2019.05.21

【メモ】浦和 3-0 北京

(スタメン)

ごっそりメンバーを入れ替えた湘南戦を挟んで、小破していたマウリシオも含めて主力が続々とスタメン復帰し、いつものメンバーに。
エヴェルトンと柏木の併用とか、前回宇賀神が大苦戦した右SBワンガンに宇賀神より守備が弱い山中を当てるとか、非常に気になるが。
(前半)
スコアレスドローはOKだが、北京に先制されると一気に苦しくなるという難しい立場の浦和。いつもどおりに塩試合を志向すると思われたが、驚いたことに非常に試合運びが積極的で
、開始後わずか2分で森脇のシュートを記録。
しかし、試合開始直後に相手と交錯して傷んだ柏木が結局ダメで、13分には早々と長澤を投入する羽目に。
逆に北京もアンカーの6番が故障したのを契機にCFに9番を入れて、当初の4312から4213に布陣変更。
これは一定の効果があり、20分くらいから北京優勢に。
浦和は最終ラインを高く保っている割には北京の中盤深い位置にいる選手へのプレッシャーがあまく、23分にはバカンブの裏抜けを許す大ピンチ!
浦和は最終ラインでボールを奪って蹴り出すだけの時間が続いたが、驚いたことに先制したのは浦和。34分武藤→長澤の中央突破!
浦和は一点取られたらアウトなので浦和の先制点にはたいして意味がないが、41分には長澤が左サイドで粘って抜け出たのが効いて武藤がゴール!! この2点目はでかい!!
結果的に柏木よりははるかにエヴェルトンと相性が良いと思われる長澤投入が生きた格好。
ただアウグストへの対応が終始やや甘いのが気になる。
(後半)
後半になってもなおも浦和攻勢。47分には山中クロス→興梠ヘッドの決定機。
しかし、60分過ぎには山中の消耗が顕著になり、試合はややオープンな展開に。
北京はアウグストやビエラが盛んに縦パスを入れてくるが、そこから先が恐ろしいほどなにもない。たまにバカンブにボールが渡ってもシュートは明後日の方向へ。
浦和は焦る北京にたいしてシンプルに守ってカウンターで反撃。山中の消耗でなかなか決定機が作れなかったが、73分森脇クロス→興梠ヘッドの決定機があり、さらに81分ようやくカウンターで武藤→興梠のゴールが決まって事実上勝負あり。
北京はアウグストが後半半ばには苛立ちを露わにするなど、全く良いところなし。中国リーグでの好成績が信じられないほど、たいして強くなかった。
というか、前回の対戦で浦和を舐めすぎたのか???

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2019.05.18

【観戦記】19年第12節:浦和 2-3 湘南 ~ ターンオーバー、大誤審、そして大逆転負け

・中3日で今シーズン序盤最大の山場=北京国安戦を迎えるとあってオリヴェイラ監督は極端なターンオーバー、すなわち前節名古屋戦から西川・鈴木・岩波・柏木を除く7名を入れ替えるという大胆な手を放ちました。そしてこの奇策(?)は予想以上の効果があり、序盤で2点リードしたところまでは万々歳でした。

・ところが、あらゆる意味で試合を大きく左右したのが30分過ぎの「世紀の大誤審」。杉岡のシュートがポストを叩いた後にゴールマウスに吸い込まれてサイドネットをゆらしたはずなのになぜ湘南のゴールが認められなかったのか不思議でなりませんが、とにかくゴールが認められていないことに気づいた浦和の選手達ははカウンターを発動。しかし、どこかしら後ろめたい気持ちがあったのかもしれないナバウトがこの絶好機を決められないどころか、GK秋元に間合いを詰められた挙句に交錯して負傷。

・浦和の守備はナバウトが前から追い掛け回すことで辛うじて成り立っていた側面が強いため、ナバウトが早々と負傷交代を余儀なくされたことはオリヴェイラ監督にとって大誤算だったでしょう。そして後半に入ると浦和の運動量が次第に落ちて「前ハメ」が効かなくなり、守備ブロックを作って耐えるだけの展開に。

・しかし、大誤審を受けて怒り心頭に発し、大魔神と化したキジェが繰り出す妙手に対して、レギュラー陣をことごとくベンチ外にしたため手駒に限りがある浦和はやることなすこと全て後手に回ってしまい、結局予定調和というか実力の差をそのまま反映したかのような形で大逆転負け。大幅に駒を落として臨んだチームが大善戦したけれども、最後はうっちゃり負けで元来の実力差通りの結果にってルヴァン杯や天皇杯でありがちな光景ですが(苦笑)。

・これでリーグ戦はとうとう3連敗で順位も暫定10位に後退。おまけにホームゲームで立て続けにラストプレーで痛恨の失点を喫しての敗戦とあっては心がボキボキに折れてしまう方が続出するのもやむを得ないでしょう。

・しかし、塩の山を築いた挙句凡ミスで負けるとか(磐田戦)、味噌味噌ならぬクソ味噌の救いようがない試合内容で負ける試合(名古屋戦)を見た後のせいか、湘南戦はサッカーらしいサッカーをして負けたんだからはるかにマシ、これは仕方がないと個人的には妙に納得していたりします。もっとも世間一般ではこういうのを「負け慣れ」というでしょうけど、久々に長い出場時間を得た選手達に少なからぬ見せ場があり、「良かった探し」のし甲斐がある試合だっとと思います。この屈辱的な敗戦を次の北京国安戦、そしてまだ20試合以上も残っているリーグ戦に活かせればそれで良いかと。

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・それにしても久しぶりに山田うどん名物「パンチ定食」並にパンチの効いたスタメンでした。オリヴェイラ監督からすれば名古屋戦の結果如何に関係なく北京国安戦を前にした予定通りのスタメン編成だったのかもしれませんが、オリヴェイラ監督は普段故障でもない限りせいぜい1~2名程度の入替しかしないだけに、この大胆なターンオーバーには心底驚きました。

・昨年最終節も天皇杯で必勝を期すべく大幅なスタメン入れ替えを敢行していますが、あれはもうリーグ戦に目標がなくなっていたからこそ。今回はまだリーグ戦を捨てるには早すぎる時期なだけに、この大胆なターンオーバーを予想できた方はいなかった模様。前日の記者会でわざわざマウリシオの復帰やファブリシオの状態に触れ、さらに岩武のスタメン抜擢予想記事まで書かせて三味線を弾きまくるオリヴェイラ監督(笑) いやはやその芸の細かさには恐れ入りました。

・なんなんだろうなぁ、このメンバーを見た時の高揚感、ワクワク感は。今年は変わり映えのしない面子で、変わり映えのしないしょっぱい試合を見続けているだけに、メンバーが大幅に変わっただけで妙に心がウキウキしてきます。たとえその後「なあおまえ、サッカーちゅうのはそんなに甘いもんやおまへんや、もっとまじめにやれ!」という神の声通りの結果になろうとも。

・そしてこの暴挙に近いターンオーバーはある程度成功したといっていいでしょう。浦和はとにかく動ける選手をかき集めて運動量が極めて多い湘南に対抗した感じで、特に守備面でその成果が表れました。守備時は基本5-3-2ですが前から暴走機関車ナバウトを筆頭に狭い守備陣形内で激しくプレッシャーをかけ、さらに湘南が入れてくる楔のパスに対して守備陣各位が積極的に前で潰しまくって湘南の攻撃を寸断。

・一方攻撃は湘南の激しい前プレを受けてまともなビルドアップなんてまるで望めないので、シンプルな裏狙いとかショートカウンターくらいしか可能性が感じられませんでしたが、ここで意外に効いたのがマルティノスの俊足。「なんとかと鋏は使いよう」という諺通り、敵陣にスペースがふんだんにある時のマルティノスは結構頼もしいもの(もっともその頼もしさは相手に囲まれた時のシオシオっぷりで完全に相殺されますが)。

・22分の先制点は長い距離を走って右サイドのスペースに顔を出したマルティノスへ宇賀神が縦パスを入れたところから。右サイドで粘ったマルティノスが柴戸へ戻し、柴戸縦パス→ボックス内で長澤反転してCB大野を振り切ってシュートという見事なかたち!!

・先制点を取ってしまうとますますマルティノスの俊足が生き、25分には長澤&マルティノスが中川からボールを奪ってのショートカウンターが発動し、マルティノスからのスルーパス→ナバウトで追加点。これは浦和の狙い通りでしょう。28分には湘南の攻撃を凌いだ後のロングカウンターで長澤→マルティノスががらがらの中盤を疾走→左サイドから荻原クロス→ナバウトにわずかに合わずという決定機も。

・ところが、この決定機逸の後に飛び出したのが件の大誤審。浦和の「前ハメ」というか「一人一殺」的な守備は入れ替わられる危険を常に秘めており、31分の杉岡の幻のゴールはそもそも岩波が梅崎を潰せずに前を向かれた時点でアウト。こうなると浦和の守備は芋づる式に崩れてしまい、フリーの梅崎が中へ走りこんだフリーの杉岡へ楽々パスという情けない状況を作られてしまいます。AT+3分にも柴戸が松田を潰せなかったのを機に梅崎に際どいシュートを撃たれてヒヤリ。

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・浦和がナバウト故障という形で不運な交代カードを切る羽目になったのに対し、絶大な威力を発揮したのが湘南の後半頭からの大野→菊地の交代。湘南は当初岡本が右WBでスタメンの予定でしたがどうもアップ中に故障した模様で、急遽山根が右WBに回ったものの、山根が荻原の切れ味鋭いドリブルの前に大苦戦。ところが菊地を右WBに入れて山根をCBに下げたことでこのサイドの戦局が一変しました。

・そして47分には早くも菊地が大仕事。浦和が湘南の波状攻撃を凌いでなんとか反撃に出ようとしたところを長澤がボールロスト。反撃に出ようとしたためか柏木と柴戸が上がって最終ラインとの間がぽっかり空いてしまい、そのスペースに顔を出した菊地が豪快ミドル一閃!!

