2020.10.25

【DAZN観戦記】20年第24節:浦和 3-1 C大阪 ~ ああ、汰木の抱き枕はまだか!!!

・柏戦で何かを掴んだとはいえ、今回の相手は守備がとにかく堅いC大阪。結果はともかく見応えがある試合、将来に繋がりそうな試合を見せてくれれば十分と思っていたところ、まさかまさかの完勝! しかも相手に先制を許すという超苦手な状況からの逆転勝ちとは!!!

《スタメン》

・どちらも週央に試合がなかったもの同士。浦和のスタメンは出場停止の宇賀神に代えて山中が入っただけ。柏戦から良い流れを掴んでいる上に、週央に試合がなかったのでスタメンを大きく弄らないのは当然でしょう。

・但し、ベンチにデン・岩武・伊藤・青木が入った一方、柏木・柴戸・関根が外れてベンチの面子はかなり守備的に。関根は今週の練習で別メニューだったという話があったのでベンチ外も納得ですが、柴戸のベンチ外には驚きました。

・C大阪のスタメンは前節からメンデス→豊川とこちらも1名入れ替えのみ。

・なおC大阪はFW都倉とSB松田が故障中。

《試合展開》

・立ち上がりの浦和はC大阪の攻撃を自陣深い位置でのファウルで止めてしまう場面が目立って芳しくありませんでしたが、11分カウンターから武藤の枠内シュートで終わった場面を契機に徐々に反撃。

・18分には相手を押し込んだ状態から左サイドから武藤→興梠→汰木と細かくパスを繋いで武藤の枠内シュートで終わった場面は仙台戦の先制点を髣髴させる形。C大阪の守備ブロックが整っている状態でも決定機を作れるなんて、ちょっと前の浦和の惨状からすればミラクルとしか言いようがありません。

・しかし、C大阪は立ち上がりからスピードのある豊川に浦和最終ラインの裏というか岩波と一対一で勝負させる狙いがチラチラ。解説岩政の見立てでは浦和が前からプレッシャーをかけてくるのを見計らって豊川に浦和最終ラインの裏を突かせているのことでしたが、7分には早くも瀬古が縦ポンで豊川を走らせる場面が。

・22分にはデサバトの縦パスで豊川が岩波を交わして最終ライン裏に抜け出てシュートを放つもGK西川がセーブ。しかし、28分西川ゴールキックを木本が跳ね返したところに豊川がいち早く反応。応対した岩波は豊川と激しく競り合った訳でもないのになぜか転倒してしまい、スピードに乗った豊川に槙野もあっさり交わされてついに失点。

・ここまでは怪我もあってか最近ようやく試合に出だしたばかりの豊川をいきなりスタメンに抜擢したロティーナ監督の面目躍如といった場面でした。逆に言えば、ここまで似たような攻めを何度も受けているにも関わらず全く修正できない浦和のトホホさ加減が浮き彫りになったとも。

・先制点を取られるといきなりヘナヘナになってしまうのが今年の浦和。おまけに相手は守備が固いC大阪とあって、ホーム3連戦3連敗を喫していた頃の浦和なら先制点を取られた時点でチーム内はもちろん埼玉スタジアム全体にどよーーーんとした空気が流れ出したと思います。しかし、柏戦で何かを掴んだ心理的影響は実にでかかったようで、この試合の浦和は先制されても全く下を向かず、さりとて焦って前がかりになることもなく、着実に反撃の機会を伺い続けました。

・失点直後の29分ヨニッチの縦パスを長澤がカットしたことを契機とする一連の攻撃で山中クロス→マルティノスヘッドの決定機。

・さらに32分片山の浮き球パスを長澤がカットしたところから武藤の縦パスを受けて汰木がボックス内突入。応対したCB瀬古が汰木の足を引っかけてしまい、汰木がPKゲット。仙台戦ではGKを巧くかわせずにPKをもらい損ねましたが、同じ試合の興梠のPKゲットを見て何がしか学ぶものがあったのかもしれません。34分興梠のPKは方向こそGKキム・ジンヒョンに完全に読まれていましたが、コースがGKの届かないところなので無事PK成功。

・44分にはC大阪が前からプレッシャーをかけてきたところを西川のロングフィードで裏返しての攻撃。長澤がボックス内にいるエヴェルトン(!)へのクロスこそ片山に弾き返されましたが、そのこぼれ玉をミドルレンジから山中が叩き込んで浦和が一気に逆転!! 山中のシュートはボックス内で武藤と対峙していた瀬古に当たってコースが変わるという運に恵まれたものでしたが、山中が中に絞った位置からミドルシュートを狙うのはよくあるパターンなので、得点は全くの偶然ではありません。

・浦和は後半に入ると前半よりも明らかに前からプレッシャーをかける場面が増え、なぜかマルティノスが前残り気味になって4-3-3っぽくなる場面が目立ちました。しかし、これがどうにも上手く嵌まらずにC大阪に簡単に交わされ、守備ブロックが整わないままの迎撃を余儀なくされるがちになり、なんとかボールを奪ってもただ蹴りだすだけに。

・この不細工な時間帯の浦和の狙いがなんだったのか、傍目からは判然としませんでしたが、浦和の前プレはそれなりにリスキーな反面、前半のようにシンプルな縦ポンで豊川にやられ続ける場面が後半はなくなったのは確か。

・しかも浦和の守備が整っているとは言い難い状態にも関わらずなんとかDF陣が奮戦してC大阪に決定機を与えず。47分SB片山から奥埜目掛けてフリーでクロスという「浦和殺し」の形を作られましたが、ここは岩波が奥埜に競って自由を与えず。クロスのターゲットとして期待されていたであろう奥埜は、そもそも「浦和殺し」の形があまりできないので、この試合を通じてほぼ無用の長物と化してしまいました。

・また守備がなんだかフワフワしている状態ながらも攻めの手数はC大阪より浦和のほうが多く、57分には前プレが嵌まって高い位置でのボール奪取から武藤に決定機。さらに58分にはC大阪の守備ブロックが整っている状態ながら、橋岡のクロスを武藤がヨニッチの背後に上手く走りこんでヘッド(わずかに枠外)。61分には山中CKの跳ね返りをアーク付近からマルティノスが際どいシュートと、これも練習しているっぽい良い形。

・C大阪は59分瀬古→藤田、65分奥埜→メンデスと代えて、69分バイタルエリアで清武が長澤と競り合いながら右サイドへ展開→片山がどフリーでクロス→ブルーノ・メンデスが橋岡の前に出てヘッドというこの試合最大の「浦和殺し」の決定機を作ったものの西川が辛うじてセーブ。昨年大暴れしたブルーノ・メンデスも今年はコンディションが良くないのかベンチ外になる試合も少なくなく、この絶好機を決められないようではこれといって特徴がないFWになり下がった気も。

・その直後に大槻監督は興梠→杉本、武藤→レオナルドと両FWを代えて勝負に。

・71分山中スローインを受けた汰木が左サイドコーナー付近で片山と坂元に囲まれて絶体絶命の状況に追い込まれながら、ゴールライン際ぎりぎりの超狭いところをドリブルで抜け出て片山を交わして窮地を抜け出しただけでなく、ボックス内でフリーのレオナルドへ折り返し。レオナルドはシュートフェイントで木本を転ばせ、その後も何人もシュートブロックを図るDF陣をものともせずにシュート。これはGKの正面を突いてしまいましたが、GKが弾いた玉をマルティノスが詰めて3点目。

・2点ビハインドになったC大阪は73分に坂元→高木、豊川→西川、丸橋→小池と一気に3選手を代えたもののどの選手もほとんど機能せず。80分清武が右サイドからクロスがボックス内のメンデスに通り、メンデス→西川→後方から走りこんで来た藤田がアーク付近からシュートを放つ場面がありましたが、浦和が中央で人垣を作るのはともかく、藤田のシュートをブロックしたのはなんと山中でした!!

・C大阪の反撃が実にしょぼい一方、浦和は最前線に残るレオナルドを軸としてカウンターをちらつかせ、84分には相手のバックパスを拾ったレオナルドが併走するマルティノスや杉本を一顧だにせず(苦笑)自らシュートを放つ場面も。

・85分にはちょっと傷んだっぽいマルティノスに代えて故障明けの青木を投入して試合を締め、相手に反撃らしい反撃も許すことなくそのまま試合終了。

Nagasawa

《総評》

・いやぁ、ここまでがホンマ長かった。ようやくトップチームもレディースに見せてもなんら恥ずかしくない試合が出来るようになりました!!!

・柏戦はいかにもDF陣が緩く、仙台に至ってはそもそもチームとして体をなしていない状態。それゆえ試合内容がどんなに良かろうが、今一つ浦和の状態好転を信じられなかったのが正直なところ。とにかく守備が固いC大阪相手には結果はともかく恥ずかしい内容でなければOKと思いながら見ていましたが、そんな相手に先制点を許すという最悪の状況に陥りながら逆転勝ちするとは!! 

・今年川崎以外には3点取られたことがないC大阪相手にまさかの3得点。しかも得点場面以外でも浦和が今季狙ってきたこと(=高い位置からのボール奪取&速攻)が随所に垣間見られ、内容的にも完勝といって差し支えない形での勝利でしたから喜びも格別。

・今年は長い長い中断明け後日に日に試合内容は悪くなり、来る日も来る日も実にしょーもない試合の連続。勝った試合はなんで勝てたのかよく判らない消化不良の試合だらけ。負けた試合はそれこそ悲惨極まりなく、先制点を取られたら最後、その後は反撃が実る可能性なんて全くしない上に往々にして大量失点。ACL圏入りなんてハナから夢物語と思っていましたが、得失点差がついにマイナス二けたに達するとは!!!

・従って降格がある例年のシーズンなら内外野の圧力に抗しきれずにシーズン途中で大槻監督のクビは飛んでいた可能性は極めて高かったと思います。昇格組の横浜FC戦に完敗し、おまけにホーム3連戦3連敗を喫したあたりでゴーーーーール!!だったのではないかと。

・しかし、幸いにも今年は降格がないので慌てて後任監督を見つけるインセンティブなんてまるでなく(=仙台・湘南・清水と同じ状況)、おまけに経営難ゆえ違約金を払いたくないというスケベ根性も手伝ってか(?)、フロントが大槻監督を信じる信じないとは何の関係もなく昨年からだらだらずるずる指揮を任せていたのがここへ来てついに開花するとは!!

・勝利はすべてを癒す。しかも広島戦みたいな勝ち点欲しさに汲々としたような勝ちではなく、相手とがっぷり四つに組んでの将来に繋がりそうな内容のある勝利。大槻監督は「やり続けることが大事」と繰り返し語っていますが、やはり勝たないと選手もサポもやっていることを信じられなくなってしまう。勝ってこそやっていることに自信が持てる。ゆえに強敵C大阪相手の完勝はさぞかし選手達の自信になることでしょう。ブレイクが遅すぎて残り試合が非常に少ないのが残念ですが。


《選手評等》

・1点目に直結するPKをゲットし、3得点目の契機にもなった汰木がMOMでもなんら差し支えないのですが、汰木は仙台戦でMOMにしたので、この試合はあえて長澤にMOM。

・前半から「清武殺し」に奔走。前半終了間際には怒った清武が長澤を後ろから削ってしまう一幕も。後半は長澤を嫌った清武のポジションが下がり気味になる場面もあって、とにかく長澤が清武に自由を与えなかったのがC大阪に「浦和殺し」の形をあまり作らせなかった主因だと思います。実際この試合唯一決定機な「浦和殺し」の形を作られた69分の場面は清武から右サイドへの展開が契機ですし。

・長澤はたとえ自分のファウルでも相手のファウルだとオーバーなジェスチャー付きで主張する様が実にACL仕様でした。清武相手だとやっぱりACLモードが入ってしまうのかも(苦笑)

・活躍の派手さという意味では長澤より圧倒的に汰木のほうが派手。3点目の契機となったドリブル突破なんてもうそこら中のオバハンがヌレヌレになってしまったのではないかと思われるスゴ技で、一刻も早く「汰木の抱き枕」の販売が待たれるところです。

・そしてもはやサイコロではないマルティノス。いつの間にかマルティノスの悪癖「コロコロ」もすっかり影を潜めてしまい、84分マルティノスが転がっている時は本当に痛いんだと判明して青木と交代。何の働きもしていないのにやたら痛がってピッチに転がっていたのは何だったのか・・・

・前半豊川にやられっぱなしで、失点場面では派手に転倒というぶざまな姿を見せてしまった岩波。鳥栖戦のPK献上もたいがいですが、スピードがあるFWはどうにも苦手なのかなぁ? 最適解がようやく見つかったスタメンを弄りにくいとは思いますが、このやられっぷりを見ると岩波だけはいつデンに代えられても不思議はないような・・・

・イエローをやたら出す主審だと早めに長澤に繰り返しのファウルでイエローが出て、それが試合に影響した可能性は否めませんが、この試合の西村主審は両チームに公平に少々のフィジカルコンタクトは流す笛でしたので、主審が試合結果を左右したというのはどうかと。負け惜しみの典型でしょう(笑)。

・DAZNの解説はなぜか岩政。浦和戦で岩政の解説ってあまり記憶にありません。岩政の解説は若干C大阪寄りな感じでした(そりゃこれまでがこれまでなのでC大阪のほうが解説のし甲斐があるのは否めませんが(苦笑))、浦和についてもそんなに頓珍漢ではなく、DAZNの解説陣ではかなりマシなほうだと判ったのもこの試合の収穫でした。


---興梠--武藤---
関根--------マル
--エヴェルトン--長澤---
山中-槙野--岩波-橋岡
-----西川-----

(得点)
34分 興梠
44分 山中
71分 マルティノス

(交代)
71分 興梠→杉本
71分 武藤→レオナルド
85分 マルティノス→青木(青木がCH、長澤が右SHへ)
90+7分 山中→岩武
90+7分 汰木→伊藤


---豊川--奥埜---
清武--------坂元
---木本--デサバト--
丸橋-瀬古--ヨニッチ-片山
-----ジンヒョン----

(得点)
28分 豊川

(交代)
59分 瀬古→藤田(藤田がCH、木本がCBへ)
65分 奥埜→ブルーノ・メンデス
73分 坂元→高木
73分 豊川→西川
73分 丸橋→小池

 

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2020.10.19

【DAZN観戦記】20年第23節:浦和 6-0 仙台 ~ ああ、全試合仙台戦だったらみんな幸せなのに・・・(仮定法過去風)

・柏戦で掴んだ「何か」がもともと相性が良い仙台相手についに大爆発!! 全くケチのつけどころがない、仙台とは何回やっても圧勝間違いないパーフェクトゲームでした。

《スタメン》

・共に前節から中3日、かつ3連戦の最後ですが浦和はなんと前節とスタメン全く同じで、柴戸も関根もベンチどまり。デンはベンチにも入らず。前節ベンチ外の関根がベンチに入ったので鈴木大がベンチ外に。また控えGKが彩艶から福島に。

・柏戦の内容が良かったので、コンディションに大きな問題はない以上あえてスタメンを弄らなかったのでしょうし、長い長い試行錯誤を経てようやく大槻監督が最適メンバーを見出した結果なのかもしれません。

・言い換えればこれまで欠かせないメンバーと思われたデン・柴戸・関根が怪我や出場停止でスタメンから外れたことで一気に選手の序列が変わってしまったのかもしれません。

・大槻監督はすっかり「サイコロ博打」の魅力に取りつかれたようで、「組長というか胴元自ら博打にハマってどうすんねん?」という気がしないでもないのですが、この試合に関して言えばまさかサイコロが良い目しか出ない「インチキサイコロ」と化すとは!!!

