2017.08.16

【観戦記】スルガ銀行チャンピオンシップ2017:浦和 1-0 シャペコエンセ

・双方ほとんど見せ場がないとんでもない塩試合ながら、AT突入直前にPKをもぎ取って浦和が逃げ切り勝ち。PKの判定は少々シャペコエンセにとって気の毒だと思いますが判定は判定。過去浦和が胡散臭いどころか誤審だろ!と思えるPKでアホほど痛い目に遭ってきたことを思えばなんら卑下する必要はありません。

・堀監督は監督就任後公式戦たった3試合目で堂々の戴冠。前回も監督就任直後にナビスコ杯決勝の場に立つ羽目になり、その際は残念ながら鹿島相手に苦杯を喫してしまいましたが、今回は内容はともかくきっちり結果を出しました。2試合続けてシュートたった4本でのウノゼロ勝利。ミシャスタイルと選手の配置は同じだけれども、やっていることのベクトルはほぼ真逆。選手はともかく、観ている側が堀スタイルに慣れるのはちょっと時間かかりそう。

・また遠来のシャペコエンセはいかにもコンディションが悪そうな上、試合中の立ち振る舞いが実に鹿島臭くて(というか鹿島がブラジルっぽいのか(苦笑))正直あまり好感は持てませんでした。ところが、試合後に浦和ゴール裏からシャペコエンセに敬意を表して緑のコレオと「CWCでまた会おう、友よ!」との旨のダンマクが掲げられ、シャペコエンセの何人かの選手がユニフォーム投げ込みでそれに応える一幕があって、「いろいろあったけどまあええか」という気分に。

013

・シャペコエンセはごく普通の4-4-2で自陣に引いて守備。しかも2トップは全くと言っていいほど浦和最終ラインにプレッシャーをかけてきませんでした。ミシャスタイル全盛期なら格好の餌食としか言いようがない構えだと思いましたが、そんな相手にもリスクをかけた攻撃を仕掛けないのが堀スタイル。前三人に縦パスを入れて中央突破を試みることはほとんどなく、攻撃は専らサイドから。

・しかもCBの攻撃参加があまり活発ではないのはともかく、シャドーとの連携もなぜかメロメロになってしまって、必然的にWBは独力で局面打開を強いられる場面が多くなってしまいました。もともと独力打開に多くを期待できない宇賀神はともかく、駒井が全く何もできなかったのが悪い意味で驚き。またサイドチェンジを多用してサイドで一対一を作るような工夫も少なかったかと。後半は柏木も消されてしまい、浦和の攻撃は90分を通じて全く見るべきものはなかったといって差し支えないでしょう。PKゲットに至るまで、浦和の決定機は42分柏木FK→ズラタンヘッドだけだったかと。

・コンディションが良くない上、そもそも航空機事故で多くの選手を失ってチーム再建途上にあるせいか、シャペコエンセの出来も芳しくありませんでしたが、後半になって幾分前に圧力を強めてカウンターで攻勢に。浦和は59分に駒井のボールロストからカウンターを喰らい、浦和右サイドからのスルーパスで17番に抜け出されたのがこの試合を通じて最大かつ唯一のピンチを迎えましたが、ここは榎本の好セーブで難を逃れました。その後もスピードのあるSB22番に対応できずに浦和左サイドが炎上気味になり、何度かクロス攻撃を許す場面も。

・ほとんど見どころのないままPK戦突入の気配濃厚でしたが、88分エリア内で3番がズラタンを足払いしたような格好になってPKゲット。シャペコエンセの抗議が延々と続いたにも関わらず、主審がイエローカードを出さないのが不思議でしたが、その間も阿部は集中を切らすことなく無事PKを決めて浦和が先制し、そのまま逃げ切り勝ち。

021

-----ズラタン-----
--ラファエル----武藤--
宇賀神-阿部-柏木-駒井
-槙野--マウリシオ--森脇-
-----榎本-----

(得点)
90+4分 阿部(PK)

(交代)
65分 駒井→菊池
65分 森脇→遠藤
78分 宇賀神→平川(菊池が左WBへ)
90+8分 ズラタン→オナイウ
90+8分 武藤→長澤

・優勝賞金がゼロックス杯と全く同じ3000万円に過ぎないので、中3日でFC東京戦→ACL川崎戦→清水戦と続く3連戦を睨んでこの試合をテストと割り切ってしまってもなんら不思議はなかったのですが、堀監督はスタメンを見ても選手交代を見ても「テスト」はマウリシオを筆頭に必要最小限に留めてきっちりタイトルを取りに行った模様。

004

・注目の新外国人選手マウリシオのデビュー戦は上々の出来。相手2トップがほとんどプレッシャーをかけて来なかったのでかなり割り引いて評価しないといけませんが、ロングフィード精度は全く問題なく、前半には縦パス一本でラファエルの裏抜けの好機を作る場面も。それ以上に良かったのはカウンターを喰らいかかった際にいち早く対応した点。端的にいえば「ポカがない永田」「時空が歪んでいないゼリッチ」という印象でした。

・マウリシオは少なくともハズレではなさそうですし、コンディションに大きな問題を抱えてもいなさそう。森脇が前半ちょっと傷んで早目に遠藤との交代を余儀なくされたため、森脇の状態如何ではFC東京戦でもスタメンに名を連ねるかもしれません。

・一方どうにもならないのがラファエル。この日も一人で突っかけてボールロストの連続で、これでは宇賀神も槙野も攻めるに攻められず。しかも守備は緩慢で左サイドが炎上気味になった責任の大半はラファエルにあるといっていいでしょう。極端なくらいに守備重視に転換した堀監督が甲府戦に続いてラファエルをシャドーに置くのが不思議でなりません。使うなら1トップしかあり得ないと思いますが・・・

| | トラックバック (0)

2017.08.10

【DAZN観戦記】17年第21節:甲府 0-1 浦和 ~ 最弱の矛を淡々と跳ね返す最弱の盾

・シュート数7対4というスタッフ通り、双方見せ場が少ない塩試合。塩また塩。過去甲府戦、特にアウェーゲームが面白かった試しはないのですが、甲府の堅陣を浦和が攻めあぐねての塩試合ではなく、攻めを繰り出せなくなった浦和が甲府の拙攻に助けられるという形での塩試合になるとは。前半こそ可もなく不可もなしといった内容でしたが、後半は防戦一方。依然浦和の実力が残留争い組と大差がないことを如実に示したような試合でした。

・浦和のシュート数が片手にも満たない試合ってちょっと記憶になく、しかも後半はおそらく武藤の1本のみ。監督が代わって「攻撃に無暗にリスクをかけない、まずは守備重視」という色合いが濃くなっているのを如実に示したスタッツ&試合内容でした。極端に攻撃偏重だったミシャスタイルから攻守のバランスを是正しようとして、なかなか上手い落としどころを見つけられない。監督が代わってすぐには上手く行かないのは致し方ないとしても、今回はちょっと守備側に重きを置き過ぎたように見受けられました。

・そうはいっても前節大宮戦のように内容で相手を圧倒していても自爆ボタン連打でドローに終わってしまうよりは、少々不細工だろうが勝つ、しかも超久しぶりに相手を完封して勝って、目に見える結果を出して選手並びに監督・スタッフ達が自信を取り戻すのが今は重要でしょう。相手が弱くて助かっただけで良い試合とは言い難かったけれども、とりあえず結果を出したことで内容が好転するきっかけになるかもしれません。

----------------------------------------

・前半の浦和は「慎重居士」そのもの。いつものように5-3-2の形で守備ブロックを敷いて自陣で待ち構える甲府相手ですから、ミシャですら頭から闇雲に突っ込むようなことはしなかったと思いますが、堀監督はより一層リスク回避的に見受けられました。浦和は無理に縦パスを入れて甲府の3ボランチに引っ掛かるのを嫌ってか、攻撃は専らWBないしせいぜい森脇からのクロス頼み。あるいは最終ラインから縦ポンで菊池や興梠に甲府最終ライン裏を狙わせるような形が目立ちました。

・ただこれらの攻撃はほとんど決定機に至らず、9分に森脇のクロスをGKが弾いた後で菊池→槙野がシュートで終われたくらい。序盤はCKやFKもかなりもらえましたが、ショートコーナーを一度試したのが目を惹いただけで、それ以外はこれといった工夫は見られず仕舞いで、これまた決定機に至らず。

・ところが、サイド攻撃ないし裏狙いがいわば「撒き餌」としてそれなりに効いたのか、19分この試合初めて試みた中央突破がものの見事に決まって浦和先制。柏木→ラファエル→柏木のワン・ツーで甲府守備陣をこじ開けて柏木がエリア内侵入&GKの頭上をループ気味に抜くという見事なゴールでした。

・甲府は守備こそ堅いものの極端に得点力が低いので、とにかく先制してしまえば俄然有利。あとは前に出て来ざるを得なくなった甲府相手に効果的にカウンターを繰り出して血祭りに上げれば良いだけと気楽に構えてたのですが、そのカウンターをほとんど繰り出せなかったのがこの試合の一大反省点。

