2023.06.08

【TV観戦記】23年天皇杯2回戦:浦和 1-0 関西大学 ~ 勝てば良かろうとしか言いようがない

 過密日程ゆえほぼフルターンオーバーで天皇杯に臨んだのは理解できるものの試合内容は悲惨で、しかも個人レベルでも収穫といえるものはほとんどなく、まさに勝っただけの試合でした。トーナメントなのでそれで十分なのでしょうが。

《スタメン》

 浦和は鹿島戦から中3日、かつ7連戦の6試合目であることも考慮して、リンセン以外スタメン全員入れ替え。故障離脱していた小泉がいきなりスタメンに復帰。
 
 なお彩艶と早川は世代別代表で欧州遠征中。

《試合展開》

 試合の入りはもう目を覆いたくなる惨状。関大の基本フォーメーションは4-4-2で、学生らしく、悪く言えば後先考えずに元気よく前からプレスをかけてきました。その勢いに浦和はたじろいだのか、立ち上がりは自陣におしこまれてしまいました。もっとも関大もサイドから攻撃の形は作れたものの、犬飼&岩波が控える中央を割るのは難しいようで、可能性の感じられないシュートを何本か放っただけ。
 
 10分も過ぎるとようやく浦和がボールを握り始めましたが、最終ラインでボールを回している時間帯が長くてビルドアップに四苦八苦。おまけにパスミスが続出しただけでなく、あろうことか球際で学生相手に競り負ける場面も目立つテイタラク。もう「自爆ボタンを握りしめながらプレーしている」ようにしか見えない選手が何人もいるのにはホトホト参りました。
 
 それでも最初に決定機を掴んだのは浦和。16分カウンターで小泉が右サイドのモーベルグへ大きく展開。モーベルグがDFと対峙しながらカットイン&左足シュートという得意になりましたがGKがセーブ。前半はこのような右サイドで開いているモーベルグや馬渡を使う攻撃が繰り返し見られました。
 
 さらに25分には敵陣深い位置で小泉がボール奪取。リンセン→ボックス内でモーベルグが右足でシュートを放ったが枠を捉えきれず。
 
 ゴールにより近い決定機こそ浦和のほうが多いものの、浦和は相変わらずパスミス、トラップミスだらけで不安定極まりなく、失点の臭いがするのはどう見ても浦和の方という残念な状況で時間が徒過。なおスタート時の浦和の布陣はリンセン左SHの4-2-3-1でしたが、あまりにも機能しないことを見てスコルジャは25分で諦めて、リンセンFW、小泉左SHの4-4-2に布陣変更。しかし、それで劇的に良くなった感じはせず。

 そこでスコルジャはついに57分柴戸→伊藤、小泉→明本、モーベルグ→大久保の3枚替えを決断。この交代、特に伊藤と大久保の投入効果は絶大で、これ以降浦和が関大を自陣に押し込んで一方的に攻め続ける展開に。

 60分右サイドから大久保がドリブルで持ち運んでからリンセンへくさびの縦パス→リンセンが右にはたいてカンテがシュートを放ったものの、シュートはなんとGKの正面。
 
 77分にはGKが前に出過ぎているのを見たリンセンがセンターライン付近から意表を突いてロングシュートを放ったものの、辛うじてGKがキャッチ。79分には左サイドから明本クロス→リンセンヘッドも力なくGKの元へ。80分右サイドから大久保がカットイン&シュートと得意の形を作りましたが、これまたシュートは仕様通りに枠外へ。
 
 この試合浦和最大のピンチは87分岩波のロングフィードをカンテが収めそこなってカウンターを食らった場面。浦和は攻勢に転じてやや前がかりになっていたこともあってか、頭数はいるのに関大の反撃を組織的に受け止められず、しかも2番のスルーパスをボックス内で受けた4番に対して大畑が安易に飛び込んで豪快に交わされる大失態。しかし4番のシュートを岩波がゴールマウス直前でブロック。こぼれ玉を詰めた3番のシュートはバーの上。時間も時間なので、これが決まっていたら浦和が2回戦で負けていた可能性が極めて高かった決定的な場面でした。
 
 中3日で横浜C戦が控えているので延長戦をやりたくないのか、スコルジャは90分に大畑→荻原、カンテ→髙橋と代えてみたものの、その甲斐もなく試合は延長戦突入。

 ただ左サイドの「北関東連合」はやはり学生には脅威だったようで、93分荻原が独力で左サイドを突破&クロス→髙橋には僅かに合わなかったものの、こぼれ玉をリンセンシュート!しかしDFにブロックされてゴールならず。
 
 98分には犬飼が両足を攣って試合続行不可能となり、マリウス投入という非常事態に。
 
 そしてついに均衡が破れたのが105分。リンセンが高い位置でボール奪取したのを契機に、左サイドから荻原グラウンダーのクロス→ボックス内で明本がどフリーでシュートを放つものの、イージーな決定機は決まらないの明本の仕様通りにDFがブロック。しかしこぼれ球を伊藤が押し込んでようやく浦和先制。

 先制したとはいえ延長後半15分が丸々残っていて、最後は馬渡も足を攣って動けなくなり、明本が右SBに回って馬渡を右SHに出し、大久保が左SHに回る応急措置。しかし、関大も途中怪我人や足を攣る者が出て早めに選手を代えざるをえなかったのが祟って反撃の余力はなく、そのまま試合終了。

《総評》

 それにしても酷い試合でした。試合終了後駒場スタジアムをぐるぐると挨拶に回る関大の学生さん達に惜しみない拍手が送られた一方、浦和の選手達には野次が飛び交っていたのもやむを得ないでしょう。正直この出来ではもうリーグ戦で見ることはないというレベルの選手も何人かいましたし・・・
 
 スコルジャも「今日は非常に悪いゲーム、非常にプレーが乏しい試合でした」「今日の試合の勝者は関西大学だった」「今日の試合では、(メンタル、フィジカル、もしくは戦術)全ての面で足りなかったと思います」とこの試合をボロクソに評していて怒り心頭のご様子。怒りのあまりコメントが短すぎて、この残念な試合の主因がどこにあると見ているのか監督のコメントからはよく判りません。
 
 同じようにほぼターンオーバーを仕掛けた先週のルヴァン杯川崎戦のスタメンと比べると違っているのはトップ下(小泉→早川)とGK(彩艶→牲川)だけ。ルヴァン杯川崎戦では普段の控え組の出来にスコルジャもそこそこ手応えを得ていたようなので、まさかここまで酷い試合になるとはスコルジャも夢にも思わなったことでしょう。
 
 スコルジャが話さなかった、話せなかったことを小泉の試合後コメントから察するに、メンタル面では「みんな少し余裕がなかった」「必要以上にネガティブになっている、ナーバスになっている」、戦術面では「ビルドアップのところでいい立ち位置を取る、もしくは個人の質で着実にビルドアップしていく方法と、多少ひっくり返してハイプレスでそこに閉じ込める、その2つの方法があったと思いますけど、どちらも中途半端な形になってしまいました。」といった辺りでしょうか。
 
 伊藤なんて「一人一人自分勝手なプレーをしてましたし、少しチームとして機能していなかった。」と辛辣な評価をしており、傍目にはこのコメントが最もしっくりきました。言い換えれば「大学生を相手にしてリスペクトが足りなかった」と。
 
 リーグ戦でスタメンでは出られない選手、そしてベンチ入りも難しくなってきた選手にはそれなりの理由があることが良く判った試合。見ている者にとっては、甚だ残念な意味合いながらそれが収穫と言えましょう。

《選手評等》

・小破してベンチ外が続いていた小泉がこの試合でいきなりスタメン復帰。コンディションは思いのほか良さそうで、この試合のスタメンではマシなほうと感じました。早めに下げられたのは出来の悪さではなく、横浜C戦での出場を睨んだものと目されます。

・小泉は「前日練習であまり僕が落ちない形を多くやっていたので、そういうところにとらわれすぎたと思います。」とのコメントを残していて、やはりスコルジャ流の「公式試合でのテスト」を課された上でプレーしていた模様。ただ周りの選手、特に往々にして自由過ぎるプレーをする前目の外国人選手をコントロールする「猛獣使い」としてはもはや早川に及ばない気も。

・スコルジャはなぜかリンセン左SHでの起用に拘り続けていますが、今日も今日とて単なる時間の無駄遣いに終始。しかし2トップの一角に入ったところで決定機は決められず、何の連動性も感じられないまま気ままに走り続けること120分。それだけ走れるのが凄いといえば凄いのですが、こんなに組織の中に組み込むのが難しく、しかも点も取れない選手をこれ以上抱える意味があるのかどうか。大学生相手にすら違いを見せられない、大学生相手ですらボールが収まらないリンセンって何なん??臨戦体制!!!ってワクテカしてたあの日々が虚しいわ・・・

・柴戸、平野、馬渡、モーベルグ、大畑と「自爆ボタンの早押し競争」「自爆ボタンの連打競争」みたいになっていて恐ろしいのなんの。今の敦樹は今の柴戸の3人分くらい仕事しているイメージ。柴戸はなんでこんなに敦樹と差がついてしまったのか・・・

・そしてこの試合でベンチにすら入れない松崎・知念・シャルクはもはや戦力外で夏の放出候補なのだろう。

 この試合のMOMは関大の女子マネ。同志社や関学ならともかく、関大に可愛い女子マネがいるのが意外過ぎたわ!!昔とだいぶイメージちゃうなぁ・・・そして出島にも女子マネがいるのには驚いた!!!

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-----カンテ------
リンセン---小泉--モーゲルグ
---柴戸--平野---
大畑-犬飼--岩波-馬渡
-----牲川-----

(得点)
105分 伊藤

(交代)
57分 柴戸→伊藤
57分 小泉→明本
57分 モーベルグ→大久保
90分 大畑→荻原
90分 カンテ→髙橋
98分 犬飼→ホイブラーテン(両足攣ったため)

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2023.06.05

【観戦記】23年第16節:浦和 0-0 鹿島 ~ 疲労困憊じゃ仕方ないか・・・

 福岡戦から続く連戦また連戦。京都&広島に続いて強度が高い相手との三連戦は殊の外ダメージがデカかったようで、浦和は概して動きは芳しくなく決定機も僅少。ただ鹿島の決定機も少なく、スコアレスドローは妥当でしょう。

《スタメン》

 浦和は5/20のアウェー福岡戦から続く7連戦の5試合目。前節広島戦から中3日でカンテ→興梠、モーベルグ→大久保、岩尾→リンセンとスタメン3名を入れ替え。故障明けの酒井も明本も当然のようにスタメン起用。浦和の今季のメディカル体制は良い意味でどうなっとるんや???

 スコルジャ流では徐々に評価が下がって来たのが見え隠れしていた岩尾はついにベンチスタートに。よって平野はベンチ外のまま。また早川がベンチ入りしたので柴戸がベンチ外に。

 週央に試合がない鹿島は前節鳥栖戦から仲間→佐野とスタメン1名入れ替えのみ。

Kashima2306001

《試合展開》

 鹿島の基本フォーメーションはいつもの4-4-2。一方浦和は興梠とリンセンを併用したのでこちらも4-4-2と思いきや、リンセン左SH&関根トップ下の4-2-3-1で試合開始。
 
 過去リンセン左SHって機能した試しがないどころか、本人も嫌がって勝手に持ち場を放棄してしまう場面が多々見られたので、スコルジャがなぜリンセン左SHに拘るのか全く判りません。そして案の定というかなんというか、浦和は前プレが全然ハマらずに11分特にパスワークに定評はないはずの鹿島にパスワークで中盤をズタズタに切り裂かれた挙句、後ろから飛び出してきた佐野にシュートを撃たれてヒヤリ。
 
 このあまりの惨状を見てスコルジャも諦めがついたのか、リンセンを前に上げて関根左SHの4-4-2に転換。しかもリンセンは2トップの右側にいて、スコルジャはリンセンを左サイドに置くことに拘っている風でもなさげ。うーーん、この10分は何だったのか・・・
 
 しかし、この布陣変更も大惨事がボヤになっただけの話。そんなにボール保持に重きを置いている訳ではない鹿島にボールを握られ続け、浦和は自陣で4-4-2の守備ブロックを作って耐える時間帯が長く続きました。しかも、日程が厳しい浦和はコンディション面での差が露骨に出てしまって球際で劣勢。これも浦和が苦戦を余儀なくされた一因でしょう。
 
 さらに伊藤&安居のCHコンビは共に最終ラインに落ちない形でのビルドアップを試みていましたが、これまたなかなか上手く行かず。ビルドアップに失敗して自陣でボールロスト→ショートカウンターを食らう大惨事こそありませんでしたが、浦和は自陣から出るのが精一杯で攻撃はほとんど仕掛けられず。
 
 浦和を自陣に押し込み続ける鹿島。22分右サイドからビトゥカのミドルシュートが枠内を強襲しましたが、今の西川相手ではまずこういうのは入りません。この試合鹿島最大の決定機は24分CKのクリアボールをピトゥカがシュート。これがマリウスに当たってのこぼれ球がどフリーの鈴木に渡るも、鈴木のシュートを西川がビッグセーブ!!
 
 鹿島は「ボールを持たされた」という評価は当たらないと思いますが、持ったところでサイドからのハイクロス攻撃しかなく、そういう手合いはショルツ&マリウスがいる浦和にはまず通用しません。よって鹿島の攻勢は24分の決定機を逃した後は尻すぼみに。
 
 40分くらいからようやく浦和がボールを握れるように。左サイドから関根&明本のコンビで盛んに鹿島のSB・CB間を裏抜けを図り、前半終了間際には明本が角度のないところからシュートを放つもディフレクトしてポスト直撃!!
 