・仙台は平岡→シマオ、パラ→柳、松下→田中、関口→石原、山田→クエンカとスタメン5人入れ替え。ベンチに故障明けの蜂須賀が復帰しましたがCB吉野、CH兵藤、FW赤崎&ジャーメイン&西村が怪我で苦しい布陣。クエンカは長期の故障明けでこれが今季初スタメン。CBアピアタウィアは流経大在籍中の特別指定選手。

Yuruki

《試合展開》

・DAZN解説柱谷氏は仙台のフォーメーションを4-4-2だと言っていましたが、クエンカのポジションがフリーダム過ぎてどう見ても4-4-2には見えないので、今季の仙台の基本フォーメーション4-2-1-3ないし4-2-3-1と解釈しましたが真相不明。また今の仙台は前から積極的にボールを奪いに行くスタイルで、浦和にとってはボールを持たされるよりは組みしやすい相手でした。

・立ち上がりは可もなく不可もなく、まさに五分五分でしたが、8分縦パスを出そうとしたCH田中を橋岡が高い位置でブロック。こぼれ玉を拾った武藤から左サイドに流れる興梠→ボックス内に入る汰木がヒールで流す→後方から突入した長澤が詰めると、見事な中央突破が決まって浦和先制!!

・この場面ショートカウンターというもともと今年の浦和が得手とする形ですが、刮目すべきなのはフィニッシュに関わる選手数が日に日に増えていること。柏戦ではミシャ以来の戦友で相性抜群の興梠&武藤のコンビネーションに汰木が絡んでくる場面が何度も見られましたが、先制点では長澤が、その後もCHの片方がしばしば前線に顔を出す場面が見受けられました。

・長澤も試合後「監督からボランチは1枚がバランスをとって、もう1枚はどんどん攻撃参加をするように、ペナルティーエリアの中に入っていくようにと指示はあったので、チームの狙いどおりだったかなと思います。」と語っており、それを忠実に実行した格好。

・また興梠と汰木がポジションを替えるかのように相互に斜めに走って仙台守備陣の穴を突き、その穴を広げる様も印象深いものが。

・浦和先制後は仙台がボールを支配し、浦和が4-4-2で構えてカウンターを狙う構図に。22分西川のロングフィード一発で汰木が仙台最終ライン裏に抜け出る決定機がありましたが、汰木は飛び出してきたGKスウォビィクを交わせず。汰木はこれまでボックス内で勝負するタイプじゃなかったからGKを交わす芸風が身に付いていないのかも。

・しかし、16分にエヴェルトンの縦パスから、29分には岩波のサイドチェンジを受けて汰木が左サイドを独走してクロスを入れるという似たような場面があって、前節からの好調を維持している模様。

・逆にマルティノスは序盤良くも悪くもこれといった見せ場がありませんでしたが、36分エヴェルトンが得たFKをマルティノスが直接決めて2点目。マルティノスのFKはジャンプした壁を越えて右ポストスレスレ、わずかに中へ突き刺さる見事なもので、もともと左寄りに立っていたGKスウォビィクはどうにもならず。

・このFKを得たのもボールコントロールに手間取る田中の背後を急襲したマルティノスの良い守備が契機。まさかマルティノスが守備で褒められる時代がクルトワ!!! この辺でもう「インチキサイコロ」の臭いがプンプン・・・

・さらに38分汰木が高い位置で椎橋の横パスをカットしてからのショートカウンターが炸裂。汰木のスルーパスを受けた興梠がボックス内でGKに倒されてPK。興梠は裏抜けした時点でGKをチラチラ見ていて、あかたも汰木に「PKのもらい方」を伝授しているようなしてなりませんが(笑)、その後自らPKを難なく決めて3点目。

・前半終了間際にもロングカウンターが炸裂。岩波のボール奪取からマルティノスが持ち上がって武藤へ縦パス。武藤はそのままボックス内まで持ち込んでシュートを放ちましたが枠を捉えきれず。どう見てもファーを併走するマルティノスに出したほうが得点の可能性は高そうで、ここは浦和の寿司屋のプレッシャーが悪いほうに働いたのかも。

・仙台は右SB飯尾を高い位置に押し出してクロス攻撃の形は時折見せるものの、浦和DF陣が今日も奮戦してなんら穴を開けることなく淡々と弾き返していました。木山監督は40分に左SB柳を故障明けの蜂須賀に代えましたが、仙台左サイドがボコられている訳ではないので傍目には全く意図不明。

・唯一危なかったのは13分仙台CKからの流れで飯尾のシュートで終わった場面ですが、そこに至る前にボールが明らかにゴールラインを割っているのを審判団が見逃したという一コマがあり、ゴールラインを割ったのを見てからボールを蹴りだしたつもりのエヴェルトンが激怒!! こんな形で失点した日にはせっかく築き上げた「あ行主審の良心」という家本主審の高評価が粉々になりかねないでしょうに。

・木山監督は後半頭からCH椎橋に代えて松下に代えましたが戦局に全く変化はなく、前半に続いて仙台が浦和を押し込みながらも何もできずに、浦和がひたすらカウンターを狙う展開。傍目には代えられて然るべきなのは田中のほうだと思いましたし、実際木山監督も「本来であれば90分ピッチに立ち続けるプレーではなかったと思います」という評価だったようですが、前半でもう敗戦処理と割り切って経験を積ませに行ったのかも。

・51分興梠のサイドチェンジを受けた汰木のクロスを興梠がやや難しい体勢ながらヘッドで決めて4点目。この得点、汰木のクロスもさることながら斜め後ろから飛んでくるクロスを、どフリーとはいえ前に出てきたGKにぶち当てずに正確にゴールに流し込むってどんな荒業やねん??? 柏戦ではイージーな決定機を2度外して興梠の衰えと疑ってしまいましたが、もともと難しいゴールのほうが決まるタイプなんだよなぁ、興梠は。

・それにしてもこの時の仙台DF陣は酷かった。全員汰木を見ていて後方から走りこんでくる興梠を誰も見ていない。シマオ・マテって昨年まではJ1屈指の屈強なCBという評価だったはずですが、今年長期離脱を経て悪いほうに別人と化していて、この試合では全く良いところなし。渡邉監督時代みたいな、相手にけが人が出てもお構いなし、ファウル上等みたいな守備じゃないと持ち味が出来ないのかも。 

・これで勝負ありとばかりに大槻監督は53分興梠と前半イエローをもらった宇賀神に代えて、レオナルド&山中を投入。

・レオナルドは投入直後の57分ロングカウンターのチャンスで武藤の縦パス一本で仙台最終ライン(ともはや呼べる状態ではないのですが)の裏に抜け出す絶好機があったものの、本人もゴールを確信したであろうGKを巧く外してのシュートは無常にもポストを叩いて得点ならず。しかし、67分山中CKからの流れでマルティノスがボックス内左側から深く抉っての折り返しをレオナルドが詰めて5点目。

・この場面、サイドを深く抉ってのアシストは前々節鳥栖戦の決勝点を髣髴させるもので、これぞマルティノスの真骨頂。しかもぐじゃぐじゃ人数だけはいる仙台守備陣に当てることなく正確にレオナルドへパスを出せるのもさすが。さらにいえばこのCKを得たのはショートカウンターからのマルティノスの際どいミドルシュートを辛うじてGKが弾いたところから。もはやサイコロとは呼ばせない!! 今こそマルティノスイヤー!!

・また巧くマークを外してパスを受けやすいところに立っているのもレオナルドの持ち味。というか、この時の棒立ち仙台守備陣はまるでちょっと前の浦和なんですが(苦笑)。

・大槻監督は中3日での3連戦最終日であることを考慮してか、69分エヴェルトン→柴戸、武藤→杉本、さらに77分 マルティノス→関根と順次交代。杉本とレオナルドの相性の悪さというか、レオナルドが杉本を全然信用していないのは相変わらずでしたが、レオナルドが汰木を信用していることがはっきりと判ったのがこの時間帯の収穫。

・そして86分仙台が前からハメようとして全くハマらないという、これまたちょっと前の浦和にありがちだった惨状をあざ笑うかのようにGK西川からきっちり繋いでのカウンターが炸裂。引いた杉本からボールが出てくることを信じて右サイドを激走する橋岡も見事なら、そのクロスを絶妙なポジション取りでほぼフリーで受け、かつ妙技過ぎるトラップで決定機を作るレオナルドもまた見事。ボックス内での仕事師ぶりを存分に見せて6点目。

・88分には関根が超高い位置で田中からボール奪取。あとは関根のクロスをレオナルドは流し込むだけというハットトリックの絶好機がありましたが、ここはGKの好守に阻まれました。仙台はスウォビィクのおかげで6失点で済んだという感じ。スウォビィクに敢闘賞。

・仙台は59分にクエンカに代えて長沢を投入してからようやく「浦和殺し」らしいクロス攻撃が形になり始め、79分にはバーを叩く場面もありましたが、その場面ですら一応槙野が長沢に競っており、ちょっと前までありがちだった完全にフリーで撃たれるような場面はついぞなかったような。傍目には最初から長沢がスタメン、また田中ではなく松下がスタメンならもうちょっとマシな試合になったような気がしてなりませんが。

・驚いたことに家本主審はATを1分しか取らず。あまりにもズタボロな仙台の姿に家本主審も憐憫の情を覚えたのか、とうとうタオルを投げいれたいうことなのかも。

《総評》

・柏戦で掴んだ手応えはどうやら本物だったようで、「ボールを奪ったら素早く攻める」形はアホほど作れましたし、しかもSHがガーーーッと縦に走ってその折り返しをFWが決めるような単純極まりない形だけではなく、先制点のように多くの選手が絡む形での得点が見られ始めたのは非常に良い兆候です。しかも多くの選手が敵守備陣を攪乱する動きをした結果で!

・またもうちょっと長い目で見れば「マルティノス、サイコロの旅」システムを始め、かつエヴェルトン&長澤のCHコンビを発見した点で名古屋戦がターニングポイントだったのかもしれません。あの試合の前半でマルティノスが吉田をタコ殴りにしたところから浦和は何かを掴んだのかも。そして長い長い試行錯誤を経て、ついに大槻監督は最適スタメンを発見して柏戦でプチブレイク。そして今日の圧勝劇に。

・ただこの試合は興梠が試合後のインタビューで思わず「相手がちょっと」と口をモゴモゴさせてしまうレベルだったのも確か。前からプレッシャーをかけに来る割りには、ビルドアップが巧いとは言い難い浦和相手にすら良い形でボールは奪えず。しかも前でプレッシャーがかかっていないのに最終ラインが高いのでその裏を狙われ放題。

・また6割以上ボールを支配しているのに攻撃の形が作れないので、攻めきれずにカウンターを食らうことが非常に多い。おまけにJ1レベルにない選手がCHにいて自爆ボタンを連打!! そしてカウンターを食らったら最後、最終ラインは全く粘りが無くて相手FWはやりたい放題。これじゃGKスウォビィクもたまらんわ・・・

・ゆえに何かを掴んだかもしれない浦和の真価が問われるのは次節守備が固いC大阪戦でしょう。ここで結果はともかく内容で互角に闘えたのであれば大槻株の評価もぐぐっと上方修正して良いと思います。宇賀神出場停止で山中スタメン濃厚という大ハンデ付きですが(つД`)

・ただ気になるのは今浦和が掴んだ「何か」は結局のところ興梠と武藤の相性の良さに全面的に依拠しているだけで、どちらかが欠けると元の木阿弥というオチになってはいないかということ。せめて片方が杉本でも機能すると良いのですが・・・ 両SHに守備不安がある以上、これまた守備にはあまり多くを期待できないレオナルドが使いにくくなっているようなので・・・ 柏木全権委任システム同様、世代交代を踏まえるとあまり持続性がないかも・・・


《選手評等》

・個人的なMOMは汰木。2得点の興梠でもマルティノスイヤーでも、中盤を駆け回って攻守両面で大活躍の長澤でも構いませんが、鳥栖戦のJ1初ゴールを契機に何かが変わった、明らかに一皮も二皮も剥けた汰木を推したいと思います。この大活躍を受けてたぶん山形から汰木宛に山のように新米やさくらんぼが送られてくるでしょう!! そして浦和営業は今こそ「汰木の抱き枕」を販売する絶好機!!!

・その反面関根は鳥栖戦での愚行が高くついたようで、鳥栖戦を契機にブレイクした汰木に完全にポジション取られた格好に。これが健全な競争というもので仕方ありません。

・マルティノスはとうとう「インチキサイコロ」と化してしまいましたが、もともと横浜Mになぜか大金叩いて獲得した選手なのでこれくらい働いて当たり前といえば当たり前。とにかく汰木の覚醒と同レベルで語るのがおこがましい話でしょう。

・先制点のようなボックス内突入は長澤は出来るけど柴戸は出来ない。この差で序列が入れ替わったのでしょう、たぶん。エヴェルトンと長澤のコンビだとどちらが前に出てもOKというのがCHの組み合わせとして理想的なのかも。

・今年の興梠はレオナルドの引き立て役になって点は全然取れない、二けた得点はとても無理と思っていましたが、ここに来てまさか主役に戻るとは・・・でも繰り返しになりますが世代交代の観点からは興梠依存&武藤とのコンビネーション依存)は本来良くないんだよなぁ・・・


---興梠--武藤---
関根--------マル
--エヴェルトン--長澤---
宇賀神-槙野-岩波-橋岡
-----西川-----

(得点)
8分 長澤
36分 マルティノス
39分 興梠
51分 興梠
67分 レオナルド
86分 レオナルド

(交代)
53分 興梠→レオナルド
53分 宇賀神→山中
69分 エヴェルトン→柴戸
69分 武藤 雄樹→杉本
77分 マルティノス→関根


石原---デゲス---道渕
-----クエンカ-----
---田中--椎橋---
柳--シマオ--アビアタ-飯尾
-----スウォビク----

(交代)
40分 柳→蜂須賀
HT 椎橋→松下
59分 クエンカ→長沢
73分 道渕→関口
73分 ゲデス→山田

 

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2020.10.15

【DAZN観戦記】20年第22節:柏 1-1 浦和 ~ Wind is blowing from the Keniyan 女は恋(意味不明)

・撃ちも撃ったりシュート20本!! 数多の決定機を逃しに逃し、それどころか「サイコロの旅3」で早々に「はかた号」を引いていつもの敗戦コースと思いきや、その後も反撃にも見応えがあった好ゲームでした。

《スタメン》

・共に前節から中3日の一戦。浦和は前節から柏木→長澤、関根→汰木とスタメン2名入れ替えのみ。とにかく出場停止明けのデンがベンチにもいないのには驚きました!! 小破ないしコンディション不良としか思えないのですが・・・ また柴戸がようやくベンチに戻った反面、前節荒れ気味だった関根がベンチ外に。懲罰的な意味合いがあるかも?

