2020.02.22

【DAZN観戦記】20年第1節:湘南 2-3 浦和 ~ またしてもザルで殴打! VARもあるでよ!!

・早々に先制されたものの、前半のうちに逆転に成功し、後半追いつかれ、さらに突き放すという絵に描いたようなシーソーゲームながら浦和が辛勝。しかしながら、決勝ゴールを決めた関根が試合後のインタビューで明言していたように試合内容は芳しくありませんでした。攻撃面ではル杯仙台戦ほど予めデザインされたような形で決定機を作れませんでしたし、守っては仙台戦と全く同じやられ方を繰り返して2失点。

・ゆえに試合後大槻監督が語ったように、内容的には引き分けが妥当だったと思いますし、試合の流れからすれば73分タリクがPKを決めていればそのまま浦和が負けていた可能性は高かったでしょう。

・ただ内容は良くなくても勝ち点を積み上げるのはめっちゃ大事。チームは土台から建て直し中なので、竣工までどうしても時間がかかる。建て直し中なので思うように勝ち点が伸びないとどうしても新たに取り組んでいることに疑念が生じ、方針がブレにブレ、下手をすると旧に復してしまうかもしれない。早々に降格圏を彷徨う羽目になったらなおさら。2018年堀体制がそんな感じでした。

・ある程度余裕をもってチーム再建に取り組めるようにするため、芳しくない試合内容でも勝ち点を稼ぐのは大事。でも目先の勝ち点欲しさに、新たに取り組んでいることからブレまくっては意味がない。

・その点この試合は浦和がやろうとしていることが良くも悪くも反映された末での「芳しくない内容」なので許容範囲であり、しかも勝ち点3を掴み取ったのですから諸手とは言わないまでも片手くらいでバンザイしても良いでしょう。同じやられ方を何度も繰り返し、大槻監督の修正能力に疑問符付きまくりだとしても。むしろ、1点目と3点目は縦に速く攻める意識が結実したものと前向きに捉えてもいいのかもしれません。

・しかも相手は残留争いのライバルと目される湘南からアウェーで勝ち点3を奪取したのですから小躍りしても許されるでしょう。気が早すぎて何ですが、湘南からの勝ち点3が後々効いてくるかも(苦笑)。

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・共にル杯から中4日の一戦。スタメン大幅入れ替えを余儀なくされるほどの試合間隔ではないにしても、浦和のスタメンはなんとル杯から杉本に代えて興梠を入れ替えただけ!! しかもル杯でMOM級の活躍を見せた杉本は一気にベンチ外になったのは心底驚きました。一方湘南はル杯から岩崎→石原直、舘→直輝、中川→齊藤、馬渡→鈴木、大野→岡本と5人も入れ替え。

・湘南は立ち上がりから浦和SBの裏へ盛んにロングボールを蹴ってサイド攻撃。7分にはその狙いがハマリ、浦和右サイドから左WB鈴木冬クロス→FW石原直ヘッドで早々と先制。岡本→タリクへのサイドチェンジこそきっちりタリクにマークが付いていたものの、浦和右サイドでタリク→齊藤→直輝→鈴木と回されているうちに鈴木冬がフリーになってしまい、しかも石原直にCB鈴木大とSB山中の間に飛び込まれて万事休す。クロスを上げる鈴木冬もフリーなら、石原直もフリーという目も当てられない形での失点でした。

・早めに先制されたためか、その後の浦和は5-3-2で構える湘南に対してややボールを持たされ気味になり、また湘南の攻守の切り替え浦和以上早くて、仙台戦のような縦に速い攻めはやろうにもやれず。また時折強くプレッシャーをかけてくる相手に浦和のビルドアップは相変わらず怪しく、20分には柴戸がセンターサークル付近でボールロストしてヒヤリ。浦和の反撃は22分柴戸縦パス→汰木のカットイン&ミドルシュートが枠を捉えたくらい。

・逆に27分にはCKからの流れで右からのクロスをFWタリクにフリーでヘッドを撃たれてヒヤリ。この場面は浦和両CBの間をタリクにやられていますが、相手を掴まえていて競り負けたのならまだしも、ポジション取りの時点で「お前はもう死んでいる」というのは何なんだろう???

・浦和はここまでほとんど良いところがありませんでしたが、39分に突如反撃開始。山中縦パス→汰木が右WB石原広の裏に抜け出してクロス→興梠のシュートはいったんGK富居に阻まれたものの、自ら詰めてゴール!! あまりにもあっけない得点だっただけに、その前の直輝のファウルを巡る長々としたVAR判定で湘南の集中が切れていたようにも見受けられましたが、猛然とプレッシャーをかけに来た齊藤の逆を取って縦に大きく蹴った山中の技ありなのかも。

・さらに42分、柏木CKからの流れで湘南の不十分なクリアを浦和が拾いに拾い、山中クロス→ファーでレオナルドが石原広に競り勝ってヘッド!! レオナルドが石原広を押しているように見えなくもないのですが、VARのお咎めはなし。

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・劣勢だったはずの浦和が前半のうちに一気に逆転に成功したため、後半は湘南にボールを持たせて浦和がカウンターを狙うという、浦和におあつらえ向きの展開になりかかりましたが、2度あったカウンターのチャンスはいずれもシュートに持ち込めず。レオナルドが前残り気味&杉本が引き気味で受ける両者の関係は抜群だったのに対し、やや性格が被り勝ちなレオナルドと興梠の相性はあまりが良くなかったような気も。

・また仙台戦と違って湘南とはフォーメーションが噛み合わずに随所でミスマッチが生じるせいか、守っては仙台戦ほど食いつかずにリトリート優先で耐えていましたが、良い形でボールを奪える回数は多くはありませんでした。

