2020.08.09

【DAZN観戦記】20年第9節:名古屋 6-2 浦和 ~ 海は死にますか、山は死にますか、浦和はどうですか

・今年の残り試合はもう全て消化試合。そう思えて仕方がない、衝撃的な惨敗でした。

《スタメン》

・共にルヴァン杯から中2日。浦和は武藤→杉本、関根→汰木、長澤→武富、エヴェルトン→青木、宇賀神→山中、岩波→鈴木、マウリシオ→デン、岩武→橋岡、福島→西川とスタメン9人入れ替え。連闘はレオナルドと柴戸のみ。武富は今季初スタメン。

・リーグ戦前節清水戦との比較だと関根→武富、エヴェルトン→青木、槙野→鈴木と3名入れ替えで、大槻監督はこの3連戦をセットにして順次入れ替えたことが伺えます。

・名古屋は山崎→金崎、相馬→前田、青木→シャビエル、秋山→稲垣、太田→成瀬、藤井→中谷とスタメン6人入れ替え。マテウス、シミッチ、吉田、丸山、ランゲラックが連闘。リーグ戦前節との比較だと相馬→シャビエルの入れ替えのみ。

・金崎・前田・シャビエルはコンディション不良で出られるかどうか直前まで判らないとフィッカデンティ監督は語っていましたが、蓋を開けてみれば3人共スタメン出場。というか、終わってみれば3人ともどこがコンディション不良なのかさっぱりわからないスーペルな出来でした・・・アジジかよ・・・・

・なお名古屋は米本と阿部が故障離脱中。

Nagoya001

《試合展開》

・ゲームの入りは悪くなく、基本4-2-3-1(守備時4-4-2)の名古屋に対してルヴァン杯C大阪戦同様前からのプレッシャーが効いて高い位置でボール奪取に成功。また西川のロングフィードで名古屋の中盤をすっ飛ばしてのシンプルな攻めも見受けられましたが、そこからフィニッシュに持ってゆけないところもC大阪戦と変わりありませんでした。

・そして9分名古屋の最初の決定機。ペナ角に侵入した金崎のラストパスを鈴木と山中の間で受けた前田がシュート。いったん西川が弾いたものの、再度前田が詰めてゴール! ずっとボールを見ているのか、目の前にいる前田を全く掴まえられない山中も酷いものですが、それ以前に後方から上がってくる左SB吉田をなぜか傍観している武富には参りました。これでは橋岡もどうにもならず。そしてこの吉田&シャビエルによる浦和右サイドの崩しはその後何度も出てきます。

・失点のショックから立ち直る暇もなく、続く10分吉田への武富のプレッシャーが無いも同然で、吉田が楽々縦パス。マテウス&金崎のコンビでいとも簡単に橋岡の裏を取り、マテウスの低いクロスを前田が詰めて2点目。ここでも絞り遅れる山中・・・

・17分には武富の軽すぎる対応もあって吉田とのコンビネーションで簡単にボックス内に侵入したマテウスがシャビエルとの壁パス&フィニッシュ。そこで得たCKから18分名古屋3点目。

・ショートコーナーからシャビエルのクロスをを中でシミッチに合わされて3失点目。シミッチの周りにはデンや鈴木を始め3、4人いるように見受けられますが、誰も競った形にはなっておらず、シミッチは楽々ヘッド。典型的な浦和のCKでのやられ方を久しぶりに見た思い。

・これで浦和はしっかりセットされた名古屋の4-4-2の守備ブロックを崩すというただでさえ苦手な作業に取り組まざるを得なくなり、32分青木縦パス→レオナルドの決定機を作ったくらいで概して攻めきれず。

・38分武富の緩い横パスをカットされたところからロングカウンターを食らい、縦パスを受けたシャビエルがくるりと鈴木を交わした時点で勝負あり。ラストパスをどフリーの前田が決めて4点目。前田はハットトリック。

・そして44分山中のミドルがポストを叩いた跳ね返りからカウンターを食らうというコント(2015年CS準決勝第2戦の藤春ゴールを思い起こさせる)みたいな展開でシャビエルが5点目。この場面名古屋のカウンターが鋭かった訳でもなんでもなく、苦し紛れの丸山のクリアに反応した金崎、そし金崎からのヘディングでボールを受けたシャビエルへの鈴木の対応があんまりすぎました。

・余りにも不甲斐ない前半の内容を受けて、大槻監督は後半頭から汰木→関根。武富→武藤、鈴木→槙野の3枚替え。しかし、チームの動揺は収まっていないのか、青木→武藤の自陣での横パスをロストしたところからショートカウンターによる波状攻撃を食らってしまいました(金崎のシュートがわずかに枠外)。

・48分武藤の低いクロスをボックス内でSB成瀬を抑え込みながら巧く反転したレオナルドがなんとか1点返すものの、その直後の50分中央突破を試みて攻めきれずに杉本がボールロスト。ボールを奪った吉田に橋岡が再奪回を試みるも及ばず、吉田縦パス→シャビエルサイドを持ち上がる→金崎→前田がフィニッシュ。もう山中が前田を全く見てないのはお約束。前田はこの日4点目。

・浦和はなんとか反撃を試みるも敵陣でパスが繋がらずにカウンターを浴び続ける大惨事。特にマテウスがどうにも止められない印象を強く受けました。一方浦和息の根を完全に止めた名古屋はシミッチ→秋山、前田→相馬、シャビエル→太田とお疲れの選手を順次代えて余裕の逃げ切り態勢。太田投入後は太田左WB、成瀬右WBの3-4-2-1に布陣を変えたかな?

・浦和は76分山中ロングフィード→関根クロス→レオナルドと、超遅まきながら理想的な形で2点目を取ったものの、文字通り焼け石に水でした。家本主審もそんな浦和に哀れを覚えたのか、関根がボールを外へ蹴りだしてもお咎めなし。

Nagoya002

《総評》

・あまりにも酷い試合でした。一昨年、昨年と豊田スタジアムでの試合はジョーに、そしてマテウスにボコボコにやられる酷い試合が続いていましたが、それらを遥かに上回る酷い試合を繰り広げるとは!! 浦和の負の歴史をまたしても一つ積み重ねてしまいました。対名古屋の酷い試合といえば1999年瑞穂で記録した1-8(坊主頭になった呂比須が5得点)を思い出しますが、この年の浦和はあえなく降格しています。

・ビジターがいたらたぶんハーフタイムにダンマクを撤収しただろうと思われるくらいの酷さ。この試合は「観客5000人制限」でビジター席はなく、現地でこの惨状を目撃した赤者が(建前上)いなかったのが不幸中の幸い。不自然な私服で観戦していた方はハーフタイムで家路についたであろうという意味で「おもわず尻が浮く」試合でした。

・今年の浦和は「先制点を取られるとどうにもならない」のはFC東京戦、柏戦で実証済み。しかもいったん崩れると歯止めが効かないところまで柏戦の繰り返し。

・しかも柏戦は先制点を取られるまではむしろ浦和優勢で、浦和が何度かあった決定機をものにして先制点を取っていればスコアは逆になっていたかもしれない可能性があったので「スコアほど悪い試合ではない」と評することも出来ました。ところが、この試合はほとんど決定機を作れずに前半だけで大差をつけられて事実上試合終了という、もうスコア通りのどうにも庇いようがない酷い試合でした。

・敗因は試合後柴戸が語っているように、「チームとして、どこからプレッシャーを掛けて相手をハメていくのかというところがある。」「どこでプレッシャーを掛けてどこでボールを奪うかというところがチームとして統一できていなかったかなと思う。」という点に尽きようかと思います。C大阪戦では出来ていたことが、この試合ではまるで出来なかった。いや立ち上がりは悪くなかったのですが、最初の失点以降ズタボロになってしまった。そういうところでしょうか?

・具体的に言えば、柴戸が語るように「縦にボールが入ったときに相手の金崎選手に収まってしまうことが多かった。」のが致命的。鈴木はもとよりデンも金崎に競り負けることが多かったように見受けられました。

・また後ろから沸いてくる吉田への対応が終始曖昧で、橋岡や青木がまごついているうちにマテウスやシャビエルに浦和右サイドをいいように破られ、最後は山中がずっーーーーと前田を放置しているのが仇に。

・大槻監督は「3点目のところでゲームのコントロールを完全に失ってしまった。」と選手達の気持ちが切れてしまったことに大敗の責任を求めているようです。確かにそんな場面も見えなくもないのですが、当初のゲームプラン通りに試合を運べなかった時の修正力の無さ、セカンドプランの無さ、無為無策ぶりは目に余り、正直これが経験のない監督の限界なのだろうという気がしてなりませんでした。ベテラン選手が多い割には選手達にも修正能力がないのに参りますが。

・また武富・鈴木と普段出番がない選手を思い切ってスタメン起用したのが結果的に完全に裏目に出てしまいました。過密日程なので選手を積極的にローテーションするのは発想としては頷けるのですが、残念ながらスタメン起用できる選手には限りがあったようで。この試合のローテーション大失敗を受けて今後大槻監督の選手起用は随分変わるかもしれません。それが良いほうに転ぶかどうかはさておき。

Nagoya003

《選手評等》

・ビハインドの場面で、故障したわけでもないのに前半だけで交代を命ぜられたCB鈴木。どこからどう見ても懲罰的な交代で、それもやむを得ないと思える酷い出来でした。浦和はただでさえCBがダダ余りなので、鈴木は貴重な出場機会で良いところを見せないといけなかったのですが、この惨状では残念ながら怪我人が多発しない限りもう出番はないかも。

・懸命に動いてはいるいのだが全く結果が出ず、好機に天を仰ぐ場面が多くなった杉本。レオナルドへのお膳立ての仕事って出来ることは出来るけれどもメンタル的には向いていないのかも。興梠が復帰するまではレオナルド&武藤を軸にしたほうが良いように思うのですが、どういうわけか大槻監督は今年武藤の評価が低いんだよなぁ・・・

・今季の浦和の攻撃の組立は山中が軸だったはずですが、現状「山中がいたら1点取れるかもしれないが、それ以上に点を取られる可能性が高い」形になっています。でも山中頼みを止めたら今年の大槻監督の取り組みは根底から覆るんだろうなぁ。とはいえ、攻撃時にやたら中へ入ってボランチっぽくふるまうのはともかく、守備意識の低さはなんとかならないのか・・・

・その結果浦和の攻撃は完全にレオナルドの個人技頼み。でもコロナ禍で入場料収入が激減し、巨額の赤字で内部留保が全て吹き飛ぶ恐れがあると伝えらえる浦和はおいおいレオナルドを売らざるを得ないかも・・・


---レオナルド-杉本---
汰木--------武富
---柴戸--青木---
山中-鈴木--デン-橋岡
-----西川-----

(得点)
48分 レオナルド
76分 レオナルド

(交代)
HT 鈴木→槙野
HT 汰木→関根
HT 武富→武藤
60分 青木→長澤
84分 橋岡→岩武

-----金崎-----
マテウス---シャビエル--前田
---シミッチ--稲垣---
吉田-丸山--中谷-成瀬
-----ランゲラック----

(得点)
9分 前田
10分 前田
18分 シミッチ
38分 前田
45分 シャビエル
50分 前田

(交代)
53分 シミッチ→秋山
53分 前田→相馬
69分 シャビエル→太田
82分 金崎→山﨑
82分 マテウス→石田

※写真は試合とは全く関係がありません。

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2020.08.06

【TV観戦記】20年ルヴァン杯GS第2戦:C大阪 1-0 浦和  ~ イソジンよりウガジンが効くぅ!!はずだったのだが・・・

・本来であれば、8月最初のこの試合から観客数が「施設の収容人数の50%まで緩和」され、ビジター席も設けられる予定だったので今季初のアウェー遠征を楽しみにしていたのですが、残念ながら昨今の新型コロナウイルス感染者の拡大状況と政府の見解を受けて、現行の「5000人以下の動員措置」が継続されることになったので、アウェー遠征は立ち消え。この試合どころか、今季のアウェー遠征自体全く目途が立たなくなってしまいました。

・それはともかく、勝てばルヴァン杯グループステージ突破が決まるこの一戦は如何に。

Cosaka002

《スタメン》

・リーグ戦前節清水戦から中3日、かつ次節名古屋戦まで中2日と日程が非常に厳しい上、宿泊を伴う遠距離アウェー2連発なので大槻監督もスタメンのみならずベンチ入りメンバーの構成にも悩みに悩んだかと思いますが、結局西川→福島、山中→宇賀神、槙野→岩波、デン→マウリシオ、橋岡→岩武、青木→柴戸、汰木→長澤、杉本→武藤と8名入れ替えて、エヴェルトン、関根、レオナルドの3名が連闘。福島と岩武はこれが今季初出場。

