2021.10.17

【観戦記】21年第32節:浦和 1-1 G大阪 ~ 何なんだろうな、この凄まじいもやもや感・・・

 浦和はアホほどあった決定機を一つも決められず、大詰めになってお互いPKを一つずつ決めて試合終了。大量得点で勝って然るべき試合を辛勝どころかドローで終わってしまうようでは浦和もまだまだですなぁ・・・

《スタメン》

・とにかく浦和はユンカーがベンチ外だったのが衝撃的すぎました!!! 試合後の会見によれば「内転筋周りに少し違和感があり、全力でプレーできる状態ではありません」とのこと。

・また今月に入って絶不調の小泉もベンチスタートとなり、結局浦和はユンカー→山中、小泉→汰木、敦樹→平野、西→酒井、彩艶→西川とルヴァン杯第2戦からスタメンを5名入れ替え。

・なお試合前の記者会見で長らく戦列を離れている興梠・阿部・デンについて「阿部と慎三は練習はできていますが(中略)慎三は膝、阿部は足に少し問題があり」「(デンは)U-24オーストラリア代表の活動の後に、以前抱えていたグロインペインの痛みが出てきたという状況」との説明がありました。

・G大阪はルヴァン杯が無くて日程スカスカなのに、こちらも前節札幌戦からパトリック→白井、チュゼジョン→山本、奥野→倉田、キム・ヨングォン→佐藤、柳澤→高尾とスタメンを5名入れ替え。韓国代表招集でイラン遠征帰りのヨングォンはともかくパトリックがベンチスタートだったのが謎。FW白井はこれがJ1リーグ戦初出場。

・CB三浦、CB昌子、FW小野、FWレアンドロ・ペレイラ、FWチアゴ・アウベスは故障中との報も。

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《試合展開》

・ユンカーまさかの欠場を受けて、浦和は江坂ではなく明本を最前線に出した事実上のゼロトップ。一方4バック&3バック併用のG大阪はスタメンまで大きく代えてきたので布陣が見ものでしたが、蓋を開けてみればどう見てもごく普通の4-4-2。

・そしてこの4-4-2がびっくりするくらい攻守に渡って全く機能しませんでした。前回アウェーでの対戦時は猛然と前からプレスをかけて来て浦和は自陣で我慢する時間帯が長く続きましたが、今回はそんな様子は微塵もなし。かといって自陣でタイトな守備ブロックを構築する訳でもなく、「漫然と前に出て、ボールを奪えないのでやむなくズルズルと下がる」ような感じに。

・従って浦和は早々とG大阪を自陣に押し込んで最初の給水タイムまでほぼハーフコートゲーム状態に。そしてこの時間帯に大活躍したのが久しぶりのリーグ戦出場となった山中。

・8分山中スルーパス→江坂が裏抜けに成功するもマイナスの折り返しはわずかに明本に合わず。9分江坂スルーパス→汰木の折り返しを明本に通ったもののシュートはバーの上。12分岩波サイドチェンジ→山中どフリーでアーリークロス→関根ヘッドも枠外。14分平野が大きく展開→高い位置でどフリーで受けた山中の無回転ミドルシュートが鋭く曲がり落ちながらゴールマウスを襲うも東口がなんとか対応。15分酒井が前方に突進してクロス→汰木が合わせるもバーの上。16分左サイドでのパス交換から裏抜けに成功した山中の折り返しを明本に通るもシュートはまたまたバーの上。

・このように浦和は山中を軸に主に左サイドからスルーパスあり、得意のクロスありと決定機を量産しましたが、これを一つも決められなかったのがこの試合の敗因に(いや負けてはないのですが心理的にはほぼ負けと同程度のダメージ)。

・給水タイムを挟んでやや試合が落ち着いてきたところで不運にも明本が故障し、リカはやむなく35分小泉を投入。そして45分カウンターから関根→江坂の決定機を掴みましたが、シュートは東口がセーブ。前半のG大阪は盛んに高尾が前方に進出し、シウバや宇佐美がなんとか個人で打開を図ろうとしているだけで全く何も出来ない一方、浦和は山のように決定機を掴みながらもとにかく1点が遠いというもどかしい状態で前半終了。

・後半頭からG大阪はパトリックを投入し、52分左サイドからシウバがゴリゴリと浦和守備陣を割って進んで宇佐美ミドルという、良くも悪くもG大阪らしい個人能力任せの攻撃でようやく浦和ゴールを脅かしたものの、浦和優勢の趨勢は変わらず。

・55分平野が珍しくドリブルで仕掛けてボックス内突入&シュートを放つも惜しくも枠外。60分関根のスルーパスから汰木が裏抜けに成功するも、シュートをものの見事に東口にぶつけてしまってゴールならず。

・リカは70分に柴戸→敦樹、山中→西、78分に関根→達也、汰木→大久保と相次いで選手を代えたもののいずれも奏功したとは言い難い状況に。G大阪は70分福田投入を契機に個人技全開で決定機を掴み始め、82分にはゴール正面から宇佐美がミドルシュート、84分には左から切れ込んだ福田がミドルシュートと良い形を作りましたが、いずれも決まらず。

・86分小泉縦パス→ボックス内での江坂シュートも相手に簡単にブロックされ、スコアレスドローの空気が流れ始めたところで清水主審がやおらVARと交信。なんとシュートブロックした菅沼が不自然に上方へ上げた手に当たっていてハンド=PKの判定。江坂ですら全くハンドのアピールをしてなかっただけにこれにはびっくり。江坂自らPKを決めてようやく浦和が先制。

・これで「大量得点はならなかったが勝ち点3ゲットで最小限のタスクは果たした」と安心していたら、今後はG大阪のアバウトすぎる反撃を受けてゴール前に突進してきたパトリックに対応した岩波がボックス内でハンドを犯してしまう失態。こちらもPKをパトリック自ら決めてあっという間に同点に。このドタバタ劇も試合後のダメージをいやますことに。これならただのスコアレスドローだったほうが心理的にはマシだったかも・・・

・浦和は最後まで諦めず、90+6分には小泉ミドルシュートで東口を脅かし、90+7分には西のシュートのこぼれ球に達也が反応してシュートを放つものの、最後の最後まで東口の壁を破れず試合終了。

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《総評》

・ほとんど守備が体をなしてないチームに対して当然のようにアホほど決定機を作ったけれども、試合も大詰めになって儲けもののようなPKを一つ得ただけ。しかもそれを守り切って勝ち点3ゲットという最低限のタスクさえ果たせず。もはや「内容より結果が大事」という意味ではカップ戦と同じ状況になっているリーグ戦終盤で、カップ戦に続いてリーグ戦でも決めるべきところを決められず、結果は出ませんでした。

・同日の試合で神戸が福岡の堅守に苦しみながらも、86分ドウグラスの一発でなんとか勝ち点3を掴んだのとは対照的。フィニッシャーらしいフィニッシャーがいるチームといないチームとの残酷なまでの差がリーグ戦終盤になって顕わに。残り6試合で3位神戸との勝ち点差は5と広がり、得失点差で大差を付けられていることを勘案すると浦和のACL圏入りは厳しくなってきました。

・内容は芳しくなかったのに勝った試合も数多あるので「長いリーグ戦ではこんな日もある」と割り切るべきなのかもしれません。むしろ相手はどんなに試合内容が乏しかろうとも「かいしんのいちげき」があるチームなので、負けなかっただけマシなのかもしれません。ただそれでは上位に行くのは難しい。

・ボールは回るけれども、決定機が作れない。シュート数一桁で試合終了なんて当たり前という今季序盤よりは決定機はアホほど作れているので、リカが「やれていたこと、チームで戦えていたこと、そういうことはすごく良かった部分ですので、継続していくことが大事」と総括するのも頷けます。でもルヴァン杯に続いてこの試合でも優勢な時間帯に点が取れませんでした。

・ユンカー加入以前の浦和で顕著だったように、浦和の2列目ってほんと決定力が低い。決定力は江坂が最もマシだけれども、ゼロトップシステムゆえ江坂は往々にして中盤まで下がってきてしまう。明本はある程度競り合いに強くて最前線でボールキープはしてくれるけれども、点取り屋ではない。汰木や関根、達也のシュートは枠に飛ばない。あるいはGKを直撃。小泉に至ってはシュートという選択肢が無いに等しい。これが「J2オールスターズ」の限界なのかもしれません。

・ユンカーがいたらG大阪をボコボコに出来たかもしれませんが、厄介なことにユンカーがいたらいたでやるサッカーが変わってしまうのが今の浦和の泣きどころ。明らかに前プレの強度は落ちますし、最前線でのボールキープが得意な訳でもないので、そもそもボールの巡りが悪くなっていた可能性すらあります。

・ACL圏入りが難しくなってきたところで西野TDは来季どういう構想を立てているかなぁ? この試合を見ると得点が期待出来るSHとか、そもそも頭数が足りなくなっているFWとか・・・

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《選手評等》

・故障が案外長引いてリーグ戦での出場は久しぶりの山中でしたが、前半は浦和在籍後最良の出来と評して良いでしょう。70分に交代させられたのはまだ90分出られるだけのコンディションではないのかも。でも明本が故障してしまったので、今後左SBでスタメン出場する機会がぐっと増えるのは間違いないでしょう。スタメンの座奪回の機会がついに巡ってきました。

・平野は単なる後方でのパス出し小僧ではなく、前に出て点に絡む気欲が沸いてきたようで一皮むけたかな。本人も「アシストだったり、点を取るという能力は自分はまだまだ課題」と思っているようですし。守備が弱いのはどうにもならないかもしれませんが、守備まで出来るようになったら即刻欧州行きでしょうし。

・ショルツが自ら持ち上がって、相手の2トップどころか2列目すら剥がしてしまうのはシンザンばりの「鉈の切れ味」でした。または「モーゼの海割れ」。あれをなんとか活かしたいなあ。

・小泉は持ちすぎた挙句に囲まれて潰されるのを気に病んだのか、早めにボールを離すようになってたけど、それはそれで自らのリズムを崩すようでパスがしょっちゅうズレていたような。小泉の脱皮には時間かかりそう。

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-----明本-----
汰木---江坂---関根
---柴戸--平野---
山中-ショルツ--岩波-酒井
-----西川-----

(得点)
90+1分 江坂(PK)

(交代)
35分 明本→小泉(故障による交代)
70分 柴戸→伊藤敦
70分 山中→西
78分 関根→田中
78分 汰木→大久保

--宇佐美--白井---
シウバ--------倉田
---山本--井手口--
藤春-佐藤--菅沼-高尾
-----東口-----

(交代)
90+4分 パトリック(PK)

(交代)
HT 白井→パトリック
62分 倉田→小野瀬
70分 シウバ→福田
70分 髙尾→柳澤
84分 山本→奥野

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2021.10.11

【TV観戦記】21年ル杯準決勝第2戦:C大阪 1-0(計2-1) 浦和 ~ あえて茨の道を進んで一歩届かず

 第1戦、第2戦とも結局あまり良いところなく準決勝勝ち抜けならず。ただ神戸戦大敗を契機にルヴァン杯で試行錯誤した結果という節もあり、この敗戦がACL圏入りないし天皇杯優勝というより大きな結果に繋がればそれで良いと思います。

《スタメン》

・浦和は第1戦から山中→明本、槙野→岩波、平野→柴戸、大久保→関根、汰木→小泉とスタメン5名入れ替え。

・リカはこの試合前の記者会見で第1戦のスタメン大幅入れ替えについて「11人、12人でシーズンの残りを戦うことはできません。より多くの選手に準備させるためにも先発メンバーを入れ替えました。」と語っており、第1戦では少し違和感を抱えていたとリカが明言していた柴戸以外は、最初から第2戦でこの面子の入れ替えを予定していたものと思われます。

・C大阪は第1戦と全く同じスタメン。但し、故障明けの清武がベンチ入り。

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《試合展開》

・試合開始当初は双方テンション高いプレッシャーの掛け合いの様相を呈しましたが、10月なのに30度近い気温下では無理があったと見えて、C大阪は第1戦後半ほど前からプレスはかけられず、基本的に高めの位置に4-4-2の守備ブロックを敷く構えに移行。ただメリハリをつけて一気にプレスをかけてきた時の強度は高くて厄介でした。特に球離れの悪い小泉がボールの狩りどころとして狙われている感じがありあり。

・よって浦和はボールを保持している時間こそ長いものの、小泉が機能しない上に平野不在が祟ってか縦パスがなかなか入らず、サイドにボールを運んでは詰まって後ろへ戻す展開が多く、少なくとも1点を取らないといけない立場としては苦しい試合の入りになってしまいました。

・それでも給水タイムを挟んで27分小泉の横バス→アーク付近からの敦樹ミドルシュートが枠内を急襲!! 31分関根→小泉→江坂とボックス周辺で右から左へ繋ぎ、江坂の折り返しを敦樹が再度ミドルを放つものの、DFがブロックして枠外へ。そこで得たCKから明本がミドルシュートを放つもGK正面。

・45分敦樹のサイドチェンジから西クロスと左サイドからファーへのクロスの形も何度か出来ており、滅茶苦茶悪い内容ではないが相手を崩しきれずに前半終了。C大阪も4分に原川CK→山田ヘッドが惜しかったくらいで浦和以上に点が入る感じはしませんでしたが、こちらはスコアレスドローで終わっても良い立場なので、前半はややC大阪ペースだったと評価していいでしょう。

・後半に入ると再びC大阪が強く前プレを仕掛けてきて、試合はややオープンな展開に。49分明本スルーパス→ユンカーの決定機は惜しくもサイドネット。

・53分奥埜→左サイドから丸橋クロス→加藤のシュートはいったん彩艶が弾いたものの、こぼれ玉を拾った加藤が角度のないところから彩艶を弾き飛ばすかのようにねじ込んでC大阪が先制。彩艶は最初のシュートこそ上手く防ぎましたが、2発目は態勢を立て直していただけにシュートの勢いに抗しきれずにセーブし損ねたのはかなり残念。その下でまな板の上の鯉のようにバタバタしているだけの岩波はさらに残念。