 スコルジャは2トップでも良いところなしだったリンセンを諦めて後半頭から岩尾を投入し、安居トップ下の4-2-3-1へ布陣を再変更。ビルドアップも岩尾が最終ラインに落ちるいつもの型となり、面子もほぼACL決勝メンバーになったためか浦和のビルドアップ自体はぐっと良くなりましたが、今後は自陣に引いて構える鹿島の4-4-2の守備ブロックを崩せず。
 
 スコルジャは66分にカンテとモーベルグを投入。しかもモーベルグが投入されたのはいつもとは逆の左SH!!投入直後に左サイドからモーベルグがクロス→カンテ飛び込む形があり、スコルジャはここに戦況打開の糸口を見出したのでしょうが、CB植田&関川が構える鹿島の防空性能は非常に高くてクロス攻撃は全く決定機にならず。78分荻原と早川の投入でもクロスに頼りがちな浦和の攻撃パターンに変化はなく、依然決定機は作れず。

 鹿島も後半盛んに選手を代えたものの、自陣に押し込まれた挙句に鈴木目がけてロングボールを蹴ったり、ロングボールで裏抜けを狙わせたりと単純かつ単調な攻撃しか出来ず、浦和以上に何の可能性も感じられず、試合は次第に塩分マシマシに。鹿島の選手交代で唯一変化を付けられたのは最後に左SHに投入された俊足の藤井。藤井が左サイドを深く抉って低くて速いクロスを入れ出した時間帯には少し光明が見いだせた気がしましたが、これも決定機には至らず。
 
 浦和がこの試合最大の決定機を掴んだのは90+2分。酒井のボール奪取から始まる一連の攻撃でボックス内から荻原クロス→カンテが左SB安西の前に入ってヘディングシュートを放つもGK早川に阻まれてしまいました。
 
 試合終了間際にはエンタメ性を補うかのような小競り合いがあり、両チームに計4枚ものイエローカードが乱舞する一幕がありましたが、ただそれだけで試合終了。

Kashima2306010
 
《総評》

 終わってみればシュート数、枠内シュート数、ボックス内からのシュート数、ボール支配率ともほぼ互角。前半は鹿島、後半は浦和ペースの試合だったので、どちらも「勝てた!」という印象を持つかもしれませんが、決定機らしい決定機は共に一回しかないのでスコアレスドローは妥当でしょう。
 
 鹿島のロングボール&ハイクロス多用の攻撃って浦和には一番通用しづらいものなので負ける気はしませんでしたが、勝てるかとなると鹿島の守備はいつの間にか非常に堅固な、クソ面倒なチームに変貌していて、そんな観点からもスコアレスドローは妥当でしょう。鹿島同様、浦和の攻撃もしょぼくてスコアレスドローと言い換えても良いでしょうし(自嘲)。
 
 当事者としては最後まで気が抜けない、緊迫感溢れる、まさに両者がっぷり四つの試合でしたが、如何せん決定機らしい決定機が共にほとんどないのでエンタメ性には乏しく、第三者的、あるいはサッカーを見始めたばかりの方には退屈な試合だったかもしれません。
 
 それはさておき、面白かったのは試合後のスコルジャの会見。「鹿島のハイプレスは他のチームとは少し形が違います。いつもとは違うビルドアップで、そのプレスを破ろうとしました。」「敦樹と海渡のボランチでの組み合わせも見たかったのです。今後、海渡をトップ下だけでなく、ボランチで起用する試合も増えてくると思ったので、それを見たいと思いました」と鹿島戦の前半はテスト的色彩があったことを認めていること。会見では触れられませんでしたが、モーベルグ左SHもテストの一環でしょう。
 
 連戦また連戦。ずっーーーとリカバリー系の練習を続けながら連戦に臨む監督もいる一方、スコルジャは選手のコンディションを重視してちゃんとオフを入れるタイプの様子。鹿島戦の3日前にもきっちりオフを与えていたようで、当然ながら「ゲームへの準備で戦術練習が1回しかできない」状態で鹿島戦に臨む羽目になりました。従ってスコルジャは公式戦そのものを半ば練習に充てて、足りない練習時間を補ったのでしょう。
 
 残念ながらテストの結果は凶。「それがうまくいきませんでした」「期待通りにはいきませんでした」「今日はそれが私のベストアイデアの一つではなかった」とがっかりコメントを連発。誰もが超重要な大一番と考えている鹿島戦でテストをして負けでもしようものならボロクソに言われたことでしょう。
 
 しかし、浦和は負けなかった。負けなかったどころか鹿島に与えた決定機らしい決定機は24分鈴木の一回こっきり。しかも負けないどころか最後はカンテに決定機があって勝ち目すらあるところまで持って行き、最低限のタスク=勝ち点1は確保できました。
 
 要するに一年を通じて最も日程がきついと思われるこの時期に難敵鹿島を倒して早急に上位へ浮上することには重きを置かず、「長いリーグ戦の最後の最後でトップに立ってたらええやん!!」と割り切り、鹿島戦ですら強化過程の一環と捉えたのでしょう。そしてテスト自体はあまり上手く行きませんでしたが、「テストだから結果は度外視」とまでは割り切らず最低限のタスクは果たす。
 
 ああ、これってフルターンオーバーを繰り返しながら最初の4試合全部引き分けでやり過ごし(ホーム清水戦の引き分けだけは誤算と思いますが)、5試合目でついにグループリーグ首位通過の目を出したルヴァン杯に相通じるスコルジャのやり方!ひいては序盤のリーグ戦自体をACL決勝への準備に費やしたスコルジャ流!!
 
 なにせスコルジャ体制になったまだ半年。最終着地点を見据えて仕事を進めるスコルジャ。その過程で上手く行かないこともままあるが、最低勝ち点1を拾いながら前に進む。ホーム鹿島戦はドローで終わってしまいましたが、個人的にはここでのテストがリーグ戦後半に活きてくると信じて前向きに捉えることにします。

Kashima2306016

《選手評等》

・お疲れのためか浦和の選手達はおしなべて精彩を欠き、ショルツ&マリウス&西川による「鉄の三角形」が目を惹くばかり。リンセンは小泉が復調したらもう出番はないかも。もっともこの試合は興梠の出来もたいがいだったので、リンセンだけ責めても仕方ないと思ったけど。

・鈴木が好き勝手に中盤に降りて来ずに、前に張りっぱなしなのは意外でした。それ以上に鈴木の試合後コメントがあたかも人間性を取り戻したかのように実に要領を得ていて、傍目からも納得できるものだったのでびっくり!!これもショルツ神の御威光に触れたおかげでしょうなぁ・・・

・この試合の主審はJFAの「審判交流プログラム」によりプレミアリーグから来たアンドリュー マドレイ氏。プレミアリーグから来た割にはちょっとしたフィジカルコンタクトで簡単にファウルを取るのには驚きましたが、それはそれで一貫しているので無問題。24分酒井のクロスがビトゥカのハンド=PKと思われる場面があったものの、VARと交信してOFRまで行かずにノーファウル。最後の小競り合いでなんで4枚もイエローを出すのか少々不可解でしたが、総じて明らかに上手い!!とは思わなかったけど「なんじゃそれ???」と思う場面もなかったので、Jリーグの平均的な残念過ぎる主審よりはマシだったという印象。

・北ゴール裏では赤白黒の大旗が揺れる!揺れる!!旗屋のトスパ様、RBC加入効果が絶大すぎます!! 浦和法人営業から見れば、他社へセールスする際の好事例でしょうし。

・今年の鹿島戦は45,575人の大入り。2018年の46,893人を少し下回る程度(2019年は水曜開催だったので考慮外)で、集客に不利な日曜開催なことを考えれば上々の出来。他所と違って無料招待をほとんどしないにも関わらずこの入りは見事。今年は入る試合とそうでない試合が極端に2極化するのかなぁ?

Kashima2306008

-----興梠-----
リンセン---関根--大久保
---安居--伊藤---
明本-マリウス--ショルツ-酒井
-----西川-----

(交代)
HT リンセン→岩尾(岩尾CH、安居トップ下)
66分 関根→モーベルグ
66分 興梠→カンテ
78分 安居→荻原(荻原左SB、明本左SH、早川トップ下、モーベルグ右SH)
78分 大久保→早川

Kashima2306009

---鈴木--垣田---
樋口--------名古
---ビトゥカ--佐野---
安西-関川--植田-広瀬
-----早川-----

(交代)
59分 垣田→土居
59分 名古→仲間
73分 樋口→カイキ
73分 広瀬→常本
87分 佐野→藤井(藤井左SH、カイキFWへ)

 

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2023.06.01

【観戦記】23年第11節:浦和 2-1 広島 ~ 殴られてやっと目覚める浦和かな

 立ち上がりからやや広島ペースで試合が進み、案の定先制点も奪われてしまいましたが、そこからの反撃が凄まじいのなんの!!見事な逆転勝ちでした。出来れば最初からこれをお願いします(苦笑)

《スタメン》

 ACL決勝の影響で先送りになっていた第11節。共にリーグ戦前節から中3日。しかもその前の週は水曜日にルヴァン杯を消化しているという点でも全く同じスケジュールの両者。
 
 浦和は興梠→カンテ、大久保→モーベルグ、荻原→明本とスタメン3名入れ替え。「酒井は故障が慢性化していて中3日で使うのは厳しい」という話があったはずなのに中3日でスタメンで出てきたのには心底驚きました。また福岡戦で負傷した明本は結局ルヴァン杯を休んだだけでこの試合はとうとうスタメンに復帰。
 
 カンテ&モーベルグがついに揃ってスタメン出場となり、興梠&大久保がベンチスタート。中3日で鹿島戦が控えており、さらに来週は天皇杯&横浜C戦と続く過密日程ゆえ、「ACL決勝メンバー」からちょっとずつ入れ替えを始めたのでしょう。スコルジャもルヴァン杯川崎戦辺りから控え組の底上げに手応えを感じていることでしょうし。

 またリンセン&柴戸がベンチ入りした反面、平野&早川がベンチ外に。ベンチ入りを巡っての競争も激しくなっており、「メディカル的な理由」で福岡戦からベンチ外に小泉は大原には戻ってきているものの、この試合もベンチ外に。

 広島はエゼキエウ→野津田、柏→東とスタメン2名入れ替え。なお広島は満田が福岡戦で大怪我を負って長期離脱中な他、塩谷が故障中の模様。

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《試合展開》

 浦和は4-2-3-1(守備時4-4-2)、広島は3-4-2-1といつもの布陣ながら川村が本職のボランチではなくトップ下に入ったのが目を惹きました。
 
 基本フォーメーションは全く噛み合わず、ギャップが出来やすい両者。浦和はカンテ&モーベルグを揃ってスタメン起用したためか、ハナから前プレを捨てたような格好で試合に入りましたが、序盤は広島の厳しい前プレで浦和は自陣に押し込まれがちに。ビルドアップもままならないためかロングボールを多用して広島の高い最終ライン裏を狙う攻撃が目立ちました。
 
 そしてその形がいきなり実りかかったのが6分。ショルツのロングボール→最前線で伊藤が収めてカンテシュートのシンプルな攻撃を仕掛けましたが、シュートは枠を捉えきれず。続く7分にもロングボール攻撃を仕掛けましたが、ボールを持ったまま左サイド奥深くまで走ったモーベルグのボールロストからカウンターを食らい、モーベルグのいない右サイドのスペースに展開されて東クロス→松本の決定機。

 浦和は広島の前プレが緩んだ20分くらいからようやくボールを持つ時間も増えだしましたが、攻撃の基本はやはりロングボールから。26分には岩尾ロングボールの跳ね返りを拾った関根がシュートを放つも枠を捉えきれず。前半は関根のフィニッシュで終わる場面が目立ち、13分にはCKからの流れ、21分には左サイドからカットインしてシュートを見せ場を作ったものの、ゴールならず。


 試合そのものはやや広島ペースにも関わらず、広島はほとんど決定機を作れず、惜しかったのは31分CKからの流れでベンカリファがフリーでシュートを放った場面だけ。しかもベンカリファはシュートを撃ち損ねて、バウンドしたボールは枠内を襲ったものの西川がリフティングで難を逃れました。
 
 そしてこの決定機を逃して以降の前半は完全に塩試合に。広島は左サイドからのクロス攻撃を多用していましたが、単純にクロスを入れてもショルツ&マリウスが控える浦和守備陣を崩すのは難しいんじゃないかと。

 そこで先に動いたのは広島。後半頭からベンカリファに代えてヴィエイラを投入したのがいきなり奏功。50分モーベルグのボールロストを契機に野津田縦パス→ヴィエイラがフリック一発でショルツを剥がしたのが効いて、ボールを拾った川村がDF4人に囲まれながらもボックス内突入。川村のシュートこそ西川が一旦防いだものの弾くのが精一杯で、森島が詰めて広島先制。

 しかし浦和は失点して初めて目が覚めたかのように大反撃。56分モーベルグクロス→ファーに安居が飛び込んだものの、住吉にブロックされてゴールならず。ただこの場面でGK大迫が安居と交錯して傷んでしまったのが勝負のあやになったかも。もともと大迫のキック精度には定評がないのにこれ以降のキックが壊滅状態に。
 
 ここが勝負どころと見たスコルジャは67分にカンテ→興梠、岩尾→リンセン、モーベルグ→大久保と3枚替え。69分には大久保の縦パスを関根がボックス内で反転、佐々木を交わしてシュートを放つもここは大迫セーブ。71分大久保FKは惜しくもサイドネット。しかし72分右サイドからの攻撃で関根が中央へパス→ボックス内でフリーで受けた伊藤縦パス→最終ライン裏へ抜け出した酒井が角度のないところから大迫の位置を見極めてゴール!!
 