・今季未だ出番がない武田はベンチどまり。今季のルヴァン杯はU-21選手をスタメン出場させる義務がなくなったので、ちょっと割りを食ったかもしれません。

・清水戦でベンチ外だった柏木がこの試合でもベンチ外になったのが個人的には少々意外でした。

・C大阪はヨニッチ→木本、松田→片山、藤田→ミネイロ、清武→柿谷、奥野→メンデスと5名入れ替え。浦和よりはスタメン固定気味のC大阪ですが、コンディション不良でベンチからも外れていたブルーノ・メンデスが戻ってきたのに加え、普段のベンチメンバーが多少スタメン起用されたといったところでしょうか。

《試合展開》

・試合開始早々CB木本が故障して、ヨニッチ投入を余儀なくされるアクシデント発生。

・基本フォーメーションは4-4-2同士。浦和は前からプレッシャーを掛けに行って、C大阪に容易にビルドアップを許さないだけでなく、何度も高い位置からのボール奪取に成功。

・8分には柴戸浮き球縦パスを受けてボックス内に突入したレオナルドに決定機(GKセーブ)。11分には武藤が左に展開→関根のクロスがボックス内のレオナルドに通るものの、C大阪守備陣の粘り強い対応にあってシュートを撃ち切れず。20分相手を押し込んだ状態からアーク付近でレオナルドがミドルシュート。22分ショートカウンターから武藤の折り返しを後方から走りこんで来たエヴェルトンがミドルシュート。

・この試合を通じて浦和は相手に前からプレッシャーをかけ続け、対面の選手をハメにハメて自由を与えませんでした。特に柴戸のボール奪取は圧巻。試合後ロティーナ監督は「大いに苦しんだ試合でした。浦和が良いプレスを掛けてきて、われわれは簡単にボールを失ってしまった。浦和がボールを持ったときは良い動かし方をして、われわれは守備に回りました。」と語っていますが、このボヤキは額面通り受け取っていいと思います。

・C大阪はFC東京のように基本的に「相手にボールを持たせる」ことに持ち味があるわけではありません。「もっとボールを持って、自分たちのプレーができると思っていました。サッカーで一番良いディフェンスはボールを持つことです。」とロティーナ監督が語る通りのスタイルなので、この日のC大阪の出来は相当悪かったと見て良いでしょう。前半のC大阪は文字通り何も出来ずにシュートゼロ。

・しかし、出来が良くないといっても簡単に崩れないのが今のC大阪の強み。C大阪は中盤でボールを失っても帰陣が早く、綺麗な4-4-2の守備ブロックを形成して浦和を迎撃。浦和は両SBの攻撃力に多くを期待できないためか、サイドで良い形を作ってもなかなかフィニッシュに結びつけられず、ミドルシュートを交えながら中央から強引にこじ開けようとする場面が目立ちましたが、そのシュートも相手DFにブロックされてしまう場面が多々。90分を通じて攻めていた割にはシュートが9本止まりなのがその例証。

・ロティーナ監督は後半頭からメンデス→豊川、坂元→西川と2枚替え。後半開始早々にショートカウンターからの波状攻撃の好機は柴戸が派手に宇宙開発事業団。

・ロティーナ監督はビルドアップの立ち位置を変えるなど浦和の前ハメを回避すべく手を打ち、さらに奥埜、清武と早めに選手を投入してみましたが、戦況に大きな変化はなし。ただ浦和は大槻監督が「狙っていたことを表現する回数は多かったと思いますが、それを最終的なところにつなげられなかったのが少し残念でした。」と嘆くように、狙い通りに試合を進めながらも決定機が作れずに手詰まり感が強まって行きました。

・山のようにCKをもらっても山中も柏木も不在で、これといったプレースキッカーがいないせいか、これまた決定機にならず。

・浦和はクソ暑い中で運動量を要求するサッカーを展開している以上、前目の選手を順次代えざるを得ません。57分と早めの時間帯での最初の交代で杉本に代わって下げるのが連闘のレオナルドではなく前節出番がなかった武藤だったのには驚きましたが、「中盤に下がって守備をしながらボールを引き出して前方に繋ぐ」タスクをこなす面で武藤と杉本が互換機扱いなのかも。

・そして勝敗の分け目になったのが76分長澤→武田、レオナルド→伊藤の2枚替え。浦和はこの試合引き分けでもグループステージ勝ち抜けの目がそこそこあるので、見るからにヘロヘロの長澤をそれなり守備ができる選手に代えるのが最善手だったでしょうが、残念ながらそのような手駒はなし。逆に攻撃力を強める意味合いが強い武田を投入しましたが、結果的にこれが仇に。

・高い位置でボールを奪い返し、伊藤&武田を中心に人数をかけて攻めに出たもののシュートを撃てずにボールロスト。デサバトに引っかけられ、エヴェルトンが追いすがるも及ばず、清武→西川→豊川ときっちり繋がれ、豊川がGKのニアをぶち抜いて劣勢だったC大阪が先制。C大阪はこれが最初の決定機かも。

・まさかの失点を喫して大槻監督は青木&荻原を投入するも、ボールを繋いで時間を潰せるC大阪相手に何の効果もなし。ゲームがいたずらにオープンになることはなく、何の紛れもないどころか、終了直前にリール移籍が噂される右SH西川にバー直撃のシュートの見せ場を作られてそのまま試合終了。最後は「娯楽性・興業性には乏しいけれども、攻守ともしっかりデザインされたC大阪の強さ」をまざまざと見せつけられてしまいました。

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《総評》

・9割方思い通りの形で進んでいた試合。しかも「最低引き分けでも可」という試合を、「選手を代えれば代えるほど悪くなる」という大槻監督にありがちな形で失ってしまったので、試合後の印象はどうしても悪くなってしまいます。この敗戦をもってしてもなお計算上はグループステージ勝ち抜けの可能性は残っているようですが、そのためには他力本願を重ねに重ねないといけないようで。

・しかしC大阪は1.5軍、浦和は1.7軍くらいの面子で、しかももともとC大阪とは相当地力に差があったことを考えれば、「9割方思い通りの形で進んでいた」ことを最大限高く評価すべき試合なのかもしれません。クソ暑い最中での過密日程で「前プレ」がいつまで続くのかという気もしますが、少なくともメンバーを大きく入れ替えても「前プレ」が機能したのは最大級の「良かった探し」だったかと。

・またこれまでの試合を見ても判るように大槻監督は別に「前プレ」一辺倒ではなく、相手に応じ、かつ局面に応じてリトリート主体と上手く使い分けているように伺えます。よって選手が疲弊しても守備面ではすぐに成す術を失う羽目にはならないような気もします。

・ただ問題は大槻監督も嘆くように、良い形でボールを奪ってもそこからなかなか決定機に結び付けられないこと。フィニッシュへの持って行き方を大槻監督が計画性・組織性をもって巧く仕込めず、何時まで経っても選手個々人のアイデア頼み、即興頼み、阿吽の呼吸頼みになってしまうと選手の身体&頭の疲労と共に手詰まり感が増すばかりじゃないかと。この試合も終わってみれば結局決定機らしい決定機は最初のレオナルドだけだったようなものですし。

・またこの試合については両SBはほぼ守備専業で、なかなか分厚いサイド攻撃を仕掛けられないのにも参りました。特に前半岩武は良いタイミングで右サイド深い位置に進出しながら、そこからのクロスが橋岡初期値並みだった時には膝から崩れ落ちましたが(苦笑)。山中と橋岡の代えがいないことをまざまざと見せつけられたような試合だったといっても良いでしょう。

《戦評》

・惜敗を喫してしまいましたが、ボールハンター柴戸に敢闘賞を上げてもいいでしょう。攻守のバランスを考えればエヴェルトンとのコンビは現状ベストだと思います。

・あと地味に良かったマウリシオ。でも鈴木とベンチ入りを争う立場には変化なしかも。

・武田は残念ながらホロ苦デビュー。ルヴァン杯敗退が決まってしまうと次の出番はなかなか来ないかもしれませんが、右SHで攻撃力のある選手は少ないので再出場の日が来るのを信じてガンバレ!!

Cosaka001

---レオナルド-武藤---
関根--------長澤
---エヴェルトン-柴戸---
宇賀神-岩波-マウリシ-岩武
-----福島-----

(交代)
57分 武藤→杉本
76分 レオナルド→伊藤
76分 長澤→武田
85分 エヴェルトン→青木
85分 宇賀神→荻原

---鈴木--メンデス---
柿谷--------坂元
---ミネイロ--デサバト--
丸橋-瀬古--木本-片山
-----ジンヒョン----

(得点)
82分 豊川

(交代)
5分 木本→ヨニッチ(故障による交代)
HT 坂元→西川
HT メンデス→豊川
62分 ミネイロ→奥埜
69分 柿谷→清武

※写真は試合とは全く関係がありません。

 

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2020.08.02

【DAZN観戦記】20年第8節:浦和 1-1 清水 ~ 勝てないと何も残らない残念な試合内容・・・

《スタメン》

・浦和のスタメンは前節故障した興梠に代えて杉本が入った他、鈴木→デン、柏木→汰木と3枚入れ替え。鉄板のレギュラーだった柴戸が前節に続いてベンチスタートなのは少々意外。

・またベンチに武富が入ったのが目を惹いた他、CBの控えがマウリシオから鈴木に交代。前節スタメンだった柏木がいきなりベンチ外になった他、前節お休みだった長澤も引き続きベンチ外。

・なおDAZNでは「マルティノスと阿部は怪我」との怪情報(?)を伝えていました。

・清水のスタメンは前節と全く同じ。

Shimizu001

《試合展開》

・清水が細かくボールを繋いでボールを保持し、浦和が4-4-2の守備ブロックで耐える時間帯が長い試合展開。浦和は前節と違ってあまり前から相手にプレッシャーをかけず、ほぼリトリート主体に守っていました。

・清水が必要以上にボールを繋ぐ傾向があるせいか、浦和は自陣に押し込まれても中央をしっかり固めてシュートブロック。川崎時代には右SBエウシーニョに再三痛い目に遭いましたが、川崎時代は良いようにボールを繋がれた挙句、ぽっかり空いたところにエウシーニョが突っ込んできたのに対し、今の清水ではわざわざ狭いところにエウシーニョが突っ込んでくるのでたいした脅威にはなりませんでした。

・またSBの裏、特に浦和右サイドの裏を何度も突かれて何本もクロスを入れられてしまいましたが、それも中で弾き返して大過なし。クロス攻撃で危なかったのは39分西澤のクロスが青木に当たって軌道が変わり、ループシュートのような形で西川の頭上を越えてバーを直撃した場面だけだったかも。

・シュートブロックを重ねた結果、山のようにCKを与えてしまいましたが、これまた悉く跳ね返して危なげなし。ゾーンで守る浦和のCK守備って町田とTMをやっていた頃は噴飯ものだったはずですが、いつからこんなに堅固になったのかな?