・一方柏は前節と全く同じスタメン。なお高橋峻希が出場停止。またGK中村、CB高橋祐、CH戸嶋が負傷離脱中。

Kashiwa001

《試合展開》

・立ち上がりに浦和にいきなりビッグチャンス! 左大外に張り出した汰木からからなぜかぽっかり空いたDFラインの隙間に走りこんだ武藤へ斜めのパス。武藤の折り返しをボックス内で興梠が受けるもシュートは枠を捉えきれず。

・序盤の浦和はプレスが嵌まらず、リトリート主体の守備を余儀なくされる前節と似たような形に。しかし深い位置でボールを奪ってから無理に短くパスを繋ごうとせず、2トップに裏を狙わせるかのようにロングボールを多用したのが案外効きました。

・11分には槙野のロングフィードを最前線で武藤が収めたところから、武藤のフォローに入った汰木→興梠と?がる決定機を掴むも興梠のシュートはGKキム・スンギュに阻まれて得点ならず。

・柏は対浦和の定石通り19分、28分とオルンガへハイクロスを送ってきましたが、浦和DF陣も頑張ってフリーでシュートは撃たせず。36分三丸縦パス→江坂のフリックをアーク付近で受けたクリスティアーノの反転シュートを浴びるもGK西川が難なくセーブ。

・守備陣はオルンガ、クリスティアーノ、江坂とクソ面倒くさい攻撃陣を3人も抱える相手にドン引きにはならずに奮戦していましたが、案の定というかなんというか綻びの契機になったのがマルティノス。

・マルティノスは3試合連続でスタメン。しかも前節ATにダミーシステムまで起動させてスプリント回数といい、総走行距離といい、とんでもない数値を叩き出していましたから今節はさすがにお休みだろうと予想していたのですが、調子のいい選手を無理使いしがちな大槻監督の性癖が見事に仇に。そもそもマルティノスは疲労困憊でなくてもコンスタントに高パフォーマンスが維持できる選手ではなく、ムラっ気ムンムンの確率変数。所詮サイコロ。

・この日のマルティノスは序盤から守備で緩慢さを垣間見せ、しょーもないボールロストがあったり、守備に戻らずに興梠が仕方なく右SHを埋めたり。しかもそんなリスクを覚悟してあまりあるような破壊力を見せるわけでもなし。

・そして案の定41分マルティノスが右サイドから中へ入ってボールを出しどころに困ってコネコネしているうちに前後から挟まれてボールロスト。ああついに「はかた号」!! しかもマルティノスは縦パスを送ろうとしている三丸にプレッシャーをかけるわけでもなし。三丸は橋岡が攻め上がったがためにぽっかり空いた浦和右サイドへ楽々縦パス、フリーで縦パスを受けた江坂は岩波の股間を抜いてゴール!! 

・浦和DF陣は怖さの余りにオルンガに二人付いてしまい、逆を突かれた格好の西川も含めて江坂が単騎で仕掛けていきなり撃ってくるという予想をしていなかったのかも。

・その直後42分槙野のロングフィードでDFラインの裏に武藤が抜け出し、武藤のクロスが激走するマルティノスにわたる絶好機がありましたがシュートは枠外。これじゃなんのためのマルティノスなのか・・・ 全く収支が合わない「サイコロの旅3」でした。でもまたしてもロングボール攻撃が効いた=再現性のある攻撃だった点は評価していいでしょう。

・内容は悪くないのに先制点を取られてしまう。こうなると大敗か、あるいはスコア上は僅差でも全く追いつける感じがしないという内容ではボロ負けで終わるの今年の浦和のお約束。ところが、この試合はこれまでと一味も二味も違いました!!

・49分左サイドから汰木が右脚でクロス→武藤がどフリーでヘッドを放つもなんとGK正面。板さんが「へい、お待ち!!!」とばかりに握っていた寿司が無常にもカウンターから転げ落ちてしまいましたが、柏DF陣が試合開始からここまで全く武藤を掴まえられないのが不思議と言えば不思議。

・51分槙野がパスカットからそのまま攻撃参加。武藤・興梠・エヴェルトンも加わった華麗なパスワークで中央突破に成功する見せ場がありましたが、シュート体勢に入ったエヴェルトンをヒシャルジソンが辛うじて後方から阻止。そこで得た武藤CKを槙野がヘッドで狙うもGKセーブ。

・さらに54分柏のゴールキックを跳ね返してからのカウンターで宇賀神の縦パスを受けた興梠が長澤とのパス交換で左サイドを抜け出し、興梠のクロスが武藤に通る決定機を作りましたが、ここでもシュートは枠外。

・アホほど決定機を作りながらも1点が遠い浦和でしたが、59分マルティノスCKからのこぼれ玉を興梠が肩で押し込んで浦和ついに同点。最初にこぼれ玉を拾った汰木がオフサイド臭い位置にいましたが、江坂に当たったボールが汰木にこぼれたのでオフサイドにならないということなのかな?

・貧打浦和にこれだけ決定機を作られるとは夢想だにしなかったであろうネルシーニョはさすがに同点に追いつかれてヤバイと思ったのか、62分左SH神谷に代えてCB山下を投入し、山下を3バックの中央に据えた3-6-1(守備時5-4-1)にフォーメーションを変更。これで柏守備陣が武藤を掴まえやすくなったのか、これ以降浦和はこれといった決定機を作れなくなってしまいました。

・大槻監督は71分武藤→レオナルド、76分汰木→柴戸、興梠→杉本と代えるもさしたる効果はなし。杉本が投入直後に橋岡のクロスをヘッドで合わせたのが形になったくらいでしょうか。76分から左SHに回ったマルティノスはもはや守備に戻る燃料が全く残っておらず、投入されたばかりの杉本が左SHを埋めるどころか最終ラインの守備にも参加する始末。そしてレオナルド&杉本の「絶望2トップ」はこの日も噛み合う気配なし。

・攻め手を失った浦和は終盤柏のカウンターに晒される場面が目立ち始めましたが、槙野がオルンガに必死に対応し、クロス攻撃に対して全く穴を開けることなく、シュート体勢に入った相手にも粘り強く対応してブロックにブロックを重ねて柏にも決定機を作らせず、そのままドローで試合終了。

Kashiwa002

《総評》

・得点どころか決定機すらロクに作れず「先制されたらハイ、それまでよ!」な試合だらけの今年の浦和。そんな試合の連続なのに試合後監督どころか選手も「負けたけれども内容は悪くない」と語るのが不思議で仕方ありませんが、この試合は紛れもなく「勝てなかったが内容は悪くなかった」試合として評価して良いでしょう。いや、悪くないどころか、今年一番の内容だったかもしれません。

・昨年の浦和はシュートを20本も撃った試合が一つもなく、今年も2試合しかないらしいので、それだけでもこの試合が良く見えるのかも。しかも闇雲にシュートを撃ちまくったわけでなく決定機をアホほど作りに作りましたから、弊社従来製品比では長足の進歩!! しかもロングボールを多用した縦に速い攻めが何度も見られた上に、立ち上がりの決定機のように相手DFの間に巧く滑り込むという横浜Mや神戸が得意そうな攻めまで見られたのが何より良かったかと。

・まぁ興梠と武藤の相性の良さに依拠している面は多々あるとはいえ、「柏木全権委任システム」を封印し、かつ「サイコロの旅」が良い目を出すどころか明らかに凶と出ているにも関わらず、決定機がアホほど作れたのはデカいと思いました。

・ただ柏守備陣には怪我人が多発しているようで、3バックに移行するまで武藤を全く掴まえられなかったことに象徴されるようにコンビネーションに難があったのかもしれません。よって個人的には16位に沈む次節仙台相手にはもちろんのこと、その次の守備が超強いC大阪相手に好ゲームを演じてようやく大槻監督の評価を上方修正してもいいかなぁといったところ。願わくばこの試合が「マッチ売りの少女」とか「邯鄲の夢」とかになりませんにように。

・評価すべきなのは守備が強い相手と当たってみないと何とも言えない攻撃陣ではなく、かなり「浦和殺し」の形を作られたにも関わらず、その形からは決定機を与えなかった守備陣のほう。とにかく、柏のクロス攻撃に対してぽっかりマークがはずれているようなマヌケな場面は一度もありませんでした。最も怖いオルンガにすら自由は与えず。

・またクリスティアーノへの対応も厳しかった。立ち上がりに宇賀神が挨拶代わりにクリスティアーノを削ってしまい、その後も気の毒なことに何度かクリスティアーノが傷む場面がありましたが、オルンガといいクリスティアーノといい、ストロングポイントが判りやすい相手にはとにかくヒットマンでなんとかする大槻流儀が嵌まりやすいのかも。

・それだけ攻守両面で収穫がありながら、マルティノスがついに「はかた号」を引いてドロー止まり。さすがに「サイコロの旅」を3回も続けるのは無理というもので、ドローで終わる要素は多分にありました。

・内容からすれば勝って然るべき試合でしたが、そもそもシーズン序盤は内容で完敗しているのになぜか勝ち点3を拾った試合が山のようにあったことを思えば長いリーグ戦の中で帳尻はちゃんと合っているのだと無理やり納得することにします。

《選手評等》

・オルンガを完封した槙野が文句なしの殊勲賞&敢闘賞のダブル受賞。守ってはACLでフッキを完封した雄姿を髣髴させるような獅子奮迅の働きぶりを見せただけでなく、攻撃の基点にもなって3度の決定機を演出。ゾーンディフェンスとの相性の悪さを再三指摘されていますが、攻撃面で特定選手への依存度が高いチームと対峙した際の槙野は依然として輝きを放つようです。

・また守備面では宇賀神の貢献も大。故障明け後4試合連続スタメンと大槻監督に酷使され気味なのが気になりますが、守備が全く計算できない山中からついにレギュラーの座を奪還した模様。

・エヴェルトンはどうやら長澤と相性が良いようで、相互に積極的に前に持ち運ぶ場面が多々見られるように。

・一方興梠は同点に追いつくゴールを決めたとはいえ、序盤2回の決定機を決められなかったのを気に病んでか、試合後のインタビューではまるでお通夜状態。守備に、あるいはボールの引き出しに奔走しまくった挙句に決定機逸ならともかく、立ち上がりでしたからなぁ・・・ 連戦がベテランの身にはきついのか、ちょっと興梠の衰えを感じざるを得ない場面でした。

---武藤--興梠---
関根--------マル
--エヴェルトン--長澤---
宇賀神-槙野-岩波-橋岡
-----西川-----

(得点)
59分 興梠

(交代)
71分 武藤→レオナルド
76分 汰木→柴戸(柴戸がCH、長澤が右SH、マルティノスが左SHへ)
76分 興梠→杉本
90+3分 マルティノス→山中

-----オルンガ-----
神谷---江坂---クリスティ
---三原--ヒシャル---
三丸-古賀--大南-川口
-----スンギュ-----

(得点)
41分 江坂

(交代)
62分 神谷→山下(3-6-1にフォーメーション変更。山下が3バック中央へ)
67分 川口→鵜木


※写真は試合に一切関係ありません

 

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2020.10.11

【DAZN観戦記】20年第21節:鳥栖 0-1 浦和 ~ これがダミーシステムの力なのか・・・

・基本的には双方とも決定機が少ない塩分多めの試合でしたが、その割には西川のPK阻止あり、ATに入ってカウンター炸裂による決勝点ありと無駄に派手な展開に。どんな形であれ勝利は嬉しいものです。

《スタメン》

・久しぶりに週央に試合がなく、中5日の浦和は前節一発レッドで出場停止のデンに代えて岩波を起用した他、杉本→武藤、長澤→柏木とスタメン3人入れ替え。結果的にミシャ以来の古参兵をフル活用(笑)。ベンチには久しぶりに鈴木が戻った他、伊藤に代わって汰木がベンチ入り。柴戸は酷使され続けてとうとう小破した模様で、2試合続けてベンチ外。

・水曜に順延になっていた第10節(G大阪戦)を消化して中2日の鳥栖は原川→大畑、金森→石井、チョ・ドンゴン→レンゾ・ロペスとスタメン3人入れ替え。CH原川がなぜかベンチ外となり、本職SBの内田がCHに入ったのがサプライズ。

・鳥栖はCBエドゥアルドと高橋秀が共に故障離脱中で、超過密日程にも関わらず本職CBが薄いのが悩みの種。

Tosu004

《試合展開》

・鳥栖は前節G大阪戦でのスタイル同様、自ら積極的に細かくボールを動かしながら敵陣に迫るスタイル。よって普段の浦和であれば比較的組みしやすいはずですが、残念ながら柴戸&青木の故障が祟って中盤にボールを狩れる選手がおらず(CHの片方に長澤を起用しなかったのが謎)、高い位置で全然ボールを奪えず、深い位置でボールを奪ってもカウンターは不発と試合の入りは芳しくありませんでした。

・ただ浦和が早々に前プレを諦めてリトリート主体の守備に切り替えたのは、金監督が試合後「背後を取る動きが本当になくて、相手に脅威を与えることができなかったかなと思っています」とボヤいている通り、鳥栖にとっても予想外だった模様。従って試合の入りが相対的に良かった鳥栖も11分内田の縦パスを受けた小屋松が反転シュートを放ったくらいで決定機を掴むどころかシュートもたいして撃てず。

・19分原のGKへのバックパスを興梠がカットして武藤に繋ぐ絶好機がありましたが、武藤のシュートは原にブロックされて得点ならず。興梠が好調なら本職CBではない松岡を交わして自分でシュートを撃っていたと思うのですが、ここで松岡に対して圧倒的な質的優位を示せなかった興梠はちょっと寂しいかも。

・給水タイムを挟んで29分、41分とマルティノスが右サイドを深く抉ってからの折り返し、30分興梠が中盤に下がってボール奪取からのカウンターといずれも決定機には至りませんでしたが浦和らしい攻撃が垣間見られ、42分宇賀神の縦パスを受けて単騎左サイドを突破した関根がそのままボックス内に突入してシュートを放つもバー直撃!

