2017.11.19

【TV観戦記】ACL2017・決勝第1戦:アルヒラル 1-1 浦和 ~ 前半火だるまにされながら貴重なアウェーゴール付きのドロー!

・ファーストチャンスを活かして幸先良く先制したものの、その後は浦和左サイドを徹底的に狙われて大炎上!! 一方浦和はボールを蹴りだすののが精一杯で攻めるに攻められず、これでは前半のうちに同点に追いつかれるどころか逆転を許すのも時間の問題と思われる極めて厳しい展開でしたが、西川の奮戦でなんとか1失点だけで前半を凌いだのがこの試合のキーポイント。

・後半になっても浦和に攻め手がないのは相変わらずでしたが、アルヒラルの攻撃も尻すぼみになってしまい、前半のスコアのまま動かずに1-1のドローで試合終了。奇しくも準決勝第1戦と全く同じスコア。アウェーゴール付きのドローなので浦和は若干有利な状況で第2戦のホームゲームを迎えることが出来ます。内容は相当改善の余地があるものの、上々の結果といって差し支えないでしょう。

・アルヒラルはホームで無敵の強さを誇っていただけにドローで終わってしまうのが相当不本意だったようで、終盤はラフプレー連発。主審もイエローカードを7枚も出してアルヒラルのラフプレーを野放しにしていたわけではありませんが、西村主審なら間違いなく退場者が出ていたでしょうに。組織性では上海上港より格段に上で、浦和にとってやりづらい、非常に手強いチームだったことは確かなだけに、ラフプレーの多さには閉口しました。

・後半半ばを待たずにラファエルが負傷交代を余儀なくされてしまいましたが、概して浦和はラフプレーに対して変に激昂することなく淡々と試合を進めていったあたり、こういう手合いへの慣れを感じました。リーグ戦では意図的に挑発してくる相手の狙いにマンマと嵌って痛い目に遭いましたし、浦和もそれなりに進歩しているのでしょう。

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・終わってみれば浦和のシュートはたった6本。CKに至ってはとうとうゼロ。後半はまだしも前半は一方的にボールを支配され、ほとんど攻め手らしい攻め手を見いだせなかったにも関わらずアウェーゴールを持ち帰れたのはほぼ奇跡といって差し支えないでしょう。7分カウンターのチャンスで長澤→ラファエルが左サイドで2番を振り切ってそのままエリア内侵入。興梠へのクロスは緩かったものの、こぼれ玉にラファエルが詰めて先制!! ラファエルのスピードが活き、かつ運も味方した得点でした。

・対戦する機会のないもの同士の一戦なので、いくら事前にビデオ等で研究していてもやってみないことには判らないことはごまんとある。相手はラファエルのスピードに面食らったのかもしれません。相撲で言えば立ち合いに一発張り手をぶちかまして、相手が怯んだところをそのまま寄り切ってしまったような得点といっても差し支えないでしょう。そしてその後は試合終了間際に途中出場の梅崎が際どいシュートを放つまで浦和は決定機らしい決定を作れず。そんな内容だっただけに実に貴重なアウェーゴールでした。

・マウリシオを出場停止で欠く浦和はCBに槙野が入り、左SBに宇賀神が入る布陣。左SBがレギュラーではないことをアルヒラルが研究していたのか、とにかく前半は宇賀神が狙い撃ちされました。アルヒラルが左から右へ大きく振って宇賀神の裏を狙う、あるいは単にハイボールを宇賀神と競らせる。そして追い返しをハルビン(77番)などがシュート。そんな形の攻撃が何度も見られました。浦和がピッチを大きく使って揺さぶってくるチームには弱いのはJリーグでもまま見られる光景。

・23分には宇賀神がサイドチェンジ一発で2番に裏を取られて折返しをフリーでハルビンに撃たれるも西川が身を挺してセーブ。33分にはハルビンにスルーパスを通されるも西川が再びセーブ。しかし、37分ハイクロスに対して宇賀神が2番に競り負け、折り返しを29番→ハルビンと繋がれて失点。何度も同じ形を作られた挙句の必然的な失点でした。ATにもクロスをハルビンに折り返され、シュートがゴールマウス直前を横切る大ピンチ。

・また様子見というか、相手の出方を窺うつもりだったのかもしれませんが、前半の浦和はほとんど前からプレッシャーをかけずにリトリート。必然的に最終ラインが深くなりすぎ、なんとかボールを奪い返してもアルヒラルのプレッシャーがきつくて前線にボールを運べず、単にボールを蹴りだすだけになって波状攻撃を浴びる悪循環に。先制点を奪えたとは言え、前半の試合運びはちょっと消極的に過ぎました。

・後半も立ち上がりにCKからの流れでヒヤリとさせられましたが、終わってみればアルヒラルの大攻勢はそこまで。浦和は前半よりは前からプレッシャーをかけに行くようになり、最終ラインも幾分上がってアルヒラルのサイド攻撃を容易には許さず。またボールも多少持てるようになって、休む時間を作れるようになりました。ホームのアルヒラルのほうが先に失速するのは意外で、前半飛ばし過ぎたのかもしれません。後半はどちらかといえば遠藤を狙っている風でしたが、さして奏功せず。

・攻撃の頼みの綱と化しているラファエルが65分に負傷交代を余儀なくされるアクシデントがあり、ズラタンを投入してから4-4-2っぽい布陣に変わりましたが、これもアルヒラルのサイド攻撃封じに多少役だったのかもしれません。

・前半から前目の選手はほぼ守備しかやっておらず、見るも無残な疲労困憊ぶり。堀監督は欧州遠征の疲れもあったであろう長澤&興梠を順次下げて、梅崎・高木と投入。武藤がヘロヘロヨレヨレのまま放置を余儀なくされましたが、アルヒラルも攻め手を欠いてミドルシュートを散発的に放つだけに留まり、しかも西川をなんら脅かすことなくそのまま試合終了。

・ほんの少しだけれども、有利な状況での折返し。浦和の得点機がほとんどなかったことを考えれば、第2戦で先にアウェーゴールを奪われると一気に苦しくなってしまう気もします。しかし、アルヒラルの得意な手口も判明。マウリシオが戻り、槙野が左SBに入ればあそこまでサイドをぼこぼこにされることもないでしょうし、何より埼スタでは腰が引け過ぎた試合運びに陥ることもないでしょう。第2戦が実に楽しみです。

-----興梠-----
ラファエル-長澤-柏木--武藤
-----青木-----
宇賀神-槙野-阿部-遠藤
-----西川-----

(得点)
7分 ラファエル
37分 ハルビン

(交代)
65分 ラファエル→ズラタン(負傷による交代。4-4-2に布陣変更?)
77分 長澤→梅崎(梅崎左SH)
87分 興梠→高木(高木が左SH、梅崎右SH、武藤がFWへ)

・さすがは浦和の精鋭中の精鋭。クラブ&外務省等々多くの方々のご尽力もあって、なんとかリヤドに渡れたのは240名。当然現地では極端な数的不利。それにも関わらず「あーかき血のいれーぶん」等々、数々のコールがしっかりと聞こえてくる。あれには感動した。そして何よりお疲れ様でした。

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2017.11.06

【DAZN観戦記】17年第32節:鹿島 1-0 浦和 ~ 結果は逆だが内容はほぼ広島戦のリプレイ

・勝つには勝ったが内容はいたって低調だった広島戦をほぼなぞったような試合。ただ相手は広島より格段に強いので広島戦で決まった「かいしんのいちげき」はチャンスすら与えてもらえず、逆に広島が外しまくったような決定機をきっちり決められる。ただそれだけの試合でした。「残留争い組にはなんとか勝てるが、中位相手には引き分け止まり。そして上位相手にはホニャラララ」という堀の法則の鉄板ぶりを確認しただけの試合と言っても差し支えないでしょう。

・鹿島は優勝目前で是非とも勝ち点3が欲しい立場なのに対し、浦和は数字上ACL圏入りの可能性を残しているだけのほぼ消化試合。よってスコアレスのまま終盤にもつれ込めば勝ち点3欲しさに焦る鹿島にカウンターでワンチャンスあるかも!と低調な試合内容にも関わらずわずかに望みを繋いでいましたが、そこはさすが鹿島。最後まで慌てる素振りを見せず、終盤に巡ってきた決定機をしっかり決めて、後は楽々逃げ切り。

・守備陣はそれなりによく頑張りました。よって強い相手に対してスコアレスドローで終えられたならACL決勝へ向けて評価できたかもしれません。しかし守るのが精一杯で反撃はままならず、負けてしまえばこの内容では何も残りません。シュート数はたった3本。点が取れる可能性は無いも同然で、勝てる要素は皆無の残念な試合、しかも広島戦の試合内容からすれば十分予測の範囲内でしかない試合でした。

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・浦和はマウリシオがスタメンに復帰して宇賀神がベンチスタートとなり、現状のベストメンバー。序盤は鹿島に一方的に押し込まれ、9分遠藤康のFKに西川が逆を取られてヒヤッとした他、18分レオシルバ→金崎などバイタルエリアでしっかりパスを繋がれて決定機を作られた場面が2、3度あったかと思います。ただそれでも前半はかろうじてDF陣が最後の最後でなんとか寄せて西川を脅かすようなシュートは撃たせませんでした。

