2022.10.02

【DAZN観戦記】22年第31節:広島 4-1 浦和 ~ リカの2年間って何だったんだろう・・・

 リカの2年間はスキッベの1年間に遠く及ばない。そう断じざるを得ないほど無残すぎる試合結果、試合内容でした。

《スタメン》

・奇しくも先週末にルヴァン杯準決勝を闘ったもの同士の一戦。もっとも結果は対照的でしたが・・・

・浦和はルヴァン杯から関根→酒井、明本→大畑、松崎→江坂とスタメン3名入れ替え。酒井と大畑は代表遠征からの復帰。

・試合前の会見でリカが出場可能性を匂わせていた通り、リンセンがついにベンチ入り。

・一方、その会見の場でモーベルグが「少しコンディションが落ちた状態でプレーしていて、負傷してしまっている」ことも明かされ、ルヴァン杯に続いてベンチ外に。また馬渡や宮本は共にベンチ外で、ベンチメンバーの構成から察するに関根はもはや「一応SBも出来るSH」という扱いになったのかも。

・広島はルヴァン杯から野上→茶島とスタメン一人入れ替えたのみ。

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《試合展開》

・広島が強烈に前からプレスをかけてくるのは判り切っているはずなのに、浦和はそれに抗しきれずに全くボールを前に進められない惨状。立ち上がりから自陣深い位置に押し込められ、立て続けにセットプレーを許した挙句、9分野津田CKのこぼれ玉を茶島シュート→GK西川が弾いたこぼれ玉にヴィエイラが詰める絶好機が生じるも、ヴィエイラのシュートはなんと枠外!!

・九死に一生を得た浦和は11分反撃に転じ、岩尾→右サイドから大久保のクロスに江坂ヘッドという良い形を作るも枠外。そして浦和序盤の見せ場はこれが最初で最後。たまにロングボールを蹴って松尾に裏抜けさせる意図も伺えましたが、タイミング良くボールが出てくることは全くありませんでした。

・そして浦和のビルドアップがダメダメなのはなんら変わらず、22分西川→岩尾→西川のパス交換で岩尾のバックパスが緩くなったところを森島に猛然と詰められてあえなく失点。

・とにかくボールの失い方が悪い浦和は25分酒井の縦パスをカットされたことを契機に、広島左サイドから野津田クロス→ファーで右WB茶島に決定機を許すも、幸いシュートは枠を捉えきれず。

・給水タイムを挟んで江坂や小泉が下がってビルドアップを助けることでようやくボールが前進。44分広島のハイプレスを見事に交わして小泉シュートも距離がある上に勢いがなくてGK大迫楽々セーブ。45+1分岩波がズバッと江坂へ縦パスを差し込んだのと契機に高い位置でボールが繋がり、最後は大久保に決定機が生まれるもシュートはGKの正面。

・ビルドアップに人数を割くとボールは回るようになるが点を取る人がいないって、まるで昨年前半(=小泉が下がるとボールは回るが点は入らない)に良く見た光景の再現。でも、そもそもボールがさっぱり前に進まないようにはマシと割り切って見ていましたが、後半になると再度浦和の攻撃は停滞。とはいえ前半ほどボールの失い方は悪くないので広島にも決定機は生まれないという塩試合になりかかったところで、浦和ベンチはユンカー・リンセン・柴戸の3人を用意。

・このベンチの様子を見て集中が切れた訳ではないのでしょうが、62分CKからの流れで失点。茶島ミドルシュートのこぼれ玉を拾った森島が右サイドからクロス→最前線に残っていた荒木が押し込む形でしたが、この場面を見るとモチベーションの差が歴然というかなんというか・・・

・その直後に浦和は松尾→ユンカー、小泉→リンセン、伊藤→柴戸と怒りの3枚替えを敢行し、江坂トップ下の4-3-1-2に変えたように見受けられましたが、広島の猛プレスの前に浦和のビルドアップが壊滅状態という根幹の問題は手つかずのまま。かといって、ロングボールを多用する方針に転換するわけでもないので、2トップは最前線で虚しく徘徊するばかり。70分には大畑に代えて関根を投入し、3-4-1-2みたいな形でさらに前がかりに出た様子でしたが、前に人数を割いてもそこまでボールが進まんでしょうに・・・

・そして案の定71分浦和のビルドアップの拙さを突かれてまたまた失点。西川からの縦パスを受けた柴戸(?)のアバウトすぎる横パスを川村にカットされ、川村→満田が豪快に西川のニアをぶち抜いて3点目。満田にあっさり交わされる岩波も哀れ、ニアをぶち抜かれる西川もまた哀れ。

・広島は終始前がかりで後方にスペースがあるので偶発的に2トップにボールが入った時の破壊力は凄まじく、75分ショルツの素早いリスタートから大久保スルーパス→ボックス内ユンカー折り返しと縦に速く、かつシンプルに繋がってボックス内でリンセンに2度決定機が生まれましたが、ここはGK大迫が好セーブ。そこで得たCKからの流れで大久保クロス→リンセンが頭で繋ぎ、最後は柴戸ヘッドでようやく1点を返すも反撃もここまで。

・試合結果を左右するほどではありませんが、御厨主審もどういう訳か浦和のファウルは結構細かく取る割には広島のファウルはなぜか流しまくりだったのが結構難儀で、浦和の反撃を寸断するのに一役買っていたような気も。82分大久保が与えたFKを満田が直接ぶち込んで勝負あり。この場面、西川が挙動不審では完全に逆を突かれており、野津田が蹴ると思い込んでいたのか、そこそこ距離があったのでそもそも直接ゴールを狙ってくるとは全く思っていなかったのか・・・

・まさか完全に消化試合になるとは夢にも思わなかったのか、広島へはびっくりするくらい多くの赤者が押し寄せていましたが、試合終了後はDAZNでもはっきりと判るレベルで大ブーイングが響き渡りました。まぁそれも当然でしょう。

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《総評》

・先週末のルヴァン杯第2戦に続き、結果・内容とも酷すぎる試合でした。しかもやられ方までそっくりで、全く修正出来ていないのには心底呆れかえりました。

・C大阪は対浦和戦ではリトリート主体=浦和にボールを持たせる方針だったチームが一転して猛然と前からプレスをかけてきたので、その方針転換に浦和が上手く対応出来なかったと無理やり納得することも出来ましょう。しかし、今年の広島はスキッベ監督就任以降一貫して猛然と前からプレスをかけてくるチームなのは明々白々。それに全く対応できずに立て続けに惨敗を喫したとなると、リカの能力にも大きな疑問符を付けざるを得ません。

・リカ1年目の序盤、同じように前からのプレスがきつい横浜Mや川崎相手に大敗を喫したことがありましたが、あの時期ならチーム再建途上における「高い授業料」として受け入れることも出来ましょう。しかし、リカの2年目も終わろうとする時期に依然として相手の前プレにハマり続けていとも易々と失点を繰り返すとなると話は別。

・過去そこそこ巧く行っていたことが出来なくなっている件について、リカはACLでの過酷な連戦やコロナ禍によって「個人とチームがコンディションを落としてしまったところがあって、今は当然、いい状態ではない」とコンディション面の問題を上げており、それ自体はあながち間違いではないと思います。

・でも、コンディション面等の影響でプランAが上手くいかない時のプランBを用意出来ているのか。用意出来ていたとしても、その切り替えを誰が発信するのか、あるいか切り替わったことがちゃんと選手達に伝わるのか、という問題がフツフツと・・・

・酒井は試合後「僕らがやりたいことは一応あるけど、やれなかった時の切り替えのスピードが遅すぎる。そこの修正力が本当に大事になる。難しいですね。特に現場でパンパンっと決めなきゃいけない時間があるけど、ベンチと現場(の考え)が合わない時がある。そこを合わせないといけない。今日は非常に困りながらみんなプレーしていた」と語っており、岩尾も同趣旨のことをさらに具体的かつ詳細に語っています。

・一方リカはリカで、「つなごうとするときにうまく突破できているのか、そしてそれがうまくできないとき、それを繰り返してしまっているときにどうするべきなのか、という判断をチームとしてより磨き上げていかないといけない」「広島に関して言えば、つなごうとはしますが、時には前線に蹴る判断もしています。我々としてはもちろんそこのところを武器にしないといけないのですが、時には簡単に前線に入れるところも選択肢の一つとして持てるようにしていきたいと思います」と語り、プランBはあるにはあったけど、上手く遂行できなかったと考えているようにも見受けられます。

・両者を突き合わせると、プランBはあるにはあったけれども、その切り替えについてリカと選手達の間に相当溝があるように伺えます。

・またここ2試合の惨敗を見るにつけ、「そもそもリカはフロントの要求水準を満たしていない」という疑惑も。西野TDは「監督のリクエストに合わせて選手を揃える訳ではない」という意味でのフロント主導の補強をしているので、短期的にはリカのやりたいサッカーと補強した選手が合わない問題(ユンカーが典型例)が生じます。

・西野TDはリカに「徳島でやっていたようなプランAに固執せずに、やり方の幅を広げてくれ!」と思っているのでしょうし、実際リカ1年目は適宜プランBを織り交ぜる柔軟さを見せていたのですが、2年目は大幅に主力が入れ替わってプランA再構築に時間がかかり、ロクにプランBを作れないまま今季を終えようとしているようにも伺えます。で、プランBの発動を待ち侘びるユンカーがひらすらストレスを溜めると・・・

・個人的には今季のリーグ戦の不振は多分にフロントに責任がある(=金がなかったという言い訳はあるにせよ、選手を入れ替え過ぎた)と考えていますが、ここ2試合の惨敗を見るとリカも相当残念と言わざるを得ません。フロントが掲げた「3年計画」でのリーグ優勝とは程遠い結果に終わりましたが、来季のリカの去就や如何に。少なくとも「リカの2年間はスキッベの1年間に遠く及ばない」のは火を見るより明らかで、その辺をフロントがどう考えるかなぁ。もちろん、先述のようにフロントの失敗が先に総括されるべきですが。

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《選手評等》

・優勝もACL圏入りもなく、降格の恐れも事実上ない純然たる消化試合モードに突入してモチベーションも集中力も失っているのか、あるいは諸般の事情でコンディションが良くないのか判りませんが、ビルドアップを担う面々=GK+最終ライン+両CHの出来の悪さは目に余るものがありました。1失点目の岩尾課長はもう殉職モノ。また数々の失点における西川の寄与度を考えれば残り4試合はもう彩艶でいいんじゃないかと。岩波にいたってはもう生ける屍も同然でした。

・残り4試合はもうACL決勝へ向けてリンセンのフィッティングに費やしても良いくらい。リンセンは「彼はまだスタートから出られるようなメディカルコンディションではないので、少しずつやっていくということで、途中から入りました」とのことで、モーベルグみたいに「名刺代わりの一発」こそなりませんでしたが、本人はやる気満々。従ってリンセンだけが消化試合を観戦する数少ないモチベーションになりそうですが、ユンカー同様リカがリンセンを使いこなせない疑惑があってなぁ・・・

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-----松尾-----
大久保--江坂---小泉
---岩尾--伊藤---
大畑-ショルツ--岩波-酒井
-----西川-----

(得点)
76分 柴戸

(交代)
62分 松尾→ユンカー
62分 伊藤→柴戸
62分 小泉→リンセン
70分 大畑→関根
87分 大久保→明本

-----ヴィエイラ----
--満田----森島--
柏--野津田-川村-茶島
-佐々木-荒木--塩谷-
-----大迫-----

(得点)
22分 森島
62分 荒木
71分 満田
83分 満田

(交代)
72分 茶島→野上
72分 森島→エゼキエウ
86分 ヴィエイラ→ベン カリファ
86分 満田→柴﨑
89分 野津田→松本

※写真は試合とは全く関係ありません

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2022.09.26

【観戦記】22年ル杯準決勝第2戦:浦和 0-4(計1-5) C大阪 ~ 事実上今季終了のお知らせ

「0-0狙いではいけない」なんて思っていたら、攻守ともに全く良いところなく、スコアレスどころかまさかの大敗。スタメン、試合の入り、そして選手交代まで謎だらけ。今季積み上げたものが瓦解しかねない悲惨な試合でした。

《スタメン》

・浦和のスタメンは第1戦からモーベルグに代えて松崎が入っただけ。モーベルグがいきなりベンチ外になった理由については試合後誰も触れていないので仔細不明ですが、このところドリブルもシュートも精彩を欠き、おまけにガス欠が酷いありさまだったので、おそらくコンディション不良によるものでしょう。

・それはともかく、その代わりに関根を右SHに上げるのではなく、今季たいして試合に出ていない松崎をいきなりスタメンに据えたのには驚きました。

・また第1戦ではベンチ外だったユンカーがベンチに復帰したものの、同じくベンチ外だったシャルクは復帰ならず

・一方C大阪はGKキム・ジンヒョンがスタメンに復帰したのみで、こちらはフィールドプレーヤーは第1戦と全く同じ。

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《試合展開》

・第1戦でアウェーゴールを一つ許したC大阪は少なくとも第2戦で1点は取らないといけない立場。それゆえリーグ戦&第1戦のように4-4-2の堅固な守備ブロックで自陣で待ち構え続ける訳にはいかず、どこかで前に出ざるを得ません。その「どこか」がいつなのかが問題でしたが、C大阪が突きつけた解は「頭から全力」でした。

・小菊監督は試合後「われわれはキャンプから、ハイプレスから攻撃につなげる。そういった守備の構築も全員で共有してきました。」と語っていましたが、この出方は意外でもなんでもなく、むしろこちらのほうがプランAじゃないかと思われるくらい他の試合でもまま見られます。

・浦和もこの相手の出方は容易に想像できたはずで、しかも試合前には「前に出てきてもらった方がやりやすい」と語っていた選手すらいたくらいでしたし。ところが、C大阪の出足の鋭さ&強度は浦和の選手達の予想を遥かに上回っていたのか、浦和のビルドアップは全く体をなさず。

・ボールを失った浦和も前ハメで逆襲に転じましたが、これまた全くと言っていいほどハマらず。GKがキム・ジンヒョンに戻った効果は絶大で、ロングキックこそ普段より精度を著しく欠いていましたが、ビルドアップ時の安定感はさすがとしか言いようがありません。

・従って序盤はC大阪がボールを支配する時間帯が長くなるというまさかの展開に。とはいえ、C大阪はボールを保持しての攻撃にはあまり観るべきものがないのは確かなので、浦和よりはマシだが得点の気配は特にしないま塩試合の様相でま時間が徒過。

・このまま時間が経てば経つほど浦和が有利になるという奇妙な状態で試合が進みかかったところで、23分いきなり試合が動きました。スルーパス一発でダイナミック毎熊が明本の裏を取ったところで勝負あり。毎熊の折り返しがブロックに入った明本に当たってオウンゴールというでの失点でしたが、「不運」とは言えない失点でした。

・C大阪が先制したことで、第1戦で得たアウェーゴールの優位が帳消しになっただけでなく、先制点を与えるととにかく面倒なC大阪にまたしても先制点を与えてしまったという事実が浦和の選手達に重くのしかかった模様。失点直後に岩尾から西川へのバックパスがズレてしょーもないCKを与えてしまった辺りに浦和の選手達の動揺を象徴していた感も。

・そして案の定というかなんというか、30分にC大阪が追加点。左サイドで山中縦パス→為田クロス→ボックス内で加藤スルー→後方から走り込んだ奥埜がゴールという見事な崩し。試合前から懸念されてはいましたが、この場面は松崎・関根とも何の役にも立っておらず、哀れなくらいC大阪のパス回しに翻弄されてしまいました。

