2018.10.08

【観戦記】18年第29節:仙台 1-1 浦和 ~ セットプレー一発で試合の流れ一変

・勝ち点41で並ぶ浦和と仙台。、但し得失点差では浦和が圧倒的に有利。また浦和は足下なんだかんだと3連勝なのに対して、仙台は長崎・横浜Mと下位チームに連敗しただけでなく、横浜Mには大量5失点を喫し、チーム状態は良いとは言い難い模様。

・そのせいかどうかは判りませんが、浦和が神戸戦から3戦続けて同じ面子・同じフォーメーション(3-1-4-2)を採用したのに対し、仙台は今年出番の少ない椎橋をアンカー、梁をIHに抜擢してレギュラー格の奥埜&富田をベンチスタートとする思い切った手を打ってきました。なお仙台のフォーメーションも浦和と同じ3-1-4-2でしたが、これは基本形(3-4-2-1)に対する代表的なオプションで、浦和対策でもなんでもありません。

・試合は立ち上がりこそミラーゲームらしい、お互いボールを保持したところで出しどころに困り、そうこうしているうちに相手の守備ブロックに引っかかってボールロストというしょっぱい展開でしたが、徐々に狭い局面でのボール回しや球際での競り合いに勝る浦和が優勢となり、カウンター気味にチャンスメーク。

・11分槙野が石原からボールを奪ってからのショートカウンターはオフサイド判定でフィニッシュに至らず、13分岩波→青木のロングカウンターは阿部がイエローカード覚悟のファウルでなんとか阻止。

・さらに15分左サイドに流れた柏木クロス→武藤ヘッド(板倉が阻止)、19分対面の関口に走り勝った橋岡からのクロス→興梠シュートは枠外とこの試合のカギであった両サイドの攻防でも浦和が優位に立ったと見られる場面が続き、24分ついにサイド攻撃が実って浦和が先制。宇賀神スローイン→興梠が左サイドを疾走→後方の長澤に戻してからアーリークロス→ファーにどフリーで走りこんだ橋岡がヘッド!!という見事な形でした。

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・仙台はボールを支配こそすれこれといった攻め手がなく、浦和WBの裏を突く狙いこそ見え隠れするものの、浦和守備陣に読まれていて不発と全くいいところがないまま前半終了と思われた時間帯に、浦和まさかの失点。

・野津田FKは距離があったので浦和は横並びにゾーンで守っていましたが、横列のニアに走りこんだ板倉がどフリー。板倉のヘディングシュートは角度こそ厳しかったものの、上手く西川のニアを抜けて行きました。

・現金なもので、これで仙台は息を吹き返すどころか一気に優勢に。同点に追いついた直後、43分にはカウンターから野津田→橋岡の裏へ抜け出した梁クロス→逆サイドから蜂須賀シュートという仙台が最も得意とするワイドな攻撃を披露し、そのまま後半も浦和を自陣に釘付けにしつづけました。

・浦和は52分マウリシオが自陣深い位置でノープレッシャーなのにパスミスを犯してしまった場面に象徴されるように、前半とは打って変わってグダグダ模様に。仙台のパス回しの前に守備が後手後手に回り、影を追い回すような恰好になっていい形でボールが奪えなくなってしまいました。浦和は5-4-1の守備ブロックで耐えてはいるものの、良い形でボールが奪えないので必然的に興梠が最前線で孤立。興梠は19分の決定機逸の際に負傷したのも祟ってか、前半ほどボールキープが出来なくなって浦和守備陣も最終ラインを押し上げられないという悪循環に。

・さらにこの日は台風25号の影響で、秋の仙台とは思えないくらい蒸し暑かったのも災いして、浦和の選手たちの足が止まるのも早かったように感じました。また悪いことは続くもので、57分に青木が野津田に蹴られて負傷。オリヴェイラ監督は60分に阿部を投入せざるを得なくなってしまいました。

・悪いことといえば、この日の主審は悪名高い「あ行主審」の中でも群を抜いた酷さで知られる池内主審。仙台の伝統芸能=ラフプレーにえらく寛容で仙台のイエローが序盤の阿部への一枚で終わったのにも驚きでしたし、仙台のハンド見逃し(×2)で浦和の選手たちが猛抗議しながらプレーを続ける一幕もあって選手の集中が切れやすい要素がてんこ盛りでしたが、浦和はそこをぶち切れずによく耐えたと思います。

・また仙台は優勢とはいえなんだかんだとセットプレーくらいしか決定機は作れず、流れの中からは最後の最後で浦和DF陣に防がれてしまう場面だらけ。「ボール支配率は高いがほとんどシュートが撃てない」という、往々にしてポゼッション重視型のチームが陥りがちな罠にずっぽり嵌まっているように見受けられました。また終盤浦和の選手交代がそこそこ奏功したのに対し、仙台の選手交代はほぼ無意味だったのも仙台が後半の優位を活かせなかった一因でしょう。

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・オリヴェイラ監督は76分長澤→興梠→武藤のロングカウンターのチャンスが潰えた時点で、消耗しきった興梠を諦めて故障明けのナバウトを投入。ナバウトは空回り気味で、かつ連携に難があるのは明らか(=加入直後の姿そのまんま)だったので即効性はありませんでしたが、最後の交代(84分長澤→柴戸)が効いてようやく浦和が高めの位置でボールを奪い返せるようになって遅まきながら反撃開始。

・87分右サイドから柴戸クロス→阿部→武藤→宇賀神がバイタルエリアからどフリーで強襲するもGK辛うじてパンチング。AT+2分柏木が椎橋からボール奪取→武藤→ナバウトのシュートはわずかに枠外。さらに終了間際柏木CKからの流れで宇賀神シュート→GK弾いたこぼれ玉にに槙野が反応する場面がありましたが、ボレーシュートはバーの上。

・前日札幌とC大阪が共に敗れているので、この試合に勝てば上位浮上が現実味を帯びてくるはずでしたが、結果は文字通りの痛み分け。前述のように仙台は優勢だった時間帯ですらたいして決定機を作れなかったため、前半&終盤により数多く決定機を作っていた浦和のほうがどちらかといえば「勝てた試合」だったように思えてなりませんが、それだけに前半のうちにセットプレーで同点にされ、流れを一変させられたのが悔やまれます。

・仙台は狙い通りのセットプレーがここ一番で炸裂し、浦和はそれなりに守備練習していたはずのセットプレーでやられ、自分のセットプレーのチャンスは一つも活かせない。オリヴェイラ監督就任後、特にW杯の中断期間中にセットプレーの練習を重ねているはずですが、なかなかうまくいかないものです。

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---武藤--興梠---
---柏木--長澤---
宇賀神--青木---橋岡
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(得点)
24分 橋岡

(交代)
60分 青木→阿部
77分 興梠→ナバウト
84分 長澤→柴戸

・橋岡がプロ入り後公式戦初ゴール! 対面の関口に何もさせなかった(特に身長差がかなりあるので、西川からのハイボールに全部競り勝てるのには笑った)どころか、見事に関口を出し抜いての見事なゴールでした。さすがいゴールパフォーマンスを繰り出す余裕まではなかったみたいですが。

・柴戸は勝っている試合のクローザーに留まらず、とうとう勝ちに行く場面でも終盤に登場。しかも短時間ながら反撃に一役買っていました。前に出るほうが持ち味が出やすいようなので、目先は阿部や青木ではなく、長澤がライバルになるのかな?

・故障離脱していた森脇がついにベンチに復帰。仙台戦を最後に橋岡と荻原がしばらくインドネシアU-19アジア選手権で離脱してしまうだけに、層が極端に薄いWBをこなせる森脇の復帰は嬉しい限り。今年復帰しては故障を繰り返しているだけに森脇に全幅の信頼が置けるとは言い難いのも正直なところですが、何せ人がいないポジションなので、とにかくよろしくお願いします。

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--阿部----石原--
--梁----野津田--
関口---椎橋--蜂須賀
--板倉-大岩--平岡-
-----シュミット-----

(得点)
40分 板倉

(交代)
69分 梁→奥埜
77分 阿部→ハモン・ロペス
84分 関口→永戸

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2018.10.01

【観戦記】18年第28節:浦和 3-2 柏 ~ 台風の前に霞む太陽王・・・

・巨大かつ超強力な台風24号が迫りくる中、試合催行自体が危ぶまれた一戦。結局催行決定は翌朝にまでずれ込み、催行が決まっても大雨&強風下での試合になる可能性があり、さらに武蔵野線を筆頭に交通機関が止まってしまう可能性もあるせいか、観客数は前節神戸戦の半分以下(26,431人)と大きく落ち込んでしまいました。

・浦和はこの試合に勝てば今年の残留ラインの「高めの目安」とされる勝ち点40を超え、残留争いからは完全に脱却できるだけでなく、暫定順位ながら6位に浮上して上位進出の足掛かりが掴めます。一方大混戦の残留争い真っただ中の柏は現在17位と降格ゾーンにいるだけに最低勝ち点1でも積み上げてひとまず降格ゾーンからの脱出を狙いたいところ。

・お互いが置かれた状況の差を反映してか、試合は基本的に浦和がボールを支配して柏を自陣に押し込み、柏がロングカウンターを狙うという展開に。しかし、得点シーンは共にお粗末な守備が目につくトホホなシーンの連続で、いかにも中下位チームの対戦らしい試合内容だったと思います。決勝点となった興梠のゴールが鮮やかだったのがせめてもの救い。

・しかしこの日みたいな天候だと、かなり思考回路がヤバイ赤者しかスタジアムにやって来ないので、観客は26000人強しかおらず、かつ試合展開&試合内容がアレだった割には終盤埼スタはやたら盛り上がりました。もっとも平日夜のACLノックアウトステージはもっとヤバイんですが(苦笑)、浦和の復調と軌を一にするかのように、スタジアムの活気も少しずつ戻りつつあるような気がしました。

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・浦和のスタメンは前節と全く同じ。かつ基本フォーメーションも前節同様青木アンカーの3-1-4-2。一方柏はいつもの4-4-2の布陣ながら前節前半だけでお役御免となった伊東がベンチスタートになり、代わりに江坂が右SH、さらに亀川が小池に代わって右SBに入ったのが目を惹きました。