・前半30分くらいから甲府がボールを持つ時間も増えてきましたが、浦和はいったん自陣に引いて、改めて前からプレッシャーをかけて甲府のビルドアップを阻害。甲府は2トップにボールが入らない上に、たまに入っても個人でなんとかするしかないので前半はおよそ点が入る気配がしませんでした。ただ反撃に転じたところでラファエルが無闇に前に突っかけてはボールを失う場面が目立ちだし、終わってみれば後半の大失速のこれが引き金だったのかも。

・後半は一転して大苦戦。立ち上がりから何度も甲府にFKやCKを与えただけでなく、せっかくボールを奪っても積極的に前から潰しにかかる甲府に簡単にボールを奪回される場面が続き、ほとんど攻撃の形を作れませんでした。

・浦和の苦戦に拍車をかけたのが前述のラファエルのワンマンプレーに加えて、この日が浦和でのラストゲームとなった関根の空回り。49分に自陣深い位置でドゥドゥにボールを奪われて大ピンチを招いたのを皮切りに、何度も危険な形でのボールロストを繰り返して浦和右サイドは大炎上。

・57分の大ピンチも元はと言えば関根がリマに無謀に突っかけたところから。リマ→ウイルソン→ドゥドゥ→ウイルソンでフィニッシュにまで持って行かれてしまいました。もっともこの場面はウイルソンのフリック一発でドゥドゥに裏を取られる森脇もどうかと思いますが。

・さらに混迷の度を増したのが堀監督の謎采配。前でボールを収められないラファエルを代えるなり、イレ込んでどうにもならない関根を代えるなりしないどころか、何の問題もなさそうな柏木に代えて矢島を投入。残念ながらこれが攻守とも何の役にも立たず、ボールを落ち着かせて休む時間を作れない浦和は次第に足が止まり勝ちに。終盤になって堀監督は守備でへろへろの興梠に代えて李、さらに残り10分を切ってやっと関根に代えて駒井を投入して守備固め。

・甲府は何度も両サイドからクロス攻撃を仕掛けるものの、あまりにも正直すぎるというか攻めに工夫がなくていとも簡単に浦和守備陣に跳ね返されるか、あるいは単に精度を欠いて誰にも合わずの連続。甲府は後半攻めに攻めたものの、結局前述の57分以降の決定機は812分に最終ラインから縦パス一本でウイルソン→ドゥドゥに決定機があったくらい。これもラファエルのしょーもないボールロストが契機。

・AT突入直前に阿部が自陣ゴール前で相手と交錯して流血し、いったんピッチの外に出ざるを得なくなるアクシデントがありましたが、メディカルスタッフが素早く対応して事なきを得ました。勝ち点を掴み取るにはそういう細かいことも大事。

・一応お盆休みの時期に当たるとはいえ、平日にも関わらず小瀬には14,489人もやって来て、なんと今年一番の入り!急遽関根のラストゲームになって赤者がワラワラ押し寄せた(前売りはそんなに売れてなかったはず)上に、「今の浦和ならワンチャンスあるで!」と前節勝って意気上がる甲者もまたワラワラ来たんなぁ・・・

-----興梠-----
--ラファエル----武藤--
菊池-阿部--柏木-関根
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

(得点)
19分 柏木

(交代)
73分 柏木→矢島
79分 興梠→李
83分 関根→駒井

・この日不可解だったのがラファエルのスタメン。前節守備重視でズラタンをシャドー起用し、その起用は見事に当たったにも関わらず今節はなぜかズラタンはベンチ外。大宮戦の終盤に小破したのが響いたのかもしれませんが、それなら代替は李であって然るべきで、守備が計算できない(走行距離約9.3kmって90分出た前目の選手の中ではダントツに低い!)ラファエルを、よりによってシャドーで起用するのはどうも理屈に合いません。途中で見るに見かねてか、興梠がシャドーに回って案の定ヘロヘロになってしまいましたが。

・しかも幸先良く先制して、ラファエルがカウンター専用機としての本領を発揮するかと思いきや、肝心のカウンター発動の場面で自分で前に突っかけてボールロスト連発。こんな美味しい局面で使えなかったら、今後どうするんやろ?? 

・どうも堀監督は菊池を相当気に入っているようで、前節に続いて今節もスタメン。57分の大ピンチには西川がボールをこぼしたところに突っ込んできた新里に対して、慌てて駆け戻ってきた菊池が身を挺してカバーする見せ場も。ラファエルとは逆に菊池は走行距離約10.9kmとチームで一番良く走っており、そこを堀監督が買っているのかもしれませんが、判断を早くするか、ポジショニングを改善すればそこまで無駄に走らなくても良いのにという気が。

・出場停止明けの槙野は上々の出来。前半ウイルソンの股抜きシュートを読んでブロックした辺りは復調の証拠か。堀監督のコンセプト上菊池を追い越してまで攻め上がることなく、終始後ろ髪引かれ隊で守備に専念している限りにおいてはまだまだ大丈夫なのかも。

---ウイルソン--ドゥドゥ--
--田中----小椋--
阿部---島川---松橋
-リマ--新井--新里-
-----河田-----

(交代)
72分 松橋→橋爪
77分 阿部→高野
83分 田中→河本

| | トラックバック (0)

2017.08.09

【展望】17年第21節甲府戦

・札幌、大宮、甲府と残留争いの渦中にあるクラブばかりとの3連戦。浦和はこの3連戦で1分1敗と勝ちがなく、もはや残留争い組となんら遜色ないところまで実力が落ちぶれてしまいましたが、前節G大阪を見事塩漬けにして意気上がる甲府相手に立て直しのきっかけを掴めるのかどうか?

(成績)

・勝ち点19(4勝7分9敗)の14位。降格圏にいる16位大宮との勝ち点差は3と全く油断できないポジションを彷徨っていますが、伝統的に「全試合引分けでも可。勝ち点34+α」くらいを目標にシオシオサッカー上等を芸風にしぶとく残留してきたチームなのでこれで平常運転なのでしょう。

・リーグ戦総得点がわずか11と極端に低い一方、総失点も22と下位チームではダントツに低く、塩また塩、塩山を行くが如きサッカーがスタッツにはっきりと表れています。

・ただ勝ち星の伸びは低下傾向で、第9節神戸戦の勝利を最後に第19節まで勝ちがなく(4分6敗)、しかも第14節から6試合連続無得点。前節G大阪戦が超久しぶりの勝利でした。なんだかんだと降格圏に転落していないのでフロントは決断しにくいのでしょうが、足下の成績を見るといつ吉田監督のクビが吹き飛んでまたまた「退き佐久間」が再登板してもおかしくありません。

(戦力)

・夏のお約束といえば甲府の「外国人ガチャ」。ただ今年はウイルソン、ドゥドゥ、エデルリマと3外国人選手がスタメンで活躍中なのでやたらガチャも回せず、かつてG大阪にいたリンスを獲得したのみ。ウイルソンが2得点、ドゥドゥが1得点(前回の浦和戦(苦笑))と不振を極めているので、FWガチャという結論に至った(新外国人がアジア枠ではなくブラジル人というのが不思議ですが)のでしょう。

・しかしリンスもかつて「仕上げのリンス」と揶揄されたようにG大阪クラスですら使い道が限られた選手で、そもそもチャンス自体が少ない甲府で使い道があるのかという気が。

・というか、バランスを考えてまたまたマルキーニョス・パラナを呼び戻すという道はなかったのか??? 繁忙期にだけやってくる凄腕のパートのおばちゃんみたいなマルキーニョス・パラナを。

・主力に怪我人はいないようですが、前回対戦時からスタメン構成に変化が見られます。前線ではドゥドゥのコンディション向上と共に堀米の出番が減っていますが、堀米をペース配分無視で後半途中まで使い捨てにしたのがシーズン序盤効いていたような気がしただけに、この入れ替えが甲府低迷の元のような。

・3バックは新里・エデルリマは固定ながらベテラン山本の出番が減って、畑尾の出番が増えています。

・両WBは阿部&松橋が鉄板。3ボランチを田中・小椋・兵働・新井でぐるぐる。

・前節G大阪戦ではなぜかGKを岡から河田に変更した他、センターラインを軒並み入れ替えましたが、2トップへのロングボールがやたら多いG大阪に一発で最終ライン裏を取られるのを嫌ってスピードがある新井をCBに入れたための玉突き配転みたいな。

(戦術)

・フォーメーションは前回対戦時と変わっておらず、3-3-2-2というか、ほとんどの時間帯で両WBが下がって5-3-2。さらに時間帯によってはドゥドゥまで2列目に下がって5-4-1へ。最終ラインをなんとか押し上げようという意図は伺えるものの、さほど前からプレッシャーはかけて来ず、3ボランチがせっせと動き回ってその辺でボールを奪おうとしている様子。

・3ボランチの一角にボール奪取特化型の小椋がおり、大ベテランの兵働や和製ケンペス田中共々走り回っていて結構面倒ですが、3ボランチが左右に振り回されて必然的に終盤息切れするので早めに選手を入れ替えて対応。

・攻撃は2トップ頼みのカウンター一本槍でもなんでもなく、ボールが前線に収まった際は攻めに人数をかけてきますし、たとえボールを奪った位置が深くてもそれなりにボールを繋いで来ます。しかしそこで時間をかけた割にはサイドからのクロスなり、ラストパスなりの精度が低くて決定機には至らない感じ。左WB阿部からのクロスが最も可能性がありそうですが、入れた先に工夫がなくて、浦和級の間抜けなCB相手じゃないとなかなかフィニッシュに至らない。

・ただ攻撃がたいして上手く行かない自覚があるゆえか、失敗した後の戻りが滅茶苦茶早い!! これが点は取れないが失点も少ない秘訣中の秘訣。

・コンディションが良くないのかウイルソンの運動量がどう見ても少なく、陣形をコンパクトに保とうとハーフラインまで下がってくるのは良いとしても、そこから前に上がってくるのが遅くて攻撃に転じた際に肝心なところになかなか顔を出さないのがいかにも辛い。かといって最初から前残りだと守備陣がへろへろになってしまう。もっとも前節は終盤守備免除で前残りになっていたのが効いて、超久しぶりに咆哮!

