2024.02.24

【TV観戦記】24年第1節:広島 2-0 浦和 ~ チームの完成度に差がありすぎて完敗

 前目にがっつり選手を補強して、おまけに日程もスカスカで、「今季こそリーグ優勝間違いない!!」と鼻息を荒くして開幕戦を観戦したものの、チームの完成度に差がありすぎて完敗。駒だけ揃っていても意味がないことを改めて実感させられました。

《スタメン》

 ヘグモ監督は早くから選手間の序列をはっきりさせるタイプなので外野からのスタメン予想は容易で、開幕戦のスタメンは事前の大方の予想通り。強いて言えばWGに前田ではなく関根を選んだのがやや意外なくらい。またベンチも安居ではなく中島が入ったのが目を惹きました。

 コンディション不良(?)で大原での全体練習から外れていたソルバッケンは開幕戦に間に合わずにベンチ外。

 広島は今オフに補強した大橋がいきなりスタメン入り。昨年末に手術をしたGK大迫はPSMには出場せずに開幕戦にぶっつけ本番で出場。

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《試合展開》

 序盤はどちらも前プレがきつくてビルドアップに苦労し、6分浦和がショルツの持ち上がりを契機に左サイドから関根→小泉の決定機を作ったのが惜しかったくらい。25分には左サイドにいた松尾クロス→ボックス内に飛び込んだ関根がシュートを放つもここは大迫がセーブ。

 浦和は終始広島のきついプレッシングに苦しんでビルドアップはままならず。仕方なくロングボールを蹴ったところで、サンタナは荒木にがっつりマークされていて(中村主審が荒木の抱え込みに非常に寛容なのにも参りましたが)ボールが全く収まらず。また昨年来西川のキック精度が落ちていてWGへ蹴ってもきっちり繋げられないので、ほぼ八方ふさがり状態。

 時間の経過とともに広島のほうは両サイドから得意のクロス攻撃の形ができ始めたものの、こちらも36分左から東クロス→大橋ヘッドに可能性があったくらい。

 また広島は盛んにミドルシュートを放つものの、これまた西川を脅かすほどのものはなくそのままスコアレスで前半終了の気配濃厚でしたが、45分川村のミドルシュートを西川が処理きれず、こぼれ玉を大橋に詰められて広島にまさかの先制を許してしまいました。

 ボールの弾み方がちょっと西川の予想とは違ったのかもしれませんが、西川なら何とかして欲しかったもの。また西川以上にバイタルエリアががら空きで川村に誰も寄せようとしないIH&アンカーが責められる場面かも。

 さらに45+5分にも右WB中野の際どいミドルを浴びてヒヤリ。でもここは西川が好セーブ。

 後半も最初に決定機を作ったのは浦和。51分右サイドから松尾低いクロス→ボックス内にグスタフソンが飛び込んだものの、ここも大迫がセーブ。

 その直後53分自陣深い位置でビルドアップに詰まった小泉が加藤に絡まれた挙句に大橋をボックス内で倒してしまってPK与。しかしそのPKをなんとソリティウが枠外に外す形で失敗。

 浦和は難を逃れたと思いきや、55分広島左サイドに流れた加藤クロス→大橋がマリウスの前に飛び込んでのヘッドが決まって広島2点目。加藤に対峙しているのがなぜかグスタフソンで、しかもその対応がいかにも軽く、おまけにマリウスは大橋に前に飛び込まれてしまうというまさかやー2連発。昨年の浦和はこんな単純なクロス攻撃に対しては滅法強かったはずですが、この失点には正直結構凹みました。

 この時間帯の浦和の守備は完全に崩壊していて、57分にも素早いリスタートから塩谷縦パスをボックス内で受けた大橋がシュートを撃つ場面もありましたが、ここは西川がなんとかセーブ。

 67分伊藤→岩尾、関根→前田、さらに76分サンタナ→興梠、渡邊→大畑と代えた辺りから広島のプレスも緩んで右WG前田までボールが運べるようになり、ようやく78分前田クロス→興梠ヘッド、81分岩尾クロス→酒井ヘッドとクロス攻撃の形が何度もできるようになりましたが得点が奪えず。

 むしろ68分にCKから絶望的に数的不利なカウンターを食らった場面に象徴されるように、前がかりになったところでカウンターを浴びた場面も目立ち、致命的な3点目を取られなかったのが不思議なくらい。

 82分には松尾に代えて中島を投入して最後の反撃を試み、最後の最後で前田CK→岩尾ヘッドの決定機を作りましたが惜しくもバーを叩いて浦和は1点も取れずに開幕戦黒星スタートとなりました。

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《総評》

 結果・内容とも完敗。浦和はヘグモ新監督を迎え、かつ戦術というか志向をかなり変えた上で、スキッベ就任三年目でチームとして成熟している広島とやるのはかなりきつかったというのが率直かつ端的な試合後の感想です。

 2列目がしょっぱすぎてPKか理不尽以外では全く点が取れなかった昨季を反省して前目を派手に補強したものの、それだけで劇的にチームが強くなるわけではない。お互いが噛み合うまでには相応の時間がかかるという自明の話を改めて確認させられたと言い換えることも出来ましょう。

 試合後の記者会見を読む限り、ヘグモは冷静かつ客観的に試合を振り返り、かつ記者の質問にも率直に答えられるタイプのようで、その辺はスコルジャと似た感じ。少なくとも記者の質問をはぐらかしたり、嘘や強弁を並べまくったり、安易に審判や選手のせいにしてしまうタイプではなさそうなので、試合後の監督の振り返りが実にしっくり来ます。

 前半は広島のほうがやりたいことが出来ていたので若干広島優勢だったと思いますが、それでも失点する気配はほとんどありませんでした。しかし先制点を取られたことで一気に流れが悪くなり、後半の立ち上がりはズタボロに。ヘグモは「後半に入ってからはもっと後ろからつなごうとしましたが、それがうまくいかず」と語っていますが、ここにこの試合の浦和の反省点が集約されているような気がしました。

 小泉がPKを取られた場面。今季はビルドアップ時にIHがあまり降りてこないという話を聞いていましたが、小泉があんな低い位置にまで降りていたのが不思議でなりませんでした。でも試合後会見を読む限りでは前半ビルドアップが上手くいかなかったのを踏まえて監督が小泉に降りるように指示したのがものの見事に裏目に出たようです。

 ビルドアップだけは劇的に上手くなったリカの遺産を残念ながらスコルジャが食いつぶした格好になってしまって、今の浦和は残念ながらビルドアップがあまり上手くありません。おまけにヘグモ式4-1-2-3はポジション固定的なタイプで選手間の距離が遠く、おまけにサイドでWGとSBが完全に縦並びになってパスコースを相手WBに完全に消されているというリカ時代の禁じ手みたいなのが頻出。

