2018.04.23

トップチーム新体制に関する雑感

・昨日浦和レッズトップチーム新体制の全容が明らかになりました。続いてオリヴェイラ新監督の記者会見も行われましたので、それらについての雑感を備忘録替わりに記しておきます。

監督:オズワルド オリヴェイラ
ヘッドコーチ:大槻 毅
ヘッドコーチ:ルイス アルベルト シルバ
コーチ:池田伸康
コーチ:小坂雄樹
GKコーチ:土田尚史
フィジカルコーチ:ウェイリントン
コーチ(分析):山田栄一郎

・まず大槻暫定監督がヘッドコーチとしてトップチームに残留したのが目を惹きます。オリヴェイラ新監督に短期間で結果を出せと要求している以上、準備期間もロクにないまま新監督にまっさらの状態で指揮を取らせるのはあまりにも危険なので、引き継ぎの意味合いでトップチームに残留したものと目されます。ひょっとすると新監督の今年の戦績が芳しくなかった際の保険(=来年の監督)なのかもしれませんが。

・大槻氏はもともと育成ダイレクター兼ユース監督だったので、暫定監督終了後はその職に戻ってもなんら不思議はありません。しかし、トップであれだけ実績を残したとなるとユースでの指導歴が長い大槻氏もトップでの意欲が出てくるでしょうし、下手にユースに戻すと他チームに監督としてぶっこ抜かれるかもしれません。よって大槻氏はトップに据え置き、もともとユースコーチだった上野氏をトップのコーチから戻して育成ダイレクター兼ユース監督に充てる形で一応ユースのほうも過去からの連続性を確保した模様。

・謎なのがヘッドコーチが2人いること。得てしてこういう体制はチームの内紛の火種になりがち。新監督は大槻氏の助力が必要だけれども、気心の知れた腹心も連れてきたいがゆえにこういう体制になったのかもしれませんが・・・

・新監督の記者会見で面白かったのは「少なくともワールドカップの中断までは、今のやり方に継続性を持たせることが重要」、具体的には「3バックで今までプレーしてきたこの形をまずは継続していきたい」と明言していること。4バックが好みなことも明かしていますが、さすがに準備時間もないのに突然自分の好みの形に選手を無理やり嵌めるようなアホなことはしないみたいで。またいかにもモチベーターらしい、熱い言葉を次から次へと繰り出してくる監督のようです。

・なお札幌戦のMDPで中村GMが新体制について長広舌をふるっていますが、その中で「ファン・サポーターをより多くスタジアムに引き寄せるような選手を獲得すること」という一文が非常に気になりました。中村GMにはかつて本田選手に声をかけ、当然のようにフラれたという忌まわしき過去があります。この調子では高原獲得時のように、またしても不要不急のポジションの有名選手に大金をつぎ込み、しかも金でドブを詰まらせる結果になるのではないかという懸念が多くの方の脳裏をよぎったと思いますが・・・

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2018.04.22

【観戦記】18年第9節:浦和 0-0 札幌 ~ 竜虎相搏つ仁義なき戦い ついに完結

・CKが10対2、FKが26対8と大差がついたにも関わらずシュート数は13対9とさほど差がついていないという数値が如実に示すように、「浦和がかなり押していたけれども、なんだかんだと札幌が決定的なところはやらせなかった試合」でした。

・押していた時間帯が長かっただけに勝たないといけない試合だったという気がしてなりませんが、GKク・ソンユンを脅かすような決定機は非常に少なく、20分柏木CK→遠藤シュートがGK正面を突いたのと、74分長澤がバイタルエリアから撃ったのが際どかったくらい。それ以外は59分カウンターから柏木→興梠が惜しくもオフサイドになったのを筆頭に決定機でわずかにラストパスが合わなかったり、あと一歩のところでシュートがブロックされたりと「惜しい」だらけ。言うなれば、勝てそうな試合を勝ちきれるにはあと一歩も二歩も足りないと思えてならない試合でした。

004

・フォーメーションは大槻体制定番の3-4-1-2だと思いながらしばらく見ていましたが、どう見ても武藤の位置がいつもより低くてほぼ3-4-2-1。つまりミシャ式にミラーゲームでガチンコ勝負を挑んだ格好。しかも相手の良さを消すどころか、槙野や岩波が時折攻撃参加したあたりに象徴されるように、攻撃面でも大槻体制下では最も往年のミシャ式に近い感じになりました。

・しかし、興梠が割と自由にボールが持てる割には相手を押し込んでからの崩しがいかにも拙い。ボールは持っているのだが、概してパススピードが遅い上に単調なパス交換だらけで相手の意表を突くような動きがなく、自陣を固める札幌守備陣を揺さぶるには至らない。この辺がまとまった練習時間が取れず、何かを積み上げ、何かをブラッシュアップするのも難しく、ミシャ式の残り香に縋ってゆくしかない大槻組長の苦しいところ(もちろん練習時間が取れないという問題はオリヴェイラ新監督にも目先のしかかります)なんでしょうし、さらに言えばミシャ式とはほぼ真逆なことをやって半年あまりを空費した堀体制の宿痾なのかもしれません。

・おまけにCK&FKをアホほどもらったのに何の工夫もなく、札幌守備陣に跳ね返され続けたのにもがっかり。この辺も練習時間が取れないがゆえなのかも。

・また組長の選手交代も珍しく遅いように感じられました。74分長澤の決定機を最後に浦和はお約束のガス欠に陥ってパスミスが続出したものの、札幌優勢に傾いたわけでもないので組長は動きづらかったのかもしれません。そしてミシャが仕様通り早め早めに選手を代えるのに対し、組長が動いたのはミシャが全弾撃ち尽くしてから。「ミシャさん・・・弾はまだ残っとるがよう・・・」とばかりに組長最後の選手交代が嵌って勝てれば「仁義なき戦い 完結編」に相応しかったのですが、残念ながら組長の弾もしけていて何の効果もないまま試合終了。

001

・札幌にしてみれば、三好が一人気を吐いていただけで思うように攻撃の形を作れないどころか、ミラーゲームで必然的に生じる一対一で劣勢に陥ってビルドアップすらままならない時間帯が長かった以上引き分け御の字の試合だったと思います。ただここで驚いたのがミシャが一切無理をしなかったこと。「狂気の3枚替え」に象徴されるように、勝ちを焦って自爆ボタンを押しまくっていたあの日々は何だったのか? 北の大地では寒すぎて自爆ボタンが壊れてしまったのか?? それにしても粘り強く塹壕戦を耐え抜くミシャなんてものを見る羽目になるとか!!

・ホームでスコアレスドローだったにも関わらず、試合終了後のスタジアムは温かい拍手に包まれていました。勝てなかったけれども選手達が目一杯闘っていたことは間違いなく、その奮闘ぶりへの拍手だったかもしれませんし、それ以上にこの試合がラストゲームとなる大槻組長への賛辞&感謝だったのかもしれません。

・大槻組長の「20日間抗争」。磐田戦で完全にぶっ壊れたチームをロクな準備期間もなかったのにリーグ戦3勝1分、ルヴァン杯1勝1分と見事に立て直して無事完結。選手達の潜在能力を信じ、そのモチベーションを上げに上げ、古参の成功体験を呼び戻し、新参者の競争意欲を掻き立てて、フィールドプレーヤーを全員使って過密日程を乗り越えてのこの結果は天晴れというしかありません。

・ただ如何せん就任時に「暫定」という立場をフロントから明言されていたので、その手法で長いリーグ戦を闘い続けられるのか、戦術のバリエーションをどのくらい持っているのか、そういう辺りは未知数のままに終わりました。強烈な印象、圧倒的な戦績だけを残して颯爽と現場を去る。勝てそうで勝ちきれなかった札幌戦は組長にとっていい潮時だったようにも思えました。

003

-----興梠-----
--武藤----柏木--
宇賀神-遠藤-長澤-橋岡
-槙野--阿部--岩波-
-----西川-----

(交代)
81分 長澤→青木
86分 宇賀神→武富(武藤が左WBへ)
90分 興梠→李

・スタメンは前節清水戦から故障したマウリシオに代えて岩波、菊池に代えて故障明けの宇賀神と2枚入れ替え。水曜日のルヴァン杯と比較すると遠藤&岩波が連闘。

・面白かったのが3バックの並びを変え、遠藤ではなく阿部を中央、岩波を右CBに据えたこと。阿部は序盤都倉に空中戦で苦戦気味でしたが徐々に慣れてほぼ封殺に成功。また岩波がミシャ式の薫陶を全く受けていないのにも関わらず、前半ちょろちょろ最前線に顔を出していたのには驚きました。ボランチに上がった遠藤の出来も秀逸。札幌のビルドアップは遠藤によって壊滅状態に陥ったといっても良いくらい。

・圧巻だったのは橋岡。試合に出る毎にどんどん巧くなるようで、対面の菅には全く何もさせず。菅がさっぱりなので、その後ろの福森も上がるに上がれないという副次効果も生んで札幌得意のサイド攻撃を封じる役目を十二分に果たしました。これだけ出来れば攻撃参加がイマイチだったとしても今は文句は言われないでしょう。