・そしてクロス攻撃に対する脆さを65分にまたまた披露。引いて受けた石原直から右サイドの鈴木冬へ大きく展開。鈴木冬は外を回る大岩を囮に使ってどフリーでクロス→上げた先ではなんと直輝が鈴木大と山中の間に上手くポジションを取ってヘッド!! マークがずれているので身長差もへったくれもありません。

・さらに70分石原広と競り合いながらボックス内で転倒した鈴木大が手でボールを掻き出したのをVARできっちり見られてPK与。ところがタリクのキックはなんとバーを直撃してPK失敗。結果的にこれが試合の勝敗を左右したように感じました。

・またその後の途中投入の駒の性能差も勝敗の分かれ目だったかも。湘南は齊藤→中川、鈴木冬→岩崎、直輝→指宿と代え、浦和は柏木→青木、汰木→マルティノスと選手を代えましたが、湘南の3選手がノーインパクトだったのに浦和はマルティノスが大仕事。

・85分、自陣深い位置で山中のクリアボールを拾ってからのロングカウンターのチャンス。マルティノスが中川を振り切って左サイドを全力疾走。アーク付近でクロスを受けた関根がボックスに突入し、ドリブルで横に動きながらシュートコースを探しに探してそのまま「一人で出来た!!」。

・試合のインタビューで関根が語っていたように、VARがあるのでボックス内では守備側は無理に飛び込めない。そこを関根が上手く突いたゴールでした。それにしても関根がボールを受けた時点で関根に一番近い位置にいたCB大岩のプレッシャーが甘すぎるようにも思えますが。

・またマルティノスと競り合った中川は気の毒なことにそのプレーで負傷。湘南は早々と3人交代枠を使っていたために1点ビハインドで闘う羽目になったのに対し、浦和は山中に代えて槙野を投入。5バックに切り替えるのかと思いきや、槙野はそのまま左SBに入って何の紛れもなく逃げ切り勝ち。

・昨年から始まった「金J」。昨年浦和はACLの絡みもあってやたら「金J」が組まれましたが、なんと「金J」は7戦全敗。今年もJリーグ開幕戦が「金J」に組まれて何の嫌がらせなのか!!と思いましたが、幸いにも「金Jの呪い」はこれで終了。っちゅーか、昨年は金曜日でなくてもやたら負けていたので「金J」だけ気にしていても意味がなかったような・・・

・試合開始前、ゴール裏から「三連覇、それが浦和の三年計画」というダンマクが掲げられたようですが、何の三連覇なんだろう???


---興梠--レオナルド--
汰木--------関根
---柴戸--柏木---
山中-鈴木--岩波-橋岡
-----西川-----

(得点)
39分 興梠
42分 レオナルド
85分 関根

(交代)
76分 柏木→青木
76分 汰木→マルティノス
89分 山中→槙野

・仙台戦で大活躍の杉本がベンチにもいないのは心底驚きましたが、怪我でなければ中4日で迎えるル杯松本戦へ向けての温存なのでしょう。杉本に代わってキャンプ終盤故障が伝えられた長澤が戻ってきたのは朗報。この日のベンチメンバーはGK彩艶も含めて全員松本戦での出場機会があると思います。

・この試合はリーグ戦で初のVAR導入試合。「湘南vs浦和」という非常に地味な、ただの残留争い組同士の試合をJリーグ開幕戦、しかも唯一の試合に選んだのが不思議でなりませんが、おそらく昨年の浦和vs湘南戦での「世紀の大誤審」がVAR早期導入の引き金になったことを踏まえたものでしょう。

・そして案の定というかなんというか、リーグ戦初の「VAR被害者」はやっぱり初物好き、しかも悪い意味での初物好きな浦和に。もっとも佐藤主審の判定は至極妥当なので「被害者」というのは語弊があり過ぎますが、VARがなかったら見逃していた可能性もあるので。鈴木が転倒した際の「かばい手」ならハンドにならないので一応VARで確認したのでしょうが、どう見てもボールを掻き出しているように見えるのでハンドを取られるのは当然かと。

・大きく逆サイドに楽々蹴らせない、サイドから楽にクロスを入れさせないという工夫をするわけでもなく、サイドはある程度捨てて最終ラインが中で弾き返すわけでもないという、不思議すぎる浦和のクロス攻撃に対する守備。これをどうするのかが今後の見もの。この感じなら、控えに回っている槙野どころかベンチ外のマウリシオにも出場機会がおいおい巡ってくることでしょう。

・そして汰木&山中、マルティノス&山中が左サイドから攻めて、2トップ&関根で仕上げるパターンは何度も出来そうですが、関根&橋岡の右サイドがどうにも機能不全。もっとも成長著しいとはいえ、橋岡の攻撃能力に多くを期待するのがそもそも間違いなので、しばらく「鋼鉄のザル」による左サイド攻撃一辺倒はやむを得ないのかも。


--石原直--タリク----
--直輝---齊藤---
鈴木---福田--石原広
-大岩--坂---岡本-
-----富居-----

(得点)
7分 石原直
65分 直輝

(交代)
74分 齊藤→中川
82分 鈴木→岩崎
84分 直輝→指宿(タリクがIHに下がり、指宿がFWへ)

・湘南のラフプレー三昧は監督が代わっても治らない模様。

 

※写真は試合とは全く関係ありません。

 

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2020.02.17

【観戦記】20年ルヴァン杯GS第1戦:浦和 5-2 仙台 ~ 今年の浦和のコンセプトは「ザルで殴打」なのか(苦笑)

・「大味」と評されても仕方がない試合内容でしたが、2020年シーズンの公式戦初戦を目出度く勝利で飾る、しかも昨年さっぱり勝てなかったホームゲームで勝つというのは格別なもの。

・攻撃面ではほぼ1ヶ月にもわたるキャンプで取り組んできたであろうことを何度も表現できた反面、守備は不安材料てんこ盛りという印象を強く受けましたが、それでも何をやりたいのか皆目判らなかった昨年よりは格段にマシ。治そうにもどこから手を付けたらいいのか判らないのが昨年だとすれば、今年は患部は判っているだけマシと言い換えでも良いでしょう、もっとも監督が治療法を会得してない可能性は拭えませんが(苦笑)。

