2025.06.22

【DAZN短感】FCWC25 GS第2節:インテル・ミラノ 2-1 浦和

 浦和は初戦リーベル戦で勝ち点ゼロに終わったため、次戦インテル・ミラノ相手に勝たないとグループリーグ突破は難しくなってしまいましたが、インテルも初戦でモンテレイ相手にまさかの引き分けに終わったため、こちらも浦和相手に必勝を期さざるを得ないという立場。

 スコルジャ監督は試合前の会見で「明日インテルに対して我々が使いたいと思っていることは、これまでリーグ戦では使ってきませんでしたし、これは確かに我々が集中したいと思っている要素でもあり、それが効果的であればいいと思っています。」と語っていたので、スタメンに何らかのサプライズがあると予想した向きもあったようですが、蓋を開けてみるとリーベル戦とスタメンは全く同じでした。

 一方インテルは怪我人が出たこともあって、前節からスタメン4名を変更しただけでなく、主力を相当欠いた陣容で浦和戦に臨んできた模様。

 試合は立ち上がりから浦和が自陣に押し込まれっぱなしに。ただ相手をリスペクトしすぎて腰が引けてただただ自陣で守備ブロックを作るだけに終始したリーベル戦の立ち上がりと違って、インテル戦は行くべきところでガツンと当たりに行く積極的な守備がまま見られました。

 またこの試合ではSHの片方が下がって5バックになる時間帯が続いたように見受けられました。これは相手が基本3-4-1-2で、WBを基点としたピッチを広く使った攻撃(=リーベルの1点目が典型)を仕掛けてくることへの対応だと思いましたが、これがスコルジャが言った「明日インテルに対して我々が使いたいと思っていることは、これまでリーグ戦では使ってきませんでした」なのかもしれません。

 これをやると後ろが重くなって、低い位置でボールを奪ってもそこから攻撃に出るのが大変。ゆえにJリーグでは4バックのまま守備ブロックをスライドさせて対応していたかと思いましたが、インテル相手ではそれでは守り切れないと割り切ったのでしょう。渡邊も金子も守備時には最終ラインまで下がり、数少ない攻撃機会では前に出るなど上下動を繰り返し、金子に至っては西川のロングキックの的にもなって(しかも結構競り勝つ!!)彼らの負荷は目に余るものがありました。

 そしてその甲斐あって11分金子が右サイドで独力で対面のアウグスト(#30)をぶち抜いてボックス内突入。そのラストパスに渡邊が反応して浦和が最初の決定機でいきなり先制!!渡邊の前に松尾が走ってインテル守備陣を引き連れての完璧な崩しでした。

 ただその後も浦和が自陣で耐えるだけの試合展開にはなんら変化なし。浦和がなんとかボールを奪ってもインテルの攻守の切り替えが速すぎて浦和はボールを繋げず、カウンターを仕掛けるどころか単に前に蹴りだすのが精一杯だったのは見ていて結構辛いのなんの。

 とはいえ、浦和の守備ブロックは崩れる気配はなく、多少なりとも危なかったのは19分左サイドでアスラニ(#21)クロス→ラウタロ(#10)のヘッドがバーを叩いた場面くらい。インテルのシュートはやたらブロックされ、ブロックされなくても枠を捉えきれずと攻めている割には点が入る感じはしませんでした。

 後半になっても戦況に大きな変化はなく、スコルジャは66分になって消耗著しい金子に代えて関根を投入。70分には浦和が久しぶりにカウンターを仕掛ける場面がありましたが、すでにヘロヘロの渡邊のシュートは枠を捉えきれず。

 浦和がヨレヨレながらも逃げ切り勝ちの気配が漂いだした78分CKからラウタロがバイシクル気味のシュートを決めて同点。ラウタロにはボザが一応付いており、ラウタロの姿勢も良いとは言い難かったのですが・・・これが高額FWの力=「金の力」なのか・・・

 同点に追いついかれたところでスコルジャは79分サヴィオ→松本、松尾→サンタナと交代。松尾もサヴィオも既にヘロヘロで、特にサヴィオは前半ちょっと傷んだので交代が遅いくらいと思ったのですが、この交代が傷口を広げることに。ヘロヘロの両選手よりもサンタナが動けないとはなぁ・・・

 そして90+2分後半途中投入のスチッチ(#8)のシュートのこぼれ球を同じく途中投入のカルボーニ(#45)がゴール左に冷静に流し込んで一気に逆転。格下相手に決定機はそれほど作れていなかったインテルは後半選手交代で火力を落とさずに攻め続けた一方。浦和は「選手を代えれば代えるほど悪くなる」といういつものコースに陥ってしまい、その差が最後の最後できっちり結果に表れた格好。

 何も出来なかった訳ではないどころか、勝てそうだった試合、少なくとも勝ち点1は取れそうだった試合で負けたのは心底凹みました。しかも不運による負けではなくて、負けに至る過程がお馴染みのコースだったのが凹みを加速した感じ。

 それでもスコルジャは10回やって1回勝てるかどうかという相手に勝ち筋を見つけるのがホンマ上手い。インテル相手に渡邊を下げて5バックにする。その前提として渡邊とサヴィオのポジション変更をリーグ戦でテストしておく。ここまではお見事でした。しかし同じようにリーグ戦の最後でテストしたサンタナ投入は大失敗でした。

 全く動けないサンタナがボロクソに言われるのは仕方ないでしょう。でもリーグ戦に出てない髙橋や二田をこの大一番でいきなり出せるわけがないでしょうに・・・言い換えればなんだかんだとリーグ戦で出ていたなんとか倉は一生一度の見せ場を失ったのかもしれません。目先の出場機会に飛びついた哀れな奴です。さらに言えばサンタナに代わる強力なCF獲得に失敗したのが敗戦の遠因なのでしょう。

 強敵相手の連敗で浦和はFCWCグループステージの可能性は潰えてしまいました。最終節の相手モンテレイはグループステージ突破の可能性が残っている一方、浦和にとっては完全な消化試合になってしまいましたが、燃え尽きていないかどうか些か心配です。

Pizza_margherita2


-----松尾-----
渡邊---サヴィオ---金子
---グスタフ--安居---
長沼-マリウス--ボザ-石原
-----西川-----

(得点)
11分 渡邊
78分 ラウタロ
90+2分 カルボーニ


(交代)
66分 金子→関根
79分 サヴィオ→松本
79分 松尾→サンタナ
87分 グスタフソン→原口(原口トップ下、松本CHへ)
87分 長沼→荻原

・解説坪井は基本的にポジティブで、それでいて居酒風屋ではなく、かといって変に戦術論に走る訳でもなく、おそらく誰にとっても心地よい解説で非常に良かった。DAZNもその辺をちゃんとわかっててFCWC浦和戦全試合に起用したのでしょう。

・主審はやたら細かくファウルを取る系でしたが、それで首尾一貫していたので個人的にはそれほど気にならず。ただ防戦一方の浦和がファウルで止めざるをえない場面が必然的に増えるので、その笛の傾向が浦和に不利に働いたのは否めず。

・また今大会から採用された「8秒ルール(=ゴールキーパーがボールを保持できる時間を8秒以内に制限するルール)」は結構GKにプレッシャーになる様子。特に試合の流れを変えるためにGKがボールを長々と持つ技が使えないのはこの試合の西川には辛く、しかも遅延行為でイエローをもらってしまったのでなおさら。

|

2025.06.19

スパイシーキーマカレー丼@すき家

Kimacry2506001

 すき家が2025年5月27日から期間限定発売中の「スパイシーキーマカレー丼(690円)」を試食。

 「スパイシーキーマカレー丼」は、「ごはんに具沢山なキーマカレーやレタスをのせ、おんたまを添えた、スパイシーな味わいが夏にぴったりの商品です。鶏と豚の合い挽き肉や大豆ミート、玉ねぎ、夏野菜のナスや赤ピーマンを使ったキーマカレーは、食べ応え抜群です。スパイシーな味わいのキーマカレーを、まろやかなおんたま、シャキシャキのレタスと一緒にご堪能ください。」というのがすき家のウリ文句。ただおんたまは別添で、卵を割って自分で乗せる方式。