・マウリシオは故障、マルティノスとナバウトは水曜日に90分使って中2日なのでベンチ外なのは仕方ありませんが、ズラタンは出番なし。運悪く小破したせいかもしれませんが、ズラタンは結局大槻体制下でルヴァン杯広島戦で短時間出場しただけに終わりました。中村GMが客寄せパンダとなるような積極的な無駄遣い補強を明言しているので、ズラタンの去就が気になります。

002

-----都倉-----
--チャナティップ--三好--
菅--宮澤--深井-荒野
-福森--キムミンテ--進藤-
-----クソンユン-----

(交代)
HT 深井→早坂(早坂が右WB、荒野がボランチへ)
62分 三好→兵藤
81分 チャナティップ→宮吉

・故障で前節柏戦を欠場していたチャナティップ、深井、宮澤、福森が続々と戦列復帰。どいつもこいつもなんで浦和戦に照準を合わせてくるかね・・・でもチャナティップは全く何もさせてもらえず、唯一の見せ場が後半長澤を突き飛ばしたのになぜかイエローが出なかった場面(苦笑)。

・すっかり札幌のキーマンとなった駒井は契約上出場できず。ミシャは駒井の不在を嘆いていましたが、今日の出来だとミラーシステムを挑んでくる相手には駒井がいたところでフツーにビルドアップに苦労しそうだと思いました。というか、これまで札幌と対戦した相手が無策すぎたような・・・

・都倉が阿部に封じられて以降、札幌の攻め手は三好のコネコネから「かいしんのいちげき」しかなくなったのに、その三好を下げて守備を固めるミシャの一手にはびっくり。どうも三好のコンディションの問題だったようですが。

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2018.04.20

【祝】オズワルド・オリヴェイラ監督就任

・昨日オズワルド・オリヴェイラ氏のトップチーム監督就任がクラブから報じられました。

・監督選任に関しては当初ネルシーニョ氏と接触しているとのいかにも飛ばし臭い報道があった後、仙台戦(4/7)のあたりからオリヴェイラ氏と接触しているとの話が「関係者」談として報じられており、その話が2週間も経たないうちに実った格好。中村GMも「今月中に決めたい」と語っていましたが、こんなに早く決まるとは正直びっくりしました。

・しかも新監督は早々と25日柏戦からチームを指揮。てっきり大槻暫定監督が中断期間一杯まで指揮を執ると思い込んでいただけに、この手際の良さにもびっくりしました。

・中村GMは監督選定の基準として以下の3点を挙げています。
(1)タイトル獲得経験があること
(2)日本をよく知っていること
(3)これまで目指してきた強くて魅力あるチーム作りを行える人材であること

・(3)の条件は抽象的過ぎてあってないようなものだと思いますが、(1)(2)の条件だけでも相当対象者が絞られ、たまたまブラジルでプラプラしていたオリヴェイラ氏に白羽の矢が立ったのでしょう。監督選任の発想がかつての「西野に振られ、岡田に振られ、オファーを出していないクルピにも断られた」時と大差がないような気がしますが、中村GMが松木やギドやゲルトを連れてこなかっただけマシとここは前向きに考えます。

・オリヴェイラ氏は2007~09年にかけて鹿島で3連覇を達成するなどJリーグでの実績は申し分ありません。ただ残念ながらブラジルに戻ってからのオリヴェイラ氏の成績は芳しくなく、「これじゃセホーンと大差ないんじゃね?」と訝しくなるくらい短期間でクラブを渡り歩く羽目になっています。また鹿島での大成功も何分10年近く前の話であり、「やってるサッカーが古いんじゃね?欧州トップモードをフォローしてんの?」という懸念も無きにしも非ず。そもそもネルシーニョが柏で成功したのを最後に最近ブラジル人監督ってJリーグでぱっとしませんし・・・ 

・かといって、いかにも最近の戦術に通じてそうだがJリーグではまるで実績がない監督を連れてきても、それはそれで「実績のなさ」を懸念するだけでしょうから、あまりオリヴェイラ氏の懸念事項ばかり論っても生産的ではないと思います。ただ大槻組長、いや大槻暫定監督が全く準備期間がなかったにも関わらずあっという間にチーム再建に成功し、しかも若手選手をフルに活用しながら結果を残すという誰もが予想しなかったであろう赫赫たる成果を出してしまったので、新監督への期待水準が随分上がってしまったのは否めません。もっとも大槻組長がそのまま続投しても成功したかどうかもこれまた判らないのですが・・・

・オリヴェイラ氏がどういうサッカーを志向しているのかという点については、残念ながら同氏が鹿島を率いていた期間が浦和の大混乱期と丸被りしていて、他所のチームのことなんて考えている余裕が全くなかったせいか、残念ながら「全く記憶にございません」。よって鹿島で何をやっていたかについては他の方に譲ります。そもそも鹿島でやっていたことを浦和でやるかどうかも判りませんし。聞くところによればモチベータータイプらしいので、そこは大槻組長と系譜が同じ。大槻組がグローバル化しただけという見方もできます。

・契約期間は不明ですが、中村GMが「そこはまず結果を出すことに集中してもらうこと」「まずこのあと1年間の結果」と述べているところを見ると、とりあえず今年一杯&成績次第で契約延長オプション付きみたいな感じ。67歳と年齢が年齢なので、ミシャのように結果的に長期政権になる可能性は薄いと思います。

・開幕ダッシュに失敗したどころか、「開幕逆噴射」だったにも関わらず中村GMは今季リーグ制覇、ACL圏入りを全く諦めていない様子。それゆえオリヴェイラ氏にはとにかく短期で結果を出すことを求めたようであり、世代交代は二の次三の次みたいで。従って下手をすると来年また監督を代えざるを得ない羽目になるような気がしてなりませんが、その際はたぶん組長満を持して再登板でしょうなぁ・・・

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【観戦記】18年ルヴァン杯第4戦:G大阪 0-1 浦和 ~ 仁義なき戦い 吹田死闘編

・週末のリーグ戦から双方大幅に面子を入れ替えての一戦。当然ながら双方とも連携に難があって、いたるところでパスミスが続出。またフォーメーションの噛み合わせ上随所で一対一が発生し、小競り合いとまではいかないものの激しくやりあう場面もしばしば発生。そんな状態だったので綺麗に敵陣を崩すような場面を期待するのは難しく、「より致命的なミスを犯したほうが負けやな」と思いながら観戦していましたが、案の定究極のミス=PKを与えてしまったG大阪が負けるという判りやすい結果に。クルぴ監督が「内容的にはほぼ0-0の引き分けで終わるような試合だったと思います。逆に、どのような結果が出てもおかしくないような試合とも言えると思います。」と負け惜しみを口にしていますが、その評もあながち間違ってはいません。

・シュート数もG大阪8本、浦和10本と多くはなかったせいか、試合内容は悪く言えば「有料の練習試合」の域を出ず、昼間は汗ばむ陽気なのに日が沈むと急激に冷えてしまうという4月らしい気候だったことも相まってちょっと塩加減多めの観戦と相成りましたが、選手個々人にスポットを当ててみればそれなりに見どころのある試合でした。大槻組長が眼光を鋭く光らせている中でどの選手も手の抜きようがなく、やれることを懸命にこなしているのははっきりと判る。ただそれがどうにも噛み合わないので、非常にもどかしい。そんな試合だったと言い換えてもいいでしょう。

022

・浦和は週末の清水戦から中2日、かつさらに中2日で札幌戦が控えていることもあり、CB遠藤以外全部入れ替え。CB岩波も清水戦ではマウリシオ故障を受けて長時間出場したので事実上9人入れ替えといっても良いでしょう。清水戦に出ていたメンバーでは西川、橋岡、柏木、長澤がサブで帯同したものの、興梠・武藤・菊池・阿部・槙野は完全休養。故障明けの宇賀神とズラタンがベンチ入りした他、ユースの大城がサブに入ったのが目を惹きました。

・面白かったのはフォーメーションを大槻組標準の3-4-1-2ではなく、ルヴァン杯広島戦と同じ4-4-2を採用したこと。組長は多くを語っていませんが、浦和はもともとWB/SBの層が薄い上に森脇が故障中なこと、さらにマウリシオが故障してCBまで頭数が怪しくなったというチーム事情を踏まえたものかもしれません。またレギュラー組がごっそりおらず3-4-1-2を採用してミシャ式の残り香にすがるメリットもないので、より汎用性の高い4-4-2を組んだだけかもしれません。いずれにせよG大阪の4-2-3-1(守備時4-4-2)にあえてマッチアップさせる意図ではなかったと思います。

・どう思案しても「(WB/SBが)一人足りない・・・」という番町皿屋敷状態に陥っている中で右SBのお鉢が回ってきたのが柴戸。神戸戦では途中投入で突然WBをやらされ、今後はSBと本職とは程遠いポジションを任された柴戸ですが、対面はなんと本職SBでも対応が楽ではない泉澤。これはさすがに柴戸には荷が重く、11分には早々と泉澤に深々と右サイドを抉られてしまいました。

