この日久しぶりにスタメン出場の機会を得た青木はルヴァン杯ほどの活躍を見せられなかったどころか終盤失速の気配著しく、後方から高精度のパスを配球できる柏木不在の影響が如実に出て、前目を入れ替えてもそこに良いボールが出ない。

・さらに時間の経過と共に両WBがキレを失い、ボールロストを繰り返すようになって浦和は完全に攻め手を失ってしまいました。森脇を外したことで守備の穴は塞がりましたが遠藤は攻撃参加を自重したためか駒井が孤立がちになり、逆に新潟のボールの奪いどころになってしまった感も。

・興梠の2点目に至るまでの浦和のチャンスは阿部の縦パスを受けた興梠が倒れながらエリア内で粘って駒井が巻いてシュートが惜しかったくらい。一方成岡に代えて武蔵を投入し、虎視眈々とカウンターの機会を伺う新潟に2度絶好機がありましたが、77分松原→武蔵ヘッドは惜しくもオフサイド。さらに89分にも松原→武蔵ヘッドのビッグチャンスは西川が片手で辛うじてセーブ。

・ところがこのビッグチャンスの直後に2次攻撃を仕掛けたレオシルバがボールを奪われたのが新潟の命運を分けた格好に。浦和はレオシルバ不在を奇貨として素早く関根に展開し、関根が対面の松原&加藤の間に上手くパスを通して興梠が仕上げ。カウンターを喰らって守備のバランスを崩しているので致し方ないのかもしれませんが、逆サイドの加藤がやむなく松原に加勢しているあたりがいかにも苦しい。

・この場面、興梠の前で李が舞行龍を抑え込みながらスルーをかましたのが効いています。李は高木に代わって早目の時間帯に投入されたものの全くと言っていいほどいいところがなかったのですが、最後の最後で大仕事。しかも李の「俺が俺が」が悪いほうに転んで強引にシュートを撃うのではなく、きっちり興梠のシュートをお膳立て。興梠との相性の良さを思い出したかのような好プレーが最後の最後で飛び出すとは! やはり今の李は何かを持っている。

・同日川崎も勝ったため、浦和の2ndステージ優勝は次節以降へ持ち越し。また年間勝点1も堅持しましたが、川崎との差はわずか1のまま。

022

-----興梠-----
--高木----武藤--
関根-阿部--青木-駒井
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

得点:7分 興梠、90分 興梠

HT 森脇→那須
63分 武藤→ズラタン
69分 高木→李

・大チョンボを犯した後に我を忘れてしまったかのような振る舞いを見せた森脇をミシャが前半だけでひっこめただけでも十分驚きですが、それ以上に驚いたのは故障を抱えた柏木を無理使いしなかったこと。かつて興梠を無理使いして痛い目に遭ったG大阪戦に象徴されるように、これまでのミシャは信頼できる選手と心中しがち。特に森脇や柏木はコンディションの良し悪しに関係なくミシャが使いたがる選手の代表格なだけに、この日のミシャの采配には心底驚きました。

・ルヴァン杯決勝でアデミウソンに簡単に入れ替わられてしまったのに続き、この試合ではラファエルシルバにいとも簡単に抜け出されてしまった遠藤。Jリーグトップクラスの外国人選手に立て続けにやられてしまい、この感じでは正直A代表定着は難しいのではないかと。

・興梠はこの日の2ゴールで見事J1リーグ100ゴールを達成。在籍期間は鹿島より浦和のほうがはるかに短いにも関わらず、前所属の鹿島でのゴールが49、浦和でのゴールが51とゴール数が逆転。まぁ鹿島ではファーストチョイスではなかった一方、浦和では鉄板のスタメンという位置づけの差がなせる業でしょうが、興梠を無料で提供していただいた鹿島には今後とも足の裏を見せつけながら寝ようと思います

・そしてその興梠をエリア内で松原が後方から倒した場面はPKじゃないのか??? また新潟が壁を作っている間にFKを蹴ってしまった阿部になぜかイエローが出ましたが、イエローを出すかな、フツー・・・

