2023.11.28

ホセ カンテ選手 現役引退

 昨日(11/27)ホセ カンテ選手の現役引退が公表されました。
 
 カンテはまだ33歳で引退するには若すぎるような気がしてなりませんが、11/26日付の日刊スポーツによると「家族との時間を大切にしたい気持ちが強く、第2の人生を送ることを決断」したのが引退理由だそうです。Jリーグで大活躍している割には急にギニア代表に呼ばれなくなったのを見ると、その筋の方には早めに引退を意向を漏らしていたのかもしれません。

Kante
 
 カンテは今年3月に加入したばかり。カンテの前所属は中国スーパーリーグの滄州雄獅ですが、クラブの公式発表で「滄州雄獅より完全移籍加入」と書かれていなかったのは、滄州雄獅が2ヶ月以上給与未払い状態に陥っているため、ホセ・カンテはFIFAの規定上フリーになったためと推察されます。
 
 ギアクマキス獲得が夢幻と終わり、そうこうしているうちに欧州主要リーグの移籍ウィンドウもクローズしてしまうという非常事態だったにも関わらず、浦和フットボール本部のリカバリーショットが意外に早かったのは高く評価されて然るべきでしょう。
 
 クラブの釣り書きでは「足下のテクニックがあり、攻撃の起点にもなれ、自らゴールを決めることも、アシストをして貢献することもできるマルチなストライカー。前線での守備的な貢献にも期待できる、経験豊かで、コンビネーションプレーも抜群の選手。」とあって、逆に「何が苦手なん???」と訝しくなるレベル。
 
 カンテは4/5ルヴァン杯川崎戦での途中投入で浦和での公式戦デビューを飾り、その後も後半途中投入の形で試運転を重ねた結果、ACL決勝では先任のリンセンやモーベルグを押しのけて3人の外国人枠を一角を得るまでスコルジャの信頼を勝ち取りました。
 
 ただシーズン開幕後の加入かつ過密日程が災いしてコンディションを上げるのが大変だったのか、カンテがコンスタントにリーグ戦でスタメン出場するようになったのは8月に入ってから。要するにリーグ戦も半分以上消化してからで、稼働期間が案外短かった(リーグ戦出場時間は興梠より短い!)のは惜しまれます。しかし、実質4ケ月程度の稼働期間の中でカンテが赤者に与えた印象は強烈でした。
 
 カンテと言えばとにかく「理不尽」。「まさか撃ってはこないだろう」という位置&タイミングでカンテが放つミドルシュートに一歩も動けなかったGKは数知れず。一応CFなもののボックス内でデンと構えるタイプではなく、結構サイドに流れがちなので相手DFも掴まえづらかったでしょう。
 
 またDFを背負ってポストプレーやハイボールでの競り合いはそんなに得意では無さげでしたが、半身で構えながらボールをキープするのは非常に得意(倒れているのにボールを奪われない謎芸も!)で、かつ周りもちゃんと使い(早川ですら「こいつは使える!!」と思ったら使い倒す柔軟さ)、さらに広範囲が見えているのでカウンターの中継点としても非常に役立ちました。おまけにスコルジャの求めに応じて2列目と連動しながらの前プレもさぼらずに敢行。実に有難いプレーヤーでした。クラブの釣り書きもあながち誇大表示ではなかったようです。

 カンテの最大の謎はたまに変なスイッチが入ってしまうこと。ぱっと見も言動も非常に温厚なのに、なぜか変なスイッチが入って一発レッドが2回。しかもその判定に対して主審に激昂するどころか一転して「賢者タイム」に入って主審に挨拶したり握手を求めたりする謎っぷり。まるで「北関東とは違うのだよ、北関東とは!!」と言わんばかり。
 
 そして何の予兆も、何の前触れもない、唐突の現役引退。別れ方まである意味「理不尽」でした。カンテが引退を決めた真相はおいおい各種媒体で報じられるでしょう。カンテの晩年のキャリアは「カイラト アルマトイ(カザフスタン)→滄州雄獅足球倶楽部(中国)→浦和レッズ(日本)」とどんどん地元スペインから遠ざかる一方だったので、ここで一区切りをつけて家族を大切にする道を選んだのかもしれません。
 
 短い間でしたが浦和のために全身全霊全力を尽くしていただきありがとうございました。そしてお疲れさまでした。

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アレックス シャルク選手 契約満了

 昨日(11/27)アレックス シャルク選手の契約満了が公表されました。
 
 シャルクは2022年3月にセルヴェットFC(スイス1部)から完全移籍加入。
 
 2022年シーズンを迎える前の浦和は縦横斜め、どこからどう見てもFWの頭数が不足しており、おまけに頼みのユンカーがグロインペイン症候群を患っていて2021年終盤から長期離脱。よってFWの補強は急務と目されていたものの、コロナ禍で新外国人選手の入国は長らく規制されていたので慌てて話をまとめても意味がないという難しい状況に置かれていました。
 
 そして3月になってFW獲得話がようやく話がまとまったのがシャルク。浦和の公式発表では「前線から献身的な守備もでき、得点能力も高い、左ワイドとトップが主戦場のストライカー。相手ディフェンスライン裏への飛び出し、ボックス内でのチャンスメークも期待。」というのがシャルクのウリ文句でした。

Schalk
 
 4/10FC東京戦終盤投入で浦和での公式戦デビューを飾ったのを皮切りに、その後に集中開催されたACLグループステージでリカはシャルクの最適な使い方を試行錯誤しまくり、6月初の天皇杯までスタメン出場を重ねていましたが、その後はめっきり出番が減ってしまいました。
 
 リカの試行錯誤過程ではっきりしたのはどう見てもCFタイプではないこと。かといってSHを任せるには守備が緩慢すぎ。正直リカが最適な使い方を見つけられずに時が流れたような印象を受けました。悪く言えばFB本部がリカの意向と擦り合わせないままパニックバイ的に採ってしまったようにも伺えました。
 
 そしてシャルクの難儀だったのは怪我がちなこと。ようやく怪我が癒えて柏戦でリーグ戦初ゴール後に熱い、熱いすぎる咆哮を見せたかと思うとまた故障。ちょっと調子が良くなって出番が与えられるとまた故障してしまう傾向は翌年も変わりませんでした。またスコルジャはリカよりさらに守備を重視するタイプなので、怪我とは関係なくシャルクの出番は限定的になってしまったのかもしれません。
 
 シャルクはなかなか出番が回って来なくても笑顔を絶やさず、リンセンとは舎弟関係にあるかのようにじゃれ合いながらも真面目に練習に取り組んでいたようで、誰からも「ナイスガイ」と評されました。ただ如何せんこの稼働率では今季限りでの契約満了は仕方ないでしょう。
 
 今季ホーム最終戦福岡戦で突然出番が回って来て、しかもゴールまで決めたシャルク。あのゴールがお別れの挨拶代わりになるのかどうか。まだまだ続くであろうシャルクのサッカー人生に幸あれ。
 

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2023.11.26

【観戦記】23年第33節:浦和 2-3 福岡 ~ 毎度毎度の残念なホーム最終戦

 今季限りで退任が決まってる監督の下で、3位維持という中途半端な目標を掲げるだけではモチベーションを維持するのは難しかったようで、毎度毎度の残念なホーム最終戦に。

《スタメン》

 浦和は出場停止の岩尾&前節神戸戦で負傷した伊藤に代わって柴戸&安居をスタメン起用した他、大畑→明本、岩波→関根、エカニット→中島とスタメン5名入れ替え。
 
 故障明けの荻原はベンチスタート止まりとなったため、関根右SBの奇策ふたたび。他に平野とシャルクがベンチ入りしたのが目を惹きました。エカニットはタイ代表帰りでコンディションが良くないのかベンチスタートで、U-22代表帰りの大畑に至ってはベンチにすら入れず。
 
 福岡のスタメンは前節G大阪戦と全く同じ。

Fukuoka2311002

《試合展開》

 立ち上がりから浦和がボールを持たされて、5-4-1で引いて守る福岡守備陣を攻め倦む展開になりかかったところで、13分明本が中島との壁パスでボックス内に突入して転倒。上田主審の判定はノーファウルで浦和が抗議する様子もなくそのまま何事もなく試合が進むと思われたところで唐突に西村VARが介入。
 
 長々と交信した末にOFRとなり、明本の足にCB奈良の足がかかっているのがはっきりと映し出されてPKに。18分GK永石はショルツがゴール右側へ蹴ると読んでいたようですが、ショルツはそんなGKの動きを見切ったかのように中央上方へ蹴り込んで浦和先制。
 
 しかし、その後プレス強度を上げてきた福岡に対して浦和は前進もままならなくなり、福岡がボールを持つ時間も長くなってきたところで32分GK西川からのロングボールが福岡CBに跳ね返されたところで柴戸の対応がいかにも緩慢。ワンバウンドしたボールがそのまま山岸に渡ってしまう失態を犯し、山岸のスルーパスを受けて紺野が裏抜けに成功。しかも西川が中途半端に前に出てしまって紺野のループシュートが決まって同点に。

 その後の戦況も芳しくなく、浦和のチャンスらしいチャンスは44分中島のミドルシュートが枠を捉えたくらい。逆に45分右サイドからカットインしてきた紺野が際どい一発も放つ場面がある等、やや福岡が押し気味の展開となったところで前半終了。

 ところがスコルジャが放った一手は後半頭から小泉→荻原という傍目に謎すぎる交代。スコルジャは試合後「後半に入ってからは、左サイドからもより相手の背後に抜け出す動きを増やそうと思い、佳穂を交代して明本を前に置きました。」と説明していましたが、明本を前に出すなら何の役に立っていない中島を下げたほうがまだマシだったのではないかと。
 
 前半攻撃をほぼ一人で支えていた小泉を下げたので戦況は好転する訳がなく、54分左からカットインしてきた金森のクロスを後半頭から投入された右WB小田にどフリーで叩きこまれてしまいました。
 
