2020.12.22

【雑感】「2020シーズン振り返りと2021シーズンに向けて」について

 昨日クラブから「2020シーズン振り返りと2021シーズンに向けて」なる一文が公表されました。それに関する雑感をまとめておきます。物言いがいかにも上から目線風で申し訳ありませんが。

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1.浦和を背負う責任

 「浦和を背負う責任」という言葉は土田SD就任以来、浦和の流行り文句、決り文句になっているようです。クラブは何をもって「浦和を背負う責任」を果たしたと考えているのかよく判りませんが、少なくともピッチ上で「例え勝つことができなくとも、ピッチ上で全力を尽くす姿勢や執念を示し」ているとは思えない試合が目立った一年だと思います。

 またそもそもピッチ上でもピッチ外でもグラブなり選手なりが一体となって「浦和を背負う責任」を果たそうと努めるのは当たり前で、3年計画として掲げる話ではないでしょう。

2.チーム成績の目標

 2年連続でボトムハーフの順位に終わり、かつ以下の「3つのチームコンセプト」で3年計画の1年目は課題だらけのまま終わったことを認識しながらなお来年も「ACL出場権獲得」を目標に掲げるなんて噴飯もの以外の何物でもないでしょうに。やむなくそのお題目を掲げ続けざるを得ないのかもしれませんが、新監督が今年のようなACL圏からほど遠い結果に終わったとしても、それをもってクビにするような愚は避けてほしいものです。

3.3つのチームコンセプト

(1)「個」について

 ここはクラブの評価と個人的な見解がかなり違います。「急成長した若手がレギュラーポジションをつかみ」って柴戸や汰木を指しているのかもしれませんが、この年齢は他クラブなら若手には入らないでしょう。もともと浦和にU-23の選手が少ないせいもありますが、他クラブと比べてU-23で出場機会を得た選手は明らかに少なく、相対的には若手の伸びは見られなかったと考えます。

 また外国人選手も通年で活躍したのはエヴェルトンだけで、経営難もあってかマウリシオとファブリシオは途中で放出を余儀なくされ、レオナルドは尻すぼみに終わり、デンも案外故障がち、マルティノスは2ヶ月ほど大ブレイクしただけで、「個性あふれる外国籍選手が持っている能力を発揮してくれました」というのは少々過大評価だと思います。

(2)「姿勢」について

 ここはクラブの非常に厳しい評価の通りだと思います。大槻監督は残念ながら一年を通じて試行錯誤を繰り返し、結局のところ「苦しい展開の際に、立ち返るべき『型』」を作れませんでした。また「リーダーの不在」も的確な指摘で、ベテランが多いチームにも関わらずリーダーらしいリーダがいないのが非常に不可思議です。

(3)「チーム」について

 ここも概ねクラブの指摘通りかと思います。「シーズンを通じて、安定してそのようなチームパフォーマンスができなかった」どころか、非常に良かったのは「マルティノス、サイコロの旅システム」が爆発的に機能した数試合だけで、それ以外は概ね安定して低調なパフォーマンスに終始したというのがより正鵠を得ているでしょうが。

4.監督について

 3.の評価項目、特に(2)(3)で厳しい評価としている以上、「今季の成長カーブでは、2022年の優勝に到達できないという判断をしました。」との判断に至るのは当然でしょう。個人的にには浦和の今季の成長カーブは上に凸の2次曲線を描いて最終節でX軸と交差したと思っていますが(苦笑)。

 ただそもそも昨オフに新しく3年計画を起すにあたって、昨シーズン著しい成績不振で終わった大槻監督をわざわざ続投させたのがそもそも不可解。結果は案の定その懸念通りチームはたいした成長も見られずに終わっただけの話で、大槻監督に責任を負わせるのも気の毒な気がします。

 また「来シーズンは、3年計画の2年目として」というのには少々戸惑いを覚えます。噂に上っている新監督のスタイルは大槻監督がやろうとしていたこととはかなり違うように見受けられるので、実質的に「2年計画の1年目」なのではないかと思うのですが・・・

5.来シーズンのチーム編成について

 「チームコンセプトに基づいたポジションごとのプロファイルをベースに、ピッチ上で求められる役割を体現できる選手、若くて伸びしろのある選手や、一人で打開できるだけではなく、コンビネーションプレーができる選手も必要となってきます。いくつかのフォーメーションで戦うことが予想されることから、複数のポジションをこなせることや、求められるプレーやチーム内での役割を理解し、表現することを求めていきます。ユースからの昇格を含め、高卒、大卒、他クラブからの加入など、比較的若い選手の加入も多くなると想定しています。」

 滅茶苦茶力強い言葉が並んでいます。過去クラブが公表してきた数々の「作文」の中では久しぶりに名作に入る部類でしょう。ただ浦和の最大の難点は「あまりにも目先の成績に拘ってすぐ監督をクビにしてしまう→チームコンセプトがコロコロ変わる→選手達はいろんなコンセプトに基づいた種々雑多な寄せ集めでしかなくなる」という点にあり、こんな「名作文」も無駄になりがちです。来年は降格さえしなければ良い、トップハーフが目標くらいの心積もりで中長期的なチーム編成に取り組んで頂けたらと思います。

6.経営面について

 6月に10億円前後の赤字となる可能性があると発表され、その後もコロナ禍による入場者制限緩和が想定よりも長引いたためさらに赤字が拡大する可能性があったにも関わらず、パートナー各位のサポートやグッズ販売等による確保に努めた結果、10億円を超える赤字は回避できそうとのことで安堵いたしました。

 浦和の強化部門は残念ながら失態の連続と評価しておりますが、その反面営業部門の頑張りには誠に頭が下がります。

 

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2020.12.20

【観戦記】20年第34節:浦和 0-2 札幌 ~ 大槻浦和最後の闘いはバルジ大作戦というより、レイテ沖海戦だったか・・・

・浦和の残存兵力は僅かでした。レオナルド、関根、柏木、伊藤、デンが故障。前節マルティノスと長澤が負傷し、さらに槙野と青木は故障明けでこの日なんとかベンチ入りできただけというレベル。特にただでさえ手駒が少ないSHがとうとう壊滅したのが痛手で、いつもの4-4-2のフォーメーションを組もうにも組めなくなってしまいました。

・おまけに前節から中2日という厳しい試合日程。ゆえに連闘が効かない選手もおり、大槻監督がやれることは一層少なくなりました。

・そこで大槻監督が苦肉の策として採用したのが3-1-4-2のフォーメーション。札幌の3-4-2-1とある程度噛み合わせが良いようにいう前向きな観点ではなく、「後ろの方の選手がサブも含めて多い、4-4-2でやると後ろの方の選手しかサブにいないという状況で、どういった解決策を見いだそうかというところで、このシステムを選択しました。」という甚だ情けない理由による大胆なフォーメーション変更でした。

・もっともスタメンが発表された際にはそんな情けない事情なんて知る由もなく、残された兵力をかき集めて昨年、いや一昨年の暫定監督時に採用した「3-4-1-2」のフォーメーションで「夢よもう一度」とばかりに乾坤一擲の大勝負に打って出る、さながらナチスドイツ軍のフィナーレを飾った「バルジ大作戦」みたいなものを妄想して埼スタへ向かう私は妙にワクテカに。もう脳内で「パンツァー・リート」が鳴り響くのなんの。

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・しかし、たちまち現実に打ちのめされる羽目に。浦和はほとんど前からハメに行かず、両WBが最終ラインに下がって5-3-2の守備ブロックで防戦に努めているようでしたが、このやり方だと当然ながら福森や田中へはプレッシャーがかからず相手のやりたい放題に。クロス攻撃こそターゲットのジェイに自由を与えないことでなんとかやり過ごしていましたが、14分には前に出てきた福森のミドルシュートを浴びてヒヤリ。

・守備はまだしも、悲惨極まりなかったのが攻撃。前節からわずか中2日なので、このフォーメーションの練習なんて出来るわけがなく、ビルドアップなんてハナから諦めたかのうように、ボールを奪ったらアバウトに前に蹴って興梠の鬼キープで時間を稼いでいるうちに他の面子がサポートしようという単純極まりないもの。

・しかし、いくら興梠のボールキープが巧みでも限界はあり、運よくFKが取れれば御の字。あとは山中の一発が炸裂すれば!と思ったものの、この日の山中FKは全く枠を捉えられず。大槻監督がいくら「パンツァー・フォー!!」と繰り返し叫べども、練度の低さはどうにもなりませんでした。

・悪いことは続くもので、30分興梠が故障。たった1両だけ残っていた、札幌の堅陣をぶち破れるかもしれない虎の子「ティーガー重戦車」が故障して、大槻監督はやむなく予備兵力から汎用性は極めて高いがいささか旧式化していていかにも火力不足の4号戦車(武藤)を投入し、フォーメーションもはっきりした3-4-2-1に変更して完全に札幌とミラーゲームとなり、前半は札幌やや優勢ながらもスコアレスで終了。とはいえ、4号戦車が激しく上下動してなんとか戦線を維持しているありさまでしたが。

・そして48分に訪れたこの試合最初で最後の絶好機。素早いリスタートからのカウンターで山中のクロスの先にどフリーでいたのが岩武だったとはなぁ・・・ 札幌のマークは照準が壊れている杉本に集中していて、大外から飛び込んでくる岩武はどフリーでしたが、まさか肝心要のところで最前線に躍り出てくるのが4号戦車どころかパンツァー・ファウストを手にしただけの国民突撃隊だったとはなぁ・・・ もうなんとかクロスに合わせようとした岩武の身体が吹雪の日の雪だるまマークみたいに斜めになっていて泣けました。

・浦和と違って週央に試合がなかった札幌はハナからその予定だったのか、後半になってあからさまにプレス強度がぐぐっと上がり、50分には駒井が柴戸をなぎ倒すかのようなボール奪取からショートカウンター。ここはロペスのシュートがポストを直撃して難を逃れるも52分とうとう浦和守備陣が決壊。

・52分浦和左サイドで意味もなく人数をかけて攻め込んだところでものの見事にカウンターを食らい、たちまち2対3の絶望的な状況に。ロペスはどフリーの駒井へいとも簡単にクロスを送って、駒井は仕上げるだけ。もうボールを奪った後の前にボールを送るスピードと精度が浦和と段違いというか、浦和がもはやJ1レベルにないというか・・・

Sapporo5

・点は入る気配がほとんどない浦和は先制された時点でほぼ試合終了。その後両チームとも相次いで選手を替え、ややオープンな展開になりながらもさしたる見所もないまま(照準が壊れている戦車が派手に枠外にぶっ放していた気も)時間だけが流れていましたが、悪い意味で試合が動いたのは76分の武田&宇賀神投入から。

・前節川崎戦同様武田をトップ下に配した4-2-3-1「武田スターシステム」を試みたようですが、大笑いしたのが宇賀神左SB・山中左SHという縦並び。こんなの大戦末期の兵員不足の象徴以外の何物でもないでしょうに。