・浦和は前半少々飛ばし過ぎたこともあり、またナバウトに代わって投入されたファブリシオには守備面で多くを望めないことも相まって「前ハメ」というか「一人一殺」が効かなくなり、単に守備ブロックを作って耐えるだけに。また湘南が後半から4-1-4-1、ないし4-3-3気味に布陣を変え、浦和の3-3-2-2との噛み合わせが悪くなり、かつ浦和が修正できないまま時間が経過した気すらしました。

・浦和も時折カウンターで反撃を試みるも肝心なところでパス精度が悪くてシュートに至らなかったり、湘南の帰陣を許したりと決定機をほとんど作れず。柏木は前半ATに右サイドからクロス→ファーに鈴木突入!!というミシャっぽい決定機を演出しながらもそれが最後の輝きで、後半はほぼブレーキ状態。一番レギュラーに近い選手がプレーで他の選手を他を引っ張れないとは・・・(トホホ)

・またこの試合のベンチメンバーを見るとたら守りに実績がある選手が一人もいないので、「勝っている時の選手交代が難しいだろうな」と思っていたら案の定。それにしても76分に投入された直輝はどんな指示を受けて投入されたのか?これほど攻守両面でクソの役にも立たない選手交代も珍しく、これならヘロヘロのマルティノスを続投させたほうがまだマシだったと思われるレベル。

・79分の失点は荻原の消耗&クソの役にも立たない山田投入で浦和左サイドの守備が無いも同然になっていたために発生した必然的なもの。あんなに簡単に縦パスを入れられたら野田に付いている鈴木もしんどかろうに。そしてボックス内にいる山根には誰が付くのか全く判然としないまま。もう守備ブロックも何にもない。

・同点に追いつかれた浦和は汰木を投入するも汰木の輝きはもうすっかり昔話となり果て、ファブリシオのミドルに一縷の望みを託すだけ。しかもファブリシオもまだ強いミドルシュートは撃てない模様で精度はそこそこ高いものの力ないシュートだらけ。

・そして皮肉なことに決勝点はそのファブリシオの枠内シュートがGK秋元にキャッチされてからのカウンター。最後の最後で積んでいる燃料の質的・量的差が出たのか、あるいは単に浦和の集中が切れていたのか、スカスカの中盤でボールを受けた山根に誰もついてゆけず、山根のシュートは阿部に当たって微妙にコースが変わる不運も手伝ってラストプレーで大逆転負け。

・大誤審を乗り越えて湘南大逆転勝利!!というクソ安いドラマの悪役・敵役には浦和はお似合いなんだろうなぁ・・・それはともかく、結局のところ選手を入れ替えても攻守とも監督の意図を踏まえて選手が動きまくった湘南と、選手個々人はそこそこの能力を持っているが単に選手を並べているだけに過ぎない浦和との実力差が最後に出ただけに過ぎない気も少々。

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--マルティノス--ナバウト---
--長澤----柏木--
荻原---柴戸--宇賀神
-鈴木--阿部--岩波-
-----西川-----

(得点)
22分 長澤
25分 ナバウト

(交代)
40分 ナバウト→ファブリシオ(負傷による交代)
76分 マルティノス→山田
86分 長澤→汰木

・オリヴェイラ監督がナバウトに代わって故障明けのファブリシオを投入したのは正直びっくり!! もともと守備に多くを期待できないのに、コンディションもまだ100%には程遠いことを本人も認める状態でファブリシオは60分以上使うとは!! 北京国安戦へ向けて試運転させるべく投入の機会を探っていたのでしょうが、それにしてもこの交代は無理がありました。

・そしてこんなスタメン、こんなベンチメンバーなのに出場機会がなかった杉本はどんだけ監督の信頼がないのか・・・ これでは杉本は夏にはレンタルされても不思議ありません。都倉が長期離脱したばかりのC大阪が特に・・・

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-----山崎-----
--梅崎----中川--
杉岡-秋野--松田-山根
-大野--フレイレ---坂-
-----秋元-----

(得点)
47分 菊地
79分 菊地
90+4分 山根

(交代)
HT 大野→菊地
63分 秋野→野田
74分 中川→古林

・武富が契約上出場不可。レギュラーの齋藤と準レギュラーの鈴木がU-20代表で不在。そのため武富→中川、齋藤→松田、そして杉岡が左WBに回るところまでは想定内。

・湘南ってカウンター食らった時にあんなにイエロー覚悟のファウル連発するチームだったっけ? キジェの下で昇降格を繰り返しているうちに「きれいごとだけじゃ勝てない」というのが身に沁みた結果なんでしょうけどなぁ、たぶん。

 

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2019.05.14

【観戦記】19年第11節:名古屋 2-0 浦和 ~ 疲労困憊で手も足も出ない惨敗・・・

「さあ眠りなさい 疲れ切った体を投げ出して 青いそのまぶたを 唇でそっとふさぎましょう」 そんな歌が相応しい、もうどうしようもない、何一つ良いところのない惨敗でした。浦和はブリーラム遠征から中4日。酷暑の敵地で勝ち点3をもぎ取った代償か、選手の心身に対するダメージは予想以上に甚大で動けない上に頭も回らないようでイージーなパスミス続出。攻守とも全く褒めるところがない、凄まじい敗戦でした。

・今年の浦和の負け試合はとにかく悲惨。早い時間帯に先制されると、あとは反撃らしい反撃も出来ずにただただ試合終了の笛を待つのみ。シュート数15対4、チーム走行距離113.6km対108.5km、スプリント回数186回対149回等々、浦和の惨状を如実に物語るスタッツがずらずら。コンディション面で差がありすぎて、戦前から苦戦必至、ドロー御の字と思ってはいましたが、現実はその儚い夢を粉々に打ち砕きました。

・名古屋に6割以上ボールを支配されたのはともかく、浦和はとにかく良い形でボールが奪えずに無理目なタックルを試みた挙句、ファウルでしか相手を止められない場面が目立ち、3枚もイエローカードを頂戴。また名古屋に15本撃たれたシュートもボックス内から枠内に撃たれたものが多かった一方、浦和はボックス内にすら侵入できず、枠内シュートは終盤の興梠の力ないコロコロシュート1本のみ。

・オリヴェイラ監督は相手の手口を研究して対応策を練り、相手の良いところを消してナンボ。端的に言えば「リアクション型」であり、「相手は関係ねぇ」とばかりにひたすら自分の型に拘るミシャとは正反対のアプローチなので、今回のように長距離遠征帰りで時間的にっも体力的にもまともな練習ができないとなると、こういう結果になってしまうのも致し方ないのかもしれません。試合後の会見でCB中谷に「そもそもレッズさんの攻撃の形が見えなくて、そこに助けられた感じがあります。」とバカにされてしまうのも道理。

・「勝てばよかろう!」と言わんばかりの正直クソつまらないサッカーで、それでも勝っているうちは「試合内容は面白いのに肝心な試合でさっぱり勝てなかったミシャ」へのアンチテーゼとして高く評価できるのですが、勝てないとなるとホント惨め。もうシラケ鳥が東の空へ飛んで行くレベル。いやはや、これは辛い。

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・試合前々日の監督会見によれば主力選手で練習メニューをフルでこなしているのは武藤だけ。メニューの一部しかこなせないどころかインドアで回復に専念している選手すらいるという惨状とのこと。一方名古屋はルヴァン杯から中3日なものの、ルヴァン杯では主力全員をスタメンから外す余裕のこきっぷりで、コンディション面では圧倒的に名古屋有利。

・それゆえ浦和はスタメンを大幅に入れ替えて名古屋戦に臨むものと予想しましたが、なんとスタメンの入替は長澤に代えて故障明けの柏木の一名のみ!! これにはさすがに仰天しました。スタッフがどんな超回復メニューを用意したのか判りませんが、まともに練習できていたのが武藤だけという話はなんだったのか???

・そして結果を見ると、このスタメンはさすがに無理があったようです。あっと一歩足が出ない、パスがぶれる、そして判断に迷う。心身とも疲労困憊なことを伺わせる場面が頻出。しかも早めに先制点を許し、得意の「塩漬け」に失敗して多少なりとも進んで動かざるを得ない展開になり、しかもそれが往々にして名古屋のパス回しの後追いになってさらに疲労が増すという悪循環に陥ったように見受けられました。

・ただベンチ入りメンバーを見ると、スタメンを入れ替えようにも入れ替えられなかった感じもします。具体的にはブリーラム戦でベンチ外だったマウリシオに加え、柴戸やナバウトといったスタメン出場経験のある普段のベンチメンバーがなぜかこの試合はベンチ外。さすがに荻原や汰木を頭から使うのは博打に過ぎるでしょうし、杉本に至ってはそもそも起用されるだけの信頼を得られていないようですし。

・また故障明けの柏木すら全然フレッシュに見えなかったのが不思議でなりません(エヴェルトンがゲームメーカー的に機能しだしたので柏木が居場所を失ったような気も)が、後半途中から投入された長澤もらしくないボールロストを連発していたところを見ると、柏木の起用自体は責められないでしょう。期待をはるかに下回る出来だったのは見ての通りですが。

・ゆえにせいぜい山中に代えて宇賀神を起用しなかったのが不可解(柏木が戻って来たのでプレースキッカーとして山中を置く意味もない)といえるくらいで、名古屋戦を「捨て試合」と割り切るくらいの蛮勇がないと大幅なスタメン入れ替えは難しかったかもしれません。

・一方名古屋は前節から前田→シャビエル、和泉→マテウスと2名入れ替えて外国人選手が5人居並ぶ壮観な構え(長谷川アーリアジャスールもいるのでぱっと見は外国人選手6人!)。

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・浦和は守備時はいつもの5-4-1ではなく、かなりはっきりした5-3-2の構え。パス回しの上手い名古屋に対して後ろにやたら人数を割いても効果は薄く、2トップで前からボールの出し手(特に2CH)に圧力をかける狙いがあったと思われますが、どうもあまり効果はなかったようで時間の経過と共に浦和の疲労感、判断の遅れが目立ち始め、名古屋にいいようにボールを回されてしまう悪い流れになってしまいました。

・17分の失点場面はマテウスの強烈なミドルシュートを食らったもの。シュートは西川の正面でしたが、相当軌道が変化しているのか西川は弾き切れず。それはともかくシュートを撃たれるまでの過程でシャビエルに自由に縦パスを入れさせるわ、長谷川に最前線で楽にキープさせるわ、ジョーも楽々ポストプレーだわと、もう西川を責める以前に浦和の守備のあり方を根本から問いたくなるような場面だらけ。ボールを奪いどころが定まらずに3ボランチが散歩してたら、そりゃ「かいしんのいちげき」も食らうわなぁ・・・

・浦和はカウンター主体に反撃を試みるも試合開始早々に縦パスで武藤が右サイドを駆け抜ける見せ場があっただけで、その後は攻撃の形すら作れず、試合は完全に名古屋ペースに。浦和は反撃しようにも縦パスを受けた興梠が徹底的に封じられてどうにもならず。興梠がいつもの出来ならCB丸山とか中谷とか良いカモのはずですが・・・

・41分の失点は自陣右サイドからのスローインから。バイタルエリアでシャビエルに自由を与えるとはなぁ・・・シャビエルがファーの宮原へ展開→宮原が山中に競り勝って、こぼれ玉をジョー!という名古屋の計画通りのようなやられ方でした。ジョーに付いていたはずの槙野がなぜかこけているのは序盤に小破したのが響いたのかも。まさに弱り目に祟り目。

・オリヴェイラ監督は59分にエヴェルトン→長澤、武藤→荻原と早めに動き、かつ守備時5-4-1に切り替えたものの、浦和の選手達で唯一体が軽そうな荻原が2回ボックス内突入の見せ場を作ったくらい。75分にはとうとう不振の柏木を諦めて汰木を入れるも汰木は見せ場を作れないどころか、ビハインドなのに歩いている場面ばかりが目立ってなんだかなぁ・・・結局浦和の反撃らしい反撃は84分荻原の浮玉のパスがボックス内で興梠に通った場面だけ。しかもシュートは力なくコロコロ。

・一方名古屋は57分に長谷川→前田とこちらも早めに動き、前田は前田なりに浦和左サイドを混乱に陥れていましたが、シュートなりラストパスなりに精度を欠いて案外決定機は作れず、結局西川を脅かしたのは69分の前田カットインからの一発だけかな?