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・それにしても攻撃は圧巻でした。ボールを失ったら素早く攻→守を切り替えてボール奪回を試みる。ボールを奪ったらこれまた素早く守→攻を切り替えてダイレクトにゴールへ向かう。このゴールを向かう際に結構人数をかける上に、ボールを持っている者、それをサポートする者の動きが上手く整理されているのには驚きました。いかにも練習で仕込まれた、デザインされた攻撃がちゃんと決まるなんてミシャ以来でしょう。3年ぶりの感涙です。

・4分にはスローインを受けた汰木がいきなり左サイドを深々と抉ってレオナルドの決定機を演出。8分には自陣で仙台の横パスを関根がカットしたところからのカウンターで杉本に決定機。そして9分岩波から右サイド高い位置でフリーの橋岡へ展開→浮き球縦パスを受けた関根が仙台最終ラインの裏を取ってカットイン&緩い横パス→どフリーのレオナルドが決めて浦和が早々と先制!! 仙台守備陣はことごとく関根を見てしまったようで、レオナルドは駆け引きもへったくれもなく、最初から最後までどフリーでした(笑)。

・18分に杉本が仙台のマヌケっぷりに乗じて追加点を決め、35分には自陣深い位置でボールを奪ってからのロングカウンターが炸裂。関根のスルーパスを受けた汰木が仙台守備陣を2人引き付けながらドリブルで仕掛け→外を杉本、中を山中が全力疾走してサポート→汰木から山中、そして最後はレオナルドが仕上げと実に見事なロングカウンターが決まりました。汰木にボールが渡った時点で周りの選手達が汰木からボールが出てくることを信じて走り出す、その姿が実に美しい。

・これで事実上試合終了と思いきや、41分、42分と浦和左サイドからのクロスを機に立て続けに失点。一転して試合はややこしくなりかけましたが、後半に入っても浦和の攻勢は止むことなく、49分山中クロスの跳ね返りに反応してボックス内に侵入した関根が常田に足を引っかけられてPKゲット。杉本がGKの届かないところに蹴りこんで4点目。

・その後は双方ルヴァン杯らしくお試し的に選手を相次いで代えて試合は大人しくなりかかりましたが、78分仙台のあんまりなパスミスに乗じたショートカウンターで途中投入のマルティノスが5点目。この場面、仙台のミスを誘発すべく浦和が上手く追い込んだようにも見えましたし、ボール奪取に成功した杉本からボールを受けたレオナルドが仙台守備陣を4人も引き付けて、左にマルティノス、右に杉本がフリーで展開する中、より体勢の良いマルティノスを使ったレオナルドの冷静さにも感服しました。

・浦和は最後まで攻め手を緩めず、終了間際に関根やマルティノスに決定機がありました。

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・昨年非常に得点力が乏しかった浦和が公式戦初戦でいきなり5点も取ったのですから、相手の状態がどんなに酷かろうが嬉しくないわけがありません。ただ攻→守、守→攻と目まぐるしくスイッチを切り替えて一直線にゴールへ向かう今年の浦和のスタイルはいかにもせわしなく、ベテラン選手にはきついでしょうし、それ以上に明らかに連戦や夏場には不向き。選手を適宜入れ替え、さらにへばっている際のセカンドプランも仕込んでゆかないと上位進出は難しいでしょう。大槻監督の手腕が問われるところです。

・またビルドアップは相変わらず怪しげで、横浜Mのようなプレッシャーがきつい上に囲い込みが巧い相手を上手くかわせるかどうか。逆にあえて浦和にボールを持たせる相手にどう闘うかはふたを開けてみないと判りません。

・攻撃はキャンプで仕込んでいたであろうことがちゃんと表現できた反面、守備は長々とキャンプを張ってもこんなものかと正直がっかり。まぁたかが一ヶ月で何もかも上手くゆく訳がないので生暖かい目で見守るしかないのでしょうが、2失点ともかなりお粗末。浦和左サイドから簡単にクロスを上げられ、上げられた先では中へ絞った橋岡が対応した結果、左SH田中がぽっかり空いてしまうという、なんかいかにも再現性の高そうな失点ガガガ。

・またこの試合を通じて非常に気になったのが、とても4-4-2のゾーン守備を仕込み中とは思えないくらい、やたらボールホルダーに食いつくこと。元々その傾向が強すぎる柴戸はまだしもCB鈴木すら食いついてしまう。また中盤でスライディングでのボール奪取を試みるとか何なんやろう?? 素早いボール奪回を試みるのは、やたら食いつくのと同義ではないはずですが・・・

・この試合は同じ4-4-2でのミラーゲームだったので必然的に一対一が多く発生した結果そうなったのかもしれませんが、フォーメーションが異なりギャップが生じやすい湘南戦でどう修正されるのか楽しみです。

・概してカテゴリーが下の相手でのTMは全勝だったけれど、無失点試合が一つもなかったのもよく判る内容だったかと。この試合の相手も監督が変わった上にFW長澤、FWデゲス、SHクエンカと大駒が怪我で壊滅した上に、FW赤崎、SH関口もおらず、前目は実質J2レベルなのに再現性のありそうな形で2失点。

・従って「勝って奢らず、負けて腐らず」。そんな日々が当面続きそうです。でもホームゲームでの勝利はとにかく嬉しいのです。それでいいのだ。

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---杉本--レオナルド--
汰木--------関根
---柴戸--柏木---
山中-鈴木--岩波-橋岡
-----西川-----

