2017.12.13

【TV観戦記】CWC2017・5位決定戦:Wカサブランカ 2-3 浦和 ~ 終わり良ければ総て良し(苦笑)

・AT突入直後にVARによる長い中断&PK判定で水を差された形になってしまいましたが、常に先手を取ったのが奏功して無事逃げ切り勝ち。超久しぶりに複数得点を挙げただけでなく、ミドルシュートあり、人数を掛けての見事な崩しあり、セットプレーの工夫ありと得点パターンも多彩。一方守備はやや怪しげで西川の好守に救われた場面が多々ありましたが、それでもアルジャジーラよりは格段に手強そうな相手に勝って、ほんのちょっとだけだけれども来シーズンに期待を持たせてくれたことをもって今日は良しとしましょう!!

・でも苦笑せざるを得ないのがこの試合のスタメン。あらゆる方面から「CWCの舞台なら最初からこれでやれ!!」「準々決勝のスタメンはなんだったのか??」と野次られますわなぁ・・・そしてこの試合でスタメン起用したマウリシオが2得点の大活躍。また遠藤に代わってスタメンに抜擢された森脇も高精度クロスを連発。死んだ子の年を数えるようですが、この試合の出来を見ると改めてアルジャジーラ戦とは何だったのか?もう少しやりようがあっただろうに、と悔やまれてなりません。

・Wカサブランカはアルジャジーラ同様カウンターが持ち味っぽい感じでしたが、アルジャジーラが引いてロングカウンター一本鎗だったのに対し、Wカサブランカは最終ラインを極力押し上げて前からプレッシャーを掛けに来るタイプでした。ただ浦和も相手のプレッシャーになんら怯むことなく、しっかりボールを繋いでプレッシャーを回避できたので序盤からボール支配は浦和優位に。

・この日の浦和の攻撃時のフォーメーションはここ数試合の「堀式3-4-3」ではなく、青木が最終ラインまで下がらないのにSBが高めの位置を取るかなりリスキーなもの。もっとも両SBとも高い位置を取ってしまうとカウンターを喰らった際に危険極まりないので森脇に比べて槙野は終始自重気味になってそれなりにバランスを取っていました。ラファエルがサイドに張りっぱなしなので槙野の上がりようがないとも言えますが。

・相手もアルジャジーラ戦を見てそれなりに研究したのか。サイドに張っているラファエルを徹底監視。浦和が高い最終ラインの裏をラファエルに突かせようにもラファエルががっつり掴まえられて何もさせてもらえませんでした。

・概して左サイドが糞詰まりになっている一方で、スペースがふんだんにある右サイドで森脇が躍動。森脇はスピード不足で守備に難があるものの遠藤よりずっとクロス精度が高いので、ボールが持てる相手ならSBとして適任。8分に早速森脇クロス→興梠の決定機を作り、この試合は森脇がキーになるだろうと思い込んでいたところ、18分の先制点は非常に意外な形=マウリシオのミドルシュートでした。

・高い位置でボールを奪えずに浦和に押し込まれる羽目になったWカサブランカ。アルジャジーラ戦では引いた相手に手こずって無得点に終わってしまいましたが、思えばこんなミドルシュートなんて全然なかったからなぁ・・・・マウリシオはJリーグでも時折際どいミドルシュートを放っており、このゴールは決してまぐれでもなんでもありません。

・すぐさまセットプレーで追いつかれたものの前半のうちに突き放しに成功。、26分の得点は堀監督になって絶えて久しい人数をかけてしっかり繋いで相手を崩しきったミシャっぽいゴール!! 森脇→中へ絞った武藤→バイタルエリアで長澤→興梠→左サイドでフリーのラファエルクロス→中で興梠&長澤が飛び込んでファーの柏木が決めるって実に見事!! もうこういうゴールは見られないものと思っていただけに感謝感激雨あられ!!

・60分の3点目はFKから。相手のクリアボールをエリア内で拾ったマウリシオが落ち着いて空いたところに叩き込んだもの。その落ち着きこそマウリシオの真骨頂!もっともその前に柏木がゴロパスで興梠を壁裏に走らせる工夫があったことも特筆していいでしょう。興梠のクロスを大きくクリアできなかったのが結果的にゴールに直結しました。浦和では滅多に見られないサインプレーっぽい形。今のやり方では得点機は少ないのだから、来年はこんなプレーが増えるのかも。

・終盤は双方中2日と日程が厳しいせいかぐだぐだになってしまい共にさしたる決定機を作れませんでしたが、87分に11番→37番→11番とバイタルエリアを簡単にぶち破られてヒヤリ。守備ブロックに人数はいるのに紙のように破られてしまうのはよく見た光景。

・11番はこの試合を通じて極めて厄介でした。21分の失点は壁を超えたボールがそのままゴールマウスに吸い込まれた形でしたが、むしろ気になったのはFKを与える直前、20分のピンチ。槙野が上がっているタイミングでマウリシオの縦パスがカットされてカウンターを喰らい、マウリシオが駿足の11番に対応できずにシュートまで持って行かれてしまいました。西川のセーブで難を逃れましたが、上がったSBの裏を易々と突かれるのは既視感のある光景。

・38分にも森脇が11番にサイドを抉られて決定機を作られてしまいました。もっともこの場面は18番にどフリーでエリア内でヘディングシュートを撃たれている(しかし運よく西川の正面)という、最終節横浜M戦とそっくりな形をまたしても作られたほうが頭が痛いのですが・・・この試合得点場面に多少光明が見えたものの、危ない場面は非常に再現性が高いもので、その意味では勝ったとはいえ手放しでは喜べません。

・ATに入ってからビデオ判定で何だかよく判らないPKを取られてしまいましたが(阿部の引き倒しを取られたのかな?)、堀監督お得意の「時間つぶし上以上の意味がない3枚目の交代」で無事逃げ切り勝ち。

・天皇杯決勝で負けるとか、悲惨な形でCSで散るとか、単にリーグ最終節で大敗するとか、ここ数年シーズン最後の試合が悪い形で心に残る試合だらけになっていた浦和。今年は少々もやっとするとはいえ久しぶりに勝利で締めくくり。これでほんのちょっとだけれども来期に希望を繋げられて良かったなぁ(苦笑)。

-----興梠-----
ラファエル-長澤-柏木--武藤
-----青木-----
槙野-マウリシオ--阿部-森脇
-----西川-----

(得点)
18分 マウリシオ
21分 エルハダッド
26分 柏木
60分 マウリシオ
90+4分 ハジュージ(PK)

(交代)
58分 ラファエル→梅崎(負傷交代?)
77分 梅崎→ズラタン(負傷交代。武藤が左SH、ズラタン右SHへ)
90+5分 興梠→菊池(ズラタンCF、武藤右SH、菊池左SHへ)

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2017.12.10

【TV観戦記】CWC2017準々決勝:アルジャジーラ 1-0 浦和 ~ 延々と繰り返されるウノゼロの惨敗

・序盤から浦和がボールを一方的に支配するものの決定機どころかシュートで終えられる場面が少なく、そうこうとしているうちに縦ポン攻撃一発で失点。その後は引いて守備ブロックを作るアルジャジーラを前に緩いパスを回し続けてそのまま試合終了。まるで点が入る気がせず、先制されるとその後は手も足も出ないという今年最終盤の試合展開そのまんまで、はるばる現地まで出向かれた方々には何ともやるせない試合内容だったと思います。

・もっともアルジャジーラが非常に手強かったわけでもなんでもなく、前半最初の絶好機を興梠が決めていれば逆に浦和がそのまま押し切れた可能性が高かったのも確か。「やるだけのことはやったが、相手が一枚上だった」わけではないだけに消化不良感の強い試合になってしまいました。

非常に不可解だったのは長澤とマウリシオがベンチスタートだったこと。長澤もマウリシオもCWCに備えて最終節横浜M戦を休ませたものと思い込んでいただけに、共にベンチスタートというのは心底驚きました。

・矢島は川崎戦・横浜M戦とスタメン起用されて良いところがなかったにも関わらず、この試合でもなぜかスタメン起用。堀監督は試合後「サイドから攻撃をするという意図を持った中で、そういう起用をしました」と矢島スタメン起用の意図を説明していましたが、前半はまだしも後半はほぼ消えてしまい、監督の意図はなんら形になることはなく、この起用は失敗に終わりました。

・この日も攻撃時はアンカーが最終ラインに下がってSBが高い位置を取る堀式3-4-3で臨みましたが、横浜M戦と違って矢島はあまりボランチの位置に下がらず、専ら柏木が下がってゲームを組み立てていた模様で、その意味では矢島は高い位置でサイド攻撃に関与する監督の意図通りの仕事はしていたのでしょう。

・しかしその位置だと相手のタイトな守備(というほど前半はタイトでもなかったけど)を前に体を張れない矢島の弱点が顕わになってしまいます。やはりなんで長澤ではないのか?という思いがふつふつと。アジアの舞台で使える選手、使えない選手の見極めなんてとうの昔に付いているはずですがねぇ・・・

・もっとも試合内容が低調なのは別に矢島の責任ではなく、そもそも今の浦和にはたいして攻め手がないのが元凶。これは堀監督のままではどうにもならない、攻撃陣をテコ入れして個人能力でなんとかするしか手がないのかも。