 副審は毅然としてオフサイドの旗を上げているので九死に一生を得たとばかりに安堵していたところ、またしても西村VARが介入。小田へのクロスではなく、その前の金森へボールが渡ったところがオフサイド臭かったようですが、荻原がいるオフサイドラインを金森は越えていなかったようでゴール認定。ここでの荻原は責められませんが、小田をどフリーにした罪は免れません。ルヴァン杯決勝に続けて福岡に狙われる荻原。スコルジャの采配はものの見事に裏目に。
 
 スコルジャはすぐに中島に代えてエカニットを投入して反撃に転じたものの、62分西川のパスを受けて柴戸がボックス内で無理に前を向こうとしたところでCH前に絡まれてボールを失う大失態。またしても紺野のゴールを許して決定的な3点目を奪われてしまいました。

 たまらずスコルジャは65分リンセン、シャルクを投入して2トップ気味に布陣を変更。70分には岩波を投入してショルツを右SBへ配転してリスクコントロールも何もないバンザイ突撃級の反撃に。75分岩波の縦パスを契機とする一連の攻撃でリンセンはディフレクトしてバーにバーに弾かれたものの、シャルクが詰めて1点差に迫ったものの、まさに反撃もここまで。
 
 リスク無視で攻めている割には決定機は作れず。ハイボールには強い福岡守備陣に対して単調なクロス攻撃を試みるばかり。特にセットプレーに何の工夫も見られないのが残念無念。岩尾も大久保もおらず、しかも故障明けの荻原はセットプレーのキッカーを務めるのは無理なようでシャルクが蹴っていたのが絶望感に拍車をかけ、試合終了間際にリンセンが放ったバイシクルシュートがスタジアムを沸かせただけで試合終了。

Fukuoka2311003
 
《総評》

 前節神戸戦での敗戦で優勝どころか2位になる可能性も消滅して、24-25ACLE出場の目はなくなり、3位を確保して24-25ACL2の出場を目指すしか具体的な目標がなくなった浦和。しかし「優勝しか意味がない」とばかりに監督の指示を公然と無視して攻撃参加するGKがいるようなチームですから3位という中途半端な目標ではモチベーションが維持できないのか、非常に残念なプレーの連続でルヴァン杯決勝に続いて福岡に完敗。今季限りで監督の退任が決まっているのもモチベーション低下に拍車をかけた感も少々。
 
 スコルジャは試合後の会見で「2失点目もシンプルなミスからでした。今シーズンはしっかりとペナルティーエリア内をコントロールしながらそのようなミスをずっと避けてきたのですが、この終盤で出てくるようになってしまいました。」「立ち上がりのパフォーマンスを、失点の後は戻すことができませんでした。それがなぜだったのかは、非常に答えにくい質問だと思います。」「失点の後、我々のアイデアや信念の部分を失ってしまってはいけないと思いますが、本日はそこの低下があったと思います。」と不可解かつ残念過ぎるプレーがあまりにも多かったのを認めざるを得なかったようです。
 
 選手達もさることながら、スコルジャの迷采配、特に真っ先に小泉を下げた謎は責められても仕方ないでしょう。当然ながら試合後質問が飛んで「ゲームの流れやチームの機能のところで、私の読みのミスだったと思います」とスコルジャらしく、珍妙な言い訳はせず、選手に責任を押し付けずに自らのミスを認めています。
 
 10/20のホーム柏戦を最後に全く勝てなくなり、11月のルヴァン杯決勝に始まるビッグマッチ3連戦は全敗。そしてこの試合も負けて4連敗。夏に補強した選手はたいして役に立たず、主力に怪我人が続出し、故障明けの選手も調子が上がらず、代表招集でコンディションを崩す選手までいる中で、シーズン最終盤に諸々のツケが回ってきたのでしょう。
 
 ボロ雑巾状態の浦和にはまだACL2試合、アウェー札幌戦、そしてCWCが残っていますが、もはや試合になるのかどうか。

《選手評等》

・柴戸の浦和でのキャリアはもう終わったかもしれません。岩尾出場停止&敦樹故障を受けて柴戸にスタメンでの出番が巡ってきましたが、大失態の連続で65分に懲罰的な交代を食らってしまいました。そもそも頭数が足りないSH/WGと違ってCHは頭数はいるのものの、結局使い物になるのは岩尾と敦樹だけだったのが超過密日程をこなす上で無理があり、控え選手との落差がこんなところで顕わになるとは!

・前節神戸戦で監督の指示を公然と無視した挙句に敗戦の主犯格となった西川は規律違反の咎でしばらくベンチ外になっても何の不思議もないはずですが、きっちりスタメン維持。監督が決める問題なのでとやかく言うべき話ではないのでしょうが、これでは今季限りで監督の退任が決まっているので今更規律もへったくれもないと見られても仕方ありません。GK練習開始時に西川へのコールがなかったのが今の西川への大方の見方を如実に表していました。

・中島の補強は今のところ完全にハズレ。守備に汗をかくタイプではないこともあって、ボールを持っていない時はほぼ行方不明。しかもボールを持ったところで俄然輝くというほどの仕事も出来ない。なんでこの出来の中島より先に小泉を下げたのか謎過ぎました。

・荻原は判定に不満でボールを地面に叩きつけてイエロー→イエロー累積で次節出場停止。SBは頭数が足りないのに愚行を繰り返す北関東コンビ・・・

・どんなに悲惨な最終戦でも、最後はショル子投入でほっこりさせる反則技!!

Fukuoka2311001

-----カンテ----
小泉---中島--大久保
---柴戸--安居---
明本-マリウス--ショルツ-関根
-----西川-----

(得点)
18分 ショルツ(PK)
75分 シャルク

(交代)
HT 小泉→荻原
57分 中島→エカニット
65分 大久保→シャルク
65分 柴戸→リンセン
70分 関根→岩波

-----山岸-----
--金森----紺野--
前嶋-前--井手口-湯澤
--宮--奈良-田代--
-----永石-----

(得点)
32分 紺野
54分 小田
62分 紺野

(交代)
HT 湯澤→小田
68分 紺野→ルキアン
76分 宮→三國
90分 金森→ウェリントン

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2023.11.24

マチェイ スコルジャ監督 退任

 先日(11/21)、マチェイ スコルジャ監督が2023シーズン限りで退任することが浦和から公式発表されました。
 
 わずか1年での退任については11/13にスポーツ各紙から一斉に報じられていたので今更サプライズでも何でもありませんが、スコルジャがたった1年で浦和を去るのは誠に残念でなりません。個人的には30年に及ぶ浦和史上でぶっちぎりに優秀な監督だと評価していただけに。
 
 スコルジャが1年で退任する理由については、11/23の定例会見でも「仕事ではなく家族を優先」するためだと改めて強調されました。「家庭の事情」というのは本当の理由を明らかにしたくない際に良く用いられるタームですが、スコルジャは「シーズンが終わったところで、数ヵ月は家族と共に過ごしたいと思っています。数ヵ月が5ヵ月なのか6ヵ月なのかはまだ分かりませんが、それが終わったところで、もう一度仕事をしたいと思っています」とまで語っているので、巷で噂されるポーランド代表監督等具体的なオファーを受けて退任するわけではなさそうです。母国ポーランドから遠く離れた極東の地で家族と離れ離れになるのはスコルジャには思った以上に大きなストレスだったのかもしれません。

Kobe2311021
 
 スコルジャが成し遂げた仕事の最たるものがACL2022優勝。監督就任からACL決勝まで準備期間が半年もない上に、オフにユンカー・江坂・松尾と前目の流出が目立ったにも関わらずギアクマキス獲得に失敗して戦力的には前年比マイナスと思われる状況下での快挙だったのでもうこれは絶賛する以外ないでしょう。ACL決勝まではスタメンをほぼ固定して「とにかく負けないことを優先する」戦術の浸透を優先し、それまではルヴァン杯どころかリーグ戦すらテストの場として活用。そして10回やって1回勝てるかどうかと思われるくらい実力差があった相手に僅かな勝ち筋を見出して、その勝ち筋を見事に引き出す強運ぶり!!いやはやこれには恐れ入りました。
 
 ショルツ&マリウスというJリーグでは突き抜けたレベルのCBを有し、おまけに最後尾にはミレッコーチの下で再成長を遂げた西川が控えている守備陣は極めて強固で、ACL決勝後も浦和が昨年より早いペースで勝ち点を積み上げる基盤となりました。
 
 ただACL優勝によりプレーオフを経てACL23-24への出場がきまったこともあって、今季の浦和は超過密日程に。スコルジャが「私が今シーズンまだ満足がいっていないところは、ビルドアップからの攻撃の面です。もう少し時間があればという側面もあると思います」とぼやくように、監督&スタッフは超過密日程の中でとにかくコンディション調整に明け暮れ、攻撃面での積み上げに乏しいどころかリカ時代よりもビルドアップが下手になっているような感すらありました。従って勝ち切れないどころかやたらスコアレスドローの試合が多く、これが優勝に届かない主因になってしまいました。
 
 またシーズン序盤のメンバー固定→控えとの実力差拡大→ACL後もスタメン固定に近くなってしまうという悪循環に陥ったせいか、シーズン後半には大久保・関根・明本そして酒井と主力に怪我人が相次いだのも優勝に届かない原因にあげて良いでしょう。
 
 さらに言えばACL優勝に伴ってシーズン後半は超過密日程になることが判り切っていたにも関わらず、補強が立ち遅れたのはスコルジャには極めて気の毒でした。「安部裕葵や中島翔哉に関しては、もっと早い段階でプレーできるように準備したかったですが、それが少し遅くなってしまいました」と実名を出してぼやくのも道理。
 
 「このサマーブレイクのない中で約60試合を闘っている」「世界中どこを探してもここまでタイトなスケジュールは見つけにくい」とスコルジャに苦言を呈される残念なリーグでスコルジャも「マネジメントの中でも、暑い夏のところでミスを犯してきた」にも関わらず、リーグ戦は2試合を残して3位、ルヴァン杯準優勝、天皇杯ベスト16という戦績を残すとは、もう文句のつけようがありません。
 