・スピードがあるドゥドゥのほうが攻撃の基点となるべくボールを引き出しに動きまわり、かつ前述のように守備にも参加していますが、それで体力を使い果たしてしまうのか、フィニッシュに絡む力が残っていないみたいで。

・前にボールが収まった際にCBエデルリマがはるか後方から前線に飛び込んでくることがあって、これが結構面倒。前節ウイルソンのゴールはリマの攻撃参加が効いたようなもの。

(浦和の対応)

・このクソ暑い最中に中3日での試合を強いるJリーグってどう考えても頭おかしいだろうという気がしてなりませんが、幸いにも甲府も同条件(但し甲府はホーム連戦)。今や甲府盆地が日本で特別暑いわけでも何でもないので、浦和だけが暑さにやられて走れないという事態にはならないのでしょうが、堀監督は厳しい日程を考慮して「本当に戦う準備のできている人間」を厳選して試合に臨むのでしょう。

・大宮戦直後に判明した関根のFCインゴルシュタット04への移籍。もともと海外志向の強い選手で、しかも昨今の出来を見ると遅かれ早かれ出てゆくだろうと思ってはいましたが、このタイミングでの移籍はまさに青天の霹靂。浦和は主力中の主力をシーズンの最中に突然失う羽目になりました。特に最近の攻撃は中央突破がままならず、サイドから関根のドリブル頼みになっていた節があるのでかなりの痛手。

・こうなると前節左WBに突如菊池を抜擢したのも納得。CBと違ってWBは幸い頭数的にはそれなりにいて左宇賀神、右駒井を基本に菊池・梅崎・平川、終盤場合によっては特攻的に高木をWBに転用して凌ぐことになるのでしょう。ただ次節甲府戦は大宮よりはるかに守備的で相手を押し込み続ける展開になると予想されるだけに菊池は使いづらいかと。明日離日が決まっている関根は甲府遠征に帯同しているようなので、関根を無理使いする可能性が高いと思います。

・また前節出場停止だった槙野の扱い。宇賀神は決定的な大失態を犯してしまいましたが、意外とそれ以外は悪くはなかっただけに不調続きの槙野がすんなりスタメンに戻らないかもしれません。甲府は最前線にヘディングの強いウイルソンがいるのが厄介で、宇賀神とのミスマッチを狙われるリスクがありますが、札幌戦と見ると槙野を入れたところでもはや大差はなさげ。ただ関根がいなくなってしまうと恒常的に宇賀神CBというわけにもいかず、やむなく槙野復帰と考えるのがフツーでしょう。

・浦和が甲府を苦手とするのはセットプレーを軽視し過ぎたのも一因でしょう。ミシャ時代は甲府を押し込み続けてCKなりFKなりをアホほどもらってもなかなか点に繋がらなかった。大宮戦で堀監督がここに手を付けだしたのも明白だったので愉しみです。

----------------------------------------
<前節:甲府 1-0 G大阪>

---ウイルソン--ドゥドゥ--
--田中----小椋--
阿部---島川---松橋
-リマ--新井--新里-
-----河田-----

(得点)
88分 ウイルソン

(交代)
63分 松橋→橋爪
65分 島川→兵働
71分 田中→曾根田

<前回:浦和 4-1 甲府>

---ウイルソン--堀米---
--小椋----田中--
橋爪---兵働---松橋
-新里--山本--新井-
-----岡------

(得点)
76分 ドゥドゥ

(交代)
63分 堀米→ドゥドゥ
89分 新里→エデル リマ
89分 兵働→保坂

| | トラックバック (0)

2017.08.06

【観戦記】17年第20節:浦和 2-2 大宮 ~ 監督から選手へと受け継がれる伝統の自爆ボタン

・シュート数12対4。決定機の数でも浦和は大宮を優に凌駕しており、どう見ても追加点さえ取れていば楽勝だった試合。それどころか凡ミスと評するのも緩すぎるような、あまりにもお粗末な大失態で同点に追いつかれたのがこの試合の全て。最後の失点も正直なんだかなぁという形で、試合内容自体はそんなに悪くはなかったものの、点の取られ方が酷くて勝ちきれませんでした。

・18位新潟や17位広島には勝てるが、16位大宮には引き分け止まりで、15位札幌には負けるのが今の浦和の実力。もはやリーグ優勝どころかACL圏入りすらも絵空事と化し、J1残留だけが現実的な目標になってしまった浦和にとって勝ち点1を積み上げ、降格圏にいる大宮に勝ち点3を与えなかったことを以て最低限のタスクは果たしたといっても良いのかもしれません(自嘲)

・堀監督は「攻撃偏重&極端なセットプレー軽視」というミシャスタイルのバランスの悪さを是正するところから始めたようで、短い準備期間にも関わらずその意図はチームにしっかり伝わっていました。また結果は付いてきませんでしたが立ち上がりのわずかな時間を除いてほぼ浦和ペースで試合が進んだだけでも良しとすべき試合だったと思います。

・点の取られ方があまりにも衝撃的で、結果的にまたしても複数失点を喫してしまいましたが、堀監督が守備をなんとかしようと試みたのは明らか。森脇はともかく、宇賀神が攻撃参加することはほとんどなく、古典的な3バックに回帰したような感じ。必然的にボランチが両方とも最終ラインに入ってしまうようなこともなく、中盤に大穴が空くこともない。当然ながらミシャスタイルより攻撃時の迫力は著しく減退しましたが、それでも決定機は作っているのでバランスは悪くありません。

・また2シャドーにはとにかく守れる人材を配置。武藤はもちろん、ズラタンをスタメンに抜擢し、かつ1トップではなくシャドーに配したのは当たりでした。ただ両名とも守備に奔走するあまり、決定機にシュート精度を欠いてしまう嫌いが。13分武藤クロス→ズラタンヘッドはともかく、19分スローインを受けてフリーでバイタルエリアに侵入したズラタンのシュートが枠にすら飛ばなかったのはがっかり。どちらか決めていれば楽勝でしょうに。もっとも守備貢献が高い上に決定力もあるような選手ならJリーグに留まってないのでしょうが。

・攻撃時に縦パス&フリックみたいなリスキーなことはあんまりやらず、むしろ大宮の高い最終ラインの裏狙いみたいなシンプルな攻撃を試みる回数のほうが多かったかと。

・さらにいったんリードした後はアホほどリスクをかけることなく、むしろカウンター狙いに終始。特に後半はその志向が顕著でした。大宮にボールを持たせても特に危険はないと見切っての所業なのかもしれませんが、その狙いも的中して前半終了間際に遠藤がボール奪取後そのまま持ち上がって、関根横パス→遠藤で決定機。また後半もカウンター専用機ラファエルを投入して、すぐさまラファエル→武藤で決定機を作りました。これまたどちらか決めていれば楽勝でしょうに。

・セットプレーもショートコーナーを交えるという工夫が見られただけでも大きな進歩。またこぼれ玉を拾ってシュートで終わる意識をも高めているのか、21分には宇賀神が際どい枠内シュートを放つ見せ場がありました。先制点(PK)の契機となったのはFKの流れからで、奥井がエリア内ハンド。

・攻→守の切り替えも心なしか速くなり、ビルドアップが拙い大宮最終ラインには前からしっかりプレッシャーをかけ、受け手にはがっつり当たる。大宮戦にありがちな球際での競り負け、当たり負けもさほど感じられず、むしろ優勢とすら思われた試合だったにも関わらず、そんな努力の数々を全部フイにしたのが66分の宇賀神の大失態。GKのほうを向いてボールを受けられる態勢にない遠藤にパスを出すかね???そこに遠藤がいるだろうという「だろう運転」が招いた惨劇でした。

・最後の失点も相当情けない。そもそも岩上にどフリーでクロスを上げさせているのがアウト。関根は最終ラインに吸収されて無駄に人数が余っており、武藤が慌てて岩上に駆け寄るも時すでに遅し。そして瀬川に前に入られてしまった遠藤も残念ですが、瀬川が叩きつけたボールは緩かったにも関わらず、まるでジャンプのタイミングがズレたかのように頭上を越されてしまう西川は残念極まりない。もはや枠内に撃たれたら一巻の終わり。文化シャツター様は「シャットアウト」どころか「ナイスセーブ」すら出せない有り様で、これでは怒りのあまり「スポンサーを降りる!!」と言われても返す言葉がない。どうしたんや、西川。

Dscn1876

-----興梠-----
--武藤----ズラタン--
菊池-阿部--柏木-関根
-宇賀神-遠藤--森脇-
-----西川-----

(得点)
26分 興梠(PK)
69分 柏木(菊池クロスをGK加藤がキャッチしきれず、柏木詰める)

(交代)
75分 興梠→ラファエル
80分 菊池→駒井(関根が左WBへ)
90+2分 ズラタン→李 忠成

・ズラタン以上にびっくりしたのが菊池のスタメン抜擢! 天皇杯での出来を見る限り、WB陣の中ではもっともスタメンに遠く、平川にも遠く及ばないと思っていただけに心底びっくりしました。ただ前半の出来は芳しくなく、肝心なところでパスミス&ボールコントロールミスを連発して正直攻撃の阻害要因に。ただ後半前に広大なスペースが生まれるようになると俄然生き生きしだして2点目を演出。相手を押し込む展開だと使えないが、カウンター要員にはなるみたいで、攻撃にあまりリスクをかけない堀スタイルで最も得をした選手なのかも。また中3日でアウェー甲府戦があるので、駒井を温存してここで菊池を抜擢した側面があるのかも。

・出場停止の槙野の代わりは予想通り宇賀神。専守防衛で良いなら田村でも良かった気がしますが、田村はここで起用されないとなると前途多難。

・那須、青木、高木、梅崎と普段のベンチ入りクラスが軒並み故障したため、田村、矢島、平川がベンチ入りしましたが、ベンチメンバーではかなりレギュラーに近いと目された長澤がベンチ外になったのは非常に不可解。体調不良か何かなのかも???