023

---成岡--ラファエル---
加藤--------小泉
---レオシルバ-小林---
コルテス-西村-舞行龍-松原
-----守田-----

15分 ラファエルシルバ

59分 成岡→鈴木
76分 ラファエルシルバ→野津田
87分 小泉→指宿

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2016.10.21

【展望】16年2nd第15節新潟戦

(新潟の現状)

・勝ち点30(8勝6分17敗)で年間14位。1stステージが勝ち点18の13位、2ndが勝ち点12の14位と年間を通じて低迷しており、降格圏にいたはずの名古屋が監督交代&闘莉王復帰で急激に勝ち点を積み上げてきたため、新潟は熾烈な残留争いに巻き込まれてしまいました。

・第13節鹿島戦に敗れてリーグ戦今年2度目の4連敗を喫した時点でとうとう吉田監督の解任を決断。往々にして「ポゼッションのためのポゼッション」に堕してしまいがちな吉田監督が伝統的にカウンターに持ち味がある新潟に来てもなかなか結果は出ないだろうと多くの人が予測してところ、結果は案の定。

・後任は片渕コーチが内部昇格。基本的に下部組織畑の方で、トップチームの指揮は初めて。

・残留争いの渦中にあるチームなので、スタッフは「得点は少なく、失点は多い」という悲惨なものですが、残留争いにあるチームの中では相対的に失点が少なく、またやたら1点差負けが多いので得失点差も極端に悪くはなく、その分ちょこっとだけ水面上に顔を出している感じ。

(戦力)

・1stステージから成績不振だったにも関わらず夏の移籍期間中にこれといった補強はなく、前回対戦時から戦力に変化なし。移籍市場でレオシルバにちょっかいをかけられたり、逆に川又にちょっかいをかけたりと名古屋と小競り合い(苦笑)がありましたが、それも新聞紙上を賑わせただけで終了。

・年間を通じてしょっちゅう主力に怪我人が発生。直近では大野&舞行龍とレギュラーCBが2枚とも故障してしまい、代わりに出た選手はどう見てもJ1レベルになくて横浜Mに惨敗。舞行龍は既に戦列に戻っていますが、浦和戦は第11節から離脱中の大野が戻ってくるかどうかが鍵。

・監督が代わってまだ1試合しか消化しておらず、監督交代が選手起用に及ぼした影響は見定めがたいのですが、武蔵が五輪から戻ってきたあおりを受けてか達也は第9節から出場なく、ベンチ外の試合も増えてきました。

(戦術)

・新潟は前節からなんと3週間も試合がありません。中断期間を利用して嬬恋キャンプを張るなど新監督の下でのチーム立て直し&浦和対策の時間が十分取れたのは好材料とも受け取れますが、逆に言えば試合勘がまるでないという見方も出来ます。いずれにせよ、新潟の出方はやってみないことには皆目判りません。

・吉田末期には3-4-2-1のフォーメーションを試行していましたが結果はボロボロで、監督交代初戦では再び4-2-2-2に変更。但し、柳下時代のように敵陣でも遮二無二プレッシャーをかけてゆく様子はなく、ハーフライン付近からガッとボールを奪いに行く感じ。ボールを奪ってからは吉田監督の時よりは明らかに縦に速く攻める意識が高まっていて、縦パス一本で相手最終ライン裏を狙うこともしばしば。端的にいえば吉田路線を捨てて伝統的な新潟のスタイルに回帰途中みたいな。

・前回対戦時は吉田監督の策が見事に奏功して超苦手の浦和相手にスコアレスドロー。基本4-4-2ですが、守備時には5-3-2、ないし2トップの一角も下がって5-4-1へシフト。5バックに変わる際にボランチが1枚下がるのではなく、必ず右SHが下がるのが少々ユニークでした。しかもガンガン前からプレッシャーをかけて来た柳下時代から一変してリトリート主体。

・片渕監督がこの策をそのまま踏襲して、少なくとも前半はセーフティーに試合を運んでも何ら不思議はありません。残留争いの渦中にいるけれども降格圏にいるわけではないので、首位のチーム相手に勝ち点1を確実に取りに行くと考えるのが普通でしょう。

