2022.11.17

【観戦記】さいたまシティカップ2022:浦和 4-2 フランクフルト ~ 浦和の引き立て役に徹してくれてありがとう!!

・DAZNで欧州CLを中継しなくなった辺りから海外サッカーはほとんど見なくなり、またブンデスリーガはもともとDAZNで中継がなかったこともあって、欧州CLにはまず出てこないフランクフルトに関する予備知識はほぼゼロ。なんせ鎌田がフランクフルトにいることを知ったのは試合当日だったというテイタラク(^-^;

・長谷部&鎌田以外で唯一顔と名前が一致するゲッツェはW杯ドイツ代表で当然ながら来日せず。他にも各国代表に選出されているメンバーが結構いて。しかも日曜日に試合をこなしてからの来日。肝心の長谷部は故障中で出場が危ぶまれる状態。

・それにしても出てくるメンバー考えたら、どう考えてもフランクフルト戦のチケットは高すぎやなぁ・・・「お前らもコスパがめっちゃ悪い選手を掴んでしまった浦和の気持ちになれ!」ということなのか・・・

・浦和も浦和でACL準決勝以降残念過ぎる試合が続いて、この試合を最後にリカが浦和を去ることが決定。しかも新監督も決定済という状況なので、正直テンションだだ下がりのまま埼スタへ出かけました。

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・しかもふたを開けてみるとスタメンは今季出番の少なかった選手=来季の去就が気になる選手だらけ。悪く言えば「思い出作り」と言われても仕方のない選手がゾロゾロ。

・ところがこの「思い出組」が予想以上に奮戦して試合は10分過ぎくらいから浦和が圧倒。平野が立て続けにミドルシュートを放ったかと思えば、松崎のスルーパスに反応した馬渡のシュートはバーを直撃!!そして19分安居の中盤でのボール奪取→江坂スルーパスからユンカーがゴール!!

・先述のようにフランクフルトは日曜日に試合があって、日本に到着したのは昨日。しかも渋滞に巻き込まれたのか選手バスの到着が遅れて19時頃のスタジアム入りになった模様で、フィールドプレーヤーがピッチに登場したのはなんと試合開始15分前になってから。ロクにアップもしないまま試合に臨んでいたのは別に「舐めプ」でもなんでもなかったのですが、現地ではアップ開始が遅れた理由なんて知る由もなく。

・という訳で、フランクフルトのコンディションは万全には程遠いどころかボロボロだったと推察されますが、それにしてもフランクフルトの出来は悪すぎました。基本3-4-2-1のようですが、タイトとは言い難い陣形で中途半端な前プレを仕掛けてるチームって、今時J1だと磐田くらいしかおらんやろうなぁ・・・しかも最後尾からのビルドアップはかなりヤバめ。

・こんなチーム相手なら思い出組と言えどもパス回しで相手の前プレを交わし、さらに浮いている選手へ縦パスを突き刺すのは実に簡単。おまけに江坂&ユンカーが揃っているせいか、ふんだんにあるスペースを利用して必要以上に手数をかけず、ダイレクトにゴールへ向かう場面が目立ちました。こんなに思い出組がのびのび、活き活きとプレーするとは・・・特に安居。

・試合後に選手達が口をそろえたかのように「楽しかった」とコメントしているのも納得。また今季出番が少なかった分、新監督へ、さらには新天地へのアピールの場としてモチベーション高く試合に臨んでいたのかも。また予め前半だけの出場と判っているので思い切ってやれるという側面もあったでしょう。

・相手のビルドアップのミスに乗じてシャルク、安居と放ったシュートは決まらなかったものの、27分にはCKの相手クリアボールを拾ったところから、江坂斜めのパス→岩波スルー→ボックス内で受けたユンカーがゴール!!江坂とユンカーの相性の良さ、そしてボックス内で前を向いた時のユンカーのお仕事の精度を再確認するに十分なゴールでした。

・前半の内容を厳しめに言えば、点が取れるのは結局ユンカーだけだったこと。あれだけ良い形でミドルシュートを撃ちまくりながら「放っても放っても、あーあー枠の外」という「さざんかの宿」なのが今の浦和の物悲しさ。

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・後半の浦和は松崎・岩波・宮本以外の8人を入れ替え。フランクフルトも同様にメンバーを大幅に入れ替え。

・47分CKのこぼれ玉を拾った37番が放ったグラウンダーのシュート。勢いのない緩いシュートだったのにゴールに転がり込んでしまうというなんだかなぁな形で失点したかと思えば、50分岩尾CKから明本がファーへ流したボールをどフリーのショルツがゴールというこちらもなんだかなぁな形で挽回。

・今季のレギュラー組中心の後半は一転してボールをしっかり繋ぎ、かつむやみに急ぐことなくゲームをコントロールする「本来のリカ流」に。これはこれで悪くはなく、実際64分岩波ロングフィード→左サイドで裏抜けした明本折り返し→松尾に僅かに合わずなど、主にサイドからの崩しで何度か決定機を作ったものの、これまた「詰めたって詰めたって、あーあー入らない」という「さざんかの宿」なのが今の浦和の物悲しさ。

・しかも岩波といい、明本といい、自陣深い位置での致命的なミスが出る始末。いずれも西川の好守で事なきを得ましたが。

・結局後半の流れの中からの得点は78分右サイドで宮本が縦パスをカットしてからのショートカウンター=宮本→松尾というシンプルな形での1点のみ。松尾は86分にも単騎バイタルエリアに斬りこんでミドルシュートを放つもバーを直撃。

・守っては81分CKからの流れで右サイドでモーベルグと明本がボールを奪ったり奪い返されたりを繰り返した挙句に、25番がどフリーでクロス→48番が宮本のマークを全く苦にすることなく放ったヘッドがループ気味に西川の頭上を抜いてゴールという、競った試合ならブチ切れそうな形で失点。

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・後半は相手の守備強度が上がったせいもあるでしょうが、試合内容的にはは今季の浦和にそこはかとなく漂っていた閉塞感まで再現しちゃった感じも少々。後半のサッカー=リカが本来やりたいことで、前半のサッカー=フットボール本部がリカに追加的に求めていたものだと思うと、なんだか切ないんだよなぁ・・・でも試合前のテンションの低さを思えば、案外楽しかった親善試合でした。

・この日の主役=長谷部は74分からの出場。故障を抱えたままの来日なのでATにちょっとだけ顔見せするだけだと思い込んでいただけに、予想外に長くプレーしてくれました。しかもボランチでの出場!! また試合後のスピーチや立ち振る舞いはこの試合がリカのラストゲームであることにも配慮する相変わらずの整いぶりを発揮。スタジアム周回時にはかつての自分のチャントを受けて嬉しそう。

・リカのパフォーマンスは尻すぼみ感が強かったことは否めませんが、一応2年間で天皇杯を獲った上に人柄が幸いしてかリカを悪く言う方は少なく、良い別れになったと思います。

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(スタメン)

-----ユンカー-----
シャルク---江坂---松崎
---平野--安居---
馬渡-知念--岩波-宮本
-----牲川-----

(後半開始)

-----松尾-----
松崎---小泉--モベルグ
---岩尾--伊藤---
明本-ショルツ--岩波-宮本
-----西川-----

(得点)
19分 ユンカー
27分 ユンカー
47分 アナス アラウィ(FRA)
50分 ショルツ
78分 松尾
81分 ナチョ フェリ(FRA)

(途中交代)

78分 松崎→工藤(工藤が左SB、明本左SHへ)
87分 宮本→稲垣

・手術したばかりの関根がなぜかベンチ入りしていましたが、当然ながら出番なし。大原に戻って来てはいるもののリカが「今季は出場なし」と明言されていた犬飼もなぜかベンチ入り。ただ犬飼は試合前にいかにも出番がありそうな勢いでアップしていたのでびっくりしました。

・大久保はなぜか出番がなく、後半珍しく松崎を左SHに転用。大久保もなんだかんだと故障がちに。そして大畑は怪我に始まって怪我に終わり、リンセンはどこに行ったんや・・・ 来季はメディカルだとかトレーニング体制だとか、選手の補強よりその辺にテコ入れしたほうが効果ありそうですなぁ・・・

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2022.11.13

【雑感】阿部勇樹引退試合

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 「阿部勇樹引退試合」は浦和ユースvs千葉U18のエキシビションマッチに始まり、阿部の挨拶、そして最後のスタジアム周回と阿部らしい配慮に配慮を重ねた結果5時間超に及んだものの、埼スタに詰めかけた観客、そして阿部のために駆けつけてくれたかつての仲間たちをも巻き込んで一緒に盛り上げ、最後の最後まで全く飽きることなく楽しませてくれた素晴らしいひと時となりました。

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 残念ながらJ3在籍組はまだリーグ戦の真っ最中で大怪我の柏木以外の招聘は無理だったようですが、案の定というかなんというかこの方が無駄に長くて暑苦しいビデオメッセージを寄せてきて、ビデオメッセージなのにブーイングされる一幕も(苦笑)。

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 前半は途中から岡野・闘莉王・播戸による小ネタの披露合戦に。攻撃参加したまま戻ってこない(もはや戻ってくる体力がないw)闘莉王が「俺にボールを出せ!!」と言わんばかりの大きなジェスチャーで笑いを取りに来るかと思えば、シュートの威力や精度に驚かされる場面も。そして何度も走らされる50歳!最後の方はただの老人虐待にw 播戸は播戸で「これやったら確実にゴール裏からブーイングされるよな!」というツボをしっかり押さえてくるし。

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 家本主審もノリノリで、VARと交信するジェスチャー付きで阿部にFKが蹴りやすいところまでボールを動かすとは(爆笑)
 
 後半は浦和側に現役選手が増えたせいか、一転して試合らしい試合に。ミシャ期の主力が揃っていて、しかもミシャが長年にわたって仕込みに仕込んだコンビネーションプレーが身体に沁み込んでいるせいか、今の浦和ではとんと見られなくなった鮮やかな崩しをあっさり再現するとは!!

 退団時、そしてその後もいろいろあって評判ダダ下がりだった梅崎もゴール裏からある意味「お許し」が出たのか往時のチャントを盛大に歌ってもらって、その直後に豪快な一発!!闘莉王もそうですが、退団時やその後にひと悶着があった選手との和解の場になるのがこういう花試合の効用です。

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 個人能力で笑いが取れる選手がいなくなって真面目な試合になりすぎることを懸念したオジェックがすかさず阿部Jr.を投入して「ほっこりムード」に転換したのはオジェックらしくない名采配でしたw
 
 興梠は途中から阿部Jr.のお膳立てに俄然本気を出し始めて、興梠CF、次男トップ下、長男右SHでトライアングル作りまくり!!主役の阿部本人はその下で苦笑いするしかありませんでしたw また興梠は早くも完全にオフ仕様の身体になっていましたが、動き自体は不振を極めた昨年よりははるかにマシでひと安心(謎)。

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 そして興梠を先頭に浦和の面々が阿部Jr.にせっせとお膳立てをしているにも関わらず、そこに敢然と立ちはだかる今野!!ドリームクラッシャー今野は花試合ですら空気を読まないのには笑いました。小さな次男くんに猛然とプレスバックしてボールを奪うかよ、フツーw でもこれまた今野らしさ全開。また前線では昼間にYS横浜の選手として63分も出場していた松井がなぜかこの試合にも現れて凄まじいドリブルの切れ味を披露!!
 