・幸か不幸かC大阪に先制されたところで浦和は致命的な打撃を被ったわけではなく、1点を取ればゲームは振り出しに戻るだけの話なので落ち着いて試合を進めればいいはずですが、先制された直後の浦和の守備はなぜか急激に不安定になり、58分原川にミドルシュートを撃たれたり、60分坂元クロス→ファーで加藤がどフリーでシュートとヒヤヒヤの連続。

・リカは62分不振の小泉をとうとう諦めて山中を投入し、明本&ユンカーの2トップへ変更。これは一定の効果があり、明本が高い位置でボールを受けてユンカーをサポートし、左右からも可能性が感じられるクロスが入るようになり始めました。

・さらに72分関根→達也、西→平野と代えて攻勢を強め、74分山中が左サイドからクロス→明本が頭で落とし、平野がミドルシュートと早速良い形。77分ショルツ縦パス→最前線で明本が相手と競り合って潰れたこぼれたボールをユンカーがダイレクトボレーを放つもGKジンヒョンがわずかに触れて枠外へ。さらに81分右サイドから達也がドリブル突進&クロス→ファーで江坂が頭で落とし、ユンカーがシュートを放ったもののDFが辛うじてシュートブロック。

・最後は槙野を最前線へ投入したものの、大久保&清武を投入して前目の運動量を補充して前プレを強めたC大阪の前にボールを前進させられず、最前線へボールを放り込むことすら出来ずに試合終了。

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《総評》

・直近のリーグ戦でボコボコにしたはずのC大阪相手にルヴァン杯では第1戦、第2戦ともあまり良いところがないまままさかの敗戦。埼スタ決勝進出の夢は儚いものになってしまいました。

・C大阪は既に降格の恐れも、ACL圏入りの可能性もほとんどなく、カップ戦に全力集中しやすい立場。そこでリーグ戦での惨敗を糧に浦和対策を練りに練ったのが上手く行ったというべき試合なのかもしれません。でも、それはこの試合を半分程度しか説明していないように思います。

・リカは単にルヴァン杯でC大阪に勝つだけならリーグ戦のやり方(江坂ゼロトップ)を踏襲するのが早道で、それならC大阪が少々対策を講じて来ようとも良いところなく負けることはなかったでしょう。リーグ戦ではC大阪が必死に前プレを仕掛けてきてもあっさり交わされまくりで、そのせいか第1戦の前半はむしろリトリート主体で構えましたし。

・ところが運が悪いというかなんというか、ルヴァン杯準決勝の直前の神戸戦で江坂ゼロトップシステムがズタズタに破壊されて大敗。これを契機にリカはユンカー1トップ、槙野右CB、ユンカー・江坂・小泉の豪華3点セット等、最もプライオリティーの低いルヴァン杯を利用して新たなオプションの構築を試みたのだと思います。ところが残念ながらいずれもあまり上手く行きませんでした。

・布陣変更の結果浦和のビルドアップ精度がガタ落ちで、リーグ戦では簡単に交わせたはずのC大阪の前プレに苦しむようになってしまいました。特に小泉が絶不調で、複数人に囲まれてもなおボールを離さないので後ろからドスンと当たられてはボールロストの繰り返しだったのがリカには大誤算だったでしょう。

・試合後に「ヴィッセル神戸戦からの3試合ぐらいで、レッズの選手たちがボールを受けるところを狙われてボールを失う場面が見られるが、それは個々の頑張りに期待するか、立ち位置を工夫するなどの必要を感じているか?」と厳しい質問が飛んでいましたが、小泉の再覚醒もさることながら小泉を囮にした形でのビルドアップ等、浦和はもうひと工夫が必要な時期に差し掛かっているようです。

・よってC大阪が強かったというより、C大阪がリーグ戦でボコボコにされたのを踏まえて対策を練って来た一方、浦和はあえて試行錯誤の道に踏み込んだので精度がガタ落ちになって相手を上回れなかったという試合といったほうがより正鵠を得ていると思います。端的に言えば「相手が強いというより浦和が弱かった試合」みたいな感じでしょうか。

・この試合での収穫は「ユンカー&明本の2トップ」が結構機能することが判ったこと。とにかくユンカーをフォローでき、最前線でボールが持てる選手がいることが必要不可欠で、おそらくユンカー&江坂でも可。本当は鬼キープ出来る興梠との2トップが一番良さげで、興梠の復活が待たれるところ。

・とにかくビルドアップ精度ガタ落ちの状態でユンカー1トップだと孤立状態が永続しがち。あれならユンカー加入当初の縦ポン攻撃のほうがはるかにマシで、それだけに後半早い時間帯のカウンターで江坂が変にこねてユンカーをパスを出さなかったのが謎過ぎました。「ユンカーにお任せ期」なら絶対ユンカーに出していた場面でしょうが、「お任せ期」に江坂はいなかったんだよなぁ・・・(つД`)

・1年足らずという短い期間ですが、今年の浦和は既に「流れから点取れず→武藤ゼロトップの発見→武田故障で瓦解→ユンカー頼みの○サッカー→ユンカー夏バテ→江坂ゼロトップの発見→キーマン小泉絶不調」とまぁ実に再構築中のチームらしい、壁にぶつかっては打開策を見出すという見事なまでの一進一退を繰り返しています。ルヴァン杯奪回は雲散霧消してしまいましたが、きっとリカは何がしか打開策を見出してくれることでしょう。

・C大阪はリーグ戦でボコられたのがルヴァン杯決勝進出に繋がったと喜んでるみたいですし、浦和はルヴァン杯での試行錯誤の結果としての負けがACL圏入りないし天皇杯優勝というより大きな結果に繋がればそれで良いと思います。

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《選手評等》

・ヨドコウで不自然に黙り込んでいたり、不自然に肩を落としていた方々、酷暑の中お疲れさまでした。

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-----ユンカー-----
江坂---小泉---関根
---敦樹--柴戸---
明本-ショルツ--岩波--西
-----彩艶-----

(交代)
62分 小泉→山中
72分 西→平野
72分 関根→田中
87分 柴戸→槙野


---加藤--山田---
乾---------坂元
---原川--奥埜---
丸橋-瀬古-西尾-松田陸
-----ジンヒョン----

(得点)
53分 加藤

(交代)
79分 山田→大久保
83分 加藤→清武
90+3分 乾→松田


※写真は試合とは全く関係ありません。

 

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2021.10.07

【観戦記】21年ル杯準決勝第1戦:浦和 1-1 C大阪 ~ 楽勝ムードが後半一変!!クロスバー様々の試合に

 直近のC大阪との試合内容からすればユンカーが早々と先制点を奪った時点で楽勝と思われ、実際前半まではその予想通りの展開でしたが、後半は不思議なほどミスを連発した末に、クロスバーに救われて引き分けに持ち込むのが精一杯になってしまいました。

《スタメン》

・浦和は西川→彩艶、酒井→西、岩波→槙野、明本→山中、柴戸→敦樹、関根→ 大久保、小泉→ユンカーと一挙に7名もスタメン入れ替え。リカはこの点について「選手を大きく入れ替えたのは、連戦でずっと出ずっぱりで疲労がたまっている選手がいましたし、なかなか試合に出られずフレッシュな選手たちもいたので、そういったところを考慮した結果、選手を何人か入れ替える形になりました。」と説明。ただ柴戸はともかく西川までベンチ外なのには驚きました。

・C大阪は小池→丸橋、進藤→松田、藤田→奥埜、タガード→山田とスタメン4名入れ替え。C大阪は大分戦から中2日、かつアウェー連戦とコンディション面で浦和より不利ですが、既にリーグ戦はACL圏入りも降格争いも無関係という気楽な立場なので、ルヴァン杯へ向けて調整しやすい面はあろうかと思います。両SBはこの試合に向けて温存していた臭いですし。

・なお浦和は酒井、C大阪はタガードが代表招集で不在。

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《試合展開》

・C大阪は前回対戦時に前からハメに行って全然ハマらずに浦和にボコボコにされかかったことを反省したのか、今回はさほど前からプレッシャーをかけずに高めの位置に4-4-2の守備ブロックを敷く方針に転換。

・そのためボールは立ち上がりから浦和が支配。そして12分ショルツの縦パスをタッチライン際で受けた山中がアーリー気味にクロス→うまく相手CB間に入り込んだユンカーが効き足ではない右足で叩き込んで、浦和が最初の決定機でいきなり先制を上げました。

・C大阪は先制された後もさほど前から追ってくる様子はなく、浦和も先制後はアウェーゴールを取られたくないのか、ボールは支配するものの無理はしないので非常に静かな試合に。カウンターはユンカーにお任せっぽくなってしまい、37分ユンカーが単騎突破でカウンターを試みた場面も江坂しかフォローがおらずに追加点ならず。

・また浦和も前回対戦時ほど前からプレッシャーをかけないので、ビルドアップに難があるC大阪もなんだかんだとボールは持てるもののほとんど何もできず。39分やや偶発的にボックス内でボールを受けた山田がいきなり反転&槙野の股を抜いて抜け出しに成功した場面には肝を冷やしましたが、シュートは彩艶が好セーブ。

・ここままではアウェーゴールを奪えないまま第1戦終了になりかねないと思ったのか、C大阪は後半になって大胆に方針展開。この辺小菊監督は「リーグ戦ではかなりボールを握られたので、前半はゾーンのところを意識した守備を要求しました。ただ、そこを意識するあまり、人に、ボールに行けなかったところがありました。ゾーンを捨てて人に行くところを増やしていこう。プレッシャーを掛けていこうとハーフタイムで共有しました。」と判りやすく説明しています。

・しかし、その方針展開で先に決定機を掴んだのは浦和。前回対戦時同様浦和はC大阪の前プレをボール回しで巧みに交わし、すっかりスカスカになった相手守備陣を蹂躙してチャンスメーク。52分には山中が左サイドから上げたクロスをユンカーが合わせる先制点と同じ形の決定機を作りましたが。今後はユンカーが合わせきれず。

・ただその後はC大阪がオープンな展開の中で開き直ったかのように大攻勢。56分丸橋クロス→加藤ヘッドがバーを直撃。その直後には右サイドから乾クロス→山田が左足で合わせるもこれまたクロスバーを直撃。

・劣勢に陥りかかったところでリカは60分江坂→小泉、大久保→関根、山中→明本と珍しく一挙に3枚替え。後2者の交代はほとんど90分出ていない選手の電池切れ対応であり、より守備が計算できる選手への交代と推察されます。

・机上論としては納得感のある交代ですが、結果的にはこれが大失敗。投入した3選手がなぜか試合になかなか入れず、特に小泉は再三信じ難いレベルのミスを連発して相手の攻撃の引き金になる始末。

・そして66分坂元が右サイドか低いクロスを入れたところ、なぜかボールはスルスルとファーでフリーの山田にまで通ってしまい、とうとう同点に。山田に付いていたはずの槙野があっさりマークを外されているのにも参りましたが、ショルツと彩艶の間の狭いところを簡単にクロスが通ってしまったのが非常に不思議。

・浦和の動揺は収まらず、69分には関根の緩いバックパスが直接加藤に渡ってしまう大惨事! しかし加藤のシュートはなんとか彩艶が防いで事なきを得ました。

・リカは73分あまり良いところがなかった汰木を諦めて達也を投入するも依然C大阪の勢いは止まらず、74分加藤がボックス左隅辺りで浦和守備陣に囲まれながらも強引に放ったミドルシュートがまたまたクロスバーを直撃!!というか彩艶がわずかに触っているのでバーに救われた格好。

・しかしC大阪の大攻勢もここまで。その後は浦和の選手交代がようやく機能し始め、78分関根縦パス→左サイドの裏に抜け出した明本クロス→逆サイドから中へ入ってきた達也がどフリーの決定機(しかし上手くミートできず)。さらに83分小泉中央狭いところをユンカーに繋ぎ、アーク付近でユンカーが左脚を振りぬくもここはジンヒョンが好セーブ。

・試合終了間際にC大阪の選手がボックス内でハンドの疑惑があり、佐藤主審はVARとコンタクトを取ったものの、OFRに至ることもなくノーファウルで試合終了。

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《総評》

・前回対戦時には大量得点差を付けて然るべき試合内容でボコボコにした相手ですから、先制点を取った時点で「今日は勝ったな、風呂でも入るか!!」と思っても特に不思議はないでしょう。ところが後半になって相手の出方の変化に対応できずに無駄にオープンな展開になってしまい、おまけにリカ得意の選手交代がまさかの「火に油を注ぐ」格好になってしまいました。

・「今日の試合の入りは非常に良かったと思うが、その後は自分たちでペースを落として相手の勢いを呼び込んでしまったように見えたが?」との質問に対して、リカは「確かに、落ちたのかなと思います。その理由として明確なものは今ここでは思い浮かばないですけど、悪い時間帯があったのは事実です。その原因は試合の中でたまった疲労かもしれませんし、ただいずれにしても、今回のC大阪にしても前回の神戸にしても、我々よりも回復が遅い中だったので、我々としては相手よりも疲れていない状況で何ができるかを、次に向けて考えていければと思います」とリカ自身後半ボロボロになった原因を上手く突き止められていないようです。

・端的に言えば「チーム作りの難しさを痛感させられた試合」といったところでしょうか。良い内容で結果まで付いて来たスタメン&ベンチメンバーは過密日程でもない以上あえて代える理由がないのだけれども、その副作用として試合になかなか出られない選手のコンディションは落ちてしまう。試合勘も失われてしまう。