・序盤はラファエルや興梠にDFライン裏を狙わせるような攻撃に終始。それも5-3-2で守る相手が半ば浦和右サイドを守備を捨ててまでラファエルを厳しく監視しだしたことで急激に手詰まりに。裏抜けのパスは精度が低く、あるいはタイミングが悪くてそもそも通らない上に、たまに通ってもそのフォローが遅くてシュートで終われない。その傾向は最後まで変わりませんでした。

・この試合最大かつ唯一の絶好機はアルジャジーラが半ば捨てていた浦和右サイドから。遠藤→武藤クロス→ファーでどフリーの興梠がダイレクトで合わせたものの、まさかの宇宙開発事業団。痛恨の極みとしか言いようがない決定機逸でしたが、この試合の興梠はコンディションが良くないのかいつもと比べてボールの収まりが悪く、期待度の高さからすれば矢島以上にがっかりな出来でした。後半にも武藤のシュートのこぼれ玉を詰め切れない場面がありましたし。

・52分の失点は高い位置にいた宇賀神のボールロストから。なぜか中盤の選手はどこにもおらずにそのままパスを簡単にパンパンと繋がれてCB間を割られ、7番(マブフード)の受けだしを許して最後は西川の股を抜かれるという残念さ。遠藤の寄せが甘かったのはこの時点で既に小破していたのかもしれません。槙野は前半にイエローをもらっていたので強く行けなかったのでしょう。前半にも縦パスに対する阿部のミスでヒヤっとした場面がありましたが、アルジャジーラはこんな実にシンプルなカウンターをずっと狙っていたのでしょう。

・それにしてもカウンターを喰らってもなお数的有利なのに肝心なところで何もできずにあっさり失点してしまうって実にミシャっぽい。いや、点が入る気はしないのに失点パターンだけで実にミシャっぽいって横浜M戦と全く同じ光景で、これではミシャ式より試合内容は大きく後退した、言い換えれば川崎戦からやりだした「堀式可変システム」って内容&結果とも最悪なのではないかと。

・先制された後は一方的に相手を押し込み、選手を相次いで代えてなおも攻め立てるものの、さしたる決定機は掴めないまま試合終了というお約束コース。惜しかったのは89分西川→興梠裏抜け→横パスをラファエル詰めるもポスト!だけかな?その直前の森脇クロスに反応して倒れ込んだDFのエリア内ハンドを取ってもらえない不運もありましたが、そもそもたいして決定機を作れなかった以上、それを嘆いても虚しいだけ。

・堀監督が意図していたサイド攻撃だけを取り上げれば最後にズラタンを投入してズラタン右SH、高木左SH、かつ森脇右SBの4-4-2にしてからのほうがずっと可能性がありましたが時すでに遅し。後半ほとんど機能していない矢島を真っ先に下げなかったのが不思議。ミシャとは対照的に堀監督は概して交代が遅く、ビハインドの時はそれが往々にして自分で自分の首を絞めてしまいます。

・また緩いパスを足元から足元へ繋ぐだけでは相手の守備ブロックを崩せるわけがなく、特に中央の崩しなんて絶望的。ミドルシュートを含めて浦和は中央を攻める手立てがないので、サイドだけ気を付けていれば守備側は極めてラクチン。CKも結構もらいましたが、相手GKの守備範囲が広くてハイボールは悉く弾かれてしまうのに、これまた何の工夫もないまま試合終了。

・終わってみればたいして強くもない相手にたいしてアジア王者が敗れたのではなく、Jリーグ7位で終わったはずのチームが何かの拍子でのこのこ出て行って案の定いつも通りの負けっぷりを晒しただけという格好に。これでは先が思いやられます。来年開幕2連敗で監督の首が飛ぶかどうかはともかく、W杯の中断期間中に監督を代えざるを得なくなる可能性は相当高いでしょうから、フロントは今度こそちゃんと後任を見つけておいてくれよなぁ・・・・

-----興梠-----
ラファエル-矢島-柏木--武藤
-----青木-----
宇賀神-槙野-阿部-遠藤
-----西川-----

(得点)
52分 マブフート(アルジャジーラ)

(交代)
67分 武藤→高木
72分 遠藤→森脇(負傷による交代)
76分 矢島→ズラタン(4-4-2へ)

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2017.12.03

【観戦記】17年第34節:浦和 0-1 横浜M ~ それもこれもCWCへ向けての準備なんだよな、多分(苦笑)

・3試合連続でウノゼロの敗戦。スタメンを見る限り、ACL決勝から中3日・中2日で続いた川崎戦&横浜M戦はCWCへ向けての調整試合と割り切った風でもあり、監督もチームも結果はほとんど気にしていないのかもしれません。この試合は前半だけにせよ得点機はそれなりにあって、川崎戦よりはマシな試合が出来たと案外満足しているのかもしれません。

・しかし、結果はまたしてもウノゼロの負け。開幕戦の焼き直しみたいな格好で失点し、その後相手が引いて中央を固めてしまってからは手も足も出ず。「残留争い組にはなんとか勝てるが、中位相手には引き分け止まり。そして上位相手にはホニャラララ」という「堀の法則」はこの試合も鉄板。リーグ戦ホームゲームで勝ったのは8/19の第23節FC東京戦が最後で、それから3カ月以上勝ちなし。

・第20節大宮戦からの14試合で得た勝ち点はわずか20(5勝5分4敗)で、順位も一つ上げただけでフィニッシュ。堀監督がもたらした勝ち点を34試合に換算すると奇しくも今の勝ち点とほぼ同じ49弱。リーグ戦だけを取り出せば試合内容は非常に貧弱で、選手の個人能力でなんとか形にしているという意味でなんとなく2008年のゲルト期と似た面持ちがあるような気がしてなりませんが、そのゲルト期ですら勝ち点は53。

・選手達が今のやり方に表立って不満を口にしないどころか、それなりに手応えを感じている風なのが救いといえば救いで、年が明けてキャンプでチームの立て直しに成功する可能性もなくはないのですが、正直この4カ月の試合内容を見る限り個人的には甚だ期待薄。試合後淵田社長は来年のACL圏入りを目指す旨を明言していましたが、しょっぱい試合の後では悪い冗談としか思えず。

・ゆえに今オフによほど強力かつ的を射た補強を敢行しないかぎり、来年は良くて中位、下手をすれば残留争いに巻き込まれる可能性が高いと思います。補強に失敗して5位から一気に最下位にまで転落した隣の残念すぎるクラブの轍を踏まないとも限らないわけで。補強どころか、来年W杯期間中に監督を挿げ替える羽目になる可能性もかなり高く、その結果2007年ACL優勝以降しばらく迷走状態に陥った歴史を繰り返すのかも。

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・スタメンを聞いてびっくり!!川崎戦から中2日。何がなんでも勝たないといけない試合ではないどころか、順位が大きく変動するわけでもない純然たる消化試合。従って「CWCへ向けて極力レギュラー組の無理使いは避け、川崎戦&横浜M戦でレギュラー組を交代で休ませる」趣旨なんだろうなとは思いましたが、川崎戦で良いところがなかった高木&矢島を引き続き使う一方、川崎戦で出来が良かった森脇がベンチなのはどうにも解せず。また阿部を休ませないのも不思議。

・スタメン構成に違和感を抱きつつも前半の試合内容は悪くなく、結果は残念でしたが勝機は十分ありました。この試合でも攻撃時はアンカーが最終ラインに下がり、IHがボランチの位置に下がる一方、SHが中へ入ってSBが高い位置を取ることで、4-1-4-1が3-4-2-1っぽいフォーメーションに変化するやり方を採用。

・前半は横浜Mの守備がいかにも中途半端でしっかり前からプレッシャーをかけるでもなく、引いて守備を固める風でもなかったので、浦和は下がった柏木なり矢島なりを軸に易々とビルドアップ。24分柏木→宇賀神→興梠→エリア内で高木シュートの場面がこの試合一番の好機で、それ以外にも惜しくもオフサイドになってしまいましたが、5分柏木→宇賀神クロス→興梠ボレー、17分柏木→矢島縦パス→興梠裏抜けという良い形も作っていました。39分左に開いた矢島クロス→ファーで平川シュートという実にミシャっぽい攻撃も。

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・ところが良かったのは前半だけ。さすがはモンバエルツ監督、後半はしっかり修正して浦和に何もやらせず、弱点をしっかり突いて先制した後はそのまま難なく逃げ切り勝ち。

・失点場面は開幕戦にやられまくった形とほぼ同じ。高い位置を取るSBの裏を狙われる & バイタルエリアがぽっかり空いてしまうというミシャスタイルの失点パターンの焼き直しで、52分柏木の縦パスをカットされてからのカウンター。高い位置にいた宇賀神の裏のスペースを使われて易々とボールを運ばれ、青木が最終ラインに吸い込まれて最後はバイタルエリアで前田を誰もマークしていないという有り様。ミシャスタイルより点が入る気配はずっと薄いのにやられ方はそっくりって何なん、これ?

