2019.03.19

【観戦記】19年第4節:C大阪 1-2 浦和 ~ 見たか!これが4億円の力や!!(苦笑)

・ゲームは90分間C大阪がボールを支配する展開。前半こそC大阪に決定機らしい決定機はなく、浦和はそれ以上に何もないというシオシオな内容でしたが、後半に入ってC大阪が浦和右サイドを立て続けに攻略して次々に決定機。そして森脇が自陣深い位置でファウルを犯して得たFKを64分ソウザが角度のないところから見事に決めてC大阪先制。

・北京遠征から中3日の浦和は疲労困憊で体も頭も動かないのか、守るのが精一杯で攻撃がほとんど成り立っていない状態だったので、先制された時点でこの試合は負けたと思いました。しかし、どこからどう見ても敗色濃厚な試合をひっくり返したのがオリヴェイラ監督の選手交代。山中&マルティノスと共に獲得に2億円を費やしたと噂される選手を同時に投入し、しかもその両名が共に得点に絡むという、もう監督冥利に尽きるとしか言いようがない形で浦和が見事に逆転勝ち。

・シュート数15対7というスタッツに象徴されるように試合内容はどう見てもC大阪が優勢で、ロティーナ監督が「いいプレーをして、チャンスもつくれましたが、ただゴールが奪えませんでした。勝つべき試合だったと思います。」と負け惜しみをぶつのは道理でしょう。

・ただ個人的にはミシャの下で内容で相手を優に凌駕しながらも勝てない試合(しかも肝心な試合に!)をアホほど見てメンタルがズタボロになっているせいか、「ボールを持ってチャンスをつくっていくことができたことには満足しています。」というロティーナのコメントは、これが浦和の監督だったらさぞかしブチ切れていたかも。逆転されてからのロティーナの選手交代はオリヴェイラとは対照的にさしたる効果はなく、試合終了直前にメンデスのシュートがポストを叩いたくらい。この監督もミシャ型で、試合前の練習が全てで試合中はイマイチなのかも(何かを思い出して遠い目・・・)

C001
・浦和のスタメンはは北京戦から中3日にも関わらずナバウト→杉本、マウリシオ→森脇と2名入れ替えただけ。GK西川はともかく、興梠・柏木・長澤・宇賀神・槙野とフィールドプレーヤーを5人もスタメンで使い詰めにするあたりがオリヴェイラ流。

・C大阪もルヴァン杯から中3日ですが、こちらはルヴァン杯で大きくメンバーを入れ替えており、コンディション面ではC大阪がかなり有利でした。C大阪のスタメンをリーグ戦前節広島戦と比較すると奥埜→都倉の入れ替えのみ。ただ都倉が1トップに入ったため柿谷とソウザの位置が一列下がった格好に。

・前述のように、立ち上がりからC大阪がボールを支配。浦和はお疲れのせいか、さほど前からボールを奪いには行かずに自陣高めの位置で5-3-2の守備ブロックを作って防戦する道を選んだ模様。そんな浦和に対してC大阪はボールを支配するものの、ロングスローやCKからチャンスになりかかるくらいでさして決定機は作れず。29分ソウザ縦パス→丸橋カットイン→都倉のショートカウンターが多少惜しかったくらい(シュートは枠外)。

・浦和の攻撃はC大阪以上に悲惨。浦和のボールを奪う位置が低いためもあって、浦和のカウンターは全く成り立ちませんでした。3ボランチがフィルターとしてほとんど機能していないせいかボールを奪う位置がそもそも低く、また身体も頭も疲れているのかボールを奪っても出しどころを逐一指差し確認しながらボールを出している状況(しかもパス精度が劣悪!)という状態だったので、カウンターの成り立ちようがなく、浦和がまごまごしているうちにC大阪はさっさと帰陣。遅攻を強いられると浦和はなおさらビルドアップに苦しんでFWまでボールを運べる気配無し。

・よって前半は両チームとも何事も起こしそうにないシオシオな状態で終了。長居は朝から雨、午後になっても天気は不安定で時折ざっと強い雨が降る中、文字通りのお寒い観戦と相成りました。

008
・しかし後半に入るとゲームに動意が。52分清武の縦パスで後方から駆け上がって来た丸橋が浦和右サイドで裏を取り、丸橋クロス→ファーで柿谷ヘッドの決定機(槙野がクリア)。56分には松田→都倉ポスト&左へ展開→丸橋クロスの良い形。

・そして63分清武の縦パスで都倉に裏を取られた森脇が背後から都倉を倒してイエロー。64分ソウザのFKは角度がなかったものの、それに反応して飛びこんだ都倉が邪魔になったのか、西川も飛び出せずにFKが直接ゴールへ。昨年の埼スタでの対戦でもソウザのFKで敗れており、ソウザは浦和にとって天敵であり続けるのか! そう思わざるを得ない見事なゴールでした。

・その後も浦和右サイドは炎上しつづけ、69分左サイドでソウザためる→後方から清武駆け上がってボックス内突入&クロス→都倉ヘッドの決定機(付いてきた槙野が気になったのがヘッドは枠外)。後半浦和は何度も後方から走りこんでくる選手を捕まえられずに右サイドからフリーでクロスを上げられ続けました。ここまではロティーナ監督の思惑通りだったでしょう。ただ1点しか取れなかったという現実を除いては。

・オリヴェイラ監督は前半から攻守にわたって何かと面倒な存在だったソウザを消すために54分という早い時間帯に長澤に代えて柴戸を投入しましたが、残念ながら柴戸を入れてエヴェルトンをIHに上げたところで中盤の守備が弱いままなのはどうにもならず、右サイドは炎上し続けました。

・何処からどう見ても敗色濃厚、いつ追加点を取られても不思議はない不利な戦局をひっくり返すために、76分にオリヴェイラが放った一手はなんと山中&マルティノスという攻め駒2枚の同時投入。守れそうにないので、どつきあいに活路を見出す!!と言わんばかりの選手交代ですが、これが共に見事に嵌まったのですから、さぞかしオリヴェイラも笑いが止まらないでしょう。

・76分、投入されたばかりの山中FKはかなり距離がありましたが、ライナー状の山中のボールを興梠が木本のマークを外してヘッドで同点。この日柏木のふんわり系のボールは簡単にジンヒョンにキャッチし続けられていただけに、球質が全然違う山中のFKがゴールに直結したのは今後の浦和にとって極めて明るい材料です。

・続いて大仕事をしたのがマルティノス。80分橋岡スローインから杉本がマルティノスへ展開。C大阪はなぜか右サイドがぽっかり空いており、マルティノスは無人の野を駆け上がってスピードに乗り、そのまま対面の片山をぶっちぎってボックス内突入。片山はたまらずボックス内でマルティノスを倒してしまい、山本主審は迷うことなくPKを宣告。実に判りやすい2億円マルティノスの使い方で、山中が持ってきたこれまた2億円の取説に書いてある通り。

・しかも、そのPKを決めたのが杉本。浦和はPKキッカーが予め決まっていないようなので、現地では古巣への惜別を込めて、そして浦和での活路を切り開くべく杉本が率先して蹴りに行ったものだと思ってしましたが、何のことはない実際は興梠から予め「もしPKがあったら蹴っていい」と言われていたそうで。

・ただそうであってもアホほど練習してきたであろう古巣のジンヒョン相手にPKを蹴るのはさぞかしプレッシャーがかかったことでしょう。しかし杉本はジンヒョンの逆を突いてPK成功。興梠ですら浦和加入後の最初のPKは失敗しているのに、杉本は見事難しい状況下でPKを決めてくれました。

・優勢だった戦局をわずか5分強で逆転されたロティーナ監督は85分になってメンデス&高木を一気に投入して布陣を4-4-2に変更。それはともかく、まだ時間がAT含めて10分弱も残っているのになぜかC大阪は放り込み主体のパワープレー紛いに展開。マル&山中というおよそ守れそうにない浦和左サイドを攻めれば良いのに何故?と、傍目にはC大阪の戦術転換が不思議でなりませんでした。

・こういう単調な相手には浦和の守備陣は強い。C大阪のロングボールを守備陣が淡々と弾き返して、マルティノスにカウンターを窺わせる。しかもカウンターに失敗したらマルティノスが前からプレッシャーをかけて相手に簡単には蹴らせないという単純作業の繰り返しで残り時間を凌ぎに凌ぎ、試合終了直前にメンデスのボックス内のシュートがポストを叩いた場面があっただけで試合終了。