・ここまでは理解できるのですが、特に過密日程でもなく、しかも日程面で相手より楽な試合が続いていたのにスタメン組でやたら疲れている選手がいるのがリカには計算外なのでしょう。この試合では小泉にその傾向が顕著でした。

・またリカは一つのやり方に選手を嵌めるタイプではなく、選手の個性に応じて違うやり方を取るタイプの監督で、しかもユンカーがいるいないでやり方のプレがかなりデカいのは確か。ユンカーがいると、悪くいえば「前ハメが効かず、オープンな展開になりやすい」傾向があり、後半はそれが顕著だったように感じました。C大阪はビルドアップが上手くないので、本来は前回対戦時のように前ハメで窒息させるのが攻略の早道でしょう。

・またいつもの面子にユンカー一人だけ代えたのならともかく、この試合は明本→山中、酒井→西、関根→大久保といろんなポジションで個性が違い過ぎる選手の入れ替わりがあり、それゆえいろんなところで試行錯誤を余儀なくされたような気がします。左サイドの汰木&山中はシーズン序盤ではよくあった組み合わせなのでまだしも、右サイドの西&大久保なんてほとんどやったことがないでしょうし、さらに右CBに転じた槙野がいるとあっては機能する方が不思議かと。

・またもともとサイドに張りがちな汰木と中へ入ってプレーできる山中との相性は良かったはずですが、山中が長く離脱している間に汰木が明本&江坂とのローテーションで中へ入る芸風を覚えてしまったので、久しぶりに出てきた山中との相性が微妙になってしまい、山中は専らタッチ際でお仕事になるとは。でも先制点に繋がった山中のクロスは明本には絶対にない武器なので、それはそれで有用。

・「勝てたはずの試合をクロスバーに助けられての引き分けに持ち込まれてしまう」という内容面では残念な試合で、「第1戦でアウェーゴールを与えた上でのドロー」という結果面でもやや残念な試合だったので心証は正直良くありません。

・ただ神戸戦の大敗を受けて大幅にメンバ-を入れ替えた以上大なり小なり苦戦を余儀なくされることはリカも承知しており、ひょっとするとハナから「第2戦で勝てば良い」とばかりに割り切って「第1戦は負けていた可能性が高かった試合を引き分けで終えた」とポジティブに捉えているかもしれません。C大阪との直近の2試合で上手く行ったこと、上手く行かなかったことをきっちり整理したうえで第2戦に臨んでくれることでしょう。

・なお浦和にとって好都合なことにC大阪は今年完成ばかりのヨドコウでの戦績が非常に悪いのですわ!!

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《選手評等》

・ショルツが持ち上がると相手が対応に困ってズルズル下がってしまうのはめっちゃ笑いました。ほぼ「モーゼの海割れ」状態。

・槙野の右CBは攻撃面ではまるで機能しないだろうと思いましたが、守備面でも怪しさ満点。前半は山田に股を抜かれ、後半は山田のマークを外してしまいと散々。ショルツ加入で割りを食うのは岩波だと思っていたら、槙野になるとはなぁ・・・ でもこの出来では無理もない。

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-----ユンカー-----
汰木---江坂--大久保
---敦樹--平野---
山中-ショルツ--槙野--西
-----彩艶-----

(得点)
12分 ユンカー

(交代)
60分 江坂→小泉
60分 大久保→関根
60分 山中→明本
73分 汰木→田中(田中が右SH、関根が左SH)

---加藤--山田---
乾---------坂元
---原川--奥埜---
丸橋-瀬古-西尾-松田陸
-----ジンヒョン----

(得点)
66分 山田

(交代)
76分 山田→松田力
76分 加藤→西川
85分 乾→新井
90分 坂元→大久保

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2021.10.03

【DAZN観戦記】21年第31節:神戸 5-1 浦和 ~ こ、これが札束の力なのか・・・

 勝ち点54で並ぶ両チームがACL圏入りを賭けて争うビッグマッチでしたが、結果は思わぬ大差に。浦和は攻守ともいいところなく、まだまだ力不足なことを実感させられる羽目に。

《スタメン》

・神戸は未消化だった第28節川崎戦を水曜日に消化しての中2日。浦和は週央に試合がなかったのでコンディション面では浦和がかなり有利な一戦。そして浦和はまたまた「勝っているチームは弄らない」とばかりにスタメン・サブとも鉄板メンバーを揃えてその一戦に臨みました。

・神戸は前節から大崎→サンペール、櫻井→郷家、初瀬→山川、中坂→佐々木と中2日を考慮してかスタメンを4名入れ替え。なお山口は依然故障離脱中。

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《試合展開》

・神戸の選手起用でやや意外だったのは右SBに本職CBの山川を配し、酒井高を左SBに転じたこと。そしてそれ以上に意外だったのはフォーメーションがいつもの4-2-3-1ではなく、明らかに前が大迫&武藤の2トップ、サンペールがアンカーの中盤ダイヤモンド型(4-3-1-2)だったこと。神戸とは今年既に3回闘っており、三浦監督はその度に闘い方を変えてきましたが、3試合目で試行した4-3-1-2に相当手応えを得たのでしょう。

・リカも試合前の会見でわざわざ「試合が始まれば何かを変えてきたかどうかというところは観察しなければいけない点だと思います。三浦監督はこれまで対戦した3試合全てで形を変えてきました」と語っているので、神戸の出方に完全に意表を突かれた訳ではないのでしょうが、残念ながら立ち上がりは散々なものになってしまいました。

・神戸は中2日のハンデをものともせずに前からがんがんプレッシャーをかけてきて浦和はいきなり自陣に押し込まれる試合展開に。逆に浦和の前プレは全くハマらず、GK飯倉を巧く使う神戸にあっさり交わされた末、8分サンペール→左サイドから酒井高がスルーパス→大迫でいきなり失点。大迫にはショルツが寄せていたものの、シュートがわずかにショルツに当たったのが大迫に幸いしてちょっとループ気味に西川を越えた格好に。

・失点後浦和はなんとかボールを持てるようにはなりましたが、神戸の最終ラインを脅かすには至らず。神戸が酒井高を左サイドに配したのが攻守両面で大当たりで、酒井宏が良い形でボールを受けても対面の酒井高を突破できないのがこの試合を通じて一番痛かったかな?この辺りは前節FC東京戦と好対照。

・浦和がボールを支配してもこれといった攻めを繰り出せず、逆に神戸のカウンターを浴びがちに。

・そして21分イニエスタに直接FKをぶちこまれてまた失点。西川はイニエスタとの駆け引きの末に虚を突かれたのか、壁が割れているところをイニエスタに狙われ、しかもボールが小泉にわずかに当たって軌道が変わるという不運も重なって一歩も動けずにゴールにぶち込まれてしまいました。

・ただこの失点はFKに対する西川の対応以前に、FKを与えるきっかけとなった自陣での窮屈すぎたビルドアップ(逆に言えば神戸の前プレがそれだけ厳しかったということですが)のほうがより反省すべき事項かも。そして最後は平野がアーク付近で武藤を不用意に倒したのが仇に。総じて柴戸&平野のコンビだと個人能力が強烈すぎる神戸相手ではチト中盤のフィルター役としては辛いものがあったかも。

・給水タイムを挟んで28分平野→小泉→江坂と中央で縦パスが繋がって初めて決定機らしい決定機を掴みましたが、シュートは飯倉が難なくセープ。

・しかし、その反撃ムードを断ち切るかのように31分イニエスタFK→大外にフェルマーレンが飛び込んで3失点目!! かと思われましたが、これはVARの結果オフサイドに。ただ神戸の前プレは相変わらず厳しく、34分西川→小泉への縦パスが雑かつ緩すぎたところをサンペールに絡まれてボールを失ってショートカウンターを浴び、大迫の横パスを受けたイニエスタのミドルシュートが柴戸に当たって軌道が変わってそのままゴールへ。

・前半のうちに浦和が1点返せればまだまだ予断を許さない試合展開になったでしょうが、45分CKからの流れで小泉クロス→明本ヘッドはポストを直撃して得点ならず。

・さらに45+4分には江坂CKをファーでショルツが頭で折り返し→ゴール前の酒井宏が頭で押し込んだかと思われましたが、木村主審はGK飯倉へのファウルがあったとの判断でゴールは認められず。確かに飯倉を柴戸が腕で倒したように見えますが、そもそも柴戸が倒したのは郷家が押したからであって、あれをファウルにするかなぁ??

・あんまりな試合内容、あんまりな試合展開を受けてリカは「怒りの3枚替え」でも繰り出すかと思いきや、意外にもハーフタイムでの交代は汰木→ユンカーの1枚のみ(関根が左SH、江坂が右SHへ)。神戸は佐々木→中坂と左SHを変更。

・そして49分センターサークル付近でボールを奪うと、江坂縦パス→アーク付近で受けたユンカーが左へ展開→関根折り返し→ゴール前に走り込んだ小泉が押し込む浦和らしい形で浦和が遅まきながらようやく反撃開始。

・しかし、わずかに残っていた試合への興味をばっさり断ち切ったのが53分の失点。西川→平野への縦パスがズレてよりによってイニエスタに拾われたところからボックス付近でぐるぐるボールを回された挙句、最後はイニエスタのクロスに武藤ヘッドで飛び込まれて致命的な4失点目を食らい、反撃ムードをばっさり断たれてしまいました。

・大量リードを奪った神戸は中2日を考慮して70分郷家→リンコン、サンペール→大﨑、75分 イニエスタ→ボージャンと早め早めに選手交代。一方リカは70分平野→敦樹、81分酒井→西、小泉→達也と得意の選手交代も常に後手に回る形となり、しかも交代策は特に奏功することなく時間が徒過。

・そのまま試合終了かと思いきや、84分敦樹が自陣深い位置でボージャンに絡まれてボールロスト。ボージャンはそのままミドルをゴールに突き刺して5点目。

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《総評》

・ACL圏入りへ向けて勝ち点54で並ぶ4位神戸と5位浦和との直接対決。この試合を含めて残り8試合で、神戸に勝てば浦和はACL圏へぐっと近づけたはずですが、結果は思わぬ惨敗に。

・川崎戦の0-5の大敗はそもそもチームを作り上げ始めたばかりの時期の話ですし、最初の失点を喫するまでは川崎に何もさせなかったという良い面もありましたから、結果は大敗でもポジティブな受け止め方が出来ました。しかしこの試合の大敗はそれから半年経ってチームもそれなりに熟成し、リカ流に合った面子も揃ってきた中での大敗ですから、その衝撃は比べ物になりません。

・神戸のシュートがディフレクトしたのが幸いして西川はどうにもならなかったものもありましたし、不可解な判定でゴールを取り消される不運もありましたが、4点差が3点差ないし2点差で済んだであろうという類の話に過ぎず、負けは負け。リカが試合後「我々はどの局面でも相手を上回ることができなかった」と総括した通りだと思います。

・戦前リカが警戒していたように、三浦監督は浦和戦の度に出方を変えてきたという経緯がありました。今回は3度目の対戦で手応えを得た策(中盤ダイヤモンド型の4-3-1-2)を踏襲し、そこに前回対戦ではいなかった大迫&武藤を前線に据えたのが見事に奏功したということなのでしょう。中2日という厳しい日程にも関わらず強度の高い前プレを敢行出来たのはこの2トップの貢献度が極めて高いと思います。

・三浦監督が毎度繰り出す策はいつもそれなりに効果はあって途中までは明らかに神戸が優勢。ところがリカが得意の修正を施してしまうと三浦監督には二の矢がなくて負けてしまうのがここまでの3試合だったと総括できましょう。しかし、4試合目はリカが修正を施す前に神戸が試合を事実上決めてしまいました。2点差での折り返しならリカの修正力に大いに期待できたでしょうが、前半終了間際の謎のゴール取り消し、さらに情けない4失点目でその期待も雲散霧消。

・ビッチ状態が非常に悪いので浦和のパス回しもどこかおっかなびっくり。でもあれだけ自陣でビルドアップでミスを連発していてはお話になりません。またリカも指摘するように「球際の部分で相手に負けていた」のも気になりました。ビッグネームがズラズラ並ぶ相手でアウェーで闘うとJ1経験の浅い選手、ACLなんて出たことがない選手はどうしても腰が引けてしまうのかなぁ・・・

・試合後西野TDがこの結果を受けてブログで反省。

 「少しうまくいき始めてたから、偉くなったか、強いチームになった気でいたんとちゃうか?」

 「どんなチームに対しても、勝つことが出来るチームにはなってきてる。一方で、まだどんなチームに対しても負けるもろさもあるという現状認識もせなあかん。」「

 「自信をもつこと 謙虚でいること 両方必要で、そのバランスが大切。」

 「今年が終わるとき、来年が終わるとき、今日の試合が、チームにとっての大きなターニングポイントになっていたら、それで良いと思う。」

この結果を過度に悲観せず、これまでの成果は成果として評価し、至らざるところは率直に受け止める、実にバランスが取れた言葉が並んでいます。

・浦和はこの大敗でACL圏入りの可能性がなくなった訳ではなく、ほぼ他力本願ながらもACL圏入りの可能性は十分残っています。しかし、他力本願で幸い来年ACLに出たとしてもロクなことにはならないことが伺えそうな大敗だったのもまた事実でしょう。

・この大敗を受けてリカは固定気味だった選手起用を見直すでしょうし、西野TDも個の力、札束の力で殴り倒された結果を受けて何がしか思うところがあるでしょう。いろんな意味で浦和はまだまだ修業が足りない。ここからまた一歩ずつ、前へ。

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《選手評等》

・この試合の唯一の収穫はユンカーが目に見えて復調していることかな。

・リカは試合後「選手たちもフレッシュな状態でしたが、試合になってみたらなかなか重そうな感じも見受けられました。」と語っているので、中3日で迎えるルヴァン杯にはそれなりの選手入れ替えがあることでしょう。