 スコルジャが面白いは監督としてはどちらかというとマネージャータイプで、卓越した戦術家ではないこと。戦術の仕込みはどちらかというとコーチ任せのように伺えました。よってスコルジャの凄腕が垣間見られたのは戦術面ではなくマネージャーとしての人心掌握面。開幕時からスタメン固定で、ACLが終わってもスタメンで出る選手、ベンチスタートだが試合に出られる選手、ベンチ入りに留まる選手、ノーチャンスの選手と割とはっきり分かれていたにも関わらず、出番のない選手のモチベーションが下がっている感じが全然しなかったこと。その結果主力に怪我人が相次いだリーグ戦後半で、前半全然出番がなかったリンセンや髙橋が輝きを見せてくれました。
 
 スコルジャ退任により浦和のオフは監督探しから始まることに。浦和は従来の「監督丸投げ」を止めて、「FB本部のポリシーにあった人物を監督に据える方針にしている」ので、その理念通りに事が進んでいるのであれば監督交代でまた一から土台作りにはならないはず。
 
 でも残念ながら昨冬のオフ辺りからFB本部への信頼度がガタ落ちなので、何の連続性も感じられない人事でも特に驚きはないかと。土田SDが「成長のプロセスとしては方向性をいかに継続していけるかが重要だと認識しており、今回の監督交代によって継続が断たれることは決してありません」と言っている後任選びがどこまで真剣なのかが見ものですが、早速スポーツ紙に「Jリーグ経験のある外国人指揮官」という文言が躍っているのを見ると、名前の「ス」や「ジ」が継続している!という可能性もあるからなぁ(苦笑)

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2023.11.13

【観戦記】23年第32節:浦和 1-2 神戸 ~ 西川の愚行で全てを失うとは・・・

 終始劣勢の試合展開ながら土壇場で同点に追いついたところまでは良かったのですが、まさか西川の暴走でとどめを刺されるとはなあ・・・そして11月のビッグマッチ3戦全敗は堪えるのう・・・
 
《スタメン》

 ACL浦項とのアウェーゲームから中3日の浦和は浦項戦から荻原→大畑、明本→ショルツ、安居→大久保とスタメン3枚入れ替え。故障明けの中島がようやくベンチ入りしたものの、関根はまたも間に合わず。
 
 安居と荻原はコンディションが良くないのか共にベンチ外に。試合後の岩波の話によると、何かアクシデントがあって岩波が当日になって急遽スタメンに入ったようなので、おそらく荻原に何かあったのでしょう。

 浦和とは対照的に日程スカスカの神戸は前節から飯野→トゥーレルの入れ替えのみ。山口蛍は前節に続いて欠場。

《試合展開》

 怪我人だらけ&明本が出場停止の浦和はついに「右SBショルツ」という奥の手を披露。

 神戸は前節湘南戦からスタメンこそ1名しか変わっていませんが、初瀬が右SB、本多が左SB、酒井がIHないしCHっぽいポジションとなぜか本職ではない位置に配される選手が複数いるのが不思議でした。

 浦和の試合の入りは悪くなく、大久保が2度ボックス内に突入したものの、簡単に倒れすぎてPKは取ってもらえず。そして浦和は良かったのは10分も続かず、その後はほぼ一方的な神戸ペース。浦和は神戸の厳しい前プレに対してロクにビルドアップ出来ず。コンディションに差がありすぎて球際でも終始劣勢を強いられました。。

 その結果20分カウンターを喰らって大迫スルーパス→佐々木の単騎ボックス内突入を許してしまいましたが、ここはなんとかマリウスがシュートブロック。37分にはマリウスの縦パスを目の前の佐々木にカットされてしまう大失態から大迫に決定機を許すもシュートは岩波がブロックしてバーの上へ。

 大迫にはこの場面以外何もさせていない一方、大畑が対面の佐々木に苦戦気味で、裏を取られてサイドを深々と抉られる大畑お馴染みの場面も。また岩波はシュートブロック等の見せ場がある一方パスミスも目立ってカウンターの基点になってしまうことも。

 守備は盤石とは言い難いながらも「最後の最後で相手にやらせない」という浦和らしい粘り腰を発揮していた反面、攻撃はカンテの一発に頼るしかない惨状で前半終了。

 後半に入った直後の46分大久保スルーパス→エカニットの決定機が生まれましたが、ここはGK前川セーブ。51分やや距離があるところからの岩波FKは前川の正面。ともあれ、これで多少流れが変わると思っていた矢先、53分酒井の足払いを食らった伊藤が故障。
 
 スコルジャはやむなく柴戸を投入するも柴戸は空回り気味で流れは再び神戸へ。ところが57分岩波の横パスを佐々木にカットされるというかほぼプレゼントパスという大失態を犯すも佐々木のシュートは枠を捉えきれず。64分武藤のカットインから始まる神戸の猛攻もゴール前でのシュートブロックの連続で浦和はなんとか防戦。
 
 しかし浦和の粘りもここまで。72分FKからの流れで左サイドから井出クロス→ファーで初瀬が拾ってクロス→ファーで大迫ヘッドで折り返し→前残りしていたCBトゥーレルヘッドと見事なまでに浦和守備陣を左右に振り回しての攻撃でついに神戸が先制。
 
 この試合敗戦はもちろん、引き分けでも優勝の可能性が消滅する浦和は77分小泉→髙橋、77分エカニット→中島と代えるも特段戦況に変化なし。そこでスコルジャは84分岩尾に代えてリンセンを投入する大博打を敢行。

 この大博打は少なからず効果があって87分中島のクロスにファーで大久保が飛び込んでボレーシュートを放つ決定機を掴むもここも前川がセーブ。ところが90+1分西川のロングフィードを守備固めで投入されたはずの右SB飯野がヘッドで弾き切れずにカンテに裏を取られる失態。ボックス内に突入したカンテはリンセンとのパス交換から同点ゴール!!

 しかし、一気に逆転を狙った浦和は90+5分敵陣かなり距離のある位置からのFKで西川を攻撃参加させたのが仇に。中島FKはなんと前川にキャッチされてそこから神戸のカウンターを浴び、大迫が無人のゴールに流し込んで試合終了。

Kobe2311026

《総評》

 浦和はこの試合に負ければ当然、引き分けでも優勝の可能性が消滅するという立場。ゆえに最後の最後でスコルジャが大博打を打って、その結果がものの見事に裏目に出たというのであればまだ納得がいきます。たとえ中島のFKの質が予想だにしない低質なもの(GKに直接キャッチされるという最悪パターン)であったとしても。
 
 ところが西川が上がったのはスコルジャの指示ではなく、西川の独断だったというのが試合後判明して開いた口が塞がりませんでした。ATは6分もあって、まだラストプレーでもない時間帯でGKが独断で上がるとは!!
 
 しかも、試合後の会見でスコルジャは西川を批判しないどころか、「この試合でどうしても勝ちたいという、強い気持ちが表れた状況でした。この大事な試合をどうしても勝ちたいという強い気持ちが全員にあった中で、かなり大きなリスクを冒しながら前線に上がったという場面でした」と誰の判断で西川が上がったのかぼやかした言い回しをしているのに、西川はわざわざ試合後マスコミに向けて「独断で上がった」ことを公言する始末。ついでに監督からは「言ってほしかった。上がるときに確認してほしかった」と怒られたことまで明るみに。

 監督の指示を公然と無視し、しかも無視したことを試合後マスコミに向かってベラベラ喋る。どう考えても規律違反の重罪。西川は今季一杯出番なしでも何の不思議もないでしょう。彩艶がいなくなってどう転んでも正GKの座は安泰という驕りが出たと言われても仕方ないレベルの愚行でした。酒井や岩尾がいたら西川の暴走を止められたかもしれませんが・・・
 
 また監督の指示で西川が上がったわけではないのだからチーム内に意思統一なんであろうはずがなく、大畑に「カード覚悟で大迫止めろ!」というのは酷と思います。意思統一されてないチームの末路とはそういうもの。中島のへっぽこFKだけは言い訳できませんが。

 また大迫の得点は「実はオフサイドだった」という後日談まで飛び出して何がなんやら。西川が上がっているのでオフライドラインは最後尾の大畑ではなくハーフライン。「大迫の上半身がハーフラインを超えているのでオフサイド」だというもの。誤審で浦和が不利を被るだけならJリーグはいつものようにシカトなのでしょうけど、今回は神戸と優勝争いしている横浜Mも被害者なので、Jリーグの対応が見ものです。

Kobe2311001  

《選手評等》

 VARが無い時「 」
 VARがある時「 」

 結局なんも変わらん。

 551との違いは何なのか???

・明本といい西川といい、愚行がなぜかホーム神戸戦で発生。あのチームには浦和を狂わせる何かがあるのか??

