2020.01.09

井澤春輝選手・大城蛍選手・池髙暢希選手の期限付き移籍

・昨日、井澤春輝選手、大城蛍選手・池髙暢希選手がそれぞれ来年も期限付き移籍に出されることが公式発表されました。

・井澤は鹿児島、大城は鳥取、池髙は富山といずれもJ3クラブへのレンタルです。

・井澤は2018年にユースから昇格してすぐに戦術的でも選手育成面でも評価が高いロドリゲス監督を擁する徳島へレンタルに出されるという過去に類例を見ない形でプロ生活のスタートを切りました。しかし、残念ながら井澤は4月の練習試合中に半月板損傷など全治4カ月のけがを負ったのが災いして、開幕戦にベンチ入りしたのみに留まりました。

・翌年も引き続き徳島へレンタルに出されましたが、ロドリゲス監督の要求水準に達しなかったのか、リーグ戦ではベンチにすら入れず、天皇杯2試合の出場に留まりました。そこで今年はカテゴリーを一つ落としてのレンタル継続となったようです。井澤はここでも出場機会が得られないとプロ生活自体が危うくなってしまうので、なんとか奮起してほしいものです。

・大城と池髙は共に昨年のユース卒新人。しかし大城は全く出場機会がなく、池髙も天皇杯に1試合出ただけ(しかも前半だけでお役御免)に留まりました。

・今年はルヴァン杯U-21枠で出場機会を探る道もあったかと思いますが、U-21枠には既に橋岡と荻原がおり、さらに新加入の超有望高卒選手武田もいるので大城や池髙に出場機会があるとは限りません。それよりも他クラブで試合経験を積むのが先決との判断から今般レンタルの運びとなったようです。

・気になるのは3選手共J3クラブへのレンタル移籍だったこと。浦和加入後まもなくレンタルに出される例は数多ありますが、移籍先がいきなりJ3だった例はありません。実績がない選手をいきなり受け入れてくれるほどJ2各クラブに余裕がないのでやむを得ずという後ろ向きな結果なのか、育成目的であればJ3でも何の問題もないという前向きな判断なのか、よく判りませんが。

・また残念ながら浦和は育成目的でのレンタルが成功した例がない(成長したと思われた選手も結局他クラブへ進んでしまう)だけに、今般のレンタル移籍にも一抹どころか万抹の不安しかないのが正直なところ。

・ユース卒でいきなりトップチームで活躍する橋岡のような例は滅多になく、一応トップの試合に絡めた荻原レベルですらコンスタントには出てこないとは現実は厳しいものです。今年はユースからのトップチーム入りはどうやらなさそうですが、全くトップの試合に絡めないレベルの選手を昇格させても誰も幸せにならないので致し方ないと思います(ホームグロウン選手の登録枠に抵触しない限り)。

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2019.12.31

山田直輝選手、湘南ベルマーレへ完全移籍

・本日、山田直輝選手の湘南ベルマーレへの完全移籍が公式発表されました。

・直輝は2015年からなんと3年の長きにわたって湘南へレンタルに出され、2018年にようやく浦和に復帰。しかし、湘南3年目でついにレギュラーポジションを掴んだという実績も虚しく、浦和復帰後の直輝の出番はほとんどなく、2019年7月に再度湘南へレンタルに出されてしまいました。

・同時期にナバウトや茂木の移籍も相次いで公表されましたが、直輝も含めていずれも今後浦和で出番がないと思われる選手を浦和フロントが整理したものと思われます。直輝が再度湘南へレンタルされた際には既に浦和は大槻体制になっていたので、来季大槻監督続投が決まっている以上、浦和の来季のサッカーがどう変わろうとも直輝の浦和帰還の目はほとんどなかったものと推察されます(同じ立場の茂木より完全移籍が決まるのがかなり遅かったのが不思議ですが)。

・仮に浦和の監督が代わっていたとしても、既に29歳で、しかも使い方が非常に難しいというか、監督の色に染まろうとしない選手をあえてレンタルバックするとは思えませんが。