Kimacry2506002

 さらにウリ文句には別添の「すき家の特製辛口ソース」で辛さを自由自在に調整できるとありましたが、辛口ソースが小袋ではなく瓶で出てくるのには意表を突かれました。しかもさらに意外なことにソースはとろみ強め。

 ただ辛口ソースをかけなくてもデフォルトでも結構辛いように感じました。ゆえにおんたまを絡めて味をマイルドにするも良し、辛口ソースで一層刺激を強めるもよし。シャキシャキしたレタスが絶好の箸休めに。

 牛丼チェーン店でのカレーといえば松屋が頭一つ抜けているというのが個人的評価ですが、松屋でキーマカレーはそんなに頻繁には出てこないので、すき家の試みは嬉しい限り。

|

2025.06.18

【DAZN短感】FCWC25 GS第1節:リーベル・プレート 3-1 浦和

 FCWCはまず4チームによるグループステージがあり、上位2チームが勝ち抜けというレギュレーション。浦和はリーベル・プレート→インテル・ミラノ→モンテレイの順にそれぞれ中3日で対戦するスケジュール。先日のCLで準優勝だったインテル・ミラノが図抜けて強いというのが専らの下馬評で、浦和は初戦のリーベル戦で少なくとも勝ち点1を奪わないとグループステージ勝ち抜けは難しいという立場でした。

 ゆえに浦和は6/1にリーグ戦横浜FC戦を終えた後早々と米国入りしてキャンプを張り、時差ぼけ解消を含めて入念な準備を進めていました。

 その甲斐あってか、リーベル戦のスタメンはいつもの鉄板組が勢ぞろい。直近の横浜FC戦と比べると荻原に代えて長沼が入りましたが、対面の右WGマスタントゥオーノ(#30)が弱冠17歳にしてレアル・マドリー入りが決まっているくらいの逸材で、その対策として荻原よりも守備に信頼が置ける長沼を左SBに置いたものと目されます。

 浦和は序盤ほとんど前からプレスをかけず、専らミドルブロックを敷いて待ち構えることに。ただボールを奪ってもリーベルの攻守の切り替えの速さや守備強度に戸惑って、もともと怪しいビルドアップが壊滅状態になってすぐにボールを失ってしまうのには参りました。

 そして9分ドリウッシ(#15)がアーク付近で反転して浦和守備陣のわずかな隙間から強引にねじ込んだようなシュートがポストを直撃。さらに12分マスタントゥオーノが突如センターサークル付近までカットインして左サイドへ展開し、左SBアクーニャ(#21)がクロス。これをボザがちょっと被ったような格好になってしまって、マリウスとの間に走り込んだコリーディオ(#11)がヘッドでズドン。浦和は早い時間帯に先制を許してしまいました。

 基本4-1-2-3でピッチを広く使う相手が4-4-2の守備ブロックを崩す際の常套手段みたいなもんですが、ここまで上手くやられるとは・・・

 ところがビハインドに陥った浦和は一向に前に出る様子はなく、相変わらずミドルブロックを敷いて待ち構えたまま。2点目を取られたらお話にならないので慎重に試合を進めているのかな?と思ったのですが、さすがにこの姿勢にはスコルジャも怒り心頭だったことが試合後明らかに。松尾も「立ち上がり20分のコントロールに問題があった」と試合後認めていました。

 それでも20分くらいに渡邊と松尾のポジションを入れ替えてゼロトップ状態にした辺りから浦和もようやく反撃開始。32分にはサヴィオFK→マリウスヘッドがネットを揺らしたものの、マリウスがわずかにオフサイド。42分にはボザが前へ運んで金子に繋ぎ、金子の枠内シュートで終わる良い形も。

 反撃ムードマシマシになった展開をぶち壊したのは48分の凡ミスによる失点。マリウスがバックヘッドで西川へ戻そうとしたボールをドリウッシに攫われて失点という非常に情けないものでしたが、マリウスと西川の連携の怪しさもさることながら、その前に相手のクロスを長沼がヘッドで中に折り返したのがこんなしょっぱい失点の引き金に。長沼は先日の名古屋戦でもやらずもがなのヘディングクリア失敗が失点の契機になっており、SBが本職ではない難点がこんなところで露わに(それでも左SB本職の荻原よりマシというのがスコルジャの評価ですが・・・)。

 事実上勝敗は決した感のあった痛恨の2失点目でしたが、一度火が付いた浦和の闘志は全く衰えることなく、56分西川からボールを繋いで浦和得意のロングカウンターの展開に。グスタフソンのパスをボックス内で受けた金子がアクーニャに倒されてPKゲット。58分松尾がPKを決めて1点差に。なお松尾がPKを蹴ったのはプロキャリアで初めてだったそうで。

 その後も浦和が押せ押せの展開になり、62分西川のロングフィードをどフリーで受けた長沼がそのまま前方へ進出してシュートを放つ場面があったり、好位置でFKを獲得する場面があったり。しかし決定機は作れず。

 スコルジャは71分サヴィオ→サンタナ、金子→関根と代えて攻勢を強めましたが、その攻勢をばっさりと断ち切ったのが73分。アクーニャCKに対して後半投入のメサ(#8)が上手くボザの前に飛び込んでヘッドでズドン。

 残念ながらその後の浦和は選手を代えれば代えるほど悪くなるいつもの展開に。80分には守備に奔走する時間帯が長すぎて消耗著しかった安居を代えざるを得なくなり、のらりくらりと時間を使いだしたリーベルに手も足も出ず。終盤浦和唯一の決定機は90分左サイドから松尾クロス→関根がヘッドで後方へ逸らしてサンタナが胸トラップ&シュートという場面でしたが、サンタナはこれを決められず。うーーーん、これを決めないとスコルジャが守備貢献度の低さに目を瞑ってまで使いたくなるCFにはなれんわ・・・

 全く手も足も出なかったわけではなかったけれど、ゲームキャプテンのマリウスが試合前に相手との握手を忘れるくらいテンパってしまったのに象徴されるように、やっぱり場慣れしていないせいか、必要以上に相手をリスペクトしてしまったのが残念でした。ただそんな中でグスタフソンの「普段通り」が別格すぎました。

 またお粗末な2失点目はもちろん、浦和守備陣のちょっとした綻びを確実に突いてくるリーベルのプレー精度には恐れ入りました。Jリーグでは無双レベルのボザがめっちゃやられるんだからなぁ・・・

 リーベル戦で勝ち点ゼロに終わったため、浦和は次戦インテル・ミラノ相手に勝たないとグループリーグ突破は難しくなってしまいましたが、インテルも初戦でモンテレイ相手にまさかの引き分けに終わったため、こちらも浦和相手に必勝を期すことに。ガチガチのガチな状況下で迎えることになった次節はどうなることやら。

Syakoudance1

-----松尾-----
渡邊---サヴィオ---金子
---グスタフ--安居---
長沼-マリウス--ボザ-石原
-----西川-----

(得点)
12分 コリディオ
48分 ドリウッシ
58分 松尾(PK)
73分 メサ

(交代)
71分 サヴィオ→サンタナ(サンタナCF、松尾左SH、渡邊トップ下へ)
71分 金子→関根
80分 安居→松本
80分 長沼→荻原
87分 グスタフソン→原口(原口トップ下、渡邊CHへ)

 アルゼンチンのチームなので「とにかく汚い!」という先入観がありましたが、この試合に関して言えば全然そんな印象は受けませんでした。むしろJリーグのいくつかのクラブの方が遥かに汚いかと。