・2日の練習で小破して出場が危ぶまれた遠藤はなんとか無事フル出場。積極的に相手の前でボールを奪取する場面が多かったものの、2失点にがっつり関与。それ以外にも78分にプレゼントパスの一幕があり、依然万全にはほど遠い模様。ミシャが代表帰りでも遠藤を酷使したのが未だに祟っているとしか言いようがなく、阿部をCBに下げる決断を堀監督が下すのかどうか。

・興梠のほどんど助走を取らないPKはホンマ心臓に悪い。でも加藤が先に動いてしまって大過なし。

Dscn1874

---江坂--マルセロ---
岩上--------茨田
---カウエ---大山---
和田-菊地--河本-奥井
-----加藤-----

(得点)
66分 マテウス
88分 瀬川

(交代)
58分 奥井→マテウス
77分 大山→瀬川
85分 カウエ→横谷

・大宮はキックオフ時の配置を見て4-4-2と記しましたが、実際は左SH岩上が最終ラインに下がって5-3-2、さらにマルセロも2列目に下がって5-4-1になっていた時間帯のほうが長く続きました。

・立ち上がりはかなり積極的に前からプレッシャーをかけ、浦和もビルドアップに難儀しましたが、それも15分くらいまで。あとは基本高い位置に守備ブロックを作って待ち構え。

・後半になるとカウエをなぜか左CBに据えて3-1-4-2に布陣を変え、その後も頻りにFWを入れて前目の選手を車掛かりっぽくどんどん配置転換しては見ましたが、最大限良く解釈しても2点目が大宮の狙い通りだっただけで、全くと言っていほいほど決定機は作れませんでした。

・伊藤監督は就任以来4-1-4-1でやっていたはずなのに、なぜかこの試合はフォーメーションといい、人材配置といい、目まぐるしくグルグル。新外国人自体は共に当たりっぽいのですが、彼らを活かす最適解を見出すべく試行錯誤しているうちにシーズンが終わってしまいそう。少なくとも何の怖さもないポゼッション志向はマルセロを活かす道ではないと思うのですが。

・加藤はキック精度がガタ落ちで浦和時代の面影は微塵もなし。安全に外に蹴りだすことばかりやっているとこうなってしまうのかな? 菊池のクロスをキャッチしきれなかったのも残念でした。

| | トラックバック (0)

2017.08.04

【展望】17年第20節大宮戦

・自ら自爆ボタンを押したも同然の札幌戦敗戦を受けてとうとうミシャのクビが吹き飛び、堀新監督を迎えての初戦はなんと「さいたまダービー」。新監督には少々荷が重い一戦ですが、それでも降格寸前でチームを引き受けた前回よりは格段にマシな状況でしょう。もはやリーグ戦は「J1残留」が唯一の現実的な目標になってしまっただけに、残留を確実なものにするためには降格圏を彷徨う相手に最低でもドローで終えたい一戦。ダービーでダブルを喰らうという最悪な展開だけは避けねばなりません。

(成績)

・勝ち点15(4勝3分12敗)の16位。大宮は第13節柏戦に敗れた直後に渋谷監督を解任し、合わせて黒崎ヘッドコーチをも解任して伊藤コーチが内部昇格。渋谷前監督同様、トップチームの監督経験が全くない方の内部昇格という安易な方策ゆえ前途多難と思われましたが、監督交代はどうやら吉だった模様。

・監督交代後の成績は2勝2分2敗と全くの5分。最下位にまで低迷したのに、一時は札幌を抜いて降格圏から脱出するところまでこぎ着けました。特に残留争いのライバル新潟と広島に勝ったのがでかかったかと。15位甲府との勝ち点差はわずか1なので降格圏脱出は時間の問題かも。

(戦力)

・昨オフの補強に失敗したのが今季成績不振の主因なのが明らかなのに、いざ降格が現実的なものになると無尽蔵に金が沸きだしてくるのがリアル金満大宮の恐ろしいところ。さすがは天下のNTTグループ。成績不振の責任を監督一人に押し付けて、あとは半ば頬被りみたいな隣のクラブとは対照的に、大宮は監督のクビを飛ばすだけでなく、壮大な外国人ガチャを敢行しました。

・獲得したのはFWマルセロ(済州)、MFカウエ(モレイレンセFC@ポルトガル)、DFキム・ドンス(ドイツ4部)。マルセロはACLで対戦して厄介な選手なことは判り切っており、神戸戦で早速スタメン出場してゴールを決めています。カウエはまだコンディションが整っていないようで79分から出場。

・代わりにすっかり怪我がちになってしまったFWムルジャと、大宮では最後まで良いところがなかったMFペチュニクを放出。

・主力の怪我人はFW瀬川くらい。

・監督交代で大卒2年目のCB山越がベテランの河本に取って代わられたのが目を惹く他、序盤使い道に困っていた大前と途中出場止まりだった大山がここ5試合スタメンに定着。代わりに金澤が出番を失っています。

・GKがどういうわけが不定。なにかと失態が多かった塩田が監督交代を機にベンチ外となり、その後しばらく松井を起用したものの、前節神戸戦では加藤に変更。

(戦術)

・監督交代に伴い、基本フォーメーションをこれまでの4-4-2から4-1-4-1に変更。

・前節神戸戦を見たところ、守備時は高めの位置にコンパクトな守備ブロックを作るものの無理に前から奪いには行かずにスペースをきっちり埋め、相手が縦パスを入れてきたところでボールを奪いに動くような感じ。ただアンカー大山は守備面で無理があるような。一見守備が整備されているように見えますが、監督交代後完封試合は広島戦しかなく、スタッツだけ見ると特に守備の立て直しに成功しているとは言い難いかと。

・ボールを奪ったら素早く攻守を切り替えてスピードのある江坂頼みのカウンター発動。カウンターにはキレ味があり、新加入のSHマルセロがパサーとしてもフィニッシャーとしても動き回っているので結構面倒。

・家長がいなくなって今年の大宮はビルドアップに難を抱えていましたが、マルセロはサイドに張りっぱなしではなく、結構中へ入ってボールの預けどころとして機能しているようで、ビルドアップの問題は幾分マシになっている模様。もっともボールを保持したところで特に何が起こるでもなく、サイドから速いクロスを江坂へ入れるのがせいぜい。

・前回対戦時の大宮は守備時というかほとんどの時間帯で金澤が最終ラインに下がって5-3-2で自陣に引きこもっての徹底したカウンター狙い。その策が見事に嵌ってカウンターで何度か決定機を作ってついに一点をもぎ取り、最後は5-4-1にシフトして逃げ切り成功。渋谷監督の最末期、目先の勝ち点欲しさの対浦和スペシャルな戦い方で当然その後の試合になんら結びつきませんでした。今の大宮はそこまで悲惨な状況ではないだけに出方は蓋を開けてみたいと判りません。

(浦和の対応)

・なにせ監督が代わったばかりの初戦なので、浦和の選手起用及び戦術的な変化はその場になってみないと全く判りません。堀監督は試合前々日&前日練習を非公開としたのでなおさら予想困難。内部昇格という安易な道を採用した以上、これまでのスタイルを抜本的に弄るような大胆な手を打つとは思えず、選手起用なり、動きに多少注文をつけるなりのマイナーチェンジに留まると見るのがフツーでしょうが。

・喫緊の課題は槙野出場停止&那須故障で危機に瀕した最終ラインの再編。ミシャならおそらく宇賀神を左CBに下げる策を取ると予想しますが、堀監督はどう出るのか。また2日の練習中に遠藤が負傷したとの報もあり、万が一遠藤も不在となると阿部がCBに下がり、ボランチに長澤を入れるくらいしか手が無くなってしまいます。さすがに獲得したばかりのCBマウリシオのいきなりのデビューはないと思いますが。

・就任直後の会見で堀新監督が語った「本当の意味での競争」「本当に戦う準備のできている人間」とは何なのか。さいたまダービーでのスタメン、ベンチ入りメンバーでその真意が明らかになると思えばワクワクして来ます。

----------------------------------------
<前節:神戸 3-1 大宮>

-----江坂-----
大前-長谷川-茨田-マルセロ
-----大山-----
和田-菊地--河本-岩上
-----加藤-----

(得点)60分 マルセロ

(交代)
58分 大前→マテウス
58分 長谷川→横谷
79分 茨田→カウエ

<前回:大宮 1-0 浦和>

---江坂--瀬川---
長谷川-------茨田
---岩上--金澤---
和田-河本--山越-渡部
-----塩田-----

(得点)63分 茨田

(交代)
HT 長谷川→大山
72分 瀬川→清水
87分 江坂→高山(高山が最終ラインに入り、金澤がボランチに上がって本格的な5-4-1へシフト)

| | トラックバック (0)

2017.07.31

ありがとう、ミハイロ ペトロヴィッチ!!