・たとえどんなに押し込まれ続けていようが相手にたいして決定機を与えることなく、カウンターの好機を作れていれば典型的な今季の浦和の試合だったのですが、問題はそこからのカウンターがほとんどチャンスにならなかったこと。シュートで終わったのは11分のロングカウンターで汰木が長い距離を一人で運び、杉本シュートで終わった1回だけ。しかも宇宙開発事業団。

・カウンターの過程でパスがわずかにずれてフィニッシュで終われないならまだしも、その過程でのボールの失い方が悪く、逆にカウンターを食らってしまう場面も。42分にはカウンターの好機でレオナルドのボールロストを機に逆にカウンターを食らってしまい、アウグスト→金子クロス→ファーの後藤に決定的なヘッドを許す始末(西川が股下のボールを足を閉じてセーブ)。

・芳しくない戦況を受けて、大槻監督は21分に早々とイエローをもらった青木を諦めて後半頭から柴戸投入。後半清水の運動量が落ちたこともあってようやく浦和も反撃開始。

・54分、レオナルド&関根と前から強いプレッシャーをかけて深い位置でスローインゲット。かつ関根の早いスローインからレオナルド→杉本へのパスは一度カットされたものの、こぼれ玉を拾ったレオナルドが巧みにDF陣を交わしてほぼ一人で出来た!! 清水の守備態勢が整わないうちに攻め切った、ある意味浦和らしい得点場面でした。

・後半の清水は運動量が落ちて陣形がスカスカになったせいか、浦和もなんとか落ち着いてボールを回せるようになり、さらに球際でも勝てるようになって形勢逆転。65分と早い時間帯に汰木に代えて荻原を投入したのも一定の効果があり、75分には荻原→レオナルド、80分には深い位置から柴戸→山中と繋いで荻原がフィニッシュとカウンターで何度か好機を作りましたが、それを一つも決められなかったのが終わってみれば敗因に。いや負けてはいないのですが。

・逃げ切り勝ちを狙うなら間違いなく手駒の攻撃陣で最も守備に信頼がおける武藤投入と思うのですが、大槻監督の判断は真逆で追加点を取りにいった模様。81分に関根に代えて投入したのも武藤ではなく、なんと今季初めてベンチ入りした武富でした。

・先制された清水はその後積極的に選手を代えたものの、浦和の守備ブロックの周りでただボールを回しているだけで縦パスがほとんど入らず、当然ながら決定機どころかシュートも撃てず。77分途中投入の中村のクロスが走りこんだカルリーニョスにわずかに合わなかった場面だけでしょうか、可能性があったのは。

・ところが、83分の2枚替えが奏功してなんとかボールが前に進むようになり、86分CKからの流れで同点。デンが弾き返したボールをレオナルドが大きくクリア出来なかったのがケチのつけ初めで中村に拾われ、ボールがタッチを割ると思い込んだのか杉本が中村を最後まで追わず(運悪く杉本が足を攣ったようにも見えますが・・・)、さらに中村のクロスをファーで橋岡が被ってしまい、きっちりヴァウドに合わされるという三重事故みたいな残念極まりない失点でした。

・88分には西川ゴールキックから杉本→レオナルド→武富とシンプルな攻撃を仕掛けましたが、エヴェルトンが四尺玉クラスの大花火!! 90+1分にはエヴェルトンの縦パスを受けて武富がボックス内に侵入してレオナルドに折り返すも、レオナルドのシュートはブロックされてしまいました。

・2トップは明らかにヘロヘロだったにも関わらず、結局武藤も伊藤もお呼びはなく、交代枠を2枚余して試合終了。

Shimizu003

《総評》

・前半は全く良いところなし。後半はかなり持ち直して先制点も取れ、そのまま逃げ切り勝ちしていれば「内容は芳しくないが、粘り強く闘った結果勝ち点3は掴み取った」という今季の浦和にありがちな試合だったと多少前向きに評価できた試合だったと思います。しかし、残念なことに、残念な形で追いつかれてドロー。また追加点を取る好機は何度もあったのにどれ一つとしてモノに出来ず、突き放すチャンスさえ逸したこともあって、この試合には悪い印象しか残りませんでした。

・出来が悪かった前半が無失点で、相対的にマシだった後半で失点したのがなんとも皮肉でしたが、試合内容からすれば引き分けは妥当でしょう。どちらもボトムハーフが相応しいお粗末な試合でしたし。

・「横浜Mの劣化版」と陰口を叩かれる清水相手ですから、ボールを支配されるのはたぶん大槻監督も想定内。むしろ「相手にボールを持たせてカウンターを狙う」のは今季の浦和の得意とするところであり、現在の清水の完成度からすれば組しやすい相手といっても過言はないはず。それにも関わらず、浦和が積極的にゲームを動かすかのように両サイドにドリブラータイプを配して試合に臨んだのが謎。端的にいえば右SHは前節お休みの長澤をスタメン起用しなかったのが不思議でした。

・また前節ベンチスタートで短時間出場に留まった柴戸がまたもベンチスタートで青木を連闘させたのも謎。青木は良いところなく、しかも早い時間帯にイエローをもらってしまったため前半だけで柴戸と交代を余儀なくされましたが、青木の不振&右SHの守備強度不足が相まって、前半何度も浦和右サイドで裏を取られる一因になった気がしました。

・前半の内容がさっぱりワヤだったのは、前述のように「相手にボールを持たせてカウンターを狙う」想定通りの形に持ち込みながらも、そのカウンターの過程で非常にミスが多く、あろうことか逆に清水のカウンターの引き金になってしまったこと。たとえ攻撃面がどんなにクソであろうとも、失点さえしなければ勝機はある。前半の最終ライン、特に両CBの奮戦は賞賛してもいいかと思いますが、前半の守→攻への切り替え局面が酷すぎました。

・後半柴戸投入でなんとか戦局を持ち直し、守備陣の奮闘に応えてレオナルドがほぼ「一人で出来た!!」な形で先制点を上げたところまでは良かったのですが、そこから大槻監督がまたしても迷走。

・大槻監督は逃げ切り勝ちではなく、追加点を取りに行ったのは明らかですが、残念ながらその目論見は叶わず。目論見通り行かなかったことを責めるのはあまりにも結果論すぎるのでここでは差し控えます。ただこの両名の投入はいかにも試運転臭がプンプンするのも確か。そういう試運転はルヴァン杯でやるべきであって、リーグ戦、しかも接戦でやるものではないかと。

・柴戸がベンチスタート&長澤をベンチにも入れない謎のスタメン構成といい、武藤を最後まで投入しない謎の選手交代といい、おそらくルヴァン杯C大阪戦を挟んだ中3日&中2日での3連戦を睨んだ結果なのでしょうが、この3試合でもっとも組みしやすいと思われる清水相手に下手を打って勝てた試合を取りこぼしてしまったとあっては悪印象は免れません。

Shimizu004


《選手評等》

・勝ち点1は得ましたが、悪い印象しか残らない残念な試合だったのでMOMはなし。強いて言えば「ほぼ一人で出来た!!」な先制点を挙げたレオナルド。あるいは前半奮戦した両CBでもいいかも。

・デンが「深い位置で相手に寄せられてボールを取られそうでも取られない」という、なんだか危険極まりない地雷臭プンプンのボールの持ち上がりを再三披露。62分にはデンの持ち上がり&縦パスがいきなり汰木のフィニッシュに繋がりましたが、あれが効果的になれば面白いかも。

・今季リーグ戦初出場の荻原。75分に深い位置から対面の右SB岡崎を翻弄しつつドリブルで運んでレオナルドのフィニッシュに結びつける見せ場を作りましたが、80分のカウンターの好機ではどフリーのレオナルドに渡さずに、角度のないところから無理目のシュートを撃ってしまうなど次第に「俺が俺が」になってしまうなど、次第に自己満足としか思えないプレーも目立ち始めて徐々にブレーキ化。現状ビハインドないし勝ち切りたい局面でしか使いづらい選手だと思いました。それ以上に同サイドで山中と見分けがつきにくいのにも参りましたが(苦笑)。

・「周りが見えている」「周りが使える」という意味では荻原より武富のほうがはるかに使い勝手はよさげでしたが、勝ち点2を犠牲にして得た試運転結果を大槻監督はどう評価するのか楽しみです。

・そして杉本。この試合でも守備に奔走し、カウンターの好機では下がってポスト役になっていたので、何度かあった好機でもシュートに力がなく、またも無得点に終わったとしても及第点と温かい目で見ていましたが、肝心なところで追うのを諦めてしまっては・・・運悪く足を攣っていたのなら仕方ないのですが・・・

・さらにいえば、同じ形で何度もやられる橋岡・・・ この惨状で海外とかおこがましいにも程があるだろ・・・

・カルリーニョスは右WGに転じてからが結構厄介でしたが、そのあんまりなラフプレーの数々に荒木主審がイエローを出さないのには参りました。悪名高き「あ行主審」の復活・・・


---レオナルド-杉本---
汰木--------関根
---青木--エヴェルトン--
山中-槙野--デン-橋岡
-----西川-----

(得点)
54分 レオナルド


(交代)
HT 青木→柴戸
65分 汰木→荻原
81分 関根→武富


西澤--カルリーニョス---金子
-----後藤-----
---竹内--アウグスト--
ファン--立田-ヴァウド-エウシー
-----梅田-----

(得点)
86分 ヴァウド

(交代)
63分 後藤→中村
63分 金子→ティーラシン(ティーラシンがCF、カルリーニョスが右WGへ)
70分 エウシーニョ→岡崎
83分 西澤→川本
83分 アウグスト→鈴木

※写真は試合とは全く関係がありません。

 

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2020.07.27

【DAZN観戦記】20年第7節:横浜FC 0-2 浦和 ~ 何はともあれ13年ぶりの雪辱

《スタメン》

・浦和は岩波→槙野、マウリシオ→鈴木、柴戸→青木、ファブリシオ→柏木、武藤→興梠と計5名入れ替え。CBデンの故障が案外重かったのか、あるいは無理使いを避けたのかは判りませんが、CBを2枚とも替えただけでなく、このところベンチ入りすらなかった槙野&鈴木のコンビに代えたのは驚きました。

・ベンチには荻原が久しぶりに入ったのが目を惹いたくらい。長澤・汰木・岩波は完全休養。途中投入で重宝されていたマルティノスはFC東京戦で良いところがなかったためか、途中投入要員としては伊藤と入れ替えられたのかも。

・横浜Cは田代→袴田、松浦→中村と2枚入れ替えのみ。中村俊輔のスタメン起用は超サプライズでした。

Yokohama002

《試合展開》

・浦和は中盤のサイドアタッカータイプが関根しかおらず、横浜Cは袴田が本職左SBなので、共にフォーメーションを弄ってくるとの観測が試合前には流れまくりましたが、蓋を開けてみればなんのことはない、浦和は柏木が右SHへ入っての4-4-2、横浜Cは3-3-2-2ないし3-1-4-2のいつものフォーメーションでした。

・横浜Cはともかく、浦和は基本形の運用ですら覚束ない有り様ですから、準備期間がほとんど取れない過密日程で奇策を採ることはまずない、採りたくても採れないと思います。

・最後尾から細かくボールを繋ぎ、ボールを持ちたがる横浜Cに対し、浦和は4-4-2、ないし4-4-1-1の守備ブロックでリトリート主体に闘い、カウンターを狙うかも?と思ったのですが、前半の浦和は意外にも柏戦に続いて積極的にボールを前から奪いにいきました。

・ただ何度か高い位置でのボール奪取に成功したにも関わらず、柏戦と違ってそこから決定機どころかフィニッシュに持ち込めなかったのが痛恨事。9分関根がマギーニョから高い位置でボールを奪取しての好機に、レオナルド→興梠→青木とボックス内に入りながらシュートが撃てず、あろうことか青木の横パスは誰に合わずにカウンターの基点になってしまったのには参りました。

・高い位置でのボール奪取からの決定機は結局29分レオナルドが小林の縦パスをセンターライン付近でカットしてのロングシュートだけかも(苦笑)。しかし、浦和の前プレをあっさり交わされて守備で後手後手に回る羽目になる場面にそんなに多くはなく、前プレ自体がまるでダメだった印象は受けませんでした。

・20分西川ゴールキックからレオナルド→興梠→柏木シュートで終わった縦に速いシンプルな攻撃で枠内シュートまでいった場面は「良かった探し」に入れてもいいかも。

・また前半ほぼイーブンというスタッツ以上に浦和が横浜Cの5-3-2の守備ブロックを前にボールを持たされている印象を強く受けました。

・下平監督が試合後「比較的、前からプレスを掛けたときに簡単に蹴ってくる、それをいとわないチームなので、あまり前から行っても損するだけなので、逆に蹴ったボールを回収できればというプランだった」と語っている通り、横浜Cのプレッシャーはきつくない反面、スペースもないので、ボールを持たされると往々にして攻め手がなくなる浦和には難儀でした。

・それでも37分柏木の横パスを受けた山中が枠内ミドル、さらにそのこぼれ玉を拾っての2次攻撃でレオナルドがシュート(小林を直撃)と好機を作り、44分には青木の縦パスから興梠とのパス交換を経てレオナルドに決定機(シュートはブロックされる)とこれまたまるでダメだったわけでもありません。

・横浜Cは主にストロングポイントである左サイドを使ってカウンター主体に反撃。9分のカウンターの場面では、こぼれ玉を拾った松尾がエヴェルトンを振り切ってドリブル突進→中村→斉藤シュート(槙野がプロック)。13分には斉藤が左サイドから単騎カットインからシュート(枠外)。24分には最終ラインから縦パス一本で浦和の前プレを全部無効化して斉藤→手塚に決定機(シュートはサイドネット)。

・35分にはしっかりボールを動かして左サイドからファーへクロスを入れる「浦和殺し」の形がついに実現。山中がクリアし損ねたこぼれ玉からマギーニョに2度決定機。さらに41分にも左サイドからファーのマギーニョヘッドの決定機(西川正面)。

・共にそれなりに好機がありましたが監督が「戦前仕込んでいたであろう形をより実現できていた」という意味では横浜Cにやや分がある感じで前半終了。

Yokohama001

・横浜Cは後半頭から中村に代えて松浦を投入するも、51分自陣深い位置でのエヴェルトンボールロストでヒヤリとしたくらいで、良くも悪くも戦局に変化なし。そしてついにゲームが動いたのがその直後の52分。

