2017.06.22

【観戦記】第97回天皇杯2回戦:浦和 3-2 盛岡 ~ この試合の良かった探し= 大雨が止んでポンチョ要らず!

・大敗した磐田戦から中2日。週末には中3日でアウェー鳥栖戦が控えていることもあって、ミシャは磐田戦から全選手入れ替えという極端すぎるターンオーバーを採用。普段の試合ではベンチにすら入れない選手を実戦でテストする機会は、今年ここまで半ば消化試合だったアウェーソウル戦しかなかっただけに、ミシャも思い切った策に出たのでしょう。

・但し、過去何度か見られたこういう極端なターンオーバーはだいたいロクなことがなく、ナビスコ杯といい、天皇杯といい、不覚を喫するのがもはや恒例行事で「不覚」と呼ぶことすらおこがましいほど。従って内容がどんなにしょっぱかろうが、結果は僅差だろうが、この試合はとにもかくにも勝ったことをもって合格。他会場でJ1勢があちこちで無残な討ち死を遂げているのを見ると、なおさら「勝ってよかった!!」と思わざるを得ません。

・結果は合格点ですが、その副産物として控え選手の底上げが見られたかとなると大いに疑問。唯一長澤に光明が見いだせたくらいで、それでもせいぜい矢島に代わってベンチ入りするかもしれんなといった程度。総じて那須、駒井、青木のようにコンスタントにベンチ入りしている選手と、ベンチにすら入れない選手の差は歴然。また矢島や高木はしばらくベンチ外に転落してしまうかもしれないという、悪い意味での「発見」のほうが多かった試合だったと思います。

001

・盛岡は通常3-4-3、守備時は5-3-2っぽい感じでしょうか。先週末の磐田戦を参考にしたのかもしれませんが、とにかく最終ラインがかなり高いのが特徴。これに対して前半の浦和はビルドアップが壊滅的で、どうにもこうにも話にならず。レギュラー陣が一人もいないので連携難には多少目を瞑らざるを得ませんが、それにしても酷かった。

・攻撃時の浦和はいつも通り4-1-5になりますが、その「1」の矢島がほとんど何もできず。これが何より辛かった。最終ラインからのボールの受け手としても、前線へのボールの出し手としても全く機能せず。ミシャが前半だけで見切りをつけたのは当然でしょう。

・また前線では浦和の5トップと盛岡の5バックとが一直線上に並ぶ「惑星直列」的な構図が頻発。ミシャ初期に良く見られた構図で、武藤がボールを受けに頻繁に下がってくる今となっては懐かしい感じがしますが、とにかくボールを引き出すような動きがほとんど見受けられず、ただただ最終ラインに貼り付いてボールが出てくるのを待っているだけ。これでは縦パスを入れようにも入れられるはずがありません。入れたところで「とにかく収まらないズタラン」に参りました。

・従って浦和の攻撃は深い位置から盛岡最終ラインの裏へアバウトに蹴ってヨーイドンばかり。しかも柏木のように高精度かつ良いタイミングでボールが出てくるわけではないので、オフサイドの山を築いたり、GKにそのままキャッチされたりと散々。

・先制点はそんなアバウトな攻撃が奏功したもの。田村の縦パスで裏抜けに成功した高木のハイクロスが盛岡DFのエリア内ハンドを誘発。ズラタンが落ち着いて決めて浦和先制。

006

・先制はしたもののパッとしない試合内容に業を煮やしたのか、ミシャは後半頭から矢島→駒井、菊池→ラファエルの2枚替え&大規模配置転換。出来が悪い選手だらけの中で特に酷い選手をばっさり斬ったようなもので両名には気の毒ですが、勝負事なので致し方ないし、代えられても仕方ない出来でした。

・ラファエルが入ったので浦和は縦に速く攻める意識が一層強まり、実際後半開始早々にカウンターで好機がありましたが、53分自陣深い位置で無理に繋ごうとして長澤がボールを失ったのを機に失点。前半からビルドアップに怪しげな場面が頻発していたので、これは起こるべくして起こった失点と言っていいでしょう。

・同点に追いつかれたことでミシャは延長戦突入の可能性なんて全く考えることなく早々と3人目を投入。これまた酷い出来に終始した高木に代えてオナイウを入れ、その直後に長澤の浮き球縦パスで裏抜けに成功したズラタンがゴール!!

007

・最後に投入されたオナイウの出来はなんとも微妙。裏抜けの意識は極めて高く、カウンターの好機にも良く絡んでいましたが、65分ズラタンからのクロスを派手に打ち上げてしまったのを皮切りに決定機で外すわ、外すわ。それでも79分那須の縦パスで裏抜けに成功し、盛岡GKのクリアミスという僥倖もあってようやくゴール。FWなのに公式戦で一点も取れないまま浦和を去る選手がいることを思えば、どんな形であろうと一点取れたのを率直に喜ぶべきかもしれませんが、何度もあったチャンスをあれだけ外すとちょっと辛い。悪く言えば「イロモノ」扱いを脱しきれないかも。

・終盤は盛岡の運動量がガタ落ちになったこともあって、このまま何事もなく終わるかと思いきや、ATになって浦和左サイドからのクロスをヘッドで微妙にコースを変えられて綺麗に失点。最後の最後まで「なんだかなぁ」な試合でした。

・この試合で一つだけ確実に良かったといえるのは試合中どころか、行き帰りも雨が止んでポンチョどころか傘も差さずに済んだこと。5時前までは大雨どころか強風まで吹いていたので、バック2Fでの観戦は滝行になるかもしれんなぁと覚悟していただけに意外な展開でした。

011

-----ズラタン-----
--高木----梅崎--
菊池-矢島--青木-平川
-田村--那須--長澤-
-----榎本-----

(後半開始)
-----ズラタン-----
--高木----ラファエル--
梅崎-長澤--青木-駒井
-田村--那須--平川-
-----榎本-----

(得点)
29分 ズラタン(PK)
63分 ズラタン
53分 《盛岡》林
79分 オナイウ
90+3分 《盛岡》谷口

(交代)
HT 矢島→駒井
HT 菊池→ラファエル
61分 高木→オナイウ

・この日の数少ない光明が長澤。前半はCB頭数不足の影響をモロ被りして右CBに配されましたが、後半ボランチに入ってようやく本領発揮。2点目のアシストに象徴されるように果敢に縦パスを繰り出すだけでなく、時に自ら持ち上がることもあり、あまり得意でないと言われるワイドな捌きもそれなりにこなしていました。柏木不在時に駒井をボランチに回すよりは長澤で良いんじゃないかという気も。

・逆に失望したのが菊池。攻撃時ドリブルで仕掛けるだけでいかにもオプションが少ないというか回りが見えておらず、しかも守っては簡単に裏を取られるって駒井初期に似ている気がしますが、駒井初期より攻撃力がなく守備は一層脆い感じで、これはベンチ入りは遠そう。

・高木は怪我明け以降コンスタントにベンチ入りしていますが、ボールをもらってからしか仕事をしないというブレイク以前の姿にすっかり戻ってしまいました。WBに置くと守備がヤバすぎるのは明白ですし、この分だとシャドーとWBがそれなりに兼用できる梅崎と立場が逆転するような気がします。

・最終ラインが高い相手に確実に勝ちきるために投入されたとしか思えないラファエルですが、ひょっとするとシュートゼロ??? 故障明けで依然コンディションがイマイチなのか、あるいは「相手なりにしか仕事をしない」という暢久タイプなのか、ちょっと心配。自分で強引に行かず、ほぼオナイウ使いに徹していたような。弟を育てるつもりだったのかもしれませんが(苦笑)

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2017.06.19

【観戦記】17年第15節:浦和 2-4 磐田 ~ ポチッ! 自爆ボタンだらけの浦和蹴球大会ヽ(^o^)丿パフパフ!!

