2017.03.21

【観戦記】17年第4節:G大阪 1-1 浦和 ~ 同じ轍を踏まなかっただけマシとせざるを得ないか・・・

・まだリーグ戦も序盤なのでビッグマッチ、大一番と形容するのはちょっと躊躇われますが、間違いなくJリーグ屈指の好カードには違いないG大阪戦。シュート数16対4というスタッツが示すように、試合内容では浦和がG大阪を圧倒。前半そして終盤に決定機の山また山を作っていただけに、爆勝して然るべき試合内容でした。ところが、結果は相手にワンチャンスを決められ、ATになってなんとかPKを得ての引き分け。

・とにかくここ一番にとことん弱い。内容で相手を優に凌駕しながらワンチャンスを決められてそのまま敗戦。ああ、またしても浦和は同じ轍を踏み、負の歴史を積みかさねてしまうのか!!とAT突入時には思い込んでいただけに、たとえPKとはいえなんとかドローで終えたことで良しとせざるを得ないでしょう。勝てた試合、勝たないといけない試合だったけれども、勝ち点1を得て浦和が負の歴史、暗黒の轍から抜け出す一歩にはなった。そう捉えることで自らを慰めることにします。

・また共にACLと並行しての過密日程ゆえ、だらだらぐだぐだの一戦になっても不思議はなかったのですが、意外にも緊張感溢れる試合となり、おまけに藤ヶ谷が故障して若い第4GKが突如J1デビューするというスパイスもあって、非常に見応えがある一戦でした。おまけにドローで終わって誰も傷つかない結果でしたし、さぞかし試合後は居酒屋が繁盛したことでしょう。

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・この試合で面白かったのはミシャが故障明けの柏木をスタメン起用しただけでなく、トップ下に配したこと。横浜M戦の後半で採用して手応えを得た3-4-1-2をこの一番で採用し、しかもそれが見事に嵌りました。

・G大阪はいつも通り2トップが最終ラインや西川、浦和がサイドにボールを持ちだせば両IHが前から厳しくプレッシャーをかけてきます。浦和はボランチを下げず、3バックを堅持したままビルドアップを試みるものの立ち上がりはボールがなかなか前に進まず、西川に下げる場面が目立ちました。

・ところが、浦和は焦らずに相手に食いつかせては剥がす、食いつかせては剥がすを繰り返し、G大阪のプレッシャーを徒労に終わらせるのに成功。7分にラファエル→興梠が最終ライン裏に抜けかかり、柏木のフィニッシュに繋がったのを皮切りに、16分森脇→興梠→宇賀神、20分に柏木→興梠→青木と浦和が決定機を量産しだしました。いずれも2トップ化で興梠がいつもより高い位置でボールを収められるようになったのが効いています。

・高い位置で思うようにボールを奪えないG大阪。両IHが無謀とも取れるファウルで浦和の攻撃を止めざるを得ない場面も目立ち、西村主審が注意止まりでイエローを出さないのは不思議でした。もっとも意地悪く見れば倉田は最後の最後で帳尻合わせを喰らう羽目に。

・33分には関根が金の凡ミスを突いてボール奪取→興梠が難なくファビオを交わしてフィニッシュに持っていたものの、シュートはクロスバーを掠めただけ。終わってみればこの絶好機でシュートが枠にすら飛ばなかったのが浦和のケチのつけ始め。興梠が「点を取ること以外は完璧」と評された柳沢の直系の弟子とされる所以(´・ω・`)ショボーン

・それでも44分には阿部のボール奪取からワンタッチパスを繋いでラファエルのループシュート、ATには槙野の意表を突いたミドルシュートがポストを叩く一幕もあって前半は浦和がG大阪を圧倒。

・G大阪は前半全くいいところなし。アデミウソンが良い形で前を向く場面はほとんどなく、長沢にいたっては遠藤航に封殺されて何もできず。まぁいくら他所との対戦で活躍しようが長沢がしょーもないのは昨年埼スタで実証済ですが(苦笑)。両チームとも素早く攻守を切り替えて前からボールを奪いに行くという守備コンセプトで共通していますが、奪ってからの展開となると練度の差が如実に出ていたように感じられました。

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・ところが後半に入って先制したのはG大阪。長谷川監督が芳しくない戦況を変えるために何か手を打った様子は伺えませんでしたが、57分倉田が随分低い位置から突如ドリブル&カットイン。浦和は阿部があっさり交わされただけでなく、その後も倉田のドリブルをただただ見守るだけで何も手を打てず。以前の試合でもこれと似たような場面があったような気がしてなりませんが、何の試合だったか忘れたいのに思い出せない(つД`)

・さらに関根や森脇も中途半端に倉田に引き寄せられる格好になって浦和右サイドでオ・ジェソクがどフリー。クロスに飛び込んできた今野には一応槙野が付いていましたが、競り負けて失点。サイドからのクロス攻撃は今のG大阪の十八番で、しかもやられるとすれば長沢ではなく今野だろうと「展望」で予測した通りに。

・先制された浦和は駒井を投入し、かつ槙野を再三再四攻撃参加させてカウンターを喰らうリスクを追いながら反撃。といっても先制したG大阪が一転して5-3-2、さらに長沢すら中盤に引いて5-4-1っぽい形でリトリート主体の守備に切り替えて来たために、リスクを負った割にはこれといった決定機は作れず、試合は膠着状態に陥ってしまいました。

・だがFC東京戦で故障した東口に代わって久々に登場していた藤ヶ谷がなんと終盤になって故障退場。ACLに出ていたGK鈴木はなぜかサブにおらず、第4GKと目される田尻がスクランブル投入でJ1デビューという一大事発生。早速槙野がちょっかいを出しに行き、思わず第4審も笑ってしまうというお約束っぽい小芝居も。

・これで田尻がやらかしてしまえば目も当てられない展開になりかねないところ、田尻は投入直後にカウンターの絶好機からの阿部のシュートを難なく止めてすんなりゲームに入り、その後も結局大過なし。といっても突然のGK交代の衝撃でG大阪は動揺したのか、浦和の猛攻を浴びて自陣にくぎ付け状態。長谷川監督は決壊寸前の左サイドを穴埋めすべく、井手口を入れて今野を左WBに配転しましたがさしたる効果はなし。

・浦和も浦和で決定機の山を作りながらシュートが枠に飛ばない。昨年のCS第2戦みたいにやり慣れないパワープレーを試みて何の効果もなくポチッとなとばかり自爆するような愚は犯さず、一見遠回りなように見える地道なパス回しで点を取りに行ったのは評価できるけれどもとにかく一点が遠かった。84分遠藤航→武藤→興梠→武藤とパスを繋いで完璧に崩すものの武藤のシュートはバーの上。88分柏木FK→槙野ヘッドはポストを直撃。

・これで試合終了ともなれば浦和お決まりのコース、「どうせこうなるんだ」「知ってた」という愚痴をこぼしながらの帰り道になってしまうところでしたが、猛攻の甲斐あってATに宇賀神のシュートが倉田のエリア内ハンドを誘ってPKゲット。ラファエルがきっちり決めてなんとか同点になって試合終了。田尻の読みは当たっていましたが、ラファエルがGKの取れそうにないコース&スピードで蹴っているので田尻もどうしようもない。東口でも無理というか、PKの苦手な東口ならなおさら無理。

017

--興梠---ラファエル---
-----柏木-----
宇賀神-阿部-青木-関根
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

(得点)
90+3分 ラファエル シルバ(PK)

(交代)
67分 関根→駒井
76分 青木→武藤(武藤がシャドー、柏木がボランチへ)

・アウェー上海上港戦に帯同しなかった関根と、途中投入だったラファエル、柏木がスタメン出場。駒井、ズラタン、李がベンチスタート。柏木トップ下は意外でしたが、ローテーションは予想の範囲内。

・浦和は前目と右WBをそれなりにローテーションさせているのに対し、G大阪はほぼ固定メンバーでの連戦を余儀なくされているのが響いてか、長距離遠征帰りの浦和に対してG大阪はホーム3連戦という相対的に有利な条件だったにも関わらず、G大阪の出足が止まるのは早かったように見受けられました。前述のように浦和がG大阪の前からプレッシャーを空転させたのが効いたのかもしれませんが。

・ミシャが定番の3-4-2-1を相手の出方に応じてマイナーチェンジし、しかもそれが見事に奏功。以前もミシャは5-0-5とか「なんちゃって4-1-4-1」とか試行錯誤した時期がありましたが、いずれもさしたる成果は出せぬまますぐにお蔵入り。ゆえに今回のマイナーチェンジは初めてのヒット作かも。

・このマイナーチェンジでシャドーより1トップのほうが明らかに向いている興梠、シャドーとしては得点力がなくてパサーに専念させたほうが良い柏木の特性が巧くマッチしたような気がします。またこの試合については柏木が相手のキーマン=遠藤保の監視役にもなり、ボールの出どころを抑えて遠藤保縦ポン→アデミウソンの裏抜けみたいな単純極まりないが効果的な攻撃を阻止できた点でも有効でした。

・それだけに失点が悔やまれます。なんで倉田のカットインをなすすべなく見送っているのか、なんで右サイドががら空きなのか。また右サイドか!!