・そしてこのフォーメーション変更は攻撃をなんら活性化させることはなく、守備だけが一層弱くなった感じに。85分ガラガラのバイタルエリアを悠々と福森に横へ運ばれ、前に出てきた田中がどフリーでミドルシュートをズドン。うーん、川崎戦の一点目にも似た光景・・・90分には福森ハイクロス→ロペスが競り勝ってこぼれ玉に白井が飛び込むという札幌得意の形からの決定機も。

・終わってみれば浦和の見せ場は48分の一回こっきり。史実の「バルジ大作戦」は一応連合軍を慌てさせるところまでは行ったのですが、この試合はぐうの音も出ない完敗。それゆえ残存兵力をかき集めて最後の大勝負という点では「バルジ大作戦」ではなく「レイテ沖海戦」のほうがどう見ても例えとしては的確な試合内容&結果でした(つД`)

・TL上ではこの試合の評価は厳しいようですが、個人的には闘う気力が全く見えなかった鹿島戦が最悪で、今日はまだマシなほうと思いました。まぁ、その辺は生観戦とDAZN観戦の差があるかもしれませんが。如何せん練度と一部選手の個人能力が足りなさすぎてこの試合もボロ負けだったのは確かですが、選手は「なんか一生懸命やろうとしている」と感じられただけマシだったかと。

・今年はクラブ経営を維持するために全日程を消化すること自体が半ば以上自己目的化していたので、本来は成績も「追い風参考記録」みたいな扱いになって然るべき(だから降格がない)と思いますが、それでも成長が感じられるクラブとそうでないクラブがありました。残念ながら後者の代表が浦和。大槻監督も昨年末に無理やり続投を余儀なくされたのであれば気の毒だとは思いますが、この一年は得るところが非常に乏しかったと評価せざるをえません。

・また個人的にはキャリア上トップから下部組織まで目線が広い大槻さんが病気療養中の土田SDに代わってSD代行に就任するのがベストと思いましたが、MDPで大槻さんは「クラブを離れる」と明言しており、残念ながらその線はなさそう。ちなみに戸苅本部長の弁では土田SDも順調に回復しているようです。

・試合後はいつの間にか恒例行事となった社長挨拶。社長はなにやら激しく絶叫するばかりで、中身のない話に終始したので当然赤者の評判最悪なのですが、個人的にちょっとだけ光明を感じたのは浦和は経営面で大打撃を避けられそうだという雰囲気を社長が醸し出していたこと。

・コロナ禍で入場料収入が壊滅的な打撃を受けて10億円赤字という話すらあった浦和が、スポンサー収入の維持&過去に積み上げた利益準備金のバッファ等もあって経営的に大ダメージは避けられそうなら、今年の社長の仕事としては合格点と思います。たとえどんなに中身のないシャウト系であったとしても。もっともこの辺は決算の数字が明るみにならないと何とも言えませんが。

・個人的にこの日最大の噴飯ものは社長の挨拶ではなく、「浦和を背負う限り毎シーズン優勝を求めろ」というダンマクかなぁ(苦笑)。

Sapporo04


---杉本--興梠---
--汰木---エヴェルトン--
山中---柴戸---岩武
-岩波--鈴木--橋岡-
-----西川-----

(交代)
30分 興梠→武藤(故障による交代)
65分 エヴェルトン→阿部
65分 鈴木大→青木(阿部がCB、青木がCHへ)
76分 岩武→武田
76分 汰木→宇賀神

Sapporo03

-----ジェイ-----
--駒井----ロペス--
フェルナン--深井-宮澤-金子
-福森--キムミンテ--田中-
-----菅野-----

(得点)
52分 駒井
85分 田中

(交代)
60分 キム・ミンテ→高嶺
67分 駒井→D・オリヴェイラ
67分 L・フェルナンデス→菅
76分 金子→白井
77分 ジェイ→早坂

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2020.12.17

【DAZN観戦記】20年第33節:川崎 3-1 浦和 ~ 徳島、J1復帰おめでとう!!(何かに目を反らしながら)

・力の差があり過ぎて、天皇杯の初戦で地域リーグのアマチュアチームがJ1優勝チームにボコられているようなありさまでした。ホントこの一年は何だったのか・・・

《スタメン》

・共に前節から中3日の一戦。浦和は杉本→武藤、汰木→武田、エヴェルトン→阿部、長澤→柴戸、山中→宇賀神とスタメン5名入れ替え。怪我人が多いせいか、スタメンから外れた5名は全てサブに回り、トータルでは面子に新味なし。

・川崎は前節から田中→中村、旗手→登里とスタメン2名入れ替えのみ。現役引退を表明した中村はこの試合が最後のホームゲーム。

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《試合展開》

・浦和のフォーメーションは前節武田投入後に披露した4-2-3-1。いわばこれまでの4-4-2を崩し、武田のためにトップ下というポジションをわざわざ設けた「武田スターシステム」。今シーズン後半、大槻監督は「柏木全権委任システム」→「マルティノス、サイコロの旅システム」と変遷し、最後に辿り着いたのが「武田スターシステム」でした(苦笑)。

・ただでさえ、この一年間何をやって来たのかさっぱり判らない著しく成熟度が低いチームなのに、これまでほとんど試合に出ていない選手が複数人いるというスタメン構成なので苦戦は免れないとは思いましたが、予想以上に浦和は大苦戦。試合開始早々自陣深くに押し込まれただけでなく、早々に右サイドが炎上。5分三笘のクロスを受けた脇坂がダイレクトでシュート(枠外)。

・浦和は良い形でボールが奪えない上に、なんとかボールを奪っても奪う位置が低く、かつ即時ボール奪回を図る川崎のプレッシャーに抗しきれずにすぐさまボールを失う、あるいは苦し紛れに蹴って相手に渡ってしまうの連続で、シュートどころかボールを敵陣に運ぶことさえままならず。

・しかし、そんな浦和にも今季最大級の天祐が。10分CB谷口のミスを突いた興梠がそのまま敵陣深くまでボールを運んだことを契機に、この試合初めて浦和が人数をかけて敵陣でプレー。宇賀神クロスのクリアボールに反応した岩武がそのままボックス内に突入し、反応がわずかに遅れたGKチョン・ソンリョンが岩武の足を引っかけてPKに。興梠が難なくPKを決めて浦和がまさかまさかの先制。

・興梠はこれで9年連続二けた得点を記録。「もう何点取られても一緒だから、せめて興梠に一点を!!」という私の願いがこんなに早く叶えられるとは。個人的にはこの試合でたった一つだけ残された目標が早々に達成されて完全に「ミッション・コンプリート」の気分。あとは野となれ山となれでだらだらと試合観戦。

・いやぁ、それにしてもその後エヴェルトンが投入されるまでの50分強の実に悲惨なこと!! 浦和は4-4-2の守備ブロックを敷き、下手にボールホルダーに食いつかずに良く言えば粘り強く対応していましたが、悪く言えば大外に張り出す相手、DF間に立つ相手への応対に戸惑って終始棒立ち状態。川崎はDFの間でボールを受けて前を向くのが実に巧く、この辺りは風間時代から延々と続く遺産でしょうなぁ。

・特に浦和右サイドの守備は酷すぎました。立ち上がりから三笘&登里とやられ放題。なんとか最後は橋岡が対峙して事なきを得ていましたが、その前に三笘に対峙すべき方は何をしてたんだろうなぁ・・・もうJ1では無理と思いますが・・・

・浦和の守備が機能しているようには見えないにも関わらず、40分くらいまでは川﨑が手間をかけすぎて最後の最後で浦和守備網にひっかかってしまう、あるいはシュートがブロックされてしまう場面が連続。CKで2度ジェジェウにビッグチャンスがありましたが、ポストを叩いたり、岩武にクリアされたり。

・とはいえ、浦和もドン引きで守るのが精一杯で、先述のようにロクに敵陣にボールを運べないので延々と殴られ続ける始末。

・43分には珍しく川崎がシンプルに攻撃。脇坂が左サイドの三笘へ大きく展開。三笘のシュートを西川がこぼし、小林が詰められる絶好機がありましたが、ゴールライン上に倒れていた岩波にぶち当ててしまう大失態(苦笑)。45分にも三笘のクロスのこぼれ玉に守田が詰めるも、ここは西川がセーブ。

・浦和がなんで無失点で済んでいるのかさっぱり判りませんが、それ以上になんで浦和が1点取れたのか非常に不可解な試合内容で折り返し。浦和のシュートはたった1本で、もう「盲亀の浮木」という例えがチラチラして仕方ありませんでしたが、さすがにそんな僥倖が80分以上続く訳がなく、53分守備ブロックが下がり過ぎてぽっかり空いたバイタルエリアから守田にぶちこまれてとうとう失点。守田はこれがJ1初ゴールなんだとか。

・これで守備陣の緊張の糸が切れたのか、いやもともとたいして緊張していなかったけど運を使い果たしただけのか、今季の浦和名物「あれよあれよという間に大量失点」がまたまた現出。

・59分右サイドをどフリーで疾走する山根のクロスをファーでどフリーの三笘がヘッドで決めて2点目。フォーメーションが噛み合わない相手に苦戦し続けたこの1年。そんな相手に今年何度も見た「浦和殺し」の形を作られてこの1年を締めくくるとは。

・61分小林のゴールは相手を褒めるしかないかな。阿部と対峙しながらわずかなスペースでノールックでクロスを送る中村も見事なら、橋岡に寄せられているにも関わらず倒れこみながらシュートを放った小林も見事。

・10分足らずに間に3点を失い、これで今季3度目の「6失点倶楽部」入りへ視界良好と思ったのですが、62分エヴェルトン投入が多少なりとも効いて浦和がボールを奪った後に曲がりなりにも敵陣へボールが運べるようになったせいか、川崎の攻勢も次第に沙汰止みに。しかし浦和もアタッキングサードまでボールが運べるわけではないので攻撃にも何にもなっておらず、後半のシュートは破れかぶれの山中&橋岡の2本のみ。そしてエヴェルトンは来年にはもういないと(つД`)

・何の面白みもない展開にあきれ果てたのか、TLを見ると同時刻にやっている徳島vs大宮戦を見始める赤者が続出。無事徳島が勝って7年ぶりのJ1復帰を果たし、それを餞にリカルド・ロドリゲス現徳島監督が来年浦和の監督に就任することも決まりそうです。めでたし、めでたし(目の前の光景に目を反らしながら)。

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《総評&選手評等》

・シュート数22対3、CK6対1。正直試合内容はJ1ぶっちぎりで優勝したチームとJ1ボトムハーフで終わりそうなチームのそれではなく、天皇杯初戦でJ1優勝チームと対戦している地域リーグのアマチュアチームくらいの差がありました。それほど全く何も出来ませんでした。

・ボールをなんとか奪っても闇雲に蹴りだすのが精一杯。これではビルドアップどころか縦ポン一発でのカウンターも繰り出せない。今年一年は丸々無駄だった。大槻監督の退任が決まった鹿島戦以降酷い試合が続いていますが、相手との元々の力量差も相まってこの試合は今年一年の浪費感が極まったような気がしました。