(得点)
9分 レオナルド
18分 杉本
35分 レオナルド
51分 杉本(PK)
78分 マルティノス

(交代)
70分 汰木→マルティノス
77分 柏木→青木
85分 山中→荻原

・戦前予想よりも若干お試し色が強いスタメン。長澤が小破して別メニューだったのには驚きましたが、興梠も練習でちょっと傷んだそうでベンチスタート(というか、それならベンチ外にすべきじゃないのか?)。そこでレオナルドの相方は杉本、左SHは汰木でスタート。

・杉本の出来は2980円の払い甲斐があるどころか、値上げしてもいいくらい。常にCBを背負わざるを得ない1トップと違って2トップの一角だと多少引いてボールを受けても良いのでフリーでボールを貰いやすいせいか、ボールの収めどころとして思いのほか機能している上に、敵陣にスペースがあると杉本のスピードが活きる。レオナルドが常に前残り気味で、若干引いた位置にいる杉本との噛み合わせも良い。

・杉本の1点目のミドル。柴戸がアーク付近で倒れているのでどちらもゲームを切りたそうにしてた(特に山中)のですが、主審が止めてないことに杉本がいち早く気づいたというか、仙台守備陣が集中切らせすぎというか、とにかくマヌケ感漂うゴールでした。マヌケなのは当然仙台。浦和はあんなゴールをしょっちゅう鹿島にやられていたので、仙台のマヌケさ加減が嫌ほど身に沁みています。柴戸を倒したシマオマテがなぜか激昂していましたが、全く意味不明。

・汰木は試合開始早々に対面の蜂須賀をぶち抜いて見せ場をつくり、3点目の原動力にもなりましたが、やはり戦前懸念した通り汰木&山中の縦並びは攻撃偏重かと。2失点とも左サイドからのクロスからですし、15分にはなぜか右SH道渕をバイタルエリアでどフリーにした挙句、ポスト直撃弾を浴びてしまいました。従っておいおい故障明けの武藤が左SHを無理やりやらされるような気がします。

・ボランチの一角に柴戸を起用したのにもびっくり。しかもその相方が青木ではなく柏木だとは!! 柴戸は例によって食いつきすぎ、動きすぎなので、その穴を相方が懸命に埋めざるを得ませんが、青木ではなく柏木にその役回りは無理すぎ。個人的には最悪の組み合わせだと思いましたが・・・

・新外国人FWレオナルドはいきなり2得点を上げ、またしても「信頼と実績の新潟ブランド」を裏付け。基本的に絶えずゴールを狙っている生粋のストライカーで、74分には鈴木のロングフィードをCB平岡と競り合いながらヒールで流し込んだり(平岡へのファウルを取られてノーゴール)、84分には足元が怪しいGKスウォビィクに猛然と詰め寄ってミスを誘う場面も。

・ただ「ボックス周辺でボールを受けたら仕事をする」タイプ、良くも悪くも「一人で出来た!」系ではなく、かなり周りも見えている様子で5点目がその象徴。しかも基本前残り気味ながら守備も大槻監督に「守備をがんばりすぎているぞ」と苦言を呈されるほど。このレベルの選手をどうやって岡野が発掘したのか実に不思議。

・またサブGKに福島ではなく彩艶が入ったのには心底驚きました。ルヴァン杯第2戦で起用されるかな??

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--佐々木--ジャメ---
田中--------道渕
---吉野--松下---
常田-平岡-シマオ--蜂須賀
-----スウォビィク----

(得点)
41分 田中
42分 田中

(交代)
53分 常田→パラ
69分 田中→石原
82分 佐々木→山田

・前述のように、仙台はFW長澤、FWデゲス、SHクエンカと前目の大駒が怪我で壊滅した上に、関口や富田が故障でキャンプ出遅れ。さらにFW赤崎も小破したのかベンチ外と前目が結構な駒落ち。

・従ってフィニッシュに精度を欠いて点が取れないのは木山新監督も覚悟していたと思いますが、結果はボールの失い方が悪すぎて大量失点という予想外の展開。特に左SB永戸の穴埋めには苦労しているようで、常田ではお話にならず、53分に早々と見切りを付けられてしまいました。

 

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2020.02.15

2020年シーズン開幕へ向けての妄想(下) ~ 選手編

・本稿では明日のルヴァン杯第1戦のスタメンを予想する形で、今シーズンの主力選手を概観します。

【予想の前提】

・リハビリ中の選手(=武藤、宇賀神、武富、ファブリシオ)は当然除外

・例年「ベンチ組のお試し」的色彩が強いルヴァン杯グループステージが公式戦初戦になることが珍しいため、その位置づけが難しいが、続くリーグ戦初戦と中4日あることからこの2試合での大幅なメンバーの入れ替えはない(=ルヴァン杯初戦はリーグ戦初戦へ向けてのたたき台という位置づけ)ものと予想。すなわち明日のスタメンは序盤の主力と思われる。

・お試し的起用はルヴァン杯第2戦(ホーム松本戦)からになるであろう。

【スタメン予想】

<GK>西川:ここは鉄板。ただ世代交代を掲げている以上、昨年のようにカップ戦までずっと西川で通すことはないと予想。

<左SB>山中:宇賀神がリハビリ中なので選択の余地がない。なぜ補強しないのかが不可解。荻原はルヴァン杯第2戦の出場が見込まれる。

<右SB>橋岡:ここはデンの起用の目途が立つまで左以上に選択の余地がない。U21枠を埋める意味でも橋岡は鉄板。岩武はルヴァン杯第2戦の出場可能性あり。なお橋岡は五輪での活躍次第では夏にいなくなる可能性があり、その穴を埋めるはずのデンも豪州五輪代表でなんだかんだと両者ともいない可能性ガガガ。

<CB>岩波・槙野:激戦区。わざわざデンを採ってハイラインの背後をスピードのあるCBでカバーしようとするくらいなので、デンの起用の目途が立つまでは現有CBの中では比較的スピードがある槙野が一番手。逆にスピードの無いマウリシオは大きく劣後する。残り1枠はフィード能力が高い岩波が優位か。