018

--長沢---アデミウソン--
オ--今野--倉田-初瀬
-----遠藤-----
-金---ファビオ--三浦-
-----藤ヶ谷----

(得点)
57分 今野:オのクロスをヘッド

(交代)
73分 藤ヶ谷→田尻(故障による交代)
82分 オ ジェソク→井手口(井手口がIH、今野が右WBへ)
89分 アデミウソン→赤崎

・藤春がなぜかベンチにもおらず、左WBにはオ・ジェソクを起用。これでアデミウソン&藤春のコンビで浦和右サイドを突破される懸念がなくなったと思ったのですが、やっぱりやられてしまう右サイドであった(´・ω・`)ショボーン 攻めては関根も駒井も終始オを押し込んではいましたが、抜けそうで抜けず。

・新システムで柏戦、FC東京戦と快勝したものの、浦和戦では内容で完敗。球際が弱すぎる柏、ビルドアップに難があるFC東京には2トップ&両IHの前からのプレッシャーが猛威を奮いましたが、ビルドアップの巧い浦和には全く通用せず。IHの消耗が著しいこのシステムを過密日程の中で続けるのはかなり無理があるような気がしますが、井手口の戦線復帰で多少人繰りが楽になると事態は一気に好転するのかな?

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2017.03.18

【展望】17年第4節G大阪戦

・浦和は中3日で上海→大阪と長距離移動を挟んでの強敵相手の連戦。一方G大阪は同じ中3日とはいえホームに居座ったままなので、浦和は今シーズン序盤で最も厳しい闘いになると目されます。

(戦力)

・G大阪はプレーオフ経由でACL出場に滑り込んだに過ぎないせいか、例年に比べると派手な補強はなく、最終ラインを大きくテコ入れした反面、前目がかなり薄い陣容になってします。

・具体的にはCBファビオ(横浜M)、三浦(清水)を獲得した一方、岩下(福岡)、西野(千葉)を放出。ファビオ&三浦は開幕からレギュラーを確保し、昨年の主力だった丹羽がサブに。

・また長年G大阪のSHで馬車馬のように駆けずり回っていた大森(神戸)、阿部(川﨑)が流出。共に運動量が落ちてきた遠藤の「介護疲れ」による退団と噂されています。代わりに泉澤(大宮)を補強しましたが、今のところ出番は限定的。

・さらに昨年宇佐美が退団し、パトリックと呉屋が長期離脱中。なので、計算できるFWがアデミウソンと長沢しかいない状態で開幕を迎える羽目になりました。そのため急遽鹿島から赤崎をレンタル補強しましたが、赤崎も鹿島ではなんとも微妙な実績しかなく、長沢の控えにしかならないような。

・直近ではGK東口、MF井手口、SB米倉が故障中。もともと前目の陣容が薄いことと相まってか、ミシャと比べると圧倒的にローテーションが巧い長谷川監督にしては珍しくほぼ固定メンバーでの連戦を余儀なくされています。

・東口の故障を受けて直近の江蘇戦ではGKに藤ヶ谷ではなく横浜Mから獲得したばかりの鈴木を起用しましたが、鈴木のキックミスがきっかけとなって失点し、そのまま敗戦。それ以前にもキックが怪しげな場面が散見されました。

(戦術)

・G大阪は長谷川監督就任後長らく4-2-2-2ないし4-2-3-1のフォーメーションを採用していましたが、今年になって何を思いついたのか遠藤アンカーの4-3-1-2を採用。さらにACL済州戦で突如3-1-4-2を採用してボコボコにされたものの、諦めることなくCBの配置に修正を施して続く柏戦・FC東京戦に快勝しました。

・先述のように専ら汗かき役だったSHが2枚もいなくなってしまい、遠藤をフォローしつつ、かつ手駒の適性を勘案した結果、遠藤アンカーの4-3-1-2なり3-1-4-2に辿り着いたのだろうと思いますが・・・ もっともこれに伴いSHというポジションがなくなったので、せっかく獲得したSH得意の泉澤の使い道がなくなってしまいました(苦笑)

・なおG大阪は守備時に両WBが下がって自然に5-3-2になる一方、ビルドアップ時に右WB(初瀬)だけを高く押し出し、三浦が右SBっぽい位置にずれて4バックっぽい形になることがあるようですが、江蘇戦ではほぼ3バックのままだったようで、この辺も意図不明。

・柏戦・FC東京戦の様子を見ると、今季のG大阪はとにかく素早い攻守の切り替え&前からのプレッシャーが強烈。ショートカウンターでアデミウソンのスピードを生かすのが主眼と目されます。球際が弱い柏はアデミウソン一人になすすべもなく、FC東京もビルドアップに苦心して敗戦。ただ中3日が厳しいためか、江蘇戦でのG大阪の出足は芳しくなかったのが気になりました。特に両IHの消耗が激しそう。

・ボールを持った場合は、両WBをメインに長沢へのクロス攻撃が目立ちます。長沢だけでも十分厄介ですが、長沢ばかり注視しているとその背後から今野に飛び込まれます。

・なお今季のG大阪はプレーオフに間に合わせるべく急ピッチでの仕上げを余儀なくされたため、終盤バテやすいといった問題がおいおい露見するような気がしてなりません。昨年のFC東京はその問題が顕著でしたが。

(浦和の対応)

・上海上港との激戦から中3日でアウェーゲームの連戦。先の甲府戦を含めての3連戦をセットにしてミシャなりにローテーションを組んでいるようで、G大阪戦も若干スタメンが代わるのは確実。具体的には上海上港戦でベンチスタートだったラファエルと武藤、帯同すらしなかった関根がスタメンに復帰し、代わりにズラタンと李、駒井が外れるものと目されます。

・戦線復帰した柏木をここでスタメンに戻すかどうかは、青木の状態次第。

・得意とは言い難い相手。G大阪は昨年までの「リトリート主体でカウンター狙い」から芸風を変えているとはいえ、浦和相手にカウンターを狙ってくるのは変わりありません。遠藤からの縦ポン一発でアデミウソンを森脇と競わせるなんて判りやす過ぎるが実に対処しづらい! しかもなんとかアデミウソンを抑えても、それを藤春が追い越してゆく(つД`)

・最終ラインを下げ過ぎなければ、長沢自体はたいしたことがないのは昨年実証済。但し、押し込まれて最終ラインが下がってしまった場合は少々面倒で、その際には長沢よりむしろその背後から飛び込んでくる今野のほうがより厄介でしょう。

・G大阪攻略の鍵は当然ながら3ボランチの脇。G大阪が押し込まれて5バック化した際に3ボランチのスライドが遅れだすと、その脇が穴になります。またもともと両WBの守備には疑問符がつくG大阪。スコア上は完勝だったFC東京戦ですら終盤はサイドから危ない形を何度も作られ、東口の度重なる神セーブでなんとか無失点に終わっただけみたいで。

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<前節:G大阪 3-0 FC東京>

--長沢---アデミウソン--
藤春-今野--倉田-初瀬
-----遠藤-----
-金---ファビオ--三浦-
-----東口-----

得点:22分 アデミウソン、52分 倉田、85分 オウンゴール

83分 初瀬→オ・ジェソク
87分 アデミウソン→高木
90+6分 倉田→藤本

※江蘇戦のスタメンも東口→鈴木の変更のみ。

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2017.03.16

【TV観戦記】ACL2017・F組第3節:上海上港 3-2 浦和 ~ 事故と凡ミスとフッキ

・3点ビハインドから終盤持ち直し、アウェーゴールを2つ奪っての1点差負け。負けは負けですが、ホームで直接対決の成績を逆転できる可能性を十分残しての敗戦なので許容範囲内の負けでしょう。ただ内容は良くなかった。前半の浦和はいかにもへっぴり腰。それでも事故っぽい1失点で済むかと思われたところ、2点目の失い方が悪すぎて自分で試合を難しくしてしまい、後半反撃に転じたところでフッキの洗礼。その後も4点目を取られて事実上試合終了になりかねない大ピンチが3度もありました。

・終盤持ち直したとはいえ浦和の決定機らしい決定機は多いとは言えないどころか攻撃をシュートで終えた場面自体が少なく、2点返せたこと自体が奇跡的な気もしますが、全くどうにもならない相手ではなかったのもまた事実。上海が終盤失速気味なのは明らかに付け目。相手との力関係・距離感・手口がそれなりに掴め、十分に通用した部分、どうにもならなかった部分がおぼろげながら判った上で迎えるホームでの一戦が楽しみになりました。

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・ミシャは甲府戦からラファエル→ズラタン、武藤→李、関根→駒井と3人変更。武藤がベンチスタートでKLMのセットではなかったことと関根が帯同すらしなかったのは意外でしたが、続くアウェーG大阪戦までを見据えてのローテーションをミシャなりに考えた結果なのでしょう。

・しかし、結果は凶。浦和の試合の入りはかなり慎重というか守備的に過ぎるというか、ボールを前に運ぶことさえ怖がっているように伺えました。そして10分に早々と失点。上海FKを難なく阿部がクリアしたものの、クリアボールが27番(シークー)に当たってしまうというなんとも不運なもの。

・早い時間帯に失点したことで浦和も多少ボールを前に運ぶ意欲が生まれました。上海は4-3-3の布陣でエウケソン・フッキ・7番(ウーレイ)の3トップ、さらにオスカルをも加えて前から厳しくプレッシャーをかけてきましたが後続がなく、その4人を交わしてしまえばビルドアップ自体は特に問題はないように見受けられました。ただ最終ラインや両ボランチにプレッシャーをかけられ続きのせいか、浦和らしいワイドな展開は全く見られず、パスは各駅停車の連続。