・52分にロングカウンターを喰らってレアンドロ→土居のミドルシュートという決定機を許した以降は、鹿島にこれといった攻め手を与えず。ここままスコアレスで推移すればそんなに悪い試合でもないと総括できたかもしれませんが、残念ながら74分青木にアクシデント。終わってみればこれが試合結果に微妙な影を落とすことに。

・ベンチにアンカーができそうな選手が一人もおらず堀監督の対応策を注視していたところ、なんと長澤がアンカーに。森脇を右SBに入れて遠藤航をアンカーに上げる策とどちらがマシなのか判りませんが、堀監督は最終ラインを弄りたくなかったのかもしれません。

・もっとも失点を喫した後に森脇を右SBに入れて遠藤航をアンカー、長澤をIHに戻したところを見ると、青木故障時の代替プランはなくただ迷走しただけのような気も。ただでさえ今のシステムは機能しているとは言い難く、選手の個人能力でなんとかしているに過ぎないからこそ複数人の配置転換を伴う選手交代が全く苦にならないという皮肉な現象。

・80分の失点はロングボールを昌子が跳ね返したところからのロングカウンター。浦和左サイドから西がクロス→ファーのレアンドロがフリーでゴール。フリーのレアンドロに気がついた柏木が鈍足を飛ばして必死に追いかけるも遠く及ばず。クロスをファーの選手に合されて失点というパターンはミシャ時代から見慣れた光景。

・1失点は喫しましたが鹿島に山のように決定機を許した挙句の失点というわけではなく、曲がりなりにも粘り強く守れるようにはなった。これがこの試合の最大かつ唯一の収穫でしょう。一方話にならないのが攻撃。広島戦の出来をみれば予想は付きましたが、90分を通じて全く何も出来ませんでした。まぁ相手の攻撃を凌ぐのが精一杯で反撃に繋がるような「良いボールの奪い方」が出来ていないので攻撃も成り立たないとも言えますが。

・鹿島は高い位置から猛然とプレッシャー。それに引っかかってショートカウンターを喰らう愚こそ犯さなかったものの、浦和は安全地帯でゆっくりボールを回すだけ。試合の流れからすれば意外なことにボール支配率は浦和のほうが上でしたが、縦パスを入れられずに相手にとって何の怖さも感じないところでひらすらパスを回しているだけなので、ボール支配率に積極的な意味はありません。

・そして思い出したように縦ポンで興梠なりラファエルなりを走らせての裏狙い。広島戦でもこの単純極まりない攻撃が目立ちましたが、広島にすら通用しなかった(ラファエルに決定機がありましたが)この攻撃が鹿島に通用するわけがない。いつから浦和は「兎ぶつかれ木の根っこ」みたいな攻撃で満足するようになったのか??

・たまにカウンターの機会を掴みそうになるものの、そこは鹿島のズル賢さ、イエロー覚悟のファウルでしっかり阻止。

・広島戦の得点に繋がった人数をかけたサイド攻撃が見られたのは序盤に遠藤航のクロス→興梠ヘッドがあっただけ。しかもこれが前半唯一のシュートだったというお笑い種。いやはや、攻守のバランスが決定的に崩れてぶっ壊れてしまったチームが、まるで攻撃が成り立たないという形で再度壊れるとは(苦笑)。

・お先真っ暗な試合内容でACL決勝を迎える羽目になった浦和。おまけにどうでもいい親善試合になんと5人も選手をぶっこぬかれ、リーグ戦中断期間中にロクに修正もできないどころか、下手をすると中2日でACL決勝第1戦に臨む選手も出かねないという苦しい状況に立たされました。しかし、それでもACLではリーグ戦とは違ったスイッチが入る。そう信じたいものです。

P.S.

・DAZNの解説は三浦俊也氏。「シルバが良いですねぇ!」とどちらのシルバだか判らないフレーズを連発して、相方の西岡アナが対応に難儀していたのはともかく、最近の浦和の試合を全然見ていないのではないかと思われるコメントが多くて閉口しました。

-----興梠-----
ラファエル-長澤-柏木--武藤
-----青木-----
槙野-マウリシオ--阿部-遠藤
-----西川-----

(交代)
74分 青木→ズラタン(負傷による交代。ズラタン1トップ、興梠IH、長澤がアンカーへ)
83分 柏木→高木(高木が左SH、武藤がIHへ)
88分 武藤→森脇(森脇右SB、遠藤がアンカー、長澤がIHへ)

---金崎--土居---
レアンドロ-------遠藤
---シルバ--三竿健--
山本-昌子--植田--西
-----曽ケ端----

(得点)
80分 レアンドロ

(交代)
78分 土居→鈴木
81分 遠藤→伊東
88分 レアンドロ→永木

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2017.10.31

【観戦記】17年第31節:広島 0-1 浦和 ~ 本当にこれを来年もやるつもりなの???

・先週に続いて試合日に台風がやって来た一戦。幸いなことに台風は午前のうちに広島から遠ざかってゆき、キックオフ時には晴れ間も出てきました。そういう意味では運に恵まれた試合でしたが、試合内容はお寒いのなんの。降格圏を彷徨う広島はもちろん、浦和の出来もぱっとせず。低調なチームの出来を反映してどちらも決定機というか見せ場は僅少で、数少ない決定機を一つだけ決めた浦和が辛うじて広島を下しただけの塩試合。試合内容からすればドローが妥当でしょう。

・いわば丸焼けからの再建途上のチーム同士の一戦で、それでも浦和は一応雨露を凌げるだけの鉄筋コンクリート造りの建物が何軒か残っていて再建本部として機能しているのに対し、広島は本当に一面焼け野原で何にもない。そんな差でしかない試合だったように思います。もっとも浦和に残った鉄筋コンクリートの建物も傷みが酷くていつ倒壊するか判らず、一歩間違えれば来年は広島と同じ状態になる恐れも。

「残留争い組にはなんとか勝てるが、中位相手には引き分け止まり。そして上位相手にはホニャラララ」というのがもはや「堀の法則」と化していますが、次節鹿島戦はその法則の鉄板加減を確認する羽目になるのかどうか・・・

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・浦和はゴールシーンこそ見事でしたが、前半はボールを持っても広島守備ブロックの前でボールを回すだけの時間帯が長くて退屈のなんの。広島は前節の4-1-4-1から青山&稲垣の2ボランチによる4-2-3-1にフォーメーションを戻したのが奏功して柏木&長澤に自由を与えず、浦和は縦パスをほとんど入れられないので高い最終ラインでコンパクトな陣形を保つ広島を押し込むことさえままならず。

・よって浦和は思い出したように興梠なり両SHなりを広島最終ライン裏へ走らせるだけの単調な攻めに終始。何度も見られたこの単純な「裏狙い」が嵌って勝ったなら監督の狙い通り(といっても選手の個人能力に頼りきるというトホホなレベルですが)の勝利というポジティブな見方もできるでしょう。

・前半終了間際には林のゴールキックを青木が跳ね返していきなり興梠が裏抜け。後半には50分遠藤持ち上がる→ラファエル裏抜け、59分長澤→ラファエルが複数人のDF相手に勝負といずれもカウンターから少ない手数で決定機を作りましたが、いずれも決められず。

・そしてこの試合唯一のゴールはこの裏抜け大作戦ではなく、なんとSBが攻撃参加しての見事な崩し。武藤が中へ入ることで生まれたスペースに遠藤が入り込み、青木→遠藤→長澤ダイレクトボレー。武藤がエリア内まで入ってきたので浦和はエリア内で3人、広島DFは2人になり、結果的に長澤がどフリー。いやぁ、これは見事!!

・遠藤のクロスからの得点はアウェー仙台戦でも見られたので攻撃オプションの一つなのでしょうが、残念ながらその形を試合中に数多く作れているようには見えず、広島戦についていえば再現性の低い「かいしんのいちげき」に近かったような気がします。

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・しょっぱい試合にあえて「良かった探し」をすればマウリシオを出場停止で欠くACL決勝第1戦に備えてマウリシオ不在の最終ラインをテストし、かつ曲がりなりにも無失点で抑えたこと。神戸戦で大失態を犯した宇賀神は安全運転に終始したので評価は微妙ですが、CBに転じた槙野は最後にパトリックに抜け出しを許した以外は悪くない出来でした。

・ただ浦和が完封勝ち出来たのは広島の攻撃が浦和以上にお粗末だったからだとも。前半はCKから青山枠内ミドルが唯一の決定機でそれ以外は全く何も出来ず。後半になって50分パトリック→ロペス、52分高橋クロス→ロペスと決定機を作りながらいずれも決められず。76分に皆川を投入した後は早々とパワープレーに転じ、85分阿部がパトリックに競り負けてフェリペの前にボールが転がる場面がありましたが、これも決められず。そして最後はパトリックが裏抜けに成功するも西川がセーブ。

・前節川崎戦は結果的に大敗しましたが決定機は結構作っており皆川を筆頭に決定力だけが残念という印象を受けましたが、浦和戦は青山の故障も響いてか決定機自体が少なく、結果は惜敗だが内容は川崎戦より後退したように見受けられました。浦和には時折思い出したようにコンビネーションプレーを繰り出せるだけの遺産が残っていますが、広島はもう何にも残っていない。よたよたとなんとかボールを運び、その後は外国人FWの個人能力頼み。そしてこの外国人FWが実にしょっぱい。そもそもパトリックに裏抜けを狙わせずに、1トップでポストプレーを期待するのが間違いと思いますが。