004
・浦和は開幕からリーグ戦2勝1敗1分、ACLは1勝1分と共に五分五分以上の成績でいったん中断期間入り。浦和はキャンプを丸々フィジカル強化に費やして実戦練習をやらなかった上に、武藤&青木と昨年の主力であり、かつキーマンを欠いた状態で開幕を迎えたので、序盤は苦戦を強いられるのはオリヴェイラ監督も覚悟していたでしょうから、この結果は期待以上、出来過ぎと捉えているかもしれません。

・ブリーラム戦を除けば試合内容はお粗末極まりなく、リーグ戦は得点わずか3。しかもPK、FK、PKというクソサッカーの見本みたいな恰好。しかし3点しか取っていないのに勝ち点7ですから、クソサッカーもまんざら捨てたものではありません(苦笑)。

・札幌戦でボコボコにやられたのが良い薬になったのか、今の浦和は相当守備に意識行ってる様子。だから攻撃時はどうしても後ろ髪引かれ隊で安全運転、指差し確認だらけ。これではセットプレーとPKでしか点が入らないのは当然でしょう。ゆえにリーグ戦序盤は最悪引き分けの連続でもいいと割りきって、とにかく守備重視でロースコアの試合に持ち込み、あとはセットプレーでわずかに勝機を見出し、引き分けになりそうな試合を辛うじて勝ちに持ってゆく。オリヴェイラ監督の算段はそんな感じなのでしょう。

・メンバーが揃わない、連戦連戦でコンディションが整わない、戦術的な練習時間が取れない等々、難しい状況に置かれて思い描くようなサッカーが出来ない際に「クソサッカー」で勝ち点を拾うのはタイトル奪取には極めて重要なこと。しかし「クソサッカー」の連続で勝ち点を伸ばし続けられるほど甘い世界ではなく、一歩間違えれば「ドロー沼」に陥ってしまいがち。

・オリヴェイラ監督がこの状況を打開するには武藤&青木の復帰、さらにはファブリシオの復帰を待つしかないというのであれば少々寂しい気がします。中断明け後の浦和の変わり身に期待したものです。

C007
---興梠--杉本---
---柏木--長澤---
宇賀神--エヴェル---橋岡
-槙野--岩波--森脇-
-----西川-----
(得点)
76分 興梠
82分 杉本(PK)
(交代)
54分 長澤→柴戸(柴戸がアンカー、エヴェルトンがIHへ)
76分 宇賀神→山中
76分 柏木→マルティノス

・守備に走り回るマルティノス、ボールを追って前線へ飛び出した山中の穴を埋めているマルティノス。こけても痛がらない、無駄に抗議しないマルティノス。どんだけ魔改造されたんや、マルティノス!!

C011
-----都倉-----
--清武----柿谷--
丸橋-ソウザ-デサバト-松田
-木本--ヨニッチ--片山-
-----ジンヒョン----
(得点)
64分 ソウザ
(交代)
80分 デサバト→奥埜(故障による交代)
85分 柿谷→メンデス
85分 松田→高木(4-4-2へシフト)

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2019.03.14

【TV観戦記】ACL2019・GS第2節:北京 0-0 浦和 ~ ボコボコにされても倒れずにアウェーで勝ち点1を奪取

・シュート数20対ゼロ、CK8対1、北京のボール支配率66.4%というスタッツに象徴されるように90分にわたって浦和は一方的に殴られ続け、試合内容は目を覆いたくなるほど惨めなものでしたが、それでも浦和はGS勝ち抜けの上で必須であるアウェーでの勝ち点1を獲得。ボクシングでボコボコに打たれて顔面腫れ上がって、目もほとんど見えてなさそうなのに、それでも倒れずに立っている奴って相手は嫌やろうなあ・・・

・なにぶんACLは短期決戦。「良い試合だったが勝ち点ゼロに終わった」よりは「クソミソにやられたが勝ち点1をもぎ取った」ほうがはるかにマシなことは赤者の誰もが骨身に沁みており、選手&スタッフ、そして北京にまで駆け付けた赤者には最大限の賛辞を捧げたいと思います。

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・浦和は松本戦から中3日かつ長距離遠征付きでしたが、スタメンの入替は柴戸→エヴェルトン、森脇→マウリシオの2名のみ。エヴェルトン&マウリシオは共に内転筋に痛みがあって大事を取ってアウェー松本戦には帯同しなかったので、この入れ替えは予想の範囲内。森脇は一転してベンチ外に。

・浦和のゲームの入りは悪くなく、Jリーグ同様前から最終ラインを押し上げてプレッシャーを掛けに行きましたが、当初様子見に徹していた風の北京攻撃陣が前半半ばを待たずに咆哮。18分槙野がバカンプに倒されて裏抜けを許したのを皮切りに浦和は大ピンチの連続に陥ってしまいました。

・スピードがあるFWバカンプは浦和守備陣もある程度情報があり、対応策も考えていたでしょうが、案外難儀だったのが右SBの38番(ワン・ガン)。これまたスピードがあり、19分槙野が安直にタックルに行って交わされたのを皮切りに完全に浦和左サイドを制圧。スピードで劣る宇賀神は終始きりきり舞いさせられました。いわんや柏木をや。

・また24分自陣でのスローインを奪われてそのままボールを繋がれてボックス内に侵入されてしまった場面を見ると、浦和の3ボランチというかエヴェルトンのアンカーシステムが全く中盤のフィルターとして機能していないのは明らか。これではバカンプに裏を取られるのを嫌って最終ラインを下げて守備ブロックを敷いたところで、ドリブルなりパス回しなりでバイタルエリアを自由に使われてしまうのは当然でしょう。

・ただ浦和にとって幸いだったのは北京のシュート精度が低いこと。20本もシュートを放ちながら枠内はたった4本。バカンプはスピードがあるだけでしぶとく付いてくるDFを交わすだけの能力はなく、慌ててシュートを放つのが関の山。これに95億円ってどんだけ金余ってんねん・・・ さらに酷いのが9番のFW(ジャン・ユーニン)。好機に放つシュートは悉く枠外。スコアレスドローに終わった主犯として三角帽子被らされて市中引き回しじゃないのか、彼は・・・

・さらに浦和にとって幸運だったのは29分ボックス内から放ったビエラのシュートが後方に広げている槙野の手に当たった場面で、主審がハンドを取らなかったこと。先日のアジアカップ基準なら間違いなくPKだと思いますが、ACLはVARがないのが浦和には幸いしました。

・とはいえ、浦和はとにかくボールを奪う位置が低いのでロングカウンターも一苦労。橋岡を高い位置に押し出してそこを基点に攻めようにも、橋岡から前線へのクロス精度が低くてシュートすら撃てず。それどころか50分には橋岡のボールロストからカウンターを浴びてビエラの一発でヒヤリ。

・オリヴェイラ監督は63分になってようやく長澤に代えて柴戸を投入。しかもエヴェルトンをIHに上げる定番の策ではなく、柴戸を2ボランチの一角に据えて5-4-1で専守防衛に徹したのが効いて、ようやく北京の攻勢も鎮静化。前半あれだけ猛威を振るったバカンプもすっかり消えてしまいました。

・しかし浦和はボールを奪ってもアバウトに縦にボールを蹴りだすだけ、しかも前線にボールが収まらないので、相変わらず攻撃は全く成り立たず。しっかりボールを繋いで浦和の時間を作れない、作ろうともしないのが少々残念でした。

・そこでオリヴェイラ監督は72分ナバウト→杉本の勝負手。前線でボールをキープし、他の選手の攻め上がりを待って攻撃を活性化させる算段だったようで、確かにそれらしい場面も見受けられましたが、それでもシュートには持ってゆけず。

・オリヴェイラ監督はとうとう勝ち点3を完全に諦め、81分柏木→阿部で判りやすい引き分け狙いに転じましたが、その意図を杉本だけが判っていなかった風だったのが甚だ残念。カウンターの好機でボールが自分のところまで来なかったことを嘆いて天を仰いでいる場合じゃないだろう、切り替て前から追えよ!! 