・その後も浦和はC大阪の厳しい前プレに苦しんでビルドアップもままならず。ATになってようやくC大阪を自陣に押し込みこそしたものの、好機で関根がシュートを撃てず。

・前半のうちにアウェーゴールを2つも許して、残り45分で少なくとも3点を奪う必要に迫られた浦和は「怒りの3枚替え」でバランスもへったくれもなく、超前がかりで攻めに転じるかと思いきや、リカの交代はなんと松崎→馬渡の1枚だけ。

・ただ同時に馬渡左SB、大久保右SH、明本左SHと大規模な配転を行ったのが効いたのか、C大阪が一時的に混乱に陥って、後半開始早々馬渡のミドルシュートが枠内を襲ったり、48分GKジンヒョンのパスを小泉がカットしてシュート→DFに弾かれたボールを拾った松尾が狙ったシュート(しかし枠外)とちょっとは良い感じに。

・しかし、この試合で曲がりなりにも浦和が良かったのはこの後半5分くらいだけ。51分には山中どフリーでクロス→ファーで加藤が馬渡に競り勝ってヘッドでゴールというC大阪定番中の定番の形で試合を決定づける3点目をゲット。この場面、なんで加藤に対して馬渡が競る羽目になっているのが実に不可解でした。

・これでいよいよリカは破れかぶれの手を打ってくるかと思いきや、リカがユンカー&江坂を投入したのはなんと残り時間が20分強しかない67分になってから。

・松尾&ユンカーの2トップに江坂トップ下、岩尾アンカーの4-3-1-2みたいな布陣を敷いたように見えましたが、70分に自らボックス内左に突入した小泉の折り返しをユンカーが放ったシュートがわずかに枠を捉えきれなかった場面があっただけで、後は大きなビハインドを負っているせいか、およそ通りそうにないリスキーなパスをひたすら前に蹴るだけで全く決定機は作れず。

・それでもオープンな展開だったうちはまだマシで、76分にパトリッキを投入した辺りからC大阪も自陣に引き始めて、いよいよ浦和は手詰まりに。しかも80分自陣で岩波→岩尾へのパスを途中投入の北野にカットされ、スルーパスを受けたパトリッキが独走。悲惨な試合の幕切れを飾るに相応しい、実にお粗末な形で4点目を献上して試合終了。

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《総評》

・攻守とも全くいいところなく惨敗。しかもホーム埼スタで。「ホーム&アウェー方式のトーナメントで第2戦をホームで迎えられるのは有利、少々ビハインドでも埼スタでの第2戦ならひっくり返せる」なんて考えていた時期が僕にもありました。埼スタの神話が粉々に打ち砕かれた歴史的な惨敗といっても良いでしょう。

・まぁ、よくよく振り返れば忌まわしきチャンピオンシップでの敗戦など、埼スタには苦々しい思い出も多々あり、埼スタの神話なんて所詮は「弱いものが縋りがちな幻想」に過ぎないことをまたしても実証したことに。

・今年C大阪とは4試合闘って一つも勝てなかった上に、最後は力の差を見せつけられたような大敗を喫してしまいました。

・リカは試合後「前半で相手に持っていかれた形となってしまいました。彼らは前から素晴らしいプレッシングをかけてきて、我々のやりたかったことを完全に消されてしまった前半だったと思います。もしかしたら選手たちの中に疲労などもあったかもしれませんが、言えることは、彼らが我々を上回ってやるべきことをしっかりやって我々を抑えた、我々からしたらやりたいことが全くできなかった前半になった、ということです。」と完敗を認めていますが、C大阪の出方が全く読めなかったかのように前半ボコボコにされた責任の大半はさすがにリカが負わざるを得ないでしょう。

・ACLベースの鉄板スタメンを組んで、しかも全員コンディション良好ならかなり良い試合が出来る。でも諸般の事情で選手が複数人入れ替えざるを得ない、あるいはコンディションが良くない際のオプションがないまま、とうとうシーズン終盤まで来てしまった結果がこの惨敗。

・端的に言えば、ACLの鉄板スタメンからどこまで抜いてもOKか試したところ、酒井・大畑までは辛うじてセーフでしたが、モーベルグを抜いたらとうとう家屋が倒壊した感じでしょうか。でも酒井の穴を関根で埋め、モーベルグの穴を松崎で埋めるのはさすがに無理がありすぎました。

・第1戦を見て「関根右SBは副作用もデカく、常用不可。酒井不在&馬渡が使えない際の窮余の一策の域を出ない」という感想を抱きましたが、関根右SBを常用しただけでなく、その前に今季ほとんど試合に出ていない松崎と併用するとはなぁ・・・昨年左サイドでしばしば見られた、守備があまり得意ではない山中&汰木の併用を「ベニヤ板の二枚重ね」と形容していましたが、それより酷いものを今年見る羽目になるとは!!

・あんまりな前半の出来を見ると、関根SBは浦和にボールを持たせるスタンスのチーム相手ならアリなんでしょうが、この試合みたいに浦和に余裕を与えないスタンスで臨まれたら一発でアウト。リカの作戦負けを象徴するようなスタメンで、なんで関根右SH、馬渡右SBでスタートしなかったのかなんとも不可解でした。馬渡が90分使えるコンディションになかったと言われればそれまでですが、それより「ペラ紙2枚重ね」のほうがマシとは思えないんですが・・・

・馬渡は「とにかく点を取るしかない」という状況で投入されたので、その思い切りの良さを存分に発揮できて好印象。江坂もかなりコンディションが良くなっているように見受けられ、相手の出方の変化に対してリカがスタメンから選手交代から下手を打ちまくって惨敗を喫したという気がしてなりません。

・5-4-1にせよ、4-4-2にせよ、タイトな守備ブロックで自陣にどっしり構えられるとダメ。かといって強度マシマシの前プレを仕掛けられるとこれまたダメ。今年リカが積み上げたものは前述のように「ACLベースの鉄板スタメンを組んで、しかも全員コンディション良好ならかなり良い試合が出来る」という2重の条件付きプランだけで、当然ながらそれは実に壊れやすい薄っぺらいものでしかありませんでした。

・たとえどんなに薄っぺらいものであっても今年積み上げたことが無駄ではなかったことをルヴァン杯という目に見える形で後世に残せればよかったのですが、それも叶わず。

・リーグ戦残り5試合で完全に目標を見失って腑抜け状態になった浦和は第33節に目の前で横浜Mが優勝、最終節福岡が辛うじてJ1残留を決めて埼スタで小躍りという惨事になりかねませんなぁ・・・今季無冠が確定してぼちぼち来季の契約更新話も始まるでしょうし、ACL決勝へ向けてのチーム再建という一大目標へ向けて再出発というのもなかなか難しいでしょうなぁ・・・

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《選手評等》

・シャルクはまたしても故障離脱なのかなぁ?獲得時に案外故障が多いという話が出ていましたが、その懸念が現実に。またリンセンはとうとうルヴァン杯に間に合わず。PSG戦での「出オチ」ギャグの代償は予想以上にデカかったようで・・・もうリーグ戦で無理をさせる必要は皆無なので、ACL決勝で再デビューなのかなぁ・・・

・明本SBってビルドアップがあまり上手くないとか、クロスが残念とか攻撃面での残念さはともかく、守備は安定しているのがウリと思っていましたが、ダイナミック毎熊に、まるでかつての山中のように豪快に裏を取られたのはショックでした!!

・チーム全体がクソだったので、松崎個人を責めても仕方ないとは思いますが、超久しぶりにスタメンで出場機会を得た松崎が良くも悪くもギラギラしたところがなく、淡々と45分を消化してしまったように見えたのが極めて残念でした。

・埼スタで攻守ともに全く見所のない惨敗を喫した後に「ACL決勝は埼スタで!」と言っても説得力皆無になってしまいました。署名活動等、ACL決勝埼スタ開催へ向けての運動には敬意を表しますが、結果的になんかいろんなものが上手く噛み合わない今年の浦和を象徴する格好に。もう開催地云々以前に、浦和がACL決勝で恥ずかしくない試合が出来るレベルになることが先でしょう、こんな試合を見せられると・・・

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-----松尾-----
大久保--小泉---松崎
---岩尾--伊藤---
明本-ショルツ--岩波-関根
-----西川-----

(交代)
HT 松崎→馬渡
67分 関根→江坂
67分 大久保→ユンカー
83分 小泉→柴戸

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---加藤--上門---
為田--------毎熊
---鈴木--奥埜---
山中-鳥海--ヨニッチ-松田
-----ジンヒョン----

(得点)
23分 オウンゴール(明本)
30分 奥埜
51分 加藤
80分 パトリッキ

(交代)
67分 加藤→北野
67分 上門→清武
76分 為田→パトリッキ
83分 毎熊→中原
83分 奥埜→メンデス

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2022.09.22

【TV観戦記】22年ル杯準決勝第1戦:C大阪 1-1 浦和 ~ 奇策関根右SBで貴重なアウェーゴールを掴む

 試合開始早々まさかやーなスーペルゴラッソを食らって、その後は前回対戦同様の苦戦に陥りかかりましたが、後半の修正が実ってアウェーゴールをゲット。勝ち越しこそなりませんでしたが、第2戦に大きな期待が持てるドローでした。

《スタメン》

・共にリーグ戦から中3日。浦和は酒井がA代表、彩艶&大畑がU-21代表に招集されて不在なのを踏まえて、ユンカー→松尾、江坂→小泉、シャルク→大久保、柴戸→伊藤、馬渡→明本、酒井→関根とスタメン6名入れ替え。

・前節湘南戦前半の出来が酷かったことを踏まえて、ACLベースのスタメンに戻すことは容易に想像できましたが、酒井不在&馬渡コンディション不良、さらに宮本がリーグ戦でC大阪相手にメンタル的に大きなダメージが残りそうなやらかしをしたばかりという事態を踏まえて関根を右SBに配したのが目を惹きました。

・ユンカーはいきなりベンチ外になりましたが、第1戦は無理に勝ちにゆく必要がなく、ロースコアで終えれば良いと考えれば前からの守備が出来ないユンカーは使い道がないと判断されてのことでしょう。

・C大阪は前節磐田戦から、清水・松田・奥埜・為田以外のスタメン7名を入れ替え。C大阪は浦和以上に過密日程だったため、前節磐田戦ではその前の浦和戦から為田・奥埜・松田を除くスタメン8名を入れ替える大胆なターンオーバーを敢行していたので、ここでリーグ戦浦和戦の面子に戻してくるのは想定の範囲内。

・GKキム・ジンヒョンがコンディション不良の他、他にも怪我やコンディション不良で出られない選手がいるという話もありましたが、リーグ戦浦和戦のスタメンと比べるとGKがジンヒョンから清水、FW山田が上門に代わっただけで、先の話はややアジジ気味。清武が磐田戦で相手選手との接触で左ひざを負傷するアクシデントもあったそうですが、フツーにベンチ入りしていましたし。

・なおC大阪もタガードが豪州A代表、西尾がU-21代表に招集されて不在。

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《試合内容》

・試合開始早々いきなりC大阪が先制。2分、浦和のロングボールをヨニッチが弾き返したところからのC大阪の反撃で、奥埜の縦パスを上門が受けて前を向き、後方から追いすがる岩尾を振り切ってかなり距離のある、無理目と思われるミドルシュートを放ったところ、これが無回転気味に曲がり落ちて西川の頭上をぶち抜いてゴール!!

・リカは上門の岡山時代のプレーぶり=豪快なミドル一発があるを知っていたようですが、西川を筆頭に浦和の選手達は誰も知らなかったかも。浦和最終ラインと岩尾の間で上門にフリーで受けさせ、かつ簡単に前を向かせたのがそもそもの間違いなのですが、全ては後の祭り。

・ところが、その直後5分に今後は浦和に決定機。小泉の前プレがハマって高い位置でヨニッチからボール奪取。小泉はそのまま独走してGK清水と一対一になりましたが、小泉のシュートを清水が右足でセーブ。続くCKからの流れでショルツのヘッドは枠を捉えきれず。

・C大阪に早々と先制されたため、失点の仕方は全く違うとはいえ、試合展開は先のリーグ戦と非常に似たような形に。浦和の前プレがハマったのは先の小泉の決定機だけで、後は相手のパス回しで交わされてしまう場面が目立ち、良い形ではなかなかボールを奪えず。GK清水はジンヒョンのように高精度のロングボールを蹴って浦和のプレスを空回りに終わらせる技こそないものの、足元不如意でもなさげで、怪しかったのは前半松尾に絡まれてCKに逃げた場面だけでしょうか。

・また浦和がそれなりにボールを握っていたとして、C大阪の守備ブロックを前に攻め倦みがちなのは前回対戦と同じ。C大阪のコンパクトでタイトな守備ブロックを前に浮いた選手に縦パスが上手く刺さる訳でもなく、両SHがドリブルでパニックを起こすわけでもない。たまに松尾などが見せる「裏に抜ける動き」にはタイミング良くボールが出てきませんでした。

・頼みのセットプレーによる浦和の決定機は25分CKを密集から引いた位置にいたどフリーで松尾がダイレクトボレーを撃った場面。ただボールを地面に叩きつけ過ぎてシュートは枠外。全く変わったことは何もしなかったリーク戦と違って、CKで事前に仕込んだっぽいプレーを初めて繰り出しましたが、それも終わってみればこの場面だけだったかな?