・監督を代えて残留争い組から勝ち点を稼ぎに稼いだ数試合で実証されてるように広島の守備は残留争い組の中ではかなりマシなほうだと思いますが、その反面あまりにも攻撃力が乏しくて先制されたらその時点でほぼ試合終了。もう中上位相手の試合しか残っておらず、こちらの道のりも相当厳しそう。

022

-----興梠-----
ラファエル--長澤-柏木-武藤
-----青木-----
宇賀神-槙野-阿部-遠藤
-----西川-----

(得点)
61分 長澤

(交代)
72分 柏木→矢島
81分 武藤→ズラタン
87分 興梠→梅崎(梅崎が左S、ラファエルが1トップへ)

・前節G大阪戦でラファエル左SHが嵌ったのに気を良くしてか、武藤がスタメンに復帰した今節もラファエルを左SHに据え置き。前半40分くらいに武藤と左右を入れ替えてみたもののさしたる効果はなく、後半いつの間にか元通りに。

・柏木→矢島の交代は柏木のコンディションの問題でなければ趣旨不明。ズラタンの投入はパワープレー対策を兼ねられるので理解できますが、下げたのが武藤なのも趣旨不明。守備をそれなりにやるようになった反面電池切れも早くなったラファエルを下げるものだと思ったのですが・・・ そして最後の交代カードでもラファエルを下げず。

・相手にカウンターをチラつかせる趣旨でラファエルをピッチに残すのは理屈の上では悪くないのですが、残念ながら一連の選手交代以降カウンターの形なんて全然出来ておらず、単に中盤の守備力を下げて広島のパワープレーをやり易くしただけに終わった気がします。終盤フェリペなりパトリックなりに一発決められていたら、この選手交代がボロクソに批判されたと思いますが。

023

-----パトリック----
柏----柴崎---ロペス
---稲垣--青山---
高橋-水本--千葉-丹羽
------林-----

(交代)
39分 青山→野上(故障による交代)
68分 丹羽→フェリペ(高橋が右SB、柏が左SB、フェリペが左SHへ)
76分 柴﨑→皆川(4-4-2に変更?)

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2017.10.23

【観戦記】17年第30節:浦和 3-3 G大阪 ~ 中位チームには毎度引き分け止まりというお約束(苦笑)

・台風21号の接近で風雨とも激しく、埼スタの屋根は何の役にも立たずにスタンドの奥にまで雨が吹き込んでくる観戦者にとっては非常に厳しい環境。そんな中でも埼スタのピッチは思いの外良好で、少なくとも「田んぼの中での単なる蹴り合い」にはならず、繋ぐべきところはしっかり繋ぐ普段通りのサッカーができ、悪くはない試合内容で3度リードしながらその度に追いつかれて引分け。磐田・鳥栖・神戸・G大阪と中位チーム相手には全て引き分けという、これまた普段通りの結果に留まりました。

・閉塞感としか言いようがなかった前節神戸戦と比べれば内容は格段にマシですが、3点も取られて「内容は良かった」はない。しかも攻守のバランスが悪くて得点も多いが失点も多いという判りやすいミシャスタイルの問題と違って、現状は失点のあり様が実に多彩で手の施しようがあるのか、いや手を施す気があるのか疑わしくなるくらい。ザルが壊れたので別のザルに代えただけに終わっている現体制を来年も続けるのでしょうか???

・また上海上港戦の激闘から中3日にも関わらず、スタメンは武藤→ズラタンと1名代えたのみ。超重馬場なので矢島や高木などスキルフルだがパワーに乏しい選手は使いづらいのだろうと好意的に解釈しましたが、案の定後半半ば以降失速気味に。スタメンに無理があるのは堀監督も了知していて早目に選手を代えては来ましたが、選手交代がどうにも嵌らず、3度追いつかれる一因になってしまいました。

・特に消耗が激しくはないズラタンを早々と下げたのは謎。ズラタンは攻撃面ではあまり良いところがありませんでしたが、セットプレーの守備で高さを失い、高木の出来も良いとは言い難かっただけに、選手交代による収支は結果的にマイナスだったような。選手交代の拙さゆえに勝てる試合を勝ちきれないというのは結構辛いかと。

Dscn4045

・繰り返しになりますが前節神戸戦と比べれば内容は格段にマシというか、故障者が多いこともあってかG大阪は信じ難いほど弱くて浦和はビルドアップには全く苦労せず、球際も概して浦和が優勢で必然的に前半から浦和が押し気味の展開。もっとも前半は押し込んではいても概してG大阪守備ブロックの周りでボールを回すだけに終わり、20分遠藤縦ポン→ラファエル裏抜けのビッグチャンスがあったくらい。ただG大阪にはほとんど何もさせず、35分右サイドで遠藤航が安易に飛び込んだのが仇となってそのままウィジョにエリア内シュートまで持ち込まれた場面があっただけ。

・ところが後半になると浦和の攻撃陣がついに爆発。50分ラファエルの得点はセンターサークル付近からの青木の突進が契機。興梠とのワンツーは実りませんでしたが、東口が弾いたこぼれ玉をラファエルが詰めてゴール。青木にいとも易々とバイタルエリアまでボールを運ばれてしまうG大阪の3ボランチとは何なのか。

・65分のラファエル2点目も見事。スカスカのG大阪バイタルエリアで遠藤航→長澤→ラファエルと繋ぎ、ラファエルが左サイドから巻いてゴールマウス右隅を狙いすましてゴール。ラファエルを左SHに回したのは大正解。対峙する右SB初瀬はポジショニングといい、単なる1対1といい概して守備に難があるようでラファエルにボコボコにされてしまいました。

・73分はマウリシオのボール奪取からのカウンター。柏木がぽっかり開いた中盤で楽々ボールを運んでスルーパス→興梠というよくあるパターン。興梠は神戸戦&上海上港戦と決定機を決められずに調子落ちぽかったのですが、この試合興梠に訪れた唯一の決定機を決めてくれました。

・興梠に代わって投入された梅崎にも79分決定機が2度。ただ梅崎投入で下げたのがラファエルではなく、興梠だったというのが守備を考えれば甚だ疑問。消耗が酷い点ではラファエルも興梠も大差はなく、堀監督の「ラファエル信仰」が結果的に首を絞めた気も。

・得点パターンは多彩で、これだけ取り出せば神戸戦で感じた閉塞感も多少払拭できるのかもしれませんが、得点の度にすぐさま追いつかれるようでは喜ぶに喜べず。54分の失点は特に情けない。FKを蹴るのが遠藤保でも井出口でもなく初瀬だった意外感があったのかもしれず、ファーで遠藤保に抜け出された辺りは巧くやられた気もしますが、その後全員足が止まって折返しのウィジョに誰も付いていないのは実に酷い。競り負けですらないという酷い失点。

・67分の失点もなかなかのお笑い種。浦和左サイドに進出してきた遠藤保に易々をクロスを上げられたのも困ったものですが、エリア内の赤崎がどフリーというのがどうにも解せない。赤崎はそれまでほとんど何もしておらず、J1では力不足なのだろうと侮っていましたが、あれだけどフリーだとやられてしまいます。赤崎はこれが今季初ゴール。

・興梠のゴールで何とか逃げ切れるかと思ったのですが、ATになって落とし穴。長谷川監督は81分に長沢を投入して得意のセットプレーに活路を見出す手に出ましたが、それに対する堀監督の柏木→李という交代がなんとも微妙(しかもいつも通り3枚目のカードはなかなか切らない)。守り切るなら那須投入があっても不思議はなく、あくまで追加点を狙うなら柏木を外す手はないはず。

・初瀬CKに対して阿部が被ってしまい、呉屋には長澤が付いていましたが及ばず。マヌケ度はもっとも低い失点でしたが、こうなる前に打つ手はあったような気がしてならない残念すぎる結末でした。

Dscn4046

-----興梠-----
ラファエル-長澤-柏木-ズラタン
-----青木-----
槙野-マウリシオ--阿部-遠藤
-----西川-----

(得点)
50分 ラファエル
64分 ラファエル
73分 興梠

(交代)
65分 ズラタン→高木
77分 興梠→梅崎(梅崎が左SH、ラファエルが1トップへ)
90+1分 柏木→李

・リーグ戦では初スタメンの長澤はこの日も大活躍。執拗に絡んでくるG大阪守備陣をものともせずに身体を張ってボールを保持して前線へボールを運ぶ、運ぶ。しかも単なる運び屋に留まらず、試合を重ねるにつれて周囲との連携も良くなり、気のきいたパスも出せるようになりました。2点目は長澤のアシスト。あえて難を言えばIHとしては自ら点を取りに行く姿勢に欠けるところかな。長澤の大ブレイクが今年最大の収穫かも。堀監督が就任当初に抜擢した菊池でも矢島でもなかったというのが皮肉ですが。

Dscn4042

---赤崎--ファン----
-----遠藤-----
-井手口-中原--倉田-
藤春-今野--三浦-初瀬
-----東口-----

(得点)
54分 ファン・ウィジョ
67分 赤崎
90+2分 呉屋

(交代)
68分 遠藤→米倉(中原&井手口の2ボランチの4-4-2へ)
75分 赤崎→呉屋
81分 中原→長沢(倉田がボランチ、ウィジョが左SHへ)