・先制した横浜Mは引き気味に構え、中央をしっかり固めてカウンター狙い。浦和は中2日の連戦の影響もあったでしょうし、突如スタメンに抜擢された平川はそもそも90分出るのがしんどいということもあって失速著しく、守備を固める相手に手も足も出ず。選手交代も全く効果なし。サイドからのクロスは悉く相手に弾き返され、パス交換で中央突破を試みようにも各駅停車的な同じリズムでの、緩急もへったくれもない攻めの繰り返しでどうにもならず。興梠への縦パスなんて後半は相手に読まれまくってましたし。スタジアムが沸いたのは終了間際、松原のクリアボールを拾った宇賀神のシュートだけでしょうか。

・今日も今日とて塩試合。ホーム最終節恒例のスタジアム一周&社長あいさつの後、幼子をゾロゾロ引き入れてパパに抱っこされ、あるいはお手手つないでスタジアムの雰囲気を和ませてその場を誤魔化してしまう荒業には参りました。

・見所に乏しかったホームの連戦。それもこれもCWCのための準備と割り切ってしまう、メリハリを付けられる漢、堀監督すげぇぇ!!! となると良いのですが・・・

009

-----興梠-----
高木-矢島--柏木-梅崎
-----青木-----
宇賀神-槙野-阿部-平川
-----西川-----

(交代)
63分 梅崎→武藤
71分 矢島→長澤
79分 高木→ズラタン(武藤左SH、柏木SHの4-4-2?)

・川崎戦からやり始めたミシャテイストを加味した様な堀式可変システム。その試み自体は悪くないのですが、選手起用は大いに疑問。単に選手繰りの関係でやむを得ないのかもしれませんが、矢島と高木を重用するのが非常に不思議。

・川崎戦に続いてこの試合も矢島は引いた位置から一発スルーパス狙いの連続という簡単なお仕事に終始。同じような仕事は柏木もしてました、柏木は相手の厳しいプレッシャーを受けながら高い位置からの組み立てを試みたり、前からなんとかボール奪取を試みたりとしんどい仕事もこなしていました。矢島の縦パスは後半相手に読まれまくって途中でカットされ、カウンターの引き金になっていただけ。柏木と矢島を併用する意味は全くないかと。

・高木は攻撃時IHの位置に入るこのシステムだと相手のボールの奪いどころになるだけ。ミシャでシャドーをやった際にも馴染むのに非常に時間がかかりましたが、その際よりもさらに苦戦している印象しかありません。

・後半阿部が致命傷になりかねないミスを連発。特に後半立ち上がり早々のボールロストで前田にフィニッシュまで持って行かれた場面は肝を冷やしました。なんで阿部を休ませないのかも不思議。

005

-----ヴィエイラ----
山中---バブンスキ--前田
---扇原--仲町---
下平-朴---中澤-松原
-----飯倉-----

(得点)
53分 前田

(交代)
68分 前田→遠藤
77分 バブンスキー→伊藤
90+2分 ヴィエイラ→シノヅカ

・喜田、天野、マルティノスと主力が3人も出場停止。天野不在でセットプレーによる得点の可能性が減り、また斎藤が大怪我で離脱中で、横浜Mご自慢の両SHが不在な中での攻撃のイメージがさっぱり沸きませんでしたが、本職SBの山中をSHで起用した策が見事に嵌りました。

・扇原&仲町のボランチは前半堀式可変システムに戸惑いがちで矢島や柏木を自由にさせ過ぎた感がありましたが、後半は見事に修正して相手に何もやらせないどころかしばしば攻撃に関与。

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2017.11.30

【観戦記】17年第33節:浦和 0-1 川崎 ~ 盛大な宴の後に現実を突きつけられるの巻

・ACL決勝の激闘から中3日での川崎戦。さらに中2日で最終節横浜M戦。川崎戦に大きくメンバーを入れ替えてこの試合に臨むのはやむを得ず、それゆえ多少意思疎通・コンビネーションに難があったのは致し方ありません。また久々にスタメン起用された選手達はもちろん、武藤、長澤、遠藤とACLから使い詰めで疲労困憊の選手達も予想以上に良く動いていたと思います。どの選手も概して球際に厳しかった辺りはACL優勝の成果なのかもしれません。

・しかし序盤にしょーもない形で失点し、その後は浦和が川崎相手にボールを一方的に保持するという非常に珍しい試合展開になりながらほとんど決定機を作れないままウノゼロで敗戦。またしても上位相手に敗れ「残留争い組にはなんとか勝てるが、中位相手には引き分け止まり。そして上位相手にはホニャラララ」という「堀の法則」が鉄板であることを再確認する羽目に。最後のハンド見逃しを筆頭に胡散臭い判定が相次いだのには参りましたが、審判がまともでも良くて引き分け止まり。勝ち目はほとんどなかった低調な試合だったと断ぜざるを得ません。

・攻→守の切り替えが早く、かつ2列目どころか1トップまで守備をさぼらず、コンパクトな布陣で高い位置からプレッシャーをかけて相手に自由を与えない。引く時は引いて相手の攻撃を跳ね返す。ACLを守り勝ったように守備は「曲がりなりに」形になってきたかなと思いますが、その反面攻撃の形が絶望的にできない。

・この試合ではなぜか川崎が腰が引けたような試合運びを演じてくれたのでビルドアップにすら難儀するという最悪の形にはなりませんでしたが、相手を押し込んだところで決定機をほとんど作れないまま時間が過ぎるばかり。クロスはいとも簡単に弾き返され、パス回しのテンポは一向に上がらず、緩急を付けられないので相手の守備ブロックは微動だにしない。CKは6本、好位置でのFKも結構もらいましたが、どれもこれも決定機どころか満足にフィニッシュにすら持ち込めず。カウンターの好機ですら頼みのラファエルがいないとどうしようもありませんでした。

・鹿島戦の惨状を見て「攻守のバランスが決定的に崩れてぶっ壊れてしまったチームが、まるで攻撃が成り立たないという形で再度壊れる」と評しましたし、その前の広島戦の出来を見て「本当に来年もこれをやるつもりなの???」と慨嘆しましたが、浦和はACL優勝の宴の中で勢い余って来年もこれをやる決断をしてしまいました(もっともACLの結果如何に関わらず続投が既定路線だったような気もしますが)。この調子だとオフに相当上手く補強をやらないと来年はACL圏入りどころか地獄を見るのは必定でしょうし、興梠やラファエルなど数少ない攻め駒が長期離脱でもしようものなら即死しかねません。

001

・「この試合で絶対に勝たないといけないのは川崎のほうで、浦和はスコアレスで終わっても痛くもかゆくもない。それゆえスコアレスの時間が長引けば間違いなく焦るのは川崎で、そこに浦和の勝機が生まれる。ミシャなら絶対にできなかった、嫌がらせのような我慢強い試合運びができるかどうかが見もの」と思っていたのですが残念ながら14分という早い時間帯に失点してそのシナリオは雲散霧消。ただでさえ攻撃力に乏しい浦和が苦しい立場に。

・しかも失点の仕方がお粗末極まりない。矢島の縦パスを中村にカットされたところからのカウンター。右サイドにいた家長に菊池が対峙していたはずなのにあっさりぶち抜かれ、それをフォローしたマウリシオがこれまた蹴りだすでもなく、しっかりキープするでもない何とも軽すぎるプレーで家長にカットインを許すテイタラク。あとはどフリーで家長クロス→小林という簡単なお仕事。

・宇賀神欠場&槙野ベンチスタートで菊池が左SBでスタメン起用されましたが、湘南時代からSBなんてやったことないでしょうし、実際攻撃に持ち味がある選手でSHのほうがまだマシでしょうに。高木&菊池が守る左サイドは開始早々から怪しげでしたが、案の定そこから失点。

・菊池以上に残念すぎたのがマウリシオ。この失点場面だけでなく、後半も何でもない場面なのに危険な位置でファウルを犯してイエローをもらうなど、らしくないプレーが目立ちました。

・しかし、この試合の川崎は甚だ迫力に欠け、先制後も「浦和にボールを持たせてる」と解釈するにはボールの奪いどころでの出足、ボールを奪ってからの出足とも鈍くてこちらも決定機らしい決定機は僅少。先制後の決定機は31分西川のキックが直接エウシーニョに渡ったところから小林&エウシーニョと立て続けに際どいシュートを放った場面だけでしょうか。

・ところが、すっかり腰が引けて自陣で守備ブロックを固めるだけの相手に浦和もこれといった攻め手なし。浦和のビルドアップには多少工夫が見られ、攻撃時は遠藤が最終ライン近くに下がり、IHが下がってSHが中へ入る反面SBが高い位置を取る3-4-3、あるいは3-2-4-1っぽい形になる場面が目立ちましたが、冒頭記したようにほとんど決定機らしい決定機は作れず。

・ズラタンに縦パスを送っても誰もいないところに叩いてしまう場面が目立ったのに象徴されるように普段の控え組が多いのでコンビネーションに難があり、パススピードも遅ければ、パス出しの判断も遅くて緩急を付けられず、逐一「指差し確認」しながらボールを回しているようでは川崎の守備ブロックは崩れようがありません。またサイドに展開してアホほどクロスを送ったところで、送った先に工夫も何もなく、悉く川崎CBに弾き返されて攻撃終了。