 長男も次男もなんとかゴールを決め、最後は長男のクロスを阿部が決めて試合終了。いやぁ、最後で主役にちゃんと見せ場を持ってくるとは!! でもその前に長男CK→ニアに阿部が飛び込んでヘッドを決めたほうが現役時代の阿部っぽかったんですが(苦笑)。

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 最後は阿部らしいお世話になった方々への感謝や配慮に溢れた、それでいて長くなり過ぎないスピーチ。場内一周後は北ゴール裏に乱入して、阿部コールリーダーの発声の下で"We are Diamonds"で締め。
 
 浦和一筋ではない選手の引退試合を浦和が主催するのは井原以来でしょうか。また井原は浦和在籍が短かったので浦和主催とはいえそんなに浦和色は濃くなく、「浦和一筋ではないけれどもめっちゃ浦和色が強い引退試合」という意味では阿部が初。今後はこんな引退試合だらけになるのかも。

 
 長かった選手生活、誠にお疲れさまでした。そしてかくも楽しい場を設けていただきありがとうございました。

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2022.11.10

【雑感】2022シーズンおよび3年計画の振り返りと2023シーズンに向けて

 昨日(11/9)浦和から公表された「2022シーズンおよび3年計画の振り返りと2023シーズンに向けて」についての雑感をまとめておきます。
 
 ホンマは「大槻監督の1年目は当初予定より下ブレで終わったので、これこれを期待してリカを呼んだんだが、やっぱり3年目で目標未達に終わりました」みたいなものを読みたかったのですが、そこまで直截的に書くアホもおらんでしょうし、まぁこんなもんかなぁ?というのが率直感想です。
 
Hanseisaru
 
(1)今後も「クラブ主導でのチーム作り」を継続

 3年計画の3年目で「リーグ優勝」という目標にはほど遠い結果に終わったものの、この3年間を通じて「2020シーズン開幕前に策定したコンセプトに沿って、クラブ主導でチームと選手の育成を進め」ることは出来たし、「これからもクラブ主導で、コンセプトに沿った育成、強化を継続してまいります。」と3年計画終了後も基本的なチーム作りの方針は変えないことを明言しました。
 
 言い換えれば「3年計画は大失敗に終わったので、従来のような『監督丸投げ方式』に戻る」ようなことはしないということでしょう。
 
(2)結局リカに何を求めていたのだろう?

 「チーム」の評価の冒頭に「今シーズン、リカルド ロドリゲス監督の強みである、ピッチ上において選手の位置的な優位性を元にゲームを支配するサッカーと、ボールを保持したときにはまずゴールを目指す縦にスピード感のあるサッカーとの融合を目指してきました。」と謳っているのが目を惹きました。
 
 先に拙稿「【補遺】リカルド ロドリゲス監督の監督職解除」で触れたように、浦和フットボール本部はやはり「縦に早いサッカーもボールを大事にするサッカーも両方できるようにしてくれ!」という要求をはっきりと掲げていましたようです。しかし、リカが最後の記者会見で「『我々がこのスタイルをやっていく上で適切な選手』が揃っていなかった」ことに触れているのを見ると、この虫が良いというか難易度が高い要求をフットボール本部とリカの間で擦り合わせ、妥協点を見つける努力をしていたのかどうか気になります。
 
 さらに「【リスクを負って得点を取りにいくこと<自陣ゴール前に人数をかけてリスクを低減させること】という戦い方が多くなり、得点を量産することができませんでした。」と課題を述べています。しかし、リカのスタイルはそもそも「ピッチ上でコントロール出来ないリスクを最小化する」というもので、凡そフットボール本部の掲げるコンセプトとリカの哲学は真逆のように伺えます。
 
 最後の「姿勢」の項では「クラブは選手一人一人に対し、たとえ負けた試合でも、見ている方々の心を動かすようなプレーや試合をすることを求めています。その観点で言うと、大きく課題を残すシーズンとなりました。」とも述べていますが、ロティーナにも相通じる「リスクをコントロールして、勝てる確率を高める」系の監督はその辺のお気持ち面で物足りなさがあるのは確かでしょう。
 
 よって今回の振り返りを読むと、結局のところ「なんでリカを招聘したん??」という疑問に行き着いてしまいます。敵味方とも全く予想がつかないカオスの中に勝機を見出す「マルティノスサイコロの旅」の後は、やっぱりキジェ招聘が本筋だったのでしょうなぁ・・・
 
(3)低かった守備への評価

 今季の反省点と言えば「とにかく点が取れなかったこと(特にシーズン前半)」を挙げると思いきや、「ディフェンスラインを含んだチームの平均的なプレーエリアが非常に低かったこと。そして次に、アクティブ(能動的)な守備を前線の高い位置から仕掛けることができていなかったこと」と守備面の課題を先に挙げているのが目を惹きました。
 
 その後の「決定力不足」とは対照的に、それらの原因にまで踏み込んでいないのが不思議ですが、正直どちらも中盤より前の主力が「J2オールスターズ」なので強度が不足したからではないかと思います。岩尾も強度が高いとは言いかねますし。ユンカーに至ってはそもそも「アクティブな守備」なんて苦手ですし。その結果、強度マシマシで前からプレスをかけてくる相手にはこの2年間苦労しっぱなしでした。
 
(4)慢心?環境の差?

 「選手編成においては外国籍選手等、怪我によって今シーズンはほぼパフォーマンスできなかった選手もいるなど、質の優位性という点での編成上の課題を認識しております。」
 
 「個性あふれる選手達が相手ゴール前で存分に、イキイキとパフォーマンスできるような、チャレンジしやすい、心身両面における環境設定にも課題がありました。」

 「試合に出場できる選手は11名+交代要員のみであり、それ以外の選手のメンタルも含めたコンディションをどう高く保つかという課題には改善の余地があります。また、監督だけではなく、チームスタッフ、メディカル、フロントスタッフ含め、選手たちに対して個の高い能力を維持し、発揮し続けてもらうためのアプローチには数え切れないほど多くの方法がありますが、そういったマネジメント面において、まだまだ向上の余地があると考えております。」

 今季リーグ戦の戦績が芳しくなった原因は編成面やサポート面に問題があったことを率直に認めています。特に心身両面でコンディショニングに問題があった件についてどういう手を打つのかが今オフの目玉です。

(5)ビルドアップはそんなに改善したかな?

 ポジティブな評価として「チーム全体での自陣ゴール前からの丁寧なビルドアップと崩し」を挙げていますが、これは少々疑問。ビルドアップなんて概念が無きに等しかった大槻時代と比べるとリカの1年目のビルドアップ能力は飛躍的に伸びたと思いますが、2年目は停滞ないし後退した印象すら受けました。その結果がシーズン終盤の大敗の連続。

(6)安居!!!

 故障がちだった酒井に代わって予想以上の出場機会を得た宮本はともかく、ベンチ入りもままならなかった安居の名前を挙げて「来期以降へむけての期待材料」と評価しているのには正直びっくりしました。
 
(7)妥当過ぎる目標の再設定

 「ロクに補強も出来ないのに目標だけはやたら高いんだよなぁ、浦和は!」」とリカにボロクソに言われたせいか、「クラブとして2023シーズン以降は、毎シーズン常に、『J1リーグで優勝争いをすること』『ACLの出場権を獲得すること』を目標とします。」と目標を至って穏当なレベルに緩和し、「3年」といった具体的な数字を掲げるのを止めました。「3年計画」の目標及びスケジュールが具体的過ぎて監督に無理ゲーな要求を強いて、自分で自分の首を締めた感があったのを反省したのでしょう。
 
 

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2022.11.07

【補遺】リカルド ロドリゲス監督の監督職解除

 最終節福岡戦前及び試合終了後の記者会見で、リカがこの1年間の振り返りや監督職解除に至った経緯について結構ぶっちゃけた話を披露しまくったのが目を惹きました。良くも悪くも率直すぎるリカのことなんで保身のために滅茶苦茶脚色した話をしたとは思えないのですが、所詮解任された監督の言い訳めいた話でもあることを勘案しながら、「リカルド ロドリゲス監督最後の言葉」に関する感想をまとめておきます。

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(1)とにかくロクな補強はなかった

「初日にチームにいたFWは木原 励1人でした。キャスパー(ユンカー)はクラブの許可をもらって少し長めの休暇を取っていました。そしてその後、入国できるタイミングでそれぞれ違った時期に新加入選手たちが入ってきました。」

「補強のところで不運でした。獲得したくてもできなかった選手がいたりします。年末は天皇杯のセレッソ大阪戦や大分戦の準備を進めているなかで、移籍マーケットに入っていくことが少し出遅れた部分もあったと思いますし、(ブライアン)リンセンももっと早い時期に来ることが理想でした。」

「プレシーズンでは若手の木原 励が唯一のFWだった、これは優勝を掲げる上で果たして現実的なのかと言われれば、決してそうだとは思いません。」

とリカはこれでもかこれでもか、とにかく今季は補強が上手く行かなかったこと、特に開幕時に使い物になるFWがいなかったことを批判しています。これはもっともな話で今季の戦績不振の主因といっても過言はないでしょう。シーズン序盤に最後に決めきれるFWがいないばかりに勝てる試合を落としまくったのが負の連鎖を産んだ可能性は極めて高いですし。

 さらにリカは「そもそもFWがいなかった」という量的問題に加えて

 「実際に構築していく中で、いい選手か悪い選手かという話ではなく、適切な選手なのか、そうではないのかというところが非常に大事な点だと思っています。そういった点ではメンバー構成のところでシーズンのはじめに、我々がこのスタイルをやっていく上で適切な選手を見つけていけたのかどうか、今いる選手が悪いと言っているわけでは全くないのですが、そこが果たされていたのか、それに関しては、タイトルを獲る横浜F・マリノスや川崎フロンターレと、我々との差だと思っています。やはり、プロセスが最大の違いなのかなと感じます。」

「いい選手はいますが、適切だったかどうかというところ、そしてプロセス、時間が足りなかったと思っています」

と質的な問題、すなわち「我々がこのスタイルをやっていく上で適切な選手」が揃っていなかったことにも触れています。これは半分はリカの言う通りで、ユンカーといい、数多いるサイドアタッカーといい、縦に速い&やたら忙しいサッカーに向いた選手が続々と補強されたのは事実です。

 ただこの話はかなり割り引く必要があります。浦和は2019年にフットボール本部を立ち上げた後は、従来のような「やりたいサッカーは監督丸投げ=補強する選手も監督の趣向に合わせる」という悪しき伝統をかなぐり捨てて、フットボール本部がある程度やりたいサッカーを提示し、それに応じて監督も選手も揃えてゆくスタイルに転換しています。かつてのように「徳島でやっていたサッカーを浦和でもやってくれ」という趣旨でリカを招聘しているわけでないので、補強される選手はリカのやりたいサッカーに合うとは限りません。
 
 今年浦和にやって来た岩尾は徳島でのリカと、浦和でのリカが随分変わっていることに気づいて「なんでここに呼ばれたんやろ?」としばらく悩んでいたようですが、悩める岩尾の言葉から察するに、要するにフットボール本部は「縦に早いサッカーもボールを大事にするサッカーも両方できるようにしてくれ!」という要求を掲げていた模様です。
 
 その注文がそもそも無理ゲーだったのかもしれませんし、リカの力量では手に余るものだったのかもしれません。さらに言えばフットボール本部の意向とリカのやりたいことの擦り合わせがちゃんと出来ていたのかどうか気になります。
 
(2)なぜか目標だけはやたら高い

「このクラブが掲げた期待値は非常に大きかったと思います。掲げたものが結局のところ、監督・選手たちに大きな代償を払わせる形になってしまったと思っています。」

「正直なところ、浦和レッズが今タイトルを獲れるかと言えば、そうは思いません。」

「もちろん、どういうふうにそこ(=川崎フロンターレとの29ポイントの差)を縮めていくのかを分析し、それを遂行するべきなのですが、分析が正しくできていない、現実的ではないところだったと思います。もちろん掲げるにあたって、私もその場所にいましたし、どういうふうに目指していくかという話もしました。誰かではなく自分も含めて、一つ大きなクラブとしてのミスだった、その期待値設定がよくなかったと思います」」

 フィンケがかつて「なぜ、毎年優勝しなければいけないと言われるのかが分からない。今はサッカースタイルの変換を試みている。浦和は昨季7位、現実を見る必要がある。今すぐ優勝すべきと書かれるのはおかしい」「レッズは初優勝まで13年かかった。リーグ優勝は1回しかない」」と言って袋だだきになったことを思い出さずにはいられません!!
 