・敦樹の故障の程度は全く判りませんが、直近の日本代表試合はまず無理。下手すると今季一杯お休みかも。敦樹本人は代表に定着できるかどうかという立場なのでこのタイミングでの離脱はさぞかし無念でしょうが、個人的にはアジアカップまで代表で酷使されて休みなしになりかねなかった敦樹が、この故障でオフにしっかり休めて「塞翁が馬」と思っています。

・大畑といい岩波といい柴戸といい、普段使われないのがよくわかる出来で、実に切ないのなんの。

・中島は最後のFKが残念極まりなかったけど、それ以外は特攻要員としての仕事はしてたと思いました。でも所詮特攻要員でしかなく、エカニットに優先順位で抜かれるのも仕方ないあんまりな軽さがチラホラ。

・チケット総発券枚数は当日午前の時点で54,000枚超という話があったにも関わらず、実際の入場者数は48,144人どまり。悪天候でもないのにノーショーが非常に多かったのが不思議。

Kobe2311003
-----カンテ----
小泉---エカニット--大久保
---岩尾--伊藤---
大畑-マリウス--岩波-ショルツ
-----西川-----

(得点)
90+1分 カンテ

(交代)
54分 伊藤→柴戸(負傷による交代)
77分 小泉→髙橋
77分 エカニット→中島
84分 岩尾→リンセン(中島がCHに下がって、リンセン&カンテの2トップ気味に)

Kobe2311022
武藤---大迫--佐々木
--酒井---ー井出--
-----扇原-----
本多-トゥレル--山川-初瀬
-----前川-----

(得点)
72分 トゥーレル
90+6分 大迫

(交代)
77分 井出→パトリッキ
89分 初瀬→飯野

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2023.11.09

【DAZN観戦記】ACL2023/24 GS MD4:浦項 2-1 浦和 ~ あんまりな愚行を契機に痛恨の逆転負け

 浦項のサイド攻撃に対する浦和の脆弱さは前半から見え隠れしており、2失点ともサイド攻撃から食らっているのは偶然ではなかろう。でも明本の愚行が全てをぶち壊したのは間違いない。この面子でよくやっていただけに実に嘆かわしい。

《スタメン》

 ルヴァン杯決勝から中3日の浦和はショルツ→岩波、酒井→明本、早川→エカニット、髙橋→安居とスタメン4名入れ替え。故障&手術した酒井はもちろん、ショルツ&大久保はベンチにも入らず。
 
 特に大久保はルヴァン杯で本来30分限定のところを45分使てしまったので浦項戦は使えなくても何の不思議もないかと。ルヴァン杯では試合前のウォーミングアップに顔を見せていた関根も間に合わず。その代わりエカニットが浦和加入後初のスタメン出場。
 
 GKが2名もベンチ入りしている反面、大原で練習している姿が確認されていて怪我ではないと思われるのにここでもベンチに入れないフィールドプレーヤーがいるのは実に切ない(つД`)

 浦項もカップ戦決勝から中3日と過密日程のようで、長身CFゼカなど主力数名がベンチスタート。

Korea001

《試合展開》

 浦和は浦項とのホームゲームで痛恨の敗戦(0-2)を喫してしまったので、直接対戦での成績が重要視されるグループステージでは浦項とのアウェーゲームで2点差以上で勝たないとグループステージ1位通過が怪しくなるという立場。そのせいか浦和は珍しく立ち上がりから積極的に試合に入り、1分に早速明本クロス→カンテヘッドの決定機。その後も10分エカニット、12分カンテとアーク付近から枠内シュートを放ったものの、いずれもシュートコースが甘くてGKを脅かすには至らず。
 
 しかし、前回対戦で顕著だった「球際での競り負け」はこの試合ではほとんど見受けられず、ボールを失っても前線からプレスをかけて再奪回にかかり、浦項得意のカウンターを許さず。
 
 15分を過ぎると両者中盤でのプレスの掛け合いとなって試合の形勢は五分五分となり、30分には岩尾の自陣深い位置からのビルドアップのミスでヒヤリとする場面もありましたが、36分カウンターで小泉が自陣で一人交わして左サイドの裏に長い縦パス→左サイドからエカニットがボックス内へ突入して中央へ横パス→カンテのシュートが決まって浦和先制。
 
 前半終了間際には浦項右サイドからのクロスがマリウスに当たってコースが変わったのが災いしてファーで#37(ホン ユンサン)に詰められるピンチがあったものの、ここは明本&西川がブロックして難を逃れました。

 浦項は後半頭からCFゼカなど3選手を一気に投入。52分左サイドからのクロスに#30(ユン ジェウン)が飛び込むも枠を捉えきれず。続く62分も左からのクロスはマリウスがカットしてわずかにゼカに合わず、と思っていたところ突如VARが介入。クロスは確かにマリウスの小さく広げた右手に当たっていてハンドを取られても特に不思議はなくPKの判定。66分ゼカは西川のタイミングを上手く外して難なくPKを決めて同点に。
 
 マリウスは前半終了間際のピンチに象徴されるように、疲労困憊で「あと一歩が出ない」場面が最近目立つようになっており、それが祟ってこんなハンドを取られる羽目になったのでしょう。
 
 その直後に浦和はエカニット→リンセン、安居→髙橋と代えて反撃に転じたようとしたところで、今後は72分明本が相手のカウンターを阻止しようとしたところで明本の足裏が#11(コ ヨンジュン)の足首のあたりに入ってしまい、主審の当初の判定はイエローでしたがVARが介入して当然の一発レッドに変更。#11は気の毒なことにそのまま負傷退場。
 
 数的不利になった浦和は77分小泉→大畑の交代で右SBに荻原を回し、84分には浦項CBのミスを突いたリンセンがシュートを放つものの枠を捉えきれず。さらに85分カンテ→興梠と代え、荻原が守備に戻れる体力がないのを覚悟の上で敵陣深く激走するなど浦和は数的不利でも勝ち点3を狙いにいきましたが、当然ながら試合はオープンな展開に。
 
 再三浦項のサイド攻撃を食らいながらも浦和は良く耐えていましたが、90+4分浦項右サイド深い位置からのスローインで始まる攻撃で、#12(キムスンデ)が大畑の裏に飛び出して高速クロスボール→西川は弾くのが精一杯で#7(キム インソン)に押し込まれて逆転を許してしまいました。
 
 なおも浦和は諦めずに攻勢に出たものの、リンセンのシュートは最後まで枠に飛ばず、試合終了間際にはスコルジャに全く意味不明なレッドカードまで飛び出して、後味の悪い形で試合終了。

Korea002
 
《総評》

 浦和はホーム&アウェーとも浦項に負けてしまったのでグループステージ1位突破の目がなくなり、残り2試合連勝しても勝ち点10止まりでは他グループでの比較で2位突破の可能性すら怪しくなってしまいました。しかも今季一杯酒井不在が確定しているのに、次節武漢戦は明本も出場停止となって右SBの人材難はここに極まれり。実に辛い。

 乏しい現有戦力の中でのやりくりを強いられたスコルジャは残る3大会で最もタイトル獲得の可能性が高いルヴァン杯決勝を最優先に選手を起用したのでしょう。強行出場を繰り返していた酒井がルヴァン杯決勝後に手術を決断したのもルヴァン杯決勝がチームの最優先だったことを伺わせます。
 
 しかしその甲斐もなくルヴァン杯奪回に失敗して、酒井ほどではなくとも負傷をおしてルヴァン杯決勝に出ていたショルツや大久保をACL浦項戦で欠くという代償を払うことに。従って浦和はエカニットをスタメン起用したのに象徴されるように、かなり苦しい布陣で浦項とのアウェーゲームに臨まざるを得なくなりました。
 
 それでも前半の浦和は大善戦するどころか、先制点を奪うことにも成功。ところか浦項が後半頭からCFゼカなど主力を投入してギアを上げてきたところで浦和はそれに抗し得る手駒がなくて劣勢に陥っただけでなく、明本のあんまりな愚行で数的不利に陥ることに。
 
 数的不利でも浦和は勝ち点1ではなく、勝ち点3を狙いに行くというナカヤマフェスタっぽい分の悪い賭けに出た(浦和が勝ちにいったのは試合後会見でジャナスコーチも明言)ことには賛否両論あろうかと思いますが、浦和はその賭けにも見事に失敗して勝ち点ゼロに終わってしまいました。
 
 最後は大畑の軽さが目立ってしまいましたが、数的不利が祟って左SHには守備に多くを期待でないリンセンが回っていて左サイドは大畑が孤立無援の状態でしたから、あまり大畑ばかり責めても仕方ないかと。右サイドはヘロヘロの荻原を髙橋が馬車馬状態でなんとかフォローしていたのと対照的。
 
 決勝点を決めた#7(キム インソン)は奇しくも明本が負傷させてしまった#11(コ ヨンジュン)に代わって投入された選手。まさに因果応報でした。
 
 ショルツ&大久保をベンチ外にしたのは、中3日で控えるリーグ戦神戸戦で3位確保を目指していることの現われのような気もしますが、明本は神戸戦も警告累積で出場停止。そして難敵神戸相手に負けてしまうと3位確保すら怪しくなってしまいますが、果たしてどうなることやら?

Nakayamafyesta


《選手評等》

・結果は非常に残念でしたが、初先発のエカニットが予想以上に良かったのが好材料。エカニットのプレス強度は正直物足りないと思いますが、それでも絶えず周囲をきょろきょろ見てて連動しようとする意識があるのは良く判りました。また狭いスペースでくるっと前を向けるのはいかにもタイのOMFっぽい感じ。割と簡単にミドルシュートを撃つのはそういう選手なのかどうか。ともかくこの出来なら中島より優先して使われるのも道理。夏の補強で正直「当たればラッキー」くらいに思っていたエカニットが一番戦力になっているのが皮肉というかなんというか。

・手術を決断した酒井は浦和公式では「右膝半月板損傷で全治まで約3ヵ月間の見込み」との話でしたが、報知によると「関係者によると、酒井は2月上旬に右膝半月板を負傷。痛みを抱えながら、プレーを続けてきた。今季は4月に右太もも裏を負傷、7月に左肘を脱臼するなど、ケガを重ねながらチームをけん引した。」とあってびっくり仰天。そんな前から故障していたのに酒井のバックアップを宮本のレンタルバックでお茶を濁し、その宮本はベンチ入りできるレベルにすらなかったとは、いやはやFB本部は実に良い仕事してますなぁ・・・

・敦樹はFIFAワールドカップ26アジア2次予選 兼 AFCアジアカップサウジアラビア2027予選(11/16 ミャンマー代表戦、11/21 シリア代表戦)に臨む日本代表メンバー招集決定。でも今の出来で代表へ行ってもロクに使われないまま終わるだけやと思うけどなあ。というか、代表に呼ばれ出してから浦和でのパフォーマンスが日に日に落ちている気がします。