・前述のように前半から浦和は柏を自陣に押し込んでいる時間こそ長めでしたが、4-4-2の守備ブロックをつくる柏を崩せず、半ば以上「ボールを持たされている」状態。特に右サイドで高い位置にいる橋岡に大きく展開しても、そこから何も起こらないのが非常に辛い。サイド攻撃を上手く使えないのが災いして、浦和はボールを持たされるとしんどい状態からなかなか抜け出せません。

・序盤は19分青木→長澤→青木でエリア内に突入したのが惜しかったくらいですが、シュートは角度がなくてGK桐畑セーブ。オリヴェイラ監督は「最終的にはピッチコンディションが相手にとって有利に働いたかなと思います。」と嘆いていますが、雨が激しくなり、ピッチがやたら重くなったのは後半に入ってからのことで、前半はさほどでもなかったかと。

・一方柏はわかりやすいロングカウンター狙い。早くも8分に江坂縦ポン→瀬川が裏抜けに成功しかかり、29分には浦和右サイドでボールを奪取したクリスティアーノが一気に敵陣深くまでボールを運んでどフリーのオルンガがシュート(幸いバーの上)。

・そしてついに35分柏がカウンターで先制。またしても浦和右サイドでボールを奪取し、オルンガ→江坂スルーパス→瀬川と繋いで、最後はオルンガが仕上げ。浦和はパスミスによるボールの取られ方が悪い上に、なぜか江坂がどフリー、おまけに瀬川にはマウリシオ&槙野と二人付いていたのにマウリシオが慌ててスルーパスをカットしようとして失敗とお粗末な対応の連続で、これでは失点も道理。

・ところが、その浦和を上回るお粗末な守備を披露したのが柏。38分興梠ポストから左SB高木の裏への抜け出しに成功した武藤からアーク付近にいた長澤へクロス。ボールを受けたとはいえ、長澤はDF3人に囲まれているという絶望的な状態でしたが、そこでなんと亀川がクリアミス!ボールは長澤の前にこぼれ、長澤はGKのニアをぶち抜いてたちまち同点。

・さらに41分にはパク・ジョンス圧巻の凡ミス!!降格するチームにありがちな、チーム全体の心を折るような大失態でした。 

・パク・ジョンスに興梠がプレッシャーをかけたもの、ジョンスはGKに戻せば何の問題もなかったはず。ところがGKに信用がないのか、ジョンスが無理に前にボールを出そうとして興梠にカットされる大失態。こぼれ玉を武藤が回収→興梠が前に出ていたGKをループシュートで抜いて浦和があっさり逆転に成功しました。

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・内容は良くなく、相手に先制されながらも柏守備陣のお粗末さに助けられて前半のうちに同点に追いついたどころか逆転に成功した時点で浦和の勝利は揺るがないだろうと思っていたのですが、なんのなんのお粗末さにかけては浦和も柏に全く引けをとりません!!

・60分浦和右サイドでスローインを受けたクリスティアーノがアーリー気味にハイクロス。滞空時間の長いクロスだったので浦和CBは難なく対応できるだろうと思っていたら、なんとちっちゃい瀬川のマークが完全に外れていて失点。あれだけどフリーだと背の高い低いなんて何の関係もありません。何してんねん、マウリシオ・・・ そもそもスローインをクリスティアーノに戻した時点で最終ラインを上げるべきだったのではという気も。

・浦和は66分橋岡クロス→エリア内中央で長澤ヘッドで繋いでファーで興梠ダイレクトボレーがバーを直撃、71分左に流れた長澤クロス→興梠オーバーヘッドシュートと見せ場を作るものの決めきれず。

・そこで73分オリヴェイラ監督はこの日攻守共あまり良いところがなかった橋岡を下げて李を投入し、武藤を無理やり右WBに配転。すでに2トップの一角として走り回っている武藤を、より運動量を要求されるWBへ回すなんて狂気の沙汰としか思えませんが、サイドの人材難が今の浦和の辛いところ。そして武藤は監督の負託によく応えました。また後半雨が激しくなってピッチに水が浮き出し、パスを軽快に繋ぐのが難しくなった時点で、パワーがありドリブルでボールを運べる李を投入したのも妙手でした。

・浦和は自陣深く引いて守る柏守備陣に対して74分青木、78分岩波と遠目から際どいシュートを連発。これもピッチコンディションが悪い日の打開策として悪くない選択でしょう。

・そして81分ついに武藤の配転が奏功!! 宇賀神のクロスはアバウトすぎて誰にも合いませんでしたが、ファーの武藤が拾ったのが幸い。武藤クロス→興梠ボレーがこの日の決勝点に。結果的に相手守備ブロックを左右に振り回す形になり、興梠がうまく相手のマークを外した時点で勝負あり。こういうゴールを数多くみたいものです。

・柏は59分に早くも伊東を投入して勝負に出ましたが、投入後の攻めがかなり雑で総じてオルンガ&クリスティアーノのパワー頼みになってしまった印象。突き放されてから山崎を投入して3バック(3-4-3?)に布陣を変えて反撃に出るも、浦和も柴戸投入後5-4-1の布陣で柏に全く見せ場を与えずに逃げ切りに成功。

・浦和はなんだかんだとリーグ戦3連勝。相手がしょぼすぎた神戸戦はともかく、横浜M戦は負けていてもなんら不思議はなく、そして今節柏戦では守備にお粗末な場面が目立ったため3連勝という結果の割には強い感じはせず、上位陣と対戦した際にボロが出そうな気がしないでもありません。

・しかし対川崎戦ダブルで実証されたように相手の試合運びが積極的なほうが持ち味を出しやすいのが今の浦和。最近急激に積極的な試合をやるようになった仙台戦が楽しみです。「仙台キラー」で知られる興梠が復調してきたことですし。

004

---武藤--興梠---
---柏木--長澤---
宇賀神--青木---橋岡
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(得点)
38分 長澤
41分 興梠
81分 興梠

(交代)
73分 橋岡→李(李FW、武藤右WBへ)
79分 長澤→阿部
85分 興梠→柴戸(李の1トップで5-4-1)

・柴戸が難しい状況下で早くも「ピッチャー鹿取」を命ぜられるようになるとは!! 加入後なにぶん怪我がちでルヴァン杯ですらなかなか出番を得られませんでしたが、練習を重ねてついにオリヴェイラ監督の信頼を得たのでしょう。今日は攻守に常にアグレッシブ、かつ無謀ではないという絶妙のストッパーぶりでした。89分李へのアシストはわずかにオフサイドで惜しいことをしました。

・驚いたことにナバウトがついにベンチ入り! W杯で再度右肩を痛めて今季絶望レベルの長期離脱を余儀なくされていたはずなのに、岡野ばりの驚異の回復を見せて3か月強で戦線復帰。しかも仙台戦が復帰目標と伝えられていたのに、1試合前倒しでベンチ入りとは!!非常に判りやすい、赤者受けしやすいファイターっぽい言動で、ピッチに顔を出すだけでスタジアムが盛り上がります。

018

---瀬川--オルンガ---
クリスティアーノ------江坂
---大谷--小泉---
高木-ジョンス--鈴木-亀川
-----桐畑-----

(得点)
35分 オルンガ
60分 瀬川

(交代)
59分 江坂→伊東
85分 亀川→山崎
89分 大谷→手塚

・敗れはしましたが、新外国人オルンガが強烈に印象に残りました。JレベルのCBが概して苦手な長身&体格がっしり系のCFで、53分にはクリスティアーノの縦ポンを受けて、槙野を弾き飛ばして反転&一気に枠内シュートに持ってゆく見せ場も。またクリスティアーノの縦の推進力&ワイドな展開力もこの日は衰えを感じられず。この両外国人がいて、ドリブルの切れ味鋭い伊東がいて、攻撃面では何の問題もなさそうなのに残留争いにどっぷり足を突っ込んでいるのが実に不思議です。

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2018.09.24

【観戦記】18年第27節:浦和 4-0 神戸 ~ 真っ赤な埼スタを前にイニエスタも尻込み(笑)

・前日の試合で降格圏に沈むG大阪&長崎が共に連勝し、下位に沈む柏・鳥栖も勝ち点1を積み上げたために第27節にして残留ラインが30を超えることが確定。一方、3位のFC東京が案の定というかなんというかW杯中断明け後長い停滞期に入っているために3位争いも混戦模様。

・ゆえに前日9位にいた浦和は「この試合に勝てば3位争い参入がほんのり見えてくる一方、敗れればまたまた残留争いに巻き込まれかねない」という情勢下での一戦となりました。なお勝ち点で浦和を一つ上回るだけの神戸もほぼ同じ状況です。

・またこの試合はそんな中位争いとは無関係に「イニエスタが埼スタにやってくる!!」という意味で注目を集めました。チケットは久しぶりにソールドアウト。試合前には「イニエスタがどんなに凄いかも知らずに、やれクソッタレ!だの、やれワッハッハ!だのとヤジを飛ばす赤者の何と多いことか!(森田美由紀アナ風)」と意識の高いネット番長(死語?)も散見されたようですが、ふたを開けてみればなんとイニエスタはコンディション不良でベンチにも入らず。

・もっともイニエスタ欠場が判明したのは試合直前になってのことだったので、「急に行けなくなくなりました!チケットお譲りします!!」という方もほとんどいなかった模様で、この試合の入場者数はなんと55,689人と久しぶりの大入り。ダメージを被ったのは浦和美園駅周辺のダフ屋くらいでした(苦笑)

・で、そのイニエスタ欠場が響いたのかどうか判りませんが、神戸の出来は悲惨としか言いようがありませんでした。60%以上ボールを支配しているものの、神戸のシュートはたった4本。しかもそのほとんどがセットプレー。守っては至るところで自爆ボタンを連打しまくりで、あれよあれよという間に4失点。浦和の出来が良かったというより神戸の出来が酷すぎて終わってみれば思わぬ大差がつきました。

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・神戸は成績不振の吉田監督を一週間前(17日)に更迭し、スペイン出身のリージョ監督を招聘したばかり。但し、同氏の就労環境が整うまで、林アシスタントコーチが暫定監督として指揮を執るという変則体制。神戸といえば「あの業界」の本場なので、林暫定監督は大槻コーチばりに何かコスプレを仕掛けてくると思ったのですが、なんとただのジャージ姿で「つまんねー奴だなぁ・・・(チコちゃん風)」