(浦和の対応)

・休養十分だが試合勘がまるでない新潟とは対照的に、毎週コンスタントに試合がある浦和。ルヴァン杯決勝はPK戦にまでもつれ込む激闘となり、前半のうちに小破退場した宇賀神はもちろん、興梠を筆頭に疲労困憊のあまり途中で動けなくなった選手も続出し、そのダメージは新潟戦にまで残る可能性は少なくありません。

・前回対戦時は今年序盤の目標だったACLグループリーグ通過が決まり、かつ連戦に次ぐ連戦が終わってチーム状態が目に見えて下降線を辿りはじめた中での一戦でした。今回もルヴァン杯奪還という目標を達成した後の一戦になります。まさかルヴァン杯決勝がピークだったという感じにはならないでしょうが、コンディション調整が少々難しいかもしれません。

・優勝の喜びが疲労感を多少なりとも吹き飛ばしはするでしょうが、選手のコンディション如何でミシャが多少選手を入れ替えてくるかもしれません。今年のミシャにはそれだけの余裕があります。

・何分相手の出方が判らないので、浦和も序盤は慎重にならざるを得ないでしょう。前回対戦時から一変して新潟が前から厳しくプレッシャーをかけて来ても、慌てずにボールを繋いでプレッシャーを交わし続ければ、新潟が疲れる後半に勝機あり。ルヴァン杯決勝の失点場面のように軽率に攻めに出てショートカウンターを喰らうのが一番バカらしい。

・残留争いしているチームはリーグ戦終盤になると往々にして「窮鼠猫を噛む」勢いで立ち向かってくるので楽な試合にはならないでしょうが、十分準備期間はあったとはいえ、相手はトップチームを率いるのが初めての新米監督。90分の間にチームの熟成度の差をどこかで見せつけることができれば問題ないでしょう。

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<前節:磐田 1-2 新潟>

---ラファエル--指宿---
成岡--------加藤
---小林--レオシルバ--
コルテス-西村-舞行龍-松原
-----守田-----

得点:22分 レオ・シルバ(PK)、89分 山崎

65分 成岡→山崎
72分 指宿→鈴木
83分 ラファエル・シルバ→野津田

※小泉が出場停止

<前回:浦和 0-0 新潟>

---山崎--平松---
達也--------小泉
---レオシルバ-加藤--
前野-大野-増田-舞行龍
-----守田-----

68分 達也→端山
82分 平松→野津田
84分 山崎→成岡

・4バックがボールサイドへスライドして、空いた逆サイドをSHが下がって埋めて5バックになるというのは時々ありますが、ボールの位置とは無関係に特定のSHが下がるというのはちょっと記憶にありません。しかも普段ボランチの小泉がSHで、普段SHの加藤をボランチに配する奇策付き。

・しかもリトリート主体の守備だったのも予想外。新潟のスタイルならてっきり4-4-2のまま前から遮二無二追ってくると思ったのですが、前からはせいぜい2トップが追ってくるくらいでSHはさほどでもなく。吉田監督から見ればもうちょっと高い位置でボールを奪いたかったのでしょうが、結果的にはズルズル押し込まれてドン引きに。ただ新潟は押し込まれてからが粘り強く、浦和は時間の経過と共にほとんど決定機らしい決定機を掴めなくなってそのまま試合終了。

・吉田監督は柏時代に浦和戦で勝ちこそないものの、すべての試合で善戦していて浦和対策には自信を持っているのでしょう。浦和の選手達のパフォーマンスが良くなかったのもさることながら、吉田監督の策が見事に嵌りました。

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2016.10.16

【観戦記】16年ルヴァン杯決勝:浦和 1-1(PK5-4) G大阪 ~ 西川、ついに止めた!PK戦の末に浦和13年ぶりカップ奪回

・不用意に攻めに出てカウンターを喰らって先制され、その後攻めても攻めても点は入らない。辛うじて同点に追いついて延長戦にもつれ込んだところで選手達の疲労は顕著。そして最後に控えるのは西川が苦手なPK戦。