・西川のロングフィード→興梠ポスト→レオナルドとのパス交換でセンターサークル付近へ進出した柏木→関根スルーパス→ボックス内からレオナルドが決めて浦和先制! この場面、不可思議なくらいぽっかり空いた横浜Cのバイタルエリアに巧く走りこんだ関根もさることながら、2人に挟まれそうになりながら関根にきっちりパスを出した柏木もお見事。柏木を右SHに起用するとどうしても右サイドの守備強度が下がってしまいますが、これだけで柏木スタメン起用の価値があったというもの。

・その後の浦和は61分腰を強打した(?)興梠に代えて杉本を投入。76分には柏木に代えて武藤を投入して早くも守備固めの様相。先制後も4-4-2でのリトリート主体に切り替えたわけではなく、プレッシャーをかけに行く位置こそ徐々に下がってきたもののプレッシングを継続し、リトリートと上手く使い分け。

・また攻めても66分橋岡縦ポン→レオナルド→杉本→レオナルド(枠外)、77分には山中縦ポン→杉本シュートはバーを直撃と、深い位置から超シンプルな形で決定機を作っており、この辺は狙い通り

・横浜Cは早めの三枚替えを敢行し、途中から左WBに入った武田を中心に左サイドからのクロス攻撃の形も何度も作りましたが、クロス精度が低くてほとんど誰にも合わず。70分のカウンターの好機では途中投入の草野のシュートは宇宙開発など、好機にシュート精度が低くて西川を脅かすには至らず。

・AT直前に大槻監督は柴戸&伊藤を投入し、しかも特に破綻する気配もない4-4-2をわざわざ5-3-2に変えて安全策を採ったつもりなのでしょうが、これが選手間にかえって混乱をもたらしたのか、後ろにやたら人はいるのにマークがずれまくっているという情けない状態に陥ってしまい、92分浦和左サイドから簡単にボールを繋がれて武田に際どいシュートを撃たれる大失態。シュートはわずかに枠を逸れて事なきを得ましたが、これが決まっていれば「伝説のクソ采配」に挙げられていたことは間違いないかと。

・しかし、守りに入ったはずなのに、AT+3分に杉本が相手の緩いバックパスをカットしたところからやたら人数をかけた攻めに転じ、最後は柴戸クロス→エヴェルトンヘッドとなぜかボランチ2枚がボックス内に突入するというとんでもない形で追加点。いやはや意図と結果がこれほど乖離するとは(苦笑)

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《総評》

・蒸し暑い中環境での中3日の3連戦の最後ということもあってか、双方ミスが目立つ試合でしたが、横浜Cがメンバー固定気味なのに対し、浦和は5人ずつ入れ替えながら連戦をこなしたのが奏功してか、球際の争いは概して浦和優勢。シュート精度の差も手伝って、その辺が結果に表れたような気がします。

・ただ「試合展開」でも記したように、「戦前仕込んでいたであろう形をより実現できていた」という観点からはやはり横浜Cに分があった印象は拭えませんでした。横浜Cは予定した通りの攻撃パターンは何度も出来たが、精度だけが足りなかった。それがJ2とJ1の差といってしまえばそれまでですが。

・一方浦和は前プレがそんなに機能していたとは思えなかった反面、シンプルな縦に速い攻めは何度も繰り出せていたので、楽観はできないが悲観するほどでもないといったところでしょうか。

・浦和はFC東京戦、柏戦と複数失点を喫したばかりなので、この試合での完封勝ちは悪くはないのですが、前半と言い、最後の大失態といい、相手のシュート精度の低さに助けられただけのような気がしないでもなく、手放しで喜ぶほどでもないかと。ただ槙野&鈴木のコンビは守るだけなら特段大きな問題はなく、今後はCBも適宜ローテーションすることになりそう。

《選手評等》

・個人的なMOMは先制点を挙げたのみならず、決定機に絡みまくったレオナルド。一方、途中で負傷退場を余儀なくされた興梠は負傷もさることながら終始アシスト役に回っていて自らシュートを撃てないのが気になりました。9分の好機なんて好調時なら巧くシュートコースを作って自分で撃ったような気がします。

・2試合続けて失態を犯した西川でしたが、この試合は横浜Cの枠内シュートが少ないこともあって大過はなく、逆にロングフィードがそのまま決定機に繋がるという西川の良い面も出て若干汚名返上。

・大槻監督の教え子対決という意味で注目された橋岡vs松尾の同サイドでの対決(浦和ユースで松尾が2つ上)は、好機を演出できた回数で数えれば松尾が優勢。というか、使い詰めの橋岡は明らかにヘロヘロで決定的に破綻しなかっただけで良しとするしかなさげ。なおアンカー佐藤も浦和JY→浦和ユース出身ですが、こちらはそのキャリアが古すぎて(宇賀神の一つ下)ほとんど触れられませんでした。

・3連戦×2の6試合で全く、あるいはほとんど出番がなかった阿部・宇賀神・萩原・岩武・武田・武富といった面々はルヴァン杯で出番があるかどうかという立場なのかなぁ?

Yokohama003


---レオナルド-興梠---
関根--------柏木
---青木--エヴェルトン--
山中-槙野--鈴木-橋岡
-----西川-----

(得点)
52分  レオナルド
90+3分 エヴェルトン

(交代)
61分 興梠→杉本
76分 柏木→武藤
87分 関根→柴戸
87分 レオナルド→伊藤


--斉藤光---一美--
--手塚----中村--
松尾---佐藤--マギーニョ
-袴田--小林---星-
-----南------

(交代)
HT 中村→松浦
68分 星→田代
68分 マギーニョ→武田(武田が左WB、松尾が右WBへ)
68分 一美→草野
83分 手塚→皆川

※写真は試合とは全く関係がありません。

 

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2020.07.23

【観戦記】20年第6節:浦和 0-4 柏 ~ やられたらまたやられる。倍やられだ!!

《スタメン》

・浦和は汰木→関根、青木→エヴェルトン、長澤→ファブリシオ、興梠→武藤、杉本→レオナルドと柴戸の相方と前目を総入れ替え。武藤はこれが今季初スタメン。FC東京戦が完敗に終わり、かつ中3日での3連戦なのでありうべき選択だと思いましたが、CBデンが今節も間に合わなかったのは誤算かも。ベンチも岩武が久しぶり、そして伊藤が初のベンチ入りと顔ぶれに変化を付けてきたが、控えは前目の選手だらけでCBの控えゼロというバランスの悪さ・・・

・柏はなんと前節と全く同じ!! 相手に応じてメンバーどころかフォーメーションを代えてくる傾向が強いネルシーニョ監督だけに、これは超意外でした。

Kasiwa002

《試合展開》

・試合開始と共にスタジアムは豪雨に見舞われましたが、そんな中でも序盤の浦和は上々の出来。

・3分岩波のボールカットからいきなりレオナルドへ縦パス→レオナルドがヒールパスで武藤へ繋ぎ、武藤がCB大南を交わしてボックス内に侵入するもシュートは枠外。6分柴戸→武藤→レオナルドのロングカウンターはCB高橋がシュートブロック。8分センターライン手前から柴戸がスルーパス→武藤が裏抜けするもシュートは大南がブロック。14分高い位置でのレオナルドのボール奪取を機に武藤がシュート(枠外)。いずれも浦和らしい縦に速い攻めが出来ています。

・柏は守備時4-5-1というより江坂が前残り気味の4-4-1-1っぽい守備ブロックを敷いていましたが、攻めに転じてCFオルンガへのロングボールを多用したところで、肝心のオルンガがマウリシオ等に封殺されてボールを落ち着けられずに浦和のカウンターを浴び、なかなか守備ブロックを整えきれない印象を受けました。また浦和がFC東京戦とは打って変わってかなり前目からプレッシャーをかけに行ったのも柏の攻撃を無力化するのに一定の効果があったような気も。

・柏の決定機らしい決定機は18分山中の緩い横パスをカットされてカウンターを食らい、オルンガのミドルシュートを許した場面のみ。逆に浦和は珍しく遅攻でビッグチャンスを作り、22分橋岡のスローインから武藤→レオナルド→ファブリシオと右から左へ繋いだものの、ボックス内でフリーだったファブリシオのシュートは中村がセーブ。

・ところが完全に浦和ペースで進んでいた試合をぶち壊したのが32分GK西川のパスミス。岩波とパス交換した後、緩い縦パスを柴戸に出したところをヒシャルジソンにカットされて、ヒシャルジソン自らボックス内に持ち運んでゴール!!

・前節に続いて自らのミスが敗戦に直結してしまったGK西川。クロスに対して被り気味になってしまった前節の失態はともかく、この試合の失態、まるでミシャ初期に起こりがちなミスというのは不思議過ぎました。自陣から細かく丁寧に繋ぐサッカーなんてもう全然やってないのに、なんであそこで繋ごうとしたのでしょうか? 

・先制点を取られたものの、前節FC東京戦とは異なってそのまま成すすべなくあっさり俵を割るような試合展開にはならず、35分には仲間を振り切った橋岡のクロスからの混戦でこぼれ玉を拾ったレオナルドが決定的なシュートを放つものの、ゴールカバーに入っていた大南がブロック!! 45分にはエヴェルトン縦パス→左サイドでレオナルド→ファブリシオと被りながら(笑)カットインした山中がボックス内突入→折り返しを関根シュートという絶好機を作りましたが、ここも中村が好セーブ。そして終わってみればこれが浦和の攻勢の終末点でした。

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・ネルシーニョ監督はイエローカードをもらったヒシャルジソンを前半だけでお役御免として三原を投入。これにより直ちに戦況が一変したわけでもなんでもありませんが、51分浦和お約束の失点場面が再現。浦和右サイドから江坂が逆サイドへ大きく展開→右SB古賀が楽々クロス→ファーでオルンガのループ気味ヘッドが炸裂!! まぁ山中の寄せも甘ければ、ファーで橋岡はボールを見送るだけでオルンガに競ってすらいないというオルンガじゃなくてもやられるだろうという、既視感ありすぎる失点でした。

・2失点目を喫したことで大槻監督はファブリシオに代えて汰木を投入しましたが、残念なながらこの日の汰木は最悪の出来。ファブリシオは特に悪くはなかっただけに、終わってみればこの交代で浦和は傷口を広げた感も。

・そして56分にはまたまたお約束の形で致命的な3点目を取られてしまいました。橋岡がタッチ際でマークを受けて窮屈になっている関根に無理に繋いだのがケチのつけはじめ。関根のボールロストでカウンターを食らい、橋岡のいない浦和右サイドで江坂の縦パスを受けた左SB三丸がどフリーでクロス→ファーで神谷がヘッドで折り返し、仲間が中でどフリーでヘッドで詰めるという、これまた既視感ありすぎる失点でした。別に相手FWの個の力でやられたわけではない、実にロジカルな失点の数々・・・ ネルシーニョ監督からすれば、この浦和殺しの形に持ち込むために、前半単調な攻撃に終始したチームを後半きっちり修正し、慌てずにボールを繋いだということなのでしょう。

・大槻監督は珍しく3枚替えを敢行しましたが、すっかり自陣に引いてコンパクトな布陣というか、中央を固める柏守備陣の周辺でぐるぐるボールを回すだけに終始。興梠と杉本のコンビで良い形を作りかかっても杉本のシュートはいずれも力がなく、78分山中の縦パスをアーク付近で受けた伊藤が興梠からの浮き球折り返しを受けてボックス内突入した場面が惜しかっただけ(シュートは中村正面)。

・浦和は両SBが高い位置を取ってほぼ2バック状態。しかも中央を固める柏守備陣に呼応するかのように人数をかけた浦和攻撃陣も前線で固まっている有り様なので、敵陣は絶えず大渋滞。柏守備陣の網目を広げる工夫が全く感じられず。

・当然カウンターには極めて脆く、74分エヴェルトンへの縦パスを大谷にカットされたところからカウンターを食らって最後は大谷が枠内ミドル。81分岩波がヘッドで縦に繋ごうとしたところをカットされてカウンターを浴びて神谷に決定機。いずれもシュートは西川の正面で事なきを得ましたが、89分最後に投入された長澤へ山中が無理に縦パスを付けたところで長澤がボールロスト→こぼれ玉を拾った神谷がそのまま持ち運んでゴール!! シュートが岩波の足に当たって軌道が変化した不運もありますが、総じて起こり得べくして起こった失点で感慨の沸きようもありませんでした。

・普段の埼スタであれば試合終了と共に野次が怒号が響き渡っていたであろう、いや3失点目でダンマクが片付けられていてもおかしくないお粗末な試合内容でしたが、コロナ禍を受けて幸か不幸か「冷たい拍手」に包まれるしかなかった選手達や監督の心境や如何に。