・一方、レンタル時の直輝の出来を評価した湘南は浦和との契約切れを奇貨としてそのまま完全移籍の形で直輝を引き取ったのでしょう。直輝はレンタル直後よりも、むしろ新監督になってからのほうが出番が増えるどころかコンスタントにスタメンで出られるようになったので、もはや湘南への完全移籍に何の迷いもなかったと思います。

・直輝は浦和生まれ、かつジュニアユースからの浦和生え抜きの選手であり、しかもU18高円宮杯優勝という栄光を背負って2009年浦和加入。フィンケ監督から絶大な信頼を寄せられ、ファン・サポーターの人気も高かったのですが、如何せん怪我がちな上に「監督の要求に応じて自分を変えられない」のが仇となって、フィンケ更迭後の浦和では監督がコロコロ代わってもとうとう使い物にならず。

・従って湘南へ3年にわたってレンタルされ、キジェ監督のもとで再生に成功した際に、そのまますっぱりと浦和と縁を切ってしまうのが美しい別れの姿だったと思います。

・ところが2018年に当時の山道強化部長が直輝を呼び戻したことで、直輝と浦和はなんか「行きがかり上、だらだらと付き合っているだけ」みたいな関係に堕してしまいました。この2年間はお互いにとって非常に無駄だったとしか言いようがなく、今般の完全移籍は甚だ遅まきながら浦和・直輝・湘南とも「三方良し」な話、こうあって然るべき話がようやくまとまったと評価すべきでしょう。

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【祝】伊藤涼太郎選手、大分トリニータへの期限付き移籍から復帰

・昨日、大分トリニータへ期限付き移籍していた伊藤涼太郎選手が浦和に復帰することが発表されました。

・伊藤は作陽高校から2016年浦和に加入。2年浦和に在籍したものの出場機会はほとんどなく、2017年途中から水戸へ、そして2019年は大分へとレンタルに出されました。

・伊藤は2018年水戸でMF登録ながらバイアーノの相方として2トップの一角として起用されることが多く、チーム2位の9得点を挙げてプチブレイク。しかも試合を決定づける得点を頻繁に決めている印象を強く受けました。ただコンスタントにスタメン出場しだしたのはリーグ戦後半から。また体力に不安があるのか、スタメンで出ても後半途中で下げられてしまう試合が目立ちました。

・伊藤は水戸でも鉄板のスタメンというほどではないが可能性は十二分に感じられるので、J1で通用するかどうか見極める目的で翌年ステージを一つ上げて様子を見るのは悪くない選択だったと思います。

・ところが残念ながら伊藤はここで壁にぶつかり、大分でのリーグ戦での出場はわずか4試合144分に留まり、専らカップ戦要員になってしまいました。リーグ戦最初の2試合はスタメンだったので片野坂監督も少なからず期待をかけていたものと思われますが、伊藤はそのチャンスを活かせませんでした。

・ほぼ同じ目的で大分へレンタルされたオナイウは大ブレイクしたのがある意味仇となって上位クラブに目を付けられて浦和へは戻らず、プレイクし損ねた伊藤は致し方なく浦和へ帰ってくる。「育成に失敗した選手しかレンタル先から戻ってこない」浦和の置かれた立場の凋落ぶりを象徴する事案になってしまいました。もっともレンタル先で活躍していた選手が浦和に戻ってくるとさっぱりという事案がその前に山ほどあったのですが・・・

・で、残念ながらJ1チームでの経験をほとんど積めなかった伊藤を来季浦和はどうするつもりなのか?伊藤も来年で早やプロ5シーズン目、かつ2月に22歳になり、ルヴァン杯の「21歳以下選手起用の義務付け」枠から外れてしまいます。しかも伊藤のポジションOMFには21歳以下枠に入る荻原や池髙がいるので、ルヴァン杯で監督があえて伊藤を起用する可能性もさほど高くない気がします。

・なにせ来季浦和がやろうとしていることが全く判らないので、何かの拍子、何かの弾みで「大分には合わなかったが浦和には合う!」という可能性もある以上、あまり悲観的な観測ばかり述べるのは自分でもどうかと思いますが、非常に悪く言えば今般のレンタルバックは「選手補強に苦戦している浦和が頭数を揃える意味合いでやむを得ず」に見えて仕方ありません。