・多少なりとも惜しかったのは40分遠藤縦パス→バイタルエリアで矢島→長澤→矢島のシュートは惜しくも枠外。49分森脇クロス→ファーで高木折返し→ズラタンのヘッドは力なくGK正面。あとAT突入直後の矢島クロス→途中投入の槙野どフリーでヘッドも枠外。それくらいでしょうか。

・試合後に巻き起こったブーイングはおそらく審判団に向けられたものでしょうが、浦和の不甲斐ない出来に向けられたと解釈されても特に不思議はなかったかと。

-----ズラタン-----
高木-矢島--長澤-武藤
-----遠藤-----
菊池-マウリシオ--阿部-森脇
-----西川-----

(交代)
74分 高木→梅崎
82分 菊池→槙野
84分 長澤→柏木

・前述のように矢島は戦術的に引いた位置を取る場面が多かったのですが、悪く言えばIHの位置に置いておくと相手のボールの奪いどころになるだけなので敢えて位置を下げているようにも見受けられました。そしてプレッシャーのない位置からやたらスルーパス一発狙い。相手のプレッシャーのきついところで体を張るしんどい仕事は武藤や長澤に任せて逃げまくっているようにも見え、そんなんでええのか?という気も。そして案の定武藤がヘロヘロに。

・中へ入る場面は多かった高木は川崎の対空砲火を浴びまくってボコボコされて持ち味を出せず。SHに中へ入るタスクを課すなら梅崎のほうが適任と思いましたが、高木→梅崎の交代でプレースキッカーがいなくなってしまい、梅崎があんまりなCKを二回蹴ったためか、堀監督は慌てて柏木を投入する羽目に。

・久しぶりにスタメン出場した選手の中で唯一の収穫は森脇。序盤は守備にかなり重きを置いた風でしたが、徐々にいかにもSBっぽくタイミングよく攻撃参加し始めて高精度のクロスを連発。攻撃では遠藤SBよりはるかに期待できるだけに、堀監督が相手に応じて上手く使い分けてくれるといいのですが。

003

-----小林-----
阿部---中村---家長
----ネット--大島---
車屋-谷口--奈良-エウシー
-----ソンリョン-----

(得点)
14分 小林

(交代)
78分 阿部→登里
90+1分 中村→田坂
90+4分 小林→森本

・浦和ACL優勝に関する「裏のMVP」と言っても過言ではない車屋には選手紹介時スタンドのあちこちからパラパラと生暖かい拍手(笑) しかしこの試合では持ち味の「16文キック」は見せず仕舞い。

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2017.11.26

【観戦記】ACL2017・決勝第2戦:浦和 1-0 アルヒラル ~ 耐えに耐えて堂々10年ぶり2度目のアジア制覇!!

・ここまで長く、辛い道のりでした。10年ぶりに掴んだアジアのビッグタイトル。国内タイトルをいくら掻き集めてもなかなか手が届かない、非常に難易度が高いACLのタイトルをついに奪回。真に感慨無量。

・決定機の数では相手を凌駕しながらタイトルを逃し続けた浦和が、決定機なんてほとんどない試合内容でビッグタイトルを掴むとは!あれもサッカー、これもサッカー。「良い内容のサッカーとは何なのかね?」と哲学的な問いを突き付けられたような試合でしたが、それでもビッグゲームは結果が全て。

・とにかく失点さえしなければ浦和が優勝という状況。第1戦でもぎ取ったアウェーゴールの重みを最大限に生かして相手の良さを消しに消し、得点どころか決定機すらなかなか掴めなくなって焦りだした相手に決定的な1点をもぎ取って逃げ切ってしまう。なんという粘り強さ!娯楽性なんて投げうって勝負に徹したと言わんばかりの試合内容。ある意味隙がない横綱相撲。いやはや、こんな試合を浦和がやるようになるとは!

015

・堀監督は第1戦の前半でボコボコにされかかったものの、後半それなりに立て直しに成功したことでアルヒラル封殺策に手応えを感じたのでしょう。とにかく相手に自由にボールを展開させてはいけない。特にサイドへの大きな展開を。そのため第1戦とは打って変わってこの試合では積極的に前からプレッシャーを掛けに行きました。

・また第1戦後半途中から4-4-2にシフトしたのが奏功したと判断したのか、この試合では柏木が引き気味な代わりに長澤が前残り気味になる4-2-3-1ないし4-4-2っぽい布陣を採用して青木の負担を軽減しながら中盤の守備をよりタイトに。

・この策は悪くはなく、アルヒラルは第1戦で何度も見せたお得意のサイド攻撃を封じられてしまいました。スタメンに出場停止明けのマウリシオではなく、第1戦でチンチンにやられた宇賀神が名を連ねたのには心底驚きましたが、この日の宇賀神は何だかんだと大過はなく、48分にスライディングを交わされてクロスを上げられたのがやばかったくらい。

・とはいえ、アルヒラルもノーチャンスだったわけではありません。浦和の中盤のタイトなプレッシャーをパスワークで巧みに掻い潜って時折バイタルエリアへ進出してきます。26分に長澤のボールロストからバイタルエリアで29番(アルダウサリ)に際どいシュートを撃たれてから浦和は防戦一方になり、42分にはハーフライン付近でクリアボールを拾われたところからカウンターを浴びて金髪の16番(ミレン)がどフリーでシュート。後半立ち上がりは自陣深くに押し込まれ、なんとかボールを奪回しても前に蹴りだすのが精一杯になり、すぐさま相手に拾われて波状攻撃を浴びるテイタラク。

・ただ残念ながらアルヒラルはフィニッシュに精度を欠いて好機のシュートは悉く枠外。中央突破を何度も試みるもひと手間多くて、あと一歩のところで浦和DF陣にブロックされてしまう。アルヒラルに上海上港の反則級外国人選手が一人でもいたら浦和はボロ負けしていたような気がしてなりませんが、いないものはいないんだから仕方がない。おまけに最も怖い77番(フリビン)が前半宇賀神に削られて傷んでしまい、62分に交代を余儀なくされる不運も。

・よって苦しい時間帯が長かった割にはアルヒラルに許したシュートはわずか7本。しかも危ない形は何度かあったとはいえ、西川がヒヤッとするようなシュートは一本もなかったような気がします。

・アルヒラルの攻勢を一頻り凌いだ後、74分に満を持してマウリシオを投入。この辺りからアルヒラルに焦りの色が強くなり、第1戦同様ラフプレー連発。そんな愚行をイルマトフ主審が許すはずがなく、とうとう退場者を出す始末。非常に強いのは確かだが、こんなメンタリティーでACLのタイトルを掴めるはずがない。アルヒラルは終盤ロングボールを多用したパワープレー紛いの攻撃を仕掛け、当然ながらそこら中で肉弾戦が繰り広げられましたが、浦和はなんら当たり負けせず。これならハリルホジッチ監督も大満足でしょう。

・さらに堀監督は84分守備でヘロヘロの興梠に代えてズラタンを投入。この交代の前に興梠とラファエルがポジションを入れ替え、ラファエルが最前線へ出ましたが、これが最後の最後に効いてくるとは!

Dscn5749

・実利重視、守備重視と割り切っているせいか、浦和の攻撃はお粗末極まりなく、立ち上がりに高い位置でのボール奪取が奏功して長澤に2度決定機があって以降はなかなか好機らしい好機も掴めず。ビルドアップはすっかり下手くそになってしまい、ボールを奪ってもなかなか前線へ繋げない。なんとか興梠に繋いでも興梠はいつも孤立無援でどうにもならず。長澤なり柏木なりからスルーパス一発を狙うだけ。しかも興梠にもラファエルにも合わないという、攻撃に関してはまるでJ2下位チームみたいな惨状でした。

・しかしとにかく相手に点を与えなければいい。セットプレー一発でも、カウンター一発でもいい。攻めにはリスクを掛けない。そういう割り切りが最後の最後で実を結んだのでしょう。73分柏木FK→興梠ヘッドは決まりませんでしたが、88分にそれまで全く良いところがなかったラファエルが渾身の一撃!!相手のクリアボールを拾った武藤がラファエルへ送ったボールは緩く、簡単にクリアされるものと思ったところ33番のCBがまさかの空振り(爆笑) 難なく裏抜けに成功したラファエルが弾丸シュートをネット上部に突き刺して浦和に待望の先制点!!