・ファガニ主審はVARとよく連携を取り(その結果浦和が不利になってしまいましたが)、72分の明本退場まではVARをまともに使いこなせないJリーグの残念な審判団より遥かにマシな裁きっぷりを見せていましたが、試合終盤になぜかヒートアップして最後はスコルジャに謎過ぎる一発レッドをお見舞い!!まぁ試合結果には一切関係がない暴走だったのが救いと言えば救いですが・・・

・この試合のDAZN解説は槙野。槙野の解説は評判が良くないようですが、個人的にはチクチクと浦和批判をやらない分、あの方よりマシと思っているけどなぁ・・・たとえ不勉強が目だち、不要な自己アピールが目立ったとしても。

-----カンテ----
小泉---エカニット---安居
---岩尾--伊藤---
荻原-マリウス--岩波-明本
-----西川-----

(得点)
36分 カンテ

66分 ゼカ
90+5分 キム インソン

(交代)
66分 エカニット→髙橋(髙橋右SHへ)
66分 安居→リンセン(カンテ&リンセンの2トップへ)
77分 小泉→大畑(大畑左SB、荻原右SBへ)
85分 カンテ→興梠

※写真は試合とは全く関係ありません

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2023.11.05

【観戦記】23年ル杯決勝:浦和 1-2 福岡 ~ なんだろう、この凄まじい徒労感・・・

 ACLホーム浦項戦で面子を落として完敗するというデカすぎる犠牲を払ったのに、続くリーグ戦でもカップ戦でも結果は出ず。浦和は完全に虻蜂取らずとなり、過密日程だけが残るという厳しい局面に陥りました。

《スタメン》

 浦和のスタメンは鹿島戦から安居→早川の入れ替えのみ。鹿島戦ではベンチ外だった大久保とリンセンがベンチ入りし、興梠と柴戸がベンチ外に。故障離脱中の関根は間に合わず。ただ興梠・柴戸・関根とも試合前のアップには参加しており、本当にギリギリまで見極めてのベンチ入りメンバー選考だったことが伺われました。

 福岡は金森→森山、小田→湯澤、村上→永石とスタメン3枚入れ替え。GKを入れ替えたのがサプライズ。なお福岡は森山がU-21枠。

Ruhai2311002  

《試合展開》

 3バックと4バックを併用する福岡の出方が見ものでしたが、この試合の福岡は直近のリーグ戦同様3-4-2-1。普段CHに入ることが多い前をシャドーに上げて、森山をCHに配する布陣でした。
 
 そしてその福岡がフルパワーで試合に入ったのに対し、浦和はよく言えば様子見、悪く言えばぼんやりした感じで試合に入り、早々に自陣でFK、さらにはCKを取られ、さらには5分カウンターを浴びて、荻原が紺野にあっさり交わされた挙句、ファーに飛び込んだ前が難なく押し込んで福岡がいきなり先制!!紺野が利き足とは逆の右足で低いクロスを入れてきたのが荻原に、さらには中で弾き返そうとするDF陣の意表を突いたのかもしれませんが、前の飛び込みに対しては無警戒すぎました。
 
 福岡はその後も全く手を緩めずに5-2-3のような恰好でガンガン前からプレッシング。そんな相手に浦和はビルドアップに苦しみ、ようやくカンテや酒井へロングボールを繰り出して局面打開を図ろうとしたところで、今後は5-4-1の布陣で中をしっかり固める福岡に手も足も出ず。それどころか時折福岡の鋭いカウンターを浴びる始末。浦和がボール奪回に動いたところでプレスは全然ハマらず、福岡のパスワークであっさり交わされるのは物悲しいのなんの。
 
 41分井手口CK→宮ヘッドの大ピンチは西川がなんとか防ぎましたが、45+4分CKからの流れで左サイドに流れていた紺野が対面の岩尾を交わして今度は得意の左足で低くて速いクロスを入れると、前残りしていた宮が中で詰めて福岡が追加点!!

 スコルジャは早々に失点してもいつも通り慌てて点を取りに行くようなことはせず「致命的な2点目を許さずに前半をやりすごして後半勝負」という構想を立てていたと思いますが、その「致命的な2点目」を前半終了間際に取られたことでゲームプランが根底から覆ってしまいました。そこで後半頭から早川→安居、髙橋→大久保と2枚替え。

 しかしこの交代もなんら奏功せず、53分にはカウンターを浴びて紺野に決定機を許すもここはマリウスが辛うじてシュートブロック。さらに55分にはカウンターで後方から駆け上がってきたCBグローリをマリウスが倒してしまってPKの判定(VARと交信した上での判定でしたが、ファウルを犯したのはボックスの外に見えますが・・・)。
 
 このPKが決まったら事実上試合が終わってしまう浦和絶体絶命の大ピンチを迎えましたが、山岸のシュートコースを西川は完全に読んでいたのか、シュートをセーブするどころかがっちりキャッチ!!!
 
 これで息を吹き返した浦和は60分この試合初めて迫力のある攻撃を見せ、ボックス内でカンテの横パスを受けようとした伊藤が後方から前嶋に削られて転倒!!誰もが当然PKだろうと思った場面でしたが、中村主審の判定はなんとVARと交信した上でノーファウル!!
 
 スコルジャはこの判定にブチ切れることなく、61分伊藤→リンセン、小泉→明本と2枚替え。67分酒井が自陣から大きく斜め前に展開→福岡最終ライン裏へ抜け出した明本がGK股抜きシュートが決まってついに反撃開始。
 
 PK阻止&1点差を迫ったことで完全に試合の流れを浦和が掴んだようにも見えましたが、長谷部監督も続々と選手を代えて(さすがに紺野の負傷退場は誤算だったでしょうが)守備強度を一切落とさずに懸命に火消し。79分カンテの理不尽砲がついに火を噴いたかと思いきや、ややコースが甘くてGKセーブ。
 
 80分には岩尾→エカニットと代えてエカニットがCHに入るという奇策を講じ、酒井を上げっぱなしにして猛攻を見せたものの残念ながら酒井をフォローすべき大久保に全くキレがなくて往々にしてブレーキに。90+5分好位置でFKを得たにも関わらず、大久保のFKは誰にも合わずに選手達が並ぶ後方をコロコロとすり抜ける残念さ。その直後にはカンテの理不尽砲がまたしても火を噴きましたが、今後はポスト直撃!!試合終了間際のFKでは西川もゴール前に上がりましたが、何もお起こらずに試合終了。

Ruhai2311001

 
《総評》

 福岡の堅陣を浦和が攻め倦むというか、もともと無理に攻める体質ではないので、スコアレスのまま時間だけが流れるという典型的な塩試合「ザ・ハカタの塩」を戦前予想していましたが、試合開始早々その予想は完全に崩れました。塩試合どころか完全に福岡ペースの前半。
 
 それでも1点ビハインドで前半終了ならまだしも、2点取られたらとにかく攻撃力がない今の浦和には勝ち目がありません。しかも切り札として投入したはずの大久保が完全にブレーキに。試合後スコルジャが「トモの場合は今日は怪我上がりで30分前後と言われていましたが、リードされている中で、より長い時間プレーさせることにしました」と語っていますが、その無理が祟ったのでしょう。

 また大久保のみならず両サイドが攻守ともダメダメでした。早々に失点して、5バックの相手に本来サイドアタッカーではない髙橋を守備重視でSHに起用しているのが完全に無駄玉になってしまいましたし。スコルジャも「いわゆるレギュラー組が使えないときに苦しむところはあると思います。そして大久保トモ(智明)と関根タカ(貴大)が好調なときと、彼らがいないときとでは、違いがあったりします。」とサイドアタッカーの人材不足を嘆くことしきり。
 
 浦和は両SBを高く上げて攻撃する割にはそのリターンは乏しくて、上がったSBの裏を福岡にしっかり突かれるの繰り返しの巻。長谷部監督は浦和の弱点をちゃんと突いてきました。納得のいかない判定が多かったのは確かですが、負けは判定のせいではなくはっきりした力負けでした。

 ACLホーム浦項戦で面子を落として完敗するというデカすぎる犠牲を払ったのに、続くリーグ戦でもカップ戦でも結果は出ない。完全に虻蜂取らずコースで、薄い選手層で三つもコンペティション競うのは無理だったということですなぁ・・・

Ruhai2311004

《選手評等》

・早川はニューヒーロー賞をゲットしたものの、強度マシマシ系の福岡守備陣相手には全く良いところなく、前半だけでお役御免。まだまだやなぁ・・・

・ショルツは24分にびっくりするくらいあっさりとイエローをもらった(あれにイエロー出したら後々大変やでと思ったら、案の定より酷いファウルには沈黙する残念な主審)にも拘らず、酒井上がりっぱなしでがら空きの右サイドをほぼ一人で守ってたし、たまに攻撃参加。ホンマ神でした。そして神も疲れるよ。

・西川のPK阻止に期待が持てるようになったのは、やっぱあのACL準決勝でのPK戦勝ちから来てると思います。そしてこの試合では山岸のシュートコースを読み切ってセーブどころかがっちりキャッチ!!西川の進化は止まらない!!それだけに勝ちたかったなあ・・・

・JリーグはVARを上手く活用できないのがバレちゃってるから、VARが介入したからといってその検討結果に納得するのも難しくなっているという地獄・・・その意味で早川のオフサイド誤審は致命的でした・・・

・この試合はメイン3層で観戦。この位置だと全体を俯瞰できるので戦況自体はよくわかりますが、やっぱ狭い局面、ごちゃごちゃした局面はさっぱりわからずじまい。福岡は個別識別できる選手もあんまりいないのでなおさら。でも大きな屋根がすっぽり被り、Wi-Fiも強力だから、そんなに悪いスタジアムでもないという印象でした。少なくとも大規模スタジアム&陸上兼用なら横国や味スタよりはかなりマシかな。

・普段かなり恵まれた席で見ているので、よそのスタジアムで近くにヤジラーとか前々教徒とかおるとめっちゃ辛いかった。アウェーはもうDAZN観戦にしてるせいか、完全に耐性落ちてるわ・・・