 アルゼンチンのチームとは思えないくらい汚いファウルが少なかったのは、後方からのファウルにはきっちりイエローを出す神主審だったからかも。主審が良いとプレーも良くなる好循環。またそもそも「手を使って相手を止める」というJリーグでありがちなアホすぎるファウルなんてリーベルにはほとんどありませんでした。

 主審もさることながら、Jリーグみたいに必要以上にオフサイドディレイを取らず、サクサク旗上げる副審にも好印象。FCWCに全く呼ばれないことに象徴されるように、とにかく残念過ぎるJリーグの審判団に見習ってほしい神裁きでした。

|

2025.06.07

長倉幹樹選手 FC東京へ期限付き移籍

 本日(6/7)、長倉幹樹選手(25歳)のFC東京への期限付き移籍が浦和フロントから公表されました。期限付き移籍期間は、2026年1月31日までとのこと。

 先日(6/5)、小森のジェフ千葉からの完全移籍加入が公表された際、サンタナを超えるスーペルな外国人CFを採るならともかく「J2でしか実績がなく、海外では全く通用しなかった」という本間と似たキャリアのCFを獲ったのはかなり意外と思い、おそらく浦和のFWの誰がしかの離脱or放出話を受けての小森獲得だろうと邪推していたところ、案の定同じタイミングで「長倉幹樹選手のチーム離脱」が公式発表されました。

 「移籍を前提とした手続きと準備のため、チームを離脱」とあるだけで「海外チーム」とは明記されていませんが国内移籍に準備期間が必要な訳がなく、当方は海外への移籍だと思い込んでいたのですが、翌日スポーツ各紙がFC東京への期限付き移籍を一斉に報じた際には正直腰を抜かしました。

 6/5に堀之内SDはメディアから小森獲得と長倉の期限付き移籍が重なった件について質問を受け、当然ながら堀之内SDは口を濁していましたが、6/1横浜C戦に長倉は後半途中投入ながらも結構まとまった出場時間を与えられたので、スコルジャのもとで長倉は戦力外扱いだったので、浦和強化部が期限付き移籍での形で長倉を積極的に放出したとは考えにくいでしょう。

 もっとも長倉がさらなる出場機会を求めて移籍を模索していたのも確かでしょうから、浦和が昨冬から獲得を狙っていた小森の獲得が決まったので長倉の要望を認めたと考えるのが自然だと思います。ただ長倉の期限付き移籍を認めたのが浦和の渡米直前だったので国内移籍にも関わらず「移籍を前提とした手続きと準備」の時間が必要になったものと思われます。言い換えれば、アメリカ行きの飛行機に長倉がいないので大騒ぎになる前に「移籍を前提とした手続きと準備」のお知らせを出さざるを得なくなったのでしょう。

Tonzura

 それにしてもベンチ入りもままならない髙橋や二田と違ってコンスタントにベンチ入りしており、短時間ながらほぼ毎試合途中投入されていた長倉が、浦和加入後半年足らず、しかも同一カテゴリーのクラブへ移籍するとは心底がっかりしました。まるで浦和の中での競争から逃げるかのように・・・

 まぁ長倉は最前線で身体を張るCFらしいCFではなく、ムービング系FWとして2トップで1.5列目的なお仕事が最も得意。でもトップ下としては渡邊や松本、サヴィオには遠く及ばない。ゆえにスコルジャの4-2-3-1の中では居場所がないと思ったのかもしれません。ましてやスコルジャがC大阪戦でどう見てもコンディションが整っていないサンタナを先に投入したのを見て気持ちが切れたのかもしれません。

 でも松尾なんてどう見てもWGタイプなのに自分なりのCFとしての活き方を模索し、それが奏功してサンタナ故障を受けてポジションを掴んだのに対し、長倉はプロとしての「自己変革」にチャレンジしないまま浦和から逃げたように思えてなりません。

 で、長倉の行き先は昨年まで新潟でお世話になった松橋監督がいるFC東京。うーーーーーん、成績不振&試合内容もズタボロで松橋監督はいつ解任されても不思議はないのですが、それで良いのかなぁ???

 また新聞報道では他に古巣の新潟と、群馬でお世話になった大槻さんのいる岡山からもオファーがあったようですが、岡山は先日やたらデカい外国人FWを採ったばかりなので、長倉へのオファーはそれがダメだった時の保険としか思えないのですが・・・

 なんか移籍希望を出したもののあんまり良いオファーはなくて、相対的にマシと思ったFC東京という泥船についつい慌てて乗り移ったような長倉ですが、まぁそこで出場機会を得た上でまた浦和で活躍してくれれば何の問題もありません。ご活躍をお祈りします。

|

2025.06.05

【祝】小森飛絢選手、ジェフ千葉より完全移籍加入

 本日(6/5)小森飛絢選手(24歳)のジェフユナイテッド市原・千葉からの完全移籍加入が公表されました。

 FCWCの出場クラブが所属する各国のサッカー協会は6月1日(日)~6月10日(火)に「特別登録期間」設置することが可能となっており、浦和レッズがFCWCに出場するためJリーグも2025シーズンに「特別登録期間」を設けています。

 「特別登録期間」を利用できるのはFCWC出場クラブのみでなく全クラブが対象なので、早速移籍に動いているクラブもあるようですが、肝心の浦和にさっぱり動きがなくてやきもきしていたところ、突然小森獲得の報が飛び込んできて心底驚きました。この辺は浦和強化部の情報管理がしっかりしていると前向きに評価しても良いでしょう。

 小森は今年1月に6月末までの契約でシントトロイデンに期限付き移籍していましたが、公式戦5試合無得点でプレー時間は17分にとどまった模様。そこでスポニチによると移籍金1億5000万円、年俸7000万円(ともに推定)で浦和が完全移籍での獲得に踏み切ったようです。

Hokyo_20250605134001

 スコルジャはサンタナに守備面での貢献といい、最前線での収めどころといい、明らかに物足りなさを感じているのは明白ですし、松尾のCF起用も窮余の一策の域を出ないので、サンタナを超えるスーペルな外国人CFを獲るのなら判るのですが、「J2でしか実績がなく、海外では全く通用しなかった」という本間と似たキャリアのCFを獲ったのはかなり意外でした。

 ゆえに、おそらく浦和のFWの誰がしかの離脱or放出話を受けての小森獲得だろうと邪推していたところ、案の定同じタイミングで「長倉幹樹選手のチーム離脱」が公式発表されました。「移籍を前提とした手続きと準備のため、チームを離脱」とあるだけで「海外チーム」とは明記されていませんが、国内移籍に準備期間が必要な訳がなく、おそらく海外への移籍と思います。

 浦和加入後半年も経たないタイミングで長倉が移籍に踏み切った理由は明らかではなく、邪推を重ねても仕方ないのでここでは言及しません。

 小森は典型的なボックス内で勝負するワンタッチゴーラー型のFWでCFでしか使いようがないようです。一方長倉はムービング型FWで最前線ではなく1.5列目的なポジションを得意とするFWなので特徴はかなり違います。

 でも長倉同様、小森も浦和のFWとしては2番手、3番手以下の扱いでしかないでしょうし、「補強ではなく補充の域を出ないのに随分気前よく移籍金払ったなぁ」というのが個人的な感想です。とにかく大失敗に終わった本間の悲劇を繰り返さないように願いたいものです。


|-`).。oO 本間といい、長倉といい、「信頼と実績の新潟米」はいったいどうなったんだろうか・・・共に備蓄米だったのか・・・

|

2025.06.02

【観戦記】25年第19節:浦和 2-1 横浜C ~ 勝って送り出せてホンマ良かった

 CWC前の最後の試合。試合後には壮行会的なセレモニーが催されるのが判っていただけに、内容はどうであれ勝って送り出せて本当に良かった。残留争いしているチーム相手にホームで負けてしまったら、壮行会どころじゃなくなってたでしょうし。