・とはいえ残り時間はATを含めて5分程度あり、これまでの浦和の「やらかし体質」「浦和の数的有利は浦和の不利」という定番の都市伝説を考えれば同点に追いつかれる可能性は少なくないとすっかり負け癖の付いた私個人としては気が気でなりませんでしたが、ラファエルのゴールでアルヒラルはすっかり心が折れていて反撃らしい反撃もできず。堀監督は念には念を入れて時間稼ぎで柏木に代えて梅崎を入れ、そのまま楽々逃げ切り。

・これで久しぶりにCWCへの出場も決定。しかも開催国枠というチンケな形ではなく、ACL優勝チームとしての堂々の出場。おまけに日本勢初の海外で開催されるCWCへの出場なので一段と価値が高い。CWCでの激闘を慮るあまり、あと2試合リーグ戦が残っていることなんてすっかり忘れてしまいそうですが(苦笑)。

-----興梠-----
ラファエル---長澤---武藤
---青木--柏木---
宇賀神-槙野-阿部-遠藤
-----西川-----

(得点)
88分 ラファエル

(交代)
74分 宇賀神→マウリシオ(槙野が左SB、マウリシオがCBへ。さらに興梠が左SH、ラファエルがFWへ、柏木と長澤も前後入れ替え?)
84分 興梠→ズラタン(武藤が左SH、ズラタン右SH)
90+3分 柏木→梅崎

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2017.11.19

【TV観戦記】ACL2017・決勝第1戦:アルヒラル 1-1 浦和 ~ 前半火だるまにされながら貴重なアウェーゴール付きのドロー!

・ファーストチャンスを活かして幸先良く先制したものの、その後は浦和左サイドを徹底的に狙われて大炎上!! 一方浦和はボールを蹴りだすののが精一杯で攻めるに攻められず、これでは前半のうちに同点に追いつかれるどころか逆転を許すのも時間の問題と思われる極めて厳しい展開でしたが、西川の奮戦でなんとか1失点だけで前半を凌いだのがこの試合のキーポイント。

・後半になっても浦和に攻め手がないのは相変わらずでしたが、アルヒラルの攻撃も尻すぼみになってしまい、前半のスコアのまま動かずに1-1のドローで試合終了。奇しくも準決勝第1戦と全く同じスコア。アウェーゴール付きのドローなので浦和は若干有利な状況で第2戦のホームゲームを迎えることが出来ます。内容は相当改善の余地があるものの、上々の結果といって差し支えないでしょう。

・アルヒラルはホームで無敵の強さを誇っていただけにドローで終わってしまうのが相当不本意だったようで、終盤はラフプレー連発。主審もイエローカードを7枚も出してアルヒラルのラフプレーを野放しにしていたわけではありませんが、西村主審なら間違いなく退場者が出ていたでしょうに。組織性では上海上港より格段に上で、浦和にとってやりづらい、非常に手強いチームだったことは確かなだけに、ラフプレーの多さには閉口しました。

・後半半ばを待たずにラファエルが負傷交代を余儀なくされてしまいましたが、概して浦和はラフプレーに対して変に激昂することなく淡々と試合を進めていったあたり、こういう手合いへの慣れを感じました。リーグ戦では意図的に挑発してくる相手の狙いにマンマと嵌って痛い目に遭いましたし、浦和もそれなりに進歩しているのでしょう。

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・終わってみれば浦和のシュートはたった6本。CKに至ってはとうとうゼロ。後半はまだしも前半は一方的にボールを支配され、ほとんど攻め手らしい攻め手を見いだせなかったにも関わらずアウェーゴールを持ち帰れたのはほぼ奇跡といって差し支えないでしょう。7分カウンターのチャンスで長澤→ラファエルが左サイドで2番を振り切ってそのままエリア内侵入。興梠へのクロスは緩かったものの、こぼれ玉にラファエルが詰めて先制!! ラファエルのスピードが活き、かつ運も味方した得点でした。

・対戦する機会のないもの同士の一戦なので、いくら事前にビデオ等で研究していてもやってみないことには判らないことはごまんとある。相手はラファエルのスピードに面食らったのかもしれません。相撲で言えば立ち合いに一発張り手をぶちかまして、相手が怯んだところをそのまま寄り切ってしまったような得点といっても差し支えないでしょう。そしてその後は試合終了間際に途中出場の梅崎が際どいシュートを放つまで浦和は決定機らしい決定を作れず。そんな内容だっただけに実に貴重なアウェーゴールでした。

・マウリシオを出場停止で欠く浦和はCBに槙野が入り、左SBに宇賀神が入る布陣。左SBがレギュラーではないことをアルヒラルが研究していたのか、とにかく前半は宇賀神が狙い撃ちされました。アルヒラルが左から右へ大きく振って宇賀神の裏を狙う、あるいは単にハイボールを宇賀神と競らせる。そして追い返しをハルビン(77番)などがシュート。そんな形の攻撃が何度も見られました。浦和がピッチを大きく使って揺さぶってくるチームには弱いのはJリーグでもまま見られる光景。

・23分には宇賀神がサイドチェンジ一発で2番に裏を取られて折返しをフリーでハルビンに撃たれるも西川が身を挺してセーブ。33分にはハルビンにスルーパスを通されるも西川が再びセーブ。しかし、37分ハイクロスに対して宇賀神が2番に競り負け、折り返しを29番→ハルビンと繋がれて失点。何度も同じ形を作られた挙句の必然的な失点でした。ATにもクロスをハルビンに折り返され、シュートがゴールマウス直前を横切る大ピンチ。

・また様子見というか、相手の出方を窺うつもりだったのかもしれませんが、前半の浦和はほとんど前からプレッシャーをかけずにリトリート。必然的に最終ラインが深くなりすぎ、なんとかボールを奪い返してもアルヒラルのプレッシャーがきつくて前線にボールを運べず、単にボールを蹴りだすだけになって波状攻撃を浴びる悪循環に。先制点を奪えたとは言え、前半の試合運びはちょっと消極的に過ぎました。

・後半も立ち上がりにCKからの流れでヒヤリとさせられましたが、終わってみればアルヒラルの大攻勢はそこまで。浦和は前半よりは前からプレッシャーをかけに行くようになり、最終ラインも幾分上がってアルヒラルのサイド攻撃を容易には許さず。またボールも多少持てるようになって、休む時間を作れるようになりました。ホームのアルヒラルのほうが先に失速するのは意外で、前半飛ばし過ぎたのかもしれません。後半はどちらかといえば遠藤を狙っている風でしたが、さして奏功せず。

・攻撃の頼みの綱と化しているラファエルが65分に負傷交代を余儀なくされるアクシデントがあり、ズラタンを投入してから4-4-2っぽい布陣に変わりましたが、これもアルヒラルのサイド攻撃封じに多少役だったのかもしれません。

・前半から前目の選手はほぼ守備しかやっておらず、見るも無残な疲労困憊ぶり。堀監督は欧州遠征の疲れもあったであろう長澤&興梠を順次下げて、梅崎・高木と投入。武藤がヘロヘロヨレヨレのまま放置を余儀なくされましたが、アルヒラルも攻め手を欠いてミドルシュートを散発的に放つだけに留まり、しかも西川をなんら脅かすことなくそのまま試合終了。

・ほんの少しだけれども、有利な状況での折返し。浦和の得点機がほとんどなかったことを考えれば、第2戦で先にアウェーゴールを奪われると一気に苦しくなってしまう気もします。しかし、アルヒラルの得意な手口も判明。マウリシオが戻り、槙野が左SBに入ればあそこまでサイドをぼこぼこにされることもないでしょうし、何より埼スタでは腰が引け過ぎた試合運びに陥ることもないでしょう。第2戦が実に楽しみです。

-----興梠-----
ラファエル-長澤-柏木--武藤
-----青木-----
宇賀神-槙野-阿部-遠藤
-----西川-----

(得点)
7分 ラファエル
37分 ハルビン

(交代)
65分 ラファエル→ズラタン(負傷による交代。4-4-2に布陣変更?)
77分 長澤→梅崎(梅崎左SH)
87分 興梠→高木(高木が左SH、梅崎右SH、武藤がFWへ)

・さすがは浦和の精鋭中の精鋭。クラブ&外務省等々多くの方々のご尽力もあって、なんとかリヤドに渡れたのは240名。当然現地では極端な数的不利。それにも関わらず「あーかき血のいれーぶん」等々、数々のコールがしっかりと聞こえてくる。あれには感動した。そして何よりお疲れ様でした。

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2017.11.06

【DAZN観戦記】17年第32節:鹿島 1-0 浦和 ~ 結果は逆だが内容はほぼ広島戦のリプレイ

・勝つには勝ったが内容はいたって低調だった広島戦をほぼなぞったような試合。ただ相手は広島より格段に強いので広島戦で決まった「かいしんのいちげき」はチャンスすら与えてもらえず、逆に広島が外しまくったような決定機をきっちり決められる。ただそれだけの試合でした。「残留争い組にはなんとか勝てるが、中位相手には引き分け止まり。そして上位相手にはホニャラララ」という堀の法則の鉄板ぶりを確認しただけの試合と言っても差し支えないでしょう。

・鹿島は優勝目前で是非とも勝ち点3が欲しい立場なのに対し、浦和は数字上ACL圏入りの可能性を残しているだけのほぼ消化試合。よってスコアレスのまま終盤にもつれ込めば勝ち点3欲しさに焦る鹿島にカウンターでワンチャンスあるかも!と低調な試合内容にも関わらずわずかに望みを繋いでいましたが、そこはさすが鹿島。最後まで慌てる素振りを見せず、終盤に巡ってきた決定機をしっかり決めて、後は楽々逃げ切り。