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2019.12.29

【祝】レオナルド選手、アルビレックス新潟から完全移籍加入

・先日レオナルド選手のアルビレックス新潟からの完全移籍加入が公表されました。これまた「新聞辞令」の追認です。22歳と若い選手で、移籍金を払っての獲得のようです。

・レオナルドは、昨年28得点を上げたJ2得点王。一昨年はJ3鳥取で24得点を上げてこれまた得点王と順調なステップアップを経ての浦和入りです。鳥取のフェルナンジーニョと代表取締役GMの岡野が発掘した逸材らしく、とにかく金がない鳥取はカニを売りまくって資金を稼ぎ、そのカニの少なからずは赤者が買っていた!という逸話まで付いて、レオナルドが巡り巡って浦和にやってくるのは必然だったのかもしれません(苦笑)。

・また土田SDも記者会見で「FWには結果の残せる選手を獲得したいと思っています。」と語っているので全く的外れな補強でもありません。

・ただダイジェスト動画を見る限り、レオナルドは「ボールさえくれば、ボックス内で決定的な仕事をする選手」であって、独力でDFを何人も剥がして決定的な仕事をする「一人で出来た!!」系のFWではないことは明らかです。ビルドアップに難があって興梠にまで満足にボールが渡らず、致し方なく興梠が下がってきたりする今の浦和において、「ボックス内でボールを受けてナンボ」のレオナルドに何を期待しているのかよく判りません。

・またそもそも来季の浦和は今季と内容をがらっと変えて、「攻守一体となり、途切れなく常にゴールを目指すプレーを選択する」「ボールを奪ったら短時間でフィニッシュまで持っていく」サッカーをやろうとしており、その中でレオナルドをどう使うのかはふたを開けてみないと全く判りません。

・さらに一般論としてJ2で大活躍したけれども、J1ではイマイチだった「J1.5」的なFWも山ほどいるので、その意味でもレオナルドの出来は楽しみでもあり、不安でもあり。浦和は過去J1で実績証明済の外国人選手を取る例こそ数多あれ(それでも期待外れに終わるケース多々!)、J2経験しかない外国人選手を取った例はちょっと記憶にありません。

・ミシャの初年度のように、やろうとしていることはよく判るけれども「原口1トップ」や「坪井右CB」といった明らかに無理があるポジションが散見される場合であれば、獲得した選手の当否は傍目にも判断しやすいのですが、今回のように何をやりたいのかよく判らない状態の場合は、どんな選手が来ても「踊るに踊れない」のが正直なところ。

・レオナルド獲得以前に、杉岡@湘南や原@鳥栖の獲得に失敗する悲報が相次ぎましたが、これらは土田SDが補強ポイントに上げていたFWでもCBでもなく(杉岡は槙野の後任だった可能性はありますが)、これまた謎の動きとしか言いようがなく、「泣くに泣けない」気も。

・やることなすこと謎だらけ。そんなクラブ丸ごと「八甲田山死の彷徨」状態の浦和に進んで身を投じてくれるとは、レオナルド本当にありがとう!!

 

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2019.12.24

オナイウ阿道選手 横浜F・マリノスへ完全移籍

・昨日、オナイウ阿道選手の横浜F・マリノス(以下「横浜M」)への完全移籍が公式発表されました。「新聞辞令」の追認です。

・オナイウは2016年末に千葉から完全移籍で獲得。2017年オナイウの出番はスルガ銀杯含めてわずか7試合。かつすべて後半途中からの出場で、しかもある程度まとまった時間が与えられたのは天皇杯2回戦(盛岡戦)・3回戦(熊本戦)だけに留まりました。そこでオナイウは2018年にはJ2山口へ、さらに2019年はJ1大分へとレンタルに出されることになりました。

・オナイウは95年生まれと浦和の中では若い選手で、しかも千葉でも基本サブでしたから、もともと即戦力期待でなく、将来の大化けに期待しての獲得だったと目されます。ゆえに一年浦和で様子を見てから育成目的で他チームへレンタルというのは既定路線だったと思います。