・そう言えばお菓子はもらえなかったなあ? キックオフ1時間前到着、しかもEゲートでは無理ということか・・・

・何としても阪神に優勝してもらって、世間的には「ルヴァン杯決勝なんてなかった」ことにしてもらおう!!と思ったのですが、阪神も完敗して心底がっかり。

Ruhai2311005

-----カンテ----
小泉---早川---髙橋
---岩尾--伊藤---
荻原-マリウス--ショルツ-酒井
-----西川-----

(得点)
67分 明本

(交代)
HT 早川→安居
HT 髙橋→大久保
61分 伊藤→リンセン
61分 小泉→明本
80分 岩尾→エカニット

Ruhai2311003
-----山岸-----
--前-----紺野--
前嶋-森山-井手口-湯澤
--宮--奈良-グロリ--
-----永石-----

(得点)
5分 前
45+4分 宮

(交代)
HT 森山→金森
72分 紺野→中村(負傷による交代)
76分 湯澤→小田
89分 宮→田代
89分 山岸→ウェリントン

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2023.10.29

【DAZN観戦記】23年第31節:鹿島 0-0 浦和 ~ はいはい、毎度お馴染みのスコアレスドローの巻

 ACL浦項戦の面子を落としてまで必勝を期したアウェー鹿島戦でしたが、結果は毎度お馴染みのスコアレスドロー。守備は堅くて相手にほとんど決定機を許していない一方、攻めても選手層が薄いのが祟ってあと一押しが足りないといういつもの光景が広がる中で、事実上リーグ戦優勝の目は潰えました。

《スタメン》

 ACL浦項戦から中3日の浦和はリンセン→カンテ、柴戸→岩尾、岩波→ショルツ、大畑→酒井とスタメン4名入れ替え。
 
 浦項戦はACLグループステージで最重要試合と目されたにも関わらず岩尾・酒井・ショルツはベンチスタートとして鹿島戦で向けて万全を期したのが丸わかりだったのでこの3名のスタメン復帰は自然ですが、浦項戦でベンチ外だったカンテがここでスタメンに復帰するのはポジティブサプライズでした。
 
 一方浦項戦で続々復帰した故障明け組で引き続きベンチ入りしたのは明本だけ。リンセン、大久保、中島がベンチ外なのが気がかりと思っていたら、試合中に伝えられたDAZNの情報によると大久保は直前にどこかしら傷めたとのこと。
 
 スコルジャは試合後「ACLの試合で大久保を使ってしまったことが、私のミスだったと思います」と語っているのと合わせると、浦項戦の試合後に「本日の試合の後、もしかしたら怪我人が増えるかもしれません。今のところ名前は挙げたくないのですが、このような厳しい状況にいます」と話していた選手はカンテでも酒井でもなく、大久保だったのか!!
 
 リーグ優勝の目は完全に潰えた鹿島は神戸戦から荒木→垣田、藤井→仲間とスタメン2名入れ替え。

Shika003

《試合展開》

 浦和の布陣はいつもの4-2-3-1ではなく、カンテ&髙橋の2トップ気味で安居右SH。スコルジャなりに考えての対鹿島仕様だったようですが、ビルドアップは上手く行かず、最初に良い攻撃の形を作ったのは鹿島。
 
 15分FW鈴木が前線でボールを収めて左SB安西クロス→ファーに右SB広瀬が飛び込むもシュートは枠外。これ以降鹿島がボールを握って浦和を自陣に押し込む時間帯が長くなり、25分には左サイドから安西クロス→FW垣田ヘッドの良い形を再び作ったものの、シュートは枠を捉えきれず。
 
 ロングボールを多用して早めに2トップにボールを預けて、サイドからのクロスに再度2トップが突っ込むのは鹿島の得意中の得意パターンですが、両CBが強力すぎる浦和戦に限って言えばそもそもFWが最初にボールを収めるのが容易ではない上に、サイドからのクロスは往々にして簡単に弾き返されてしまうので、鹿島がいくら良さげな形を作ろうとも点が入る気はしませんでした。

 そして鹿島はこの良さげな時間帯でとうとう決定機を作れず、逆に浦和が34分岩尾FK→マリウスヘッドのビッグチャンスを掴みましたが、ここはGK早川が辛うじてセーブ。
 
 やりたいことは判る鹿島に対して、浦和は左SB荻原からのクロスに何かを託したい風でしたが、これがさっぱり形にならず。またコンディションの差なのか、やはり球際では浦和劣勢のまま前半終了。

 後半になってようやくカンテに多少ボールが収まるようになり、56分荻原低いクロス→髙橋シュートがオフサイドポジションにいた小泉を直撃、62分荻原クロス→安居がファーでヘッドと、ようやく荻原からのクロス攻撃も形になり始め、63分小泉→明本と代えて攻勢を強めようとするものの、残念ながら「メディカル的な理由で90分プレーできない」カンテがこの辺で電池切れ。
 
 71~72分に立て続けにCKを与え、CKのこぼれ玉を途中投入の土居が拾ってミドルシュートが枠内を急襲するピンチがありましたが、ここは西川が難なくセーブ。
 
 浦和はこの苦しい時間帯を耐えた後に74分カンテ→興梠、髙橋→エカニット、83分安居→早川とと勝負手を放つもCKくらいしか得点の可能性がないまま時間が徒過。鹿島は安西が故障して両SB共に本職ではない選手を起用せざるをえない状況に陥っているにも関わらず、浦和はサイドアタッカーにタレントを欠いてその穴を咎められないのがなんとも辛い。

 88分には樋口の縦パスに反応して最終ラインの裏に抜け出した佐野を明本が倒してしまってイエロー。89分好位置での樋口FKはクロスバーを叩いて得点ならず。
 
 この試合もはや勝利しか意味がない浦和は終盤前がかりになって攻めに出て、90+2分西川のロングフィード→右サイドで酒井が頭で落として興梠がキープ→エカニットがミドルシュートの良い形を作りましたが、シュートはバーの上に飛んで試合終了。

Shika004

《総評》

 共に流れの中からは決定機は作れず、得点の可能性があったのはセットプレーだけだったので、スコアレスドローに終わったのは内容相応でしょう。
 
 またスコルジャは勝たないと意味がない試合でも最初から遮二無二リスクをかけまくって攻めに出ず、攻守のバランスを考えるタイプなので強力2トップがいる相手に両SBを上げてまで攻めには出ず、酒井が終始自重気味。よって荻原クロスしか攻め手がなくていかにも迫力不足。
 
 そしてカンテの電池切れと共に浦和は詰んだも同然となり、興梠&エカニットの投入で作ったチャンスは一度だけ。流れを変えようにも手駒が少なすぎてスコルジャが大久保や関根の不在を嘆くのも無理はありません。

 同日神戸は引き分け、横浜Mは勝ったため、残り3試合で首位神戸との勝ち点差は8のまま。2位横浜Mの勝ち点差は6に広がってしまいました。
 
 もともと優勝の可能性は数字上のものでしかないも同然だったのであまり気になりませんが、横浜Mとは得失点差で大差をつけられているので2位でACLE出場権を獲得する目もかなり薄くなってしまい、浦和はもはや3位でACL2の出場権を確保するくらいしかリーグ戦の目標がなくなってしまいました。
 
 スコルジャはACL浦項戦で面子を落としてまで鹿島戦に全力をぶつけましたが、結果は浦項戦で完敗を喫しただけでなく、鹿島戦も負けに等しい引き分けに終わってしまうという最悪な形に。それでも試合終了後選手や監督&コーチを責める声なんてほとんどなく、カシマスタジアムが静まり返っていたのが非常に印象的でした。
 
 アウェー鹿島戦での引き分け自体は悪い結果ではないのですが、残念ながら今季の浦和は下位相手の引き分け、勝てそうな試合を勝ちきれずに引き分けてしまう試合が多すぎて、リーグ戦終盤になって引き分けが致命傷になる羽目に。今年の浦和はどんな相手とやっても引き分ける能力があり、そこまでの能力しかないとも言えるのが実にもどかしい。横浜Mとやっても引き分け、横浜Cとやっても引き分け。リーグ戦で優勝するには後者の引き分けがとにかく痛すぎました。
 
 それでも現場はめっちゃよくやっているのが皆わかっているので、選手や監督らをスタジアムで詰る方はほとんどいない。特に今の浦和は能力が物足りないのはともかく、闘志が表情に出ない、出にくい選手はいないので「やる気あるんか!!」と理不尽系の野次を浴びることも少ない。
 
 ただリーグ戦はチームの総力が問われるので、現場の頑張りだけじゃ優勝できないんだよあなぁ・・・ろくに補給がないのに「全軍突撃」を命じるのが浦和。

 もはやルヴァン杯決勝&アウェー浦項戦が今シーズンのすべてを決する試合となり、神戸戦は面子的に事実上消化試合になっても仕方ないでしょう。幸い次の神戸戦で浦和の目の前で優勝が決まる可能性はありませんし。
 
 ルヴァン杯だけは絶対獲りましょう!!

Shika002

《選手評等》

・浦項戦に出ていたリンセンも中島もベンチ外だったのにはびっくり。中島は浦項戦2失点目に直結したボールロストを見るとスコルジヤが評価しないタイプかもなあ。この試合のエカニットも守備がかなり怪しいと思ったけど。スコルジヤが関根がいない上に大久保不在を嘆くのは納得。得点能力は残念でも守備はちゃんとやるのがスコルジヤ好み。

・イエローが出ない程度のファウルで相手にダメージを与えるのが伝統的に上手い鹿島。垣田は何回ラフプレーをかましても全然イエローが出ないのに、木村主審がショルツ神に簡単にイエローを出したのには唖然としました。それ以外のイエローは妥当ですが。

 

Shika001


---カンテ-髙橋---
小泉--------安居
---岩尾--伊藤---
荻原-マリウス--ショルツ-酒井
-----西川-----

(交代)
63分 小泉→明本
74分 カンテ→興梠
74分 髙橋→エカニット(興梠CF、エカニットトップ下へ)
83分 安居→早川


---鈴木--垣田---
仲間--------樋口
---ビトゥカ--佐野---
安西-関川--植田-広瀬
-----早川-----

(交代)
54分 仲間→松村
69分 広瀬→土居(土居右SH、樋口CH、佐野右SBへ)
74分 安西→舩橋(故障による交代)
74分 垣田→師岡


※写真は試合とは全く関係ありません

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2023.10.25

【観戦記】ACL2023/24 GS MD3:浦和 0-2 浦項 ~ 神も理不尽もいないとこんなもんなのか?