・西川の凡ミスで先制されたもののなんとか逆転に成功し、あとはラファエルを投入してカウンターで決定的な追加点を取るだけ!という必勝態勢に持ち込みながらの逆転負け。

・実際追加点を取るチャンスがあり、そこでラファエルが決めらなかったのも痛手でしたが、まぁそこは怪我明けだったこともあり致し方ない。どうにも解せないのは勝っているのにわざわざ過剰なリスクをかけて敵陣に攻め込んでカウンターを喰らってしまったこと。

・浦和CKで柏木のパスをカットされ、縦パス一本でアダイウトンへって、なんで勝っているのに守備に人数を揃えていないのか??? なんでアダウイトンに付いているのがスピードがない森脇一人なのか?槙野はどこに行ったのか?? 2失点目は果敢に飛び出した西川のクリアミスがどうしても目についてしまいますが、追加点を取りに行く際までアホほどリスクをかけてしまう今年の浦和の体質そのものが招いた失点でしょう。

・清水戦もそうですし、結果は大勝ですが新潟戦の終盤もそう。なぜか勝っているのにリスクマネジメントが疎かになってしまう。結局殴り合いに持ち込まれて勝ち点をむざむざ手放してしまう。終始前がかり、最初から最後までノーガードでかつ全力で相手を殴りに行くみたいな今年の浦和のスタイルに巨大な疑問符が付きつけられたような試合だったといって差し支えないでしょう。

・「まさか!」という形で同点に追いつかれた浦和はすっかり浮足立ってしまい、あれよあれよという間に立て続けに失点を喫して大敗。3失点目は人数は揃っているのに紙のようにぶち破られたDF陣が相当情けないと思いましたが、もう憤りを通り越して乾いた笑いしか出なかったのが4失点目。逆転されてミシャは突如関根→ズタランという勝負手を放ち、森脇を左WBに配転する等複数人の配転を行いましたが、浦和が守備陣形を整える間に森脇がいなくなった右サイドを簡単に突破されて失点。

・これはもうミシャお約束の自爆ボタン連打!としかいいようがないでしょう。しかも投入したズラタンへはほとんどボールが配給されず、なんのために投入されたのかさっぱり判らないまま試合終了。雨天かつ日曜のナイトゲームということもあってかAT突入前から席を立つ人が目立ち、試合終了まで残ったファン・サポーターから強烈なブーイング&野次が飛び交う久しぶりの大荒れ模様となった埼玉スタジアム。

・最初に西川が自爆ボタンを押したのは確か。ミシャが自爆ボタンを連打するのは半ば仕様。なにより今年の浦和のコンセプト自体が巨大な自爆ボタンなんだろう。そしてそのボタンを選手と監督が競い合うように押し続けてこの惨状。リーグ戦はまだ半分も終わっていませんが、浦和は自爆しすぎて周囲がすっかり焼け野原になってしまった感があり、立て直しには相当時間がかかりそうです。

Dscn0594

・自爆ボタン連打が敗戦の主因ですが、そもそもこの試合浦和の試合の入りも非常に悪かった。磐田は序盤川又&アダイウトンどころか松井まで加わって、浦和最終ラインに強烈なプレッシャーをかけてきました。柏ならともかく、磐田のこの出方は浦和にとって予想外だったのか、浦和の試合の入りはメロメロ。柏戦は意図的にロングボールを蹴っていたように見受けられましたが、この試合では苦し紛れに蹴らされていた感じ。

・柏戦は延長にもつれ込んだ済州との激闘から中3日だったのでコンディションが良かろうはずがなく、浦和の普段のスタイルを捨ててロングボール主体で挑むのも悪くないと思いました。ところが、磐田戦は代表ウィークを挟んで2週間ぶりの試合だったにも関わらず、選手達の動きは依然として緩慢なのはどうしたものか? おまけに下手に休んだためか、連携も怪しくなって至る所でパスミスが続出。使い詰めなら当然ヘロヘロになり、休んだら休んだでメロメロになる。なんなんだ。浦和は???

・明らかに磐田ペースで試合が進んだにも関わらず、磐田の攻撃はこれまでのスタッツが示す通りに大したことはなく、9分に興梠のボールロストから松井に決定機を与えた場面があったくらい。磐田の超積極策も15分も持たず、その後はいつもどおり5-3-2ないし5-2-3といった形で最終ラインこそ高めながらもリトリート主体に守備。

・よって内容は芳しくないながら低位均衡っぽい感じで試合は推移しましたが、36分に西川の凡ミスで失点。宮崎FKのハイボールに対して西川が飛び出すもボールを弾くどころか川又に触れもしないという大失態。川又が競り勝った先で大井が詰めて磐田先制。

・もっともこのくだらない失点で浦和はようやく目が覚めたようで急に動きが活発になり、43分柏木CK→阿部ヘッドで同点。早い時間帯に同点に追いついて気を良くしたのか、後半も立ち上がりに一度危ない場面があっただけで概して浦和優勢。磐田はアダイウトンまで下がって5-4-1の守備ブロックで凌ぐ時間帯が長くなり、特に浦和の両WBには決定的な仕事をさせない辺りはさすがだと思いましたが、56分武藤→興梠ポスト→阿部がエリア内突入でついに逆転。サイド攻撃をちらつかせて中を割る、実に浦和らしい攻撃でした。あまり数は多くはない阿部の攻撃参加も見事に嵌りました。

・逆転に成功した時点で代表帰りの宇賀神に代えて駒井、さらに李に代えてラファエル投入というミシャの判断は納得が行く範囲内。駒井もラファエルもカウンターに向いた「一人で出来た!」系の選手。実際67分には森脇→武藤→ラファエルの決定機。もっともラファエルが好調時ならスライディングしてきたDFを交わしてシュートを撃つ余裕があったでしょうけど、慌てて撃って失敗。

・ところがせっかく必勝態勢に持ち込んだのに自爆ボタンを押してしまうのが浦和。同点に追いつかれて浮足立ったのか、3失点目は明らかに浦和が数的優位なのに全員何の役もたたないカラーコーン状態での失点! バイタルエリアに川又&アダイウトン&途中投入の松浦と3人も入りこまれていとも簡単にパス回しを許し、あまつさえ西川はニアのシュートコースがら空き( ゚д゚)ポカーン

・75分柏木→興梠クロス→ラファエルヘッドは叩きつけ過ぎて枠外。これが浦和が勝ち点をゲットできたであろうラストチャンスだったかな?

・4失点目はズラタン投入に伴う大配置転換が仇になったのでしょう。遠藤が川又に競り負けてボールキープを許したのはともかく、アダイウトンにフリーでボールを拾われたのも痛ければ、阿部と槙野の間にギャップが出来て松浦の突破を許しているのがなんともいやはや。オフサイドを主張している選手(槙野)が往々にしてオフサイドが取れなかった主因だというのはもはや寺田の鉄則

・あたかも終戦直後の第一生命ビルのようにまともに建っているのが興梠くらいという感じに見事なまでに一面焼け野原になってしまった浦和。さぁ、天皇杯を挟んでミシャはどうする???(相変わらず自爆ボタンを握りしめたままで)

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-----興梠-----
--武藤-----李--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

(得点)
43分 阿部
56分 阿部

(交代)
58分 宇賀神→駒井(関根が左WBへ)
61分 李→ラファエル(興梠がシャドーへ)
79分 関根→ズラタン(森脇が左WB、阿部が右CB、武藤ボランチへ)

・代表帰りの遠藤、槙野、宇賀神はいずれもスタメン。代表で出番がなかった槙野や宇賀神はともかく、テヘランで90分酷使されて中3日の遠藤がスタメンで出てきたのには心底驚きましたが、11日の筑波大学との練習試合の出来が芳しくなかったのがこの結果なのかな?

・但し、この日宇賀神が途中交代となったのは戦術的なものではなく、もともと故障をおして出場していたためだったことが試合後判明。それならまたしてもミシャの「無理使い」が祟ったということに。

・西川は代表落選でメンタルがおかしくなったのかな? 一瞬の迷い、一瞬の判断ミスが致命傷になってしまうポジションで、ひょんなことから大不振に陥ってしまうケースがまま見られるだけにかなり心配です。天皇杯は榎本が起用されるでしょうし、その結果如何では正GKが代わってしまってもなんら不思議はありません。ミシャは凡ミスをやらかした選手、良いところがなかった選手、そして試合に出られなくなった選手へのケアだけは超一流なので、西川にも何がしか立ち直りのきっかけを与えてくれるのでしょうが。

-----川又-----
--アダイウトン---松井--
宮崎-川辺-ムサエフ--櫻内
-森下--大井--高橋-
-----カミンスキー----

(得点)
36分 大井
68分 アダイウトン
74分 松浦
80分 松浦

(交代)
59分 宮崎→小川
68分 松井→松浦
86分 アダイウトン→齊藤

・中村は前節G大阪戦で強行出場したのが祟ったのか、なんとベンチ外。ところが中村がいないなりに、縦に速くシンプルに攻めたのが見事に奏功。もっともその攻めは多彩というわけではなく、浦和がひたすた自爆ボタンを連打しまくって磐田の良さを引き出してしまっただけのような。

・磐田が良かったのは明らかに守備のほう。関根や駒井には常に2人で対応して、ほとんど何もさせず。大きくボールを振られても素早く守備陣形を整えて粘り強く対応していました。また守備をしないジェイを切っただけのことはあり、前3人の献身的な守備も実に効果的で、最終ラインの位置の高低はともかくコンパクトな陣形は最後まで保たれていたと思います。J2時代はザルで、昨年も電池切れとともに終了だった守備がここまで強固になるとは名波監督も侮れない存在に。

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2017.06.17

【展望】17年第15節磐田戦

・代表ウィークを挟んで2週間ぶりのJリーグ再開。大半のゲームが土曜開催なのに、浦和とFC東京の主催試合だけが日曜開催。火曜日にイラクとのアウェーゲーム(といってもテヘラン開催ですが)があったばかりなので、代表組が多い両チームは試合間隔を1日多く開けたのかもしれませんが、残念なことにFC東京はとうとう代表ゼロに(苦笑)