・さらに1トップがポストプレーの苦手なズラタンで、しかも2シャドーは守備に奔走しがちなせいもあってか、カウンターを喰らいやすい中央への縦パスはほとんど入れられず、前半は専らサイドというか駒井を軸に攻撃。しかし駒井が単騎で仕掛けるだけなのでクロスは簡単に跳ね返され、ズラタンの裏狙いはオフサイドにかかりまくりで全く点が入る感じはせず。

・さはさりながら多少なりとも浦和のリズムになりかかったところで前半終了と思ったら、浦和CKからカウンターを浴び、オスカルからのロングボールは西川が飛び出してクリアしたところまでは良かったのですが、そのクリアが直接相手に渡る大失態。西川が必死にゴールへ戻るも間に合わず、エウケソンに正確にぶちこまれてしまいました。今年になって西川のキック精度が著しく劣化しているのが気になっていましたが、それが大一番で失点に直結。先制点を取られた後も劣勢とはいえ相手に決定機を与えていたわけではなく、反撃の糸口を掴む途上にあっただけにこの失点は痛恨極まりないものでした。

・ミシャはやむにやまれず後半頭からズラタン→ラファエル、青木→柏木と2人交代。この交代の効果が表れないうちに3失点目を献上。、上海のゴールキックがフッキに収まり、そこからフッキが個人技で仕掛けるという単純極まりない攻撃でしたが、森脇・遠藤・駒井と3人がかりで対応するもどうにもならず、最後は西川が股下をぶち抜かれてしまいました。

・上海の攻撃は概してフッキを筆頭に個々人の力任せの攻撃を繰り返すだけで、浦和守備陣がボールホルダーにワラワラ集まってきた逆を取るようなパス展開をしてこないので、浦和守備陣が凡ミスさえしなければ問題なかろうと思っていたのですが、この場面だけは全くどうにもなりませんでした。フッキのような重戦車相手だと遠藤CBではお話にならず、屈強なガチムチ系CBが必須ということなのかもしれません。

・その後も大ピンチが連続。61分には遠藤の緩いパスをオスカルに掻っ攫われたのを契機にフッキ→オスカルで最終ラインを破られ、70分にはオスカルのスルーパスでウーレイに裏抜けされる場面がありましたが、共に西川が好守。77分には攻撃参加した槙野の不用意極まりないボールロストからカウンターを喰らい、オフサイドに救われる一幕も。

・ミシャは65分に早くも3人目の交代(李→武藤)。3点リードした上海に多少緩みが出たのが、あるいは柏木投入でパス展開が多少楽になったせいか、浦和は駒井偏重だった攻撃が修正されて左サイドからの攻撃も垣間見られるようになってきました。

・とはいえ、なんだかんだと言ってもこの日効いたのは駒井の仕掛け。ドリブルでエリア内に入ってもシュートを撃とうとする素振りさえ見せず、ミエミエの横パスばかり出すのはどうかと思いましたが、70分の大ピンチを凌いだ直後の反撃で結果的にPKを誘発。ラファエルが難なく決めてまずは1点。

・さらに85分浦和CKに対して上海GKが不用意に飛び出したのが仇となり、こぼれ玉を遠藤が押し込んで浦和2点目。遠藤はこれが浦和移籍後の初得点。

・これで浦和が押せ押せの雰囲気になりかかりましたが、AT突入直後に興梠が極めて危険な後方からのタックルで一発レッド。興梠はさしたる見せ場なく、守備に回る時間が多くてフラストレーションが溜まっていたのかもしれませんが、ベテランらしくないアホすぎるプレーで反撃ムードに水を差してそのまま試合終了。興梠退場の直前にも宇賀神がくだらないイエローをもらっており、左サイドの選手間で現地でしか判りにくいいざこざがあったのかもしれませんが。

-----ズラタン-----
--興梠-----李--
宇賀神-青木-阿部-駒井
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

(得点)

10分 シー クー
45+1分 エウケソン
52分 フッキ
73分 ラファエル(PK)
84分 遠藤:

(交代)

HT 青木→柏木
HT ズラタン→ラファエル
65分 李→武藤

・フッキは体型とは裏腹に終始表情は穏やか(但し森脇にだけは苛立ちを隠せない!)。フッキはJリーグが無理だっただけで、日本人選手に悪い印象は持っていないのだろうなと思いました。残念ながら日本語で談笑しているような場面は見られませんでしたが。

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2017.03.11

【観戦記】17年第3節:浦和 4-1 甲府 ~ 色気を出した達磨公が浦和鉄砲隊にハチの巣にされるの巻

・いつもロースコア、いつも塩試合が通り相場の甲府戦には珍しく浦和が大量得点で快勝。またしてもくだらない失点を喫して文化シヤツター様には甚だ申し訳ない結果になってしまっただけではく、当たり負け・競り負けも少なくなかったことに象徴されるようにレギュラー陣に疲労の色が見え隠れした試合内容でもあり、続くアウェー上海上港戦に向けて一抹の不安を感じなくもないのですが、毎度毎度苦戦を強いられる甲府から勝ち点3を奪取しただけでなく、得失点差を大きく稼げただけでも今は良しとすべきでしょう。

・浦和は序盤何回かあった決定機を決められずに30分くらいから甲府のプレッシャーに気圧され気味になり、39分には森脇がウイルソンにあっさり縦に抜け出されたのを機に逆サイドから突っ込んできた松橋のシュートがバーを直撃。さらに遠藤がボールコントロールを誤ったのを機に堀米に決定機を許す場面がありました。吉田監督はこれで「こりゃいけるで!!!」と色気を出しちゃったのかもしれません。

・その判断はあながち間違いではなく、最終ラインを押し上げた後半立ち上がりにはウイルソンが最前線でキープ→ツッコんできた和製ケンペス田中がシュート、さらに小椋に絡まれた関根のボールロストからウイルソンにシュートまで持って行かれる場面を作られました。

・プレッシャーも何にもないC大阪とやった直後だと、甲府はなんだかんだといってもやっぱりJ1。プレッシャーの迫力もスピードも段違いでした。浦和はそれに抗しきれずに当たり負け、競り負けする場面も少なくなく、甲府のファウルかと思えばそれも取ってもらえずにピッチに転ばされるだけという場面も目立ちました。これが前半半ばから後半頭にかけて浦和が劣勢に陥った一因でしょう。

・しかし優勢だった時間帯に一点も取れないのが甲府の辛いところ。先制して一転して引きこもりに転じる算段だったのかもしれませんが、残念ながら前からのプレッシャーの掛け合いになってしまうと甲府に勝ち目はありません。

004

・浦和の決定機はことごとくサイドから。甲府の3ボランチ脇が狙い目で、ここのスペースを使ってフリーの関根なり森脇なりが決定機を量産しました。開始早々に森脇スルーパス→武藤、17分には関根クロス→ラファエルヘッドの決定機があり、先制点もどフリーの森脇からのスルーパスで関根が裏抜けに成功したのがきっかけ。ウイルソンに森脇の裏を狙わせたのが諸刃の剣で、前に出てくる森脇を封じるにはウイルソンの緩慢な守備が仇になった気も。

・いったん先制さえしてしまえば前に出てくる甲府を屠るのはいとも簡単。2点目は高い位置で阿部がセカンドボールを拾ったところからカウンター気味の展開となり、どフリーの関根のクロスを武藤がヘッド。その後も運動量が目に見えて落ちてきた甲府に対して浦和はやりたい放題になり、ラファエルの最高のお膳立てを興梠が派手な宇宙開発でぶち壊す一幕もあって、どう見ても浦和に楽勝ムードが蔓延。

・その緩みがミシャにも伝わったのか、ミシャは槙野→駒井という謎過ぎる一手を披露。槙野は前半から盛んに攻撃参加していたものの森脇と違ってさほど有効ではなく、後半立ち上がりには派手にボールを持ちあがったものの、迷った挙句単にボールを失うだけに終わる場面もあって出来が良いとは言い難かったものの守備は全く破綻なし。その槙野を代えるのも謎なら、勝っている場面でわざわざ駒井をボランチに据えるリスキーな手を打つのも謎。

・この趣旨不明な交代で浦和の選手達も混乱したのか、交代直後に失点。田中のスローインからでしたが、浦和左サイドに流れたウイルソンもフリーなら中で待つドゥドゥもフリーという目も当てられない失点で、集中力の欠如以前に誰が誰に付くのか判然としていなかったような気がしてなりません。

・駒井は駒井で深い位置で絡まれてボールを失いかかる場面が散見されて不安定極まりない出来。これで同点に追いつかれようものなら埼スタは大荒れ→週末に家族に当たり散らすオッサン・オバハンが続出という浦和ファミリーが続出しかねないところでしたが、不穏な空気を払拭したのが途中投入の李。もっとも波状攻撃の中でエリア内で粘りに粘った関根がもたらしたようなものですが。

・ミシャも大失策をすぐに悟り、3点目の直後に那須→宇賀神でより穏当な布陣に変更。もっとも那須をボランチではなく遠藤をボランチに上げてまたしても最終ラインを弄ったのが謎でしたが。

・最後は駒井が積極的に高い位置でボールを奪いにいったところから。もっとも駒井のパスを受けたラファエルが前に出てきたGKをあざ笑うようにその上をループで抜いてしまうのだから恐ろしい。無理にループを狙わなくても横にどフリーの興梠がいたのですが、先ほど興梠がお膳立てをぶち壊したのを見てやっぱり自分で決めに行ったラファエルであった。