 リカはフィンケと違ってマスコミに敵は作らず、おまけにシーズン途中で不用意な発言もしなかったので炎上らしい炎上もなく2年を終えましたが、フットボール本部のあんまりな要求に少々腸が煮えくり返ったこともあったでしょう。
 
 (1)で述べたようにとにかくロクな補強はなされなかったにも関わらず、そして今季はACLを併行して闘って、しかもどちらかといえばACLに力点を置きがちなクラブ体質にも関わらず、浦和がリーグ優勝という目標をリカに課したのは正直個人的にも馬鹿げていると思います。
 
 ただその目標は「達成できないとクビ」という「必達目標」だった訳でもないでしょう。とはいえ、「3年」計画とか「リーグ優勝」とか達成したかどうかが判別しやすい目標を掲げてしまうフットボール本部のやり方にはどうかと思います。もちろん何がしかの目標を立て、その達成へ向けて監督や選手を揃え、その結果を検証して達成度合いの検証、達成できなかったことの原因分析は必要ですが、それは定性分析重視で結構で、定量的な目標をバーーーンと掲げて自分で自分の首を絞める羽目になるのはいかがなものかと。
 
(3)「クラブのフロントにも変化があった」とは何だろう?

「クラブのフロントにも変化があったりするなど、私も続投の難しさを感じていました。このプロセスを別の方と続けることは少し前からクラブは決めていたのかもしれません。」

 ここが「リカのぶっちゃけ話」で最大の謎の部分。これだけでは何のことだかかさっぱり判りませんが、浦和公式サイトではカットされたものの"FOOTBALL ZONE"には以下のようなコメントが掲載されていて、波紋を呼んでいます。

「これを言って問題になるとは思わないが、西野さんと私はかなり近いサッカー観があった。土田さんは少し違う見方があった。いろいろな考え方があっていい。重要なのは全員で忍耐強く、敗戦があった場合も分析しながら進んでいくこと。土田さんはその立場にいてこのような決断を下したが、彼との人間関係は素晴らしいものがある。それぞれの立場で決断している。」

 いやぁ、薄々と感じていましたが土田SDと西野TDのサッカー観に違いがあることがここで明るみになるとは(苦笑)。いや、サッカー観に違いがあること自体は別に構わないのですが、「クラブのフロントにも変化があった」ことを考えあわせると少々イケずな見方が生じるのも自然なことだと思います。
 
 土田SDは2020年11月20日に当面病気療養することが公表され、2020年末の強化&編成については戸苅フットボール本部長と西野TDが対応し、その後もしばらく西野TDがフットボール本部の考えを表に発信し続けてきました。リカの招聘やその後の補強も専ら西野TD主導でなされたものと目されます。
 
 ところが、土田SDは今年6月にフットボール本部の仕事に完全復帰し、「速い攻撃を意識的に取り入れてゆく」ことをリカと話し合った旨をMDP(No.638 C大阪戦)で明らかにしています。サッカー観の異なる方が途中から主導権を握るようになったことをリカが「クラブのフロントにも変化があった」と感じるのも無理はないでしょう。
 
 これでは「土田SDが病気でしばらく休んでいる間に西野TDがサクサク進めていた人事。土田SDはそのままフェードアウトと思っていたらまさかの復帰!しかも西野TDの仕事ぶりを気に入らずにフットボール本部は大混乱!!って土田SDは『暗殺されなかった源頼家』じゃないのか!!」なーーんて陳腐なシナリオがまかり通りかねませんなぁ・・・

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 フットボール本部の内部、及びリカとの間に何があったのか、外野から逐一詮索してもあまり生産的ではありません。しかし、リカにここまでぶっちゃけ話をされた以上、この1年の総括=何が出来て、何が出来なかったのか、出来なかった原因は何か、そして後任の監督に何を期待して招聘したのか、その招聘理由はフットボール本部の掲げる目標に合致しているのか、等々表舞台に復帰した土田SDには大いに説明責任があると思います。これまでその辺の仕事は西野TDがこなしていて、一定の評価は得ていただけに。

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2022.11.06

【観戦記】22年第34節:浦和 1-1 福岡 ~ リカの限界が滲み出た塩試合

 2年間ありがとうございました。プロの監督としては良くも悪くも誠実さに溢れてて人柄はめっちゃ信頼できて好きなタイプでした。しかし「この監督でもう一年続けても意味ないな」と思わせるに十分な塩試合でした。

《スタメン》

・浦和は前節から出場停止の酒井に代えて宮本をスタメン起用した他、大畑→明本、江坂→小泉、ユンカー→松崎とスタメン4名入れ替え。

・リカは試合前の会見で「福岡のスタイルも考慮しながらですが、ACLの姿を取り戻すことを今週の最も大きな目標としてトレーニングを行ってきました」と語っていました。ゆえに今季最も良かったACLノックアウトステージの頃のスタメンで福岡戦に臨み、ユンカー&江坂がスタメンから外れることは容易に予想できましたが、大畑共々いきなりベンチ外になってびっくり!! 大畑はともかくユンカーや江坂は大原で練習している姿が公表されていただけに。

・浦和は試合前日(11/4)に「トップチーム選手1名が新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けました」との話があり、ひょっとすると試合当日になって感染が広がったためにいきなりベンチ外になったのかも??と邪推したのですが、試合終了後にスタジアムを周回する選手の中にユンカー・江坂・大畑の姿は確認できたので、なんでいきなりベンチ外なのかさっぱり判らず。

・一方松崎が8月のアウェー名古屋戦以来のリーグ戦スタメン出場を果たした他、ベンチには平野・安居・シャルクと今季出場どころかベンチ入りの機会も少なかった面子がゾロゾロ。

・福岡はCBグローリ→三国の入れ替えのみ

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《試合展開》

・福岡は長谷部監督就任以降一貫して4-4-2だったはずですが、いつの間にか3-4-2-1併用型に。直近の札幌戦・柏戦も3-4-2-1で結果も出ており、この試合もそのスタイルを継続してきました。

・リカも福岡が守備時5-4-1になるところまで想定してトレーニングをやっていたようですが、目標も何もない上に監督が今季限りなのも判っているせいかもはやトレーニングの効果はほとんどないようで、全くと言っていいほど見せ場を作れないまま前半終了。大邱相手に一点も取れなかった頃にそっくりの惨状でした。

・福岡はハナからドン引きではなくラフプレーヤーファンマを先頭にそれなりにプレッシャーをかけてきますが、その強度は浦和のビルドアップを制限できるほどでもないので、浦和がほぼ一方的に福岡を押し込む格好に。しかし、そこから先がびっくりするくらい何もない。浦和は福岡の守備ブロックの前でボールを延々と回すだけでロクにシュートも撃てず。前半唯一の決定機は28分左サイドから大久保クロス→小泉ヘッドでしたが、ヘッドは無情にもGK正面に。

・浦和は思い出したように浮き球パスで福岡最終ライン裏を突くも、これが受け手に全然合わず。35分小泉→明本が最も惜しかったくらい。福岡が守備ブロックを整える前に攻め切れれば面白かったのですが、14分福岡の前プレを交わして明本が長い距離をドリブルで運んでゴールに迫る場面があったものの、明本はアーク付近まで来てシュートは撃てず、他へ展開するでもなく、福岡守備陣に潰されておしまい。

・浦和のピンチは27分左サイドでビルドアップに詰まってファンマに際どい一発を撃たれた場面だけ。

・双方チャンスらしいチャンスが少ない上に、GK村上がゴールキックにやたら時間をかける等、他会場(特に札幌vs清水)の様子を見て福岡が「リスクをかけてまで勝ちに行く必要はない」と腹を括ったような試合運びに入ったことも手伝って、もう眠いのなんの。たまにざわついている奴がいるなと思えば「札幌が先制した!!」とのお知らせでした(苦笑)。

・この惨状にはさすがにリカも耐えかねたのか、後半頭から松崎に代えて馬渡を左SBへ投入し、明本左SH・大久保右SHと配転。これで若干攻撃はマシになり、49分高い位置でのボール回収から松尾がボックス内突入(シュートはGKセーブ)、50分岩尾ミドルシュート、55分右サイドで宮本がオーバーラップ&ハイクロスがわずかに中で小泉&馬渡に合わずと徐々に良い感じに。

・そしてその宮本クロスの流れから、56分岩波のミドルシュートが炸裂!!無回転シュートがクロスバーを叩きながらもゴールに吸い込まれました。

・引き分け上等みたいな感じで試合を進めてきた福岡はこれで一気に窮地に立たされましたが、60分に福岡が十八番を披露。湯澤が右サイドからクロス→フアンマのヘッドですぐに同点に。ファンマにはショルツが付いていましたが・・・ それ以上に湯澤にあっさりクロスを許してしまった馬渡が責められる案件かなぁ?福岡のクロス攻撃はもっとも気を付けるべき点のはずですが・・・

・68分宮本→モーベルグと代え、モーベルグ右SH、馬渡右SB、明本左SB、大久保左SHと再び大規模配転を敢行するも、頼みのモーベルグは完調にはほど遠くて投入直後に好位置でFKを取ったくらい。戦況に大きな変化はなく、浦和は福岡の守備ブロックを崩しきれずにミドルシュートをやたら放つだけ。

・周囲はもうこの試合に完全に興味を失って、スマホをチェックする輩が続出。特に完全にバカ試合になっている札幌vs清水!!

・福岡は浦和以上にチャンスはなく、最後まで引き分けで満足するかのような試合運びでそのまま試合終了。無事J1残留が決まってビジター席はお祭り騒ぎでした。

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《総評》

・前から強度マシマシでプレスをかけてくるチームにはとことん弱い。かといって引いて5-4-1の守備ブロックを作る相手を崩しきる力もない。その結果が「15」にも及んだ引き分けの山で、今季圧倒出来た相手は攻守とも見るべきものは何もなかった磐田だけ。6月の中断明けにいったんチーム状態が良くなったものの、ACL準決勝以降の失速は顕著で、この試合も御多分に漏れず。

・今季の成績不振については監督以上にフットボール本部の責任が問われてしかるべきシーズンだったとは思いますが、この1年間でのリカの積み上げは非常に乏しく、残留争い真っただ中の福岡相手にこの程度の試合しか出来ないのであればもう1年やらせる必然性は全くない。横浜M戦での惨敗後に抱いた感想をさらに強めただけの試合でした。

・試合の前後にリカが監督契約解除に至った経緯やこの1年間について結構ぶっちゃけた話をしていて、それらに関する感想は別途「【補遺】リカルド ロドリゲス監督の監督職解除」としてまとめる予定です。

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《選手評等》

・松崎はアウェー名古屋戦、ルヴァン杯C大阪戦に続いて前半だけでお役御免。もうノーインパクトの極みとしか言いようがなく、悪目立ちすらしない。監督による向き不向きではなく、能力的にJ1では厳しいのかもなあ。

・そして馬渡は「なんだかんだと馬渡のところからやられてしまう」と過去の所属先の監督から言われ続けたパターンをまたしても披露。こちらはどうなるかなぁ?