・札幌戦敗戦の翌日、ミハイロ ペトロヴィッチ監督(以下「ミシャ」)との契約解除が発表されました。さいたまダービーに敗れて以降目に見えて負けが混んでいるだけでなく、足下川崎戦、C大阪戦、そして札幌戦と疑問符が付く選手起用・選手交代を繰り返していましたから、シーズン半ばでの監督交代はやむを得ないと思います。後任がなぜ堀コーチなのか不思議でなりませんが、その件は項を改めます。

・最後は成績不振による交代という監督に最も普遍的な別れ方になってしまいましたが、ミシャが浦和史上最も優秀だった監督だったのは間違いないでしょう。タイトルこそルヴァン杯一つだけに留まりしたが、2011年になんとかJ1残留したズタボロ状態の浦和を翌年3位に引き上げただけでなく、2013~2016年と4年にわたってコンスタントに優勝争いに絡んだだけでなく、毎年勝ち点を増やし続けました。その事実には感謝の言葉しかありません。

・またそもそも2010年のフィンケ追放劇、そして翌年の失態の数々で浦和が監督選びに難航し、岡田に断られ、西野に断られ、クルピに至っては頼んでいないのに断られるという醜態を演じていた状況下で、3番手の候補と判っていながらミシャが浦和を選んでくれたことだけでも十分感謝していいと思います。

・ミシャは自分のやりたいサッカーを練習を通じて選手達に植え付けるのが上手い、典型的な「トレーナー型」の監督。過去「練習でやったことがない作戦をいきなり試合でやろうとする」ような酷い監督もいる中で、トレーナーとして優れているだけでも十分立派。監督に就任したばかりの2012年なんて原口1トップとか、坪井右CBとか、今から見れば明らかにミシャスタイルに向いてない陣容で3位に滑り込んだんだから大したもの。

・その後ちびちびとミシャスタイルに向いた選手をかき集め、上手く適合できなかった選手と入れ替えながら戦力強化を図ったのが効いて、年を追うごとに勝ち点が伸びてゆきました。

・ただ不思議なことに補強を繰り返しても全くと言っていいほど選手層が厚くならないのがミシャの不思議なところ。補強した選手が残念ながら眼鏡違いだったのならまだしも、昨年までレギュラーだった選手が競争の結果ベンチに回りがちになると途端に試合勘を失ってしまったり、頭角を現しかかった選手が怪我を機にまた逆戻りしてしまったりする例が多くて、毎年季節が進むにつれてスタメンが固定されがちに。秋にはレギュラー組が疲弊して大失速というのがミシャお決まりのコースでした。

・もっともミシャはスタメンを固定しがちなのにも関わらず、ベンチ組、あるいはベンチにも入れない選手をちゃんとフォローしているのでしょう。ほとんど出番のない選手、さらには出番を求めて浦和を出ていった選手達からミシャへの悪口がメディア等で伝えられることはほとんどありません。ミシャが選手達から慕われるのも道理。

・またいくら自分のやりたいサッカーを選手達に植え付けるのが上手いといっても、その「自分のやりたいサッカー」があまりにも流れの中からの攻撃偏重で、守備はほぼ個人任せというか「一対一で頑張れ!」の域を出ず、しかも攻守ともなぜか極端にセットプレーを軽視するなど、バランスが非常に悪かったのは確かでしょう。そのバランスを悪さを相手に突かれていくつ勝ち点を失ったことやら。

・さらにミシャにとって致命傷だったのは「勝負師」の才覚がまるでなかったこと。選手交代で戦局を打開するのは上手いとは言い難く、試合開始前に予め決めていたと思しきテンプレ的な交代が通例。戦況によって選手を使い分けることすらしないので、ベンチ入りしていても出番がない選手がゴロゴロ。

・それだけでなくビッグマッチにはとにかく弱かった。ビッグマッチでなくても「不測の事態」には弱く、往々にして監督自身がテンパってしまう。傷口を広げるだけに終わる「狂気の3枚替え」、何の効果もない「槙野のパワープレー」。この2つがミシャの勝負師としてのダメさ加減を物語るのに十分だと思います。

・今年はミシャのサッカーが相手に研究されつくし、元来のバランスの悪さが一層酷くなった上に、主力選手の不調(半ば選手層の薄さに起因する自業自得ですが)が相まって負けが混むようになってしまいました。そして「狂気の3枚替え」で盛大に自爆してフィナーレとなったのは真にミシャらしい最期だったのかもしれません。

・なにはともあれ5年半もの長きにわたり、ありがとうございました。

| | トラックバック (0)

2017.07.30

【観戦記】17年第19節:札幌 2-0 浦和 ~ 3枚替えでじぇじぇじぇジェイ!

・端的に言えば「槙野が大穴を開け、ミシャがその穴を修復不能なレベルにまで広げてしまった試合」でした。9人になってからの浦和の闘いぶりは称賛に値し、なんら責められる要素がないどころか今後大いに期待が持てると言っても良いのでしょうが、その期待を肝心の指揮官があっさりフイにしかねない予感もこれまたたっぷり。次節はさいたまダービー。残念ながらミシャのクビが吹き飛ぶのは時間の問題でしょう。

006

・32分福森CK→都倉ヘッドでの失点は仕方がない。札幌最大のストロングポイントがものの見事に嵌ったもの。ただ事故のような失点ではなく、マークに付いていた槙野があっさり競り負けての失点。

・今年の槙野はコンディションが良くないのか、あるいは単に老化が早いのか、とにかく空中戦でも地上戦でも1対1での競り負けが目立ち、なんで代表に選ばれるのか不思議でなりませんが、そんな選手を酷使しているがゆえに避けがたい失点でした。言い換えれば槙野のバックアップを整備してこなかったがゆえに何度でも起こりうる失点。短期的にはどうにもならないという意味で「仕方がない」失点でした。

・先制点を取られてしまいましたが札幌の出来が良かった訳でも何でもなく、札幌はそれまでこれといったチャンスがなかった一方、浦和は先制されるまでに9分関根クロス→武藤ヘッド、20分関根低いクロス→李と2度決定機を掴んでおり、同点どころか逆転できる時間もたっぷり残っていました。

・ところがその算段をぶち壊したのが39分槙野の退場劇。槙野が都倉ともつれ合いながら転び、起き上がった際に都倉の顔を蹴ってしまうような格好になったのが良くなったのか、佐藤主審が副審や4審と協議して一発レッド。失点にがっつり関与して頭に血が上っている槙野を都倉が上手く嵌めたような気がしないでもありませんが、槙野の愚行だったのも確か。ベテラン選手がこんな形で退場するとは全く持って情けない。

018

・ミシャはやむなく阿部をCBに下げ、駒井をボランチに入れて4-2-2-1みたいな格好で前半をやり過ごし、後半本格的に態勢を立て直してくるだろうとは思いましたが、ミシャの決断はなんと後半頭から「狂気の3枚替え」。交代策一つ一つにはそれなりに理由を見出せますが、まだ後半まるまる時間が残っているのに交代枠をいっぺんに使い果たすかね、フツー・・・ しかもミシャの「狂気の3枚替え」って過去全く成功した試しがない。「槙野のパワープレー」と双璧をなすミシャの2大悪業。

・関根が右SBに回って4-3-2の格好で浦和は反撃体制を整えましたが、ミシャの賭けはものの見事に裏目に。48分空中戦で那須が都倉と競り合った際に故障して、そのまま退場。既に交代枠を使い果たした浦和は残り45分を9人で闘う羽目になってしまいました。

・試合中に何かと怪我人が出やすいフットボールという競技で交代枠を早々に使い果たしてしまうのはいかにバカげていることか。もともとミシャは選手交代で戦局を打開するのが不得手で、普段は予定されていたとしか思えない交代が多く、不測の事態に対応するのがトコトン下手。思い付きの域を出ない弥縫策を講じるものの大抵傷口を広げるだけに終わってしまう。この日は槙野退場後に講じた「狂気の3枚替え」による弥縫策が「不測の事態」によって復讐されるという、まるでコントのような展開に。

・ただミシャの大失策によって絶体絶命の窮地に陥ったとはいえ、残された9人はよくやったと思います。2人も数的不利なので、とにかく一人一人が走ってその穴を埋めるしかない。ドリブルで複数人を剥がせる関根や駒井はもちろん、柏木ですら先週の失態は何だったのかと思われるくらいよく走った。興梠が中盤で必死にタメを作り、ズラタンが随所で身体を張る。選択肢が少ないのでとにかく迷いがない。ダイレクトにゴールへ迫ろうとする。そして2人少ない浦和が札幌を押し込み続けるという不思議な試合展開に。