・守備陣はそれなりによく頑張りました。よって強い相手に対してスコアレスドローで終えられたならACL決勝へ向けて評価できたかもしれません。しかし守るのが精一杯で反撃はままならず、負けてしまえばこの内容では何も残りません。シュート数はたった3本。点が取れる可能性は無いも同然で、勝てる要素は皆無の残念な試合、しかも広島戦の試合内容からすれば十分予測の範囲内でしかない試合でした。

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・浦和はマウリシオがスタメンに復帰して宇賀神がベンチスタートとなり、現状のベストメンバー。序盤は鹿島に一方的に押し込まれ、9分遠藤康のFKに西川が逆を取られてヒヤッとした他、18分レオシルバ→金崎などバイタルエリアでしっかりパスを繋がれて決定機を作られた場面が2、3度あったかと思います。ただそれでも前半はかろうじてDF陣が最後の最後でなんとか寄せて西川を脅かすようなシュートは撃たせませんでした。

・52分にロングカウンターを喰らってレアンドロ→土居のミドルシュートという決定機を許した以降は、鹿島にこれといった攻め手を与えず。ここままスコアレスで推移すればそんなに悪い試合でもないと総括できたかもしれませんが、残念ながら74分青木にアクシデント。終わってみればこれが試合結果に微妙な影を落とすことに。

・ベンチにアンカーができそうな選手が一人もおらず堀監督の対応策を注視していたところ、なんと長澤がアンカーに。森脇を右SBに入れて遠藤航をアンカーに上げる策とどちらがマシなのか判りませんが、堀監督は最終ラインを弄りたくなかったのかもしれません。

・もっとも失点を喫した後に森脇を右SBに入れて遠藤航をアンカー、長澤をIHに戻したところを見ると、青木故障時の代替プランはなくただ迷走しただけのような気も。ただでさえ今のシステムは機能しているとは言い難く、選手の個人能力でなんとかしているに過ぎないからこそ複数人の配置転換を伴う選手交代が全く苦にならないという皮肉な現象。

・80分の失点はロングボールを昌子が跳ね返したところからのロングカウンター。浦和左サイドから西がクロス→ファーのレアンドロがフリーでゴール。フリーのレアンドロに気がついた柏木が鈍足を飛ばして必死に追いかけるも遠く及ばず。クロスをファーの選手に合されて失点というパターンはミシャ時代から見慣れた光景。

・1失点は喫しましたが鹿島に山のように決定機を許した挙句の失点というわけではなく、曲がりなりにも粘り強く守れるようにはなった。これがこの試合の最大かつ唯一の収穫でしょう。一方話にならないのが攻撃。広島戦の出来をみれば予想は付きましたが、90分を通じて全く何も出来ませんでした。まぁ相手の攻撃を凌ぐのが精一杯で反撃に繋がるような「良いボールの奪い方」が出来ていないので攻撃も成り立たないとも言えますが。

・鹿島は高い位置から猛然とプレッシャー。それに引っかかってショートカウンターを喰らう愚こそ犯さなかったものの、浦和は安全地帯でゆっくりボールを回すだけ。試合の流れからすれば意外なことにボール支配率は浦和のほうが上でしたが、縦パスを入れられずに相手にとって何の怖さも感じないところでひらすらパスを回しているだけなので、ボール支配率に積極的な意味はありません。

・そして思い出したように縦ポンで興梠なりラファエルなりを走らせての裏狙い。広島戦でもこの単純極まりない攻撃が目立ちましたが、広島にすら通用しなかった(ラファエルに決定機がありましたが)この攻撃が鹿島に通用するわけがない。いつから浦和は「兎ぶつかれ木の根っこ」みたいな攻撃で満足するようになったのか??

・たまにカウンターの機会を掴みそうになるものの、そこは鹿島のズル賢さ、イエロー覚悟のファウルでしっかり阻止。

・広島戦の得点に繋がった人数をかけたサイド攻撃が見られたのは序盤に遠藤航のクロス→興梠ヘッドがあっただけ。しかもこれが前半唯一のシュートだったというお笑い種。いやはや、攻守のバランスが決定的に崩れてぶっ壊れてしまったチームが、まるで攻撃が成り立たないという形で再度壊れるとは(苦笑)。

・お先真っ暗な試合内容でACL決勝を迎える羽目になった浦和。おまけにどうでもいい親善試合になんと5人も選手をぶっこぬかれ、リーグ戦中断期間中にロクに修正もできないどころか、下手をすると中2日でACL決勝第1戦に臨む選手も出かねないという苦しい状況に立たされました。しかし、それでもACLではリーグ戦とは違ったスイッチが入る。そう信じたいものです。

P.S.

・DAZNの解説は三浦俊也氏。「シルバが良いですねぇ!」とどちらのシルバだか判らないフレーズを連発して、相方の西岡アナが対応に難儀していたのはともかく、最近の浦和の試合を全然見ていないのではないかと思われるコメントが多くて閉口しました。

-----興梠-----
ラファエル-長澤-柏木--武藤
-----青木-----
槙野-マウリシオ--阿部-遠藤
-----西川-----

(交代)
74分 青木→ズラタン(負傷による交代。ズラタン1トップ、興梠IH、長澤がアンカーへ)
83分 柏木→高木(高木が左SH、武藤がIHへ)
88分 武藤→森脇(森脇右SB、遠藤がアンカー、長澤がIHへ)

---金崎--土居---
レアンドロ-------遠藤
---シルバ--三竿健--
山本-昌子--植田--西
-----曽ケ端----

(得点)
80分 レアンドロ

(交代)
78分 土居→鈴木
81分 遠藤→伊東
88分 レアンドロ→永木

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2017.10.31

【観戦記】17年第31節:広島 0-1 浦和 ~ 本当にこれを来年もやるつもりなの???

・先週に続いて試合日に台風がやって来た一戦。幸いなことに台風は午前のうちに広島から遠ざかってゆき、キックオフ時には晴れ間も出てきました。そういう意味では運に恵まれた試合でしたが、試合内容はお寒いのなんの。降格圏を彷徨う広島はもちろん、浦和の出来もぱっとせず。低調なチームの出来を反映してどちらも決定機というか見せ場は僅少で、数少ない決定機を一つだけ決めた浦和が辛うじて広島を下しただけの塩試合。試合内容からすればドローが妥当でしょう。

・いわば丸焼けからの再建途上のチーム同士の一戦で、それでも浦和は一応雨露を凌げるだけの鉄筋コンクリート造りの建物が何軒か残っていて再建本部として機能しているのに対し、広島は本当に一面焼け野原で何にもない。そんな差でしかない試合だったように思います。もっとも浦和に残った鉄筋コンクリートの建物も傷みが酷くていつ倒壊するか判らず、一歩間違えれば来年は広島と同じ状態になる恐れも。

「残留争い組にはなんとか勝てるが、中位相手には引き分け止まり。そして上位相手にはホニャラララ」というのがもはや「堀の法則」と化していますが、次節鹿島戦はその法則の鉄板加減を確認する羽目になるのかどうか・・・

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・浦和はゴールシーンこそ見事でしたが、前半はボールを持っても広島守備ブロックの前でボールを回すだけの時間帯が長くて退屈のなんの。広島は前節の4-1-4-1から青山&稲垣の2ボランチによる4-2-3-1にフォーメーションを戻したのが奏功して柏木&長澤に自由を与えず、浦和は縦パスをほとんど入れられないので高い最終ラインでコンパクトな陣形を保つ広島を押し込むことさえままならず。

・よって浦和は思い出したように興梠なり両SHなりを広島最終ライン裏へ走らせるだけの単調な攻めに終始。何度も見られたこの単純な「裏狙い」が嵌って勝ったなら監督の狙い通り(といっても選手の個人能力に頼りきるというトホホなレベルですが)の勝利というポジティブな見方もできるでしょう。

・前半終了間際には林のゴールキックを青木が跳ね返していきなり興梠が裏抜け。後半には50分遠藤持ち上がる→ラファエル裏抜け、59分長澤→ラファエルが複数人のDF相手に勝負といずれもカウンターから少ない手数で決定機を作りましたが、いずれも決められず。

・そしてこの試合唯一のゴールはこの裏抜け大作戦ではなく、なんとSBが攻撃参加しての見事な崩し。武藤が中へ入ることで生まれたスペースに遠藤が入り込み、青木→遠藤→長澤ダイレクトボレー。武藤がエリア内まで入ってきたので浦和はエリア内で3人、広島DFは2人になり、結果的に長澤がどフリー。いやぁ、これは見事!!