・選手交代はたった二人だけ。久しぶりにベンチ入りしたシャルクに出番はなく、事実上戦力外なのかも。

・「古巣絶対殺すマン」の後田中達也は福岡移籍後も最近完全に出番を失ってて、こちらももうJ1では厳しいのかも。

・コロナ禍=入場料に収入激減にも関わらず、法人営業を頑張ってスポンサーからの収入を伸ばして黒字を確保した今季の社長の仕事ぶりは褒められこそすれ、ブーイングされる謂れは全くないはず。それでも「社長に脊髄反射的にブーイングする輩が出てくるのが実に浦和!」と案じていたところ、なぜかそんな輩は試合終了後にゾロゾロ退場したため、例年になく社長挨拶は静かなものに。

・だから別に社長は絶叫する必要なんてなかったのに、なぜか絶叫してしまうのが実に浦和。

・最後のスタジアム周回で監督が先頭に立つのが実にリカらしい。締めは選手のお子様たちの大暴れでほっこりさせるいつもの手口www(特にシャル子)

・試合は実にしょっぱかったものの、壺が割れたので試合後は祝杯を上げる赤者が続出した模様。

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-----松尾-----
大久保--小泉---松崎
---岩尾--伊藤---
明本-ショルツ--岩波-宮本
-----西川-----

(得点)
56分 岩波

(交代)
HT 松崎→馬渡
68分 宮本→モーベルグ

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-----ファンマ-----
--山岸----ルキアン--
志知-前---中村-湯澤
--宮--奈良--三國-
-----村上-----

(得点)
60分 フアンマ

(交代)
80分 フアンマ→渡
88分 ルキアン→金森

 

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2022.11.01

リカルド ロドリゲス監督の監督職解除

・横浜Mに惨敗した翌日(10/30)から堰を切ったように「リカ退任」の話がスポーツ各紙からどっと流れていましたが、昨日(10/31)浦和から「リカルド ロドリゲス監督と、2022シーズンをもって監督職を解除することに合意いたしました」との公式発表がありました。

・同時に発表された小幡コーチ兼通訳については「来シーズンの契約を更新しない」と単なる契約満了なのが明らかなのに対し、リカは「監督職を解除することに合意」という見慣れない表現を使っているのが気になります。

・率直に読めば「契約満了」ではなく、かといって「浦和フロントの都合で一方的に契約を解除(=当然契約上の違約金が発生する)」した訳でもなく、「契約を双方合意の上で解除した(=合意内容次第ですが、違約金は無しorかなり少額で済む)」のでしょう。

・この点について唯一デイリースポーツが「ロドリゲス監督とは来季以降の契約延長で合意に達してたため、事実上の解任となる。」と突っ込んで書いていますが、デイリーは機関紙スポニチのように「浦和関連情報に強い!」という定評は特にありません。いったん契約延長の方向で動いていたのは間違いないのでしょうが、「合意解除」なのでリカが投げ出した可能性も少なくなく、「事実上の解任」とまで踏み込んで書いたのは単にデイリーの先走りなのかもしれません。

・「監督職を解除することに合意」という珍妙な表現になっている件については機関紙スポニチ等、もうちょっと信頼性の高い筋からの情報や後日公表される「3年計画の振り返り」を待つこととしたほうが良いでしょう。

Rika1

個人的にはリカの「合意解除」については、「あっても不思議はないシナリオの一つが発生したに過ぎない」と冷静に受け止めています。少なくとも「3年計画で新しいことにチャレンジしますが、リーグ戦の結果・内容ともズタボロだった監督は継続します!」みたいな全くもって理解に苦しむ決断でもなんでもありませんし。

・当然ながらフットボール本部が「3年計画」でやろうとしたことについて、リカにどういう役割を期待し、その期待に対してリカの2年間をどう評価した結果「合意解除」に至ったのか、そしてリカの後任がそれまでの3年計画でやろうとしたことと合致しているのかどうかについてフットボール本部は多大な説明責任はあります。

・今は山道&中村時代のようなサッカーの内容は「監督丸投げ」ではないので、フットボール本部の「やりたいサッカーの継続」は直ちに「監督の継続」を意味しません。従って、新監督招聘に至った理由がそれなりに説得力があり、ポリシーの一貫性が感じられるものなら特に不満はありません。逆にそこに何の説得力も感じられないのなら、それこそ「これまでの浦和の負の歴史の繰り返しじゃねぇか!!!」と大いに吹き上がるかもしれませんが、それはまた後日の話。

Rika2

・横浜M戦の観戦記でも少し触れましたが、リカのこの2年間での積み上げは思いのほか乏しかった、2年目にして頭打ち状態になったのは否めないと思います。

・ミシャ解任からの数年間を経てビルドアップの「ビ」の字も無くなってしまった廃墟状態のチームが試合を重ねる毎に成長してゆく様がはっきりと観て取れたリカ1年目は、最後に天皇杯奪還でフィニッシュしたこともあってほぼ満点の出来だったと思います。

・ただ「強度マシマシでガツンとプレッシャーをかけてくる」相手がどうにも苦手で、その傾向はチームがある程度形を成した1年目の終盤ですら顕著。2年目でもとうとう解消できないままC大阪&広島相手に大敗を喫して、これが「合意解除」の引き金になったものと目されます。

・もっとも2年目の停滞はリカだけの責任ではないのも確か。ユンカーの故障が長引いてCF不在のままシーズンインだとか、外国人選手の補強は五月雨的かつ満足に稼働しないといった辺りはフロントの責任のほうが問われて然るべきしょう。また2度にわたってチームにコロナ禍が直撃したのは不運といえば不運ですし、序盤戦にのど輪一発とか馬鹿げた退場が相次いで勝ち点を落としまくったのもこれまた不運に近いでしょう。

・さらに言えばコロナ禍に伴う入場料激減でとにかく金がないので、実績はあってもコスパの悪い選手は切らざるを得ず、補強はまたしても「J2オールスターズ」に留まったのは、フロントとしても「他にどないせいっちゅーねん???」と言いたくなるでしょう。ただその割には3年計画でリーグ優勝なんて掲げた目標がデカすぎた感は否めせんが。

・従って2年目の停滞はリカの責任ではなく、補強を筆頭に医療面・トレーニング面でのサポート体制の不備による面が大きかったとフットボール本部が率直に認めてリカにもう一年託すシナリオも十分あり得たと思います。

・しかし、リカ続投のシナリオは潰えて「監督職の合意解除」というちょっと変わった決着になったのは、(ほぼ邪推になりますが)ACL決勝進出後の成績不振の過程でリカの求心力が急速に衰えたためでしょう。横浜M戦の観戦記でも少し触れましたが、試合後に漏れ出てくるコメントからも主力選手の何人かからは信頼を失っているようにも伺えましたし、その前に広島戦の大敗後に江坂が「理想のサッカーだけじゃ勝てない」と監督批判と受け止められても仕方がない話をしていました。

・言葉尻を捉えるようですが、リカはどんな相手に対しても「理想のサッカー」を貫くタイプ(=ミシャが典型)ではなく、むしろ相手に応じて出方を変えるタイプの監督なので江坂の批判は的外れです。しかし、今年は序盤に思うように勝ち点が積み上げられなかったのが響いてリカが焦ってしまったのか、相手の出方に応じて出方を変えるというより単に迷走しているようにしか見えない試合も少なくなく、広島戦の大敗のように「最もやってはいかんことをやってしまった」結果、選手の信頼を大きく損ねてしまったような気がします。

・少なからずの選手達からの信頼を失ったことはリカも自覚したので、フロントから「すまんけど、あの話はなかったことに」というオファーに対して、リカも「もう選手が付いてこないから、来年続けるのは無理やな」とばかりに投げ出してしまったのが「合意解除」の真相ではないかと個人的には邪推しています。

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・内容は期待を大きく下回った上に、結果は天皇杯1つに留まりましたが、浦和という内外とも何かとややこしいクラブにリカが2年間真摯に向き合って頂いたことには感謝しています。特に負け試合の後には先頭を切ってスタジアムを周回して頭を下げる姿には胸を打たれました。今後はもうちょっと時間がもらえるクラブ、分不相応に高い要求を突き付けて来ないクラブでのご活躍をお祈りします。在任期間中に「南越谷阿波踊り - 浦和レッズ連」が実現しなかったのが心残りですが、2年間ありがとうございました。

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2022.10.30

【DAZN観戦記】22年第33節:横浜M 4-1 浦和 ~ この2年間とは何だったのか・・・

 監督、強化本部、医療スタッフ等のサポート体制、そして選手の個人能力、あらゆるものが横浜Mに遠く及ばないことを実感させられた惨敗でした。そしてこの2年間に積み上げたものが非常に薄いものでしかないと思えたのが辛すぎました。

《スタメン》

・浦和は前節札幌戦からリンセン→江坂、小泉→松尾とスタメン2名入れ替え。

・リンセンについてはリカが試合前の会見で「リンセン選手の現在のコンディションはあまりよくはありません。」「怪我からは復帰したもののフィジカル的に状態が整っていないと思います。ですので、攻守にわたるプレーの連続性をまだ取り戻せていないと思います。」と語っており、スタメンどころかいきなりベンチ外に。

・札幌戦で最後にちょっとだけ出場したモーベルグは再びベンチ外に。代わって馬渡&松崎が久しぶりにベンチ入り。

・なお関根が10/17に右足関節遊離体に伴う手術を行って全治6週間と公表されたので、当然ながら今季残りは全休。また長期離脱中の犬飼が大原に戻ってきているものの、リカは「今シーズン、彼が出場することはありません。」と明言されました。

・横浜Mは前節磐田戦から仲川→エウベル、レオセアラ→ロペス、藤田→喜田とスタメン3名入れ替え。

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《試合展開》

・戦前予想通り立ち上がりは横浜Mが一方的にボールを支配。浦和は大久保を最終ラインに下げて5-4-1の守備ブロックで防戦して横浜Mに決定機らしい決定機を与えず。また浦和の守備は徹底して5-4-1のリトリートという訳でもなく、ある程度マンツーマン気味に前からハメに行く志向も見せていて、序盤は前ハメもそこそこ機能してそんなに悪いゲームの入りではなかったと思います。

・16分には江坂が右サイドから上げたクロスが相手に当たってこぼれ、そのボールにどフリーで大畑が反応するもシュートは枠外。序盤からオープン気味な展開になる中でいきなりカウンターを食らい、渡辺縦パス→水沼右サイドからのクロスがショルツに当たってコースが変わったのが災いして、ファーに飛び込んだエウベルが押し込んで横浜M先制。

・この場面、横浜Mの攻撃はゴールキックから始まっているので浦和の攻→守の切り替えが緩慢過ぎたとも言えますし、浦和の中途半端な前ハメ志向が完全に破綻したとも言える、なんともマヌケな失点でした。

・その後はほぼ一方的な横浜Mペース。浦和は深い位置でボールを奪ってなんとか縦に早い攻撃を仕掛けたいようでしたが、横浜Mの素早い攻守の切り替え&プレッシングのためか、浦和の縦パスは雑になりがち。35分ようやく深い位置からの大久保縦パスを基点に松尾→ユンカーと縦に早い攻撃の形が出来たものの、ユンカーは独力でシュートまで持ってゆけずにディレイを強いられ、最後は伊藤が攻撃参加するもミドルシュートはバーの上。

・前回対戦でユンカーが立て続けに3点を取った時の横浜Mの最終ラインは畠中&松原とは守備の波乱要員がいましたが、畠中に代わってエドゥアルドが入るとさすがにユンカーも「一人で出来た!!」連発とはいかない模様。ピッチ状態が良くなくてふんばりが効かない風にも見えましたが、いずれにせよ頼みのユンカーが独力打開できないなら、守備の残念さを押してまでスタメンで使う意味はないんだよなぁ・・・

・浦和が好機を逸した一方、横浜Mは37分永戸CKがファーへ流れてエウベルがカットイン。エウベルに対峙したユンカー&江坂の守備がなんとも軽くてエウベルはいとも簡単にボックス内に突入&シュート。シュートはいったん西川が防いだものの、ロペスがこぼれ玉に詰めて追加点。