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-----江坂-----
汰木---小泉---関根
---柴戸--平野---
明本-ショルツ--岩波-酒井
-----西川-----

(得点)
49分 小泉

(交代)
HT 汰木→ユンカー(関根が左SH、江坂が右SHへ)
70分 平野→伊藤
81分 酒井→西
81分 小泉→田中(江坂がトップ下、田中が右SHへ)
87分 関根→大久保

---大迫--武藤---
-----イニエスタ-----
-佐々木-サンペール-郷家-
酒井-フェルマ--菊池-山川
-----飯倉-----

(得点)
8分 大迫
21分 イニエスタ
34分 イニエスタ
53分 武藤
84分 ボージャン

(交代)
HT 佐々木→中坂
70分 郷家→リンコン(リンコンがFW、武藤が右SHへ)
70分 サンペール→大﨑
75分 イニエスタ→ボージャン
87分 武藤→小林

※写真は試合とは全く関係ありません

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2021.09.26

【DAZN観戦記】21年第30節:FC東京 1-2 浦和 ~ 戻って来た日常的光景「うなだれる飛田給」

 試合の入りは最悪でしたが、その後は浦和が好きなようにボールを回してF東京守備陣の体力を削りながら隙を伺い続け、相手のセットプレーに脅威を感じながらも終わってみれば必然に近いような逆転勝ちでした。

《スタメン》

・F東京は水曜日に前倒しで第32節を消化しての中2日、浦和は週央に試合がなく中6日でコンディション面では浦和が圧倒的に有利な一戦。

・ルヴァン杯で川崎相手に自信をつけ、その後も内容を伴った勝利を重ねているせいか「勝っているチームは弄らない」とばかりに浦和はいつもの鉄板スタメン。サブまで前節と同じ。試合間隔がノーマルな形に戻っているので、怪我人でも出なかればローテーションの必要もありませんし。

・一方過密日程を余儀なくされたF東京は今節出場停止のレアンドロに代えて高萩、前節故障退場した小川に代えて鈴木を起用した他、オリヴェイラ→田川、アダイウトン→永井、東→渡邊と前目をごっそり入れ替え。攻撃はほぼ外国人選手任せのチームなのにスタメンの外国人選手がCBオマリだけなのには意表を突かれました。

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《試合展開》

・浦和はとにかくゲームの入りが最悪でした。F東京が予想以上に前目の面子を弄って来て意表を突かれたのか、いかにも「とりあえずは様子見」といわんばかりに前からプレスをかけることもなくゆったりと試合に入ったところ、ノープレッシャーの森重に楽々縦ポンを許し、しかもその先ではあろうことか酒井の対応が非常に緩慢。難なく裏抜けに成功した田川はGKとの一対一を制していきなり先制。

・9分にはスローインを受けようとした平野が安部に絡まれて自陣深い位置でボールを失い、そのままフィニッシュまで持って行かれる失態。幸いシュートはほぼ西川の正面で事なきを得ましたが、平野はF東京の厳しいプレッシャーを受け続けて、明らかに序盤精彩を欠いていました。

・ところがF東京はこの決定機を境にほとんど前に出て来なくなり、早々に4-4-2の守備ブロックで自陣に引きこもり。試合後の長谷川監督の会見を読む限りでは意図的に引いたわけではなく、前にボールを運ぼうとしても「今日は起点になれる選手がいなかった」ので「ボールを奪った後になかなかつなぐことができなかった」模様。要するにオリヴェイラをベンチスタートにした弊害がこんな形で顕わになっただけみたいで。

・従って前半30分あたりまでは浦和が敵陣深くで一方的にぐるぐるボールを回す展開に。ただF東京はドン引きながらも中央をしっかり固めているのが厄介で、浦和は何度かサイド攻撃を繰り返すも全くと言っていいほど決定機を作れず。惜しかったのは15分江坂FKが枠を襲った場面くらい。それどころか30分過ぎにはセットプレーからの流れでオマリに立て続けに危ない場面を作られてしまいました。

・ただ浦和が執拗にボールを回しているのがなんだかんだとF東京守備陣にじわじわ効いてきたようで、早くも足が止まり気味のF東京相手に対して前半終了間際柴戸の縦パス→ボックス内で平野がボックス内右側でぽっかり空いている酒井へ展開→酒井が角度のないところから冷静にGKの股下を抜いてゴール!! 副審はなぜかオフサイドと見たようですが、VAR判定の結果無事ゴールに。酒井はこれが浦和加入後初ゴールでしたが、VAR判定を挟んだので喜ぶタイミングを逸してしまって照れ笑い。

・長谷川監督は後半頭から高萩→オリヴェイラ、渡邊→東と2枚替えを敢行し、フォーメーションも永井&オリヴェイラのはっきりした2トップ(4-4-2)へ変更。ボールがキープできるオリヴェイラはそれなりに面倒で51分には永井のポストプレーからオリヴェイラがアーク付近からシュートを放つという良くも悪くもF東京らしい超シンプルな攻撃を見せましたが、シュートはわずかに枠の外。

・さらに60分には永井に代えてアダイウトンを投入(アダイウトン左SH、田川FWへ)し、その直後に敵陣深い位置からのスローイン→森重のクロスから田川ヘッドがバーを直撃する見せ場も。

・ただ後半のF東京の攻撃は散発的で、浦和が敵陣でボールを回し続ける基本的な構図は前半と変わりなし。49分小泉が左サイドで何度も深い切り返しを見せてクロス→ファーで江坂ヘッド、53分小泉の折り返し→アーク付近から平野がシュート、63分明本ミドルとじわじわと敵ゴールに迫ったところで、64分リカは切り札と言わんばかりに汰木に代えてユンカーを最前線に投入(江坂が右SH、関根が左SHへ)。

・試合が動いたのはその直後。平野からのパスを受けた関根が対面の東をなんら苦にせずにボックス左手前から強引にシュート。シュートはバーを直撃しましたがこぼれ球を江坂が左足ワンタッチで流し込んで浦和が逆転に成功!! 関根のシュートがバーを直撃した際にF東京のDF陣全員の足が「あー良かった!!!命拾いした」とばかりに止まっていて実に笑えます。そうじゃなかったら江坂にはそんなに余裕なかったでしょうに(苦笑)。

・給水タイムを挟んだ辺りでF東京は東アンカー、左WBアダイウトン、右WB長友の3-1-4-2の布陣で反撃に転じましたが、攻撃が多少なりとも形になったのは75分長友クロス→ファーでアダイウトンヘッドだけかな?

・リカは78分アダイウトンと交錯して傷んだ酒井を西に代え、同時に平野に代えて敦樹を投入して守備固め。相手が85分田川に代えて本職CBのウヴィニを最前線に投入してパワープレーに転じてきたと見るや、すかさず関根→達也、小泉→槙野と代えて槙野センターの5-4-1に転じて全く危なげなく逃げ切り勝ち。前節C大阪戦と違って相手に止めを刺すカウンターの形を全く作れなかったのが残念と言えば残念でしたが。

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《総評》

・試合の入りが最悪だった上に終始セットプレーの守備が怪しげ。何かの拍子にぽこっと失点してしまいかねず、解説福田氏が不安感を煽るようなネガティブコメントを連発することもあってDAZN観戦している者としては最後まで気が抜けませんでしたが、試合後のコメントを読む限りでは監督も選手達も余裕ありげ。

・試合後の酒井の「全く焦れませんでした。相手を広げて、狭めて、ということの繰り返しでしたし、みんないつ行くかという共有はできていました。あのまま点が入らないという展開もサッカーなのでありえますが、点が入る確率は徐々に高めていけたと思います」というコメントに全てがこの試合の全て要約されているかと。「点が入る確率を徐々に高めてゆく」のがリカ流。カオスの中に勝機を見出し、ひたすらサイコロを振っていたあの頃とは真逆のアプローチ。

・コンディション面で浦和が相当有利だったことは否めませんが、基本的にはリーグ開幕戦とほぼ同じ、すなわち浦和がほぼ一方的にボールを支配し、F東京得意のカウンターを封じ続けるという構図の繰り返し。開幕戦ではセットプレー一発で引き分けに持ち込まれたけれども、半年の時を経て成熟度を増した浦和がこの試合は勝ち切れたと言っても良いでしょう。

・長谷川監督は試合後「(前半の相手の同点ゴールについて)前半の終盤で体力的にきつい状況だった」「連戦のため体力的に厳しいということは試合前から分かっていたので、うまくベンチワークをして、勝利に結び付けたいと思っていた。システム変更も考えながら、できればそのままで行きたかったが、ボランチの選手の疲れも見えたなかでの失点だったので、体力的にきつかったのかなと感じた。その部分をうまくローテーションをしながら選手起用ができればと思った」と過密日程から来るコンディション面での不利を強調していて、それはそれで間違ってはいないのですが、そもそも体力任せ、勢い任せのサッカーをやっているので過密日程に弱いという構造的問題が露呈しただけであってなぁ・・・

・そしていったん押し込まれるとボールを前に運べない、繋げないので自陣から抜け出ることも難しい。前半だけでお役御免になった渡邊が試合後「もう少し前からプレッシャーに行きたかったが、行くことができなかったというところは感じている」「どうすればよかったのかは、自分の中ではわかっていたつもりで、それを一人だけで取り組んでも難しいことはわかっていた。チームとしてもっとやる方法はあったのかなと思っている」と押し込まれ続けた前半をふり返り、守備が組織として体をなしておらず、座して死を待つだけだったことを言外に滲ませています。

・そしてなんとかボールを奪った後にやれることと言えばひたすらボールを前に蹴って超優秀な外国人FWになんとかしてもらうだけ。その結果が浦和の半分強でしかないパス数、そしてパス成功率たった68%!!

・そんなサッカーでもトップハーフにいられるのがJリーグであり、F東京の恐ろしさですが・・・

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《選手評等》

・78分で交代を余儀なくされた酒井は「お尻の骨の近くの筋肉にアダイウトン選手の膝が当たってしまい、スプリントやジャンプがしづらくなってしまいました」「骨や筋肉系のトラブルではありませんので、治り次第」とのことでたいしたことはなさそう。それよりも「ベンチのことを考えた結果、レッズには贅沢なことに大伍さんがいますので、ベストコンディションではない僕よりは絶対に大伍さんの方がいいと思いました」と実に殊勝なお言葉!!

・一方加入早々「正直ぬるいなと、勝つチームの熱量ではないと思った」「FC東京に勝利のメンタリティーを植え付けたい」と大言壮語連発のあの方。ところがそのパフォーマンスはしばらく無所属だっただけあって特にごくフツーのJ1レベルの選手に過ぎず、これといった見せ場は作れずじまい。こんなのが今後も上から目線で放言しまくってたら、さぞかしチーム内で煙たがられるでしょうなぁ・・・

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-----江坂-----
汰木---小泉---関根
---柴戸--平野---
明本-ショルツ--岩波-酒井
-----西川-----

(得点)
45+1分 酒井
66分 江坂

(交代)
64分 汰木→ユンカー(関根が左SH、江坂が右SHへ)
78分 酒井→西(故障による交代)
78分 平野→伊藤
87分 関根→田中(田中右SH、江坂左SHへ)、
87分 小泉→槙野(槙野センターの5-4-1化)

-----永井-----
田川---高萩---渡邊
---安部--青木---
長友-オマリ---森重-鈴木
-----波多野----

(得点)
1分 田川

(交代)
HT 髙萩→オリヴェイラ(永井&オリヴェイラFWの4-4-2へ)
HT 渡邊→東
60分 永井→アダイウトン(アダイウトン左SH、田川FWへ)
64分 青木→三田(給水タイム後3-5-2に)
85分 田川→ウヴィニ

※写真は試合とは全く関係ありません。

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2021.09.19

【観戦記】21年第29節:浦和 2-0 C大阪 ~ 汰木の抱き枕はまだか!!

 コンディション面で大差があったせいかもしれませんが、それ以前に更地から半年以上かけて絶賛再建中の浦和と、ある程度完成していたものをわざわざぶち壊して廃墟にしたばかりのC大阪との凄まじい格差を感じた試合でした。

《スタメン》

・浦和は週央に試合がなくて中6日なのに対し、C大阪は水曜日にACL浦項戦を闘っての中2日と日程面では浦和がかなり有利な一戦。

・浦和のスタメンは前節横浜C戦から敦樹→平野の入れ替えのみ。日程も緩くなってきたので怪我でもなければ無理にターンオーバーする必要はなくなり、ルヴァン杯準々決勝で川崎相手に良い内容で勝ち抜いたことを契機に「勝っているチームは弄らない」とリカは腹を括ったのでしょう。コンディションが良くなった西がベンチに復帰し、宇賀神と金子がベンチ外に。

・C大阪は中2日と厳しい日程を受けてタガート→加藤、原川→西川、チアゴ→瀬古、鳥海→西尾と4名入れ替え。故障でACLを欠場していた坂元がベンチ入り。清武は依然故障中。

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《試合展開》

・C大阪は高い位置に4-4-2のコンパクトな守備陣を敷き、かつ若い2トップが時折激しく前から追って来ましたが有効とは言い難く、浦和はC大阪の前プレを簡単に交わして楽々ビルドアップ。この試合、最初は明本を高く押し出しての左肩上がりビルドアップでしたが、途中から平野が最終ラインに降りる形に変更していたような。

・そして6分には早くも汰木&明本のワン・ツーで汰木が左サイドを突破。汰木の折り返しを江坂も小泉も撃ち切れませんでしたが、ふり返ってみればこれが「魅惑の汰木ショー」の始まりでした。

・10分、最終ラインに落ちた平野→センターサークル横で受けた関根がスルーパス→小泉スルー→江坂が追いすがる松田陸を振り切ってボックス内に突入していきなり先制。

・13分には平野が瀬古の縦パスをカットしたのを契機に右サイドから小泉クロス→江坂ヘッドの決定機を作りましたが、ここはGKキム・ジンヒョンが辛うじてセーブ。25分には平野のサイドチェンジを受けて左サイドを疾走した汰木からの折り返し→アーク付近で平野に決定機があるもこれはGK正面。

・ボール支配率こそ両者に大差はありませんでしたが、C大阪は浦和の厳しい前プレに妨げられてビルドアップがままならず、なんとか両SHまでボールを運ぶもそこで詰まって最終ラインへ戻すの繰り返し。2トップは共にボールが収まるタイプではなく、いきなりFWへ縦パスを入れてもあまり意味がないせいかもしれませんが、とにかく後半半ば辺りまでC大阪のビルドアップの稚拙さが目に余りました。C大阪のチャンスらしいチャンスはATにFW西川左サイドからのクロスをGK西川がパンチングした場面だけかな?