 仕方なくロングボールを蹴ったところで孤立気味のサンタナは荒木にがっつり抱え込まれて全くボールを収められず。

 両WGに「やあやあ我こそは!!」とばかりにSBとの一対一を作らせるのがヘグモ流と思っていたのですが、その形が何度も見られだしたのは結局前田&岩尾の投入辺りから。これは岩尾IH起用という奇策が当たったという見方も強い(ヘグモも試合後手応えを口に)ようですが、広島の強烈なプレスも90分はもたずに終盤ダレる傾向があるのはここ2年で実証済み(スキッベも試合後の辺を反省)なので、頭から岩尾IHで上手く行くかどうかは現時点ではなんとも言えません。

 ヘグモは試合後「中盤の3選手は連係を必要としている選手たちです。お互いのことをより良く知っていけば、たとえば相手のプレスがかかっても、スペースを見つけてプレーできるようになっていくと思います。」と語っていますが、ビルドアップにはその辺の熟成を待つしかないのかも。

 いずれにしても今の浦和はフリーのWGまでボールを届ける段階で相当問題を抱えているようです。少なくともサンタナのポストプレーを当てにしてボールを前進させるのは諦めたほうがよさげ。サンタナをゴールゲットに専念させられるようなビルドアップ様式を確立しないと「ペッカー」一直線な気もしました。

 またヘグモ流で点を取るための最大のキー=両WGもイマイチ。特になぜか初期配置は右WGで、その後しょっちゅう関根と左右を入れ替える羽目になった松尾は少々期待外れな結果に。ただ松尾自身も試合後会見を読む限りではなんで右WGで起用されたのかよく判っていないようで・・・

 またWGの攻撃の関与が少ないと守備の脆さにも直結。昨年の大久保みたいにSH/WGが守備に奔走しまくってSBを助けるようなタスクを今年のWGには期待されていないから、こちらが仕掛ける回数が少ないと広島のようにWBがワイドな攻撃を仕掛けてくるチームにはやられやすいようで。

 またヘグモは練習でのファーストチョイスをほぼそのまんまスタメン起用しましたが、残念ながらコンディションが良くない選手が複数いた(伊藤&サンタナ)ようで、いずれも全く良いところがなく途中交代を余儀なくされました。

 一方途中投入の前田・岩尾・興梠・大畑はいずれもそれなりに見せ場があり、なんか「ヘグモ式鉄板スタメンセット」にはそんなに信頼が置けない反面、そこから選手を代えれば代えるほど悪くなくなんてことは全然なく、ヘグモの修正能力はそれなりにあることが判ったのは好材料でしょう。

 戦前の期待値と試合結果&内容の落差がでかすぎて愚痴・ぼやきが多くなってしまいましたが、それでも強敵相手にヘグモがやりたいことがそれなりに伺われましたし、スコルジャ初戦みたいに監督のやりたいことを忠実に再現しようとしてバランスを崩しまくるよりは随分マシ。またPKと理不尽でしか点が取れなかった昨季よりは点を取る形は見えてる分だけ全然マシ。ただその形を作るために失われた守備の堅固さのマイナスの方が大きいのが今の立ち位置かな?

 でももう伸び代しかないわ!!と信じて次節ホーム開幕戦に臨むことにします。

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《選手評等》

・広島は昨夏に加藤陸&マルコスと大駒を二枚も補強(しかも共に浦和絶対殺すマン)して共に大当たりだったからか、今オフはCFベンカリファ→大橋の入れ替えくらいしか目立った補強はなし。しかし昨年湘南で13点も取ったのは伊達ではないようで、大橋の補強も当たりの模様。広島は昨夏に森島を名古屋に高額で売っているから補強にそんなに金もかかってない上、もともとユースからボコボコ選手が育つし、金かけないチーム作りはホンマ上手い。

・街のほぼど真ん中に出来た広島の新スタジアムはアクセスは悪くない上に全周屋根付き、かつ通信環境も良好だったようで、何かと口うるさい赤者からもこれといった悪評は聞こえてこず。おまけに懸念されたトラブルも事件もなかったようで何よりでした。

・DAZNのあの方の解説は案の定不快指数100%だったみたいで(苦笑)。浦和が負けると実に嬉しそうなあの方の解説は赤者にはものすごく嫌われていることをDAZNは学習したと思っていたんだがなぁ(実際、昨季の登場回数は減ったはず)。次はよろしくお願いしますよ、DAZN様。私はあの方の解説がとにかく苦手なのでNHKで観戦しましたが。

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関根---サンタナ---松尾
--小泉----伊藤--
-----グスタフ-----
渡邊-マリウス--ショルツ-酒井
-----西川-----

(交代)
67分 伊藤→岩尾
67分 関根→前田
76分 サンタナ→興梠
76分 渡邊→大畑
82分 松尾→中島

-----ソティリウ-----
--加藤----大橋--
東--川村--満田-中野
-佐々木-荒木--塩谷-
-----大迫-----

(得点)
45分 大橋
55分 大橋

(交代)
73分 ソティリウ→ヴィエイラ
82分 加藤→松本
90+2分 川村→山﨑

※写真は試合とは全く関係ありません

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2024.01.21

明本考浩選手 OHルーヴェンへ期限付き移籍

 昨日(1/20)明本考浩選手のOHルーヴェン(ベルギー1部)への期限付き移籍が公表されました。
 
 明本の移籍話はその予兆もへったくれもなく、1/13に公表された「2024シーズン トップチーム選手背番号」の下の方に「明本考浩選手につきましては、海外クラブと移籍交渉を進めているため、決定次第発表いたします。」と小さく記されていたことで突然明るみになるという衝撃的なものでした。
 
 当然ながら浦和番記者は慌ててその真相を探る羽目になり、翌日スポニチ&報知から「ベルギー1部・ルーベンへの移籍が濃厚となった」と具体的な行先が判明。荻原と違ってその後もさしたる続報もないまま、正式発表となりました。
 
 期限付き移籍期間がなぜか2024年6月30日までと非常に短いのが少々不可解(契約期限切れに伴って無料で借りパクされるのを避けたのでしょうが)ですし、買取オプションが付いているのかどうかも不明です(ルーヴェン側の発表によれば、買取オプション付きのレンタル。行使となれば3年契約を結ぶ模様)。
 