・しかし今季残り試合をすべて捨てたかのようなこの暫定体制が良くないのか、神戸は不可解なことにこれまでやったことがないであろう布陣で浦和戦に臨んで見事に玉砕。浦和にとっては相手の出方がまるで判らなくて難儀でしたが、神戸も新布陣を練習する時間がほとんどないせいか、神戸自身が難儀したまま試合を終えた印象を受けました。

・具体的には、神戸の布陣はいつもの4-1-2-3ではなく、どこからどう見ても3バック。ポドルスキーがしょっちゅう低い位置までズルズル下がってくるので基本フォーメーションが判りにくいのですが、本来は攻撃時3-1-4-2、守備時5-3-2なのでしょう。そしてこの新布陣が全く機能しませんでした。

・浦和もいつもとは布陣を若干変えて、前ははっきりとした2トップ。中盤が青木アンカーの3ボランチ気味で、こちらも攻撃時3-1-4-2、守備時5-3-2。結果的に「意図せざるミラーゲーム」となり、序盤は共にビルドアップに苦しんでただの中盤でのどつきあいに終始しました。

・浦和は現状下手にボールを持たされても困るだけなので「中盤でのどつきあい」は許容範囲内でしょうが、ボールを握りたい神戸はミスパス連発ではリズムに乗れません。特になぜか左WBに起用された三田が、対面の橋岡相手に何もできないどころか、往々にして逆にぶち抜かれてしまうのは大誤算だったと思います。14分に峻希クロス→ウェリントンヘッド→長沢ヘッド(但しオフサイド)という場面があり、この形を神戸は狙っていたように伺えましたが、形になったのは結局これだけ。

・浦和も19分柏木FK→槙野どフリーでヘッドという絶好機があっただけで流れの中からは何も起きそうになく、曲がりなりにも形がある分神戸のほうがマシかな?と思いながら見ていたところで先制したのは浦和。23分柏木クロス→橋本クリアが小さくて長澤が回収→より体勢の良い青木に繋いでバイタルエリアからズドン!GKキム・スンギュは前の選手がブラインドになって反応が遅れたのかと思いきや、青木がGKの動きを見て逆に蹴っているという技ありゴールでした!って青木はそんな技術持ってたのか!!!

・このゴールを機にやや前がかりになった神戸がボールを支配し、浦和は自陣で5-3-2の守備ブロックを作りながらカウンターで反撃機会を伺うという戦前予想通りの展開に。

・神戸は頻りにポドルスキーが低い位置にまで下がって「大久保現象」を巻き起こしながらゲームメークしようとするものの、ただボールを回しているだけでポドルスキーが下がったスペースを上手く使うわけでもなく、WBを高い位置に押し上げられないのも相変わらずで、なんら浦和の急所にボールを入れられずに時間が徒過。

・逆に浦和は36分、40分と2度カウンターの形を作り、42分橋岡→バイタルエリアでなぜかどフリーの柏木縦パス→興梠がCB渡部の裏を取って難しい体勢からゴール!! そして興梠の動き出しを信じて縦パスを出した柏木にも恐れ入りました。

・こんな難しいのを決めるより、他の試合でイージーなアレとかコレとか決めてたら浦和はもうちょっと勝ち点積めてただろう!!という批判は興梠本人も多少気にしている風ですが、得意の仙台戦へ向けて興梠が復調してきたのは吉報です。神戸両CBが試合を通じて興梠に自由にポストプレーをやらせすぎで、半ば以上興梠の復調を手助けしているようなものでしたが。

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・そして大爆笑だったのは53分の峻希の失態。エリア内で武藤に絡まれた峻希がまさかのボールロスト。おそらく渡部へのパスが極端に短くなったのでしょう。運よくボールを回収した武藤がループ気味のシュートを放ち、GKが中途半端に弾いたのがかえって良くなかったのかボールはネットに転がり込みました。武藤は2試合連続のゴールで、長らく深刻な不況に苦しんださいたま寿司業界の業績もV字回復!!!

・3点ビハインドに陥ってから林暫定監督は遅まきながら長沢に代えて古橋を投入し、布陣もいつもの4-2-1-3ないし4-2-3-1に変更。しかし一向にサイド深い位置にいい形でボールを運べないので「ウェリボール」も発動できず、チャンスはセットプレーのみ。それも悉く枠外。

・浦和も3点目以降は中盤の運動量が落ちてほとんど好機を作れないまま時間が経過しましたが、76分にダメ押しの4点目をゲット。武藤→長澤の縦パスはいったん神戸DFにクリアされたものの、高く上がったボールに柏木がいち早く反応。柏木はエリア内で2人に囲まれながらファーへクロス→長澤がどフリーでヘッド!! 柏木への対応が緩すぎると思ったら、そのうちの一人は橋本でした(つД`)

・これで試合は事実上終わってしまい、試合終了を待たずに「ビジター(神戸サポかどうかは知らん)」はゾロゾロ帰宅し始め、試合終了時には半分も残っていませんでした。そんなところだけプレミアリーグっぽい匂いを出さなくてもいいのに(苦笑)

・一方浦和はなんら集中を切らすことなく阿部を投入して試合を締めにかかり、かつ柴戸も試運転。最後は武藤を左SHに配して5-4-1っぽくなる念の入れようでクリーンシートに固執。しかも見事その課題を達成してケチのつけようがない形で試合を締めくくりました。

・浦和は勝ち点を38まで積み上げて残留争いグループからひとまず脱出。3位FC東京との勝ち点差は5に縮まり、ようやく残留ラインよりACL圏のほうが近いゾーンに入りましたが、この試合はとにかく神戸が酷すぎて浦和の大勝を額面通り評価しにくいのも確か。次の柏、そして仙台に勝ってやっとACL圏入りが見えてくるかどうかという感じだと思います。

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---武藤--興梠---
---柏木--長澤---
宇賀神--青木---橋岡
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(得点)
23分 青木
42分 興梠
53分 武藤
76分 長澤

(交代)
77分 長澤→阿部
81分 柏木→柴戸
84分 興梠→李

・この試合である意味驚きだったのはとうとうマルティノスがベンチ外になったこと。布陣を変更したのでいよいよマルティノスの使い道がなくなったのではなく、横浜M戦の醜態でとうとうオリヴェイラ監督に見切りを付けられたのではないかと思います。

・逆に2試合連続のベンチ入りで、今節ついに出場機会を掴んだのが柴戸。柴戸は与えられたチャンスを目いっぱい生かそうという姿勢が見られたのが何より良かったと思います。84分カウンターを食らった際に古橋からボールを奪回したのがこの日最大の見せ場。逆にATにカウンターの基点になってイエローもらったのは余計でしたが、大差が付いてるんだから限られた出場機会なのに失敗を恐れて無難に終わるよりははるかに良かったかと。

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--ウエリントン--長沢---
--ポドルスキ--郷家---
三田---藤田---高橋
-橋本--渡部--大崎-
-----キムスンギュ----

(交代)
54分 長沢→古橋
73分 高橋→藤谷
89分 三田→三原

・峻希はすっかり出番が減って試合勘がなかったのかな? 今の浦和はサイドの人材が極端に不足しているので峻希の浦和帰還もなくはないと思いますが、その期待もむなしくあの大失態のみならず全くいいところがありませんでした。

。試合終了後しばらく経ってから那須がスタジアムを周回しながら挨拶。どんな形になるか判りませんが、那須は浦和へ帰る気マンマンのように伺えました。

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2018.09.17

【DAZN観戦記】18年第26節:横浜M 1-2 浦和 ~ 死中に活を求めるような泥臭い勝利

・名古屋戦&C大阪戦と連敗してACL圏ははるか彼方に遠ざかる一方、試合前日に降格圏にいる長崎・G大阪・鳥栖が全て勝ったために残留ラインがぐぐっと上がって、浦和がこの試合に敗れれば再度残留争いに巻き込まれかねないという状況下での一戦。もっとも浦和よりはるかに降格ラインが近い横浜Mのほうが久しぶりに4万人もの観客が詰めかけたホームゲームということもあってプレッシャーはよりきつかったかもしれません。

・ただ如何せん今の浦和は駒不足。もともとナバウト・ズラタン・森脇が故障中な上、前節C大阪戦で負傷したファブリシオは残念ながら左膝前十字靭帯損傷(全治7か月)で長期離脱決定。さらに左内転筋痛を抱える柏木は結局コンディションが整わずにベンチ外と攻撃陣がごっそり欠場。従って相手の戦術がどうあれ、浦和は当面なんとかロースコアで凌いで「乾坤一擲、渾身の一撃!!」で死中に活を求めるような戦いぶりしか出来ないだろうと思いました。

・極端な話、残り9試合全部引き分けでも想定残留ライン(勝ち点40)を超えられるので、とにかく負けにくい戦いに徹して勝ち点1を積み上げられればOK!「かいしんのいちげき」が決まって勝ち点3を取れればなお良し。そういう超リアリスティックな試合になるだろうと予想し、実際この試合もその予想通りの展開になったと思います。

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・長期離脱となったファブリシオに代えて、久しぶりにマルティノスがスタメン出場したのは高い横浜Mの最終ライン裏を突かせる狙いだったのは明白で、実際浦和はハナから自陣に引き気味に構えてカウンター狙い。しかし9分橋岡クロス→ファーで興梠の決定機があっただけで、その後浦和の攻撃はしばし沈黙。

・誤算だったのは横浜M戦用の特殊兵器、決戦兵器として期待したであろうマルティノスの出来がさっぱりだったこと。常に前残り気味で守備貢献が皆無に等しいのは目を瞑るにしても、肝心のカウンターチャンス時に何の役にも立たなかったのは残念至極。相手に縦を切られてボールを捏ね出すとどうしようもなく、たまに上手く縦に抜け出してもクロスが誰にも合わなかったり、相手に引っかかったりと散々。

・攻撃面でマルティノスがクソの役にも立たない一方、守備がおざなりな短所はしっかり横浜Mに突かれ、18分山中縦パス→仲川裏抜け&クロス→伊藤、20分天野→仲川裏抜け&シュートはポスト直撃、22分大津→仲川カットイン&シュートと浦和は3度左サイドをスピードがある仲川に破られて大ピンチを迎えてしまいました。まぁ簡単に裏を取られる宇賀神もどうかと思いますが。

・大槻コーチ(オリヴェイラ監督はC大阪戦に続いてベンチ入り禁止処分中)はこれでびびったのか、興梠とマルティノスの位置を入れ替え、さらに最終ラインも下げて応急手当したのが奏功して、試合は膠着状態に。