・どちらかと言えばカウンターを狙うC大阪のほうが曲がりなりにもシュートで終わる場面が目立ち、前半は完全にC大阪ペースで終了。試合後小菊監督が「小菊「前半は早い時間帯に先制して、リーグ戦の2試合と同様、意図的に守備から入ってゲームをコントロールする。そういった前半だったと思います。」と総括した通りでしょう。

・このままでは先のリーグ戦同様、試合を塩漬けにされかねない浦和は後半岩波や岩尾を基点に高い位置にいるSHへのロングフィード、さらにはそこからのサイドチェンジを多用してC大阪の守備ブロックを左右に振り回すスタイルに変更。

・50分左サイドから小泉サイドチェンジ→右サイドで関根折り返し→中で敦樹がシュートを放った場面は枠を捉えきれませんでしたが、53分ボックス内左で明本がマイナスの折り返し→中で小泉スルー→敦樹が放ったシュートのこぼれ玉に小泉が詰めて同点に。見事な崩しでしたが、この場面はGKがジンヒョンだったらポロリはなかったかもしれません。

・一気に押せ押せムードになった浦和はさらに58分岩尾が高い位置でボールを奪取→大久保がシュートを放つもこれはGKがセーブ。

・もっとC大阪もやられっぱなしではなく、59分カウンターから右サイドで毎熊クロス→ファーで上門が合わせるもシュートは岩波がブロック。この場面、関根が完全に戻り遅れていてかなりヤバかったかと・・・ ・さらにC大阪は60分早々と上門に代えて清武を投入。早速66分右サイドから清武クロス→加藤に決定機が生じるもシュートは幸いにもバーの上。

・C大阪は70分加藤に代えてメンデスを投入し、浦和は72分小泉に代えて江坂を投入しましたが、選手交代が効果的だったのは浦和。74分ボックス周りで浦和がルーズボールを拾いに拾っての猛攻から敦樹サイドチェンジ→明本→江坂がボックス内左角度のないところから強烈なシュートが枠内を襲うもGKがセーブ。

・その後も浦和がセカンドボールを拾いまくって両サイドから攻めに攻め、C大阪を自陣深くに釘付けに。89分には球際で競り勝ちまくってそのまま突進した関根が右からサイドチェンジ→左から明本シュート、90+3分には江坂クロス→松尾ヘッドの決定機がありましたがいずれも決まらず試合終了。

・浦和は交代枠を2つしか使わずじまいでしたが、そもそも攻撃的な選手は江坂と松崎の2枚しかベンチにおらず、ユンカーベンチ外=「無理に勝ちにはいかない」というスタンスと思しき状況だったのでやむを得ないでしょう。

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《総評》

・後半の修正が見事にハマって貴重なアウェーゴールをゲットしたのみならず、終盤はC大阪を自陣深い位置に釘付けにし、守備ブロックを右往左往させて疲弊させ、浦和がセカンドボールで圧倒的に優位に立って2点目目前のところまで迫りました。

・しかし、5分の小泉が典型ですが、この日の浦和は決定機でフィニッシュの精度がいかにも「J2オールスターズ」を感じさせる残念さ。この面子だと間違いなく「良い試合」は出来るが「良い試合」止まりで勝ち切れない場合がままある。かといって湘南戦のように決定力のありそうな選手をずらずらスタメンに並べると「良い試合」すら出来ない。シーズンも残りわずかになりましたが、リカは結局最適解を1セット、しかも限界も見えている1セットしか作れないまま終わりそう。

・関根の右SB起用は大博打でしょう。先にリカはこの試合「無理に勝ちにはいかない」スタンスで臨んで、実際選手選考&起用もそんな感じでしたが、右SBにフツーに馬渡や宮本を起用したら、それこそ何もないまま終わってしまいかねない。唯一、かつかなり大きなリスクを取ったのが関根の右SB起用でしょう。

・関根は今年のホーム京都戦で左SBに入ったことがあり、過去も右WB/SHで起用されてからの流れで右SB的なポジションに入ったことはままありましたが、頭から右SBに入るのはおそらく初めて。関根も試合の2日前にSB起用を告げられ、ほぼぶっつけ本番だったことを明かしています。

・ほぼぶっつけ本番だけあって前半はモーベルグとの連携やポジショニングに怪しい部分がままあってリスキーな割には有効とは言い難い、ひたすら右サイドの狭い局面での打開に明け暮れる場面が目立ちましたが、後半は躍動。関根はやたら中央に絞った位置にいて、しかもひと頃流行った「偽SB」みたいな静的なポジションではなく、ほとんどIHではないのか??と思われるくらい盛んに前線に乱入。

・C大阪のような秩序だった守備をする相手には混乱を巻き起こす何かが必要のでしょう。それはフツー高さのある物理攻撃だったり、ドリブラーのぶち抜きだったりするのですが、この試合では訳の分からんところに顔を出してくる右SBという、ポジション取りの妙が波乱要因でした。

・一方、関根右SBは守備時のポジショニングがかなり怪しく、後半C大阪右サイドからファーへのクロス=大槻時代に良く見た「浦和殺し」のパターンで2回決定機を作られていますし、前半40分には山中を誰も見ておらずに、サイドチェンジ一発でどフリーの山中に展開される一幕にはクラクラしました。よって、関根右SBは副作用もデカく、常用不可。酒井不在&馬渡が使えない際の窮余の一策の域を出ないかと。

・とはいえ、C大阪戦&湘南戦と低調な試合が続いた後に、アウェーゴールを一つ得てのドローゲームは悪くないどころか個人的には期待を少し上回る結果だと思います。

・C大阪はこの2試合対浦和では「守ってカウンター作戦」で臨んで来たことで判るように、自分でボールを動かして主体的に点が取れるチームではないので、アウェーゴールはわずか1とはいえC大阪を点を取らないといけない立ち位置に追い込んだのは結構大きいかと。スコアレスのまま、あるいは浦和リードで後半に突入すれば前がかりにならざるを得ないC大阪相手にユンカーを使いやすくなるでしょうし。

・リカと小菊監督は修正の掛け合いみたいな側面があるので、浦和がこの試合の後半で見せた一手に対して小菊監督がどう出るかが見もの。試合後小菊監督は「もう少し前線からのプレスをハメて、高い位置で奪えるように、効果的に攻撃につなげられるように。」と語っていましたが、リーグ戦札幌戦や天皇杯広島戦を見ると、C大阪は対浦和のような引いた闘い方が基本という訳ではなく、むしろかなり前に出てくる、ボールホルダーに集団で強くプレスをかけてくる感じでしたし。

・ただC大阪は浦和以上に過密日程を強いられているので、その闘い方は90分持たない疑惑もあって(ゆえに札幌戦も広島戦も終盤逆転負け)、最後まで予断を許さない試合になりそうです。

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《選手評等》

・小泉は江坂との交代を告げられた際にリカにもはっきりと判るレベルで不満げな表情をしていたのか!! 本人も試合後「僕が勝手にテンションが上がりすぎていた。気持ちが熱いままベンチに戻ってしまった。個人的に未熟だなと思う」と反省しているようですが、まもなく26歳になるとは思えない若さ(苦笑)。対監督ならまだしも対審判でも割と瞬間湯沸かし器系なんだよなぁ・・・

・上門を「うえじょう」って読むのは難易度高杉晋作やで!! まさかやーな沖縄出身の選手で、琉球時代には小泉と被っているそうで。

・高さがなくて、しかも専用スタジアムなのにピッチまで結構距離があるヨドコウ。浦和のゴール裏はそこに大旗乱立、乱舞なんで「ここは試合見る場所じゃねぇ!!」ってアホでも判りやすくて実に良かった。小泉のゴールは最前列の方しか判らんかったかも。でも各位お疲れさまでした。午後に新幹線で人身事故があったので、キックオフまでにヨドコウに辿り着けなかった方もいらっしゃったでしょうし。

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-----松尾-----
大久保--小泉--モーベルグ
---岩尾--伊藤---
明本-ショルツ--岩波-関根
-----西川-----

(得点)
53分 小泉

(交代)
72分 小泉→江坂
88分 モーベルグ→松崎

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---加藤--上門---
為田--------毎熊
---鈴木--奥埜---
山中-鳥海--ヨニッチ-松田
-----清水-----

(得点)
2分 上門

(交代)
60分 上門→清武
70分 加藤→メンデス
82分 為田→北野

※写真は試合とは全く関係がありません。

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2022.09.18

【DAZN観戦記】22年第30節:湘南 0-0 浦和 ~ ボロ負けとは紙一重のスコアレスドロー

 外国人選手4人を並べた「豪華メンバー」で試合に臨みましたが、これが全く機能せず。後半はやや持ち直したものの終盤の疲労感は否めず、ボロ負けしなくて良かったとしか言いようがない残念な試合でした。

《スタメン》

 浦和はC大阪戦から中2日なのに対し、湘南は週央に試合がないのでコンディション面ではかなり浦和が不利。

 しかも浦和は中3日でより重要なルヴァン杯準決勝が控えているせいか、スタメンはシャルク・伊藤・ショルツ・西川以外の7名を入れ替え。モーベルグとユンカーを加えた外国人選手4人が居並ぶ「豪華メンバー」で湘南戦に臨みました。
 
 試合前にリカは「前節は少し疲れがあったかもしれません」「パフォーマンスの低下やフレッシュさが足りないということはあったと思います」とACL以来使い詰めだった選手の疲労感を認めたせいか、松尾や明本はベンチ外で岩尾、大久保、関根はベンチスタート。大畑がベンチに復帰。
 
 湘南は阿部→瀬川、町野→ウェリントン、平岡→池田、大野→山本とスタメン4名入れ替え。町野&阿部はベンチスタート。しかも前節清水戦でベンチ外だった米本や舘はベンチスタート止まり。
 
 なお山口監督はコロナ陽性判定でお休み。

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《試合内容》

 開始早々酒井が縦に抜けてどフリーでクロスという見せ場を作りましたが、序盤浦和が良かったのはそれだけ。その後は攻めては湘南のプレッシングを受けてビルドアップに苦しみ、縦に速いとは名ばかりの縦ポン一発&裏狙いのような単調な攻撃が続きました。当然ながら相手にもその意図はバレバレなので、序盤は全くと言っていいほど決定機は作れず。
 
 どちらかと言えば頭が痛かったのは守備。ユンカーをスタメン起用した時点で半ば覚悟していましたが、前プレは全くハマらず。かといって前プレを諦めてさっさと4-4-2のタイトな守備ブロックを敷く訳でもなく、いとも簡単に湘南の前進を許して序盤は主に湘南右サイドからの攻撃を許してしまいました。6分池田クロス→瀬川ヘッドは大きく枠を逸れましたが、続く8分右WB石原クロス→瀬川ヘッドでヒヤリ。
 
 10分過ぎくらいからなんとか浦和もボールを握れるようになったものの、湘南の5-3-2の守備ブロックを前にボールを持ったところで全く何も起こらず。逆に28分には押し込まれた状態で左WB中野の切れ味鋭いドリブルで酒井&伊藤がぶち抜かれましたが、クロスは辛うじて馬渡がクリア。30分には浦和の攻→守の切り替えが緩慢な点を突かれて中野がどフリーでクロス→ファーで石原ヘッドの決定機を許してしまいましたが、シュートは枠を捉えきれず。
 
 前半浦和唯一の決定機は37分深い位置からの江坂縦ポン→ユンカーが裏抜けに成功した場面だけ。ユンカーのシュートをGK谷が弾いたボールにモーベルグが詰めたものの、シュートは枠の上へ。
 
 前半終了間際に自陣での江坂の中途半端な横パスがそのまま池田に渡ってしまう大惨事が発生。池田→ウェリントンの絶好機を許してしまいましたが、ここでなんとウェリントンはまさかやーーーな宇宙開発事業団。

 あんまりな試合内容を受けてか、リカは後半頭から馬渡→大畑、敦樹→岩尾と交代。ビルドアップに長けた2名を投入した効果は劇的で速攻・遅攻ともいきなり活性化し始め、47分にはカウンターからユンカー折り返し→江坂がシュートも枠外。51分には素早いリスタートから江坂→アーク内でユンカーが反転シュートを放つもGK谷の正面。52分にはモーベルグ縦パス→最前線で柴戸が叩いて江坂がシュートも谷が横っ飛びでセーブ。この試合を通じて浦和が最も良かった時間帯でしたが、その時間は10分と続きませんでした。
 
 湘南は55分ウェリントン→町野、タリク→山田と当初から予定通り臭い交代を敢行。一方浦和は64分見るからにヘロヘロのモーベルグと空回りしっぱなしのシャルクを諦めて大久保&小泉を投入。すると湘南は67分茨田→米本、池田→阿部と両チームのベンチが目まぐるしく動きましたが、より効果的だったのは湘南のほう。
 
 71分には右サイドに流れた町野クロスを契機に、山田とのワン・ツーでボックス内に抜け出した阿部に決定機がありましたがシュートは枠外。73分にはカウンターを食らってバイタルエリアが緩くなった隙を突かれて阿部に巻いたミドルシュートを撃たれてしまいましたが、ここは西川がセーブ。
 
 終盤はコンディションの差が顕著になり、浦和は球際で負けまくり。もう守るのが精一杯で攻めに出ようにも出られなくなり、ボール保持もままならず、少人数によるカウンターに賭けるしかなくなってしまいました。
 
 そんな中、終盤浦和最大の決定機は90+1分、最後に投入された関根がカウンターで長い距離を走ってそのままボックス内からシュートを放ったものの枠を捉えきれず。
 
 最後は湘南がCKを獲得。岡部主審は何やらVARと交信し、やり取りが終わったところでCKを蹴らせずに試合終了。DAZNで見ていてもCKを蹴らせない理由がよく判らなかったくらいですから、現地の方々の置いてきぼり感はハンパなかったかと(苦笑)。

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《総評》

 どこからどう見ても前半のうちに3点くらい取られてボロ負けでも何ら不思議はなかった試合内容。ただ湘南は過去のスタッツを見ると攻撃回数とかボックス内に入った回数はJ1でも上位なのに最後の精度があんまり過ぎてゴール数は最下位レベルというチームなので、「湘南相手で助かった感は否めないが、湘南相手なので十分起こりうるスコアレスドロー」という意味で勝ち点1は妥当なのかもしれません。
 
 浦和の勝ち筋は37分のユンカーの決定機だけで、他はGKが谷であることや今年の関根のあんまりな決定力の無さを考えれば浦和の勝ち目は湘南以上に乏しく、勝ち点1で甘受せざるを得ないかと。
 
 それにしても前半の内容は酷すぎました。前述のようにユンカー・モーベルグ・シャルク・ショルツと故障中のリンセンを除く外国人選手が4人も居並ぶという、最近の浦和には珍しい「豪華メンバー」で湘南戦に臨みましたが、これが笑えるレベルで全く機能せず。
 
 ACLの短期決戦をスタメンほぼ固定で闘い抜き、とりあえずの最適解を見出したは良いものの、そこからメンバーを代えれば代えるほど今年培ったものが失われてゆくみたいで。特に松尾と岩尾がいない影響は甚大で、前半はリカがやろうとしているサッカーの片鱗さえ伺えませんでした。
 
 また逆にメンバーがメンバーなので普段やっていることを捨て、割り切って「縦に速いサッカー」「行って来いがやたら多発する忙しいサッカー」の中に勝機を見出すのかな?とも思ったのですが、試合後の会見ではどうもそういう意図だったようにも感じられず。
 
 同じようにACLの面子とは程遠いメンバーで闘って大勝した柏戦では「『誰が出てもそれなりに同じことが出来る』のではなく、選手を代えたら代えたでその選手の特徴を活かしながらプレーできるレベルで選手間のコンセプトの理解が深まっている」と評価したのですが、この試合を見ると現段階では「抜けたら絶対アカン選手」がいるのは間違いないようで。
 
 とはいえ、ベテランの岩尾を酷使するのはそれこそ酷な話で、今季平野がなんだかんだと故障離脱しがちで全く戦力になっていないのが祟っている気も。シーズン序盤は赤者の岩尾への評価はめっちゃ低くて、岩尾自身も悩んでいたことを明らかにしていましたが、岩尾がフィットしたらしたでその代えがおらんっちゅーのは実に頭が痛い。
 
 またコロナ禍等を受けて離脱していた選手が全員大原に戻って来たのは慶事ですが、やはりいきなり試合に投入するのはかなり無理があったようで、試合後会見によるとこの試合で左SBに入った馬渡&大畑は共に長い時間は無理だったとのこと。また尻上がりに良くなった酒井はまだしもモーベルグは依然コンディションが良くないようで、ドリブルにキレがないのはまだしもヘロヘロで守備に戻れないのにはクラクラしました。

 C大阪戦の敗戦に続き、この試合でも内容的には負けに近いドローに終わり、ACL圏入りどころか上位進出すら夢物語に近い話に。C大阪戦の負け方があんまりだったせいか、ゴール裏には「優勝争いすら出来ない無様な結果。死ぬ気で掴もうとした男は誰? 来季は覚悟ある男と闘いたい」と厳しい言葉を連ねたダンマクが試合を通じて掲げられました。
 
 まぁ優勝を狙うと言っていたのにこのザマはなんだ!!!と憤る気持ちは判らなくもないのですが、はっきり言えば今の浦和の戦力でACLとリーグ戦の両立なんてそもそもかなりの無理ゲーでしょう。リーグ戦では中位止まりだったチームが天皇杯優勝経由でACL出場権を得るって、「そんなに実力がないチームがリーグ戦とACLを並行して闘う」ことと同義。それなのにリーグ優勝を目標に掲げるほうが正直馬鹿げていると思います。「3年計画の3年目で優勝を狙わないとは何事か!!」と憤る方へ向けて仕方なく掲げているのでしょうけど、たぶん。
 