・そしてレンタルに出された2年間でオナイウは大化け。山口ではその戦術自体がCFオナイウが最前線でボールをキープしてくれることを前提に成り立っているようなもので、オナイウはリーグ戦全42試合に出場し、かつ堂々22ゴール(J2で2位)というケチのつけようがない実績を残しました。

・また大分ではシーズン当初は3-4-2-1のシャドーの一角、藤本移籍後は主に1トップとしてリーグ戦31試合に出場。しかもそのほとんどでスタメン出場で、計10ゴールを叩き出しました。その活躍が森保監督の目を惹いたのか、ベネズエラとの親善試合で日本代表に選出されるオマケまで付いてきました(但し出番なし)。

・2年もレンタルに出した成果を引っ提げてついに浦和帰還!!と誰もが思ったでしょうが、極めて残念なことにその2年の間に浦和はすっかり落ちぶれてしまいました。オナイウを獲った際は「ミシャ式」の中での使い道を考えていたはずですが、肝心のミシャはオナイウが来た年の途中でいなくなり、その後浦和の監督はコロコロ変わって、今や何をやっているのか、今後何をやろうとしているのかさっぱり判らない惨状。挙句の果てに「浦和の責任を負う覚悟はあるのか??」とか訳の分からないことを言い出す始末。

・またオナイウも抜群の実績を誇っているとはいえ、山口の霜田監督然り、大分の片野坂監督然り、戦術面で評価が高い監督のもとでオナイウに合った、オナイウが嵌まる使い方をされているからこそオナイウが生き生きしているのであり、オナイウの個人能力でなんとかしている訳ではなんでもありません。オナイウと相性が良かった藤本が移籍した後、オナイウが全く点を取れなくなっているのはその傍証かと思います。

・ゆえに何をしたいのか、何をやろうとしているのか、自分でもよく判っていない浦和に「一人で出来た!」系でもなんでもないオナイウが戻って来たところで活躍できる可能性は低く、誰も幸せにならないレンタルバックになったことでしょう。

・そこで、これまた戦術がしっかりし、合う合わないの基準が定めやすい横浜Mから声がかかったのは少なくともオナイウ本人には渡りに船だったでしょう。オナイウが横浜Mでいきなりスタメンに定着するかどうかは少々疑問ですが、ACLを控えて選手層を厚くする意図での獲得と目されます。

・オナイウが今年限りで契約切れであれば、オナイウが浦和に帰還する理由は何一つないので話は簡単なのですが、どうもオナイウと浦和の契約が残っていた模様。ところがDAZNマネーを手にした横浜Mが違約金を満額払ったので、金銭面での支障もなくなってしまいました。浦和フロントも可能性は十二分にあるが「一人で出来た!」ではないオナイウを使いこなせる自信がなくなったのか、あるいは「謎の新CF」に絶大な期待を寄せているのか、オナイウの売却で満足したようです。

・オナイウ良し、横浜M良し、浦和もちょっこし良しという「三方良し」な今般の移籍劇。ただ中期的に見れば浦和の「育成目的でのレンタル」はまたしても失敗し、悲しい歴史を積み上げるだけに終わってしまいました。まあチームコンセプトが確立していないチームが、「経験を積ませる」というアバウトな目的で当てずっぽうに選手を送り出しているだけで、しかも選手が戻って来たら浦和のチーム自体がすっかり変わっているという「猿の惑星」もびっくりな有り様ですから、育成目的のレンタルが成功しないのも道理な気がします。

 

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2019.12.22

【雑感】浦和2020シーズンへ向けて ~ 浦和は長い歴史にこそ向き合うべき

・先般の「2020シーズン 浦和レッズ 新強化体制記者会見」に続き、本日「トップチーム2019シーズンの振り返りと2020シーズンに向けて」という作文が浦和フロントから公表されました。それらについて、雑感をまとめておきます。