(成績)

・勝ち点19(5勝4分5敗)の11位。昨年2ndステージで勝ち点13(2勝7分8敗)と大失速したことを思えば、ここまでの戦績は大健闘といって差し支えないでしょう。

・総失点13はボトムハーフでは最少。一方得点力は乏しく、無得点に終わった試合が7試合もあります。特に10~13節の4試合連続無得点は圧巻!逆に3得点の試合も3試合あり、嵌った時と嵌らない時の差が酷いのかもしれません。また札幌、甲府、広島相手にドローに終わるかと思えば鹿島やG大阪相手に3-0で完勝するなど、スコアだけ見ると強いのか弱いのかさっぱり判りません。

・ルヴァン杯勝ち点9(3勝3敗)のA組4位でグループリーグ敗退。最終節で一人少ない大宮に敗れてプレーオフ入りを逃したようです。

(戦力)

・昨年リーグ戦総得点37のうち14得点を叩きだしたジェイを契約満了の形で放出する一方、横浜Mとの契約が切れた中村を獲得。どういう風の吹き回しか判りませんが、昨オフに磐田はチームを根幹から変えてしまうレベルの主力中の主力選手入れ替えを敢行しました。ジェイは守備をしないとか、性格的に結構面倒だとか、使いづらい面が多々あったのかもしれませんが、高齢選手の代わりに来たのがさらに高齢な選手だというのがいやはや何とも。

・また昨年期待外れに終わったCBパパドプーロスに代えて獲得したCHムサエフが大当たりで、磐田の失点減に大きく寄与。ウズベキスタン代表だそうですが、ポーランドのGKカミンスキーといい、磐田は妙なところから良い選手を拾ってきます。

・他に新戦力ではFW川又(名古屋)とCB高橋祥(神戸)がコンスタントにスタメン出場。一方、放出した選手で昨年の主力だったのはジェイだけなので、磐田は今オフの補強で地味に選手層が厚くなっているという見方も出来ます。

・SH太田、SB山本康、CB藤田が故障中。さらに一時期待の星になりかかったMF小川がU20W杯での故障で長期離脱を余儀なくされています。

(戦術)

・基本フォーメーションは昨年以来の4-2-3-1から今季途中で3-4-2-1、さらに3-4-1-2へと大きく転換。中村の活かし方とJ2時代からの主力であるアダイウトンの使い方を巡って試行錯誤を重ねている様子が伺えます。結局アダイウトンは左WBではなく、川又と2トップを組ませるのが最適というところに落ち着いたようです。中村は純然たるトップ下ではなく、住所不定といった風。

・そして前節G大阪戦を見るとこの2トップが非常に厄介。どちらもフィジカルが強いガチムチ系FWで、対峙するCBがちょっとでも軽い対応を見せると縦ポン一発でぶち抜かれてしまいます。ただそれはDFラインが高い相手に嵌りやすいだけで、DFラインが低い相手だとたちまち行き詰まり、結局のところ中村のFK頼みになってしまうようでもあり。実に得点の半分以上がセットプレー。

・両サイドからのクロス攻撃が目立つのはJ2時代から変わっていませんが、ここはジェイを失った影響がモロに出ていて、いくらいい形を作ってもほとんど点は入りません。川又のシュートが入らないのは仕様です。

・守備時は5-3-2でリトリート主体。といってもDFラインが低いわけではなく、昨年までと違って川又が懸命に守備をこなすので、陣形もさほど間延びしません。ムサエフが控えているのでバイタルエリアがぽっかり空いてしまうこともあまりなさげ。ただ前述のように攻め手が多くはないせいか、攻めに出た時のカウンターに脆い印象。

(浦和の対応)

・昨年2ndステージ対戦時はスコアこそ1-0ながら磐田に何もさせない完勝。ただその時から磐田はフォーメーションもスタイルもだいぶ変わっていて、昨年の経験はあまり役に立たないかと。おそらく磐田が形成する5-3-2の守備ブロックを前に、浦和が一方的にボールを保持する展開になろうかと思いますが、磐田は前節G大阪戦同様浅い浦和のDFラインの裏を縦ポン一発で狙ってくるでしょうから、浦和も細心のリスクコントロールを求められます。

・代表には槙野・宇賀神・遠藤の3選手が選出。幸か不幸か火曜日のイラク戦で90分酷使されてしまった遠藤は、中4日とはいえ磐田戦はお休みにせざるを得ないでしょう。槙野と宇賀神は全く出番がなかったので、代えが効かない槙野はもちろん、宇賀神も大きくコンディションを崩していなければスタメンで出てくると思いますが。

・ラファエルは意外にも故障が長引き、今週後半になってようやく練習に全面復帰。残念ながら細かい故障離脱が多かった新潟時代の経歴そのまんまみたいですが、いきなりスタメンで無理使いするかどうか。途中投入でもなんら問題がなさげなタイプなので、あえて無理することはないと思いますが。

・前節柏戦はヨレヨレヘロヘロのチーム状態にも関わらず内容はそんなに悪くなく、ただ勝ち点1すら取れなかったのが残念といったところ。磐田戦は多少なりともリフレッシュできたでしょうから、是非とも勝ち点3を確保して欲しいものです。

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<前節:磐田 3-0 G大阪>

--アダイウトン---川又--
-----中村-----
小川-川辺-ムサエフ--櫻内
-森下--大井--高橋-
-----カミンスキー----

(得点)31分 アダイウトン、40分 川又、55分 川又

(交代)
74分 中村→松井
83分 川又→荒木
87分 高橋→宮崎

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2017.06.05

【TV観戦記】17年第14節:柏 1-0 浦和 ~ 疲労困憊の中でやれることはやったが一点が遠かった

・浦和は済州との120分の激闘から中3日。一方柏は事実上平日の試合はなかったも同然。なんだかんだと言ってもコンディションの差は歴然。この試合の直前に横浜Mvs川崎の試合をTV観戦していましたが、川崎の動きが実に悪くて「こりゃ浦和もしんどいで」と思ったところ案の定。浦和はやるべきことはそれなりにやり、内容も悪くはなかったけれども、前半終了間際にやらずもがなの失点を喫し、興梠のPK失敗も響いて敗戦。

・繰り返しになりますが、試合内容は悪くありませんでした。浦和は疲労困憊という制約条件下で前半はあえて柏にボールを持たせ、柏のプレッシャーを交わす意図も兼ねてロングボール主体でシンプルにカウンターを繰り出して決定機を作り、先制された後はカウンターを喰らうのを覚悟のうえで攻めに出て何度か決定機を作りました。決定機の数自体は柏と大差なかったと思います。

・ただ点の取られ方が何度も見たようなパターン(=ファーへのクロスを折り返される)だったのがあまりにも残念で、それまで浦和ペースで進んでいた展開をぶち壊してしまったのが残念。また興梠がGK中村との駆け引きの中でほぼ自爆のような形でPKを外してしまったのも残念。また終盤のFW陣の疲弊は著しく「ラファエルが間に合っていれば・・・」という形になってしまったのもこれまた残念。まぁ3つも残念要素が重なれば負けますわなぁ、フツー。

・昨年はFCソウルとの120分の激闘直後にアウェー鳥栖戦でとんでもない塩試合を演じてしましましたが、内容はクソでも勝ち点1。今年も似たような日程で、柏相手にそんなに悪くない試合内容ながら勝ち点ゼロというのが実に皮肉なもの。実力が鳥栖<<柏だと言ってしまえばそれまでですが、内容が悪くなかっただけに勝ち点1は持ち帰りたかったのが正直なところ。

・悪くない試合なのに勝ち点1すら掴めないから浦和はダメなんだ!!という見方もあるかもしれませんが、大宮に負けたり、清水とドローで終わったりするほうがよほどどうにかしており、個人的には「この敗戦は致し方ないか・・・」と試合終了後は案外サバサバ。たださすがに試合終了直後の「Jリーグタイム」は辛くて見れませんでした(つД`)

・1試合少ないながら首位柏との勝ち点差は7に開いてしまいました。個人的にはACLと並行して日程がきついリーグ戦前半、首位と勝ち点5差くらいまでは許容範囲と思っています。ゆえに1試合残しての勝ち点7差はぎりぎりの範囲かと考えますが、もっともその1試合の相手が川崎だというのがちょっときつい。川崎も連戦には弱そうなのが救いといえば救いですが。

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・スタメンは済州戦から武藤→高木、駒井→宇賀神の2名のみ入れ替え。全くスタメンを入れ替えなかった前述鳥栖戦と比べればミシャなりに進歩(苦笑)。柏木→矢島とか遠藤→那須とかもうちょっと入れ替えてもいいような気もしましたがこのスタメンでも内容は悪くなく、また途中投入の選手の出来を見ると駒井が別格だっただけなので、スタメン選考自体が敗因とは思えず。ただラファエルが間に合わなかったのだけは残念。