・ただ30度近くまで気温が上がった中、あまりにも不甲斐ない相手に後半の名古屋は適当に流していたようにも見えましたし、そもそも瀕死の浦和相手に終盤俊足の相馬を投入してとどめを刺しに行かなかったのは風間監督なりの「武士の情け」だったのかもしれません(自嘲)。

・何一つ得るところがない試合内容でとうとうリーグ戦は連敗。「何でもいいからとにかく勝つ!」ことがレゾンデートルであり、免罪符であるオリヴェイラ監督にとって続く湘南戦、そして北京国安戦はそれこそ絶対に負けられない一戦となったような気がします。特に北京国安戦で敗れ、グループステージ敗退が決まってしまうとこのチームは一気に瓦解してしまうかもしれません。際どいところです。

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---興梠--武藤---
---柏木--エヴェル---
山中---青木---森脇
-槙野--岩波--鈴木-
-----西川-----

(交代)
59分 武藤→荻原
59分 エヴェルトン→長澤
75分 柏木→汰木

033
---ジョー--長谷川--
マテウス-------シャビエル
---シミッチ--米本---
吉田-丸山--中谷-宮原
-----ランゲラック----

(得点)
17分 マテウス
41分 ジョー

(交代)
57分 長谷川→前田
63分 マテウス→和泉
90分 シャビエル→小林

 

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2019.05.08

【TV観戦記】ACL2019・GS第5節:ブリーラム 1-2 浦和 ~ 森脇よりも数段暑苦しい敵地で難敵を下す

・勝ち点3でグループ最下位のブリーラムはもちろん、勝ち点4で3位の浦和もこの試合に勝たないとほぼ先がなくなってしまう一戦。まだ5月というのにプリーラムの気温は30度を大きく超え、公式記録では34度。前後半とも給水タイムが設けられる程の酷暑下での闘いとなりました。

・埼スタでの初戦は3-0と大勝したものの、ホームでは往々にして全く違う恐ろしい一面を見せるのがタイのクラブ。それゆえ浦和が暑さにやられて足が止まるであろう終盤に大攻勢をかけられるとひとたまりもないかもしれないとヒヤヒヤしながらTV観戦していましたが、終わってみればスコア以上の完勝。

・シュート数は大差なかったようですが、浦和は前後半とも得点場面以外に「おい、それは決めろよ!!」と叫びたくなるような決定機が山のようにあったのに対し、ブリーラムはあまり可能性を感じられない無理目のシュート&セットプレーの当たり損ねみたいなのが多く、終わってみれば浦和はもうちょっと楽に勝てたような気がしました。もっとも肝心なところで精度を欠いた主因が敵地の暑さで、体力的にも気力的にもヘロヘロの選手からすればこれで精一杯なのかもしれません。

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・磐田戦から中3日にも関わらず、浦和のスタメンはマウリシオ→岩波と一人入れ替えただけ。マウリシオは連戦が効かないのか、ACL前後のリーグ戦でベンチ外になることはありましたが、ACLでベンチ外になるのは初めてなのでよほどコンディションが良くないか、あるいは小破したのかもしれません。マウリシオとACL登録外のマルティノスに代わって阿部と荻原がベンチ入り。

・なおファブリシオがタイ遠征に帯同していることがサプライズでしたが、やはり相手をびびらせるだけの「逆アジジ」に留まりました。

・ブリーラムは基本3-4-1-2、守備時5-3-2といったところ。浦和の選手達は3ボランチという認識だったようですが、トップ下の19番(スパチョック)の戻りが遅いせいか、TVで見ている限りは守備時5-2-3っぽい感じに見えました。

・それはともかく、ブリーラムはとにかく勝たないと話にならないので序盤から飛ばし気味にガンガン前から仕掛けてくるかと思いきや、拍子抜けするくらいさほど前からは来ませんでした。かといって、埼スタでの一戦のように自陣にタイトな守備ブロックを敷くわけでもなく、いかにも中途半端すぎる前プレを仕掛けてくるので陣形は早々と間延び。

・これじゃブリーラムの監督が「今日の立ち上がりはとても悪いものでした。全然集中していなくて、北京戦と同じような感じ、もしくはそれよりも悪いような状況でした。」と嘆くのも当然ですが、穿った見方をすれば監督が選手達のモチベーションアップに失敗したような気も。こんな緩い相手はJ1にはまずおらず、それゆえ浦和はビルドアップに全く苦労しないどころか、縦パス入れ放題。

・3分にはエヴェルトンの縦パスが相手CBの間にいた(というか最終ラインがガタガタでオフサイドを取ろうにも取れない)興梠に通って早々と先制。また6分&10分と好位置での山中FKがゴールマウスを襲い、GKは弾くのが精一杯という見せ場も。

・ただ試合の入りが良すぎて油断したというか、好事魔多しというべきか、13分山中が近くの長澤に繋ごうとしてボールを失い、ペドロ・ジュニオール(以下「PJ」)→15番(ナルバディン)→PJとシンプルなカウンターを浴びて失点。PJを軸としたブリーラムのカウンターは鋭く、40分にもロングカウンターを食らってボックス内で青木のシュートブロックに救われる一幕も。

・早い時間帯に同点に追いつかれたとはいえ、ブリーラムのユルユルの守備は相変わらず。ボールの出し手へのプレッシャーが無いも同然なせいか、17分岩波縦ポンで山中が裏抜けに成功する決定機(シュートはGKセーブ)。そして23分興梠の縦パスを契機にエヴェルトン→武藤と繋がって武藤が今季初ゴール!!CB5番のクリアが味方に当たってこぼれ玉がエヴェルトンの前に転がるという幸運にも恵まれましたが、先制点共々今季の浦和には極めて珍しい中央突破型のゴールでした。

・26分槙野縦パス→武藤裏抜け&シュートが枠内を襲ったのを最後に浦和はややペースダウンしたものの、しっかりボールを回し、相手を走らせて危なげなく前半を終わろうとしていましたが、そこは相手もさるもの。ブリーラムが仕込みに仕込んだであろうセットプレーだけは厄介で、43分6番(ササラック)FKがゴールマウスを襲い、ATにもCKをファーで9番(スパチャイ)に合わせられる危ない場面がありましたが、共にGK西川が好セーブ。

・後半になると一転してブリーラムがボールを支配して攻勢に。守備に回った浦和は暑さもあってか前半からさほど前からいかず、5-4-1のタイトな守備ブロックを形成して迎撃していましたが、消耗が激しいのか前半と違ってセカンドボールが拾えず、球際でも苦戦。また往々にしてボールの受け手に食いつきすぎてワンタッチパスであっさり交わされてしまいがちで、PJだけでなく、小技が効くブリーラムの攻撃陣に押し込まれてしまう時間帯が続きました。

・しかし、ブリーラムも浦和を自陣に押し込むのが精一杯で守備陣を崩しきれず、また空中戦では分が悪いせいか攻撃は地上戦オンリーという戦術的な選択肢の狭さもあってか、強引にミドルを放つなり、CKを取りに行くだけの場面が目立ちました。シュート数が浦和と大差ない割にはブリーラムの攻撃に可能性を感じなかったのはその辺が主因でしょう。ブリーラムの脅威はやはりセットプレーで66分にはFKからフリーで途中投入の54番(スパナット)にヘッドを許す場面も(幸い枠外)。

・浦和は押し込まれながらも、49分山中縦パス→武藤左サイドを深く抉って横パス→逆サイドから森脇突入(シュートは明後日の方向)、57分山中クロス→武藤にわずかに合わず、70分エヴェルトンのボール奪取からのショートカウンターで鈴木→エヴェルトン→武藤→長澤(ボックス内からまさかの宇宙開発!)とカウンター気味に決定機を量産しながらも得点ならず。

・ブリーラムが59分というミシャばりに早い時間帯に2枚替えで勝負に出たのに対し、オリヴェイラ監督は72分長澤→柴戸、79分武藤→ナバウト、87分エヴェルトン→荻原と運動量補充目的で選手を五月雨的に相次いで入れ替え。

・ブリーラムは早めの選手交代も奏功せず、先述のセットプレーくらいしか見せ場を作れなかったのに対し、浦和は76分山中クロス→興梠ループ(バーの上)、83分森脇縦ポン→ナバウト裏抜け&枠内強襲シュート(GKセーブ)、89分森脇相手ボックス内でボール回収→荻原シュートがポスト直撃!と決定機を作って、ボールを支配する相手に試合までは支配させず、終盤は双方ヘロヘロになってそのまま試合終了。

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・敵地で勝ち点3を積み上げた浦和は同日ホームで全北に敗れた北京を抜いてグループ2位に浮上。ホーム埼スタで迎えるグループステージ最終戦は北京に勝てばもちろん、スコアレスドローでも勝ち抜けできるという立場になりました。もっともアウェーゴールを許してのドローだと直接対戦の成績で北京に劣ってGS敗退となるだけに案外試合運び、試合の入り方は難しいかもしれません。

・監督&選手はともかく、平日の埼スタにわらわらやってくるであろう25000人くらいの半狂乱と化した赤者に小難しい計算ができるわけがないので「とにかく勝てばOK」な気持ちで妙に前のめりな感じになるんでしょうなぁ。それでこそ我らが浦和、我らが埼スタ。敵地では北京に危うくボコボコにされかかりましたが、ホームでは「本当の浦和レッズ」を見せてやりましょう!

---興梠--武藤---
---長澤--エヴェル---
山中---青木---森脇
-槙野--岩波--鈴木-
-----西川-----

(得点)
3分  興梠
13分 ペドロ・ジュニオール
23分 武藤

(交代)
72分 長澤→柴戸
79分 武藤→ナバウト
87分 エヴェルトン→荻原

・青島ビール賞は先制点の興梠に。しかし、赤者目線だと青木が青島ビール賞でも不思議なかったような気がしました。ヤバそうな場面には必ず青木が顔を出しており、あれで最終ラインは相当助かったでしょうに(もちろん山中もw)。磐田戦の失態を青木なりに取返しに行ったつもりでの大激走だったのでしょうが、カピバラさんの全速力は案外速く、しかも強靭でした(苦笑)。

・エヴェルトンは当初あまりにもしょーもないボールロストが多いのが気になって仕方がありませんでしたが、JリーグといいACLといい、段々アジアレベルのDFの寄せなり間合いなりに慣れてきたのか、クネクネした身のこなしでボールを失いそうで失わず、逆に上手く寄せ手を交わして決定的なパスを出せるようになってきました。パスを出すだけでなく、自らシュートを放てるようになるとさらに良いのですが、エヴェルトンがボールの出し手として機能しだせば、ますますわざわざ柏木と併用する意味がないような。

・鈴木右CBというのはここ数試合で最大の発見でしょう。しかも森脇右WBとの相性が滅茶苦茶良く、攻撃力のある森脇を高い位置に押し出して鈴木が右SBっぽい位置にいる、さらには必要に応じてCHっぽい位置にも顔を出すと面白い動きをしています。さらに鈴木の立ち振る舞いがピッチ上の監督然としているのが頼もしい。こういうタイプのCBは浦和にはあんまりいなかった(あえて言えば遠藤が近いかな? 最後尾でただ怒っているだけの輩はいましたが(苦笑)。