 コスパ改善を優先したせいか面子を大幅に入れ替えすぎた。まさかの興梠離脱を受けてCFの補強が後手に回った。春のコロナ直撃でチーム作りが遅れた。ユンカー全然復帰出来ず。6月のリーグ中断期間を経てやっとチームが軌道に乗り、ACLで今年出来得る最良の成果を上げてリーグ戦でも反撃に転じようとしたらまたコロナの直撃を食らった。
 
 色々と言い訳はあるでしょう。もうACLで燃え尽きた後のリーグ戦に多くを期待したらアカンと思いますわ、甚だ残念なことですが・・・ゆえに進んで茨の道を歩んだ浦和が今年やって来たことは決して無駄ではなかったことを形にするためにまずはルヴァン杯へ向けて全力集中。そして来年こそリーグ優勝に向けて頑張りましょう。

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《選手評等》

・ショルツのモーゼ攻撃がめっちゃ有効なのは何度も見せたのに、あれが決定機にならないのがなんとも・・・

・82分に岡本が江坂と交錯してイエロー。83分には岡本が江坂を後方から削るという、より悪質なファウルがありましたがこちらはイエローなし。まともな主審なら岡本はイエロー2枚で退場していたと思いましたが、Jリーグはまともな主審を探す方が難しいからなぁ・・・杉岡のラフプレーには全然イエロー出ませんでしたし。

・この試合の解説は水沼パパでホンマ良かった。あの方なら浦和をボロクソに言って、めっちゃ赤者視聴者を苛立たせていたやろうなぁ。

・DAZNというか平塚のスタジアムのカメラ位置が非常に低いせいか、全体を俯瞰したような絵が見られないのが難儀でした。選手の配置がどうなっているのかは水沼パパの解説に頼る場面が多くて、この観戦記と現地での印象とはまるで違っているかも(^-^;

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-----ユンカー-----
シャルク---江坂--モーベルグ
---柴戸--伊藤---
馬渡-ショルツ--岩波-酒井
-----西川-----

(交代)
HT 馬渡→大畑
HT 伊藤→岩尾
64分 シャルク→小泉
64分 モーベルグ→大久保
79分 ユンカー→関根

---瀬川--ウェリントン--
--タリク-----池田--
中野---茨田---石原
-杉岡--山本--岡本-
-----谷------

(交代)
55分 ウェリントン→町野
55分 タリク→山田
67分 茨田→米本
67分 池田→阿部
86分 岡本→舘

※写真は試合とは全く関係ありません。

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2022.09.15

【観戦記】22年第26節:浦和 0-1 C大阪 ~ 虚無、実に虚無

 実にくだらない形で先制点を与えてしまい、その後はC大阪の堅陣を前に手も足も出ず。さりとてC大阪に見所があった訳でもなくスコアレスドローで終わって然るべき超しょっぱい試合でしたが、先に失点してはどうにもなりません。

《スタメン》

 共に前節から中3日の一戦。

 浦和のスタメンはGKを彩艶から西川に代えたのみ。但しベンチに岩波、モーベルグ、小泉が戻っただけでなく、なんと肉離れで故障していたはずの酒井までベンチ入りしたのはびっくり!! 一方ACL以降あまりコンディションが良さそうに見えなかったユンカーがベンチ外に。
 
 浦和はコロナ陽性判定を受けていたと思われる選手がちょろちょろ復帰してきたものの、ロクに練習もしていないのでその選手達はコンディションが万全であろうはずがありません。よって柏戦の快勝を受けてスタメンを弄らなかったというより、柏戦同様他に選択肢がなくてこのスタメンになったと思われます。
 
 またユンカーのベンチ外は中2日で湘南戦が控えているので、そこでのスタメン起用を睨んだものでしょう。

 C大阪のスタメンはFWタガードに代えて山田が入っただけ。タガードはなんといきなりベンチ外に。C大阪はなぜか浦和同様消化試合が少ない上に天皇杯準々決勝も闘っていたので浦和以上に過密日程を強いられていますが、ほとんどスタメンを弄ってこなかったのは意外でした。。

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《試合展開》

 浦和のフィールドプレーヤーの顔ぶれは柏戦と同じでしたが、配置は全く違いました。柏戦でトップ下起用が当たった大久保の位置はどう見ても左SH。でもビルドアップ時には岩尾が最終ラインに降りる代わりに明本を高く押し出す形を取っていたので大久保はえらく中に絞った位置にいることが多く、あまりSHっぽい感じはせず。
 
 試合後の岩尾の弁によると松尾トップ下で「中盤をダイヤモンドにして、中盤の数的優位を生かしてボールをうまく運びたい」という意図があったようです。
 
 しかし、策士策に溺れるというか、これが全く機能せずに浦和は立ち上がりからビルドアップに四苦八苦。C大阪が4-4-2の布陣をコンパクトに保ったまま前から厳しくプレスをかけてきたのに対してサイドに逃れるというか、サイドに押し出される場面だらけで高い位置で浮いている選手に縦パスがズバッと入る場面はほとんどありませんでした。
 
 C大阪の高い最終ラインの裏狙いも何度か見せていましたが、多少なりとも可能性があったのは7分大久保縦パス→松尾左サイドからのクロスがシャルクに合わずに逆サイドへ流れた場面くらい。あとは最前線との呼吸が合わないとか、ボールが流れてジンヒョンに処理されてしまう場面だらけ。

 もっともC大阪も守備こそ盤石なものの攻撃は浦和のプレッシングに苦戦してあまり上手く行ってはおらず、ボールを奪ったらシンプルに2トップに当てるだけに終始。共に何も起こらないという実にしょっぱい試合模様に。
 
 20分過ぎくらいからようやく浦和がボールを握ってC大阪を自陣深くに押し込み出しましたが、好事魔多しというかなんというか、24分実にくだらない形で失点。
 
 自陣深い位置での素早いリスタートから為田がドリブルで持ち上がってクロス→ファーに加藤が飛び込んでゴールという形でしたが、C大阪が素早いリスタートに成功したのはなんと攻撃参加していた宮本がわざわざ相手にヒールでボールを蹴って渡していたからだったとは!!いやはや人が良いにも程があるだろう・・・そして自分がいない右サイドを為田に蹂躙される大失態。
 
 あんまりな形での失点で浦和は動揺したのか、26分には岩尾の横パスを受けた知念の縦パスが目の前のダイナミック毎熊に引っかかってしまってショートカウンターに。幸い加藤のシュートはバーの上。
 
 先制したC大阪は序盤から一転してほとんど前からボールを追って来なくなり、4-4-2でリトリート主体の守備に転換。そのため浦和のボール支配率はぐぐっと上昇しましたが、まさにボールを持たされているだけに。頼みのセットプレーも33分知念ヘッドがジンヒョンの正面に飛んだ場面に僅かに可能性があっただけ。

 あんまりな前半の内容を受けて、リカは後半頭からシャルク→小泉、宮本→酒井、関根→モーベルグと怒りの3枚替え。しかし、さすがにロクに練習もしていないであろう3選手を45分も使うのは無理があった模様。試合後リカも「まだフィーリングの部分や、コンディションが上がりきっていないところがあったのかなと思います。」「頭でやろうとしていても体が追いついてこない、という部分はチーム全体として、特に離脱していた選手についてはフィーリングの部分などで欠けているところはあったと思います。」と反省しきり。
 
 この3選手の中では小泉が一番マシで、酒井とモーベルグは気合が空回りして「頭でやろうとしていても体が追いついてこない」のが顕著。特にモーベルグは細かいボールコントロールのミスが多くて半ばブレーキになってしまいました。岩尾のいう「やっと来たチャンスで個の力頼みなシーン」でモーベルグがブレーキみたいな場面が多々あったかと。
 
 よって終始相手を自陣深くに押し込んではいるものの、相手守備ブロックは全く崩ぜず。決定機どころかシュートさえ撃てずに時間が徒過。岩尾は試合後「ジャブは打つものの、なかなかいいストレートが入らないというような試合展開」と評していますが、個人的にはジャブにすら至っていない印象でした。
 
 CKは山のように取りましたが、これまた全く決定機に繋がらず。ショートコーナーを多用する等工夫は見られましたが全般にセットプレーがしょっぱかったのは、来週ルヴァン杯でC大阪と2試合闘うので手の内を隠したんじゃないかという気が・・・

 81分になって伊藤に代えて江坂を投入したものの、小泉をCHに下げる訳ではなく、むしろ江坂がえらく深い位置にいて全く意味不明。そしてこれまた意味不明なクロス攻撃の連続。
 
 札幌戦や天皇杯広島戦では終盤に立て続けに点を取られたC大阪。C大阪は基本的に縦にも横にも陣形をコンパクトにして相手ボールホルダーに圧力をかける守備なので終盤の電池切れが著しいと思っていたのですが、この試合では相手にボールを持たせる守備をしている時間が長かったせいか、あるいは早め早めの選手交代が効いたのか、顕著な失速は最後まで見受けられず。
 
 終了間際には超前がかりになったところでカウンターを食らい、メンデスの一発を浴びてしまいましたが、西川がわずかに触ったのが効いてクロスバーを直撃。決定的な追加点こそ取られませんでしたが、浦和に点が入る気配は全くなくそのまま試合終了。

 失点後は最後までC大阪ペースの試合。とはいえ、C大阪の決定機も僅少で本来スコアレスドローで終わって然るべき、非常にしょっぱい試合でした。

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《総評》

 やることなすことまるでダメ。全く良いところなくホームで敗戦。消化試合が同じC大阪との勝ち点差を縮めるどころか、逆に勝ち点差9まで開いてしまいました。浦和の残り試合は6。消化試合が一つ多い3位広島との勝ち点差は11もあるのでリーグ戦でのACL圏入りは絶望的になってしまいました。
 
 まぁC大阪に今季ダブルを食らった上に負け方が非常に悪かったのでショックを受けている方も少なくないようですが、もともと浦和の立ち位置はリーグ戦の残り試合を全部勝って、しかも広島以下の上位陣が総崩れしないとACL圏には入れないという「超他力本願」状態。この試合の負けでもともと無理っぽい話がほぼ無理になっただけで、この敗戦自体にそんなに大きな意味はないと思います。今季リーグ戦前半に勝てなさすぎて残留争いさえ見え隠れしていたのがACL圏入りにほど遠い結果に繋がったのであって、反省するのはまずそこからでしょう。
 
 とはいえ、負け方が非常に惨めだったのもまた事実。リカは試合後「チーム全体に疲労があると感じているか?」と聞かれて、「疲労は走るなどのことだけでなく、それ以外の神経系の、目には見えないところにも影響していると感じます。特に何人かは、フレッシュさという部分ではおっしゃるように欠けている部分がありました。」と率直に疲労感を認めていましたが、ACLノックアウトステージ決勝進出に伴う代償は殊の外大きかった模様。
 
 そこにコロナ禍が再び来襲して過密日程をもともと疲労色の濃い限られた選手でこなさざるを得なくなったのがこの塩敗戦の主因でしょう。岩尾は試合後「パッと顔を上げたときに3人目を使えるオーガナイズができていれば怖がらずにパスを出せますが、あまりそういう感じには見えませんでした。」と嘆いていますが、選手の頭が疲れていたのでしょう、たぶん。敦樹がいう「普段取れている立ち位置が取れていなかったり」も同じかと。
 
 また先述のようにアホほどあったCKが非常にしょっぱかったのは、おそらく来週のルヴァン杯で向けて手の内を隠したと思います。一般論としてリーグ戦>>カップ戦なのは当然ですが、現時点ではACL圏入りなんて超他力本願状態の浦和が、より現実味のあるルヴァン杯奪還に重点を置くのは当然でしょう。ACLには繋がりませんが、タイトル獲得という結果を残すのは重要です。ミシャがリーグ戦で毎年好成績を残しながら結局ルヴァン杯一つで終わったことをある意味反面教師にしないと。

 昨年はC大阪が浦和にリーグ戦で負けて得た教訓をルヴァン杯で活かしましたが、今年は逆になるとええなぁ・・・

《選手評等》

 ACLで負傷(右ふくらはぎ肉離れ)した酒井がなんと鹿島戦・柏戦と2試合欠場しただけでいきなりベンチ入り。かつ後半頭から元気に出場。出場しただけでも驚きなのに、負傷したのは準決勝のラストプレーではなく準々決勝だったとか、「肉離れはやりながら治す」とか、もう岡野or那須ばりの「伝説」が続出。「今は代表より浦和」とは言うものの、代表復帰を焦っての無理じゃなければいいのですが・・・
 
 試合後ネットでボロカスに叩かれている宮本。プレーのミスではなく、緊張感がないと言われても仕方がないやらかしなので、名古屋戦での知念よりも罪は思いでしょうなあ。おまけにやらかした後はすっかり縮こまったようなプレーに終始。酒井が戻って来た上に、大原に馬渡が戻っているのは浦和公式インスタで確認されているので今季はもう出番がなくても不思議はないかと。

Cosaka2209004
-----シャルク-----
大久保--松尾---関根
---岩尾--伊藤---
明本-知念--ショルツ-宮本
-----西川-----

(交代)
HT シャルク→小泉
HT 関根→モーベルグ
HT 宮本→酒井
81分 伊藤→江坂

Cosaka2209002
---加藤--山田---
為田--------毎熊
---鈴木--奥埜---
山中-鳥海--ヨニッチ-松田
-----ジンヒョン----

(得点)
24分 加藤

(交代)
58分 山田→清武
74分 為田→パトリッキ
74分 加藤→メンデス
90+1分 毎熊→中原

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2022.09.11

【観戦記】22年第29節:浦和  4-1 柏 ~ ほら、シャルキー、もひとつ、シャルキー!

 コロナ禍直撃で普段の控え選手だらけで臨んだにも関わらず、上位にいるのが不思議なくらい内容がない柏を終始圧倒!!完封勝ちを逃したことだけが残念でした。

《スタメン》

 前節鹿島戦では試合後故障したことが明らかになった酒井はともかく、西川、モーベルグ、江坂、大久保、馬渡と謎のベンチ外が相次ぎましたが、案の定というかなんというか、9月1日から7日にかけて五月雨的にトップチームの選手6人、スタッフ1人の計7人が新型コロナウイルスの陽性判定を受けたことが公表されて浦和の選手繰りは一段と窮屈に。

 残念ながら浦和はJリーグの覚えがめでたくないので、某チームのように対戦相手の迷惑も顧みずに勝手に試合を延期するわけでもいかず、残存兵力をかき集めて試合に臨んだ結果、ユンカー→シャルク、小泉→大久保、岩波→知念、大畑→明本と前節からスタメン4人入れ替え。
 
 江坂がベンチに戻ってきたものの、前節出場していた小泉・岩波・大畑はいずれもベンチ外。酒井はもちろん西川、モーベルグ、馬渡はなおもベンチ外。なお前節ベンチ外だった大久保はコロナ禍とは関係なく、単にACLで小破した後に大事をとって鹿島戦を回避したことがMDPで明らかに。また江坂はベンチに戻って来たものの、ロクに練習していなかったことが試合後の監督会見で明るみに。

 柏は前節出場停止だったCB上島が田中に代わってスタメンに復帰した他、武藤→細谷、川口→三丸とスタメン3名入れ替え。

Kashiwa2209003

《試合展開》

 柏はいつも通り基本3-1-4-2、守備時5-3-2で最終ラインを高く押し上げて2トップを先頭に前からプレスをかけてくるものの、これが笑えるくらいに全くハマらない。浦和は両CB&岩尾で柏2トップのプレスをいとも簡単に無効にして立ち上がりから安定的にボールを支配して攻勢に。フリーになりやすい両SBを基点にサイドから柏のやたら高い最終ライン裏を狙う展開が数多く見受けられました。
 
 7分の先制点は中央突破ながら柏の最終ライン裏狙いが決まったもの。知念の縦パスを最終ラインの前で受けて前を向いた大久保が、慌てて食いついてきたCB染谷をあっさり交わして無人の野を突進してボックス内に突入した松尾へスルーパス。松尾は追いすがるCB古賀を全く苦にすることなく左足で流し込んでゴール!!