・54分宇賀神クロス→ズラタンヘッドがポストを叩き、56分柏木CK→遠藤ヘッドは運悪くGKの正面へ。さらに62分カウンターで関根が札幌DFと1対1になる好機も。しかし、終わってみれば浦和が同点に追いつけるチャンスはこの10分間くらい。関根は長距離を独走したことで完全に燃料を使い果たしてしまい、駒井も同様にガス欠に陥ってパスミスが多くなってしまいました。

040

・それでも終盤まで浦和に希望が残ったのは札幌の不甲斐なさの賜物。目先の勝ち点3欲しさで慎重になりすぎたのか、GKク・ソンユンが遅延行為でイエローをもらったのに象徴されるように札幌は2人も多いのに実に試合運びが消極的で、後ろに人数を割いてただ守っているだけ。しかもたいして動かずにほぼ棒立ち。たまにカウンターで好機を得るものの、攻めに人数をかけないので遠藤なり阿部なり、なんとか戻ってきた駒井に最後の最後で弾き返されてしまう。

・そんな消極策一点張りだったはずなのに、四方田監督がジェイ、小野と守備にはあまり役に立たない選手を相次いで投入したのはどう見ても失策でしょう。守っている分には一人減ったようなもので、この失策が手伝って浦和は決定機こそ作れないものの、終盤まで相手陣でボールを保持することができました。

・とはいえ浦和の消耗は著しく、札幌も85分を過ぎてようやく最終ラインでゆったりボールを回しながら攻めに人数をかけるようになり、88分に小野クロス→ジェイヘッドで決定的な2点目を取って事実上試合終了。四方田監督が浦和がヘロヘロになるまで敢えて攻めに出ず、最後の最後でダメを押そうと考えていたならたいしたものですが、果たしてそうなのかどうか。

・槙野の一発レッドは妥当だと思いましたが、佐藤主審が概して割と簡単にファウルを取るかと思いきや、興梠や駒井へのバックチャージにイエローを出さないどころかファウルすら取らないなど、かなり札幌寄りの笛を吹いていたのには参りました。もっとも甚だ残念なお裁きぶりだったとはいえ、この試合の結果をもたらした主犯格とは思えませんが。

044

-----興梠-----
--武藤-----李--
関根-阿部--柏木-駒井
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

(交代)
HT 李→ズラタン(興梠&ズラタンの2トップ)
HT 武藤→宇賀神(宇賀神左SB、関根右SB)
HT 森脇→那須(遠藤&那須のCB)

・この日のスタメンは出場停止のラファエルに代えて武藤を起用しただけでなく、なんと故障明けの李をいきなりスタメンに抜擢し、ズラタンがベンチスタート。前節C大阪戦でズラタンをスタメン起用したのは相手のセットプレー対策という話だったはずですが、それ以上にセットプレーに頼るしかない札幌相手になんでズラタンをスタメンで使わないのか?

・久しぶりのKLM揃い踏みの結果はなんとも微妙。攻撃面では連携ミスが目立って相手の固い中央を突破できず、サイド攻撃の前フリ以上の意味は見いだせなかった一方、守備はまずまずの出来だったと思います。大阪よりは格段に動きやすい気候のためか、ボールを奪われたら素早く攻守を切り替えてボール奪回に向かう姿勢が随所で見られました。従って後半頭からいきなりシャドーを共に代えてしまうのはなんとも不可解。

054

-----ヘイス------
--チャナティップ--都倉--
菅--兵藤-宮澤--マセード
-福森--横山--菊地-
-----クソンユン-----

(得点)
32分 都倉
88分 ジェイ
    
(交代)
7分 横山→進藤(負傷交代)
63分 チャナティップ→ジェイ
75分 都倉→小野

・都倉は札幌右サイド寄り、しかもヘイスよりはやや低い位置にいて、守備時は5-4-1の右SHを構成していたので、初期配置は3-4-2-1に見えました。

| | トラックバック (0)

2017.07.28

【展望】17年第19節札幌戦

・広島・新潟と降格圏にどっぷり浸かっている相手にはなんとか競り勝てたものの、川崎・C大阪と上位チームには惨敗というある意味判りやすい状態にあるのが今の浦和。降格圏に片足突っ込みかかっている札幌相手に敗れるようだと、ACL圏入りどころかもはや「J1残留」だけが現実的な目標になってしまいます。

(成績)

・勝ち点16(4勝4分10敗)の15位。リーグ戦序盤の成績はさほど悪くはなく、これなら残留争いには無縁だろうと思われましたが、第11節から大失速してなんと第16節まで6連敗。一時は大宮に抜かれて降格圏に転げ落ちたことも。残留争いという点では非常に重要だった前節大宮戦は終盤福森のFK2発でかろうじてドローに持ち込んで最悪の結果だけは免れましたが、都倉の出場停止が響いてか内容は芳しくありませんでした。

・14位甲府以下目下残留争いを演じている5チームは揃いも揃って得点力不足に悩んでおり、その中で失点が少ない順に順位が付いています。札幌は総得点16のうち5点を取っている都倉のゴールが第9節を最後に途絶えており、それがチームの低迷に直結している格好。

・さらに天皇杯は2回戦いわきFCに対して1.5軍っぽい仕様で臨んだにも関わらず、延長戦に3点も取られて2-5の大敗。

・なぜかルヴァン杯だけは好調でグループステージA組を3位突破。但し、C大阪とのプレーオフ第1戦はホームで0-2と敗れたためか、続く第2戦は主力が出場どころか帯同すらしない「完全手抜きモード」で案の定連敗。

(戦力)

・もともと怪我人が多かった上に、昨年来の主力だったMFジュリーニョが大怪我をしてしまったので、7月になってFWジェイを獲得。とにかく空中戦に強くて磐田で得点を量産しましたが、守備を全然やらなかったり、名波監督と衝突したりと何かと使いづらい選手でもあったようで磐田はジェイとの契約を見送り、しかもコストパフォーマンスが悪いと判断されてか、その後どのクラブも手を出さないという意外な展開に。

・ジェイは浦和戦出場に向けて調整しているようですが、報道によるとコンディションは万全とは言い難い様子。そもそも半年プラプラしていたジェイがJ1でどこまでやれるのか、ふたを開けてみないと全く判りません。

・またムアントン(タイ)からチャナティップをレンタルで獲得。小柄でスピードのあるドリブラーでACLにも出ていたようですが、ロングボールがやたら多い札幌でどう使うのか皆目判りません。

・さらに前回対戦時から若干怪我人が戻ってきて、FWヘイズとWBマセード、CB菊地がスタメンに定着。ヘイズはかなりボールが持てるタイプで都倉との相性は良さそうですが、ジェイが加わった際の扱いが不明。マセードは正直J1のレベルにないので安パイ。

(戦術)

・基本的に5バック3ボランチの5-3-2で耐える時間の長いチーム。ただ専ら自陣に引き籠るわけではなく、状況なり相手なりを考えて前から追ったり、一転して引きこもったりと柔軟に対応して来ます。

・攻撃は相変わらずほぼ「戦術は都倉」。極端に言えば、ボールを奪ったら手数をかけずに都倉目がけてロングボール。放り込みの基点は福森がいる左サイド偏重。

・あとは都倉の落としたボールを相方FWなりIHなりが拾っていきなりズドーーンとか、都倉のボールキープを信じて周囲が押し上げ、サイドからのクロスを再び都倉がドッカーン!とかそんな感じ。都倉のみならず長身かつフィジカルが強いが多いのでセットプレーも大きな武器になります。ただ、そんな単純な攻撃がいつまでも通用しないのはJ1の厳しいところ。

・ただ清水戦でヘイズと2トップを組んだ際は都倉が下がり気味&サイドに流れ気味になるようで、その分サイドからいきなり都倉へ放り込む「都倉戦術」は少なくなり、むしろ縦パスで都倉に裏抜けを狙わせる形が目立ちました。「都倉戦術」がすっかり行き詰まってしまったので、バリエーションを増やしているのかもしれません。もちろんジェイが加わった際の戦術上の変化なんて試合が始まってみないと判りません。

・前回対戦時札幌は序盤守備時いつもの5-3-2ではなく、都倉の相方(菅)が後方に下がって5-3-1-1、さらには3ボランチと一体化して5-4-1でリトリート主体の守備。浦和が西川にボールを下げた時に前に出てくるくらいで、基本都倉も含めて自陣に引き籠っていました。しかしこの策はほとんど機能せず、後半はかなり積極的に前に出てくるようになって手応えを得た風なので、今回もそんな感じで来るかもしれません。

(浦和の対応)

・幸か不幸か、C大阪戦の惨状を受けてもミシャのクビは繋がったまま。

・ラファエルがイエロー累積で出場停止。ただ今のラファエルは「ほぼマゾーラ」と化していて、魅力的な一発を持ってははいるもののミシャの持ち味である前線のコンビネーションプレーの阻害要因になっている上に、守備がいたって緩慢。なんでそんなに劣化してしまったのかが不思議ですが、ラファエルの出場停止はさほどの打撃にならないと思います。