・「2019シーズンの振り返り」については公式にはとても本音を書けないでしょうから、あまりとやかく言いません。とはいえ「2チーム分に近い戦力を整え」と豪語している割には新戦力はほとんど機能せず、若手も伸びず、その結果ほぼ1チーム分の戦力でリーグ戦とACLを並行して闘う羽目になったことについてどう考えているのか気になります。

・また「最後までチームを十分に機能させることができず、選手の力も十分に引き出すことができませんでした。」「監督が変わる中で、チームの連携構築に時間を要し、チームパフォーマンスが薄まってしまった」って、監督交代自体が失敗だったと認めているような気がしてなりませんが(苦笑)。

・2019シーズンを「『時間をかけ、一貫したチーム戦術のオーガナイズ』ができていないという問題点が浮き彫りになったシーズンでありました。これは今シーズンに限ったことではなく、数年来の課題であり、改善できなかったことにより、チーム、選手個人の成長にも結び付けられませんでした。」と総括し、その反省を踏まえて浦和フロントは「2020シーズンは多くのことに取り組む必要がある中で、『闘う意義の再確認と浸透』と、『チームコンセプトの明確化』を重点にチームづくりを進めて参ります。」と抽象的な方針をぶち上げました。

・「闘う意義の再確認と浸透」に関連して(?)土田SDが頻りに「浦和の責任」というキーワードを強調していますが、こんなどうとでも取れるキーワードは個人的には見なかったことにします(笑)。

・「チームコンセプトの明確化」については記者会見で土田SDがやや具体的に語っていて、「ボールを積極的に奪い、味方のスピードを生かし、ボールをできるだけスピーディーにゴールに運ぶ。ボールを奪ったら短時間でフィニッシュまで持っていく回数を増やしていく、そういったフットボールを目指して参ります。」というもののようです。

・そして、それは今までやって来た「サッカーのような何か」からの大転換なので「これは短時間で成せるものではなく時間をかけ、確実に実行していくため、来シーズンからの3年の計画をつくりました」というのも仕方ない話だと思います。

・しかし、そんな新しいチームコンセプトの確立を3年かけて目指すなら、だれがどう考えてもそのコンセプトに沿った新監督の招聘から始めるのが筋のはず。なんで2019シーズンで失態続きに終わった大槻監督を続投させるかが謎過ぎます。この件については当然ながら記者会見でも盛大に突っ込まれていました。打ち出した方針と、それを受けての具体策が全くかみ合っていないと思います。

・またチームコンセプトを刷新する以上、それに合わない選手の放出(特に体力的にベテランは厳しいと目される)と新戦力への入れ替えが必須のはずですが、「選手の出し入れが、実は簡単ではない状況ではあります。選手の契約年数は、来年にまたがっている選手がほとんどです。」という制約があって(まだまだ続くよ、山道&中村前GMの呪い・・・)、血の入れ替えもままならない様子。これでは初年度の成績が振るわないのは既に自明のような・・・ というか、だから監督も代えられないのかという邪推に帰着するような・・・

・なお浦和フロントは今般「浦和における一貫したコンセプトの不在という課題」をさも「新発見や、エウリカや!!」みたいに語っていますが、残念ながら浦和はかなり昔からその課題を認識し、オフト時代然り、フィンケ時代然り、コンセプトの確立に努めようとしたけれども、残念ながらその都度挫折してきたという悲しい歴史を背負っています。

・この件について、亡くなって久しい森孝慈氏へのインタビュー記事を読み返すと実に感慨深いものがあります。浦和ってほぼ20年前、森氏をGMに招聘した際にも「プロチームとして10年近くになるのにレッズというクラブには積み上げてきた成果というものが全くない。」「いままでのレッズには成長への指針とスタッフの意思統一がなかった。森君に“レッズの憲法”を作ってもらい」という話があったのです。

・従って浦和は「過去コンセプトの確立にチャレンジしながらも失敗を繰り返したのはなぜか?」という、もう一段高い次元での反省がなされない限り、またしても途中で瓦解するだけだと思います。でもそんな長い歴史を踏まえた反省なんて立花社長には無理だろうなぁ・・・