<左SH>関根:ハードワークを求められるポジションなので選択肢はあるようで無い。左SBが山中なのは確実なので、左SHにマルティノスや汰木を置くのは危険極まりない気がする。故障明けの武藤&武富はたぶん無理やりここをやらされる。

<右SH>長澤:左SH同様、選択肢はあるようで無い。左でマルティノス特攻する場合、関根が右に回るかも。武田はルヴァン杯第2戦の出場が見込まれる。故障明けの武藤&武富(以下略

<CH>エヴェルトン・青木:激戦区。エヴェルトンの代わりに柏木でも不思議はないし、青木の代わりに阿部でも不思議はない。ただ人に食いつきすぎる柴戸は4-4-2のCHに向いてないような気がしてならない。

<FW>興梠・レオナルド:激戦区。今年もおすがりするしかないであろう「FC興梠」に、TMでやたら点を取っているレオナルドを組み合わせて相性を確認するのが先決と思われる。2トップになって復調するかもしれない杉本は、お疲れの興梠に代わって出番が増えると思われるが、ルヴァン杯第2戦からか。ファブリシオが復帰すれば当然ここに割って入る。

 

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2020.02.14

2020年シーズン開幕へ向けての妄想(上) ~ チーム編

【今シーズンの期待値】 残留が現実的な目標。トップハーフ入り出来れば万々歳

・昨年「謎過ぎる大槻監督続投」の稿でダラダラ書き連ねたように、大槻監督の続投自体が不可解と思っているので、今シーズンへの期待値はものすごーーーく低いものにならざるを得ません。

・しかも、監督の手腕が甚だ怪しいにも関わらず、複数年契約の選手をやたら抱えているのが祟ったのか、オフの選手補強はFWレオナルド、MF武田、CBデンとJ1でどこまでやれるかよく判らない、未知数が甚だでかい選手を少数獲得しただけに留まりました。

・さらに、土田SDは「チームコンセプトの明確化」を高々と掲げ、昨年までの「サッカーのような何か」から大転換しようとしているようですが、監督は代えず、選手を大幅に入れ替えたわけでもないのにサッカースタイルの転換が出来るとはとても思えません。

・従って、今シーズンの浦和は昨シーズン同様「J1残留」が現実的な目標にならざるを得ないと思います。今年どころか来年もなんとかJ1にしがみ続けて浦和がスタイルを変え、選手を入れ替える時間を稼ぐ。そういう苦しいシーズンになることでしょう。

・上ブレ要因があるとすれば、今年基本フォーメーションを4-4-2に転換したことで、昨年の3-4-2-1というか「ちょいミシャ」では適切な使い道がなかったマルティノス・杉本・山中・ファブリシオといった選手達が覚醒して「事実上の補強」になること。昨年故障続きだった柏木の復調も上ブレ要因に数えて良いでしょう。それでトップハーフ入り出来れば万々歳。

・また1月末になって慌てて獲得したCB/SBデンが大当たりで、素人体制と侮っていた土田SD/西野TDが案外優秀なことが判り、夏の補強で的確な選手入れ替えを敢行することも上ブレ要因に数えてもいいでしょう(単なる希望的観測というか妄想に近い気がしますが)。

・下ブレ要因は依然として主力を成すであろうベテラン選手が揃いも揃って衰えてしまうこと。特に興梠が不振に陥った場合のダメージはかなりでかいと思います。

・波乱要因(上ブレ/下ブレとも)はなんと言っても「3年計画が3ヶ月どころか3週間で終わってしまうこと」でしょう。大槻監督の手腕が怪しいのは昨年実証済みなので、3ヶ月も(内容はそんなに悪くなくても)結果が出なかったら6月初の中断期間辺りで監督更迭は十分あり得ると思います。下手をするとルヴァン仙台→リーグ戦湘南→ルヴァン松本と負けてはいけないレベルの相手に良いところなく敗れ、強敵広島に惨敗してあっさり大槻監督終了の可能性も。なにせ堪え性がないのが浦和の宿痾。3年計画なんで信じる者が騙される。フィンケを2年目で背後からぶっ刺した過去を忘れてはいけません。

・ほぼ1カ月の長きに渡った沖縄キャンプのTMは全てカテゴリーが下の相手だったとはいえ全勝で終了。「勝ったとはいえ内容は乏しかった」という噂も聞いておらず、少なくともPSMでだれが見てもヤバイと感じられたゼリコ2011年よりはマシな状態で開幕を迎えるものと目されます。

・しかも4-4-2の導入がなかなかうまく行かなくても、昨年の「ちょいミシャ」もさっぱりだったので、大槻監督はもう戻るところがない。我慢して4-4-2に取り組むしかない。見る側もそんなもんだと諦めるしかない。

・よって、さして期待はできないものの、過度に悲観することもなく、個人的にはまさに明鏡止水の心境で開幕を迎えるという感じでしょうか。後ろ向きの話だらけになりましたが、「自分の予想が当たるのが嬉しくて浦和の負けを願う」者ではないので、今年もせっせと他力本願寺へのお参りを欠かさないつもりです。


※明日は「選手編」

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2020.02.01

【祝】トーマス・デン選手、メルボルン・ビクトリーから完全移籍加入

・先日、トーマス・デン選手のメルボルン・ビクトリーからの完全移籍加入が発表されました。移籍直前に豪州メディアから漏れ出てくるまで噂すらなかったという、最近のガバガバ浦和では珍しいノーマークの移籍です。

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・デンは右CBが本職ながら、右SBもできるという感じ。182cm/73kgとCBとしては大きくはない上に体格がえらく細いように感じますが、スピードがある模様。今季の浦和は最終ラインがかなり高いサッカーに取り組んでいるので、その背後をカバーできるスピード系のCBを求めた末の獲得のようです。横浜Mのチアゴ・マルチンスを細くしたイメージでしょうか。