・また同じ右サイドではマルティノスとオ・ジェソクが対峙。こちらは五分五分で、しかもオがやたら激高したり、マルがやたら痛がったりしてプレー以外のところで妙な見せ場を作っていましたが、マルの戻りが遅いと右サイドはたちまち炎上。21分にマルのボールロストを契機にオが前方進出→井出のシュートがポストを叩く場面がありましたが、これが決まっていたらそのままG大阪が勝っていた可能性は高かったと思います。それほど前半の右サイドは怪しげ満点でした。

・一方浦和はマルティノスorナバウトの独力突破&クロスに活路を見出そうとしている風でしたが、クロスは誰にも合わなかったり、簡単にクリアされたりとさっぱり。前半のサイド攻撃で形になったのは37分ナバウト→荻原クロスがG大阪DFにあたって軌道が変わり、ゴールマウスを襲いそうになった場面だけ。それ以外の見せ場は前半終了間際の荻原ミドルシュートくらい。

048

・後半開始早々に遠藤ドリブルで持ち上がり、ナバウト→李の決定機がありましたがその後しばし沈黙。60分くらいまでG大阪の攻勢が続き、CKを結構与えてしまいましたが、ここで浦和守備陣が奮戦。両サイドの守備は怪しげながら、なんだかんだ最後の最後でやらせない。きっちり中央で跳ね返す。やたら若いG大阪の攻撃陣では岩波&遠藤&青木で固める(おまけに直輝もいつになく守備に専念)浦和の中央をこじ開けるにはいかにも力不足でした。J1レベルとJ3レベルの差と言ってしまえばそれまでですが。

・また燃え上がる両サイドに我慢に我慢を重ねた組長もとうとう見るに見かねたのか、60分前後に相次いでSBを交代。この交代の効果はてきめんでG大阪の攻勢は尻すぼみに。浦和は橋岡投入後マルとナバウトの左右を入れ替えて逆襲に転じる構えを見せましたが、試合を決めたのは主攻たるサイド攻撃ではなく、なんと青木の縦パス。難しい体勢から柏木と見まごうばかりの鋭い縦パスがアーク付近にいた武富にズバリ。もっとも武富にはCB菅沼が付いていたのでそのままシュートに持ち込むのは難しかったかもしれませんが、助太刀に入ったCB西野が愚かにも武富の足を引っかけてPK。武富自ら難なく決めて浦和先制。

・先制後はマルティノスが急に活き活き。水を得た魚というか、スペースを得たマルティノスというか、正しいマルティノスの使い方はこうだよなぁ、狭いところでごちゃごちゃやっているうちはダメだよなぁ、と実に判りやすい。後ろが宇賀神で安心感があるせいか、攻めに迷いがない。武富への惜しいクロスあり、自らカットインしてシュートあり、そして最後は対面の米倉を狡猾に退場に追い込む無双ぶり。マルは右だと変に仕掛けたがるのに対し、左では簡単にプレーしようとするせいか、左のほうが活きるみたいで。

・広島→神戸→大阪となぜか曰くありげなところばかりの平日カチコミ3連発を大槻組はなんと負け知らずで突破。今週末は先代が殴り込みにやってくる「仁義なき戦い 完結編」。乞うご期待!!

043

---李---武富---
ナバウト-------マルティノス
---青木--直輝---
荻原-遠藤--岩波-柴戸
-----福島-----

(得点)
71分 武富(PK)

(交代)
57分 荻原→宇賀神
63分 柴戸→橋岡
90分 武富→長澤(長澤がボランチに。直輝がトップ下に上がって4-2-3-1か)

・スペースがない状態ではどうにもならず、おまけに出来にムラがあるというか気分屋なので途中からは使いづらいという難点があるものの、長所もはっきりしているのがマルティノスに対し、ナバウトは常に一生懸命やっているけれども常に空回りしている状態。初登場の広島戦が最高で、その後試合を重ねるごとに悪くなっているような気が。本人も相当焦っているのか、やたら無理目のシュートを撃って、しかも味方にぶち当てること2度、3度。最後は電池切れで守備に戻れなくなってしまいました。組長ラストゲームでの評価はいかに。

・李は生粋のストライカーで縦パスを収めるのは得意ではないので、サイドから良いクロスが入らないと活きようがない。またFWとしての武富はどちらかといえばシャドーあるいはセカンドタイプなので、相方にボールが収まらないと活きない。両SH含めて前目の4人は皆頑張っているんだが、先制後カウンター連発モードに入るまでなかなか噛み合わず、これがこの試合のもどかしさの主因だったような気が。

・故障明けの宇賀神がついに実戦復帰。30分程度の出場でしたが、荻原の後だとさすがに安心感・安定感が段違い。宇賀神がこれほど頼もしく思える日が来るとは(つД`)

030

-----中村-----
泉澤---井出---藤本
---高江--市丸---
オ--西野--菅沼-米倉
-----林------

(交代)
HT 藤本→食野
78分 井出→髙木
87分 泉澤→福田

・「競争の中で、選手として成長したい」「周りと競争することで成長できる」と言い放って浦和を去った無双のエトワール矢島はすっかりJ3の主力選手と化して、なんとベンチにもおらず。そうか、矢島はもう星になってしまったのか・・・

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2018.04.16

【観戦記】18年第8節:浦和 2-1 清水 ~ 浦和レッズは芋かもしれんが、清水の風下に立ったこたぁいっぺんもないんでぇ!

・前半快調、後半失速という大まかな流れは仙台戦・神戸戦と全く同じで、試合後のインタビューでも興梠が浮かない顔で「後半の闘い方をもう少し」と答えるのも道理だと思います。しかし結果は3連勝と文句なし。しかも良い時間帯の内容はより良くなり、悪い時間帯の内容も徐々にマシになっているように見え、大槻体制下での闘い方に選手&スタッフとも手ごたえを掴みつつあるように感じました。もっとも単に清水が仙台や神戸より弱かっただけという身もふたもない言い方もできますが。

・繰り返しになりますが、大槻監督はあくまでも「暫定」で、大槻監督に課されたミッションは「新監督招聘後からの本格反攻に向けて、少しでも勝ち点を稼いでおく」というもの。内容なんてクソ食らえで勝ち点がすべて。個人的には大槻監督が指揮を執るであろう中断期間までのリーグ戦10試合で試合数より少し多い勝ち点(13~14)を稼げれば合格点と思っていただけに、3試合で既に勝ち点9というのは出来過ぎも出来過ぎの提灯行列もの。

・基本フォーメーションを主力選手が慣れ親しんでいる3バックに戻し、自信を失っていた選手たちのモチベーションを高め、時にはケツを蹴り飛ばしながら過去の成功体験を呼び戻すことで少なくとも攻撃面ではミシャ式で出来ていたことが徐々に復活。そして結果は存外の3連勝。言うなれば、堀さんが4-1-4-1に転換した後の日々がほぼ無駄だったことが明るみになってしまったような結果でもあり。

・結果は文句なしで、内容もそんなに悪いわけではなく、さらに新人が出場機会を得ただけでなく予想以上の大活躍。おまけに大槻監督の「アウトレイジ」風キャラが濃すぎて妙な人気を博しているとなると、「暫定」から「正式」にしても良いのでは?という声が上がるのも人情としては無理もありません。

・しかし、大槻監督はまとまった練習時間が取れない中で「暫定」という気楽さ故、もっぱらモチベーション注入で勝ち点を稼いでいる側面もあり、短期間で結果を出すというタスクにたまたま向いただけかもしれません。やはり本格反攻は新監督に託すのが筋であり、そうしなければならないと思います。ただ中村GMの監督選任能力がはなはだ心もとないというのが「大槻正式監督待望論」の根底に横たわっているのでしょう(苦笑)。

002

・前半の浦和の出来は大槻体制では最良と断言して差し支えないでしょう。清水は高めの位置に4-4-2の守備ぶロックを築いてはいましたが、守備ブロックにボールが入った後の寄せがなぜかあまりきつくなく、ほとんど守備ブロックの体をなしていなかったように感じました。決定機こそ21分橋岡が対面の松原からボールを奪取してそのままミドルを撃つ場面までありませんでしたが、浦和は2トップにいとも簡単に縦パスを入れて、そこから高い位置にいるWBへ展開、時に後方から一気にWBへサイドチェンジというミシャの残り香っぽい攻撃を何度も披露していました。

・先制点は橋岡の一発の直後の23分、長澤縦パス→柏木→左サイドでほぼフリーの菊池→興梠ヘッド。普通に4-4-2で守っているチームが守備ブロックをスライドしきれずにサイドを空けてしまうというよくあるやられパターンですが、ここまで何試合も起用されながら攻守とも良いところがなかった菊池が会心のクロスをダイレクトで上げたのには驚嘆しました。こんな良質のクロスが入れば、興梠がCB2人のマークをあっさり外してヘディングシュートを決めるのはお茶の子さいさい。