・47分には前半から再三繰り返していた浦和の前ハメがついに決定機として結実。鋭く詰めてきた小泉が気になったのか、ジンヒョンが瀬古へ繋ごうとしたパスがあまりにも緩すぎて関根がカット。関根はがら空きのゴールに流し込むだけだったのにシュートはなんと枠外・・・角度がやや厳しいとはいえ、これは残念。

・しかし浦和優勢の流れはなんら変わることなく、59分岩波のロングフィードを受けて裏抜けに成功した汰木が瀬古に押されて倒れながらもGKの股を抜いてボールをゴールに流し込む、ある意味汰木に相応しくない泥臭い形で追加点。

・小菊監督は2点ビハインドになってから乾→中島、加藤→タガート、西川→大久保、山田→坂元と前目4枚を一気に入れ替え。これで勢いづいたC大阪はようやく浦和を押し込み出しましたがただそれだけで、依然決定機は作れず。

・一方リカはボールを奪いに行った際にちょっと傷んだ平野を64分敦樹に代えたのを皮切りに、70分関根→ユンカー、汰木→大久保、77分小泉→達也と代えて露骨なカウンター狙いに。そしてその狙い通りに82分深い位置から敦樹スルーパス→達也裏抜け、87分CKからの流れでショルツクロス→敦樹どフリーでヘッド、90+3分右サイドで達也縦パス→酒井クロス→ユンカーと決定機を量産するものの3点目は奪えず。

・4-0ないし5-0で終わって然るべき試合内容で、得失点差を一気に稼げるボーナスステージをフイにした感は否めませんが、ルヴァン杯を契機にチーム状態が明らかに好転していることが再確認できた完勝すぎる完勝でした。

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《総評》

・C大阪のシュートは公式記録では4本、DAZNでは9本と大差がありますが、C大阪のシュートはブロックされているものが非常に多くて、それをカウントしたかどうかの差でしょう。西川の守備機会なんてほとんどなく、今季一番の楽勝だったと思います。

・C大阪は「誰もがダメだろうと思っていたら案の定ダメだった」クルピ監督を8/26に更迭して小菊監督が就任したばかり。「シーズンの2/3をドブに捨て、しかも中2日で埼スタにノコノコやって来たチームに負けたらアカンな」と思っていたら、C大阪は予想以上に弱くて大笑いでした。厳しい日程で小菊監督は選手のやり繰りが大変だったでしょうが、J2でも通用するかどうか怪しい2トップで今やムキムキ状態の浦和守備陣と対峙するのはかなり無理がありました。

・C大阪はもうロティーナの遺産なんて跡形もなし。特にビルドアップに苦しんでいるようで、試合後奥埜が「チームの中でも、ここ2試合、立ち上がりに相手の圧を受けてしまう場面も多かったので、そこはチームとして改善しようという声は掛けていました。しかし、今日も圧力を受けてしまう形になりました」と率直に認めていました。

・当然小菊監督は試合後「私が監督になってから、ビルドアップのところは立ち位置を含めて、選手たちには常に要求しているところです。」と改善に着手しているようですが、その成果がすぐに表れることはないでしょう。昨年の浦和がそうであったように。

・また守ってはC大阪は盛んに前からハメに行っていましたが、これが全然ハマらない。前から追っても全然ボールは取れない上に、そうこうしているうちに陣形が崩れて中盤で浮いてる選手に縦パスを通され、そこからスルーパス出されまくるorカウンター喰らいまくるって守っている側としては屈辱的でしょうなあ、たぶん。

・一方大量得点が取れなかったことだけが反省材料の浦和。それでも今シーズンをふり返ると

初期:流れの中では点が取れない
中断前:カウンター主体で結局ユンカー頼み
中断後:ポゼッションから不特定の選手が点を取る

と浦和はリカの理想形に沿って着実に進歩しています。この試合はC大阪の前プレをショートパスで掻い潜って相手を自陣に押し込むのは結果的に全部撒き餌で、やたら前に出てくる相手を仕留めるのは結局のところ深い位置からの縦パスでの裏狙い。攻撃のオプションを徐々に増やして守備側の迷いを誘う。巧みなポジション取りで相手を迷わせるだけでなく、手口の多様さでも相手を迷わせる。リカの仕込みが着々と実を結びつつあることがよく判った快勝でした。

・なおこの勝利で浦和の勝ち点は51となり、残り9試合で17位との勝ち点差が28あるので浦和はJ1残留決定!!いや「理不尽な勝ち点没収」の可能性が常に付きまとうクラブなので最後まで油断はできませんが、残留が現実的な目標にしか思えなかったシーズン序盤をふり返ると感慨深いものがあります。

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《選手評等》

・この日の汰木はとにかくキレキレでした! 59分の泥臭いゴールはそもそも岩波からパスが来るのを信じて動き出しているのが何より良い!!もともと悪い意味でのドリブラーらしい「ボールをもらってから動き出しがち」なタイプだっただけに、ここまで変わるとは!!

・しょぼいC大阪攻撃陣相手にもはや「一人要塞」「一人万里の長城」と化しているショルツ。あまりにも相手がしょぼいせいか、CBなのにたまに攻撃参加。44分CKからの流れで左サイドから突然ドリブルで突進し始め、対応に困った相手を割って進んでシュートまで撃ったのには度肝を抜かれました!87分の敦樹へのクロス精度を見てもショルツの攻撃能力はCBのレベルを突き抜けていて、おいおいショルツの攻撃参加が有力なオプションになるのでしょう。スピードがないのでSBはちょっと辛いかもしれませんが。

・岩波は加入直後の酒井にハッパかけられたのが効いたのか、もともと得意だったロングパスだけではなく、グラウンダーの中距離パスもズバズバと。惜しくもフィニッシュには繋がりませんでしたが、38分相手の2列目と最終ライン前で浮いている汰木へズバッと通したパスなんてちょっと前まではありえないレベル。横のショルツが良い手本なのでしょう。とにかく岩波の長足の進歩には刮目すべきものがあります!!

・達也は深くまで突き進まずにアーリー気味にクロスを入れるのは苦手なのかな? 右サイドで長い距離を走った決定機が2回あり、特に2回目の決定機はファーで江坂が「早くここへ出してくれ!!」と言わんばかりに前方に指を差していましたが、結局2回とも深く縦に入ってのクロスは誰にも合わず。

・この日はなぜかキックが長短とも超不安定だったGKキム・ジンヒョン。全然ファウルを取らない系かと思えば、変なところで止める主審に対して流暢すぎる関西弁で文句を言っていたのが個人的にはツボでしたw

・台風が迫る中での一戦となりましたが、雨も風もさしたることはなく試合にはあまり影響がなかったかと。ただ風がスタジアムの中を巻くように吹いて霧雨がバックスタンドの中ほどまで吹き込んでくるのには参りました。でも勝てば細かいことはどうでも良くなるのだ!!

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-----江坂-----
汰木---小泉---関根
---柴戸--平野---
明本-ショルツ--岩波-酒井
-----西川-----

(得点)
10分 江坂
59分 汰木

(交代)
64分 平野→伊藤敦
70分 関根→ユンカー(ユンカーがCF、江坂が右SHへ)
70分 汰木→大久保
77分 小泉→田中(江坂がトップ下、田中が右SHへ)

---加藤--西川---
乾---------山田
---藤田--奥埜---
丸橋-瀬古-西尾-松田陸
-----ジンヒョン----

(交代)
62分 乾→中島
62分 加藤→タガート
62分 西川→大久保
62分 山田→坂元
77分 奥埜→原川

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2021.09.12

【DAZN観戦記】21年第28節:横浜C 0-2 浦和 ~ 見所は乏しいものの危なげない完勝

 ルヴァン杯準々決勝を劇的すぎる形で勝ち抜いた後だけに、「浦和がやらかしてきた暗黒の数々」を思い出して気の抜けたような試合になりかねないと危惧する向きもあったようですが、相手のしょぼさにも助けられて杞憂に終わりました。

《スタメン》

・浦和はルヴァン杯から彩艶→西川、宇賀神→酒井、平野→敦樹とスタメン3名入れ替え。

・マルセイユ→東京五輪代表→浦和と夏季に休みなく酷使され続けた酒井は疲労困憊でコンディションズタボロ。とうとうドーハでの中国戦には帯同せずに日本代表から途中離脱を余儀なくされ、今週央に一応大原に戻って来たもののさすがに横浜C戦はお休みだろうと思い込んでいたところ、なんとリカはいきなり酒井をスタメン起用!! これには心底驚きましたし、酒井に代わって出場が見込まれた西がベンチにもいないのにも驚かされました。

・夏に獲得したばかりなのにリーグ戦・カップ戦を問わずずっとスタメン起用され続けた平野はようやくお休みをもらってベンチ外になり、金子がベンチ入り。

・なおリカは試合前の記者会見で「山中選手はカップ戦の後に少し問題を抱えていて、興梠選手もメディカル的な問題を少し抱えています」「メンバーに入るにはまだ少し待たなければいけないと思います」と明言しており、共に大原にはいるものの苦しい台所事情は相変わらず。

・ルヴァン杯がなくて日程スカスカの横浜Cは出場停止の瀬古に代えてヴィゼウを起用した他、渡邉→ミネイロ、シウバ→高橋、マギーニョ→前嶋とスタメン4名入れ替え。横浜Cは中断期間中になんと外国人選手を5人も獲得したため、ピッチには見覚えのない顔がゾロゾロ。

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《試合展開》

・横浜Cの基本フォーメーションは布陣は前回対戦時は4-4-2だったはずですが、6月あたりから3-4-2-1に布陣を変更した模様。

・立ち上がりはいきなり忙しい展開に。2分江坂CK→ファーで岩波ヘッドで折り返し→中で酒井ボレーシュートがクロスバーを直撃したかと思えば、3分右サイドを疾走するヴィゼウが明本を吹き飛ばしてクロスの良い形。4分汰木がカットインしてシュートを放つもGK正面。

・横浜Cはさほど前からプレッシャーをかけに来ず、浦和は明本を高い位置に上げた「左肩上がり」の格好で楽々ビルドアップ。早い時間帯から横浜Cを自陣に押し込むことに成功。立ち上がりの忙しい時間帯を過ぎた後は決定機こそ掴めませんでしたが、盛んにポジションを変える浦和攻撃陣を横浜C守備陣が巧く掴まえているようにも見えず。いわば「ボールを持たされる状態」には陥っていない上、ボールを失っても高い位置でのボール奪回に成功しているのでので浦和優勢のままゲームは推移。

・それでも横浜Cはカウンターで反撃(試合後の会見では「引いてカウンター」を当初から狙ってたわけではなさそうですが))。16分高木が対面の関根をぶっちぎって単騎左サイドから切り込んでシュート(角度が無くて西川セーブ)。さらに30分小泉のバックパスが松尾に渡ってしまう大惨事で松尾→ミネイロの決定機(シュートは西川正面)。

・ゲーム自体は優勢に進めながらシュートを撃てなかった浦和は34分ついに先制。小泉がキックフェイント一発で対面の高木を交わして左足で鋭いクロス→汰木が極めて珍しいことにヘッドで合わせてゴール!!!