・杉本投入で前からの守備が緩くなったのが遠因となったのか、ATにはボックス内に侵入したビエラのシュートがポストを直撃。その直後ショートコーナーからのビエラ→バカンプのゴールかと思われた場面はバカンプがわずかにオフサイドという判定で救われて、ほうほうの体ながらもなんとかスコアレスドローで試合を終えることができました。

・MOM&青島ビール賞が西川になったのは当然でしょう。中国での試合なのでフォトショットには青島ねーちゃん達も付いてきてニッコリ。枠内シュートが少ないので西川のビッグセーブ連発で凌ぎに凌いだというわけではなく、ポジション取りで相手のシュートコースを限定し、セットプレーでは無難なセーブ&無難なパンチングの連続という地味ながらも重要な仕事の積み重ねで無失点で凌いだといった感じでした。リーグ戦では飛び出しの判断に疑問符がつく場面が散見されましたが、この日の出来はパーフェクトでした。

---興梠--ナバウト---
---柏木--長澤---
宇賀神--エヴェル---橋岡
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(交代)
63分 長澤→柴戸(柴戸が2ボランチの一角に入り、5-4-1へシフト。最初は興梠、続いてナバウトが1トップに)
72分 ナバウト→杉本
81分 柏木→阿部

・72分杉本投入時に、実況はなぜか杉本&汰木の2枚投入と連呼。しかし、どうもピッチサイドに水を飲みに来た橋岡と汰木を取り違えただったようで、またしてもエア汰木。松本戦といい、北京戦といい、守るのに精一杯の展開で守備に難がある汰木を入れるわけがないということになぜ実況は気づかないのか・・・しかも杉本と同時投入って、そんなんやるのは攻めだるまのミシャぐらいだろうに・・・

・この試合での消耗は酷く、特に連戦を強いられた興梠・柏木・宇賀神はさすがに中3日で迎えるC大阪戦での起用は難しいのではないかと。従って杉本が古巣相手にスタメン起用される可能性は高いと思いますが、この日の出来ではなんでナバウトにポジションを奪回されたのか杉本は全然判っていないような気がしてなりませんでした。

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2019.03.10

【DAZN観戦記】19年第3節:松本 0-1 浦和 ~ 内容は二の次で勝ち点をもぎ取りにゆくオリヴェイラの面目躍如

・アルウィンはガチガチに固めているはずの槙野の髪が乱れてしまうほどのとんでもない強風。おまけにピッチ状態も良くなかった模様。おまけに浦和はACLブリーラム戦から中2日という厳しいコンディションでの試合だったためか試合内容はシオシオ(シュート数はなんと松本6・浦和4!)。松本との試合はいつも「サッカーをやった気がしない」感じになりがちですが、この試合もご多分に漏れず。

・だがそんな状況下では「自分たちのサッカー」(今の浦和にそんなものがあるのかどうかはさておき)に一切拘らず、現実的に勝ち点をもぎ取りに行くのがオリヴェイラ監督の真骨頂。また試合後のインタビューを見ると「内容は二の次で、結果に拘る」という想いは監督だけでなく選手にもしっかり共有されていたようです。

・そして両チームとも決定機をほとんど掴めないまま時間が徒過し、勝ち点1という最低限の結果で甘受せざるを得ない気配が漂いまくる試合でしたが、PK一つをもぎ取ってそのまま逃げ切り勝ち。同時にこれが今季待望のリーグ戦初勝利となりました。長いリーグ戦ゆえ序盤の勝ち負けであまり一喜一憂しても仕方がありませんが、一つも勝てないまま推移するというのはやはり気持ち悪いもの。どんな内容であれ、一つ勝って肩の荷を下ろしたのは率直に喜んで然るべきでしょう。

S11001

・浦和はブリーラム戦から中2日にも関わらず、スタメンはマウリシオ→岩波、エヴェルトン→柴戸と2名入れ替えたのみ。しかもマウリシオもエヴェルトンもベンチにも入りませんでしたが、この入れ替えは中3日で続く北京国安を睨んでの単なるローテーションではなく、共に内転筋のところに痛みを感じていたことが試合後判明。また阿部がベンチに復帰したものの、武藤は依然ベンチ入りできず。

・松本のスタメンは前2節と同じ。こちらもルヴァン杯から中2日ですが、ルヴァン杯ではスタメンを総入れ替えしているので、コンディション面では大差がありました。

・コイントスに勝った浦和は強風を考慮してか風上を選択し、当然ながらシンプルに縦パスで松本最終ラインの裏を狙う攻めが目立ちました。しかし縦に急ぎ過ぎて精度を欠き、縦パスはことごとく流れてしまい、誰にも合わず。

・また松本のプレッシャー(特に前3人&ボランチ藤田)が予想以上にきついせいか、浦和はボール回しに四苦八苦。ピッチコンディションにも苦しめられたようで、浦和はパスミスだらけでボール保持すらままならず。23分に前田&永井の猛プレスを受けて槙野どころか西川さえもボールコントロールできずにCKを取られた場面がその最たるもの。

・前半唯一の決定機は9分のナバウト。興梠のプレッシャーがGK守田のミスを誘い、ボールを拾ったナバウトが単騎ボックス内に突入しましたが、角度がなくてシュートは守田が楽々ブロック。

・浦和があまりにも簡単にボールを失う場面が多いせいか、前半は松本がボールを奪って縦に早い攻めを仕掛ける場面が目立ちました。浦和は槙野がスピードがある前田をなんとか封じているためもあってか流れの中からはやられる気配はありませんでしたが、34分岩上CK→ファーのエドゥアルドに対する岩波のマークが外れていてヒヤリ(折り返した先にいたパウリーニョに繋がる寸前に興梠がクリア!)

006

・風下に回った浦和は前半よりはしっかりボールを繋げるようになり、多少精度をもって裏狙い攻撃を仕掛けられるようになったものの、依然として決定機を掴むどころかシュートすら撃てず、相変わらず松本のカウンターを浴びがちに。しかし松本もなんだかんだと強風に苦しめられて流れの中からは決定機を作れず、得点はCKやロングスロー頼み。

・ところがオリヴェイラ監督は松本のセットプレーをかなり研究していたのか、後半は松本の必殺技を完全に封殺。60分に松本のCKを興梠が立て続けにクリアしている辺りが研究の成果の表れなのかも。

・試合が動いたのは70分過ぎ。藤田からの興梠のボール奪取に始まった浦和のショートカウンターで敵陣深くに侵入した長澤のクロスが橋内のエリア内ハンドを誘発して見事PKゲット。西村主審も目を瞑りようがない明らかなハンドですが、序盤からラフプレーを連発していた橋内に対する当然の報いなのかも(笑)

・そして興梠がPKを落ち着いて決めて浦和先制。ブリーラム戦では決定機を外しに外してドツボ状態の興梠ゆえ、PKすら外してしまうのではないかとヒヤヒヤしましたが、見事にGKの動きを読み切り&シュートコースも完璧で一安心。なんでもGK守田とは何度かPKで対峙していて、2016年ホーム新潟戦ではPKを外していたそうで。

・反町監督は失点直後にどういうわけか永井&前田に代えて高崎&町田を投入して反撃を試みましたが、ボールを持たされる羽目になるとどうにもいけません。高崎にロングボールを入れたところで強風の影響もあってかボールは著しく精度を欠き、またCBを背負った高崎は何もできず。おまけにセカンドボールすら浦和に拾われ続けて反撃らしい反撃もできないまま試合終了。

・永井も前田も攻守に精力的に走り回るせいか、肝心なところで力が残っておらずボールコントロールに失敗し続けているようにも見受けられましたが、それでも厄介な存在だったのは確か。やや消え気味だったとはいえ面倒だった両選手を下げて、何の役にも立たない選手に代えてくれたのは浦和にとってラッキーでした。

004

---興梠--ナバウト---
---柏木--長澤---
宇賀神--柴戸---橋岡
-槙野--岩波--森脇-
-----西川-----

(得点)
72分 興梠

(交代)
82分 長澤→阿部(阿部がアンカー、柴戸がIHへ)
85分 森脇→鈴木
89分 柏木→マルティノス

・マウリシオに代わって3バック中央に入ったのはブリーラム戦でベンチ外だった岩波。橋岡もそうですが、昨年のレギュラー格だった選手が今の浦和でベンチからも外されるというのは選手にとって結構ショックであり、反省を促すきっかけになっている模様。オリヴェイラ監督はあまりスタメンを弄らないタイプであることが選手も判っているためでしょうが、この試合はやややられ気味だった右サイドのカバーに奮戦し、最近ミスが目立つマウリシオを十分脅かしうることを見事実証しました。