 当然ながら買取オプション金額も全く判りませんが、明本の実績からすれば先日ディナモ・ザグレブへ期限付き移籍となった荻原の買い取りオプション金額=50万ユーロ(約8000万円)を上回るのは間違いないでしょう。
 
 なおルーヴェンとはあまり耳慣れないクラブですが、2002年に3クラブが合併して設立された新興クラブで、2017年にプレミアリーグのレスターシティ(タイ資本)に買収されたようです。元鹿島のCH/CB三竿健斗が在籍中。

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 明本は2021年に栃木SCからの完全移籍加入。レフティーのアタッカーで栃木では主に4-4-2の2トップの一角に入って2020年には7得点。当然ながら浦和でも前目での起用を想定して獲得したものと思われ、実際2021年シーズン序盤はSHなりトップ下なり前目で起用されていました。
 
 ところが左SBで鉄板のレギュラーだった山中のあんまりな守備を気に病んだのか、リカはルヴァン杯で明本左SBを試行しはじめリーグ戦第12節福岡戦ではついに明本を左SBでスタメン起用。これが浦和における明本のキャリアの転機となり、以後明本は3年に渡って左SBの一番手であり続けました。もっとも明本はリカに「出来るポジションは?」と聞かれてつい「左SBも」と言ったにすぎないという話も(苦笑)。でも人生何がきっかけで良い方に転ぶか判りません。
 
 明本はなにせ山中とは全く持ち味が違いすぎ。小柄なのに体幹がやたら強く、対面の相手を吹き飛ばしながらドリブルで前方進出する「パワー系SB」って浦和では過去あまり見かけなかったかも。小柄の割りには空中戦も強い。また何といっても攻守の切り替えが早くて、守備時には山中の3倍速で戻ってくるのが実に心強かった記憶があります。もっとも如何せん本職ではないのでSBとしては高精度クロスやカットインからの敵陣強襲といった攻撃面には多くを期待できないものの、とにかく無尽蔵のスタミナを活かして何度攻め上がろうとも守備で大穴を開けず、一対一にも強い守備面がリカにもスコルジャにも高く評価されたものと思われます。
 
 2023年ACL決勝では第1戦序盤に完璧にやられていまったものの、その後は対面の相手を文字通り完封。ACL優勝を手繰り寄せる立役者の一人となりました。
 
 また明本がとにかく色んなポジションをこなせるのも両監督に高く評価されたことでしょう。FWや2列目はもともと本職で出来て当然でしょうが、酒井の故障に悩まされた2023年はなんと右SBでスタメン出場する機会も増えました。試合中にポジションが変わる、しかも複数回変わることも珍しくなく、監督から見れば「足りないところに明本と書けばOK」みたいな起用法に。
 
 それゆえリカもスコルジャもついつい明本を酷使しがちになり、超過密日程だった2023年の終盤はとうとう明本が戦列を離れがちになって、浦和の失速の一因になってしまいました。複数のポジションが出来る選手を欠いてしまうと複数のポジションに穴が開くという悲しい事例でした。
 
 明本は栃木出身かつとにかく見た目が「北関東にありがちなヤンキー」そのまんま。しかもその見た目通りに瞬間湯沸かし器系の気性難で、2022年ホーム神戸戦では明本を止めようとした小林の悪質な行為ににブチ切れてなんと小林の喉を突き飛ばしてしまい、当然ながら一発退場。ただヤンキー気質は外国人選手には受けが良かったようで、外国語を勉強している風でもないのに謎のコミュニケーション能力を発揮して案外仲良しという不思議な側面を持ち合わせていました。

 浦和は明本、荻原と昨季の左SBの一番手、二番手を今オフで立て続けに失う羽目になり、完璧と思われた今オフの補強で画竜点睛を欠く格好に。しかも左SB三番手だった大畑はパリ五輪関連でちょろちょろ離脱する可能性が高く、浦和が慌てて宇賀神を岐阜から呼び戻したのも納得です。
 
 移籍マーケットはまだ開いているとはいえ国内では各チームとも選手編成は終わっていて明本レベルの左SBを国内から調達するのは至難の業。外国人選手も既に6人いるので、これ以上増やすのもあまり現実的ではありません。よってヘグモ監督は早くも沖縄キャンプで渡邊を左SBで使い始めたようですが、果たしてどうなることやら。
 
 後任を探してくるのが難しいタイミングでの離脱という点では昨季の松尾と同じ、かなりチームに迷惑がかかる格好での移籍となってしまいました。しかし、明本は3年もの長きに渡って浦和の主力中の主力として文字通り粉骨砕身、全身全霊で頑張ってくれましたし、天皇杯&ACLとタイトルももたらしてくれました。浦和でやるべきことをやり尽くしての移籍なので、最後はちょっと我儘でも良いかな、とにかく半年で結果を出して相手に高値で買い取ってもらえるよう頑張れ!!と素直に応援できます、個人的には。

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2024.01.16

【祝】松尾佑介選手 KVCウェステルローへの期限付き移籍から復帰

 先日(1/13)松尾佑介選手のKVCウェステルロー(ベルギー1部)への期限付き移籍からの復帰が公表されました。

 浦和が松尾に復帰オファーを出していることは12/5の報知で早々と報じられていましたが、それ以降全く音沙汰無く、ベルギーのメディアでも確たる話は流れてきませんでしたが、松尾が次の行き先を探していたので結論が長引いたのかどうか。
 
 松尾は2022年横浜FCからの完全移籍加入。松尾は横浜FCと契約が残っていたので移籍金を払っての獲得でした。故障で出遅れてリーグ戦で試合に出始めたのは4月に入ってから、しかもその後しばらくは途中投入止まりでしたが、5月末のアウェー福岡戦で初めてフル出場、しかも本職の左SHではなくなんとCFで起用されたのが転機に。小泉とのセットで前からガンガン相手にプレスをかけてゆくスタイルがハマりにハマって、ACLでもリーグ戦でもチームの戦績は一気に好転し、そのままシーズン終盤までチームの主力中の主力に定着しました。
 
 2023年スコルジャ新監督の下での沖縄キャンプにも松尾は参加していましたが、「海外クラブへの移籍を前提とした手続きと準備のため」途中でキャンプを離脱して1月末にKVCウェステルローへの期限付き移籍。「Jリーグの編成が大方終わった時点で選手が突然欧州へ移籍する」という迷惑極まりない形での移籍でした。まぁ、松尾は浦和の下部組織出身とはいえ荻原と違ってすぐにトップチームに上がれず仙台大に進学し、横浜FCを経由しての浦和凱旋という経緯があるので、多少わがままなのは仕方ないと個人的には思っていますが。