 これ以降はほぼ浦和が一方的に攻め続ける試合展開に。74分リンセンのシュートは意表を突いた感はあったものの、シュートコースが制限されていたのか大迫の正面。
 
 82分には関根に代えて荻原を投入し、久しぶりに左サイドで北関東連合が復活。83分佐々木からのボール奪取に始まるショートカウンターで興梠のシュートはブロックされて枠外へ。88分大久保右サイドからカットイン&シュートという超得意の形を作りながらも最後はまさかの宇宙開発事業団・・・
 
 広島も65分野津田→エゼキエウ、71分茶島→中野、89分森島→柴﨑と選手を代えたものの、浦和とは対照的にその交代はほとんど効果なし。先制点以降の広島のチャンスらしいチャンスは79分左サイドで酒井からボールを奪ってのショートカウンターだけで、そのチャンスも森島や中野のシュートが共にマリウスにブロックされてしまいました。

 やたら長いVARチェックや大迫治療のために8分もあったAT。90+2分に酒井クロス→ファーでリンセンヘッドで折り返し→中に伊藤が詰めてついに浦和逆転。逆転された広島はハイボールをバンバン放り込んできましたが、ショルツ&マリウスが聳え立つところにそんな単純な攻撃を仕掛けても全く意味がなく、そのまま試合終了。

Hiroshima2305006

《総評》

 終わってみればシュート数、枠内シュート数、ボックス内からのシュート数とも浦和が優位。「世界三大がっかりスタッツ」のゴール期待値も浦和が優位。しかも広島のゴール期待値は先制点を取って以降はほぼ横ばいで、浦和が同点に追いついてからはずっと浦和が優位と珍しく試合内容を実に的確に捉えており、スタッツ的にはどこからどう見ても浦和の勝利は必然ということになりましょう。

 しかしそれは「終わってみれば」の話。先制点を取られるまでのグダグダ感、シオシオ感からすれば、その後怒涛の大反撃が始まるなんて夢にも思いませんでしたし、それだけに反撃が始まって以降の試合は見応え満点。エンタメとしては非常によく出来た「大活劇」でした。
 
 そして試合後のスコルジャのコメントを聞くとあのグダグダ、シオシオだった時間帯も全ては後半の反撃へ向けての布石思えてくるのだから不思議なもの。「広島の大きな武器は切り替え。つないでいて中で失ってしまうと大きな問題になる」→「立ち上がりは少し長いボールを蹴るというのがゲームプラン」→「それならターゲットになるカンテをスタメンにしよう」→「でも試合を通じてそれをやり続ける訳でなく、スペースが空きはじめたらショートパスでつないでいこう」というのがスコルジャの前半のゲームプランだったようです。広島同様、前プレのきつい京都相手に前節自陣でのボールロストが目立ったことの反省もあったかもしれません。
 
 そして広島の前プレを空転させること自体には成功しましたが、全てがスコルジャのゲームプラン通りだった訳ではなく、「スペースが空きはじめたらショートパスでつないでいこう」のプロセスはあまり上手く行きませんでした。これがグダグダ感、シオシオ感の正体なのかもしれません。
 
 しかも後半スコルジャは「ハーフタイムではより前からプレスを掛けにいこうと話した」そうですが、そんな様子はピッチ上には現れず、逆に広島の狙い通りのカウンターを食らって失点。逆転勝ちしたとはいえ「後半の立ち上がりがあそこまで悪い試合ですと、狙い通りとは言えません。全てプラン通りとは言えません。」とスコルジャがぼやくのも道理。
 
 先制点の場面が典型ですが、広島の「最前線の人に当てる→ちょっと下がった選手が拾う」の繰り返しで前進するのがめっちゃ上手い。あれには感心しました。ボールを確実に前に運ぶことについては浦和は広島に遠く及びません。スキッベが「最初の60分、65分までは、自分たちのほうがいいサッカーをできていたと感じています。」と豪語するのも納得。
 
 ただ広島は比較的良かった時間帯ですら1点しか取れないどころか、決定機もそんなに数多く作れた訳でもありません。この辺はゴール期待値(笑)が高い割には点を取れていない典型みたいで。その主因が前目のタレントの質の問題なのかどうか判りませんが。
 
 そして先制点を取られた浦和が続々繰り出してくる攻撃陣の圧力を受け止められずに終盤広島守備陣が大決壊。広島の守備は常に前がかりで前プレがハマっている時は強力ですが、自陣に押し込まれがちになると案外脆いようで。5-4-1の守備ブロックで耐えるしかなかったJFK広島時代とは好対照。ロングボールを多用して広島の前プレを空転させた前半が広島の電池切れをもたらし、浦和はオープンな攻撃合戦に持ち込むことに成功しました。
 
 スコルジャは終盤の大攻勢の主因についてあまり多くを語りたがらないようで「攻撃的な選手と守備的な選手のバランスを変えました。特に、ホームゲームでは相手が疲れてきたところでこのようなオプションを使っています」と言及するに留まりましたが、交代で出てくる選手の質の差が逆転勝ちに繋がったのは間違いありません。
 
 浦和は1試合消化数が少ない状態で暫定4位に浮上。2位横浜Mまで勝ち点3差となりました。ただ次節は中3日で難敵鹿島を浦和の方がコンディション面で不利な状態で迎えるのでまだまだ安心できません。

Hiroshima2305020  

《選手評等》

・MOMは文句なしに1ゴール1アシストの伊藤。まさに"BOX to BOX"の権化となって終盤はピッチ上で大暴れ。広島の川村が日本代表に初選出されて注目が集まっていましたが、こちらは先制点に絡んだ場面以外はいないも同然。森保監督の見る目の無さをこんなところで実感するとは(苦笑)。でも伊藤は終盤あれだけ大暴れしたら、鹿島戦はベンチスタートかも・・・

・関根はあれだけ決定機に絡んでいながら一点も入らないのは正直残念過ぎ・・・でも前半から広島のやたら高い最終ライン裏を脅かす仕事は出来ていたので、スコルジャ的には許容範囲内かも。そして大久保宇宙開発事業団の「まいど1号・2号」にも参りました。浦和のしょっぱい2列目は相変わらず。どんぐりの背比べ感はあるものの、得点能力は安居が一番マシというのも実感。

・酒井は飛び込んでぶち抜かれる失態が2回ありましたが、あれはお疲れなのかなぁ。失点場面でショルツがヴィエイラにやられた場面もですが。

・久しぶりにリーグ戦スタメン出場のモーベルグ。残念ながらしょーもないボールロストが多くて収支はマイナス。大久保スタメン→モーベルグ途中投入のほうが効果的かな、現状では。

・リンセンは投入当初こそどう見ても左SHにいたのですが、どんどんポジションが中へ入ってしまい、事実上2トップ化。リンセンが頑なに既得権益を主張するので、仕方なくスコルジャが荻原を投入して明本を左SHに配転したのには笑いました。リンセンは関東軍かよ!!(北関東ではない)でもボックス内でこそ持ち味を出す選手なのは明白で、決勝点をアシスト。

・この試合のDAZN解説は永井。DAZNはあのOBの浦和戦解説が非常に評判が悪いことを知って意図的に避けはじめ、その代わりに坪井や永井を起用しだしたのかな?

・森島のゴール後のVARチェックがやたら長かった原因は現地ではさっぱり判らなかったのですが、オフサイドの可能性をチェックしていたとは。非常に際どいオンサイドだったようですが、オーロラビジョンでは何をチェックしているのか流してくれず。うーん、エンタメとしてどうなの、この辺・・・

先制したのにクローザー不在で逆転負けするってめっちゃ広島カープ・・・

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-----カンテ------
関根---安居--モーベルグ
---岩尾--伊藤---
明本-マリウス--ショルツ-酒井
-----西川-----

(得点)
72分 酒井
90+2分 伊藤

(交代)
67分 モーベルグ→大久保
67分 カンテ→興梠
67分 岩尾→リンセン(リンセン左SH、関根トップ下、安居CHへ)
82分 関根→荻原(リンセンFWで4-4-2。明本左SH、荻原左SB)
90+5分 安居→柴戸

Hiroshima2305002

-----ベンカリ-----
--川村----森島--
東-野津田--松本-茶島
-佐々木-荒木--住吉-
-----大迫-----

(得点)

50分 森島

(交代)
HT ベンカリファ →ヴィエイラ
65分 野津田→エゼキエウ(エゼキエウがシャドー、川村CHへ)
71分 茶島→中野
89分 森島→柴﨑

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2023.05.29

【DAZN観戦記】23年第15節:京都 0-2 浦和 ~ いつの間にこんなに勝負強いチームになったんや!!

 手数こそ京都が優勢で浦和の決定機は僅少でしたが、それでもセットプレーからの流れで2ゴールを奪っての完封勝ち。いやはや浦和がこんなに勝負強いチームになってしまうとは!!

《スタメン》

 共にルヴァン杯から中2日。浦和はルヴァン杯でフルターンオーバーしたので、元のリーグ戦のメンバーに戻すだけと思いきや、何と酒井がスタメンに復帰。「酒井は故障が慢性化していて中3日で使うのは厳しい」という話があり、しかもルヴァン杯に後半途中投入されたばかりだったので、この試合でのスタメン起用には心底驚きました。
 
 福岡戦で負傷交代を余儀なくされた明本もベンチ入り。ルヴァン杯前の会見で「そこまで重傷ではないと思われますが、復帰のタイミングも早過ぎてはいけませんので、見極めながら行っていきたいと思っています」と話していたのは何だったのか・・・代わって馬渡がベンチ外になったのはルヴァン杯でのやられっぷりが監督の心証を害したのかも。逆にルヴァン杯の出来を評価されたのか、モーベルグもベンチ入り。
 
 京都は驚いたことにパトリック・木村・川﨑・麻田を除く7名がルヴァン杯からの中2日での連闘。京都はここまで4-1-2-3のアンカー以下がほぼスタメン固定な反面、前目が試行錯誤中という印象でしたが、リーグ戦4連敗と結果が出ていないので、直近のルヴァン杯でG大阪相手に勝ったメンバーを軸に切り替えたのかも。

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《試合展開》

 京都は例によってキジェ流のハイテンション・ハイライン・ハイプレスの「3ハイ」で試合に入り、5分自陣アーク付近で後ろ向きの岩尾が川﨑に絡まれてボールを失う大ピンチがありましたが、川﨑がシュートモーションに入るのを手間取っているうちにマリウスが戻って来てシュートブロック!!さらに12分カウンターから右SB福田クロス→パトリックがオーバーヘッドシュートを放つも威力が無くて西川楽々キャッチ。
 
 ビルドアップに苦労していた浦和も20分くらいから徐々に反撃開始。20分右サイドから大久保クロス→安居ヘッドはバーの上。31分カウンターで大久保クロスのこぼれ球を安居が拾うもシュートはブロックされて枠外へ。さらに41分岩尾スルーパス→安居シュートも枠外。不思議なことに浦和のチャンスになったところでフィニッシュに絡むのは全部安居で、興梠はどこにいったのやら?
 
 スコルジャは後半頭から大久保に代えてモーベルグを投入。大久保の出来も悪くはなかったので、今後中3日&中3日で広島戦・鹿島戦が控えていることを考えてのプレー時間調整的な交代とその場では思ったのですが、試合後の会見によると「右サイドの強化」という戦術的な意図があった模様。そしてルヴァン杯でのモーベルグの出来を相当評価していることも明かされました。
 
 そしてゲームが動いたのは52分、川﨑の不用意なファウルで得たFKから。モーベルグFKは壁を直撃するも、そのこぼれ球を拾ったモーベルグが縦に仕掛けて右足でふんわりクロス→ファーでどフリーの興梠がシュート。これがカバーに入った福田の体に当ってコースが変わったのも幸いして浦和が先制。ややラッキーな側面もありましたが、ボックス内でボールを拾ったモーベルグを京都守備陣全員が見入ってしまって興梠がどフリーなのには腹から笑いました。
 
 しかしその直後の54分にはこの試合最大のピンチ。浦和右サイド深い位置でパトリックがショルツを薙ぎ倒すもなぜかファウルは取られず、パトリックがクロス→豊川ヘッドがバーを直撃。その跳ね返りを再度豊川ヘッドも今度は西川がワンハンドで枠外へ押し出して難を逃れました。
 
 59分には浦和は興梠→カンテ、荻原→明本、岩尾→平野と代え、京都も豊川→山田、木村→木下と選手交代。京都がボールを持つ時間が長くなったものの、もともとボール保持を得意とするチームではないせいかこれといった決定機は作れず。64分谷内田のシュートがモーベルグの残り脚でブロックされたのが惜しかった程度。頼みのパトリックもマリウス&ショルツ相手ではどうにもならず。とはいえ、浦和も浦和でしっかりボールが握れず、カウンターも仕掛けられずに試合はグダグダに。
 
 事故でもなければそのまま浦和逃げ切り勝ちの様相が濃かった試合展開でしたが、浦和がダメを押したのが90+3分。右サイドでFKから。モーベルグが意表を突いて中央の伊藤へ横パス→伊藤がどフリーで低いミドルシュート。ディフレクトしたせいかGK太田は弾くのが精一杯でしたが、正面に弾いてしまったのが運の尽き。真っ先に反応したカンテが待望の追加点を上げて勝負あり。

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《総評》

 スコルジャが試合後「非常に強いプレスをかけられて、我々もかなり苦しみました。ビルドアップを用意してきましたが、そのプレッシャーの下で、あまり実行することができませんでした。ですので、切り替えのところくらいしかチャンスがなかった試合でした。」と語った通り、面白い試合でも良い試合でもありませんでした。
 
 しかし勝ったのは浦和。浦和の決定機らしい決定機なんて2回しかなかったと思いますが、それを共に決めての完封勝ち。しかも共にセットプレーからの流れで。
 
 シュート数、枠内シュート数、ボックス内からのシュート数とも京都が優勢。そして何の慰めにもならないことで悪名高いゴール期待値は1.77vs1.05と大差がついたようですが、傍目からすれば京都の決定機らしい決定機って54分の豊川ヘッドだけかと。しかもそれが決まっていればVARでパトリックのショルツへのファウルが取られて取り消しになっていた可能性が高かったでしょう。
 
 浦和って両CBを中心に守備が堅いので、決定機を作ったように見えて寸前のところでブロックされてしまう、あるいは西川が楽に取れる範囲内にシュートコースを狭められて撃たされてしまうケースが非常に多く、シュート数、さらには枠内シュート数の割には案外相手に決定機はありません。
 
 攻撃陣、特に2列目の得点力がしょぼすぎて、ACL決勝が典型例のように「守り勝ち」がメインシナリオになっているのが今の浦和で」、この試合も御多分に漏れず。スコルジャは「それで良し」としている訳ではないでしょうが、ACL必勝を最優先にチーム作りをしていたせいか、結果的にそんな色彩が濃くなっている傾向は否めません。
 
 しかし、ここに来てカンテがついにチームにフィットし始めてポコポコ点を取りだし、さらにACL決勝では出場枠に入れず、小破もあって不遇をかこっていたモーベルグも覚醒の兆しを見せて、ようやくしょぼい、しょぼすぎる攻撃陣に厚みが増してきたのは明るい材料。
 
 そしてルヴァン杯で非常にいいパフォーマンス、いいプレーを見せてくれた選手が何人もいて、スコルジャが試合後「今後はスタメンにもう少し変更を加えていってもいいのではないかと思っています」と語ったように、これまでリーグ戦ではほぼ固定していたスタメンを少しずつ入れ替える目途が立ったのは過密日程を闘う上でこれまた明るい材料でしょう。

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《選手評等》

・ルヴァン杯に続いてリーグ戦でもゴールを決めたカンテ。こぼれ玉にいち早く反応してDFを抑え込んでる上に、GKの動きを見て空いてるところに撃ってるんだから凄いわ!!この落ち着きが大久保に欲しい!!