・ただその後の流れで橋岡のクロスに反応した関根が足裏を見せてGKに突っ込む形になってしまい、当然ながらイエローに。それだけならまだしもその直後にアフターチャージで主審に注意される一幕が。チームも関根個人もあまり上手く行かない状況に直面してメンタル的に参っているのかもしれませんが、いくらなんでももう25歳になる選手がこれではいけません。

・そんな関根を大槻監督が前半限りできっぱりと諦めたのは当然と言えば当然ですが、代わって入ったのは汰木ではなくなんと杉本(左SHへ武藤が回る)。鳥栖も後半頭からレンゾロペスに代えて林を投入。試合後の金監督の弁では、浦和が前からプレッシャーをかけに来るとの想定のもとに逃げ場としてレンゾ・ロペスをスタメン起用したようですが、完全にその目算が外れたのでスピードがある林に切り替えたようです。

・46分柏木が素早いリスタートからのロングフィード→興梠が原と競り合いながらループシュートを放つも枠外。48分マルティノスがリャンのコントロールミスを突いて高い位置でボール奪取&自らミドルシュート。55分鳥栖のゴールキックを跳ね返してからのカウンターでマルティノスのクロスを逆サイドから宇賀神が詰めるも撃ち切れず。ただこの55分の攻撃はダイレクトパスの連続で鳥栖の守備陣を掻い潜っており、かつ攻撃にも人数をかけていた点で、ATの一連の攻撃以外ではこの試合の見どころだったと思います。

・ところが58分鳥栖がリャンに代えて高橋義を投入した辺りから試合は一転して鳥栖ペースに。64分浦和左サイド奥深くに侵入した樋口のグラウンダーの低いクロスをボックス内でフリーの林がまさかの空振り。しかしその直後、アーク付近で縦パスを受けた林に対して岩波がスピードで振り切られてボックス内でラグビータックルをかましてしまうような恰好になり、当然ながらPKに。

・いかんせんPKに関してはあまり多くを期待できないGK西川ゆえ大槻監督は早々と失点を覚悟したのか長澤&汰木の投入を準備していましたが、驚いたことに西川なりにキッカー林の情報を持っていたようで、立ち位置が心持ち右側寄り。林との駆け引きが奏功したのか、林のシュートにわずかに指先が触れ、ボールはポスト直撃!! とにかく先制されたら試合終了の今年の浦和にとって意味合いがデカすぎるPK阻止でした。

・ただその直後に興梠→長澤、武藤→汰木と代え、柏木を前目に上げて4-4-2というより4-4-1-1っぽいフォーメーションに変更するも戦況は全く好転せず。柏木を前目で使う形はキャンプで試行していたはずですが、さすがに即座には機能せず。

・むしろ74分鳥栖の小屋松→金森、石井→本田の2枚替えが効いて、浦和は何度も右サイドを金森に脅かされる始末。しかし、そこから決定機を作れないのが鳥栖の悲しさで、惜しかったのは75分金森のクロスが逆サイドの右SB森下に通り、森下が切り込んでシュートを放った場面くらい。

・鳥栖はサイド奥深く侵入するところまでは何度も出来ていたのに、そこから浦和が超苦手とする「ファーへのハイクロス攻撃」を仕掛けずに折り返してグラウンダーでのシュートばかり撃たせていたのが不思議でした。豊田がいたら即死だったような気がしてなりませんが、ハイクロスに対する浦和の守備は往々にしてマークが完全に外れているので、FWに背の高さはあまり必要ないんで・・・ 

・金監督は試合後「相手に恐怖を与えられたかというとそうでもないですし、相手がどうこうというよりも今日に関しては自分たちに少し迫力がなかったのかなと思います」と語っていますが、浦和の苦手なところを突かなかったからなぁ・・・

・鳥栖は84分最後の切り札チアゴ・アウベスを投入。清水時代にアホほどやられた選手ですが、如何せん故障が多いのが難点。この試合も故障明けで久しぶりの出場でしたが、本調子にはほど遠いようで87分好位置でのFKも場外クラスの特大ホームラン・・・

・鳥栖のしょっぱい攻撃を凌いだ浦和はATに入ってついに反撃開始。AT+1分柏木のボール奪取からのカウンターでは柏木のクロスをエヴェルトンが撃ち切れず。AT+2分西川ゴールキックからの攻撃で汰木クロス→ファーでマルティノス折り返し→どフリーで中央に走りこんだエヴェルトンのシュートは枠を捉えきれず。柏木だのマリティノスだの守備に多くを期待できない選手を抱えた状態で早い時間帯から中盤を走り回らざるを得なかったエヴェルトンにATにシュート精度を求めるのは酷というもの。

・しかし、AT+3分林のシオシオ攻撃をクリアしたボールが最前線の杉本へ。杉本は松岡を背負いながらもボールをキープし、右サイドを激走するマルティノスへ繋ぎ、マルティノスのクロスを逆サイドから汰木が泥臭く蹴りこんでなんとか浦和が先制。

・その後は柏木に代えて山中を入れて5-4-1にシフト。またマルティノスは最後の最後で得意のコケ芸を披露し、しかも倒れたままボールを離さないという鳥栖からすれば滅茶苦茶ムカつくであろう円熟のコケ芸で大見得を切ったところでようやくお役御免。何の紛れもなく浦和が逃げ切りに成功。

Tosu002

《総評》

・浦和が中5日、鳥栖が中2日というだけでなく、コロナ禍を受けて鳥栖は15連戦中の11試合目だったらしく日程面で浦和が超有利。かつ鳥栖には本職のCBがいないにも関わらず、今日も今日とてたいして決定機は作れず、守っても鳥栖のクロス精度やシュート精度の低さ、それ以前の攻撃のアイデアの乏しさに助けられた場面も多々あっての辛勝。65分のPKを決められていればそのまま敗戦といういつものコースにもなりかねなかった辛勝中の辛勝でしたが、どんな形であれ久しぶりの勝利は嬉しいものです。

・前後半ともボールを6割弱鳥栖に支配されましたが、やはりこういう試合展開のほうが浦和は得意で、ATになってついにストロングポイントであるカウンターが炸裂。辛うじてとはいえ、得意の形で勝ったのですから前向きに評価して然るべきなのかもしれません。気分的には高揚感を隠せないのも事実ですが(苦笑)、如何せん相手が相手で、浦和の弱点を全然突いてこないのにはとにかく助けられました。

・今日も今日とて「マルティノス、サイコロの旅」システムは最後の最後でJALで一気に千歳へ飛ぶという「かいしんのいちげき」が飛び出して見事な大団円を迎えました。ただそこに至るまでのマルティノスの守備の怪しさはハンパなく、リトリートして4-4-2の守備ブロックをつくるはずがどう見ても4-4-2にならないとか、相手を追っかけてなぜか逆サイドまで走ってしまうとか、大阪→四国くらいの短距離夜行バスの目を連発していたような気も。強い相手にはその致命的な欠陥を突かれるんだろうなぁ、たぶん。

《選手評等》

・何だかんだと言ってもこの試合のMOMはマルティノス。芳しくない戦況を反映してか80分くらいにはマルティノスの表情は既に虚ろで、てっきり電池切れと思ったのですが、まさかそこからマルティノスが再起動してATに大仕事をやってのけるとは!!これがダミーシステムの力なのか・・・ マルティノスは走りも走ってスプリント回数は両チームでダントツの38回。総走行距離も浦和ではエヴェルトンに次ぐ約11、4km。

・そして汰木はついに浦和で初ゴール(同時にJ1での初ゴール)。何度も出場機会を与えられながらゴールを決められずにいたのを汰木も気に病んでいたようで、ゴール直後にはゴールネットの中で柏木に抱きしめられながら「やっと取れたぁ・・・」とポツリ。降格の恐れがない下位チーム同士の一戦とは思えない、スポ根漫画なのか少女漫画なのかよく判らないけれども妙に派手な一場面でした。

・汰木は左サイドからカットインしてからのシュートが得意の形でしたが残念ながら恐ろしく精度が低く、まるでこの試合に向けてやってきた台風14号の進路のようにカーブを描きながら枠を逸れてしまうのがほとんど。そんな汰木の浦和初ゴールが得意の形で綺麗に撃つものではなく、逆サイドから泥臭く詰める形だったのが個人的には感涙もの。

・綺麗でなくてもいい。チームメイトを信じて懸命に走る。それが結果的にゴールに繋がる。その走る姿こそ私は大好きで、たぶん大方の古参の赤者も求めているものだと思います。おめでとう、汰木。これでようやく汰木も浦和の一員になった気がします。

・鳥栖は大畑・松岡・樋口・石井・本田と下部組織出身の選手がゾロゾロ。今や鳥栖U-18は九州一円から選手を幅広く集められるくらいに評価が高いらしく、今年ついにプレミアリーグに昇格。鳥栖は極端な経営難に見舞われているので下部組織出身の選手を大量に起用せざるを得ないという側面もあるのでしょうが、下部組織でのキャリアが長い金監督が教え子を巧く使いながら、資金が乏しい中で勝ち点をコツコツ拾ってゆく姿は涙が出ます。一方浦(ry

Tosu003

---武藤--興梠---
関根--------マル
--エヴェルトン--柏木---
宇賀神-槙野-岩波-橋岡
-----西川-----

(得点)
90+3分 汰木

(交代)
HT 関根→杉本(武藤が左SHへ)
66分 興梠→長澤(4-4-1-1気味にシフトし、柏木がトップ下へ)
66分 武藤→汰木
90+4分 柏木→山中
90+6分 マルティノス→鈴木大

Tosu001

---ロペス--石井---
小屋松-------樋口
---内田--リャン----
大畑-松岡--原--森下
-----高丘-----

(交代)
HT レンゾ・ロペス→林
58分 梁→高橋義
74分 石井→本田
74分 小屋松→金森
84分 内田→チアゴ・アウベス

※写真は試合に一切関係ありません

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2020.10.05

【DAZN観戦記】20年第20節:浦和 0-1 名古屋 ~ 柏木全権委任システムの次は「マルティノス、サイコロの旅システム」か!!

・アッと驚く為五郎ならぬマルティノスの健闘虚しく、お馴染みのパターンで先制点を取られた後は、全く得点の臭いがしないまま時の過ぎゆくままにこの身を任せ・・・というこれまたお馴染みの展開でホーム3連戦全て完封負け。

《スタメン》

・前節から中3日の浦和は武藤→杉本、汰木→関根、柏木→マルティノス、柴戸→エヴェルトンとスタメン4名入れ替え。何と言ってもマルティノスのスタメン抜擢がとにかく衝撃的!! 

・良くも悪くも何をやらかすのか、敵味方ともその挙動の意図がさっぱり判らない波乱要因マルティノス。良い目が出るか悪い目が出るかは全然判らないけれども、とにかくマルティノスがピッチ上に巻き起こすかもしれない混乱に大槻監督は一縷の望みを託したのかもしれません。2試合目で早くも効用が切れた「柏木全権委任システム」に代わる新兵器「マルティノス、サイコロの旅システム」!!

・汰木に代わってベンチに超久しぶりに伊藤が入ったのが目を惹く反面、酷使続きで疲労困憊の柴戸がとうとうベンチ外に。

・同じく前節から中3日の名古屋は前節から阿部→相馬、宮原→オ・ジェソクとスタメン2名入れ替え。

Saikoro

《試合展開》

・ゲームの入りは最悪。4分相馬の縦パスを受けた金崎が浦和右サイドでボールキープ。金崎の折り返しを受けた米本の縦パスがボックス内でどフリーの前田に通ってシュートを撃たれるという前回対戦時に再三やられたパターンをまたしても喫してしまいましたが、幸いにもシュートはわずかに枠外。

・7分には名古屋のショートコーナーからマテウスのクロス→大外の金崎がどフリーヘッドでヒヤリ(関根が辛うじてブロック)。

・しかし、10分には右サイドで吉田と対峙したマルティノスが単騎で吉田をぶっちぎってクロス。クロスを受けた興梠が反転シュートを放つ絶好機を掴みましたがGKランゲラックの好セーブで得点ならず。興梠の前で杉本がCBを釣りながらスルー、興梠の背後には関根もいてサイド攻撃としては理想的な形だっただけに残念無念。でもここは「マルティノス、サイコロの旅システム」が早くも良い目を出した場面でした。

・ただふっかちゃんはどこかのアレと違ってマヌケではないので、相馬の位置を下げて吉田と二人がかりでマルティノスに対峙(逆に言えば橋岡は安パイと見做されて半ば放置・・・)させ、浦和は早くもただボールを持っているだけでボールは前に進まず、典型的なボール持たされパターンに陥ってしまいました。

・この日のCHはエヴェルトン&長澤という見慣れない組み合わせで、どちらも相手の当たりに屈せずにボールをキープでき、ある程度ボールを持ち運びこともできますが、ズバッと縦パスを繰り出すのはあまり得意ではありません。よってボールを持たされる展開になると非常に辛い反面、しょーもないボールロストもないので名古屋に決定機を与えることもないという堅い試合展開になりました。

・また立ち上がりの大ピンチ以降は金崎に簡単にボールを入れさせず、ボールキープさせず、この辺りは前回大敗からの教訓を生かしているように伺えました。

・35分マルティノスの不用意すぎるファウル(これは「津軽号」を引いたイメージ・・・)で与えたマテウスFK→ニアで米本ヘッド&こぼれ玉に丸山が詰めるピンチがありましたが、西川が身を挺してセーブ。

・逆に42分自陣深い位置でボールを奪って、浦和得意のロングカウンターが炸裂。興梠の巧みなボールキープからがら空きの右サイドを疾走するマルティノスへロングフィード。吉田はボックス内でボールへチャレンジせずにスライディングしてマルティノスの進路を妨害しながら倒しており、PKでも全く不思議はない場面でしたが、荒木主審はPKを取らず。

・マルティノスはジャンプして吉田を避けざるを得ない状況でしたが、如何せん普段からオーバーな倒れこみが目立つ選手なので主審の心証が甚だ悪く、肝心なところでPKを取ってもらえなかったのかも。でも、ここは「サイコロの旅システム」の威力が最大限発揮された場面でした。

Hakata

・ところが常に良い目が出るとは限らないのが「サイコロの旅システム」の弱点。54分マテウスがエヴェルトンを振り切って浦和右サイド奥へ侵入。マテウスにはいったんマルティノスが対峙する格好になりましたが、マルティノスは大外にいた相馬を気にしたのか、なぜかより危険なマテウスのドリブル突破を放置!! ついにキング・オブ・夜行バス「はかた号」を引き当ててしまいました。

・ボックス内で橋岡がマテウスに対峙するもマテウスは楽々ファーへクロス。そしてクロスの先にはどフリーで金崎が待ち構えているという、もうアホほど見てきたパターンで失点してしまいました。

・金崎には最初関根がチラ見していましたが、一瞬見た後はずーーーーっとマテウスに目を奪われているのにも参りましたが、前田を両CB&宇賀神の3人でケアしていて金崎がどフリーというアンバランスはどこから来るのか黄金バットやで、ホンマに!! このマヌケさに比べればマルティノスの「はたか号」はずっと軽罪だと思います。

・ビハインドに陥った浦和は59分関根→柏木、杉本→レオナルドと代えて長澤を右SH、マルティノスを左SHに配して早々と「柏木全権委任システム」に移行。さらに64分長澤→伊藤と代えたものの、「柏木全権委任システム」に即座に対応できる前目の選手は興梠しかおらず(数少ないシステム会得者=関根を下げたのが謎)、縦パスはそれなりに入るようになったものの中央を締める名古屋守備陣を崩せる気配皆無。強いていえば74分柏木の浮き球パスがボックス内に侵入した橋岡に通った場面くらいでしょうか、チャンスになりかかったのは。

・そもそもコンビネーションの概念がないマルティノスと柏木全権委任システムの相性が良いわけがなく、またそれ以前にマルティノスは消耗しきって2日連続で「はかた号」に乗ったようなありさまで、もはやどうにもならず。マルティノスと伊藤の左右を入れ替える弥縫策も虚しく、81分にはとうとうマルティノスを諦めて武藤、宇賀神に代えて山中を投入するもやはり何の効果もなし。

・そして85分浦和CKからカウンターを浴び、途中投入のシャビエルをデンがやや後方から倒した格好になって決定機阻止で一発レッド!! デンのスピードならフツーはまず振り切られることはないと思ったのですが、シャビエルの緩急について行けなかったのか、あるいは前節からお疲れ感ムンムンだったデンを連闘させたツケがここで出てしまったのか。

・まあデンの退場があろうとなかろうと戦局は既に絶望的で、ビハインドに陥った後は決定機らしい決定機もなくシオシオで試合終了。

・荒木主審はマルティノスへのPKを取らなかった一方、デンへはやや厳しめの一発レッドを取ったとか、浦和CKを名古屋の選手がヘッドでクリアしているのが明白なのにゴールキックにする等浦和に不利な判定が目立ちましたが、それ以上に双方のラフプレーを容認しがちで怪我人を出しかねない状態だったので両チームとも不満が残るジャッジぶりだったと思います。


《総評》

・とにかく「マルティノス、サイコロの旅システム」が良い目を出していた前半は見応えがあり、ホーム3連戦全て完封負けという惨状にも関わらず、見所があった分3試合の中では一番マシな試合だったと思います。やはり大槻監督が今年の開幕以来ずっと狙っているカウンターが巧く炸裂した時の浦和はそれなりに面白い。それを再確認できただけでマシな試合だったと思います。

・ただ相手の守備網が整わないうちに速く攻め切る、あるいは個人技一発で守備網を無効にしてしまう「マルティノス、サイコロの旅システム」は如何せん不確実要素がでかすぎて常用しづらいのが辛いところ。最初に「はかた号」が出てしまえばそれで試合終了にもなりかねません。