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 ウェステルローではハーフシーズンずつの2シーズンにわたって計30試合に出場して0得点3アシスト。まるでダメだった訳ではなかったので、ベルギーメディア"GVA"によるとウェステルローは松尾を引き留めたいと考えていた模様で、松尾本人も残留に前向きだったとのこと。
 
 しかしウェステルローは夏の移籍市場で結構金を使ってしまったようで、それなりに高額だった松尾の買取オプションを行使できるだけの金がありませんでした(松尾は途中から出番を失ったのは出場時間が一定程度を超えると買取オプションが自動行使されてしまうので、それを避けたかったという何ともセコい事情らしい(苦笑))。
 
 やむなく浦和に期限付き移籍延長をもちかけたようですが、今度は浦和が拒否。ウェステルローが期限付き移籍延長の末に契約期限切れでゼロ円借りパクを狙っているのがミエミエで、さすがに浦和はそんな虫のいい話を許さなかったということでしょう。「海外移籍を喜んで応援していた」時代(遠い目)ならともかく、すっかり世知辛くなった今となってはなぁ・・・松尾本人は少々無念かもしれませんが、ウェステルローに是が非でも買い取りたいと思わせるだけの活躍、ウェステルロー以外のビッグな買い手が現れるだけの活躍は出来なかったと諦めてもらうしかありません。

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 これで大なり小なり新聞紙上等で噂が出た選手の去就はイン&アウトとも全て決定し、浦和の今オフのスカッドはとりあえず確定。ACLどころか天皇杯もなくて日程スカスカにも関わらずやや過剰とも思えるくらいの補強でしたが、これは今シーズンだけでなく来たるCWC2025を睨んでの補強でしょうなぁ、たぶん。
 
 今オフの補強は100点満点どころか120点を差し上げても良いかなと思っていたところ、松尾復帰の正式発表の直前に「明本考浩選手につきましては、海外クラブと移籍交渉を進めているため、決定次第発表いたします。」ってなんじゃそりゃ!!!!

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(補論)エカニット パンヤ選手の期限付き移籍期間延長

 松尾の復帰に先だって、ムアントン ユナイテッド(タイ1部)から期限付き移籍中のエカニット パンヤ選手の期限付き移籍期間延長が公表されました。
 
 エカニットの買取オプションを行使するには高すぎるので期限付き移籍期間を延長するという、ウェステルローと全く同じことを浦和がやっているので奇異に感じる方もいるかもしれません。しかし、ムアントンが「じゃエカニットを引き上げます」と言ったところで浦和は「どうぞ、どうぞ」になるだけの活躍しかエカニットはしていないのが松尾との違いでしょう。
 
 むしろアジアカップでのタイ代表でのプレーを辞退してまで浦和でプレーしたいとエカニットが希望し、ムアントンのみならずタイ国内でもひと悶着はあったものの、浦和での出場機会を探るほうが中長期的にはタイ代表強化に繋がるとの判断で今般の期限付き移籍期間延長という落としどころになったものと思います。

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2024.01.14

【祝】チアゴ サンタナ選手 清水エスパルスより完全移籍加入

 先日(1/13)チアゴ サンタナ選手の清水エスパルスからの完全移籍加入が公表されました。
 
 サンタナの移籍話が飛び込んできたのはチームの始動も近い1/10に報知が「J1浦和が、J2清水のブラジル人FWチアゴサンタナ(30)を獲得することが9日、決定的となった。関係者によると、クラブ間交渉は合意間近だという。」と伝え、同日スポニチがそれに続いたのが最初。1/13には地元静岡新聞に「J1浦和に移籍することが12日までの関係者への取材で分かった。」と掲載され、同日正式発表の運びとなりました。

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 昨季の浦和はとにかくCFの人材不足に泣きました。浦和では使いづらくなったユンカーを「浦和レッズの『ホームゲーム』には出場できません。」という前代未聞の不可解な条項を付けてまで慌てて名古屋へ期限付き移籍させたにも関わらず、その代わりとなるCFギアクマクスの獲得に失敗する大失態。
 
 札幌から大ベテラン興梠をレンタルバックしたものの、さすがに超過密日程で体力的に無理があったのかACL決勝で燃え尽きてしまって、以後はほとんど戦力にならず。出落ち芸による故障が癒えたリンセンは依然調子が上がらず、途中加入のカンテとの競争にも敗れてACL決勝には出られず、これまた年を通じてたいして戦力にならず。カンテも完全に浦和にフィットするのに時間がかかり、理不尽な活躍をし始めたのは8月に入ってから。そしてようやく頼れる大黒柱が見つかったと思いきや、カンテは今季限りでまさかの引退!!!これで浦和のCFはまたしても大穴が開いた状態で今オフを迎えることになりました。
 
 当然浦和は早くからCFを探していた模様で、12/7には「スウェーデン1部マルメFFに所属するスウェーデン代表FWイサーク・キーセ・テリンを狙っている」との話が現地紙で出ました。ところが、「テリンは2025年12月までマルメとの契約を残しているので、浦和が獲得するためにはマルメに2年分の契約解除金を支払わなければいけない」という経済的な問題がネックとなったのか、あるいは単にテリンが浦和へ行く気が全くなかったのかは判りませんが、その続報は全くないまま時間が徒過。
 
 テリンとの交渉はさっぱり進まないのを受けて、FB本部は昨年の大失態=欧州の大物獲得に拘って誰も採れずに終わってしまうことを恐れ、セカンドプラン=Jリーグで実績十分の選手獲得に切り替えたのでしょう。サンタナは2022年にチームはJ2降格が確定しながらも得点王(14点)を獲ったくらいの実績の持ち主。浦和は昨季の振り返りを受けて今季は「J1リーグで得点王を目指すことのできるストライカー」の獲得を目指していて、その公約通りの獲得劇ですし。
 
 なおサンタナは2021年にポルトガル1部サンタクララから当時J1の清水に加入。清水は契約更新に向けて交渉を続けていたにも関わらず交渉決裂→浦和へ完全移籍という流れなので、フツーに読めば契約切れで移籍金ゼロでの獲得になるはずですが、ネットではそれなりに移籍金がかかっているとの話もあって、どういうロジックで移籍金が発生するのか本稿執筆時点では皆目わかりません。
 
 とにかくCFの補強は今オフの浦和の最重要ポイント。ここの補強に失敗したらそれ以外のポジションをいくら補強しようともトータルでの評価は赤点と思っていただけにひと安心です。