・この試合最大の収穫は柴戸が90分出場したこと。昨年最終節でのフル出場はほぼ消化試合という気楽な立場だったので、この試合が事実上真剣勝負で初のフル出場。松本の強烈なプレッシャーに怯むことなくボールを回し、最終ラインからのビルドアップを助け、一転して相手にもプレッシャーをかけ続け、最後はIHに転じてガンガン走り回りました。今日の環境下でパス出しまで求めるのは酷でしょう。この日の出来をもって青木不在時のアンカー代役としてエヴェルトンを凌げるかどうか。

・今日もナバウトはゴールがないだけで、中2日にも関わらず前線で大激走でした。特に先制後は相手にロングボールを簡単に蹴らせないよう、ナバウトの激走が効いていました。杉本はこれをやらないとなかなか出番が回って来ないかもしれません。今のオリヴェイラ監督はリーグ戦ではひとまず「負けないサッカー」で勝ち点を稼ぐ腹づもりっぽいですし・・・

・浦和ってPKキッカーをはっきりと決めていないんですなぁ・・・ まぁ柏木不在時のプレースキッカーを決めないものだから、試合中に選手がマゴマゴ、オロオロしていたミシャとは理由が違うのでしょうけど(苦笑)

・82分の阿部投入の直前、ピッチリポーター(?)が「汰木が呼ばれました」と発言したものの、カメラが捉えた交代選手の姿はどう見ても阿部。そして案の定投入されたのは阿部でしたが、西岡アナも水沼解説もしばらくそれに気づかないというのはいくらなんでも酷すぎないか?? 辛うじて先制したに過ぎない試合で長澤に代わって守備に難がある汰木が入るわけがないだろう、そもそも・・・ 衝撃のデビュー戦で二人ともすっかりユルキストになってしまったのか???

002

-----永井-----
--セルジーニョ--前田---
高橋-パウリーニョ-藤田-岩上
-エドゥアルド-橋内-服部-
-----守田-----

(交代)
75分 永井→高崎
75分 前田→町田
85分 藤田→安東

※写真は試合とは一切関係がありません

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2019.03.07

【観戦記】ACL2019・GS第1節:浦和 3-0 ブリーラム ~ ドン底札幌戦から明らかに内容は前進して今季初勝利

・悪い意味で浦和史上に残りかねないクソまみれの大失態を演じた札幌戦からわずか中3日。その後さらに中2日でアウェー松本戦が控えているためオリヴェイラ監督もさぞかしスタメン構成に悩んだことでしょう。そしてその結果は札幌戦から杉本→ナバウト、岩波→森脇、山中→橋岡と3人入れ替え。札幌戦で前半だけでお役御免になった杉本がスタメン落ちし、また札幌戦はベンチにも入らなかった橋岡がここでスタメン入りするのは予想通りでしたが、森脇をいきなりスタメン起用したのには心底驚きました。

・入れ替えがたった3人だけだったので、オリヴェイラ監督は中2日で迎えるアウェー松本戦でのスタメン構成にも頭を悩ませることでしょうが、リーグ戦は目先多少勝ち点を落とそうともまだまだ挽回が効くのに対し、ACLグループステージはたった6試合の短期決戦。初戦かつホームゲームで、このグループ最弱と目されるブリーラムから勝ち点を取りこぼすといきなり勝ち抜けが怪しくなります。よってオリヴェイラ監督はこの1戦を重視して現在のベストメンバーに近いスタメンを組んだのでしょう。

・そしてその結果は大当たり。自陣深くに5-3-2の守備ブロックを敷くブリーラムを攻め倦んだ前半の出来に不満な向きも少なくないようですが、個人的にはこれでも十分満足。同じように自陣で守備を固めた仙台には決定機どころかシュートさえほとんど撃てないまま試合を終えましたし、札幌戦に至ってはあの大惨事。この2戦ですっかり目線が下がり、期待値が著しく下がってしまったせいか、個人的には前半の出来ですらさほど悪いとは思えませんでした。明らかに前2戦より内容は前進している。今はそれだけで十分だと思いました。

・後半はいきなり「伝家の宝刀(?)」セットプレーで先制。その直後にプリーラムのセットプレーでヒヤリとしたり、ペドロ・ジュニオールの裏抜けを許したりとドタバタする場面がありましたが、それを凌いだ後は一方的な浦和ペース。攻撃面での寄与にとかく難癖をつけられがちな橋岡が2得点を挙げる「椿事」もあって、結果はケチのつけようがない大勝。浦和は今季ようやく初勝利を挙げ、監督・スタッフ・選手共ちょっと肩の荷が下りたかもしれません。

Img_6099

・先述のように、この試合では右サイドに森脇&橋岡とリーグ戦では出番が無かった選手を並べましたが、これがオリヴェイラ監督がプリーラム戦用に温めていた秘策だったようです。左は宇賀神&槙野と長年組みなれたコンビに戻したことと相まって、この2試合非常に少なかったサイドチェンジでピッチを広く使う攻撃、CB&WBの連携によるサイド攻撃、あるいは槙野からの縦パスで宇賀神が裏抜けを狙う攻撃というものが前半から見られました。個人的にはこれだけでも大満足。

・相対的には右サイドからの手数が多め。必然的に高い位置を取りがち&スピードがない森脇の裏はブリーラムに露骨に狙われており、実際スピ森脇が対応に苦慮する場面も見受けられましたが、浦和は攻→守の切り替えが早くて前半はプリーラムにシュートを撃たせず。唯一24分柏木→森脇へのパスをカットされて19番(スパチョック)に森脇の裏を突かれるピンチがありましたが、槙野が駆け戻って無事消火。

・とはいえ、浦和の決定機も僅少。9分柏木クロス→ナバウトと、23分森脇縦パス→興梠反転シュートに可能性があったくらい。プリーラムが早々と5-3-2でリトリート主体に守備を固める道を選択したので、浦和は札幌戦のようにビルドアップに苦しむことはなく、前半は80%近くボールを支配しましたが、プリーラムの守備ブロックはなんら揺らぐことなく前半終了。浦和はサイド奥深くにボールを運べてもその後は足元から足元へ繋ぐだけで、後は中央へ折り返してミドルシュートを狙うのが関の山。

Img_6096

・ところが後半に入ってゲームは一気に動きます。47分11番(コラコット)のFKがポストを叩いてヒヤリとさせられましたが、その直後の50分柏木CK→槙野ヘッドでついに浦和先制。槙野にはもともと19番(スパチョック)がマークに付いていたはずですが、槙野がどうやってマークを振り切ってどフリーになったのか、リプレイ画面では肝心なところが映っていませんでしたが(苦笑)、オリヴェイラ監督がキャンプで仕込みに仕込んでいたはずのセットプレーがようやく結実。

・これでブリーラムが前に出てこざるを得なくなったことで戦局は一時流動化。52分ブリーラムのCKでブリーラムの選手が大勢ゴールライン付近に張り付くという奇怪な戦術を披露し、その流れからのクロスをあろうことか西川が被ってしまう失態も手伝って5番(アンドレス)のヘッドがバーを直撃。さらに54分ガタガタの最終ラインゆえスルーパス一発でペドロ・ジュニオールの裏抜けを許してしまう一幕もありましたが、ここは西川の好守に救われました。

・酷くオープンな展開になってしまったこの時間帯は反省が必要でしょうが、前に出てこざるを得なくなったブリーラムの布陣がすっかりスカスカになったために浦和のカウンターがより有効に。57分柏木縦パスで興梠が裏抜け&独走しながらもシュートを撃てず、66分右サイドから長澤クロス→興梠ヘッドはGKの好守に阻まれ、そのこぼれ玉を撃つもまさかの枠外と好機を逃しに逃しながらも浦和は左右から可能性の感じられるクロスがバンバン入り始めて追加点の予兆は十二分に充満していたと思います。

・そして75分橋岡が待望の追加点をゲット。エヴェルトンの縦パスをカットされたこぼれ玉をバイタルエリアから長澤がどフリーで強襲。GKが弾いたところをボックス内にいた橋岡が詰めたものでした。橋岡がボックス内にいたのが不思議でしたが、森脇が右サイド高い位置にいる代わりに橋岡が中へ入ってエヴェルトンの縦パスを受けようとしてた結果みたいで。

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・追加点が入ってちょっと肩の荷が下りたオリヴェイラ監督は77分札幌戦で有効性が実証済みの柴戸アンカー、エヴェルトンIHの布陣に移行。さらに88分汰木を2トップの一角に投入。オリヴェイラ監督は割と気楽な状況で汰木に浦和で、かつACLでの初舞台を踏ませ、経験を積ませるくらいの意図だったと思いますが、その汰木が監督も予期しなかったであろう衝撃的なデビュー戦を飾りました。

・汰木に対峙した相手が汰木に何の情報もなかったせいもあろうかと思いますが、汰木はいきなり左サイドをドリブルでヌルヌルとしたスタイルで駆け抜け、対面の相手を楽々交わしてクロス。ファーに橋岡が飛び込んで浦和は決定的な3点目を挙げました。

・汰木のドリブル自体は個人的には山形で何度か見ていたので驚きはありませんが、浦和デビュー&ACLデビュー戦でいきなりぶちかます辺りはただものではありません。最初のチャンスをいきなり掴む。前目の選手に絶対に必要な運みたいなもんを汰木は持っていました。いやはやこれには恐れ入りました。イケメンなので浦和でコンスタントに活躍すればおいおい写真集が出ることでしょう!!