・遠藤のクロスからの得点はアウェー仙台戦でも見られたので攻撃オプションの一つなのでしょうが、残念ながらその形を試合中に数多く作れているようには見えず、広島戦についていえば再現性の低い「かいしんのいちげき」に近かったような気がします。

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・しょっぱい試合にあえて「良かった探し」をすればマウリシオを出場停止で欠くACL決勝第1戦に備えてマウリシオ不在の最終ラインをテストし、かつ曲がりなりにも無失点で抑えたこと。神戸戦で大失態を犯した宇賀神は安全運転に終始したので評価は微妙ですが、CBに転じた槙野は最後にパトリックに抜け出しを許した以外は悪くない出来でした。

・ただ浦和が完封勝ち出来たのは広島の攻撃が浦和以上にお粗末だったからだとも。前半はCKから青山枠内ミドルが唯一の決定機でそれ以外は全く何も出来ず。後半になって50分パトリック→ロペス、52分高橋クロス→ロペスと決定機を作りながらいずれも決められず。76分に皆川を投入した後は早々とパワープレーに転じ、85分阿部がパトリックに競り負けてフェリペの前にボールが転がる場面がありましたが、これも決められず。そして最後はパトリックが裏抜けに成功するも西川がセーブ。

・前節川崎戦は結果的に大敗しましたが決定機は結構作っており皆川を筆頭に決定力だけが残念という印象を受けましたが、浦和戦は青山の故障も響いてか決定機自体が少なく、結果は惜敗だが内容は川崎戦より後退したように見受けられました。浦和には時折思い出したようにコンビネーションプレーを繰り出せるだけの遺産が残っていますが、広島はもう何にも残っていない。よたよたとなんとかボールを運び、その後は外国人FWの個人能力頼み。そしてこの外国人FWが実にしょっぱい。そもそもパトリックに裏抜けを狙わせずに、1トップでポストプレーを期待するのが間違いと思いますが。

・監督を代えて残留争い組から勝ち点を稼ぎに稼いだ数試合で実証されてるように広島の守備は残留争い組の中ではかなりマシなほうだと思いますが、その反面あまりにも攻撃力が乏しくて先制されたらその時点でほぼ試合終了。もう中上位相手の試合しか残っておらず、こちらの道のりも相当厳しそう。

022

-----興梠-----
ラファエル--長澤-柏木-武藤
-----青木-----
宇賀神-槙野-阿部-遠藤
-----西川-----

(得点)
61分 長澤

(交代)
72分 柏木→矢島
81分 武藤→ズラタン
87分 興梠→梅崎(梅崎が左S、ラファエルが1トップへ)

・前節G大阪戦でラファエル左SHが嵌ったのに気を良くしてか、武藤がスタメンに復帰した今節もラファエルを左SHに据え置き。前半40分くらいに武藤と左右を入れ替えてみたもののさしたる効果はなく、後半いつの間にか元通りに。

・柏木→矢島の交代は柏木のコンディションの問題でなければ趣旨不明。ズラタンの投入はパワープレー対策を兼ねられるので理解できますが、下げたのが武藤なのも趣旨不明。守備をそれなりにやるようになった反面電池切れも早くなったラファエルを下げるものだと思ったのですが・・・ そして最後の交代カードでもラファエルを下げず。

・相手にカウンターをチラつかせる趣旨でラファエルをピッチに残すのは理屈の上では悪くないのですが、残念ながら一連の選手交代以降カウンターの形なんて全然出来ておらず、単に中盤の守備力を下げて広島のパワープレーをやり易くしただけに終わった気がします。終盤フェリペなりパトリックなりに一発決められていたら、この選手交代がボロクソに批判されたと思いますが。

023

-----パトリック----
柏----柴崎---ロペス
---稲垣--青山---
高橋-水本--千葉-丹羽
------林-----

(交代)
39分 青山→野上(故障による交代)
68分 丹羽→フェリペ(高橋が右SB、柏が左SB、フェリペが左SHへ)
76分 柴﨑→皆川(4-4-2に変更?)

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2017.10.23

【観戦記】17年第30節:浦和 3-3 G大阪 ~ 中位チームには毎度引き分け止まりというお約束(苦笑)

・台風21号の接近で風雨とも激しく、埼スタの屋根は何の役にも立たずにスタンドの奥にまで雨が吹き込んでくる観戦者にとっては非常に厳しい環境。そんな中でも埼スタのピッチは思いの外良好で、少なくとも「田んぼの中での単なる蹴り合い」にはならず、繋ぐべきところはしっかり繋ぐ普段通りのサッカーができ、悪くはない試合内容で3度リードしながらその度に追いつかれて引分け。磐田・鳥栖・神戸・G大阪と中位チーム相手には全て引き分けという、これまた普段通りの結果に留まりました。

・閉塞感としか言いようがなかった前節神戸戦と比べれば内容は格段にマシですが、3点も取られて「内容は良かった」はない。しかも攻守のバランスが悪くて得点も多いが失点も多いという判りやすいミシャスタイルの問題と違って、現状は失点のあり様が実に多彩で手の施しようがあるのか、いや手を施す気があるのか疑わしくなるくらい。ザルが壊れたので別のザルに代えただけに終わっている現体制を来年も続けるのでしょうか???

・また上海上港戦の激闘から中3日にも関わらず、スタメンは武藤→ズラタンと1名代えたのみ。超重馬場なので矢島や高木などスキルフルだがパワーに乏しい選手は使いづらいのだろうと好意的に解釈しましたが、案の定後半半ば以降失速気味に。スタメンに無理があるのは堀監督も了知していて早目に選手を代えては来ましたが、選手交代がどうにも嵌らず、3度追いつかれる一因になってしまいました。

・特に消耗が激しくはないズラタンを早々と下げたのは謎。ズラタンは攻撃面ではあまり良いところがありませんでしたが、セットプレーの守備で高さを失い、高木の出来も良いとは言い難かっただけに、選手交代による収支は結果的にマイナスだったような。選手交代の拙さゆえに勝てる試合を勝ちきれないというのは結構辛いかと。

Dscn4045

・繰り返しになりますが前節神戸戦と比べれば内容は格段にマシというか、故障者が多いこともあってかG大阪は信じ難いほど弱くて浦和はビルドアップには全く苦労せず、球際も概して浦和が優勢で必然的に前半から浦和が押し気味の展開。もっとも前半は押し込んではいても概してG大阪守備ブロックの周りでボールを回すだけに終わり、20分遠藤縦ポン→ラファエル裏抜けのビッグチャンスがあったくらい。ただG大阪にはほとんど何もさせず、35分右サイドで遠藤航が安易に飛び込んだのが仇となってそのままウィジョにエリア内シュートまで持ち込まれた場面があっただけ。

・ところが後半になると浦和の攻撃陣がついに爆発。50分ラファエルの得点はセンターサークル付近からの青木の突進が契機。興梠とのワンツーは実りませんでしたが、東口が弾いたこぼれ玉をラファエルが詰めてゴール。青木にいとも易々とバイタルエリアまでボールを運ばれてしまうG大阪の3ボランチとは何なのか。

・65分のラファエル2点目も見事。スカスカのG大阪バイタルエリアで遠藤航→長澤→ラファエルと繋ぎ、ラファエルが左サイドから巻いてゴールマウス右隅を狙いすましてゴール。ラファエルを左SHに回したのは大正解。対峙する右SB初瀬はポジショニングといい、単なる1対1といい概して守備に難があるようでラファエルにボコボコにされてしまいました。

・73分はマウリシオのボール奪取からのカウンター。柏木がぽっかり開いた中盤で楽々ボールを運んでスルーパス→興梠というよくあるパターン。興梠は神戸戦&上海上港戦と決定機を決められずに調子落ちぽかったのですが、この試合興梠に訪れた唯一の決定機を決めてくれました。

・興梠に代わって投入された梅崎にも79分決定機が2度。ただ梅崎投入で下げたのがラファエルではなく、興梠だったというのが守備を考えれば甚だ疑問。消耗が酷い点ではラファエルも興梠も大差はなく、堀監督の「ラファエル信仰」が結果的に首を絞めた気も。

・得点パターンは多彩で、これだけ取り出せば神戸戦で感じた閉塞感も多少払拭できるのかもしれませんが、得点の度にすぐさま追いつかれるようでは喜ぶに喜べず。54分の失点は特に情けない。FKを蹴るのが遠藤保でも井出口でもなく初瀬だった意外感があったのかもしれず、ファーで遠藤保に抜け出された辺りは巧くやられた気もしますが、その後全員足が止まって折返しのウィジョに誰も付いていないのは実に酷い。競り負けですらないという酷い失点。

・67分の失点もなかなかのお笑い種。浦和左サイドに進出してきた遠藤保に易々をクロスを上げられたのも困ったものですが、エリア内の赤崎がどフリーというのがどうにも解せない。赤崎はそれまでほとんど何もしておらず、J1では力不足なのだろうと侮っていましたが、あれだけどフリーだとやられてしまいます。赤崎はこれが今季初ゴール。

・興梠のゴールで何とか逃げ切れるかと思ったのですが、ATになって落とし穴。長谷川監督は81分に長沢を投入して得意のセットプレーに活路を見出す手に出ましたが、それに対する堀監督の柏木→李という交代がなんとも微妙(しかもいつも通り3枚目のカードはなかなか切らない)。守り切るなら那須投入があっても不思議はなく、あくまで追加点を狙うなら柏木を外す手はないはず。

・初瀬CKに対して阿部が被ってしまい、呉屋には長澤が付いていましたが及ばず。マヌケ度はもっとも低い失点でしたが、こうなる前に打つ手はあったような気がしてならない残念すぎる結末でした。