《スタメン》

 浦和は怒涛の5連戦の最終戦で前節から中3日。横浜Cは週央に試合がなかったのでコンディション面で浦和が相当不利な一戦。

 浦和のスタメンは前節から長沼→荻原の一名入れ替えのみ。ベンチ入りも全く新味なし。

 横浜Cのスタメンは前節から室井→駒井の一名入れ替えのみ。

Yokohama2506001

《試合展開》

 浦和は試合開始時こそサヴィオが左SHにいたものの、すぐさま渡邊とポジションを入れ替えて渡邊左SH、トップ下サヴィオの格好に。前節C大阪戦ではルーカス・フェルナンデス対策という守備的な意図から前半途中でその格好になっていましたが、この試合では「自由に動きすぎるサヴィオ」を有効に使う方法としてこの布陣が攻守ともベターとスコルジャは判断したのかも。

 試合後会見でスコルジャは「最も得点している凌磨をサイドに置くのは、変わった判断に見えるかもしれません。しかしこれはもしかしたら、クラブワールドカップで必要になるかもしれない形でもあります。だから凌磨をウイングとして起用しました。」と説明していましたが。この説明だと明らかに守備重視っぽい気も。

 浦和の立ち上がりの出来は圧巻。横浜Cを自陣深くに押し込み続けましたが、7分左サイドから渡邊クロス→荻原シュートはミートしきれずに枠外。8分金子クロス→渡邊シュートはブロックされてしまい、17分ボックス内でのグスタフソン→金子シュートはGK正面と相手ゴールに迫りながらも得点ならず。

 そして28分好位置で得た渡邊FKが大きく枠を逸れた辺りから渡邊を筆頭に早くも失速傾向の浦和は単に横浜Cが低い位置で構える5-4-1の守備ブロック回りでボールを回すだけに。

 とはいえ横浜Cは明らかにビルドアップに難があり、苦し紛れにロングボールを蹴ったところでルキアンも武蔵も全く収められないので攻撃の糸口すら見出し難かったのですが、浦和の失速傾向を見透かしたかのように33分には左サイドから新保クロス→武蔵ヘッドで横浜がこの試合初めて良い形。

 そして43分西川のロングボールを跳ね返してのカウンターからルキアンのミドルシュートが決まってずっと劣勢だった横浜がまさかの先制。最後の安居の対応がなんだかなぁなのはともかく、浦和の選手達が中盤でのボール奪回に出たところで半歩ずつ遅れてしまってボールを奪えないどころかファウルで止めることすらできない辺りに疲労の色が見え隠れ。

 この場面、試合後スコルジャは「ロングボールを蹴ったときに、ディフェンスラインの押し上げが十分早くなかったことで、スペースを空けてしまったと思います。それによって、セカンドボールを拾われる場面につながってしまいました。」と話していましたが、それもお疲れ故でしょう。

 ハーフタイムを経た浦和はやや息を吹き返し、53分安居の縦パスを金子がセンターサークル付近でボールを収めて右サイドを激走する石原へ展開→石原クロスにグスタフソンのシュートはボックス内で滑り込んで押し込んだ格好になりましたが、当たり損ねがかえって幸いしたのかなぜかGK市川がファンブルしてゴール!!

 結果は珍妙でしたが、前を松尾&サヴィオが激走して横浜C最終ラインを下げ、遅れてフリーで突っ込んだグスタフソンへ石原がクロスを送るという理想的な形でのゴールでした。それにしてもビハインドの局面で浦和得意のロングカウンターが炸裂するとは。

 59分には珍しく横浜Cの前ハメがハマって浦和が自陣深い位置でボールを失い、ルキアンにシュートを撃たれる危ない場面がありましたが、戦況はその後も浦和ペース。

 日程が楽な横浜Cが69分に駒井→室井、村田→山根、ルキアン→櫻川の3枚替えを敢行した同じタイミングで、浦和は松尾→長倉、金子→関根と交代。さらに足を攣ったサヴィオに代えて76分にサンタナを投入して2トップ気味にシフト。

 横浜Cの交代は何の効果もなかった、いやなんだかんだと一発があるルキアンを下げてむしろ悪手とすら思えたのに対し、浦和の選手交代は珍しく奏功。一般論としては「とにかく収まらない」サンタナを入れるとビルドアップ出来ない懸念が拭えませんが、この試合の横浜Cはサクサク自陣へ引いて守る系だったので浦和のビルドアップは何の支障もなく、問題はただただフィニッシャーだけがいないだけ。そこにサンタナで高さを加えるこの交代は結構効きました。

 しかも現金というかなんというか、サンタナのコンディションは前節C大阪戦より格段に上がっていて、79分にはアーク付近から放ったシュートはディフレクトしてわずかに枠の外。そして83分渡邊CKからの流れでサンタナのシュートはポストを直撃したものの、その跳ね返りをグスタフソンが蹴り込んで浦和が逆転に成功。

 逆転したところでスコルジャはすかさず渡邊→大久保、荻原→原口と交代。前者の交代はともかく、後者の交代で関根を左SBに下げましたが、当然ながらこれでは守備固めには言い難く、その意図は謎でした。

 一方横浜Cは最後に超高性能プレースキッカー福森を投入。ヘロヘロの浦和は何度もCKを与えてしまって気持ちは悪かったものの、さしたる決定機は与えずにそのまま逃げ切り成功。

Yokohama2506002

《総評》

 DAZNのスタッツだとシュート数14対9(但し浦和はブロックされたシュートが多かったせいか、公式記録では9対8)、うち枠内9対5、ゴール期待値1.71対0.66という値通りに浦和が終始優勢な試合。ただ浦和の疲労の色が濃くなる立ち上がりの30分までに先制できなかったのが響き、あまつさえ先制点さえ取られてしまったので無駄に試合がややこしくなった感がありましたが、結果は試合内容通りに落ち着きました。

 遮二無二前からプレスをかけてくる相手には結構強い一方、引いて守る相手には苦戦しがちなのが今の浦和。松尾CFはスペースがないとサイドに流れてボールを引き出す役くらいしか出来ず、しかもサイドに攻撃の基点を作ったところでクロスのターゲットがいないので攻撃は地上戦頼みに。しかも相手守備ブロックの回りで同じテンポでボールを回すだけ。

 スコルジャは試合後「ファイナルサードでもう少しスピードアップすれば、得点は時間の問題だと思えるような展開でした。」と語っていましたが、そのスピードアップがなかなか出来ないのが今の浦和。前半30分まで一方的な試合展開になりながらも得点には至りませんでした。

 ずっと優勢だったのに点が取れず。あまつさえ先制されてしまい、しかも時間の経過と共に疲労の色が滲み出てくるって完全に負けパターン。

 ただ後半なぜか横浜Cが中途半端に前に出たのが謎。先制後はずっとボールを浦和に押し付けたまま時間の経過を待つとばかり思っていたのですが、この横浜Cの出方は非常に謎で、53分浦和得意のロングカウンターが炸裂して同点に追いつけたのはGK市川の対応も含めて浦和に幸いしました。

 その後はスコルジャには珍しく選手交代がハマり、しかも前節C大阪戦で醜態を晒したサンタナのコンディションが目に見えて良くなっているというポジティブサプライズもあり、スコルジャが「前迫コーチのハードワークが実りました」と絶賛する浦和得意のセットプレーで一気に逆転。

 途中いろいろあって必ずしもいい試合とは言えませんでしたが、それでもこれといった攻め手がない相手に対して結果は落ち着くべきところへ落ち着きました。

 CWC前の最後の試合。試合後には壮行会的なセレモニーが催されるのが判っていただけに、内容はどうであれ勝って送り出せて本当に良かった。残留争いしているチーム相手にホームで負けてしまったら、壮行会どころじゃなくなってたでしょうし。

 そして超過密日程、怒涛の5連戦は結局2勝2分1敗といかにもACL圏には遠いトップハーフで終わりそうな感じで終了。ただ降格圏2チームにはちゃんと勝っており、5連勝の頃の勢いはなくなったものの「思ったほど酷くははなかった。今の浦和の実力相応だった」というのが個人的な感想です。他チームより2~3試合消化が多い段階で暫定3位なので、CWC明けでも辛うじてトップハーフにいるでしょし。

Yokohama2506005

《選手評等》

・グスタフソンの埼スタでのゴールは初めてだったのか!!しかもいきなりドッペルパック。この試合では基本ドン引き相手だったのでグスタフソンが前に出て、安居が後ろに控える格好になっていましたが、グスタフソンが敵陣近くで決定的なパスを出す仕事をするだけでなく、点まで取るとは!!