・優勢のまま前半を終えた浦和は後半頭から小泉に代えてユンカー投入。リカは試合後「後半にキャスパー ユンカーを入れたのですが、小泉に関しては45分のコンディションというところがあり、ケガのリスクも少しあったので、そこでリスクを冒さず交代しました。」と語っており、やむを得ない交代だったようですが、平野がいない上に小泉まで下げたせいか浦和のビルドアップは急激に不安定になり、相手を押し込むどころかボール支配もままならない惨状に。

・浦和の決定機は59分に柴戸スルーパス→裏抜けに成功した酒井クロス→江坂くらい。山のようにCKをもらいましたが、これも決定機になったのは60分CKからの流れで江坂の一回だけ。しかも角度が無くてGK正面。

・勢いづいた横浜Cは61分ヴィゼウ→ジャーメイン、前嶋→岩武の2枚替えで終始前がかり気味に。その裏を突いて66分関根(?)の縦パスを受けて右サイドを酒井が単騎激走してボックス内に突入したかと思えば、67分には西川が何でもないクロスをファンブルし、ジャーメインのシュートを身を挺して防ぐというドタバタ劇も。

・後半は横浜Cがボールを支配する時間は長くなって攻撃の手数も増えましたが、肝心なところで横浜Cのクロスが悉く精度を欠く上に、危ない場面はショルツや酒井が辛うじて対応して決定機は与えず。

・リカは78分江坂→大久保、伊藤敦→金子の2枚替え。これは「江坂、伊藤敦樹がすごく疲労を感じていて、その中でフレッシュな大久保と金子を投入しました。」という判りやすい意図。およそ点が入りそうにない展開になったためか、87分に関根→槙野、汰木→達也と2枚替えを敢行して3バックに移行。

・そのまま逃げ切りかと思いきや、88分相手FKからボックス内で槙野が、さらに明本がシュートブロック。明本のブロックからこぼれたボールを大久保が拾ってカウンター炸裂。大久保→ユンカーへのスルーパスはスピード&精度を欠いてユンカーのシュートはGKに弾かれてしまうもすかさず大久保が拾って石橋を叩くかのように慎重に慎重を重ねてゴールを決めて勝負あり。

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《総評》

・シュートを13本も打ち、CKにいたっては15本もあったというスタッツとは裏腹に見所に乏しい試合でしたが、相手もさしたるチャンスはなく、危なかったのは西川まさかのポロリだけ。完勝といって差し支えないでしょう。

・「川崎フロンターレとの試合の後で、こういったところでふと切れてしまうことはサッカーではよくあること」とリカは試合後語っていましたが、リカに言われなくても古参の赤者なら誰しも浦和がやらかして来た数々のあれやこれやを思い出しながらこの試合を見ていたでしょうから、どんな内容であっても勝って終われば万々歳。暫定ながら順位は一つ上がって6位&3位との勝ち点差を2に詰めました。

・ただ上位チームの中では浦和は圧倒的に得点力が低いのが難。名古屋は「守備的に闘ってウノゼロで勝ちまくる」のを旨としているので得点力が低くても大きな問題はありませんが、浦和は積極的な試合運びを理想としているのに結果は守備的になっている辺りが実に歯がゆい。特に中断明け後はショルツ&酒井の補強が絶大すぎて超安定した最終ラインをベースにしょっぱい試合を僅差で拾い続けているせいか、なおさら「結果的に守備的」なイメージが強くなった気も。

・この試合で気になったのは前半と後半でやっているサッカーが完全に別物のように見えたこと。前半は江坂・汰木・明本が左サイドで盛んにポジションを変え、甚だしい時は明本が最前線で江坂がSBっぽく後方に構えている時すらあって、それでいて全体のバランスは崩れない。役割が被ったりしない面白いサッカーをやっていました。

・一方後半小泉が下がってユンカーが入るとそんな動きはぱったりと止んでしまい、しかもビルドアップはガタガタに。でも前半はボールは回っているが決定機はそんなに作れていないし、後半は見ている側には面白くはないがカウンターで決定機を作れているので滅茶苦茶悪いわけでもない。

・ミシャのような「誰が出ても同じサッカー(但しレギュラー以外は完成度がダダ下がり)」ではなく、リカは「出ている選手の特徴を活かすように芸風を変えるサッカー」を志向しており、それはそれで面白いのですが、現状どの芸も完成度が低いのでなかなか点は入らず、もどかしさだけが残る。そんなところでしょうか。

・リカは事実上チーム再建初年度にも関わらず予想以上に良くやっているとは思いますが、「ACL圏内に入って然るべき!!」と思えるだけの強さを備えているかと言えばまだまだかなぁ。来週のC大阪戦はともかく、その次のF東京&神戸との連戦で浦和の真価が問われることになるでしょう。

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《選手評等》

・汰木は「イケメン&高身長だがハイボールはからしきダメなドリブラー」という絵に描いたような永井の後継者ですが(苦笑)、極めて珍しいことにヘッドでゴール。試合後汰木は「ここ1ヵ月くらいコーチの平川さんがヘディングのトレーニングに付き合ってくれていました。トレーニングでは1本も入らなかったのですが」と衝撃の告白!! でも往年の平川のクロス精度を思うと、平川コーチとヘッドの練習をするのは滅茶苦茶効率が悪い気が・・・山中に付き合ってもらえないのか・・・山中が呆れて辞退した可能性・・・

・今日の大久保はSHではなく、かなりはっきりした2トップの一角としての起用でした。そしてコンディションが依然良くないのか全然動けないユンカーに代わって大久保がよく走っていました。ゴールはそのご褒美でしょう。慎重にトラップしている間にDFに詰められる大惨事にならなくて良かった!! 前目の選手なのにとうとう1点も取れずに浦和を去らざるを得なかった選手は山ほどいるだけに、とにかくおめでとう!!

・また最後に投入された達也も守備によく走っていて、勝っている試合で途中投入される選手の役割を十分果たしていました。酒井と相性が悪いこともあって達也の出番は減っているけど、ちょっとしかない出番での頑張りをリカはちゃんと見てるから!!

・平野なし小泉なしだとたちまちビルドアップに詰まるのには参りました。夏にJ2から採ったばかりの選手が、たったひと月で「いないと心配だ!!」級の主力扱いになってしまうってどんなチームやねん(笑)

・今日の西川の何でもないクロスをポロリとかロングキックが直接タッチ割りまくりを見ると、ルヴァン杯で残念だった彩艶との差はそんなにないのかかも。現状あんまり高いレベルでの争いでなくなったようで残念至極。

・酒井はパスミスが多くてやはりコンディションはあまり良くないのでしょうが、とにかく守備が鉄壁すぎてリカも外すに外せないのかも。あるいは西が90分使える状態ではないのかも。

・とにかく池内主審が邪魔でした。両足を使ってくるくる回る小泉の動きを全く読めないのか、小泉の進路やパスコースに悉く立ち塞がる池内主審。11分には相手のカウンターの芽を摘もうとした敦樹を池内主審がブロックしてしまい、やむなく敦樹が後方から手で相手を止めてイエローに。イエローをもらうハメになった原因が主審のポジションの悪さなので当然ながら浦和は主審を取り囲んで猛抗議!! そんな池内主審相手に怪我人なし、退場者なしで試合を終えたから良しとせざるを得ないのか・・・ 恐るべしJリーグの「あ行主審」の数々。

・「横浜Cはセットプレーに弱い」という話でしたが、GKブローダーセンとCBガブリエウの加入で激減しそうな感じ。来年へ向けての朗報かと。

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-----江坂-----
汰木---小泉---関根
---柴戸--敦樹---
明本-ショルツ--岩波-酒井
-----西川-----

(得点)
34分 汰木
89分 大久保

(交代)
HT 小泉→ユンカー
78分 江坂→大久保
78分 伊藤敦→金子
87分 関根→槙野
87分 汰木→田中


-----ミネイロ-----
--松尾----ヴィゼウ-
高木-高橋--安永-前嶋
-ガブリ--韓--伊野波-
-----ブロダセン----

(交代)
61分 ヴィゼウ→ジャーメイン
61分 前嶋→岩武
82分 高橋→シルバ
86分 ミネイロ→渡邉

※写真は試合とは全く関係がありません。

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2021.09.06

【TV観戦記】21年ル杯準々決勝第2戦:川崎 1-1(計4-4) 浦和 ~ これが最後まで諦めない浦和の執念の力か!!

 終盤にCKから立て続けに失点して2点ビハインドになったものの、浦和の選手・監督・スタッフ達は誰一人として諦めていなかった。諦めさえしなければサッカーはとにかく何が起こるかわからない。いやはや恐れ入りました。

《スタメン》

・リカは第1戦の内容に相当手応えを得たのか、浦和のスタメンは第1戦と全く同じ。但し、ユンカーと西がベンチに復帰し、木下と金子がベンチ外に。そして明本は絶対に疲れない。明本はボールと同じ(笑)

・川崎は第1戦からジェジェウ→山村、車屋→田邉、イサカ→小林、遠野→宮城とスタメン4名入れ替え。第1戦で故障交代したはずのジェジェウがベンチ入りしているのはびっくり!!

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《試合展開》

・両CBが故障交代を余儀なくされた第1戦では終盤小柄の登里がなんとCBに起用されましたが、さすがに無理がありすぎたと見えて第2戦では高卒新人の田邉をCBに、登里を左SBへ起用。しかし最終ラインが急造であることには変わりなく、浦和は第1戦同様2トップ&SHで積極的に前からハメにいったのが奏功しました。

・4分小林への横パスを明本が左サイド高い位置でカットしたのを契機に汰木クロス→相手がクリアしたこぼれ球に関根がボレーシュートを放つもここはGKチョン・ソンリョンがセーブ。

・なおも浦和が川崎の脆弱な最終ラインを脅かし続けて優勢な中、9分岩波ロングフィード→江坂が胸トラップ一発で右SB橘田とCB山村の間を上手くすり抜けてシュート!ボールはGKの股間を抜けて、浦和が早々と貴重なアウェーゴールを挙げて2戦合計で優位に立ちました。

・18分にも平野が高い位置で脇坂からボールを奪取し、平野→汰木→関根が右サイド深い位置まで切り込んでグラウンダーでマイナスのクロス→ボックス内に突入した汰木が決定機を掴むものの、ここもGKが好セーブ。そのプレーで得たCK→明本ヘッドはわずかに枠の外。

・給水タイムあたりまでは浦和の優勢は明らかで、川崎は平野や小泉を上手く掴まえきれずにボールを回され放題になってしまう場面すらありましたが、浦和の前プレは徐々に減衰してリトリート気味に。この辺の機微についてリカは試合後の記者会見で「あれを90分間続けるのは難しいところがあります」「1点取ったから引いたというより、彼らのうまさもあって、押し込まれる時間が増えてしまったのかなと思います」と意図的に引いたわけではないと説明。

・川崎も序盤まるでダメだったわけではなく、「ボールを保持してサイドを抉ってもラストパスがダミアンに合わなかっただけ」という印象でしたが、30分過ぎに布陣を4-4-2に変更(ダミアン&小林の2トップ、家長右SH、宮城左SH)にしたのが妙手。これでダミアンの孤立状態が解消して浦和を自陣深く押し込むのに成功しました。ただ、試合後の鬼木監督会見だとこの布陣変更は浦和の両CBを自由にやらせないことに主眼があった模様。

・浦和も4-4-2の守備ブロックで粘り強く守っていましたが、自陣深く押し込まれてしまうと川崎の超強力な攻撃には抗しきれず、40分左サイドから宮城→家長スルーパス→小林の横パスをダミアンが仕上げて同点。宮城のパスを受けた家長がノールックみたいな格好で叩いて小林にスルーパスを繰り出したのが凄すぎ!!

・2戦合計で完全に五分五分になったところで、川崎は後半頭から田邉に代えてジェジェウを投入。ジェジェウの怪我は極めて軽傷だったようで、これで川崎最終ラインは一気に安定。それどころか随所でジェジェウが浦和の攻勢を断ち切る活躍ぶり。

・さらに川崎は58分宮城に代えて長谷川を投入して反転攻勢を仕掛けるも決定機は作れず。浦和もサイドから何度か良い形を作りながらもフィニッシャーだけがいない状態に陥っていたので、63分汰木に代わってユンカーを投入。

・これはこれで一理あると思ったのですが、膠着状態を打開したのは川崎。77分脇坂CKを山村がヘッドで叩きこんで逆転に成功。彩艶は飛び出してパンチングを試みるも触れずに山村の高い打点でのヘッドを許してしまい、リーグ戦で正GKの座を失う契機となった湘南戦での失態の繰り返しに。

・ここでリカは80分宇賀神→西、関根→達也、平野→敦樹の3枚替えで大勝負に出るも、83分脇坂CKをニアのシミッチヘッドで決められてしまいました。シミッチの位置には岩波がいることはいるのですが、態勢が全然競る形になっていない・・・ 「内容が良いとは言い難い試合でもセットプレーで勝ち切るのが強いチームだよなぁ」と少なからずの赤者の心が折れてしまったであろう、終盤での致命的と思われる3失点目でした。

・ところが、ATを含めてまだ10分以上あった中で先の3枚替えが奏功。87分小泉がセンターサークル付近から右サイドへ展開→西がトラップしながら前に出てクロス→ソンリョンが弾いたボールがジェジェウに当たってしまう大失態。さらにジェジェウに当たったボールがユンカーに当たってボールがゴールへ転がり込むような形で1点差に。

・川崎は「今日は勝ったな、風呂でも入るか!!」とばかりに84分ダミアン→知念、90分小林→遠野と主力を下げたものの、これが却って良くなかったのか、結果的に試合後鬼木監督が「もう少しボールをしっかりと握って時間を使いたかったです」と反省する羽目に。

・一方もう1点取ればアウェーゴール差で勝ち抜けが決まる浦和は一気に息を吹き返し、リカはATには槙野を最前線へ投入してパワープレーに。さらにCKのチャンスでは彩艶も前に上げて捨て身の大攻勢。そして90+4分江坂CK→槙野が競り合ったこぼれたボールをファーでショルツが折り返し→ユンカーヘッドはソンリョンの正面へ飛んだものの、ソンリョンはキャッチ出来ずにこぼれたボールを槙野が押し込んでまさかまさかの同点弾!!

・スタメンはすっかり新戦力だらけになってしまった浦和ですが、最後の最後で決定的な仕事をしたのは前回ルヴァン杯優勝を知っている槙野でした。興奮した槙野はベンチへ向かって疾走しながらユニフォームを脱ごうとしていましたが、NIKEのピチピチ仕様が災いして脱ぐに脱げず(苦笑)

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《総評》

・トーナメント方式のカップ戦なので結果が全て。カウンターだろうが、セットプレー一発だろうが、あるいは胡散臭いPKだろうが、プロセスはなんでも良いから勝てば全く問題なし。それにしても劇的すぎる幕切れでした。こんなのを現地でこっそり観戦していたら最後は正体バレバレで後日揉め事に発展していたでしょう(苦笑)。さらにビジター席があった日には間違いなく等々力のアッパーは崩壊してたでしょうな。危ない、危ない。あそこで飛び跳ねちゃダメ、ゼッタイ!!

・事実上チーム再建初年度のチームなので、カップ戦準々決勝で「内容は良かったが勝負には負けた」という結果であっても正直許されると思ったのですが、まさかこんなタイトル常連みたいな勝負強い勝ち方をするとは!!