・またそもそもマルティノスも既に3年目で今年末で契約満了。高額選手ゆえ金が無くなった浦和はパフォーマンスにムラがあり過ぎて使いづらいマルティノスとの契約更新を見送ってもなんら不思議ではありませんから、「マルティノス、サイコロの旅システム」にもあまり将来性はないと思います。

・関根がマルティノスばりにサイドを蹂躙してくれれば面白いのですが、残念ながら左サイドでは対面のオ・ジェソクに手も足も出ず。この辺りもマルティノスがいない時、あるいはマルティノスがはかた号を引きまくっている時にどうするのか、不安が残ります。

・それでも「マルティノス、サイコロの旅システム」がそれなりに見せ場を作った反面、絶望感しかなかったのは後半の「柏木全権委任システム」。前節FC東京戦同様、守備が固い名古屋相手には全く歯が立たず。

・ビハインドに陥った時のオプションとしての「柏木全権委任システム」は机上論としてはありなんですが、如何せんそのシステムを満足に運用できるリソースは限られている上に、超過密日程でそのシステムを満足に稼働・定着させるだけの練習時間はなく、そもそも柏木自体の残り時間も少ない中で、「柏木全権委任システム」に取り組むのはただの時間の無駄でしょう。

・で、結果はホームゲーム3連戦で全て完封負け。ホームゲームではその前の川崎戦も完封負けで4連敗。夏くらいまでは「浦和は試合内容に比べて勝ち点が不自然に多い」と言われていましたが、9月に入って内容相当の勝ち点に収斂しだしたと考えれば連敗も当然といえば当然なのかも。

・しょーもない試合内容なのに勝ち点3を拾えていた頃ならたぶん最初の決定機を興梠が決めていたのでしょう。でも今はそれが決まらない。わずかな差ですが、得点力が低いというか、そもそも得点機を作り出す能力が低い浦和には数少ないチャンスを決められるかどうかが結果を大きく左右しがち。まあ下位チームにありがちな話ですが。

・そして順当にボトムハーフの上のほうでフィニッシュしそうな塩梅ですが、ホーム3連戦全て完封負けという惨状を踏まえ、かつ来週は久しぶりに週央に試合がないというタイミングで、土田SDはチームの現状をどう考えているのか、なにがしか作文を出さないとマズいと思いますが、果たしてどうなることやら。

《選手評等》

・敢闘賞は前節に続いて文句なしでマルティノス。

・超久しぶりに出番を得た伊藤ですが、柏木全権委任システムは「伝説として聞いたことがある」くらいのキャリアしかないので途中投入されても噛み合う訳がなく、全く見せ場がないどころか、ボールコントロールを焦って相手スローインにしてしまうという悪目立ちもあって残念無念。超久しぶりに出た選手としては武富のほうがまだマシという印象で、せっかくの出場機会をフイにしてしまいました。

・「見たことがない選手に過剰な期待を抱くのはいいが、いざ出てくるとすぐに失望に変わる」というのはよくある話で、伊藤もその例に漏れず。高卒5年目で若くはない以上来年があるかどうか・・・


---杉本--興梠---
関根--------マル
--エヴェルトン--長澤---
宇賀神-槙野-デン-橋岡
-----西川-----

(交代)
59分 関根→柏木
59分 杉本→レオナルド
64分 長澤→伊藤
81分 マルティノス→武藤
81分 宇賀神→山中


-----金崎-----
相馬---前田---マテウス
---米本--稲垣---
吉田-丸山--中谷--オ
-----ランゲラック----

(得点)
54分 金崎

(交代)
69分 前田→シャビエル
89分 金崎→山﨑

 

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2020.10.01

【DAZN観戦記】20年第29節:浦和 0-1 FC東京 ~ 迷走また迷走。そして大槻体制の崩壊を加速するだけに

・序盤は悪くはなかったのだがミスから失点した後は手も足も出ず。お馴染みの負けパターンでしたが、最後の「アタッカー祭り」でチーム崩壊が一層明るみになったような・・・

《スタメン》

・ACL絡みで前倒し開催された第29節。浦和は前節から中3日でレオナルド→興梠、杉本→武藤、関根→汰木、エヴェルトン→長澤、山中→宇賀神、岩波→橋岡とスタメン6名入れ替え。なお関根は今節出場停止。とにかく前節フル出場の柏木の連闘がビッグサプライズ!! しかも前節後半に続いて柏木をCHに配したことで二度ビックリ!! ミシャ時代から在籍する選手がゾロゾロとスタメンに並び、世代交代どころか一段と高齢化したような(苦笑)。

・ベンチメンバーはサブGKが再び福島に戻っただけで、スタメン&ベンチメンバーとも総じて新味無し。

・一方FC東京(以下「瓦斯」)は前節から中2日で中村帆→中村拓、オマリ→森重、バングーナカンデ→小川、品田→三田、内田→安部、オリヴェイラ→レアンドロ、アダイウトン→永井とスタメン7名入れ替え。なおディエゴ・オリヴェイラが出場停止。

・また瓦斯は東が故障で長期離脱中。さらに橋本と室屋が海外へ移籍したので、前回対戦時から1/3くらい選手が入れ替わった感じがします。

《試合展開》

・どちらもカウンターに持ち味があり、ボールを持たされると手詰まり感漂う似たもの同士らしい序盤で、どちらかといえばボールをより多く持たされたのは浦和のほう。浦和は積極的に前に出て高い位置でボールを回収し、汰木がドリブルでボックス内に突入したり、武藤がミドルシュートを試みたりと活発に動いてはいました。

・瓦斯の布陣はいつもの4-1-2-3ではなく、4-4-2ないしレアンドロがやや下がった4-4-1-1のように見えました。浦和のボール保持に対しては永井を前に残して4-5-1で守備ブロックを形成。

・ミシャ時代から在籍する選手をゾロゾロと並べただけあって、エリア付近でのフリックやスルーなど選手間の阿吽の呼吸に頼りまくった「ミシャの残り香」っぽい攻撃がまま見られましたが、ボールを保持した状態からは結局決定機は生まれず、決定機は19分自陣深い位置でボールを奪ってからのカウンター(柏木→武藤→興梠のシュートは枠外)=もともと浦和が得意とする形だったという皮肉な結果に。

・柏木はCHでしたが前節ほど「柏木全権委任システム」っぽい感じはせず、これまでのやり方の中でCHとしてふるまっている感じ。予想以上に柏木が守備で頑張っていて19分の決定機にも自陣でちゃんと守備に参加してボール奪取に寄与していましたが、総じて柏木CH起用というリスキーな選択をした割にはボールを持たされた時に何かが起きるという感じもせず、リスクの割にはリターンが少ないような気も。

・それでも瓦斯は浦和以上にボールを持たされると何もできない印象で悪くはないと思いましたが、34分槙野が縦パスを目の前のレアンドロにカットされ、そのままレアンドロにボックス内突入&シュートを許してヒヤリ(西川セーブ)。

・そして運命の37分、イーブンなこぼれ玉に対して柴戸がA・シルバに競り負けたのを契機に右SB中村が低いクロス。これはデンが楽々クリアと思いきやデンのクリアが不十分すぎて目の前のレアンドロに渡した格好になり、レアンドロ→永井と繋がれて永井のシュートはいったん西川が防いだものの、跳ね返りを再度永井に詰められて失点。

・とにかくデンのクリアミスが痛恨事でしたが、柴戸がボールを失った際に柏木がバイタルエリアをカバーする素振りすらないとか、はるか後方から駆け上がってくる中村を汰木が漫然と見送っているとか、デンのクリアミス以外にも失点の遠因がままあったような。

・これで先制されると滅法弱い浦和が、先制すると滅法強い瓦斯に先制されるという最悪の展開に。46分には中村の縦パス一本で永井が槙野の裏を取り、永井の折り返しからレアンドロに決定機(西川正面でセーブ)。

・浦和は瓦斯守備陣を崩せる気配すらなく、やむなく宇賀神がミドルシュートを放つも枠外。48分宇賀神クロス→ファーで橋岡ヘッドで折り返して興梠ボレーの決定機も中を固める瓦斯守備陣が楽々ブロック。その直後には瓦斯のロングフィードを西川が前に出てクリアしようとするもレアンドロにぶつけてしまう最近の「西川あるある」を披露。

・後半に入ると瓦斯の厳しいプレッシャーに晒されてビルドアップは全く形を成さず、ショートカウンターから決定機を許さないのが精一杯という惨状。なんとか「柏木全権委任システム」で低調な戦局を打開しようとしているっぽいのですが、柏木が見事に消されてただ浮遊している状態に。

・66分長澤→マルティノスでサイドアタックに活路を見出そうとするも、マルティノスはボールをこねこねしながら中へサイドへと誰とも連動することなく動き回ってチームは一段と混迷。敵味方とも予測不能なマルティノスのふるまい。まさにこれが「マルプンデ」の真骨頂。しかし、それでも75分にマルティノスが右サイドからアーリークロス→興梠ヘッドで決定機を演出。これが後半唯一の決定機。

・76分汰木→レオナルド(武藤左SH)の交代はなんら効果なし。そして84分には宇賀神に代えて山中を投入したのみならず、とうとう柏木を諦めて杉本を投入し、4-3-3ないし4-1-5ともとれる「アタッカー祭り」を試みる(=要するに中盤にいるのは柴戸のみ)も、前線までボールが渡らないので前にアタッカーを並べても全く意味がなく、杉本目掛けてのパワープレーもこぼれ玉を拾う選手がいないので完全に徒労に終わってそのまま試合終了。

・後半の瓦斯の決定機も77分にショートカウンターからレアンドロの枠内シュートがあったくらいでしたが、なにせ全く怖さがない浦和の攻撃をしっかり守備ブロックを作って中央で弾き返せばいいだけなので事故さえなければ1点で十分という感じの試合運び。傷んだ選手、イエローをもらった選手、お疲れの選手を順次代え、代打の切り札=アダイウトンを使うまでもなく交代枠を一枚余らせて悠々逃げ切り勝ち。浦和から見れば1点が滅茶苦茶遠い、絶対に追いつけそうにないウノゼロ。

・瓦斯は埼スタで2003年以来17年ぶりに勝ったのみならず、対浦和シーズンダブル達成。MXの「瓦斯魂」が健在ならさぞかしお祭り騒ぎだったことでしょうが、もはや悔しくもなんともない当然すぎる敗戦でした。

Ennosuke

《総評》

・選手のミスでしょーもない失点を喫した後は、徹底的にボールを持たされてなすすべなく敗戦。前節横浜FCは本来ボールを持ちたがるチームなのにあえて相手にボールを持たせる策を採ったのに対し、今節の瓦斯はただでさえ相手にボールを持たせてのカウンターが持ち味のチームなので、浦和がボールを持たされる羽目になって時点で劣勢は必至。

・よって味スタでの対戦時の前半のように、ボールを押し付け合ってその過程で「一瞬でも隙を見せたら負け」と言わんばかりの睨み合いを延々と繰り広げ、共に攻撃に変にリスクをかけず、ボールを持ったところで共に全く何も起こらないまま時間だけが流れてスコアレスドローで試合終了というのが今の浦和の実力で出来得る最善策だったと思います。

・ところが試合終了後に大槻監督が「前半、ボールを握ってボックスの中にも入った形はありましたけども、そこのところを表現し切れなかった」とか武藤が「逆にボールは持てるだろうというのは試合前からありました。」と語っているのを見ると、瓦斯に対して浦和は積極的にボールを握りにいったようなニュアンスが汲み取れます。そして柏木CH起用もその狙いに整合しています。

・しかし瓦斯に対して縦横斜め、どこから見ても劣勢な立場にある浦和がわざわざ瓦斯の得意な試合展開に持ち込もうとするのがなんとも不可解。

・今年の浦和はハイプレスで相手のビルドアップを制約し、中盤でボールを奪い取ってから一気にガーーーっと攻める形を志向していたはずで、それすら下位チーム相手に辛うじて勝つ程度にしか成熟していませんでした。にも関わらず、これではボールを持たされたら詰むからといって、ボール保持時の訓練に入るって前節も述べたように、「守破離」の「守」すら満足に出来ていないのにいきなり「破」に取り組もうとする馬鹿げた試みとしか思えません。

・大槻監督は試合前後のコメントで「試合で表現したかった」というタームをよく使いますが、その表現の内容が試合毎、あるいは試合中ですら一貫性があるようには見えず。

・ボールを握ったというか持たされた時の打開策として繰り出したはずの「柏木全権委任システム」は瓦斯相手もほとんど機能せず。柏木全権委任システムが輝いたのは所詮昇格組&このシステムを予期していなかったであろう相手だからであって、J1上位相手では肝心の柏木がほぼ消されて、柴戸等柏木をフォローしている選手が空回りに終わる負の側面のほうがでかかったという気も。

・それ以上にミシャ以来の古参兵をずらずらと並べて、その選手間でのコンビネーションでなんとかしようとしているのが見え隠れしているのがなんとも辛い。コメントを読む限りでは武藤なんてそれで満足し、可能性を感じているようなのですが、それは昨年完全に行き詰まった道でしょうに。

・そして柏木全権委任システムが夢幻に終わったと思ったら、今後はゼリコばりのアタッカー祭りを再現するとは!!

・監督就任以来1年半もかかって未だに絶賛迷走中で、確固たるチームスタイルは一向に浮かんでこない。土田SDはこの惨状についてどう思っているのやたら?


《選手評等》

・失点に直結するミスを犯したデンですが、その前からちょろちょろ怪しいプレーが目についたのを見ると、前節右SBで酷使した後にCBで連闘させた無理が祟ったのかも。槙野にいたっては11連闘ですが、名古屋戦で鈴木をローテーション的な意味合いでスタメン起用したら大惨事に陥ったのが大槻監督の脳裏にこびりついて離れないのかも。

・柴戸も失点の契機となった「球際での競り負け」などらしからぬプレーが目立ちましたが、青木の故障で柴戸を無理やり使い続けた挙句に疲労困憊なのでしょう。

・40分柏木が三田の悪質なタックルで削られて傷んだ際に、なぜかベンチからマルティノスが一人飛び出してきて怒りを露わにし、主審に注意される一幕が。そして84分には左サイドで槙野と宇賀神がお見合いしたために高萩に楽々ボールを運ばれてしまった大失態があり、プレーが切れた後にマルティノスが左サイドを見ながら大激怒!! たぶんお見合いの後に全然戻ってこない槙野に対して怒っているのだろうと思いますが、マルティノスっていつからこんなに熱いキャラになったのか非常に不思議。

・今日も今日とてクソまみれの試合でしたが、途中投入で後半唯一の決定機を演出したことも合わせてマルティノスに敢闘賞。

---興梠--武藤---
汰木--------長澤
---柴戸--柏木---
宇賀神-槙野-デン-橋岡
-----西川-----

(交代)
66分 長澤→マルティノス
75分 汰木→レオナルド(レオナルドがFW、武藤が左SHへ)
85分 宇賀神→山中
85分 柏木→杉本(4-3-3? 4-1-5?)