・リカは後半頭から松尾&ユンカーの2トップ+江坂トップ下の3-4-1-2に布陣を変更して反撃を試みるも、横浜Mのきついプレッシングの前にビルドアップが全く体をなさず。攻撃が出来ないならまだしも57分自陣深い位置で江坂が渡辺に絡まれてボールを失ったことを契機にショートカウンターを食らい、エウベルがショルツと岩波の間を綺麗に割って3点目を取られる始末。解説戸田さんは「江坂へのサポートがない」と江坂を庇っていましたが・・・

・この大失態を受けたのかどうか、江坂は即座に小泉へ交代を命ぜられ、同時に大畑に代えて明本を投入。しかし、流れはすぐに変わることなく、65分水沼CK→西村ヘッドの決定機こそ西川が辛うじて防いだものの、その次の水沼CK→ニアでエドゥアルドが逸らしてロペスヘッドで致命的な4点目を取られてしまいました。

・67分にはようやく西川のロングキックを基点に縦に早い攻撃=右サイドで大久保スルーパス→ユンカーがGKの股を抜いてゴールという当初の狙いっぽい形で1点を返したものの時すでに遅し。その後は79分に大久保のシュートがわずかに枠を逸れたのが惜しかったくらい。思い出したようにユンカーにボールが渡っても横浜守備陣にディレイさせられればたちまち浦和の攻撃は行き詰まってしまい、横浜Mの守備ブロックが整った状態でも点が取れるだけの力は今の浦和にはありませんでした。

・というか4点目を取られた時点でこの試合への興味は完全に失われ、自動降格圏に再突入したチームの阿鼻叫喚を見ながらニヤニヤしていたのが正直なところですが(^-^;

・首位横浜Mは浦和に快勝したものの、同時刻の試合で2位川崎も勝ったので勝ち点2のまま優勝決定は最終節まで持ち越しに。浦和は目の前で胴上げが繰り広げられる惨事こそ免れましたが、監督や選手達にはゴール裏から容赦ないブーイングが。そしてそれも当然と思われる酷い内容での敗戦でした。

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《総評》

・この試合だけを取り上げてみれば、リカの作戦負け。ユンカー&江坂をスタメンで起用した時点で、大敗したC大阪&広島同様前からのプレスがきつい横浜M相手にボールを握る志向のプランAで臨むのは諦めたのは明々白々。相手にボールを持たれることを前提に徹底して相手の最終ライン裏を狙うプランBで臨むものと思ったのですが、どうもそうでもなかったようで・・・

・リカが選択したのはいったん5-4-1に構えてからのマンツーマン気味前ハメというプランCみたいな何か。しかし2週間の準備期間があったにも関わらず、これがほとんど機能せず、最初の失点では笑ってしまうレベルで簡単に剥がされてしまいました。試合後には酒井が「奪いにいく守備はなかったという感覚」と吐き捨てているところを見ると、もうリカの指導に対する選手の信頼感が完全に損なわれていて、いくら準備期間があっても意味がないのかも。

・またマンツーマン気味の守備なら当然ながら球際での強さが求められますが、残念ながら今の浦和は横浜Mに球際で惨敗。この点については試合後厳しい質問が飛んでいましたが、リカの答え「一つある部分としては、プロファイルの部分もあると思います。局面のところでF・マリノスの強度の高さは、そうした構成でできています。我々はよりテクニカルなところが秀でている部分があると思いますが、一方でそこの強さに欠ける部分もあると思います。」は「そもそも浦和は巧い選手は揃えたが、強度の高い選手を揃えてないやん!!」と言いたいのかなぁ・・・

・試合後岩尾が「攻守の切り替えやボールが止まっているスローインやFKの際の相手のトランジションの速さは非常に目立っていました」「なかなか出し手と受け手のタイミングが合わなかったり、もう少しつなげられるかなというところで狙い過ぎてしまったり、起きている現象や判断がチグハグになってしまいました」と語るように、攻守の切り替えの早さやパス精度、球際の強度などリカの作戦云々以前のところで浦和は横浜Mに大きく差を付けられていてどうにもならず。

・とにかく、リカの2年間の積み上げの乏しさを実感させられた大敗でした。そしてこの大敗を受けて翌朝には当然ながら監督人事がスポーツ各紙を飾ることに。

・そもそもビルドアップなんて概念がなかった大槻さんの2年を経た後のリカの仕事は困難を極めたことでしょう。従って最初の3カ月で横浜M相手に虐殺されたことに象徴されるように浦和がビルドアップに苦しんだのは見ていて非常に辛いものがありました。しかし、それでも試合を重ねる毎に浦和の選手達が上手くなっているのが判り、結果はなかなか出ませんでしたがそれなりに嬉しかったことを思い出します。

・しかし浦和の成長曲線は案外頭打ちが早く、リカ監督就任から2年経ってもたいして進歩せず、前プレのきつい相手に粉砕されてしまう試合が続きました。残念ながらリカの2年間の成長速度は期待を下回ったと言わざるを得ません。ACL準決勝後に苦しい試合が続いた後に漏れ出てくるコメントからも主力選手の何人かからは信頼を失っているようにも伺え、こうなってしまうとリカが今季限りになってしまうのは致し方ないでしょう。重要なのはコンセプトの継続であって監督の継続ではありません。

・ただショルツ以外の外国人選手の稼働率が低い、補強選手がイマイチ等監督ばかり責めても仕方ない点があるのは確かで、それがリカの評価をややこしくしています。西野TDが「フロントの力不足でした」とACLがあるのにリーグ優勝なんて狙わせた割には戦力面でのサポートが弱かったのがリーグ戦不振の主因と認めてリカ続投ならそれはそれでアリと思いましたが、フロントはリカに責任を押し付ける道を選んだようです。

・横浜MはCFG傘下で「コンセプトの継続」という点では浦和より遥かに先を行っています。浦和もそこだけはブレてはいかんでしょう。監督候補として名前が挙がっている方の中にはもうコンセプトの継続もへったくれもなく、何のための監督交代なのかさっぱり判らんないただのガス抜き=浦和の過去の過ちの繰り返しとしか思えないのが気になりますが・・・

・一応安易にJ1監督経験者から選ばずにそれなりに真面目に監督候補を探しているようで、欧州→OB→欧州→OBの輪廻に陥った鹿島よりは少しはマシかもしれませんが、監督人事関連の噂話を聞く限り横浜Mに追いつく目は残念ながら遠のいたかなあ・・・CFGというはっきりした評価軸、ロールモデルを持っているところとそれがないところの差はでかすぎかと。

・監督人事、そして今季の反省共々最終節終了後の土田SD,西野TDの説明責任は重大です。そこんところよろしくお願いします。

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《選手評等》

・リンセンはともかく、モーベルグがベンチ外だったのには驚きました。横浜Mの外国人選手がコンスタントに複数人稼働しているのと比べると、浦和は通年で稼働しているのがショルツだけで、外国人選手の稼働率の差がそのまんま今季の戦績の差になって顕われていると言われても仕方ないでしょう。

・ユンカーはグロインペインに苦しだまま。リンセンもモーベルグもコンディションが上がらずと浦和は医療スタッフやトレーニングコーチはどうなってんねん??と訝しいことだらけ。おまけにシャルクに至ってはもう何のために獲得したのかさっぱり判らない有り様で、こんなところまでリカに責任を負わせて強化部は知らぬ顔はないわなぁ・・・

・リカが試合後選手の強度不足を嘆いていましたが、これは浦和がこの2年間で「J2オールスターズ」的な補強に甘んじたためでしょう。それはコロナ禍→入場料収入激減が主因でしょうからやむを得ないと思いますが、その割にACLだとかリーグ優勝だとか目標が高すぎました。ゆえに入場料収入が少しは回復した今オフの補強はJ1.5的な選手からJ1の選手への入れ替えがあるでしょう。特に今季出番が少なかったJ1.5的な選手には厳しいオフになると思います、世知辛い話ですが。

・今季序盤は全く代えの効かない存在だった江坂がそうこうしているうちにコンディションを崩してしまい、終盤には別にいなくても良い選手になってしまうとはなあ。しかも江坂が外れたことでチームのパフォーマンスが上がった訳でもないという不可解さ。

・最終節終了後、社長だけはあんまりブーイングされる謂れはないでしょうなあ。コロナ禍にも関わらず、法人営業が頑張って黒字を確保している以上。

Yokohama001_20221030093301
-----ユンカー-----
--松尾----江坂--
大畑-岩尾-伊藤-大久保
-ショルツ--岩波--酒井-
-----西川-----

(得点)
67分 ユンカー

(交代)
61分 江坂→小泉
61分 大畑→明本
80分 伊藤→柴戸


エウベル---ロペス---水沼
-----西村-----
---渡辺--喜田---
永戸-エドゥ-岩田-小池龍
-----高丘-----

(得点)
17分 エウベル
37分 ロペス
57分 エウベル
65分 ロペス

(交代)
74分 水沼→仲川
74分 エウベル→マテウス
80分 喜田→藤田


※写真は試合とは全く関係ありません。

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2022.10.13

【観戦記】22年第27節:浦和 1-1 札幌 ~ あれだけ決定機を外してはどうにもならん・・・

 序盤札幌に良いようにやられてしまいましたが、なんだかんだとさほど決定機は与えず、その後は浦和が決定機を量産。先制点こそ取られたものの、終盤の猛攻で一気に逆転してもなんら不思議はない試合内容でしたが、あれだけ決定機を外してはどうにもなりません!!

《スタメン》

・浦和のスタメンは前節鳥栖戦と全く同じ。故障明けで前節60分限定出場だったリンセンを中3日で再度スタメン起用したのが意外でした。リカは鳥栖戦の試合内容をよほど評価していたのか、あるいは単に消化試合であることを奇貨としてリンセンをチームに馴染ませることを優先したのか真相は不明。試合内容からすれば後者臭いのですが・・・

・小破していたモーベルグがベンチに復帰した一方、江坂がなんとベンチ外!