・出場停止明けの倉田がスタメンに復帰し、故障したオ・ジェソクに代わって初瀬が右SBに。また新聞報道通り新潟戦ではベンチだったFW赤崎、MF中原をスタメンに抜擢。

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2017.10.21

【展望】17年第30節G大阪戦

・春にはJリーグを代表する強豪チーム同士らしい熱戦を演じていたのに、半年経って秋も深まった頃には両チームともボロボロになって再戦する羽目になるとは・・・奇しくも同じようなタイミングで「サイクルの終わり」が訪れたチーム同士の消化試合です。

(成績)

・勝ち点40(11勝7分11敗)の10位といつの間にやら浦和に抜かれるどころかボトムハーフにまで転落。夏場に入ってからの失速が凄まじく、第13節鹿島戦以降の13試合で2勝2分9敗とわずか勝ち点8を積み上げたのみ。とうとう前節は絶望的な成績で最下位を独走するロペス新潟にすら不覚を喫するテイタラク。

・また天皇杯は4回戦で柏に敗れ、さらにルヴァン杯準決勝ではC大阪との第2戦試合終了間際に失点して劇的な形で敗退し、既に今年の無冠が確定しています。

・9月7日に長谷川監督との契約を更新しないことが公表されて以降全く勝っていないのでどうしても監督の求心力低下が取り沙汰されがちですが、成績低迷は既に7月から顕著になっており、契約非更改を公表しようがしまいがあまり関係なかったような気がします。もっとも来期はいないことが確定している監督のもとでだらだらと消化試合を続けるよりは暫定監督を立てたほうがマシだろうとのは一理あるでしょうが。

(戦力)

・宇佐美の離脱&パトリックの大怪我以降FWというか点取り屋が不足気味なので、堂安を育てようとしていたらあっという間に海外流出。思えばこれがG大阪の不幸の始まりだったのかも。

・夏の移籍期間でFWファン・ウィジョ(城南FC)を獲得した一方、大怪我から復帰したもののパフォーマンスが上がらずにベンチも叶わなかったパトリックを広島へレンタル。ファン・ウィジョは一応コンスタントにスタメン出場しているものの、ここまで11試合で2得点と点取り屋としては期待外れ。長身FWですが、どちらかというとスペースがあるところでスピードを活かすほうが得意っぽい「ツァ」系くさい感じ。守備はめちゃ献身的でいかにも長谷川監督が好きそうですが。

・皮肉なことにパトリックは広島で早速レギュラーポジションを掴んで3得点を挙げているので、この入れ替えは意味があったのかどうか。

・CBファビオ&三浦の加入で出番が少なくなった丹羽を広島へ完全移籍で出し、その穴埋めに千葉にレンタルしていた西野を呼び戻しましたが、西野は千葉でも出番がなかったくらいなので当然G大阪でも出番なしと、これまた謎の入れ替え。控えCBの即戦力が金しかいないのはいかにも苦しく、前節新潟戦では今野を久しぶりにCB起用。

・怪我人も多く、主力ではFWアデミウソン、CBファビオが故障。控えでもMF藤本、CB金が故障離脱中。さらに前節新潟戦でSBオ・ジェソクが故障。なお長期離脱していた呉屋は前節ようやくベンチ入り。

・また基本途中からの出場だった泉澤がアデミウソンに代わってここ4試合スタメン出場しているのが目を惹きます。タイプが違い過ぎますが(苦笑)

・浦和戦では出場停止明けの倉田がスタメンに復帰し、故障したオ・ジェソクに代わって初瀬が右SBに入る他、新潟戦ではベンチだったFW赤崎、MF中原のスタメン抜擢という噂も。

(戦術)

・前回対戦時には3バック&遠藤アンカーという俗称「遠藤介護システム」を試行している真っ最中でしたが、第8節には衰えの目立つ遠藤を単にスタメンから外す方向で「介護システム」はお蔵入り。遠藤自体はその後時折スタメンから外れる程度に留まっていますが、フォーメーションは元の4-2-2-2/4-2-3-1を基本に、相手なり戦況に応じて遠藤トップ下の4-3-1-2に変える形に戻っています。

・相変わらずG大阪は素早い攻守の切り替え&前からのプレッシャーが強烈。神戸戦でビルドアップ能力がガタ落ちになっていることを露呈してしまった浦和にとっては難儀な相手です。

・ただそのプレッシャーを交わされると信じがたいほど最終ラインが弱い。新潟戦は久しぶりに今野がCBに入って連携不足が祟ったのか、ギャップを突かれ突かれて新潟にすら決定機を山のように与える始末。東口の奮戦でなんとか1失点で済んだとしか言いようがない惨状でした。

・最近はまるで浦和のように無失点試合がほとんどないだけでなく、得点力も目に見えて落ちています。新潟戦を見るとかつてのG大阪からすれば信じがたいほど良い形で縦パスが入らない。深い位置からいきなり長沢へのロングボールを多用する風でもなさげ。

・アデミウソン不在でサイド貼り付き型の泉澤が入った影響なのかもしれませんが、サイドに展開してSHなりSBなりから長沢へのクロス攻撃に頼るしかなく、それはそれで面倒ですが手口が限られているだけによほどCBがマヌケでない限り守備側の対応は容易。高い位置でボールを奪ってからのショートカウンターが嵌れば良いのですが、ボールを持たされるとしんどくなっているみたいで。

(浦和の対応)

・双方とも完全に消化試合。浦和は上海上港戦から中3日なので、神戸戦&上海上港戦の連戦で消耗著しい興梠&武藤を休ませてもなんら不思議はありません。上海上港戦で出番のなかった矢島や高木、途中からの出場に留まったズラタン・梅崎・李がスタメンに名を連ねるかもしれず、良くも悪くも気楽な試合ゆえにスタメンが読みづらい一戦です。

・前述のように神戸戦ではビルドアップが壊滅して苦戦を余儀なくされましたが、神戸同様前から圧力をかけてくる相手を上手くかわせるようになったかが見どころ。

・また上海上港は「個は強烈だが組織性に乏しい」相手だったので浦和の守備が上手く嵌ってまさかまさかの完封勝ち。海外各紙から浦和の守備を絶賛され、普段の惨状を見ている者からすれば苦笑を禁じ得ませんでしたが、ボールをしっかり回して浦和の守備ブロックを振り回す相手、後方からSBなり井手口なりが湧きだしてくる相手、唐突に裏を狙ってくる相手にも破綻なく対応できるようになっているかも見どころ。

・またしても複数失点を喫して、上海上港戦が「夢幻の如くなり」にならなければ良いのですが(自嘲)。

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<前節:G大阪 0-1 新潟>

---長沢--ファン----
泉澤--------井出
---遠藤--井手口--
藤春-今野--三浦--オ
-----東口-----

※倉田が出場停止。

(交代)
54分 長沢→中原
65分 井出→米倉
72分 オ・ジェソク→赤崎(負傷交代)

<前回:G大阪 1-1 浦和>

--長沢---アデミウソン--
オ--今野--倉田-初瀬
-----遠藤-----
-金---ファビオ--三浦-
-----藤ヶ谷----

(得点)
57分 今野:オのクロスをヘッド

(交代)
73分 藤ヶ谷→田尻(故障による交代)
82分 オ ジェソク→井手口(井手口がIH、今野が右WBへ)
89分 アデミウソン→赤崎

・シュート数16対4というスタッツが示すように、試合内容では浦和がG大阪を圧倒。前半そして終盤に決定機の山また山を作っていただけに、爆勝して然るべき試合内容でした。ところが、結果は相手にワンチャンスを決められ、ATになってなんとかPKを得ての引き分け。

・共にACLと並行しての過密日程ゆえ、だらだらぐだぐだの一戦になっても不思議はなかったのですが、意外にも緊張感溢れる試合となり、おまけに藤ヶ谷が故障して若い第4GKが突如J1デビューするというスパイスもあって、非常に見応えがある一戦でした。

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2017.10.19

【観戦記】ACL2017・準決勝第2戦:浦和 1-0 上海上港 ~ まさかまさかの完封勝ちで10年ぶり決勝進出!!

・浦和は第1戦をアウェーゴールを一つもぎ取ってのドローで終えているので、第2戦はとにかく相手に得点を許さなければ良いという若干有利な状況でしたが、そこは全くと言っていいほど守備に定評がない浦和。今年は毎試合毎試合失点を重ねに重ね、しかも実にくだらない形で点を取られることが多く、直近の神戸戦でも消化試合然とした塩試合を演じたばかり。

・ゆえに第1戦で得たアドヴァンテージなんてあってないようなもので、浦和は壮絶などつき合いに活路を見出すしかなかろうと思い込んでいたのですが、結果は全く予想だにしなかった浦和の完封勝ち。しかも早い時間帯にセットプレーで先制しただけでなく、その後もカウンターで上海上港に脅威を与え続けた一方、上海上港には前後半とも一回ずつしか決定機らしい決定機を許さず、トータルスコアで2-1。試合内容もタテヨコナナメどこからどう見ても浦和の完勝でした。

・「浦和は我々にボールを持たせてくれたが、スペースを消して守った。彼らの戦術が機能した」と語るビラスボアス監督。普段の惨状を見慣れている者としては「褒め殺し」としか思えないのですが(苦笑)、この日の浦和の守備はほぼ完璧でした。

・興梠とIHの片方がしつこく前からプレッシャー。プレスを交わされると4-5-1で自陣にリトリート。槙野がフッキにマンマークで付いているので、空きがちになる左サイドには武藤が、さらに長澤も下がって穴埋め。ボールを支配されて自陣深くに押し込められがちになった後半立ち上がりは興梠もプレスバックどころか最終ライン近くにまで下がって守備。

・槙野が前半のうちにイエローカードをもらってしまったので、後半はフッキに複数人で対応する場面が目立ちました。ゆえに上海上港はフッキを囮にして他の選手を使う方向、具体的には前半41分にアフメドフ→最前線でフッキポスト→フリーでアフメドフというピンチがありましたが、ああいう形を繰り返し作られていれば浦和は持ちこたえられなかったような気もします。

・ところがどういうわけか上海上港はフッキ個人の局面打開能力に頼り切ったような攻撃に終始。後半唯一の決定機すらフッキのミドルシュートからで、西川が前に弾いたところをエウケソンが詰めるも西川が身を挺して防ぎ、こぼれ玉を阿部が間一髪でクリア。阿部はこのプレーで青島ビール賞だったのかな?