・運悪く故障してU-20W杯のメンバにも選ばれなかった橋岡は気の毒ですが、橋岡の故障中にスタメン出場機会を得たを得た鈴木がこれだけ出来るとなると、橋岡の出番はすぐには回ってこないかもしれません。これがプロの厳しさ。

・最後に投入された選手は汰木ではなく荻原。IHとして投入するにはオリヴェイラ監督の判断としては荻原>汰木という感じなのかな?僅差で勝っている場面なので荻原には正直もっと激走して欲しかったけど、いきなり決定機に絡んだのには恐れ入りました。ファブリシオ復帰が秒読み段階で、柏木も近々戻ってくるでしょうから今後荻原にはなかなか出番は回ってこないかもしれませんが、監督は普段ベンチ外の選手の出来もちゃんと見ていることが判る選手交代でした。

・どフリーなのにとんでもないクリアミスでCKを与えてしまうなど前半終了時にはヘロヘロに見えた森脇でしたが、意外にもなんとか最後まで決定的には破綻せず、むしろ終盤決定機にしょっちゅう関与していたのにはびっくり!! でもバスの中で寝たいであろう選手には森脇のテンションの高さは迷惑でしょうなあ(苦笑)

・そして前半終了時に早くもユニフォームを交換する岩波とPJ(爆笑)。どんだけ神戸で仲良かったんやwww

・日テレが時計を常時表示しないのが謎すぎ。長年サッカー中継をしているのに何故なんだろう? そして毎度毎度のことながら城のネガティブトーク連発にはウンザリ・・・

 

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2019.05.04

【観戦記】19年第10節:浦和 0-1 磐田 ~ 聞いて極楽見て地獄・・・

・総得点、総失点とも少ないもの同士の一戦。浦和が順位(5位)ほど強くないのは見ての通りだし、磐田もぱっと見順位(17位)ほど弱いわけでもない。戦前から見どころに乏しい低レベルで拮抗した塩試合、「JTvs専売公社」みたいな塩の製造合戦が予想され、実際若干手数で磐田優勢なものの双方決め手を欠いた、しょぼしょぼのスコアレスドローで終わって然るべき試合内容だったと思います。

・しかし、こういうシオシオの試合展開で無類の強さを見せてきたのが今年のオリヴェイラ監督。名波監督が頼みのアダイウトンを諦めた時点で「浦和の必勝パターン!」と思った方も少なくないでしょう。そしてナバウト投入後浦和が大攻勢をかけ、89分のカウンターの好機(山中のパスが興梠に繋がらず、GKカミンスキーがキャッチ)が決まっていれば、これまたオリヴェイラ監督の算段通りという評価になっていたでしょう。

・ところが、そんな薄氷を踏むような試合展開の連続でお約束のように勝利を掴めるとは限らないのが極めて不確実性の高いフットボールの難しさ。終盤に勝負をかけにいっても如何せん残り時間が少ないので決定機はそんなに作れるはずがなく、しかも決まって然るべき決定機を決められずにドローで終わってしまう「ドロー沼」にいつ嵌まっても特に不思議はないでしょう。

・それどころか最低でも勝ち点1をもぎ取るような試合運びを進めながらも、自らのミスで勝ち点1すら奪えないこともある。ATに青木の緩いバックパスをロドリゲスに掻っ攫われての失点という、間抜けすぎて痛すぎて心が折れそうになる敗戦でしたが、それもまたフットボールと受け入れ、諦めるしかないと思います。

・ただこれを10連休のど真ん中、「小中高生は指定席の全席種550円」という破格の大サービスに釣られてやってきた5万人超もの観客の中でやらかしてしまったのはいかにも辛い。しかも今年の浦和はなぜかホームで極端に弱くて、リーグ戦ここまで1勝1分3敗。得点は5試合でわずか2点しか取っておらず、3敗はいずれも心がボキボキに折れかねない内容でした。

・アウェーでは終盤に逆転勝ちしたC大阪戦といい、平成最後のゴールを決めた清水戦といい、帰りの新幹線で赤者がどんちゃん騒ぎになるであろう印象深い勝ち試合を繰り広げているのに、このホームでのあんまりな塩っぷりはいかがなものか? これじゃまるで「聞いて極楽見て地獄」ではないのか? 負けは負けとして受け入れるしかないとしても、ホームでこれはないよなぁ、なんだかなぁという想いが沸いて止まないのもまた正直なところです。

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・またシュート数8対15というスタッツに象徴されるように磐田が押し気味に試合を進めていたのも確か。前後半とも浦和が6割方ボールを支配していましたが、アダイウトン&ロドリゲスの出足の鋭さを最大限活用したかのような磐田のショートカウンターのほうがより有効だったように見受けられました。

・しかも浦和は先述の89分のチャンス同様、44分山中横パス→逆サイドから鈴木突っ込むも後方から上原に倒される(でもなぜかノーファウル)、56分エヴェルトンスルーパス→興梠シュートは新里ブロック、と良い形になりながらも最後の最後で詰めを欠く、あるいはシュートに持ち込んでも磐田DFにブロックされてGKを脅かすには至らない場面だらけで、惜しかったのは前半ATの山中FKだけかな? 

・一方磐田は21分田口縦パス→アダイウトン巻いてミドルシュート、27分田口→山田右サイドからクロス→アダイウトン、62分田口FKが枠内を襲うも西川セーブ、67分ロドリゲスがボックス内に侵入してクロス→アダイウトン、72分ロドリゲスが右サイドでキープして縦パス→上原クロス→松本シュートも西川セーブと、シュート数もさることながら内容の上でも相手ゴールにより迫っていたのは明らかに磐田なので、決勝点がああいう残念な形であっても勝利に値したのは磐田のほうだろうという見方をする方もいるかもしれません。

・とはいえ、多少相手が手数に勝っていても「残念、そこは西川」とGKノーチャンスみたいな決定的な形で崩されない限りはなんだかんだと失点を許さないのが今年の浦和。ゆえに個人的にはこの試合はスコアレスドローが妥当な結果だったと思います。

・ただこの敗戦は全くの偶然、単なる不運とも思えない気も少々。オリヴェイラ監督は神戸戦で柏木&橋岡が故障したのを契機として続くアウェー全北戦から鈴木&長澤をスタメンに抜擢し、その後中4日&中3日と続く3連戦を全く同じスタメンで臨みましたが、さすがにこれには無理があったような気がしてなりません。

・同じ面子で試合を重ねてきた甲斐があって、依然サイド攻撃主体とはいえ左右のバランスは幾分改善し、かつ中央からの攻撃も垣間見られるようになったものの(これがこの試合の数少ない収穫)、決定機でわずかに精度を欠くのは出ずっぱりの興梠を筆頭に総員お疲れがゆえなのではないか? また最後の最後で青木が信じがたいミスを犯してしまったのは、これまた青木の使い詰めが遠因なのではないか? 

・さらに中3日で必勝が求められるアウェー・ブリーラム戦が控えていることを考慮してか、オリヴェイラ監督は63分に武藤、71分に長澤と早めに主力選手を下げましたが、それならスタメン自体を弄るべきではなかったのか? まぁこの辺は結果論の誹りを免れないでしょうが。

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・悪いことは続くもので、代わって投入された汰木&マルティノスの出来がよくありませんでした。汰木は浦和加入後初めてまとまった時間が与えられましたが、多少オープンな展開、スペースがふんだんにあるような展開、相手が疲れて緩急&切り返しに付いて来れないような展開じゃないと活きないようで、まだまだ力不足なことを実感させられました。

・汰木はともかく絶望的だったのはマルティノス。神戸戦からマルティノスの挙動がすっかりおかしくなって、まるで昨年の惨状に戻ったかのよう。「山中がうっかりマルの取説をトイレに流してしまった」という仮説はどうも本当臭く、86分にはボールの出しどころを探しながら自陣へ向かってドリブルした挙句に荒木に絡まれてボールを失う大失態!! 

・また汰木-マルティノス-山中と並ぶ左サイドは「誰が守るんだ?」状態で攻守のバランスが非常に悪く、なぜ長澤に代わって投入されるのが柴戸ではなかったのか非常に不思議。「マルティノス魔改造計画」はどうやら邯鄲の夢に終わったようです。

・ほぼ固定された主力には疲労の影が差し、交代選手は不発に終わるどころか自爆ボタンを連打する始末。そんな状況下で「まさか!」が起こってしまうのは必然とは言わないまでもありがちな話。続くアウェー・ブリーラム戦は運も不運もへったくれもなく、とにかく勝つしかない状況で、オリヴェイラ監督が「起死回生の一撃」となりうるような一手を放ってくれること、言い換えれば同じような面子で、同じような試合運びで不完全燃焼に終わってしまう愚だけでは避けてほしいと願うばかりです。

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---興梠--武藤---
---長澤--エヴェル---
山中---青木---森脇
-槙野--マウリシオ--鈴木-
-----西川-----

(交代)
63分 武藤→汰木
71分 長澤→マルティノス
86分 森脇→ナバウト(ナバウトがFW、汰木が右WBへ)

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-----アダイウトン----
--ロドリゲス---山田--
小川大-上原-田口-松本
-新里--大井--高橋-
-----カミンスキー----

(得点)
90+3分 ロドリゲス

(交代)
76分 アダイウトン→中山
83分 上原→荒木
90+5分 山田→大南

・前節札幌戦で出場停止だったロドリゲスがスタメンに復帰し、大久保はなぜかベンチ外。また故障明けの大井がスタメンに戻って大南がベンチスタート、さらにエリス→上原と3名入れ替え。こちらは計画的なローテーションというより、戦績低迷のため試行錯誤を余儀なくされているといった感じ。川又が前節札幌戦で故障するなど、昨年同様怪我人にも悩まされている様子。

・試合後の記者会見を見る限り、ロドリゲスは気性難で相当扱いづらくて名波監督もお悩みのようですが、アダイウトン共々突破力があるのは確か。この試合のようにこの2外国人FWを軸にシンプルに縦に早い攻めに徹すれば磐田も勝ち点をそこそこ拾えて残留争いに巻き込まれることはないような気がします。といっても、そこで欲を出して自爆するのが名波ですが(苦笑)。

 

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2019.04.29

【DAZN観戦記】19年第9節:清水 0-2 浦和 ~ 浦和式塩田、GW中もフル稼働や!!