 加入後のサンタナの挨拶文は結構長く、その中で「オフシーズン中に他のクラブからもお誘いをいただきましたが、浦和レッズからのお誘いを受けたとき、ステップアップすることを決心し、迷いはありませんでした。」とはっきりとステップアップを謳っているのが目を惹きました。

 何かと面倒なクラブですが、よろしくお願いします。

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荻原拓也選手 GNKディナモ・ザグレブへ期限付き移籍

 先日(1/12)荻原拓也選手のGNKディナモ・ザグレブ(クロアチア1部)への期限付き移籍が公表されました。期限付き移籍期間は、2025年1月20日までのほぼ1年間です。

 荻原の移籍話は昨年大晦日にスポニチから降って沸いたもの。第一報では「荻原拓也を獲得することが30日、有力となった。買取オプション付きの期限付き移籍で正式オファーを提示。交渉は最終局面を迎えている」という控えめな書きぶりでした。
 
 しかし、「1月2日、クロアチア入りした。3日にもクロアチア1部ディナモ・ザグレブのメディカルチェックを受ける。」「左SBの荻原拓也がメディカルチェックに合格。木曜日にディナモと契約を結んだ」「すでに現地クロアチア入りし、1部ディナモ・ザグレブの練習場で別メニュー調整を続けている」とクロアチアの現地紙では話がどんどん進み、あとは正式決定を待つばかりという状況に。

 外堀が完全に埋まっているにも拘らず正式決定が1/12まで遅れたのは、期限付き移籍期間をを当初言われていた半年ではなく2025年1月までの1年間に伸ばそうとしたところ、日本の移籍マーケットの日程がなぜかまだ正式に設定されていないのでFIFAに荻原の選手登録ができないという、日本サイドのマヌケっぷりから来ていたとのこと。遅ればせながら日本サイドの移籍マーケットの日程が確定したのを受けて正式発表の運びになったようです。

 ディナモ・ザグレブは左SBが補強ポイントに上がっていて、ヤキロヴィッチ監督はクラブ・ワールドカップのマンチェスター・シティ戦でのプレーを見てとても気に入ったそうです。またディナモ・ザグレブは札幌から期限付き移籍中の金子が活躍していて「二匹目のどじょう」を狙ったのかもしれません。

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 荻原は2018年加入の浦和ユース育ち。2021年にレンタル先を新潟から京都に変更したところ、キジェ流がよほど荻原の気性にあっていたのか左SBを主戦場に40試合2858分出場、しかも38試合がスタメンというバリバリの主力選手にのし上がりました。荻原が左サイドをドリブルで切り裂いてからのウタカ目掛けてのクロス攻撃はこの年の京都の十八番でしたし。2022年も荻原自ら望んで京都へのレンタルを継続し、2023年に2年半に及ぶレンタル修行を経て浦和に戻ってきたという経緯があります。
 
 荻原はドリブルに強烈なストロングポイントを持っている反面、往々にして相手に食いつきすぎる「狂犬型」の選手で、かつての浦和在籍時には気性難で空回り気味というか、競馬で言う「かかり気味」で終わってしまう試合が目立ちました。キジェ式の「根性で走れ!!」的なサッカーでその悪癖がさらに酷くなっているかも?と心配しましたが、浦和に復帰した荻原は意外にも攻守のバランスはかなり改善されていて、かつてほど豪快に裏を取られる場面は少なくなりました。一方得意のドリブルからのクロスはターゲットの人材不足から不発に終わった感も。もっとも相性が良いリンセンは如何せん出場機会が少なくて・・・荻原本人も決定機逸が目立ちましたし。
 
 そんな荻原へのスコルジャの評価も悪くはなかったようで、大畑を抜いて左SBの控え一番手に。酒井が故障がちで明本を右SBへ転用せざるを得ない試合が多かったこともあって、左SBでスタメン出場する試合も増え、さらに明本も故障して右SBで出場する試合もあって荻原は昨年リーグ戦28試合(うち15試合)1512分出場と準レギュラー格の戦力となり、浦和のレンタルバック組としては珍しい成功例にもなりました。
 
 ただシーズン終盤は疲労困憊も相まってか元来の欠点=守備不安を露呈。簡単に裏を取られてボックス内で思わず手を出して相手を倒してPKを取られる試合が続きました。CWCのアル・アハリ戦で荻原の失態が繰り広げられたのに、なんでディナモ・ザグレブが荻原を気に入ったのか良く判りませんが・・・

 またディナモ・ザグレブが荻原の何を評価したのかはともかく、浦和にとっても2年半もレンタルに出して、ようやく浦和で使い物になるレベルになったユース卒の選手がたった一年で他所へ行ってしまうのはたまったものではありません。しかも完全移籍で大金を残してゆくのならともかく、ローン手数料は20万ユーロ(約3000万円)、買い取りオプションが行使された場合は50万ユーロ(約8000万円)でしかないしょっぱい契約内容で。これじゃまるで安売り王ロヂャーズ。埼大通りのアレかっちゅーねん。
 
 同期の橋岡に欧州進出で大幅に後れを取ってしまったので、荻原はしょっぱい契約内容なのに千載一遇のチャンスとばかりに飛びついてしまったのかもしれませんが、橋岡は橋岡でシントトロへ完全移籍して浦和にそれなりに移籍金を残したもののそこからステップアップ出来ずに「回転寿司でぐるぐる回り続ける干からびたバッテラ状態」。うーーん、浦和の下部組織出身者がそれで良いのか??という思いがありますね、今回の移籍話には少なからず。

 ディナモ・ザグレブやシントトロのような欧州5大国へのショーウィンドウ的なクラブへ、しかも買取オプション付き期限付き移籍というしょぼい形ではなく、CLに出るようなクラブに完全移籍でドーーンとお買い上げしてもらえるのはいつになることや。安売り王ロヂャーズのままではクラブの発展はなかなか望めませんなぁ・・・

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2024.01.13

【祝】オラ ソルバッケン選手 ASローマより期限付き移籍加入

 オッス!おら ソルバッケン。ワクワクすっぞ。

 昨日(1/12)オラ ソルバッケン選手のASローマからの期限付き移籍加入が発表されました。

 浦和がソルバッケン獲得に動いているとの報が入ったのは割と遅くて1/5にスポニチが「獲得することが4日、濃厚になった。複数の関係者によると交渉は順調という。」と報じたのが嚆矢。その後「ロマーノ氏のお墨付き」が流れたものの、昨年ギアクマクスの件で痛い目にあったばかりなので先行きが案じられましたが、無事契約締結の運びとなりました。
 
 ただ期限付き移籍期間が2024年6月30日までと半年足らずでしかないのが本件のポイント。ソルバッケンはASローマから2023年9月にギリシャ1部のオリンピアコスに買取オプション付きの期限付き移籍中でしたが、残念ながら期待外れに終わった模様。
 
 そこでローマはさらなるレンタル先を探していたようですが、FIFAには「1シーズン2クラブしか出場出来ないルール」があり、ソルバッケンはオリンピアコス移籍前にローマで1試合出ていたのがネックとなって、秋春制のリーグではもはやオリンピアコスかローマでしかプレーできない状況に陥っていました。
 
 ところが春秋制のJリーグは既に新シーズンに突入していて「1シーズン2クラブしか出場出来ないルール」を回避できるので、浦和がその間隙を突くかのように獲得に動いたようです。浦和が欧州市場に幅広く情報網を広げていたからこそ出来た芸当。間違いなくGJです!
 