Dscn4046

-----興梠-----
ラファエル-長澤-柏木-ズラタン
-----青木-----
槙野-マウリシオ--阿部-遠藤
-----西川-----

(得点)
50分 ラファエル
64分 ラファエル
73分 興梠

(交代)
65分 ズラタン→高木
77分 興梠→梅崎(梅崎が左SH、ラファエルが1トップへ)
90+1分 柏木→李

・リーグ戦では初スタメンの長澤はこの日も大活躍。執拗に絡んでくるG大阪守備陣をものともせずに身体を張ってボールを保持して前線へボールを運ぶ、運ぶ。しかも単なる運び屋に留まらず、試合を重ねるにつれて周囲との連携も良くなり、気のきいたパスも出せるようになりました。2点目は長澤のアシスト。あえて難を言えばIHとしては自ら点を取りに行く姿勢に欠けるところかな。長澤の大ブレイクが今年最大の収穫かも。堀監督が就任当初に抜擢した菊池でも矢島でもなかったというのが皮肉ですが。

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---赤崎--ファン----
-----遠藤-----
-井手口-中原--倉田-
藤春-今野--三浦-初瀬
-----東口-----

(得点)
54分 ファン・ウィジョ
67分 赤崎
90+2分 呉屋

(交代)
68分 遠藤→米倉(中原&井手口の2ボランチの4-4-2へ)
75分 赤崎→呉屋
81分 中原→長沢(倉田がボランチ、ウィジョが左SHへ)

・出場停止明けの倉田がスタメンに復帰し、故障したオ・ジェソクに代わって初瀬が右SBに。また新聞報道通り新潟戦ではベンチだったFW赤崎、MF中原をスタメンに抜擢。

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2017.10.21

【展望】17年第30節G大阪戦

・春にはJリーグを代表する強豪チーム同士らしい熱戦を演じていたのに、半年経って秋も深まった頃には両チームともボロボロになって再戦する羽目になるとは・・・奇しくも同じようなタイミングで「サイクルの終わり」が訪れたチーム同士の消化試合です。

(成績)

・勝ち点40(11勝7分11敗)の10位といつの間にやら浦和に抜かれるどころかボトムハーフにまで転落。夏場に入ってからの失速が凄まじく、第13節鹿島戦以降の13試合で2勝2分9敗とわずか勝ち点8を積み上げたのみ。とうとう前節は絶望的な成績で最下位を独走するロペス新潟にすら不覚を喫するテイタラク。

・また天皇杯は4回戦で柏に敗れ、さらにルヴァン杯準決勝ではC大阪との第2戦試合終了間際に失点して劇的な形で敗退し、既に今年の無冠が確定しています。

・9月7日に長谷川監督との契約を更新しないことが公表されて以降全く勝っていないのでどうしても監督の求心力低下が取り沙汰されがちですが、成績低迷は既に7月から顕著になっており、契約非更改を公表しようがしまいがあまり関係なかったような気がします。もっとも来期はいないことが確定している監督のもとでだらだらと消化試合を続けるよりは暫定監督を立てたほうがマシだろうとのは一理あるでしょうが。

(戦力)

・宇佐美の離脱&パトリックの大怪我以降FWというか点取り屋が不足気味なので、堂安を育てようとしていたらあっという間に海外流出。思えばこれがG大阪の不幸の始まりだったのかも。

・夏の移籍期間でFWファン・ウィジョ(城南FC)を獲得した一方、大怪我から復帰したもののパフォーマンスが上がらずにベンチも叶わなかったパトリックを広島へレンタル。ファン・ウィジョは一応コンスタントにスタメン出場しているものの、ここまで11試合で2得点と点取り屋としては期待外れ。長身FWですが、どちらかというとスペースがあるところでスピードを活かすほうが得意っぽい「ツァ」系くさい感じ。守備はめちゃ献身的でいかにも長谷川監督が好きそうですが。

・皮肉なことにパトリックは広島で早速レギュラーポジションを掴んで3得点を挙げているので、この入れ替えは意味があったのかどうか。

・CBファビオ&三浦の加入で出番が少なくなった丹羽を広島へ完全移籍で出し、その穴埋めに千葉にレンタルしていた西野を呼び戻しましたが、西野は千葉でも出番がなかったくらいなので当然G大阪でも出番なしと、これまた謎の入れ替え。控えCBの即戦力が金しかいないのはいかにも苦しく、前節新潟戦では今野を久しぶりにCB起用。

・怪我人も多く、主力ではFWアデミウソン、CBファビオが故障。控えでもMF藤本、CB金が故障離脱中。さらに前節新潟戦でSBオ・ジェソクが故障。なお長期離脱していた呉屋は前節ようやくベンチ入り。

・また基本途中からの出場だった泉澤がアデミウソンに代わってここ4試合スタメン出場しているのが目を惹きます。タイプが違い過ぎますが(苦笑)

・浦和戦では出場停止明けの倉田がスタメンに復帰し、故障したオ・ジェソクに代わって初瀬が右SBに入る他、新潟戦ではベンチだったFW赤崎、MF中原のスタメン抜擢という噂も。

(戦術)

・前回対戦時には3バック&遠藤アンカーという俗称「遠藤介護システム」を試行している真っ最中でしたが、第8節には衰えの目立つ遠藤を単にスタメンから外す方向で「介護システム」はお蔵入り。遠藤自体はその後時折スタメンから外れる程度に留まっていますが、フォーメーションは元の4-2-2-2/4-2-3-1を基本に、相手なり戦況に応じて遠藤トップ下の4-3-1-2に変える形に戻っています。

・相変わらずG大阪は素早い攻守の切り替え&前からのプレッシャーが強烈。神戸戦でビルドアップ能力がガタ落ちになっていることを露呈してしまった浦和にとっては難儀な相手です。

・ただそのプレッシャーを交わされると信じがたいほど最終ラインが弱い。新潟戦は久しぶりに今野がCBに入って連携不足が祟ったのか、ギャップを突かれ突かれて新潟にすら決定機を山のように与える始末。東口の奮戦でなんとか1失点で済んだとしか言いようがない惨状でした。

・最近はまるで浦和のように無失点試合がほとんどないだけでなく、得点力も目に見えて落ちています。新潟戦を見るとかつてのG大阪からすれば信じがたいほど良い形で縦パスが入らない。深い位置からいきなり長沢へのロングボールを多用する風でもなさげ。

・アデミウソン不在でサイド貼り付き型の泉澤が入った影響なのかもしれませんが、サイドに展開してSHなりSBなりから長沢へのクロス攻撃に頼るしかなく、それはそれで面倒ですが手口が限られているだけによほどCBがマヌケでない限り守備側の対応は容易。高い位置でボールを奪ってからのショートカウンターが嵌れば良いのですが、ボールを持たされるとしんどくなっているみたいで。

(浦和の対応)

・双方とも完全に消化試合。浦和は上海上港戦から中3日なので、神戸戦&上海上港戦の連戦で消耗著しい興梠&武藤を休ませてもなんら不思議はありません。上海上港戦で出番のなかった矢島や高木、途中からの出場に留まったズラタン・梅崎・李がスタメンに名を連ねるかもしれず、良くも悪くも気楽な試合ゆえにスタメンが読みづらい一戦です。

・前述のように神戸戦ではビルドアップが壊滅して苦戦を余儀なくされましたが、神戸同様前から圧力をかけてくる相手を上手くかわせるようになったかが見どころ。

・また上海上港は「個は強烈だが組織性に乏しい」相手だったので浦和の守備が上手く嵌ってまさかまさかの完封勝ち。海外各紙から浦和の守備を絶賛され、普段の惨状を見ている者からすれば苦笑を禁じ得ませんでしたが、ボールをしっかり回して浦和の守備ブロックを振り回す相手、後方からSBなり井手口なりが湧きだしてくる相手、唐突に裏を狙ってくる相手にも破綻なく対応できるようになっているかも見どころ。

・またしても複数失点を喫して、上海上港戦が「夢幻の如くなり」にならなければ良いのですが(自嘲)。

------------------------------------------
<前節:G大阪 0-1 新潟>

---長沢--ファン----
泉澤--------井出
---遠藤--井手口--
藤春-今野--三浦--オ
-----東口-----

※倉田が出場停止。

(交代)
54分 長沢→中原
65分 井出→米倉
72分 オ・ジェソク→赤崎(負傷交代)

<前回:G大阪 1-1 浦和>

--長沢---アデミウソン--
オ--今野--倉田-初瀬
-----遠藤-----
-金---ファビオ--三浦-
-----藤ヶ谷----

(得点)
57分 今野:オのクロスをヘッド

(交代)
73分 藤ヶ谷→田尻(故障による交代)
82分 オ ジェソク→井手口(井手口がIH、今野が右WBへ)
89分 アデミウソン→赤崎

・シュート数16対4というスタッツが示すように、試合内容では浦和がG大阪を圧倒。前半そして終盤に決定機の山また山を作っていただけに、爆勝して然るべき試合内容でした。ところが、結果は相手にワンチャンスを決められ、ATになってなんとかPKを得ての引き分け。

・共にACLと並行しての過密日程ゆえ、だらだらぐだぐだの一戦になっても不思議はなかったのですが、意外にも緊張感溢れる試合となり、おまけに藤ヶ谷が故障して若い第4GKが突如J1デビューするというスパイスもあって、非常に見応えがある一戦でした。

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