・また選手のコンディションを勘案してか前半はいつもの浦和のスタイルをかなぐり捨てたかのように引いて守ってカウンター狙い。しかも柏のハイプレスを交わすのを兼ねてロングボールを多用して両WBに一気に展開したり、あるいはゴールキックでいきなり興梠なり高木なりに柏最終ライン裏を狙わせるような単純な攻撃が目立ちました。

・浦和はそんな単純な攻撃でもそれなりに決定機を掴みましたが、これがなかなか決まらない。3分カウンターのチャンスで関根シュートの跳ね返りを高木がエリア内でどフリーで拾ったにも関わらず高々と打ち上げてしまったのがケチのつけ始め。32分森脇縦パスを受けて右サイドで裏抜けに成功した李のパスはわずかに興梠に合わず。37分カウンターで関根→李と左右に振り回し、バイタルエリアから森脇が急襲するもGK中村が好セーブ。

・一方ボールを持たされた柏は早々に手詰まりに陥り、17分にクリスティアーノが森脇をぶち抜いて絶好機を掴んだ他は前半終了間際まで決定機を作れず。しかしその前半終了間際のワンプレーが決勝点に。

・右SB小池に対峙しながら高精度のクロスを許してしまった高木もどうかと思いますが、ファーの武富がフリー(森脇はボールウォッチャー&関根は武富に付ききれず)で、折返しを中川に詰められてしまいました。中川には当初阿部が付いていたはずですが・・・後方から飛び出してくる中川は浦和守備陣が苦手そうと思ったら案の定。

・これで浦和は通常運転で攻めざるを得なくなり、当然ながらカウンターを浴びる機会も激増。47分には高木がいとも簡単に小池のエリア内侵入を許してしまい、小池クロス→エリア内どフリーでクリスティアーノにシュートを撃たれる絶体絶命の大ピンチがありましたが、なぜかクリスティアーノが無人のゴール前で宇宙開発。

・ラッキーな形で大ピンチを凌いだ浦和はその直後にCB中谷のエリア内ハンドでPKを獲得。ラッキー続きでこりゃええわ!!と思ったのも束の間、なんと興梠がPK失敗。しかもシュートは枠外。中村がPKまで強いのかどうか判りませんが、シュートストップに定評があるGK相手なので興梠も相当プレッシャーを感じたのでしょう。2回もフェイクを入れるという小細工が祟ってシュートは枠外。ブッフォンやノイアー相手のPK戦でキッカーが勝手に外しまくるのを見たことがありますが、あれの矮小版みたいな(´・ω・`)ショボーン

・その後もクリスティアーノや途中投入の大津の単騎抜け出しを許すピンチを許しながらも、浦和は執拗にサイドから攻撃を仕掛けてチャンスメーク。59分高木クロス→関根が角度のないところから狙うも中村セーブ。さらにミシャは切り札駒井を投入して攻勢を強め、73分駒井→興梠の決定機を掴むもこれまた中村がセーブ。CKから決定機を掴めないのは仕様通りで、1点が遠くてそのまま試合終了。

・後半通常運転に切り替えたとはいえ、攻撃は両WBなりワイドに張った高木なりからのサイド攻撃がほとんどでコンビネーションプレーによる中央突破はほとんど見られませんでした。終盤興梠や李の疲弊が顕著だったのもその一因でしょう。ゆえにコンビネーションを発揮してナンボの武藤投入は疑問で、下げたのがサイド攻撃に強い高木というのも疑問。

・それ以前に細かいパスミスが多発してビルドアップに苦労し、前半はともかく後半もロングボール主体の攻撃になってしまった時点でなんだかんだと柏のハイプレスが奏功したということなのかも。特に中川の運動量は驚異的で、その執拗なプレッシャーに浦和最終ラインどころか西川すら悩まされました。

-----興梠-----
--高木-----李--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

(交代)
63分 関根→駒井
70分 阿部→青木
75分 高木→武藤

・前半のようなカウンター重視であれば、昨年ルヴァン杯仕様みたいな高木&ズラタンの起用でも良さそうなものですが、今のズラタンにそこまで信用がないのかと。また前半のカウンターチャンスは興梠の鬼キープがあって初めて成り立っていたのも事実。興梠はあれでかなり消耗して、終盤消えたも同然に。だからラファエルがいれば・・・

・ミシャはついに阿部を途中で下げる決断。別に連続試合出場記録継続のために阿部を起用し続けたわけではないと思いますが、昨年あたりから阿部のミスが目立つようになったのは明らかでぼちぼち青木との併用を考えるべき時だと思います。もっともこの日代わって出た青木の出来が特に良かったわけでもないのが残念でしたが。

----クリスティアーノ----
武富---中川---伊東
---手塚--大谷---
輪湖-中山--中谷-小池
-----中村-----

(得点)
45+1分 中川

(交代)
82分 手塚→細貝
84分 武富→大津
90+3分 伊東→オリヴェイラ

・下平監督はスタメンをCB鎌田→U20W杯帰りの中山に入れ替え。連戦でもないのに連勝中にスタメンを弄るのは不思議な気もしますが、大過なし。

・MOMと言って差し支えない大活躍のGK中村。キック精度は正直低く、またゴールマウス貼り付き型で西川とはスタイルが真逆みたいですが、いかにも「シュートを止めてナンボ。キックは適当でよろし」のホジホジ好み。いやはや数々の好セーブには参りました。

・終盤守備固めで細貝を投入。細貝は浦和が一番しんどい時期に無料で出て行ったから腹立たしいのは確かだけど、当時の浦和が糞だったのもまた確かなので、個人的には「応援はできないけど非難もしない」というスタンス。

・得点に絡んだ武富と中川は柏下部組織育ちですが、中川は大東少年団、武富に至っては三室少年団→FC浦和と共にもともとガチの浦和っ子。浦和は何をやっていたんだ・・・(つД`)

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2017.06.03

【展望】17年第14節柏戦

(成績)

・シーズンの入りは第6節まで2勝4敗と芳しくなかったものの、第7節からなんと7連勝。勝ち点27(9勝4敗)で暫定首位に浮上しました。7連勝のうち完封勝ちがなんと4試合もある一方、3点以上取った試合は前節大宮戦しかなく、どちらかといえば守備的色彩が強いチームです。

・リーグ戦が好調に転じた一方、ルヴァン杯は1勝2分3敗の勝ち点5と振るわず、最終節を待たずにグループリーグ敗退決定。ルヴァン杯はリーグ戦で出番がない選手を積極的に使っているようですが、結果を見ると選手層の薄さを曝け出しているようで。

(戦力)

・ハモンロペス(仙台)が補強の目玉で、開幕前はクリスティアーノ&D・オリヴェイラと共に「ブラジル人3トップ」が猛威を奮うと期待した向きもありましたが、どうやら完全にハズレ。ハモンロペスは第1節に出た後すぐに故障していしまい、故障から戻ってもリーグ戦での出番はほとんどなし。さらに昨年の主力だったD・オリヴェイラも第7節から出番がなくなり、ブラジル人の併用を諦めてからチームが勝ちだすという選手の組み合わせの妙としか言いようがない結果をもらしています。

・3月下旬になって細貝を獲得し、狙いどころは悪くないと思ったのですが、今のところ終盤の守備固め的な起用に終わっていてこれまたなんとも微妙。

・ハモン・ロペスや細貝が期待外れっぽい一方、手薄だった右SBを山口から獲得した小池が埋めていて地味ながら当たり。また茨田や秋野がいなくなったボランチをユース上がり2年目の手塚が埋めています。

・とはいえ、MF茨田・MF秋野・CB増嶋・SB山中・SB湯澤・FW田中順と昨年それなりに試合に出ていた選手、実績がある選手がごっそりいなくなって層が薄いのは否めず、ルヴァン杯の不振がそれを傍証しています。

・故障していた大津は消化試合だった先日のルヴァン杯で復帰。U20杯代表で不在だった中山も大会敗退で戻ってくるものと目されるので、リーグ戦に出てくる選手には目立った怪我人・離脱者はいない模様。

(戦術)

・フォーメーションは4-2-3-1というか4-4-2のFW縦並びみたいな感じ。後方から飛び出してくるちっこい中川が結構厄介で、いかにも浦和が掴まえづらいタイプ。

・平均年齢が若いチームらしく、前から前から厳しく鋭くプレッシャーをかけに行く積極的な守備が持ち味。FC東京や大宮のようにビルドアップが上手くないチームはひとたまりもありません。ただG大阪のように同様にプレッシャーがきつい相手だと球際で負けてしまう場面も多く、C大阪のようにロングボールを多用するチームにはプレスが上手く嵌らずに苦戦しました。

・さらに長沢@G大阪に対するやられっぷりを見ると中谷&中山の若輩CBコンビがそれほど強力とは思えず、要するにGK中村が超絶ミラクルスーパーセーブを連発しているだけじゃないかという気も少々。