 期限付き移籍期間が6月末までと非常に短いのは、新シーズンになればローマがまた新たな移籍先を探すためでしょう。本契約に浦和の買取オプションが付いているのかどうか定かではありませんが、オリンピアコスへの期限付き移籍契約には買取オプションが付いているので、浦和との契約も同様であってもなんら不思議はありません。もっとも買取金額が高額すぎて浦和では手が出せないかもしれませんが。

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 「左利きのウインガー。複数ポジションをプレーすることができ、パス出しや自らボールをうけてゴールに絡むこともできる選手。ボックス付近での質の高いプレーから多くのゴールに絡むプレーを期待したい。」というのが浦和からのソルバッケンの釣り書き。スポーツ紙等の情報によると左利きですが右を主戦場とし代表では左でもプレー(ノルウェー代表では国際Aマッチ11試合で1得点を記録)。「189cmの左利きの大型アタッカーは、爆発的なスピードとストライドの広さを生かしたオープンスペースでのドリブル突破、パワフル且つ繊細な左足でのフィニッシュが最大の特長。また、スペースがないクロスやラストパス、密集地帯での局面打開も十分に可能だ。」とどう考えても盛りすぎやろう!!!というコメントも。
 
 また2020年にはソルバッケンはもはやお馴染みノルウェーのボデ/グリムトでユンカーやマリウスと共にプレーしてリーグ優勝に貢献。ヘグモ監督とはどの程度の接点があったのか判りませんが、なにせソルバッケンは現役ノルウェー代表なのでヘグモが全く知らんということもないでしょう。
 
 昨年の浦和は松尾の流出&モーベルグの不振→放出からWG/SHの質・量両面での人材不足に泣きましたので、強力なWGを補強したのは至極妥当。ヘグモ監督の基本フォーメーションが4-1-2-3ならなおさら。ソルバッケンは右WGが主戦場となると大久保と丸かぶりですが、大久保はとにかく点が取れない、ゴールが近づくにつれて急速にヘナヘナになる難点があって、リーグ優勝を狙うにはいかにも力不足だったからなぁ・・・
 
 もっともソルバッケンのローマ移籍以降のパフォーマンスがぱっとしないのは些か気になります。また浦和で大爆発したらしたで、レンタル期間がたった半年なのが災いしてシーズン途中で絶対的なプレーヤーがいなくなってしまう可能性も結構高いでしょう。もちろん後者の可能性をFB本部は織り込み済で、今度こそ夏の移籍期間で手を打つでしょうけど。

 わずか半年とはいえローマから現役ノルウェー代表がレンタルで来るってなかなか夢のある話ではありませんか!! ソルバッケンが「引き続き浦和でプレーしたい!!!」と思わせるような何かを埼スタで提供できるかどうか、これが浦和のファン・サポーターの新シーズンの課題かもしれません。

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平野佑一選手 セレッソ大阪へ完全移籍

 昨日(1/12)平野佑一選手のセレッソ大阪への完全移籍が公表されました。
 
 平野の移籍話は「これまでスポーツ紙等には全く出ていなかった」という意味ではサプライズ移籍です。しかし、平野は既に浦和在籍3年目かつの昨季のリーグ戦出場がわずか7試合81分に留まっていることを考えれば放出対象になってしまうのは致し方ないでしょう。

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 平野は2021年8月に水戸から完全移籍加入。当時の浦和のCHは柴戸・伊藤敦・金子・阿部と頭数は揃っていたものの、深い位置からズバッとパスを繰り出せるCHは一人もいませんでした。夏の中断期間前は浦和がビルドアップに困った挙句、やむを得ず小泉をCHへ下げてビルドアップを助ける場面がままありましたが、それはそれでボールは回るようになる反面ゴールへの迫力が無くなるという副反応がありました。そこで平野の獲得に動いたようです。
 
 平野は加入当初こそJ1のプレス強度に戸惑っていましたが、慣れるのも早くてリカの期待に良く応え、結局13試合(すべてスタメン)1003分出場。途中電池切れで伊藤に代えられる試合が目立ちましたが、柴戸との相性が良いこともあって完全に主力扱いでした。
 
 ところが翌2022年に岩尾が加入したことで平野の立場は暗転。リカが「岩尾のような選手が欲しい」といって平野を採ったはずなのに、次の年に岩尾本人が来てしまうのだからえげつないというかなんというか・・・
 
 ただリカの愛弟子岩尾が浦和に馴染むのには案外時間がかかり、メンタル的にドツボにハマったこともあってリーグ戦前半は平野にもスタメン出場の機会がありましたが、岩尾がフィットし始めると平野の出番は激減。しかも久しぶりにスタメンでの出場機会が巡ってきた24節アウェー名古屋戦では森下の汚いタックルを受けて負傷。これが尾を引いてか、以後平野の出番は全くありませんでした。リーグ戦での出場機会は9試合(うちスタメン6試合)475分と半年しかいなかった前年の半分にまで激減。
 
 そして監督がスコルジャに代わった2023年はルヴァン杯グループステージにこそスタメン出場していたものの、プレー強度の物足りなさが祟ってか、リーグ戦では伊藤&岩尾の鉄板コンビを脅かすどころかベンチ入りもままならず、せいぜい終盤の短時間出場のみ。しかもリーグ戦後半は故障も相まって全く試合に絡めなくなってしまいました。
 
 前述のように平野の移籍自体は残念ながらサプライズでもなんでもないのですが、移籍が決まるまで時間がかかったのは単に行先がなかなか決まらなかったからでしょう、身も蓋もない話で恐縮ですが。セレッソは原川(→FC東京)に続いて鈴木徳真(→G大阪)まで流出したので中盤の底の選手が不足しており、急遽平野に白羽の矢が立ったものと目されます。浦和での出場時間を考えればJ2行きでも何ら不思議はなかったところにセレッソから獲得話が舞い込んでくるとは、平野にとってまさに渡りに船。
 