・奇しくも平成最後のJリーグマッチとなったこの一戦。10連休で暇を持て余した挙句にDAZNでこの一戦を見ていた方も少なくなかったろうと思いますが、前半は当事者である赤者ですら寝落ちしかねないとんでもないシオシオな試合内容で、第三者的な方々の大半はハーフタイムで脱落したかもしれません。まぁ最近の浦和の試合内容を知っているJリーグファンなら、そもそもこんな試合をわざわざ見るわけがないだろうという気もしますが。

・ところがオリヴェイラ監督的には「そこがねらいよアクダマン」。試合を極力塩漬けにしてロースコアのまま時間を進め、終盤にセットプレー一発でなんとか勝ち点を稼ぐ。この試合もそんな「浦和式塩田」の典型、オリヴェイラ監督のグランドデザイン通りの試合でした。相手からすれば「やられた気はしないのだが、終わってみれば負けている」試合でしょうし、ヨンソン監督が主審に怒りのホコ策を向けるのも判らなくはありません。

・浦和は走行距離・スプリント回数ともJ1下位レベル(しかも闇雲に走らない代わりに上手くボールを動かすチームでもない!)。それゆえFC東京みたいな「走ってナンボ」のチームよりは過密日程の影響を受けづらく、相手が疲れてくる終盤になると相対的に浦和の動きが良くなるように見えるような気もしますが、それまではとにかく塩また塩。その塩山の彼方に勝機を見出すのが今のオリヴェイラ流。

・この試合も総じて浦和お馴染みの塩試合だったとはいえ、その塩味が絶品に思えたのは試合終了間際に綺麗なカウンターで追加点が取れたがゆえでしょう。今季流れの中からの得点はリーグ戦ではわずか1点。そんな浦和がこれ以上ないかもしれない美しい形のカウンターを決める。しかも得点者がエース興梠。いやぁ、こりゃたまらん!! 遠征組は静岡駅周辺で、そして新幹線車内での酒がさぞかし美味かったことでしょう。皆さま、お疲れさまでした。

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・浦和はアウェー全北戦から中3日にも関わらず、スタメン入替なし。体調不良のため全北戦前半だけで退いた槙野は大過なかったものの、柏木&橋岡が依然故障中。柏木がいないのでプレースキッカーとして山中は外せず、また森脇がいないと攻撃が全く成り立たない(右WB宇賀神には大きな期待はできない)等々、制約条件を数え上げればこういう結果になってしまうのかもしれません。しかし、完敗と言って差し支えない内容で敗れたのにスタメンの入れ替えなしというのは傍目からはちょっとモヤっとします。

・清水は前節C大阪戦で負傷交代を余儀なくされたCH竹内に代わって河井ではなく六平が入ったのが少々予想外。なお清水はSH石毛が故障長期離脱中。SH中村とFWドウグラスが故障明けといった感じ。

・浦和は3-5-2(守備時5-3-2)、清水は4-4-2とフォーメーションは違うものの、どちらも最終ラインを押し上げて前からプレッシャーをかけるスタイルという意味では似た者同士。しかもどちらもビルドアップに苦しみ、どちらも相手のビルドアップのミスに乗じてチャンスメークするしかありませんが、どちらもリスク覚悟の縦パスを頻りには入れてはこないので必然的にチャンスは少ないというとんでもない塩試合に。

・なにせ浦和が最終ラインでだらだらボールを回し(しかもミシャ期のように、相手に食いつかせる撒き餌みたいな意図は感じられない)、清水はそれを傍観するだけという時間がやたら長く、あたかも「水戸泉vs朝乃若」のように豪快に塩をまき続ける両チームでしたが、それでも前半ゴールに迫る回数はやや清水のほうが多め。清水には42分六平の浮き球で縦パス→ボックス内で中村シュートという決定機がありました。(西川が難なくセーブ)

・また24分鈴木からボールを奪ってショートカウンターという絶好機を作りながらテセ→北川の展開でオフサイド、35分には山中が攻め込んでのボールロストから北川クロス→テセヘッド(鈴木が付いているので大過なし)とカウンターの好機は明らかに清水のほうが多く、ただその過程でミスが生じて浦和は助かっている印象。

・それ以外に22分にはバイタルエリアでこぼれ玉を拾った六平がそのままボックス内に突入し、山中と接触してPKかと思われる一幕もありましたが、六平がバランスを崩して勝手にコケたと思われたのかPKなし。後で西村主審が六平に説明している風でしたし。

・浦和は相変わらず右サイド中心に細かくボールを進めても、清水の守備ブロックが出来上がっている中を攻めるので決定機どころかシュートすら撃てず、むしろ清水のカウンターを誘発する自爆装置をセットするだけに。前半も半ばを過ぎると縦ポンで興梠や武藤を相手最終ライン裏に走らせるくらいしかないという、今日も今日とて攻撃は絶望的な状況で前半終了。なにせ前半の浦和のシュートは33分槙野右奥へ大きく展開→武藤→森脇がカットイン&シュートという1本切り!!

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・ところが後半になると双方急激に中盤がスカスカになって若干オープンな展開に。最初に決定機を掴んだのは清水。51分CB立田からの縦ポンがボックス内でテセに通ったが、シュートは角度がないこともあって西川が難なく左足でセーブ。

・一方浦和も後半は珍しく攻めに人数をかけて相手を自陣深く押し込むだけでなく、エヴェルトン(55分)や武藤(63分)がバイタルエリアから可能性を感じさせるシュートで終わる場面が出始めました。少なくとも何の可能性も感じられないクロスで終わるよりは格段にマシ。

・ヨンソン監督は61分テセに代えてドウグラスを投入する勝負手を放ってきましたが、病み上がりのドウグラスはまだコンディションが不十分なのか、肝心なところで槙野に封殺されて最後まで見せ場なし(先制点に繋がったCKもカウンターに出たドウグラスが槙野にカットされたのが基点)。清水の攻め手も浦和右サイドから松原がクロスを放り込むのが目立つくらいで、それも簡単に浦和CB陣に弾き返されて全く決定機を作れず。

・一方、浦和は武藤に代えて汰木を投入した直後、73分山中CKからの流れで山中クロス→興梠胸トラップ&反転シュート→GK六反が弾いたところをマウリシオが詰めて先制。

・先制された清水は矢継ぎ早に選手を代えてくるがほとんど効果はなく、77分松原→ドウグラスのシュートが槙野を直撃して潰えたのを機に早々にパワープレーに切り替え。一方オリヴェイラ監督は85分長澤→柴戸で運動量を補充し、さらにATには清水のパワープレーに抗して山中→岩波で高さをテコ入れ。

・なんと6分もあったAT。試合終了間際に立田縦ポン→ドウグラスが岩波に競り勝ち→途中投入の滝のシュートがバーを叩く一幕がありましたが、その跳ね返りで浦和のカウンターが炸裂。汰木→ボールを失いかかったエヴェルトン粘る→青木→汰木→興梠と繋がって、軽くボールを浮かせてGKを交わした興梠がめでたく「Jリーグ平成最後のスコアーラー」を記録して試合終了。

・珍しく浦和が複数得点を取ったため、札幌&横浜M戦でこしらえた大きな得失点差のマイナスもついに完済。リーグ戦総得点わずか8なのに勝ち点は17も取って、とうとう順位は5位にまで浮上。なんとはるか上にいたはずの広島と勝ち点が同じですよ、奥さん!!

2008

---興梠--武藤---
---長澤--エヴェル---
山中---青木---森脇
-槙野--マウリシオ--鈴木-
-----西川-----

(得点)
73分 マウリシオ
90+7分 興梠

(交代)
72分 武藤→汰木
85分 長澤→柴戸
90+1分 山中→岩波

・とうとう汰木はマルティノスを抜いて、点を取りたい状況下での交代選手の一番手に浮上。どんなに短時間であっても毎試合1回は見せ場を作る汰木。この試合もAT+2分に自陣深い位置から単騎左サイドを疾走。敵陣深くで緩急を付けて2人をぶち抜いてシュートを放ち、CKを獲得する見せ場(=時間稼ぎの観点からも満点の出来!!)があっただけでお腹一杯、その辺のオバハンが年甲斐もなくヌレヌレになったような気がしますが、最後の最後でアシストまで記録するとは!。

・一方、ボールを要求してもなかなかボールが来ない山中に対して、解説戸田が「ボール来なかったら、それなりのポジションに戻れよ!!」と強烈にダメ出ししてたのには笑いました。カウンターを食らった際に往々にして山中が行方不明なのはポジション取りの悪さから来るんだろうなぁ・・・

・極め付きは90分柴戸&山中で左サイドから敵陣深くまでボールをドリブルで運び、山中がそのままコーナーで時間稼ぎorCKでも取りに行くかと思ったら、なんとクロスを上げて簡単に相手にボールを渡してしまう「アホの子」っぷりにも参りました。和製クアドラードじゃないのか、山中は(苦笑)

0022

---北川--チョンテセ---
中村--------金子
---六平--ヘナト----
松原-立田-ファン--エウシーニョ
-----六反-----

(交代)
61分 チョン・テセ→ドウグラス
77分 中村→楠神
80分 北川→滝

※写真は試合と一切関係がありません。

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2019.04.25

【TV観戦記】ACL2019・GS第4節:全北 2-1 浦和 ~ 前回対戦に続いて点差以上の完敗。攻め手の無さが致命的。

・AFCのスタッツによると、シュート数22対7と完敗。但し全北のシュートは相当ブロックされていて枠内シュートは4本しかなく、浦和(3)と大差がありません。このスタッツから「全北は決定機の数でこそ浦和を大きく上回っていたけれども、肝心なところで精度を欠いた」と評することができます。その点は前回対戦も同じ。浦和のデュエル勝率が低い(44.8%→44.3%)のも前回同様。

・しかし今回の対戦でCFに起用された長身9番(キム・シヌク)の存在が圧倒的だったせいか、空中戦勝率がガタ落ち(50.0%→41.9%)しており、これが前回以上に力の差を感じさせる主因だったかもしれません。いずれにせよ、極端に得点力が低い今の浦和が手強い相手に早い時間帯に失点してしまうとその失点をひっくり返すだけの力はなく、ましてや追加点まで取られてしまうとそこで事実上試合終了。正直興梠のゴールで試合の興味を終盤まで繋ぐのが精一杯だったと思います。

・塩試合の連続であっても結果が付いている限りは特に不満も出ないでしょうが、結果も出ないとなると実に惨めなもの。それでも否応なしに中3~4日で試合は途切れることなくやってきます。オリヴェイラ監督はせめてフレッシュな選手を活用し、「同じような面子で同じように負ける」愚だけは避けてほしいものです。

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・浦和のスタメンは神戸戦で負傷交代を余儀なくされた橋岡に加え柏木も小破したのか、鈴木&長澤と神戸戦から2名入れ替えて森脇を右CBから右WBへ転用。鈴木はこれが浦和移籍後初スタメンで、前回全北戦で失態だらけだった岩波と鈴木の優先順位がついに逆転した模様。なお同じく神戸戦で負傷交代したエヴェルトンは大過なくスタメンに。

・全北のスタメンではCFに大ベテランのイ・ドングクではなく、長身のキム・シヌクを起用したのが目を惹きました。布陣は前回同様4番(シン・ヒョンミン)アンカーの4-3-3ないし4-1-4-1。

・浦和の立ち上がりは上々で、6分に全北CKからのカウンターで長澤縦パス→右サイドから武藤クロス→中央でエヴェルトンスルー→フリーで興梠の決定機を得ましたが、興梠のシュートは惜しくも枠外。

・逆に12分森脇が無理に縦パスを通そうとしてカットされ、しかもその後の競り合いにも負けてボールロスト→ロペスがそのままカットイン&自らズドンで全北先制。前回対戦時にもロペスには随分やられながらもロペスが決定機を外しまくって事なきを得ましたが、今回は最初の決定機を決められてしまいました。そして終わってみればこの最初の決定機を巡る明暗がそのまま試合を決定づける格好に。

・早い時間帯に先制された浦和は前半良いところなし。前述のように今回も浦和の球際の弱さが顕著。守備ブロックを敷いて守ろうにも、相手を囲い込んでもなかなかボールを奪えないので自然守備ブロックが下がりがちに。そこでキム・シヌクにロングボールを放り込まれて簡単に叩かれ、セカンドボールを拾われて波状攻撃を許して大苦戦。

・15分にはイム・ヨンソン(5番)に中央突破を許し、32分にはキム・ジンスのロングフィード→キム・シヌク頭で叩く→ホン・ジョンホシュート(青木が辛うじてブロック)、36分にもキム・シヌクへのロングボールを契機に中央突破と危ない形を立て続けに許してしまいました。

・浦和の攻撃はいつも通りに低調。右サイドでボールを繋いで前進し、大きく山中に振ってなんとか活路を見出そうとするもほとんどシュートには至らず。逆にカウンターを食らって疲弊するだけに終わる場面も(34分)。縦ポン一発でで武藤や興梠を絶望的に数的不利な状況で敵陣に走らせるだけの「バンザイ突撃」としか思えない攻撃とはいったい何なのか???