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《総評》

・DAZNのスタッツだとシュート数は17対10、枠内シュート9対8、CK5対1というDAZNのスタッツを見る限り、「0-4」で終わった試合だとは信じられない数値がずらずらと並んでいます。ただ浦和のシュートは前半に集中しており、スコアの経過通り、そしてスタッツの示す通り尻すぼみの試合内容だったのは否めません。

・そしてその結果が浦和のボール支配率56%。前半はともかく後半は明らかにボールを持たされた格好になり、前節FC東京戦に続いて浦和の負けパターンに嵌まってしまいました。先制点を取られて相手に引かれてしまうとどうにもならず、無理に攻めに出たところでカウンターの餌食になるばかり。

・何より辛いのは浦和の失点が既視感ありありのものだらけなこと。サイドからファーへのクロスには実に弱い。単に放り込んでくるだけでも弱いのにサイドチェンジを交えた後のクロス攻撃に対してはもうメロメロ。相手の監督にしてみればこんなに判りやすい失点パターンを持っているチームなんて組みしやすいでしょうなぁ。

・CBが競り負けた、付き切れなかった、うっかりマークを外してしまったといった個人の問題に還元できる失点ではなく、もう浦和の守備のやり方を完全に見切られてシステマティックにやられているようなので、デンが出ていればどうにかなったという話でもないかと。

・点の取られ方があまりにも悪く、しかも点差も点差なので気分は最悪、ついつい凹みがちになってしまいますが、完敗に終わったFC東京戦に比べれば前半の決定機を決めていれば浦和が快勝した可能性が高かった試合で、その分はマシかなと思います。仙台戦が序盤カウンターから大ピンチの連続で、先制されていればそのまま負けていた可能性が高かった試合だったことのちょうど裏返しで、長いリーグ戦の中での星勘定のつり合いは取れているのかも。

・ただ仙台の失点は共に浦和の強力FW陣の個の力にやられるというほぼ諦めがつくものだったのに対し、浦和の失点は再現性が極めて高く、どんな相手でもやられる可能性があるという意味でより始末が悪い。開幕から似たような失点を繰り返しているのに全然修正できないって、大槻監督の仕込み、大槻監督の練習って何なんだろう?

《選手評等》

・クソすぎる大敗なので、殊勲賞も敢闘賞も無し。強いて言えばスタジアムDJ岩沢さんまさかの体調不良による欠場を受けて急遽選手紹介等をこなす羽目になった朝井さん。それだけに浦和のゴールシーンが無かったのは残念。MOMは文句なくGK中村。まあ浦和のシュートはいずれも中村の正面でシュートコースが甘すぎたのかも知れませんが。

・西川は前節に続いて細かいキックミスも散見されましたが、全試合ずっとスタメンなので心身ともお疲れなのか、あるいは慣れないキャプテンを任されて心労が募っているのか、些かどころかかなり心配です。ルヴァン杯C大阪戦を待たずにGKが代わっても不思議はありません。

・前目の選手&柴戸の相方をがらっと入れ替えて試合に臨みましたが、スタメンに抜擢された選手個々人はよくやっていたと思います。まぁファブリシオ&山中のコンビだとコンビネーションプレーによる崩しなんてなくて(ファブリシオが中へ入りたがる選手なので仕方ない)、強烈な個が代わる代わる現れるだけという気がしましたが、それでも右SHで起用された仙台戦よりはかなりマシ。

・エヴェルトンがいるとボールが前に運べる上に、ボックス近くでの頭数が明らかに増える。関根が右SHに入ると左右の攻撃のバランスが良くなる等々。強いていえば武藤は試合勘がないのか、シュート精度がいつも以上に低かったような。

・ところが、残念過ぎる失点を契機に浦和のパフォーマンスは急激に落ち、あとは選手を代えれば代えるほど悪くなるという、これまた大槻監督にありがちなコースに。途中投入の伊藤はあの決定機を決めていれば一皮むけたのかもしれませんが、そんなに出場機会が多くは巡ってこない選手だからこそその決定機を決めないと次がない。この世界は厳しい。

・クソみたいな失点×4。最初の失点時はともかく、その後も失点の度に拍手しかない、拍手しか出来ないスタジアムの雰囲気というのは個人的にはかなりキツい、かなり無理がありました。毎試合大がかりなビジュアルを整えてくださるスタッフの苦労に対しては最大限労いたいのですが、やむを得ない事情とはいえ強烈な統制下に置かれたスタジアムへはしばらく足が向きそうにありません。


---レオナルド-武藤---
ファブリシオ-------関根
---柴戸--エヴェルトン--
山中-岩波--マウリシオ-橋岡
-----西川-----

(交代)
54分 ファブリシオ→汰木
59分 関根→伊藤
59分 レオナルド→興梠
59分 武藤→杉本
88分 橋岡→長澤(長澤がCH、柴戸が右SBへ)

-----オルンガ-----
仲間---江坂---神谷
---大谷--ヒシャル---
三丸-大南-高橋祐-古賀
-----中村-----

(得点)
32分 ヒシャルジソン
51分 オルンガ
56分 仲間
89分 神谷

(交代)
HT ヒシャルジソン→三原
79分 仲間→瀬川
79分 江坂→山田

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2020.07.19

【DAZN観戦記】20年第5節:FC東京 2-0 浦和 ~ 似たもの同士の闘いはぐうの音も出ない完敗に終わる

《スタメン》

・浦和は前節鹿島戦からレオナルド→杉本、エヴェルトン→青木、デン→マウリシオとスタメン3枚入れ替え。

・デンは今週の練習で別メニューだったという話もあり、大事を取ったものと思われます。デンに代えてマウリシオがベンチからスタメンに繰り上がり、代わりに槙野がベンチ入りしたのが目を惹いただけで、それ以外の面子はスタメン&ベンチトータルで見ると中断明け3試合と変わり映えしませんでした。

・瓦斯は前節故障した田川に代えてレアンドロがスタメン入りした他、A・シルバ→安部、中村→小川とスタメン3枚入れ替え。長谷川監督はG大阪時代からこまめにローテーションをかけてくるタイプなのでスタメンが読みづらいのですが、入れ替えた面子は想定の範囲内。ただ基本フォーメーションは前節の4-4-2ではなく、今季から取り組んでいる4-1-2-3でした。

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---杉本--興梠---
汰木--------長澤
---柴戸--青木---
山中-岩波--マウリシオ-橋岡
-----西川-----

(交代)
HT 汰木→関根
57分 杉本→レオナルド
57分 長澤→マルティノス
68分 橋岡→エヴェルトン(柴戸が右SB、エヴェルトンがCHへ)

Gas005_20200719090201


レアンドロ--永井--オリヴェイラ
--安部----東---
-----橋本-----
小川-森重--渡辺-室屋
-----林------

(得点)
45分 D・オリヴェイラ
66分 アダイウトン

(交代)
61分 永井→アダイウトン
82分 小川→中村(足が攣ったため)
82分 東→A・シルバ
89分 安部→髙萩
89分 D・オリヴェイラ→紺野

《試合展開》

・ボールを持たされると持ち味が出ないチーム同士の闘いらしく、よく言えば共に慎重な戦いぶりで、前半は「一瞬でも隙を見せたら負け」と言わんばかりの睨み合いに終始。共に攻撃に変にリスクをかけないので、ボールを持ったところで共に全く何も起こらないまま時間だけが流れてゆきました。悪く言えば戦前予想通りの塩試合でしたが、とはいえゲームが動くまでは浦和にとっては(F東京にとっても?)そんなに悪い内容ではなかったと思います。

・浦和は全くと言っていいほど前からプレッシャーをかけず、自陣に4-4-2の守備ブロックを形成。F東京は橋岡の裏、ないし橋岡とマウリシオの間を狙っている様子が伺われましたが、18分レアンドロ→オリヴェイラ→小川の細かいパス交換で小川のボックス内侵入を許したくらし。しかも角度がなくてシュートは枠外。

・一方F東京は浦和よりは前から追ってくるものの、浦和の貧弱な攻撃を基本的には4-5-1の守備ブロックで迎撃。浦和はロングボールを多用してシンプルな攻撃を仕掛けるものの、12分岩波が大きく右サイドへ展開→橋岡がボックス内侵入&シュート、23分マウリシオ縦ポン→興梠ポスト→杉本ミドルシュートが形になったくらい。

・浦和得意の左サイド攻撃は17分興梠がアーク付近でボールキープして汰木へ展開→汰木クロス→橋岡ヘッドがあったくらいでしょうか? 41分汰木カットイン&クロス→興梠ヘッドは惜しくもオフサイド。

・決定機らしい決定機はほとんど作れていないとはいえ、仙台戦のように自爆、あるいは攻めきれずにカウンターを食らう場面もなく、このまま前半終了でもなんら問題はなかったのですが、45分に突如ゲームが動きました。

・ノープレッシャーのCB森重が浦和左サイドへ大きく展開→山中は一応右SB室屋に対峙しましたがあっさりクロスを入れられ、しかもその先でGK西川がやや被った格好に。しかも西川がわずかに触ったのが却ってよくなかったのか、橋岡がヘッドでクリアできずにその裏にいたオリヴェイラの胸で押し込まれてしまいました。

・31分に浦和守備陣が右より中央に固まったところでレアンドロから浦和右サイドでぽっかり浮いていた室屋に展開される場面があり(室屋がボールコントロールできずに好機逸)、やられるとしたらこの形な?と思っていたのですが、先制点を取られた場面はその再現といっても良いのかも。

・浦和も失点直後に興梠アーク付近でキープして汰木へ展開→山中クロス→杉本ヘッドと得意の左サイドからの攻撃でようやく決定機を作ったものの、杉本のヘッドはバーのはるか上。終わってみればこの前半終了間際の攻防が勝敗の分かれ目になってしまいました。

・1点ビハインドでの折り返しになってしまったため、大槻監督はいきなり後半頭から汰木→関根の勝負手。ところが投入直後に杉本左サイドへ展開→関根持ち上がってクロス→杉本とワイドな展開で形を作ったくらい(しかもクロスは杉本に合わず)で、その後の関根は全く鳴かず飛ばず。

・さらに大槻監督は57分杉本→レオナルド、長澤→マルティノスと2枚替えを敢行しましたが、結果的にこれが傷口を広げることに。特にスペースのない相手に対してマルティノスを投入したのは謎で、ボールを持ったマルティノスは案の定左SB小川に縦を切られて長考に沈んだ挙句、2人に囲まれてボールロスト=F東京のカウンターの基点になるの繰り返し。

・興梠もこの試合はボールを収められない場面が案外目立ち、しかもフィニッシュには全く絡めず。ボールの収めどころとしては興梠よりは機能していた杉本を下げたのは逆効果だったように見受けられました。そして57分の2枚替えは単に攻守のバランスが悪くなっただけで、ゲームは完全にF東京ペースに。

・大槻監督が選手交代で自ら傷口を広げたのに対し、長谷川監督が放った一手=61分永井に代えて投入されたアダイウトンが大当たり。62分浦和左サイド深い位置でのスローインからオリヴェイラが山中&岩波を蹂躙してボックス内突入→アダイウトンに決定機(ラストパスが速すぎてアダイウトンは合わせきれず)。

・さらに66分センターサークル付近でボールコントロールに失敗した青木にアダイウトンが絡んでそのまま独走。アダイウトンの前に岩波&マウリシオがいたのですが、アダイウトンはあっさり両CBの間をぶち抜いて、そのままゴール。この場面、青木もさることながら決定機阻止でレッドカードを食らう可能性はなかったにも関わらず岩波の寄せがいかにも軽く、またマウリシオの弱点=スピードの無さが露呈した場面でもあり、なんともやるせない失点でした。

・大槻監督はさらに68分橋岡→エヴェルトンと代えて柴戸を右SBに配する奇策を繰り出すもますます傷口は広がるばかり。給水タイム明けの73分にはいきなり森重縦ポン→オリヴェイラがマウリシオに競り勝って背中(笑)でポスト→アダイウトンに決定機(西川がセーブ)。76分には浦和CKからF東京のカウンターが発動し、安部のフィニッシュで終わる場面がありましたが、この決定機もアダイウトンがエヴェルトンから強引にボールを奪ったのが契機。

・浦和は終盤何度も両サイドからクロスを放り込み、CKも随分得ましたが、杉本を下げたがためにターゲットらしいターゲットもいないせいか、悉く瓦斯守備陣に跳ね返されて、決定機らしい決定機は全く作れず。一方長谷川監督は疲労を考慮して終盤4選手を順次入れ替えて楽々逃げ切りに成功。