・札幌は福森→菅、西→荒野、 駒井→高嶺、興梠→小柏とスタメン4名入れ替え。

・小柏は前節は体調不良で欠場。高嶺は前節出場停止。さらに興梠は契約上浦和戦に出場できないと入れ替えの理由は様々ですが、札幌は相変わらず怪我人を量産していて、深井が故障で長期離脱中な上に前節駒井が故障。また試合後のミシャの弁によれば福森・宮澤・菅は怪我をおしての出場だったとか。

Sapporo2210001

《試合展開》

・浦和の基本フォーメーションは鳥栖戦同様かなりはっきりした2トップ横並びの4-4-2。

・一方札幌はいつもの3-4-2-1ではなく、高嶺を最終ラインに下げての4-1-4-1、あるいは浦和に合わせて4-4-2だったようですが、札幌は攻守ともその形でしっかりセットしていることはほとんどなくて、浦和のフォーメーションに合わせて「(ミシャ)最初は相手が2トップでしたので、岡村と高嶺が2トップについて、サイドハーフに菅と田中、そういう形になったというだけ」なので配置自体にそんなに意味はありません。

・序盤は札幌が一方的にゲームを支配。リンセン&ユンカーの2トップでは前プレは機能しないと諦めてか、浦和の守備は鳥栖戦同様リトリート主体と割り切った風でしたが、中盤のフィルターも機能せず、5バック気味に構えて大外の穴を防ぐわけでもなかったので札幌に簡単にサイドを抉られたり、鋭いクロスを何度も入れられたりして大苦戦。特に左サイドで大畑がスピードのある金子に苦戦していたのが目立ちました。

・ただ札幌も高速クロスをアホほど入れたところで中に合わせるターゲットがいる訳でもなく、シュートを撃ちまくってもブロックされてしまう場面が多くて、西川が多少なりともヒヤリとしたのは4分シャビエル→青木のシュートが枠の上だった場面と、30分青木のシュートくらい。好意的に見れば浦和守備陣は札幌のサイド攻撃なんて中央で跳ね返せばいいと割り切った風にも見えました。

・むしろ頭が痛かったのは攻撃面。ボールを奪う位置がそもそも低い上に、序盤は鳥栖戦のように素早く2トップへ蹴り飛ばしてしまう訳でもなく、多少なりともしっかり繋ごうとしていたように見受けられましたが、札幌の厳しいプレスを交わせずに結局アバウトに蹴るしかなくなり、簡単に札幌にボールを回収されてまた攻められるの繰り返し。

・さすがにこのままでは拙いと思ったのか、浦和は突如前ハメに転じて26分小泉が岡村の縦パスをカットした場面は決定機に至らなかったものの、27分ショルツが敵陣深い位置でのボール奪取からボックス内のリンセン→折り返しがわずかにユンカーに合わずと、この試合初めて良い形を作りました。

・そして先の30分のピンチを凌いだ後はついに浦和が攻勢に。36分左サイドスローインからの流れで岩尾ロングフィード→ユンカーループシュートはバーの上。その後は浦和が札幌を自陣に押し込んで攻め続ける展開になり、38分岩尾の浮き球パスがボックス内でフリーのリンセンに通るもシュートは枠外。さらに45分左サイドから小泉の浮き球パスがボックス内のリンセンに通り、リンセンは胸トラップ&反転シュートを狙うもこれまた枠を捉えきれず。

・後半も浦和が優勢。札幌は早くも運動量が落ち始めたのか浦和が球際で競り勝つ場面が目立ちだし、しかも思い出したように敢行する前ハメも機能し始めて、早々とスカスカになった札幌陣内で浦和が楽々とボールを運んで良い形を量産。しかし、52分岩尾ロングフィード→ユンカー折り返しはわずかにリンセンに合わず、53分小泉→リンセンの決定機はシュートモーションに入ったところでフェルナンデスのプレスバックが間に合って撃てず。そして57分小泉スルーパス→ユンカー→大畑→ボックス内でどフリーのリンセンという絶好機を作ったものの、リンセンのシュートはまさかの枠外!!!

・松尾を用意していたのが判った時点でてっきりリンセンを「ちょうど時間となりました」とばかりに交代するのだろうと思いましたが、63分最初の交代で下げられたのは意外にもユンカーのほうでした。

・まあスピード系FW同士の入れ替えという趣旨なのでしょうし、これで浦和の前ハメが一層効果的になり、65分には伊藤が高い位置でボールを奪ってそのままシュートという見せ場も。

・さらにリカが明本&柴戸を用意していたところで、70分まさかの失点。左サイドからフェルナンデスが巻いて放ったシュートが見事にファーサイドに突き刺さりました。これはもうフェルナンデスを褒めるしかないスーペルゴラッソ。随所で一対一が発生しやすいマンマーク主体の相手に「選手の質で上回る」ことで勝機を見出すのが浦和の基本戦略になるかな?と思いながら試合を見ていたのですが、まさかその「質の違い」がこんなところで飛び出すとは・・・そして選手交代を用意していた矢先に失点するって先日大敗した広島戦でもあったような・・・

・失点直後にリンセン→松尾、伊藤→柴戸と代えてガス欠が顕著の札幌相手に猛攻を仕掛けるも、これが笑えるレベルで決まらない。74分ロングカウンターで小泉→松尾のシュートはポスト直撃、跳ね返りを拾った酒井のシュートは菅にブロックされてゴールならず。80分にはロングボールに反応した松尾がと途中投入のCB福森からボールを掻っ攫い、明本がGKと一対一になったところまでは良かったものの、明本のシュートはなんと枠外。

・しかし、85分大久保がカットインから放ったシュートが福森のL字形に広げた腕に当たってハンド=PKに。札幌の執拗な抗議&VARとの交信で長時間試合が止まりましたが、89分 ショルツが冷静かつ豪快にPKを決めてなんとか同点に。

・リカは最後に大畑→関根、大久保→モーベルグと代えましたが、7分もあったATには特に見せ場なく試合終了。

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《総評》

・試合後の赤者の感想は概して芳しくないようですが、シュート数は互角ながらも決定機はどう見ても浦和のほうが多く、個人的にはそんなに悪い試合とは思えませんでした。「アホほどあった決定機を決めきれずに勝てる試合を引き分け、さらには負けてしまう」という展開は今年前半にそれこそアホほど見た訳で、その結果が14にも及ぶ引き分けの山。

・「シーズンも大詰めになってまたこれかよ!!」という意味合いでこの試合に不満が出るのは理解できますし、決定機をそんなに与えてはいないとはいえ序盤のあんまりなサンドバッグ状態に嫌気が差した方が多いのかもしれません。まあ上述のように序盤は守備はともかく、ボールを奪ってからの攻めが全然出来なかったのは事実で、「2年かけてこれかよ!!」という感想を持たれる方も少なくないでしょう。

・ただ試合を大局的に見れば、

 ○札幌は極端なマンツーマン守備で「相手選手と選手の間に適切なポジションを取ることで勝機を見出す」というリカのプランAが原理的に通用しない相手なので、頻繁に発生する一対一でリンセン&ユンカーという「選手の質の違い」で殴り勝つことに勝機を見出す

 ○札幌が元気な時間帯はリトリート主体の守備でとにかくやり過ごす

 ○札幌は確実に終盤電池切れになるので、選手交代で一気に勝負に打って出る

という対札幌戦スペシャルっぽい闘い方が繰り広げられていて、その結果1点こそ失いましたが、決定機の数では優に札幌を上回っており、個人的にはそんなに悪い試合でもなかったように思います。「相手の土俵で試合をしない」「相手の嫌がることをやる」というリカの基本思想に沿った試合だったと評価しても良いでしょう。試合後の小泉も内容に全く悲観的ではないどころか、やろうとしていることをチーム内で共有出来たことを評価している風ですし。まぁその辺がバラバラだった広島戦の惨敗がよほど堪えたのでしょうけど。

・ただリンセンやユンカーへ向けての御膳立てにいかにも工夫が足りず、ただ蹴りだすだけになっていたように見える場面が多かったのか確か。これもまたこの試合の評価が悪い一因でしょう。
 
・そしてなにより頭が痛かったのはあんまりな決定力不足。松尾や明本の決定機逸はもう「J2オールスターズだから仕方がない」と諦めもつきますが、リンセンが決定機を決められないとはなぁ・・・ 個人的には監督が出来るのは決定機の数を増やすことまでで、点を取るのは選手個人の質で解決するしかないと考えていて、その「質の問題」を解決してくれるはずのリンセンがなぁ・・・

・浦和も浦和で問題山積ですが、札幌はそれ以上の惨状な模様。ボールを支配して攻めに攻めている割には半ば選手の質の問題で仕方ないとしても、極端なマンツーマン守備&ハイプレスが災いして終盤電池切れになるのはともかく、年から年中故障者を量産しているのは苦笑を禁じえません。これはもうフィジコだとか医療体制だとかそんな問題ではなく、闘い方そのものに起因しているので来年もそのまんまでしょうなぁ・・・ミシャは試合後90分通して戦える選手が少ないことを嘆いていましたが、そりゃ自業自得というか因果応報というか・・・

Sapporo2210014

《選手評等》

・ユンカーやモーベルグみたいな「名刺代わりの一発」がなかったどころかまさかの決定機逸だったリンセン。やっぱあの「出オチ芸」での中破離脱がでかくて、なんとか身体は動くようになったものの試合勘がないのかも。期待感がでかかっただけに、失望もまたでかい。しかも相性が良さげに見えたユンカーとのパスが相互に乱れまくってどうにもならず。

・冒頭でも記したようにコンディションが十分ではないリンセンを中3日でスタメンに使ったのは、消化試合であることを奇貨としてリンセンをチームに馴染ませることをリカが優先した可能性が高く、まさかの決定機逸はその無理ゆえに起こるべくして起こった事態なのかも。

・柴戸のボックス内スルーはホンマ謎でした。まるで浦和の栗田艦隊。柴戸には何が見えていたのか。

・不死身の明本はすっかり出番が減って「不死身」感はなくなってしまいましたが、射撃が下手なのは相変わらずで悲しいのなんの。尾形はおらんのか、尾形は・・・

・ショルツの「モーゼ攻撃」はまたしても無駄玉に・・・

・シャビエルがおもっきし酒井を突き飛ばしているのにイエローが出ないのを見て、個人的には谷本主審=クソ確定でした。ショルツすら激怒する主審って、ガンジーも助走して殴る主審みたいなもんでしょうに。そして菅が故障してピッチ外に倒れている状況で主審が試合を止めるのはまだしも、菅がヨロヨロしながらわざわざピッチ内に入って来てそこでまた治療ってなんやねん???遅延行為そのものでしょうに!!

・笑ったのは福森へのイエロー。福森は主審に説明を求めてはいるが抗議しているようには見えず、イエローを出すなら小泉を突き飛ばしている高嶺だと思ったのですが、なんで福森がイエローなのかは謎。終始多少の交錯には流しまくりのジャッジでしたが、巧く試合をコントロールしていたとは言えず、甚だ残念な主審でした。

・平日の割にはびっくりするくらい札幌サポが埼スタに詰めかけていました。札幌目線だと「勝てた試合をPKで引き分けに終わった」という試合内容だったにも関わらず、試合後は盛大に歓声が。J1残留が決まったのかな?と思いましたが、どうもそうでもなかったようで・・・

Sapporo2210016

---ユンカー--リンセン---
小泉-------大久保
---岩尾--伊藤---
大畑-ショルツ--岩波-酒井
-----西川-----

(得点)
89分 ショルツ(PK)

(交代)
63分 ユンカー→松尾
71分 リンセン→明本
71分 伊藤→柴戸
88分 大畑→関根
88分 大久保→モーベルグ

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-----シャビエル----
フェルナ-青木--小柏-金子
-----荒野-----
菅--高嶺--岡村-田中
-----菅野-----

(得点)
71分 フェルナンデス

(交代)
71分 小柏→キムゴンヒ
77分 荒野→宮澤
77分 菅→福森(故障による交代)
88分 シャビエル→西

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2022.10.09

【観戦記】22年第32節:浦和 2-1 鳥栖 ~ プランBはあるにはあったでよ

 C大阪戦・広島戦と相手に前からハメられ続けてボロ負けしたのがよほど堪えたのか、リカはボールを奪ったらすぐに相手最終ライン裏へ蹴る方針に大転換。リンセンのスタメン試運転と合わせて、それなりに来季に繋がりそうな何かを得た試合だったかも。

《スタメン》

・浦和はC大阪戦・広島戦とボロ負け続きでしたし、しかも所詮消化試合なのでスタメンを大きく弄ってくる可能性が高いと思いましたが、スタメンの入れ替えは江坂→リンセン、松尾→ユンカーと2名のみ。リンセンはこれがリーグ戦初スタメン&埼スタデビュー。

・広島戦で大失態を繰り返した西川に代わって鳥栖戦は彩艶がスタメンに入るとの観測というか赤者の希望が専らでしたが、リカ&ミレッGKコーチの判断は西川続投でした。これで彩艶は来季出場機会を求めてレンタル移籍を志願しても仕方ないでしょうなぁ・・・