--レアンドロ--永井---
田川--------三田
---安部--シルバ---
小川-森重-渡辺-中村拓
-----林------

(得点)
37分 永井

(交代)
HT 田川→内田
68分 三田→原
75分 永井→髙萩
88分 中村拓→中村帆

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2020.09.27

【DAZN観戦記】20年第19節:浦和 0-2 横浜FC ~ 大槻監督の「終わりの始まり」を実感せざるを得ない完敗

・序盤から下平監督の狙いにずっぽり嵌まってしまい、後半破れかぶれの起死回生の一策も実らず、今季終了=もはや来季へ向けての体制準備が急務と考えざるを得ない完敗でした。

《スタメン》

・浦和は中2日&中2日の3連戦。前節から興梠→杉本、汰木→関根、武藤→柏木、長澤→エヴェルトン、橋岡→デンとスタメン5人入れ替え。宇賀神がベンチどまり=山中3連闘がやや意外だったくらいで、後は想定の範囲内。

・青木は今節もベンチ外でやはり小破の模様。前節スタメンの橋岡は前節頭を2回強打したので大事をとってベンチ外なのかも。柏木のスタメン入りに伴い、前回久しぶりに途中出場の武富がベンチ外に。

・中2日&中2日の3連戦は今シーズンで最もきつい日程なので、伊藤や武田などここまでなかなか出番がない選手もベンチ入りの機会くらい巡ってくるかと思いましたが、残念ながらベンチ入りメンバーまで含めて新味なし。前節出場の武富がぎりぎり視野に入っているだけで、この3連戦でベンチ入り出来なかった選手は事実上今季は戦力外なのでしょう。

・横浜Cも中2日&中2日の3連戦。前節からGK六反、CB小林、左SH松尾を除く8人を入れ替え。前節川崎戦でカズ・中村・松井と超ベテラン選手を3名も併用した辺り、正直「捨て試合」臭がプンプンしましたが、それでも川崎相手に浦和よりは格段にマシな試合をしたようで・・・

・レアンドロ・ドミンゲスは今季初スタメンどころかそもそもほとんど出番がなかったのですが、下平監督によれば「長いケガをしていてなかなかコンディションがそろわなかった」とのこと。右SBマギーニョも故障明けで久しぶりの出場。

《試合展開》

・前回対戦時の横浜Cは3-3-2-2の布陣を敷いていましたが、第9節から4-4-2に変更。よって浦和とはミラーゲームに。

・横浜Cは本来ボールを持ちたがるチームですが、序盤は浦和がボールを圧倒的に支配。もっとも浦和はボールを支配しているけれども横浜C守備陣を崩す気配は微塵もなく、どこからどう見てもボールを持たされている状態で、決定機は3分槙野のロングフィードが杉本に通り、杉本がCB小林と競り合いながらシュートを放った場面だけ。

・ピッチで起きている現象だけ見れば、ボールを持たされると身動きが取れない浦和の弱点を見越して下平監督があえて浦和にボールを押し付ける策に出たものと思いました。第1戦でも下平監督は「比較的、前からプレスを掛けたときに簡単に蹴ってくる、それをいとわないチームなので、あまり前から行っても損するだけなので、逆に蹴ったボールを回収できればというプランだった」と語っていましたし。

・しかし、試合後コメントでは「前線にレアンドロが入っているので、そこで守備の規制はかかりづらくなる」からボールを持たれるのはある程度しょうがないと、好ましくはないが次善の策だったというニュアンスを滲ませています。ただその意図はどうあれ、下平監督のゲームプランに浦和がまんまと嵌まってしまったのは火を見るよりも明らか。

・またこの日の浦和が難儀だったのは非常にパスミス・連携ミスが多かったこと。たまにショートカウンターの好機、川崎なら一発で得点に結びつけそうな好機を掴んでもパスミスやら連携ミスやらで得点どころかシュートにすら持ち込めないのには参りました。

・そうこうしているうちに16分浦和の弱点=ビルドアップの稚拙さを突かれて失点。GK西川のフィードが手塚にカットされたのを機に、アーク手前から松尾の一発を浴びてしまいました。西川の好守に助けられて勝ち点を拾う試合も多々ありますが、西川のフィードに起因する失点=敗戦に直結する失点が度々あるのもまた事実で、もう来年以降のことも考えて正GKは彩艶へ切り替えるべきでしょう、これは。

・皮肉というかなんというか、横浜Cは先制後逆にボールを握る時間が増えだし、浦和は横浜Cのパス回しの前に右往左往するだけで一向に良い形でボールが奪えず、当然ながらカウンターも繰り出せず。こうなってしまうと柏木SH起用が裏目に。

・悪いことは続くもので、35分柏木が負傷してピッチ外に出ている隙に、レアンドロ・ドミンゲスのスルーパスを受けた松尾が追加点。デンと岩波の間に出来た不自然な空間を見逃さない松尾、そしてそこへ絶妙すぎるスピード&精度でスルーパスを出せるレアンドロ・ドミンゲスが見事と言えば見事ですが、柏木の穴を埋めるには中途半端な位置&動きしかしてない杉本が残念無念。

・浦和も時折カウンターで好機を掴みかかるも依然シュートが撃てず。45分六反のフィードをエヴェルトンがカットしたことから生じたショートカウンターの好機にボックス内でボールをキープしたレオナルドがどフリーの杉本に出さずにチャンスをフイにしたのには心底参りました。杉本はあからさまに「ボール来ないのかよ!!!」という素振りを見せていましたが、レオナルドは杉本を全く信用していないのがもう明々白々。

・かといって今の戦術では杉本は外しづらく、かつ過密日程ではずっとレオナルド&興梠のコンビで行くわけにもいかず、2試合に1試合はこの「絶望2トップ」で行くしかないのでしょう。もっとも心身ともに疲労困憊気味っぽい今のレオナルドの出来なら、何試合かに一回はレオナルドを外しても良いと思いますが。

・先制されただけでシオシオになる今年の浦和。2点ビハインドともなるともう絶望感漂いまくり。そんな中で大槻監督の中でとうとう何かがブチ切れたのか、後半頭にエヴェルトン→汰木、岩波→宇賀神と2枚替えて、宇賀神右SB、デン右CB、柏木CH、汰木左SH、関根右SHと大胆過ぎる配置転換を敢行。

・要するに柏木が中央からバシバシ縦パスを入れることで、ボールを持たされるとどうにもならない現状をなんとか打開しようとしたのでしょう。

・大槻監督の狙いは59分杉本に代えてレオナルドとの相性が良い興梠を入れ、ついに「柏木全権委任システム」が起動するか!!と思いきや、最初に現出したのは「柏木全権委任システム」の負の側面。62分前プレが嵌まらず、ガラガラになった中盤を柏木が守れるはずもなく松浦に長い距離をドリブルで運ばれ、途中投入の一美のフィニッシュを許してしまいました。

・しかし、「柏木全権委任システム」らしい決定機も2回あり、70分には六反のフィードを途中投入の斉藤光(?)がコントロールできなかったミスに乗じたショートカウンターの好機で柏木がふんわり浮き球縦パス→ボックス内で興梠頭で折り返し→レオナルドシュート(わずかに枠外)。79分には柏木が縦パスをカットしたところからズバッと縦パス→アーク付近でレオナルドが叩いて、ボックス内から興梠シュート(やや力なく六反の正面)。

・84分には関根に代えてマルティノスを投入したのみならず、疲労困憊の山中を諦めてなんと長澤を投入(宇賀神が左SB、長澤が右SB)する奇策を披露。

・関根は2点ビハインド&絶望的な戦況を受けてかメンタル的に荒れ気味でつまらないイエローカードをもらった(次節出場停止)こともあり、こういう試合展開こそ不確実性てんこ盛りのマルティノスの出番と思ったのですが、こういう試合に限ってマルティノスの投入が遅いのが謎過ぎました。

・そしてどういうわけか、こういう試合に限ってマルティノスはそれなりに機能しており、90分にはマルティノスのクロスが汰木に合いかかる場面も。真面目にプレスバックしてボールを奪取しただけでスタジアムがどよめくってマルティノスはどんな選手やねん(苦笑)。

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《総評》

・「上位には全く手も足も出ないが下位には勝てる」という「堀の法則2017」みたいな戦績が大槻監督をポジティブに評価できる数少ないポイントだったのに、とうとう下位にすら勝てないどころか完敗を喫してしまうという「堀の法則2018」みたいな塩梅に。清水のような「自分たちのサッカー」で満足するようなチーム相手ならなんとかなりましたが、浦和の弱点をちゃんと突いてくるチームにはもはや手も足も出ず。

・しかもこれまでのやり方の練度があまりにも低くて(それ自体も監督を代え、戦術を変えた他チーム比でどうかと思いますが)完敗したのならまだ判るのですが、この試合で衝撃的だったのは後半「柏木全権委任システム」を採用し、今までのやり方をかなぐり捨てたように思えたこと。

・「柏木全権委任システム」って守備から入る、4-4-2の守備ブロックを形成してシステマティックにボールを奪取するというこれまでのやり方とはベクトルがほぼ真逆。この試合で2回あった決定機なんてまるで「ミシャシステムの残りかす」みたいな感じでしたが、それは昨年見るも無残な成績に終わった「何か」の再現でしかないような・・・ 

・大槻監督がやろうとしていることに柏木がどうにも合わない、SHで起用しても要求するタスクを柏木がこなせない、こなそうとしないなら柏木を使わなければいいだけでしょうに。

・一方柏木は試合後「後半に関しては、自分は真ん中でプレーする選手だと改めて感じました。」と公言する始末。これはこれまでの大槻流に公然と反旗を翻したようなもので、こんな選手は自分のやっていることに信念を持っている監督なら金輪際使わず、放出リストに大書することでしょうに。

・ところが大槻監督はなぜ柏木を活かす方向にやり方を変えてしまったのか? 幸い降格がないのだから、自分のやりたいことを突き詰めれば良いのではないか?(もっとも半年やった結果が前半の惨状なので、たいして評価できませんが) 「柏木全権委任システム」自体はオプションとしてはアリだと思いますが、なんで「守破離」の「守」すら満足に出来ていないのに、いきなり「破」に取り組もうとするのか?

・とうとう下位チームにすら完敗したという戦績面での問題以上に、やっていることが大きくブレ出したことをもって、いよいよ大槻体制も終わりの始まり=オフシーズンの始まりがちらつきだしたようです。


《選手評等》

・評価に値する選手なんてゼロ。

・川崎戦で途中交代を余儀なくされたデンは足を攣っただけと思いましたが、ひょっとすると軽い故障を抱えたまま出場しているのかもと思わざるを得ないくらい、「らしくないプレー」が目立ちました。72分にはボールコントロールにもたついている間に一美に絡まれてボールを失ってヒヤリ。

・後半から出場の宇賀神はまだコンディションが万全にはほど遠いようで、特に攻撃には多くを期待できない様子。3連闘の山中はさすがに次節は無理でしょうし、岩武は左SBでは使い物にならないのが判明している以上、次節はなんとか頑張ってほしいものです。

 

--レオナルド--杉本---
関根--------柏木
--エヴェルトン--柴戸---
山中-槙野--岩波-デン
-----西川-----

(交代)
HT エヴェルトン→汰木
HT 岩波→宇賀神
59分 杉本→興梠
84分 山中→マルティノス
84分 関根→長澤


---レドミ--皆川---
松尾--------松浦
---手塚--安永---
袴田-小林-伊野波-マギー
-----六反-----

(得点)
16分 松尾
35分 松尾

(交代)
59分 レアンドロ・ドミンゲス→斉藤光
59分 皆川→一美
73分 マギーニョ→瀬古
89分 安永→佐藤
89分 松尾→齋藤功

 

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2020.09.24

【DAZN観戦記】20年第18節:清水 1-2 浦和 ~ 弱い者が夕暮れ、さらに弱い者を叩く・・・

・いかにも下位チーム同士の一戦らしい、低レベルな試合と言われても仕方がない内容でした。えっ、浦和って暫定8位なの???

《スタメン》

・前節から中2日の浦和はデン→橋岡、エヴェルトン→長澤、柏木→武藤、関根→汰木、杉本→興梠とスタメン5人入れ替え。ベンチにGK彩艶が戻った他、宇賀神と武富が久しぶりにベンチ入り。前節ベンチ外だった青木は今節復帰すると予想していましたが、なんと今節もベンチ外で小破したのかもしれません。

・青木不在のため長澤が久しぶりにボランチの一角を占めましたが、相手にボールを握られると予想される試合なので柴戸&長澤のセットは却って良かったのかもしれません。試合後大槻監督も長澤ボランチ起用はスクランブルではなく、ある程度予定されたものだったことを示唆しています。

・清水は前節から中3日。前節出場停止だった六平に代えて立田がスタメンに復帰した他、金子→エウシーニョ、後藤→河井、中村→鈴木とスタメン4人入れ替え。エウシーニョはなんと第9節以来1ヶ月半ぶりのスタメン出場。

《試合内容》

・清水はどういう風の吹き回しか、前々節から従来の4バック(4-2-1-3ないし4-2-3-1)から3バック(3-3-2-2)へ基本フォーメーションを転換。かつこの試合では前節出場停止だった立田を左CB、ヘナト・アウグストを中央に配するという予想外の手を打ってきました。

・ビルドアップでミスを連発して大量失点の傾向がある清水に対して、浦和は果敢に前からシステム上のミスマッチにも関わらず果敢にハメに行きましたが、これが笑ってしまうくらい全くハマらずに、清水にあっさり交わされて試合早々カウンターを食らいかかりました。良い形でボールが奪えないので攻撃も出来ないという最悪に近い立ち上がり。

・橋岡といい、山中といい、強い相手なら致命傷になりかねないミスも散見されましたが、柴戸&長澤の奮戦もあって清水にさしたる決定機を与えないままやり過ごしているうちに、21分武藤CKのこぼれ玉を山中がアーク手前から叩き込んで浦和先制。山中はこれが浦和での初ゴール。豪快なゴールですが偶然でもなんでもなく、神戸戦のデンのゴール同様狙ってやっている感じ。岩波がちゃんと山中のシュートコースを開けている辺りにちょっとした仕込み感。

・浦和は先制したためか前ハメ控え気味になり、リトリート主体の守備に切り替わってゆきましたが、それでも30分清水スローインからなぜかバイタルエリアでフリーになっているドゥドラに枠内シュートを浴びてヒヤリ。また浦和右サイドから竹内に3回フリーでクロスを入れられたのが気になりました。

・また先制したとはいえ浦和の攻撃は依然さっぱり。清水の攻→守の切り替えが早くて浦和は素早い攻めを繰り出せず、清水が5-3-2の守備ブロックを敷き終わってからの遅攻を強いられてどうにもならず。久しぶりスタメンの汰木が全く機能しないのが辛い(何度も監督から「幅を取れ!!」と指示されていましたが、なぜかほぼガン無視)。前半浦和のシュートは結局山中の1本だけ。

・清水は攻→守の切り替えが早いのは良いのですが、ドゥドラもカルリーニョスもラフプレーが多くて難儀。特にカルリーニョスは悪質で、なんで木村主審が繰り返しの反則としてさっさとイエローを出さないのか不可解でした。

・後半に入ると51分西川ロングフィード→橋岡→レオナルド→汰木という浦和らしい超シンプルな攻めで決定機を掴みましたが、橋岡がハイボールを競り合った際に立田と頭同士がぶつかって傷む一幕が。

・さらに55分にはエウシーニョのハイクロスに対して橋岡の後方から明らかに間に合わないタイミングで河井が突っ込んできてまた橋岡が傷み、橋岡はその後頭を包帯でぐるぐる巻きにして出場。河井には当然イエローが出ましたが、清水も激しいプレーと危険なプレーの区別がつかない残念なチームになってしまったようで。