・2点目は遠藤のパスを受けた橋岡が対面の松原をスピードでぶっちぎってそのままクロス→興梠ヘッドと先制点と同じような形。菊池以上に橋岡のクロスの精度にはびっくり!!松原の守備に疑問符が付くのは昨年から見え隠れしていましたが、ユース上がりの新人にチンチンにされたとなるとショックでしょうなぁ・・・またこの時間帯の清水の守備は相当におかしく、妙に前がかりになるも全くボールを奪えず、浦和にいいようにボールを回されてしょっちゅう後手に回っていましたから、起こるべくして起こった失点とも。CBが行方不明になり、SB立田が興梠と競る羽目になった時点でアウト。

・前半の浦和はボールを失ったあとのプレッシャーもきつくてボール奪回もスムーズ。浦和がほとんどの時間帯でボールを保持しているので危ない場面もほとんどなく、とにかくつまらないボールロスト、攻めきれずにカウンターを食らう愚だけは避けられれば楽勝と思い込んでいたのですが、やはりそうは問屋は卸してくれません。

004

・大槻監督は「おかしいことは至るところで起こっていました。ボールを簡単に失うシーンが多くて、それが3連戦のフィットネス的な影響なのか、判断などの意味で頭に対する負荷があってそこができないのか、という問題はあります。」と嘆くようにどういうわけか後半は立ち上がりから長短ともパスミスが続出して清水にボールを保持される時間帯が長くなってしまいました。

・54分の失点は清水の十八番(=長身FWが落としたボールを2列目が拾う形)がさく裂したもので、浦和右サイドから石毛クロス→ファーでクリスラン折り返し→金子が詰めてゴール。この場面もともとクリスランを槙野が見ていたのに肝心なところで放してしまい、さらに金子を掴んでいたはずの橋岡がなぜか肝心なところで金子を追おうともしないという2つのミスが重なってしまいました。クリスランに競り負けた菊池を責めるのは少々酷。

・59分にはヨンソン監督が戦前からの構想と思しき一手(北川→デューク)を放った一方、大槻監督はその直後にナバウドを投入してカウンターに活路を見出す手に出ました。その構想自体は間違いではなく、前がかりになった清水に対して何度もカウンターチャンスを得ましたが、ナバウトと興梠、ナバウトと柏木がどうにも噛み合わない。68分唯一の見せ場(柏木スルーパス→興梠クロス→ナバウト)ではバイシクルシュートでホームランという悪目立ち。

・カウンターチャンスで「足の遅い者が夕暮れ、さらに足の遅い者にパスを出す」地獄絵巻を見続けるのは結構辛く、これならマルティノス投入のほうがマシな気もしますが、ナバウトが最前線から守備をやるのを買っているんでしょうなぁ、たぶん。

・一方清水は69分松原の横パスを受けた河井がガラガラのバイタルエリアから阿部を交わしてシュートを撃つ場面も。幸いシュートは西川の正面で事なきを得ましたが、後半になるとバイタルエリアが空きがちなのは神戸戦でも見られたもの。20分にマウリシオが小破して交代枠を一つ使わざるを得なかったので、大槻監督も選手を入れ替えて何とかするという手も打てず。

・ヨンソン監督は82分石毛→テセ & デュークを左SHに回すという勝負手を放ってきました。この時間帯には橋岡が足を攣って苦悶の表情を浮かべており、かといって選手を代えようにもこれといった替え駒はなし。

・橋岡本人が×を出しても回りが○を出し、監督も「行けるだろ!!」と言い放つ超ブラックな広域指定蹴球団もヨンソン監督の繰り出した力攻を受けてもはやこれまでか思われましたが、クロスの精度が低くて誰にも合わないか、簡単に浦和守備陣に跳ね返されるかの連続。ATに金子クロス→クリスランヘッドもバーの上。大槻監督はATになって柏木→青木で5-4-1にフォーメーションを変え、這う這うの体ながらも逃げ切り勝ち。

・後半の失速傾向はどうにもならず終盤はヨレヨレ。毎試合ある意味「よろめき」ドラマを見ているようで課題は残りましたが、リーグ戦の戦績をとりあえず五分五分に戻したのは何よりの慶事でしょう。

001

---武藤--興梠---
-----柏木-----
菊池-長澤--阿部-橋岡
-槙野--マウリシオ--遠藤-
-----西川-----

(得点)
23分 興梠
29分 興梠

(交代)
20分 マウリシオ→岩波(負傷による交代)
60分 菊池→ナバウト(ナバウトがFW、武藤が左WBへ)
90+1分 柏木→青木(5-4-1へ)

・仙台戦、神戸戦そして今節清水戦と中3日の連戦ですが、浦和はなんと前節から岩波→槙野、青木→阿部と2名入れ替えたのみ。ルヴァン杯を含めて4試合連続で菊池がスタメン出場なのには心底びっくりしました。菊池は前節に続いて60分前後で交代を命ぜられたのを見ると、大槻監督は宇賀神が戻るまで少なくともリーグ戦は全試合菊池と心中する腹積もりを固めたのでしょう。逆に言えばさすがの大槻監督も荻原をいきなりリーグ戦でWBで使う勇気はないのかと。

・右WBも神戸戦に続いて橋岡がスタメン。森脇が故障中で、平川の状態も判然とせず、こちらも人材難。もう橋岡は無難にこなしてくれれば御の字という状態ですが、攻守とも期待を大幅に上回る出来で、まことにうれしい誤算。しかも試合中の立ち振る舞いがファイター然としていて、これは赤者の中で人気沸騰間違いなし!!

・一方、マウリシオの故障は痛手。試合後場内一周に加わっていたのでたいしたことはなさそうですが、WBに加えてCBまで頭数が足りなくなり、誰かを休ませようにも休ませられなくなってきました。こうなると中2日で続くルヴァン杯G大阪戦は4バックに戻さざるを得ないのかも。

003

---北川--クリスラン---
石毛--------金子
---竹内--河井---
松原-二見-ファンソッコ-立田
-----六反-----

(得点)
54分 金子

(交代)
59分 北川→デューク
73分 立田→角田
82分 石毛→チョン・テセ(テセがFW、デュークが左SHへ)

・清水はCBウレイレが小破したのか二見がスタメン。これがケチのつけはじめで、二見&ファン・ソッコのコンビでは興梠相手にどうにもならず。またヨンソン監督はSBもでかいのを揃えるのが好みのようですが、でかいだけでたいして守れないSBっちゅーのはなぁ(苦笑)

・また前半清水の動きが良くないのも気になりました。ヨンソン監督はリーグ戦ではスタメンをほぼ固定していますが、それが悪いほうに作用しているのかも。

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2018.04.13

【観戦記】18年第7節:神戸 2-3 浦和 ~ 岩波構成員、渾身のお礼参り!!

・勝つには勝ったものの試合内容は芳しくありませんでした。仙台戦同様先制には成功したものの35分くらいから自陣に押し込まれる時間帯が長くなり、時折カウンターで反撃を試みるも前半終わりごろから怪しげだった左サイドを攻略されて後半立て続けに2失点。堀体制下のチーム状態だったらそのまま為すすべなく敗れていたと思います。

・もっともいったん逆転に成功したとはいえ神戸の出来も褒められたものではなく、大槻組長が選手交代で必死に運動量を注入して反撃体制を整え、神戸は中2日(浦和は中3日)だったという日程面の不利も相まってか、70分くらいから双方ややオープンな状態での殴り合い(というほど双方殴れてませんが)に持ち込むのに成功。神戸のセットプレーの守備があまりにもお粗末なのにも助けられて、CKからのヘディング2発で再逆転に成功。昨年来超久しぶりのリーグ戦連勝で浦和はとりあえず降格圏を脱出しました。

・前節の観戦記でも述べたように大槻監督はフロントから「暫定」と繰り返し明言されており、大槻監督に課されたミッションは「新監督招聘後からの本格反攻に向けて、少しでも勝ち点を稼いでおく」というもの。よって、試合内容の悪さからすればこの試合は引き分けでも御の字を思いながら試合を見ていましたが、結果は逆転を焦って無理にリスクをかける愚を犯すことなくセットプレー2発で逆転するという理想的なものに。暫定監督は内容よりも目先の勝ち点積み上げが最優先どころか唯一の課題なので、この結果はもろ手を挙げて喜んで差し支えないかと思います。

002

・浦和のフォーメーションは前節同様3-4-1-2。神戸が4-2-3-1(見ようによっては4-2-1-3)なので、浦和は相手に合わせてルヴァン杯広島戦同様4-4-2を採用するかもと思ったのですが、おそらく今後はミシャの遺産というかミシャ式の残滓にすがるかのように3-4-1-2が基本フォーメーションになるのでしょう。この試合では仙台戦のような流麗なパス回しによる中央突破こそ見られませんでしたが、前半はマウリシオ→橋岡のサイドチェンジが頻発しており、この辺りがミシャ式の残滓なのかも。