・鳥栖は前節出場停止のファンソッコがスタメンに復帰した他、ジエゴ、垣田がスタメンに。なおCH小泉が負傷離脱中。

Tosu2210024

《試合展開》

・浦和の基本フォーメーションはわかりやすい4-4-2で、ユンカー&リンセンはほぼ横並び、ないし若干ユンカーが下がり目といった程度。

・鳥栖はリーグ戦後半から4バックベース(4-4-2or4-2-3-1)で闘っていたので出方が判りにくかったのですが、どう見ても基本フォーメーションは3-4-2-1。攻撃時には両WBを高く押し出す3-4-3のような格好を取っていました。前回対戦では3-4-2-1で臨んで浦和に完勝したので、それを踏襲したのかも。

・浦和はリンセンがあまり動けないこともあってか、守備は前プレを早々に諦めてリトリート主体。リカの言葉を借りれば「前から行くというよりは少し真ん中で構える形」が基本になりました。しかもボールを奪ったら早めに縦パスを鳥栖最終ライン裏へ蹴るパターンを徹底し、前残り気味のリンセン&ユンカーを活かして点を取るという「浦和保守本流」で試合に臨みました。ボールを大事にする、むやみに縦に急がないリカ流とは真逆のアプローチですが。

・この浦和の出方は鳥栖にとってやや意外だったのか、立ち上がりは浦和の狙いがハマりにハマって大攻勢。4分岩波ロングフィード→左サイドで張っていた大畑のスルーパスで裏抜けに成功した小泉の折り返しがファンソッコのオウンゴールを誘発したと思いきや。小泉がオフサイド。テレ玉の録画を見てもはっきりとは判らないオフサイドで、当然VARも入りましたがやはりオフサイドは変わらず。

・その後も5分大久保→リンセンがボックス内で反転シュート、6分右サイドから大久保クロスがユンカーにも岩尾にもわずかに合わず。10分高い位置でボールを奪った伊藤がリンセンとのパス交換でボックス内に突入するも折り返しが小泉に合わず。

・さらに15分小泉スルーパス→ユンカーが裏抜けに成功しかかるも、ここはジエゴがイエロー覚悟のファウルで阻止。23分岩尾CK→リンセンヘッドは枠を捉えきれずと、浦和は序盤大攻勢を仕掛けるも得点ならず。

・浦和の手口に鳥栖も慣れてきたのか、30分くらいから浦和がボールを持たされている時間帯も目立ち始めたところで39分鳥栖が左サイドから攻勢。左WB岩崎とのスイッチでボックス内に突入したIH西川のシュートはGK西川の正面、そのこぼれ玉を拾った西川のシュートは岩尾がブロック、さらにそのこぼれ玉を拾った西川のシュートは角度も力もなくてゴールマウスをカバーしていた大畑がクリア。

・逆に40分岩尾のロングフィードを右サイドタッチ際で受けた大久保が単騎ドリブルで岩崎をいとも簡単に突破してボックス内突入。鳥栖はボックス内にアホほど人がいましたが、ほとんどが大久保に惹き付けられてしまい、おまけにCB島川がリンセンに惹き寄せられてしまってユンカーがどフリー!!こうなるとユンカーの左足はゴールを外しようがありません。

・ハーフタイムで共に先週交代は無し。

・50分、右CB原田の縦パスをカットした小泉がそのままボックス内に突入、GK朴との一対一を制してゴール!!この場面は小泉が原田の縦パスを引っかける前にユンカーが右WB長沼に珍しくがっつりプレスをかけているのが効いていました。また小泉が自分で点を取りに行ったのも、とかく得点意欲に疑問符が付く小泉にしては珍しかったかも。

・2点ビハインドになった鳥栖は56分垣田→宮代、福田→小野、岩崎→藤田の3枚替えを敢行。CF同士の入れ替えだけは判りやすかったものの、フォーメーションも原田右SB、島川CB、藤田アンカー、長沼左SH、菊地右SHの4-1-4-1っぽい形に変更。

・一方浦和は60分リンセン→松尾と交代。これはリンセンのコンディションを考えての予定通りの交代でしょう。

・62分ファンソッコの縦ポンが最前線にいた宮代にいとも簡単に通って裏抜けを許してしまう謎場面があり、宮代は岩波を交わしてゴール。現地では当然オフサイドだろうと思いましたが、VARでもオフサイドはなし。これまたテレ玉の録画で見てもオフサイドかどうか何とも微妙で、VAR担当誰だよ!!と思ったら「いいだのいいふえ」ならぬ「いいだのいいVAR」でした(>_<) 失点場面では酒井が頻りにオフサイドをアピールしていましたが、それより先にやることがあるんじゃね?という気も・・・

・楽勝ムードが漂い始めていた試合はこの不意を突かれたようなゴールで一気にややこしいことに。72分にはユンカー→明本、小泉→関根と代えて「運動量の多い選手を投入して前からハメに行く」というプランAに転じたように見受けられましたが、先の鳥栖の布陣変更に上手く対応しきれていないのか、前プレは笑えるレベルでハマらずに苦戦。

・77分には鋭い切り返しで酒井を交わした途中投入の中野の鋭いクロスがGKと浦和最終ライン裏を横切る際どい場面など、大外で高い位置にいる選手を軸とする鳥栖のクロス攻撃に終始悩まされることになって、浦和は徐々にリトリート主体の守備に再転換。

・苦戦に陥りながらもカウンターで試合を決定づける3点目が取れれば何の問題もなかったのですが、82分岩波が超アバウトに蹴ったボールに反応して卓越したスピードで藤田を振りきったところまでは良かったもののシュートをGKにぶち当て。87分には高い位置でボールを奪った大久保からのスルーパス→松尾のシュートはポストを直撃!!

・2度の決定機を逸したことで浦和はいよいよ逃げ切るしかないと腹をくくり、最初は明本の位置を下げて4-5-1気味、さらに関根を右SBに下げて5-4-1、最後は大久保→江坂、大畑→知念と代えて最終ラインの高さを補充する念の入れようでサイドを突破されるのを防ぎに防いで、ほうほうの体でなんとか逃げ切り勝ち。

Tosu2210009

《総評》

・リトリート主体から前プレへと出方を変えてきたC大阪戦はともかく、前プレ一筋で出方が判り切っている広島相手にハメにハメられてボロ負け。今節も前プレがきつい鳥栖相手にまたしても大敗を喫するようだと、時期も時期なのでクビが涼しくなると感じたのかどうか、リカは方針を一転。守備は前プレをほぼ諦めてリトリート主体、攻撃は鳥栖の手数をかけずに最終ライン裏へボールを運ぶという、なんか古参の赤者ならお馴染みの「浦和保守本流」スタイルで鳥栖戦に臨みました。

・これ自体は悪いことでもなんでもなく、むしろユンカーを筆頭にスペースがあるほうが活きる選手が多い浦和の戦力構成に見合った手だと思います。広島戦で最悪だったのは、きっちり後方から繋ぎたい選手と、それを諦めてバンバン前に蹴ってくれと思っていた選手が混在してチームがバラバラになってしまったこと。鳥栖戦では事前に「とにかく前に蹴れ!!」でチーム内の意思統一が図られていたので、そこは良かったと思います。

・鳥栖戦を見ると今の浦和はプランAしかない訳ではなく、プランBがあるにはある。そして鳥栖戦はプランBだけで寄り切り勝ちしたようなものでしたが、今の浦和の習熟度では試合途中で相手の出方の変化に応じてプランAとプランBを切り替えられるかどうか。広島戦後の選手コメントを読む限り、岩尾なんて「そのスイッチを誰が入れるのか」「スイッチを入れたところで選手全員に伝わるのか」という迷いを口にしていましたし、リカに2年任せて依然その段階なのかと少々かっがりさせられました。

・またとにかく縦に速いプランBだとボールがせわしなく両ゴールを行き来しがちで、見ている分には面白いが「事故」が起きやすくてリスクマネジメントの観点からは大いに問題があります。鳥栖戦を見てもリカは勝ち試合のクローズがあまり巧くなく、プランBでの試合の締め方には苦労しそう。それが嫌なのでボールを大事にして、コントロールしようがない「事故」のリスクを抑えるプランAを軸にしたいのでしょうが・・・

・ボール支配率では鳥栖が7割弱で浦和を圧倒。シュート数はほぼ互角ですが、CK数は2対7とこれまた鳥栖優位と鳥栖も悪くはないスタッツが並んでいますが、決定機はなんだかよく判らない宮代の裏抜けによるゴール以外は39分の西川くらい。枠内シュート及び決定機の数では浦和が圧倒しているので結果は妥当でしょう。

・鳥栖って大外にやたら人数を割いてボールを前に進めるのは巧いものの、その副作用として大外高い位置にいる選手からのクロスに合わせる中が薄いと思いました。合わせるのは垣田or宮代ではショルツ・岩波・酒井相手ではなかなか点は入らんでしょう。全部惜しいどまり。川井監督も試合後「ゴール前に迫る回数は増えていて、シュートを撃つところまでは行っているが、枠に飛ばない」とぼやいている風でしたが。

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《選手評等》

・C大阪戦&広島戦のボロ負けを受けて、鳥栖戦は埼スタにダンマク一切無し。この反応は当然でしょう。

・この試合の大久保はMOMでも良いくらい。相手の整った守備を独力で無効にする切れ味鋭いドリブラーの本領発揮!! ただ大久保の課題は出来不出来の差をなくすことだからな・・・まあコンスタントにあれが出来た日には欧州へ行ってしまうのでしょうが。かつての関根のように。

・大畑はアウェー鳥栖戦こそ故障明けだったこともあって良いところなしでしたが、ホームでは「浦和に来た意味」を相手に感じさせるだけの秀逸な出来でした。ただ「俺の成長したところを見てくれ!!」と大畑が思ったところで、鳥栖の選手は入れ替わりが激しすぎてもはや大畑と被っている選手が少なくてなあ・・・

・リンセンはまだまだ動きがもっそりしている上に、欲しいタイミングでパスが出てこない場面も何度かあってまだまだこれからという印象を受けましたがやる気は満々。あとユンカーとの相性は確かに良さそうで、お互いに相手を巧く引き立てている感じも。1点目はその典型。

・また60分での交代は予定通りでしょうが、交代ボードが出たのに気付いた瞬間にリンセンが全力でプレスバックしてたのには笑いました。割と現金な奴w

・ユンカーのチャントは何かと同じやなと思いましたが、「ススキノへ行こう」だったか!!

・鳥栖はジエゴ、垣田、宮代と昨年まで徳島にいた選手がゾロゾロいるので、試合後はリカや岩尾としばし歓談。消化試合らしくほっこり。試合も鳥栖戦らしくなく、ラフプレー控えめでしたし。

・山下主審は並みいる「あ行主審」よりは格段に良かったかと。割とフィジカルコンタクトでの交錯、転倒は流しまくる系なのには驚きましたし、素早いリスタートでポイントがかなり違っててもあんまり気にしない系なのには驚きましたが、裏抜けしつつある選手へのファウルはちゃんとイエローを出していたので「あ行」よりは好印象でした。

・テレ玉の解説は坪井なのでめっちゃ安心!!DAZN垂れ流しでなくてホンマ良かった。

Tosu2210014

---ユンカー--リンセン---
小泉-------大久保
---岩尾--伊藤---
大畑-ショルツ--岩波-酒井
-----西川-----

(得点)
40分 ユンカー
50分 小泉

(交代)
60分 リンセン→松尾
72分 ユンカー→明本
72分 小泉→関根(大久保が左SH、関根が右SHへ)
89分 大久保→江坂
89分 大畑→知念

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-----垣田-----
--西川----菊地--
岩崎-島川--福田-長沼
-ジエゴ--ファン---原田-
-----パク-----

(得点)
62分 宮代

(交代)
56分 垣田→宮代
56分 福田→小野
56分 岩崎→藤田
72分 島川→中野
83分 菊地→福井

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2022.10.02

【DAZN観戦記】22年第31節:広島 4-1 浦和 ~ リカの2年間って何だったんだろう・・・

 リカの2年間はスキッベの1年間に遠く及ばない。そう断じざるを得ないほど無残すぎる試合結果、試合内容でした。

《スタメン》

・奇しくも先週末にルヴァン杯準決勝を闘ったもの同士の一戦。もっとも結果は対照的でしたが・・・

・浦和はルヴァン杯から関根→酒井、明本→大畑、松崎→江坂とスタメン3名入れ替え。酒井と大畑は代表遠征からの復帰。

・試合前の会見でリカが出場可能性を匂わせていた通り、リンセンがついにベンチ入り。

・一方、その会見の場でモーベルグが「少しコンディションが落ちた状態でプレーしていて、負傷してしまっている」ことも明かされ、ルヴァン杯に続いてベンチ外に。また馬渡や宮本は共にベンチ外で、ベンチメンバーの構成から察するに関根はもはや「一応SBも出来るSH」という扱いになったのかも。

・広島はルヴァン杯から野上→茶島とスタメン一人入れ替えたのみ。

Hiroshima2020001_20221002091601

《試合展開》

・広島が強烈に前からプレスをかけてくるのは判り切っているはずなのに、浦和はそれに抗しきれずに全くボールを前に進められない惨状。立ち上がりから自陣深い位置に押し込められ、立て続けにセットプレーを許した挙句、9分野津田CKのこぼれ玉を茶島シュート→GK西川が弾いたこぼれ玉にヴィエイラが詰める絶好機が生じるも、ヴィエイラのシュートはなんと枠外!!