・またこの得点は汰木以上に、汰木からクロスが来ると信じてファーサイドに詰めた橋岡を褒めるべきかもしれません。MOMが2得点の橋岡に決まったのは当然。19歳でまだ酒が飲めない橋岡に青島ビール(苦笑)

・先制されたブリーラムは途中で大柄なFW25番(マイガ)を入れてきましたが、特にボールの収まりが良い訳でなさそうで、槙野もマウリシオも楽々対応。浦和は54分の大ピンチのようにフリーでペドロ・ジュニオールへの縦パスを許さなければ良いので、前線でのナバウトの献身的なチェーシングも効いて、終盤は相手に何もさせず。

・終わってみればACL初戦はブリーラムにアウェーゴールを許さない大勝。ACLは総得失点差はあまり重要ではありませんが、勝ち点差が並んだ際には直接対戦の結果が重要になるので、ブリーラムに直接対戦の結果をひっくり返される可能性が非常に低くなったことは十分に評価できる結果だと思います。

・相手の状態がどうであれ、公式戦で一つ勝って自信を取り戻すのは非常に重要。中2日でのアウェーゲーム、しかもまたまた自陣で守備を固めてくるであろう相手と厳しい闘いが続きますが、札幌戦で地に堕ちた浦和がこの勝利で何かを取り戻したようなような気がします。ようやくエンジンがかかって来た浦和の逆襲に大いに期待しましょう!!

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---興梠--ナバウト---
---柏木--長澤---
宇賀神--エヴェル---橋岡
-槙野--マウリシオ--森脇-
-----西川-----

(得点)
50分 槙野 智章
75分 橋岡 大樹
88分 橋岡 大樹

(交代)
77分 長澤→柴戸(柴戸がアンカー、エヴェルトンがIHへ)
84分 興梠→汰木
90+3分 森脇→鈴木

・札幌戦でベンチ外だった阿部がこの試合でもベンチ外だったのは予想外。青木不在の中で阿部まで故障だとすれば一大事ですが、松本戦に向けて温存したと信じたいところ。武藤も依然ベンチ外。岩波が完全休養。

・WBは宇賀神左、橋岡右が依然ベターなことが実証されてしまったような試合で、山中が一気に辛い立場に。WBとCBの縦関係のコンビネーションプレーなんてこの2試合全然出来なかったからなぁ。また高い位置にいるWBへの大きな展開も急に増えました。そして何よりハイボールに競り勝てる橋岡は実に頼もしい。

・興梠はインフルエンザ等で事実上地獄の沖縄キャンプを回避したようなものですし、さらにローストチキン屋の開店準備に忙しくて(笑)コンディションがイマイチなのかも。今日も信じがたい外しっぷりでした。

・西川の飛び出しの判断がなんかえらく不安定のような・・・

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2019.03.03

【観戦記】19年第2節:浦和 0-2 札幌 ~ 準備不足で昔の自分にボコボコにされるの巻

・いやぁ、ぐうの音も出ない完敗。もうちょっと点差がついてもおかしくないくらい、浦和はボコボコにやられ続けました。特に前半。プレスが全く嵌まらずに自由にパスを繋がれてしまう。特に札幌の素早いダイレクトパスの連続に浦和守備陣は全くついてゆけずに後手に回りに回ってしまうのには参りました。まるでかつての自分に翻弄されているかのように。

・オリヴェイラ監督が一年に及ぶ長丁場を見据えてキャンプを体力づくりに費やす一方、ミシャはキャンプでは練習試合を数多くこなして戦術仕込みに精力を傾けるタイプ。トレーニングの重点があまりにも対照的で、競馬で言えば早熟馬と超晩成馬の対戦みたいなようなもの。オリヴェイラ監督のアプローチでは基本的に早仕上げのミシャには苦戦するだろうなと思っていましたが、ふたを開けてみれば両者の成熟度が違い過ぎて話になりませんでした。仙台戦は相手も成熟度が低かったので、クソつまらない凡戦で済みましたが、札幌は今の浦和には荷が重すぎました。

007

・浦和のスタメンは仙台戦と全く同じ。一方、札幌は湘南戦からジェイ→鈴木、早坂→L・フェルナンデスと2枚入れ替え。連戦でもないのにジェイをスタメンから外したのには驚きましたが、鈴木のスタメン起用は大当たり。しかもそれ以上に当たったのは布陣の微調整=チャナティップをトップ下、A・ロペスを前に出して鈴木と2トップ気味に据えたことでした。

・湘南戦では札幌の攻撃は左サイド、特に福森からジェイ目掛けてのクロス攻撃に偏重しがちで、オリヴェイラ監督もその対策は考えていたでしょうが、この日の札幌の攻撃は札幌風に魔改造された「ミシャ改」ではなく、浦和時代に先祖返りしたかのような地上戦主体の「ミシャ初号機」でした。

・これを浦和は全く予期していなかったようで、試合開始早々菅→A・ロペス→鈴木のパス交換で岩波が鈴木に簡単に裏を取られていきなり失点。これが「プレスが全く嵌まらず、自由にパスを回され続ける」という前半の惨状の序曲でした。

・また埼スタで浦和をボコボコにして超ご機嫌なミシャが饒舌に語るように、チャナティップをエヴェルトンにつけ、浦和最終ラインのビルドアップもFW2人で牽制ずることで、浦和のビルドアップは見事に窒息死。浦和のボールは結局サイドに追いやられて簡単に刈り取られ続けました。オリヴェイラ監督も「今日のゲームでは、立ち上がりはエヴェルトンにいろいろなものがのしかかるような試合になってしまったように見えました。」と布陣の微調整効果が絶大だったと認めるところ。

・マウリシオの縦パスをカットされたところから食らった27分のチャナティップ→鈴木のカウンターは、そもそも浦和のビルドアップが酷く窮屈になっているところから生じたもので、ある程度必然的だったと言って差し支えないのかも。

・浦和は浦和で無策というか傷口を自ら広げたようなもの。前節杉本がズルズル中盤に下がってきてビルドアップを助けるものの、肝心な時に前にいないのでフィニッシュに絡めなかったことを反省してか、この日は杉本が興梠と共に常に前残り気味。しかし、浦和のビルドアップが壊滅しているのでFWまで全然ボールが行かず、2人とも最前線に取り残されるありさまでした。

・オリヴェイラ監督は「相手のプレーを前の選手がどんどん制限して止めていかないといけないと思います。しかし、本日の試合ではチームがコンパクトにならず、前線の選手がやるべきことが実行できていない」と怒りを露わにしていて、哀れにも杉本は前半でお役御免。FW2人の前残りは監督の本意でなかったようですが、前半のうちに修正しようともしなかったのは少々不可解で、杉本だけやり玉に挙げられてもなぁという気も少々。

・とはいえ、前目の守備はないも同然 & スピードのある鈴木を嫌ってか最終ラインは上げるに上げられずに布陣が間延びして中盤はスカスカとなっては札幌にいいようにパスを回されてしまうのは道理。39分には右サイドからカットインしてきたL・フェルナンデス→A・ロペス→L・フェルナンデス→鈴木といとも簡単にダイレクトパスの連続で崩され(なぜか鈴木は無人のゴールに流し込めずにシュートはバーの上)、52分にはA・ロペス→チャナティップ→荒野→A・ロペスと見事な中央突破を許す始末(シュートは枠外)。