・柏木不在なのでFKやCKは山中ないし武藤が蹴っていましたが、これも決定機を作れないどころかこれまた相手にカウンターを許してしまうお粗末さ(26分)。全北のCKは42分キム・ジンス→キム・ミンヒョクに決定機(西川がセーブ)。

・驚いたことに槙野にアクシデントがあった模様で、オリヴェイラ監督は後半頭から岩波を投入(鈴木が左CBへ)。試合後槙野は体調不良だったことが判明し、怪我ではなくて一安心しましたが、コンディションの良くない選手を無理使いした挙句、交代枠を無駄遣いする羽目になるというのも悲しい話。キム・シヌクへのロングボール攻撃に手も足も出なかったのは槙野のコンディション不良が一因かも。

・最終ラインがコロコロ変わるのが災いしたか、48分浦和右サイドからロペスがクロス→キム・シヌクに鈴木が付き切れずに失点。全北の最も得意な形で失点してしまいました。この失点ももとは右サイドから反撃に転じようとして森脇縦パス→武藤→森脇と折り返そうとしたところでボールを失ったところから。言うなれば最初の失点と同じく自陣深い位置でのミスからカウンターを食らったもの。鈴木の背後にはどフリーで全北の選手がいたので鈴木のキム・シヌクへの対応が遅れたのは致し方ないのかどうか。そしてこの場面で山中は何処へ???

・2点ビハインドになって浦和はリスク覚悟で最終ラインを目一杯上げざるを得なくなり、逆に全北が引き気味になったせいか、浦和のボールが幾分前に進むようになり、58分森脇のクロスが興梠に通り、今後は興梠がきっちり決めて浦和ついに反撃開始。単純極まりない攻撃ですが、これが決まったのはホン・ジョンホ(26番)の間抜けすぎるクリアミスがあってこそ。

・全北の運動量も落ちて徐々に試合はオープンな展開となり浦和の攻撃は手数こそ増えたが、なんだかんだと決定機は最後まで作れませんでした。63分武藤に代えてナバウトを投入したものの、ナバウトはまたしても誰とも噛み合わずに全力で空回りするという「ナバウトあるある」な展開になってしまい、無理目のシュートを連発するだけに。

・また山中のクロスは結局一つもシュートに結びつかず。現状山中がクロスを入れようにもターゲットの頭数もいなければ高さもないのに、オリヴェイラ監督が杉本を全然使わおうとしないのはかなり不可解。81分には山中のクロスが簡単に弾き返えされてロングカウンターの契機になってしまいましたが、ここは岩波が1対2の局面を何とか防戦して面目躍如。

・82分興梠が疲弊して汰木を投入せざるを得なくなった時点で、ただでさえ薄い浦和の勝ち目は完全に潰えてしまいました。とはいえ、絶望的な戦況でも86分ボックス内でDF2人をあっさり交わしてクロスとしっかりと一回は見せ場を作ってユルキストが狂喜乱舞(たぶん)。

・全北戦連敗を受けてグループステージはアウェーブリーラム戦&ホーム北京国安戦を連勝する道しかほぼ目がなくなってしまいましたが、依然自力突破の目が残されているのも確かな話。そこで長期離脱中のファブリシオがブリーラム戦に間に合えば心強いのですが・・・もともとこの辺での復帰を念頭にファブリシオを選手登録したのでしょうし。なんと言ってもACLは徳俵に足がかかってからが勝負です。

---興梠--武藤---
---長澤--エヴェル---
山中---青木---森脇
-槙野--マウリシオ--鈴木-
-----西川-----

(得点)
12分 ロペス
48分 キム・シヌク
58分 興梠

(交代)
HT 槙野→岩波(体調不良による交代。鈴木が左CB、岩波が右CBへ)
63分 武藤→ナバウト
82分 興梠→汰木

・予想外の柏木欠場という、ひょんなことから「柏木&エヴェルトンの併用を止める」形が実現しましたが、この試合を見る限り柏木不在は全く気にならず。もっともチームが低レベルで均衡しているがゆえという極めて寂しい意味での「問題のなさ」。少なくともミシャ時代のように、肝心なところで決定的な縦パスを出せる選手がいないという意味での「柏木不在」を痛感することはなさげ。むしろ長澤やエヴェルトンのようにある程度自分でボールを前に運べる選手のほうがマシなのではという印象も。

・全北は森脇と小競り合い、いざこざを起して退場に追い込む狙いがあった臭いなぁ・・・ 特に終盤ロペスが倒れた演技は鹿島級でした。

・92番とやたら背番号がでかいCBキム・ミンヒョクは昨年まで鳥栖在籍で、かつて金崎に顔を踏まれた選手。でも浦和の選手とは全然接点がないのか、話をしている場面は見当たらず。

・「ポルトガルはぁ」「韓国はぁ」と何の根拠があるのか判らない、いかにも古くて胡散臭そうな一般論を熱心に展開する解説都並とは何なのか? 

 

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2019.04.21

【観戦記】19年第8節:浦和 1-0 神戸 ~ 塩試合のマエストロにも程があるだろう!!

イニエスタがうっかり「翔んで埼玉」を見てしまってすっかり怖気づいてしまったのか、あるいは神戸フロントが「だいたいたった3000円かそこらでイニエスタを見ようという料簡が間違っとるんや!桁が違うだろ、桁が!! 埼玉県人にはその辺のウェリントンでも出しておけ!!」と思ったせいかどうか判りませんが、イニエスタは昨年に続いて埼スタでの浦和戦を欠場。

・またイニエスタまさかの欠場に加え、神戸は昨年9月から指揮を執っているリージョ監督を4/17に突如更迭して吉田監督を再登板させたばかり。それゆえオリヴェイラ監督は相手の出方が読みづらく、対策も立て辛かったとは思います。

・しかし、蓋を開けてみれば神戸の出方は目先の勝ち点欲しさに奇策に打って出るどころか、リージョ監督が積み上げてきたものからさほど逸脱していませんでした。従って浦和の事前準備のアテが外れたという話にはならないはずですが、試合内容はまたまた塩の山。塩試合だらけの今季の中でも最大級の塩試合でしょう、これは。

・10分に興梠がもぎ取ったPKを自ら決めて今季の浦和としては珍しく早い時間帯に先制。「おっ!今日の浦和は違うぞ!!」とほんのちょっぴり期待したのですが、そこからが辛かった。前半の戦局は一進一退で良いとは言い難いものの悪くもないと評価できるでしょうが、後半は防戦一方。シュート数計5本で、後半はわずか1本というスタッツがこの試合の塩っぷりを如実に物語っています。

・さすがにここまで塩試合が続くと選手のコメントも湿りがちで、次のシーズン序盤で最もタフなゲームになるであろう全北現代とのアウェーゲームへ向けて意気上がる感じは選手達からは全く伺えません。アウェーで勝たないとグループステージ首位通過は絶望的になり、負ければ2位通過すら怪しくなる一戦で、とにかく点を取らないといけない。今の浦和にとって甚だ困難なタスクをどうやって遂行するのでしょうか?

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・なんだかんだと勝っているから、あるいは次戦全北戦での入れ替えを想定してか、浦和の神戸戦のスタメンは前節G大阪戦と全く同じ。サブに鈴木→岩波の入替が見られただけ。神戸はイニエスタ→小川、初瀬→三原と2名入れ替え。後者は監督交代の色が濃く出たものと目されます。

・また神戸の布陣は4-2-3-1。但しポドルスキが前半はしょっちゅうボランチの位置まで下がってくる「大久保現象」を早々と引き起こしていて、早くも吉田監督前途多難なご様子。そんな神戸に対して浦和は5-4-1の守備ブロックを高めの位置に敷いて対抗。ただ相手へのプレッシャーがほとんどかからず、ただ守備ブロックで相手の攻撃を引っかけるだけになりがちだったのはオリヴェイラ監督も嘆く通り。特にSB西をフリーにさせ過ぎで、これが嫌なのでオリヴェイラ監督が4バックを模索しだしたはずなのに。

・浦和の攻撃は立ち上がりこそ悪くなく、4分山中アーリークロス→興梠シュートという形を作っています。ただ試合が動いたのは神戸の自爆。8分三原からのバックパスを受けようとした大崎がなぜか転倒。すかさず主のいないボールを拾った興梠がカバーに来たダンクレーのファウルを誘うような形で切り返して見事PKゲット。PKも助走フェイントでGKのタイミングをずらしてきっちり決めてくれました。

・その後の戦況は一進一退というか、あまり動かないもの同士の塩試合。

・神戸はしっかりボールを繋いでピッチを面的に支配する志向が強いものの、その中でポドルスキが深い位置からワイドにボールを散らしてサイド深くボールを運んでからウェリントンへクロス、あるいは深い位置から直接ウェリントンへハイボールと俗称「ウェリボール」を織り交ぜてくるので厄介なことは厄介ですが、なんだかんだと浦和最終ラインが粘り強く対応して「ウェリボール」の形からは決定機は許さず。

・一番危なかったのは39分エヴェルトンがポドルスキに引き倒されたところ(セルフジャッジで浦和の足が止まる!)から食らったショートカウンターで小川に際どいシュートを撃たれた場面かな?一方浦和の見せ場は37分CKのこぼれ玉を拾った武藤の枠内シュートがGKキム・スンギュに阻まれた場面だけ。なんで浦和戦に限ってスンギュ使うんや・・・

・この試合のある意味「良かった探し」と言えるのは前節G大阪戦に続いて山中のクロスをシンプルに使う場面が前半数多く見られたこと。ただクロスを上げた先に飛び込む頭数が少なく、おまけにカウンターチャンスを含めて「残念、そこはダンクレー」で終わってしまう場面が目立ちました。神戸はどちらかといえば左サイドが弱いのに、浦和は神戸の右サイドばかり攻めているチグハグな感じも多々。武藤&橋岡&森脇によるサイド攻撃はボールを持てこそすれクロスは全く入らなかったような。