・もっともこの試合はとにかくパスミスが多くて決定機どころかシュートにすら持ち込めず、この辺が試合内容の乏しさを如実に表していたように感じました。面子を入れ替えながらの戦いを余儀なくされているのに加え、監督交代後も練習時間が取れないので連携の深めようがないせいなのかもしれませんが。

・またフォーメーションは類似していても大槻監督はミシャと違ってポゼッションには全く拘らず、縦に早い攻めを志向しているのは監督就任後の3試合ではっきりしており、24分の先制点はその志向が具現化=遠藤が三原からボールを奪取したことを契機とするショートカウンターが嵌ったもので、武藤のシュートはいったんGKに阻まれたものの、こぼれ玉を自ら詰めて先制。37分には神戸CKからのカウンターで武藤→興梠の決定機も。

・浦和は立ち上がりから仙台戦ほどの鋭さはないもののそれなりに前からプレッシャーをかけて神戸のビルドアップを阻害し、神戸は意図がはっきりしない、怖さも何にもないただのボール回しに陥ってしまいましたが、浦和の積極的な守備が機能したのも30分過ぎまで。以後は5-2-3、あるいは柏木も懸命に下がって5-3-2の守備ブロックで自陣で耐える時間帯が増えてしまいました。

006

・前半の終わり頃から右SBが藤谷が前に出て来て菊池と対峙する場面が増え始め、左サイドの守備が次第に怪しげに。51分の失点はポドルスキーCK→ウエリントンヘッドという形でしたが、そのCKは元はと言えば郷家&藤谷のコンビで左サイドを脅かされて生じたもの。失点場面で岩波がウエリントンのマークを外しているというのも困ったものですが・・・岩波も遠藤も前半からウエリントンにはやや苦戦気味でしたが。

・63分の失点はなぜか右に回っていたSH佐々木が浦和左サイドから突如カットインしたところから。マウリシオがあっさり交わされ、青木は佐々木に付いてゆけずに易々とエリア内侵入を許してしまいました。浦和の5-2-3の守備ブロックでは両ボランチが走り回ってバイタルエリアを埋めざるを得ないので連戦の青木の消耗が著しく、怒るべくして起こった失点なのかも。ただSHの突然のカットインでオロオロしてるうちに失点ってミシャ時代からよく見るんだよなぁ・・・

・壊滅状態に陥りかかった浦和守備陣を組長は菊池→ナバウト、青木→柴戸という運動量が落ちた選手を随時下げるという判り易い選手交代でテコ入れ。しかもただの選手入れ替えではなく武藤&遠藤と相対的に動けそうな選手を適宜配転する策を併用。その後戦局が五分五分に復したのはこの選手交代が嵌ったものと見て良いでしょう。

・この試合で大きかったのは72分の柏木CK→岩波の同点弾。岩波は神戸のゾーンディフェンスの外にいて超どフリーな反面、岩波からゴールマウスは遠いので一発で決まりにくいものですが、ヘディングシュートはループ気味の軌道を描いてGKの頭上を抜いてゴール!!

・終盤双方中盤がスカスカになり、神戸は78分遠藤のパスミスからポドルスキーが際どい一発を放った反面、浦和は勝負手だったはずのFWナバウトが周囲とほとんど噛み合わないのが誤算で流れの中からは点が入りそうになくて難儀しましたが、決め手となったのはセットプレー。79分CKからの流れで柏木→ナバウト、81分柏木CK→マウリシオと予兆らしき決定機があり、ATになってついに柏木CK→マウリシオヘッドがゴールに突き刺さりました。

・監督交代後なにせ練習時間が取れないので難しいことはやりようがなく、そもそも暫定監督ゆえ大槻色を強く出すこと自体意味がないので攻撃はシンプルなものにならざるを得ず、これでは勝ち点1はともかく勝ち点3をコンスタントに重ねるのはしんどそうな気がしますが、とにかく負けないことが今は大事。また勝ち点を拾いながら、フレッシュな選手をバンバン試合に出して過密日程をこなし、新監督に使える駒、使えそうな駒を取り揃えておくのも暫定監督の大切な役目なのかも。

---武藤--興梠---
-----柏木-----
菊池-青木--長澤-橋岡
-マウリシオ--岩波--遠藤-
-----西川-----

(得点)
24分 武藤
72分 岩波
90+2分 マウリシオ

(交代)
56分 菊池→ナバウト(ナバウトはFW、武藤が左WBへ)
67分 青木→柴戸(柴戸は右WB、橋岡が右CB、遠藤がボランチへ)
88分 興梠→李

004

・前節仙台戦から中3日でのリーグ戦3連戦。どのチームも大なり小なり選手を入れ替えながらの苦しい闘いを余儀なくされているようですが、浦和はそれに加えて宇賀神&森脇の故障でもともと層が薄いWB/SBが壊滅状態に陥り、選手繰りがより一層難しくなっています。

・そこで大槻監督は連戦の効かないベテランの阿部と平川をベンチ外にしただけでなく、槙野をも思い切って休ませるという手を打ってきました。代わりに阿部→長澤、槙野→岩波といった入れ替えは予想の範囲内ですが、本職CBの橋岡を右WBに大抜擢したのはサプライズ。

・橋岡はミシャ時代は右WB、堀時代は右SBで練習試合に出ているのでWBはまるっきりのど素人というわけではないようですが、ユース卒の新人を本職ではないポジションでリーグ戦で初めてスタメン出場させるなんてなかなか出来るものではありません。もちろん大槻監督がユース時代から橋岡の特性を熟知していたからこそ出来る「離れ業」だったのでしょう。そしてこの博打は大当たりでした。

・序盤はマウリシオのサイドチェンジを受けて攻撃の起点となるだけでなく、右サイドで主導権を握って橋本の前方進出をほとんど許さず。柴戸投入後は右CBに回って奮戦。終盤足を攣りながらもポドルスキーに必死に食らいついたのは感涙ものでした。

・また後半途中から右WBに投入された柴戸も上々の出来。これまたリーグ戦初出場で、しかも橋岡と違って全くやったことがないポジションでの起用だったと思いますが、こちらもなんら問題なし。柴戸が中へ絞って危機を防いだ場面も2度ありました。80分に神戸が渡邉&ティーラトンを投入して浦和右サイドで攻勢に出たものの、なんだかんだと浦和の右サイドは最後まで破綻しませんでした。

・気になったのは途中投入のナバウトが周囲との連携が悪くて、単騎ドリブルで突っかけるくらいしか役に立たなかったこと。ルヴァン杯広島戦で回りが見える、回りを使える選手であることが判っているだけにこの日の出来は残念でしたが、時間が解決してくれるのかなぁ・・・

009

-----ウエリントン----
佐々木--ポドルスキ--郷家
---藤田--三原---
橋本-宮--チョンウヨン-藤谷
-----キムスンギュ----

(得点)
51分 ウエリントン
63分 佐々木

(交代)
69分 郷家→三田
80分 橋本→ティーラトン
80分 佐々木→渡邉

・神戸は前節から大槻→ウエリントン、田中→佐々木、三田→三原、ティーラトン→橋本、渡部→宮と5人入れ替え。SH佐々木はユース卒の新人。CB宮は大卒新人。

・那須は開幕戦のPKが心証を害したか、その後リーグ戦出場なく、この日もベンチ入り止まり。

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2018.04.08

【観戦記】18年第6節:浦和 1-0 仙台 ~ 大槻「おんどりゃー!タマとってこんかい!」

・浦和が優勢だった前半30分までの間に先制し、その後はほぼタコ殴りの憂き目に遭いながらも守りに守って逃げ切り勝ち。浦和が半年以上迷走している間にチームの実力は仙台に追い越されたことを実感させるような試合内容でしたが、それでも前半30分までの出来は刮目すべきものがあり、少なくとも昨年終盤から続いた堀体制のような閉塞感は微塵も感じられませんでした。

・浦和の序盤は攻守で仙台を圧倒。積極的に相手に食いついてボールを奪取。奪ってからのパススピードは見違えるように上がり、縦パスが入った後のフォローも早く、強かった時の浦和が一瞬甦ったような場面すらありました。堀監督を悩ませ続けた「興梠孤立問題」とはいったい何だったのでしょうか?