・一方、川崎戦で大怪我させられた李が全体練習に戻ってきたのは好材料。ただいきなり無理はさせられないでしょうし、札幌もセットプレーが強いのでおそらく今回もズラタンがスタメン。前目は興梠・ズラタン・武藤のユニットを組むものと予想します。

・前回対戦ではGKク・ソンユンの奮闘もあって興梠を筆頭に浦和は決定機を外しに外したのが祟り、さらにこの頃からコンディションが良くないのが表面化していて後半失速。ミスを連発した挙句、内容では楽勝にしうる試合をややこしいものにしてしまいました。そして浦和のチーム状態はその時よりも格段に悪い。

・レギュラー組が心身ともに疲弊し、既にぶっ壊れているというか、惰性で試合をやっているようにしか見えないチームをミシャが立て直す能力を持っているのか??? まさか前節からスタメンをラファエル→武藤の入れ替えだけで済ませるようなことにならないでしょうけど、前節極端に出来の悪かった柏木やDF陣をどうするのかが見ものです。普段のベンチメンバーがドン底に堕ちたチームを救う大活躍を見せてくれると良いのですが。

----------------------------------------
<前節:大宮 2-2 札幌>

---ヘイス---菅----
--兵藤----宮澤--
早坂---荒野---マセード
-福森--河合--菊地-
-----クソンユン-----

(得点)
81分 福森
90+6分 福森

(交代)
HT 早坂→内村
73分 河合→小野
90+5分 兵藤→上原

<前回:浦和 3-2 札幌>

---菅---都倉---
--兵藤----荒野--
田中---宮澤---早坂
-福森--横山--キムミンテ-
-----クソンユン-----

(得点)
34分 兵藤(菅からの縦パスで裏抜け)
87分 福森(直接FK)

(交代)
72分 田中雄→内村(菅が左WBへ)
79分 荒野→小野
90分 早坂→上原

| | トラックバック (0)

2017.07.23

【TV観戦記】17年第22節:C大阪 2-4 浦和 ~ 土崩。ミシャ体制の終焉も秒読み。

・試合開始後わずか8分で2失点。なんとか1点返してさあこれからというところで、さらに2失点。しかも相手を褒めるしかないスーペルなゴールなんて一つもなくて、悉く浦和の集中力の欠如とか切り替えの遅さとかマークの緩さとか、そんな戦術以前のベーシックな部分に起因するものだらけ。C大阪が強かったというより、とにかく浦和が酷すぎてC大阪はフツーに攻め、フツーに守っていたら浦和が勝手にこけてくれた、そんな試合でした。

・とにかく動けない。そして切り替えが遅い。全員コンディション調整に失敗したとか、ひょっとして集団食中毒に罹ったまま試合に出ているのではないかと訝しくなるほど浦和の選手たちは走れませんでした。勝ったC大阪ですらチーム合計で108km強しか走れておらず、その数値がこの日の気候条件がいかに厳しかったを雄弁に物語っていますが、浦和はC大阪に約4kmも劣後。スプリント数にいたっては38回も少なく、わずか100回。

「なんでこんな状態の選手がスタメンで出てくるのか?」と不可解でならない選手がゴロゴロ。しかも何かにつけて「ミシャのために」という選手が盛大にミシャの足を引っ張っているという皮肉。まぁ控え選手を出してみたらさらに酷かったというのもよくある話ですが、ちびちび選手を入れ替えながら選手層を厚くするのがとにかく不得手で、せいぜい14~15人くらいの選手を使い回すことしかできないミシャの限界がまたゾロ噴出してしまったような気がします。

・もっともその限界は今年に限ったことではありません。そこに確実に忍び寄っている主力選手の高齢化が重なって、今年は症状が一段と悪化したのでしょう。昨年は梅雨の時期に一時パフォーマンスが落ちたものの、五輪で興梠と遠藤が抜けてターンオーバーを強いられたのが「塞翁が馬」となって夏季をなんとか乗り切っただけでなく、ルヴァン杯が高木大ブレイクの契機となるという好循環まで生まれましたが、今年はどうやってドツボから抜け出すきっかけを見出すのか?

・今日の失点場面の数々を思い起こすと、このチームにはもう緊張感が全然ないのかもしれん。そういう意味でチームがぶっ壊れている。となると、もうミシャのクビがいつ飛んでも何の不思議もないでしょう。それがいかに副作用が強く、浦和がさらなる地獄に嵌りこむ契機になろうとも。非常にリスキーな判断であり、過去の浦和フロントの失態の数々を思えば拙速を避け、できればシーズン終了後まで先送りしたい決断ですが、「むしゃくしゃしてやった。代わりの監督ならだれでも良かった」という発作的な犯行に及んでしまうんだろうなぁ・・・

----------------------------------

・それにしても酷い失点の数々。6分の失点は相手CKからの流れ。ソウザのシュートが柏木に当たって水沼にこぼれた際に、なぜか森脇を筆頭にオフサイドとセルフジャッジして全員棒立ち。あとは水沼のクロスを杉本はどどどフリーで決めるだけ。浦和の失点って超前がかりになった背後を突かれるというリスクマネジメントの失敗に帰着するものが多いけれども、こういう戦術以前のセルフジャッジ系のも実に多い。幼稚な精神論になってしまいますが、ピッチ上に「お前ら、なにしとるんや!!!」と締める選手がおらんとこうなってしまうのか???

・8分の失点は西川のパスを受けた柏木のボールロストでカウンターを喰らったもの。普段の柏木なら少々プレッシャーをかけられてもロストしないのでしょうが、この日の柏木の出来は話になりませんでした。この失点場面は今年の「浦和あるある」の典型。

・その後の浦和の戻りも遅く、後方からワラワラ選手が沸いてくるC大阪に対して浦和は絶えず数的不利ないしせいぜい同数の状態。おまけに誰が誰に付いているのかさっぱり判らず、何の役にも立っていない選手がゴロゴロ。よって森脇はサイドで2人を見る羽目になり、柿谷に余裕をもってクロスを上げられてしまいました。クロスを上げた先で杉本が槙野の前に飛び込んでゴール。最後は槙野が競り負けてはいますが、その前で何もしていない遠藤のほうが重罪かと。

・いきなり2点ビハインドを背負う羽目になった浦和は、4-4-2の構えで自陣に引き気味になったC大阪に対して関根を軸に攻めるものの、さしたる決定機は作れず。4バックの相手で中央が堅いので右から左へとサイドチェンジを何度も試みるも、これがなぜかことごとくパスミスになるのには参りました。

・全く得点の気配がなかったにも関わらず、18分森脇のクロスがラファエルに通ったのを契機に、興梠のシュートのこぼれ玉をズラタンが詰めてゴール! 半ば興梠の無理目なシュートがもたらしたようなものですが、浦和らしいワイドな攻撃が実ったものともいえ、この試合の「良かった探し」をすればこれだけでしょう。

・失点の仕方があまりにも酷いとはいえ、早い時間帯に1点返せたので殴り合いに活路を見出せるかな?と思ったのですが、そんな淡い希望を木っ端微塵にしたのが27分の失点。自陣に押し込まれ、なんとかボールを弾き返した先で興梠がボールロスト。4人に囲まれた興梠が最終的に山口にボールを奪われてしまったのはともかく、そのままバイタルエリアに進出してきた山口を傍観する柏木は万死に値するといっても過言ではないかと。遠藤が慌てて詰めるも時すでに遅く、ミドルシュートをぶち込まれてしまいました。

・これで選手達は心が折れたのかなぁ・・・35分の4失点目はこれまた酷い。C大阪の分厚い攻めを受け続け、最後は水沼のクロスをファーで丸橋が胸トラップ&シュート! 水沼に易々とクロスを上げさせる宇賀神もお粗末ながら、後方から飛び込んできた丸橋を誰も見ていないのがより深刻な問題。最終的にクロスを丸被りした森脇が悪目立ちしていますが、森脇だけを責めてどうなる問題でもなかろうに。

・前半ATにラファエルが何の脈絡もなく個人技で1点返し、さらに後半頭から宇賀神→駒井、森脇→那須の2枚替えで再反撃。2枚替えは一定の効果はあってC大阪を自陣深く押し込むだけでなく、大きなサイドチェンジが何度もきっちり通るようになって、WBがフリーでボールを受ける場面が頻出。ところが見るべきところがなかった前半に2点入った一方、それよりはマシだったこの後半の頭に一点も入らないのがサッカーらしいところ。

・しかも、さすがにこのまま放置しておくとヤバイと思ったのかユン監督が山村をCBに下げて5-4-1で守るようになってからはWBがフリーでボールを受けることも難しくなり、1対1を仕掛けるのが精一杯になってしまいました。そしてなんとかサイド攻撃の形を作ってもクロスは誰にも合わなかったり、中央で簡単に弾き返されたり。縦パスを入れる場面はほとんどなく、C大阪の守備ブロックの前を横パスで繋ぎに繋ぐだけ。結局得点に近かったのはATの柏木→興梠裏抜けくらいか?