・58分武藤が無理な縦パスを入れたのを契機にカウンターを食らい浦和左サイドから河井クロス→ファーで西澤が決定機を掴むも橋岡が寄せていたこともあってか、ダイレクトボレーを辛うじて西川セーブ。

・皮肉なことにここで得た清水CKから逆に浦和のロングカウンターが炸裂。59分長澤のロングフィードを受けてレオナルドがハーフラインから独走&最前線で粘りに粘って、フォローに入った興梠がゴール。レオナルドのシュートフェイントに引っかかって3回転んでしまうGK大久保には失笑を禁じえませんでしたが、あそこでゴールを欲張らずに冷静に興梠に出したレオナルドには天晴れ! 興梠には絶大な信頼を寄せているからでこそでしょうし、杉本なら出してなかったかも。

・62分に清水はエウシーニョ→成岡(鈴木が右WB、成岡がIHへ)、ドゥトラ→ティーラシン、カルリーニョス→後藤と両FWと右WBを代えて勝負に出た一方、浦和は68分汰木→関根はともかく、武藤に代えてマルティノスを投入するという、およそ勝っているチームとは思えない交代策に打って出ました。

・清水は3選手交代から10分ほど攻勢が続き、特に西澤を軸に左サイドから何度も良い形を作りましたが、どういうわけか清水の攻撃はあまり幅を取らず、西澤からの攻めもなぜか地上戦ないし低いクロスに拘って中央を固める守備陣に跳ね返され、枠内シュートはほとんど撃てませんでした。好機に鈴木のシュートは撃てども撃てども枠外。

・浦和は76分橋岡クロスから興梠の決定機(シュートはヴァウドがゴールマウスをカバーしてクリア)を作った直後に、レオナルド→杉本、興梠→武富と両FWを交代。

・浦和は前節から中2日、清水は中3日とコンディション面では清水有利にも関わらず、浦和のほうが明らかに先に足が止まる訳ではなく、双方運動量が落ちて中盤スカスカ、オープンな展開になってしまうというまるで酷暑下の試合終盤のような展開に。78分マルティノスからのクロスをボックス内で杉本が収めて武富に決定機がありましたが、シュートはGK正面。

・一方清水は一向に幅を取って「浦和殺し」の形を作ろうとせず、むやみに中央突破に拘ってばかりで浦和としては大助かりでしたが、90+1分ついに後藤が左サイドからクロス→ファーでティーラシンという典型的な浦和殺しの形を作ってゴール。

・この場面、最後にティーラシンに前に入られている山中が悪目立ちしてしまいますが、それ以上にSHなのに全然守備に入ろうとせず、プラプラしているマルティノスのほうがはるかに重罪でしょう。誰かがさぼると守備網は連鎖的に破綻しがちなのに、よりによって最もサボリ癖が強い選手を勝っている試合に途中から入れたのが結局仇に。

・お決りの失点パターンで完封勝ちを逃すどころか、6分もあったATで2失点を喫して同点にでも追いつかれようものなら、さぞかし試合後浦和界隈は大荒れになったでしょうが、清水最後のパワープレーも実らずヘナトのシュートは西川の正面を突いてジ・エンド。

Goemon

《総評》

・シュート数は清水11vs浦和5、CKも清水6vs浦和3と清水が優勢の試合に見えますが、清水のシュートはシュートコースが非常に狭い無理目なシュート(鈴木が連発していたシュートは全部これ)が多くて西川がビビるシュートは案外少なかった印象を受けました。むしろ得点に近いシュートは浦和のほうが多く、スタッツほど清水が優勢な試合ではなかったと思います。

・クラモフスキー監督は試合後「良いパフォーマンスを出せていたし、支配することもできていました。自分たちのやりたいような形でプレーできていたと思います。」と語っていますが、勘違いでなければ単なる負け惜しみでしょう。ボールを持ちたがるチームにありがちなことですが、いかにもケツが軽い、カウンターを食らいやすそうなサッカーで同じような負け方を繰り返しているのに「ゲームを支配していた」(苦笑)。

・浦和はボールこそ相手に60%近く支配されているものの、得意のカウンターで何度か決定機を作り、かつセットプレーでも得点を上げるという典型的な浦和の勝ちパターンでの勝利。しかも相手より日程面での条件が悪い中2日でのアウェーゲームだったことを考えれば褒めて良い試合なのかもしれません。

・ただ清水が浦和の苦手とするワイドな攻撃をあまり仕掛けてこないチームだったという「合口の良さ」が多分に作用しての勝利で、清水とそんなに実力差があったとは思えず。第三者的には「どちらも隙だらけだったにも関わらず、なぜか2-1というロースコアで終わってしまった残念な試合」と評されても仕方ないような気も。

《選手評等》

・MOMの選出は悩みましたが、前ハメが全然ハマらないにも関わらず広範囲を動き回ってなんとか試合を成り立たせ、かつ2点目を演出した長澤かな。超久しぶりにボランチで出場し、ボールを持ちたがる相手に対して柴戸とのセットでボールを刈り取る役、攻撃を寸断する役は十分こなせるだろうと思いましたが、縦パス一本で決定機を演出するとは意外でした。

・あと杉本には敢闘賞を与えたいくらい。武富の決定機では最前線でのボールの収めどころになり、相変わらずフォアチェックは怠らず、なぜか最前線に残りたがるマルティノスに代わってSHの穴を埋め、最後の清水パワープレーに対してボックス内で対空防御。これだけやってたら杉本の得点が少なかろうが責めてはいかんと思います。勝っている試合に途中から投入されたFWとしては理想的すぎるくらいの働き。

・一方マルティノスは何なんだろう? 投入当初はふんだんにあるスペースを活かして気持ちよく泳いで「今日はやる気ノスか!」と思わせましたが、いったん受けに回るともういけません。なぜか前に残りたがって事実上杉本とポジションが入れ替わっている場面もちらほら。そして失点場面での散歩は致命的。なんでこんな不確実性てんこ盛りの選手を大槻監督が勝っている試合に起用しているのか、不思議でなりません。

・久しぶり出場の武富は杉本に感化されたのかフォアチェックを懸命にこなしていましたが、ファーストプレーで相手を削ってしまうとは。一生懸命にやってはいるが杉本ほど効果的ではない辺りがなかなかベンチに入れない所以でしょうか。

・清水は「リモート応援システム」とやらを採用していて、試合展開に関係なく録音された応援歌が延々とスタジアムに響き渡っていましたが、あれってなんか中東での国際試合っぽいんだよなぁ、なんか知らんけど。


--レオナルド--興梠---
汰木--------武藤
---柴戸--長澤---
山中-槙野--岩波-橋岡
-----西川-----

(得点)
21分 山中
59分 興梠

(交代)
68分 汰木→関根
68分 武藤→マルティノス
77分 レオナルド→杉本
77分 興梠→武富
87分 長澤→エヴェルトン


--ドゥトラ---カルリーニョス--
--河井----鈴木--
西澤---竹内--エウシーニョ
-立田--アウグスト-ヴァウド
-----大久保----

(得点)
90+1分 ティーラシン

(交代)
62分 エウシーニョ→成岡(鈴木が右WB、成岡がIHへ)
62分 ドゥトラ→ティーラシン
62分 カルリーニョス→後藤
80分 竹内→六平

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2020.09.21

【DAZN観戦記】20年第17節:浦和 0-3 川崎 ~ リーグ戦前半終了で得るところなんてあったのだろうか???

・前半は大善戦でしたが、後半のやられっぷり&何も出来なさは正視に耐えず、結局なんで0-3で済んだのかさっぱり判らない惨状でした。

《スタメン》

・浦和は興梠→レオナルド、武藤→柏木、青木→柴戸、岩武→山中と前節から4人入れ替え。前節ベンチ外だった橋岡が今節もベンチ外になった(故障でなければいいのですが・・・)のと、およそボールが握れそうにない相手なのに柏木をスタメン起用したのがとにかくビッグサプライズでした。柏木がいきなりスタメン入りしたので、青木がベンチ外に。

・川崎はダミアン→小林、旗手→家長、田中→大島、車屋→登里、山村→谷口と5人入れ替え。途中から出てきてアホほど点を取る驚異の大卒新人三笘は意外にもベンチ外。

《試合展開》

・浦和の試合の入りは上々で、ドン引きどころかアグレッシブな姿勢で4分関根縦パスカットからのショートカウンターや、右サイドから左へ大きく展開してからの山中クロスで良い形を作りましたがいずれもシュートには至らず。

・そして10分も経たないうちに川崎にボールを支配され、浦和は自陣で耐える戦前予想通りの展開に。それでも浦和は広島戦のように5バックどころか4-5-1にすらならず、4-4-1-1のような恰好で川﨑のパス回しになんとか耐えていました。下手に食いつかず、かといって間合いを開けすぎず、相互に連携を保ち、ブロックを維持しながら守ろうとする姿勢が見られたのはこの試合の「良かった探し」に挙げて良いでしょう。

・もっとも序盤は川崎がサイドチェンジを多用せず、浦和守備ブロックを揺さぶってからの「浦和殺し」の形をあまり作ってこないので助かっているような気もしましたが。

・しかし、37分なぜかバイタルエリアがぽっかり空いて脇坂に自由を与えたのが命取りに。そこから右サイドへ展開され、家長にもタメをつくる余裕を与えすぎて、家長浮き球パスから山根が仕上げて先制。

・この場面なんでバイタルエリアがぽっかり空いたのか不思議でしたが、前に出た柏木が大島にあっさり交わされて浦和右サイドへ展開された際に柴戸とエヴェルトンが二人とも右サイドの穴を埋めに行ったからでした。ところが当の柏木は全力で戻るどころかなぜか散歩しているのでバイタルエリアに大穴が開いたまま。

・散歩といえば関根も同罪。その散歩のおかげで脇坂も家長も山根もフリー。両SHがさぼってたらそりゃ4-4-1-1の守備ブロックもへったくれもありません。C大阪にはピンチの時にサクサク帰陣しない選手なんて皆無だったでしょうに。手強い相手にはわずかなサボリが命取りになることを強く印象づけられた一幕でした。

・41分にも守田からバイタルエリアでフリーの小林に縦パスを入れられ、小林が右サイドの家長へ展開。家長→後方から走りこんで来た山根シュートというも似たような形で決定機を与えてしまいました(西川セーブ)。ここも関根の挙動が不審で、全く山根を見てないような。

・浦和は杉本をターゲットにロングボールを多用してシンプルなカウンターで反撃を試みていましたが、決定機になったのは15分関根→レオナルドの一回こっきり。カウンターを試みようにもなんだかんだと川崎守備陣にスローダウンを強いられ、いったんボールを持たされてしまうと今の浦和ではどうにもなりませんでした。

・先制されたとはいえ内容は戦前予想よりははるかにマシ。大善戦と評しても全く差し支えなく、負けているのに妙な安堵感がTwitterのタイムライン上に漂いまくっていましたが、残念ながら後半は惨めな現実を嫌というほど見せつけられる羽目に。

・50分齋藤→守田→脇坂→家長と右から左へ簡単に繋がれ、家長のファーへのクロスこそなんとか岩波が弾き返しましたが、こぼれ玉を拾った齋藤に簡単にファーへのクロスを許してしまい、クロスの先では槙野が小林を見失って小林楽々ヘッド。もう既視感ありあり、ありすぎる「浦和殺し」を食らって2点目を取られてしまいました。

・その直後には自陣でのボールロストから齋藤が超々どフリーでシュートを撃たれる場面も。なんでそのシュートが枠にすら飛ばないのか不思議過ぎるくらいの絶体絶命すぎる大ピンチでした。

・大槻監督は53分に杉本→興梠、関根→マルティノスと早めに選手を代えましたが、早々と2失点目を喫した精神的ダメージが大きいのか浦和は早くも足が止まり気味になり、川崎のパス回しに対して詰めるに詰められなくなって、61分には家長クロス→守田ヘッドの大ピンチ!(西川辛うじてセーブ) マルティノスが全然守備しないので仕方なく柴戸が家長に対峙し、気の毒なことに股抜きされてしまうってもう守備ブロックにも何にもなっていない大惨事。

・後半の浦和の守備はもう「気持ちと運」でしかなく、柴戸が42.195km走ることを前提としているようにしか見えないのに、その肝心の気持ちがない選手がピッチに立っていてはどうにもなりませんでした。

・72分には浦和は柏木→武藤、エヴェルトン→長澤、川崎は脇坂→旗手、小林→ダミアンと共に選手を入れ替えましたが、川崎圧倒的に優勢という戦況は全く変わらず。浦和は川崎のプレッシングを受けて常に遅攻を強いられてどうにもならず。前節謎の活躍を見せたマルティノスはコネコネ癖が完全に悪いほうに出て攻撃の阻害要因にしかなりませんでした。

・結局得意のカウンターが嵌まっての決定機らしい決定機は90分にカウンターで一度あっただけ(最後に投入された岩武シュートは枠外)。破れかぶれで人数をかけてのカウンターだったので迫力はありましたが、

・逆に90+2分、前がかりになったところでカウンターを食らい、守田ロングフィード→右サイドの家長がファーへクロス→途中投入の宮代ヘッドこそなんとか西川が防ぐも、こぼれ玉をダミアンに詰められてジ・エンド。

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《総評》

・前節札幌戦同様、今節も凄まじいスタッツがゾロゾロ。DAZNのスタッツだとシュート数8対23、ボール支配率42対58、ファウル16対7。浦和のボール支配率が低いのでパス数が大幅に少ないのは仕方ないのですが、相手のプレッシャーが厳しくてパス成功率も大幅に低いというのが泣けます。スタッツだけ見ればもうカテゴリーが違う相手と試合をやっているようなもの。なお浦和の枠内シュートが5本もあったとは信じ難いのですが、シュートブロックされたのをお情けでカウントしてくれたのかも?