・すでに死に体同然の相手を冷静に蹴り飛ばすラファエルの恐ろしさ。常に前がかり気味でどうにも守備が不安定な今の浦和が勝ち点を積み上げるには相手をどつき倒すしかなく、そんな浦和にはもはやラファエルが必要不可欠になってしまったのかも。そして得点力は無論のこと、周囲との連携も試合毎に目に見えて良くなったラファエルがいつまで浦和にいるのかという懸念がフツフツと。

003

-----ラファエル-----
--興梠----武藤--
宇賀神-阿部-青木-関根
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

(得点)
57分 興梠:裏に抜けた関根の折返しを興梠が詰める
60分 武藤:関根クロスをGKの前でヘッド
83分 李:エリア内で粘った関根のシュートのこぼれ玉を李が詰める
90+2分 ラファエル:駒井が高い位置でボール奪取→ラファエルが前に出てきたGKを見てループシュート

(交代)
75分 槙野→駒井(阿部が左CB、駒井がボランチへ)
80分 武藤→李
83分 宇賀神→那須(関根が左WB、駒井が右WB、遠藤がボランチ、那須がリベロへ)

・全体練習復帰が伝えられた柏木はスタメンどころかなんとベンチ外。横浜M戦で無理使いしたものの前半の出来がさっぱりだっただけでなく、故障再発という最悪コースになったのでミシャも今回は慎重になったのかな?

・ただ今年は2ボランチが共に最終ラインに下がって左右CBが高く上がるビルドアップを多用。ボランチがCB化するようなもので、阿部&青木の組み合わせだとさほど違和感なく見てられるのですが、柏木が入ってもこれをやれるのかどうか。逆に柏木がいないがゆえの策なのか。

・高めの位置にいる森脇が甲府の急所を突くパスを連発。守っては浦和が前からプレッシャーをかけて、甲府が苦し紛れに前に蹴ったボールを中に絞った森脇が回収するという場面が目立ちました。いずれもミシャの思惑通りでしょうし、森脇の面目躍如といっても差し支えないはずですが、それ以上に前半ウイルソンに簡単に裏を取られた場面ばかりがクローズアップされるのが森脇の辛さ(つД`)

・西川はキック精度がガタ落ちで、判断スピードも鈍っているように見受けられました。宇賀神は前半に一度武藤への絶妙なクロスがあっただけで、その後はワロス連発。青木もらしくないボールロストが散見され、この連闘組はいずれもいかにもお疲れっぽい出来。同じく連闘組の槙野を気遣ってミシャは途中で下げたのでしょうが、その善後策があまりにも稚拙。槙野不在時のオルタナティブは今年も不安一杯。

・40分くらいに遠藤の大失態を機に堀米に決定機。ゼロックス杯の大失態も記憶に新しく、どうも遠藤は「一日一ポカ」という意味で永田の後継者になってしまったような気がしてなりません(´・ω・`)ショボーン

002

---ウイルソン--堀米---
--小椋----田中--
橋爪---兵働---松橋
-新里--山本--新井-
-----岡------

(得点)
76分 ドゥドゥ

(交代)
63分 堀米→ドゥドゥ
89分 新里→エデル リマ
89分 兵働→保坂

・甲府はいつも通り5-3-2ないし堀米がやや下がって5-3-1-1の布陣で前半はリトリート主体に守備。3ボランチが駆けずり回って左右にスライドしていましたが、浦和のようなサイド攻撃を得意とするチームにはこの布陣はどうにも相性が悪そう。3ボランチが左右に振り回されて疲弊しがちな上に、前に上がってくるCBを監視しにくい。

・ウイルソンがカウンターの基点として期待されている分、堀米と比べると守備が相対的に緩慢で森脇を監視しきれない上に、堀米や田中が懸命にプレッシャーをかけてもボールを取り切れない。かといってウイルソンにもハードワークを求めると得点が入る気がしない。ウイルソンとドゥドゥを併用すると前からプレッシャーがかけられないので最終ラインを上げられないといろいろジレンマを抱えているような。

・しかもウイルソンは攻撃時もサイドに流れて縦に走るなり、最前線でキープするなりとチャンスメークの仕事が専らで、自分に点を取らせる仕組みになっていないので、相当フラストレーション溜まりそう。ほぼ前半で使い捨て状態の堀米も気の毒ですが。

・また結局のところカウンターしか得点パターンがなく、妙に前に出て来てボールを支配しても何も起こらないまま終わる中途半端なスタンスで甲府が勝ち点を稼げるのかどうか。またしても夏に「退き佐久間」が再登板する気がしてなりませんが。

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2017.03.09

【展望】17年第3節甲府戦

・過酷な5連戦が終わって、久しぶりに中6日空いての甲府戦。もっともここで一旦リフレッシュできるほど試合間隔が空いているわけではなく、案外調整が難しいのかもしれません。昨年事実上の消化試合と化したホーム浦項戦でレギュラー陣をごっそり休ませて中4日で続く大宮戦に臨んだものの、一度緩んだ心身はなかなか戻らないのか選手の動きはイマイチで、一番マシだったのが浦項戦もスタメン出場した柏木だったという惨状を思い出さずにはいられません。

・しかも相手は伝統的に「どんな試合でも引き分け上等!」「リアル人は石垣、人は城」で試合に臨んでくる甲府。およそ負ける相手ではないが、簡単に勝てそうにもないという面倒な相手で、まだまだクソ寒い時期のナイトゲームという悪条件に重ねてとんでもない塩試合、塩の山また山を見る覚悟が必要です。

(戦力)

・ここ数年降格が現実味を帯びてくるやいなや颯爽と「退き佐久間」が現れてなんとか残留を果たすパターンを繰り返してきた甲府。昨年は珍しく佐久間氏が通年で監督を務めて怪我人だらけの苦しい台所事情ながらまたまた残留に成功。

・ところが、今季新たに招聘したのはなんと教え子だらけの柏ですら成績はぱっとせず、翌年新潟でも大方の予想通り大失敗して残留争いにどっぷり浸かった吉田監督。甲府といえども「リアル人は石垣、人は城」戦法は本意ではないのか、傍目にはポゼッション重視のサッカーを夢見ているように伺えます。しかし、バレーをぶっこ抜かれた大木後期以降その路線は成功した試しがなく、またしても「退き佐久間」が登板する気がしてなりませんが。

・甲府得意の外国人ガチャ(滅多に当たらないので、だいたい夏にもう一回ガチャ)を今年も敢行。もっとJ1で実力証明済みのウイルソン(仙台)を採ったのが例年と違うところで、昨年残留の立役者となったドゥドゥと並ぶ前線はそれなりに面倒。他にFWガブリエル、DFエデル・リマを獲得って甲府はブラジル人ばかり4人おるやん! 但し、ドゥドゥとエデル・リマは故障して3月頭に全体練習に復帰したばかり。

・っちゅーか、バランスを考えると途中でまたまたマルキーニョス・パラナを呼び戻す羽目になるんじゃないかな??? 繁忙期にだけやってくる凄腕のパートのおばちゃんみたいなマルキーニョス・パラナを。昨夏に急遽獲得したダヴィは輝きを取り戻せずにお役御免。ダヴィのキャリアは名古屋へ移籍して以来実に波乱万丈。

・他はMF稲垣が抜けた(またしても広島が強奪!)代わりに堀米が京都から戻ってきたのが目立つ他、小椋(G大阪)、兵働(水戸)といったベテランをかき集め。両ベテランとも開幕からいきなりスタメンで出ているのがいかにも甲府。

(戦術)

・前節鹿島戦を観ましたが、さすがに監督が代わったばかりなせいか、甲府のスタイルに極端な変化は見受けられず。極力最終ラインを押し上げ、攻守を素早く切り替えて高い位置でボールを奪いに行こうという意図は見て取れましたが、鹿島相手だとそう簡単にボールは奪えず、結局自陣に押し込まれる時間帯が長くなるいつものパターン。

・守備時は両WBが下がって5-3-1-1。3ボランチの一角にボール奪取特化型の小椋がおり、大ベテランの兵働や和製ケンペス田中共々走り回っていて結構面倒ですが、終盤息切れ。過密日程の鹿島より先にバテるのはいかがなものか。またウイルソンはあまり守備をしないみたいで、その分相方(堀米)が前目の守備に奔走せざるを得ず、その負担が大きそう。

・攻撃は現状サイドに流れているウイルソンへの縦ポン&独力打開頼み。それでもウイルソンはスピードがあり、DFが脆弱だと弾き飛ばしてそのままGKと一対一になれる能力があるので油断できません。ただウイルソンがサイドで縦に走ってチャンスメークしても、中に飛び込む選手が少ないのでなかなかフィニッシュに至らず。

・また甲府がボールを持ったところで、ラストパスやクロスの精度が低いのでこれまたフィニッシュには至らず。鹿島戦のシュートはわずか2本。しかも1本はウイルソンのPK失敗。

・ウイルソンがハイボールに競り勝ってのこぼれ玉を他の選手が拾うのも狙いの一つのようで、鹿島戦ではこのパターンで試合終了間際にPKを拾いました。

・吉田監督は新潟では基本4-4-2ながら、浦和戦では守備時には右SHが最終ラインに下がって5-3-2の守備ブロックを作る可変システムで対応していました。今回は最初から5-3-2なので、浦和戦に向けて特に変わったことはしないでしょう。