 その後も浦和が柏を圧倒。危ない形、不用意な形でボールを失わないので浦和はボールを失った後の攻守の切り替え&奪回への動きも実にスムーズ。柏はそもそもビルドアップが上手いチームではないのでカウンターチャンスが失われるとボールを奪った後の挙動に迷いが生じがち。苦し紛れにロングボールをドウグラスへ蹴ったところでその先にはショルツが待ち構えていてどうにもならず。その結果前半半ばまでの浦和のボール支配率は75%に達していた模様。もちろん「ボールを持たされていた」形ではなく。
 
 浦和の追加点はこれまた柏の最終ラインの裏狙い。最終ラインにいた岩尾縦パス→センターサークル内で受けた伊藤がスルーパス→シャルクのシュートはいったんGKがセーブしたものの弾きどころが悪く、こぼれ玉をシャルク自ら詰めて浦和加入後リーグ戦初ゴール。

 給水タイムを挟むとさすがにネルシーニョは無為無策のままではなく、椎橋を前に出して岩尾をけん制したり、30分過ぎくらいから細谷のポジションを下げて守備時5-4-1、さらには5-2-3のような形で前プレをかけ出して反撃開始。浦和も大久保が相手の厳しい当たりに抗しきれずに倒されて危ない形でボールを失ったり、しょーもないパスミスが目立ち始めたものの、柏は決定機を作れず。
 
 むしろこの時間帯ですらカウンターやセットプレーで浦和が3点目を取る可能性の方が高かったくらい。ATにはCKからショルツや明本に惜しい場面も。

 柏は後半頭からドウグラスに代えて武藤を投入し、はっきりと守備時5-4-1ないし5-2-3にシフト。一時は柏の前プレがハマって試合が忙しくなったもののやはり柏は決定機を作れず、逆に52分には知念のロングフィードからシャルクが裏抜けに成功→折り返しがわずかに関根に合わないという惜しい場面も。

 さらに柏は55分サヴィオに代えて小屋松を投入するもやはり戦局に大きな変化を与えるほどではなく浦和の攻勢が続き、57分岩尾CK→明本がどフリーで左足アウトサイドで合わせ、そのままでもゴールになりそうなところをファーサイドで知念が押し込んで決定的な3点目。
 
 これで勝負ありと見たリカは66分シャルク→江坂、大久保→松崎と交代。柏も67分染谷→北爪、椎橋→加藤と代え、その直後からなぜか柏が大攻勢に。68分敵陣深い位置からのスローインからの流れで加藤が左サイドへ展開→どフリーで突っ込んできた左WBの強烈なシュートは彩艶がセーブ。
 
 69分加藤が浮き玉で縦パス→細谷ヘッドで折り返し→武藤シュートは彩艶の正面を直撃。さらに自陣深い位置で宮本が関根へ繋ごうとしたところでボールを失い、関根からボールを奪った加藤がそのままシュートを放つも、これまた彩艶が好セーブ。

 楽勝ムードが一変しかかったところで、リカは71分松尾→ユンカー、伊藤→柴戸と代えて再度攻勢に。ただ良い形は何度も作るものの、3点差という気楽な状況が悪い方に作用したのか、松崎といい関根といい、強引にシュートを撃ってしまう場面がやたら目立ってしまいました。
 
 しかし、浦和の攻勢が結実したのが83分。知念ロングボールの跳ね返りを拾った関根が左サイドからボックス内に突入。関根の折り返しが柏のハンドを誘発してPKゲット。現地ではVARが介入したもののオン・フィールド・レビューにまで至らなかったので何がなんやら判りませんでしたが、どうも関根の折り返しが北爪の広げた手に当たった模様。85分PKをショルツが難なく決めて4点目。
 
 89分柏の絶望的な反撃をボックス手前で防いでひと安心と思いきや、ボールを奪い返しに来た小屋松のプレスに対して柴戸がまさかのボールロスト。武藤のシュートはいったん彩艶が防いだものの、細谷に詰められてせっかくの大勝なのに完封を逃す格好に。

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《総評》

 コロナ禍と故障が相まって、全北現代戦のスタメンでこの試合でもなおスタメンで頑張っているのはなんと松尾・伊藤・岩尾・ショルツの4人のみ!!ACLノックアウトステージの3試合でいったん固まったかのように見えた「鉄板のスタメン」がこんな形で脆くも崩れ去り、控え選手だらけで柏戦に臨まざるをえない羽目に。
 
 厳しい日程を考慮して浦和はルヴァン杯から岩波と宮本以外のスタメン9名を入れ替えて臨んだリーグ戦アウェー名古屋戦でボロ負けを喫した記憶も新しいだけに、正直試合前は不安感でいっぱいでした。
 
 リカもさすがに自信がなかったのか、試合前は「J1リーグでは昨季より高い順位で終わらせることを目標としています。」「J1リーグではできるだけ高い順位で終わらせたいと思っていますので、そのような気持ちを持って明日の試合に臨みたいです」と目標を大幅に引き下げるような話をしてしまい、一部の赤者の不興を買うことに。
 
 ところが蓋を開けてみたら柏に全く何もやらせずにあっという間に2点先制。その後さすがに柏は多少修正してきたものの戦局は浦和優勢のまま推移し、完封勝ちを逃したことだけが残念無念という圧勝ぶり。いやはやこれには恐れ入りました。
 
 リカが試合前に「コンセプトの理解が深まっていますので、メンバーが変わっても理解しながらプレーできると私は思っています。もちろん選手それぞれの特長やクオリティーの違いはありますが、チームとしてメンバーが変わってもパフォーマンスを維持することが我々のチャレンジです。」と語っていたのも、この試合結果そして試合内容を見ればあながち強弁ではなさげ。
 
 「誰が出てもそれなりに同じことが出来る」のではなく、選手を代えたら代えたでその選手の特徴を活かしながらプレーできるレベルで選手間のコンセプトの理解が深まっているという感じでしょうか。
 
 この試合で具体的に言えば、モーベルグとは対照的に全然サイドアタッカーっぽくないシャルクをSHに置き、逆にずっとサイドアタッカー扱いだった大久保をトップ下に配したのがズバリ当たりました。とにかくメンバーが揃わないので直近は練習メニューも限られていたでしょうに、普段の練習の積み重ねで相互理解が深まったのがようやく試合結果として実を結んだのかも。
 
 また前回の柏との対戦では、途中から江坂をハードマークされて手も足も出なくなってしまいましたが、今の浦和はその頃とは一変。そもそも江坂がスタメンを外れ勝ちになっただけでなく、今の浦和の攻撃は江坂とか、昨年の小泉とか「こいつだけ潰しておけばOK!」というやり方では対応しきれないレベルに上がっているのかも。
 
 メンバーが揃わず、練習メニューも限られる中でリカが仕込みに仕込んでいた臭いのがセットプレー。今年のスタッツを見ると柏はセットプレーからの失点が多いのは一目瞭然なので、浦和はそこを徹底的に研究し、練習時間を割いたと思われる気配がムンムン。3点目同様、前半ATにもCKから同じような位置で明本がフリーでシュートを撃っていたのがその傍証です。ショルツの惜しいヘッドも2度ありましたし。
 
 一方全く良いところなく大敗を喫した柏。なんで浦和より順位が上なのかさっぱり判らない試合内容でしたが、端的に言えば浦和は今季前半勝てそうな試合を引き分けor負けにしたのに対し、柏は僅差で勝ちを拾いまくったのが今の勝ち点差。だから順位の割には得失点差が小さい。
 
 今年は柏は「試合内容に特に見るべきものはないのになんか知らんけど勝っている」という意味ではかつての宮本ガンバとか三浦神戸と似ていて、シーズン終盤になってようやく化けの皮が剥がれたなぁという印象です。このところ広島に3失点、F東京に6失点、そして浦和に4失点と中上位チームに大量失点を重ねていますし、最下位磐田にすら2失点を喫してドローゲームに。
 
 ネルシーニョはボロ負けの原因を「相手をリスペクトしすぎだ」「個人の責任感によるものだと思います」と選手に押し付けていますが、そもそも前からハメに行って一対一で相手を潰すことくらいしか仕込めてない監督の罪のほうがデカいと思ったけどなあ。そして相手にボールを回されて潰せないから守備が後手後手に回ってイエロー続出。あれじゃミシャの守備と変わらんでしょうに。

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《選手評等》

 シャルクは浦和加入後リーグ戦で初ゴール!! よほど嬉しかったのかゴール後興奮しすぎて駆け寄った松尾がドン引きする一幕も(苦笑)。シャルクは長らく正しい使い方がよく判らず、そうこうしているうちに故障離脱。当然ながらACLでは外国人枠に入れずと苦しい日々を送っていましたが、故障明け後も腐らずに真面目に練習している姿をリカはちゃんと見ていたのでしょう。左SH起用が大当たり。
 
 シャルクはサイドアタッカーというより明本に代わる無限プレス要員かつ明本より点が取れるという感じでしょうか。またシャルクはドリブルのキレで勝負するタイプではなく、またそんなに足が速そうには見えないのに、なんだかかんだと左サイドで裏抜けに成功していたのが不思議でした。しかも守備時はプレッシングをさぼらない。ホンマええ仕事してました。

 トップ下起用が当たった大久保。大久保へのファウルを佐藤主審は途中から全然取ってくれなくなりましたが、厳しく言えばあそこでもうひと踏ん張りできるかどうかがトップ下大久保の課題と思いました。でも後半ファウルを受けても踏ん張って前を向いて、その直後のファウルを取ってもらえなかったのはさすがに主審どうなのよ?と思いましたが。
 
 名古屋戦で大失態を犯し、大敗の主因となった知念。この試合でもダメだったら浦和ではもう出番はないと悲壮な決意だったでしょうに、そこで変に小さくまとまったり、無難なプレーに終始したりせず、できること、やれることをのびのびやって堂々の汚名返上。

 一方久々に出場機会を得た松崎。気持ちは判るけど、独力で点を取りに行く気持ちが迸りすぎてて良くなかったかと。どフリーのユンカーが手を挙げているのに自分で撃って枠外っちゅーのは監督の心象悪いと思いますが・・・
 
 テレ玉の解説は珍しく啓太。最後の失点の主因となった柴戸のしょーもないボールロストを啓太は結構厳しく批判。せっかくの出場機会でアレだとますます出番が遠のいてしまう。啓太もベンチ要員だった時期がそれなりにあったからこその苦言でした。

 試合後は久しぶりにサポだけでWe Are Diamonds。最後にキャプテンマークを巻いていた関根が「次の節目の試合まで取っておこう」と選手達に声掛けしたのかも。We Are Diamondsは「勝ったら必ず選手一同で歌うようなものでもない」ということを知っている世代の生き残り。実に良い傾向です。

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-----松尾-----
シャルク---大久保--関根
---岩尾--伊藤---
明本-知念--ショルツ-宮本
-----彩艶-----

(得点)
7分 松尾
24分 シャルク
57分 知念
85分 ショルツ(PK)

(交代)
66分 シャルク→江坂
66分 大久保→松崎
71分 松尾→ユンカー
71分 伊藤→柴戸
84分 岩尾→安居

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--ドウグラス---細谷--
--ドッジ---サヴィオ--
三丸---椎橋---大南
-古賀--上島--染谷-
-----佐々木----

(得点)
89分 細谷

(交代)
HT ドウグラス→武藤
55分 サヴィオ→小屋松
67分 染谷→北爪
67分 椎橋→加藤

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2022.09.04

【DAZN観戦記】22年第28節:鹿島 2-2 浦和 ~ 鈴木優磨「フェアプレー。そんなものはない。以上」

 謎の大幅駒落ち、謎過ぎる判定、そして実に汚くて狡賢い伝統的なスタイルに回帰した相手といくつもの難しい要素を抱えながらもよくぞ勝ち点1を拾ったと評価するか、勝ち点2を失ったと評価するか微妙な試合でした。

《スタメン》

・浦和はACLでの激闘を終えて中8日で3週間ぶりのリーグ戦。中8日のうち最初の3日をオフに充てただけではまだまだきつかったのか、試合の2日前にもう一日オフを追加するという異例の形で鹿島戦に臨みました。

・残念ながら試合前に選手1名がコロナ陽性判定を受けた話が出ていたので、その選手絡みでのスタメン入れ替えはあるだろうなとは予想していましたが、蓋を開けてみると浦和のベンチ入りメンバーはもう想像の遥か斜め上!!