・モーベルグはひとしきり捏ねた後に右足でふんわりクロスが新しい芸風になってきたのかなあ。カットインからの左足一発ではJ1だと「一発屋」どまりだから、新芸風に期待。

・ゲームメーカー的な仕事は全く求められないトップ下って実に面白い。そんな仕事に適性を見出される安居。良い監督に巡り会ってホンマ良かった。

・日本代表に選出された京都のアンカー川﨑。DAZNでもしきりに取り上げられていましたが、どう見ても強度マシマシとラフプレーをはき違えている典型的なキジェ専用機と思ったけどなあ。この程度なら間違いなくすぐに伸び悩むでしょう。しかし、川崎といい森下といい、単なるラフプレーヤーが代表に選ばれるってなんなんやろ?

・木下は後半途中から出てきたものの、最後までいないも同然で全く存在感なし。京都では徐々に出番が減りつつあるようで、やっぱJ1.5かな?

・この試合非常に難儀だったのが御厨主審。浦和のイエローカード3枚はいずれも妥当ですが、京都の悪質なファウルはなぜかスルー。特にパトリックが繰り出す肘打ちにイエローを出さないのが謎でした。御厨主審は無位無官なので麿にイエローなんて無理なんやろうなあ(意味不明)

・亀岡までアホほどやって来た赤者。昨年の開幕戦はまだいろいろ制限があったから、亀岡は今回が初めての赤者が多かったのかな??個人的には小さい吹田、駅に近い吹田スタジアムという印象を持っていますが・・・

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-----興梠-----
関根---安居--大久保
---岩尾--伊藤---
荻原-マリウス--ショルツ-酒井
-----西川-----

(得点)
52分 興梠
90+3分 カンテ

(交代)
HT 大久保→モーベルグ
59分 興梠→カンテ
59分 荻原→明本
59分 岩尾→平野
89分 関根→早川

木村---パトリック--豊川
--平戸---谷内田--
-----川﨑-----
麻田-イヨハ---アピア-福田
-----太田-----

(交代)
59分 豊川→山田
59分 木村→木下
74分 麻田→井上
78分 福田→荒木
78分 川﨑→金子

※写真は試合とは全く関係ありません。

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2023.05.25

【観戦記】23年ル杯GS第5節:浦和 2-1 川崎 ~ 逆転勝ちで自力首位通過の目が復活!!

 選手交代の威力の差は顕著で、オープンな展開になった終盤に手数で勝る浦和が押し切ったような逆転勝ち。ただ浦和が良かったというより川崎が弱くなったという印象が強い試合でした。

《スタメン》

 共にリーグ戦から中3日。浦和は予想通り福岡戦からスタメン全員入れ替え。試合前の記者会見で「故障明けでコンディションが上がって来た」との話があったモーベルグが久しぶりにスタメン出場した他、福岡戦で途中投入ながら名指して褒められていた平野や馬渡もスタメン出場。一方福岡戦で壊滅的な出来だったシャルクはベンチ外とスコルジャの選手起用には非常に納得がゆきます。
 
 「酒井は故障が慢性化していて中3日で使うのは厳しい」という話があったので、週末のリーグ戦に備えてこの試合は回避するものと予想していたのですが、なんといきなりベンチ入り。高橋も故障明けで久しぶりにベンチ入り。
 
 川崎はリーグ戦からCB車屋&山村を除く9名入れ替え。脇坂やシミッチは前節横浜FC戦で出場停止でしたが、総じて相変わらず怪我人が多くて誰がレギュラーで誰が控え組なのか判りにくくなっています。

Kawasaki2305020

《試合展開》

 浦和の布陣自体はいつもの4-2-3-1でしたが、驚いたのは早川が左SHではなくトップ下に起用されたこと。左SHにはリンセンが回りました。リンセントップ下では前プレの強度が確保できないので早川を回したのかもしれませんが、やはりというかなんというか序盤は前プレは効かず、中盤はゆるゆるで浦和の守備は全く体をなさないまま川崎の攻撃を受けてしまいました。
 
 2分にはGKチョン・ソンリョンからのロングフィード一発で川崎の3トップが最後尾に2人だけ残っていた岩波&犬飼に襲い掛かるって、どうなっとるんや、これは・・・ そしてその直後3分にはシミッチが右サイドから斜めのパス→ボックス内で受けた瀬川があっさり馬渡を交わしていきなりゴール。馬渡の対応もお粗末でしたが、シミッチへもノープレッシャーで馬渡だけ責めても仕方ないかと。
 
 ただ浦和にとって幸いだったのは川崎が序盤に一気に畳みかけるような攻撃を仕掛けて来ず、どちらかと言えば浦和にボールを持たせるような試合運びを選択したこと。浦和は川崎の前プレに苦しんでビルドアップに苦労し、序盤は高い位置にいるモーベルグへ運んでそこからの仕掛けで局面打開を図る場面が目立ちましたが、モーベルグは得意な芸風を完全に見切られているのか全くの不発。左SHに回ったリンセンは不慣れなポジションでやる気もないのかほとんど消えている状態。前半浦和の反撃が曲がりなりにも形になったのは22分平野縦パス→最前線でモーベルグが収めて落としたところにカンテがミドルシュートだけ。
 
 浦和の前半は全く良くありませんでしたが、浦和にボールを持たせているように見える川崎も先制後前プレが効いて良い形でボールを奪えている訳ではなく、単なる無駄走りに終始した感もあり、双方ぐだぐだ感の募る状態で前半終了。
 
 後半も最初に決定機を掴んだのは川崎。50分浦和が押し込まれて波状攻撃を受け、早川のクリアが小さくて小塚に拾われたの契機に小塚浮き球で縦パス→ボックス内で小林シュート。しかし枠を捉えきれず。

 浦和の反撃が実ったのは51分。カウンターから早川→モーベルグ→カンテと素早くボールを運び、カンテがターン一発で右SB大南を交わしてアーク付近から豪快な一発!!カンテはこれが浦和加入後の初ゴール。
 
 この同点ゴールを機に試合は一気に浦和ペースに。54分FKからの流れで、相手が跳ね返したボールを拾ったリンセンがボレーシュートを放つもGK正面。56分平野のクロスがボックス内のリンセンに通るもこれまたシュートはGK正面。58分モーベルグのクロスがボックス内のカンテに通り、カンテが反転シュートを放つもわずかに枠の外。
 
 浦和の大攻勢を見てスコルジャは「こりゃ、いけるで!!!」と思ったのかどうか、60分には故障明けの酒井を早々と投入。さらに69分には大久保、安居、伊藤を入れて一気に勝負に打って出ました。川崎も同じ時間帯に4選手を入れ替えましたが、選手交代が有効だったのは明らかに浦和。終盤オープンな展開になる中で浦和が手数で次第に勝る格好に。
 
 71分彩艶の酒井へのロングフィード一発で川崎の前プレを空回りに終わらせて浦和にカウンターの絶好機。酒井→大久保のクロスはわずかにボックス内へ飛び込んだ酒井に合わず。
 
 82分カンテのポスト→右サイドから伊藤クロスがボックス内のリンセンに通るもシュートは枠を捉えきれず。85分にはCKのこぼれ球を拾った安居がミドルシュートを放つもGKソンリョンが辛うじてセーブ。
 
 川崎もノーチャンスではなく、87分左サイドからのクロスを途中投入の家長ヘッド。しかしここは彩艶がセーブ。
 
 そして89分へろへろになったカンテが半ば足がもつれたような恰好になりながらも右サイドでどフリーの酒井へ展開。酒井のクロスにたいしてカンテが曲がりなりにも飛び込んだのが効いてシミッチの視界を遮ったのか、ボックス内で棒立ちのシミッチの足に当たったボールがゴールマウスに転がっていきました。
 
 ATは4分もありましたが、特段紛れもなくそのまま試合終了。

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《総評》

 ルヴァン杯グループステージ4試合を消化して全部引き分け止まりの浦和。今季のレギュレーションは「5グループ中各グループ1位と各グループ2位の成績上位3チームのみが決勝トーナメントへ進む」というものですが、浦和のいるB組は完全な団子状態なので2強2弱の組と比べると2位の勝ち点が少なくて、2位ではグループステージ突破は怪しい状態。よって浦和は残り2試合を連勝して首位通過を狙うしかありません。
 
 とはいえ、浦和はACL決勝を終えた後の超過密日程下でもあり、ルヴァン杯は大胆にターンオーバーして控え組主体で闘わざるを得ないのも致し方ないところ。
 
 控え組の底上げを図りながら結果も出すという極めて難しいタスクをスコルジャは背負った格好になりましたが、結果は見事川崎を撃破。そして一気にグループステージ首位に躍り出て、次の最終節アウェー清水戦に勝てば自力で1位通過が決まることになりました。
 
 結果はもちろんのこと、「控え組の底上げ」という点でも収穫が多かった試合だったと思います。立ち上がりいきなりの失点に象徴されるように総じて守備はかなり怪しくて、札幌みたいに壮絶などつき合いを志向するチーム相手だったら派手なスコアながらも大敗した可能性はあったかと思いますが、組織的なものには目を瞑り、レギュラー組に混ぜて使う際の個々人の特徴なり、今のコンディションなりを見極める点では非常に有意義な試合だったかと。
  
 見方を変えれば、なんで川崎は先制後浦和にボールを持たせるような試合運びをしたのかなぁ。試合後の鬼木監督のコメントを読むと意図的に持たせていた訳でもなさそうで、「自信を持ってボールを動かす」ようなことがすっかり出来なくなったようでもあり、川崎も弱くなったという印象が強く残った試合でした。

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《選手評等》

・MOMは同点ゴールを決め、決勝点にも絡んだカンテで文句なし。カンテは「ボールが収まる上に周りも見えている」といった既に解明済のスペックに加えて、ついに本来期待されていた点取り屋としての能力を垣間見せてくれました。カンテが最後足がもつれてるのに酒井に展開してる辺りは、「こけているのに懐が深くてボールを失わない」カンテ芸と根っこが一緒!!ただカンテを1トップで使うと全体に裏抜けの意識が無くなる気がしました。なんでだろうなあ、これ?

・モーベルグは得意の左足を完全に封じられてしまいましたが、コンディションが上がっているのは確かでこの出来なら大久保の負担軽減にはなりそう。どちらも途中投入でも活きるタイプですし。

・リンセンはボックス内で仕事するタイプという点ではユンカーと同じで、サブでも文句言わない代わりにあんまり点は入らない感じかなぁ。CFやSHはどう見ても無理で2トップの片割れしか使い道なさげ。実際後半はそんなポジションに入って決定機に絡みまくっていましたが、一点も取れず。でも正しい使い方が判ったのが収穫でしょう。

・宿題も終わって、いきなりトップ下に抜擢された早川。最初はガツガツ当たってくる相手に潰されがちでしたが、だんだん慣れてきて牛若丸状態になっていました。前プレ要員としてはまずまずの出来。この出来なら「メディカル的な理由で」福岡戦はベンチ外になった小泉に代わってリーグ戦でもコンスタントにベンチ入りは出来そう。小泉は「ストーブさん」になってる場合やないで・・・

・彩艶は西川を見慣れるとやっぱハイボールへの対応は相変わらずチト怖いけれども、前プレしてくる相手に対してロングフィード一発で浮いている味方選手に付けて交わすのはめっちゃ上手い!!71分の決定機が決まっていたら彩艶が絶賛されていたでしょうに。あれは惜しかった。

・しょっちゅう最終ラインに降りてくる岩尾を見慣れると、全然降りてこない柴戸&平野は結構新鮮でした。後ろが重くなりがちなのが浦和の得点力不足の一因なら、岩尾と平野の序列はいつ逆転しても不思議はないのかも。柴戸と伊藤はだいぶ差がありそうでしたが。

・犬飼は攻守ともに結構怪しくて、試合勘のなさ丸出しと思ったけどなぁ。大畑も山田にぶち抜かれているようではまだまだ。馬渡は最初の失点への対応を見たらやっぱスタメンとしては明本の次の3番手になるわなぁ。基本ビハインド時の特攻要員。よってリーグ戦で最終ラインは岩波だけがコンスタントにベンチ入りしているのも道理。

・ルヴァン杯&平日&シーチケ対象外&埼スタ工事やACL決勝の影響で5~6月はホームゲームがやたら多いと悪条件が重なったせいでしょうが、この試合の観客数は12,366人と寂しいものに。でももはや「頭がおかしい方(褒めてます)」しか来てないので、人数の割にはやたら盛り上がる点でACLのグループステージにスタジアムの雰囲気が似ていました。そして客が入らないのは浦和だけではないどころか、一万人を超えているのは浦和だけだったみたいで・・・

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-----カンテ------
リンセン---早川--モーベルグ
---柴戸--平野---
大畑-犬飼--岩波-馬渡
-----彩艶-----

(得点)
51分 カンテ
89分 オウンゴール(シミッチ)