・そして意外にも先制したのは劣勢だった浦和。43分FKのこぼれ玉をバイタルエリアから宇賀神が低い弾道で見事にぶち込んでくれました。

・先制したこともあってか、大槻コーチは前半だけでマルティノスに見切りをつけて荻原を投入。荻原も攻撃では対面のSBシノズカには歯が立たずに突っかけてはボールロストを繰り返していましたが、守備では前からしっかり追ってくれる分だけマルティノスよりはるかにマシと思いました。

・ただ浦和は興梠・武藤も加えて必死に前からボールを奪いに行っても横浜Mのボール回しが一枚上で奪いきれず、結局自陣深くで耐えるだけの時間帯が長く続く羽目に。前半からずっと狙っているカウンターも60分に長澤→武藤スルーパス→興梠の惜しい場面があっただけで、またまた長い沈黙の世界へ。

・65分横浜Mが大津に代えてヴィエイラを投入したのに対し、浦和はその直後に橋岡に代えて平川を投入。試合中はその意図を図りかねましたが、試合後の大槻コーチのインタビューで「(メキシコ遠征の影響で)コンディションのところで、90分間走れなかった」そうで。やむを得ない交代なので致し方ありませんが、69分残念ながらわざわざ投入したばかりの平川が遠藤に裏を取られたのを契機にヴィエイラのゴールを許してしまいました。

・浦和はこの試合を通じてほとんど攻め手がなかった以上「ドロー御の字」と思われましたが、79分ついに「かいしんのいちげき」が炸裂。青木がセンターサークル内から縦にロングフィード→マルチンスの背後を突いた武藤がそのままエリア内に突入し、冷静にゴール右へ流し込んでくれました。シュート精度があまり高くない武藤が一回しかなかった決定機を見事に決めるとは、正直びっくり!!がってん、がってん!!

・その後浦和は長澤→阿部で守備を固めてドン引きになり、武藤や興梠も下がって懸命に防戦。81分天野クロス→伊藤ヘッド(西川がビッグセーブ!)、90分遠藤クロス→ドゥシャンヘッド、ATのウーゴエリア内突入など危なっかしい場面もあり、盤石には程遠かったもののなんとか逃げ切りに成功して勝ち点3をゲット。

・シュート数13対7、CK9対5というスタッツ通り、試合内容は芳しくなくて横浜Mに押されっぱなしの試合でしたが、数多の決定機を作られながらも失点を1に抑え、しかも当初からの狙いだったカウンターが決勝点になったという意味では浦和のプラン通り。大槻コーチ、いやオリヴェイラ監督らしい、現実をしっかり見据えてなんとか勝ち点をもぎ取りに行った試合だったと評していいでしょう。

・しかし、しんどい試合、「良く勝てたな」と思えた試合だったのもまた事実。「ナバウトの復帰が案外早そうだ」という希望の光が微かに差し込んできたものの、日程スカスカの秋に連勝街道まっしぐら!!という気には全くなれず、現有戦力ではこういうしんどい試合でちびちび勝ち点を拾って残留争いに巻き込まれずに終わるのが精一杯だろうと思います。

・一方、ポステコグルー監督が「勝つべき試合だと思います」と悔しがるのも判らなくはないのですが、相手のカウンター一発に沈む試合を何度も繰り返している以上、傍目には少なくとも選手のメンタルの問題ではなかろうという気がしてなりません。

-----興梠-----
--マルティノス---武藤--
宇賀神-青木-長澤-橋岡
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(得点)
43分 宇賀神
79分 武藤

(交代)
HT マルティノス→荻原
66分 橋岡→平川
83分 長澤→阿部

・今のJ1で横浜Mほど最終ラインが高いチームはおらず、カウンター専用機マルティノスには最も相性が良い相手だったはずですが、その相手にこの出来では今後もうマルティノスの出番はないかもしれません。

遠藤---伊藤---仲川
--天野----大津--
-----扇原-----
山中-マルチンス-ドシャン-シノヅカ
-----飯倉-----

(得点)
69分 ヴィエイラ

(交代)
65分 大津→ヴィエイラ(伊藤と2トップの4-4-2?)
83分 山中→ユン・イルロク(遠藤が左SB、ユンが左SHへ)

※右SB松原が出場停止で、代わってシノヅカがスタメン出場。

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2018.09.02

【観戦記】18年第25節:浦和 1-2 C大阪 ~ ソウザ100%勇気(´・ω・`)ショボーン

・試合開始早々ファブリシオが故障するアクシデントに見舞われながらも、12分鮮やかなカウンターが決まって先制。ここまでは良かったのですが、29分セットプレーの流れから同点に追いつかれてしまった後は攻守とも良いところなし。53分ソウザの豪快なミドルシュートを浴びて逆転された後は引いて守るC大阪の前に為すすべなく敗戦。キックオフ30分繰り下げを余儀なくされるほどの強烈な雷雨に見舞われたこともあって、帰路の足取りが非常に重い、しょっぱすぎる敗戦でした。

・この試合は杉本が好機を一つも決められなかったのが幸いして僅差のスコアで済んだようなもので、内容は大敗に近かったと思います。

・またオリヴェイラ監督は名古屋戦後の暴言が祟って2試合出場停止処分を食らったので、この試合は大槻ヘッドコーチが指揮を執りましたが、オリヴェイラ監督に遠慮してか背広姿の「組長スタイル」ではなかったのが良くなかったのかもしれません。

006

・C大阪は最近になって4-4-2から3-4-2-1に布陣を変えたため、浦和とはミラーゲームに。さらに山口と丸橋が浦和戦直前になって故障し、急遽左WBに片山、CBに山下を起用してオスマルをボランチに上げる策を打たざるを得なくなったためり、連携に難があると思われました。鮮やかすぎる先制点はその辺が多少影響したかも。

・自陣深い位置での柏木ボール奪取からのロングカウンター。柏木縦パス→興梠ポストで折り返し→青木→どフリーの武藤が狭いところをスルーパス→宇賀神左サイドを全力疾走→相手に囲まれながら李が左足を振りぬいてゴール!!という、多くの選手が関与しているという意味ではミシャ式の残り香っぽい素晴らしいゴールでした。しょーもない試合でしたが、このゴールだけでもうお腹一杯。

・もっとも終わってみればこの「ミシャ式の残り香」みたいなものによって自縄自縛に陥ってしまったような感もあり、こんなゴールは見納めになるような気もします。

・前半はお互い最終ラインを高く押し上げて、狭い陣形の中での潰しあい。ミラーゲームゆえフリーの選手なんてほとんどおらず、基本ボールを持ったもの負け、カウンターで好機を伺うような展開になりましたが、勝敗を分けたのがセットプレー。この日の村上主審はちょっとした接触・交錯でも簡単にファウルを取る傾向にあり、名古屋戦に続いて浦和が自陣で与えたFKが命取りになってしまいました。

・29分の失点はソウザFK→片山クロスをファーで折り返され、エリア内で杉本がどフリーでシュート→中でオスマルが合わせてゴール。折り返しを許したのはマウリシオかなぁ・・・ 失点場面以外にも23分にはソウザFKが枠を掠めたのはまだしも、47分ソウザFKからヘディングシュートがポストを叩く場面がありました。お疲れで集中力を欠いているのか、頭では判っていてもあと一歩が出ないのか、とにかく浦和のセットプレーの守備の緩さが目立ちました。

・あっさり同点に追いつかれたことで多少気落ちしたのか、その後はC大阪ペースに。久しぶりに週央に試合がない週でしたが、ちょっと休んだだけでは浦和レギュラー陣のの疲労感は拭い難く、時間の経過とともに球際での競り負けが目立ち始めました。最も疲労の色が濃いのは興梠で、もはやボールキープもままならず。ファブリシオが故障し、李を早々と投入せざるを得なくなったので興梠を下げたくても下げられないのが非常に辛い。

・40分柿谷→松田→杉本(直前で岩波がカット)、42分木本→清武→杉本(宇宙開発)、45分松田→杉本(西川セーブ)といずれも左サイドから決定機を作られた辺りで浦和はもうアップアップだったかなぁ?

004

・53分の逆転弾はソウザを褒めるしかないかなぁ?でもオスマル→杉本のロングフィードに対して槙野がこれまた疲労困憊なのか、杉本に楽々キープを許してしまったのが少々残念。さらに青木もマウリシオもソウザにあっさり交わされてシュートコースががら空きに。

・逆転に成功したC大阪は引き気味に構えてカウンター狙い。こうなると浦和は実に惨めなもの。サイド攻撃、特に右サイドが極端に弱いのでC大阪は中さえ固めておけば無問題、中も興梠さえ自由にやらせなければ無問題。タスクは実に単純なので急造守備陣だろうがなんだろうか微動だにしませんでした。浦和の決定機は56分宇賀神クロス→興梠の1回こっきり。

・浦和は久しぶりにKLMが揃い踏みしているのが災いして、C大阪が固めている中央を細かいパス回しでなんとか打開しようとしてボールを失った挙句カウンターを浴びるの繰り返し。興梠が引いた位置でなぜかフリックを繰り出してボールロストした場面がこの日の浦和のダメっぷりを象徴しているような気も。ファブリシオ不在のためミドルシュートで引いた相手をぶち破れないのがなんとももどかしい。

・71分サイド攻撃を強化すべく、宇賀神に代えて荻原を投入したものの、その直後に松田→オスマル→杉本の裏抜けを許す大ピンチ(シュートはサイドネット)。

・苦笑を禁じえなかったのは山のようにもらったCKから決定機を作れないどころか、往々にしてC大阪のカウンターチャンスになってしまうこと。柏木がコンディションが良くない状態で無理に出場しているためキックの精度がさっぱりなのが主因だと思いますが、それにしても悪い意味でミシャ時代を思い出させる惨状でした。

・中断期間中フィジカル強化に努めたのが奏功し、中断明け後は広島・川崎を撃破するというロケットスタートを見せたものの、猛暑下の連戦また連戦でレギュラー陣のコンディションが落ちるに伴って戦績低迷。9位をキープしているものの、15位柏までわずか勝ち点3差の間にひしめいており、ACL圏入りを伺うどころか再び残留争いに巻き込まれかねない位置に舞い戻ってしまいました。