・今季の浦和は基本フォーメーションを3-4-2-1から4-4-2に転換してCBの頭数は足りないどころかむしろ余っており、さらにCBを獲るのは不可解でしたが、スピード系のCBはいない(強いて言えば槙野)ので、デン獲得はそれなりに合理性があります。

・また4-4-2に転換した浦和が明らかに足りないのはSBで、右SBで計算できるのは橋岡のみ。他は岩武、場合によっては宇賀神を右で使えないこともないというテイタラクなので、一応右SBが出来るデン獲得は橋岡のバックアップという意味合いを兼ねているかもしれません。

・橋岡は今年五輪絡みでチームを離れる機会が多いでしょうから、その代わりにデンの出番が巡っているかも?と思ったのですが、幸か不幸かデンもU-23豪州代表、しかもキャプテンなので、五輪絡みで橋岡もデンもいないという事態になりそう。

・なおデン獲得により、浦和に6人目の外国籍選手が在籍することになります。常に外国人枠を余らせ気味だった浦和には珍しい事態です。但し、Jリーグの現行ルールでは外国籍選手の登録数こそ無制限なものの、試合エントリー(ベンチ入りを含む)および同時試合出場はJ1は5人までなので浦和の外国籍選手のうち一人はベンチにも入れないことになります。

・神戸のように外国籍選手すらコンディションや相手を見ながら入れ替えながら闘うのかもしれませんが、デンが期待通りの働きを見せてくれるのであれば、どう考えてもCBは余り気味な以上、昨年終盤から出番を失っているマウリシオがおいおいチームを去ることになると思います。今季浦和が目指しているサッカーではマウリシオはスピードが無いのが辛いでしょうし。

・土田SDは就任当初から補強ポイントを「FWとCB」と明言しており、レオナルドとデンの獲得で一応公約達成という格好に。それはそれで結構なのですが、左WB/SBの杉岡の獲得失敗とは何だったのかという気も少々。

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2020.01.09

井澤春輝選手・大城蛍選手・池髙暢希選手の期限付き移籍

・昨日、井澤春輝選手、大城蛍選手・池髙暢希選手がそれぞれ来年も期限付き移籍に出されることが公式発表されました。

・井澤は鹿児島、大城は鳥取、池髙は富山といずれもJ3クラブへのレンタルです。

・井澤は2018年にユースから昇格してすぐに戦術的でも選手育成面でも評価が高いロドリゲス監督を擁する徳島へレンタルに出されるという過去に類例を見ない形でプロ生活のスタートを切りました。しかし、残念ながら井澤は4月の練習試合中に半月板損傷など全治4カ月のけがを負ったのが災いして、開幕戦にベンチ入りしたのみに留まりました。

・翌年も引き続き徳島へレンタルに出されましたが、ロドリゲス監督の要求水準に達しなかったのか、リーグ戦ではベンチにすら入れず、天皇杯2試合の出場に留まりました。そこで今年はカテゴリーを一つ落としてのレンタル継続となったようです。井澤はここでも出場機会が得られないとプロ生活自体が危うくなってしまうので、なんとか奮起してほしいものです。

・大城と池髙は共に昨年のユース卒新人。しかし大城は全く出場機会がなく、池髙も天皇杯に1試合出ただけ(しかも前半だけでお役御免)に留まりました。

・今年はルヴァン杯U-21枠で出場機会を探る道もあったかと思いますが、U-21枠には既に橋岡と荻原がおり、さらに新加入の超有望高卒選手武田もいるので大城や池髙に出場機会があるとは限りません。それよりも他クラブで試合経験を積むのが先決との判断から今般レンタルの運びとなったようです。

・気になるのは3選手共J3クラブへのレンタル移籍だったこと。浦和加入後まもなくレンタルに出される例は数多ありますが、移籍先がいきなりJ3だった例はありません。実績がない選手をいきなり受け入れてくれるほどJ2各クラブに余裕がないのでやむを得ずという後ろ向きな結果なのか、育成目的であればJ3でも何の問題もないという前向きな判断なのか、よく判りませんが。

・また残念ながら浦和は育成目的でのレンタルが成功した例がない(成長したと思われた選手も結局他クラブへ進んでしまう)だけに、今般のレンタル移籍にも一抹どころか万抹の不安しかないのが正直なところ。

・ユース卒でいきなりトップチームで活躍する橋岡のような例は滅多になく、一応トップの試合に絡めた荻原レベルですらコンスタントには出てこないとは現実は厳しいものです。今年はユースからのトップチーム入りはどうやらなさそうですが、全くトップの試合に絡めないレベルの選手を昇格させても誰も幸せにならないので致し方ないと思います(ホームグロウン選手の登録枠に抵触しない限り)。

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2019.12.31

山田直輝選手、湘南ベルマーレへ完全移籍

・本日、山田直輝選手の湘南ベルマーレへの完全移籍が公式発表されました。

・直輝は2015年からなんと3年の長きにわたって湘南へレンタルに出され、2018年にようやく浦和に復帰。しかし、湘南3年目でついにレギュラーポジションを掴んだという実績も虚しく、浦和復帰後の直輝の出番はほとんどなく、2019年7月に再度湘南へレンタルに出されてしまいました。

・同時期にナバウトや茂木の移籍も相次いで公表されましたが、直輝も含めていずれも今後浦和で出番がないと思われる選手を浦和フロントが整理したものと思われます。直輝が再度湘南へレンタルされた際には既に浦和は大槻体制になっていたので、来季大槻監督続投が決まっている以上、浦和の来季のサッカーがどう変わろうとも直輝の浦和帰還の目はほとんどなかったものと推察されます(同じ立場の茂木より完全移籍が決まるのがかなり遅かったのが不思議ですが)。

・仮に浦和の監督が代わっていたとしても、既に29歳で、しかも使い方が非常に難しいというか、監督の色に染まろうとしない選手をあえてレンタルバックするとは思えませんが。