・攻撃は快足のSH伊東を軸に専らサイドから。両SBがかなり高いポジションで活発に攻撃参加してくるあたりはちょっと鹿島っぽいかも。サイドに攻撃の基点を作ってから中へ中川なり武富なりボランチなりが飛び込んできます。ただ往々にしてクリスティアーノまでサイドに流れて中が薄いせいか得点力はあまり高くありません。大砲クリスティアーノがいるので警戒すべきなのはむしろセットプレー。

・昨年の対戦では下平監督は特段浦和向けに特殊なことはやらず、いったん綺麗な4-4-2を敷いてから前に厳しくプレッシャーをかけにゆくような守備スタイルで臨んできました。FW中川なんて前から追い掛け回すことだけがタスクじゃないかと思われるくらいの徹底ぶり。今回も同様と思われます。

(浦和の対応)

・消化試合が一つ少ないとはいえ、勝ち点差4を付けられている相手なので敗戦だけは避けなければいけないところ。浦和はホーム済州戦の激闘から中3日、柏も5/31にルヴァン杯(アウェー札幌戦)があって形の上では同条件ですが、既にルヴァン杯グループリーグ敗退が決まっていた柏はスタメン総入れ替えで臨んだので、実質的には浦和が圧倒的に不利。厳しい闘いになります。

・故障が癒えずに済州戦に間に合わなかったラファエルと、体調不良で済州戦を回避した宇賀神が柏戦に出場できればスタメン選考は若干楽になりますが、この両名が引き続き出場できないと非常に難しくなります。特に駒井と関根は済州戦で足を攣って途中交代を余儀なくされてしまいましたから、柏戦でフル出場を望むには無理でしょう。

・昨年はACLラウンド16・ソウル戦で延長戦にもつれこむ激戦になったにも関わらず、中3日で続く鳥栖戦でなんとソウル戦と全く同じスタメンで臨んで案の定とんでもない塩試合に。そしてその後チームはリーグ戦3連敗。スタメンを代えるべき時に代えず、ようやく代えたと思ったら必要以上に弄ってしまうミシャの悪癖がもたらした3連敗。

・今年は既に昨年より負け試合が増えているだけに、それなりに実績を積んでいる控え選手をなんとか上手く活用してほしいものです。それに加えて、今回同様日程面で不利だったFC東京戦のような割り切った闘い方も必要でしょう。

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<前節:柏 4-2 大宮>

----クリスティアーノ----
武富---中川---伊東
---手塚--大谷---
輪湖-鎌田--中谷-小池
-----中村-----

(得点)40分 伊東、59分 武富、64分 武富、67分 クリスティアーノ

(交代)
69分 伊東→D・オリヴェイラ
79分 手塚→細貝
86分 小池→今井

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2017.06.01

【観戦記】ACL2017・ラウンド16第2戦:浦和 3-0 済州 ~ 完璧にリスクコントロールしながら加点するって、本当に浦和なのか?

・第1戦を終えて2点ビハインド。しかも第2戦でアウェーゴールを取られると浦和は4点以上取らないと勝ち抜けないという苦しい状況。今年の浦和の傾向からすれば幾度かカウンターを喰らって失点するのは覚悟のうえで5-2とか6-3とか派手な撃ち合いに活路を見出すものと予想していた方が大半だったのではないでしょうか?

・ところが結果は延長戦にまでもつれこみはしたものの3-0の完封勝ち。序盤から過大なリスクは取らずに辛抱強くボールを回して攻め続け、リスクをコントロールしながら着々と加点。81分相手に退場者が出ても無理攻めは避け、延長戦を含めた残り約40分間で勝てばいいと割り切った風にすら感じられる試合運び。さらにいえばミシャが延長戦に突入する可能性を踏まえて交代枠を残すなんてCSでの失態を思えば破格の進歩!! 良い意味で凡そ浦和らしくない試合内容でした。

・終わってみれば済州のシュートはたった5本。おそらくそのほとんどがセットプレー絡みではないかと。しかも浦和がヒヤリとしたのは延長後半のショートコーナーからの一発と、あとせいぜい49分にFKが枠内を捉えた場面だけ。浦和はパスミスやシュートブロックの跳ね返りを拾われてカウンターを喰らう場面もいくつかありましたが、最後の最後でCB陣なり両WBなりが食らいついてシュートを撃たせず。ディレイにさえ成功すれば、ボールを持たされた済州は何もできないので対応は楽チンでした。

・浦和が3点目を取った直後にベンチにいた済州の選手がピッチに乱入してなぜか阿部がエルボーを喰らい、試合終了後は槙野が追いかけまわされるなど、済州の一部選手の常軌を逸した行動により後味こそ悪くなりましたが、トータルスコア3-2の逆転勝ちで浦和のベスト8進出が決まりました!

005

・済州は第1戦同様5-4-1の布陣でリトリート主体の守備&徹底したカウンター狙い。ただ第1戦ほど前に出てパスカットを積極的に狙ってくる感じはしませんでした。対する浦和は両ボランチが最終ラインに下がり、槙野&森脇が両サイドに張って高い位置を取る5-0-5、いわゆる「オ~オ~ さあ輪になって踊ろ!」っぽい形で攻めていた時間帯が長かったかと思います。もちろん時に柏木なり遠藤なりが前に出て普段の4-1-5っぽい時間帯もありましたが。

・布陣からすればサイド攻撃重視っぽい感じでしたが、2点ビハインドにも関わらず浦和は焦ることなくサイドを突き、縦パスを入れ、たまにはDFライン裏を突いてみると多彩かつバランスよく攻撃。無理攻めを避けている分、ボールは保持しているが決定機もないという状態で時間が経過しましたが、18分に柏木FK→興梠が打点の高いヘッドで先制!早い時間帯に1点を返したのが浦和により一層の落ち着きを与える意味で非常にでかかった!!!

・前半も半ばを過ぎると浦和のネチネチしたパス回しが効き始めて立て続けに決定機。29分右サイドに流れた李のクロス→ファーに関根が飛び込むも合わせきれず。31分槙野→興梠フリック→バイタルエリアで前を向いた李のシュートがポスト直撃。そして34分高い位置で興梠がボールを奪回したのを機に興梠→武藤→興梠→李と繋いでDFライン裏に抜け出した李が角度のないところから流し込んでゴール!!!

・後半に入っても浦和優勢は変わらず。済州は概してサイドの守備が堅く、浦和両WBの仕掛けで崩れる場面は第1戦からあまりありませんでしたが、第2戦後半からついに駒井が躍動。52分には李のパスを受けて駒井がエリア内に突入する決定機がありましたが、シュートは残念ながらGKほぼ正面。73分には対面の2人をぶち抜いてエリア内に突入する見せ場を作りましたが、その直後に足を攣ってあえなく高木と交代。

・しかも悪いことに代わって入った高木の出来が良くありませんでした。本来の持ち味であるはずのドリブルによる仕掛けは皆無で、単調にクロスを入れるだけ。しかもそのクロスの精度も悪くていとも簡単に済州DF陣に跳ね返され続けました。81分に済州に退場者が出て浦和の優位はゆるぎないものになったものの、AT+1分に関根→興梠スルー→高木の絶好機でシュートを高々と打ち上げる始末。しかも守備も実にこころもとない。

003

・延長戦に突入しても「ボールを回して最後は高木のクロス」という傾向になんら変化はなく、95分にクロスボールのこぼれ玉を拾った青木が枠内シュートを放ったくらいでたいして決定機は掴めず。しかも100分には関根も足を攣ってしまったせいか、ズラタンを投入して森脇を右WBに上げるスクランブル体勢に。

・それでも浦和はなかなか決定機を掴めず、逆にカウンターを喰らいかかる場面も増えはじめ、延長後半にはショートコーナーからどフリーでシュートを撃たれる大ピンチも。これでやられていたら「浦和の数的優位は浦和の不利」という謎の格言をまたしても裏付けてしまうところでした。

・時間はかかりましたが、浦和のとにかく焦らないという姿勢が残り5分近くになってついに結実。それまでへっぽこクロスの連発で、負けていたら間違いなく戦犯扱いされていたであろう高木がついに大仕事。それまでのへっぽこふんわりクロスは撒き餌だったといわんばかりの速いクロスを入れ、森脇が大外で合わせて決勝点!! 森脇の前で興梠も飛んでCBを引き付けているのが地味に効いてか、WBからWBというミシャスぺシャルが大一番で鮮やかに決まりました。

・青島ビール賞は文句なく森脇。森脇は2試合出場停止になった愚行及びその後の出来事を踏まえてか、インタビューも実に神妙。神妙な面持ちの森脇って葬式くらいなもんだろうと思っていただけに、実に感慨深いインタビューシーンでした。

・観客は2万を切ってしまいましたが、シーチケ対象外かつ平日、しかも月末の試合だと浦和バカ中のバカ、浦和病膏肓に入る級のバカしか来ないせいか、埼スタは実に熱かった!!ゴール裏どころかバックスタンドからも盛大に巻き起こる大歓声。とにかく点を取るしかないという判りやすい状況で、良くも悪くも判りやすい人々が醸し出す熱さなのか(苦笑)

 