・浦和はACL準決勝から西川→彩艶、酒井→宮本、モーベルグ→ユンカーとスタメン3名を入れ替え。それだけならまだしもスタメンから外れた西川、酒井、モーベルグに加え、ACLでコンスタントにベンチには入っていた江坂、大久保、馬渡がベンチにもおらず。

・試合後酒井がACLで負傷(ふくらはぎ肉離れ)し、しかも全治未定という話が公表されましたが、それ以外の選手がベンチ外になった理由は判然とせず。試合当日になってコロナ陽性判定を受けた選手が続出したのなら後日その旨が公表されるでしょうし、単にACLの激闘のダメージがデカすぎてコンディションが良くない選手が続出したのかもしれません。いずれにせよ、酒井も含めて今週の練習で大原にいることが浦和公式インスタで確認されていた選手がごっそりベンチ外なのには心底驚きました。

・ACLでは外国人枠から外れてメンバー外だったものの、故障が癒えて大原で元気そうにしていたシャルクが久しぶりにベンチ入り。但し、総じて控えに前目の選手が少ないのは否めず。

・鹿島は前節川崎戦からGKをスンテから沖に入れ替えただけ。控えに長期離脱していた荒木が戻って来たものの、前節謎の欠場だった土居は今節もベンチ外。なお右SB常本が故障中。

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《試合展開》

・鹿島は基本中盤ダイヤモンド型の4-4-2というか4-3-1-2の構え。但し浦和が最終ラインでボールを保持している際にはトップ下仲間が最前線に加わって3トップ気味に前から強くプレスをかけてきました。

・この鹿島の出方は容易に想像できたはずですが、浦和はどういうわけかビルドアップに苦労。パスミスや危険な位置でのボールロストも頻発してボールを前に進められないどころか安定的に保持すらできず、序盤はやや鹿島ペース。

・そして16分左サイドから樋口クロス→カイキヘッドで失点。クロスの精度もさることながらにそのクロスに対して鈴木・カイキ・仲間と3人飛び込んでおり、もうこれは岩政監督が事前に仕込みに仕込んだ得意パターン。浦和守備陣はカイキへのマークがずれてしまいました。

・でもこの失点はそもそも小泉の縦パスをカットされたところから始まっており、しかも小泉のミスはそれ以前から散見されたので起こるべくして起こったような気も。

・20分過ぎからようやく浦和がボールを握り始めて鹿島を自陣に押し込み、試合のペースを掴み出したと思ったら、27分GKのロングフィードに競り勝ったカイキが左サイドからカットイン&ミドルシュート。シュートは彩艶が楽々セーブと思いきや、なんと彩艶がシュートを弾き切れずにボールはまさかのゴールマウスへ!! シュートがわずかに岩波に当たってGKには難しいボールになったようですが、弾いたボールがゴール方向へ飛んでしまうとはDAZN実況桑原氏や解説水沼氏も含めて誰一人予想しなかっただろうなぁ・・・

・しかし、ボールを支配し出した浦和はそれなりに何度も攻めの形を作っており、30分右サイドからボックスの内外で細かくボールを繋ぎ、最後は岩尾のワンタッチパス→松尾の反転シュートがCB関川に当たってコースが変わる運も味方して決まって反撃開始。

・試合の雲行きが怪しくなってきたと感じたのか、鹿島は守備時仲間がCHに下がって4-4-2でリトリート主体に切り替え。浦和も鹿島ボール保持時は関根が最終ラインに降りて5-3-2気味となり、お互いに攻め倦みの様相で時間が徒過。おまけに笠原主審の不安定というか謎過ぎるジャッジと鹿島の小汚いプレーの数々に浦和の選手達が苛立ちを露わにする場面が増え始めて、47分には小泉が主審への異議という実にくだらない形でイエローも。

・無駄に熱いものの、実に見所の乏しかった時間帯で両チームの見せ場らしい見せ場は67分岩波クロスのこぼれ玉を拾ってからの流れでアーク付近からの松尾シュートがGKを脅かしたくらいでしょうか。

・そしてその直後にリカはユンカーに代えて柴戸を投入し、松尾1トップはともかく伊藤を左SHへ出す珍しい形に。68分伊藤のパスを受けた大畑が対面の右SB広瀬の股を抜いて裏抜けしようとしたところで、広瀬はたまらずファウル。そこで得たFKを69分岩尾→ニアで岩波がヘッドですらしてゴール!!! 岩波は試合後「イメージどおりでしたし、今日のメンバーを見るとターゲットになる選手が僕しかいない状況でした。実際に今日のターゲットはほとんどが僕でしたので、しっかりと得点できてよかったです」と語っており、まさに会心の一撃だった模様。

・同点に追いつかれた鹿島は72分に和泉→エヴェラウド、さらに78分にはカイキ→荒木、広瀬→ブエノ、樋口→舩橋と代えて3バックに変えたようでしたが、全く決定機を作れず。性懲りもなく汚い小技や臭い演技を繰り返していた鈴木に77分になってようやくイエローが出て劇団鹿島も次第に千秋楽へ。

・浦和は78分に小泉→明本、90分に松尾→シャルクと数少ない攻め駒を投入して大勝負に。シャルクは投入直後にバックパスが直接エヴェラウドに渡ってしまう大失態がありましたが、エヴェラウドの突破は岩波が阻止。90+2分にショルツのロングフィードをシャルクがボックス手前で受けて、どフリーで走り込んで明本へ折り返し。後は明本が決めるだけという絶好機を迎えましたが、不死身の明本の最大の難点は射撃。ダイレクトで撃てずにトラップしたのが仇となり、後方から走って来た舩橋に阻まれてシュートを撃てず。

・そして最後の最後まで笠原主審の大迷走は続き、最後になんで関根にイエローが出るのかさっぱり判らないまま試合終了。

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《総評》

・スコアこそ2対2とそれなりに動きましたが、両チームともそんなに数多く決定機を作っていた訳ではありませんし、結果は妥当な範囲内でしょう。ただ浦和の2失点目は彩艶が残念すぎましたし、しかも浦和は次第に試合のペースを握って後半は鹿島に何もさせず、さらに最後の明本の決定機逸は「まさかやーーー!!」と絶叫せざるをえないレベルでしたから、リカが試合後「今日の結果に関しては、勝ち点2を落としてしまったと思っています。」と語るのも判らなくもありません。

・ただ合わせてリカが「失点に関してもどういった部分が危険になるのかはある程度把握している中で、そこを修正しきる前に失点してしまったのは非常に残念な点だと思います。」とも語っているように、序盤は完全に鹿島のペースにずっぽりハマってしまったのも確かなので、間違いなく勝てた試合というほどでもないと思います。

・それにしても主力が突然大量にベンチ外になったのには参りました。リカが名古屋との3連戦でついに発見したと思われたスタメンの最適解は非常に意外な形で大崩壊。

・試合前の会見でリカが「以前はゲームプランを最優先し、ゲームプランに選手を当てはめていくというやり方でしたが、現在はそうではなく、選手のパフォーマンスやプレーに値するかどうかということを優先し、それをベースに組み立てています。」という話をしていたのが実に意味深。

・個人的には「ゲームプラン優先だと、相手が変わるとゲームプランも変わり、それに伴ってスタメンも変わる。今は選手のパフォーマンスが落ちない限りスタメンは変わらない。鉄板スタメンでさまざまなゲームプランに対応できるようになった」という意味合いと解釈しましたが、諸般の事情で突然パフォーマンスがガタ落ちする選手が続出して、無理やりスタメンどころかベンチ入りメンバーまで大幅に代えざるを得なくなるとはリカもさぞかし頭が痛かったことでしょう。

・でも諸般の事情でスタメンは大幅に弄らざるを得なかったものの、本職ではないポジションをやらされてる選手は全くいませんでしたから、出番を得た選手はそれなりにやってくれないと・・・でも残念ながら名古屋3連戦やACLで出番を減らしていた選手にはそれなりの理由があったことがよく判る試合内容でした。残留争いしている状態ならこのメンバーで勝ち点1は満足すべきでしょうが、ACL決勝でアルヒラルをぶっ倒すつもりならこの面子でも勝ち点3を取れないとかなり厳しい。そんな感じでしょうか。

・特にユンカーをスタメンで使う弊害は「運動量がしょぼすぎて前プレが全然効かない」点で顕著でした。またモーベルグ&酒井を共に欠いた右サイドの迫力不足は目に余るレベル。なんだか終始縮こまっているように見える宮本はまだしも、関根が対面の相手を一枚剥がせないのが結構辛かったかと。モーベルグに慣れきってしまった目には。

・それでも大胆なターンオーバーで臨んだリーグ戦のアウェー名古屋戦のように大敗はしなかったのだから「悪くはなかった」のかも。ACL優勝という大目標を掲げる限りは超寂しい話ですが。

・一方8月にレネ・ヴァイラー監督を突如更迭し(=チーム内でのクーデター勃発が主因という有力な噂も)、岩政コーチを監督に据えて「岩政を漢にしようぜ!」とばかりに意気上がる鹿島。

・湘南戦では鈴木目掛けてロングボールを蹴りまくる場面が目立ち、湘南も鈴木だけタイトに対応していれば問題なしとばかりに早々と対策を練って来たので鹿島が劣勢な内容でドローに終わりましたが、この試合の内容は湘南戦よりはずっとマシでした。少なくとも徹頭徹尾鈴木頼みという感じには見えませんでしたし、アホほどロングボールを多用するわけでもなく、人数をかけて押し上げてサイドからのクロス攻撃の形を作る意図は伺えました。

・しかしいみじくも岩政自身が「このハイペースのサッカーを90分間最初からできるとも思っていないです」と語っているようにいかにも序盤から体力任せ、根性まかせで突っ走っているようにしか見えない場面も多々あり、当然ながら試合は次第に浦和ペースへ。岩政がどんな絵を描こうとしているのかよく判りませんが、鹿島の変化、変革って結局のところ戦術云々なんてどうでもよくて「汚くて、狡賢くって、激しいあの頃に帰る」だけでしかないような、傍目には・・・

・そして明本のアレが決まっていたら、今頃鹿島界隈は岩政懐疑論で沸き返っていたでしょうに。実に惜しい、惜しすぎる。

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《選手評等》

・酒井の肉離れはACL準決勝の最後の場面=渾身のタックル&クロスで生じたものでしょう、たぶん。しばらくゴールライン外で座っていましたし。酒井はACLグループステージ突破後に手術、準決勝突破後に肉離れという巡り合わせ。移籍に周囲から反対されたことを反駁するためにもACLにかける思いはチーム内でダントツなんでしょう。もうゆっくり養生してくれとしか言いようがありません。


・全北現代の右SHに結構やられてPKすら献上してしまった大畑。全北同様強度マシマシ系の鹿島相手では明本に代えられるかも?と思ったのですが、この試合の大畑は大過ないどころかほぼ満点の出来。攻撃時は松尾をインサイドに、大畑が大外を取る形が多めでしたがコンビネーションには何の問題もなく、守備も破綻なし。もっとも鈴木が思ったほど大畑のところへ流れて来なかったのにも助けられましたが。

・西川がミレッGKコーチの下で再成長を見せているのに対して、彩艶は伸び悩み気味なのかなぁ?2失点目の失態もさることながら西川より優位だったはずのキックも長短ともイマイチでした。

・鹿島はフェアプレーもへったくれもないチームであることについて小泉を筆頭に概して浦和の若手(というか鹿島との対戦が少ない選手)はいかにも経験不足でした。欧州から監督を招聘して「洋務運動」に勤しんでいた頃の妙に大人しい鹿島しか知らないでしょうし。審判もアレでしたが、すっかり古典回帰した鹿島の汚いやり口にいちいちいらつくのは鹿島の思う壺。過去浦和はこれで何度痛い目に遭ったことか!!

・リカは交代枠を2つも余して試合終了。あまり良いところがない関根を最後まで引っ張って松崎は出番なし。うーーん、これは事実上戦力外かも・・・一方短時間ながらシャルクが使えたのがこの試合の数少ない収穫。

・笠原主審は昨年第2節のアウェー鳥栖戦で仙頭のライダーキックが岩波の頭を直撃しているにも関わらず、レッドではなくイエロー止まりにした曰くつきの主審。そしてこの試合でも謎判定のオンパレード。笠原主審のアレっぷりを見せつけられたような90分でホトホト疲れました。笠原主審の謎判定を全部ジャッジリプレイで取り上げたら一日終わってしまうがな・・・桑原さん死ぬで。

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-----ユンカー-----
松尾---小泉---関根
---岩尾--伊藤---
大畑-ショルツ--岩波-宮本
-----彩艶-----

(得点)
30分 松尾
69分 岩波

(交代)
67分 ユンカー→柴戸(松尾CF、伊藤左SH、柴戸CH)
78分 小泉→明本
90分 松尾→シャルク

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---カイキ----鈴木--
-----仲間-----
-和泉--ビトゥカ--樋口-
安西-三竿--関川-広瀬
-----沖------

(得点)
16分 カイキ
27分 カイキ

(交代)
64分 仲間→中村
72分 和泉→エヴェラウド(カイキが左SHに入り、鈴木&エヴェラウドの2トップへ)
78分 カイキ→荒木
78分 広瀬→ブエノ
78分 樋口→舩橋

※写真は試合とは関係ありません。

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2022.08.26

【観戦記】ACL2022準決勝 全北現代 2-2(PK1-3)浦和 ~ 西川に神が舞い降りた!!

 90分で決着を付けられず、あろうことか延長後半に逆転を許してしまうも、終了間際にユンカーが起死回生の同点ゴール。そして西川に舞い降りた神と魔境埼玉スタジアムの力でPK戦を制して浦和が決勝の舞台へ!!

Acl2022sf007

《スタメン》

・浦和は中2日での3連戦の最終日でしたが、スタメンはなんとパトゥム戦と全く同じ。サブに大久保が戻って宮本がベンチ外に。

・全北はラウンド16→準々決勝の間は中3日で浦和より好条件なものの、ラウンド16&準々決勝とも暑さの残る16時キックオフの試合で延長戦まで闘っていて身体的なダメージがきついのか、11番(バロウ)をベンチスタートにして9番(グスタボ)をスタメンにした他、15・29・97をスタメンにして5・7・13がサブと計4名を入れ替え。

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《試合展開》

・全北の選手登録はDFが3人だったので「3バックで臨んでくるのか?」と思いましたが、蓋を開けてみれば準々決勝と同じ4-2-3-1で、守備時は両SHが下がって4-4-1-1という感じ。しかも全北の前プレはきついとは言い難く、ニュートラルな位置でリトリート主体の守備からスタートしました。

・そんな相手に対し浦和は3分酒井→モーベルグの決定機を作り、11分にはモーベルグのスローインから伊藤→モーベルグスルーパス→酒井が右サイドを深く抉っての低いクロスに松尾が飛び込んで早々と先制。

・試合開始当初の全北はひたすらグスタボへロングボールを蹴っていましたが、グスタボと言えどもそう簡単にはボールが収まらないためか、20分くらいからボールをしっかり繋ぐ方針に転換。しかし、浦和の前プレがきつくて思うように前進出来ず、後方でボールを回している時間がやたら長かったかと。

・浦和も浦和で、明らかに前からの圧力を強めた全北に対して悪く言えば思うようにボールを前に進められず、良く言えば勝っているのでボールを奪っても無理には攻めない様子で、決定機らしい決定機は30分に小泉の縦パスを受けた伊藤のシュートが枠内に飛んだ場面だけ。

・膠着した戦況を見て全北は後半投入を予定して温存していたであろう11番(バロウ)を34分に早くも投入。38分浦和は酒井から松尾へのパスを23番(キムジンス)にカットされてカウンターを食らい、そのままバロウに長い距離を運ばれてしまう最も許してはいけない形を許してしまいましたが、21番のシュートをショルツがブロックしてなんとかCKに逃れて安堵。

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・ビハインドのまま後半に突入した全北は頭から29番に代えて13番(キムボギョン)を投入。これが効いたのか後半立ち上がりから全北が浦和を自陣に押し込み続け、52分バロウからの縦パスをボックス内で受けようとした21番(ソンミンギュ)を大畑が後方から倒した格好となりPKに。VARの介入&オンフィールドレビューでもその判定は覆らず。55分PKを8番(ペクスンホ)が決めて同点に。

・浦和の苦戦は続き、60分CKからカウンターを食らってバロウの独走を許す大惨事。しかし、バロウの折り返しを小泉がカットして窮地を脱しました。

・リカは62分関根に代えて大久保を投入した辺りからようやくボールを握る時間が増え始め、66分モーベルグのクロスをCB4番がクリアし損ねてあわやオウンゴールに。78分にはモーベルグのスルーパス→小泉がボックス内右深くに侵入する良い形を作りましたが、折り返しをGKに阻まれて得点ならず。

・その直後にリカは大畑→明本、小泉→江坂、松尾→ユンカーと一挙3人を交代する勝負手を放ちましたが、80分またしてもCKからカウンターを食らう大ピンチ。しかし21番(ソンミンギュ)のシュートはわずかに枠を逸れて事なきを得ました。

・3選手交代後、浦和が初めて掴んだ決定機は82分大久保スルーパスがユンカーに通るもユンカーのシュートはバーの遥か上。90分岩波ロングフィード→最前線でユンカーが溜めてモーベルグへ折り返すも、モーベルグの左足は枠を捉えきれず。

・ATには浦和が怒涛の猛攻。90+4分には明本クロスを相手DFがクリアし損ねたボールが江坂の前に転がるも江坂のシュートはまさかの枠外。90+5分ロングカウンターで江坂→ユンカーと繋がるもユンカーのシュートは角度が厳しくてGKがセーブ。90+6分明本→江坂スルーパスでボックス内で放ったユンカーのシュートはポストを直撃。こぼれ球を拾った江坂のシュートはゴール寸前でGKがクリアされて延長戦に突入。