・エウケソンもオスカルも不思議なほど消えてしまい、特にCKを全部フッキが蹴ってしまうのでオスカルは見せ場が全くありませんでした。もっともしっかりボールを回そうとしてもこれまたどういうわけかミスだらけでしたし、シンプルに浦和最終ライン裏を突こうにも上海上港には後方から高精度のパスを出せる選手がいない。

Dscn4033

・甚だ結果論になってしまいますが、上海上港といえども所詮外国人選手の個が強烈なだけで組織性は乏しい。とにかく個が強烈なのでちょっとしたミスは見逃してもらえないけれども、「個」に対して粘り強く対応していればなんとかなる。執拗にぐるぐるボールを回して浦和の守備網を揺さぶるような攻めは仕掛けてこないので、守る側もボールの奪いどころを絞りやすかったかと。ビラス・ボアスって欧州でも定評のある監督のはずですが、そんな監督でも出来上がりはこんなものなのか???

・先制点は11分柏木CKからラファエルがマーク役のアフメドフの前に入って豪快ヘッド!第2戦で早い時間帯に先制した点では昨年のCSと全く同じ。ところが昨年のCSでは先制点を取られたところで鹿島は「とにかく2点取らないといけない」状況にはなんら変わりなかったのでその先制点が全く意味がなかったのに対し、今回の先制点は上海上港の立場を「先制すれば俄然有利」から「2点取らないといけない」に追いやったので実に有意義でした。

・その後も浦和は機を見てカウンターで反撃。引いて守っているだけだと上海上港に一方的に殴られてしまう(第1戦はそれに近かった)ので、手数は少なくともとにかくカウンターをチラつかせることが肝要。実際先制直後の17分遠藤クロス→武藤どフリー(ヘッドは力なく枠外)、68分阿部クロス→興梠ヘッド(GKかろうじてセーブ)、80分武藤クロス→興梠合わせきれずと上海上港よりも得点に近い形を作って逃げ切りに大きく寄与。56分柏木CK→槙野ヘッドがバーを叩く場面も。

・ところがカウンター要員としてラファエルを右SHに配するも結局ラファエルの単騎突破による決定機は作れず。ラファエルなりに守備を頑張っていたので後半早々に消耗してしまい、カウンターの好機で余力が残っておらず、68分にズラタンとの交代を余儀なくされました。先制点をもぎ取ってくれたのでラファエルが悪く言われる謂れはありませんが、完勝だったこの試合でもやっぱりなんでラファエルがスタメンでズラタンがサブなのかよく判らず。

Dscn4034

-----興梠-----
武藤-長澤-柏木--ラファエル
-----青木-----
槙野-マウリシオ--阿部-遠藤
-----西川-----

(得点)
12分 ラファエル

(交代)
68分 ラファエル→ズラタン
82分 柏木→梅崎(梅崎は左SH、武藤がIHに回る)
90+3分 興梠→李

・槙野と遠藤は代表戦明け直後の神戸戦を休ませた甲斐がありました。特にフッキを完璧に封じた槙野の出来は出色。第1戦ではほんのわずかな隙を突かれてしまいましたが、この日はフッキにほとんど仕事をさせず、単なる迎撃機としてなら槙野はJリーグでは最強クラスであることを見事に実証。要するに迎撃機を対地攻撃に使うみたいな、変にあれこれタスクを課すのが間違いだったのか・・・するとミシャスタイル専用機との評価はなんだったのか?

・第1戦で俄然評価を上げた長澤はこの試合でも大活躍。とにかくフィジカルが強い、当たり負けしない選手がIHにいると実に心強い。あのポジションは巧いだけでは全く話にならない。相手も厳しく当たりに来るし、相手のボランチが上がろうとするところには厳しく行かないといけない。自陣でのファウルが多かったのが気になった以外は満点の出来。試合後は名前をコールされ、長澤もついに浦和の子になった気がしました。

・興梠は後半2度の決定機を決められず。神戸戦でも決定機を逃したことを思えば、仙台戦をピークに中断期間を挟んで調子が下降線に入ってしまったのかもしれません。しかし、この試合に関してはあれだけ守備をやっていれば決定機に余力がないのも致し方なく、興梠を責めるのも酷かと。

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・青島ビールはちゃんと試合を見てるなと思いました。とにかく守り倒せばいい浦和がそのミッションを完遂しての勝ちなので、決勝点のラファエルではなく阿部を選ぶセンスに脱帽。でもなぜか表彰の場に綺麗なねーちゃん達はは付いてこず、やって来たのは樹木希林みたいなオバハンでした。これには阿部も思わず苦笑い(ナイナイ)

・フッキはCKの度にちょこちょこ煽りを入れてましたが、どう見てもJリーグを懐かしんで楽しんでいるようにしか見えず。ファウルされたり、したりした後でも浦和の選手と短い会話を交わしていましたし。上手く行かずにイライラする場面もあったけど怒ってる場面はなかったような。

・上海上港に傷んだ選手が出たので審判が止めたのに、ボールを浦和に返さなかった場面だけは「お前ら、上海いなっくかよ!!!」と思いましたが、それ以外はカンフーキックみたいなラフプレーどころか変な挙動は全然なく、試合終了後も妙にサバサバ。やっぱり珍妙なのは韓国の田舎クラブだけなのかな???

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2017.10.15

【観戦記】17年第29節:浦和 1-1 神戸 ~ これぞ、まさしく消化試合(´・ω・`)

・試合開始早々にまたしても安い、安すぎる形で先制されるお馴染みの展開。なんとか同点に追いついたものの内容は攻守ともにさっぱり。終盤逆転勝ちの好機が2、3度ありましたがいずれもモノに出来ず。もっとも神戸の出来も低調で、ハイプレスが嵌っている分浦和よりマシでしたが、ボールを奪った後は何事も起こらず決定機は僅少。いかにも優勝どころかACL圏入りすら遠く、残留争いにも無縁というチーム同士の消化試合といった内容で、スタジアムが沸き返る場面は甚だ少なかったかと。

・堀監督就任後初めて試合間隔が大きく開いたので、練習を積んで何かしら成長の跡が見受けられるかと思ったのですが、どうもその期待もあっさり裏切られたみたいで。この試合で一番衝撃的だったのは神戸のハイプレスに対して浦和が満足にボールを繋げなくなってしまったこと(特に前半)。逆に浦和が前からボールを奪いに行っても奪いきれず、神戸にボールを回される時間帯が思いの外長く続きました。神戸にボールを回されて浦和が右往左往する羽目になるとはミシャ時代にはまるで考えられなかった展開。たった2ヶ月半でここまで酷くなるとは・・・

・堀監督に「ここんとこ、ちょこちょこっと修理してくれ!」って頼んだつもりが全パーツきれいに分解され、しかも全く組み立てられなくなって途方に暮れている状態に近いでしょう、もはやこれは。パーツ単品でも強力なのがあるので下位チームにはなんとか勝てるけれども中位チームには引き分け止まり。上位チームには手も足も出ない。実に判りやすい戦績が今の浦和の状態を雄弁に物語っています。

・この試合で「良かった探し」をすれば堀監督が代表組をちゃんと温存したこと。遠藤はベンチスタートで槙野にいたってはなんとベンチ外。仙台戦で故障持ちの柏木を無理使いしたくらいなのでこの試合でも代表組を酷使しかねないなと懸念していましたが、さすがに堀監督もここは中3日で迎えるACL上海上港戦にプライオリティーを置いてきました。

・右SHラファエルに代えてズラタンを起用した意図は計りかねますが、この入れ替えも「良かった探し」に入れて良いでしょう。少なくともズラタンの守備はラファエルよりずっとマシですし、しょーもないボールロストも少ない。縦への突破もある程度期待できる。「一人で出来た!」が期待できる一方数々の問題点を抱えているラファエルは終盤のスーパーサブ的な使い方が望ましいように思えます。また81分ラファエル投入後は武藤が右SHに回って4-1-3-2になっていたように見えましたが、ラファエルをFWで使うのもより妥当な策だと思いました。

・代表組温存自体は極めて妥当な策だと思いますが、大誤算だったのは槙野の代わりに左SBで起用された宇賀神が全く使い物にならなかったこと。怪我で長期離脱していた上に4バックのSB自体久しぶりという言い訳はあろうかと思いますが、それにしても酷すぎました。失点は神戸のゴールキックに対して宇賀神が小川に競り負けて裏を取られるという大失態から。その後もパスミスは連発するわ、対面の相手に簡単に振り切られるわと散々。左SBとしての槙野の出来がさっぱりなので巷では宇賀神待望論が巻き起こっていましたが、それがこんな無残な形で打ち砕かれるとは・・・