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・浦和の反撃体勢が整ったのは60分柴戸を投入してアンカーに据え、エヴェルトンをIHに上げてから。後半杉本に代わって投入されたナバウトが例によって空回り気味ながらも必死に前線から追いかけまわしてくれるのも多少奏功し、かつ札幌の運動量が落ちたことも手伝ってようやく試合は五分五分に。

・前半札幌守備陣に縦への突破が消されるどころかボールの奪いどころになっていた感すらあった山中が柴戸投入後左サイドから裏抜け&クロスという持ち味を出し始めて、61分柴戸→山中クロス→興梠というこの日一番の決定機を演出。これがこの試合の数少ない「良かった探し」。また76分には宇賀神クロス→ナバウトどフリーで飛び出すも撃ち切れずという場面も。

・札幌の運動量が終盤落ちるのは湘南戦でも垣間見られ、終盤に2失点を喫する一因になっていたので、試合が終盤までもつれていれば不出来な浦和にもワンチャンスあったかもしれませんが、残念ながら前半の2失点で事実上試合終了。今の浦和には2点も取る力はありませんでした。ATどころか80分過ぎには帰路に向かう方も少なくなく、それも道理と思える試合内容でした。

・監督がスロースタートを自認している以上、シーズン序盤は引き分けの連続でも仕方ないと思っていましたが、2戦目にしてまさかの惨敗。しかも「点が入る気はしないが、守備はそれなりに機能している」状態での負けならともかく、守備網をズタズタにされての敗戦はさすがに堪えました。現状前から行くのか、後ろに守備ブロックを作って耐え忍ぶのかすらはっきりせず、武藤&青木の不在を嘆く以前の問題のような気も。

・超晩成馬ゆえのんびり構えているうちに、3歳になっても一勝もできずにコンビーフ行きというのもあるからなぁ・・・ リーグ戦と違って短期決戦のACL初戦を中3日後に控えて不安が募る残念な試合でした。

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---興梠--杉本---
---柏木--長澤---
山中---エヴェル--宇賀神
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(交代)
HT 杉本→ナバウト
60分 長澤→柴戸(柴戸がアンカー、エヴェルトンがIHへ)
79分 柏木→マルティノス

・中3日後にACL初戦があることを考慮してか、阿部と橋岡はベンチにも入らず、代わって森脇&汰木がベンチ入り。故障が癒えてベンチ入りの可能性さえ報じられた武藤がベンチ入りしなかったのもACLを睨んでのことでしょう。

・開幕から宇賀神が右WBに転用されていますが、現状攻撃面でたいして役に立たない点では橋岡と大差なく、むしろ西川のゴールキックのターゲットがいなくなってしょっちゅう相手ボールになりがちという意味で、橋岡不在が響いているような気も。

・ナバウトはいつも空回り気味とはいえ、とにかく一生懸命やっているのがよく判る。それだけに早く結果が欲しいもの。

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---鈴木--ロペス---
----チャナティップ----
菅--深井--荒野-ルーカス
-福森--宮澤--進藤-
-----クソンユン-----

(得点)
2分  鈴木
27分 鈴木

(交代)
81分 L・フェルナンデス→早坂
81分 A・ロペス→ジェイ
90+4分 菅→石川

・開幕戦では全く良いところがなかったA・ロペスを浦和守備陣は甘く見過ぎたかなぁ・・・ チャナティップが怖いのは予期していたでしょうけど。それにしても鈴木共々ミシャ式に馴染むのが早いこと!

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2019.02.24

【観戦記】19年第1節:仙台 0-0 浦和 ~ 寒風が一層身に沁みたお寒い試合(双方とも)

・今年の開幕戦は仙台でのアウェーゲーム。一時は雪の可能性すら報じられましたが、日を追うごとに天気予報は好転して、試合当日は見事に晴れ。ただ気温が低くて風が冷たい上にメインスタンドはずっと日陰。おまけに双方ほとんど点が入る感じがせず、双方を通じて決定機らしい決定機は57分関口クロス→長沢ヘッドの一回こっきり。両監督ともスコアレスドローで満足しているかのような、興行的には実にお寒い試合でした。

・浦和のスタメンは試合前日にオリヴェイラ監督が公言した通り、ゼロックス杯のスタメンから橋岡に代えて山中を起用し、山中左WB、宇賀神右WBという布陣。一方仙台はオフに主力選手が大量流出し、おまけに試合直前に椎橋が故障したため、天皇杯決勝から引き続きスタメン起用されているメンバーは石原・大岩・平岡・シュミットの4人しかいないという惨状でした。

・浦和の出来はゼロックス杯よりはかなりマシでしたが、依然として攻撃時のコンビネーションに難があり、とうとう最後までGKシュミットを脅かすようなシュートは撃てず。一方仙台は選手の大幅な入れ替えが祟ってか、こちらも単調な攻撃に終始し、決定機らしい決定機は先述の1回と、せいぜい27分蜂須賀クロス→長沢ヘッド(わずかに枠外)くらいで、浦和よりは若干マシとはいえこちらもたいして攻め手なし。

・最近の仙台戦といえば、「仙台が支配しているがただそれだけで決定機は作れない」という試合展開になりがちでしたが、この試合はその真逆。浦和がボールを支配しているがただそれだけという展開になってしまいました。DAZNのスタッツだと浦和のボール試合率は62%。しかしシュートはたった6本。枠内シュートは13分エヴェルトンクロス→興梠力なくヘッドだけかな?

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・仙台は大幅にメンバーが代わった影響で難しいことができないのか、単に浦和の前からの圧力を交わしきれないためか、いつもとは芸風が変わって長沢やハモンロペスを目掛けてのロングボールがかなり多いように見受けられました(特に前半)。しかし、そこはマウリシオや槙野が難なく対応して相手のボールコントロールを許さず。仙台があまりにも簡単にボールを失うため、自然に浦和がボールを支配する展開になったと言ってもいいでしょう。

・ところが仙台の攻守の切り替えは実に速く、浦和は常に仙台の守備ブロックが整った状態での攻めを余儀なくされました。仙台は5-4-1というよりは5-2-3に近いような形で浦和3バックに圧力をかけるような高めの位置に守備ブロックを敷いていましたが、浦和はとうとう最後まで仙台の守備に穴を開けられずじまい。ゼロックス杯よりはマシとはいえ攻撃面での連携不足は著しく、緩急をつけられず同じようなテンポで相手の守備ブロックの前でぐるぐるボールを回すだけで試合を終えてしまいました。

・試合を通じて気になったのはサイドチェンジがほとんどないこと。岩波やマウリシオから直接高い位置にいるWBへボールを振る場面もなければ、右サイドに相手選手を集めて置いてから一気に左サイドへ振って山中に一対一を作られるような場面もなし。相手の守備ブロックを揺さぶるような仕掛けがあまり見受けられませんでした。

・興梠はガチガチにマークされているので、それを逆手にとって杉本がゴールに向かえばいいものを、杉本は良く言えばチームプレーに徹して頻繁に中盤に下がってボールを受け、守備にも奔走して90分を終えた印象が強く残りました。悪く言えば「全く怖くないFW」の典型。山中がクロスを上げてもその先に杉本はいない。杉本自身まだ遠慮があるのかもしれませんが、チーム内で杉本の活かし方を会得しきれないまま武藤復帰を迎えそうな気が。

・柏木も厳しいマークに遭って容易に前を向かせてもらえないので、代わって前に出る機会が多くなったのがエヴェルトン。59分のカウンターのチャンスで山中からの折り返しをボックス内で受ける好機がありましたが、シュートはバーの上。やはり高めの位置にいてナンボ、IHが本職と感じさせるプレーが随所に見られた反面、アンカーの位置で大きくボールを捌くようなプレーは見られず。また長沢の執拗なプレスバック(往々にしてただのラフプレーですが)に苦しめられる場面も。

・山中も杉本同様、使い方がよくわからないまま90分を終えた感じ。ボールが欲しいタイミングでボールが出てこない、クロスを上げた先には飛び込む枚数が少ない。前半終了間際の山中クロスなんて、山中にボールを出しているのが中盤に下がっている杉本だという惨状。しかも後半はほとんど消えてしまいました。