・もっとも序盤で体力を使い果たしてしまったのか、後半は見ていられない惨状に陥ってしまいましたが、良い時間帯がそれなりにあって、かつ勝ち点3も付いて来た。あらを探せばいくらでも出てくる試合でしたが、今は内容を云々している時期ではなく、今日は今季初勝利を率直に喜びたいと思います。追加点が取れそうにないのでとにかく1点を守り切るという意識がチーム内で統一されていたようにも見受けられ、途中投入のナバウトが全力で駆け戻ってサイド最奥部で守備をする見せ場もありましたし。

006

・この試合でのサプライズは浦和が突如フォーメーションを3-4-1-2に転換したこと。大槻監督は試合後「このシステムを選んだ理由は、仙台さんの戦い方と、僕らの戦力、いまやれることを比べたときに、このやり方が一番いいのではないかと思って選択しました。」と語っていますが、おそらく前節仙台と同一フォーメーション(3-4-2-1)の長崎が内容で優勢だったことがヒントになったのでしょう。

・また大槻監督の置かれている状況が状況なので柔軟な対応策が打ちやすかったという見方も出来ます。大槻監督はフロントから「暫定」と繰り返し明言されており、おそらく任期はW杯中断期間前までと目されます。ゆえに大槻監督に課されたミッションは「新監督招聘後からの本格反攻に向けて、少しでも勝ち点を稼いでおく」という撤退戦というか持久戦的な色彩が強くなろうかと思います。

・端的にいえば大槻監督の目指すサッカーをチームに定着させるなんてことはどうでもよく、相手の出方に応じた手、さらに言えば相手の良さを消すような手を打ち続けて毎試合少なくとも勝ち点1をもぎ取るという超リアリスティックなサッカーを繰り広げることになろうかと思います。ゆえに仙台相手には3-4-1-2でしたが、4-3-3の次節神戸相手にはまたフォーメーションを変えてくるかもしれません。もちろん主体性もへったくれもないサッカーを続けるのは選手の不満が溜まりやすく、通常なら監督は選手のモチベーション維持に苦労するでしょうが、今般は選手も監督も2ヶ月の辛抱と割り切れますし。

・また広島戦&仙台戦と2試合見てまるで出たとこ勝負、いつも相手なりで大槻色が何もないというわけでもなかったかと思います。仙台戦はフォーメーションこそミシャ式に近い形となり、それがパス回しを円滑にしたのは疑いないのでしょうが、ミシャ式と著しく違うのはポゼッションには全く拘らず、縦に早い攻めを志向し、かつ極力シュートで終わろうとしていること。前半無理目なミドルシュートが目立ったのはその査証でしょう(唯一阿部のミドルが枠内を襲いましたが)。縦に早い攻めは広島戦でより顕著で、レギュラー陣が多く出場していた仙台戦のほうが連携が良いので多少相手をバスで崩そうという企図が強かったようには見受けられました。

・先制点はその縦に早い攻めが実った形。武藤からの長い縦パスが最前線の興梠に通り、興梠がCB平岡&GK関を難なく交わしてゴール。もっとも平岡の対応がお粗末すぎて、アシストは武藤ではなく事実上平岡だという気もしますが(苦笑)。また23分相手を押し込んでから槙野→柏木→槙野枠内シュートという場面もありましたが、これはミシャテイストの残り香っぽい形。

・ただ浦和が仙台を圧倒していたのは前半30分まで。仙台のフォーメーションは基本の3-4-2-1ではなく、オプションの3-3-2-2(守備時5-3-2)だったためかミラーゲームにはならなかったのが災いしてか、運動量が豊富だった序盤こそ高い位置で相手を潰せていたものの、30分過ぎから両サイドでWBをフリーにしてしまう場面が目立ちだしました。横浜M戦で顕著でしたが、今季の浦和はなぜか後半運動量がガタ落ちになってしまう試合だらけ。大槻監督もさぞかし頭が痛いでしょうが、こればかりは中断期間まではどうにもなりません。

・33分永戸→西村を皮切りに、左右からのクロスが石原に合いかかること2度、3度。69分左サイドから阿部にスルーパスを通されるという絶体絶命の大ピンチは槙野が駆け戻って間一髪クリア!!失点しなかったのが不思議なくらいピンチの連続でしたが、なんだかんだと仙台は好機で枠内シュートを撃てず、この辺が仙台の限界なんだろうとも思いました。結局西川がヒヤリとしたのは60分リャンのFKがポストを叩いた場面&マウリシオがミスキックでクリアボールが西川を直撃した場面だけだったかと。終盤は単調なクロスの放り込みに終始してしまいましたし。

・浦和は後半早い時間帯からボールを奪っても前線に繋げずにただボールを蹴り返すだけという情けない状態に陥ってしまいましたが、80分くらいからナバウト&柏木の連携でようやく反撃開始。両者ともスピードがないのでカウンターを活かせないというトホホな場面もありましたが、ほとんど一緒に練習しておらず、試合は初めてだった割には今後の可能性を感じられただけでも今日は良しとしましょう。

007

・観客数は週末デーゲーム&まずまずの天候にも関わらずとうとう3万割れ。浦和はシンプルに試合を見せるだけという古典的な営業&運営方針を貫いているので、つまらない上に勝てないサッカーを延々と半年以上も続けていたらこうなるのも当然でしょうなぁ・・・また単純に高齢化の影響でスタジアムに来なくなった方もおり、さらには無観客試合以降の一連の施策で良くも「悪くも」浦和を支え続けてきた古参サポの少なからずがスタジアムを離れ、その代わりの新規サポが思うように集まっていないという中期的な要因もあるのでしょう。近々の株主総会で淵田社長の退任も近いと目されますが、スポンサー収入の維持・拡大では頑張っている反面、浦和のかけがえのない基盤=「固定客の多さ」を確実に突き崩してしまったようにも思え、在任期間中の成績は赤点に近いかと思います。

・超久しぶりのホームゲーム勝利。昨年から始まった浦和の観客漸減傾向に底打ち感が出るためのきっかけになると良いのですが。

001

---武藤--興梠---
-----柏木-----
菊池-青木--阿部-平川
-槙野--マウリシオ--遠藤-
-----西川-----

(得点)
5分 興梠

(交代)
62分 武藤→ナバウト
70分 菊池→森脇
85分 森脇→長澤

・前節長崎戦を見て、浦和が3-4-1-2ないし3-4-2-1に転換することは個人的には予想の範囲内でしたが、驚いたのは平川がいきなりスタメンだったこと。また広島戦で90分出場し、しかも良いところがなかった菊池が中2日でスタメン出場したり、今季不振続きの阿部がスタメンに名を連ねたりと、スタメンはサプライズだらけ。

・今週は週央の神戸戦がリーグ戦なのであまり大胆なターンオーバーを仕掛けづらく、その次に中3日で続く清水戦まで含めて順繰りに選手を使ってゆく過程の中でこのようなサプライズスタメンとなったのでしょう。

・残念だったのは途中投入の森脇がまたもや故障したこと。ただでさえSB/WBは層が薄いのに、その中で比較的信頼がおける宇賀神&森脇が過密日程の最中に故障してしまうとは・・・ しかも平川は連戦が効かないので、4バック時には槙野ないし遠藤をSBで使わざるをえなくなるでしょうし、3バック時にはいよいよWBの適材に困るという非常事態に。

003

--石原----西村--
--中野---野津田--
永戸---富田---古林
--金--大岩--平岡-
------関-----

(交代)
57分 永戸→梁(中野が左WBへ)
64分 西村→阿部
76分 古林→蜂須賀

・前半30分以降、仙台が浦和を圧倒。就任5年目に突入した渡邉監督のもとで仙台のチーム力が着実に上がり、とうとう浦和を追い越してしまったのは一目瞭然な試合でしたが、だからといって一気に上位を窺えるかとなると少々疑問。これまではほぼノーマークだった仙台の実力が上がると相手も対策を立ててくるのは当然で、そこを乗り越えないとなかなか上位には進めない。そんな試合だったような気もしました。

・序盤何もさせてもらえずに石原はイライラ。相変わらず悪い意味で年齢を感じせない気性難ぶりでしたが、やたら攻撃的なカピバラっておるんかいのう・・・

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2018.04.06

【観戦記】18年ルヴァン杯第3戦:広島 0-0 浦和 ~ 控え組が築いたかもしれない浦和反撃の橋頭堡

・堀監督が更迭されて大槻新監督に与えられた準備機会はわずか2日&遠距離移動付き。しかも週末にはこれまた中2日でリーグ戦仙台戦が控えているという難しい状況。浦和は開幕から5試合でわずか勝ち点2しか上げられず、早くも残留争い行きがちらつき始めたため、大槻新監督がルヴァン広島戦を「捨て試合」扱いしても誰にも文句は言われなかったと思います。

・実際大槻監督はスタメンを磐田戦から全員入れ替えただけでなく、これまでのレギュラー陣で広島遠征に帯同させたのが柏木・マウリシオ・長澤のみという極めて思い切った手を打ちました。1軍半仕様で臨んだルヴァン杯G大阪戦ですらボコボコにやられたのに、ここまで極端に入れ替えてしまうと試合にならなくてもなんら不思議はなく、それもより重要な仙台戦へ向けての準備と割り切ったのだろうと思ったのですが、意外にも浦和は善戦して存外の勝ち点1を確保しました。

A001

・広島も大幅な駒落ちだったのに助けられた側面があるのは否めませんが、監督交代の効果がてきめんなのか控え組のモチベーションが著しく高いように見えただけでなく、実にのびのびとサッカーをやっているように見受けられました。しかも最後まで失速せず、集中も切れず。これが最大の収穫でしょう。「野心を持った選手を使いたい」「僕はいい選手の基準というのは、チームに貢献できる選手だ」というコメントに象徴されるように、大槻監督は選手のモチベーションを上げるのが巧く、控え組が監督の期待に見事に応えたといっても差し支えありません。