・ファブリシオの故障が重いようであれば、浦和はまたしても攻守両面にわたってやり方の見直しを迫られることになるでしょう。この試合の後半の出来を見ると、少なくとも「思い出のミシャ式」を見ることはないと思います。

005

-----興梠-----
-ファブリシオ----武藤--
宇賀神-青木-柏木-橋岡
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(得点)
12分 李

(交代)
8分  ファブリシオ→李(故障による交代。武藤が左シャドー、李が右シャドーへ)
71分 宇賀神→荻原
78分 岩波→阿部(マウリシオが3バックの右、阿部が中央へ)

001

-----杉本-----
--柿谷----清武--
片山-オスマル--ソウザ-松田
-山下--ヨニッチ--木本-
-----ジンヒョン----

(得点)
29分 オスマル
53分 ソウザ

(交代)
HT 柿谷→高木
84分 木本→山村

・柿谷を前半だけで下げたのは戦術的なものではなく、単に柿谷が故障明けだったのを考慮しただけの模様。

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2018.08.28

【観戦記】18年第24節:名古屋 4-1 浦和 ~ 金ピカ名古屋ジョー、いやはや恐れ入りました

・久しぶり、かつ却って清々しくなるくらいのボロ負け。浦和が良かったのは立ち上がりだけで、あとはほぼ一方的な名古屋ペースで試合が進み、しかもFWジョーには最初から最後までやられっぱなしで、あれよあれよの4失点。いや4失点で済んだのが奇跡とも思える凄まじい撃たれっぷりで、さすがのオリヴェイラ監督も西村主審に八つ当たりするくらいしかコメントのしようがない惨敗でした。

・公式記録では気温31℃、湿度52%だったそうですが、如何せん風通しが良くない豊田スタジアム。キックオフ時にはまだ陽が少し残っていることもあって体感的には数値以上に過酷だったような気がしました。そんな環境下で名古屋の総走行距離は約110.2km、浦和は約104.6kmと大差がつき、これが浦和惨敗の主因だと思います。

・共に天皇杯から中3日ですが、名古屋はジョーが後半途中投入だったくらい(しかもジョーはリーグ戦第23節は出場停止でお休み)でほぼ完全ターンオーバー。一方浦和は天皇杯で槙野を休ませたくらいで、ほぼ同じメンバーでの連戦。この差がモロに総走行距離の差となって表れたと思います。

・下種の勘繰りになりますが、オリヴェイラ監督の今年の最大かつ唯一の目標は天皇杯優勝で、万全の態勢で天皇杯4回戦を勝ちに行く以上、その前後の清水戦&名古屋戦は捨てていたとまでは言わないもののドローはやむなしとオリヴェイラ監督が割り切った結果だと言い換えてもいいでしょう。

_001

・しかし、名古屋戦の結果はオリヴェイラ監督の想定を大きく下回る惨敗。オリヴェイラ監督なりに選手のコンディションを見極めて選手をピッチに送り出したのでしょうけれど、浦和の選手たちの動きは明らかに悪くてどうにもなりませんでした。ここまで悪いとさすがにスタメン選考自体に問題があるだろうという気がしてなりませんが。

・序盤は最終ラインを高く押し上げてショートカウンターを狙いにいった風ですが、動きが鈍くて良い形でボールを奪えないため、徐々に最終ラインは下がり気味に。さらに名古屋の細かい動き、素早いパス回しについてゆけずに、自陣深い位置でファウルを犯しがちになった結果、前半のうちに失点を重ねてしまいました。

・浦和の動きの悪さを象徴したのが29分の玉田のゴールシーン。ジョーのPKは西川がいったん止めたものの、そのこぼれ玉に浦和の選手たちは全く反応できず、玉田に蹴りこまれてしまいました。玉田の反応がわずかに速くて蹴りこまれたならともかく、何の反応も見せなかった辺りにこの日の浦和の選手たちの疲労困憊ぶり、そして疲労から来るのであろう集中力のなさが凝縮されているような気がしました。

・オリヴェイラ監督にとって不運だったのは柏木が欠場を余儀なくされたこと。豊田に帯同はしていたようですが、結局コンディションは整わず。柏木不在が祟り、名古屋のような絶えず前がかりのチーム相手に縦パス一本で一気にカウンターを狙うような攻めが出来なかったのも敗因の一つでしょう。

・名古屋の中盤のフィルターはないも同然ですが、撤退だけは早いのが特徴。そんな相手に浦和はそもそもボールを奪い返す位置が低く、奪っても速い攻めを繰り出せずにチンタラパスを繋いでいるうちに名古屋守備陣はとっとと帰陣してしまい、浦和はその前でぐるぐるボールを回しているうちにパスミスが出て攻撃終了の繰り返し。よくこんなんで1点取れたなぁ・・・左サイド深くに抜け出した興梠のクロスをノープレッシャーの小林が何を焦ったのか頭でゴールに叩き込むという噴飯ものでしたが。

_004

・一方名古屋はジョーの出来が圧巻の一言。さすがW杯出場経験のある元セレソン、名古屋が大金を叩いて連れてきただけのことはあって、裏を取るのもうまけりゃ、最前線でボールも収まり、ヘッドの打点も高けりゃ、難しい体勢からも高精度かつパワフルなシュートが撃てる。浦和にとって何一つ良いところがなかった試合でしたが、これだけのものを見せていただけたらある意味金の払い甲斐もあるというもの。ボロ負けにも関わらず試合後清々しさすら覚えたのは専らジョーのおかげでしょう。

・そんなジョーの恰好の標的になったのが岩波。6分に丸山からの縦パス一本でジョーにあっさり裏を取られたのがケチのつけはじめ。37分にはネットの縦パスを受けたジョーにいとも簡単に入れ替わられてシュートを撃たれ、44分にはシャビエルFKからジョーに競り合ってないも同然のような形で高い打点のヘディングシュートを許してしまいました。ここまで徹底的にやられたらさすがに岩波も凹むでしょうなぁ・・・

・後半なぜか名古屋にイージーなミスが続出して浦和ペースになりかかったところで、風間監督は左SHに相馬を投入。この効果は絶大で、スピードのある相馬に既に疲労困憊の橋岡はついてゆけず、70分相馬が左サイドを深く抉ってからのクロスをジョーが叩き込んで3点目。これで浦和の集中も切れたのか、79分には相馬への橋岡の対応も甘けりゃ、槙野のジョーへの対応もおざなりという大惨事でとうとうジョーがハットトリックを達成。

・試合後オリヴェイラ監督は西村主審を痛烈に批判。まぁ槙野がなんだかよく判らないファウルを取られたのが2失点目に直結したのでオリヴェイラ監督の怒りも判らなくもないのですが、浦和の出来が悪すぎて試合結果に西村主審の笛はあまり影響はなかったと思います。ミシャがただボールを持たされただけの試合を「試合をコントロールしていた」と言い訳しがちなのと同様、オリヴェイラ監督の審判批判は外野の要らざる詮索をシャットアウトする趣旨での「負け試合後にありがちな得意芸」なのでしょう。ちょっとだけ真理を含んでいる分、ミシャより言い訳芸としては上手いと思いますし。

・猛暑続きの中での連戦また連戦をほぼ同じスタメン、同じような選手交代で臨んだ結果、とうとう浦和レギュラー陣のコンディションはボロボロになってどちらかといえば得意なはずの「積極的に前に出てくる」相手に相次いで大量失点。次節C大阪戦を最後にリーグ戦は小休止となり、オリヴェイラ監督はそこでの立て直しを画策しているのでしょうが、次節も厳しい戦いになりそうです。

_012

-----興梠-----
-ファブリシオ----武藤--
宇賀神-長澤-青木-橋岡
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(得点)
22分 オウンゴール(小林)

(交代)
65分 岩波→阿部(マウリシオが3バックの右、阿部が中央へ)
65分 興梠→荻原(ファブリシオ1トップ)
73分 宇賀神→李(李が左シャドー、荻原が左WBへ)

_013

---ジョー--シャビエル--
玉田--------前田
--エドアルド--小林---
金井-丸山--新井-宮原
-----ランゲラック----

(得点)
29分 玉田
44分 ジョー
70分 ジョー
79分 ジョー

(交代)
62分 玉田→和泉
68分 エドゥアルド ネット→相馬(相馬が左SH、和泉がボランチへ)
90+2分 シャビエル→佐藤

・CB中谷は出場停止で、代わりに新井が出場。

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2018.08.23

【TV観戦記】18年天皇杯4回戦 浦和 1-0 東京V ~ 永田の「うっかり癖」は何処へ・・・

・残暑厳しい折、天皇杯4回戦はよりによって全国屈指の猛暑で知られる熊谷での開催。試合当日の最高気温37.7度に達したらしく、その猛暑とあんまりなアクセス事情に恐れをなして、この日はスカパーでTV観戦。

・厳しい気候条件下で中2日&中3日の連戦を強いられているため、他チームはおしなべて相当面子を落として天皇杯に臨んだようですが、浦和は槙野が完全休養になっただけでほぼ現有のフルメンバー。清水戦は宇賀神&森脇を完全休養とし、柏木をベンチスタートとしたのが祟って勝ち点1に終わってしまいましたが、このスタメンからオリヴェイラ監督の天皇杯優勝にかける意気込みが十分すぎるくらい伝わってきます。

・ところがオリヴェイラ監督が天皇杯必勝に向けて万全を期したにも関わらず浦和の動きは芳しくなく、前半半ばから前半終了まで完全に東京Vに主導権を握られただけでなく、先制点を許しかねない危ない場面を何度も作られてしまいました。

・しかし、良くないなりに前半を無失点でやり過ごして、後半反撃の機会を伺うという「我慢の試合」ができるのが今の浦和。後半は割り切って東京Vにボールを持たせ、カウンターorセットプレーに勝機を見出すという割り切った策に転じたのが奏功して東京Vは全く攻撃の形を作れなくなりました。

・浦和が先制した後は東京Vの運動量もガタ落ちになって完全に浦和ペースとなり、浦和が追加点を取れなかったのが不思議なくらい。終盤になって両チームの力量差がモロに出た格好。

・中3日で週末に対戦する名古屋は控えメンバーだらけで天皇杯に臨んだため、コンディション面で浦和の劣勢は免れません。しかもこの試合でも清水戦同様動きは良くなかったところを見ると浦和のレギュラー陣は既に疲労困憊なのでしょうし、おまけに森脇故障再発という誤算まで生じましたが、夏の連戦の最後となる一戦でオリヴェイラ監督の采配やいかに。