・グスタフソンの1点目をアシストした石原。69分には敵陣深い位置で村田と派手なバトルを演じていましたが、一対一で勝った後に、何か知らんけど毎度毎度わざわざ相手を威嚇する石原って動物的な本能で闘う漢と思いました。同じファイターでも那須とはかなり違う気がします。那須は試合後どころか引退しても脳筋のままですが、石原は試合が終わるとすぐに子煩悩なパパみたいな感じになるのでそのギャップが凄い!!

・大久保のおかげで上手く出場時間を調整できているせいか、レギュラー組ではダントツに切れ味を保っている金子を真っ先に代えて、前半30分くらいからお疲れ臭漂いまくりの渡邊をなかなか代えないのがスコルジャの謎。松本の信頼度がガタ落ちなのかなぁ???

・後半同じような展開でちゃんとアシストがついた石原と、良いタイミングで抜け出しながらも肝心なところで軸足が滑ってワロスになってしまった荻原との残酷なまでの差・・・

・最後に守備固めで色々と残念な荻原に代えて長沼ではなく原口を入れ、関根を左SBに下げたのは謎過ぎました。長沼はG大阪戦や名古屋戦での失態で評価を下げたのかなぁ??? 原口投入はセットプレーの守備で高さを加える意図のように見えましたが。

・仙頭の岩波の頭へのライダーキックをイエロー止まりにした件に象徴されるように、とにかく評価基準が滅茶苦茶な笠原主審。でもこの試合のお裁きは何の問題もなく、「いいだのいいふえ」に匹敵するレベルだったと思いました。良かった時はちゃんと評価しないと審判団も気の毒。

・キャプテン関根の挨拶がめっちゃしっかりしていてびっくり!!「地位が人を作る」典型例みたいな。そして今やどんな戦況でも最も安心して途中投入できる選手としてスコルジャに重宝されることに。

・この試合はご家族揃ってご観戦の遠藤優選手。SNSでせっせとその模様を公開していましたが、アスリートな上にガチすぎる赤者なので、しょーもないタレントよりも埼スタの魅力を伝えるのに適任すぎて頭が下がります、来季も頼むで、ホンマ。

Yokohama2506003

-----松尾-----
渡邊---サヴィオ---金子
---グスタフ--安居---
荻原-マリウス--ボザ-石原
-----西川-----

(得点)
53分 グスタフソン
83分 グスタフソン

(交代)
69分 金子→関根(関根左SH、渡邊トップ下、サヴィオ右SHへ)
69分 松尾→長倉
76分 サヴィオ→サンタナ(サンタナ&長倉の2トップ、渡邊右SHへ)
84分 渡邊→大久保
84分 荻原→原口(原口左SH、関根左SBへ)

Yokohama2506004

-----ルキアン-----
--駒井----武蔵--
新保-山田-ユーリララ--村田
-山﨑--ンドカ--伊藤-
-----市川-----

(得点)
43分 ルキアン

(交代)
69分 駒井→室井
69分 村田→山根
69分 ルキアン→櫻川
84分 武蔵→小川
86分 山﨑→福森

|

2025.05.29

【観戦記】25年第22節:浦和 0-0 C大阪 ~ ナンボ何でもあの交代はないわ

 超過密日程にも関わらず「ベストメンバー」でこの試合に臨んだ時点で、「ベストメンバー」に電池切れが起こる前に先制できないと苦戦は免れないことは容易に予想できました。ただその苦戦を自らの大失着でさらに酷いものにしてしまったことにはさすがに開いた口が塞がりませんでした。

《スタメン》

 浦和のCWC参戦に伴って前倒しで開催された第22節。共に前節から中3日。

 浦和は前節から原口→渡邊、大久保→金子、松本→安居、荻原→石原、井上→ボザとスタメン5名入れ替え。5連勝した「ベストメンバー」に戻した格好。

 ベンチにサンタナが復帰したのが目を惹きましたが、その代わりに髙橋と中島がベンチ外に。

 C大阪は前節から高橋→登里、北野→アンドラーデ、進藤→柴山とスタメン3名入れ替え。

Cosaka2505002

《試合展開》

 前回C大阪と対戦した時のフォーメーションは4-1-2-3でしたが勝ち点が伸びず、3-4-2-1に転換してからなぜか急に勝ち始めて目下4勝1敗。「勝っているチームは弄らない」のがフツーなのに、この試合はCB進藤をベンチスタートして4-2-3-1にしたのが不思議でした。でも試合後誰もこの件に突っ込んでくれないので真相不明。

 ただこの相手の出方は完全に予想外だったのか、立ち上がりは完全にC大阪ペース。C大阪は浦和左サイドを狙い撃ちし、フェルナンデスの鋭いクロス攻撃に再三悩まされるハメに。12分にはフェルナンデスのクロス→ハットンのヘッドという決定機を作られてしまいましたが、シュートは幸いにも枠の外。

 あんまりなやられっぷりを見て、スコルジャは20分過ぎくらいからサヴィオと渡邊の位置を入れ替えて応急措置。これは結構効果があって左サイドの鎮火に成功しただけでなく、サヴィオが気ままに動き回るエリアが狭くなったのが攻撃面でもプラス寄与したようにも伺え、ようやく浦和が反撃に。

 とはいえ、自陣でドン引きで守る相手を崩せる気配もなく時間が徒過したのが実情でしたが、43分得意のカウンターでグスタフソンのスルーパス→松尾シュートの良い形を作りましたが、ここはシュートコースが制限されていてGK正面。続く45分には押し込んだ状態からグスタフソンが浮き球縦パス→サヴィオがダイレクトボレーという出す方も撃つ方も難しそうな決定機を作りましたが、サヴィオの強烈はシュートは無情にもGK正面。

 後半に入ってもなおも浦和が優勢。52分サヴィオが右サイドからクロス→いつの間にかボックス内に侵入していた石原がどフリーでヘッド!!これが決まったと思いきや、GK福井がかろうじてセーブ。

 劣勢のC大阪は58分柴山→北野、アンドラーデ→阪田と2枚替え。一方浦和は67分サヴィオに代えてなんとサンタナを投入。以前スコルジャは「CWCの前にどこかでサンタナをテストしたい」と語っていたので、ようやくベンチ入りしたサンタナを終盤投入する可能性が大きいとは思っていましたが、こんなに早い時間帯にサンタナを投入するとは完全に予想外でした。そしてこのサンタナ投入の判断はどこからどう見ても大凶でした。

 サンタナはいかにも身体が重そうで攻守とも何の役にも立たず。特に守備への寄与が皆無に等しいのが致命的。浦和は一人少ないも同然なためサンタナ投入後の試合は一方的なC大阪ペースに。スコルジャは75分グスタフソン→松本、金子→大久保と代えて立て直しを図ろうとするも、事実上一人少ない上に連戦また連戦で「ベストメンバー」の電池切れも顕著でもはやどうにもならず。

 76分には喜田のシュートを西川が弾いたところをハットンに詰められる大ピンチがありましたが、ハットンのシュートはポストを直撃!!78分には登里のミドルシュートがまたしてもポストを直撃。

 スコルジャは79分松尾→関根、長沼→荻原と交代し、82分カウンターから左サイドを激走する関根のクロスに大久保がニアに飛び込む決定機を作りましたが、大久保のシュートはクロスバーを直撃。そしてサンタナ投入後の浦和のチャンスらしいチャンスはこれが最初で最後。