・全北は終盤完全に足が止まってドン引きに陥り、厳しい競り合いで傷む選手も続出。戦術的変更ではなく、単に傷んだ選手を代えるくらいのことしか出来ず。しかし、浦和も浦和で終盤の猛攻で勝ち越せなかったのが響いてか延長戦はすっかり足が止まってしまい、全北の守備ブロックの周りでボールを回すだけの、まるで今季前半の全く点が取れなかったことを思い出させるような低調な展開に。

・そのまま何事も起こらないままPK戦突入の気配が漂いだしたところで、115分23番クロス→ファーで折り返されて、最後は髪の毛が不自然な27番(ムンソンミン)に決定機。ここはなんとかショルツがブロックして凌いだものの、116分全北のショートコーナーに対して浦和の対応が遅れ、14番のクロスにニアで飛び込んだ7番のゴールを許してしまいました。

・残り時間はわずか5分程度。しかし浦和の選手達、そしてスタジアムに詰めかけた23,000人余は誰一人として諦めることなくすぐさま態勢を立て直して反撃開始。埼玉スタジアムの屋根に反響する声また声、そして拍手に次ぐ拍手が頭上から降り注ぐ中で、120分酒井が「諦めないということはこういうことなんだ!!!」と言わんばかりの渾身のタックルが炸裂。

・モーベルグ→酒井のクロスはいったんクリアされたものの、大久保ボレーシュートの当たり損ねを明本がヘッド。GKが弾いたこぼれ玉をユンカーが利き足ではない右足でわずかに空いた隙間をぶち抜いて起死回生の同点ゴール。

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・PK戦はまさに2007年準決勝城南一和戦の再現。北ゴール裏に集結した無数の大旗がウネウネする異様な光景を前にPKを蹴るのは経験豊富な全北の選手もやりづらかったのか、またそれ以上にミレッGKコーチと共に積み重ねてきた西川の研鑽が勝ったのか、1本目、2本目と立て続けにPKを阻止したところで半ば勝負あり。全北4本目はなんとポストを直撃して外へ。浦和は3本目のモーベルグこそ阻止されたものの、4本目を江坂が決めてPK戦に勝利。2019年以来の決勝の舞台へと駒を進めました。

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《総評》

・PK勝ちだろうがなんだろうが、結果が全て。なんとか東地区の頂点に登り詰めた選手達、そして監督やスタッフ達を率直に讃えたいと思います。

・それにしても全北は強かった。韓国のチームといえばやたら荒っぽいイメージがありますが、全北現代は最初にグスタボがクロスに対して遅れて突っ込んで西川や酒井と交錯して自分も傷んだのが危なかったくらいで、激しい競り合いは何度もありましたが、汚いと思えるプレーはほとんどなくフツーに強いチームでした。中立地開催とは名ばかりの圧倒的な浦和のホームでこれですから、通常のH&Aだったら浦和の勝ち抜けは難しかったかもしれません。

・おまけに韓国の田舎クラブにありがちな負けた後のご乱行もなし。PK戦に敗れて引き上げる全北に対してスタジアムから少なからずの拍手も巻き起こっていましたが、まさにリスペクトに値するチームでした。

・今年のACLは昨年に続いてコロナ禍を受けてグループステージ、ノックアウトステージも集中開催という短期決戦。コロナ対応が一際厳しい中国勢は全くやる気がなく、浦和は豪州勢との対戦もなかったので正直ACLらしいACLは最後の準決勝だけだったかも。

・そしてリカや選手の大半がACLの経験がないことが準決勝の苦戦の一因だったのは間違いないでしょう。通常のH&Aによる長丁場での闘いなら、闘っているうちにACLに向いている選手、向いてない選手の見極めが出来て、それなりのローテーションを組むものですが、今年は如何せん短期決戦。

・リカがノックアウトアウトステージ3試合をほぼ固定メンバー(=Jリーグ仕様そのまんま)で試合に臨み、その辺の見極めをしないまま、出来ないまま最後の最後でACLらしいACLの闘いの場を迎えて危うく死にかかりました。

・端的に言えば左SB大畑は明らかにミスチョイス。前半にも競り負けてボックス内で後方からのタックルでなんとか逃れる場面がありましたし、PKを与えたファウルも起こるべくして起こったようなもの。60分の激ヤバカウンターを食らった場面でもバロウに弾き飛ばされてしまいましたし。フィジカルが強い明本をラウンド16&準々決勝とベンチスタートにしたのは準決勝での出場を睨んでのものと思い込んでいましたが、「勝っているチームは弄らない」ことが裏目に出た気も少々。

・途中投入の大久保もイマイチ。まぁこちらは準々決勝をコンディション不良でベンチ外になったくらいなので、こちらはACLに向き不向き以前の問題かも。

・そして浦和のCKは全く決定機にならず、あろうことがバロウを起点に二回もヤバいカウンターを食らうって、どう考えても負けパターンでしょう、あれは。最後のショートコーナーでやられた場面もそうですが、浦和はCK絡みの細かいところでちょこちょこっと全北に遅れを取っていました。そして全北はその細かいところを突いて浦和をねじ伏せるだけの力がありました。

・今年のACLは何ともマヌケなスケジュールで、決勝は来年の2月19日(アウェー)&26日(ホーム)に開催。おまけに西地区のノックアウトステージは2月に入ったからバタバタと始まり、浦和の相手が決まるのはなんと2月10日になってから。

・決勝はまだ半年近く先の話で、その頃には選手も若干入れ替わっていることでしょう。西地区のチームは完全に出来上がっている状態なのに対し、浦和はチームが始動してまもない時期に決勝を闘う羽目になって何かと難しいでしょうが、決勝の舞台では準決勝での大苦戦を糧にして欲しいものです。

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《選手評等》

・ATの決定機を逃し、延長戦では「スペースがないと活きない」「ドン引きされると辛い」という難点をずっと引きずっていたように見えたユンカーが、最後の最後で正確無比のシュート精度で相手ゴールをぶち抜いてすべてを帳消しにするとは!!! これぞストライカー。

・国際試合で頼りになったのはやはり歴戦の勇士酒井。試合後酒井は「昨年の夏にマルセイユからレッズに移籍してきて、当時は家族も代理人も含めて誰一人、この移籍に賛成の人はいませんでした。ただ、この移籍が成功だったかどうかは僕自身が証明するしかないと思っていましたし、そのためにはこの大会を獲ることが非常に必要だと思っています。」とACL優勝に賭ける熱い思いを明らかに。小破を押してグループステージに出場し、ステージ突破を見届けてから手術となったのはこういう思いが下敷きにあったのだと納得。

・PK阻止に関しては全くと言っていいほど実績がなかった西川がこの大舞台で2本も止めるとは!! 試合後のコメントを見る限りやはりミレッコーチとの出会いが大きいようで、PK戦にもメカニズムちうかやり方というものがあるそうで。ベテランになっても成長する。いやはや恐れ入りました。そして彩艶の前の壁は依然高い。

・一方試合後の会見によると全北はPK戦に弱いという話も。奇しくもキムサンシク監督は2007年に城南一和の選手としてPK戦を経験しており、あの埼スタの異様な雰囲気も知っていたそうで。

・試合終了後浦和の選手達が全員ピッチに整列してユンカーのインタビューが終わるのと待っていたところ、なぜかベンチから呼ばれる岩尾。てっきり岩尾もインタビューに呼ばれたのかと思っていたところ、ベンチから出てきた岩尾の両手には大量のペットボトルが!!! 無事に事件が解決して、最後に石原裕次郎が水を運んでくるのが浦和版西部警察・・・オシムさんも「リアル水を運ぶ男」の爆誕に目を細めているかもしれんなぁ・・・ 岩尾の姿を見て小泉や彩艶が申し訳なさげに慌てている姿にほっこり。

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-----松尾-----
関根---小泉--モーベルグ
---岩尾--伊藤---
大畑-ショルツ--岩波-酒井
-----西川-----

(得点
11分 松尾
120分 ユンカー

(交代)
62分 関根→大久保
79分 小泉→江坂
79分 松尾→ユンカー
79分 大畑→明本
111分 伊藤→柴戸(足が攣ったため)

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-----9------
21---97----8
---28--29---
23--4--15-95
-----1------

(得点)
55分 8(PK)
116分 7

(交代)
34分 97→11
HT 29→13(13がトップ下、8がCHへ)
90+4分 21→27
延前開始 8→14
97分 28→25
104分 9→7

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2022.08.23

【観戦記】ACL2022準々決勝 浦和 4-0 BGパトゥム ~ もっとも面倒だったのはサウジの審判団だったかも・・・

 2度もゴールを取り消されたにも関わらず浦和の選手達に同様の気配は全くなし。終始BGパトゥムを圧倒して堂々の準決勝進出!!

《スタメン》

・共にラウンド16から中2日の一戦。

・浦和のスタメンは大久保→関根の入れ替えのみ。しかも大久保はいきなりベンチ外。大久保は前節前半しか出場していないので「消耗が激しくてベンチ外」とは考えにくく、小破した可能性大。代わって宮本がベンチ入りして、これで怪我人や試合に全然絡めていない選手以外は全員連れてきた格好に。

・ラウンド16でフル出場だったモーベルグをスタメン起用したのは少々予想外でした。

・パトゥムのスタメンは驚いたことに全く入れ替えなし!!パトゥムはラウンド16が16時キックオフだったので消耗度は浦和より高いはずですが・・・

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《試合展開》

・試合開始早々岩波のロングボール一発で裏抜けに成功した松尾がそのままゴール!と思われたが、なぜかVARが介入。裏抜けした際のトラップで松尾のハンドがあったと判定されてノーゴールに。

・しかしこの一発でパトゥムは怯んだのか、その後は前半を通じて4-4-2で自陣ニュートラルな高さでのリトリート主体の守備となり、前からはほとんどプレスをかけて来ないので、浦和が敵陣でボールを回す時間が長めに。11分右サイドからボックス内に突入した松尾がCB30番に倒されたもののPKはなし。どう見ても30番の手が松尾にかかっているのですが・・・

・パトゥムの4-4-2の守備ブロックは結構統制が取れていて、浦和は敵陣でボールを回すものの攻略の糸口が掴めずに暫く苦労。25分左サイドから大畑→岩尾→関根と繋いで関根のアーク付近からのシュートが決まった!!・・・と思われましたが、なぜかノーゴールに。

・現地では何がなんだかさっぱり判りませんでしたが、オフサイドポジション&シュートの軌道上にいた松尾がオフサイドを取られた模様。松尾がGKの視界を遮っていたようには見えないのですが・・・強いて言えば松尾がヒールで流すような素振りをしているのが悪印象だったのかも。

・先のPKを取ってもらえない件といい、松尾は主審にえらく嫌われたみたいで。ただ今季前半に何度もゴール取り消しに見舞われて変に経験を積んでいるせいか、浦和の選手達に動揺する気配は微塵も感じられませんでした。

・前半の浦和は大畑を高く押し出して関根をインサイドに入れる、あるいはそのレーンを入れ替えての左サイドからの攻撃が目立ちましたが、32分ようやくその形からの攻撃が結実。左サイドから関根がカットイン&斜めのパス→松尾スルー→中央に入り込んでいたモーベルグの左足シュートが炸裂してGKの左手を弾く形でゴール。

・さらに浦和は42分岩尾CK→ニアで岩波ヘッドが決まって2点目。アホほどCKをもらっても全く点が入る気がしなかったあの浦和がこんなに綺麗な形で点を取るとは!!もともとニアを守っていた99番がよりによって小さい松尾に釣られて動いてしまい、そのスペースに岩波が走り込んだきっちりデザインされたゴールだと解説林氏も絶賛!!

・パトゥムは8分左サイドからのクロス→99番ヘッドの良い形を作るも枠を捉えきれずと、本来はボールをきちんと繋いでサイドからのクロス攻撃に活路を見出している模様でしたが、如何せん浦和のハイプレスがきつくて思うようにボールを繋げず、苦し紛れに2トップに蹴るだけに。長身FW99番はなかなか面倒な存在でしたが、それでもシャルツや岩波相手に制空権を握れるほどではなし。

・前半のボール支配率がほぼイーブンだったのには驚きましたが、パトゥムがボールの出しどころに困って深い位置でボールを保持している時間が長かったからかも。

・前半いいところなく、しかも2点ビハインドになったパトゥムは後半頭から10番に代えて7番を投入。しかも単純に2トップの片方を変えたのではなくフォーメーションも変えた模様で、攻撃時3-4-2-1風味、守備時は割とはっきりした5-4-1といった感じでしょうか。

・浦和はパトゥムのポジション変更で不意を突かれたのか、特に中盤まで下がってボールを受けに行く7番への対応がえらくアバウトに。またこのフォーメーション変更が効いてパトゥムはようやくボールをサイドから敵陣奥深くまでボールを運べるようになり、得意のクロス攻撃の形を何度か作れるようになりました。

・51分左WBが対面の酒井をスピードで振り切り、左から右、右から左とクロスで振って22番がボレーシュートを放つも枠を捉えきれず。

・この試合パトゥム最大の決定機は55分右サイドからカットインしてきた23番のスルーパスで99番が裏抜けに成功し、ボックス内で西川と一対一になるもシュートは西川の正面。

・そして後半のパトゥムが良かったのはここまで。パトゥムは前がかりになった分、中盤がスカスカになってしまう傾向は否めず、落ち着きを取り戻した浦和がカウンターで反撃。61分西川のキックを受けた伊藤が長い距離を運んで左サイドの関根へ展開→関根がカットイン&ボックス内から放ったシュートは枠を捉えたものの、ここはGKがセーブ。

・65分敵陣で相手の縦パスを伊藤がカット→伊藤の前にはモーベルグも松尾もいましたが、伊藤は左寄りにいた小泉を選択。小泉は非常に珍しいことに全く迷うことなく左足を振り抜いて、相手DFの股抜きでゴール!!GKは一歩も動けず。

・後半半ばで3点リードして勝利を確信したリカは中2日で控える準決勝を睨んだかのように66分松尾→ユンカー、小泉→江坂、モーベルグ→明本と代え、さらに70分には酒井に代えて馬渡を投入して選手の出場時間をコントロール。

・しかし途中投入の選手達はやる気満々!!パトゥムのスカスカ中盤はもうどうにもならず、72分ショルツ縦パスを契機に伊藤がドリブル前進して江坂へ→前でユンカーや関根がパトゥム守備陣を惹きつけているうちにボックス内左でぽっかり空いた明本へパス→明本のシュートは珍しくGKにぶつけることなく豪快にゴール右に突き刺さりました。

・その直後に伊藤にアクシデントがあり、岩波が即座に×を出していたので「ここでまさかの一大事か!!!」とビビったのですが、試合後伊藤はなんとリカと共に記者会見に応じ、「つっただけなので、大丈夫です」と力強くコメント。リカもこんなこともあろうかと一つ残っていた交代枠を使ってすぐに安居を投入し、その後は何の紛れもなく試合終了。

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《総評》

・パトゥムのいたグループGは日本勢なし、韓国勢は2部なのにカップ戦優勝でACL出場の全南(=もちろん過去ACLでの実績皆無)だったという、かなり緩ーーーいグループ。しかもパトゥムのホームスタジアムが試合会場だったというこれ以上ない好条件での首位通過。さらにラウンド16ではこれまた日本勢でも韓国勢でもなく、香港の傑志が相手だったという幸運に恵まれてのベスト8入り。