・一応矢島のゴールに絡んだとはいえ、宇賀神のあんまりな不出来には堀監督も堪らず前半だけで見切りをつけて平川を投入。左SBなんて遠い昔にやったっきりで宇賀神よりさらに難しい状況だったはずですが、平川はなんとか大過なく勤め上げてひと安心。さすがに平川に攻撃参加まで求めるのは酷でしょうし、スタメンで出来るレベルとも思いませんが、ここまで左SBの人材難が明白なのに堀監督が4-1-4-1に固執するのがそもそも不可解極まりない。

・一方遠藤に代わって起用された森脇は守備が怪しい反面(87分ポドルスキをフリーにした時は死ぬかと思った)、攻撃にはそれなりに関与といかにも森脇らしい出来。ズラタンと縦の関係で組むのは初めてでしょうが、案外連携もよさげ。18分森脇クロス→興梠、88分森脇クロス→興梠と2度決定機を演出し、この出来なら遠藤と比較して調子の良いほうを使うというやり方はありだろうと思いました。

・またIHには矢島が復帰し、一応超久しぶりに浦和でのゴールを記録しましたが、相変わらずあえて矢島を起用する必然性は見いだせない出来で、69分に梅崎と交代。ところが梅崎の出来も芳しくありませんでした。梅崎はむしろSHのほうがマシと見受けられる一方、IHが適任の武藤をなんでわざわざSHに置き、むざむざと得点源をゴールから遠ざけるのか、これまた堀監督の不可解極まりないところ。

・守備に回った時に前からプレッシャーをかけてもたいして嵌らないので左SHが最終ラインに下がり、IHや右SHも位置を下げて5-4-1になっている局面が結構ありますが、そうなった時に左SHが梅崎や高木では守備が不安過ぎるので武藤を使っているという超本末転倒なのか???

・現状多くを期待できない出来で甚だ頼りない代表組とはいえ、代表組を温存できたのが唯一の収穫らしい収穫だった消化試合然とした塩試合。2週間空いてもこれといった上積みは感じられず、むしろ着実に壊れつつあるような状態でACL上海上港戦を迎える羽目になってしまいましたが、そんな状態でも「火事場の馬鹿力」が出せるのが浦和だと信じて埼スタへ向かいます(`・ω・´)シャキーン

Dscn3932

-----興梠-----
武藤-矢島-柏木--ズラタン
-----青木-----
宇賀神-マウリシオ-阿部-森脇
-----西川-----

(得点)
19分 矢島

(交代)
HT 宇賀神→平川
69分 矢島→梅崎
81分 ズラタン→ラファエル

・良い形でボールを奪えず、前半はボールキープすらままならないので興梠は終始孤立気味。ゆえに神戸が興梠を潰しやすい側面はあったかと思いますが、興梠の出来は芳しくなくていつものような鬼キープは見受けられず、決定機もすべて外してしまいました。特にAT突入直後のGKキム・スンギュのパスミスで得た絶好機を決められなかったのには脱力。

・故障明けの青木の出来もこれまた良くはなく、14分には自陣深い位置でパスカットされて大ピンチも! 青木の無理使いが上海上港戦に祟らなければ良いのですが。

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--ポドルスキ--渡邉---
大森--------小川
---藤田--高橋秀--
三原-渡部-岩波--藤谷
-----キムスンギュ----

(得点)
4分 小川

(交代)
64分 大森→田中順
83分 三原→高橋峻
85分 渡邉→大槻

・神戸は前半を中心にハイプレスが嵌りに嵌っていたにも関わらず、結局のところシュート数も決定機も浦和に凌駕された印象で、こちらもさほど褒められた出来とは思えず。ポドルスキが自由に中盤を浮遊し、そこから高精度のパスを繰り出せるのが強みといえば強みですが、ポドルスキが下がってしまうとフィニッシャーがおらず、何だかんだと最後に体を張ってくる浦和守備陣を崩せない。こちらも現状では中位から抜け出せそうにないような気がしますが、浦和と違って来年もとんでもない補強がありうるクラブですからねぇ・・・

・この日の観客は29,931人と鳥栖戦に続いて3万人割れ。もっとも神戸戦の観客数は例年多くはなく、昨年(6/25/土)も29,462人と今年と似たようなもの。ポドルスキの集客力って皆無に等しいみたいで(苦笑)。使い道が間違っているのかもしれませんが、あれだけ金払ってあの出来だと割に合いませんなぁ・・・

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2017.10.13

【展望】17年第29節神戸戦

(成績)

・勝ち点40(12勝4分12敗)の10位。夏のポドルスキ補強も実らず、第22節に今年2度目の3連敗を喫した時点で三木谷会長はとうとうネルシーニョ監督を更迭し、吉田孝行ヘッドコーチが暫定的に監督に就任。監督を代えた意味はそれなりにあったようで、第23節以降の成績は3勝2分1敗。しかも横浜Mや川崎といった上位チームとスコアレスドローで終えており、6試合中4試合が無失点。

・もっともルヴァン杯準々決勝は主力を代表招集で欠くG大阪に1分1敗(トータルスコア0-2)と良いところなく敗れています。

・総得点・総失点とも32で得失点差ゼロ。中位チームの中では鳥栖・神戸・FC東京のスタッツが非常によく似ていて「失点は少ないが得点も少ない」という傾向。その傾向は監督が代わって一層強まっている模様。

(戦力)

・なにも無尽蔵に金が湧き出てくるチームなので補強の話題には事欠かず、FWレアンドロ長期離脱を受けて春に獲得していたポドルスキが夏の中断期間開け(第19節)から試合に出始めたのに飽き足らず、FWハーフナー マイク(ADOデン・ハーグ(オランダ1部))を完全移籍で獲得。さらにFW金崎(鹿島)に手を出したり、MFスナイデルのリストアップが話題になったりと、何がしたいのか全く分からないがとにかく金だけは持っていることをひたすら誇示しています。しかもせっかく採ったマイクはほとんど出番なし(苦笑)。

・そんなクラブのやり方に愛想を付かしたのか、ユース育ちのDF岩波とFW小川が今季限りで退団との報道も流れて神戸は早々とストープリーグ入りした模様。

・怪我人はかなり戻って来て、レアンドロの他には峻希が長期離脱中なくらい。右SBはユース卒2年目の藤谷が穴埋め中。

・一方監督交代の影響なのか、左SB橋本和やCHニウトンがポジションを失い、代わりに三原と高橋秀がスタメンに定着。特にニウトンはJ1でも屈指のCHと思っていただけにビックリ。またネルシーニョ体制ではどうにもフィットしなかった田中順がここ3戦スタメン入りの一方で大森がベンチに回るという変化も。

(戦術)

・基本フォーメーションは4-2-2-2。守備時はきれいな4-4-2ですが、攻撃時は前目がかなり流動的。

・ポドルスキはやたら降りて来てボールを受けてゲームを作りたがる「大久保現象」を起こしているように伺えます。いかにも4-1-4-1のアンカー脇のスペースでウロウロしそうで、そこで自由を与えると目も当てられません。吉田監督はポドルスキにあれこれ注文をつけず好きにやらせているのが目先奏功しているのかも。空いた最前線には小川なり田中なりが入って前目のポジションはかなり流動的。またポドルスキは別にゲームメイクに専念しているわけではなく、引いた位置にいても一発があるので、バイタルエリアぽっかり&シュートコースがら空きだと即死しかねません。

・SBの裏を狙われるのを嫌ってるのか、SBの攻撃参加はあまり活発ではなく右SB藤谷のほうが左SB三原よりやや多いかなといった程度。概して前後分断的というか追い越し禁止的で攻守のバランスが大きく崩れることはなく、それが失点は少ないが得点機会も少ないというスタッツに表れています。

・守備時は積極的に前からボールを奪いに行くものの、ポドルスキがあんまり動かないのが仇となってかさして高い位置でボールを奪えず、川崎のようなポゼッションが巧い相手には簡単に押し込まれてしまいます。よって攻守両面でちまなり両SHの負担が滅茶苦茶でかそう。

・また新潟戦を見ると相手に食いつき過ぎて簡単に入れ替わられる、あるいはギャップを突かれて最終ラインの裏にスルーパスを出されるといった場面が。概して前には強いが背後はそうでもなく、またクロスボールに対して大外の選手をフリーにしやすいという実に浦和っぽい場面も散見され、結果的に失点は少ないものの守備が非常に堅いという印象は受けず。

(浦和の対応)

・国際Aマッチウィークを挟んで約2週間ぶりの試合。大方の選手は久しぶりにまとまった休養が取れましたが、槙野と遠藤が代表招集。しかもNZ&ハイチ相手の親善試合に槙野は2試合ともフル出場、遠藤は2試合目のハイチ戦でフル出場して中3日。とんでもなく層が薄いCB陣でハリルホジッチの信頼を辛うじて繋ぎとめている槙野はともかく、遠藤はアンカーには全く不向きなんじゃないか?と心配になるような出来で残念至極。