・CKも随分もらいましたが、85分に那須ヘッドが惜しかったくらいで、あとは満足にシュートにすらもって行けず。

・C大阪も暑くてお疲れのせいか鋭利なカウンターを繰り出すほどの力はなく、淡々と浦和の攻撃を跳ね返すだけで、前半とは打って変わって後半はいたって静かなまま何の波乱もなく試合終了。

・BSでのTV観戦後はそのまま「Jリーグタイム」を観る心の余裕はなく、自棄酒&ふて寝というお決まりコース。これはホンマ体に悪い(´・ω・`)ショボーン

-----興梠-----
--ラファエル----ズラタン--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

(得点)
18分 ズラタン
45+1分 ラファエル

(交代)
HT 森脇→那須(遠藤が右CBへ)
HT 宇賀神→駒井(関根が左WBへ)
83分 関根→梅崎

・びっくりしたのはズラタンのスタメン起用と武藤がベンチスタートになったこと。ズラタンのスタメン起用はC大阪のセットプレー対策だったようで、しかもズラタン自身の出来もそんなに悪くはありませんでしたが、武藤をベンチスタートにしたのはなんとも不可解。

・おまけにドルトムント戦で試行したラファエルのシャドー起用をこの試合でもやってはみましたが、残念ながらラファエルの守備はいたっておざなり。守備が計算できる武藤不在、さらに肝心なところ、肝心な時に何にもしない柏木の不出来が相まって中盤の守備はないも同然。ボールを奪われるとすぐにただでさえ脆弱な最終ラインが攻撃に晒されるようでは大量失点もやむなしかと。

・またラファエルはスーペルなゴールを一発決めはしたものの、総じて独りよがりなプレーが多いのは相変わらず。おまけに終盤非常にくだらないイエローをもらって次節札幌戦は出場停止になってしまいました。春は何の問題もなかったラファエルがなんでミシャスタイルの持ち味であるコンビネーションプレーを崩す元凶になってしまったのか不思議でなりませんが、現状ならベンチスタートやむなしでしょう。

-----杉本-----
柿谷---山村---水沼
---ソウザ--山口---
丸橋-山下--ヨニッチ-松田
-----ジンヒョン----

(得点)
6分  杉本
8分  杉本
27分 山口
35分 丸橋

(交代)
89分 丸橋→田中
90+1分 水沼→関口
90+4分 ソウザ→木本

| | トラックバック (0)

2017.07.21

【展望】17年第22節C大阪戦

・8/15にスルガ銀行チャンピオンシップが開催される関係で、前倒しで開催される第22節。大半のJ1勢が2週間休んでいる一方、浦和にとってサマーブレイクとはまさに名ばかりで毎週末試合がやってきます。

(成績)

・第18節終了時点で勝ち点38(11勝5分2敗)の堂々首位。ぶっちぎりの成績でJ1昇格を決めたクラブが翌年J1でその勢いのままに優勝争いしている例はいつくもありますが、プレーオフ経由でなんとか昇格したに過ぎないクラブが翌年優勝争いするなんて前代未聞。というか、昨年フツーにJ1で通用しそうな選手層を抱えていながら、プレーオフに滑り込むのがやっとだったのが実に不思議で、それはいったい誰のせいなのか?

・昨年のC大阪は終盤運動量が激減してボコボコ点を取られていましたが、今季はそんな様子は微塵もなし。ユン・ジョンファン監督がキャンプで選手達に生駒山を走らせていた(但し妄想)のに対し、大熊前監督はたぶん天保山で済ませていたのだろうと思われるくらいの差。

・選手層の厚さは普段の控え選手主体で戦っているルヴァン杯の成績に反映されていて、B組を2位通過。プレーオフ第1戦では札幌をアウェーで2-0と一蹴しているので、ノックアウトステージ進出も間違いないでしょう。

(戦力)

・好成績のためか、あるいは春に清武獲得で金を使い果たしてしまったせいか、夏の移籍期間に目立った動きはありません。

・ただせっかく採った清武が故障してしまったのでまたしても浦和戦には出場できず。今のところ清武の穴は水沼がしっかり埋めていて穴は感じられませんが、そもそも今年の清武は故障がちで稼働率が低く、同じく春に採ったCBヨニッチと比べると補強としてはハズレの部類といっていいのかも。

・また清武以外に主力で故障者はいない模様。

・リーグ戦はほぼスタメン固定(序盤スタメンだった関口の出番が激減しているのが目に付くくらい)ですが、ルヴァン杯は控え選手主体でやり過ごし、ACLもないので実に気楽なもの。

(戦術)

・前回第2節で対戦した際には、日程面でC大阪がはるかに有利だったにも関わらず攻守とも全く良いところなし。やはりプレーオフ昇格組だけあってとんでもなく弱いと思ったのですが、直近2試合を見た感じではその頃の面影は全くなく、前回対戦時の経験・イメージは何の役にも立ちません。

・C大阪再建のキーマンはなんと言ってもトップ下山村でしょう。もともとボランチないしCBが本職の山村をトップ下にコンバートしたユン監督の慧眼には恐れ入りました。山村は前回対戦時も終盤トップ下で出て来て挙動不審な動きを繰り返してましたが、第3節からスタメンに定着。

・前回対戦時には長身だが特にハイボールに強いわけではなく、浦和にいたら間違いなく「杉ツァ」と呼ばれていたであろう杉本にC大阪は性懲りもなくロングボールを放り込んでことごとく遠藤に封じられていましたが、山村が前線に入ったことでロングボールの収めどころが出来たのが実にでかい。また杉本は足元のボールならそれなりに収めてくれるので、山村or杉本にボールが収まったのを機にC大阪は攻撃に思い切って人数をかけてきます。

・また山村は思いの外シュートも巧くて既に7得点。マークの外し方なんて実にFWっぽい!

・攻撃がサイドからのクロス攻撃に偏重しているのは相変わらず。盛んに攻撃参加してくるSBからのクロスが決め手で、相手最終ラインを下げてフリーになったSBからバンバンクロスを入れてきます。ただハイクロスで長身の杉本&山村がターゲットとは限らず、逆サイドから地上戦に長ける柿谷が突っ込んでくることもあれば、相手最終ラインが下がりすぎたところにソウザがミドルシュートをかます場合もあるとフィッシュにいたるパターンは結構多彩。

・またセットプレーも強い。CBヨニッチが4得点、CB山下が2得点。こういうのは鳥栖時代からめっちゃ練習してそう。

・フォーメーションは基本4-2-3-1で、守備時4-4-2リトリート主体。CBヨニッチ&山下にボランチ山口&ソウザと揃う中央が実に堅い。またそれ以外の選手もユン監督のチームらしく実によく走る。柿谷ですら全くサボらない。というか、柿谷は守備でヘロヘロになって、得意の「ひとりでできた!」的な得点場面が激減しています。

・おまけに終盤リードすると山村をCBに下げて5-4-1でカウンター狙いに転じる念の入れよう。終盤苦し紛れにCBを前線に上げてパワープレーに転じる例はよくありますが、前線の選手を途中で最後尾に下げる例はそうそうありません。

・C大阪は別に特殊な戦術、斬新な戦術を駆使しているわけではありませんが、全員が良く走り、攻守の切り替えが早く、しかも戦況に応じて何をなすべきか、どこでリスクをかけるべきかチーム内で意思統一が良く出来ている実に良いチームです。

(浦和の対応)

・李が長期離脱を余儀なくされている以外は、これといった怪我人はおらず。新潟戦が出場停止だった遠藤が戻って那須と入れ替わる以外は、新潟戦と同様の布陣・スタメンで臨むものを目されます。ドルトムント戦では興梠トップ下&ラファエルシャドーを試行しましたが、あれはミシャなりのドルトムント対策だった模様。守備が緩慢なラファエルがシャドーに回ったことで浦和左サイドに穴が飽きがちだったのも確かで、恒常化するとは思えず。

・前述のようにC大阪の攻撃のキーマンは山村なので、ここをどう抑えるかが肝。実際直近2試合でFC東京も柏も山村を巧く消している時間帯はC大阪も攻撃の形が出来ずに苦戦していました。

・首位C大阪の勝ち点差は9。ここで負けると、いや引き分けで終わってもリーグ優勝は絶望的になってしまいます。もっとも今の浦和はそんな遠い先の目標よりも目の前の一戦一戦をとにかく勝ち抜いてゆくしかない状況に追い込まれていると思いますが。

・C大阪戦とは直接関係ありませんが、浦和は夏の補強をどの程度真面目に考えているのでしょうか? 今年のここまでの戦績をミシャは今年限りになってもなんら不思議はなく、来年は監督が代わっていることを視野に入れながら、どう見ても頭数が足りない&ベテラン選手だらけのDFを外国人選手で埋めて然るべきだと思います。フロントがイリッチの大失敗で「羹に懲りて膾を吹く」状態に陥っているのは想像に難くありませんが。

----------------------------------
<前節:C大阪 2-1 柏>

-----杉本-----
柿谷---山村---水沼
---ソウザ--山口---
丸橋-山下--ヨニッチ-松田
-----ジンヒョン----

(得点)
61分 杉本
70分 ソウザ

(交代)
61分 松田→田中
61分 柿谷→澤上
90+2分 ソウザ→秋山

<前回:浦和 3-1 C大阪>

---杉本--柿谷---
関口--------丸岡
---ソウザ--山口---
丸橋-山下--ヨニッチ-松田
-----丹野-----

59分 マテイ ヨニッチ:ソウザCK→ニアでヨニッチがヘッド

(交代)
61分 関口→清原(清原が右SH、丸岡は左SHへ)
73分 丸岡→山村
85分 松田→田中

| | トラックバック (0)

より以前の記事一覧