【観戦記】さいたまシティカップ2022:浦和 4-2 フランクフルト ~ 浦和の引き立て役に徹してくれてありがとう!!
・DAZNで欧州CLを中継しなくなった辺りから海外サッカーはほとんど見なくなり、またブンデスリーガはもともとDAZNで中継がなかったこともあって、欧州CLにはまず出てこないフランクフルトに関する予備知識はほぼゼロ。なんせ鎌田がフランクフルトにいることを知ったのは試合当日だったというテイタラク(^-^;
・長谷部&鎌田以外で唯一顔と名前が一致するゲッツェはW杯ドイツ代表で当然ながら来日せず。他にも各国代表に選出されているメンバーが結構いて。しかも日曜日に試合をこなしてからの来日。肝心の長谷部は故障中で出場が危ぶまれる状態。
・それにしても出てくるメンバー考えたら、どう考えてもフランクフルト戦のチケットは高すぎやなぁ・・・「お前らもコスパがめっちゃ悪い選手を掴んでしまった浦和の気持ちになれ!」ということなのか・・・
・浦和も浦和でACL準決勝以降残念過ぎる試合が続いて、この試合を最後にリカが浦和を去ることが決定。しかも新監督も決定済という状況なので、正直テンションだだ下がりのまま埼スタへ出かけました。
・しかもふたを開けてみるとスタメンは今季出番の少なかった選手=来季の去就が気になる選手だらけ。悪く言えば「思い出作り」と言われても仕方のない選手がゾロゾロ。
・ところがこの「思い出組」が予想以上に奮戦して試合は10分過ぎくらいから浦和が圧倒。平野が立て続けにミドルシュートを放ったかと思えば、松崎のスルーパスに反応した馬渡のシュートはバーを直撃!!そして19分安居の中盤でのボール奪取→江坂スルーパスからユンカーがゴール!!
・先述のようにフランクフルトは日曜日に試合があって、日本に到着したのは昨日。しかも渋滞に巻き込まれたのか選手バスの到着が遅れて19時頃のスタジアム入りになった模様で、フィールドプレーヤーがピッチに登場したのはなんと試合開始15分前になってから。ロクにアップもしないまま試合に臨んでいたのは別に「舐めプ」でもなんでもなかったのですが、現地ではアップ開始が遅れた理由なんて知る由もなく。
・という訳で、フランクフルトのコンディションは万全には程遠いどころかボロボロだったと推察されますが、それにしてもフランクフルトの出来は悪すぎました。基本3-4-2-1のようですが、タイトとは言い難い陣形で中途半端な前プレを仕掛けてるチームって、今時J1だと磐田くらいしかおらんやろうなぁ・・・しかも最後尾からのビルドアップはかなりヤバめ。
・こんなチーム相手なら思い出組と言えどもパス回しで相手の前プレを交わし、さらに浮いている選手へ縦パスを突き刺すのは実に簡単。おまけに江坂&ユンカーが揃っているせいか、ふんだんにあるスペースを利用して必要以上に手数をかけず、ダイレクトにゴールへ向かう場面が目立ちました。こんなに思い出組がのびのび、活き活きとプレーするとは・・・特に安居。
・試合後に選手達が口をそろえたかのように「楽しかった」とコメントしているのも納得。また今季出番が少なかった分、新監督へ、さらには新天地へのアピールの場としてモチベーション高く試合に臨んでいたのかも。また予め前半だけの出場と判っているので思い切ってやれるという側面もあったでしょう。
・相手のビルドアップのミスに乗じてシャルク、安居と放ったシュートは決まらなかったものの、27分にはCKの相手クリアボールを拾ったところから、江坂斜めのパス→岩波スルー→ボックス内で受けたユンカーがゴール!!江坂とユンカーの相性の良さ、そしてボックス内で前を向いた時のユンカーのお仕事の精度を再確認するに十分なゴールでした。
・前半の内容を厳しめに言えば、点が取れるのは結局ユンカーだけだったこと。あれだけ良い形でミドルシュートを撃ちまくりながら「放っても放っても、あーあー枠の外」という「さざんかの宿」なのが今の浦和の物悲しさ。
・後半の浦和は松崎・岩波・宮本以外の8人を入れ替え。フランクフルトも同様にメンバーを大幅に入れ替え。