・浦和は今シーズン最重要のホーム上海上港戦を中3日で迎えるので、神戸戦ではこの代表組を休ませるのかどうかが見もの。槙野→宇賀神、遠藤→森脇と代えはいるので両選手ともベンチスタートにするのがどう考えても上策だと思いますが、なにせ前節仙台戦で故障持ちの柏木をスタメン出場させた堀監督。もはや「状態の良い選手を使う」どころか「とにかく信頼できる選手を酷使する」という変なところだけミシャスタイルに回帰してしまったようなので、またしても仙台戦と同じスタメンで臨むかもしれません。

・また堀監督就任後初めてまとまった練習時間が取れたので、アンカーの脇を自由に使われるとか、守備が緩慢なラファエルを狙い撃ちされるとか、似たようなやられ方を繰り返している問題にそれなりに手を打てたのかどうかも見所。またしても同じようなやられ方を繰り返すようなら、残念ながら上海上港戦も多くは期待できず、ひたすら相手の敵失を望むしかないということになりそうですが、果たして結果は如何に。

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<前節:新潟 0-2 神戸>

--ポドルスキ--渡邉---
田中順-------小川
---藤田--高橋秀--
三原-渡部-岩波--藤谷
-----キムスンギュ----

(得点)
53分 O.G.
88分 ポドルスキ

(交代)
66分 小川→大森
74分 高橋秀→ニウトン
80分 藤谷→伊野波

<前回:神戸 1-3 浦和>

---渡邉--田中順--
大森--------小林
---藤田--ニウトン---
松下-渡部-岩波-高橋峻
-----キムスンギュ----

(得点)
81分 中坂

(交代)
66分 田中順→大槻
70分 大森→中坂
81分 ニウトン→高橋秀

・予想通りの形とはいえ前半は神戸にしっかり守り倒され、神戸の狙い通りにカウンターを喰らいかかる場面もあって苦戦。しかし後半早い時間帯にミシャが駒井ボランチ投入という奇策を発動して停滞した戦局を一気に打開。

・リーグ戦で神戸にアウェーで勝ったのはなんと10年ぶり。しかもその10年前は会場がユニバーだったので、ノエスタでの勝利となるとなんと2005年まで遡ります。新神戸駅からの帰路が心地いいってそりゃ記憶にないはずだわ・・・

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2017.10.02

【観戦記】17年第28節:仙台 2-3 浦和 ~ へろへろの選手を酷使して勝つには勝ったが・・・

・アウェー上海上港戦の激闘から中3日。当然大幅に選手を入れ替えてアウェー仙台戦に臨むと思われましたが、スタメンはなんと長澤→梅崎の入れ替えのみ! 幸先良く先制したものの40分辺りから手応えが怪しくなり、後半には柏木や青木の消耗が顕著になって柏木のミスから失点。怪しげな判定も相まって後半は総じてオープンな展開になり、浦和が撃ち合いを制して辛勝。

・代表に招集された槙野&遠藤を除けば10/14神戸戦まで試合が空くので武藤のように無理使いが効く選手は極力使うだろうとは思いましたが、まさか故障持ちの柏木までスタメンで使うとは! そして案の定後半はヨレヨレになってミス連発の柏木を早い時間に下げる羽目に。柏木&ラファエルが故障欠場していた鳥栖戦の試合内容がほぼ負けに等しかったことから矢島・高木・駒井といった選手への信頼度がガタ落ちになってしまったのかもしれませんが、これで堀監督の取り柄だった積極的なターンオーバーすらとうとうお蔵入りに。

・へろへろの選手を酷使しては見たものの、またしても複数失点を喫して守備が改善される兆しは一向になく、「ボトムハーフ相手には選手の個人能力差でなんとか勝てるが、トップハーフ相手にはまるで勝てそうにない」「攻守ともにモロに個人の頑張りに依拠」といったここ数試合の内容から抜け出せず。昨年に続いてユアスタで仙台を撃破し、「ぼちぼちユアスタの苦手意識も払拭できたかもしれんな?」というのがこの試合の数少ない収穫といって差し支えないでしょう。

007

・仙台は浦和戦向けに特段変わった策は弄さず、いつもの3-4-2-1。守備時はさほど前から追ってこず、5-4-1で高めの位置に守備ブロックを形成。立ち上がりの出来は双方とも芳しくありませんでしたが、18分柏木からの縦パスで興梠が裏抜けを狙い、最後はラファエルのシュートで終わった辺りから徐々に浦和ペースに。

・26分の先制点は平岡(?)のハンドで得た柏木FKから。柏木が左サイドに開いている梅崎にいったん出して仙台の注意を惹きつけたのがミソで、梅崎からの折返しをダイレクトに蹴り込んで興梠ヘッドでゴール。ゾーンで守る仙台守備陣の間に興梠が入り込んでいました。セットプレーで一工夫入れるとは実に浦和らしくない形で、これもこの試合の良かった探しに入れて良いでしょう。

・28分にはラファエルの中央突破が決まりかかり、さらにスローインから梅崎がエリア内突入&シュートといった見せ場がありましたが、前半の浦和の見せ場はここまで。以後仙台が徐々に反撃。

・浦和の守備は梅崎が最終ラインに下がってはっきりとした5バックになり、かつ武藤や柏木も頻繁に下がって青木の両脇を埋める格好(ラファエルだけが極めてあいまいな位置に)。また総員お疲れのためか前目でボールを奪回しには行かず、専ら引いて最終ラインで弾き返す趣向。5バック化は仙台得意のサイド攻撃を封じる趣旨だったのかもしれません。それならたいして機能していない4-1-4-1なんて放棄して仙台とガチンコの3-4-2-1でやればええやんと思うのですが、なぜかそうしないのが堀監督の摩訶不思議なところ。

・仙台は石原が契約上浦和戦に出場できないのが響いてか前半は総じてビルドアップがスムーズとは言い難く、またなんとか前にボールを運んでも浦和の最終ラインを突破できない時間帯が続きましたが、44分古林がなぜか前に出ていた槙野の裏を突いたのを契機に中野→三田で決定機(シュートは上手くミートできずにコロコロ)。

006

・後半になると青木や柏木が明らかに動けなくなってしまい、49分には柏木の緩いバックパスを三田に掻っ攫われてそのままミドルシュートを浴びて失点。その直前47分柏木がイエローをもらった場面では青木がどう見ても間に合わないタイミングでスライディングタックルを試みてあっさり交わされたのが契機となっており、この時間帯で既に青木&柏木は耐用限界を超えていたような気がしてなりませんでした。

・同点に追いつかれたことで、早目の選手交代で逃げ切りたかったであろう堀監督の算段もフイに。50分には右サイドで中野に絡まれた遠藤がボールを失ったのを契機に後半投入の西村にポスト直撃のシュートを撃たれる一幕も。あれが決まっていたらそのまま浦和が逆転負けを喰らっていた可能性が極めて高いと思わざるを得ないくらい、この試合を通じて浦和が最も危なかった時間帯でした。

・ただこの遠藤のボールロストが浦和2点目の伏線に。60分右サイドで遠藤が野津田から強引にボールを奪ったのを機に、遠藤クロス→興梠ヘッドで2点目。遠藤は野津田を突き飛ばしたかのように見えるので失点後仙台が猛抗議するのは当たり前ですが、遠藤は中野に絡まれてボールを失った際にこの主審の傾向を会得したのでしょう。審判の傾向をうまく利用するのは鹿島が極めて得意で、浦和は総じて苦手でしたが。

・なんとか仙台を突き放した時点で堀監督はすかさず柏木を下げて長澤を投入。長澤は上海上港戦と違って攻撃に関与することはほとんどありませんでしたが柏木よりは動ける分格段にマシで投入には一定の効果があり、青木の負担も幾分軽減されて水を得たカピバラ状態に。67分椎橋のクリアミスを拾ってエリア内突入、69分仙台CKからカウンターと武藤に2度決定機がありましたが得点ならず。

・堀監督は74分に興梠を下げてズラタンを投入。興梠も相当お疲れなので妥当といえば妥当な交代ですが、守備はほとんどしない上にボールロストを繰り返して仙台のカウンターの基点にしかなっていないラファエルを放置したのがなんとも奇怪。負けていたらこれが失着として叩かれていたでしょうが、堀監督は相当分が悪い賭けに見事勝利。右サイドから突如中へ斬り込んできたラファエルが武藤とのワン・ツーで見事に中央突破して3点目。エリア内に入るとラファエルのシュート精度が活きます。というか、そもそもサイドに配しているほうがおかしいとしか思えないのですが。

・しかし謎過ぎたのはその後もラファエルを放置したこと。これが浦和のサイドの守備を最後に破たんさせた主因になったことは疑いの余地がありません。おまけに梅崎の消耗も著しくて左サイドの守備も相当怪しくなり、仙台は途中投入のクリスラン目がけて得意のクロス攻撃を連発。87分には左サイドから蜂須賀クロス→クリスランどフリーでヘッドも運よく西川の正面。しかし、88分右サイドからどフリーすぎる中野クロス→クリスランヘッドで失点。最後は阿部がクリスランに競り負けていますが、それ以前に中野を誰も見ていないのが問題すぎるでしょうに。

・当然すぎる失点を喫してから堀監督は遅まきながらラファエルに代えて高木を投入。しかも高木が右SHという見慣れない形で、それなら宇賀神のほうがまだマシでしょうにと思いましたが、何はともあれ大穴をかろうじて繕ってなんとか逃げ切り勝ち。ATには武藤に決定機が2度ありましたが得点ならず。武藤は前目の選手の中では最後まで気を吐いていただけに得点という形で報われなかったのは残念でした。