(浦和の対応)

・C大阪戦から中6日と若干間が空いたとはいえ、甲府戦の後は中4日でアウェー上海上港戦、さらに中3日でアウェーG大阪戦と続くため、この3連戦をひとまとめにして人繰りを付ける必要があります。恐らくアウェー上海上港戦が最も手強くと睨んで、ここはアウェーWSW戦同様昨年の基本メンバーで臨み、そこから逆算して甲府戦は若干メンバーを入れ替えるものと予想します。

・おそらくC大阪戦お休みの駒井がスタメン出場するのは間違いないでしょうし(ここまで使い詰めの宇賀神がお休み)、ラファエルが1トップに入る可能性も高いと思います(興梠ないし武藤がお休み)。さらに那須をスタメン起用して遠藤ないし森脇を休ませてもなんら不思議はないでしょう。

・横浜M戦で無理使いしたのが祟って再び戦線を離脱した柏木が戻れるようなら青木がいったんお休みになるのも確実。もっとも柏木が戦列を離れている間に青木の台頭が著しく、柏木の位置づけはちょっと微妙になってきました。

・いつものように浦和がボールを保持するものの、甲府の守備ブロックの前でぐるぐるボールを回すだけで決定機が掴めないという試合展開になるかと思いますが、いままでの甲府と違ってなにせウイルソンが強力。浦和が不用意に前がかりになったところ、あるいはリスク管理がおろそかになった隙に甲府の縦ポン一発でウイルソンが浦和最終ラインを抜け出して西川と一対一になる地獄絵が嫌でも目に浮かびます。森脇の裏なんて徹底的に狙われるかも。

・浦和がコンビネーションでの打開に拘って甲府の守備ブロックに引っかかり続けるというのが「甲府戦あるある」なので、なんだかんだとラファエルの「一人で出来た!」が一番有効な気がします。鹿島戦でも金崎やPJの個人技でやられかかる場面が結構ありましたし。甲府の最終ラインが下がりすぎてバイタルエリアが空いた隙にミドルシュートをずどーんというのがあればなお良いのですが。

------------------------------
<前節:甲府 0-1 鹿島>

---ウイルソン--堀米---
--田中----小椋--
橋爪---兵働---松橋
-新里--山本--新井-
-----岡------

55分 堀米→河本(足が攣った?)
75分 兵働→黒木
88分 橋爪→道渕(田中が左WBへ)

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2017.03.05

【観戦記】17年第2節:浦和 3-1 C大阪 ~ 満開どころか枯れていた桜

・中2日or中3日での5連戦の最終戦。浦和はソウル戦から3人を入れ替えたとはいえ、宇賀神・青木・森脇・西川とフル稼働を余儀なくされている面子もいてコンディション面に不安を抱えていました。しかし、ふたを開けてみればそんな不安もなんのその。C大阪の出来の酷さにも助けられて、浦和は疲労が顕著になる前に事実上試合を決め、完封こそ逃したものの楽々ホーム開幕戦を勝利で飾りました。

・それにしてもC大阪は弱かった。清武が故障で浦和戦に間に合わず、キム・ジンヒョンも負傷欠場というハンデはありましたが、C大阪はコンディション面で浦和より圧倒的に有利で、準備期間もしっかり取れたはず。それでもC大阪は終盤浦和が疲労から大失速するまで全く手も足も出ず、ただ守っているだけなのに失点を重ねる惨状。

・これではユン監督が「前後半を通して、守備、攻撃の部分で、何一つちゃんとできた部分がなかった」と述懐するのは無理もありません。過去プレーオフ経由の昇格組はいずれも無残な形で再降格を余儀なくされていますが、現状ではC大阪もそのコースを辿るのは必定でしょう。開幕戦はこれまた酷い出来に終始した磐田相手にとんでもない塩試合を演じてスコアレスドローに終わりましたが、第2節にして「本当のJ1の壁」にぶち当たったようで。

・C大阪は判りやすい4-4-2で自陣でリトリート主体の守備。浦和の最終ラインには全くと言っていいほどプレッシャーをかけて来ず、ボランチに対するプレッシャーすら強くはなく、浦和が無理に攻めに出てくるところを引っかけてからのカウンター狙いみたいな格好。悪く言えば「うさぎぶつかれ、木の根っこ」状態。

・浦和もその狙いを見透かしたのか、ボールは支配するものの無理攻めはせず、双方とも何事も起こらないまま序盤が終わろうとしていましたが、結局のところC大阪は浦和の最終ラインに全くプレッシャーをかけないのが致命傷に。遠藤縦パス→興梠スルー→武藤が右へ動いてゴールとファーストシュートで先制点。武藤が「一人で出来た!」系のゴールと思ったら、興梠が左に走ってCBやボランチを釣っていたのが効いて、武藤がCBを楽々剥がせたようで。

・その前にも遠藤の縦パス一本で武藤が裏取りに成功しかかる場面がありました。先制される前にその予兆があったわけで、ユン監督がほとんど守備をしない杉本&柿谷を叱責しないのが不思議でなりませんでした。

006_2

・C大阪は2トップが前残り気味で、常に前がかりの浦和の最終ラインの裏を杉本キープ→柿谷裏抜けみたいな格好で2人だけで突破する算段だったのかもしれませんが、残念ながら杉本が何の役にも立たず。長身だが特にハイボールに強いわけではなく、浦和にいたら間違いなく「杉ツァ」と呼ばれていたであろう杉本にC大阪は性懲りもなくロングボールを放り込んでいましたが、杉本は遠藤に完封されるテイタラク。守備はしないわ、攻撃でも何の役にも立たないわと、この試合の負け選手といっても差し支えないかと。

・またC大阪が弱いと思ったのは、前から厳しくプレッシャーをかけてくる浦和の逆を取るような形でボールを前に運べなかったこと。なんとか浦和からボールを奪っても、すぐさま攻守を切り替える浦和のプレッシャーに抗しきれず、いとも簡単にボールロスト。自陣深い位置でボールを失おうものなら、一発で決定機を作られてしまうのは理の当然。浦和の2点目はボールコントロールに手間取った丸橋から武藤がボールを奪取したところから。

・浦和の3点目もショートカウンター。2点ビハインドになって前半よりはC大阪が前に出てきたところで、青木が山口のパスをカット&自分で持ち運んでラファエルへスルーパス→GKと一対一のラファエルが軽くボールを浮かせてGKを交わしてゴール。

・3点リードして事実上勝敗は決し、全く良いところがないC大阪を完封するのが残されたタスクといった流れでしたが、残念ながらまたしてもセットプレーで失点。ヨニッチには槙野が付いてはいましたが、完全に競り負けてニアで完璧に合わせられてしまいました。これが代表CBだから観戦中のハリルホジッチもさぞ頭が痛いでしょうなぁ・・・

・さらに李が投入された辺りから浦和はお疲れで大失速。パスミスやボールコントロールのミスが相次いで攻めに出てもことごとく無駄になり、前からのプレッシャーもかからなくなって、自陣に押し込められがちになってしまいました。C大阪もおそまきながらサイドからのハイクロスというユン監督がやりたかったであろう攻撃パターンが見られるようになりましたが時既に遅く、柿谷に多少惜しい場面があったくらいで試合終了。

C大阪の枠内シュートがほとんどないので「ナイスセーブ」が出せないのは仕方ないにしても、完封も出来なかったので「シャットアウト」も出せず、文化シヤツター様にとっては踏んだり蹴ったりな試合だったともいえ。

003

-----ラファエル-----
--興梠----武藤--
宇賀神-阿部-青木-関根
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

22分 武藤:遠藤→興梠スルー→武藤が右に持ち出してシュート
37分 興梠:武藤→ラファエルシュートのこぼれ玉を詰める
52分 ラファエル:青木のスルーパス→ラファエルが球を軽く浮かせてゴール

(交代)
68分 ラファエル→李(興梠が1トップ、李がシャドーへ)
79分 青木→那須
86分 興梠→ズラタン

・浦和はソウル戦から李→ラファエル、駒井→阿部、那須→遠藤と3人入れ替え。ソウル戦で温存した阿部・遠藤、後半途中からの投入だったラファエルのスタメン起用は予定通りでしょう。またラファエルの代わりにベンチスタートになったのがソウル戦で90分使った武藤ではなく李だったのがやや意外でしたが、その武藤が攻守にわたって大活躍。ミシャって選手のコンディションの見極めがいつから上手くなったのか???