 その後の浦和は自陣に押し込まれ続けて守備陣のシュートブロックなり、西川の奮戦なりでなんとか失点を免れるだけで精一杯。ATにも自陣深い位置でのボールロストからハットンに決定機を与えてしまう失態がありましたが、ここも西川がなんとか防いで試合終了。

Cosaka2505004

《総評》

 超過密日程にも関わらず「ベストメンバー」でこの試合に臨んだ時点で、「ベストメンバー」に電池切れが起こる前に先制できないと苦戦は免れないことは容易に予想できました。ただその苦戦を自らの大失着でさらに酷いものにしてしまったことにはさすがに開いた口が塞がりませんでした。

 67分サンタナ投入。何だったんだろうなぁ、これ?? 結果論になりますが、お疲れのサヴィオに代えるなら長倉投入のほうが数百倍マシだったような気がしてなりません。

 前述のようにスコルジャはCWCの前にどこかでサンタナをテストしたいと語っていましたが、久しぶりに姿を現したサンタナはどう見ても太目残り。しかもその姿から予想されたように全く動けず。連戦でヘロヘロの渡邊が全く動けないサンタナに代わって全力でプレスバックしているという地獄のような光景には涙を禁じえませんでした。

 スコルジャは試合後「本日ポジティブだったことは、長期離脱をしていたチアゴが戻ってきたことです。もちろん彼も本来のコンディションを取り戻すには、まだ少し時間が必要だと思います。クラブワールドカップに向けても、彼の出場時間をさらに伸ばすことができればと思います」「チームに貢献してくれる選手だと思っていますし、彼のコンディションをできるだけ上げたいと思っています。ただ、そのコンディションを取り戻すのに時間が必要なことは、本日の試合でもはっきりしたと思います」と続く横浜C戦でもサンタナを起用することを示唆していますが、まだまだ試合で使えるコンディションではないんじゃないかと・・・ これではベンチ外になった髙橋が浮かばれません。

 またスコルジャは「今シーズンの前半戦での、チアゴのパフォーマンスはかなり良かったと思います」と語っていますが、これはたぶん大嘘。「とにかく収まらないサンタナ」に頭を抱える試合だらけだったような・・・昨年のCF起用法を見ても、点はそこそこ取るけれども守備をあんまりしないサンタナへのスコルジャの評価は点が取れないリンセンより低く、ボールの収めどころとしては引退が決まっている興梠のほうが遥かにマシと思われていたかと。

 興梠は引退し、リンセンの退団も決まっているので、浦和強化部は今春トルコ代表FWジェンク・トスンの獲得に動きましたが、最後の最後で破談。スコルジャは仕方なく今季サンタナを使っているのが実情だと思います。

 そしてスコルジャはリーグ戦をCWCのためのテストの場と割り切ってしまったのでしょう。2023年ACL決勝へ向けてリンセンやモーベルグをテストしまくったように(だが結果的に両選手とも失格)。CWCで一つ勝ったらJ1優勝なんてどうでも良くなるレベルの賞金が転がり込むんだから、今はとにかくCWCに向けて準備を整える期間と位置づけるのも間違ってはいません。

 ただ開幕時にはCWCにはそんなに重きを置いていなかったんじゃないかと・・・実際バランスが非常に悪い今春の選手補強を見ても浦和強化部がCWCへ向けた意気込みなんてまるで感じられず、CWC直前に特別に設けられた移籍期間でも強化部が動く気配なし。

 なんか今の浦和は大本営と現地軍の考えに相当乖離がある状態で闘っているような気がしてなりません。

Cosaka2505007

《選手評等》

・各紙報道によれば、サンタナが約7週間ピッチから離れていた理由は「グロインペイン(太ももの付け根やそけい部に痛みが出るスポーツ疾患)」だったとのこと。デンもユンカーも苦しんだ完治が難しいグロインペイン。うーーーーん、これは非常に気の毒ですが、浦和はもう新外国人CFを獲得する他ないんじゃなかろうかと。

・川俣主審をつい「ブリーフ野郎!!」と呼んでしまう昭和脳。見事なまでに笛の基準がバラバラで全く予測不可能。ただゴールに直結するような重大な局面での「謎笛」がなかったのは幸いでした。

Cosaka2505015


-----松尾-----
サヴィオ---渡邊---金子
---グスタフ--安居---
長沼-マリウス--ボザ-石原
-----西川-----

(交代)
67分 サヴィオ→サンタナ(サンタナCF、渡邊トップ下、松尾左SHへ)
75分 グスタフソン→松本
75分 金子→大久保
79分 松尾→関根
79分 長沼→荻原

 

Cosaka2505014


-----ハットン-----
アンドラ---柴山--フェルナンデ
---香川--喜田---
登里-畠中--西尾-奥田
-----福井-----

(交代)
58分 柴山→北野
58分 アンドラーデ→阪田

|

2025.05.25

【DAZN観戦記】25年第18節:名古屋 2-1 浦和 ~ ターンオーバーは実らず

 浦和が大量失点で負けていても何の不思議もない試合内容だったので結果は妥当。浦和の選手層の薄さ、特に最終ラインは全く代えが効かないことが明るみになった試合でした。

《スタメン》

 浦和は前節から中2日なのに対し、名古屋は幸か不幸かルヴァン杯を早々と敗退していたので週央に試合がなく、日程面では名古屋がかなり有利な一戦。

 浦和は過密日程を勘案して、前節から髙橋→松尾、関根→原口、中島→サヴィオ、金子→大久保、安居→グスタフソン、ボザ→井上、石原→荻原と大胆にもスタメン7名を入れ替え。

 松尾、サヴィオ、大久保、荻原は前節川崎戦ではベンチスタート、グスタフソンに至っては完全休養だったのでここでのスタメン起用は想定内でした。

 しかし、全く代えが効かないと思われた安居と石原をついにスタメンから外しただけでなく、前節終了間際に頭を蹴られた石原は完全休養にした上に、ボザまでベンチスタートにして井上をスタメン起用したのには心底驚きました。

 試合後のスコルジャの弁によると超過密日程を受けて「フィジカル的なところを考えますと、この時期はどうしても怪我を避けなければいけない状況」なので、こんな大胆なターンオーバーを敢行せざるを得なかったようです。

 名古屋は山岸→ユンカーの入れ替えのみ。ユンカーは故障&コンディション不良が祟って今季ほとんど試合に出ていなかったので、ここでのスタメン起用はサプライズでした。

Nagoya2025001

《試合展開》

 3分左サイドからサヴィオFKが直接決まったかと思われましたが、FKに反応した井上がオフサイドでゴールならず。

 その後は一方的な名古屋ペース。名古屋はいつも通り前からマンツーマン気味にハメに来ましたが、浦和はビルドアップしようにも受け手が常に掴まっている状態なのでロクにビルドアップできず。グスタフソンがいるので地上戦でのビルドアップには問題ないだろうと戦前予想したのですが、ずっと相手に絡まれているグスタフソンのプレーに冴えは感じられず、個人技で相手を剥がすような場面はあまり見受けられませんでした。

 やむなくロングボールで前ハメを回避しようにもはっきりとしたターゲットがいないので全くボールは前に進まず。正確には原口をターゲットにしようとしているようでしたが、この日の西川のキック精度はなぜか劣悪であさっての方向へボールが飛んでしまいがちで、やっと原口のほうへ飛んだかと思えば原口は簡単に競り負けるという塩梅でした。

 名古屋もビルドアップにみるべきものはないので、浦和は前からハメにいった様子でしたが、相当お疲れなのかプレス強度が全然なくて中途半端に前に出て自分の体力を削ってしまうだけに。それでも名古屋はボールを奪ったら早めに前線へ蹴るだけという単純極まりない攻撃を続けていましたが(ボザ不在が祟って浦和両CBにスピードがないのでそこを狙われたか?)、ここでコンディションの差が出てしまってセカンドボールを悉く名古屋が回収し、浦和を自陣に押し込む展開に。