025

-----興梠-----
梅崎-武藤-柏木--ラファエル
-----青木-----
槙野-マウリシオ--阿部-遠藤
-----西川-----

(得点)
26分 興梠
60分 興梠
82分 ラファエル

(交代)
61分 柏木→長澤
74分 興梠→ズラタン
89分 ラファエル→高木

030

-----野沢-----
--野津田----梁--
中野-三田--奥埜-古林
-椎橋--大岩--平岡-
------関-----

(得点)
49分 三田
88分 クリスラン

(交代)
HT 梁→西村
70分 野沢→クリスラン
70分 古林→蜂須賀

・石原不在の影響はやはり甚大。なにかと気ままなクリスランは頭からは使いにくいのでしょうが、なんだかんだとクリスランを入れたほうが仙台はやることがはっきりします。クリスランの高さに阿部どころかマウリシオすら苦戦していたので、浦和が最も危なかった後半立ち上がりの時間帯にクリスランを投入していたら浦和をそのまま押し切れたかも。言い換えれば渡邉監督が地上戦に拘って勝機を逸した感も。

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2017.09.30

【展望】17年第28節仙台戦

(成績)

・勝ち点35(10勝5分12敗)の12位。もはや残留争いに巻き込まれる恐れはないが、トップハーフに入れる可能性も薄いという例年通りの成績でシーズンを終えようとしています。残留争い組に対する取りこぼしは少ないが、上位陣にはまるで勝てないという判りやすい傾向があり、しかも好不調の波もでかくて今季既に3連敗が2回。中下位になるべくしてなっているという成績です。

・前回対戦で浦和に7点取られた他、3点、4点と大量失点している試合が目立つ反面、ボトムハーフの中では得点力が高く、勝てばボロ勝ち、負ければボロ負けといかにも成績が安定しないチームらしいスタッツを残しています。

・直近ではFC東京相手に双方何の見どころもない塩試合をやったかと思えば、C大阪戦では一歩間違えれば壮絶な撃ち合いになりかねない派手な試合を演じており、シーズンを通してどころか試合毎でも出来不出来が激しいチームなのかもしれません。

・但し、ルヴァン杯では鹿島を撃破して準決勝進出。鹿島はCBの層が薄いのが数少ない泣きどころで、レギュラーCBが共に代表招集で不在だった幸運に恵まれた気がしますが、これはこれでたいしたもの。

(戦力)

・夏の移籍期間ではカザフィ体制下で完全に出番を失ったWB古林と、広島から新潟・清水とレンタルに出されるもいずれもフィットせずに終わったMF野津田をレンタルで獲得。共にコンスタントにスタメン出場しており、ピンポイントに良い補強をした模様。

・一方故障者が多く、序盤攻撃の軸になっていた左WB永戸とボランチで不動のスタメンだった富田が長期離脱。左WBは中野が穴埋めしていますが、ボランチは適任者不在なのか、なんと基本前目の奥埜が!

・リーグ戦中盤でボコボコ点を取りだしたFWクリスランは故障の影響なのか、戦術的な問題なのか、最近は後半途中からの出場に留まっています。次節浦和戦は浦和からレンタル中のFW石原が契約上出場できないので、1トップに誰が入るのかが見もの。前節C大阪戦では石原に代えて途中からなんと野沢が登場。なお今年獲得した平山は開幕前に大けがをして以降全く出番がありません。

・他に前節はGKシュミットダニエルが小破して欠場。

・若返りは着実に進んでいて、FW野沢や右WB菅井はほとんど出番がなくなった上、MFリャンも高卒3年目の西村に押し出されて最近は後半からの短時間出場に留まっています。CB増嶋も高卒2年目の椎橋にポジションを奪われてベンチへ。出番が減った左WB石川は札幌へレンタルに出されてしまいました。若返りが進んだのが今年の仙台の最大の成果かも。

(戦術)

・渡邉監督は今季新たに取組んだ3-4-2-1を一貫して採用。また渡邉監督はポゼッションに拘りをもっているようですが、仙台がパスを繋いでボールを前に運んだところで特に何かが起こるわけではありません。相手がプレッシャーをかけて来ても慌てなくなった辺りはポゼッションに拘ってきた甲斐があったかなと思いますが、それ以上の意味はなさげ。持ち味はむしろショートカウンター。

・なんとか前にボールを運んでも結局両WBからのクロス攻撃に頼りがち。アーリー気味にでもバンバンクロスを放り込んできます。このスタイルには夏に獲得した古林がぴったりで、どうしてもちょこちょこ仕掛けたがる腰高ドリブラーの中野はイマイチ。ただ往々にしてボールウォッチャーになりがちな浦和DF陣にとって大外へのクロスを多用する仙台の攻撃は非常に苦手かも。

・また三田&野津田とシュートレンジが広い選手がいるので、バイタルエリアがぽっかり空くとミドルシュートをぶちこまれかねません。

・梁がスタメンを外れることが多くなったのでFKは三田が蹴っていますが、元来得意だったセットプレーからの得点への影響は不明。

・守備は素早く攻守を切り替えて高い位置から積極的にプレッシャーをかけてきます。前目でボールが奪えない時の次善策として5-4-1の守備ブロックを敷くような格好。ただ富田がいないためかバイタルエリアの守備が案外緩くて、C大阪戦では際どいシュートを随分撃たれており、単にC大阪(特に山村)の決定力不足で事な気を得ただけのような。従って、最近は複数失点こそ記録していませんが特段守備が堅くなったようには見受けられません。

・浦和からレンタル中の石原がこの試合は契約上出場できず。石原はフィニッシャーとして(リーグ戦総得点34のうち8点が石原。ついでクリスラン7点)、さらにビルドアップというか縦パスの受け手としても文字通り孤軍奮闘中なので、石原不在の影響は半端ないと思われます。実際前節対戦時では石原不在がモロに響いて仙台の攻撃はほとんど体をなしていませんでした。

(浦和の対応)

・ACLアウェー上海上港戦から中3日。怪我を押して強行出場した柏木を筆頭に前目の選手を中心に疲労は甚だしく、守備陣もフィジカルの強い相手に激しいバトルを演じて相当お疲れだと思われます。仙台戦を最後に9/9柏戦から中2、3日で続いた連戦が終わり、代表に招集された槙野&遠藤を除けば10/14神戸戦まで試合が空くので無理使いが効く選手は極力使うのでしょうが、幸か不幸か浦和にとってリーグ戦はもはや消化試合。

・従って、上海上港戦でベンチスタートだったズラタン・高木・矢島・駒井・森脇は全員スタメンで出て来ても何らおかしくありませんし、故障明けの宇賀神も槙野に代わって左SBで出て来ても不思議はありません。

・少々机上の空論っぽいものの面子はそれなりに計算が立ちますが、問題は依然機能する気配のない戦術のほう。堀監督は相手に応じてフォーメーションを変える考えは全くなさそうで仙台相手でも4-1-4-1で臨むのでしょうが、準備期間もない中で面子を大幅に入れ替えて突如新戦術が機能し始めるとはとても思えないので、当然ながら苦戦が予想されます。

・埼スタではどういうわけか渡邉監督が付け焼刃の対浦和戦術で臨んで大敗する試合が目立ちますが、今回は立場が逆で戦術の成熟度が低いのは浦和のほう。ただでさえ苦戦しがちなユアスタでどうなることやら。

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<前節:C大阪 1-4 仙台>

-----石原-----
--野津田----梁--
中野-三田--奥埜-古林
-椎橋--大岩--平岡-
------関-----

(得点)
42分 石原
70分 野津田
77分 椎橋
90分 野沢

(交代)
69分 石原→野沢
73分 古林→蜂須賀
81分 リャン→西村

<前回:浦和 7-0 仙台>

---梁---奥埜---
-----藤村-----
永戸-三田-富田-蜂須賀
-増嶋--平岡--大岩-
------関-----

(交代)
HT 藤村→クリスラン
68分 永戸→茂木
68分 蜂須賀→菅井

・便宜上3-4-1-2と記しましたが、そんな形になっている時間帯はなく、前半は完全に5-3-2。後半クリスランが入って3-4-2-1に戻した風でしたが、如何せん陣形ガタガタの前がかりなのでよく判らず。

・それにしても毎回毎回渡邉監督は浦和とのアウェーゲームでやり慣れない策を弄して、その度に惨殺されるのか不思議でなりません。わざわざ伝統の4-4-2を放棄して、今年3-4-2-1に取り組み始めたばかりというだけでもかなりのハンデと目されるのに、この試合ではその3-4-2-1すら放棄してなぜか5-3-2を採用して案の定全く機能せず。

・おまけに過密日程でも何でもないのに、前節川崎戦からスタメンを3人も入れ替え。新戦術定着を最優先にここまでリーグ戦5試合とも同一スタメンでやっていたと目されるのに、なんでここでわざわざスタメンを弄るのか??? しかも抜擢した3人(藤村・蜂須賀・増嶋)が揃いも揃って何の役にも立たないありさま。普段やってないフォーメーションを採用し、しかもスタメンまで弄ってチーム熟成が進んだ浦和に対峙するなんて愚の骨頂。7-0の大差は起こるべくして起こったような気がします。

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