・リーグ戦早くも3ゴールのラファエル。KLMと比べるとさすがに連携面では劣るものの、それを補って余りある決定力が魅力。何よりやや強引な格好でも枠内シュートが撃てる、撃ちに行く姿勢が原口離脱以降の浦和になったもの。本来はカウンター要員が最適なのでしょうが、加入後たった数試合でスタメンでも使えないことはないレベルに到達しました。

・ほぼフル稼働でヘロヘロ、連戦で失点に絡みまくりの森脇も前からプレッシャーがかかっているうちは裏を取られる心配がないせいか実にイキイキ。対面の関口に全く何もさせず、イライラした関口が思わずガラの悪さを披露して森脇に当たるという一幕も。だから関口は警察に職務質問される憂き目に合うんやって(苦笑)。

・同じくほぼフル稼働の青木はこの日も何の破綻もなく攻守に大活躍。3点目に直結したボールを奪って前に出るプレーは青木の真骨頂で、この出来なら故障欠場の柏木もおちおち凹んでいられないかと。無論青木と柏木は持ち味が全然違っていて、4バックの相手なのにピッチを広く使ってWBを軸にワイドに仕掛けるような攻めが少なかったのは柏木不在が影響したかも。その代わりショートカウンターが強烈でしたが。

001

---杉本--柿谷---
関口--------丸岡
---ソウザ--山口---
丸橋-山下--ヨニッチ-松田
-----丹野-----

59分 マテイ ヨニッチ:ソウザCK→ニアでヨニッチがヘッド

(交代)
61分 関口→清原(清原が右SH、丸岡は左SHへ)
73分 丸岡→山村
85分 松田→田中

・終盤山村を入れて杉本と並べてパワープレーを仕掛けるのかと思っていましたが、山村は最前線に張っているわけではなく、トップ下みたいなポジションをウロウロしている時間帯が長くてどうも趣旨が判然とせず。それでも山村の頭に合う場面が一度ありましたから、これがユン監督の勝負手だったのでしょう。

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2017.03.03

【展望】17年第2節C大阪戦

・C大阪は2014年に大金を叩いてフォルランやカカウを招聘して話題になり、観客も急増したものの、監督を安上がりで済ませたのが仇になって途中からフォルランは壁打ちに興じる羽目になりあえなく降格。カカウがなぜか自転車をお土産代わりに関空へ持ち込んで退団したのも懐かしい思い出。

・しかも1年での再昇格に失敗。昨年は大熊監督の無意味すぎる大声に悩まされながら、なんとか選手の個人能力にモノを言わせてプレーオフで岡山を振り切って再昇格を果たしました。

・さすがは笑いの本場大阪らしく、とにかくネタに事欠かないC大阪ですが、大熊兄弟が現場から退いて久しぶりにまともな監督=鳥栖で実績十分のユン・ジョンファンを招聘したので昇格組といっても侮れません。攻守ともとにかく個人任せ&終盤大失速がお約束だった大熊のままだったら安牌だったはずですが。

(戦力)

・もともとJ1でも十分やれる選手が揃っていたチームだったので即戦力の補強はCB山下の相方=マテイ・ヨニッチ(クロアチア)と、鳥栖でユン監督に重用された水沼(FC東京)に留めるものと思っていたら、2月になってなんとセビージャで燻っていた清武を獲得。多額の移籍金(6億円との噂!)を支払っての獲得と目され、改めてヤンマーの謎過ぎる懐の深さに驚かされました。

・但し、清武は前節負傷欠場で今週一応練習に合流してはいますが浦和戦の出場可否は不明。また水沼も前節負傷交代を余儀なくされ、右ハムストリング筋損傷(全治4週間)で浦和戦は欠場。

・一方、昨年の主力選手の流出はなく、シーズン終盤になってスタメン起用が増えた玉田(名古屋)の流出が目立つくらい。バランス的には前目が過剰で後ろが薄い陣容です。

(戦術)

・監督が代わったので開幕節の試合内容しか参考になりませんが、基本的に鳥栖での戦術をなぞっているように見受けられました。具体的にはこんな感じ。

①最終ラインからのロングボールを多用:長身だがそんなに空中戦が強くない杉本に豊田の代わりを期待(=杉本に当ててからのセカンドボール狙い)しているわけではないと思いますが、前半を中心に最終ラインからいきなり最前線への放り込む場面が目立ちました。高い位置にいるSHを裏へ走らせるようなロングボールも結構あったので、おそらく相手最終ラインを下げるのが主眼かと思います。

②SBからのアーリー気味のクロスが決め手:相手最終ラインを下げて、フリーになったSBからアーリー気味に相手最終ライン裏へクロスを供給。前半終了間際に松田→杉本の決定機があり、これがユン監督の最大の狙いのような気がします。柿谷も裏への飛び出しが巧い選手ですし。思えば鳥栖でも安田やキム・ミヌからのクロスが生命線でした。

③ソウザの一発が脅威:ロングレンジからの強烈な一発を持っているのでバイタルエリアを迂闊に空けるとやられます。FKも同様。

・ただ如何せん監督が代わったばかりで成熟度は低くて決定機は僅少。また守備は相手の磐田の攻め手がC大阪以上にしょっぱすぎてまるで体をなしていなかったので、ほとんど参考にならず。山下&マテイ・ヨニッチが待ち構えるセンターは川又への放り込みではどうにもならないのが印象に残ったくらい。

・正直堅実だが面白味はないサッカーっぽいので、結果がなかなか出ないと内外から不満が出そうな気も。チームカラーが至って地味だった鳥栖と違ってクルピ時代の幻影に憑りつかれた外野がなにかとうるさそうですし。

・新チームが立ち上がったばかりなので浦和戦に向けて特段特殊なことはやってこないと予想します。もともと鳥栖でも4-4-2の布陣のまま浦和戦に臨み、守備ブロックを素早くスライドさせて浦和のサイド攻撃を封じてきた実績がありますし。

(浦和の対応)

・中2日、中3日で続いた5連戦の最後。当然ながらC大阪と比べてコンディションが良かろうはずがありません。ソウル戦で阿部と遠藤を休ませられましたが、連続出場を強いられている面々、特に森脇の疲労が深刻。よって最終ラインは遠藤・那須・槙野で組む可能性が高いと思います。

・また横浜M戦で柏木を無理使いした挙句、練習離脱に逆戻りしてしまったのはミシャの大失態。青木も連戦を余儀なくされているんで、ボランチは阿部&駒井で組むかもしれません。

・梅崎が故障中、かつ駒井をボランチに回したために、両WBの代えが難しくなってしまいました。菊池はまだスタメンで使える目処が立たないのかなぁ?

・前目はソウル戦で90分使った武藤に代えてラファエルを入れるくらいでしょうか。ズラタンが不振で、ここもだんだんスタメンで使える選手が絞られてきたようです。

・前述の両CBと山口・ソウザが控える中央は堅そうなので、浦和の攻撃の糸口はサイド中心になろうかと。サイドチェンジでC大阪の4バックの守備ブロックを振り回す展開になろうかと。

・C大阪の攻撃はロングボール一本で浦和WBの裏を狙うカウンター一本槍になると予想。金崎や斎藤と同タイプのスピードがある選手がサイドに流れてくると面倒でしょうが、その系統の選手がC大阪にいったっけ???、

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<前節:C大阪 0-0 磐田>

---杉本--柿谷---
関口--------水沼
---ソウザ--山口---
丸橋-山下--ヨニッチ-松田
-----ジンヒョン----

49分 水沼→丸岡
86分 関口→サントス

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2017.03.01

【観戦記】ACL2017・F組第2節:浦和 5-2 FCソウル ~ きっと君は駒井

・浦和は横浜M戦から中2日、しかも中2日or中3日の連続で既に4戦目、かつシドニー往復付き。ソウルはACL第1節から試合がなく、今季2試合目とコンディション面では圧倒的にソウル有利。しかし、浦和は連戦から来るお疲れ感が顕著になる前に怒涛の5得点で試合を決めてしまいました。

・ATになって横浜M戦の再現のような形で失点してしまったため、ちょっぴり後味が悪くなってしまいましたが、この勝利で浦和はグループリーグ突破へ大きく前進。判りやすいアウトサイダーがおらず実力拮抗の「死のグループ」とされたF組でWSWに続いてソウルにも大きく得失点差を付けて勝ち、同日上海上港がこれまたWSWを5-1で撃破したので、このグループは完全に2強に。

012

・ミシャは過密日程を考慮して、横浜M戦からラファエル→武藤、柏木→李、阿部→関根、遠藤→那須と4人を入れ替え。武藤は横浜M戦では完全休養、李も出番がなかったので判りやすい入れ替えですが、全く代えが効かないと目された阿部を思い切ってベンチ外にしたのには驚きましたし、その代わりがなんと駒井でこれまたびっくり。遠藤→那須の入れ替えも含め、このターンオーバーが全て成功したのが勝因の一つでしょう。

・またソウルが攻守とも著しく精彩を欠いていたのにも助けられました。浦和は厳しい日程でヘロヘロでしたが、ソウルはソウルでシーズンインしたばかりのせいかいかにも動きにキレがなく、試合勘不足のためか連携もままならずにビルドアップに四苦八苦しているように見受けられました。さらに球際で浦和に競り負ける場面が少なくなく、ボールホルダーへの寄せも甘く、カウンターを喰らい続けてあれよあれよという間に5失点。

・ソウルは攻撃時4-1-2-3、守備時4-1-4-1でアンカーが時に最終ラインに吸い込まれながらマンツーマン気味に守っていましたが、なぜか最終ラインが今年の千葉ばりに極端に高い。浦和に前から圧力をかけてのショートカウンター狙いと目されますが、なにせマンツーマン気味なので一つの競り負け、一つのミスがたちまち致命傷に。武藤の先制点は李のフリックに反応した興梠が55番(カク・テヒ)に競り勝って裏抜けに成功したところから。

・さらにソウルは中盤といい最終ラインといい、ボールホルダーへの寄せがなぜが甘々。2点目をアシストした関根といい、3点目をアシストした武藤といい、カットインしてきた選手に対して最終ラインはズルズル下がるだけでボールを奪いに行く素振りは全くなく、しかもシュート体勢に入った李や関根は放置。そういえば駒場でのPSMでは5番(オスマール)がアンカーで効いていたように見受けられましたが、この日のアンカーはなぜか15番(キム・ウォンシク)で5番はCBに。そしてこの15番が何の役にも立たない(苦笑)。案の定前半でお役御免。