(交代)
60分 馬渡→酒井
69分 モーベルグ→安居(4-4-2気味になり、リンセンFW、安居左SHへ)
69分 平野→伊藤
69分 早川→大久保(大久保右SHへ)
80分 柴戸→髙橋(髙橋左SH、安居CHへ)

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瀬川---小林---山田
--小塚----脇坂--
-----シミッチ-----
佐々木-車屋-山村-大南
-----ソンリョン-----

(得点)
3分 瀬川 

(交代)
58分 瀬川→遠野
73分 小塚→橘田
73分 脇坂→瀬古
73分 小林→宮代
79分 山田→家長

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2023.05.21

【DAZN観戦記】23年第14節:福岡 0-0 浦和 ~ 毎度毎度の塩試合

 長谷部監督率いる福岡との試合は浦和が福岡の堅陣を攻めあぐねたまま時間が徒過する展開になりがちで、今回もその例に漏れず。決定機の数では明らかに福岡に分があり、どう見ても「負けなくてよかった」試合でした。

《スタメン》

 浦和は前節からリンセン→伊藤、小泉→大久保とスタメン2名変更。リンセンと小泉は共にベンチ外となり、故障中の酒井も間に合わず。ベンチに馬渡・平野・早川が戻って大畑がベンチ外に。
 
 中3日でルヴァン杯川崎戦が控えているので、それを見越してベンチ外になった選手もいると思われますが、試合後の記者会見で小泉と酒井は「メディカル的な理由で今日の試合には起用できませんでした」とのこと。

 一方福岡は前節出場停止だった小田がスタメンに復帰して田中がベンチスタートになった他、宮→佐藤とこちらもスタメン2名入れ替え。

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《試合展開》

 福岡は4-4-2と3-4-2-1を併用するチームで、前節は4-2-3-1の鳥栖に対して3-4-2-1を採用しましたが、この試合の基本フォーメーションは4-4-2。正直この使い分けの基準や狙いは良く判らず。
 
 福岡はどちらといえばロングボールを多用して両サイドからのクロス攻撃や無理目のミドルシュート、さらにはセットプレーでの一発に頼りがちなチーム。良く言えば相手にボールを押し付ける、悪く言えば相手に簡単にボールを渡してしまうチームなので、当然ながら早い時間帯から浦和がボールを支配する時間は長くなりましたが、浦和は最終ライン&岩尾でボールを回しているだけでビルドアップに苦労。
 
 岩尾が最終ラインに落ちる→安居も中盤に降りてくるとやたら後ろが重くなるばかりでボールは全く前に進まず。試合後の安居の話によると福岡は5バックで来ると想定して練習していたようなので、その見込み違いが出来の悪さに直結したかも。そして序盤曲がりなりにも良い形を作ったのは8分関根がボックス内突入→荻原のクロスが誰にも合わなかった場面と、11分CKからの流れで大久保クロス→関根ヘッドだけ。

 どちらかと言えば福岡のほうが「やりたいことが出来ている」という意味でのペースを掴みながら時間が徒過する中で、最初に決定機を得たのは浦和。35分荻原クロス→ボックス内で興梠が得意の鬼キープを披露して折り返し→安居がゴール!!と思われましたが、OFRの結果クロスを受けた時点での興梠のハンドを取られてノーゴールに。興梠もハンドの自覚があったようで思わず苦笑い。
 
 後半に入るとシュートには繋がらなかったものの右サイドで大久保や明本の裏抜けといった前半にはなかったプレーが見られるようになり、「ちょっと良い感じになって来たかな?」と思っていたところ、60分明本→シャルクの謎の選手交代が炸裂。DAZNで見ていた限りでは何が起こったのか全く判りませんでしたが、試合後の監督会見では明本の負傷による交代とのこと。
 
 アクシデントを受けてやむなく関根が右SBに回りましたが、それまで完璧に封じられていた左SHルキアンが蘇生してしまった上に、予期せぬ選手交代で浦和も多少動揺したのか自陣でのミスが頻発して福岡に立て続けに決定機。
 
 62分左サイドからカットインしたルキアンが強烈なミドルシュートを放つも西川がセーブ。63分ルキアンが左サイドからクロス→ファーで佐藤ヘッドの決定機を作るもここも西川が辛うじてセーブ!!!さらに65分紺野FKから山岸ヘッドはバーを直撃!その跳ね返りを小田ヘッドもボールは枠外へ。
 
 なんとか難を逃れた浦和は70分岩尾→平尾、興梠→カンテ、安居→馬渡の3枚替えで反撃に転じようとするも、最前線でボールをそれなりに収めてくれるカンテへのフォローが遅くてほとんど攻撃の形を作れず。特に最初に投入したシャルクの出来があんまりで完全にブレーキに。
 
 浦和の決定機は75分平野縦パス→シャルクスルーパス→大久保がボックス内に突入するも、果敢に前に出てきたGK村上を交わせず。

 スコルジャが放った最後の一手は82分荻原に代わって岩波の投入。「ついに3バックを披露か!!」と一瞬色めき立ちましたが、マリウスのポジションはどう見ても左SBで4バックのままでした。そしてその交代もさしたる効果はなく、最後の最後で平野浮き球パス→馬渡が福岡最終ライン裏に飛び出してシュートの決定機を作るもGK村上に阻まれて試合終了。

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《総評》

 個人的には「90分を通じて福岡が押し気味の試合内容で、決定的の数からして浦和は負けなくてよかった」と感じましたが、試合後スコルジャが「現時点では勝ち点2を失ったと感じています。しかし相手が非常にまとまっていたので、勝ち点1をもぎ取ったという認識もしています。」と語っている通り、人によって見方が分かれる試合だったかもしれません。
 
 シュート数、枠内シュート数、ボックス内からのシュート数ともほぼ互角で、ボール支配率こそ浦和が圧倒しているもののデュエルや空中戦勝率では福岡が優勢というスタッツがこの試合の様相を上手く捉えており、どこを切り取るかで試合の評価が分かれるのでしょう。
 
 スコルジャが「ゴールを奪うのには十分ではありませんでした」「勝つのには十分ではなかったということです。」と似たような表現で繰り返し語る通り、決定機になりそうなところでの選手のクォリティーの低さにはさぞかし頭を抱えていることでしょう。そしてその問題はすぐにはどうにもなりません。
 
 スコルジャは「回数は少なかったのですが、左SBの荻原拓也選手を使ったときに相手ディフェンスラインを破ることができ、チャンスを作れました。」と語っていますが、その荻原はどういう訳か一瞬判断が遅れがちで、決定機になりそうなところで戻って来た相手にボールを奪われてしまう場面も。大久保はまたしても決定機で人間に戻ってしまいましたし。ACL決勝組は依然疲労感が濃く、控え組に直ちに取って代われるだけの選手も少ない苦しい現状が浮き彫りに。
 
 「とにかく守備は堅いが攻撃に見るべきものはない」というのがリーグ戦を1/3ほど消化した時点での浦和の立ち位置で、これではリーグ優勝には程遠く、ACL圏に滑り込めれば御の字といったところでしょうか。
 
 明本の負傷交代を筆頭に、福岡のフォーメーションが予想とは違っただとか、福岡のラフプレーに対して清水主審が寛容だったとか、福岡の運動量が思ったほど落ちなかっただとか、スコルジャにとって色々と想定外のこともあったでしょうが、こういう試合を勝てないのは「単なる力不足」。それに尽きると思います。

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《選手評等》

・この試合でも西川は神がかっていました。今の西川は「撃ってくるのが予めわかってるミドルシュート」なんてまず入りません。入らないどころか西川が横っ飛びであっさりキャッチしてしまう。なんという安心感!!ゆえに相手のゴール期待値(笑)がいかに高くても実際は見た目以上に決定機がない。この試合で本当にヤバかったのは63分の佐藤ヘッドでしょうなぁ。でもあればヤバかった。


・シャルクは収まらない、走れない、パスが出ないの三拍子揃ってて、なんで試合に出ているのかさっぱりわからない酷い出来でした。スコルジャは早川を出そうとしたら、ベンチで早川が宿題をやってて出すに出せなかったのか?シャルクがこんな出来なら早川投入で夢を見させて欲しかったわ・・・

・平野はラストプレーみたいに相手の急所を一発で突くみたいなパス出しのセンスだけは岩尾を上回っていると思う。でもそんな場面は一試合で何回もないからなあ・・・

・元所属チーム相手に無慈悲に点を取りがちな後田中達也はベンチ入り止まりで出場なし。長谷部監督は交代枠を二つも余らせて試合を終え、試合後その件について「ゲームの流れがどちらにどう転ぶか分からないものだったので、下手に動くと、入りが悪いとその選手が、もしくは入りが良いとその選手が得点、という両方を鑑みて交代枠を残したというところです。」と説明していましたが、後田中達也は監督の信頼をそんなに得ていないということなのでしょう。

・72分重見のイエロー。足裏を見せてスライディングしているので一発レッドでも何の不思議はないレベルの悪質なプレーでしたが、勢いが緩いのでイエロー止まりだったのかな?一応イエローを出したのでVARも主審の判断を尊重して介入せずと。前半は山岸が2度マリウスに肘打ちをかましていましたし、清水主審が福岡名物のラフプレーに寛容なのには参りました。

・福岡は浦和戦でも1万ちょっとしか入らず。その前の鳥栖戦(13,719人)で動員とかの力を使い果たしたかもしれませんが、鳥栖共々コロナ禍の3年を経て客が全然戻らない両巨頭かなぁ・・・

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-----興梠-----
関根---安居--大久保
---岩尾--伊藤---
荻原-マリウス--ショルツ-明本
-----西川-----

(交代)
60分 明本→シャルク(故障による交代。シャルク左SH、関根右SB)
70分 岩尾→平野
70分 興梠→カンテ
70分 安居→馬渡(馬渡右SB、関根トップ下)
82分 荻原→岩波(岩波CB、マリウス左SB)

---山岸--佐藤---
ルキアン--------紺野
---前---重見---
小田-奈良--グロリ-前嶋
-----村上-----

(交代)
72分 佐藤→鶴野
82分 山岸→ウェリントン
90+1分 ルキアン→城後

※写真は試合とは全く関係ありません

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2023.05.15

【観戦記】23年第13節:浦和 3-1 G大阪 ~ 東口のATフィールドが壊れとる!!

 前半の出来は芳しくありませんでしたが、儲けもののようなPKで前半のうちに追いついたのが幸い。総じてG大阪の迷走っぷりに助けられた感は否めませんが、ACL明けで連敗という最悪コースだけはなんとか回避できました。

《スタメン》

 浦和は鳥栖戦から中3日で大久保→関根、シャルク→小泉、伊藤→リンセン、カンテ→興梠とスタメン4名入れ替え。前節スタメンだった伊藤、大久保、カンテ、シャルクはいずれもベンチスタートで、前節ベンチ外だったリンセンがスタメンに入ったため、柴戸がベンチ外に。

 スコルジャはACL決勝まで基本メンバー固定で、その後徐々にいろんな選手を試してゆく、さらに戦術のバリエーションを広げてゆく旨を公言していましたが、リンセンをスタメンで、しかも興梠と併用する形で使ったのはその方針に則ったものでしょう。

 一方週央に試合がないG大阪はGK谷→東口、MFネタ→山本、MF石毛→宇佐美とスタメン3名入れ替え。今季アンカーとして鉄板レギュラーだったネタ・ラビが家庭の事情によりイスラエルへ一時帰国中とのこと。

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《試合展開》

 浦和は興梠&リンセンを併用したため、基本フォーメーションは非常にはっきりした4-4-2。小泉が左SH、関根右SHでスタートしました。
 
 一方G大阪の基本フォーメーションは4-1-2-3のようですが、後述のように守っている時間帯が非常に長くて食野やアラーノのポジションが低く、かつ宇佐美が割とフリーダムに動くので、はっきりしたジェバリ1トップの4-4-1-1っぽく見える時間帯が長かったように感じました。
 
 そして布陣以上に驚いたのが、G大阪が全然ボールを握ろうとしないどころか、まるでボールを捨てるようにロングボールをジェバリ目掛けてバンバン蹴ってくること。G大阪はこれまでボール支配率だけはやたら高くてJ1トップクラスというスタイルでしたが、あまりにも結果が出ないのでポヤトスがとうとうブレ出したのかなぁ・・・
 
 でもショルツ&マリウスを擁する浦和相手にロングボール攻撃なんて神戸ですら通用しなかったシロモノ。G大阪が通用するはずもなく、当然ながら両CBに簡単に迎撃されてしまい、ボールは早い時間帯から浦和が一方的に支配。
 
 しかしスコルジャが戦前「ボールをポゼッションするチーム」と評していた相手とは真逆で、全く予想外の試合展開になってしまったため、浦和もただボールを握っているだけに。
 
 もっともこれまたスコルジャが戦前「決勝が終わりましたので、チームに変化をもたらしやすい状況になったと思います。コーチングスタッフとも話し合っていて、例えばフォーメーションもいろいろなアイデアが出ています。そういうことは今後試していくことになると思います」と語っていたことの表れとしてリンセンと興梠の併用とか、頭から安居をCHに下げて岩尾を組ませるといった試行錯誤があまり上手く行っておらず、そこに予想外の試合展開という事態が重なってグダグダの試合になったのかもしれません。
 
 とはいえ、G大阪も浦和にボールを持たせて何がしたいのかよくわからず、非常にしょっぱいまま時間が徒過しましたが、23分ジェバリが最初の決定機でほぼ個人技でねじ込んでG大阪がまさかの先制。ジェバリにはショルツがしっかり付いていたので何事も無かろうと思って見ていたのですが、まさか横に動いてわずかに空いたシュートコースからねじ込んでくるとはなぁ・・・そしてここでやられてしまうのがショルツの疲労困憊ぶりの表われなのかも。
 
 まさかの先制を許した浦和は小泉と関根の左右を入れ替え、なおもほぼ一方的にG大阪を自陣深くに押し込むも決定機を作るどころか、シュートに持ち込むことすらままならず。

 しかし、42分浦和が初めて作った決定機=岩尾スルーパス→ボックス内で興梠シュートはCB福岡に簡単にブロックされてしまいましたが、足でブロックしたボールが福岡の高く上げた手に当たってしまい、OFRの結果ハンドでPKに。45+2分ショルツが東口の逆を取った格好でPK成功。甚だ不格好ながら前半のうちに同点に追いつきました。
 
 スコルジャは試合後「そしてブライアンを交代したのは、彼のパフォーマンスが悪かったというより、この形がうまくいかなかったからです。もう少し練習を重ねてから、今後またこの形も試していきたいと思っています」と前半の不出来を率直に認めて、後半頭からリンセン→大久保、小泉→伊藤と交代。
 
 安居がトップ下にいるのと、酒井が不在な以外はフォーメーションも含めてほぼACL決勝仕様に戻したところ、現金というかなんというか浦和はボールの回りが良くなり、47分アーク付近でこぼれ玉を拾った安居がミドルシュート。52分には左サイドからカットインした関根がそのままシュート。
 
 このプレーから立て続けにCKを得た浦和は54分CKからの流れでショルツが浮き球で短い縦パス→ボックス内で大久保が2人がかりの相手を抑え込みながらなんとか押し込んで浦和が一気に逆転!!