・まもなく新しい年を迎えようかというタイミングで、わざわざ絶望感満載の作文を出していただいた浦和フロントの方々に厚く御礼申し上げます。

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2019.12.19

茂木力也選手、愛媛FCへ完全移籍

・本日、茂木力也選手の愛媛FCへの完全移籍が公表されました。

・茂木は2018年7月にモンテディオ山形からレンタル契約期間の途中という異例の形で浦和に戻って来たにも関わらず、浦和での出場はリーグ戦1試合、天皇杯1試合という非常に寂しい結果に終わりました。茂木のキャリアを毀損するだけに終わった本件に関しては当時の中村GMの罪は大いに糾弾されてしかるべきだと思います。

・その結果茂木は今年7月に愛媛へ期限付き移籍となり、さらに今般浦和との契約切れに伴い、そのまま愛媛に完全移籍したものと目されます。まだ23歳と若いものの、浦和ではベンチ入りすらままならない扱いでしたから愛媛からレンタルバックされる可能性は高くないと思っていましたが、案の定という結果になってしまいました。

・茂木は愛媛へレンタルされるや否や、すぐに3バックの右ストッパーとしてレギュラーに定着。基本フォーメーション3-4-2-1の右ストッパーは山形在籍時でもこなしていたポジションなので、馴染むのは早かったのでしょう。浦和で唯一リーグ戦出場を果たした湘南戦でオリヴェイラ監督に「いろいろなポジションでプレーできる選手なんですけど、できる中では一番向いていないセンターバック」と評されてしまいましたが、J2中下位レベルなら他に替えが効かないレベルだということなのかもしれません。

・浦和ユース出身にも関わらず、とうとう浦和トップチームに定着することはできませんでしたが、幸い愛媛での活躍が認められてプロとしてのキャリアの地歩固めには成功したようです。プロの選手は必要とされるチームにいてこそナンボ。ユースから続く浦和との縁は切れてしまいますが、茂木のプロとしてのキャリア形成のためには良い移籍になると思います。

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2019.12.04

森脇良太選手、契約満了

・昨日、森脇良太選手との契約満了が公表されました。岩舘選手同様最終節を待たずに早々と契約満了が公表されるという、これまでの浦和では珍しい例です。

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・森脇は2013年に広島から完全移籍(しかも契約満了なので移籍金ゼロ)で浦和に加入。2012年から浦和を率いているペトロヴィッチ監督の要望を受けての補強なのは間違いないでしょう。3バックの右CBを務めていた坪井は「ミシャ式」のCBとしては明らかに攻撃面で難があったので、森脇の補強は至極妥当でした。

・広島で既に「ミシャ式」に慣れ親しんでいる森脇は加入してすぐに坪井からスタメンを奪取し、以降ミシャが浦和を去る2017年夏まで鉄板のレギュラーであり続けました。まさに「ミシャ式の申し子」です。

・森脇はストッパーとしてみればスピードが無く、また齊藤学のような細かいドリブルを仕掛けてくるようなFW/WGには滅法弱く、さらにクロスボールに対してしょっちゅうボールウォッチャーになってしまう等々難点がありました。しかし、森脇には高精度のクロス、ボランチ的な位置に入ってのゲームの組み立て、突然カットインからのミドルシュート等々欠点を補って余りある攻撃面での長所が多々ありました。特にどういうわけか試合終盤の得点が多く、得点数の割には妙に印象に残る選手でした。

・また森脇はプレーぶり以上にキャラクターが面白すぎて印象に残る選手でした。本人が意識してウケを狙いに行くとほぼ間違いなくスベる。しかも面白くないのに話が長い!! でも意識しないでやっていることがことごとく面白いという典型的な「天然ボケ」。だいたい浦和にやって来たらいきなり車が大雪で埋もれて身動きが取れず、チームメイトや近所の方に助けてもらうって、そんなツカミ一発をかます選手はおらんだろ!!