・おまけにタイ・リーグは秋春制で、パトゥムはチーム始動してまもない時期にノックアウトステージを闘う羽目に。こういう経緯からすればパトゥムと浦和との実力差はかなりあるかな?と戦前予想していたのですが、やはり結果は案の定。

・パトゥムははっきりした得点パターンを持っていて、得意の形を浦和相手に何度か作れていた上に、後半披露したような「プランB」もちゃんと持っている点からすればジョホールよりはだいぶ強い印象を受けましたが、浦和から良い形でボールを奪えなかった点ではジョホールと大差なし。

・ジョホールもパトゥムも彼らのホームで闘ってみないと本当の実力はよく判らないというのも確かで、前年に続いて今年もACLは集中開催という変則的な形となってしまったのが残念でなりません。ただACLがH&A制になった場合、「アウェーゲームはとにかくドローで凌ぐ。少なくともボロ負けはしない」のが勝ち抜けの鉄則。東南アジアのチームは実力向上著しく、かつホームではやたら強いとはいえACLを勝ち抜くにはまだまだ経験不足かも。

・浦和はあれほど点が取れなった頃が嘘のようなゴールラッシュの連続。ゴールパターンも多彩で、「ボールを持ってよし、持たせて良し、セットプレーもあるでよ」状態。「J2オールスターズ」ですらポコポコ点を取り始めるとは!! しかも個人能力任せで無理やり捻じ込んだようなゴールはほとんどなく、点を取らせるように周りの選手が適切に動いて相手守備陣を攪乱している様が実に美しい。

・そして準決勝=東地区のラストゲームの相手は全北現代に決定。浦和とは過去何度も対戦経験があり、2019年にグループステージで対戦した時には埼スタでも負けてダブルを食らっています。浦和同様ACLを2回優勝しており、経験も十分。準決勝に相応しい相手です。

・ラウンド16で全北現代は相変わらずドン引き&カウンター一本鎗の大邱相手に延長戦にもつれ込む羽目になり、延長も終わる寸前に大邱の凡ミスに助けられてようやく勝ち抜け。準々決勝では神戸とこれまた延長戦まで闘うことになってなんとか逆転勝ち。

・ラウンド16→準々決勝の間は中3日で浦和より好条件なものの、ラウンド16・準々決勝とも暑さの残る16時キックオフの試合で延長戦まで闘っているので、身体的にはかなりダメージが大きそう。

・浦和は勝ち抜ければ中2日での3連戦となる過酷なスケジュールを「一戦必勝」とばかりに目下の「ベストメンバー」を2戦続けてスタメン起用。ただ幸いにも延長戦に突入しないどころか、早い時間帯に大差をつけて前目を中心に上手く出場時間をコントロール出来ているのでコンディションは全北現代より良いかもしれません。

・ただ全北現代のフィジカルの強さを前面に押し出したようなゴリゴリサッカーは、ちびっ子が多い浦和にはいかにも相性が悪そう。「上手くはないが強い」。そんな形容がしっくりくる相手にどう立ち向かうか。リカの手腕が試されるところです。

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《選手評等》

・大敗したリーグ戦名古屋戦でのスタメン出場では関根は全く良いところがなく、あろうことか前半だけでお役御免。モーベルグがいる右SHでは勝負にならず、左SHでもすっかり大久保にポジションを奪われた格好になってしまいましたが、久しぶりに巡って来たスタメン出場の機会を関根はがっちり活かしました。

・関根はドリブルの切れ味こそかつてより鈍りましたが、周囲を活かすことについては全く問題なし。ゴールが何で取り消されたのかさっぱり判りませんでしたが、モーベルグへのアシストではなまる!!

・パトゥムは青のユニフォームなのにGKが紫でフィールドプレーヤーと紛らわしいのなんの。

・パトゥムは大敗してもラフプレーは一切なく、試合後は全員で北ゴール裏へ向かって挨拶してほっこり。仙台時代にはラフプレー三昧のチームしか作れなかった手倉森がこんなに好感度マシマシのチームを作るとは!!!

・この試合の主審は2度にわたるゴール取り消しはともかく、球際の競り合いで割と簡単にファウルを取るというACLでは珍しい、どちらかと言えばJリーグの残念な主審と似た感じでした。でもそれで一貫しているならともかく、11分の松尾へのファウル=PKを取らないのはないわなぁ・・・でもPKに限って安易に笛を吹かないのもJリーグの残念な主審あるあるやなぁ・・・

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-----松尾-----
関根---小泉--モーベルグ
---岩尾--伊藤---
大畑-ショルツ--岩波-酒井
-----西川-----

(得点)
32分 モーベルグ
42分 岩波
65分 小泉
72分 明本

(交代)
66分 松尾→ユンカー
66分 小泉→江坂
66分 モーベルグ→明本(明本が左SH、関根が右SHへ)
70分 酒井→馬渡
75分 伊藤→安居(足が攣ったため)

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---99--10---
18--------22
---36---6---
3--30--17-23
-----26-----

HT 10→7
60分 18→15
68分 23→71
68分 17→16
77分 22→9

・FW10番のティーラシンは広島や清水でちょこっと出場していたらしいのだが記憶なし。神戸や横浜Mにいたそこそこ優秀なSBはティーラトンで紛らわしい。デカいFW99番はシンガポール籍。

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2022.08.20

【観戦記】ACL2022 R16:ジョホール 0-5 浦和 ~ ACLの審判団がまともすぎて眩しい!!1

 事実上ホーム開催という地の利を受けて早い時間帯に2点先制し、後半は次戦を見据えて選手を順次休ませる余裕も見せて、全くケチのつけようがない大勝でした。

《スタメン》

・浦和のスタメンは大勝した磐田戦と全く同じ。磐田戦から中5日空いているので大勝したメンバーそのまんまで挑むのは当然といえば当然。今年のACLノックアウトステージは中2日でR16・準々決勝・準決勝と続きますし、今の浦和はACL経験がある選手が少ないので、その辺を考慮した入れ替えがあるかも?と思ったのですが、リカの判断は至極真っ当なものでした。少なくともジョホールを組みやすしとばかりに面子を落とすようなことはしませんでした。

・ACLのサブの頭数(10人)はJリーグ(7人)より多いことをすっかり忘れてましたσ(^_^;) よって怪我人や試合に全然絡めていない選手以外はほぼ全員連れてきた格好で、宮本だけが漏れた感じでしょうか。

・ACL外国人枠は3人+アジア枠1なので、今の浦和ではショルツ・モーベルグ・ユンカーと迷いようがありません。2019年のマルティノスのように文句をいう選手もいませんし(苦笑)

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《試合展開》

・前から強くプレスをかけてくるジョホールに対して浦和の試合の入りは芳しくなく、2分小泉のパスミスでボールが直接右SH42番アイマンに渡ってしまい、アイマンにいきなり枠内シュートを撃たれてヒヤリ。

・しかし、6分浦和最初のCKからの流れで酒井ボレーで高く上がったボールに松尾が反応。そこでジョホールGKが完全に遅れたタイミングで松尾の頭を叩いてしまい、当然ながらPK&イエローカードのおまけつき。8分ショルツがGKの動きを見て完全に逆を突いた格好で早々と先制。

・ジョホールの基本フォーメーションは3-4-1-2で入ったものの、早い時間帯に4-3-1-2に変わったのかな?前3人ははっきりしていますが、後方の構成は割とぐちゃぐちゃ。そして立ち上がり同様その後も最終ラインを高く押し上げて果敢に前からプレスをかけてきましたが、これが笑ってしまうレベルでハマらず、浦和のパス回しに翻弄されまくり。

・浦和はジョホールの高い最終ライン裏をサイドから突く攻撃パターンが頻出。またジョホールは良い形でボールが取れないので自陣深い位置でのファウルも多く、17分には小泉スルーパスに反応した大久保が裏抜けしようとしたところを無理やり倒した2番CBにイエロー。アーク付近で得たFKを19分モーベルグが直接叩き込んで2点目。

・その後も浦和はサイド攻撃から良い形を作りまくり、39分相手を自陣深くに押し込んだ状態で右サイドから松尾クロス→ファーで小泉折り返し→中央でモーベルグが詰めて3点目。

・ジョホールの攻撃は2トップ、特に9番ベルグソンにロングボールを当てて、そこからFWが独力で打開するか、あるいはこぼれ玉を拾って何とかしようという単純な形に終始。まぁそれはそれでACLに出てくるチームにありがちなもので、ACL慣れしていないJリーグのチームがそんな攻撃にやられてしまうのもよく見た光景ですが、経験豊富はショルツ&岩波&酒井が控える浦和守備陣がそんな単純極まりない手口で揺るぐ訳がありません。

・唯一危なかったのは16分に大畑が42番アイマンに競り負けて左サイドを抉られ、45番フォレスティエリのシュートを許した場面。この試合を通じて俊敏なアイマンだけは結構厄介な印象を受けました。

・前半のうちに3点リードしたところでリカは中2日で控える準々決勝を睨んだかのうように、後半頭から大久保→江坂、大畑→明本、伊藤→安居の三枚替え。

・49分西川のロングキックを契機に松尾→明本の決定機は決められず、というかお約束のようにGKにぶつけてしまう明本・・・

・また思うようにボールが奪えないジョホールは苛立ちを露わにする選手も少なくなく、前半途中からラフプレーもちらほら。後半途中投入の4番は結構ヤバイ奴で、こういう手合いに主審が早速イエローを出した辺りは非常に好感が持てましたが、53分に岩尾が傷んだ辺りから浦和は怪我をしてはつまらぬとばかりに急激にペースダウン。ジョホールにボールを持たせてからのカウンター狙いに切り替えた風。

・56分酒井縦パス→右サイド安居クロス→松尾シュートはしっかりミートできず。63分小泉→明本→小泉のパス交換でボックス内に突入するも小泉のシュートは枠を捉えきれず。64分小泉→関根と替えても、67分明本縦パスで松尾が上手く相手DFと入れ替わって裏抜けしたにも関わらず、ラストパスが僅かに江坂に合わず。さらに76分モーベルグの放ったシュートのこぼれ玉を関根が撃ち切れずと、浦和はアホほど好機を作りながら決めきれず。

・そこで76分松尾→ユンカーと代えてようやく本格的に死体蹴りの態勢に。84分右サイドでモーベルグの浮き球パスで裏抜けに成功した江坂→ユンカーでようやく4点目。さらに90+1分西川パントキック→江坂胸トラップ&左サイドの関根に展開→江坂→ユンカーと流れるような展開で5点目を取って試合終了。

・ジョホールは後半も良いところなく、浦和がヒヤリとしたのは61分小泉の西川へのバックパスが緩くて、プレッシャーをかけられた西川のキックが直接30番に渡ってしまった場面。30番のループ気味のシュートを西川が弾き切れず、こぼれ玉を45番にヘッドで押し込まれそうになりましたが、ゴールカバーに入った岩波がクリアして事なきを得ました。終盤は無理目なミドルシュートを撃ちまくっていましたが、いずれも枠外。

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《総評》

・ジョホールはグループリーグを首位通過したとはいえ、過去ACLでは全く実績がないマレーシアのチーム。しかもノックアウトステージは埼スタ開催で事実上のホームゲーム。こうなると戦前はどうしても楽勝ムードが支配しがち。

・チームもそれに流されて相手を舐めたような面子、舐めたようなプレーの連続で試合に入ってまさかまさかの大失態を犯しはしないかと気が気でなりませんでしたが、選手も監督もその辺はしっかり心得ていたようで、相手をリスペクトして真っ向勝負でジョホールを完膚なきまでに粉砕。無事準々決勝に駒を進めました。

・ジョホールは結局ほとんど良いところなしで終わってしまいましたが、このチームはやっぱりホームとアウェーで全然別のチームになってしまう東南アジアにありがちなチームで、アウェーで対戦してみないと本当の実力はよく判らないかと。グループステージ首位通過は多分に事実上のホーム開催だった地の利が大きかったのでしょうし。H&Aで対戦したら全く別の印象を持ったかもしれません。

・Jリーグでの現状でのベストメンバーはACLでもそのまんま使えることが実証された感。大久保や小泉といったフィジカルに難があってACLには向いてなさそうな選手を明本や江坂といった「当たりに強い選手」に代えるかも?と思ったのですが、この試合に関してみれば特にACLには不向きという印象を受けた選手は見当たらず。

・前からの強いプレッシング、素早い攻守の切り替え、適切なポジショニング、連携の良し悪し、攻撃の緩急や守備態勢に関する意思疎通如何等々、総合的に見て最もパフォーマンスが良いと目されるのが磐田戦&この試合のスタメン。そしてチームバランスの良さを遺憾なく発揮して2試合とも爆勝!!

・それだけに後半江坂が投入されてから少々機能不全に陥り勝ちだったのは気になりました。すっかりベンチスタートが当たり前になった江坂もユンカーも2得点を上げたにも関わらず笑顔なし。まぁ、チーム内の競争が厳しくてスタメン落ちの選手が出てくるのはプロなら当たり前の話なので、リカが上手くマネジメントするとは思いますが・・・

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《選手評等》

・事実上のホーム開催で、ゴール裏もいつもと同じ北側を割り当てられているにも関わらず、試合自体では浦和はビジター扱い。それゆえベンチは南側で、試合開始前は西川や彩艶が南側で練習しているという珍光景も。コイントスは相手が勝ってボールを取ったので西川はコートチェンジしていつも通りのスタートポジションにしたのは細かいながらもGJと思いました。

・いつも「あ行」を中心とするJリーグ審判団の謎笛に悩まされている身としては、この試合のVARを含めて審判団の出来は神そのもの。イエローであって然るべきファウルにはちゃんとイエローを出し、ラフプレーにもちゃんとイエローを出す。試合の流れを阻害するような「念のためVAR」みたいなものもなく、明らかなオフサイドにはサクサク旗を上げて無駄にオフサイドディレイしない。いやはや、Jリーグもこうあって欲しいものです。

・65分ボックス内で酒井が45番を後方から削ったように見える場面。幸いPKにはなりません(VARも介入せず)でしたが、磐田戦でもあわやPKという場面もあって、酒井はまだまだ本調子には程遠いのかも。

・「頭がおかしい方しか来ない」と言われる平日ACL。とにかくゴール裏のみならずメイン&バックスタンドを含めて頭がおかしい方しかいないので、リーグ戦の4万人よりACLの2万人のほうがやたら盛り上がります。そしてこの試合の観客数は20,691人。

・2019年のR16第1戦(vs蔚山現代)の観客数は20,741人で今日の観客数とほぼ同じ。どうしても注目度が落ちる第1戦なのは割り引かないといけませんが、それでも頭のおかしい方は全員戻って来た勘定に。これが声出し応援効果なのかも!!

・青島麦酒賞はどこにいったんや・・・青島ねーちゃんも・・・と思っていたら、青島麦酒はACLのスポンサーから撤退していたのか・・・(´・ω・`)ショボーン

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-----松尾-----
大久保--小泉--モーベルグ
---岩尾--伊藤---
大畑-ショルツ--岩波-酒井
-----西川-----

(得点)
8分 ショルツ(PK)
19分 モーベルグ
39分 モーベルグ
84分 ユンカー
90+1分 ユンカー

(交代)
HT 伊藤→安居
HT 大久保→江坂(江坂トップ下、小泉が左SHへ)
HT 大畑→明本
65分 小泉→関根
76分 松尾→ユンカー

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