002

-----興梠-----
--武藤-----李--
関根-阿部--柏木-駒井
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

(得点)
18分 興梠、34分 李、114分 森脇

(交代)
70分 李→青木(青木がボランチ、柏木がシャドーへ)
76分 駒井→高木(高木が左WB、関根が右WBへ)
100分 関根→ズラタン(森脇が右WB、阿部が右CB、柏木がボランチへ)

・ラファエルは故障が癒えず、さらに宇賀神が体調不良のため、スタメンは第1戦からズラタン→李、宇賀神→駒井と入れ替え。

・70分に李に代えて青木を投入。この日の李は興梠とのコンビネーションが冴えわたっていただけにやや不可思議な交代でしたが、トータルスコアで追いついて最小限の目標を達成したので、アウェーゴールを奪われるのを防ぐべく、阿部の負担軽減を兼ねての青木投入だったのかも。そして青木はその期待によく応えました。

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2017.05.29

【観戦記】17年第10節:浦和L 0-1 I神戸

・早いもので今年のリーグ戦も半分終了。浦和は上位チームには一つも勝てず、中下位チームには全勝という非常に判りやすい戦績で折り返し。久しぶりに上位陣との対戦となった神戸戦は今の立ち位置を確認できる格好の材料でしたが、残念ながらAT突入直前にCKから失点して敗戦。

・シュート数4対14という差が示すほどにはぼこぼこにされているわけではなく、スコアレスドローで終わってもなんら不思議はない試合内容だっただけに選手・スタッフには悔しい敗戦だったかもしれません。ただ長野戦のように終了間際に自爆して負けるよりは負け方としてははるかにマシ。

・また、そもそもシュート数がたった4本に終わってしまった以上、「引き分けで終わる可能性が高かったが、勝ち目はほとんどなかった試合」と言わざるを得ません。上位陣相手でもかなり守れるようになったが、コンスタントに点を取れるレベルにはまだまだ遠いというのが今の浦和の立ち位置なのでしょう。

・試合は双方最終ラインを押し上げてピッチ中央の狭いエリア内で延々とどつき合いをしているようなもの。給水タイムが設けられるほどクソ暑い中で浦和の各選手は良く動き、ボールの出どころをしっかり押さえて大野や増矢に縦ポン一発で裏を取られるといったかつての失点パターンなんて全く許しませんでしたが、守備でかなり体力を使ってしまって攻撃に転じた後のパス精度が低く、この辺がシュート数の差に直結したような気がします。

・前半はせっかく良い位置、良い形でボールを奪ってもそこからFWへほとんどボールが入らず。後半多少ボールを持てるようになってもFWが前を向かせてもらえず。従って浦和のチャンスらしいチャンスは32分スローインから菅澤が反転シュートを放った場面だけ。あと76分筏井のロングシュートがわずかに枠内から逸れた場面くらい。

・この日は菅澤の動きが悪くてボールを収めた後の折返しが誰にも合わない場面が頻発し、浦和の攻撃が不発に終わった主因となっていたような気も。もっとも菅澤がなんとかボールをキープしてもフォローが遅くてどうにもならない場面もこれまた多く、そうこうしているうちに菅澤が消耗してしまった側面もあり、菅澤だけを責めても仕方ないのでしょうが。

・守備は明らかに左サイドが破綻気味で前後半とも神戸に与えた決定機は悉く左サイドから。神戸の高瀬右SBコンバートが妙策で、木崎が神戸のSHと高瀬の二人を見ないといけない羽目になる場面が頻発しました。本来加藤が高瀬を見ないといけないはずですが、SHが常に中に絞り気味のポジションを取るという浦和の特徴を逆用され、加藤が高瀬に付ききれなかったのでしょう。さらにいえば、中央に選手を固めているにも関わらず中央突破が嵌る展開にならないので、その逆を取られやすいのかと。

・失点はCKから。池田がキャッチしきれず、こぼれ玉を混戦の中から押し込まれたもの。無念。

---吉良--菅澤---
-加藤------柴田-
---猶本--筏井---
木崎-高畑--長船-栗島
-----池田-----

(得点)90分 京川(神戸)

(交代)
81分 吉良→清家
86分 加藤→白木

・クソ暑い中交代枠を一つ余らせての敗戦となってしまいましたが、菅澤以外はこれといって目に見えて出来の悪い選手、消耗が著しい選手は見当たらず、選手交代が難しかったのも確か。あえて難を言えば、白木投入時に下げるのはまだまだ余力ありに見えた加藤ではなく菅澤ではなかったかと。

【今日のゆずほ】後半半ば真っ先にベンチに出てきた!!!と思ったら給水ボトルの運搬でした(´・ω・`)ショボーン

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2017.05.25

【TV観戦記】ACL2017・ラウンド16第1戦:済州 2-0 浦和 ~ 落とし穴の場所が判っているのに自ら嵌りに行くのが浦和(苦笑)

・ACLには珍しいデーゲーム。済州の本来のホームスタジアム「済州ワールドカップ競技場」がU-20W杯の会場として使用中で、やむなく「済州総合競技場」での試合となったものの、ここは照明設備が整っていないのでデーゲームになったんだとか。

・で、平日のデーゲームという生観戦どころかTV観戦すら難しい時間帯での試合にも関わらず、なぜかダメ社会人・ダメ学生・ダメ主婦等々がワラワラ集まって来てツイッターが大賑わいというのがいかにも赤者。そんなダメ野郎どもの期待も虚しく、とんでもないダメ試合を繰り広げてしまうのはこれまたいかにも浦和。

・G大阪戦を観てカウンターが強烈なことが判り切っている相手なのに、いかにもぬるい試合の入りであっさり先制点を取られ、その後も引いた相手を崩せずカウンターを浴び続ける苦しい展開に。0-1で第2戦突入でもやむなしと思われた試合展開にも関わらず、なぜか試合終盤必要以上にリスクをかけてさらに傷口を広げてしまいました。

・最後の失点がこのチームに絶えず付きまとう「試合運びの拙さ」をまたしてもクローズアップしてしまったのは否定できず、CSの逆転負けを嫌でも思い起こさせるような点の取られ方だったこともあってか試合終了後の閉そく感は半端なかったと思います。ただ冷静に考えれば前半1失点で済んだこと自体が奇跡的で、失点の時間帯はともかく、試合内容からすれば0-2の負けは妥当でしょう。いやもっと差が付いてもおかしくない試合で、それほど浦和はダメダメでした。

・また浦和の試合運びの拙さは今に始まったことではなく、アウェーゴールで1点リードという理想的な展開でホームに戻って来てもその優位を全く活かせないくらいなので、「なりふり構わずとにかく点を取るしかない」状況に追い込まれたのがかえって良いほうに転ぶかもしれません。たぶん無失点は無理で、5-2みたいな派手な撃ち合いしか活路はないでしょうが、それくらいのポテンシャルが今の浦和にはあります。苦しいけれども死んではいないって。

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・試合の入りはいかにも緩く、7分済州が阿部の縦パスをカットしたところからカウンター発動。浦和は左サイドから11番(ファン・イルス)にほぼフリーでクロスを上げられ、中で10番(マルセロ)にもフリーでヘッドを撃たれるという間抜け極まりない形で早々に失点してしまいました。マルセロには森脇が付いていましたが競ろうとすらしていないのは不可解ですし、さらにもう一人フリーな選手(22番)もいるという壊滅的状態でした。

・済州は基本3-5-2ながら守備時は5-3-2ないし5-4-1のように伺えました。リトリート主体ながらハナから決してドン引きというわけではなく浦和の最終ラインなり柏木なりにはプレッシャーをかけてビルドアップを阻害。単に縦パスを出させないどころか、隙あらばパスをカットして積極的にカウンターを狙ってきます。15分に阿部の縦パスをカット、35分に遠藤→武藤の横パスをカットしてからのカウンターがその象徴。

・浦和は5バックで引いた相手には両WBの1対1による仕掛けで戦局打開を図るのを常道としていますが、済州は中盤も積極的にサイドにスライドさせて1対1を作らせないように守っていたので宇賀神はもちろん関根すらどうにもならず。攻めきれずに31分には宇賀神のボールロストからカウンターを喰らう場面も。浦和のサイド攻撃は森脇が上がって中へ入ってミドルシュートを放つのがせいぜい。

・よってカウンターを喰らうのが怖いけれどもサイドよりは中央突破を試みるほうがまだ可能性があるかなといった状態。ところが押し込んだ状態で中に控えるのがポストプレーが上手くないズラタンで、案の定26分にズラタンのボールロストから絶体絶命の大ピンチに。34分は宇賀神→柏木→ズタランで中央突破が成功した場面がありましたが、ズラタンのシュートはGK正面。

・ドツボとしか言いようがない前半の試合内容を受けて浦和は芸風を変えてシンプルに縦に速く攻めたのが奏功し、51分には柏木スルーパスで興梠が裏抜け。さらに53分には遠藤がアバウトに蹴ったハイボールを受けて済州CBの裏を取った興梠→武藤という絶好機がありましたが、武藤のヘッドはゴールマウスに吸い込まれる寸前でクリアされてしまいました。