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《総評》

・たとえ浦和が不調にあえぎ、残留争いに両足までどっぷり浸かっている時でさえ、なぜか必ず最低勝ち点1をくれ、あまつさえ浦和復調の契機さえ与えてくれた心優しいF東京。浦和戦の成績は極端に悪く、特にホーム味スタでは2004年9月23日2ndステージ第6節(1-0)以降勝ちがなかったそうですが、とうとうその不名誉な記録もストップ。

・というか、浦和がF東京に負けるときはこんなものと思えるくらい、終わってみればぐうの音も出ないくらいの完敗でした。まあ、浦和はここまでなぜか勝ち点10も積み上げていますが、試合内容は西川のビッグセーブ連発に救われてスコアレスドローに終わった横浜M戦が一番マシで、勝った3試合はいずれもさほど良い内容とは思えなかっただけに、妥当と言えば妥当な敗戦だたと思います。鹿島戦勝利で「強者の佇まい」なんて掲げていた記事もあったようですが、この試合にはその欠片も見当たりませんでした。

・「試合展開」でも記した通り、先制点を取られるまでの試合内容は仙台戦はもちろん、鹿島戦と比べても悪いとは思いませんでしたが、先制点を取られた後はほぼ一方的な内容であっさり俵を割る格好に。失点直後の決定機を杉本が決めていれば試合展開は全く変わっていたと思いますが、シュートは枠にすら飛んでいなかった以上、事実上「たられば」の土俵にすら乗っていないかと。

・守備重視のチーム同士の一戦ゆえ「両者そんなに多くはないであろう決定機を先に決めた者勝ち」という判りやすい試合展開で、先制点を取られた浦和は終始F東京のカウンターに晒され続けながら、おっかなびっくり、しかも可能性が微塵も感じられない攻撃を繰り返すしかありませんでした。

・DAZNのスタッツだと浦和のボール支配率は54%、パス数は100本以上F東京を上回っていますが、これは浦和がボールを持たせられる羽目になるという典型的な負けパターン。試合後には「年間を通して先制される試合は必ずあるはずなので、その点はこれからの課題ということか?」と少々意地悪な質問が投げかけられていましたが、まさにその通りで、この調子ではいったん先制点を取られたら最後、そのまま試合終了という見どころも何もない試合がしばらく続くかもしれません。

・ビハインドに陥った際に監督に期待したいのはなんと言っても戦術変更であり、選手交代。だが残念ながら大槻監督にそのどちらも多くを期待できないのは昨年実証済みで、出来ることと言えば恫喝、いや一喝くらい。

・この試合で言えば「試合展開」でも記した通り、先制した相手はスペースを与えてくれないと判り切っている局面でのマルティノスの投入が最大の謎でした。しかもそんな局面でSHで多少なりとも可能性を与えてくれそうな替え駒がベンチにいないというありさま。

・中断明けの横浜M戦で関根&マルティノスが終盤の切り札として嵌まって以降、それが定番化していますが、残念ながらその効果は試合を経る毎に薄れているようです。

・先の3連戦を終えた後に大槻監督は「この3試合に出場した選手だけではうまく乗り切れない」と語っていたので、ベンチ入りメンバーに変化があるかと思ったのですが、この試合も結局コンディション不良のデンに代えて槙野が久しぶりにベンチ入りしただけで攻撃陣の顔ぶれは全く変わり映えしませんでしたが、狭い局面でもそれなりにSHに使えそうな武藤・荻原・武田はまたもベンチ入りできず、メンバー構成の時点で既に少し負けていたような気も。

・一方後半途中から登場のアダイウトンは磐田時代から攻撃能力は極めて高いもののスタミナがなく、しかも「非常に癖が強い」という意味でマルティノスと似た感じがプンプンする選手(但しむやみに痛がらない)ですが、長谷川監督はそのアダイウトンを適材適所としか言いようがないタイミング&ポジションに投入し、かつアダイウトンの仕様通りの形で追加点を取ってしまうのだから恐れ入りました。先制点もさることながらベンチワークの差もでかく、まさに完敗でした。

《選手評等》

・正直良いところなく負けた試合だったので、個人的には「敢闘賞」もなし。強いて言えば柴戸。この試合を最後にロストフへ移籍する橋本と比べても遜色ないくらい。でも柴戸&青木のセットだとビハインドに陥った時の攻撃力不足というかアイデア不足が露呈がちなのもまた明白な訳で。

・個人的なMOMは明らかにD・オリヴェイラ。先制点以上に最終ライン近くまで激走して守備に積極的に加わっている様に感服しました。

※写真は試合とは全く関係がありません。

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2020.07.13

【DAZN観戦記】20年第4節:浦和 1-0 鹿島 ~ 超塩試合でも「勝てばよかろう」なのだ!

《スタメン》

・中3日での3連戦の最終戦。浦和は前節から杉本→興梠、ファブリシオ→長澤、柴戸→青木、柏木→エヴェルトンとスタメンを4名入れ替え。エヴェルトンはこれが今季初出場。一方サブは宇賀神→岩武の入替が目立つくらいで、スタメン&サブトータルで見るとこの3連戦であまり大きな変化はなく、槙野・鈴木・阿部といった主力級はこの3連戦で一度もベンチ入り出来ず、武藤の出場機会も僅かでした。この件については「総評」で振り返ります。

・鹿島は前節からエヴェラウド→伊藤、レオシルバ→永木とスタメンを2名入れ替え。サブに今季出番の少ない白崎、杉岡、上田が入ったのが目を惹いた一方、エヴェラウドは哀れにもとうとうベンチ外。

---レオ--興梠---
汰木--------長澤
---エヴェ--青木---
山中-岩波--デン-橋岡
-----西川-----

(得点)
52分 エヴェルトン

(交代)
57分 汰木→関根
57分 興梠→杉本
73分 エヴェルトン→柴戸
88分 レオナルド→マルティノス


---伊藤--アラーノ---
和泉--------染野
---三竿--永木---
永戸-町田--犬飼-広瀬
-----クォンスンテ----

(交代)
57分 染野→白崎
67分 永木→遠藤
67分 伊藤→上田
80分 和泉→荒木
80分 永戸→杉岡


《試合展開》

・なにせ双方ともシュートたった4本という見せ場の少ない超塩試合だったので、試合展開を振り返るのも正直あまり気が進まないのですが、一応ボケ防止を兼ねて備忘録を残しておきます。

・4-4-2同士の闘いでマッチアップしやすいこともあってか、前半は双方ともSHまではボールが入るがFWまでなかなか渡らず、決定機どころかシュートらしいシュートもほとんどない塩試合でした。ボール支配率もほぼイーブン。出来が悪いもの同士の試合という感じと言い換えてもいいでしょう。

・浦和らしい攻撃が見られたのは、12分長澤スローインから興梠経由でスーペスのある左サイドで待つ汰木へ展開して、汰木クロスのこぼれ玉をエヴェルトンシュートで終えた場面と、17分右サイドの橋岡→青木から斜めの楔のパスが最前線の興梠へ→興梠が溜めて後方から山中ミドルくらいでしょうか。あと、38分長澤との壁パスで永戸の裏に抜け出した橋岡のクロスは高精度でしたが、その先のレオナルドがわずかにオフサイド。

・このように浦和は敵味方が密集する右サイドから空いている左サイドへ振って攻める形が何度か見られたものの、共に3連闘でお疲れなのか汰木も山中もキレがなくて決定機に至りませんでした。またCKや好位置でのFKを何度か得ましたが、山中の速いボールはなぜか悉く相手のニアの選手にぶち当たってしまい、決定機どころか相手のカウンターを浴びかかる始末。

・守っては序盤橋岡が対面の左SH和泉に苦戦。10分CB町田から染野へ楔のパス→簡単に叩いて和泉が橋岡の裏を取ってボックス内に突入する場面があり、15分には橋岡が前に出て和泉を潰しに行ったところであっさり交わされ、その尻ぬぐいでエヴェルトンがイエローを貰う場面も。ただ左SB永戸へのケアも兼ねて長澤が必死に右サイドを防戦しているので大過はありませんでした。

・鹿島は途中から染野がFWへ、アラーノが右SHへとポジションを入れ替えたようですが、戦況は良くも悪くも変化なし。

・試合が動いたのは52分、山中FKをファーで岩波が折り返し、中でエヴェルトンが詰めて浦和先制。この試合山中が蹴ったFKで初めて可能性を感じたボールがいきなり先制点の契機に!! もっともこの場面はワンバウンドしたファーで巧く折り返した岩波をより褒めるべきかもしれません。浦和のセットプレーでの得点はこれが今季初。

・またそのFKのもとになった場面、岩波からのロングフィードを受けて汰木が対面の右SB広瀬をぶち抜いてファウルを得た場面も浦和の得意な形が出たもので、今日の数少ない「良かった探し」に入れてもいいでしょう。

・その直後に浦和は汰木→関根、興梠→杉本と当初予定通り交代を繰り出し、鹿島も染野に代えて白崎を投入。さらに67分に鹿島が永木→遠藤、伊藤→上田と代え、上田1トップ、遠藤右SH、三竿アンカーの4-1-4-1へシフトした辺りから鹿島が一方的に浦和を押し込む展開に。

・両SBなり遠藤なりからバンバンクロスを放り込む形は作りましたが、悲しいことにこれがほとんど決定機に結びつかない。最も可能性があったのは76分広瀬クロス→上田ヘッドですが、一応デン&橋岡で挟んでフリーで撃たせてはいないせいかわずかに枠外。まぁ上田は「点を取ること以外はパーフェクト」と評された柳沢の下位互換機なんで(苦笑)。

・というか、鹿島はボールを支配し、クロスを入れまくっても攻撃が実に単調で、守っている側は読みやすかったかも。昨年までのようなボールを回しながらのねちっこい攻め、緩急を付けながら、両サイドに振り回しながら、相手に隙が出来たところでズバッと刺しに来る。そんな場面は全くありませんでした。

・一方、浦和の現状は「相手にボールを持たれたほうが持ち味が出やすい」のは確かなので、横浜M戦で再三見せたように手数をかけないロングカウンターで追加点が取れれば文句なかったのですが、途中投入の杉本は3連闘でヘロヘロなのか下がってボールをキープすることもままらず、関根に至ってはキレがないのに妙に持ちすぎて相手に囲まれるの繰り返しで、全くロングカウンターは形にならず。押し込んだ状態から77分山中→関根→ボックス深く侵入した山中の折り返しがレオナルドに渡る好機があるも、レオナルドはシュートを撃ち切れず。

・鹿島は80分永戸に代えて杉岡投入という勝負手を放ってきましたが、既に永戸対策で長澤が消耗しきっていたことを案じてか、大槻監督は88分なんとレオナルドに代えてマルティノスを投入し、マルティノスをそのままFWではなく、なんと4-5-1に布陣を変えた上で右SHに配する奇策を敢行。杉岡を見ているマルティノスがそのまま杉岡に付いて最終ラインに入ることもありましたが大過はなく、どちらかと言えば敵陣でのボールキープ役として働きながらそのまま試合終了。

・ザーゴ監督は最後CB町田を上げてパワープレーを試みましたが、そこまでボールが渡らないという滑稽さ。ザーゴは負けた時の言い訳が下手なようで、シュートたった4本なのに「後半はほぼわれわれがプレーしていました。ワンサイドゲームの形になっていたと思います。」って(笑)

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《総評》

・悪い意味で「勝ち点差ほどチームの出来に差があるようには見えない」低調な試合でした。まぁシュートたった4本、しかも枠内ゼロに終わった鹿島のリーグ戦4連敗は妥当と思った一方、同じくシュート4本(枠内1)の浦和がなんで勝ち点を10も稼いでいるのかさっぱり判らない(しかも鹿島以上にやりたいことを表現できていなかった)という、低レベルで拮抗していた試合だったと思います。

・もっとも「蒸し暑い中での中3日での3連戦なので、内容を求めるのは無理がある」という意見もあろうかと思います。しかし、鹿島戦の低調な内容は「途中投入を含めると3試合とも出ている選手がやたら多かった」ことが多分に影響したでしょうし、半ばベンチワークが招いた低調な試合だったと言い換えても良いでしょう。

・大槻監督も試合後いみじくも「一番に思っているのが、この3試合に出場した選手だけではうまく乗り切れない、ということです。」と語っており、この3試合で途中交代を含めて3連闘を強いた選手が多すぎたことを認めているようです。GKと両CBはコロコロ代えづらいと思いますが、両SBや柴戸、汰木、興梠、杉本の3連闘はかなり無理があり、交代要員にSBは宇賀神、SHは荻原や武田、CHは阿部、FWは武藤を巧く使えなかったのが残念です。