・どこからどう見ても浦和が負ける要素がてんこ盛り。典型的なG大阪戦の負けパターンにまたしてもずっぽりと嵌ったかのような流れ。今までの浦和なら最後の呉屋のポスト直撃のシュートが入って、お約束のように浦和が負けていた展開だったと思います。とにかく勝負弱さでは稀勢の里と双璧をなす浦和。勝者のメンタンピンなんて欠片も持ち合わせていない浦和。後半になってなぜか「ララ浦和」が流れ出し、さらにPK戦にもつれ込んだ時、正直「こりゃアカン」と思いました。

・しかし、勝ったのは浦和。ルヴァン杯を奪回したのは浦和。ついに浦和の「ここ一番に勝てないよ伝説」に終止符。浦和にとって2006年リーグ優勝以来の国内タイトル、ミシャにとっては広島時代から通じて初のタイトル。毎年大崩れすることなくコンスタントに勝ち点を積み上げるものの、どうしてもタイトルには手が届かなかった浦和の、そしてミシャの不運の日々はこれでおさらば。

・運の要素が強いと言われるPK戦ですが、運を引き寄せるようなことをしないチームには運は向いて来ない。浦和にはPK戦に末に敗れたFCソウル戦がどうやら下敷きになっていたようで、選ばれたキッカーはすべて妥当。延長戦に入ってほとんど動けなくなった興梠が選ばれたのには驚きましたが、その興梠も含めて東口にはどうしようもないコースに蹴って全員成功。最後に蹴った航にいたってはもう自信満々。メンタル強すぎ!

・かたやG大阪はPKを嫌がった選手がいたようで、代わりに志願した呉屋がPK失敗。西川が勝手に横に飛ぶと思い込んだようなシュートを放って、ものの見事に西川にぶち当て。全くと言っていいほどPKに弱い西川がここ一番でようやく大仕事。

・一応中立地扱い、かつルヴァン様の青が目立つとはいえ、事実上のホームと化した埼玉スタジアムでの戴冠は喜びもひとしお。長期離脱中の梅崎がカップを高々と掲げた際には思わず目に汗が(^_^;) 梅崎は浦和が一時代を終えた直後に移籍してきた選手なので、これまで辛いことしなかったかもしれん。だがしかし、久しぶりの戴冠を機に浦和の新時代が始まるのだ!!!

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・PK戦でなんとか勝ったとはいえ、G大阪は滅茶苦茶強かった。リーグ戦でボコボコにした際にはG大阪もすっかり弱くなったものだと半ばバカにしていましたが、やはりあの4-0は金が出場停止、今野が故障明けでベンチスタート、遠藤が絶不調、おまけに1トップの長沢が何の役にも立たないと悪い要素が3つ、4つと重なった末の結果なのでしょう。またこれまでG大阪戦に出てこなかった高木や駒井への研究不足もあったのかもしれません。

・しかし2週間の時を経てG大阪の陣容は今や万全。槙野の不用意すぎるボールロストを機にアデミウソンが単騎独走して17分に先制点を取り、その後は引き気味に構えて淡々とカウンターを狙う浦和戦必勝パターンに。

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・浦和は後半立ち上がりから攻めに攻め、関根クロス→武藤ヘッドを皮切りに次から次へと決定機を作りましたがシュートはことごとく枠外、ないし相手にブロックされてしまい、東口をびびらせるような枠内シュートは案外少なかったと思います。関根のエリア内突入と、高木が交代を命ぜられる直前のシュートが惜しかったくらい。

・浦和は両サイドこそやや優勢なものの、丹羽&金がエリア内中央を固め、井手口&今野がバイタルエリアを締めるG大阪守備陣にサイドからいくら仕掛けても中央で全部弾き返されてしまう。そして弾き返された後には攻め上がったWBの裏へ展開されてカウンターを浴びる始末。遠藤なり倉田なりに追加点を取られていたら、その時点で事実上試合終了でした。