・完全な消化試合ということで、前節短時間の出場ながら輝きを放った武田といきなりスタメン起用し「武田スターシステム」を採用しましたが、残念ながらというか半ば以上予想されたことですが、武田はまだまだスタメンでは厳しいことが明るみに。消化試合でなければ前半でお役御免だったと思いますが、失点直後の絶好機をフイにしたところで長澤と交代。

・武田の最大の課題は守備。フィジカルがまだまだJ1では厳しいせいか、ジェジェウの2度の決定機は露骨に武田のいるところを狙われてしまいました。またボールホルダーに対して厳しく寄せる様子はなく、そもそも守備意識自体あまり高くないのか、53分の失点場面では守田への寄せが完全に遅れてしまいました。

・また攻撃面でも見せ場は作れず。前半好位置でボールを受けながらも長考に沈んでボールを失ってしまいましたし、55分カウンターの好機で武藤のクロスをファーでフリーで受けながらもシュートを撃たずにボールキープに走った挙句、チャンスを潰してしまいました。

・まぁ高卒新人をJ1優勝チーム相手にいきなりスタメンで起用したらこんな結果になってしまうのも致し方ないでしょう。でも湘南戦の出来を見れば、相手のプレッシャーが弱くなった終盤、特にビハインド時に積極的に起用してもっと場数を積ませてやれば良かったのにと思えてなりません。残念ながら武田にとっても得るものは少ない一年でした。

・ここ2試合での収穫はCBに起用された橋岡に尽きます。小林に食らった場面はわずかに前に入られのが悔やまれますが、あれはもう小林を褒めるしかないかと。何の役にも立たない右SBに悩まされながら再三ボックス内に入ってくる三笘を止めていたことだけで十分評価に値します。

・また橋岡が何度も針の穴を通すような縦パスを繰り出そうとして案の定相手に引っかかっていたのもご愛敬。「嫁入りが決まって、俄かに裁縫の練習に取り組み出したお嬢さん」みたいな感じで実に微笑ましい光景でしたが、消化試合だから苦手なことにどんどん取り組んでいいのだ。次期監督は間違いなくそれを求めると思いますし。


-----興梠-----
武藤---武田---マル
---阿部--柴戸---
宇賀神-岩波-橋岡-岩武
-----西川-----

(得点)
11分 興梠(PK)

(交代)
56分 武田→長澤
62分 阿部→エヴェルトン
62分 宇賀神→山中
72分 マルティノス→汰木(故障による交代)
72分 興梠→杉本


三笘---小林---家長
--中村----脇坂--
-----守田-----
登里-谷口-ジェジェ-山根
-----ソンリョン-----

(得点)
53分 守田
59分 三笘
61分 小林

(交代)
80分 小林→ダミアン
80分 脇坂→旗手
88分 家長→田中
90+2分 三笘→長谷川

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2020.12.13

【観戦記】20年第32節:浦和 0-0 湘南 ~ 「良かった探し」で延々と酒を飲む、クソ弱かった頃を思い出すなぁ・・・

・純然たる消化試合の内容にケチをつけても全く意味がないのかもしれませんが、大槻監督の下での「3年計画のゼロ年目」の集大成がこれなのかと思うと甚だ落胆を禁じえないあんまりな試合内容に心底凍り付きました。しかし、その氷塊をちょっとだけ溶かしたのが最後に投入された「スター武田」でした。

《スタメン》

・浦和は出場停止のレオナルドに代えて杉本をスタメン起用した他、デン→岩波、槙野→岩武、青木→エヴェルトンとスタメン4名を入れ替え。

・浦和はシーズンも大詰めとなって故障者が多発。青木・柏木・関根・伊藤が故障し、試合後の記者会見では槙野もコンディション不良でベンチ外になったことが明るみに。

・前節鹿島戦での惨敗を契機に大幅なスタメンの入れ替えがあるかと思ったのですが、槙野不在を受けて橋岡をCB起用&それに伴い右SBに岩武を抜擢したのが目新しいくらいで、それ以外は予想の範囲内。但し、阿部、武田、鈴木大がベンチ入りした他、控えGKも石井とサブが大幅に入れ替わりました。

・湘南は金子→石原直、茨田→齊藤、大野→田中と前節からスタメン3名入れ替え。

・なお浦和が獲得濃厚とのスポニチ報道があった金子はこの試合出場停止。ローザンヌ@スイスに完全移籍するとの報があった鈴木は故障中。他にもFWタリク、CB坂など故障者が多い模様。

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《試合展開》

・「オールタイムプレス」を掲げる湘南は立ち上がり猛然と前からプレッシャーをかけてきましたが、さすがにそれだけでは浦和はボールを簡単には失わないせいか、すぐにいったん5-3-2の守備ブロックを敷いてから前に圧力をかける感じに。それでも湘南のプレッシャーがきついことには変わりなく、浦和は終盤オープンな展開になるまでほとんどビルドアップできずに苦しみ続けました。

・浦和は序盤から山中のアーリークロスや最終ラインからのロングフィードを多用。湘南のCBは高さがないのでハイボールを多用して杉本の高さ&キープ力を活かすのは机上論としては悪くなく、実際序盤はほのかに得点の可能性も感じなくはなかったのですが、この試合はどういうわけか興梠と杉本の連携がメロメロで興梠までさっぱりボールが渡らず。

・純然たる消化試合で、もう興梠の9年連続二けた得点くらいしか興味を引くものが無いのに、その興梠までボールをうまく運べないというのが今の浦和の惨状を象徴していた感も。仕方なく興梠が中盤まで降りてくる場面が増えだしましたが、それではレオナルド併用時と同じで興梠は点が取れない・・・

・そして最初に決定機を掴んだのは湘南。19分中盤での競り合いから得たボールを石原直が右サイドを疾走する岡本へ大きく展開。岡本のクロスが中で待ち構える中川に合うも橋岡がなんとかシュートブロック。この場面に限らず良い形でボールが取れた時の湘南の切り替えの速さと攻め上がりの思い切りの良さは見応えがありました。ただ如何せん前目に決定力がないのが泣き所。

・守っても湘南は給水タイムを挟んだあたりから岡本が前に出て山中を牽制し出したため、山中はアーリークロスを繰り出せ無くなって浦和の左サイド攻撃はたちまち窒息。明らかに相手にボールを持たされ、相手の守備ブロックを前に何も出来ずに時間だけが流れるというお馴染みの試合展開に。

・34分マルティノスを追い越した岩武からクロス→杉本ヘッドという決定機を作るもシュートは枠外。さらに36分エヴェルトンの浮き球のパスにマルティノスが飛び込むもこれまた枠外。

・手数に勝る湘南は後半も優勢。50分カウンターから左WB畑が単騎ドリブルで持ち運んで自らシュート。その後も浦和は畑に悩まされてマルティノスが守備で目立つ羽目に。というか、正面に蓋をされてスペースがなく攻撃面では良いところがなかったマルティノスが、まさか守備で目立つようになるとは!!

・56分にはあろうことか湘南に押し込まれ、岡本のクロスがボックス内の齋藤にわたるも齋藤のシュートは西川が右手一本でファインセープ。中には齋藤しかおらず頭数は圧倒的に優位なのに揃いも揃って何の役にも立っていない浦和守備陣。これもまたこの1年の集大成っぽい光景でした。

・もう浦和はビルドアップをすっかり諦めてしまったかのように最終ラインからひたすら前線目掛けてボールを蹴るだけ。それでも57分山中縦パス→杉本胸トラップ&シュートという絶好機を作り出すのですから湘南も結構残念なチームなのでしょうが、小さい石原広を背負った杉本はシュートを枠に飛ばせず。

・双方順次選手を代え、やや湘南優勢のまま試合が進みましたが、さすがに80分過ぎには湘南のプレッシャーも弱まって浦和が攻勢に。85分山中の低いクロスがついにファーの興梠に通るも興梠のシュートは湘南DFを直撃。

・そして最後に投入され、大いに見せ場を作ったのがリーグ戦デビューの武田。マルティノスに代わって投入されたのに武田の位置はどう見ても中央の前目。「スター武田」「プリンス武田」に席を譲るかのように左サイドに武藤が回り、武田投入と共にフォーメーションを4-2-3-1ないし4-4-1-1に変えた模様。この辺は試合後大槻監督も「ラインを背負うよりは彼の良さが生きる」と語っていて、この日のために練習させたようです。

・88分ボックス付近で複数の相手選手に囲まれながら興梠へスルーパスを繰り出していきなりスタジアムをどよめかせ、最後の最後には宇賀神のロングフィード→最前線で興梠が潰れて得たボールを武田が拾ってそのまま敵陣へ突進&シュート!! シュートは惜しくもGKに阻まれましたが、浦和の枠内シュートはこの試合これ一本だったとか(苦笑)。

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《総評》

・シュート数7対14というスタッツ通り、試合内容は湘南が優勢。ただ湘南は如何せん前目に決定力がないのでいくら手数が多くても点は入らないのが仕様ですし、浦和は決定機が今季もう絶望的に点が取れない杉本に回ってくるという残念さだったので、スコアレスドローは妥当といえば妥当。

・でも大詰めを迎えたこのシーズンで積み上げたものが感じられるのは明らかに湘南のほう。超過密日程にはどう見ても不向きな体力任せのサッカーで、来年もおそらく苦労しそうなスタイルだけれども、スタイルらしきものが感じられるだけ浦和よりはマシ。

・浦和はシーズン終盤に辿り着いた「マルティノスサイコロの旅」改め「頑張れマルティノス」も大分戦あたりから早々に行き詰まってしまい、また何をやりたいのかよくわからない元の姿に戻ってしまったようで。そしてプレッシャーのきつい相手にはろくにビルドアップが出来ないという醜態を晒し続けることに。「3年計画のゼロ年目」の立ち位置がこれでは次期監督も大いに苦労しそう。

・大槻監督は「練習で型にはめるタイプではなく、原理原則を指示するだけの監督なので成長過程が判りにくい」という話を時折耳にしますが、成長過程が判りにくいどころかとても成長しているようには見えないんだよなぁ。慧眼の士には全く違った世界が見えるのかもしれませんが、この一年は丸々無駄だったと思わざるを得ない残念な試合でした。

《選手評等》

・この試合唯一の光明だった武田。選手紹介Vは、どう見てもその筋の若衆か何かにしか見えない(特に鋭い眼光なり、見上げるような視線なり)のには大笑い。そして「浦和の未来」と相手チームにいた「元浦和の未来」が短時間ながら同時にピッチに立ったと見れば実に感慨深いものがありました。

・大槻監督も「プレッシャーが強いところだとまだできないことも見えます」と語る通り、現段階ではスタメンどころか長い時間使える目途も立っていないのかもしれませんが、やはり武田が短時間であれだけのパフォーマンスをいきなり披露したとなると、今まで出番がなかったのは何だったのか??という声が沸き上がるのは道理。

・試合前の記者会見で大槻監督は「チーム内には同じポジションの選手もいますし、そのバランスの中で起用していきたい」と、若手だからという理由で単純に起用することなんてあり得ないと語っています。それは一般論としてはその通りなのですが、過去起用されてはがっかりさせられっぱなしだったあの選手やこの選手と比べても武田は本当に物足りなかったのか、練習で良いところを見せられなかったのかなぁ??