・準々決勝勝ち抜けが決まった以上内容に難癖をつけてもあまり意味はありませんが、あえて言えば怪我人だらけの川崎相手に2試合とも勝てず。この試合は序盤の優勢だった時間帯に2点目が取れなかったのが残念。端的にいえば「浦和の2点目の得点力のしょぼさが際立つ」のは今年の課題として最後まで残りそうです。

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《選手評等》

・槙野のFW起用について試合後の会見では、

 リカ「槙野個人に『今回はメンバーは同じでいく。ただもしかしたら、何かのタイミングでゴールを取らなければいけないとなったときにはFWで使うから』と話していたら、本当に彼が点を取ってくれました」

 槙野「昨日監督と『今日の試合は出ない』と話をしていた中で、『点差を含めて、内容によってはもしかしたら出る』と言われたときに、冗談で『FWで準備しています』という話はしていました。」

と微妙にニュアンスが違う話をしていますが、実際のところは

 キャンプ時のリカ「できるポジションを3つ挙げてくれ」
 槙野「CBと左SBとFWです」
 リカ「FW(笑)」
  ↓
 今日のリカ「FWで行くぞ!!」
 槙野「」

みたいな感じではなかったかと(笑)。

・でもスタメン復帰はならなかった槙野。ショルツとの相性は槙野より岩波のほうが良いという判断なのかな?あるいはショルツは左のほうが活きるので必然的に相方が岩波になるのかも。ショルツはどういうわけか後半はちょろちょろ左サイドで攻撃参加していましたし。

・さらに言えば3点目に繋がるCKを得た角度のないところから枠内シュートだとか、決勝点に繋がったショルツ折り返しなんかを見るとショルツの攻撃力は只者ではなく、それを活かすべくショルツ左の3バック採用もありうると思いました。

・決定的なミスを犯してリーグ戦での正GK奪回が遠のいた彩艶。危ない場面もありましたが、CHにうまくパスを付ける能力は概して西川より高いように見えますし、そもそも若いのでまだまだこれからが勝負。出番をもらったらとにかくガンバレ!

・この日の中継は「喋ってないと死ぬ青嶋&愚痴ってないと死ぬ清水」という地獄絵。青嶋アナってうるさすぎるけど選手名を間違えないのが取り柄で「さすが競馬中継やってるだけあるなぁ」と思っていたですが、家長と家本をしょっちゅう間違えたのは老化なのかなぁ・・・ そして実は競馬中継でも結構やらかしているとの話も・・・

・一方劣勢な方を愚痴り始めると止まらない解説清水。平野を「難しいことをしない」と表現するのがめっちゃ不思議。本当に両サイドに叩くだけだった内舘CHならともかく、平野のやっていることは難しいと思いますが・・・ パスを受ける前に出せる先を予め探しているから、いざボールが来たときに瞬時に正確に出したいところへ出せる。だから川崎は平野を潰すのに苦労していたんじゃないかと。

・この日の主審は安心安定の家本さん。ATにボックス内で山村がハイキックで岩波を蹴っているのは不可抗力でファウルなしは妥当だと思いますが、第1戦で柴戸がわずかに脇坂を踏んでいるPKを取った西村主審ならPKだったんじゃないかと。それより家本主審がシミッチに「繰り返しのファウルでイエロー」を出さないのが不思議でした。

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---江坂--小泉---
汰木--------関根
---柴戸--平野---
明本-ショルツ-岩波-宇賀神
-----彩艶-----

(得点)
8分 江坂
87分 ユンカー
90+4分 槙野

(交代)
63分 汰木→ユンカー(ユンカーがFW、小泉が左SHへ)
80分 平野→伊藤敦
80分 関根→田中
80分 宇賀神→西
90+2分 柴戸→槙野(槙野をFW起用してパワープレー)


宮城---ダミアン---小林
--家長----脇坂--
-----シミッチ-----
登里-田邉--山村-橘田
-----ソンリョン-----

(得点)
40分 ダミアン
77分 山村
83分 シミッチ

(交代)
HT 田邉→ジェジエウ
58分 宮城→長谷川
84分 ダミアン→知念
90分 小林→遠野

※写真は試合とは全く関係がありません。

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2021.09.02

【観戦記】21年ル杯準々決勝第1戦:浦和 1-1 川崎 ~ 第2戦へ希望を繋ぐ価値あるドロー

 残念ながらアウェーゴールを与えてしまいましたが試合内容は中断明けでは最も良く、今のチーム状態&日程面での不利を考えれば第2戦に繋がる好ゲームだったと言って良いでしょう。

《スタメン》

・浦和は直近のリーグ戦から中2日、川崎は中3日と日程面では浦和が不利な一戦。かつ代表招集で浦和は酒井、川崎は山根が不在。

・湘南戦で疲労の色が濃かった浦和は西川→彩艶、槙野→岩波、酒井→明本、敦樹→柴戸、大久保→汰木、ユンカー→江坂とGKを含めてスタメン6名を入れ換え。酒井の穴は宇賀神を右SBに配転して穴埋め。浦和公式SNSで大原に戻って来たことが確認できた西&山中は間に合わず。

・そして湘南戦に続いて興梠がベンチ外になったのが衝撃的でした。疲労困憊のユンカーに代わって間違いなくスタメン起用されるものと予想していたのですが、リカの目には今の興梠は使い物にならないということなのかも。

・川崎は山根→イサカ、山村→シミッチ、宮城→家長、小林→ダミアンとスタメン4名入れ替え。前節札幌戦で面子を落とし、ルヴァン杯第1戦で現有のベストメンバーを起用した感じ。

・なお山根の代役に起用されたイサカは大卒2年目でリーグ戦ではほとんど出場実績がありません。なお今夏の移籍期間中に田中碧と三笘が移籍、谷口と旗手が負傷離脱中なので川崎と言えども見覚えのない選手がちらほら。

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《試合展開》

・浦和の布陣はいつもの4-2ー3-1ではなく、小泉が中盤に下がることはほとんどないどころか江坂とほぼ横並びの4-4-2。川崎はいつもの4-1-2-3。但し右WG遠野と左WG家長が頻繁にポジションを入れ替えていました。

・浦和の立ち上がりは上々でしっかりボールを支配して川崎を自陣に押し込む場面すらありましたが、さすがにそれは5分くらいしか持たず。その後は川崎にボールを支配される時間帯が長くなってしまいましたが、この日の浦和が良かったのはむしろ川崎がボールを持っている時。

・江坂&小泉の2トップが川崎CBにプレッシャーをかけて自由にビルドアップを許さず。川崎がたまらずSBにボールを出せばそこには浦和SHが詰める。GKチョン・ソンリョンにはあまりプレスに行かないところを見ると、あえてGKにボールを蹴らせるように仕向けていた感も。ソンリョンはシュートストップこそ見事ですが、そんなに足元は上手くないから。

・また川崎にボールを持たれても浦和守備陣はドン引きにはならず、自陣で4-4-2のコンパクトな陣形を保って最終ラインをボックス内に入れずになんとか耐えていました。川崎は宇賀神の裏を盛んに突いていましたが決定機には至らず。

・ボールを奪い返した浦和は川崎の厳しい前プレにも怯まず、ショルツ&平野と深い位置から縦パスを繰り出せる選手が複数いるのが効いて、しっかりボールを繋いで反撃。彩艶が長短のキックで川崎の前プレを再三空転させているのも目を惹きました。浦和の攻撃は明本に長い距離を走らせての左サイドからの攻撃がメイン。右SBイサカは経験不足な上に8分に早々とイエローカードをもらってしまって、その後汰木&明本の格好の餌食に。

・一方右サイドに良いタイミングでボールが出ても宇賀神がそれを活かせない場面が2度(´・ω・`)ショボーン ここは西の不在を痛感させられることに。

・試合を大きく左右したのが31分CBジェジェウの負傷。やむなく川崎は山村を投入しましたが、準備不足なのか山村はすぐにはゲームに入れなかったようで、35分ついに浦和の前ハメが炸裂。小泉がスライディングで相手のビルドアップのミスを誘い、江坂が山村からボールを奪取してそのままボックス内に突入。前に出てくるGKソンリョンを見て右の関根にパス。これを関根が押し込んで浦和が見事先制!!

・しかし浦和は宇賀神だけが不振を極め、42分スローインが直接相手に渡って家長のシュートまで持ってゆかれる場面も。但しここはショルツがブロックして難を逃れました。45分登里→イサカの決定機もイサカのシュートは角度が無くて彩艶の胸を直撃。

・ハーフタイムを挟んで浦和は疲労を考慮してか後半頭からショルツに代えて槙野を投入。

・一方まさかのビハインドとなった川崎は後半頭からイサカ→小塚、遠野→小林の2枚替えで右SBの穴を塞ぐと共に前目を強化して大反撃。一気にギアを上げて来た川崎に対して浦和はたまらずドン引きになっての防戦を余儀なくされましたが、52分スルーパスを受けての脇坂のシュートは岩波がブロック。58分急激にビルドアップが怪しくなった岩波のパスミスから生じたカウンターは柴戸が駆け戻って火消しに。

・この試合を通じて最も苦しかったこの時間帯を耐えに耐え、リカは64分平野に代えて敦樹を入れて全体のベクトルをやや守備方向へシフト。これでようやく試合が落ち着くかと思いきや、69分なぜかVARが介入。長々と西村主審と交信し、しかもオン・フィールドレビューが行われるおまけ付き。現地では何が何やらさっぱり判りませんでしたが、どうやらボックス内での柴戸のファウルを取られた模様。73分家長はPKを難なく決めて同点に。

・儲けもののような形でアウェーゴールを得た川崎が俄然有利な展開になり、あとは一気に浦和をタコ殴りににして事実上準々決勝勝ち抜けを決めてしまうかと思いきや、またしても川崎にアクシデントが発生。80分に今後は車屋が負傷。やむなく登里をCBへ回し、左SBに高卒新人の田邉を入れて急場を凌ぎましたが、CB2枚どころか事実上最終ライン全員が試合中に入れ替わる大惨事に。

・こうも最終ラインが不安定だと川崎はさすがに攻めるどころではなくなってしまい、73分小泉→大久保、汰木→達也の2枚替えで運動量を補充した浦和が中盤で優位に立って攻勢。81分敦樹が中盤でボールを奪取→大久保右へスルーパス→達也の低いクロスがゴール前に入り込んだどフリーの江坂に合う絶好機ありましたが、江坂のシュートはGKを直撃。

・ショルツ、平野、小泉と縦パスを出せる選手をどんどん下げて前目がドリブラー祭りになってしまった時にはどうなることやらと思いましたが、ドリブラー軍団が意外に輝いて最後まで浦和が攻勢に次ぐ攻勢。ATには大久保FKの流れから江坂ヘッド→そのこぼれ玉を達也がシュートという見せ場がありましたが、槙野がちょこっと角度を変えたボールは枠を捉えきれずに試合終了。

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《総評》

・浦和はそもそも川崎より日程面で不利ですし、中断明けから酷暑下での連戦を余儀なくされて疲労の色が濃い選手も少なくなく、いろんな事情が重なって直近の試合内容は良くない。従ってルヴァン杯第1戦は現有のベストメンバーからはほど遠い面子で闘ってアウェーゴールを与えずに第2戦に繋げればミッションコンプリートというのがリカの算段だったはず。

・残念ながらなんだかよく判らないPKを取られてアウェーゴールを与えないというミッションは完遂できませんでしたが、試合内容は中断明けで最も良く、しかも第2戦はユンカー復帰等上積みが見込める以上、悲観する必要はないどころか大いに期待が持てる試合だったと思います。そして「次戦はとにかく勝てばOK」という、あんまり難しい計算が出来ない赤者(苦笑)にはおあつらえ向きな形に。

・リカはこの試合に向けて中断明け後リーグ戦であまり使ってなかった選手(小泉・汰木・柴戸・宇賀神・彩艶)をスタメンで使い、平野など使い詰めの選手は適宜途中交代させるなど、上手く疲労の平均化を図っていたのが終盤川崎を運動量で圧倒した主因でしょうか。もっともその原則は明本には適用されず。たぶんリカの脳内では「ボールと明本は疲れない」(苦笑)。

・彩艶・ショルツ・平野・小泉・江坂と深い位置から浅い位置までとにかく縦パスが出せる選手がゾロゾロ並んで、川崎を翻弄する様はとにかく痛快でした。右SBに西がいたら、そしてフィニッシャーとしてユンカーがいたらと夢が広がりまくり。

・一方川崎は一番プライオリティーの低いであろうルヴァン杯になぜか現有のほぼベストメンバーを起用。9/14(水)のACLラウンド16蔚山戦(なぜかアウェーゲームでの一発勝負)へ向けて万全を期すべく、日程面で有利な第1戦で浦和をタコ殴りにして事実上勝ち抜けを決め、第2戦では面子を落とす算段をしていたような気がしてならない(試合後の鬼木監督会見からもそんな臭いがプンプン)のですが、算段通りにならなかったどころかCB2枚が負傷してACL&リーグ戦へ不安を残す形に。谷口&旗手も故障中で過密日程がここで川崎に一気に祟った感じ。

・従ってアウェーゴールを奪った川崎が若干有利な結果なのは間違いないのですが、結果により不満なのはおそらく川崎のほうじゃないかな?