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・良いとは言い難いものの悪くもなかった前半とは一変して後半は見るも無残。立ち上がりから神戸の攻勢の前に自陣深く押し込まれ、ロクにカウンターチャンスも作れず。前半「大久保現象」を起していたポドルスキが前に張り付くようになり、後方で捌けるサンペールとの相互補完が確立=「トモニイコウ」状態に。そして53分にはウェリントンのポストを活かしてポドルスキに中央突破を許し、こぼれ玉を古橋に撃たれる大ピンチが発生。さらにそれで得たCKからの流れで大崎にボックス内どフリーでシュートを撃たれてしまいました(シュートはバーの上)。

・57分エヴェルトンが小破して長澤と交代。さらにほぼ同時に橋岡も傷んで宇賀神と交代。橋岡の痛がり様はハンパなく、激痛をこらえながらしばらくピッチを彷徨い続け(なかなかゲームが切れずに外へ出られず)、案の定すぐに×印が出て交代させられましたが、エヴェルトンまで故障していたとはピッチを去るまで正直気づきませんでした。

・長澤はともかく宇賀神はこの時間帯での投入を全く予期していなかった(オリヴェイラ監督自身も!)ようで、いかにも守るので精一杯。試合に入れずに数少ない攻撃の機会をパスミスで寸断する始末。

・ただ浦和は防戦一方とはいえ、神戸にアホほど決定機を与えまくっていたわけでもないというのがこの試合の評価の難しいところ。65分に西ロングボール→ウェリントンヘッドで落とす→古橋が際どいシュートを放った場面がありましたが、終わってみればこれが神戸の攻勢の終末点。

・吉田監督が71分ポドルスキに代えて田中を投入し、しかも布陣をはっきりとした4-4-2に変更したのはどう見ても失着でしょう。高い位置に出てきて浦和守備陣に脅威を与えていたポドルスキを下げてくれたので、浦和は波状攻撃を浴びる可能性、まさかの一発を食らう可能性がぐっと低くなり、神戸の攻勢をドン引き守備ブロックで耐え忍ぶだけで良くなりました。

・一方オリヴェイラ監督が70分に柏木に代えてマルティノスを入れたのも失着。山中がうっかり取説をハーフタイムにトイレに流してしまったのか、マルティノスはまるで昨年の惨状に戻ったような残念なプレーぶりでコネコネした挙句にボールを失うわ、コケてやたら痛がるわと散々。しかも僅差で勝ってる試合で山中とマルが「黒ひげ爆弾ゲーム」の剣の刺し合いを演じる始末!!両者とも何本剣持ってんねん・・・持参金代わりに横浜Mから持って来たんか・・・

・塩試合で勝ったとはいえ故障者をいっぺんに2名も出してしまった一戦。特に橋岡は長期離脱の恐れすら感じさせる痛がり様でしたが、全北現代戦ではエヴェルトン&橋岡に代わって起用される選手が監督の期待を上回る出来を見せて、この閉塞感を一気に打破してほしいものです。

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---興梠--武藤---
---柏木--エヴェル---
山中---青木---橋岡
-槙野--マウリシオ--森脇-
-----西川-----

(得点)
10分 興梠 慎三

(交代)
57分 エヴェルトン→長澤(故障による交代)
57分 橋岡→宇賀神(故障による交代)
71分 柏木→マルティノス

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-----ウエリントン----
古橋---ポドルスキ--小川
--サンポール--山口---
三原-大崎--ダンクレー-西
-----スンギュ-----

(交代)
71分 ポドルスキ→田中(はっきりした4-4-2へ)
76分 小川→増山
81分 三原→初瀬

※イニエスタに加え、ビジャも故障欠場。

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2019.04.16

【観戦記】19年第7節:G大阪 0-1 浦和 ~ 拙守対拙攻が織りなす塩試合を制す

・FC東京戦では辛うじて同点に追いついたものの、横浜M戦ではボコボコにやられ、続く全北戦も大敗を喫していても不思議はなかった内容で手痛い敗戦。開幕以来試合内容に見るべきものがないどころか、試合を重ねても内容が改善しているようにも見えないのに勝ち点だけはそこそこ拾い続けましたが、ホーム3連戦ではとうとう結果すら出なくなってしまいました。

・オリヴェイラ監督も全北にホームで敗れて思わず「ファブリシオ待望論」を口走ってしまう始末で、浦和の監督就任以来最も厳しい局面に立たされたと思える中でのG大阪とのアウェーゲーム。試合内容は「G大阪の拙守 対 浦和の拙攻」が織りなす総じて低レベルなもので、当然ながらまたしても「いぶりがっこ」の如くしょっぱいものでしたが、どんなに塩試合であろうが終盤までロースコアで耐えれれば手駒が豊富な浦和に勝ち目が出てくる。終わってみればそんなオリヴェイラ監督のグランドデザイン通りの試合だったと思いました。

・オリヴェイラ監督は相手の手口を研究し、それに応じた対策は立てるものの、攻撃は選手任せで基本戦術なんて無いも同然。よって選手のクォリティーに結果が左右されがちで、しかも今年のキャンプはフィジカルトレーニングに全力を注いだので、実戦の中で選手間の「あうんの呼吸」が整うまで時間がかかる。それゆえシーズン序盤は塩試合だらけになるのはオリヴェイラ監督も覚悟の上でしょう。

・武藤、青木、そしてファブリシオが戻ってくるまでとにかくいぶりがっこ製造マシーンでも良いから勝ち点を稼ぐ。オフの補強は何だったのか?という気もしてなりませんが、リーグ戦7試合を終えて得点わずか5で勝ち点11を稼ぐとはいやはやオリヴェイラ監督恐るべし。またこの試合の終盤、各駅停車的で緩急もなければ意外性もない浦和の攻撃に若干スピード感が出てきた辺りは、ほんの少しながら明るい材料と言っていいかもしれません。

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・浦和のスタメンは全北戦から岩波→橋岡、宇賀神→山中と2名入れ替え。全北戦で失態続きだった岩波はスタメンを外されるどころか一気にベンチ外となってしまい、代わってここ数試合ベンチ外だった橋岡をスタメンに抜擢。またマルティノスがベンチ入りしたため杉本がベンチ外に。スタメン固定気味なのが閉塞感に拍車をかけている感が強いオリヴェイラ監督の選手起用ですが、厳しい競争に晒されている選手も少なくありません。

・また横浜Mにボコボコにされて4バック導入は時期尚早と感じたのか、全北戦に続いてこの試合も元の定番3-3-2-2に回帰。但し森脇を右CBに下げて、橋岡を右WBに据えたのが目を惹きました。試合後の会見によれば藤春の攻撃力を警戒しての橋岡起用のようです。

・G大阪はリーグ戦3試合連続でスタメンから外れていた今野とオ・ジェソクがスタメンに復帰して判りやすい4-2-2-2の布陣。両名ともなんでスタメンを外れていたのか傍目にはよく判りませんが、試合後の会見によれば今野は足首の状態が良くないようです。

・前半はまさにシオシオ。共に低調なチームらしい低レベルで拮抗した試合で、それでもG大阪のほうが倉田なりアデミウソンなりがカットイン&枠内シュートを撃っており、また41分にはファン・ウィジョがダブルタッチでボックス内で槙野を交わしかかる場面があった分(足を引っかけた槙野はPKを取られても不思議なし)多少マシかな?という感じ。

・浦和はこの試合もビルドアップに苦しみ、G大阪に前からプレッシャーをかけられてサイドに追いやられてボールを失ったり、横パスをカットされてカウンターを食らいかかったり。38分にボールの出しどころを探して長考に陥った青木がプレスバックしてきたウィジョも含めて複数人に囲まれてしまう一幕がありましたが、あれがこの試合の浦和の苦境を象徴する場面だと思います。

・ただ浦和はボールを失ってからの攻→守の切り替えが速く、たちまち5-4-1の守備ブロックを形成し、かつマウリシオや槙野の奮戦もあってなんだかんだとG大阪に決定的な形は作らせず。今のG大阪の持ち味はカウンターでアデミウソン&ウィジョの個人能力を活かしきるだけなので、自爆ボタンを連打せず、落ちついて守備ブロックを作れればさほど怖くありません。

・一方攻撃はどうにもならず。毎度毎度の各駅停車攻撃で、かつほぼ右サイド攻撃に終始。大きく左に振って山中のクロスに賭ける形は16分に山中→興梠で一度あっただけ(しかもオフサイド)で、結局ボックス周辺からエヴェルトンや青木、森脇がミドルを放つのが精一杯。頼みのセットプレーも40分柏木FK→マウリシオヘッドで地面に叩きつけたボールが大きくバウンドしすぎてバーを超えてしまった見せ場があったくらい。

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・後半に入っても心持ちG大阪ペースで推移し、53分遠藤CK→今野ヘッド(西川が好セーブ!)、58分遠藤CKからの流れでアデミウソン強襲(DFに当たってわずかに枠外)とピンチの連続。一方浦和は槙野が遠目からシュートを放つのが精一杯というトホホな流れでしたが、早くもG大阪の守備陣がユルユルになって来たせいかそれなりにボールを繋げるようになり、62分相手を押し込んでアーク付近から武藤シュートあたりから浦和もようやく反撃開始。

・65分にはエヴェルトン左へ展開→山中クロスが飛び込んだ柏木に合いかかるという、浦和が狙っていたであろう形がようやく実現。74分には中に入った橋岡が左へ展開→山中クロス→飛び込んだ柏木ヘッドという同じ形が生まれて、浦和の反撃も軌道に乗り始めたと思いきや、80分カウンターの好機を得ながらも守→攻の切り替えが遅くて全力で帰陣するG大阪に対して攻め手が足りずにシュートで終われないという、相変わらずの「後ろ髪引かれ隊」な浦和。

・ただ僅かながら戦況が浦和優勢に転じたのを見て取ったのか、あるいは宮本監督が81分今野→高江と動いたのを見てか、オリヴェイラ監督は82分武藤→ナバウト、柏木→マルティノスと一気に2枚を替えて前線からの圧力を強化。

・これは一定の効果があり、86分マルティノス→ナバウト、左ペナ角付近から放ったシュートでCKを獲得。87分マルティノスCKからのこぼれ玉をエヴェルトンが叩き込んで浦和がついに先制。エヴェルトンのシュート時に興梠がオフサイドの位置にいたのでひと悶着ありましたが、主審と副審が協議の末、興梠はプレーに無関与と判断された模様。

・失点直前に宮本監督は倉田に代えて中村を投入しましたが、先の高江共々何の効果もなし。それどころか、先制されてからなぜかパワープレーに転じる始末。それに対してオリヴェイラ監督は山中に代えて鈴木を投入する念の入れようで、5バックでG大阪の攻撃を淡々と跳ね返して楽々逃げ切り勝ち。

・G大阪の誇る2トップの持ち味はどう見ても地上戦で、実際73分遠藤縦パス→アデミウソン左サイドからカットイン→森脇&マウリシオを交わしてボックス内でシュート(槙野に当たって枠外)という好機を作っただけに宮本監督の采配は不可解でした。終盤の采配力勝負になれば宮本監督はオリヴェイラ監督に遠く及ばない。そんな試合だったと言ってもいいでしょう。