・ところが、高木の惜しいシュートで得たCKをなんと高木に代わって投入された李がファーストタッチで決めて同点。那須不在時の浦和のCKなんて全く得点の臭いがなく、「浦和のCKは相手のカウンターチャンス」と自嘲する向きさえ少なくなかったのに、まさかこの大一番、この重大な局面でCKから点が入るとは! っちゅーか、どちらかと言えばG大阪戦ではCKでやられるのが浦和の芸風だろう(苦笑)。

・浦和は途中投入の選手が大仕事をやってのけたのに対し、G大阪は交代出場の選手が全てイマイチ。G大阪は宇佐美が抜け、パトリックが不振&故障してもファーストチョイスには何の問題もなく依然国内トップクラスの陣容を誇っているものの、控え選手が昨年までよりガクっと落ちるようになった感じ。長谷川監督が66分にアデミウソンを早々と下げて長沢を投入したのは明らかに失策でしょう。控え選手の出来の差が回り回って浦和の勝利を呼び込んだといっても差し支えないかと。

・もっとも最後の最後で藤本→呉屋のシュートが決まっていればG大阪の控え組の充実、長谷川監督采配ズバリになっていたわけで、この辺の評価は紙一重なのでしょうが。

003

-----興梠-----
--高木----武藤--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

得点:76分 李

36分 宇賀神→駒井(故障による交代)
70分 武藤→ズラタン
76分 高木→李

・MVPは李。ルヴァン杯全試合を通じて最も活躍した選手という意味では高木がMVPに相応しいと思いますが、何分決勝で勝たないと意味がないのがカップ戦。それゆえ決勝で起死回生の一撃を決めた李がMVPになるのも特段不思議はありません。

・それにしても今年のルヴァン杯は得るものが大きかった。最大の収穫はもちろんカップそのものですが普段の控え組が活躍し、控え組を含めたチームの総合力が格段に上がったのはカップに匹敵する収穫といって良いでしょう。

・常時代表に複数人を持って行かれ、おまけに五輪でなぜか興梠と航だけ極端な消耗を強いられて、普段の控え組だらけでルヴァン杯に臨んだにも関わらず、準々決勝&準決勝を全勝で突破。昨年控え組だらけで新潟戦に臨んでボコボコにされたのはいったい何だったのか?と訝しくなるほどの変貌ぶり。

・特に高木と駒井が大活躍して、その後リーグ戦でもレギュラー陣に割って入る働きを見せたのがなによりでかかったかと。また槙野不在時のオプションとして宇賀神左CBが使える目処が立ったのもでかい。これで名実とも選手層が厚くなって「レギュラー組の使い詰め→コンディション低下→終盤大失速」というミシャ鉄板コースからついに離脱。

・アウェー豪州戦から中3日の代表組(柏木・槙野・西川)は揃ってスタメン出場。槙野は不用意に攻め上がってボールを失い、カウンターの基点になってしまう大失態を犯し、負けていれば最大級の戦犯扱いは免れませんでしたが、その後はG大阪のカウンター攻撃に立ちふさがって追加点を許さず。功罪相半ばといったところ。

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----アデミウソン-----
大森---遠藤---倉田
---今野--井手口--
藤春-金---丹羽-米倉
-----東口-----

得点:17分 アデミウソン

66分 アデミウソン→長沢
72分 大森→藤本
88分 倉田→呉屋

・2年も日本にいる間に、まるで夜のスーパーの売れ残りみたいに随分値下がりして、とうとうG大阪が移籍金を払えるレベルになったアデミウソン。でも航と簡単に入れ替わって独走し、いとも簡単に西川との1対1を制してしまう辺り、値下がりしたとはいえ今なおそれなりにお高いだけのことはあるわ! でも長谷川監督がそのアデミウソンを早々にベンチに下げたのは謎過ぎました。

・準優勝に終わってもG大阪の選手達が特に不貞腐れた態度を見せなかったのはさすが。この辺りはタイトルに全然縁がないクラブとは格が違います。

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