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・前述のように浦和は現有のほぼフルメンバーなのに対し、東京Vはなんと前節大分戦から全員入れ替え。おまけに東京Vのフォーメーションは普段ほとんど採用したことがないらしい4-4-2。

・おまけに長らく対戦機会もなく、相手の出方が皆目判らないせいか、浦和の立ち上がりは随分まったりしていましたが、それでも13分左に流れた武藤からのクロス→ファブリシオがどフリーでヘッド。さらに23分柏木CK→ファーの岩波がこれまたどフリーでヘッド、と決定機を掴みました。

・この決定機を決めていれば浦和楽勝だったはずですが、23分の逸機以降前半一杯まで一転して完全に東京Vペースに。24分阿部の縦パスを井上にカットされたのを機に李にポスト直撃のシュートを撃たれてヒヤリ。

・やり慣れない4-4-2をわざわざ採用したロディーナ監督は清水戦の試合内容を参考にしたのかもしれません。浦和に押し込まれた場合はSHが下がって5-3-2気味に構えますが、前半半ばに主導権を握っている時間帯では東京Vの積極的な守備が上手く嵌まっていたように見受けられました。

・東京Vは2トップ&ボールホルダーに近いほうのSHで浦和の最終ラインに圧力をかけて、相手に容易にビルドアップを許さず。浦和はパスミスが相次ぎ、なんとかボールを奪っても前線へ繋げずに2次攻撃を浴びてしまうという清水戦でしばしば見られた光景の繰り返しになってしまいました。興梠もお疲れなのか、いつもほど確実にボールキープできないのも痛手でした。

・28分にはマウリシオのパスミスから李→森の裏抜けを許してヒヤリ。38分には上がってきた左SB香川への森脇の対応が軽かっただけでなく、あろうことか森脇のバックパスを香川に奪われる大失態で、香川→林と繋がれてヒヤリ。浦和はマウリシオが慣れない左CBをやっており、当然ながら宇賀神との連携が拙いのが響いてか左サイドの守備が怪しげ。

・オリヴェイラ監督はたまらず30分辺りで武藤とファブリシオの位置を入れ替える弥縫策を打ちましたが、要は中途半端に前に出て潰しに行く、中途半端に急いで攻めに転じるのが良くないと見極めたのか、後半は「勝てばよかろう」とばかりに相手にボールを持たせてカウンターorセットプレーに勝機を見出す策に転じた模様で、終わってみればこの割り切りが見事に奏功しました。

・前半の東京Vの攻勢も浦和のミスに乗じたものだらけで、能動的に浦和を崩したわけではないので、浦和が自陣にしっかり5-4-1の守備ブロックを敷いて構えられると(ファブリシオも積極的に守備に参加!)手も足も出ず。逆に浦和は64分岩波→宇賀神と大きく振ったのを皮切りに、最後は岩波→興梠→ファブリシオと左右に相手を振り回して見事なゴール!!

・先制された後の東京Vは運動量がガタ落ち。こうなるとサブ組の寄せ集めの悲しさで攻守とも全くいいところがなくなり、逆に相対的に動きがよくなった浦和がカウンター主体に攻勢に。

・78分にはセンターサークル付近でボールを受けた途中投入の荻原が単騎ドリブルでエリア内に突入あり、81分柏木CK→ファーで岩波折り返し→橋岡ヘッドあり、82分ファブリシオがセンターサークルから前に出ていたGKの頭上を抜こうとしたロングシュートありと見せ場を作り、さらに深く抉った柏木からのパスで決定機を作りましたが、追加点はならず。

・槙野不在の最終ラインは全員スピードがないので、途中投入のヴィエイラが少々厄介で、ATにヴィエイラ→李にヒヤリをさせられましたが、森脇に代わって投入された橋岡がカバーしてシュートには持ち込ませず。

-----興梠-----
-ファブリシオ----武藤--
宇賀神-青木-柏木-森脇
-マウリシオ--阿部--岩波-
-----西川-----

(得点)
64分 ファブリシオ

(交代)
56分 森脇→橋岡
73分 興梠→荻原(ファブリシオ1トップ、荻原がシャドーへ)
87分 武藤→長澤

・森脇がまたしても故障交代を余儀なくされたのが唯一かつ最大の誤算。38分の大失態あたりで既に状態が良くなかったのかも。

・槙野が完全休養となった代わりになんと阿部が中2日で連闘!阿部よりも槙野の状態がさらに良くなく、やむを得ない判断なのでしょうが、オリヴェイラ監督が「非常に珍しい宝石だ」「その珍しい存在を、私たちはできるだけ長く輝かせるようにしていきたい」と語ったのは何だったのかという気も。阿部は清水戦では3失点すべてに絡み、この試合でも24分の大ピンチのきっかけとなる等、本来なら無理使いはしてはいけないのだと思います。

・荻原は磐田戦での4点目をお膳立てしたプレーが監督に好印象となっただけでなく、ファブリシオにも気に入られた模様。ATにはエリア内に突入したファブリシオが自分でそのまま撃ってもよさそうな場面で荻原に点を取らせてやろうとする親心を発揮。そして荻原がカウンター要員の第一候補にまで昇格したとなると、マルティノスの使い道がますますなくなってしまうような・・・

--ヴィエイラ--林陵---
李----------森
---橋本--井上---
香川-永田--若狭-林昇
-----柴崎-----

(交代)
67分 森→菅嶋 
71分 ピニェイロ→ヴィエイラ
84分 井上→森田

・驚いたことに永田は今季リーグ戦の出場機会ゼロ。試合勘がないせいか、「うっかり癖」まで失ってしまったのか・・・

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2018.08.20

【DAZN観戦記】18年第23節:清水 3-3 浦和 ~ 浦和らしからぬまさかの撃ち合い

・清水に三度先行を許しながら、その度に同点に追いついての引き分け。双方ヘロヘロになりがちな真夏の酷暑下の一戦ならともかく、秋の気配が感じられる気候の下でかかる撃ち合いになったのは予想外でした。またそもそもオリヴェイラ体制下の浦和は「点はあんまり取れないが、まずは守備から入る」というスタイルを志向しており、ミシャ体制下のような派手な展開にはなりにくいはずですが、終わってみればオリヴェイラ監督自身も予想しなかったであろう展開に。

・シュート数は浦和13vs清水15、CKは浦和8vs清水6とほぼ互角なので引き分けは妥当な結果なのかもしれませんが、個人的には浦和の出来は芳しくなく、引き分け御の字、勝ち点1で甘受せざるを得ないという印象を受けました。

・浦和の出来が芳しくなかった主因はオリヴェイラ監督にしては珍しい大胆なスタメン変更でしょう。オリヴェイラ監督は前節出場停止のマウリシオをスタメンに戻しただけではなく、森脇→橋岡、宇賀神→菊池と前節から両WBを入れ替え、さらに柏木をベンチスタートとして阿部をボランチ起用。

・宇賀神・森脇はベンチにもいなかったところを見ると、中2日後の天皇杯を相当意識したスタメン構成と推察されます。前節磐田戦で柏木を早々と下げ、さらに点差がついてから菊池を試運転したところを見ても、このスタメン構成が早くから念頭になったものと目されます。

・リーグ戦はACL圏も降格圏も同じような距離という中位中の中位にいる以上、オリヴェイラ監督が今年残された唯一のタイトル=天皇杯に注力するのは至極当然。相手はJ2の東京Vとはいえ、ルヴァン杯でJ2甲府相手にまさかの不覚を喫した記憶も生々しいだけに、天皇杯に万全を期すべく清水戦のメンバーを少々落としたのでしょう。

・ところが、このスタメン変更が見事に裏目に。左WBで久しぶりにスタメン出場の菊池は全くいいところがなく、79分にとうとう見切りをつけられて、しかもあろうことか既にシャドーで酷使されているはずの武藤に入れ替えられる始末。前節お休みをもらった橋岡のリフレッシュ効果は前半しか持たなかったようで、後半はすっかり消えてしまいました。

・そして残念だったのは阿部の出来。直接FKをぶちこんだ場面こそ眼福ものでしたが、ドウグラスに競り負けた2失点目に象徴されるように守備で残念な場面が続出。オリヴェイラ監督が磐田戦後「珍しい宝石」と評した阿部を中3日で使うのはもはや難しいと感じざるを得ない出来でした。幸いにも中3日・中2日という強行日程は次週で終わり、やむを得ず阿部を無理使いする局面はもうないと思いますが。

・スタメン変更が見事に裏目に出てサイド攻撃は42分橋岡→武藤→ファブリシオ&興梠が唯一無二の決定機で、それ以外はさっぱり。柏木不在が祟って前半はロングカウンターはほとんど成り立たず。守っては超積極的に前からプレッシャーをかけてくる清水に対して球際での競り負け、走り負けが相次いでセカンドボールを拾われ、押し込まれる時間が長くなった上に、なんとかボールを奪い返しても前線に繋げない場面が続出。それでもセットプレーと敵失に助けられてなんとか勝ち点1を拾ったのですから、最低限のタスクは果たしたと評していいと思います。

-----------

・引いて守る相手には苦戦しがちなのが浦和の現状ですが、積極的に前から出てくる清水にも苦戦を強いられたのは衝撃的でした。清水の基本フォーメーションはいつもの4-4-2ですが、かなり積極的に前からプレッシャーをかけてきました。この手合いは久しぶりなためか、浦和の立ち上がりは芳しくなく、3分に浦和右サイドを簡単に突破されて危ない形をつくられ、6分には河井→北川→金子とシンプルにパスを繋がれてあっさり中央を割られて失点。失点場面は北川を槙野が放してしまい、自由にワンタッチパスを許したのが最も残念でしたが、阿部が金子にあっさり振り切られるという失態も。

・浦和は11分阿部の直接FKですぐに同点に追いつくも、その後も清水の鋭い出足の前に球際で競り負けがちで、セカンドボールを拾われて苦戦。浦和はカウンターを上手く発動させられないので、どう見ても相手にボールを持たせているというより、単にゲームを支配されている状況に陥って、28分には武藤のボールロストを契機に石毛が浦和右サイドからカットイン&シュート、31分には縦パスでドウグラスに抜けだされて決定機。