・さらに後半も半ばになると済州のプレッシャーは前半より格段に緩くなり、ボールの受け手はともかく、出し手はかなり自由にプレーできるようになってきました。関根→駒井の交代もそこそこ奏功して浦和は中から外、外から中とようやく浦和らしい攻撃を仕掛けられるようになりましたが、済州は前半とは逆に中央を固めて決定機は許さず。また済州はカウンターのキレこそ鈍ったものの、押し込んだ状態から70分、81分に決定機。

・ミシャは82分に宇賀神→高木というバクチを打ち、85分に早速高木クロス→ズラタンヘッド、87分には遠藤→ズラタン→興梠→李と流麗にパスが繋がる絶好機がありましたがGKの好守で得点ならず。

・終盤は押せ押せになり、ATに入ると浦和はセットプレーの連続で浦和は全員敵陣、相手は全員自陣の状態。まだ第2戦があるのにそこまでリスクをかけるアホがどこにおんねん??と不思議でなりませんが、ただでさえそんなリスキーな状態にも関わらず極めてリスキーなヒールパスを試みて案の定カウンターを喰らうって底抜けにアホすぎるやろ、これ(´・ω・`)ショボーン

-----ズラタン-----
--興梠----武藤--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

(得点)
7分 マルセロ
90+2分 チン ソングッ

(交代)
58分 関根→駒井
71分 武藤→李
82分 宇賀神→高木

・浦和はどういうわけか興梠&ズラタンの2トップ、かつ柏木が上がって武藤との2シャドー気味のフォーメーションで試合に入りましたが全く機能せず。しかも早々に失点した後は柏木が普段の位置に下がり、形の上では相手を押し込み続ける格好になってしまったので、通常の3-4-2-1配置で記しました。

・先制点は阿部の縦パスをカットされたところからでしたが、阿部は15分にも至近距離で縦パスをカットされてカウンターを浴びる契機となっており、もはや連戦に耐えられない体なのかも。第2戦ではスタメン落ちやむなしかと。

・清水戦から中3日にも関わらずスタメンの変更は李→ズラタン、駒井→森脇の2名のみ。先制点を喫した場面に象徴されるように森脇は2試合出場停止を受けて、なんだか早々と試合勘を失ってしまったような場面が散見されましたし、ズラタンは決定機を決められないどころかカウンターの基点になってしまうと散々。李を投入した際に下げるのは武藤ではなくズラタンだと思ったのですが、ミシャはなんでズラタンに拘ったんだろう?

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2017.05.21

【観戦記】17年第12節:浦和 3-3 清水 ~ 《取扱上のご注意》プラスチック製のザルはとにかく熱に弱い

前節既に死体と化している新潟相手にすら終盤なぜか殴り合いを演じてしまった浦和。そりゃ生きている清水相手に殴り合いになってしまうのは当然でしょう。

・しかも最高気温は30℃に達し、湿度こそ高くなかったものの陽射しが非常にきつい中でのデーゲーム。こんな中で90分間動き回れるはずがなく、だからこそ2点リードした時点での試合運びなり消耗した選手の交代が重要なのにミシャは特段手を打つ様子はなく、逆に小林監督が放ったデューク投入が見事に奏功してあれよあれよという間に3失点。興梠のハットトリックでなんとか同点に追いついたものの、試合終了間際にCKから絶体絶命の大ピンチがあり、結果的には「負けなくて良かった」という展開に。

・前節に続いて森脇が出場停止で、右CBには宇賀神を起用。高さがない宇賀神をテセに徹底的に狙われてやられたのならまだ諦めも付きます。ところが3失点とも宇賀神はほとんど関与していないというのが実に皮肉。また1失点目と3失点目は相手のスーパーゴールを褒めたほうが良いのかもしれませんが、素早いリスタートから喫した2失点目はどうにも許しがたい。しかもその前に一度同じような形でピンチを招いていたにも関わらず、何の反省もない。

・たとえ相手が死んでいても手を抜かずに殴り続けるというミシャのスタンスはそれはそれで結構。しかし、それは「常に総員前がかり」とイコールではないはず。運動量が落ちてきたところで「前に出ざるを得なくなった相手に引いて守って駿足FWのカウンターにすべてを託す」というやり方もあるはずで、現にちょっと前までの広島は終盤5-4-1で引いて守って浅野頼みのカウンターで大量点を取っていました。この日はカウンターに最適なラファエルが故障で欠場していましたが、それでも高木なりズラタンなりカウンターに向いた選手がいます。

・状況に応じて試合運びを変えられない。選手のコンディションが万全ならそのまま押し切れるが、ちょっとコンディションが崩れるとそこを相手に付け込まれてぐだぐだの殴り合いに持ち込まれてしまう。要するに浦和って攻撃パターンは多彩だが、それはあくまでも狭い戦術レベルの話で、もうちょっと広い戦術レベル(戦略レベルとは言わないまでも)では極めて一本調子なのが弱点なのでしょう。

003

・前半の出来はほぼ完璧だったと思います。小林監督は特段浦和対策は立てずに普段の4-4-2でリトリート主体に守っているので、浦和はこれまた4-4-2崩しの基本パターンを繰り出し、両WBを軸にピッチをワイドに使って攻撃を仕掛けました。試合開始早々に関根のクロスを契機に武藤→李→興梠シュートがポストを叩く場面があった後はなかなか決定機を掴めませんでしたが、24分関根シュートのこぼれ玉を興梠がバイシクルで叩き込んで先制。

・浦和の攻撃はサイド偏重というほどでもなく、清水の柏木への対処が甘いことも助けとなって縦パスもそれなりに入っていましたが、残念ながらこの日は中央でのコンビネーションプレーの精度が低くて全て不発に終わりました。また縦ポンで裏狙いも何度か試みましたが、これまたすべて不発。またCKで槙野に2度絶好機がありましたが、共に枠にすら飛ばず。

・押している割には追加点が取れず、さらにずっと日向にいる関根は40分くらいで大消耗して早々に動けなくなってしまいましたが、それでもクソ暑い中で高い位置でのボール奪回はそれなりに出来ており、ひやっとしたのは15分ドリブルで持ち上がろうとした遠藤のボールロストから白崎にミドルシュートを撃たれた場面くらい。

・ところが後半は浦和の運動量がガタ落ちになって高い位置でのボール奪回ができなくなり、清水のサイド攻撃を許す場面が増え始めました。それでも57分駒井クロス→興梠ヘッドで追加点を取り、暑くてしんどいのはお互い様なので浦和の優位は間違いないと思ったのですが、ここからあれよあれよという間に3失点。

・最初の失点はテセが槙野と駒井を交わして角度のないところからミドルシュート。槙野&駒井の対応もどうかと思いますし、西川は撃ってくること自体想定してなかった気もしますが、それ以前に興梠のボールロストが酷い。しかも失ってもすぐに追いかけない。この怠慢プレーをやらかしたのが李だったらボロクソ言われてるでしょうに。

・2失点目はこの日最大の失態。素早いリスタートで最前線でフリーのチアゴアウベスに展開されてしまったのが極めて拙かった。チアゴを監視すべき位置にいた関根はヘロヘロで使い物にならず、チアゴに対峙した槙野はいとも簡単に交わされてチアゴは楽々デュークへパス。デュークのシュートはポストを叩いたものの、こぼれ玉にテセが詰めていました。

・しかも素早いリスタートでやられたのはこれが最初ではありません。59分にも素早いリスタートから枝村にどフリーでクロスを入れられ、宇賀神のクリアで難を逃れる場面がありました。小林監督はFK時の浦和の切り替えが緩慢なのを狙っていたのでしょう。

・3失点目は白崎→チアゴの大きな展開から。この時間帯にはもう前からの守備もへったくれもなくなっており、高精度のロングボールを入れられてしまうのも当然。どフリーでボールを受けたチアゴは槙野も遠藤もいないも同然のごとく、ミドルシュートを巻いてゴールに突き刺しました。こんなゴールなんてACLの中国勢の反則外国人じゃないとなかなかお目にかかれません。ただ前節鳥栖戦を見ていればチアゴはあそこから狙っているのは判るはずで、槙野も遠藤も何をしているのか・・・

・たった7分間でまさかの大逆転を喰らってミシャは錯乱したのか、なぜか疲弊した選手を代えずにポジションを大きく変更して反撃。具体的には阿部を右CB、宇賀神左WB、関根右WB、駒井ボランチと4名ものポジション変更。前半ずっと日向にいて疲弊しきったはずの関根を再び日向に出すかね、フツー・・・

・ただ清水の守備もいい加減なもので、73分には興梠クロス→武藤ヘッドの絶好機(→GK六反セーブ)。さらに74分駒井→興梠スルー→関根→興梠と鮮やかに中央突破が決まって浦和難なく同点。