・橋岡に代わって右WBに回った宇賀神も良いところなし。山中と違ってもともと一対一で何かするタイプではないので致し方ありませんが、周囲との連携に難がある状態では全く活きませんでした。昨年秋に橋岡が完勝した関口に宇賀神は終始苦戦し、57分には関口の切り返しを食らって高精度のクロスを許す始末。うーん、これでは橋岡にスタメンを奪回されても仕方ないかも。

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・ボールは支配するもののこれといった決定機を作れないまま時間が徒過する中でオリヴェイラ監督が73分に放った一手はなんと長澤→マルティノス!! ゼロックス杯でオリヴェイラ監督はIHマルティノスに何がしか手応えを得たのでしょう。残念ながら長澤との交代ゆえマルティノスは右サイドに寄り勝ちで盟友山中との連携プレーは多くはなく、即効性はありませんでしたが、カウンターを食らいそうになった場面でマルティノスがいち早く自陣に駆け戻ってクリアする「改心劇」があり、今年のマルティノスは何かやってくれそうな気配ムンムンです。

・なにぶんシーズン序盤は連携不足で流れの中で点が入る気がしないのはオリヴェイラ監督も半ば容認していたでしょうから、セットプレー一発での局面打開を期待しましたが、これも完全に不発。GKシュミットは飛び出し判断に難があって珍プレー連発系のはずですが、そんなGKに楽々キャッチホンだらけというのにはがっかり。81分柏木FKからの流れで仙台のクリアボールをボックス内で興梠がフリーで拾う場面がありましたが、シュートはバーの上。

・浦和の攻撃に見るべきものはありませんでしたが、仙台も似たり寄ったり。ボールを保持しながらサイド高い位置からのクロスという昨年までの得意な形はほとんどできず、単調なロングボール攻撃に頼る場面が目立ちました。攻撃面が低調だった浦和も守備はほぼ破綻なく、易々とカウンターを食らう場面はほとんどありませんでした。唯一57分の場面だけは長沢をフリーにしてしまいましたが。

・また唯一得点の可能性があった長沢をなぜか78分に下げてしまう渡邉監督の迷采配。ジャーメインがJ1レベルにないのは天皇杯決勝で実証済みなのに。ハモンロペスはやたらミドルシュートを放っていましたが、いずれも枠外。それ以前にお疲れ気味のベテラン兵藤に代わって入るのがさらに高齢の梁だというのもなんだかなぁ・・・

・仙台は悪く言えば攻撃を犠牲にして守備を固めたような感じでしたが、それでも大幅にメンバーが入れ替わったにも関わらず守備だけはなんとか形に仕上げてきた渡邉監督の手腕は侮れません。ただ試合開始早々岩波を削るなど、伝統的にラフプレーが多いのはなんとかなりませんかねぇ・・・

・オリヴェイラ監督自身、一年間トータルでの闘いであることを重視してあえてスロースタートで入ったことを半ば公言している以上、リーグ開幕戦&アウェーゲームは勝ち点1でもなんら構わないと達観していると思います。川崎に比べて仙台の実力が格段に落ちる点は割り引く必要がありますが、この試合はゼロックス杯よりは出来が良かったのも確かで、この前進を次節ホーム開幕戦で勝ち点3に繋げてほしいものです。

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---興梠--杉本---
---柏木--長澤---
山中--エヴェル---宇賀神
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(交代)
73分 長澤→マルティノス
83分 興梠→ナバウト

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-----長沢-----
--石原---ハモンロペス--
関口-兵藤-富田-蜂須賀
-永戸--大岩--平岡-
-----シュミット-----

(交代)
65分 兵藤→梁
78分 長沢→ジャーメイン

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2019.02.17

【観戦記】XEROX杯:川崎 1-0 浦和 ~ 仕上がり状態の差が如実に出たスコア以上の完敗

・シュート数12対1というスタッツが示す通り、スコア以上に試合内容に大差がありました。浦和はまさに手も足も出なかった完敗。53000人弱もの大入りとなったこともあって、AT突入を待たずに家路につく観客が目立ちましたが、それもやむを得ないと思えるほど先制された浦和が同点に追いつく可能性は微塵も感じられませんでした。

・ただ試合内容に大差があったのは単純に両者の実力差ではなく、そもそも両者にこの試合の位置づけ、さらにいえばこの試合に至るまでの取り組み姿勢、トレーニングプロセスにかなりの差があり、それがそのまんま試合内容の差となって表れただけと見るのがより妥当でしょう。

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・浦和は沖縄キャンプをほぼ体力づくりに費やして練習試合はわずか1試合のみ。ゆえにこの試合はぶっつけ本番も同然。一方川崎はこれまでカップ戦に実績がないことを気に病んでか、「一発勝負に勝つ」ことを重要視してこの試合までに練習試合を積み重ねてきたようです。

・おまけに川崎は完全無欠のフルメンバーだったのに対し、浦和はファブリシオが依然長期離脱中の上に武藤&青木が故障。特に青木の穴埋めに苦労している状態。

・浦和の攻撃は全く体をなさず、セットプレーに全てを賭けるしかない状態でしたが、そのセットプレーですらこんな試合で手の内を明かすわけにはいかないという、二重三重に縛りがあるような試合でした。

・従って試合内容にウノゼロ以上の大差が生じたのは当たり前で、オリヴェイラ監督も敗戦自体は特に気に病んではいないでしょう。むしろ急仕上げ気味の川崎とほぼぶっつけ本番の浦和が闘ってもウノゼロにしかならなかったと前向きに考えているかもしれません。

・ただオリヴェイラ監督も認めるように昨年ダブルを達成した川崎戦を再現するには武藤&青木の不在はかなりでかく、その穴を埋める新戦力のフィットにはまだまだ時間がかかる感じだったのも明らか。連携難からカウンターを上手く発動できずに逆にカウンターを食らって負けたならともかく、結局のところ守備ブロックをきっちり崩されての敗戦だったのを重く受け止めているかもしれません。

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・両チームの差が最も顕著に表れたと感じたのはボールを失ってからの切り替えの速さ。ボールを失った後の川崎のボール奪回へ向けての切り替えの速さ&迫力はとにかく凄まじく、試合勘のない浦和はそれを交わしきれずに試合を終えた印象が強く残りました。よって浦和の攻撃はほとんど形にならず、ナバウト投入後シンプルな裏狙いを試みるもこれまた不発。

・川崎は浦和WBにボールが入った時点で圧力を強めて、苦しい体勢でパス出しを余儀なくされたところでボールを刈り取る狙いをもっていたようで、25分橋岡→長澤ロスト、77分山中→柏木ロストと同じような形でボールを奪って決定機に結びつけています。

・この川崎の策によってモロに標的となった感のあったのが橋岡。右サイドでボールを失って家長にボールが渡ってしまうとなかなかボールを奪い返せず、かといって無理に奪いにいくと自陣深い位置でファウルを犯すのがオチ。

・また新外国人CFレアンドロ・ダミアンの出来は圧巻でした。猛然と浦和最終ライン&GKにプレッシャーをかけるわ、足元への楔のパスは確実に収めるわ、空中戦に強いわ、3人に囲まれてもなんら苦にせずパスを出せるわ、おまけに決定機を一発で決めるわと、どう見てもJリーグでは突き抜けているレベル。ただ勢い余って相手を怪我させかねないプレーも散見され、そんなところだけ早々と川崎風味なのが残念です。

・52分の失点は家長どフリーでふんわりクロス→ボックス内でダミアンどフリーで折り返し→中村はボールコントロールできなかったもののマウリシオのクリアが運悪く橋岡に当たる→こぼれ玉をダミアン!! という格好。自陣深い位置で家長どフリーというのもあんまりなら、ボックス内で槙野がダミアンを見失っているというのもあんまり。失点場面には直接関係ありませんが、マウリシオがダミアンに簡単にポストプレーやらせすぎという気も少々。

・今シーズン序盤は如何せん試合勘のなさ&連携難ゆえにオリヴェイラ監督就任当初と似た「負けにくい試合」を志向せざるを得ないでしょう。セットプレー一発で勝ち点をもぎ取りに行く堅い試合の連続になろうかと思います。ゼロックス杯の様子を見る限り、アンカー青木復帰までは3-3-2-2に拘らず、2ボランチの3-4-2-1に戻すのが「負けない」ためには得策に思えてなりません。どちらにしてもたいして点が入る気がしないでしょうが、エヴェルトンのアンカーは現状ちょっと心もとない印象を受けましたので。