・なんかクラブにACL出場という、今の浦和の能力・財力からすれば無理難題としか言いようがないタスクを課せられて、大槻監督も実績重視という名の安全策に走らざるを得なかった結果、武田お蔵入りじゃないのかと思えてならないのですが。

・浦和がリーグ戦とACLを併行して闘うことを諦めない、ACLを捨てるなんてことは絶対にしないという意味での「ACL重視」には大いに賛同しますが、ACL圏に入る能力も財力もなくなって久しいのに闇雲にACL圏入りに拘ってひたすら目先の勝ち点を拾いにゆくのはどうにも解せません。来年もそれに固執し続けるのなら「3年計画」とやらは事実上棚上げになるでしょうな、間違いなく。どんな監督が来ようとも。

・また橋岡がCBとして十分に使える目途が立ったのもこの試合の収穫。というか、WB/SBとして使っていたのが苦肉の策で、本職に戻っただけですが。自ら持ち上がるどころかフィードにもあまり多くは期待できなさそうでしたが、どう見ても岩波より安定していて、岩波の尻を拭く場面も(苦笑)。

・橋岡がCBに回ったために久しぶりに出場機会を得た岩武ですが、もう能力的にJ1では辛いんじゃないかなぁ・・・

Syounan02
---興梠--杉本---
汰木--------マル
--エヴェルトン--長澤---
山中-岩波--橋岡-岩武
-----西川-----

(交代)
64分 エヴェルトン→柴戸
74分 杉本→武藤
74分 汰木→阿部(阿部がCH、マルティノスが左SH、長澤が右SHへ)
86分 マルティノス→武田
86分 山中→宇賀神

Syounan03
--石原直--中川---
--齋藤---松田---
畑----柴田---岡本
-田中--石原広--舘-
-----後藤-----

(交代)
64分 中川→大橋
64分 齊藤→山田
81分 石原直→梅崎
81分 松田→古林
90+5分 舘→大岩

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2020.12.04

エヴェルトン選手、契約満了

・昨日(12/3)エヴェルトン選手が契約満了に伴い、2020シーズンをもって浦和を去ることが公表されました。

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・エヴェルトンはFCポルトから期限付き移籍(FCポルト→ポルティモネンセSCからレンタル先を変更)の形で2019年浦和に加入。いわゆる「ポンテ案件」の選手です。

・先日同じく今シーズン限りで契約満了となったマルティノスが良くも悪くもスペシャルな選手だったのに対し、エヴェルトンは際立った特徴はない反面、監督がどんなサッカーを志向するにしてもそれなりに使えるという意味で汎用性が高い選手でした。

・浦和加入当初は故障中の青木に代わって3-1-4-2のアンカーをやらされていましたが、さすがにアンカーが務まるほどの守備強度はなくて不憫でした。青木が復帰し、かつオリヴェイラ監督がちょっとだけ試行した4バックを諦めてからようやくエヴェルトンはIHで本領発揮!と思いきや今後はオリヴェイラ監督が更迭と、危うくエヴェルトンも瓦礫になりかかるところでしたが、汎用性の高さゆえ大槻監督のもとでも主力であり続けました。

・主戦場はCHですが、針の穴を通るようなスルーパスを繰り出すわけではなく、広範囲にボールを散らすわけでもなく、ミドルシュートをバンバンぶち込むわけでもなく、中盤で巨大な壁となってバイタルエリアで相手に自由を与えないというわけでもない。そういう判りやすい特徴はないので外国人選手としては物足りないのは否めません。

・しかし、ごつい体格ではないのに案外当たりには強く、くねくねとした身のこなしでなんだかんだとボールは奪われず、ある程度ボールを持ち運べ、、しっかりボールを繋げ、的確なポジション取りで周囲の選手を助け、ちょこちょこ前線に顔を出して攻撃をサポートする等々、監督がCHとしてやってほしいことを全てかなり高いレベルでやってくれる選手だったと思います。前に出たがる割にはあまりシュートを撃たないのが謎でしたが、セットプレーで好位置から点を取る不思議な決定力がありました。

・ブラジル人選手にしては大人しめな感じでしたが、チームや個人が不調であってもマルシオのように思い悩み、思いつめるわけでもなさそうで、他のブラジル人選手と仲良く遊んでいる姿をよくインスタ等に上げていました。

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・従って新監督のもとでも引き続き主力であり続けるだろうと思っていたのですが、なんと無念のレンタル契約終了。エヴェルトンは2018年4月にFCポルトと4年契約を結んでおり、コロナ禍に伴う入場料収入激減で経営難に陥った浦和は残り契約期間相当の移籍金を払ってエヴェルトンを買い取るだけの資力がなかったのか、高額のレンタル料を吹っ掛けられたか、いずれにせよ浦和は金が無くてエヴェルトンと契約できなかったものと目されます。

・しかも「今後は、日本国内を中心に移籍先を探す」とも報じられていることから、FCポルトが浦和より条件が良いレンタル先ないし売却先のアテがあって浦和への再々レンタルを断ったわけではないようで、浦和の金の無さが一層浮き彫りに。

・ビルドアップ能力がガタ落ちの今の浦和。エヴェルトン不在時は全くボールが前に進まない醜態をしょっちゅう晒していましたが、金がない中でエヴェルトンに代わる選手が見つけられるのかなぁ・・・

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2020.12.01

マルティノス選手、契約満了

・昨日(11/30)マルティノス選手が契約満了に伴い、2020シーズンをもって浦和を去ることになったことが公表されました。

・まぁこれほど短期間で評価が激変した選手はなかなかいなかったのでは無いかと。今年10月の名古屋戦で大槻監督が突如「マルティノス、サイコロの旅システム」を採用し、前半対面の吉田をチンチンにした辺りから2年半もの深い眠りについていたマルティノスの才能が開花。それからの2ヶ月の活躍はスーペルとしが言いようがなく、マルティノスの退団を惜しむ声が多いのも判らなくはありません。

・しかし、マルティノスが大活躍したのは3年契約のうちのたった2ヶ月に過ぎなかったのも事実。

・敵陣に広大なスペースがあると無類の威力を発揮する一方、スペースがない場合はボールをこねにこねた挙句ロストしがちで、使い方が非常に難しい選手、汎用性に乏しい選手だったのは確か。また基本的に気分屋で、試合中に集中力が切れがちで守備に穴を開けがちな上に、そもそもパフォーマンスが安定しないのも難点でした。

・いかにも気分屋らしく、ノリにノッていた「栄光の2ヶ月」の間は不甲斐ない周囲の選手を叱咤激励するなど頼もしい姿を見せていましたが、それ以前はちょっと相手と交錯するとやたら痛がってピッチにゴロゴロする姿があまりにも目立ちました。退団が決まったマルティノスは「私の決して諦めない姿勢を見てもらうためでした。」とコメントを残していますが、基本的にはそういう選手ではなかったかと(苦笑)。

・ハマれば絶大な威力を発揮するけれども、使い方が難しくて汎用性に乏しい上にパフォーマンスが安定しない割にはそれなりにお高い(というか、そんな選手に約2億円と言われる移籍金を横浜Mに払った山道氏って何なん・・・)となるとコロナ禍による入場料収入激減で経営難に陥った浦和がマルティノスとの契約更新を断念したのも致し方ないでしょう。浦和はマルティノスに単年契約をオファーしたが、それをマルティノスが断ったのか、そもそもぞれ以前に金銭面で折り合いがつかなかったのかは判りませんが。

・パフォーマンスが安定しないことには目を瞑って正しい使い方をすれば絶大な威力を発揮する選手なのは証明済なので、お金に余裕があるクラブに拾われる可能性はそれなりにあると思いますが・・・

・なおマルティノスの正しい使い方を見出すのに2年半もかかった浦和も相当マヌケ。2018年開幕時堀式4-3-3、いわゆる「ホッカー」の右WGとして起用する発想自体は間違っていなかったものの、マルティノスはスペースがないと全く使えないことが第3節長崎戦で早くも露呈し、堀監督が早々とホッカーを諦めたのがマルティノスの不幸の始まり。

・堀監督はリーグ戦5試合で更迭され、その後のオリヴェイラ流3-1-4-2や大槻流「ちょいミシャ」ではマルティノスに最適なSHなりWGなりといったポジションがなくなってしまいました。2020年になって大槻監督が4-4-2に転換した後もシーズン序盤に後半途中からSHでちょっと試行してすぐにお蔵入りになってしまい、今年の夏時点ですら今年は最終的に「マルティノスイヤー」になることを予想するのは非常に難しかったと思います。

・活躍した期間は非常に短かったとはいえ、最後の最後で赤者に強烈な印象を残した外国人選手という点ではマリッチと被ります。また完全に不良債権と化していた時期ですら全く凹むことはなく、何の根拠もなく「今年はマルティノスイヤーになる!!」と公言し、果てはルイ・ヴィトンのモデルをやっていることが明らかになるなど、妙に愛されるダメ人間的なキャラクターを持った選手でもありました。

・そういう選手もそれなりにお高いがゆえに契約更新は無理となると、マルティノス以上に活躍できなかった高額ベテラン選手は軒並み契約満了となるのは間違いないでしょう。経営難の下で新監督の希望に応えるべく選手を入れ替えるにはやむを得ない話ですし、こんな形で世代交代を進めざるを得ないのもしんどい話ですが。

 

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2020.11.30

【DAZN観戦記】20年第30節:鹿島 4-0 浦和 ~ 勝つ気マンマンなのは監督だけだった・・・

・今季限りでの退任が決まった大槻監督は試合前の記者会見ではなおも勝つ気マンマン、がっちりファイティングポーズを取って試合に臨んだようでしたが、選手達は文字通り「笛吹けど踊らず」でした。

《スタメン》

・週央に試合がなかった浦和は前節G大阪戦と全く同じスタメン。ベンチ入りメンバーも武富に代わって久しぶりに伊藤が入っただけ。大槻監督は退任が決まったとはいえ、残り試合も勝つ気マンマンなことを試合前の記者会見で明らかにしており、前節は結果は逆転負けだったとはいえ内容は悪くなかったので、メンバーに大幅な変化がないのも道理といえば道理。

・また同じ記者会見で「今週は一週間空いたので、良かった選手を見て、そういう選手をしっかりメンバーに入れるということをしたいと思っています。」と語っていましたが、その選手は伊藤でした。どういうわけか判りませんが、レギュラー格だったはずの関根や柴戸はすっかり影が薄くなってしまったようで。

・一方水曜日に第29節を消化して中3日の鹿島のスタメンは意外にもCB奈良が町田に代わっただけ。ベンチメンバーも名古が荒木に代わったのみ。なおSH白崎、SH和泉が故障中。左SB永戸はコロナ陽性判定のためチームを離脱中。