 プレースタイルが非常に判りやすく、出来ること出来ないことがはっきりしている選手なので監督のやりたいこと、嗜好にド嵌まりすれば輝きを取り戻すことは間違いありません。願わくばその輝きを見せる日が浦和戦でありませんように。
 
 またあの謎の踊りが見られなくなるのが残念です。わずか2年半でしたがありがとうございました。

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2024.01.12

キャスパー ユンカー選手 名古屋グランパスへ完全移籍

 昨日(1/11)名古屋グランパスへ期限付き移籍していたキャスパー ユンカー選手の名古屋グランパスへの完全移籍が公表されました。
 
 ユンカーは2021年4月にKボーデ/グリムト(ノルウェー1部)から浦和へ完全移籍加入。ユンカーは加入直後からいきなりゴールを量産。イケメン長身というルックスとその「ツイ廃」ぶりも相まって、早々と浦和の人気選手にのし上がりました。

 ところが8月のトレーニング中に右頬骨を骨折したのがケチのつけ始め。その後もグロインペインにユンカーは長く苦しむことになり、2022年リーグ戦開幕時はベンチ入りも出来ず。夏にリカがやむなく松尾をCFで起用したところ、その強烈なプレッシングが奏功したのか浦和の戦績が急激に好転してユンカーの立場はますます辛いものに。

 ユンカーはもともと「ボックス内での仕事人」なタイプな上にグロインペインを気に病んでか最前線から鋭くプレスをかけるようなことはしないので、次第にリカ的には使いづらい存在に。またリカがユンカーを途中で交代させたり、途中投入に留めたりしたことについて、ユンカーとあまりコミュニケーションが取れていなかったのか、次第に感情的に対立しているようにも伺えました。

 浦和とユンカーとの契約は2024年1月までだったようですが、ユンカーはグロインペインを抱えていて今後もコンスタントな出場が見込めない上に、2023年に就任したスコルジャ新監督が語る「ハイプレスを増やしたい」「ボールを失ったらできるだけ早く取り返す、できれば相手のペナルティーエリアの近くで取り返す」というタスクに耐えられそうにないと見てか、浦和は2022年末のオフに損切りに動きました。

 ところが浦和は放出を焦って足元を見られたのか、移籍先が海外ではなく国内クラブ=名古屋になっただけでなく、完全移籍で移籍金を獲得できずに期限付き移籍に留まった上に「キャスパー ユンカー選手は2023シーズン公式戦にて浦和レッズの『ホームゲーム』には出場できません。」と、前代未聞の不可解な条項が付いていました。

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 名古屋に活躍の場を移したユンカーはまさに「水を得た魚」のようにリーグ戦33試合出場(うちスタメン31試合)16得点と大活躍。長谷川監督はユンカーに守備のタスクを課さなかった上に、カウンター主体の戦術だったので往々にしてユンカーの目の前には広大なスペースが広がっていてユンカーのスピードと驚異的な決定力が活きました。
 
 天皇杯4回戦では例の不可解な条項を利用してユンカーが浦和戦にノコノコ出てきただけでなく、浦和はユンカーに決定的なゴールさえ許してしまうテイタラク。これはもう"This is URAWA!!"としか言いようがありません。よくもまあやることなすこと悉く裏目に出るなあ・・・
 
 なおユンカーが浦和在籍時にあれほど苦しんでいたグロインペインが名古屋で再発して途中離脱することもなく、ほぼ全試合出場しているのが不思議ですが、浦和が2023シーズンの振り返りでメディカルスタッフを賞賛しているところをいると、ユンカー在籍時の浦和のメディカルスタッフが相当残念だった可能性が大のようです。当時のメディカルスタッフがまともだったら浦和でのユンカーの扱いも違っていたかも。
 
 昨季の名古屋はもはやユンカーなしではどうにもならない「ユンカー中毒」に陥っていたので、今オフに完全移籍を画策するのは至極当然。実際12月には名古屋へ完全移籍する旨の記事も見られましたがその続報はなく、正式決定はなぜか昨日までずれ込みました。
 
 名古屋がさっさと買取オプションを行使していれば完全移籍話がこじれる訳がないので、何らかの理由(所定の買取オプション金額よりも安値での獲得を狙ったとか)で名古屋がオプションを行使しなかったのは明らか。ところが今度は是非とも完全移籍を実現させたいのはユンカー中毒の名古屋のほうなので、浦和は海外へ売り飛ばすとか、レンタルバックするとか、色々と脅しをかけながら粘りに粘って結構な移籍金をゲットしたのでしょう、たぶん。昨オフにマヌケな、マヌケすぎるレンタル契約を結んだ責任者は詰め腹を切らされたかのようにいなくなりましたし。
 
 また昨オフのFB本部はマヌケすぎる契約を結んでまでユンカー放出を急いだのに、その代わりのCF(ギアクマキス)獲得に失敗するという大失態を犯しましたが、今オフはCF獲得の目途がついたからこそ、このタイミングでユンカー完全移籍にゴーサインが出たのかもしれません。
 
 なお浦和が2023シーズンの振り返りで「マチェイ スコルジャ監督によるリーダーシップとチームマネジメントのもと、一人一人がプロの選手として、或いはプロのスタッフとしての役割を全うし、チーム全体が一つの方向を向いて最後まで闘い抜くことができました。」と総括しているのを見ると、ベンチスタートだと露骨に不満を露わにしがちだったユンカーへのFB本部の評価は恐ろしく低く、ユンカーのレンタルバックの可能性は小さかったと目されます。いくらユンカーが名古屋で大活躍しようとも。たぶん守備が苦手なこと以上に性格を問題視されたかと。

 浦和がユンカー放出に至った理由は非常に合理的ですし、ユンカー自身にも「性格が結構面倒くさい」くらいでさほど悪い印象はありません。浦和在籍時には横浜M戦で0-3のビハインドからハットトリックで同点に追いついたことと、そしてなによりACL準決勝で延長後半終了間際に劇的な同点ゴールをぶち込んだのが個人的に印象に残った試合の双璧。
 
 圧倒的な人気にも関わらず浦和在籍は意外に短いものになってしまいましたが、ありがとうございました。
 

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2024.01.10

柴戸海選手 FC町田ゼルビアへ期限付き移籍

 昨日(1/9)柴戸海のFC町田ゼルビアへの期限付き移籍が公表されました。

 柴戸の移籍話は1/5にスポニチから「J1に初昇格した町田が浦和のMF柴戸海(28)を期限付きで獲得することが4日、決定的となった。」との一報があっただけで、その続報はありませんでしたが、機関紙スポニチが「決定的」と強めの表現を用いての一報だったのでそのまま正式決定の運びとなりました。