・しかも今の浦和が酷いのは守備からチーム作り、しっかり守ってからのカウンターをメインコンセプトにしてチームを作っているはずなのに全然守れていないこと。9月に入っての4試合全てで複数失点。しかもうち3試合が3失点。ミシャや今の横浜Mみたいな「殴り合い上等」のチームづくりを志向していてこれならまだ納得がゆく(今の清水がそんな感じ?)のですが、やろうとしていることと試合内容が全くマッチしていないのがなんとも腹立たしい。

・その結果リーグ戦をちょうど半分消化して、トップハーフの中で燦然と輝く得失点差△7!! 上位チームにはほとんど勝てないどころか大量失点で負け、下位チームに辛勝を繰り返した結果がこれです。これではチーム目標だった得失点差プラス二けたどころかマイナス二けたのほうがはるかに現実味だと言わざるを得ません。

・ボールを持たされると敵陣攻略の手立てがまるで無いのは今はそういう仕様なので仕方ないと諦めも尽きますが、しっかり守ってカウンターのつもりなのに相手が強いとそもそも良い形でボール取れないのでカウンターの形も大して作れないのはなんとも辛い。

・浦和はミシャ以降の監督人事&選手補強が全て行きあたりばったりだったので、ミシャ式に慣れた古い地層の上にばらばらのコンセプトでかき集められた選手が堆積しているという致命的な弱点を抱えています。そしてミシャ式に慣れた古参兵は概して「マンツーマンで、あとは気持ちだ!!」なのでゾーンディフェンスとの相性があまり良くない。

・そんな軟弱地盤でゾーン守備を志向するなら、誰が監督になっても苦労するとは思います。でも毎度毎度同じようなやられ方を繰り返し、その欠陥を補って余りあるだけでのプラス面なんてまるで見いだせない現状を踏まえると、チーム作りの苦楽を共にする相手は大槻監督とは思えないんだよなぁ、残念ながら。チームづくりの過程では目先の勝ち点積み上げなんてあまり気にせず、経験は豊富だが基本的に今のやり方に向いてない選手なんて使わずに、経験は浅いけれども可能性はある選手を積極的に起用するという訳でもありませんし。

・でも、名古屋のように監督の志向に合わせてガラっと選手を入れ替える大技なんて、入場料収入激減で補強どころか高額ベテラン選手の放出が必至と思われる浦和にはもはや夢物語。まだまだ辛い日々が続きそうです。


《選手評等》

・浦和はちまちまビルドアップなんて芸当は出来ないので、前半は西川がぽーーーーんと蹴って杉本に当ててからの攻撃が一番可能性がありました。シュートこそ撃てませんでしたが、そこでの杉本の存在感は絶大。今の興梠の出来だと杉本が優先的に起用されるのは納得。

・この試合最大の謎は柏木のスタメン起用。柏木なりに頑張ってはいましたが、鳥栖戦同様守備面でのマイナス寄与がでかすぎてスタメン起用では勘定が合わないという気が。穿った見方をすれば、次節清水にもボール回される試合展開になるだろうから長澤を温存して、川崎戦は半ば以上捨て試合のつもりで柏木を起用したよな気がしてなりません。でもそれなら武田に経験を積ませるほうがまだマシじゃないかと。

・そして交代を告げられた柏木はわざわざ川崎ベンチまで出かけて、全く同じタイミングでベンチに下がった小林と談笑。試合後なら全然構わないと思いますが、どう考えても2点ビハインドでベンチにいる選手が取るべき行動ではない、いや絶対に取ってはいけない行動でしょうに。2点ビハインドどころか絶望的な戦況を受けて柏木の心が完全に折れているどころか、そもそも心が浦和から離れているのでしょう、たぶん。

・なんで鬼木監督がスキーウェア(?)を着てベンチ入りしているのか最後まで謎でした。昔、夏場でもベンチコートを着ていたリカルド・ロドリゲス監督@徳島をリスペクトしたのかなぁ?


--レオナルド--杉本---
関根--------柏木
--エヴェルトン--柴戸---
山中-槙野--岩波-デン
-----西川-----

(交代)
53分 関根→マルティノス
53分 杉本→興梠
72分 柏木→武藤(武藤が左SH、マルティノスが右SHへ)
72分 エヴェルトン→長澤
82分 トーマス・デン→岩武(足が攣っただけ?)

齋藤---小林---家長
--大島----脇坂--
-----守田-----
登里-谷口-ジェジェ-山根
-----ソンリョン-----

(得点)
37分 山根
50分 小林
90+2分 ダミアン

(交代)
45分 大島→田中(故障による交代)
72分 脇坂→旗手
72分 小林→ダミアン
89分 登里→車屋
89分 齋藤→宮代

 

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2020.09.14

【DAZN観戦記】20年第16節:札幌 3-4 浦和 ~ ミシャはこんな浦和に勝てないのか・・・

・札幌同様ワイドな攻撃が得意な大分に内容でボコボコにされた以上、大分よりはるかにFWが強力な札幌には勝ち目無しと思っていましたが、札幌のチーム状態は浦和以上に悪かったようで。

《スタメン》

・浦和は酷使続きで疲労困憊、パスミス続出どころか守りも怪しくなった橋岡をとうとうベンチ外とし、さらに同じく疲労の色が濃いレオナルド&柴戸をベンチスタートに。また前節久しぶりにスタメン起用された柏木はボールを保持される展開になると目される札幌相手では使い道がないと判断されたのかあっさりベンチ外になり、代わって岩波・杉本・武藤・エヴェルトンがスタメンに。

・しかし、これまで鉄板中の鉄板スタメンだった橋岡が不在になった反面CBがスタメンに三人も名を連ねたので最終ラインの並びは全く予想が付かず、3バック説も含めて戦前諸説飛び交いましたが、結局左から「岩武・槙野・岩波・デン」の並びでした。デンは獲得時一応右SBも出来るとの触れ込みでしたが、試合後の槙野の話では「今日のDF4人の並びは練習でもやったことのない並び」とのこと。

・前節鳥栖戦から中3日で長距離遠征、しかも13時とやたら試合開始が早いので実質中2日に近く、直近の練習時間がほとんど取れないのは仕方ないのですが、橋岡不在時の練習を全くしてないとは・・・

・なお久しぶりにマルティノスがベンチ入り。控えGKが彩艶から福島に戻ったのも目を惹きました。

・札幌はD・オリヴェイラ→チャナティップ、高嶺→駒井、白井→菅、金子→ルーカス、キム・ミンテ→宮澤と5人入れ替え。うーーん、前節C大阪戦で面子を落として、浦和戦に主力をぶつけてきた臭い・・・

Sapporo004

《試合展開》

・9分福森CKのこぼれ玉を拾った菅のシュートが枠を掠める一幕があった直後、10分岩波からの縦パス一本で興梠が裏抜けする決定機を得るもループシュートは枠を捉えられずと、立ち上がりから忙しい展開。

・11分武藤シュートの跳ね返りをバイタルエリアで拾った関根がそのまま左サイドからボックス内に侵入。その関根をチャナティップが背後から倒してしまいPK(ルーカスが対応せずにチャナティップがそんな深い位置まで追っているのが謎ですが)。杉本がGK菅の動きをよく見て逆を取った形できっちり決めて浦和が先制。PKは試合前に興梠から「お前が蹴れ」と言われていたとのこと。

・その後は戦前予想通り札幌がボールを支配する形で試合は進みましたが全く決定機は作れず、逆に20分青木からの縦パス一本で杉本が宮澤の裏を取り、必死に追いすがる進藤を体をぶつけて制しつつ、最後はGKの股抜きシュート!!というスピード系FWとしては理想的な形で2点目。やれば出来る漢なのか、杉本!!!

・なお浦和は序盤縦ポン一発での裏取りで2回決定機を作りましたが、これは杉本が「相手の守備ラインの裏は1本でチャンスが生まれると聞いていて」と語っている通り、大槻監督が得意な相手分析(それを巧く選手に落とし込めるかどうかはともかく(苦笑))が活きた様子。

・自陣にいったん4-4-2の守備ブロックを作ってからプレッシャーをかけてくる浦和に対し、給水タイム以降札幌がクロス攻撃を多用。岩武が右WBルーカス相手に終始劣勢で、何度か怪しげで対応で左サイドを脅かされ続けていましたが、31分ルーカルのフェイント一発に引っかかって簡単に高精度クロスを入れられ、その先はジェイがどフリーでヘッド。ジェイのヘッドは当たり損ね臭いのですが、それが幸いしてループシュートとなり、その軌道を全く予想してなかったっぽい西川の届かないところへ。

(補注)ルーカルのフェイント一発にひっかかって簡単に高精度クロスを入れられたのは関根でした。当方の完全な勘違いですm(__)m

・さらに35分CKからの流れで、福森のクロスをジェイがデンに覆いかぶさったような体勢ながらどんぴしゃヘッドで同点。福森に対峙した岩武が福森得意の左足をなんで切らないのかさっぱり判らないのですが・・・ これで左サイドを岩武では守れないと見切ったのか、関根が最終ラインまで駆け戻ってなんとか手当する羽目に。

・ミシャは後半頭から荒野に代えてキム・ミンテを投入して3バック中央に配し、宮澤をボランチへ。宮澤はいかにもミシャが好きそうな第2種兼業型CBに過ぎず、2失点目のあんまりなやられ方を見てまともなCBに入れ替えざるを得なかったようです。

・これで後方の安定を得た札幌は後半一方的に浦和をタコ殴り。大槻監督は55分武藤→マルティノス、興梠→レオナルド、61分エヴェルトン→柴戸と早めに入れ替えるものの、如何せんボールを良い形で奪えないのでカウンターが発動できず、マルティノス投入は完全に空振りに。

・一方札幌は64分あまり良いところがなかった駒井&チャナティップを諦めて、A・ロペス&D・オリヴェイラを投入し、さらにクロス攻撃のターゲットを増やした形で大攻勢。

・浦和は札幌の攻勢を槙野&岩波を中心に最終ラインで跳ね返すのが精一杯でCK与えまくり。そして67分福森CKを杉本がクリアしきれないどころか、運悪く見事に摺らせた格好になってしまってオウンゴール。杉本、こんな形でハットトリックかぁ・・・ そして70分には岩武の緩い、緩すぎるバックパスをルーカルに奪われ、ロペスに決定機を許す一幕も(西川セーブ)。

・絶望的な戦況でとうとうビハインドに陥ったためか、大槻監督は給水タイム後の73分岩武→山中、関根→汰木と超攻撃的な形にシフト。守備力が無さすぎて、どう見ても「まぜるな危険」としか思えない山中・汰木・マルティノスを3人揃って併用するという大博打を打ちましたが、これが浦和同様守備に難がある札幌相手には思いのほか効いたようで多少ボールが前に進みだし、74分槙野からの縦パス一本でレオナルドがDF3人に囲まれながらもシュート。

・それで得た山中CKの流れから、75分汰木クロスを槙野が決めて同点。この場面札幌守備陣は汰木が右脚に持ち替えてからのクロスを全く警戒していないのか、不思議なくらい汰木はフリーでしたし、なぜか手を挙げてジャンプしたマルティノスがGK菅&福森の邪魔になって、後は背後の槙野は押し込むだけ。槙野は「毎日たくさんシュート練習をしてきた成果を出せて良かったと思います」と語っていますが、絶対シュート練習とは無関係の形(苦笑)。

・その後も79分バイタルエリアから進藤(西川の正面)、90分福森クロス→ファーで田中ヘッド(わずかにバーの上)等、決定機の数は札幌が圧倒していたものの西川を脅かすにはいたらず。

・逆に94分西川ゴールキックからの反撃。デンのパスをぽっかり空いたバイタルエリアでマルティノスが受けたのが面白く、レオナルドへの縦パスを経てマルティノスが右サイドからボックス内深く侵入して福森&宮澤を交わしたところで勝負あり。折り返しを柴戸が押し込んで浦和が再逆転。柴戸のシュートはブロックに入った進藤に当たったのが幸いしたかも。

・試合後ベンチに下がっていた駒井を槙野や青木はともかく、年下の福島や関根まで弄りにゆくのがいかにも浦和でした(笑)。

Sapporo003

《総評》

・シュート数8対23。CK数1対15。おまけに6割以上相手にボールを支配され、パス数は札幌の半分。デュエルでも空中戦勝率でも負け、勝っているのはクリアの数だけ(苦笑)というとんでもないスタッツがズラズラと。スタッツもさることながら、ほぼ一方的に攻められている時間帯が長い試合展開からしても、なんで浦和が勝ったのかさっぱり判りませんが、とにかく終わってみれば浦和が勝っている試合でした。

・杉本を筆頭によく走っている選手、槙野や岩波など劣勢でも集中を切らさずに必死に頑張っている選手の姿には感☆RUIしましたが、悪く言えばただそれだけの試合。今日も今日とてチーム力の積み上げらしきものは一切感じられず、残念すぎる監督の尻を選手達が必死に拭いに拭ってなんとか勝ち点3をもぎ取ったとしか思えない試合でした。

・守備重視のチームを作っているはずなのに、毎度毎度お馴染みの形で3失点って何なんだろう? ミシャのように極端な攻撃重視のチーム作りをした挙句に4対3という派手な殴り合いになったのならまだ納得がゆくのですが、志向しているチームコンセプトと試合内容が一致していないどころか、時間が経過しても一致する気配すらないのはどうしたものか?

・あえて良かった探しをすれば、杉本の2点目が事前の狙い通りだったこと。こういう事前の狙い、事前の仕込みが嵌まっての得点なり、相手の攻め手封じなりがちょっとずつでも増えてくれば監督への信頼も多少取り戻せるのでしょうが。

・しかし、そんな浦和に対して得意のクロス攻撃を駆使して完勝できないどころか4失点も喫して負けてしまう札幌の状態もよほど酷いのでしょう。ミシャは「良いゲームをしても結果が出ない、ここ最近の流れであると思います。」と語り、4福森は「内容的には上回っていましたし、走り負けてもいなかった。悪いものではなかったと感じています。」と語っていますが、なんかいずれもミシャ期浦和に聞き飽きたフレーズです。

・なんぼシュートを撃ちまくろうが、なんぼCKを奪おうが、4失点もした試合の内容が良いはずがなかろうに。その過ちに気づかない限り、ミシャはもう一歩のところで殻を破れないままで終わるのでしょう。試合後のミシャは明らかに元気がなく、コメントも弱弱しげ。札幌でも3年目になり、今の成績&年々成績が悪くなっていることを見ると今年限りなのかも。

Sapporo001
《選手評等》

・個人的にはPKによるリーグ戦初ゴールのみならず、ロングカウンターからスピードを活かした得意の形で追加点を挙げ、さらに終盤もプレスバックをさぼらずに出血を防いだ杉本が文句なしのMOM。でもキャリア的に全く縁がないはずのミシャに試合前に興梠、槙野、西川らに釣られるような形で挨拶しに行ったのが謎でした。

・練習無しに突然右SBを任せられたデンも及第点。ぶっつけ本番であれだけ出来れば上出来の部類で、これがこの試合の数少ない収穫。もっとも今の浦和は組織作りの上で練習の効果があるのかどうかさっぱり判らず、個人能力でなんとかしているだけに近いので、個人能力の高い選手ならぶっつけ本番だろうか何だろうかあんまり関係がない気も(苦笑)。右SBデンに目途がついたので、今後は橋岡を無理使いしなくても良くなりました。

・一方、宇賀神故障を受けて全く目途が立たなくなったのが左SB。まさか岩武が「攻撃力の無い山中」だったとは!! 守れない同士なら山中を使ったほうがマシという結論に。

・不思議な不思議なマルティノス。最後の最後で決定機に絡んだ以外はほとんど何もしていないように見受けられていましたが、スタッツを見るとなんと35分の出場時間で14回もスプリントを記録。フル出場の杉本(17回)の頑張りが目についた反面、マルティノスがどこで走っていたのか全く記憶にないのですが、画面に映らないところで明後日の方向に走っていたのかなぁ・・・

・浦和の選手をしょっちゅう間違えるのは仕方がない。ましてや「マルティノスを入れてボールキープしたい」等々浦和の試合を全く見ていないのが丸わかりのコメントを連発するのも仕方がない。しかし札幌の選手まで度々間違えるのは何なんだ??? こんな実況&解説(吉原)でDAZNを観ざるを得ない北海道の方々は実に不憫。またしても試される大地・・・ 

Sapporo002

---杉本--興梠---
関根--------武藤
--エヴェルトン---青木--
岩武-槙野--岩波-デン
-----西川-----

(得点)
13分 杉本(PK)
20分 杉本
75分 槙野
90+4分 柴戸

(交代)
55分 興梠→レオナルド
55分 武藤→マルティノス
61分 エヴェルトン→柴戸
73分 岩武→山中
73分 関根→汰木


-----ジェイ-----
--チャナティップ--駒井--
菅--田中--荒野-ルーカス
-福森--宮澤--進藤-
-----菅野-----

(得点)
31分 ジェイ
35分 ジェイ
67分 オウンゴール(杉本)

(交代)
HT 荒野→キム・ミンテ(ミンテがCB中央、宮澤がCHへ上がる)
64分 駒井→A・ロペス
64分 チャナティップ→D・オリヴェイラ
80分 ジェイ→高嶺
87分 菅→白井

※写真は試合とは全く関係がありません。

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