Kashima04

《試合展開》

・鹿島のフォーメーションは試合前のDAZN予想では土居トップ下、三竿アンカーの中盤ダイヤモンド型でしたが、蓋を開けてみるとどう見ても土居が左SHにいる4-4-2で浦和とがっぷり組みあう格好に。

・立ち上がりから中盤でのボールの奪い合いが延々と続き、双方ともなかなかボールを落ち着けられない展開でしたが、それでも曲がりなりにも最初に決定機を作ったのは鹿島。

・3分左サイドから土居のクロスを上田ヘッドは枠を捉えられませんでしたが、11分エヴェラルドの左サイドからのクロスを上田ヘッドという最初の決定機とほぼ同じ形で鹿島が先制。ボックス内浦和は3人、鹿島は2人でしたが、槙野の前に上田に飛びこまれてジ・エンド。ひと頃鳴りを潜めていた「浦和殺し」の形による失点がリーグ終盤にまたぞろ復活とは・・・

・浦和は鹿島のプレッシャーを受けてビルドアップに苦しみ、また良い形でボールが奪えないので得意のカウンターも繰り出せずと散々な出来。15分相手のクリアし損ねを高い位置で拾ったマルティノスのクロスを契機に興梠ヘッドで折り返し→レオナルドが反転シュートを放つ場面があったものの、シュートに力なし。19分珍しくマルティノスが橋岡を使って橋岡がクロスを上げる場面もありましたが、そのクロスはわずかにレオナルドに合わず。

・この試合が始まる前に来年の予習がてら金沢vs徳島戦を見ていましたが、相手の強度が段違いとはいえ徳島のサッカーを見た直後だと浦和のビルドアップ能力のあんまりな低さには心底がっかりさせられます。これが本当にJ1のチームなのかと・・・ 

・早い時間帯に先制点を取られたが最後、あとはボールを持たされ気味になったまま時間だけが流れるという「ホーム3連戦3連続完封負け」という最悪期に戻ったかのような戦況で、ボールが前線まで来ないせいか、レオナルドはイライラが昂じた挙句につまらないファウルを犯して次節出場停止。そして全く点が入る気がしないせいか、TwitterのTL上では前半半ば辺りから競馬のジャパンカップを見始める赤者が続出!!

・45分この試合初めて深い位置からの山中の縦パスを契機に浦和得意のロングカウンターが炸裂。縦パスを受けたレオナルドが前線で潰れて汰木へ繋ぎ、そのまま疾走する汰木のスルーパスを受けたマルティノスがボックス内から巻いてシュートを放つもポストを叩いてしまいました。

・試合は明らかに鹿島ペースで進んでいるとはいえ、先制した鹿島もその後はファン・アラーノが2本ミドルシュートを放つ場面があった(しかも共に西川の正面)くらいなので、マルティノスのシュートが決まっていたらその後の試合展開は全く異なっていたでしょうけれど、弱いチームはそれが決まらないから弱いのです。あんまり死んだ子の年を数えてもなぁ・・・

・前半は内容は決して良くはないが一応試合になっていましたが、後半になってついに浦和大決壊!! 

・後半開始早々三竿のスルーパスをデンがカットし損ねてボックス内のファン・アラーノに通ってしまう大ピンチ。ここはなんとか西川がセーブして難を逃れたものの浦和の気の抜けたプレーぶりはどうにもならず、50分鹿島が深い位置からショートパスを繋いで反撃に出て、上田がぽっかり空いたバイタルエリアからミドルシュートをぶち込んで2点目。鹿島の反撃に対して積極的に前から潰しにゆく素振りはなく、かといって早めに帰陣して守備ブロックを整える訳でもない。浦和の守備が酷すぎました。

・2点ビハインドになったところで大槻監督は汰木→武藤、長澤→エヴェルトンと2枚替えたものの、ビルドアップに苦しむのは相変わらず。しかも64分青木の気が抜けたようなパスミスを契機にファン・アラーノ→エヴェラウドと簡単に繋がれて、浦和は致命的な3点目を取られてしまいました。

・大槻監督は怒りの余り、即座に青木に代えて伊藤をなんとCHに投入。と試合中は思ったのですが青木を代えたのは懲罰的な意味合いではなく、負傷のためだったことは試合後の記者会見で判明。

・しかし伊藤がFKで少々見せ場を作ったところでこの日の浦和のダメっぷりが一変するはずもなし。78分興梠→杉本、マルティノス→宇賀神の2枚替えの後は3-5-2にフォーメーションを代えましたが、練習したことがあるかどうかも怪しい3-5-2が即座に機能するわけもなく、81分前がかりになったところで当然のように鹿島のカウンターを食らって屈辱的な4点目を取られてしまいました。

・終盤は今季3度目の「6失点倶楽部」入りすら案じられる試合展開になってしまいましたが、西村主審があんまりな浦和の出来に哀れを覚えたのかPK臭い場面を思わずスルーしたのにも助けられて幸いにも4失点止まり。ただ同様に大量得点差が付いた仙台戦で家本主審が後半のATをほとんど取らない温情裁きを見せたのに対し、西村主審はしっかり5分も取る辺りはやっぱりマシーンっぽいような(苦笑)。

Kashima01

《総評》

・今季屈指のクソ試合。大槻監督の退任が決まったのでこんな試合になったのか、こんな試合をするから退任になったのか、まあ見方はそれぞれだと思いますが、とにかく酷い試合でした。まあもう優勝どころかACL圏入りもほんの僅か形ばかりの可能性を残しているだけでしたし、今季は降格もないので正真正銘まったく掛け値なしの消化試合ゆえ、どんなにクソ試合であってももはやあんまり悔しくないのも正直なところです。

・ただ勝つ気マンマンで試合に臨んだ大槻監督はさすがにこの試合内容にはおかんむりなご様子で、試合後「局面であれだけ上回られるところがあるとゲーム自体は非常に難しくなりますし、そういったことを90分感じながら試合が過ぎていった、というところがあります。残念なゲームでした」「今日の場合は開始直後から球際を含めて、もう少しやらなければいけない場面が多かった部分があったゲームだったと思っています。その部分で言うと、今日は最初のところから、入りから表現できなかったゲームだったと思っています。」と怒りを露わにしていました。

・「4-4-2同士ならそこそこ闘える伝説」は、必然的に至るところで発生する1対1でことごとく負けるという形で脆くも崩壊。まぁ、これはどう見てもACL圏入りが超現実的な目標として残っている鹿島と、もはや目標がないことに加えて監督の退任も決まっている浦和とのモチベーションの差でしょうなぁ、どう考えても。

・大槻監督は「トレーニングの中でこれまで全員が集中してやってきてくれていると思っています。」と感じ、その手ごたえを元に前節と同じスタメンで試合に臨んだのでしょうが、残念ながら選手達は「今更退任が決まった監督にアピールする必要はないし・・・」と言わんばかりのプレーぶり。中には既に次のチームのことで頭が一杯な選手すらいたかもしれません。

・大槻監督はかつて

勝っていても負けていても同点でも、どんなに苦しい状態でも戦いなさい、走りなさい。そうすれば、この埼玉スタジアムは絶対に我々の味方になってくれる。そういう姿勢を見せずして、応援してもらおうと思うのは間違っている。ファン・サポーターのみなさんは、選手たちが戦うところを見に来ているし、浦和レッズのために何かをやってくれるところを見に来ている。埼スタが熱く応援してくれているのは、我々が戦っている証だ、それだけは絶対に忘れてはいけない。

と土田SDが「浦和の責任」というふんわり&ぼんやりとした表現しかできない話を見事にかみ砕いて選手に語りかけた優れたモチベーターだと思いますが、退任が決まってしまうと選手達は現金なもので、監督の言葉は全く響かないようでした。

・なお大槻監督は「結果的に4点差というところは同じですが、ここまでのゲームと今日のゲームは少し中身が違うのかなと思う部分があります。」と感じているようですが、こんなに大量失点が相次ぐチームってそれらを包括的に説明できるメタファクターがあると思いますけどねぇ、どう考えてもフツー・・・

・さすがにこの惨状を受けて大槻監督は次節湘南戦ではスタメンもベンチ入りメンバーも大幅に見直さざるを得ないでしょう。個人的にはこの試合唯一気を吐いていた伊藤のように試合に出る、試合でアピールしたい意欲が残っている選手をバンバン使ってほしいものです。もう結果はどうなっても良いので。

・またもはや残り3試合は興梠が1点取って9年連続二けた得点を記録することくらいしか興味がなくなったので、興梠が中盤まで引いてこざるを得ないレオナルドとの併用は止めて欲しいと思います。幸い次節湘南戦はレオナルドが出場停止でいませんし、湘南相手なら1点は取れるかもしれませんし。

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《試合前の定例会見に対する感想》

・ふり返るのも馬鹿らしく、ふり返ってところで何も残りそうにない試合だったので、鹿島戦前の定例会見で感じたことをこの場に書き留めておきます。

・大槻監督は「ACLがあった際にはACLに合わせたような編成をしなければならなかったり、ここ数年、僕も含めてですが、ミシャさんの後に監督が変わることが多かった。そのたびにクラブがオーダーを聞いて選手を補強したりすることがあった中で、編成も含めて少しバランスが悪いところが出てきたと思っています。」とここ数年の浦和の問題点を非常に的確に把握&表現し、それを踏まえて今年のタスクは「都度、やるサッカーが変わっていますから、そのたびにとってくる選手の質が変わってくるようなことがありましたので、3年計画の最初のところでベースに戻すというか、針をしっかりとゼロに近づける作業は必要」だったと語ったのが衝撃的でした。

・「針をしっかりとゼロに近づける作業」を具体的に言うと「サッカーのベースとなる強度や走ることだけではなく、しっかり判断するということをベースの部分で共有するという作業」「選手の目線を揃えてサッカーをするというところ」とのこと。サッカー脳皆無の私にはこれでも表現が抽象的すぎてピンと来ませんが、今後どんなサッカーをやるとしても必要となるベースを1年かけて整えたと理解しています。

・例えて言えば、土田SDが掲げた3年計画のもとで建物を建てる基礎工事を今年一年かけて取り組んでいるものと思っていたら、なんと数年にもわたって吹き荒れたディープインパクトのために溜まりに溜まった瓦礫を撤去して更地にするのに一年かけていただけで、建物の基礎工事はこれからだった!!という話。いわば今年は「3年計画の0年目だった」という衝撃的な告白でした。

・弊ブログ「大槻監督、契約満了決定 ~ 2020年シーズンとは何だったのか」の稿で、「3年計画非実在論」をぶち上げましたが、それはどうやらそんなに的外れではなかったという話でもあったので笑うに笑えず。