 さらに59分東口のゴールキックに始まるG大阪の稚拙なビルドアップに対して浦和の前プレがついにハマって、伊藤がアーク付近でボール奪取。伊藤のシュートは至近距離で東口が防いだものの、こぼれ球を拾った安居が体勢を立て直した東口の位置を冷静に見定めてゴール!!
 
 しかし、浦和はそのまま楽勝とはならず、お疲れのためか自陣で致命傷になりかねないミスが連発。61分には左サイド深い位置で荻原が実にしょーもない形でボールを失ったのを契機にジェバリに際どいシュートを撃たれてヒヤリ。
 
 G大阪は好機を逃さじとばかりに63分食野→杉山、宇佐美→鈴木、山本理→倉田と一気に三枚替えをしたところで、70分今後は岩尾が自陣でボールロスト!!しかし、杉山のシュートははるか上空へ。
 
 浦和後半最大のピンチは72分アラーノスルーパス→半田のシュートがわずかにマリウスがブロックしようとした足に当たってコースが変わったのが災いして西川の喉元を直撃!!しかし、セーブはセーブで難を逃れました。75分倉田FK→クォンヘッドは勢いがなくて西川余裕を持ってセーブ。
 
 スコルジャはどう見てもヘロヘロ、ヨレヨレの荻原を放置し、73分関根→シャルク、興梠→カンテと前目を代えて反撃開始。この交代はかなり効果があって、既に守備陣形もへったくれも無くスカスカのG大阪に対し、87分右サイドから大久保クロス→ファーでカンテに収まるもののシュートは東口の正面。そして90+3分には大久保スルーパス→カンテがついにゴーーーーール!!と思いきや、VARでわずかにオフサイド判定に。決定的な4点目は奪えませんでしたが、長いATにさしたる紛れも無く浦和が逃げ切り勝ち。

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《総評》

 公式スタッツだとシュート数浦和13対G大阪10、DAZNだと16対16(枠内13対11)。ボックス内からのシュート数も拮抗していたようで、それらのスタッツ通り3-1という結果ほど両チームの出来に差はなかったと感じました。もっとも「ハイレベルの競り合い」ではなく、あまり上手く行っていないチーム同士の「黒ひげ危機一髪」みたいな試合だったという感想ですが。より多くババを引いたのがG大阪だっただけで、浦和の出来も決して褒められたものではないでしょう。
 
 でも浦和の3点目に見られるように、「G大阪がより多くババを引く」のは偶然ではなく、浦和がそうなるように追い込んでいたのも確かなので浦和の勝ちは妥当と言えば妥当でしょう。
 
 浦和の不出来は「ショルツまさかのぶち抜かれ」とか終盤の荻原&岩尾の「自爆ボタンをぽちっとな」に象徴されるようにACL決勝での疲労を引きずっている選手が少なくないのが主因でしょうが、それに加えてスコルジャが「過去の記者会見で、ACLの決勝が終わった後にはいろいろな形を試していきたい、と言っていましたが、その内の一つが今日の形でした。もちろん、他にもアイデアはありますので、それもチェックしたいと思っています。」と語っている通り、ACL決勝明けから新しい面子、新しいやり方を試行し始めたためでもありましょう。しかも過密日程でロクに練習時間も取れないまま。
 
 ただスコルジャは「結果を第一に考えながら、それを行っていかなければいけません」とも語っているように、「試行錯誤の期間だからある程度勝ち点を落とすのはやむを得ない」とすっぱり割り切らず、テストを途中で打ち切ってある程度勝ち点が計算できる基本形に戻し、実際勝ち点3を取ってしまうのはたいしたもの。この辺がポーランドリーグでコンスタントに好成績を収めた名将たる所以なのでしょう。

 そしてACL決勝明けの過密日程で下位に低迷するチーム相手にまさかの連敗を喫して、それ以降チームの歯車が狂いっ放しという最悪コースを免れたのは何よりでした。
  
 一方完全に迷走しているのがG大阪というかポヤトス監督。「ボール支配率はやたら高いけれども全然点は入らずに大量失点を繰り返す」って「リカ浦和の黎明期の劣化版」みたいなものをイメージしていたのですが、まさかボールを握るのをあっさり止めてしまうとはなあ・・・あまりにも結果が出ないのでクビが涼しくなった監督の末期症状なのか、あるいはポゼッションだとかポジショナルサッカーなんてかなぐり捨ててほぼ「劣化版長谷川健太サッカー」で最低限の結果は出ているアルベル監督を見習ったのか、いずれにしてもかなり悲惨なご様子。
 
 またボールを持ちたがるチームなのに最後尾からのビルドアップが上手くないのは実に哀れですなぁ・・・浦和がリカ向きの選手をそれなりに揃えた上で新シーズンに臨んだのに対し、G大阪はどうもそうでもないようで。この試合でGKを谷から東口に代えた理由は傍目からは良く判りませんが、東口はシュートストップ能力こそ神がかっているものの、足元はやや不如意系。
 
 スコルジャは戦前「しっかりとハイプレスをかけてゲームコントロールしたいと思います。ただ、賢くプレーすることが必要だと思います。ボールをポゼッションするチームに対して、自陣でボールを奪ってカウンターを仕掛けるということも有効になると思います。そういったところからの失点が多いチームでもありますので、ボールを奪った後の切り替えのところでしっかりと仕掛けることができれば、チャンスも生まれると思います」と手の内を明かしていましたが、完全にそのやり口で点を取ってしまうのですからスコルジャは笑いが止まらないでしょうに。

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《選手評等》

・大久保がついに今季初ゴール!! 報知によると大久保は「全然点を取れていない浦和の2列目がネット上でボロクソに言われている」ことをわざわざエゴサした上で気に病んでいた様子。そして林コーチからも「最近、プレーはいいのにゴール前の20mは急に“人間”に戻っちゃう。ゴール前になると成功率10%くらいしかないよね」「もっとループパスを出すとか、もっとゴール前を楽しんじゃえば?」とアドバイスをもらったのが多少は役に立ったのか、ついに今季初ゴール!! ドリブラー大久保らしくない泥臭いゴールでしたが、ゴールはゴール。それでいいのだ。

・この試合の収穫はカンテがついにチームに馴染み出したこと。鳥栖戦までは「なんかボールはそれなりに収まるけれども、シュートを撃たないので相手は全然怖くない残念なFW」と思っていましたが、この試合では2度決定機に絡み、2度目は僅かにオフサイドになってしまいましたが、あの距離から威力十分のシュートでゴールをぶち抜く辺りはただものではありません。未だ正しい使い方が判らないまま絶賛迷走中のリンセンにだいぶ差をつけた感じ。

・スコルジャの評価が完全にシャルク>モーベルグになったのもびっくり。もっともシャルクもこれまた正しい使い方が判らずじまいで、左SHで空回りしたまま試合終了。荻原も空回りする傾向がある選手なので、左サイドの「ツイン空回り」は非常に危険でした。モーベルグはよほどコンディションが良くないのかなぁ・・・

・故障をおしてACL決勝に出た酒井は鳥栖戦・G大阪戦とお休み。試合後のスコルジャの話では「宏樹に関しては、次の試合で戻ってきてくれればと思っています」とのことなので、復帰は近い模様。やっぱり右SB明本はかなり無理があるからなぁ・・・

・この試合の観客数は31,440人に留まりました。G大阪戦はビジターも結構入るのでコロナ禍前なら4万人弱はコンスタントに入るカードなので、雨天予想が多少祟ったとはいえ大幅減なことは否めません。過去なんとなく習慣的に埼スタへ来ていた方の少なからずが「コロナ禍の3年」で埼スタへ来る習慣が失われて、そのまま戻ってこなかったのかも。こうなると営業としては国立開催に踏み切るとか新しいことをやらざるを得ないかと。

・この試合の前にはWEリーグの大一番「I神戸vs浦和L」が開催され、浦和がアウェーゲームを制してリーグ優勝に大きく近づきました。朝井さんはその結果についてハーフタイムには触れずに試合終了後に触れたというのは、「トップチームに直接関係ないことを試合中に持ち込まない」という浦和ならではのポリシーに従ったものかな?試合後に朝井さんが浦女の結果にがっつりコメントしていたので、気にしていない訳ではなかったのも明白でしたし。

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---興梠--リンセン---
小泉--------関根
---岩尾--安居---
荻原-マリウス--ショルツ-明本
-----西川-----

(得点)
45+2分 ショルツ(PK)
54分 大久保
59分 安居

(交代)
HT 小泉→大久保
HT リンセン→伊藤
73分 関根→シャルク
73分 興梠→カンテ
90+1分 荻原→大畑

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アラーノ---ジェバリ--食野
--ダワン----宇佐美-
-----山本-----
黒川-クォン---福岡-半田
-----谷------

(得点)
23分 ジェバリ

(交代)
63分 食野→杉山
63分 宇佐美→鈴木
63分 山本理→倉田
87分 アラーノ→石毛
87分 黒川→三浦

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2023.05.11

【観戦記】23年第10節:浦和 0-2 鳥栖 ~ これがビッグマッチ直後の試合の難しさなのか・・・

 ビッグマッチで疲労困憊、燃え尽きた後の試合は何かと難しいようで、浦和は過去ACL決勝直後の試合は勝ったことがなく、今回もまた同じ轍を踏む羽目になってしまいました。
 
《スタメン》

 浦和はACL決勝のためにリーグ戦3試合が未消化、かつルヴァン杯や天皇杯もあって6月にかけて超過密日程を強いられており、この試合はACL決勝の激闘からわずか中3日。しかし、この試合に限っては浦和は中3日かつホーム連戦なのに対して鳥栖はリーグ戦前節からわずか中2日かつアウェー連戦なので、実は鳥栖の方が日程がきつい格好になっていました。まあ試合強度が全然違うので単純比較はできませんが。

 従って浦和は大幅なターンオーバーを仕掛けてくると予想した向きも少なくありませんでしたが、ふたを開けてみるとスタメンの入れ替えは興梠→カンテ、小泉→安居、関根→シャルク、酒井→荻原の4名のみ。ACL決勝メンバーではなかった選手でベンチ入りできたのも大畑のみとびっくりするくらい選手の入れ替えは控えめでした。リンセンやモーベルグがベンチ外なのには心底がっかり。

 鳥栖もこれまたスタメンの入れ替えは長沼→西川、森谷→藤田、本田→堀米の3名のみ。もともと選手固定気味で闘っているので代えるに代えられないのかも。

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《試合展開》

 ビッグマッチ直後の試合なので気が抜けたというかふんわりというか、なんか集中を欠いたような試合の入りになってしまうことを恐れていましたが、試合の入り自体は悪くありませんでした。早速鳥栖を自陣に押し込んでシュートも2、3本放ちましたが、いずれも遠目から「とりあえず撃ってみました」という感じで決定機とは言えず。そして終わってみれば90分を通じてほぼその連続になるとは・・・
 
 そして浦和の攻勢は10分と続かず、試合は次第に鳥栖ペースへ、浦和は果敢に前からプレスをかけに行くものの、鳥栖は足元が超上手いGKパク・イルギュが使える上に、浦和のプレスに連動性がイマイチ欠けるせいか(しばしばシャルクが穴になっていた感じ)、序盤は笑えるくらいプレスがハマらず。また鳥栖のマンツーマン気味のハイプレスにも苦戦してビルドアップも難渋を極めました。

 16分には左SB菊地が後方から明本とショルツの間にスルスルっと上がって来てミドルシュートを放つもここはGK西川がセーブ。28分には左サイド深い位置からの藤田ロングスロー→田代ヘッドが炸裂するも、これまた西川がビッグセーブ。

 30分くらいからようやく浦和も鳥栖のハイプレスに慣れてボールをしっかり握り、サイドを変えながら反撃。39分には西川のロングフィードを契機に荻原クロス→こぼれ玉を拾った大久保のシュートはGKパクがセーブ。そのこぼれ玉を拾ったシャルクも詰め切れず。
 
 その後はお互い決定機を掴めないまま時間が徒過。どちらも日程が厳しいため鳥栖は56分小野→本田、西川→長沼、67分堀米→河田、藤田→手塚、浦和は60分カンテ→興梠、シャルク→関根、70分伊藤→小泉と早めに選手を替えましたが、選手交代がより効果的だったのは鳥栖のほう。
 
 表面上は鳥栖の方は日程が厳しいので先に運動量が落ちると予想していましたが、この選手交代が効いてハイプレスの強度は全然落ちませんでした。そしてこの鳥栖のハイプレスが効いて、浦和は立て続けにビルドアップのミスから失点を重ねてしまいました。
 
 70分には明本のパスを手塚がカット。左サイドからの菊地クロスは一応マリウスが跳ね返したものの、そのこぼれ玉をアーク付近から長沼がズドン!!バイタルエリアががら空きな上にショルツの反応もなんだか鈍くて、この辺がお疲れなのかも・・・
 