・47分CKのこぼれ玉を拾った37番が放ったグラウンダーのシュート。勢いのない緩いシュートだったのにゴールに転がり込んでしまうというなんだかなぁな形で失点したかと思えば、50分岩尾CKから明本がファーへ流したボールをどフリーのショルツがゴールというこちらもなんだかなぁな形で挽回。
・今季のレギュラー組中心の後半は一転してボールをしっかり繋ぎ、かつむやみに急ぐことなくゲームをコントロールする「本来のリカ流」に。これはこれで悪くはなく、実際64分岩波ロングフィード→左サイドで裏抜けした明本折り返し→松尾に僅かに合わずなど、主にサイドからの崩しで何度か決定機を作ったものの、これまた「詰めたって詰めたって、あーあー入らない」という「さざんかの宿」なのが今の浦和の物悲しさ。
・しかも岩波といい、明本といい、自陣深い位置での致命的なミスが出る始末。いずれも西川の好守で事なきを得ましたが。
・結局後半の流れの中からの得点は78分右サイドで宮本が縦パスをカットしてからのショートカウンター=宮本→松尾というシンプルな形での1点のみ。松尾は86分にも単騎バイタルエリアに斬りこんでミドルシュートを放つもバーを直撃。
・守っては81分CKからの流れで右サイドでモーベルグと明本がボールを奪ったり奪い返されたりを繰り返した挙句に、25番がどフリーでクロス→48番が宮本のマークを全く苦にすることなく放ったヘッドがループ気味に西川の頭上を抜いてゴールという、競った試合ならブチ切れそうな形で失点。
・後半は相手の守備強度が上がったせいもあるでしょうが、試合内容的にはは今季の浦和にそこはかとなく漂っていた閉塞感まで再現しちゃった感じも少々。後半のサッカー=リカが本来やりたいことで、前半のサッカー=フットボール本部がリカに追加的に求めていたものだと思うと、なんだか切ないんだよなぁ・・・でも試合前のテンションの低さを思えば、案外楽しかった親善試合でした。
・この日の主役=長谷部は74分からの出場。故障を抱えたままの来日なのでATにちょっとだけ顔見せするだけだと思い込んでいただけに、予想外に長くプレーしてくれました。しかもボランチでの出場!! また試合後のスピーチや立ち振る舞いはこの試合がリカのラストゲームであることにも配慮する相変わらずの整いぶりを発揮。スタジアム周回時にはかつての自分のチャントを受けて嬉しそう。
・リカのパフォーマンスは尻すぼみ感が強かったことは否めませんが、一応2年間で天皇杯を獲った上に人柄が幸いしてかリカを悪く言う方は少なく、良い別れになったと思います。
(スタメン)
-----ユンカー-----
シャルク---江坂---松崎
---平野--安居---
馬渡-知念--岩波-宮本
-----牲川-----
(後半開始)
-----松尾-----
松崎---小泉--モベルグ
---岩尾--伊藤---
明本-ショルツ--岩波-宮本
-----西川-----
(得点)
19分 ユンカー
27分 ユンカー
47分 アナス アラウィ(FRA)
50分 ショルツ
78分 松尾
81分 ナチョ フェリ(FRA)
(途中交代)
78分 松崎→工藤(工藤が左SB、明本左SHへ)
87分 宮本→稲垣
・手術したばかりの関根がなぜかベンチ入りしていましたが、当然ながら出番なし。大原に戻って来てはいるもののリカが「今季は出場なし」と明言されていた犬飼もなぜかベンチ入り。ただ犬飼は試合前にいかにも出番がありそうな勢いでアップしていたのでびっくりしました。
・大久保はなぜか出番がなく、後半珍しく松崎を左SHに転用。大久保もなんだかんだと故障がちに。そして大畑は怪我に始まって怪我に終わり、リンセンはどこに行ったんや・・・ 来季はメディカルだとかトレーニング体制だとか、選手の補強よりその辺にテコ入れしたほうが効果ありそうですなぁ・・・
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