・大槻監督は瓦礫の撤去だけでも手一杯なのに、「サッカーのスタイルの目標設定とそれ以外に数字的な定量化された目標が設定されています。その両方を求めるのは難しいところがあると思っていましたが、クラブと話をしながら進めてきました」と過重としか思えない目標をクラブから課されて呻吟していたことも告白。これでは他に監督のなり手なんてあろうはずがなく(特に外国人監督なら即座に席を蹴ってしまうでしょう)、やむなく大槻監督続投のやむなきに至ったのも頷けます。

・大槻監督はこの一年苦労に苦労を重ねてきたことがよく判る記者会見でしたが、それはそれとして出来上がったチームはまたしても大量失点で惨敗。大槻監督が1年かけて瓦礫を撤去し、なんとか更地にはなったかもしれませんが、その更地は軟弱地盤のままなので次の監督も大変でしょうなぁ。その新監督にフロントが「ACL圏入り」みたいな非現実的な目標を課さないことを祈ります。

・また大槻監督はここ数年の浦和のダメっぷりを鮮やかに総括し、それを改善する道筋も(ぼんやりと)見えており、かつ「浦和の責任」とは何かをよく判っている方っぽいので、病気療養中とされる土田SDに代わってそういう立場に就いていただくと嬉しいのですが・・・

Kashima02


---レオナルド-興梠---
汰木--------マル
---青木--長澤---
山中-槙野--デン-橋岡
-----西川-----

(交代)
57分 汰木→武藤
57分 長澤→エヴェルトン
66分 青木→伊藤(故障による交代)
78分 興梠→杉本
78分 マルティノス→宇賀神(宇賀神が右WB、山中が左WB、武藤トップ下の3-5-2)

Kashima03


--エヴェラウド-上田---
土居--------アラーノ
---レオシルバ-三竿---
山本-町田--犬飼-小泉
-----沖------

(得点)
11分 上田
50分 上田
64分 エヴェラウド
81分 レオ・シルバ

(交代)
72分 上田→遠藤
83分 ファン・アラーノ→永木
83分 土居→松村
83分 小泉→広瀬
83分 エヴェラウド→伊藤

※写真は試合とは一切関係がありません

 

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2020.11.27

大槻監督、契約満了決定 ~ 2020年シーズンとは何だったのか

・11月25日早朝に浦和が現在リカルド・ロドリゲス氏(現徳島監督)の招聘に動いているという話がスポーツ各紙を飾りました。スポーツ紙のニュアンスは「内定」「条件面などで基本合意」から「候補を一本化」までバラツキがありましたが、ロドリゲス氏も当日浦和からにオファーがあることは認めました。

・そして、早朝のビッグニュースで赤者の興奮冷めやらぬうちに、浦和フロントが昼間になってすぐ「大槻毅監督との契約について2020シーズンをもって満了とし、来シーズンの契約を更新しない」こと、合わせて「上野優作ヘッドコーチ、山田栄一郎コーチ(分析担当)、末藤崇成コーチ(分析担当)についても契約満了」とすることを公表しました。

・2021シーズンの新体制は明らかになっておりませんが、監督どころかコーチ陣まで大幅に入れ替わることを考えると新監督が腹心となる一族郎党を引き連れてやってくることは間違いありません。ただ新監督がロドリゲス氏なのかどうかは如何せん一寸先は闇の世界で、「決定的」と書かれていた話が破談になる例もしょっちゅうあるので、ロドリゲス氏新監督就任を前提とした話はここでは差し控えます。

・ロドリゲス氏招聘話の前に、11月4日に「来季の監督候補として元湘南監督の曹貴裁氏に獲得を打診していることが3日、分かった。」という日刊スポーツのニュースがありました。もっともロドリゲス氏招聘話と違って、曹貴裁氏招聘話は日刊スポーツしかソースがなく信ぴょう性はあまり高くないと思いますが、こういう話が出てくることから大槻監督の続投がないことは割と早い時点で決まっていたと推察されます。

・ここから先は妄想が妄想を呼び、邪推に邪推を重ねたヨタ話なので、そういうのに興味がない方は読み飛ばしてください。

・大槻監督の「2021年も続投」という選択肢なんてそもそもなく(9月末のホーム3連戦3連続完封負け辺りで見切りを付けられた可能性もなくはないのですが・・・)、2020年限りでの契約満了は昨年シーズン終了直後に大槻監督の続投を決めた時点での既定路線だったような気がしてなりません。

・土田SDが就任早々「3年かけてチームコンセプトの明確化に取り組む」という話をぶち上げました。それはそれでもっともな話なのですが、それを具象化するのが新しく招聘した監督ではなく、悲惨な成績、悲惨な内容で2019シーズンを終えた大槻監督の続投なのかがそもそも謎過ぎました。

・「複数年契約の選手が多いので血の入れ替えはままなりませんが、浦和の責任をもってチームコンセプトを明確化すべくひとつヨロシク!! ACL圏入りもお忘れなく!!」なんて虫の良い条件を飲む監督なんて(もともと探す範囲がそんなに広くないこともあって)全くおらず、新監督招聘に失敗した挙句に大槻監督続投が決まっただけなのではないかと。

・ゆえに、土田SDがいう「3年計画」というのは「何をやるにしても血の入れ替えは3年くらいかかります。その間優勝なんて諦めてください」くらいの消極的な意味しかなく、「3年かけてチームコンセプトを明確化する」という積極的な意味なんて持っていないのではないか、実は来シーズンからが本当の「3年計画」の始まりなのだと考えるほうがスッキリします。

Hatesinaku

・この「3年計画非実在論」に立てば大槻監督は何を残そうとしたのか、そして大槻監督が残したものを新監督がどう承継するのか、なんて議論はあまり意味がないことになります。

・「3年計画を必ずしも同じ監督でやる理由はなく、大槻監督が積み上げたものを新監督が継承・発展させればいいのだ!!」という「3年計画実在論」に拘る向きもおられるようですが、浦和の悲しい歴史をつらつらと考えるとそんな合理的かつ壮大な計画が浦和にある訳がないでしょうに、非常に残念な話ですが。

・従ってこの一年はハナからほぼ捨てられた一年、失われた一年だったと思います。もっともミシャ解任以降毎年捨てているようなものなので、別に2020年が特に悪いシーズンでもないのですが。

・大槻監督は土田SDが語る「ボールを積極的に奪い、味方のスピードを生かし、ボールをできるだけスピーディーにゴールに運ぶ。ボールを奪ったら短時間でフィニッシュまで持っていく回数を増やしていく、そういったフットボール」を具象化すべく、たいした補強もない中でそれなりに頑張っていました。(どこまで本気だったのか疑問ですが)ACL圏入りへ向けて試行錯誤を繰り返し、最後は「マルティノス・サイコロの旅システム」に辿り着きました。

・昨年は残留争いに両足どっぶり浸かり、オフにさしたる補強もなかったことを考えれば今年7~10位くらいでのフィニッシュは上出来といっても良いでしょう。

・大槻監督のやろうとしたことは「理詰めのサッカー=再現性の向上」という見方もあるようですが、結局辿り着いたのはマルティノスというパフォーマンスが概して非常に不安定で確率変数的な要素が高い選手への依存だったというのは実に皮肉な結果でした。もっとも意外にもマルティノスのパフォーマンスがなぜか急に安定し、確実に再現性の向上に繋がっているので結果的に問題はなかったのですが。

・ただその過程で「同じような形での失点を繰り返す」「ボールを持たされるとどうにもならない」「フォーメーションが噛み合わない相手にはとことん弱い」といった諸症状が表れ、その打開策として「柏木全権委任システム」という明後日の方向に走りだしてしまうこともありました。そして大量失点を繰り返し、またホームでの勝利にあれほど拘ったにも拘らず今年もやっぱり勝率が悪いという残念すぎる結果が残りました。

・またコロナ禍を受けての超々過密日程をこなすべく、あるいは怪我人多発を受けてやむなく、他チームがバンバン若手選手を起用する一方、浦和は橋岡が昨年に続いてレギュラーを確保しているだけで、若手選手が起用されることは全くと言っていいほどありませんでした。今季伸びた柴戸や汰木の年齢は他チームなら若手とは言わないでしょうし。

・大槻監督及び各スタッフの仕事で評価できるのは、なんと言っても「コロナ禍を受けてコンディション維持に苦しむ選手が多い中で怪我による長期離脱者を出さなかった」ことに尽きます。新監督が何をやるのか全く判りませんし、浦和もどの選手が来年もいるのか判りませんが、少なくとも来シーズンの開幕に間に合わないレベルの怪我人を出さなかったことは評価して良いと思います。

・「3年計画実在論」のシナリオ通りに事が進み、来シーズン末にふり返ってみれば「2020年は失われた一年どころか、浦和再生の下地を作った実に有意義な年だった!!」という話になれば実に嬉しく、それはそれ、これはこれで手首がねじ切れるレベルで手のひらクルクル大回転なのがファン・サポーター心理。でも2020年末に何を感じ、何を考えていたのかちゃんと書き留めておくことは、ナチュラルな歴史修正主義者に陥らないために個人的に重要だと思いました。妄想だらけ、邪推だらけの駄文にお付き合いいただきありがとうざいました。

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2020.11.23

【観戦記】20年第28節:浦和 1-2 G大阪 ~ 「浦和に期待した僕がバカだった」と言われるのかなぁ・・・

・内容は悪くはありませんでしたが、浦和は好機を活かしきれない場面があまりにも多くて痛恨の逆転負け。ACL圏入りが現実的なチームと空念仏に過ぎないチームとの差がゲーム終盤に如実に表れた気も。

《スタメン》

・前節から中3日の浦和は宇賀神→山中、武藤→レオナルドと2名入れ替え。ベンチメンバーを含めてまたまた新味一切なし。

・一方先週は平日に試合がなく中7日のG大阪は唐山・菅沼に代えて前節小破して欠場した宇佐美やキム・ヨングォンがスタメンに復帰した他、渡邊→パトリック、奧野→小野瀬とスタメン4名を入れ替え。G大阪は井手口・三浦・小野が故障離脱中のせいか、ベンチには渡邉以外は見慣れないメンバーがずらずらっと。

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《試合展開》

・フォーメーションが4-4-2同士のミラーゲーム、かつお互いにコンパクトな布陣を敷いているために、どちらもボールを持ったところでその後の展開に困っている風でしたが、相対的にいえばより困っていたのは浦和のほう。この日は思いのほか風が強くて風下からスタートした浦和は序盤ロングパス、ロングフィードが風に押し戻されてパスミスになってしまう場面が目立ちました。立ち上がりは7分に山中クロスがボックス内の興梠に通って、最後は長澤がゴールに迫った場面が惜しかったくらいでしょうか。

・9分東口のゴールキックを跳ね返したところからのカウンターでレオナルドのスルーパスが興梠に通る場面がありましたが、ここはCBキム・ヨングォンに阻まれてしまいました。このプレーで興梠が傷むもファウルもなし。

・G大阪は序盤から盛んに山中の裏を狙っていた小野瀬が故障してしまい、給水タイム後に福田投入を余儀なくされるアクシデントが。

・給水タイムを挟んで最初に決定機を掴んだのは浦和。27分珍しく青木→レオナルド→長澤と中盤の細かいパス交換でG大阪の守備網を突破して長澤のスルーパスがボックス内の興梠に通りましたが、興梠にキム・ヨングォンが寄せていることもあってシュートコースが狭く、興梠のシュートは東口が難なくセーブ。

・さらに29分レオナルドがマルティノスへ大きく振ったことを契機に左右から分厚い攻撃を仕掛けたものの、汰木のクロスはファーに飛び込んだ橋岡にわずかに合わず。

・ここまであまり良いところがなかったG大阪。小野瀬に続いて福田も盛んに山中の裏を狙うもクロスは簡単に浦和守備陣に弾き返され、パトリックへのロングボールも槙野やデンに阻まれ続けていましたが、35分くらいからようやく浦和を自陣深くに押し込みはじめました。そして40分宇佐美CKを興梠がニアで弾き切れずに、軌道が変わったボールがポストを直撃する一幕も。

・後半も最初に決定機を掴んだのは浦和。47分福田のバックパスを最前線で拾ったレオナルドが後方から走りこんだ長澤に折り返すも、長澤のシュートはバーを直撃!!