・小林監督が凄いところはここで無理に勝ちにいくのを諦めたこと。具体的にはテセを下げてドン引きの守備ブロックを作り、六反は露骨に時間稼ぎを始めだしました。さすが残留のプロ。浦和戦で色気を出して勝ちに行って大失敗した吉田監督@甲府とはこの辺が全然違う。しかも無理に勝ちにいかないだけで、浦和の凡ミスにしっかり付け込むだけの刃は残していました。83分にはハイボールでデュークが遠藤に競り勝ったのを契機に北川に決定機。試合終了間際にもCKから北川に決定機。共に西川の好セーブで得点ならず。

・一方ミシャは憔悴した関根をようやく諦めたかと思えば、なぜかズタランを投入して再び駒井を右WBに出して柏木アンカーの3-1-4-2みたいな格好にシフト。さらに柏木を諦めて矢島を投入しましたが、ほとんど機能せず。普段練習してるのかな、この形は???「禁断のパワープレー」然り、ビハインドに陥ると往々にしてやり慣れないことをやって盛大に自爆するのはミシャの悪癖。

・ACLラウンド16済州戦へ向けて選手を温存するどころか派手に消耗を強いられてしまい、中3日で迎える1stレグのスタメン構成が極めて難しくなってしまいましたが、果たしてどうなることやら。スコアレスドロー、あるいはアウェーゴール付きの1点ビハインドくらいは許容範囲だと思いますが。

002

-----興梠-----
--武藤-----李--
関根-阿部--柏木-駒井
-槙野--遠藤-宇賀神-
-----西川-----

(得点)
24分 興梠
57分 興梠
74分 興梠

(交代)
68分 李→高木
80分 関根→ズラタン
84分 柏木→矢島

(最終形)
---興梠--ズラタン--
宇賀神-高木-武藤-駒井
-----矢島-----
-槙野--遠藤--阿部-
-----西川-----

・新潟戦で小破したラファエルに代えて李がリーグ戦久々のスタメン。ところが前述のようにこの日はKLMらしいコンビネーションの良さはほとんど見られずじまい。もっともサイド攻撃を助けるための中央でのパス回しは出来ているので全くダメだったわけではありませんが。

・ミシャはKLMの不出来を見て、1点取られた時点で李に代えて高木を投入。高木のドリブルなりミドルシュートなりに賭けたのかもしれませんが、残念ながら高木の出来がさっぱりで何の役にも立たず。復帰戦となったソウル戦同様、ブレイク以前の高木に戻ってしまったかのよう。ただ高木の出来以前に最初に代えるのは疲弊著しい関根だろうと思いますが、この辺は結果論かも。

・ミシャは90分持たない柏木を諦めて、84分矢島を投入。矢島が投入されるとしたらこんな苦しい局面しかなかろうと思いましたが、矢島は投入直後にズラタンの裏抜けを演出したのが目を惹いただけ。もっとも矢島本人の問題というより、ほとんど見たことがない3-1-4-2の”1”をやらされた難しさに起因する気がしますが。

・出番はありませんでしたが、梅崎がついにベンチに復帰。梅崎不在の間に成果を出せなかった菊池が厳しい立場に。

001

---チョンテセ--アウベス--
白崎--------枝村
---竹内--六平---
松原-二見--角田-鎌田
-----六反-----

(得点)
64分 チョンテセ
69分 チョンテセ
71分 チアゴ アウベス

(交代)
HT 二見→フレイレ(負傷交代)
62分 枝村→デューク
81分 チョンテセ→北川

・ミシャの選手交代が不発だったのに対し、小林監督のデューク投入は見事に奏功。浦和が前からプレッシャーがかけられなくなり、中盤もスカスカになってロングボール蹴り放題になると肉弾戦に強いデュークが効いてくる。デュークは今年リーグ戦では終盤に短時間起用されるだけで、まとまった時間使われたのは浦和戦が初めてですが、まさに適材適所だったのでしょう。

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2017.05.19

【展望】17年第12節清水戦

・「死んだはずだよ清水さん、生きていたとはお釈迦さまでも知らぬ仏の清水さん」という訳ではないのですが、J2降格から意外にもたった1年でJ1に戻ってきた清水が次節の相手。

(成績)

・11節終了時点で勝ち点11(3勝4分4敗)の12位。後述のように再昇格後もたいして補強が進まないどころか主力をぶっこ抜かれたため、今年は残留争い間違いないとの予想が多かっただけに、リーグ戦序盤は善戦といって差し支えないでしょう。特に柏に勝ち、G大阪や川崎に引き分けと上位陣に善戦しているのが目を惹きます。

・ただ不思議なことにホームで2分3敗と全く勝てず。また層の薄さを露呈してか、ルヴァン杯はここまで4戦全敗。

(戦力)

・CB三浦(G大阪)、FW大前(大宮)、MF本田(山形)と昨年の主力が3人も流出。しかも開幕時点ではその穴埋めらしい穴埋めがMF野津田(広島からレンタル)くらいしかおらず、怪我がちのGK西部の穴埋めに六反(仙台)を連れてきたのが目立つ程度。FWウタカを広島から完全移籍で補強したのに、すぐさまFC東京へレンタルしたのは傍目にはなんとも不可解。

・ところが、3月末になって補強したチアゴ・アウベスがどうやら大当たりっぽく、「大前なんか最初から要らんかったんや!!!」になってしまいそうな勢い。第7節に途中投入でデビューし、第10節からスタメンに入りましたが既に3得点。

・また小林監督が昨年若手を我慢して使ったのが奏功したようで、CB犬飼・SB松原・MF白崎・FW金子と一昨年にはJ1レベルになかったような若手が続々清水の主力に成長しています。

・但し、CB犬飼が前節鳥栖戦で故障。SB松原も故障を抱えてながら出場している模様。さらにGK西部は依然長期離脱中。

(戦術)

・基本フォーメーションは4-4-2。

・チアゴ・アウベスが加入するまでの清水の攻撃はとにかくサイドからチョン・テセへの放り込み一辺倒。SHなりSBなり、とにかくサイドからアーリー気味にでもバンバン放り込んできます。あるいはテセを囮にその背後から白崎が飛び込んでくるとか。特に左SB松原からのクロスが得点源になっている模様。

・但し札幌の「都倉戦術」のようなロングボール多用型とは違って、しっかりボールを繋いできます。また当然ながらセットプレーも大きな武器。

・J2で猛威を奮ったテセとはいえ、そんな単純な攻撃がJ1でいつまでも通用するわけがなく、第7節から無得点。ところが「テセ戦術」の限界を埋めて余りある活躍を見せだしたのがチアゴ・アウベス。とにかくミドルシュートが強烈。川崎戦での一発はまぐれ当たりだろうと思ったのですが、鳥栖戦の一発を見るとどうやら本物。しかもかなりボールが持てる。これが最前線でウロウロし出すと、DF陣はテセばかりマークしているわけにもいきません。

・小林監督が率いるチームとの対戦は2014年徳島以来。山形時代には毎度毎度とんでもない塩試合に持ち込まれて苦戦を強いられましたが、ミシャスタイルとの対戦は少なくてその徳島時代のみ。浦和対策らしきものを講じてくるのかどうかは蓋を開けてみないと判りません。

(浦和の対応)

 ・前節に続いて森脇が出場停止。前節はその代役に宇賀神を起用しましたが、高さがないと思われた新潟ですら武蔵に苦杯をなめさせられたのに、今回はJリーグ屈指の電柱型FWチョン・テセが相手。テセが宇賀神のほうに流れて勝負を挑んでくるのは火を見るよりも明らかで、放っておくとパワープレーに屈した昨年天皇杯川崎戦の二の舞になりかねません。

・とはいえ、テセクラスになると右CBに遠藤を充てても苦戦は免れません。よって中盤を制圧することで、テセへ向かってボールを蹴らせないことが清水対策の早道になろうかと思います。札幌戦でも札幌の得意パターン=サイドから都倉へのハイクロスを許す場面はほとんどなく、札幌よりもしっかりボールを繋いでくる清水相手ならなおさら浦和の前からの潰しが効きやすいかと思います。

・ただ新潟戦ではその前からの潰しが効かずに、ボールを奪われて一気にシュートにまで持っていかれる場面が頻発。こうなると大苦戦に陥るのは必至。また明日は30℃近くまで暑くなりそうで、そもそも運動量が求められる守備をやろうにもできない恐れが無きにしも非ず。

・前節ラファエルが小破したので、代わりに李がスタメン入りして久々にKLM化する模様。ラファエル抜きでも攻撃面では何の不安もありませんが、守備が破綻して殴り合いにならなければいいのですが。

----------------------------------
<前節:清水 1-1 鳥栖>

 ---チョンテセ--アウベス--
白崎--------枝村
---竹内--六平---
松原-二見--犬飼-鎌田
-----六反-----

(得点)23分 チアゴ・アウベス

(交代)
71分 犬飼→角田(負傷交代)
76分 チアゴ・アウベス→金子
84分 枝村→野津田

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