・もともと最終ラインが極端に高いのに早い時間にビハインドを負ったソウルは格好のカウンターの餌食となり、21分には興梠のポストプレーから李→宇賀神、45分には宇賀神&武藤の高い位置でのボール奪取から李→駒井で追加点。

・著しく精彩を欠いたといえばGKユ・ヒョン。曽ケ端も櫛引もびっくりな挙動不審の連続で、浦和はこのGKに随分助けられました。武藤や関根のゴールなんてまともなGKならまず入らない。ソウルは昨年の正GKが兵役に取られてしまったそうですが、補強しようにも良いGKはことごとくJリーグ勢に引き抜かれてロクなのが残っていないのかも。

・後半に入っても浦和はカウンターで決定機を量産。立ち上がりに武藤→宇賀神(シュートはバーをヒット)、61分にも関根→興梠スルー→宇賀神と決定機があり、さらに途中投入のラファエル→宇賀神→武藤、関根→長澤→ラファエルと決定機がありましたが追加点ならず。

・後半の選手交代はいずれも次節C大阪戦を睨んでのターンオーバー含み以上の意味は持たないと思います。ただラファエルとズラタンの併用はさすがに無理があって前からの守備が著しく緩慢になってしまいました。しかもズラタンを入れた辺りから浦和守備陣の疲労も顕著になり、自陣深い位置でのしょーもないパスミス・ボールロストが続出。

・失点場面直前にもエリア直前でFKを与える場面がありましたし、失点は遅かれ早かれ免れなかったと思います。ただ失点の仕方が横浜M戦とそっくりだったのが極めて印象を悪くしただけで。失点はなぜか関根が中途半端に前に出て裏を取られたのがきっかけ。でもバイタルエリアにいるデヤンを掴まえていないのは横浜M戦の失点場面とそっくりで参りました。

010

-----興梠-----
--武藤-----李--
宇賀神-青木-駒井-関根
-槙野--那須--森脇-
-----西川-----

(得点)
9分 武藤:右サイドに流れた興梠クロス→武藤ヘッド
11分 李:関根カットイン→李
15分 関根:武藤カットイン→関根
21分 宇賀神:李のシュートのこぼれ玉→宇賀神ダイレクトボレー
45分 駒井:李がエリア内でためる→中央に走りこんだ駒井

(交代)
66分 興梠→ラファエル
75分 駒井→長澤
78分 李→ズラタン

・この日のビッグサプライズは駒井のボランチ起用。スタメンが発表された際には基本フォーメーションが皆目判らず、前日4バックの練習をしていたとの報もあいまって、機能した試しがない「なんちゃって4-1-4-1」に再挑戦するのかも?と思ったのですが、蓋を開けてみればなんのことはないいつもの3-4-2-1で駒井が青木と並んでボランチ。

・駒井のボランチは昨年の広島戦といい、先日の横浜M戦といい良いイメージがあまりなく、正直不安だらけでしたが、終わってみれば大過ないどころか柏木とは全く違う持ち味を存分に披露。柏木のように広範囲に長いパスは出せない代わりに長い距離を自分で持ち上がれる。守っては柏木同様に運動量が多く、柏木より足が速い!! 後半裏を取られてGKと一対一になりそうだったところを駒井が駆け戻って防ぐ場面がありましたが、あれは柏木にはできない(苦笑)。

・ただ深い位置からのドリブルでの持ち上がりはカウンターを誘発しやすいですし、そもそも広範囲のパスが出せないと浦和らしいピッチを広く使ったサッカーができません。遠藤と比べて展開力が低い那須を起用したのを考え合わせると、ミシャはソウルをスカウティングした上で前から嵌めてカウンター一本槍でなんとかなると踏んで駒井や那須を起用したのかもしれません。

・途中投入のラファエルはカウンター要員として凄まじい威力を発揮。投入直後に深い位置からドリブルでいとも簡単に相手をごぼう抜き。そのまま強引にフィニッシュまで持って行くかと思いきや、どフリーの宇賀神にパスを出すという完璧な仕事ぶり!!しかし宇賀神→武藤と繋いだところで武藤がボールコントロールに失敗して全部ワヤにしてしまい、この武藤の失態を見て「次は自分で撃とう!」と堅く心に誓うラファエルであった。

・一方、同じく途中投入のズラタンはまたしても良いところなし。せっかく複数人で攻撃を仕掛ける体制ができているのに角度のないところからシュートを撃ってしまった場面を見るとラファエルの大活躍でズラタンに焦りがあるような。

・青島麦酒はWSW戦に続いて李。5点も入ったのに得点者がバラバラという辺りがいかにも浦和。得点パターンも多彩でチーム成績がいくら良くてもリーグMVPがもらえない体質は今年も健在で青島麦酒もMOMの選定に頭を痛めたかもしれませんが、相手を完璧に崩している2点目と5点目での李の働きが好印象だったのかも。

002

11---10----8
--6-----13--
-----15-----
7--5---55-17
-----1------

14分 10(パク・チュヨン):直接FK
90+2分 9(デヤン):浦和右サイドからクロス→バイタルエリアからズドン

HT 15(キム・ウォンシク)→34(マウリーニョ) :6がアンカー、11がIHに下がる
75分 13(コ・ヨハン)→9(デヤン)
82分 55(カク・テヒ)→キム・クナン:負傷による交代

・パク・チュヨンの直接FKはお見事。でも壁の間に11番に入られ、その上を狙われましたから、浦和の対応が拙かったともいえ。

・大敗したにも関わらず、試合終了後ソウルはピッチにゴミをまき散らすような愚行は犯さず。この辺は浦項のような田舎クラブとは大違いですなぁ・・・

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2017.02.26

【TV観戦記】17年第1節:横浜M 3-2 浦和 ~ くりかえすミシャイズム あの光景が甦るの

・一時は逆転に成功しながらも終盤に2点取られての再逆転負け。浦和が追加点を取るチャンスを生かしていれば難なく試合を終えられた可能性もあったので惨敗とは思いませんが、逆に横浜M(以下「鞠」)が浦和を徹底的に叩きのめせるだけのチャンスもあり、結果は内容相応でしょう。

結果云々以前に負け方が悪い。同じやられ方の繰り返し。試合開始直後のバブンスキーのシュートから、ATの前田のゴールに至るまで判で押したように同じ形でやられ続け、なんら修正が施されない。森脇が斎藤にドリブルで仕掛けられ、やむなく遠藤が加勢にいき、その穴を埋めるべく阿部が釣り出されたところを斎藤に中央に折り返され、がら空きのバイタルエリアからズドン。何度同じ光景を見たことやら。

・不用意に森脇飛び込む水の音。森脇が極端に斎藤を苦手としているのは戦前から明らかで、シドニー帰りのターンオーバー含みで遠藤を右&那須を中央に回す手もあったでしょう。この辺は結果論になってしまいますが。

・また遠藤が森脇の加勢に出ていき、阿部がスライドするのはやむを得ないとしても、他の連中までなぜか斎藤ばかり注視してバイタルエリアに侵入してきた鞠の選手を見ていない。数的優位なのに肝心の相手を掴まえていないのでやられてしまう。これが実に腹立たしい。これでは森脇を代えても代えなくても大勢に影響はなかったと断じざるを得ません。

・また広い意味ではXEROX杯で繰り返された光景(=浦和の極端に高い最終ラインの裏をカウンターで浦和右サイドから崩す)の再現だったともいえるでしょう。そういう意味でも何の反省もなく、修正も施されず、ただただ同じように殴られ続けたはなはだ情けない試合。

・奇しくもスコアはXEROX杯と同じ。このままだと今年の浦和はスコアの出入りの多い2013年型のチームになってしまうのは必定。ハーフコートゲームなんてクソくだらない理想なんてかなぐり捨てて、昨年のような攻守のバランスを考えた試合運びに再転換しないと傷口は広がるばかりでしょう。

・新加入のラファエルが2得点を上げ、、浦和に久しくなかった「無理やりねじ込める」ストライカーがちょっと夢を見させてくれたのがこの試合の唯一の救いでしょうか。

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・鞠は攻撃時4-2-3-1ながら、守備時は4-4-2っぽい布陣でリトリート主体の守備。但し、要所要所で浦和最終ラインなりボランチなりに高精度のロングボールを蹴らせないようにプレッシャーをかけてきました。そしてボールを奪ったら素早く前残りの斎藤へ展開。この辺もXEROX杯の鹿島の戦い方がヒントになっているのでしょう。モンバエルツ監督は試合後「もう少し自分たちがボールをうまく持つことができなかったことは残念です。」と語っていますが、鞠からボールを持つ意図なんて微塵も感じられず、たぶんフランス流の冗談でしょう。

・そして鞠の狙いはズバリと嵌り、開始3分にして阿部のボールロストからバブンスキー→斎藤→バブンスキーでいきなり決定機。これはなんとか西川がセーブしましたが、13分に金井→斎藤→バブンスキーで失点。一瞬にして斎藤に振り切られる森脇にも困ったものですが、その後の浦和守備陣の対応の拙さが序盤で明々白々に。18分には素早いリスタートから斎藤のカットイン&シュートを許す一幕も。

・一方前半の浦和の攻撃はほぼ宇賀神頼み。故障明けの柏木が大不振で右サイドが全く機能せず、中央突破もままならず、ひたすらロングボールで宇賀神を縦に走らせるだけに攻撃に終始しました。それでもマルティノス&松原の連携に難があるせいか、あるいは単に松原の個人能力に問題があるのか、この単純極まりない攻撃でもチャンスになり、5分に青木→宇賀神→青木ヘッドの決定機。38分にも遠藤→宇賀神→興梠空振り→柏木で決定機。

・後半になって浦和は2トップ気味に布陣を変えたせいか攻撃の左右のバランスがぐっと良くなり、ラファエルが裏に抜け出す場面が増え始めました。50分には宇賀神が松原を振り切ったところから興梠→ラファエルの絶好機もシュートはポストをコツン。そして63分に途中投入の関根クロス→中澤のクリアし損ねをラファエルが拾ってゴール!さらに65分には柏木縦パス一本で最終ライン裏に飛び出したラファエルがヘッドで追加点!