・さらに56分深い位置でのボール奪取からロングカウンターの好機を掴むもレオナルドのシュートはポストをわずかに掠めただけで枠を捉えきれず。神戸戦でもそうですが、レオナルドは好機を決められないと大金を払って獲得し、かつ運動量が少ないことに目を瞑ってまでスタメンで起用した甲斐がないんだよなぁ・・・相手の研究が進み、J1の壁にぶち当たったといえばそれまでですが。

・G大阪は相手を押し込みながらも浦和の守備ブロックを崩しきれず、浦和は何度もカウンターの好機を掴みかかりましたが、浦和も浦和で青木なり汰木なりのスルーパスがわずかに通らず。58分の逸機にはとうとうマルティノスがブチ切れて守備に戻らなくなってしまいました。しかしそのマルティノスもこの日はキレがなく、その割には個人での打開を図りまくってしまうという悪い時のマルティノスそのもので、他人を責められるほどでもなく。

・浦和の先制点は超意外な形から。62分CKでマルティノスが意表をついて後方の山中へボールを下げ、山中がすかさずクロス。ファーのデンが巧く相手のDFラインの裏へ飛び出して頭で押し返し、最後は槙野が押し込むという見事なサインプレーが決まりました!! 浦和は相手のサインプレーを食らって失点する場面は何度も見た覚えがありますが、浦和がサインプレーを仕掛けたのは全く記憶にありません。

・ところが66分にG大阪のクロス攻撃がついに結実。高岡から藤春へと大きく振って、どフリーの藤春がクロス。これは槙野がパトリックと競り合いながらもなんとか弾き返しましたが、こぼれ玉に福田が、続いて宇佐美が反応し、宇佐美のシュートが槙野の股間を抜けてゴール。

・後半早い時間に傷んだ藤春はこの直後にお役御免となり川﨑に交代。一方大槻監督は70分にレオナルド→武藤、興梠→杉本と一気に2枚替えを敢行しましたが、結果的にはこの2枚替えが仇となってそんなに悪くはなかった流れをぶち壊す結果に。レオナルド&杉本という「絶望2トップ」を避けたのかもしれませんが、武藤&杉本の組み合わせもあんまり見たことがないんだよなぁ・・・ 興梠&武藤の組み合わせが最善手のはずですが、これ以上興梠を引っ張るのも苦しかったのでしょうなぁ・・・

・73分に西川ロングフィードからマルティノスのクロスが杉本&汰木にわずかに合わなかった場面くらいかな、この時間帯で可能性があったのは。77分のカウンターはまたしても汰木のパスがマルティノスに合わず。

・オープンな展開になった中で79分宮本監督は一気に3選手を交代。大槻監督も同じタイミングで山中に代えて宇賀神を投入。

・そして決勝点となったのは81分のCK。宇佐美が下がったのでキッカーが山本に代わっていましたが、山本のボールはゾーンで守る浦和守備陣の選手間に上手く入り込んだ高尾にピンポイントで合って、高尾が楽々ヘッドでゴール。高尾はこれがJ1初ゴールなんだとか。

・大槻監督は85分に長澤→エヴェルトン、汰木→武富と代えたものの、どう見ても「代えれば代えるほど悪くなる」という典型的な「大槻監督あるある」に。AT+2分には槙野のロングフィードに対して昌子が目測を誤ったのか、ボールが昌子の頭を越えてDFラインの裏に抜けた杉本に通る絶好機がありましたが、杉本のシュートは東口ががっちりキャッチ。杉本はDF二人に挟まれかかってシュートコースが狭かったのでしょうが、こうも決定機を決められないとはなぁ・・・

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《総評》

・シュート数は6対13、CK数は4対8と倍の差を付けられましたが、生観戦していた限りでは決定機の数はそんなに差はなく、試合内容に全く悪い印象は受けませんでした。リーグ戦前半にありがちだった「勝つには勝ったがなんで勝ったのかよく判らない試合」よりは、ずっと帰り道の足取りが軽かったと言ってもいいくらい。

・しかし、結果は今季初の逆転負け。浦和はカウンターで好機を掴みかかる場面だけは多かった(それゆえ大槻監督は「こちらが表現しようと思った事も表現できました」とご満悦なのかも(苦笑))のですが、先述のようにラストパスがうまく通らない、またなんとか通ってもG大阪のDFに粘り強く対応され、シュートコースが限定されたがために東口を脅かすには至らない場面が目立ちました。

・そして結局のところ毎試合相手にボコボコにやられて顔は腫れて目も塞がっているけどなんだかんだと倒れないという不思議な堅守をベースにセットプレーなり、強力FWの一発で僅差の試合をモノにするというG大阪らしい試合結果に。いやいつもの試合とは違って、浦和にはそんなにパンチを撃たれてもいないので、G大阪にしてみれば楽勝の部類だったかも。

・一方浦和は頼みの綱である両SHと興梠の疲労が顕著で、これが逆転負けの遠因でしょう。汰木は神戸戦から明らかにパフォーマンスが落ちており、マルティノスもこの試合はキレがなくて、その割に個人で打開を図ろうとしてボールロストの連続。しかも関根が依然コンディション不良なのかベンチにもおらず、汰木もマルティノスも代えるに代えられないという惨状。

・縦に速い、独力でドリブル突破可能なSHが手元に少ない以上大槻監督がやれることは所詮限りがあるというべきか、そんなタイプのSHはもともと少ないにも関わらず大槻監督の試行錯誤の末にそんなSHを必要とする戦術に落ち着いてしまったというべきか、「鶏が先か卵が先か」みたいな話でモヤモヤしますが、いずれにしても浦和の現状は使える選手層は薄く、かつ戦術のオプションがほとんどないのは確か。

・まぁ「3年計画の1年目」のなので、それが当たり前といえば当たり前で、フロントは大槻流に見合う選手を揃え、大槻監督は戦術のオプションを増やすのが2年目の課題になります。もっとも横浜M戦のやられっぷりを見ると、個人的には後者にはあまり期待できないと思っていますが。

・SHの不足もさることながら、「脱興梠」の目途が全く立たない問題のほうがより深刻かも。興梠・レオナルド・杉本・武藤からなるFWの6通りの組み合わせで興梠&武藤>>興梠&レオナルド>興梠&杉本の順に機能しているように見えますが、興梠を絡めない組み合わせはレオナルド&杉本を筆頭にどれも機能せず。そしてSHを代え、興梠を下げると「代えれば代えるほど悪くなる」という「大槻監督あるある」に。

・昨年から続く「ベテラン興梠頼み」「FC興梠」を今年も引きづっているようでは、「3年計画の1年目」の内容としてはかなり寂しい気も。

・またこの試合について言えばG大阪が福田・川﨑・唐山ととにかく「元気だけはやたらある!」若手選手をバンバン投入してくるのに対して、浦和は代わり映えしない面子の中でオッサンをオッサンに代えるだけ。オッサンを酷使して戦術らしくものを辛うじて成り立たせているだけの浦和と比べると使える選手層の厚みの差は顕著で、この辺にACL圏入りが現実的なチームと所詮空念仏に過ぎないチームとの差がくっきりと。

・この試合で浦和が勝つか引き分けに終わると、この日試合がなかった川崎が自宅に居ながらにして優勝が決まる(=リモート優勝)というシチュエーションだったので、G大阪とACL入りを争うチームも含めて浦和を応援する他サポが少なからずいたようですが、「浦和に期待した僕がバカだった」と言われるのかなぁ(苦笑)。

《選手評等》

・柏戦以来、超久しぶりに埼スタで生観戦。致し方ないとはいえ、矢島にブーイングが無いのにめっちゃ違和感。

・行きしなは暑いくらいなのに陽が沈むと急激に気温が下がって、強風も相まって結構寒いのには参りましたが試合内容まで寒くはなかったのが救いと言えば救い。ただまたしてもホームで負け。ホームでの勝率が悪いどころか負けまくるというのは、さぞかしシーチケの売り上げに響くんだろうなぁ・・・

・長澤に敢闘賞。特に前半は攻守面で完全に中盤を制圧した感も。

・家本主審は「ファウルかな?」と思った場面でビックリするくらい流してしまう場面が目だちましたが、ゲームが切れた際に選手とコミュニケーションとしっかり取っていますし、ゲームの中でも「ワシはちゃんと観とったで!」と言わんばかりのアクションをするので、生観戦している分には全然ストレスなし。うっかり長澤の進路に入ってしまって、長澤に押し出されるのには笑いましたが

・最後に投入された唐山は「からやま」ではなく「とうやま」と読むのか! 「からやま」ならローストチキンコウロギのライバルになるんだがなぁ。

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---興梠--レオナルド--
汰木--------マル
---青木--長澤---
山中-槙野--デン-橋岡
-----西川-----

(得点)
62分 槙野

(交代)
70分 レオナルド→武藤
70分 興梠→杉本
79分 山中→宇賀神
85分 長澤→エヴェルトン
85分 汰木→武富

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--宇佐美--パトリック--
倉田-------小野瀬
---矢島--山本---
藤春-ヨングォン-昌子-高尾
-----東口-----

(得点)
66分 宇佐美
81分 髙尾

(交代)
24分 小野瀬→福田(故障による交代)
68分 藤春→川﨑(故障による交代。川﨑が左SH、倉田が右SH、福田が左SBへ)
79分 矢島→奥野
79分 宇佐美→渡邉
79分 倉田→唐山

 

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2020.11.19

【DAZN観戦記】20年第31節:神戸 0-1 浦和 ~ 前節が前節だっただけに「勝てば良かろう」なのだ

・ありていに言って「ぱっとしないチーム同士の一戦らしい塩試合」でしたが、前節あんまりな無為無策、あんまりな内容で横浜M相手に惨敗を喫した浦和にとって、相手のしょぼさも手伝って勝ってアウェー4連戦を締めくくったのは悪い話ではないでしょう。