・難儀なのがCB。3バックから4バックに転換したのでもともとCBは余り気味だったのに、なぜか春に補強したデンがCBとして当たりだったので、昨年のレギュラー格だった槙野や鈴木はベンチにすら入れなくなってしまいました。怪我持ちでもなければCBのローテーションなんて、相手FWによほど特徴がある場合でもなければなかなかやらないでしょうから両者の去就が気になります。

・不思議なのは昨年終盤スタメンを外れることが多かったマウリシオがベンチ槙野や鈴木を差し置いてベンチには入っていること。この辺は岩波やデン同様、マウリシオのフィード能力を大槻監督が評価しているのかもしれません。

・また非常に穿った見方をすれば、槙野・阿部・武藤・宇賀神といったベテラン選手は昨年の森脇同様、別にコンディションが悪いわけでもなんでもないのに出番が激減するコースに入ってしまったのかもしれません。中長期的には致し方ない話ですが、ベテランを外したままで超過密日程をこなすのは甚だ難しいのではないかと。

《選手評等》

・勝ったとはいえ内容ははなはだ低調な試合で、傑出した選手も見出し難かっただけに個人的なMOMを選ぶのは難しいのですが、強いて言えば両チーム唯一の点を取ったエヴェルトンではなく、その元になった山中かな。69分にも高速FKがわずかにレオナルドに合わないという見せ場を作りましたし。

・エヴェルトンは特に出来が良かったわけではありませんが、柏木と交互に出てくる可能性は示せたと思います。もっとも今の浦和の攻撃は汰木&山中のセットに多くを求めすぎていて、CHの展開なり(=柏木)推進なり(=エヴェルトン)にあまり重きを置かない嫌いがありますが・・・

※写真は試合とは全く関係がありません。

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2020.07.09

【DAZN観戦記】20年第3節:仙台 1-2 浦和 ~ 芳しくない試合内容ながらFWの質の差で競り勝つ

《スタメン》

・共に前節から中3日。よってスタメンを大幅に入れ替えても不思議はなかったのですが、浦和のスタメン入れ替えは興梠→レオナルド、長澤→ファブリシオ、青木→柏木の3名のみ。前節酷使された柴戸は案の定連闘(つД`) サブも前節ベンチ外のマウリシオが入った反面、武藤がベンチ外になったのが目を惹いたくらいで、スタメン&サブトータルで見ると、レオナルド・マウリシオIN→青木・武藤OUTといったところ。

・阿部、エヴェルトン、槙野、鈴木といった主力級は中断明け以降ベンチにも入っていませんが、次節中3日で迎える鹿島戦に備えているのでしょうか?

・一方仙台はなんと前節から連続スタメンは関口・椎橋・吉野・小畑のセンターライン4人のみで一気に7人もスタメン入れ替え!!本来主力と思しきCF長沢、WG西村&ジャーメインはおしなべてベンチスタートでした。 ちなみに前回ルヴァン杯で対戦したメンバーでこの試合にスタメン出場したのはなんとCB吉野のみ。

・なおCBシマオ・マテやGKスウォビィクは故障でベンチ外。

---レオ--杉本---
汰木--------ファブ
---柴戸--柏木---
山中-岩波--デン-橋岡
-----西川-----

(得点)
45+1分 レオナルド
83分 興梠 慎三

(交代)
62分 ファブリシオ→マルティノス
62分 柏木→長澤
68分 杉本→興梠
79分 汰木→関根
79分 山中→宇賀神

デゲス---赤崎---山田
--浜崎----関口--
-----椎橋-----
柳--金--吉野--飯尾
-----小畑-----

(得点)
49分 山田

(交代)
HT 浜崎→佐々木
61分 ゲデス→西村
61分 山田→ジャーメイン
73分 赤﨑→長沢
81分 柳→真瀬

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《試合展開》

・長い中断期間中の間に、仙台は基本フォーメーションを前回対戦時の4-4-2から4-1-2-3に大きく変えていて、しかも面子まで大きく弄ってきたので、中3日と時間もない中で大槻監督は仙台対策を立てづらかっただろうと思いますが、前半、特に給水タイムまでの序盤は完全に仙台ペースでした。

・立ち上がり早々に左サイドから汰木クロス→杉本ヘッドという浦和得意パターンでの決定機を掴みましたが、浦和の攻勢は以後給水タイム近くまでほぼ沈黙。

・特に右サイドは前半を通じて攻守ともさっぱり。ファブリシオと橋岡の連携が拙いのか、後方から大外を駆けあがってくる左SB柳にはかなりやられっぱなしで、9分には柳低いクロス→山田で危ない形を作られてしまいました。また左WGゲデスへの監視がいかにも甘く、ゲデスにいとも簡単にロングフィードを許す羽目に。19分にはゲデスからスルーパス→赤崎に決定機(シュートは西川が難なくキャッチ)。

・また序盤仙台が前から厳しくプレッシャーをかけてくるためビルドアップで一苦労。15分にデンが自ら持ち上がろうとしてボールコントロールに失敗してゲデスにカットされ、そのままショートカウンターを浴びた場面がその象徴でしょうか(浜崎のシュートはバーの上)。

・なんとかプレッシャーを回避しても、仙台の4-1-4-1守備ブロック形成が早くて浦和は汰木&山中の千本ノックしか攻め手がなく(それも23分山中クロス→レオナルドが形になった程度)、それどころか攻めきれずにカウンターを食らう場面も散見。10分にゲデスが深い位置から山田へ大きく展開してシュートを撃たれてしまいました(岩波が駆け戻ってブロック)。

・給水タイムを挟んでようやく浦和が安定的にボールを持てるようになりましたが、ただボールを回しているだけで、全く決定機を作れず。

・このまま前半終了かと思われた45+1分、左サイドを深く抉った山中からクロスをボックス内でレオナルドがCB金を抑え込みながらいきなり反転シュートを決めて浦和先制。大柄なFWワシントンは上体でマークに付いているCBを抑え込みながらの反転シュートが得意でしたが、レオナルドはなんと尻で相手を抑え込むという荒業でした!!

・後半も立ち上がりに仙台のミスを突いてカウンター→汰木カットインからシュートという見せ場がありましたが、その直後に浦和定番としか言いようがない既視感ありありの形で失点。前半から浦和の拙いビルドアップを狙い目にしていた仙台の目算通りとも言えますが。

・パスコースを制限されている橋岡が無理やり杉本に縦パスを出して杉本がロスト。そこからカウンターを食らって関口→浦和右サイドから赤崎に簡単にクロスを入れられ、ファーで山田がどフリーでシュートという「またこれかよ」な形で失点。

・カウンターを食らった際に橋岡は行方不明で赤崎の外にゲデスがどフリーになっているのも結構頭が痛いのですが、赤崎のクロスの先には山田しかいないのに山中はずーーーっとボールウォッチャーになっていて山田に気づかないのかも(つД`)

・55分山中クロス→レオナルドヘッド(バーの上)、56分柴戸が高い位置でボール奪取&自らミドルシュート、59分ショートコーナーから山中ミドルと再び浦和に流れを引き戻しかかったところで、60分山中CKからロングカウンターを食らうという、ミシャ時代によく見た「ドリフターズのコント」ばりの珍プレーが発生。

・基点となる関口を2,3人がかりで止められず、パスを出した先のゲデスはデンをあっさり突破。そのまま西川と一対一になりましたが、そこでなぜかゲデスは横パスを選択し、そのパスをなんとか駆け戻った岩波がクリアして事なきを得ました。ゲデスってチャンスメーク専用機でシュートには自信がないタイプなのかな?

・その直後に仙台は山田→ジャーメイン、ゲデス→西村、浦和はファブリシオ→マルティノス、柏木→長澤と当初からの予定通りっぽい選手交代を敢行。65分には汰木→レオナルド→マルティノスと左から右へボールを動かし、マルティノスがボックス内で意表を突くタイミングで巻いたシュートを放つ決定機がありましたが、GK小畑の好守に阻まれました。

・仙台もCKで金がほぼフリーでヘディングシュートを放つ場面が何度かと思いますが(浦和のCK守備は相変わらず怪しげ)、すべて枠外。

・共に決め手を欠く戦況を受けて浦和は79分に汰木→関根、山中→宇賀神と交代。仙台も73分赤﨑→長沢、81分柳→真瀬と代えましたが、その前の入替を含めて選手交代が奏功したのは明らかに浦和でした。

・83分高い位置でボールを奪回した浦和は左サイドから関根がカットイン→ボックス内でレオナルド→興梠と繋ぎ、興梠がCB金を交わして角度の厳しいところからねじ込み、これが決勝点に。金はしっかりマークに付いていたのに反転シュートを許して2失点なので悔しくて寝られないかも(苦笑)。またこの場面、興梠の巧さもさることながら、その前にレオナルドが2人を相手にしながら、シュートフェイントで一人転ばせているのも目を惹きました。

・興梠はこのゴールが浦和でのJ1通算100得点!! 興梠はなぜか仙台戦を得意中の得意としていて、仙台戦15試合出場16ゴール、しかも9年連続ゴールなんだとか。

・一方仙台は途中投入の選手がほとんど機能せず。浦和はとにかくクロス攻撃に弱いので、長身のCF長沢にサイドからバンバン放り込んでくるかと思いきや、そんな様子は見受けられず。CSKAモスクワから出戻りの西村は全く良いところがなく、正直ゲデスと代えたのが勝負を分けた失着と言っても良いくらいでした。

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《総評》

・攻守とも組織が整えられ、チームとしての狙いがプレーにはっきりと表現できていたのは明らかに仙台のほう。仙台は長い中断期間中に基本フォーメーションを大きく弄り、しかも前節からスタメンを7人も入れ替えているのに早くも「誰が出てもそれなりに」というレベルに達しているのには驚愕しました。

・首都圏各クラブと比べて仙台はコロナ禍のダメージが浅くて準備期間が長く取れただろうとはいえ、浦和が天皇杯等でスタメンを大きく入れ替えた時なんて目も当てられない惨状を再三繰り広げていますから、木山監督の手腕は並々ならぬものがあるのでしょう。

・従って序盤に何度もあった決定機を一つでも決めていればそのまま仙台楽勝だったかもしれません。しかし、いくら決定機を作ってもそれを決められるだけの選手がいないのが仙台の宿痾。積極的にボールを前に運べるようになったが如何せんシュートが撃てなかった渡邉監督時代よりはマシな印象を受けましたが、それでも監督が仕込んだことを勝利に結びつけることは難しいようです。シュート数はほぼ互角ですが仙台は枠内シュートが少なく、ブロックされたシュートが多いあたりにアタッカー陣の質の差が表れているように思います。

・一方、浦和は前節横浜M戦とは対照的にボールを持たされる羽目になった時の攻撃の手詰まり感、そしてカウンターを浴びた時のバタバタ感が如実に表れてしまった試合でした。また失点パターンは毎度お馴染みのものだった辺りもこの試合の印象が悪い一因でしょう。

・結局のところ仙台が決定機を外しまくったのに対し、浦和はレオナルド&興梠というJ1屈指のFWの力でなんとか勝ち点3をモノにしましたが、仙台にCBシマオ・マテがいたら反転シュートなんて許してくれなかったかもしれず、その点を含めて選手の質の差で勝ったような試合でした。

・ただ横浜M戦では不振を極めた関根、チアゴに完封されたマルティノスといった途中投入の大駒が2戦目で期待通りの仕事をしてくれたのは明るい材料でしょう。

・なお渡邉監督時代の仙台はあんまりなラフプレーの連続(=ラフプレーを繰り出さないと守れない!)に悩まされ、浦和にしょっちゅう怪我人が出ていましたが、木山監督になってラフプレーが激減したのにも驚きました。この点にも率直に敬意を表したいと思います。

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《選手評等》

・個人的なMOMは決勝点の興梠か、1ゴール1アシストのレオナルドか、甲乙つけがたいところ。

・ただ蒸し暑い環境下で中3日で連闘を強いられたせいか、個人レベルでは前節より出来が悪かった選手が少なくありませんでした。特に前節抜群の働きを見せたデンが自陣でボールロストしたり、ゲデスにいとも簡単に突破されたりとイマイチだったのが気になりました。柴戸も立ち上がりにイエローをもらったのが仇となってか、あるいは単にお疲れなのか、前節ほどは厳しく相手に当たれず。

・また先述のように右SHに入ったファブリシオは攻守ともほとんど機能しておらず、そこをどう手当てするのかが今後の課題になりそうです。大槻監督は山中or汰木の千本ノック攻撃に対してファーから飛び込むことをファブリシオに期待しているのかもしれませんが、現状ではその形がモノになる以上に右サイドの守備が破綻するリスク要因でしかないかと。

・とうとう仙台最古参となった関口は連闘にも関わらず、両チームを通じて走行距離最長という相変わらずの馬車馬ぶりを披露。またサイドアタッカーのイメージが強い選手にも関わらずIHもフツーにこなしており、得点場面にもしっかり絡みました。60分のコントは関口の頑張りが演出したようなものだけに、あれが決まらなかった際には膝から崩れ落ちたかも。