・一方、レンタル時の直輝の出来を評価した湘南は浦和との契約切れを奇貨としてそのまま完全移籍の形で直輝を引き取ったのでしょう。直輝はレンタル直後よりも、むしろ新監督になってからのほうが出番が増えるどころかコンスタントにスタメンで出られるようになったので、もはや湘南への完全移籍に何の迷いもなかったと思います。

・直輝は浦和生まれ、かつジュニアユースからの浦和生え抜きの選手であり、しかもU18高円宮杯優勝という栄光を背負って2009年浦和加入。フィンケ監督から絶大な信頼を寄せられ、ファン・サポーターの人気も高かったのですが、如何せん怪我がちな上に「監督の要求に応じて自分を変えられない」のが仇となって、フィンケ更迭後の浦和では監督がコロコロ代わってもとうとう使い物にならず。

・従って湘南へ3年にわたってレンタルされ、キジェ監督のもとで再生に成功した際に、そのまますっぱりと浦和と縁を切ってしまうのが美しい別れの姿だったと思います。

・ところが2018年に当時の山道強化部長が直輝を呼び戻したことで、直輝と浦和はなんか「行きがかり上、だらだらと付き合っているだけ」みたいな関係に堕してしまいました。この2年間はお互いにとって非常に無駄だったとしか言いようがなく、今般の完全移籍は甚だ遅まきながら浦和・直輝・湘南とも「三方良し」な話、こうあって然るべき話がようやくまとまったと評価すべきでしょう。

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【祝】伊藤涼太郎選手、大分トリニータへの期限付き移籍から復帰

・昨日、大分トリニータへ期限付き移籍していた伊藤涼太郎選手が浦和に復帰することが発表されました。

・伊藤は作陽高校から2016年浦和に加入。2年浦和に在籍したものの出場機会はほとんどなく、2017年途中から水戸へ、そして2019年は大分へとレンタルに出されました。

・伊藤は2018年水戸でMF登録ながらバイアーノの相方として2トップの一角として起用されることが多く、チーム2位の9得点を挙げてプチブレイク。しかも試合を決定づける得点を頻繁に決めている印象を強く受けました。ただコンスタントにスタメン出場しだしたのはリーグ戦後半から。また体力に不安があるのか、スタメンで出ても後半途中で下げられてしまう試合が目立ちました。

・伊藤は水戸でも鉄板のスタメンというほどではないが可能性は十二分に感じられるので、J1で通用するかどうか見極める目的で翌年ステージを一つ上げて様子を見るのは悪くない選択だったと思います。

・ところが残念ながら伊藤はここで壁にぶつかり、大分でのリーグ戦での出場はわずか4試合144分に留まり、専らカップ戦要員になってしまいました。リーグ戦最初の2試合はスタメンだったので片野坂監督も少なからず期待をかけていたものと思われますが、伊藤はそのチャンスを活かせませんでした。

・ほぼ同じ目的で大分へレンタルされたオナイウは大ブレイクしたのがある意味仇となって上位クラブに目を付けられて浦和へは戻らず、プレイクし損ねた伊藤は致し方なく浦和へ帰ってくる。「育成に失敗した選手しかレンタル先から戻ってこない」浦和の置かれた立場の凋落ぶりを象徴する事案になってしまいました。もっともレンタル先で活躍していた選手が浦和に戻ってくるとさっぱりという事案がその前に山ほどあったのですが・・・

・で、残念ながらJ1チームでの経験をほとんど積めなかった伊藤を来季浦和はどうするつもりなのか?伊藤も来年で早やプロ5シーズン目、かつ2月に22歳になり、ルヴァン杯の「21歳以下選手起用の義務付け」枠から外れてしまいます。しかも伊藤のポジションOMFには21歳以下枠に入る荻原や池髙がいるので、ルヴァン杯で監督があえて伊藤を起用する可能性もさほど高くない気がします。

・なにせ来季浦和がやろうとしていることが全く判らないので、何かの拍子、何かの弾みで「大分には合わなかったが浦和には合う!」という可能性もある以上、あまり悲観的な観測ばかり述べるのは自分でもどうかと思いますが、非常に悪く言えば今般のレンタルバックは「選手補強に苦戦している浦和が頭数を揃える意味合いでやむを得ず」に見えて仕方ありません。

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2019.12.29

【祝】レオナルド選手、アルビレックス新潟から完全移籍加入

・先日レオナルド選手のアルビレックス新潟からの完全移籍加入が公表されました。これまた「新聞辞令」の追認です。22歳と若い選手で、移籍金を払っての獲得のようです。

・レオナルドは、昨年28得点を上げたJ2得点王。一昨年はJ3鳥取で24得点を上げてこれまた得点王と順調なステップアップを経ての浦和入りです。鳥取のフェルナンジーニョと代表取締役GMの岡野が発掘した逸材らしく、とにかく金がない鳥取はカニを売りまくって資金を稼ぎ、そのカニの少なからずは赤者が買っていた!という逸話まで付いて、レオナルドが巡り巡って浦和にやってくるのは必然だったのかもしれません(苦笑)。

・また土田SDも記者会見で「FWには結果の残せる選手を獲得したいと思っています。」と語っているので全く的外れな補強でもありません。

・ただダイジェスト動画を見る限り、レオナルドは「ボールさえくれば、ボックス内で決定的な仕事をする選手」であって、独力でDFを何人も剥がして決定的な仕事をする「一人で出来た!!」系のFWではないことは明らかです。ビルドアップに難があって興梠にまで満足にボールが渡らず、致し方なく興梠が下がってきたりする今の浦和において、「ボックス内でボールを受けてナンボ」のレオナルドに何を期待しているのかよく判りません。

・またそもそも来季の浦和は今季と内容をがらっと変えて、「攻守一体となり、途切れなく常にゴールを目指すプレーを選択する」「ボールを奪ったら短時間でフィニッシュまで持っていく」サッカーをやろうとしており、その中でレオナルドをどう使うのかはふたを開けてみないと全く判りません。