 スタメン大幅入れ替えを余儀なくされたのが祟ったのか、球際で劣勢に立たされた挙句に守ってはカウンターを浴び続け、攻めては全く良いところなく完敗。

《スタメン》

 浦和は柏戦から興梠→リンセン、関根→髙橋、大久保→安居、岩尾→柴戸、酒井→大畑、ショルツ→岩波とスタメン6名入れ替え。

 スコルジャは試合前「ここはしっかりとマネジメントしなければいけないと思います。例えば明日の試合では柏レイソル戦と全く同じメンバーで闘うことはありません。選手たちの疲労度も分析していますし、そのようなデータも使ってメンバーを選んでいきます」と語っており、柏戦で負傷退場した関根はもちろん、何人かスタメンが入れ替わることは十分予想できましたが、半数以上を入れ替えたのには少々驚きました。

 一方、故障明けの中島、明本、シャルクがベンチ入り。ただ試合前に公開された練習で別メニューだったカンテがサブにも入れないのはネガティブ・サプライズでした。

 一方浦項は、浦和と同様に過密日程ながら直近のリーグ戦から一人入れ替えただけとのこと。ただ浦項は左SHヴァンデルソンとCHオーベルダンが負傷離脱中で、外国人選手は長身CFゼカしかいないという苦しい台所事情のようです。

2310001  

《試合展開》

 立ち上がりから浦和がボールを持っているがやや長いものの、高めの位置に4-4-1-1っぽい守備ブロックを作る浦項相手に全く何も起こらず。浦項は浦項でロングボール主体に反撃を試みるも、こちらもたいした有効手にはならず。

 しかし22分浦項が左サイドから左SHキム スンデ(#12)のクロスに右SHチョン ジェヒ(#27)がちょこんと合わせて浦項が先制。
 
 この場面チョン ジェヒに仲良しこよしで付いていたはずの大畑が肝心なところで振り切られて前に入られているのが相当残念でしたが、それ以前に髙橋がGKどころか逆サイドまでプレスをかけに行って空振りに終わっただけでなく、その動きを逆用されてGKからのロングパス一本でどフリーの左SBパク スンウク(#14)に展開されてしまったのが残念極まりないかと。全く連動しない前プレの問題点をしっかり咎められました。
 
 先制した浦項はその後5バック気味になって露骨にカウンター狙い。36分にはCFゼカがハーフラインからボックス内まで独力でドリブルで進んで枠内シュートを放ったもののここは西川セーブ。一方浦和は浦項の守備ブロックを前に完全に攻め倦むどころか、球際で劣勢なのが祟ってカウンターをくらいかかる場面ばかりが目立ちました。

 あんまりな前半の出来を見てスコルジャは後半頭から荻原→酒井、柴戸→中島の二枚替え。

 中島投入はそこそこ効果があり、47分酒井のパスを受けた中島がボックス内に突入してシュートを打つ良い形を作ったものの、中島投入が裏目に出たのが49分。ハーフラインを少し超えたところで小泉の縦パスを受けた中島が二人に囲まれてボールロスト。浦項は途中投入の右SHキム インソン(#7)へ大きく展開。大畑が追いすがるもののスピードで太刀打ち出来ずに簡単に振り切られ、キム インソンのクロスをコ ヨンジュン(#11)がファーで合わせて2点目。浦和守備陣は真ん中にいるゼカに悉く引き付けられてしまい、コ ヨンジュンがどフリーにも程がある状態でした。
 
 これで完全にゲームの主導権を握った浦項は動揺する浦和相手に猛攻。52分右サイドからのハイクロス→ゼカヘッドの必殺技を見せたかと思えば、53分CKからの流れでキム インソンの強烈なミドルシュートが枠内を襲う場面もありましたが、いずれも西川の好守で致命的な3点目は与えず。
 
 浦和は59分リンセン→大久保、69分小泉→明本、76分伊藤→岩尾と五月雨的に選手を代えるも引いて構える浦項を崩しきれずにカウンターをくらいかかる場面が頻出。72分明本シュートのこぼれ玉を拾った中島がボックス内でキープ→大畑シュート、79分には中島がドリブルでボックス内→明本シュートと良い形は作りましたが、とうとう決定機らしい決定機は作れず、枠内シュートゼロで試合終了。

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《総評》

 いやはや参りました。今季の浦和はとにかく負けない、負けにくいチームなので、「全く良いところなくスコアレスドロー」という試合はよくあるものの、全く良いところなく完敗を喫する試合は(コンディション面で大差がない限り)そんなにありません。強いて言えばクソミソに負けたのは天皇杯名古屋戦(味噌相手に試合後にまで味噌が付いた伝説のクソ試合!!)くらいでしょうか。
 
 スコルジャも試合後「普段は、われわれはフィジカル的に相手を上回ることが多いですが、本日はコンタクトプレーやチャレンジのほぼすべての場面で負けてしまいました。」と率直に完敗を認めています。
 
 完敗を喫した原因はアホほど挙げられるでしょうが、この試合でとにかく目立ったのが球際での競り負け。柴戸が再三ラフプレーを受けた末にボコボコにされたのはともかく、Jリーグでは身体張りまくりの泥臭いプレーがウリであるはずの髙橋が球際で負けまくるのには驚きを禁じえませんでした。この辺はACL経験の無さが祟ったのかなぁ???
 
 他に安居といい、大畑といい、見るも無残。小泉はとうとうハードなコンタクトから逃げまくっているようにしか見えませんでしたし・・・ この手合いにはやたら強い明本がいたら多少はマシだったかもしれませんが、負傷明けで出場時間は限定的にならざるを得なかったようで。
 
 試合後のスコルジャが「本日はコンタクトプレーやチャレンジのほぼすべての場面で負けてしまいました。韓国サッカーのそうした部分は少し驚きを感じました。」と話しているのが少々気になりました。かつてのような体力任せ、フィジカル任せ、根性任せのサッカーではなくなっているとはいえ、韓国のクラブの球際の厳しさは昔も今もたいして変わっていません。ACL決勝を経験しているのでうっかり忘れがちですが、スコルジャは実はACLの経験に乏しいのがちょっと垣間見えたような・・・
 
 そして過密日程なのは浦項も同じ。主力に怪我人がいるのも浦項も同じ。完敗を喫したのはコンディションの差とは言いづらいのが実に悩ましい。
 
 また守備面ではハイプレスに行っても全然連動しないとか、攻撃面では前線の動きの連係がなくてギャップを使ったり裏に抜けることができなかったとか、とにかく攻守両面での連携・連動の無さが完敗に直結しました。そして連携・連動の無さを産んだ原因はやはり面子を入れ替え過ぎたからに尽きましょう。
 
 リーグ戦やルヴァン杯決勝を睨んで、疲労著しい主力や怪我明けの選手の出場時間をコントロールしながら選手を起用したのでしょうが、ACLグループステージで最も手強い相手にこの面子で戦うのはいくらなんでも厳しすぎました。
 
 ルヴァン杯決勝はともかく、もはや優勝の可能性は数字上残っているに過ぎないリーグ戦を重視して、グループステージ最強の相手で面子を落とすのは伝統的というか往々にして本末転倒的な浦和の行動様式からすれば異例の判断でしょう。リーグ優勝はともかく、2位でACLE出場権を確保するのが今の浦和の最優先事項なのかもしれません。

 浦項にホームで、しかも2点も取られての敗戦。このため浦項とのアウェーゲームを残しているとはいえ、とにかく得点力がない浦和は直接対決の結果で浦項を上回るのが難しくなってしまいました。残り3試合を全勝して勝ち点13で、他のグループとの比較で2位通過出来れば御の字といったところでしょうか。

 またスコルジャは試合後「本日の試合の後、もしかしたら怪我人が増えるかもしれません。今のところ名前は挙げたくないのですが、このような厳しい状況にいます」と不穏なコメントを残しています。たぶんこれは酒井のことではないかと。最後は無理しまくりな上に、相手と交錯の末にひざ押さえてうずくまっていましたから。

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《選手評等》

・大久保に続いてリンセン・中島・明本と怪我人の試運転が出来て、そのパフォーマンスもそんなに悪くなかったのがこの試合の良かった探しか。だが柴戸&大畑と普段はベンチスタートな選手がなんでその位置づけなのかもよく判った試合で実に切ない。

・大久保は切れ味鋭いドリブルで相手を抜き去ってからのクロスなりパスなりが非常に残念なまま・・・

・JリーグよりACLのほうが審判団の当たり外れがデカいのは確か。Jリーグはもうハズレしかおらんから(苦笑) それにしてもこの試合の主審は基本流し気味ながらもやばすぎるファウルにはちゃんとイエローを出し、揉めそうなところではちゃんと止めに入るなど、見事な御裁きでした。ウズベキスタンはなんで優秀な審判がポコポコ出てくるのかな?