 さらに悲惨だったのは75分の失点。鳥栖のハイプレスに怯んだのか、自陣深い位置での小泉の安居へのバックパスがズレてボックス内で河田に奪われる大惨事。いくら得点力に乏しい鳥栖とはいえ、このプレゼントパスを見逃すはずがなく、手塚が決定的な2点目を取って事実上勝負あり。
 
 浦和は興梠&関根投入後鳥栖を自陣に押し込む時間帯こそ長くなったものの、左右からのクロスが誰にも合わないだらけで得点の気配皆無。最も惜しかったのは74分右サイドから大久保クロスが僅かに興梠に合わなかった場面でしょうか。

 84分には荻原→大畑、大久保→岩波と代えて3バックに変えるものと思いきや、なんとマリウスを最前線に上げたパワープレーに!! しかし、この形はいかにも練習してないっぽい上に鳥栖DF陣の防空能力がピッカリ田代を中心に結構高くて何の脅威も与えられず。90+2分に岩尾FKからマリウスヘッドで折り返し、興梠→明本と初めて良い形を作るも明本のシュートは仕様通りはるか上空へ飛んで試合終了。

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《総評》

 「ACL決勝直後の試合は何かと難しい」と方々から聞いていましたが、やはり難物でした。ACL決勝の死闘で疲労困憊のレギュラー組に多くを期待するのは難しいとしても、やる気に満ち満ちているはずの控え組もたいして良いところなし。控え組がぱっとしないのでレギュラー組に代えたところでたいして良くなる訳でもないどころか、小泉が自爆ボタンを押してジ・エンド。スコルジャもさぞかし頭が痛かったでしょうなぁ、これは。
 
 試合後スコルジャ監督は半ば記者の質問を煙に巻くような意味合いで「より多くの選手を入れ替えていればよかったと、試合後の今は思っています。しかし、これは負けたからそのように言っているだけです」と結果論を口にしていますが、観戦した立場からしてもこの出来ならGKも含めてフルターンオーバーで負けたほうがまだ納得感があったと言わざるを得ません。
 
 でも鳥栖の出来も褒められたものではなく、最悪スコアレスドローにはなると思ったけどなぁ・・・悪条件がいろいろあったとはいえ下位に低迷するチームにホームで負けてはいかんでしょう。そして未消化3試合で勝ち点9を積み上げて首位に躍り出る計画は早々と雲散霧消しました。リーグ戦で優勝を狙うならこういう試合で勝ち点ゼロは拙かろうに・・
 
 シュート数16対6(うち枠内15対4。但しプロックされたシュートが非常に多くてDAZNの数え方は過剰な気も)、CK数10対2、ゴール期待値(笑)2.09対0.47と凄まじいスタッツが並んでいますが、試合を見ている限りは相手GKを脅かした回数は圧倒的に鳥栖のほうが多くて、これらのスタッツが示すような浦和優位の試合という印象は全く受けませんでした。浦和の決定機らしい決定機なんて39分の大久保&シャルクだけでしょう。

 30分くらいから浦和がボールを握って鳥栖を自陣に押し込む時間帯が長くなりましたが、そこから決定機らしい決定機を作ったのは先述の39分だけ。なんか相手にボールを握られるのが大前提のアルヒラルに対して勝機を見出すことに特化し過ぎて、リーグ戦でコンスタントに勝ち点を積み上げるやり方をすっかり忘れてしまったような試合でした。その辺のチューニング、再調整をやるには中3日、いや一日オフがあったので中2日では無理だったということなのかも。

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《選手評等》

・怪我をおしてACL決勝に出ていた臭い酒井は当然ながらこの試合はベンチ外。右SBには明本が回りましたが、この試合みたいにサイド攻撃しか可能性がない展開になるとクロスに多くを期待できない明本右SBはかなり無理がありました。しかも明本は最初の失点の契機にもなってしまい、右SBの人選ミスが祟った気も。はなはだ結果論になりますが馬渡を起用したほうが可能性があった気が・・・
 
・外国人枠の関係でACL決勝のベンチには入れなかったリンセン、モーベルグ、シャルクは雪辱を期してこの試合に臨んでくるものと思いきや、なんとリンセンやモーベルグはベンチ外!!これには心底驚きました。そして出場したカンテもシャルクもこれといって良いところ、格の違いを見せつけるようなプレーは見せられずじまい。なにせ相手DFから見て「まかり間違えば一発でやられる!!」という怖さがない。

・外国人補強はCBが大当たりな反面、前目が全部微妙っちゅーのはなんでやろうなぁ・・・また浦和の2列目って守備貢献度はめっちゃ高いけど、得点力がしょぼすぎて、カップ戦で守り勝ててもリーグ戦でコンスタントに勝つには力不足なのもこれまた明白。よってあんまり持ち上げるのはどうかと思います。

・ACL決勝みたいなビッグマッチには半ば以上お祭り気分でワラワラ観客がやってくるけど、その客は次のリーグ戦にはそんなに来ないというのは過去何度も経験済。隣の兄ちゃん二人は初めて埼スタに来たっぽくて、ACL優勝効果は皆無ではなかったのしょうが、この試合の観客数は18000弱に留まりました。この数値は2019年の最小(大分戦:19,698人、金曜日で雨)を下回るものです。

・観客が少なかったのはビッグマッチ明けの平日の試合、かつ中3日&中3日の埼スタ3連戦で3試合とも行くのはしんどいからでしょう。ただ次のガンバ戦で3万を切るようだとコロナ禍の3年で観戦習慣を失った方がめっちゃ多いという可能性が非常に高くなり、クラブとしては深刻な問題となってしまいます。

Tosu2305003

-----カンテ------
シャルク---安居--大久保
---岩尾--伊藤---
荻原-マリウス--ショルツ-明本
-----西川-----


(交代)
60分 カンテ→興梠
60分 シャルク→関根
70分 伊藤→小泉
84分 荻原→大畑
84分 大久保→岩波

Tosu2305002
-----小野-----
岩崎---西川---堀米
---河原--藤田---
菊地-山崎--田代-原田
-----パク-----

(得点)
70分 長沼
75分 手塚

(交代)
56分 小野→本田
56分 西川→長沼
67分 堀米→河田
67分 藤田→手塚
89分 岩崎→島川

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2023.05.07

【観戦記】ACL2022決勝第2戦:浦和 1-0(計:2-1) アルヒラル ~ 守り勝って3度目のACL戴冠!!

 今大会のACL決勝は結局のところ2試合とも浦和が数少ないチャンスを活かして点を取り、その得点で得た優位ををきっちり守りきった試合でした。そしてこの試合に関しては強風がちょっとだけ浦和に有利に働きました。
 
《スタメン》

 浦和のスタメンは第1戦で途中交代を余儀なくされた酒井に大過はなかったため、第1戦と全く同じ「鉄板のスタメン」に。但し、ベンチに馬渡に代わって髙橋が入ったのが目を惹きました。
 
 アルヒラルの外国人枠はマレガに代わって浦和の天敵カリージョが入り、他はイガロ、ミシャエウ、そしてアジア枠でチャン・ヒョンスと予想の範囲内。また第1戦愚行で一発レッドを食らったアルダウサリに代わって、アルハムダンが起用されました。

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《試合展開》

 アルヒラルの基本フォーメーションは第1戦の4-4-2ではなく、基本はアルハムダン左WG、ミシャエウ右WG、オタイフ(#8)アンカーの4-1-2-3だったでしょうか。天敵カリージョはIH。
 
 5分にいきなりピンチ。浦和左サイドからのハイクロスに対して、第1戦同様ショルツと西川がちょっとお見合いする格好になってしまい、こぼれ玉をイガロ&アルハムダンが詰めようとして西川と交錯。ちょっと西川が傷んでしまいましたが、大過はなし。
 
 その後アルヒラルがボールを握り続け、浦和は次第に最終ラインを高く保つことが出来なくなって押し込まれ出した21分に大ピンチ。浦和左サイド深い位置からのサイドチェンジをファーでアルブライク(#2)が収めたところから始まる一連の攻撃、ボックス内でボールを回され、ボールを奪いに行っても奪いきれない中でミシャエウに決定機を与えてしまいましたが、ここま西川がセーブ。その後も延々とアルヒラルのCKが続きましたが、浦和は何とか難を逃れました。
 
 浦和の反撃が始まったのは30分。酒井スローイン→伊藤→酒井がボックス内に突入してクロス→興梠のジャンピングボレーが炸裂するも惜しくもバーを直撃!!!
 
 35分にはカリージョの縦パスが浦和最終ライン裏に飛び出したアブドゥルハミド(#66)に収まってしまい、自陣深くに押し込まれた浦和はタコ殴られの危機に陥りましたが、幸いにもカンノのシュートはバーの上。36分には伊藤も酒井もカリージョを止められず、浦和右サイドを破られそうになってやむなく大久保がイエロー覚悟で阻止。42分にはカリージョのミドルシュートが枠内を強襲するも西川が片手で難なくセーブ。

 浦和前半最後の反撃は45分、大久保がチャン・ヒョンスのロングフィードをカットして伊藤縦パス→どフリーで興梠が抜け出して小泉に展開するも、小泉がすぐには撃ち切れずに3人に囲まれてへなへなシュート・・・というか、そもそも興梠がオフサイドでした。
 
 試合が動いたのは48分深い位置での岩尾FKから。ボックス内左でマリウスがどフリーで頭で折り返し。ゴール前に飛び込んだ興梠には合わなかったものの、その挙動が気になったのかGKもボールに触れず、さらにその先でカリージョがクリアし損ねてまさかのオウンゴール!!!
 
 ただ浦和の先制点にあまり意味がない(=アルヒラルが1点取ればゲームは完全に振り出しに戻る)ので、なおも全く気が抜けない試合に。悪いことに65分ぐらいには酒井が傷んだようなそぶりを見せ始め、大久保は既にイエローをもらっているので右サイドが決壊の危機に。
 
 そこでスコルジャはまず72分既に最前線でヘロヘロになっていた興梠&小泉に代えてカンテ&安居を投入。73分には右サイドを破られかかってボックス内でイガロに決定機を与えるもマリウスがシュートブロック。74分は安居がハーフライン付近でボール奪取→カンテ→大久保ボックス内突入の決定機を掴むも、大久保のシュートは仕様通りはるか上空へ宇宙開発事業団・・・
 
 76分には伊藤が左サイドから意表を突いてミドルシュートを放つもサイドネット。
 
 81分には浦和左サイドからミシャエルが鋭いクロス→ファーでどフリーのアブドゥルハミドにはわずかに合わず。83分には右サイド深い位置で大久保の軽率すぎるボールロストを契機に逆サイドへ転がったボールにアブドゥルハミドが飛び込もうとするもその寸前で西川がキャッチ。
 
 崩壊寸前に陥った浦和守備陣を立て直すべく、スコルジャは86分伊藤→柴戸、関根→荻原と投入(って、おいおい右サイドはテコ入れなしかよ!!!)し、その直後のカウンターで安居がアーク付近から巻いて放ったシュートは僅かに枠を捉えきれず。

 浦和最後の大ピンチは90分カリージョの縦パスがボックス内でアルブライヒ(#5)に収まり、落としたボールをイガロが浦和守備陣を剥がしてシュートに持ち込むも西川がビッグセーブ!!!
 
 終盤はカンテが「特になにもやっていないのに、何か知らんけど相手を苛立たせる」という森脇ばりの特殊能力を発揮し始めて、時間の空費に成功し、4分もあったATには特に何事もなく逃げ切り勝ち。浦和が3度目のACL優勝をもぎ取りました。

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《総評》

 結果以外は何の意味もない試合の内容を云々しても仕方ないのですが、冒頭に記したように今大会の浦和の優勝は「守備の強さ」が手繰り寄せたものでした。ワシントンやラファエル・シルバといったアジアレベルでは規格外の外国人FWではなく、ショルツ&マリウスという規格外のCBがもたらした優勝といってもいいでしょう。
 
 第1戦、第2戦とも浦和の決定機は非常に少なく、得点も半ばラッキーといって然るべきもの。狙い通りの攻めの形はある程度出来てはいましたが、それでも「浦和の攻撃に見るべきものはなかった」と他所様に断言されても仕方ないと思います。

 第2戦は大久保の決定機逸に象徴されるように、「2列目の得点力のしょぼさ」がまたしても顕わになってしまいましたし。そしてこの試合の浦和の枠内シュートはなんとゼロ。「ゴール期待値」だと90分を通じてアルヒラルが圧倒的に優位だったでしょうなぁ・・・(もっともそれは何の意味もないことはリカ浦和で実感していますが(自虐))
 
 しかし、それでも浦和が優勝を手繰り寄せられたのは何と言っても守備の強さ。ショルツ&マリウスが聳える中央は実に堅固で、CF目掛けてのロングフィードやハイクロスなんでまず意味がありません。浦和の三国山脈、浦和の立山連峰。
 
 そして対アルヒラル戦では両SBの健闘も光りました。両WGで基点を作ってイガロへクロスを放り込むのが必殺パターンのアルヒラル。酒井がWGに負けないのは当然としても、明本が第1戦最初の失点以外は失態がなかったのが実にでかかったかと。期待を遥かに上回った出来で、明本は殊勲賞ものでしょう。
 
 最終ラインがそもそも質的に、人材的に堅固な上に、4-4-2の守備ブロックがこれまたしっかり機能していてなかなか崩れない。興梠&小泉が前からプレスをかけて簡単にはビルドアップを許さず、サイドに相手を追い詰めてチャレンジ&カバーを繰り返しながら粘り強く対応。それでもこぼれてきたボールはショルツ&マリウスが跳ね返し、最後の最後にはミレッコーチの薫陶を受けて大ベテランになっても飛躍的成長を遂げた西川が控える。
 
 大槻2年目から始まったゾーンディフェンスですが、大槻体制下では「ファーへクロスを送られればたちまち失点」というのがお約束でほとんど成果らしい成果はなく終わり、形になりだしたのはリカ体制になってから。「攻撃はしょぼいが守備はそこそこ手強い」というのがリカ体制の仕様で、スコルジャはそのブラッシュアップに成功したと言ってもいいでしょう。またただ守っているだけでなく、ある程度ボールを保持して自分の時間を作れるようになる、ゲームを落ち着かせられるようになったのもリカの遺産です。
 