002_14

---興梠--武藤---
---柏木--エヴェル---
山中---青木---橋岡
-槙野--マウリシオ--森脇-
-----西川-----

(得点)
87分 エヴェルトン

(交代)
82分 武藤→ナバウト
83分 柏木→マルティノス
90+3分 山中→鈴木(槙野が左WBに回って5バック)

・前述のように今のG大阪の攻撃は強力2トップをカウンターでシンプルに使うのが最も怖いパターン。それゆえファン・ウィジョを一対一で封じ続けたマウリシオが個人的なMOM。60分くらいからかなりマシになったとはいえ、攻撃陣は相変わらずしょっぱく、守備陣を評価すべき試合だったと思います。

・とはいえ、どんな形であれエヴェルトンについに結果が出たのは嬉しいところ。外国人選手としてはがっかりするくらいボールロストが目立ちますが、この試合総じて「動かざること山のごとし」な浦和にあって最も良く動いていましたし、ようやく周囲と噛み合ってきたのかも。

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---アデミウソン--ファン--
倉田-------小野瀬
---今野--遠藤---
藤春-ヨングォン-三浦--オ
-----東口-----

(交代)
45+2分 藤春→米倉(負傷による交代。米倉が右SB、オが左SBへ)
81分 今野→髙江
86分 倉田→中村

・21分、浦和FKから間抜けすぎるカウンターを食らい、アデミウソンに抜け出されかかった柏木が抱きついて阻止。100%イエロー相当のプレーなので飯田主審はさっさとイエローを提示すればいいものを、なぜかモタモタしているのを見て、これまたなぜか東口がはるか後方からわざわざやってきて異議でイエロー。東口は都築の後継者なのかも(苦笑)

・このあたりのやり取りを見るにつけ、どうも飯田主審は選手に信用されていない感じで、それが決勝点で無駄に揉める伏線になっていたような気が。

・44分森脇の正当なタックルでボールを失った藤春が転倒。その際手の付き方が良くなかったのか、左肩を痛めてすぐさま負傷交代を余儀なくされました。前半のG大阪の攻撃は左サイド偏重だったので、藤春負傷が試合の流れに影響した可能性は大いにあります。ただでさえ2トップ頼みの攻撃が一層そんな感じになってしまいましたし。

 

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2019.04.10

【観戦記】ACL2019・GS第3節:浦和 0-1 全北 ~ 結局ファブリシオ頼みなのか、この閉塞感の解消は・・・

・浦和の決定機もいくつかありましたが、その決定機でもバーやポストを叩くのが精一杯でGKソン・ボングンを脅かすような枠内シュートはたいして撃てませんでした。全北は前半30分まで浦和を圧倒。決定機を量産しながらこちらも肝心なところでシュート精度・強度を欠く嫌いがありましたが、77分についに先制してそのまま逃げ切り勝ち。

・全北の選手交代、しかも対日本、対Jリーグ勢で圧倒的な実績を持つベテランFWイ・ドングクを下げて全く違うタイプのFWアドリアーノを投入する策が見事に当たったのに対し、オリヴェイラ監督の選手交代はまたしても後手に回ってしまい、柴戸を用意している最中に失点を喫してしまう始末。まるで勝負運に見放されたみたいで。

・優勝候補の一角と目される手強い全北に手も足も出なかった完敗というわけではなく、厳しいアウェーゲームで勝ち点をもぎ取れる可能性は十分あり、下を向くような試合ではなかったとは思いますが、浦和の攻撃力の貧弱さはあんまりにも程があり、ウノゼロの勝ちが精々。1点取られたら今の浦和ではもはや勝ち目はほとんどありません。

・試合後の記者会見でオリヴェイラ監督は全北との再戦でファブリシオが戻ってくる可能性に言及していますが、結局ファブリシオの個人能力頼みでしか貧打問題を解決できないというのであればあまりにも寂しい。一向に試合内容は改善されないのに似たような面子がずっとスタメンに居並び続けていることもあってか、浦和の閉塞感はいや増すばかり。桜も終わろうとする時期なのに厳寒期に戻ってしまったような天気も相まって、帰路の足取りは重いのなんの・・・

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・横浜M戦の惨敗でオリヴェイラ監督は成熟度の低い4バックを短期決戦のACLグループステージで使うのはリスクがでかすぎると判断したのか、慣れた3-5-2(3-3-2-2)に回帰。スタメンに岩波が復帰し、代わって長澤がベンチ外。さらに山中→宇賀神の入れ替えは予定通りでしょう。

・ところが、序盤の出来は横浜M戦の延長に等しい悲惨なもので、ここで複数失点を喫してあっさり敗戦しても何の不思議もありませんでした。

・全北のフォーメーションは4番(シン・ヒョンミン)をアンカーに据えた4-1-4-1。ロングボールを多用して手短に前線にボールを進め、セカンドボールを拾ってからのサイドからのクロス攻撃が基本。実に判りやすい攻撃でしたが、浦和はこの試合も球際が弱く、競合いに勝てないため、全北がやりたい放題に。特にガチムチ系の左SHロペス(10番)には苦労させられっぱなし。

・自陣深い位置でファウルを犯してFKを与え、CKも山のように与え、セットプレーではほとんどハイボールに競り負けてシュートまで持っていかれるという厳しい展開。

・また3バック回帰で久々に出場機会を得た岩波の出来が芳しくなく、深い位置でのパスミスとか絡まれてボールロストとか恐ろしいほど自爆ボタンを連打。あんまりな1対1での負けっぷりをみるとACLには向かない選手のような気がしてなりません。

・ところが全北も決定機を何度も掴みながら肝心なところでシュート精度・強度を欠き、なんだかんだと立ち上がり5分FKからロペスのシュートが西川を脅かしただけかも。19分スローインからロペスクロス→ボックス内どフリーでイ・ドングクヘッドなんて枠内にシュートが飛ばないのが不思議なくらいの超決定機でしたが。

・浦和もリトリート主体の守備に切り替えて耐えに耐えて30分くらいからようやく反撃。32分岩波サイドチェンジ→宇賀神クロス→ファーで武藤ヘッドで最初の決定機。相変わらずの各駅停車的攻撃で、全北の守備ブロックがすっかり整っている中を攻めなければならないのが残念でなりませんが、それでもなんとかサイド攻撃に活路を見出したようです。30分くらいから浦和のビルドアップがスムーズになりだした主因は試合後の監督コメントを読んでもよく判りませんが・・・

・この試合、浦和の攻撃のキーマンはどう見ても森脇。極論すれば森脇&武藤のコンビネーションで右サイドから何とか攻撃を成り立たせているようなもので、53分にはエヴェルトン→武藤→森脇がバイタルエリアから放ったシュートがポストを直撃!! 60分森脇→エヴェルトン、62分森脇縦パス→武藤が右サイドスペースを疾走してそのままシュート、72分宇賀神逆サイドへ展開→森脇クロス→武藤ヘッド(惜しくも枠外)と森脇絡みで決定機を量産しました。

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・ところか浦和が比較的良かった時間帯ですら攻めきれずにカウンターを浴びる場面も多々あって、戦況は必ずしも浦和優位とは言えず、五分五分より少しマシといった程度。41分に食らったロングカウンター(ロペスクロス→7番(ハン・ギョウォン)ヘッドは即死ものでしたし。

・戦況が若干浦和優勢に傾いたところでジョゼ・モライス監督が放った妙手がイ・ドングクに代えて32番(アドリアーノ)の投入。全く違うタイプのFWを入れて空中戦主体から地上戦主体に切り替えるという判りやすい交代でしたが、浦和は全北の地上戦というオプションにどこまで準備が出来ていたかなぁ?試合後オリヴェイラ監督が「我々が最も練習している形のひとつで失点してしまいました」と力説していますが、それにしては粘り強さもへったくれもない、あっさりしたやられっぷりでした。

・77分の失点はマウリシオのヘッドでのクリアがIHの5番(イム・ヨンソン)に渡ってしまったところから、アドリアーノ→ロペス→アドリアーノとボックス内で繋がれたもの。岩波が中途半端にアドリアーノに飛び込んで交わされたのも残念でしたが、それ以上にバイタルエリアでずっとロペスがフリーって何なん????遅れて森脇が付くも時すでに遅し。

・しかもオリヴェイラ監督が柴戸を準備している最中に失点してしまうという辺りがなんとも物悲しい。失点直後に投入された柴戸は広範囲を動き回って中盤にカツを入れ、83分には宇賀神のミドルシュートがバーを直撃。続いて投入された汰木が86分岩波の縦パスを受けて裏抜け&ループシュートの見せ場。最後は岩波に代えて杉本を入れ、4-4-2に転換して反撃を試みましたが、1点が遠くてそのまま試合終了。

・浦和は得失点差で辛うじて2位に留まったものの、ホームでの敗戦はグループリーグ勝ち抜けへ向けて大ダメージ。次戦アウェーでの全北との再戦はより厳しいものになるでしょうが、この試合で得た手応えをもとにオリヴェイラ監督が、そして選手達がどの程度修正してくるかが見ものです。

・なお全北といえばラフプレー連発をも辞さない荒っぽいチームというイメージが拭えませんが、久しぶりに対戦してみるとめっちゃクリーンなチームに生まれ変わっていてびっくりしました。勝ったので韓国の田舎クラブにありがちな「試合後の御乱行」も当然ながらなし。仙台とか松本とかのほうが今やはるかに汚く、うーんこんなところでも日韓逆転現象ががが・・・

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---興梠--武藤---
---柏木--エヴェル---
宇賀神--青木---森脇
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(得点)
77分 アドリアーノ(全北)

(交代)
78分 エヴェルトン→柴戸
84分 柏木→汰木
88分 岩波→杉本(武藤・汰木がSHに入る4-4-2へ移行)

・岩波の不出来が目に余りましたが、ずっとスタメンで出ている興梠や柏木の出来も褒められたものではありません。チームとして結果が出ているのでヘロヘロなのを承知で使っているというのならまだしも、結果も出なくなり、しかもずっと試合内容も良くないのにスタメンで使い続けるというのは甚だ疑問。

・守備に難がある汰木はスタメンでは使いづらいでしょうが、短時間ながら途中投入の柴戸や杉本は良かっただけに、今のスタメン固定は閉塞感を加速させるだけに終わっているような気がしてなりません。

・故障明けの武藤&青木は2試合叩いてようやくコンディションが上がって来た様子。これは好材料。

・なお橋岡がこのところベンチ外なのを不思議に思っていましたが、森脇に代えて攻撃面に難がある橋岡を入れると浦和の攻め手が完全になくなってしまうので致し方ないのでしょう。宇賀神が右WBも一応できるので、森脇故障に備えて橋岡をベンチに入れる必要も乏しく、CBの控えとしては橋岡より鈴木のほうが信頼できる。競争の結果なので仕方ありませんが、橋岡は一気に厳しい立場に。こういう競争が他のポジションでももっとあってしかるべきでしょうに、現状左右のWBだけだからなぁ・・・

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