 

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-----リンセン-----
小泉---安居---髙橋
---柴戸--伊藤---
大畑-マリウス--岩波-荻原
-----西川-----

(得点)
22分 チョン ジェヒ(浦項)
49分 コ ヨンジュン(浦項)

選手交代
HT 荻原→酒井
HT 柴戸→中島(中島トップ下、安居CH、リンセン左SH、髙橋CF、小泉右SHへ)
59分 リンセン→大久保(小泉左SH、大久保右SHへ)
69分 小泉→明本
76分 伊藤→岩尾

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2023.10.21

【観戦記】23年第30節:浦和 2-0 柏 ~ 極上の5分間と塩漬けの85分間と

 三回しかない決定機を二つも決めて勝った点では浦和らしくない試合でしたが、どんな形であれいったん点を取ってしまうと鬼強い点ではいつもの浦和らしい試合でした。

《スタメン》

 浦和はルヴァンカップ準決勝から中4日。柏は天皇杯準決勝から中11日と、コンディション面で大差がある一戦。
 
 浦和は出場停止のカンテに代えて興梠をスタメン起用した他、早川→大久保、安居→伊藤、髙橋→酒井とスタメン4名入れ替え。
 
 試合前の会見でスコルジャは「私にとっていい状況と言えるのは、怪我人が戻ってきているということです。先日の試合では大久保も出ましたし、次の試合で復帰する選手もいるかもしれません。」と語っていましたが、故障明けでベンチ入り出来たのはリンセンのみ。U-22代表米国遠征明けの大畑がベンチ入りしたのには驚きました。

 柏は天皇杯から細谷→小屋松、サヴィオ→山田雄、片山→土屋とスタメン3名入れ替え。浦和からレンタル中のCB犬飼が契約上出場不可な上にSHサヴィオが出場停止。また柏唯一の得点源FW細谷はU-22代表の米国遠征帰りなのでコンディションが良くないのか、ベンチスタート止まり。

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《試合展開》

 昼間強い南風が吹き荒れていたせいか、浦和はコートチェンジして風上を選択。しかし、キックオフの頃には試合に影響を与えるほどの風は吹いておらず、コートチェンジはほぼ無意味に。
 
 共に可もなく不可もない試合の入りでしたが、4分プレスバックしてきた高嶺と交錯した関根が傷み、しばらくはプレー続行していたもののやはりダメで、8分に髙橋との交代を余儀なくされるアクシデント。

 浦和守備陣はこれで集中が切れたのか、9分西川のロングキックを右SB土屋がヘッドで跳ね返したところから始まる柏の攻撃に対して岩尾が自陣深い位置でこぼれ玉を拾うどころか空振りする大惨事。柏はここぞとばかりに人数をかけて攻めに出て最後は右SH戸嶋がシュートを放ちましたが、ここは西川がセーブ。傍目には大ピンチでしたが、試合後西川は「角度も限られており、うまく誘い込んだ」と話しており、西川目線では何の問題もなかったみたいで。
 
 15分くらいから浦和がボールを握る時間帯が長くなってきたものの、ミドルゾーンに4-4-2の守備ブロックを敷く柏に対して完全にボールを持たされている状態。興梠や酒井に何度か柏最終ライン裏を狙わせているが、全く形にならず。24分にはマリウス→荻原へのパスをカットされてカウンターを浴び、バイタルエリアからどフリーで高嶺にミドルシュートを撃たれましたがわずかにバーを超えて事なきを得ました。
 
 あまりの惨状を見かねたのか、スコルジャは小泉と髙橋のポジションを入れ替えて多少はマシに。36分好位置からの岩尾FKはGK正面。40分荻原クロス→ニアで興梠ヘッドでついに決定機を掴むもシュートは僅かに枠外。

 残留争いから抜け出しきれない柏はこの試合引き分けでも何ら問題はないのに対し、優勝どころから2位でACL出場権を掴むためにもこの試合勝たないと先がない浦和は、後半頭から興梠に代えて安居を投入して、髙橋をCFへ。前線のプレス強度が一気に上がる等この交代はかなり効果があって、浦和の攻撃陣が急に活性化。

 そして53分右サイドから酒井縦パス→大久保がワンタッチでスルーパス→ボックス内に突入した安居のシュートはいったんGK松本にセーブされるも、ゴール前に走り込んだ小泉が詰めて浦和先制!!小泉はこれが今季リーグ戦初ゴール。

 さらに57分伊藤の縦パスを受けた大久保がドリブルで運んでから小泉→荻原とパスを繋いで左へ展開し、フリーでボックス内に突入した荻原が角度の厳しいところからGKのファーをぶち抜いて追加点!!荻原は浦和復帰後初ゴール。小泉は荻原にファーでフリーになっている酒井を使って欲しかったようですが、今の浦和ではそのひと手間が仇となりがちだからなぁ(苦笑)。
 
 2点ビハインドになった柏は61分椎橋→仙頭、小屋松→武藤、戸嶋→川口の三枚替えを手始めに、70分には切り札細谷、78分には長身のドウグラスとやたらFW登録の選手を投入し、時に3トップ気味になって反撃を試みましたが、サヴィオ不在が響いてかビルドアップがままならず自陣に4-4-2で構える浦和守備陣を全く崩せず。選手投入毎に帳尻を合わせるかのようにポジションを変える武藤が哀れ。
 
 とにかく細谷を入れようが、ドウグラスを入れようが、そこまでボールが行かないんだからどうしようもありません。柏の後半のチャンスらしいチャンスは77分左SBジエゴから右へ右へとボールを運んで川口シュートで終わった場面くらい。それも駆け戻ってきた小泉が気になったのかシュートは大きく枠を逸れてしまいました。CKからのヘッドも屈強な浦和守備陣に阻まれて良い態勢で撃てないせいか、全く枠に飛ばず。
 
 浦和は全く無理することなく、エカニットやリンセンの試運転を挟みながらひたすら時間を消費して楽々逃げ切り勝ち。DAZNのスタッツだと柏の枠内シュートは1本だけ、すなわい9分の戸嶋だけだったようで・・・

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《総評》

 負け試合数は首位神戸と同じ5なのに、やたら引き分けが多いのが祟って神戸との勝ち点差は8。特に攻撃面で見るべきものがない浦和は下位チーム相手に往々にして引き分けに終わってしまう試合が多いのが痛手。引き分け狙いでも何ら構わないとばかりに守備的に構える相手を「とにかく大迫頼むで攻撃」でこじ開けてしまう神戸との差がここで開いてしまったようです。
 
 この試合も前半を見る限りではまたしてもその弊に陥ってしまうような気がしてなりませんでしたが、終わってみれば全く危なげない完封勝利。三回しかない決定機を二つも決めて勝った(しかも共に複数人が関与しての流れの中からの得点!!)点では浦和らしくない試合でしたが、どんな形であれいったん点を取ってしまうと鬼強い点ではいつもの浦和らしい試合でした。
 
 浦和は首位神戸や勝ち点差4の2位横浜Mを抜いてACL出場権を得るためにもとにかく残り5試合を勝ちまくって、神戸&横浜Mがコケるのを待つしかない立場。でも、だからといって前半からリスクかけまくりで遮二無二勝ちに行くようなことはしないんだよなぁ。前半はスコアレス上等。後半勝負(さすがに関根の負傷は計算外だったでしょうが)。そして後半放った興梠→安居の勝負手がいきなり効くんだから、そりゃ監督冥利に尽きますわ。今日も今日とてスコルジャの慧眼には恐れ入りました。
 
 日程スカスカの首位神戸はともかく、2位横浜Mは浦和と同じACL組で、しかもCBを中心に最終ラインに怪我人が続出した模様。一方浦和は関根が負傷退場したものの、怪我人が続々と戦線復帰中。横浜Mを抜いて2位に躍り出るシナリオに現実味が出てきましたが果たしてどうなることやら?

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《選手評等》

・試合後スコルジャは髙橋を絶賛。「今、利樹がやっているように、複数のポジションでプレーできる選手は、私は好きです。彼は大きなハートを持っている非常に勇敢な、相手のセンターバックに対して戦いを挑める選手です。そして選手として非常に大きく成長していますので、一緒に仕事ができてうれしく思っています。浦和レッズの将来を担うことができる選手になれると思います」とベタ褒め。

・本職のポジションは競争相手がきついので、それ以外のところで起用して伸びしろを図るという意味では安居と髙橋は同じコースを歩んでおり、安居が先に結果を出し、高橋がリーグ戦終盤になって急激に台頭してきた感じでしょか。U-22帰りの大畑が途中投入されたポジションが左SHだったのもこれまた「本職ではないところでの起用コース」なのかな?実際今の大畑は守備固めで入れるほど守備に信頼は置けませんし。

・だが髙橋の持ち味が出るのはやっぱり本職のCF。最前線で身体張りまくり、チェイシングしまくりで泥臭さマシマシ。シュートは撃ってない気もしますが(苦笑)、この試合は後方の選手が点を取ってくれたので、それで十分。1点目は柏守備陣を引き連れて、小泉が走り込むスペースを開けるという地味な仕事もしていましたし。

・出場停止という意図せざる形で休みをもらった酒井でしたが、状態は依然として芳しくありませんでした。酒井を高く押し出す攻撃は守備に全然戻れない現状を勘案すると収支が合っているようには見えないんだがなぁ。正直コスパがめっちゃ悪い選手になってしまった気が。ただこれでも明本不在中はとにかく代わりがいないので出さざるを得ないのでしょうが・・・

・関根の負傷退場は大誤算。そんなに激しい交錯ではないように見えましたが、関根も明本や大久保同様無理使いが祟って故障コースなのかなぁ・・・

Kashiwa310005
-----興梠-----
小泉---関根--大久保
---岩尾--伊藤---
荻原-マリウス--ショルツ-酒井
-----西川-----

(得点)
53分 小泉
57分 荻原

(交代)
8分 関根→髙橋
HT 興梠→安居(安居トップ下、髙橋CFへ)
76分 大久保→エカニット(エカニットトップ下、安居右SHへ)
88分 小泉→大畑
88分 髙橋→リンセン

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--小屋松--山田康--
山田雄-------戸嶋
---椎橋--高嶺---
ジエゴ-古賀--立田-土屋
-----松本-----

(交代)
61分 椎橋→仙頭
61分 小屋松→武藤
61分 戸嶋→川口
70分 山田康→細谷
78分 高嶺→ドウグラス

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