 試合は一方的な名古屋ペースとはいえ、名古屋はシュート数こそ多いものの浦和守備陣はそのほとんどをブロックしていたので、危なかったのは35分井上のビルドアップのミスからカウンターを食らい、最後はユンカーにシュートを撃たれた場面くらい。前半終了間際にはユンカースルーパス→和泉のゴールが決まったかと思いきや、ここは和泉がオフサイド。

 やられそうでやられない浦和っぽい試合という言い方も出来ましょうが、前半の浦和のチャンスらしいチャンスは28分松尾が右サイドからカットインして放ったシュートだけ。そして前半の浦和のシュートはそれ1本っきり。

 あんまりな前半の惨状を見て、スコルジャは大久保→金子、原口→渡邊、松本→安居と3枚替え。金子はともかく、安居と渡邊の投入について試合後スコルジャは「本来であれば2人ともさいたまに残して休ませてあげたかったのですが、それもできませんでした。出場するにしても、より短い時間を想定していたのですが、本日はハーフタイムで少しリスクを冒す判断を私が下しました。」と苦渋に満ちた決断だったことを明かしていました。

 48分左WB徳元→ファーで和泉の超決定機を許してしまいましたが、幸いにもシュートは枠外。

 その大ピンチを運良く凌いだ浦和は3枚替えの甲斐あってビルドアップがスムーズになり、名古屋を自陣に押し込んだところで51分金子クロスに渡邊ヘッドという、この試合初めての決定機をいきなり決めて劣勢の浦和が先制!!!

 ターゲットになりうる金子を入れてロングボール攻撃を織り交ぜられるようになったせいか、前半よりは浦和はボールを前に進められるようになりましたが、それでもやはり劣勢は免れず、62分には徳元クロス→ファーで中山シュートと48分の大ピンチと同じような形で決定機を作られてしまいました。

 スコルジャが67分サヴィオに代えて関根を投入。これについてスコルジャは試合後「関根の場合は、フレッシュな状態のウイングを入れることによって、ハイプレスをかけ続けることが狙いでした。」と語っていましたが、要するに再三やられている左サイドの守備の手当てが主眼だったかと。

 しかし同じタイミングで名古屋は和泉→永井、ユンカー→山岸と代えて2トップへ変更。これが効いて80分にはマリウスのバックパスを永井に奪われる大失態。この大ピンチは中山のシュートが大きく枠を逸れて事なきを得ましたが、これが契機になって浦和守備陣は混乱に陥り(永井に対してうっかりスライディングで飛び込んでしまったグスタフソンがこけながら足をバタバタさせているのがその象徴・・・)、81分渡邊がボックス内で原の足を踏んだファウルを取られてPK。83分稲垣がPKをゴールど真ん中に決めて同点。

 85分には縦パス一本で鈍足の井上の裏を永井に突かれてGKと一対一の大ピンチを迎えましたが、ここは西川がどっしりと構えて、とにかくシュートが下手な永井が撃つタイミングを失わせてなんとかセーブ。

 スコルジャは88分松尾に代えて長倉を入れて勝ち点3を狙いに行きましたが名古屋の攻勢は止まらず、90+3分長沼のヘディングクリアが直接永井に渡ってしまったのを契機に永井に逆転ゴールを決められて試合終了。

 長沼が無理にクリアせずにそのまま見送るなり、ヘッドで西川へ戻すなりしていれば何の問題もなかったはずですが、長沼は頭が疲れていたのでしょう。またボールを拾った永井にいきなり撃たれた訳ではなく、永井→山岸→永井と崩してからのシュートでしたが、頭数では優位だった浦和守備陣の対応も疑問符付きまくりでした。特に井上。

 最後の長倉投入については「幹樹を入れたときも、DFを1枚増やすかFWを代えるかというところでストライカーを選びました。」とスコルジャも迷ったようですが、残念ながらその判断は凶でした。

 それにしても永井にやられるとクソむかつくなぁ、なんでか知らんけど・・・

Nagoya2025003

《総評》

 公式記録ではシュート数24対3。DAZNのスタッツだとシュート数30対4、うち枠内15対2。ゴール期待値4.02対0.22と笑えるくらい大差がつきましたから、逆転負けという悔しい形にはなりましたが、結果は順当でしょう。

 むしろこれだけスタッツに大差がついているにも関わらず最終スコアが2-1でしかない辺りがアホほどあった決定機を決められない名古屋の弱さの表れなのかもしれませんし、なんだかんだと粘り強い浦和の強さなのかもしれません。

 最終スコアはともかく、内容的にここまでボコボコにされてしまった以上、7人もの大胆なターンオーバーは大失敗だったと言わざるを得ません。川崎戦では前目を中心に6人も入れ替えて、それ自体は一定の成果を収めましたが、この試合では最終ラインにまで手をつけたのが完全に仇になってしまいました。ボザをベンチスタートにし、石原を休ませて長沼を右SBに回し、空いた左SBに荻原を起用。ここまで弄るのはさすがに無理があったようです。

 また安居をついにベンチスタートにして松本を起用しましたが、松本とグスタフソンの組み合わせは練習でほとんどやっていないのか、お世辞にも機能したとは言い難い惨状でした。

 とはいえ、ターンオーバーせずに選手を無理使いして、スコルジャが危惧するような怪我人を出してしまったら元も子もありません。本来であれば大胆にターンオーバーなんてやらずに、日頃からちびちび選手を入れ替えて選手の出場時間をコントロールしながら長いシーズンを過ごすのが最善でしょう。

 ただ両SBやCHは如何せん層が薄くて「ちびちび入れ替え」なんてやりたくても出来ず、そもそも選手を入れ替えてもそれなりに機能するほど成熟したチームでもなかったので、今季のスコルジャはある程度スタメン固定で闘わざるを得ませんでした。

 選手層の薄さ=兵站の弱さは指揮官や兵士の奮闘ではカバーできない。長いシーズンを闘うには兵站が弱いとどうにもならない。それを痛感せざるを得ない惨敗でした。まもなくCWC向けに特別に設けられた移籍期間が開きますが、堀之内SDはどうするのかなぁ??

Nagoya2025002


《選手評等》

・ACLE組やCWCに参戦する浦和は超過密日程を強いられているのですが、それはそもそもJ1を20チームにも増やしたがため。前節長谷部監督が超過密日程について会見であからさまに不満を漏らしていましたが、スコルジャがそれをいうと罰金なり出場停止処分を受けかねないので表向きは黙っているのかなぁ・・・

・超久しぶりに出場機会を得たにもかかわらず全く良い所がなく、チームの足を引っ張り続けた井上。CBの控えが弱いのも顕著でしたが、JリーグでもトップクラスのCBマリウスとボザが揃っているところにそんなに優秀なCBなんて来ないでしょうなぁ・・・ショルツとマリウスがいたところに来たのが井上なので・・・

・そしてこれまた久しぶりのスタメンでの出場機会を得た原口も良いところなし。これでは柴戸やサンタナが戻ってきたらベンチ入りすら難しくなるかと。

・Jリーグでもトップクラスにヤバいと思しき池内主審ですが、事前の期待値が著しく低いせいか、この試合のお裁きは意外にも悪くありませんでした。原へのファウル=PKを取るなら、その前の松尾へのファウル=PKも取るべきだろう!!という不満があるくらいで、Jリーグの主審にありがちな珍妙なファウル見逃しはなかったかと。