・さらに一般論としてJ2で大活躍したけれども、J1ではイマイチだった「J1.5」的なFWも山ほどいるので、その意味でもレオナルドの出来は楽しみでもあり、不安でもあり。浦和は過去J1で実績証明済の外国人選手を取る例こそ数多あれ(それでも期待外れに終わるケース多々!)、J2経験しかない外国人選手を取った例はちょっと記憶にありません。

・ミシャの初年度のように、やろうとしていることはよく判るけれども「原口1トップ」や「坪井右CB」といった明らかに無理があるポジションが散見される場合であれば、獲得した選手の当否は傍目にも判断しやすいのですが、今回のように何をやりたいのかよく判らない状態の場合は、どんな選手が来ても「踊るに踊れない」のが正直なところ。

・レオナルド獲得以前に、杉岡@湘南や原@鳥栖の獲得に失敗する悲報が相次ぎましたが、これらは土田SDが補強ポイントに上げていたFWでもCBでもなく(杉岡は槙野の後任だった可能性はありますが)、これまた謎の動きとしか言いようがなく、「泣くに泣けない」気も。

・やることなすこと謎だらけ。そんなクラブ丸ごと「八甲田山死の彷徨」状態の浦和に進んで身を投じてくれるとは、レオナルド本当にありがとう!!

 

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2019.12.24

オナイウ阿道選手 横浜F・マリノスへ完全移籍

・昨日、オナイウ阿道選手の横浜F・マリノス(以下「横浜M」)への完全移籍が公式発表されました。「新聞辞令」の追認です。

・オナイウは2016年末に千葉から完全移籍で獲得。2017年オナイウの出番はスルガ銀杯含めてわずか7試合。かつすべて後半途中からの出場で、しかもある程度まとまった時間が与えられたのは天皇杯2回戦(盛岡戦)・3回戦(熊本戦)だけに留まりました。そこでオナイウは2018年にはJ2山口へ、さらに2019年はJ1大分へとレンタルに出されることになりました。

・オナイウは95年生まれと浦和の中では若い選手で、しかも千葉でも基本サブでしたから、もともと即戦力期待でなく、将来の大化けに期待しての獲得だったと目されます。ゆえに一年浦和で様子を見てから育成目的で他チームへレンタルというのは既定路線だったと思います。

・そしてレンタルに出された2年間でオナイウは大化け。山口ではその戦術自体がCFオナイウが最前線でボールをキープしてくれることを前提に成り立っているようなもので、オナイウはリーグ戦全42試合に出場し、かつ堂々22ゴール(J2で2位)というケチのつけようがない実績を残しました。

・また大分ではシーズン当初は3-4-2-1のシャドーの一角、藤本移籍後は主に1トップとしてリーグ戦31試合に出場。しかもそのほとんどでスタメン出場で、計10ゴールを叩き出しました。その活躍が森保監督の目を惹いたのか、ベネズエラとの親善試合で日本代表に選出されるオマケまで付いてきました(但し出番なし)。

・2年もレンタルに出した成果を引っ提げてついに浦和帰還!!と誰もが思ったでしょうが、極めて残念なことにその2年の間に浦和はすっかり落ちぶれてしまいました。オナイウを獲った際は「ミシャ式」の中での使い道を考えていたはずですが、肝心のミシャはオナイウが来た年の途中でいなくなり、その後浦和の監督はコロコロ変わって、今や何をやっているのか、今後何をやろうとしているのかさっぱり判らない惨状。挙句の果てに「浦和の責任を負う覚悟はあるのか??」とか訳の分からないことを言い出す始末。

・またオナイウも抜群の実績を誇っているとはいえ、山口の霜田監督然り、大分の片野坂監督然り、戦術面で評価が高い監督のもとでオナイウに合った、オナイウが嵌まる使い方をされているからこそオナイウが生き生きしているのであり、オナイウの個人能力でなんとかしている訳ではなんでもありません。オナイウと相性が良かった藤本が移籍した後、オナイウが全く点を取れなくなっているのはその傍証かと思います。

・ゆえに何をしたいのか、何をやろうとしているのか、自分でもよく判っていない浦和に「一人で出来た!」系でもなんでもないオナイウが戻って来たところで活躍できる可能性は低く、誰も幸せにならないレンタルバックになったことでしょう。

・そこで、これまた戦術がしっかりし、合う合わないの基準が定めやすい横浜Mから声がかかったのは少なくともオナイウ本人には渡りに船だったでしょう。オナイウが横浜Mでいきなりスタメンに定着するかどうかは少々疑問ですが、ACLを控えて選手層を厚くする意図での獲得と目されます。

・オナイウが今年限りで契約切れであれば、オナイウが浦和に帰還する理由は何一つないので話は簡単なのですが、どうもオナイウと浦和の契約が残っていた模様。ところがDAZNマネーを手にした横浜Mが違約金を満額払ったので、金銭面での支障もなくなってしまいました。浦和フロントも可能性は十二分にあるが「一人で出来た!」ではないオナイウを使いこなせる自信がなくなったのか、あるいは「謎の新CF」に絶大な期待を寄せているのか、オナイウの売却で満足したようです。

・オナイウ良し、横浜M良し、浦和もちょっこし良しという「三方良し」な今般の移籍劇。ただ中期的に見れば浦和の「育成目的でのレンタル」はまたしても失敗し、悲しい歴史を積み上げるだけに終わってしまいました。まあチームコンセプトが確立していないチームが、「経験を積ませる」というアバウトな目的で当てずっぽうに選手を送り出しているだけで、しかも選手が戻って来たら浦和のチーム自体がすっかり変わっているという「猿の惑星」もびっくりな有り様ですから、育成目的のレンタルが成功しないのも道理な気がします。

 

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