※写真は試合とは全く関係がありません。

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2020.07.05

【DAZN観戦記】20年第2節:浦和 0-0 横浜M ~ 埼スタを染め上げた壮観なビジュアルを背景に上々の再出発

《スタメン》

・町田とのTMで唯一無二の収穫といって差し支えなかったデンがいきなりCBでスタメン起用されたのはともかく、FWレオナルドがベンチにもいなかったのにはとにかく驚愕の一言!! また同TMを回避した青木がスタメン起用されて柴戸とボランチでセットを組み、右SHが関根ではなく長澤を転用したにも少々びっくり。また今季は5人も選手交代できるのにベンチにCBの控えがいないのにも驚きました。

・横浜MはCFエジガル・ジュニオ、MFマルコス・ジュニオールと大駒2枚がベンチスタートとなり、代わりにエリキと天野がスタメンだったのが少々意外だったくらい。また故障中GKパク・イルギュに代わって梶川がスタメン。故障明けのチアゴ・マルチンスも無理をさせず實藤がスタメン。右SBには新加入の小池が入りましたが、松原が前日練習で故障していたことが試合後判明。

《試合展開》

・いつものことながら細かく繋ぎながらボールを支配する横浜Mに対して、浦和は4-4-2で自陣にコンパクトな守備ブロックを敷いて対抗し、ボール奪取後はプレッシャーがきつい鞠の守備網を回避するかのようにロングボールやサイドチェンジを多用して反撃。

・6分青木が右サイドから左SH汰木へ大きく展開→汰木がカットイン&シュートという決定機を作りましたが、これはこの日の浦和の狙いの一つがが早々と表れたもの。また14分には山中CKのこぼれ玉を拾った長澤が際どいミドルシュートも。

・浦和はGKから細かく繋ぐ横浜Mの特性に応じてGKから厳しくプレッシャーをかけ、柴戸を中心に高い位置でボールを奪ってのショートカウンターという狙いも垣間見られましたが、ボールを奪った後の前目の反応、あるいはそこへのパス精度がいかにも練習不足でこの形からの決定機は作れませんでした。

・また、時間の経過と共に浦和は押し込まれがちになり、両SBが裏を取られて際どいクロスを許したり、あるいはCB・SB間への後方からの走り抜けを許しがちになってヒヤヒヤの連続。43分には小池のスルーパスからエリキがボックス内に突入されて西川と一対一になる大ピンチがありましたが、やや角度が厳しくてシュートは枠外。

・45分にはロングカウンターで深い位置から興梠が左のスペースへ大きく展開→汰木が単騎カットイン&シュートも枠外。ただこれも狙い通り。

・ATにCB實藤が故障して、チアゴ投入を余儀なくされるアクシデント。。

・後半に入り、48分にいきなり浦和右サイドで長澤・デンがエリキにをぶち抜かれるピンチがありましたが、ここも西川がセーブ。但し、ここはエリキが自ら撃たずにファーの仲川へパスを出していれば即死でした。

・逆に55分浦和も橋岡のボールカットからのカウンターで橋岡クロス→杉本がどフリーでヘッドの決定機がありましたが、枠を捉えきれず。

・大槻監督は58分という早めの時間帯に長澤→関根、汰木→マルティノスと代えたのはおそらく試合前からの算段どおりだったかと思いますが、残念ながら共に機能せず、浦和が勝ち点1に甘受せざるを得なかった主因に。関根はどういうわけか明らかに精彩を欠き、マルティノスは常に途中投入のチアゴと対峙する羽目になってスピード勝負では全く歯が立たず。66分のロングカウンターで関根が左のマルティノスが大きく展開→マルティノスのクロスがわずかに興梠に合わなかった場面が唯一の見せ場だったかも。

・横浜Mも温存していた大駒2枚(エジカル、マルコス)を投入して一気に勝負に出て、試合は当初オープンな展開になったものの、80分くらいからはほぼ一方的な横浜Mペースになってしまい、浦和は効果的なカウンターを繰り出せずにただ前に蹴りだすだけに。

・81分にはマルティノスのボールロストからカウンターを食らってエリキ→マルコスにボックス内に突っ込まれる大ピンチがあったが、ここも西川がセーブ。

・試合終了間際にも浦和のカウンター攻撃で関根が妙に躊躇したことからボールロスト→逆にカウンターを食らう大ピンチがあったが、ボックス内に突入したエジカルのシュートを辛うじて西川が防いでなんとか勝ち点1を確保。もう味方DFがブラインドになってるわ、ボールがディフレクトしてるわとセーブできたのが不思議なくらいの超ファインセーブでした。

《総評》

・ボールは7割がた横浜Mに支配され、またCK数で3対13と大差を付けられたことに象徴されるように押し込まれる時間帯が長く、西川のビッグセーブに救われた場面はままあったのは否めません。しかし、シュート数は11対12と僅差(枠内2対3?)に留まっており、浦和も狙い通りのチャンスは作れていて一応ちゃんとした試合にはなっていた、第三者から見ても見応えのある試合になっていたと思います。

・内容的にボコボコにされていた昨年の横浜M戦よりは破格の進歩で、すっかり苦手になってしまった横浜M相手のホームゲームで勝ち点1を奪取したのは歴史的快挙といってもいいくらい(志が低すぎる(苦笑))。

・終わってみれば大槻監督のスタメン選考は実に理にかなったものでした。とにかく3列目より前はさぼらずに走れる選手をずらずらっと並べた感じ。特に2トップがあれだけまめに守備に寄与していれば3ラインも間延びせず、次第に最終ラインが深くなってしまったもののコンパクトさはなんとか失われずに済んだように感じました。コンパクトさを維持できているがゆえに、中盤を柴戸や青木が駆けずり回っても大穴を開けずに済んだと言っても良いのかも。

・一方攻撃はロングボール&サイドチェンジを多用し、汰木を軸とした非常にシンプルなものに。これまた超ハイラインで後方にスペースがある横浜M相手の攻め手としてはそれなりに理にかなったもので、実際狙い通りの形で決定機を作れていました。攻守ともやりたいことがはっきりと判る!! 個人的にはそれだけでこの試合は高く評価しています。昨年はそんな試合のなんと少なかったことか(森田美由紀アナ風)

・そして試合以上に感銘を受けたのは埼スタを360度、ロアーどころかアッパーまでしっかり活用して描き切ったビジュアルの数々。特に無観客だからこそできた北側サイドスタンドの稠密すぎるビジュアルは圧巻としか言いようがありません。スタッフの方々には大変な労力がかかったことだろうと思いますが、たとえ無観客であってもなんとかして「浦和のホームの圧力」を演出しようとしたその企画力&努力にはただただ頭が下がるばかり。誠にありがとうございました。

《選手評等》

・個人的なMOMはビッグセーブ連発のGK西川。試合後のインタビューでは壮観過ぎる埼スタのビジュアルを思い出して感極まったのか、思わず涙ぐむ一幕も。

・いきなりスタメンのCBデンもTMで見せたパフォーマンスはフロックではなかったことを証明。TMではどちらかといえばフィード能力が目を惹きましたが、この試合ではカバーリングの巧さで魅せた感じ。このタイプはチアゴの控えとして横浜Mが欲しがるかも。豪州でポステコグルー監督と知己なようですし。

・町田とのTM同様興梠が精彩を欠き、しかもなぜかオフサイドかかりまくりだったのが気になりました。19分ボックス内でGK梶川に後方から倒された場面はどう見てもPK臭かったのですが、西村主審はなぜかノーファウル。今季VARがなくなったのが惜しまれます。

・一方杉本はほぼ守備的FWと化していましたが、あれだけやってくれればもう万々歳。唯一杉本に訪れた55分の決定機はせめて枠に飛ばしてほしかったけれども、あれだけ守備に奔走しているとそれだけで消耗が著しかったのかもしれず、あんまり文句は言えません。

・汰木は求められたタスクを求められた通りにこなしていただけになんとか1点取ってほしかったけれども、シュート精度ががが・・・

・この日のスタメンは「レオナルド外し」に象徴されるように横浜M戦スペシャル的な色彩が多分にあったような気がします。また蒸し暑い中で走り回ることを求めただけあって選手の消耗に酷いでしょうから、中3日の次節アウェー仙台戦では大きくスタメンを弄る可能性は高いと思います。なにせ史上空前の超過密日程。選手のコンディション如何なんて監督・スタッフにしか判らないことだらけでしょうし、今季のスタメン予想は非常に難しく、かつ監督の意図も読みづらくなりそうです。


---杉本--興梠---
汰木--------長澤
---柴戸--青木---
山中-岩波--デン-橋岡
-----西川-----

(交代)

58分 長澤→マルティノス(左SHへ)
58分 汰木→関根(右SHへ)
75分 興梠→武藤
88分 山中→宇賀神


遠藤--エリキ---仲川
-----天野-----
---扇原--喜田---
ティーラトン-畠中-實藤-小池
-----梶川-----

(交代)

45+2分 實藤→チアゴ(故障による交代)
62分 天野→エジガル(エジカルがCF、エリキが左WGへ)
62分 遠藤→マルコス(トップ下へ)
82分 仲川→水沼

 

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2020.07.03

“オシリが浮く”サッカー ~ 土田SDインタビューに関する雑感

・コロナ禍による約4カ月に及ぶ長い長い中断を経て、いよいよ明日J1が再開されます。身近な、日常的なサッカーが戻ってきます。もっとも感染対策の一環として目先2節は完全無観客、その後も観客5000人までといった制限が付き、しばらくはTVorネット観戦を余儀なくされるので「身近な、日常的な」というのはちょっと語弊があり、愛するクラブのパフォーマンスに一喜一憂する日々が帰ってくるというのが正鵠を射ているのかもしれません。

・というわけで、弊ブログも超久しぶりに「浦和レッズに関するチラシの裏の落書き」という本旨に立ち返ってみたいと思います。ちょうど良いタイミングで"Football ZONE web"に轡田氏による土田SDのインタビュー記事が掲載されましたので、まずはその件について書き散らしておきます。なにせ“オシリが浮く”サッカーというパワーワード付きでしたし(笑)

・といっても、土田SD就任当初にぶち上げたお話と大きく変わっている様子はなく、要は

◇3年計画で、1年目の今季はACLへの出場権獲得と得失点差をプラス2ケタにすること、3年目には常に安定して優勝争いをできるチームになり、リーグ制覇することが目標。

◇一貫したコンセプトを策定したい

の2点に尽きようかと思います。そして「一貫したコンセプト」をかみ砕いく中で飛び出したのが「“オシリが浮く”サッカー」というパワーワード。もっとも「スピード感や攻守の切り替えが必要。ボールを奪ったところから一気に数的優位を作って、最短でゴールに迫るプレー。そういうサッカーが、一番オシリが浮くと思うんですよ」ということなのだそうで、これも就任直後の談話から来るイメージとさほど変わったわけではありません。

・さすがインタビューしたのが轡田さんだけあって、土田SDの就任自体がただの「内部人事」であり、また改めて「一貫したコンセプト」を策定しようにも選手補強は変革のシーズンを印象付けるものではなく、そもそも昨季の成績から大槻毅監督の続投に疑問を呈す声も少なからずあったことをちゃんと突っ込んでいます。

・その指摘を受けてか、結果とコンセプトの定着という直ぐには両立しがたい困難なタスクを前に土田SDは「勝った、結果を残した、でも狙いとしているサッカーができていないではダメ。逆に狙いはいいけど結果は出ないとなれば、どちらを取るか。まず1年目はやり続けることを優先して結果をつけていきたい」と述べていて、コンセプトの定着に力点を置くニュアンスを滲ませています。

・まぁ正直個人的には1年目でACLへの出場権獲得なんて画餅も良いところ、これを掲げないと納得しない赤者が少なからずいるので言っているだけだと思っていますし、幸い今年は降格がないのでコンセプトの定着に重きを置くのは妥当だと思います。

・しかし、超過密日程でシーズン中にチーム立て直しの暇が全くないため、序盤戦で負けが混むと早々に優勝どころかACL圏入りも難しいとなると、降格もないのがある意味災いしてチームに早々と消化試合ムードが蔓延しかねません。そんな中で「コンセプトの定着」なんて上手く行くのか些か気になります。

・本来なんとかして相手に勝つ手段としてコンセプトを突き詰めるべきところ、勝利へのモチベーションが薄れゆく中でコンセプトの定着なんで可能なのか? 戦術やコーチング、トレーニング能力もさることながら大槻監督のマネジメント能力が問われる一年になると思います。

 

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