・九死に一生を得た浦和は11分反撃に転じ、岩尾→右サイドから大久保のクロスに江坂ヘッドという良い形を作るも枠外。そして浦和序盤の見せ場はこれが最初で最後。たまにロングボールを蹴って松尾に裏抜けさせる意図も伺えましたが、タイミング良くボールが出てくることは全くありませんでした。

・そして浦和のビルドアップがダメダメなのはなんら変わらず、22分西川→岩尾→西川のパス交換で岩尾のバックパスが緩くなったところを森島に猛然と詰められてあえなく失点。

・とにかくボールの失い方が悪い浦和は25分酒井の縦パスをカットされたことを契機に、広島左サイドから野津田クロス→ファーで右WB茶島に決定機を許すも、幸いシュートは枠を捉えきれず。

・給水タイムを挟んで江坂や小泉が下がってビルドアップを助けることでようやくボールが前進。44分広島のハイプレスを見事に交わして小泉シュートも距離がある上に勢いがなくてGK大迫楽々セーブ。45+1分岩波がズバッと江坂へ縦パスを差し込んだのと契機に高い位置でボールが繋がり、最後は大久保に決定機が生まれるもシュートはGKの正面。

・ビルドアップに人数を割くとボールは回るようになるが点を取る人がいないって、まるで昨年前半(=小泉が下がるとボールは回るが点は入らない)に良く見た光景の再現。でも、そもそもボールがさっぱり前に進まないようにはマシと割り切って見ていましたが、後半になると再度浦和の攻撃は停滞。とはいえ前半ほどボールの失い方は悪くないので広島にも決定機は生まれないという塩試合になりかかったところで、浦和ベンチはユンカー・リンセン・柴戸の3人を用意。

・このベンチの様子を見て集中が切れた訳ではないのでしょうが、62分CKからの流れで失点。茶島ミドルシュートのこぼれ玉を拾った森島が右サイドからクロス→最前線に残っていた荒木が押し込む形でしたが、この場面を見るとモチベーションの差が歴然というかなんというか・・・

・その直後に浦和は松尾→ユンカー、小泉→リンセン、伊藤→柴戸と怒りの3枚替えを敢行し、江坂トップ下の4-3-1-2に変えたように見受けられましたが、広島の猛プレスの前に浦和のビルドアップが壊滅状態という根幹の問題は手つかずのまま。かといって、ロングボールを多用する方針に転換するわけでもないので、2トップは最前線で虚しく徘徊するばかり。70分には大畑に代えて関根を投入し、3-4-1-2みたいな形でさらに前がかりに出た様子でしたが、前に人数を割いてもそこまでボールが進まんでしょうに・・・

・そして案の定71分浦和のビルドアップの拙さを突かれてまたまた失点。西川からの縦パスを受けた柴戸(?)のアバウトすぎる横パスを川村にカットされ、川村→満田が豪快に西川のニアをぶち抜いて3点目。満田にあっさり交わされる岩波も哀れ、ニアをぶち抜かれる西川もまた哀れ。

・広島は終始前がかりで後方にスペースがあるので偶発的に2トップにボールが入った時の破壊力は凄まじく、75分ショルツの素早いリスタートから大久保スルーパス→ボックス内ユンカー折り返しと縦に速く、かつシンプルに繋がってボックス内でリンセンに2度決定機が生まれましたが、ここはGK大迫が好セーブ。そこで得たCKからの流れで大久保クロス→リンセンが頭で繋ぎ、最後は柴戸ヘッドでようやく1点を返すも反撃もここまで。

・試合結果を左右するほどではありませんが、御厨主審もどういう訳か浦和のファウルは結構細かく取る割には広島のファウルはなぜか流しまくりだったのが結構難儀で、浦和の反撃を寸断するのに一役買っていたような気も。82分大久保が与えたFKを満田が直接ぶち込んで勝負あり。この場面、西川が挙動不審では完全に逆を突かれており、野津田が蹴ると思い込んでいたのか、そこそこ距離があったのでそもそも直接ゴールを狙ってくるとは全く思っていなかったのか・・・

・まさか完全に消化試合になるとは夢にも思わなかったのか、広島へはびっくりするくらい多くの赤者が押し寄せていましたが、試合終了後はDAZNでもはっきりと判るレベルで大ブーイングが響き渡りました。まぁそれも当然でしょう。

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《総評》

・先週末のルヴァン杯第2戦に続き、結果・内容とも酷すぎる試合でした。しかもやられ方までそっくりで、全く修正出来ていないのには心底呆れかえりました。

・C大阪は対浦和戦ではリトリート主体=浦和にボールを持たせる方針だったチームが一転して猛然と前からプレスをかけてきたので、その方針転換に浦和が上手く対応出来なかったと無理やり納得することも出来ましょう。しかし、今年の広島はスキッベ監督就任以降一貫して猛然と前からプレスをかけてくるチームなのは明々白々。それに全く対応できずに立て続けに惨敗を喫したとなると、リカの能力にも大きな疑問符を付けざるを得ません。

・リカ1年目の序盤、同じように前からのプレスがきつい横浜Mや川崎相手に大敗を喫したことがありましたが、あの時期ならチーム再建途上における「高い授業料」として受け入れることも出来ましょう。しかし、リカの2年目も終わろうとする時期に依然として相手の前プレにハマり続けていとも易々と失点を繰り返すとなると話は別。

・過去そこそこ巧く行っていたことが出来なくなっている件について、リカはACLでの過酷な連戦やコロナ禍によって「個人とチームがコンディションを落としてしまったところがあって、今は当然、いい状態ではない」とコンディション面の問題を上げており、それ自体はあながち間違いではないと思います。

・でも、コンディション面等の影響でプランAが上手くいかない時のプランBを用意出来ているのか。用意出来ていたとしても、その切り替えを誰が発信するのか、あるいか切り替わったことがちゃんと選手達に伝わるのか、という問題がフツフツと・・・

・酒井は試合後「僕らがやりたいことは一応あるけど、やれなかった時の切り替えのスピードが遅すぎる。そこの修正力が本当に大事になる。難しいですね。特に現場でパンパンっと決めなきゃいけない時間があるけど、ベンチと現場(の考え)が合わない時がある。そこを合わせないといけない。今日は非常に困りながらみんなプレーしていた」と語っており、岩尾も同趣旨のことをさらに具体的かつ詳細に語っています。

・一方リカはリカで、「つなごうとするときにうまく突破できているのか、そしてそれがうまくできないとき、それを繰り返してしまっているときにどうするべきなのか、という判断をチームとしてより磨き上げていかないといけない」「広島に関して言えば、つなごうとはしますが、時には前線に蹴る判断もしています。我々としてはもちろんそこのところを武器にしないといけないのですが、時には簡単に前線に入れるところも選択肢の一つとして持てるようにしていきたいと思います」と語り、プランBはあるにはあったけど、上手く遂行できなかったと考えているようにも見受けられます。

・両者を突き合わせると、プランBはあるにはあったけれども、その切り替えについてリカと選手達の間に相当溝があるように伺えます。

・またここ2試合の惨敗を見るにつけ、「そもそもリカはフロントの要求水準を満たしていない」という疑惑も。西野TDは「監督のリクエストに合わせて選手を揃える訳ではない」という意味でのフロント主導の補強をしているので、短期的にはリカのやりたいサッカーと補強した選手が合わない問題(ユンカーが典型例)が生じます。

・西野TDはリカに「徳島でやっていたようなプランAに固執せずに、やり方の幅を広げてくれ!」と思っているのでしょうし、実際リカ1年目は適宜プランBを織り交ぜる柔軟さを見せていたのですが、2年目は大幅に主力が入れ替わってプランA再構築に時間がかかり、ロクにプランBを作れないまま今季を終えようとしているようにも伺えます。で、プランBの発動を待ち侘びるユンカーがひらすらストレスを溜めると・・・

・個人的には今季のリーグ戦の不振は多分にフロントに責任がある(=金がなかったという言い訳はあるにせよ、選手を入れ替え過ぎた)と考えていますが、ここ2試合の惨敗を見るとリカも相当残念と言わざるを得ません。フロントが掲げた「3年計画」でのリーグ優勝とは程遠い結果に終わりましたが、来季のリカの去就や如何に。少なくとも「リカの2年間はスキッベの1年間に遠く及ばない」のは火を見るより明らかで、その辺をフロントがどう考えるかなぁ。もちろん、先述のようにフロントの失敗が先に総括されるべきですが。

Hiroshima2020004_20221002091601

《選手評等》

・優勝もACL圏入りもなく、降格の恐れも事実上ない純然たる消化試合モードに突入してモチベーションも集中力も失っているのか、あるいは諸般の事情でコンディションが良くないのか判りませんが、ビルドアップを担う面々=GK+最終ライン+両CHの出来の悪さは目に余るものがありました。1失点目の岩尾課長はもう殉職モノ。また数々の失点における西川の寄与度を考えれば残り4試合はもう彩艶でいいんじゃないかと。岩波にいたってはもう生ける屍も同然でした。

・残り4試合はもうACL決勝へ向けてリンセンのフィッティングに費やしても良いくらい。リンセンは「彼はまだスタートから出られるようなメディカルコンディションではないので、少しずつやっていくということで、途中から入りました」とのことで、モーベルグみたいに「名刺代わりの一発」こそなりませんでしたが、本人はやる気満々。従ってリンセンだけが消化試合を観戦する数少ないモチベーションになりそうですが、ユンカー同様リカがリンセンを使いこなせない疑惑があってなぁ・・・

Hiroshima2021

-----松尾-----
大久保--江坂---小泉
---岩尾--伊藤---
大畑-ショルツ--岩波-酒井
-----西川-----

(得点)
76分 柴戸

(交代)
62分 松尾→ユンカー
62分 伊藤→柴戸
62分 小泉→リンセン
70分 大畑→関根
87分 大久保→明本

-----ヴィエイラ----
--満田----森島--
柏--野津田-川村-茶島
-佐々木-荒木--塩谷-
-----大迫-----

(得点)
22分 森島
62分 荒木
71分 満田
83分 満田

(交代)
72分 茶島→野上
72分 森島→エゼキエウ
86分 ヴィエイラ→ベン カリファ
86分 満田→柴﨑
89分 野津田→松本

※写真は試合とは全く関係ありません

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