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---興梠--杉本---
---柏木--長澤---
宇賀神--エヴェル---橋岡
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(交代)

HT エヴェルトン→阿部
HT 杉本→ナバウト
66分 長澤→山中(山中が左WB、宇賀神が右WBへ)
66分 橋岡→柴戸(柴戸がIH)
81分 柏木→マルティノス

・選手交代人数5名。各チーム交代数3回まで(ハーフタイム除く)という練習試合っぽいレギュレーションなので、オリヴェイラ監督も割り切って試合の流れとは何の関係もなく、予定通り的かつお試し風味の強い選手交代を連発。

・この試合でもっとも可能性を感じたのは最後に投入されたマルティノス。昨年の惨状からすればベンチ入りしただけでも驚きで、かつ柏木に代わってIHに投入されたのも驚きでしたが、山中との連携による左サイド攻撃には刮目すべきものがありました。山中が中へ、マルティノスが外に出てサイドを崩す場面もあり、ひょっとすると山中が1年遅れでマルティノスの取り扱い説明書をもって現れたのかも。

・またあえて「良かった探し」をすれば、柴戸が投入直後に強烈にプレッシャーをかけて谷口のイエローカードを誘発したのも良かった。ただ柴戸もアンカーではなくIHのほうが適性ありげ、端的には長澤の代替っぽくて青木の代わりにはなりそうにないのが悩ましい。

・槙野&ナバウトとアジアカップ組はやはりコンディションが良くなさそう。槙野は猛追してくるダミアンを持て余し気味で、ボールとは無関係な位置で進路妨害によるつまらないイエローをもらう始末。

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-----ダミアン-----
家長---中村---小林
---大島--守田---
車屋-谷口-奈良-マギーニョ
-----ソンリョン-----

(得点)
52分 ダミアン

(交代)

70分 中村→齋藤
70分 マギーニョ→馬渡
79分 ダミアン→知念
79分 守田→田中
88分 小林→阿部

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2019.02.09

【雑感】沖縄キャンプを終えての浦和2019年展望

・浦和は昨日延べ2週間強の沖縄キャンプを終えました。キャンプ最終日の沖縄SVとの練習試合、及びキャンプ終了後に公開されたオリヴェイラ監督の「トレーニングキャンプ総括」から垣間見える浦和の現状を自分なりに妄想込みで備忘録代わりにまとめておきます。

(1)体力強化に明け暮れた沖縄キャンプ

・1次キャンプはもちろんのこと、2次キャンプに入っても練習試合はキャンプ最終日の沖縄SVとの練習試合が1試合組まれただけ。紅白戦も11人vs11人は1試合あっただけのようで、今年の沖縄キャンプはほぼ体力強化に全日程を費やした模様。選手が飽きないように練習メニューも手を変え品を変えて連日2部練習。

・準備期間の長短に差があるので単純には比較しづらいのですが、ミシャや堀監督の時はキャンプ中に数多く練習試合が組まれていたのと好対照。さらに言えばフィンケやゼリコの時は有料のPSMが組まれていた(そして往々にして不安を掻き立てるだけに終わる)のが懐かしい思い出に。

・オリヴェイラが昨年浦和監督就任時に浦和の選手たちのあんまりな体力不足(=試合終盤に大失速)に愕然として、長い中断期間をひたすらフィジカル強化に充てたのをなぞったようなキャンプで「シーズンの途中で消耗してしまわないように、まずここでしっかり蓄えを作」ることに力点を置きまくったようです。

(2)3バック継続は確実

・沖縄キャンプでは体力強化に明け暮れてチームで戦術的な練習はしてないも同然。しかも今週末のXEROX杯まで練習試合は全く予定されていないので、シーズン序盤は昨年同様3バックベースで闘うのはほぼ確実です。

・キャンプ入り前のインタビューでもオリヴェイラ監督はシーズン中の4バック移行の可能性を残しつつも「継続性は持たせます。昨年行ってきたことがベースになります」と明言しており、実際沖縄SVとの練習試合も昨年終盤同様3-1-4-2の布陣だった模様。

(3)天皇杯優勝の代償=レギュラークラスに怪我人

・武藤は昨年終盤の湘南戦で小破したにも関わらず、天皇杯準決勝&決勝で無理使いしたのが思いのほか祟ってキャンプ中は完全に別メニュー。同じく天皇杯で骨折が判明した青木も依然練習試合に出られるような状態ではないようで、昨年のレギュラー陣ではこの両名がXEROX杯に間に合わないのは確実。

・このため沖縄SVとの練習試合、昨年のレギュラー陣主体で臨んだ1本目では武藤→杉本、青木→エヴェルトンという布陣だった模様。

・槙野はアジアカップ終了後も休みなく、いきなり沖縄キャンプに合流していましたが、ウズベキスタン戦でのちぎられぶりを見ると昨年ほとんど休みがなかった影響でコンディションが良くないように思えてなりません。XEROX杯では槙野に代えて鈴木がスタメンでもなんら不思議はないかと。

・長期離脱中のファブリシオはキャンプに帯同していたものの、同然ながら別メニュー。ACLグループリーグの終盤に間に合えば御の字かな?

(4)青木の代わりは?

・練習試合の様子を見る限り、武藤の代わりに杉本がシーズン序盤スタメンを確保するのはあまり心配なさそうですが、問題は青木の代わりのエヴェルトン。

・オリヴェイラ監督は「(エヴェルトンは)中盤であれば3つのポジションどこでも対応できると思います。」と語っていますが、どちらからといえばIH向きの選手というのが世評。蓋を開けてみればその世評通りアンカーとしてはイマイチということになると、あとは衰えが著しい阿部か、まだまだ経験不足な柴戸か・・・

(5)右WB問題

・今年難儀なのは、昨年ユース卒の新人なのに一躍右WBのレギュラーに定着した橋岡がU-20W杯で離脱するのが確実なこと(それに加えて五輪代表にも呼ばれると迷惑極まりないのですが・・・)。

・にも関わらず、オフに右WB/SBの即戦力を補強しなかったのが不可解で、大卒新人の岩武をよほど買っているのかな?と思ったのですが、オリヴェイラ監督は「山中が左、宇賀神が右というオプション」を考えていることが今般のインタビューから判明。言い換えれば右WBとしての森脇の評価はあまり高くないかも。

(6)コパアメリカの影響

・6月に開催されるコパアメリカに日本代表が招待されたものの、日程上リーグ戦&ACL・R-16が丸被り。従って槙野を筆頭に主力選手がA代表に招集されて、リーグ戦やACLに不在となる可能性がありますが、それについてオリヴェイラ監督は「私としてはより多くの選手が招集されたらと思っています。」「コパ・アメリカは非常に重要な試合ですので、槙野以外の選手が行くことも望んでいます。」とその可能性は織り込み済みなことを明言。

・もっとも「FIFAマッチデーで組んだ親善試合に行くことによって、こちらの重要な試合に出られないという状況とは違いますので、親善試合に行くのと、重要な試合に行くのとでは選手たちが得るものも違うと思います。」と、さすがにただの親善試合に呼ばれることは快く思っていないみたいですが。

(7)11月を見据えたチームづくり=最後に笑えばええんや!!

・オリヴェイラ監督は練習試合で故障するリスクをも加味して、キャンプで練習試合をほとんど組まなかった一方、「1年で70試合プレーできますので、90分の練習試合はやらなくてもいいと思っています」とこなさなければならない公式戦の多さを逆用して、公式戦を通じてチームを作り上げるようなことを示唆しています。もっともこれは昨年ある程度ベースがあるがゆえに出来ることでしょう。

・そしてオリヴェイラ監督は早めに仕上げてくるチームに対して序盤苦戦して勝ち点を落とすようなことがあっても、キャンプ&期中のトレーニングで鍛え上げた体力をベースに終盤まくりにまくって「ACL決勝&リーグ戦最終盤の11月に笑えばええ」と割り切っているのでしょう。

・もっともリーグ戦スロースタート気味なのは一向に構わないのですが、ACLグループリーグは5月までのわずか6試合での短期決戦。ここで終わってしまうお話になりません。オリヴェイラ監督もACLは初めてではないので、その辺の匙加減は承知の上と思いますが・・・

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