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《選手評等》

・VAR&PKの場面。現地では「ハンド!!」の声が聞こえましたが、ボックス内でのハンドなんてあった風には見えず、なぜか柴戸にイエローが出てPKはハンドの声とは無関係なことがうっすら判ったくらい。駒場はVAR画面を流す機能がないのか、何をVARで確認しているのか現地では全く判りませんでした。

・後でPKの場面をスカパー録画で確認しましたが、これは決定機阻止に相当するファウルを西村主審が見逃したので、飯田VARが介入したパターンなのかな? 柴戸がわずかに脇坂を踏んでいるようにも見えなくはないけど、正直よくこんなファウルを取るなぁと妙に感心。川崎の選手は誰もファウルなんで主張していませんでしたし。浦和の罪はどんな微罪であっても見逃さない。さすがJリーグ様です(苦笑)。

・こんなのでPKを取られた日には、昨日相次いでクビになった監督とか明日クビになりそうな監督とかJFKとか織部とか、その場で散々も主審を罵倒した上に試合後主審に対してチクリどころか堂々と批判しそうなもの(だがJリーグから罰せられるのはなぜか織部だけ)ですが、そこは何も言わないのがリカ流かな?

・平野がついにJ1のプレススピード&強度に慣れて「相手を引きつけてはくるりと回って縦パス」を連発!! 平野はファウル上等でがっつり来る鳥栖や湘南は苦手のようですが、川崎はそこまでプレスの強度が高くないのが幸いしたかも。それにしても前半のくるりと回って縦パスズバズバには参りました。こりゃリカが補強対象にご指名するのも当然!! 

・久しぶりに出場機会を得た彩艶は酒井みたいな判りやすいロングキックのターゲットがなくて気の毒でしたが、長短のパスを駆使して川崎の前プレを交わす役割は十分に果たしていました。危なかったのは終盤にプレゼントパスがあった場面だけかな?

・川崎がやむなくCBに身長170cmにも満たない登里を入れたので、リカは木下を入れて物理的に殴りに行くと思ったのですが、湘南戦の出来を見て自重したのか、あるいは木下は「長身だがハイボールには特に強くない」という浦和長身FWにありがちなタイプ(尊称「ツァ」が付く)と判断したのか??

・あの「集中!」マシーンは塩田だったのかw

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---江坂--小泉---
汰木--------関根
---柴戸--平野---
明本-ショルツ-岩波-宇賀神
-----彩艶-----

(得点)
35分 関根

(交代)
HT ショルツ→槙野
64分 平野→伊藤敦
73分 小泉→大久保
73分 汰木→田中(関根が左SH、達也が右SHへ)

遠野---ダミアン---家長
--橘田----脇坂--
-----シミッチ-----
登里-車屋-ジェジェ-イサカ
-----ソンリョン-----

(得点)
72分 家長(PK)

(交代)
31分 ジェジエウ→山村(故障による交代)
HT イサカ→小塚(橘田が右SB、小塚がIHへ)
HT 遠野→小林(小林右WG、家長左WGへ)
80分 車屋→田邉(故障による交代。登里が左CB、田邉が左SBへ)
80分 脇坂→宮城

 

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2021.08.30

【DAZN観戦記】21年第27節:湘南 0-0 浦和 ~ 練度不足&疲労困憊ではどうにもならず

 相変わらず連携に難がある上に、酷使に次ぐ酷使が祟って精彩を欠く選手が続出してほとんど試合にならず。数少ない決定機は決められず、優勢だった湘南の詰めの甘さに助けられてのスコアレスドローも已む無し。

《スタメン》

・共に前節から中3日の一戦。浦和は明本→小泉、江坂→大久保、岩波→宇賀神とスタメン3名入れ替え。明本&江坂はベンチスタート。達也がベンチに戻って来たので、このところ出番がなかった興梠はとうとうベンチ外に。

・湘南は池田→山田、畑→高橋とスタメン2名入れ替え。

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《試合展開》

・浦和のフォーメーションは前節広島戦のようなFW縦並びっぽい4-4-2ではなく、かなりはっきりした4-2-3-1。明本と比較すると小泉は中盤に下がり勝ちで、守備時は4-5-1に見えるくらい。また広島戦と違って湘南の3バックに対してはほとんど前からハメに行かず、たまにハメに行った時もユンカー&両SHの3人で行ったようで、小泉が関与することはあまりありませんでした。

・浦和はお疲れなのか湘南のビルドアップをたいして制限しないので、序盤は湘南に押し込まれ気味。ただ3分ロングボールに反応した大橋が右サイド奥深くでキープ→古林がクロスを入れるもタリクに合わず、8分大橋が左サイドからカットインして角度がやや厳しいところからシュートを放つもDFにブロックされて枠外と、湘南は早々と良い形を作りながらも決定機には至らず。終わってみればこの日の湘南はずっとこんな感じでした・・・

・浦和はビルドアップ時に広島戦のような酒井あるいは逆に宇賀神を前に押し出しての3バックの形を取るのかも?と思って全体像が判り辛いDAZNの画面を凝視していましたが、広島戦ほどはっきりした形は取っていなかったかと。むしろ平野が時々最終ラインに降りてビルドアップに加わっていたのが目につきました。しかし、いつもながら前からのプレッシャーがきつい湘南相手にビルドアップはなかなか上手く行かず、

・それでも給水タイムの前後から浦和がなんとかボールを保持して湘南を押し込む場面が増え始め、21分深い位置から平野縦パス→小泉右サイドへ展開→関根カットインしてクロスとこの試合で初めて良い形。

・35分にはチャンス。GK谷のクリアボールをショルツがヘディングで跳ね返し、こぼれ玉を拾った平野が縦パス→大久保がドリブルで運んで左へ展開→ユンカー斜めにラストパスを送って小泉スルー&ゴール前に走り込んだ大久保に合うも大久保のシュートはまさかの宇宙開発事業団。

・でも前半の浦和が良かったのはこの2回だけ。あとは連携にスムーズさを欠いてシュートを撃てないどころか決定機に至らずにボールロストを連発。

・フェイスガード装着状態のまま3試合連続スタメンのユンカーは蒸し暑い日本の夏にすっかり参ってしまったのか全く動きにキレがありませんでした。もともと身体を張ってのボールキープは得意ではないのである程度致し方ありませんが、ロストしても全然奪い返しに行こうとしませんし・・・ また小泉との距離が遠くて終始孤立気味なのもユンカーの悪目立ちに拍車をかけていた感も。

・40分にはユンカーのパスミスを契機にカウンターを食らい、古林が宇賀神をなぎ倒して右サイドからどフリーでクロスを上げられてしまいましたが槙野が辛うじてクリアしてファーのタリクには合わず。タリクは23分にも同じような形での決定機でなぜかバレーボールばりのスパイクを試み、しかも枠外という失態を犯してこちらも悪目立ち。当然ながらイエロー。

・リカは故障明けの小泉と疲労困憊の関根に配慮したのか、あるいは孤立無援のユンカーの救援が急務と思ったのか、後半頭から小泉→江坂、関根→明本と代えて江坂を右SH、明本をFWへ入れてはっきりした4-4-2にシフト。これでユンカーの孤立状態はかなり解消され、江坂は広島戦同様絞り気味のポジションを取るので酒井も前に出やすくなって攻撃に厚みが生まれ、さらに明本が盛んに湘南最終ライン裏を突き出したのが効いて浦和は俄然優勢に。

・56分ショルツ縦パスを契機に江坂→ユンカー→大久保と繋がり、大久保のクロスをボックス内で受けた江坂がシュートの決定機を作りましたが、シュートは枠の外。そして終わってみれば後半の浦和が良かったのはこの10分強だけ。

・湘南も59分タリク→ウエリントン、古林→畑と投入してお約束のハイクロス攻撃。しかし肝心なところでFKを含めて精度が劣悪で、決定機らしきものは66分右サイドから池田クロス→ウエリントンヘッドが枠内を襲っただけ。しかも西川が楽々セーブ。左サイド深い位置で2回FKの好機を得るも、池田のキック精度が酷すぎて2回とも同じような軌道を描いて誰にも合わずにそのままゴールラインを割ってしまうのには大笑い。

・膠着した戦況を打開すべく、リカは73分宇賀神→達也、平野→柴戸と代えて最終ラインにショルツ・槙野・酒井、両ワイドに達也・大久保と並べた3-4-2-1っぽい並びに変えたものの、この形の練習はロクにしていないせいか、守備はともかく攻撃はほとんど成り立たず。最後にユンカーに代えて木下を投入するも、木下は露骨に練習不足が祟って明後日の方向に動き続けてそのまま試合終了。

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《総評》

・シュート数はわずかに湘南が優勢で、シュートに至らずとも湘南の方が手数は多い印象を受けましたが如何せん詰めが甘すぎて決定機らしい決定機は66分のウエリントンヘッドだけ。むしろ決定機が2回あった浦和のほうが勝利に近かった気さえしますが、それもたった2回だけなので第三者的には全く見所がない塩試合と見做されても仕方ないでしょう。

・蒸し暑い過酷な環境下で鳥栖戦から中2日or中3日で続く連戦も5試合目。西川と酒井以外はリカなりにスタメンを入れ替えたり、途中で下げたりしながら連戦をこなしているけれども、怪我等でベンチにすら入れられない主力級が何人もいるのが祟ってやり繰りにも限度があり、とうとうこの試合で浦和はボロ雑巾状態になってしまいました。

・毎度の繰り返しになりますが、連戦連戦でまとまった練習時間が取れない中で夏に獲得したばかりの選手を早々にフル稼働させた以上、連係面で難があるのは致し方ありません。特に攻撃面ではそれが顕著。守備は全く破綻なくやっていますが、これも正直酒井を筆頭にDF陣の個人能力でなんとかしている印象が強いかと。

・守備陣が踏ん張って無失点で凌ぎに凌いでいるうちに攻撃陣がほんのちょっとしかない決定機を決められれば勝機も見えてきますが、この試合は如何せん枠内シュートゼロですからスコアレスドローも致し方ないでしょう。

・残念でならないのは長身選手がやたら多くてターゲットが豊富な割にはセットプレーが全く決定機にならないこと。これも練習してないからかなぁ? 大久保はともかく江坂はキッカーとして計算できるはずですが・・・

・見所に乏しい塩試合の連続ですが、それでも曲がりなりにも新戦力をチームに馴染ませながらクソミソな内容でズタボロに撒けた札幌戦からチームを立て直して天皇杯を勝ち進み、かつリーグ戦4試合では勝ち点10をゲット。しかもこの試合ではついに本格的な3バックを試行するなど戦術の幅を広げながら、ACL圏入りまで勝ち点2の位置に付けているのは上出来と言って良いでしょう。

・ACL圏入りが現実的な位置にいるので、難しくなったのが中2日でやってくるルヴァン杯準々決勝への取組姿勢。正直ルヴァン杯にも色気を出してリーグ戦でボロボロになってしまう愚は避けたいところ。第1戦ホームゲームはとにかく失点しなければいいので、最終ライン以外は大幅入れ替えでもなんら差し支えないとでしょうし、今の疲労困憊ぶりからすればそうすべきだと思います。代表選出で抜ける酒井の穴がデカすぎるのが心配ですが。

・気温28.6℃、湿度83%ともともと蒸し暑い環境下だったのに加え、前半途中から雨が降り出し、後半にはとうとう豪雨に。選手も辛いでしょうが、雨具を持ってない観客も多数おられたでしょうし、そんな中での塩試合。いろんな意味で誠にお疲れさまでした。

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《選手評等》

・大久保はリーグ戦では鳥栖戦以来のスタメン出場で、中断明け後は汰木と地位が逆転した模様。スタメンだろうが途中出場だろうが必ず一回は見せ場を作る大久保ですが、この日は最大の決定機でシュートを上空へ打ち上げ花火。前目の選手なので早く結果が欲しいのでしょうが残念無念。

・宇賀神は札幌戦以来のリーグ戦スタメン。鳥栖戦で西が左SBに回った際にはいよいよ宇賀神も進退窮まったか!!と思われたのですが、その後途中出場、しかもごく短時間の出場でしかないのにやるべきことをしっかりやっていたことをリカはちゃんと見ていたようで、この日晴れてスタメン復帰。控え選手の鑑ですなぁ、ホンマ。ただ試合勘がないのか、前半古林に2回弾き飛ばされたのは気になりました。

・達也は本人希望の左で久しぶりに出場機会を得たものの、決定的な仕事は出来ず終い。酒井との相性が良くないことを考えれば今後も左での起用がメインになるかと思いますが、汰木同様達也もSHとしての評価が落ち気味なのが気になります。真っ当な競争の結果なので仕方ありませんが。

・最後に投入された木下は最後まで迷走続き。前節広島戦での途中出場は勝っている試合でのクローザーだったのでタスクが判りやすくて浦和デビュー戦にしては悪くない出来と思いましたが、練習不足でリカ流に全然馴染んでないゆえ点を取らないといけない展開で使うにはまだまだしんどそう。

・そしてとうとうベンチ外になってしまった興梠。興梠は瞬発力があるタイプではないから途中投入では活きないのは判らんでもないのですが、途中投入された天皇杯京都戦の出来だと最低限の仕事すら出来なかったから木下との競争に負けてベンチ外になってしまうのもやむを得ないでしょう。

・でもユンカーはもはやヘロヘロ。木下も現状スターターでは全く使いものにならないことも判ってしまった以上、ルヴァン杯第1戦はとにかく興梠にすがるしかない。そこでなんとかリカの信頼を取り戻し、リーグ戦終盤の大反撃に力添えして欲しいものです。

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-----ユンカー------
大久保--小泉---関根
---敦樹--平野---
宇賀神-槙野-ショルツ-酒井
-----西川-----

(交代)
HT 小泉→江坂
HT 関根→明本(4-4-2にシフト。明本がFW、江坂が右SHへ)
73分 宇賀神→田中
73分 平野→柴戸(3-4-2-1にシフト、達也が左WB、大久保が右WBへ)
83分 ユンカー→木下


---大橋--タリク----
---山田--茨田---
高橋---田中---古林
-杉岡--大岩-石原広-
-----谷------

(交代)
HT 茨田→池田
59分 古林→畑(畑が左WB、高橋が右WBへ)
59分 タリク→ウェリントン
85分 高橋→岡本

※写真は試合と全く関係ありません。

 

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