・浦和の決定機らしい決定機は前半29分李→ナバウトが単騎突入した場面だけだと思いますが、前後半ともクロスがわずかに中で合わないという場面がやたら多く、決定機には至らないものの手詰まり感はあまり感じませんでした。守っては左サイドが終始怪しいだけでなく、往々にしてバイタルエリアに大穴が開いてしまう傾向があって広島に3、4回決定機を与えてしまいましたが、それでも攻守の切り替えは概して早く、危ない場面ではしっかり中を固めて防ぎに防ぎ、GK福島の奮戦も手伝って今季初めての無失点を記録。

・リーグ戦はまた面子が大幅に入れ替わるでしょうから、この試合だけで大槻監督がやりたいこと=今後の基本戦術みたいなものを推し量るのは難しく、ましてや大槻監督の力量を云々するのは時期尚早でしょう。それよりも今日の試合の意義は、開幕から何一つ良いことがなくて心がささくれがちだった赤者に「前向いて行こうぜ!」という勇気を与えたことに尽きると思います。これまで出番がなかった選手達が精一杯頑張って勝ち点1を掴んでくれた。その頑張りを見て、次のリーグ戦かつホームゲームでレギュラー陣もサポも頑張らんといかんやろうと、超前向きな転機を与えてくれた試合でした。

A013

---ナバウト--李----
荻原-------マルティノス
---柴戸--直輝---
菊池-橋岡--岩波-森脇
-----福島-----

(交代)
58分 荻原→長澤
77分 李→武富
85分 柴戸→ズラタン(ナバウトは左SH、長澤がボランチに下がる)

・前述のように浦和は週末のアウェー磐田戦からスタメンを総入れ替え。柴戸・福島・橋岡は今季初出場。故障明けの森脇も試運転開始。

・フォーメーションは堀前監督の基本だった4-1-4-1ないし4-1-2-3をあっさり放棄して、堀最末期の4-4-2を継続。もっとも堀式はSHが中に絞り勝ちだったのに対して、大槻式はSHは専らサイドに張っていました。そのせいか、堀式と比べて心なしがパスレンジが広くなったように伺え、サンドチェンジも時折交えていました。

・控え組だらけかつ練習機会がほとんどないので致し方ありませんが、攻撃は超シンプル。前半は17分ナバウトからスルーパス→李裏抜け、29分ハイボールに競り勝った李→ナバウト単騎突入という場面に見られるように、2トップの片割れが中盤に下がって相方が裏を狙う場面が目立ち、かつ効果的でした。ほとんど練習をしていないのにナバウトと李のコンビネーションが時間の経過と良くなってゆく辺りは両者ともさすが。

・事前に好プレー集みたいな動画を見て、ナバウトは何の脈絡もなくミドルレンジからシュートを撃ちまくる「豪州産ポポ」じゃないかと邪推していましたが、良い意味でその予想はハズレ。ちゃんと回りが見える選手でパスも出せるし、クロスも入れられるし、守備も一切手抜きなし(ぽっかり空いたバイタルをナバウトが全速力で駆け戻って埋めてる場面も!)。しかもそれだけ走り回っても最後までバテない。これでスピードがあったら即欧州行きだわなぁ・・・良い買い物であることを予感させるに十分な出来だったと思います。

・一方久しぶりに出場のマルティノスは42分や53分に李へのクロスがわずかに合わなかった場面に見られるように良い仕事もしており、ナバウト共々右サイドからのクロスが浦和の攻め手になっていました。しかし、複数人で囲まれるとわざわざ狭いところへドリブルで仕掛けて潰され、広島のカウンターの基点になってしまう場面も少なくありませんでした。いかにマルティノスに良い形でボールを渡すかが今後の課題でしょう。この日は左サイドが攻守ともさっぱりなので、左で細かく繋いで右のマルティノスに大きく振るような形を作れなかったので、終始マルティノスが窮屈な闘いを強いられてしまいました。

A004

・直輝は14分柴戸縦パスに反応して裏抜けした場面など、柴戸を御守り役に積極的に前に出る場面が目立ち、それはそれで浦和の攻め手を増やすためには悪くないのですが、残された柴戸だけでバイタルエリアを守るのは相当無理があり、カウンターを喰らって川辺が中へ入って来た時には目も当てられない惨状に。バイタルエリアぽっかりで28分馬渡(柴戸がクリア!)、77分フェリペ・シウバにシュートを撃たれて絶体絶命の大ピンチ。ゆえに直輝をこのポジションで使うのはビハインドで終盤を迎えた時だけかな?

・左サイドは荻原・菊池とナフサが2つ並んでいるようなものなので致し方ありませんが、菊池は高めの位置にいる馬渡30cmの出刃包丁が気になるのか自分も妙に高い位置に出てその裏を渡や川辺にやられるとか、馬渡と一対一で対峙して簡単にやられるとか、やはりSBとしては厳しく、宇賀神復帰までリーグ戦は槙野左SB転用で凌ぐしかなさそう。

・橋岡は53分カウンターを喰らってハイボールをヘッドでクリアしようとしたら空振りして工藤に入れ替わられるという切れ味鋭いコントを披露した他、概して渡のスピードに苦戦。ビルドアップが怪しいのを含めてまだまだ修行が必要かな?

・岩波は28分に前に出ては見たもののティーラインと潰せずにフリックを許し、川辺に右サイド突破を許した場面だけがヤバかっただけで、橋岡共々広島の攻撃を中で淡々と跳ね返し続けました。槙野SB転用の間はリーグ戦での出場機会が増えるでしょうから今後に期待。

・福島は53分大きく飛び出して工藤の独走を防いだ場面を筆頭に好セーブを連発して上々の浦和デビュー戦。ハイボールへの対応なり、パンチングなり改善の余地も見受けられましたが、これならしばらくルヴァン杯で起用され続けても不思議はありません。

A010

--ティーラシン---渡---
シウバ--------川辺
---松本--森島---
川井-吉野--丹羽-馬渡
-----中林-----

(交代)
HT ティーラシン→工藤
70分 森島→野上(野上がCB、吉野がボランチに上がる)
78分 フェリペ・シウバ→稲垣

・この日の出来はどう見ても渡>>ティーラインで、なんで渡がリーグ戦にほとんど出ていないのかさっぱり判りませんでしたが、パトリックとの相性なのかな? 馬渡共々徳島からの移籍組がJFK政権下で冷や飯を食っていますが、徳島から来たのに阿波踊りの出来が拙くてJFKには耐えがたいのかも・・・

・なんでこの試合に川辺が出てくるのかも謎でしたが。

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2018.04.03

堀監督更迭&大槻育成ダイレクター暫定監督就任

・昨日クラブから唐突に「堀監督及び天野ヘッドコーチとの契約解除」「大槻育成ダイレクターの暫定監督就任及び上野ユースコーチのトップチームコーチ就任」が公表されました。

・堀監督の手腕がかなり怪しいのは昨年から見え隠れしており(フロントにこの認識が欠けているのが不可思議)、キャンプを経てもなお一向にチーム状態は好転せずに今季も絶賛低迷中。それゆえ3月の中断期間を前に体制を一新するのが遅まきながらも最善手と目されましたが、伝統的に行き当たりばったりというか計画性がない浦和フロントの無能さを甘く見ていました。

・浦和フロントはなぜかこの中間期間を無為に過ごし、さりとて堀監督を全力で支持するわけでもなく、中断明け初戦の敗戦でいきなり堀監督を更迭するという暴挙に出るとは!!

・まぁ磐田戦の終盤を見たらとうとうチームがぶっ壊れたのは一目瞭然でしたからフロントが監督を支持する気力を失ったのかもしれませんし、ひょっとすると堀監督が指揮を投げだした結果のかもしれません。このところ試合後の表情に生気はありませんでしたし、磐田戦はなぜか終盤フリーズしちゃいましたし・・・

・しかも後任の大槻Dの指揮は「暫定」と明言されており、今後の展開は著しく不透明。準備期間も何もない連戦の最中に監督をお願いされるほうも迷惑でしょうから(よほどの野心家あるいは単に職に困っている方ならともかく(苦笑))、W杯開催に伴う中断期間まで大槻暫定監督を引っ張り、その間に新監督を探すと考えるのがもっともありうるシナリオですが、なにせ監督選びに関してはノーアイデア、ノープランが常の浦和。下手をするとこれといった後任が見つからずに大槻Dの「暫定」が取れるだけに終わっても不思議はありません。

・堀監督については「ラファエルを最大限生かす」というACLスペシャルな手を打って見事優勝したことについてはいくら感謝してもしきれないくらい。2011年終盤に火中の栗を拾わされて、見事J1残留のタスクを果たした時もそうでしたが、その場限りのスペシャルな仕事をする分には悪くない監督なのかもしれません。ただ平均的、日常的なチーム力が問われるJリーグという土俵ではそんなスペシャルな手は全く通用せず、監督としてはかなり下のレベルだったのも確かだったと思います。