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 柴戸は2018年明治大学から加入。しかし加入初年は監督が堀→大槻→オリヴェイラと移り変わったもののCHは遠藤・阿部・柏木・青木・長澤と競争相手が強力かつ頭数も多く、しかも開幕前の故障による出遅れも相まってリーグ戦での柴戸の出番はわずか9試合、196分に留まりました。
 
 しかし、2019年になると柴戸は2ボランチの一角としてスタメン出場する試合が増え始め、同年はリーグ戦20試合(うちスタメン11試合)1084分、2020年は25試合(うちスタメン17試合)1708分出場とレギュラーに近いところまで序列を上げてきました。
 
 柴戸のプレースタイルは典型的な「やたら人に食いついて広範囲を走り回る」ボールハンター型。逆にビルドアップへの関与や最前線に踊りでての攻撃参加はあまり得意ではありません。しかも2021年に監督に招聘されたリカは相手に応じて的確なポジションを取ることを重視するタイプなので、相手に釣られて肝心なところがお留守になりがちな柴戸との相性はあまり良くないと個人的には考えていました。
 
 ところが柴戸はリカの求めに応じて意外といっても差し支えないくらいの成長、変貌を見せ(特にバスの出し手として)、伊藤あるいは平野とのセットでリーグ戦30試合(うちスタメン22試合)、1971分出場とほぼ鉄板のスタメン級になりました。
 
 翌年もその体制が続くかと思いきや、2022年はリカの愛弟子岩尾が加入。岩尾はフィットにやや時間がかかったものの次第に不動のレギュラー格となり、柴戸は伊藤との競争に敗れる形で出番を減らしていき、この年は結局リーグ戦24試合(うちスタメン12試合)1166分出場と準レギュラー格へと逆戻り。出番の減少は第22戦アウェー名古屋戦での負傷が案外尾を引いたのかもしれません。
 
 そして監督がスコルジャに代わった2023年は3月8日ルヴァン杯初戦の湘南ベルマーレ戦で負傷。スコルジャはACL決勝へ向けてある程度メンバーを固定することを内外に公言していただけに序盤の出遅れは致命傷に。そしてその後もたまに試合に出たり、練習試合で同じ箇所個所を傷めて再離脱しているうちに時は流れ、結局リーグ戦での出場はわずか8試合141分止まり。
 
 しかもこの年唯一のスタメン出場だった第33節ホーム福岡戦ではこれでもかこれでもかとばかりの失態を繰り広げて65分に懲罰的な交代を食らってしまいました。「柴戸の浦和でのキャリアはもう終わったかもしれません」というのがその際の個人的な感想でしたが、案の定このオフに構想外になってしまったようです。
 
 町田へは完全移籍ではなく期限付き移籍ですが、柴戸はもう28歳なので育成的な意味合いでのレンタルではなく、単に浦和との契約がまだ残っているためだけでしょう。かといって完全に片道切符と言えるほど柴戸は浦和ではまるでダメだったわけでもないので、浦和に復帰できるかどうかは町田での活躍次第でしょう。柴戸は横浜市出身ながらも中学時は町田市のクラブに所属していたので、半ば里帰りのかたちに。町田で柴戸の「一人一殺」的なプレースタイルにますます磨きがかかってしまい、それがゆえに汎用性を失って浦和復帰が難しくなる恐れが無きにしも非ずですが。
 
 大卒6年目の選手には相応しい言葉ではないでしょうが、柴戸はなんか「未完の大器」のまま28歳になってしまったような気がしてなりません。阿部から22番を譲り受けた漢が町田で再覚醒して浦和に復帰できれば万々歳でしょうけど。
 

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【祝】宇賀神友弥選手 FC岐阜より完全移籍加入

 昨日(1/9)宇賀神友弥選手のFC岐阜からの完全移籍加入が公表されました。

 宇賀神の移籍話は1/9朝にスポニチ&報知から突然報じられ、同日公式発表の運びとなりました。
 
 宇賀神は2021年一杯で契約満了となり、翌年FC岐阜に移籍して2年間主力としてほとんどの試合でスタメン出場。そこでの活躍が評価されての浦和復帰という前向きな見方も出来ましょうが、さすがにそんな単純な話ではないでしょう。いったん浦和との契約が切れた選手が他チームを経て再度浦和に戻ってきた例は阿部や伸二といった海外クラブからの復帰を別格とすれば過去岡野(神戸から復帰)くらいしか記憶になりくらいの異例事態です。しかも2つも下のカテゴリーにいた35歳の大ベテランが。

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 まだ正式発表はありませんが、各種報道から荻原がディナモ・ザグレブ(クロアチア1部)へ期限付き移籍する話が進んでおり、メディカルチェックも終えたとの話まで流れています。さらに大畑がパリ五輪関連でちょろちょろ離脱するので、手薄になる左SBの補強として宇賀神に白羽の矢が立ったと考えられます
 
 荻原が離脱すると面倒なのは荻原はホームグロウン選手なこと。J1は少なくとも4人のホームグロウン選手を抱える義務があり、荻原が抜けると浦和のホームグロウン選手は現時点で関根・伊藤・堀内・早川・武田の5人になってしまいます。うち伊藤はいつ欧州へ行ってしまっても不思議はない状態。伊藤がいなくなると、ホームグロウン縛りのために堀内や早川といった若手をレンタル修行に出すに出せないという状況に追い込まれます。
 
 そこでホームグロウンの宇賀神を招聘して左SBを補強すると共に堀内or早川を修行に出せる余裕を作るという一石二鳥の効果を狙ったのかもしれません。また宇賀神は下部組織出身なのでA契約枠を食わないことをも勘案すれば一石三鳥かも。
 
 さらに言えば宇賀神は浦和でのキャリアの晩年になって「さすが浦和ユース出身!!」と思わせるくらい、戸田にフットサルコートを作り、水没したレッズランドの復興にいち早く立ち上がり、さらにはレッズレディースの動向にも気に掛ける等、戸田を含めた地元への貢献、レッズファミリーへの貢献を誰の目にもはっきりと判る形で打ち出していました。浦和への復帰はそういった活動を一段と後押し、引退後のキャリア形成の一助ともなることでしょう。
 
 基本的に明本の控えという位置づけなことは百も承知、大ベテランとしてのチーム内での役割も判り切った上での浦和復帰でしょうが、改めてよろしくお願いします。

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