・後半も戦局は好転せず、51分深い位置からの角田FK→阿部がドウグラスにあっさり競り負けて失点。その後も55分青木のボールロストからのカウンターで北川、57分岩波のパスミスからドウグラスと危ない形を作られたところで、さすがのオリヴェイラ監督もたまらず5岩波に代えて柏木を投入。61分武藤→ファブリシオのロングカウンターによる同点劇には直接柏木は絡んでいませんが、柏木投入によって前半さっぱりだったカウンターの形が見え始めたのは確か。

・ところが追いついたのもつかの間、63分北川への縦パスを簡単に許したのが響き、北川のシュートがバーに当たった跳ね返りを金子に蹴りこまれてまた失点。阿部の北川への対応はちょっと緩すぎないかなぁ・・・しかも阿部のシュートブロックで軌道が変わってシュートがバーを直撃する不運付き。

・清水の運動量は終盤になっても全く衰えず、中盤での競り負け傾向はなんら変わりないまま浦和劣勢のまま推移しましたが、72分セットプレーからの流れで青木のロングフィード→ドウグラスに競り勝った槙野バックヘッドで三度同点に。

・その後共に相次いで選手を代えたもののさしたる効果はなく、試合終了間際に橋岡がエリア近くでハンドを取られた後のFKでヒヤリとしたくらいで双方決定機はなく試合終了。清水目線から見れば、間違いなく勝てた試合をなぜかやたらオープンな試合にしてしまった挙句に追いつかれるという、まるでミシャが憑依したかのような試合運びの拙さが惜しまれました。その辺はやたら若い選手が多いチームゆえの問題なのかもしれませんが。

-----興梠-----
-ファブリシオ----武藤--
菊池-阿部--青木-橋岡
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(得点)
11分 阿部
61分 ファブリシオ
72分 槙野

(交代)
59分 岩波→柏木(マウリシオが3バックの右、阿部が中央へ)
74分 興梠→李(李がシャドー、ファブリシオの1トップ)
79分 菊池→長澤(長澤がボランチ、武藤が左WB、柏木がシャドーに上がる)

・やっとチャンスをもらったのに全く生かせなかった菊池。攻め上がりのタイミングが良くないせいか、縦パスといいサイドチェンジといい、ボールはなかなか受けられず、なんとかボールを持っても無難な選択に終始。おまけに随所で守備の軽さを披露。守れないもの同士ならより攻撃面に秀でた荻原が宇賀神の控え候補筆頭になりそうな気がします。巡ってきたチャンスをなんとかものにしようというがむしゃらさが菊池から感じられないのが残念でした。

・柏木と共に宇賀神不在を痛感させられた一戦。宇賀神個人は派手なプレーはしないというか全く出来ませんが、宇賀神がいること自体でなぜか周囲がやたら活性化するという意味で宇賀神は「浦和の二酸化マンガン」なんでしょうなぁ・・・

--ドウグラス--北川---
石毛--------金子
---河井--白崎---
松原-角田-ファンソッコ-飯田
-----六反-----

(得点)
6分 金子
51分 ドウグラス
63分 金子

(交代)
81分 石毛→クリスラン
87分 北川→デューク

・清水はドウグラスがスタメンに復帰し、クリスランがベンチスタート。出場停止のフレイレに代えて角田がスタメン。こちらはサプライズなし。

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2018.08.16

【観戦記】18年第22節:浦和 4-0 磐田 ~ ファブリシオ!ファブリシオ!よー、来たのぅ!!

・興梠が立ち上がりの決定機を決められず、その後は引いて守る相手に一方的にボールを支配しながらなかなか決定機は掴めず。点が入らないどころか30分にはカウンターからポスト直撃のシュートを浴び、長崎戦・鳥栖戦と似た、決して良いとは言い難い流れで前半終了。しかし、後半になってファブリシオが磐田ゴールをこじ開けた途端、一気にカウンター得意の浦和ペースとなり、終盤は磐田の集中も切れて怒涛の4得点&ファブリシオハットトリックのおまけつき。ついに引いた相手から勝ち点3をもぎ取った点で意義深い試合となりました。

・マウリシオ出場停止の穴は阿部、そして疲労困憊の橋岡に代えて森脇とベテラン2名が久しぶりにスタメンに名を連ねましたが、共にブランクを感じさせない上々の出来。しかもオリヴェイラ監督は先制後これまで出番が少なかった選手を積極的に起用するという「親心」すら見せました。もちろん過密日程を考慮しての試運転の意味合いもあったでしょうが、これまた荻原がいきなりアシストを記録するなど上手く嵌りました。中断明け後交代選手も含めて固定メンバーでやってきて、ともすれば淀みがちなチームを上手く再活性化できた点でも有意義な試合だったと思います。

・今春の対戦では誰が見ても「このチームはとうとうぶっ壊れた」と判る醜態を晒したにも拘らず、そこからたった4ヶ月で浦和のチーム状態は磐田に圧勝するまでに回復。そう考えると感慨深い勝利だったともいえるでしょう。春の時点では2点取られてはっきりと戦意を喪失したのが浦和だったのに、夏になると2点取られて集中を切らせてしまったのは磐田のほう。3点目、いとも簡単に槙野を見失ってしまったのがよりによってキャプテンだというのがいやはやなんとも・・・

007

・この試合の磐田の基本フォーメーションは3-4-2-1。名波監督は相手に応じて割と頻繁にフォーメーションを弄るタイプのようで、前節の4-1-4-1から一変させて来ましたが、名波監督の性向は広く知られていてサプライズはなし。ただレギュラーCB新里の故障離脱に伴い、今季ほとんど試合に出ていない森下を左ストッパーに起用せざるを得なかったのは痛手。わざわざミラーゲームに持ち込んだのに、両サイド、特に森下のいる磐田左サイドが終始劣勢に陥ってしまっては磐田の苦戦は免れませんでした。

・また磐田はハナからドン引きというわけではなく、最初は高めの位置に5-3-2っぽい構えを敷いていましたが、長崎のように前から積極的にプレッシャーをかけてくるわけでもないので、浦和に簡単にボールを繋がれて結果的に押し込まれて深い位置で5-4-1で耐えざるを得なかった風。磐田の立ち上がりは良くなかっただけに開始5分のカウンター(柏木縦ポン→興梠が大井を交わしてシュート)は是非とも決めて欲しかったのですが・・・

・14分の決定機は森脇をWBに起用した効果がてきめんに表れたもの。槙野→森脇と大きく振って、武藤がサイド進出&森脇が中へ入ることで磐田のマークを簡単に剥がし、森脇から逆サイドでフリーの宇賀神に振るところまでは完璧な崩し。ただ決定機で宇賀神がある意味宇賀神らしくH2Bロケットをドッカーン!!

・24分には阿部の縦パスを柏木が相手の食いつきを逆用してスルーでファブリシオに繋ぐという、これまであまり見られなかった妙技を披露。

・しかし最初の決定機を外したのが祟って、次第に浦和はただボールを支配しているだけというここ2戦と同じような形になってしまいました。今の浦和は柏木の位置がかなり前目で基本3-4-2-1というより、3-3-3-1、あるいは3-1-4-2に近い形。引いた相手に対して柏木が積極的に前に出て、時には最前線に飛び出していますが、その代償として青木の周りがスカスカになりがちで実に気持ち悪く、その弊害が前半顕著だったように思います。広範囲をカバーせざるを得ない青木は当然ながら早々にヘロヘロに。

・30分には川又のポストプレーから小川大のクロスこそ阿部がクリアしたものの、そのこぼれ玉を山田に拾われてポスト直撃のシュートを浴びる大ピンチ。続く33分には縦パスを受けた松浦にバイタルエリアで簡単に前を向かれてシュートに持ち込まれてしまいました。試合後オリヴェイラ監督が「私たちが行った修正は、中盤の枚数を増やす、ということでした。」と語っているのはその弊害を修正したものでしょう。

002

・決して良いとは言い難い流れを一変させたのが55分のファブリシオのゴール。青木のミドルシュートをカミンスキーが辛うじて弾き、そのこぼれ玉をファブリシオが叩き込んだものですが、これがボールの落ち際を冷静に見定めてボレーで叩き込むという絶品もの!

・ただこのゴールも元はといえば森脇→興梠と斜めにパスを入れたところから始まっていて地味に森脇効果。そのせいかどうかは知りませんが、ゴール後はファブリシオを差し置いて森脇が強引にカメラにフレームイン(笑)

・先制さえしてしまえば、あとはカウンター得意の浦和ペース。オリヴェイラ監督は先制直後、前半イエローをもらい、かつ脚の状態も万全ではなく、またおそらく連戦をも考慮して柏木を下げて故障明けの長澤を投入。長澤は柏木とは役どころが全く違い、青木とほぼ同一平面上の位置取りで相手の中盤にしつこく絡んで守備を引き締めるのに一役。

・61分の追加点は青木→武藤が森下を交わしてバイタルエリアで前を向いたところで半ば勝負ありと言っても良いでしょうが、非常に不可解なのは磐田最終ライン上でファブリシオがどフリーだったこと。森下が釣りだされた穴を上手く突かれたと言ってしまえばそれまでですが、わざわざミラーゲームに持ち込んだ名波監督の企図がこのゴールで完全に崩壊。

・ゲームプランが土崩瓦解した磐田は66分一気に2枚替え。これまで攻撃は川又頼みだったように見受けられたのに、そのキーマンを代えて大久保を入れたのは傍目には不可思議でしたが、大久保は悪い意味で大久保らしさを存分に発揮。すぐに苛立ちを露にして中盤まで下がってボールを貰いたがり、しかもボールを貰ったところで何が起こるわけでもなく、果てはファウルを受けたのなんの猿芝居を披露する始末。これじゃ「大久保厄寄せ大師」としか言いようがありません。後半の磐田の決定機は68分CK→田口ヘッドだけかな?

・浦和も73分足を攣った森脇に代えて菊池を投入したものの、磐田に合わせるかのようにミスが相次いでしばし双方グダグダに。しかし「大久保厄寄せ大師」の霊験あらたか、磐田の運動量の落ちよう、そして集中力の切れようはハンパなく、85分武藤CK→槙野ヘッドでダメ押しの3点目。槙野には大井が付いていたはずですが、槙野が動き出すと同時にボールしか見ていない大井が簡単に槙野を放してしまったのには大笑い。

・オリヴェイラ監督はさらに86分興梠に代えて荻原を投入。そしてその荻原が90分カウンターの好機で長い距離を走ってファブリシオのゴールを見事アシスト!