・また堀監督が非常に不思議だったのは、長年ミシャのもとでコーチを務めていたにも関わらず、ミシャの遺産を活かさないどころかむしろベクトルが逆向きのサッカーをやり始めたこと。しかも堀色は結局「とにかくラファエルなんとかしれくれー」以上のものではなく、堀色を出せば出そうとするほどチームは混迷の度を深めていったように伺えました。

・そもそもフロントがミシャスタイルの継承を後任監督に求めないのであれば何も内部昇格に拘る必要はなく、堀に2度目の火中の栗を拾わせる必要は全くなかったと思います。言い換えれば5年もの長期に及ぶミシャ政権下で後任をピックアップする努力を怠り、急に訪れたミシャの極度な成績不振で慌てふためいて堀にバトンを渡したこと自体が大問題。

・今回の監督交代は堀監督の能力見極めに失敗したのはともかくとして、監督がダメだった時のフロントの「ノーアイデア、ノープラン」が見え隠れするという点でミシャ解任時に酷似しています。その直後に慌てて内部昇格で取り繕うのを止めただけマシだとは思いますが。

・また大槻新監督は2011年の堀監督就任時と同様、下部組織のコーチぶっこ抜き。堀を引き抜いた後のユースは弱体化して一時はプレミアから降格しただけでなく、プリンスリーグでも低迷。大槻体制下でなんとか焼野原からの再建が進んで昨年からプレミアに復帰したはずですが、またしても同じ道を歩んでしまいそう。

・このノーテンキな体制が続く限り、浦和がコンスタントに優勝争いに絡むなんて無理でしょうなぁ・・・ 

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2018.04.02

【観戦記】18年第5節:磐田 2-1 浦和  ~ 法多山死の彷徨

・シーズンオフのキャンプを経てもチーム状態を好転させられなかったのに、たかだか2週間かそこらの時間があったところでチーム状態が劇的に良くなるわけがなかろうと何の期待もせずにエコパまでノコノコでかけましたが、案の定というかなんというか、浦和のパフォーマンスはその甚だ低い期待値すら下回る惨状。今後W杯による中断期間まで延々と繰り広げられるであろう「浦和の地獄絵巻全15巻」の巻頭を飾るにふさわしい、壮絶なシロモノと相成りました。

・端的に言ってしまえば「儲けもののPKを得て先制したものの、あとは座して死を待つだけ」というだけの試合内容。PKのおかげで一応試合にはなりましたが、その後の浦和の決定機は前半ATにクリアボールを拾った柏木のシュートがポストを叩いた場面と、47分に武藤→興梠があっただけ。もっとも磐田もレギュラーを多数欠いているせいか出来も芳しくはなくてパスミスが続出し、正直これがJ1の試合なのかとボヤキたくなる時間帯も長かったかと思いますが、セットプレーを含めて磐田のほうが決定機は多く、スコアは手数の差を反映した妥当なものでしょう。アダイウトンがいたら終盤のカウンターで大差がついていたかと。

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・今の浦和の何が酷いってロクにパスを繋げられなくなってしまったこと。布陣を4-4-2に変更して選手間の距離が近くはなったものの、その近い距離間ですら恐る恐るゆるゆると足元から足元へパスを繋ぐだけ。磐田の前からのプレッシャーを交わすのが精一杯で、いったん相手に守備ブロックを作られてしまうと、相手が凡ミスを犯さない限り手も足も出ません。しかも往々にしてミスを犯すのは相手ではなく浦和のほう。

・「ここにボールが入ったら他の選手はこう動いているはず」というチーム間の約束事なんて全然ない、あるいはあったとしてもチームに落とし込まれていないのでしょう。選手間で同じ絵が描けていないので、パスを受けたその先の一手が誰にも見えておらず、たちまち行き詰まってしまう。パターン化され、自動化が進んだミシャ式のパス回しを長年見てきたせいか、あまりにも緩く、あまりにも拙くなってしまった浦和の現状には涙が出てきます。こんな緩いパス回しを続けているうちに有望な選手もどんどん下手になってゆくんだろうなぁ・・・

・最初は4-1-2-3で「今年はとにかくマルティノスで殴りまくるで!」みたいなサッカーを志向するのかと思ったら、長崎戦で早々に行き詰まったのを気に病んでかいきなりマルティノス自体がお蔵入り。ポゼッション志向&4バックの横浜M相手に前からハメることを企図して突如4-4-2を始めたのは良かったとしても、特にポゼッションに拘るわけではない&3バックの磐田相手にもなぜか4-4-2を継続して良いところなく玉砕。キャンプでの仕込みを早々にかなぐり捨てて右往左往しているようでは「同じ絵を描く」なんて夢のまた夢。

・言い換えれば堀監督のやりたいサッカーなんてものはなかった。いや「ラファエルなんとかしてくれ!!」以外の何物でもなかったのでしょう。そして予想外に早かったラファエルの離脱で全てが雲散霧消。「堀監督のやりたいサッカー」に合わせて選手を集めても、そもそも堀監督のやりたいサッカーなんて無いも同然なのだから集めるだけ無駄。ああ、早々と塩漬けにされたマルティノスが可哀そう・・・

・攻めるにしても守るにしてもほとんど組織化されていないので、ボールを受けるにしても穴を埋めるにしてもとにかく個々人が我武者羅に走って頑張るしかない。前半はそれでなんとか取り繕っていても終盤はバテてどうにもならない。陣形は間延びしてやたらオープンな試合になってしまう。この繰り返しに選手達も虚しさを感じているのでしょう。81分に逆転された瞬間、何人もの選手の心が折れたのがはっきりと判りました。もうこのチームはぶっ壊れたようです、残念ながら。こうなると選手を入れ替えようが、戦術を練り直そうが、チーム再建は無理でしょう。

・選手以上にベンチがぶっ壊れているのか、ビハインドなのに交代枠を一つ余して試合終了。結果的に点は入らなかったがチャンスは何度も作れているので交代しなかったなら理解できますが、既に戦況は絶望的で、しかも武藤や興梠を筆頭にヘロヘロになっている選手が続出しているのに交代枠を余らせるとは。試合前の準備が不十分な上に、試合中の調整も出来ない。いやはや、これが浦和の地獄絵なのか!!

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---興梠--武富---
武藤--------長澤
---青木--柏木---
槙野-マウリシオ--阿部-遠藤
-----西川-----

(得点)
8分 興梠(PK)

(交代)
70分 武富→ナバウト
79分 長澤→李(武藤が右SH、ナバウトが左SHへ)

・宇賀神が代表で故障したので、槙野が久しぶりに左SBに回り、CBには阿部がスタメン入り。残念ながら阿部の出来は酷くて2失点に関与。試合開始早々簡単にぶち抜かれたのを皮切りに怪しげなプレーを連発。最初の失点では川又への対応が軽すぎ、2失点目は前でボールを奪おうとして及ばずに川又に入れ替わられてしまいました。もっとも最初の失点はクロスに飛び込んできた高橋がフリーなほうが問題で、2失点目は青木のパスミスが引き金なので阿部だけが悪いわけではありませんが、阿部は「燃え尽き」が懸念されるくらい今季不振続きで残念です。

・右SBには故障を抱えたまま欧州遠征に帯同した遠藤が復帰しましたが、遠藤の出来も散々。阿部共々右サイド炎上の一因となり、クロスもロングフィードも悉く精度を欠きました。

・故障明けの森脇がスタメンに復帰するかと思ったのですが、キャンプ中から故障続きでコンディションが上がっていないのか、故障再発を恐れて慎重になっているのか、この日はベンチにも入らず。もっとも浦和の疾患はもはや森脇復帰でどうなるものではないと思いますが。

・PKは武藤→武富からのクロスが大井のハンドを誘発したもの。広げた手に当たっているので大井が不用意としか言いようがなく、儲けものみたいなPKですが、不当なPKではありません。ただ武富は興梠に最前線でボールを収めてもらってから飛び出すのが得意な選手なので、興梠が厳しくマークされ、あるいはバテテしまうと武富も消えてしまいがち。

・武富に代わって新外国人ナバウトが投入され、投入直後は右サイドでナバウト縦への突破を活かそうという企図が見て取れましたが、すぐに沙汰止みに。そういえば序盤は磐田最終ラインの裏狙いが散見されましたが、それも続かずに沙汰止みになっちゃったなぁ・・・

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-----川又-----
--松浦----山田--
宮崎-上原--田口-櫻内
-新里--大井--高橋-
-----カミンスキー----

(得点)
45分 川又
81分 川又

(交代)
66分 松浦→中野
75分 山田→中村
84分 中野→松本

・故障していた中村がなんと浦和戦でベンチ入りし、かつ終盤に登場。どうせ負けるなら中直接FK一閃でばっさりと介錯してもらいたかったのに。でも投入直後のFK→川又でいきなり見せ場。

・名波監督は後半途中投入の中野を逆転直後にいきなり下げてしまう鬼采配。大卒新人選手なので非常に気の毒ですが、なんだかんだとめっちゃ人望があるらしい名波監督なので、その後のフォローも完璧なんやろうなぁ・・・

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