 そしてスコルジャがツイていたのはマリウスの獲得に成功したこと。岩波の移籍未遂がなかったらマリウスは来てない訳で、マリウスなしでアルヒラル相手に守り勝てたかどうかはかなり怪しく、この辺は「塞翁が馬」としか言いようがありません。
 
 運の問題といえば、この試合は風が浦和にちょっとだけ有利に働いたかもしれません。この試合を通じて、西川のハイキックが風で大きく押し戻されるレベルで強い南風が吹いていて、前半風下だった浦和は苦戦を余儀なくされました。ところがアルヒラルもサイドチェンジ一発でWGなり高い位置にいるSBなりに展開してからの攻撃が得意なだけに強風でサイドチェンジがいきなりタッチを割ってしまう場面が目立って案外やりづらそうでしたし。そして浦和の得点も風がアルヒラルのGKなりカリージョなりの予測を誤らせた可能性は結構高かったような気も。
 
 さらに言えば、紆余曲折の末にもともと2月開催予定だったACL決勝が5月に順延されたのが浦和には幸いしました。2月開催だったらスコルジャ新体制を迎えたばかりの浦和はなす術もなくアルヒラルにボコボコにされていたことでしょう。開幕戦でFC東京に惨敗したことを思えば。
 
 ところが5月に順延されたのが幸いしたといってもその間たった3ヶ月しかない準備期間で浦和がアルヒラルと互角に闘える、いや控えめにいって「勝機を見出せるレベル」までチームを引き上げたスコルジャの手腕は驚嘆に値します。すべてはACL決勝のためと、それまでのルヴァン杯はもちろんリーグ戦すら半ばテスト期間と割り切り、かつリーグ戦ではかなりスタメンを固定して連携を深めることを重視。その結果、見事大輪の花を咲かせました。
 
 ACLへの出場権を掴んだ2021年天皇杯決勝で決勝点を決めた槙野、準決勝で起死回生のゴールを決めたユンカー、PK戦で最後のキッカーになった江坂はもう浦和にはいません。先人たちが紡いできた優勝へのか細い糸を現有の監督、スタッフ、選手達がちょっとずつ太くしながら手繰りに手繰ってようやく掴んだ3度目のACL優勝。本当にありがとうございました!!!

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《選手評等》

・Jリーグで浦和だけ目指している頂きが明らかに違う(=極端にACL重視)って競馬だとやたら天皇賞を重視するメジロ家みたいなもんかなぁ・・・

・決勝と準決勝PK戦での活躍を考えればMVPは西川で然るべきと思いましたが、国際的な知名度で酒井に遠く及ばないのが響いたかな?でも準決勝での「渾身のタックル」も圧巻でしたし、酒井であっても特に不思議はありません。

・森脇と言えば、優勝セレモニーで「森脇芸」はなし。森脇芸は適任がないのに無理に継ぐようなもんでもないでしょう。良くも悪くも真面目な選手だらけじゃないかな、今の浦和は。

・主審が結構怪しげ。少々の交錯、競り合いではファウルを取らない系なのかな?と思っていたらマリウスのクリーンなボール奪取に突然ファウルを取ったのには心底びっくりしましたし、それ以上にスローインのサイドを度々間違えるのにも驚きました、終盤にやらかした際はさすがに浦和の選手達もブチ切れていましたし!!でもアルヒラルの選手も何か知らんけど主審に不満があるような素振りが度々。

・現役兵の方はもちろんのこと、退役軍人の方もお疲れさまでした。超久しぶりに南北ゴール裏のみならずメイン&バックスタンドも一体となった「半狂乱の埼スタ」が帰ってきました。87分にWe are Redsの絶叫!! そして Pride of URAWAへと移る熱狂の埼スタ。これぞ最良の演者と観客が一体となったエンタメ。

・また2019年のゆるーーーい雰囲気を再現してはならじという気合を随所に感じました。試合前に「東西南北」で入って、緩くゴール裏に来ちゃったかもしれない方に喝を入れたのがめっちゃ良かった。

・南の世界地図はともかく、北が旧浦和市っちゅーのは浦和の方じゃないと判らんと思うで・・・でもあれに拘るのが浦和。

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-----興梠-----
関根---小泉--大久保
---岩尾--伊藤---
明本-マリウス--ショルツ-酒井
-----西川-----

(得点)
49分 OWN GOAL(カリージョ)

(交代)
72分 興梠→カンテ
72分 小泉→安居
86分 伊藤→柴戸
86分 関根→荻原

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2023.04.30

【DAZN観戦記】ACL2022決勝第1戦:アルヒラル 1-1 浦和 ~ 予想以上の好結果、好内容で折り返し

 かなり腰が引けたような形で試合に入ったのが災いして早い時間帯に失点。しかし浦和の立て直しは案外早くて一方的な試合にならなかったどころか、ややラッキーな形でアウェーゴールをもぎ取ってのドローという予想以上の好結果での折り返しに。

《スタメン》

・4/9名古屋戦で故障した酒井は随分早い時期に大原に姿を現していたので、「ACL決勝に間に合うと見せかけた実は故障したまま」という「逆アジジ作戦」ではないかと案じられ、前日の記者会見でも酒井の状態は何とも言えない感じでしたが、無事スタメンに復帰。よってACL決勝第1戦は鉄板のスタメンで臨めることに。

・3つしかないACLの外国人枠の3つ目に滑り込んだのはやはりカンテで、まずはベンチスタート。

・アルヒラルの外国人枠はイガロ、マレガ、ミシャエウ、そしてアジア枠でチャン・ヒョンスとこちらも予想の範囲内。

Saujikamo001

《試合展開》

・アルヒラルの基本布陣は4-3-3と聞いていましたが、蓋を開けてみるとどう見てもイガロ&マレガの2トップでミシャエウが右SHにいる4-4-2。

・試合後スコルジャも選手達も残念がっていましたが、浦和の試合の入りは全く良くありませんでした。良く言えば相手の出方を見極めるために慎重に試合に入ったのでしょうが、どちらかと言えばどアウェーの雰囲気に飲まれ、相手の圧力にも押しつぶされ、少々びびったような状態で試合に入ってしまったかなぁ。

・まぁスタメンでACL決勝の経験があるのは西川・関根・興梠だけですし、欧州でビッグゲームの経験がある酒井やショルツは別格としても他の選手はいきなり未経験ゾーンに突入したようなものですから、こうなってしまうのも無理はないかと。

・浦和は全然前からプレスには行かず、自陣に4-4-2の守備ブロックを敷いて構えるのはともかく、なんとかボールを奪っても全くと言っていいほど前に繋げないのには参りました。ボールを保持して自分たちの時間を作るどころか、ボールを持つのを怖がるかのように簡単に前に蹴っては相手に奪い返されるの繰り返し。

・そして13分に早々と失点。明本がミシャエウにあっさりと抜かれたのはともかく、ミシャエウの低いクロスへの対応でショルツと西川の連携が拙くてどちらもボールに触れられず、非常に狭いところを抜けたボールをファーでアルドサリにぶち込まれてしまいました。

・浦和が初めて反撃に転じたのは18分小泉の浮き球縦パスが最前線の興梠に通るも、プレスバックしてきたDFに捕まってシュートは撃てず。

・浦和がなんとか落ち着きを取り戻し、曲がりなりにもボールを持てるようになったのは前半も半ばを過ぎてから。しかし28分大久保が高い位置でボールを奪った好機で、バスを出した先の興梠がまさかの転倒。この転倒場面もさることながら、見た目と違ってピッチコンディションが良くないのか、前半はボールコントロールに失敗する場面が散見されました。

・特に24分には小泉の緩い、緩すぎるバックパスが直接相手に渡ってしまった場面は失点しなかったのが不思議なくらい(しかも小泉のバックパスが相手に渡ったのはこれが2回目)でしたし、31分には岩尾のGKへのバックパスがなぜか浮いてしまって枠内を襲い、西川が辛うじて処理する場面も。

・後半になると浦和の最終ラインも上がって、前からのプレスも次第にきつめに。ボール支配率は依然としてアルヒラル優位でしたが、序盤と違って相手にボールを持たせている感じに。

・そして53分大久保のスルーパスのクリアし損ねがなんとポストを直撃。その跳ね返りを諦めずに詰めていた興梠がぶち込んでややラッキーな形で同点に!!しかも貴重なアウェーゴール!! なおACLも次大会からアウェーゴールルールは廃止されるので、これが最後のアウェーゴールになるかも。

・後半唯一危なかったのは66分縦パスがボックス内でマレガに通った場面。しかしマレガのシュートはわずかに枠外。72分にはマレガが露骨にシミューションでボックス内で倒れる場面も。この猿芝居に引っかからなかったマリウスは立派。でも目の前で見ていたはずの主審はイエローを出さず。

・立ち上がりから守備に奔走させられた浦和の消耗は激しく、足を攣る選手が続出して67分興梠→カンテ、小泉→安居、81分酒井→荻原、大久保→早川、85分伊藤→柴戸と早めに選手交代。カンテの守備がいかにも手ぬるいのには参りましたが、その分安居が前目での守備強度マシマシ。おまけにカンテの穴を埋めるかのように早川まで激走ってユースの子にそこまで重荷を背負わせるなよ・・・

・途中でミシャエウが左に回ったり、3トップ気味にしてみたりと手は尽くしたものの完全に攻め倦み状態に陥ったアルヒラルは焦りの色が濃く(おまけにスタジアムもまるで飛田給のようにうなだれ、すっかり静かになって浦和サポの声しか聞こえない状態に)、86分ラグビータックルで突破を阻止しようとした岩尾ともつれ合って倒れたアルドサリが、なんと岩尾の腹を蹴ってしまって一発退場!!お前は車屋か・・・サレム・クルマヤなのか・・・

・ATには前プレが効かずにロングボールが右サイド深い位置のマレガに通ってしまい、マレガの折り返しがゴールマウスを横切るというヒヤリとする場面もありましたが、アルヒラルの決定機らしい決定機は結局のところ失点場面と66分の2回だけでした。

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《総評》

・戦前予想はアルヒラルが断然優位。アルヒラルはサウジアラビア代表がゾロゾロいる上に、豊富な資金力に物を言わせて外国人選手も強力。おまけに2019年ACL決勝にも出場していた選手がかなり残っていて経験豊富。

・一方今回の浦和の面子で現役代表クラスは酒井だけ。外国人選手は3人目がかなり頼りなく、おまけにACL決勝の経験がない選手がゾロゾロ。そりゃアウェーでの第1戦は「1点ビハインドくらいなら上出来」と考えるのも無理はないでしょう。

・そんな思いが選手達にも色濃く出てしまったのか、立ち上がりは最悪と評されても仕方ないかと。ところがそこで立て続けに失点しないどころか決定機らしい決定機も与えず、割と早い時間帯にチームを立て直せたのが「アウェーゴールを一つもぎ取ってのドロー」という予想を遥かに上回る好結果に繋がりました。

・後半明らかに浦和を攻め倦み、焦りの色が濃くなっていったアルヒラルの選手達、そしてすっかり静まりかえってしまったスタジアムを見ると、アルヒラルってチームもサポも相手にリスペクトされるのに慣れ過ぎているのかも。自陣に引き籠っているだけのチームなら自信をもってタコ殴りに行くけど、前に出て殴り返してくるチームへの対応は案外苦手という印象を受けました。

・第2戦はスコアレスドローでも浦和優勝ですが、下手に守りきろうとすると相手を勢いづかせるだけ。6万人近くの大声援をバックに「次の試合ではさらに攻撃的に、ゴールを目指しながらプレーしたいと思っています」というスコルジャの言葉そのまんまの試合になるでしょう。2019年の時ほど相手との実力差はないことがはっきり判りましたし。

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《選手評等》

・アルヒラルのストロングポイントが右サイド攻撃と聞いていたので明本の出来が心配でしたが、最初にミシャエウにスコーンと抜かれて以降は実に粘り強く守って、しょーもないファウルで止めることもなし。途中で北関東のスイッチが入ってしまう場面もありましたが、得意の喉輪はちゃんと封印していました。

・関根がヘロヘロになってしまい、やむなくラグビータックルでアルドサリを止めにいった岩尾課長。彼もまた北関東の人間であった・・・でもまさかアルドサリの一発退場を誘発するとは、岩尾本人も思わなかっただろなあ・・・

・ショルツ&マリウスだと相手FWの質的優位で殴り倒される心配はまずないのがでかい。マレガには際どい一発を浴びましてしまいたが、レガロは完封。それだけにショルツは失点場面の対応が悔やまれることでしょう。

・酒井が81分に交代した時は強行出場が祟っての故障再発か!!と案じられましたが、試合後の酒井本人の弁によると第2戦に備えて無理をしなかっただけみたいで。でも安居が知らん間に投入されてるとか、酒井が知らん間にいなくなっているとか、選手交代の場面をちゃんと写さない中継には参りました。浦和のスタメン紹介なんて「アレクサンダー岩波」「マリウス敦樹」「慎三犬飼」とか滅茶苦茶でしたし。

・かつてよりも入国が容易になったとはいえ、キング・ファハド国際スタジアムに詰めかけた赤者はなんと700人!!精鋭中の精鋭が集っただけあって、終盤は静まり返ったスタジアムの中で赤者の声だけが響くことに。誠にお疲れさまでした。

・そして深夜の埼スタでのパブリックビューイングには7000人弱もの赤者が(苦笑)。SRの終電でやって来て、始発で帰るのか・・・


-----興梠-----
関根---小泉--大久保
---岩尾--伊藤---
明本-マリウス--ショルツ-酒井
-----西川-----

(得点)
13分 アルドサリ
53分 興梠

(交代)
67分 興梠→カンテ
67分 小泉→安居
81分 酒井→荻原(荻原が左SB、明本が右SBへ)
81分 大久保→早川
85分 伊藤→柴戸

※写真は試合とは全く関係ありません。

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