・浦和は、というかミシャが鋭利なカウンターを有する磐田をやや苦手としていたためか、ホーム埼スタで磐田に勝ったのはなんと2013年以来(もっとも2014~15年は磐田がJ2降格)。言い換えれば名波監督就任以降ホーム初勝利。

・「浦和相手なら楽勝だろう!」と意気込んでか、お暑い中ビジターが大勢押しかけて来ましたが、結果は彼らが思ってもみなかったであろう惨敗。勝ち点3に加えてチケットお買い上げ誠にありがとうございました。

・また平日開催とはいえお盆休みを取っている方が多いためか、埼スタは子供連れが目立ち、先述のようにビジターが多かったことも相まって観客は平日開催にしてはかなり多めの34000人弱。勝ち味は少々遅くなりましたが、浦和のゴールがこれだけてんこ盛りなら子供たちも「また埼スタに来たい!」と思ってくれたかな??

004

-----興梠-----
-ファブリシオ----武藤--
宇賀神-青木-柏木-森脇
-槙野--阿部--岩波-
-----西川-----

(得点)
55分 ファブリシオ
61分 ファブリシオ
85分 槙野
90分 ファブリシオ

(交代)
59分 柏木→長澤
73分 森脇→菊池
86分 興梠→荻原(ファブリシオが1トップへ)

・MOMは文句なくハットトリックのファブリシオ。ファブリシオ本人は典型的なストライカーではなくて、どちらかといえばセカンドタイプっぽいのですが、シュート精度というかシュートを撃つ瞬間の落ち着きはJリーグレベルから突き抜けていました。1点目のボレーもさることながら、2点目は小さくフェイントを入れてGKをコケさしてますし、3点目はAT突入直前のしんどい時間帯なのに狭いシュートコースを正確にぶち抜いて見せました。

・影の主役は森脇。今年は怪我勝ちでコンディションがなかなか上がらず、残念ながら90分持ちませんでしたが、やはり攻撃能力は橋岡と段違い。森脇が独力でサイドを突破こそしないものの、クロスあり、縦パスあり、カットインあり、そして武藤と森脇がポジションを相互に入れ替られるのが何よりでかい。特に武藤がサイドに出て、森脇が中へ入って縦に走るのがめっちゃ効きました。相手がサイドに寄せてきたら、一気に逆サイドの宇賀神へ展開。ああ、なんてミシャっぽい攻撃!!CBが上がってこないので「それなりにリスクコントロールされているミシャ式」という夢物語が現実に!!

・2アシストの武藤。今年は武藤が点を取る形になっておらず、それどころかファブリシオの守備負担まで武藤が背負っている恰好だから「がってん寿司」はちょっとがっかりかもし・・・・数字にはなりにくいが、武藤が攻守にわたってめっちゃ活躍しているのは一目瞭然です。

・監督の親心でほんのちょっとだけ出場時間もらって、その短い出場時間の中で一発でほぼ100点満点の結果を出した荻原。若手、しかも、前目の選手に必要な何かを間違いなく荻原は持っています。荻原本人はやっぱり自分で撃ちたかったようですが、DF二人に寄せられていましたから、どフリーのファブリシオに出すのが正解。武藤同様、自分の得点ではなくてもいい仕事をしたことは万人が認めているはず。

003

-----川又-----
--山田----松浦--
小川大-田口-山本-櫻内
-森下--大井--高橋-
-----カミンスキー----

(交代)
66分 山本→上原
66分 川又→大久保
81分 小川大→荒木

・今年の磐田はとにかく主力に怪我人が続出。アダイウトン、ムサエフ、中村と主力が長期離脱中な上に、新里、宮崎、小川航も故障。特にアダイウトンを失った影響がでかいのか、かつてのよな怒涛の前プレ&ショートカウンターの切れ味がすっかり失われてしまったように見受けられました。

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2018.08.12

【DAZN観戦記】18年第21節:鳥栖 1-0 浦和 ~ またしても引いた相手を崩せず、判定にも恵まれず

・前日の試合でFC東京が敗れ、また昼間の試合で札幌vsC大阪が引き分けに終わって上位陣が足踏みしていたので、ここで降格圏を彷徨う鳥栖を叩けば上位進出の目が広がるはずでしたが、残念ながら前節長崎戦に続いて引いた相手を崩しきれず、それどころか鳥栖のセットプレー一発に沈んでウノゼロの敗戦。しかも川崎戦・長崎戦に続いてこの試合も審判団が怪しく、88分柏木CKから李のゴールがなぜかファウルと判定される一幕もあって後味が悪い敗戦になってしまいました。

・ファウルの基準は前後半で激変するわ、肩に手をかけて橋岡を押さえつけている高橋秀はファウルを取られずにゴールが認められるわと判定に疑問符つきまくりの試合でしたが、内容的に勝てた試合とは言えないのが辛いところで、引き分けが精一杯でしょう。とにかくボールを持たされると打開策に乏しい。長崎戦よりは決定機を数多く作れていた点を前向きに捉えるべきなのかもしれませんが、それも単に鳥栖の守備が長崎よりはるかに緩いことの裏返しかもしれませんし。

・中断期間が長かったとはいえフィジカル強化に大半を費やしたのでオリヴェイラ監督がやれることにも限度があり、セットプレーでしぶとく点を取り、また強い相手をカウンターで仕留めることは出来ても、引いた相手を崩すところまでは手が回らなかった。8月一杯は連戦また連戦ゆえリカバリーが精一杯でまとまった練習時間も取れず、相手にボールを持たせるタイプ相手には当面苦しむことになるでしょう。ただ長崎・鳥栖と下位チームから勝ち点を一つしか上げられなかったので、プレーオフ圏よりも残留ラインのほうが近くなってしまったのは残念です。

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・浦和のスタメンはいつもの面々。オリヴェイラ監督なりに選手のコンディションを見極めた結果なのでしょうから外野がとやかく言っても虚しい限りですが、橋岡や青木は些か疲労の色が濃いように見受けられました。橋岡は高橋秀のファウル臭いとはいえ、結果的に競り負けて失点に関与していますし、前半は吉田に裏を取られてあわやPKという場面も(その後吉田ともつれあった結果、吉田がゴールポストに激突して負傷)。また青木も60分自陣深い位置でフェルナンド・トーレスの引き倒しというワールドクラスの技を食らってボールを失い、大ピンチに。

・鳥栖もスタメン固定気味のようで、前節出場停止の小野がスタメンに復帰して高橋義がサブに戻っただけで、こちらもサプライズなし。小野・トーレス・金崎の3トップで浦和の3バックに対峙させるという観測もあったようですが、ふたを開けてみると基本小野がトップ下の4-3-1-2でした。

・ただ守備時は右SH福田が最終ラインに下がって5-3-2ないし5-4-1に。長崎と違ってほとんど前からは追ってきませんが、リトリート主体ながら浦和が縦パスを入れてきた際にはいかにも鳥栖らしくファウルを恐れず厳しく当たりに来ました。概して荒っぽく、福田など繰り返しの反則でイエローを出されても不思議はないプレーもありましたが、結局鳥栖のイエローは一枚どまり。

・浦和は長崎戦と違ってビルドアップには難儀しませんでしたが、ボールを支配している割には鳥栖の守備ブロックをなかなか崩せないというお馴染みの形に。先制される前で最も惜しかったのは38分エリア内に飛び込んだ柏木が潰れて、こぼれ玉をファブリシオがキープ→武藤のシュートがバーを叩いた場面。あとは19分ファブリシオのミドルが枠を捉えた場面くらいでしょうか。鳥栖の決定機も少なく、27分金崎のシュートでヒヤリとしたくらい。

・後半も浦和がボールを支配するも何も起こらないまま。逆に53分鳥栖が原川CK→高橋秀ヘッドで先制。

・先制された浦和はドン引きの鳥栖に手も足も出なかったわけではなく、55分右サイドを深くえぐった武藤→柏木、59分ファブリシオ→武藤ドリブルで中央進出→左からエリア内侵入の宇賀神と決定機を作ったが共に決められず。

・オリヴェイラ監督は65分橋岡・青木を代えて森脇・阿部を投入。戦術的な意味合いではなく、単に疲労の色が濃い選手を代えただけのように見受けられましたが、この交代もパターン化していてだんだん効き目もなくなっており、負けてしまうとなんだかなぁという気が。

・さらにオリヴェイラ監督は75分興梠に代えて李を投入。87分柏木スルーパス→武藤の決定機は前に出た権田が防いで得点ならず。そしてそこで得たCKからの李のゴールは謎のファウル判定で認められず。

・また前半鳥栖のラフプレーに一枚しかイエローを出さなかったことに象徴されるように、上田主審は前半少々の競り合いには寛容に見受けられましたが、どういうわけか鳥栖が先制した辺りから急にやたらファウルを取り出して浦和の焦りを加速させる結果に。浦和が食らった3枚のイエローはいずれも妥当ですが、前半のお裁きっぷりからすれば著しく均衡を逸しているような気が。

・イエロー累積で次節はマウリシオが出場停止。遠藤移籍後もCB自体は橋岡・森脇・阿部と控えがいますが3バックの中央が出来そうな人材となると途端に心細くなります。ここまでスタメン固定で凌いできたオリヴェイラ監督のやり繰りや如何に。

-----興梠-----
-ファブリシオ----武藤--
宇賀神-青木-柏木-橋岡
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(交代)
65分 青木→阿部
65分 橋岡→森脇
75分 興梠→李

---トーレス--金崎---
-----小野-----
-原川--高橋秀-福田-
吉田-高橋祐-ミンヒョク-小林
-----権田-----

(得点)
53分 高橋秀

(交代)
38分 吉田→安在(負傷交代)
90分 トーレス→豊田

・空中戦では槙野にしょっちゅう競り負け、地上戦でもさしてボールも収められず、見せ場といえば青木の引き倒しくらいで得点どころかシュートゼロに終わったフェルナンド・トーレス。物凄ーーーい、不良債権臭がプンプンしてますなぁ、これは・・・・ でも大人の事情でふっかちゃんはこれを使わざるを得ないのでしょうなぁ・・・それが降格の引き金になったとしても。

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