《スタメン》

・神戸がACLへ出場する関係で前倒し開催となった第31節。浦和は前節横浜M戦から中3日ですが、失態続きだった岩波をついに諦めてデンをスタメンに戻した他、コンディションが良くないのか前節前半だけで交代を命ぜられたエヴェルトンに代えて青木をスタメンに。

・前節あれだけの大敗を喫したのでベンチ入りメンバーに大幅な変化があっても不思議はないと思ったのですが、スタメンはわずか2名の入れ替えのみでサブも含めて全く新味なく、柴戸&関根は依然ベンチ外。あの惨敗の後でもスタメンは2人しか変わらないとなるとベンチ組やベンチにも入れない組のモチベーションがダダ下がりになるのはやむを得ないでしょうし、おそらく少なからずオフに影響が出ると思います。

・だからといって岩波以外は面子を入れ替えたところでチームが良くなる気がたいしてしないというのが辛いところ。コンディションが良くない選手、明らかに実力不足の選手、チームコンセプトに合わない選手を無理やり出しても「入れ替えのための入れ替え」にしかなりませんし。

・一方神戸は前節湘南戦から中2日と浦和より厳しい日程ゆえ、山口・藤本・古橋以外のGKを含めて8人もスタメン入れ替えで、しかも全員国内産馬。外国人選手はサブにイニエスタがいるだけ。なお神戸は大崎が出場停止。

Kobe003

《試合展開》

・日程が厳しく、かつACLを目前に控えた神戸がスタメンを大きく弄ってくるのは想定内でしたが、意外だったのは布陣がいつもの4-1-2-3ではなく、4-4-2だったこと。

・試合後三浦監督は「浦和対策としてやってきたもの」と語っていますが、浦和はミラーゲームなら案外強く(C大阪戦が典型)、ここ3試合のようにフォーメーション上ミスマッチが生じやすい相手には弱いのが明白なだけに、神戸がわざわざ浦和に合わせるかのように4-4-2の布陣を敷いたのが最大の謎でした。神戸は目下4連敗なので、三浦監督としてはとにかくマークをはっきりさせて極力失点を避けたかったのかもしれませんが、・・・

・前半はミラーゲームで共に前からプレッシャーをかけあって中盤で潰し合う時間が続きましたが、曲がりなりにも最初に突破口を見出したのは神戸。10分自陣深い位置でのスローインから宇賀神の裏を取った古橋がそのまま右サイドを疾走して田中へ低いクロス(田中のシュートは力なく枠外)。さらに17分宇賀神がスリップした隙に乗じてボールを奪った古橋がそのまま右サイドを疾走してクロスを送るも橋岡がなんとかクリア。

・その後も浦和は古橋のスピードに手を焼き続けると同時に、ノエスタのやたら滑るピッチ(不思議なことに浦和だけでなく神戸の選手も滑る!!)におっかなびっくりに悩まさせ続けたという二つの意味でこの試合を象徴したような場面だったと思います。

・共にビルドアップに苦労しつつも神戸のほうがややマシという印象で、それゆえ序盤は神戸が浦和を自陣に押し込んでいる時間帯がやや長かったかと思います。浦和はエヴェルトン不在が響いてボールがなかなか前に進まず、仕方なく西川がマルティノスや橋岡目掛けてポーンと蹴ってそのまま相手ボールになってしまうことがしばしば。

・飲水タイムを挟んでようやく浦和が反撃。30分デンが中へ絞ったマルティノスへビシっと縦パスを入れたのを契機に珍しく敵陣深い位置でパスが繋がり、最後はいち早くこぼれ玉に反応してボックス内に突入した橋岡がシュートを放ちましたが、GK前川のポジショニングが良くて難なくセーブ。

・逆に神戸は36分前川の縦パスが古橋に通り、前に出たデンが古橋を潰せなかったがためにそのまま古橋→藤本→佐々木と急襲を受けて佐々木に決定機を許すも、ここはシュートコースが限定されていたためか西川が難なくセーブ。ただこれは前節でも良く見られたやられパターン。さらに44分にはバイタルエリアに進出した郷家への浦和守備陣の寄せがいかにも甘くてポスト直撃のシュートを撃たれる一幕も。

・浦和は前半終了間際に橋岡クロスの跳ね返りを拾った汰木がシュート、その跳ね返りを青木が拾って武藤がボックス内からシュートを放つ場面がありましたが、やや角度が厳しくてシュートは枠を捉えきれず。

・浦和は後半頭から武藤に代えてレオナルド投入。

・後半開始早々佐々木の縦パスを橋岡の裏、デンとの間という絶妙な位置で受けた田中が低いクロスを入れて藤本が詰めるも西川がセーブ。終わってみればこれがもっとも往年の神戸らしい決定機だったかも。

・浦和は55分山川のバックパスを受けた菊池が足を滑らせたのに乗じて興梠→レオナルドとたった二人でシンプルにカウンターを仕掛けましたが、渡部と対峙したレオナルドは好機を活かせず。リーグ戦序盤のレオナルドなら間違いなくゴールを決めていたであろう場面でしたが、如何せんいつも後半からの途中出場だらけで試合勘なり得点感覚なりを失っているのかも。

・前半に続いて後半も相変わらず神戸が押し込んでいる時間帯がやや長いものの、浦和は4-4-2の守備ブロックを敷いて粘り強く対応し、神戸の単調なクロス攻撃を淡々と跳ね返し続けました。試合後郷家が「レッズがサイドを空けてくれたのがあったので、山川くん、初瀬くんだったりで仕掛けてクロスが一番手っ取り早い攻撃なのかなと思っていましたけど」と語っていましたが、浦和が何度も何度もクロス攻撃で失点を重ねまくった頃のイメージが強すぎたのかなぁ?

・膠着した戦局を打開すべく、浦和は59分宇賀神→山中、79分青木→エヴェルトン、神戸は72分田中→イニエスタ、佐々木→小川と交代。オープンな展開になったところで76分カウンターから単騎古橋が浦和ゴールに迫りましたが、シュートはやや力なく西川のもとへ。

・神戸以上に浦和には攻め手がありませんでしたが、なんだかんだと均衡を破ったのは浦和。83分神戸のスローインをハーフライン付近で山中&汰木で挟み込んで奪取し、山中がレオナルドとの壁パスで密集を抜けてそのままドリブルで前進しながらクロス→ファーにマルティノスが飛び込んで利き足ではな右足でゴールをぶち抜いて浦和が先制!! 高い位置でのボール奪取、そしてそこからの速攻という今の浦和らしい素晴らしい得点場面でした。

・しかし、その直後にカウンターを浴びてイニエスタのシュートが枠を掠めたり、ATにはFKから菊池のオーバーヘッドシュートが枠を襲う場面もあって盤石とは言い難いものの、なんとか浦和は逃げ切って勝ち点3を奪取。

・試合終了間際、最後に投入された杉本&武富を含めて全員が敵陣で時間を潰してそのまま逃げ切りを図ろうとしているのに、なぜか張り切って後方から上がって来てシュートを撃ち、しかもあろうことか相手に当たってカウンターを浴びる契機を作ってしまう橋岡には参りましたが(苦笑)。

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《総評》

・公式記録のシュート数は神戸13、浦和12と共にそこそこ放っていますが、共にGKを脅かした場面は少なかったせいか双方とも攻め手に乏しい典型的な塩試合だった印象は否めず。ゆえに数少ない決定機を一つ決めたほうが勝ちという判りやすい試合で、スコアレスドローでもなんら不思議はない内容でした。

・しかし前節大敗を喫した浦和にとってはどんな内容であれ勝利は嬉しいものでしょう。いや「どんな内容であれ」といっても浦和のそんなに内容が悪かった訳ではなく、得点場面は浦和の得意パターンがハマったものでしたから、やっていることに自信を取り戻すためには有意義な勝利だと思います。ただ相手のしょぼさに助けられた面も否めないだけで。

・冒頭に記したように神戸は失点が多いので浦和とマッチアップのかみ合わせを良くすべくわざわざ4-4-2を組んだのでしょうし、実際守備はそんなに悪いとは思わなかった(というか浦和の攻めがしょぼい)ですが、自分の攻め手も失ってしまって塩試合と化し、結局決定機を一つ決めたほうが勝ちというトホホな結果に。

・神戸は相手を押し込んでからの攻め手が非常に乏しくなったようが気が。イニエスタもサンペールもいなかったせいかもしれませんが、大外から回ってSBの裏を取るとか、CBとSBの間を駆け抜けるとか、横浜Mっぽい攻めがすっかりなくなってしまいました。天皇杯決勝の試合内容はすっかり夢幻の如くなり・・・ だいたい途中投入のイニエスタがサイドで守備に回ってマルティノスと対峙する羽目になった時点で神戸の勝ちはないわなぁ・・・

・神戸は実にしょぼい試合内容&リーグ戦5連敗という悲惨な状況でACLを迎える羽目になりましたが、リーグ戦の結果&内容とACLの成績は一切関係ないことはACL実績十分の浦和が太鼓判を押しまくりますので、とにかく頑張ってくださーーーーい(朝井さん風)。

《選手評等》

・MOMはもうマルティノスで文句なし。あの時間帯で初瀬の視界から完全に消えたところから絶妙なタイミングで走りこんで来ただけでもスーペルなのに、利き足ではない右足でゴールを決めるとは!! 守っても途中電池切れになりかかりながらもかつてのようにあからさまにサボっているようには見えず、ピッチにコロコロ転がりもしない。審判に執拗に文句を言ったりもしない。

・しかも試合毎の出来のムラなんてすっかり影を潜めて、コンスタントに相手に脅威を与え続けています。もう今の大槻監督のやり方はマルティノス抜きでは成り立たないレベル。昨年の「FC興梠」になぞらえて言えば、今年終盤の浦和は完全に「FCマルティノス」に。そんな属人的な戦術で良いのかという気もしますが(苦笑)。

・試合後のインタビューでマルティノスはつい契約について触れてしまい、通訳が誤魔化してた感じでしたが、とにかく金がない浦和はそれなりにお高いであろうマルティノスをどうするか。おそらく単年契約のオファーに留まる気がしてなりませんが、それをマルティノスが受け入れないかもしれませんし、複数年契約を結んだら結んだでマルティノスが元の木阿弥ならぬ元のマルティノスに戻ってしまう気もしなくはないので、難しいところです。

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---興梠--武藤---
汰木--------マル
---青木--長澤---
宇賀神-槙野-デン-橋岡
-----西川-----

(得点)
3分 マルティノス

(交代)
HT 武藤→レオナルド
59分 宇賀神→山中
79分 青木→エヴェルトン
86分 興梠→杉本
86分 マルティノス→武富

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---田中--藤本---
佐々木-------古橋
---山口--郷家---
初瀬-渡部--菊池-山川
-----前川-----

(交代)
72分 田中→イニエスタ
72分 佐々木→小川
89分 藤本→小田
89分 初瀬→酒井

※写真は試合とは一切関係がありません

 

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