・69分には柏木→関根→森脇→興梠が落ち着いて胸でボールをコントロールしながら決められない場面があり、個人的にはここで鞠を突き放せなかったのが痛かったと思います。ミシャはATの関根の決定機逸を嘆いているようですが、ああいう双方どつき合いになってしまう時間帯=偶然が発生しやすい時間帯での運不運を嘆く以前に勝敗の別れ目はあったでしょうに。

・ここで試合を決めきれなかったせいか、ミシャは柏木に那須を投入。守備固めの意図は明白で、かつ柏木が故障明けなのを考慮しての交代なのでしょうが、わざわざ那須を入れたのに86分にセットプレーで失点してしまったのは大誤算。CKの守備でニアにいた那須の頭を越され、小さい駒井がウーゴと競る羽目になるってどうなのよ? 高さ対策なら予めズラタンを入れておく手があったはずですが・・・

・AT突入直前に駒井縦パス→裏に抜けた関根の絶好機がありましたが、シュートはほぼGK直撃。その直後に天野→斎藤→ウーゴというお約束の形で決定機を作られ、これはなんとか西川が防ぎましたが、90+2分に全く同じ形を作られ、前田のフィニッシュでとうとう決壊。ここまで同じ形でやられたら関根の決定機逸なんて些細な問題でしょうに。それどころかラファエルの同点ゴールの前に金井の縦パス一本から斎藤の抜け出しを許す決定機があり、ここで試合が終わっていても何の不思議もなかったかと。

・1本のシュートミスで試合が決まってしまうほんのわずかな僅差の試合というものは確かにあります。しかしこの試合はその類ではなく、同じようなやられ方をし続けたチームが当然のように負けただけの試合で、僅差の敗戦でもなんでもないでしょう。中2日で迎えるFCソウル戦に向けてミシャがどう立て直してくるのか、生暖かい目で楽しみにしています。

-----ラファエル-----
--興梠----柏木--
宇賀神-阿部-青木-駒井
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

(得点)
63分 ラファエル シルバ
65分 ラファエル シルバ

(交代)
61分 青木→関根(関根が右WB、駒井がボランチへ)
73分 柏木→那須(那須がボランチへ、駒井がトップ下に上がる?)
90+3分 森脇→ズラタン

・WSW戦から李→ラファエル、武藤→柏木、関根→駒井と3人入れ替え。WSW戦で真っ先に下げた武藤がベンチ外になったのには驚きましたが、故障明けの柏木をボランチではなくシャドーで起用したのにも驚きました。どうやら柏木は負傷の影響で長いボールを強く蹴れないようで、CKも回避。従って柏木をボランチに置きたくても置けなかったのでしょう。そしてその柏木は前半大不振。スタメン起用はどうやら時期尚早だったようで。

・61分には喜田と交錯した青木が負傷退場する不運。ここで青木に代えて長澤ではなく、関根を入れて駒井をボランチに入れたのが謎。那須投入後は柏木に代わって駒井がトップ下に上がったように見受けられましたが、現状駒井がそこまで使い回しが効くほどミシャスタイルに馴染んでいるとは思えないのですが。

-----富樫-----
齋藤--バブンスキ--マルティノス
---天野--喜田---
金井-デゲネク-中澤-松原
-----飯倉-----

(得点)
13分 バブンスキー
86分 ヴィエイラ
90+2分 前田

(交代)
71分 富樫→ヴィエイラ
81分 バブンスキー→前田

・鞠の新外国人はCBデゲネクが裏を取られがちなのが気になったくらいで、前目の2人はいずれもハズレではなさそう。カイケが極端なハズレだっただけで、アデミウソンといいマルティノスといい、CFGの御眼鏡はそんなに狂いはないということかな? 外国人に関して言えば眼鏡どころか目があるのかどうかすら怪しい浦和からすれば羨ましい限り。

・強引な世代交代が失敗に終われば一気にチーム崩壊に突き進みかねないと思いましたが、この試合を見る限りどうやらその懸念は杞憂に終わりそう。

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2017.02.24

【展望】17年第1節横浜M戦

・待ちに待ったリーグ開幕戦。といっても開幕のワクワク感があるのはおそらく横浜M(以下「鞠」)だけで浦和は既に公式戦を2試合こなしており、しかも長距離移動を伴うWSWとのアウェーゲームから中3日。早くも過密日程との闘いを強いられています。

(戦力)

・鞠は今オフベテラン勢に大ナタを振るい、榎本・小林・中村・兵藤をばっさり。残留した中沢や栗原も大幅減俸を喰らったと噂され、「ベテランの処遇が極めて悪い」という鞠の伝統はCFG主導になってもしっかり継承されている模様。おまけに昨年中沢の相方となるケースが多かったファビオも流出してしまいました。札付きの不良外国人カイケの処分に成功したのは朗報なのでしょうが(苦笑)。

・代わりに外国人選手を3人補強した他、扇原(名古屋)・山中(柏)・松原(新潟)とJ1でそれなりに実績がある選手を補強。外国人選手も含めてかなり若い陣容で新シーズンに臨むことになりました。

・ベテランをばっさり斬ったことで、名古屋共々オフの間にスポーツ紙の良いおもちゃになっていたように見受けられましたが、意外にも昨年の主力で代わりが見当たらないのは右SB小林だけ。榎本には飯倉、ファビオには栗原と一応計算できる代わりの選手がおり、中村と兵藤は昨年から出番が減っていて主力とは言い難い状況でしたから、大騒ぎになった割には意外に目先のダメージは小さいと思われます。

・ただ「ベテランの処遇が極めて悪い」という鞠のイメージはもはや拭いようがなく、ベテランに差し掛かった主力選手がホイホイ出てゆく等先々ロクなことがないような気がしますが。

・新外国人選手はいずれもJリーグ経験がないので、その出来は蓋を開けてみないと皆目判りません。ここ数年鞠はCFがとにかく人材難で、山ほどチャンスを作っても点が入らずに得点力不足に泣き続けてきましたから、レッドスターから来たFWウーゴ・ヴィエイラの出来不出来が鞠の浮沈を大きく左右する気がします。またCBデゲネクは一応豪代表。

(戦術)

・鞠とは昨年最終節で対戦したばかり。戦力が多少入れ替わったとはいえ監督は代わっていないので、対浦和戦で特に変わったことはやってこないと予想します。端的に言って「塩試合上等」の徹底したカウンター狙いで浦和戦に臨んでくるものと思われます。一応戦える陣容を維持しているとはいえ、強引に世代交代を進め、かつ外国人を3人も入れ替えたとなるとチーム作りにはそれなりに時間を要するものと思われ、難しいことはやりようがないかと。

・具体的には浦和に簡単にロングボールを蹴らせないように前からプレッシャーをかけてきてはいましたが積極的にショートカウンターを狙うほどではなく、基本的にはリトリート主体に守備。浦和が無理に攻めに出たところで斎藤なりマルティノス頼みのロングカウンター炸裂みたいな。

・PSMで今期の鞠の様子を見る機会が全くなかったので、布陣やスタメンは予想困難。下記は「こんなん出ました」といった程度。

-----ヴィエイラ----
齋藤--バブンスキ-マルティノス
---仲町--喜田---
金井-デゲネク-中澤-松原
-----飯倉-----

(浦和の対応)

・浦和は長距離遠征を挟んでの中3日なので、当然多少スタメンを入れ替えてくるでしょう。具体的には両WB(宇賀神→菊池、関根→駒井)の入れ替えは確実。前目ではWSW戦で唯一90分起用された李に代わってラファエルがスタメンに抜擢される可能性があると思います。もちろん豪州遠征に帯同しなかったズラタンを使う可能性もありますが、XEROX杯でズラタンが不振を極めた一方、WSW戦でラファエルがいきなり結果を出したのが序列の入れ替えに直結する気がしてなりませんが。

・小破でXEROX杯も豪州遠征も見送った柏木は一応練習に復帰したようですが、早々無理もさせられないでしょうし、鞠戦は引き続き青木が頑張らざるを得ないかと。いきなり長澤を使う勇気がミシャにあるとも思えないですし。

・カウンター狙いの鞠に対して、とにかく浦和は焦らないことが肝要。快足SHがWBの裏を狙ってくるのが明らかなので、ハーフコートゲームに色気を出して妙に前がかりになるなんて自殺行為だと思います。昨年最終節は鞠の攻撃が全く成り立っていなかったのに、槙野の謎対応でマルティノスにまさかの抜け出しを許してしまいましたが、あれが今回も想定しうる典型的なやられパターンでしょう。

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