・また森脇はなぜか相手、特に外国人選手を妙に苛立たせるという特殊能力を持っていました。2013年のアウェー鹿島戦でダヴィを退場に追い込んだのがその真骨頂。2017年ACL上海上港戦ではオスカルを挑発したように受け止められてひと悶着。しかし、この特殊能力は同年小笠原@鹿島と「言った言わない」に過ぎない言い争いの末に、なぜか2試合の出場停止を食らって以降封印されたようです。

・しかし、ミシャ更迭と共に森脇の出場機会は減ってゆきました。2017年堀式4バックでは使い道がありませんでしたし(やむなく右SBに遠藤が転用されるくらい、SBとしても評価されず)、2018年はそもそも故障がちで出番が激減してしまいました。怪我が癒えた今年もオリヴェイラ式3バックでは純粋なストッパーとしての性能が問われて森脇には苦しいかと思われましたが、意外にもシーズン序盤は岩波や新加入の鈴木を抑えて右CBに重用され、橋岡故障後は右WBで引き続きスタメンの座を確保し続けました。

・森脇の運命が暗転したのは大槻監督就任以降。大槻監督が「ちょいミシャ」をやりだしたので森脇には好都合と思われましたが、大槻監督は世代交代を強く意識したのか右CBには岩波、右WBには故障が癒えた橋岡を重用して森脇の出番はほとんどないどころか、故障でもないのにベンチにすら入れなくない試合も目立つようになりました。

・森脇も既に33歳。先日のFC東京戦を見てもスキル的にはまだまだ十分やれそうですが、体力的に90分持たなくなっているのもまた事実。来年はACLがないのでA契約選手を2名減らす必要があり、出番の激減しているベテランの森脇が削減のターゲットになったものと目されます。「もう少しだけ僕自身、浦和レッズでプレーできると信じ、まだまだやるべきことはあると思っていましたが」という森脇の言葉を額面通り受け取れば森脇は契約延長を望んでおり、出場機会を求めて進んで浦和を出たわけではなさそうです。厳しい世界です。

・スタメンとしては難しくも右WB/CBの控えとしては十分活躍が見込まれるレベルの選手であり、特に右WB橋岡はいつ海外へ流出しても不思議はない状況なので、森脇退団は残念でなりません。またプレーはもちろんのこと、チーム随一の「いじられ役」として愛された森脇がいなくなるのは寂しい限りです。

・7年間ありがとうございました。

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2019.12.02

岩舘直選手、契約満了

・先日(11/28)、岩舘直選手との契約満了が公表されました。

・まだ最終節を終えていないどころか12月にもなっておらず、しかも選手が現役引退を表明したわけでもないのに早々と契約満了が公表された例は浦和では珍しいように思います。次の契約先が決まってから契約満了が公表される例が多い浦和でも、行き先未定の時点で契約満了が公表される場合もあるにはあるんですが、こんなに公表が早いのは異例でしょう。

・岩舘は2014年6月に水戸から期限付き移籍(2016年に完全移籍)の形で加入。同年西川の加入で完全に出番を失った山岸が山形へ移籍したため、その穴を埋める目的での獲得と目されます。

・ただ半ば予想されたことですが、岩舘の立場は最初から最後まで第3GK。正GKはずっと西川。第2GKは2014年加藤→2015~16大谷→2017~18榎本→2019福島とコロコロ入れ替わりましたが、岩舘がベンチ入りがせいぜいで公式戦で浦和のGKとしてピッチに立つ場はついに訪れませんでした。

・加藤や榎本はJ1で実績十分で岩舘とはかなり実力差があると思われるので、強いて言えば大谷が北九州で経験を積んで浦和に戻って来た2015年に岩舘が大怪我をしてしまったのが運命の分岐点だったかもしれません。

・如何せん試合に出ていない選手なので岩舘について語る材料は何もありません。寮ではるかに年下の関根と絡んでいる話が漏れ伝わってくるくらいで。

・何事もなければ一年を通じてまず試合に出ることはない第3GK。でも不意の怪我が多いポジションであり、普段の練習を円滑いこなす意味合いからも絶対に必要な第3GK。ユースとか高卒のGKなら修業の一つと割り切って黙々と修練を積めるのかもしれませんが、5年半もの長きに渡ってそんな難しい立場にあって、とうとう31歳になってしまった岩舘の心境は察するに余りあります。ともあれ、ありがとうございました。

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