Nagoya2025004


-----松尾-----
原口---サヴィオ--大久保
---グスタフ--松本---
荻原-マリウス--井上-長沼
-----西川-----

(得点)
51分 渡邊

(交代)
HT 松本→安居
HT 原口→渡邊
HT 大久保→金子
67分 サヴィオ→関根
88分 松尾→長倉


-----山岸-----
--マテウス----和泉--
徳元-椎橋--稲垣-中山
-佐藤--三國--原--
-----ピサノ----

(得点)
83分 稲垣(PK)
90+3分 永井

(交代)
67分 ユンカー→山岸
67分 和泉→永井
78分 佐藤→河面
78分 椎橋→森島
90+5分 マテウス→菊地


※写真は試合とは全く関係ありません。

|

2025.05.22

【DAZN観戦記】25年第13節:川崎 2-2 浦和 ~ 浦和もついに総力戦へ突入

浦和は負け試合だったところから勝ち点1を拾えたので万々歳と言っていいでしょう。また大胆なターンオーバーを試みながらも強敵川崎相手にアウェーで勝ち点1をもぎ取ったという点でも収穫大と言っていいでしょう。

《スタメン》

 川崎がACLEに出場していた関係で先送りされていた第13節。

 前節から中3日の浦和は松尾→髙橋、渡邊→中島、サヴィオ→関根、大久保→金子、グスタフソン→松本、荻原→長沼と一気に6名もスタメン入れ替え。前目を総とっかえした格好で、しかも髙橋と中島のスタメン起用は今季初。

 グスタフソンはベンチ外でしたが、故障明け&そもそも無理が効かないタイプっぽいのでここは自重したのかも。浦和はこの試合の後に日程面でかなり不利なアウェー名古屋戦が控えているので、グスタフソン共々主力は名古屋戦へ向けてプレータイムを抑えて、過密日程同士の川崎相手でターンオーバーを試みたのでしょう。

 だが安居と石原だけは代えがいない模様・・・

 前節から中2日の川崎は山田→エリソン、家長→伊藤、山本→橘田とスタメン3名入れ替え。こちらは想定の範囲内。

Kawasakidaishi001_20250522093501

《試合展開》

 浦和はグスタフソン不在で終始ビルドアップに苦しんだ新潟戦を反省材料としたのか、立ち上がりから最終ラインでボールを回しながら機を見て金子や髙橋目掛けてやたらロングボールを多用するという、まるでボールを捨てるかのような手を打ちました。これならスタメンを長倉ではなく髙橋にしたのも納得。

 そして15分くらいからロングボールのこぼれ玉を拾って前進する手(ボール回収能力は安居>>松本なので、基本安居が前、松本が後ろだったのも妙手)がハマりだして、ようやく敵陣でボールを握り始めて左右からクロス攻撃を仕掛けだしました。しかし残念ながらクロスは誰にも合わずに川崎守備陣に弾き返されるばかり。

 この時間帯について試合後スコルジャは「もっと相手のスペースを使うことをしなければいけなかったと思います。川崎のディフェンスラインの背後が空いていて、利樹がそこに対して動き出していたのですが、そこを十分うまく活用できていなかったのかなと思います。」とボヤいていましたが、まぁ確かにそんな気もします。20分には丸山への緩いバックパスを高橋が掻っ攫って丸山の裏に抜け出しそうになる見せ場も。丸山は髙橋を後方から引っかけてイエロー。

 25分金子CKでエリソンがファンウェルメスケルケンと交錯して負傷し、一度はピッチに戻ったもののやはりダメで、32分に山田と交代を余儀なくされるアクシデントも。

 この試合を通じて浦和のハイプレスは有効とは言い難く、結局のところローブロック守備への移行を余儀なくされる場面が目立ちましたが、35分にはその移行過程の中途半端なところを突かれて河原のバスを受けた脇坂に前を向かれ、山田に決定機を許してしまいましたが、幸いにもシュートは西川の正面。

 試合がやや川崎ペースになりかかってところで、42分左サイド奥深くで安居がボールを戻し、中島が金子目掛けてクロス。ところがクロスは金子に合わずにそのままゴール!! 再三のクロス攻撃が妙な恰好ながらもようやく結実しました。

 しかし川崎もすかさず反撃。45+1分浦和を自陣深くに押し込んだ状態で橘田がアーク付近からシュート。ここは西川がなんとかCKに逃れましたが、続く45+2分脇坂CKを西川が被ってしまったのが祟って、こぼれ玉を拾ったマルシーニョが同点ゴール。ハイボールを競っている山田が長沼を手で押さえつけた上にハンド臭いのですが、飯田主審はVARと交信した上でゴール認定。

 川崎は後半頭から伊藤に代えて瀬川を投入。

 56分浦和は石原&金子のコンビで右サイドを綺麗に崩して金子クロス→関根の決定機を作りましたが、シュートはポストを叩いてゴールならず。ポストを叩いたボールはその後GKの尻や足にも当たっており、運が良ければそれがそのままゴールマウスに吸い込まれたのでしょうが・・・

 スコルジャは59分髙橋→松尾、中島→サヴィオ、64分金子→大久保、関根→渡邊と早めに主力を投入。この交代についてスコルジャは試合後「後半の早いタイミングで交代を行いましたが、それは利樹や翔哉が本日悪かったからではなく、クラブワールドカップの前にチェックしたいセットがあったからです。」とやや謎めいたコメントを発しています。

 しかし残念ながらスコルジャが「リズムをつかむことはできませんでした。本日の後半の4人は、前節ほどいい連係を見せることができませんでした。」と認めざるを得ないようにこの選手交代は完全に不発に終わりました。金子も髙橋も下げてしまったのでロングボール攻撃は使いづらく、そうなるとグスタフソン不在が祟ってボールを前進させられず、前4人を代えたところであまり意味がないように見受けられましたが・・・

 逆に70分マルシーニョ→家長、河原→山本と代えたのが効いて試合は完全に川崎のペースに。浦和はローブロックで川崎の攻勢を凌ぐのが精一杯に。

 スコルジャは81分安居→長倉と最後の勝負手を放ったものの、安居に代えて渡邊をCHに下げたのが大悪手に。

 川崎は85分橘田→大関と交代。その交代直後の86分自陣深い位置でボザの縦パスを受けようとした渡邊が山本に絡まれてボールロスト。その後もボール奪回も空振りに終わって、左サイドから大関クロス→ファーでファンウェルメスケルケンがワンタッチで折り返し、瀬川がこれまたダイレクトに蹴り込んで逆転ゴール。浦和がやりたかったような見事なサイドからの崩しでした。

 浦和は56分の関根の決定機を最後に全く良いところがなく、90分石原クロス→渡邊のシュートがGK正面を突いたところで万事休すと思われましたが、試合終了間際にサヴィオがクロス→ファーで長倉が頭で折り返したところにどフリーの大久保が突っ込み、シュートは当たり損ねっぽい形ながらも劇的な同点ゴールを決めてその直後に試合終了!!

Kawasakidaishi003_20250522093501

《総評》

 CWC参戦前の超過密日程を前にスコルジャはメンバーを入れ替えながら闘うことをかねてより示唆していましたが、前節FC東京戦でスタメン4名を入れ替えたのに続き、ついにこの試合ではスタメンを一挙に6名も入れ替え。しかもスタメン起用した選手の中に中島&髙橋と今季初スタメンの選手が含まれていたのにはとにかく驚きました。

 前述のようにスコルジャは前半の出来に満足はしていないようですが、それでも守備はさして破綻することなく、J1上位チームらしい息詰まる試合を繰り広げられたのは大収穫と言っていいでしょう。

 そして同点で60分を終えたところで主力を続々投入して勝ちに行く。ここまではスコルジャの算段通りだったと思います。

 ただ極めて残念なことにこの「主力」が全く機能しませんでした。

 川崎はACLEを決勝まで勝ち進んだため浦和より先に超過密日程モードに突入し、ACLE決勝トーナメントを含めて選手のやり繰りに習熟しているせいか、川崎の選手交代は浦和より遥かに効果的で一気に試合は川崎ペースになってしまい、当然のように川崎が逆転。逆転された時点で浦和は完全に負け試合の様相を呈していました。

 ところがさすがの川崎も最後はヘロヘロ。足が止まってしまってまさかの同点弾を許す羽目に。浦和から見れば負け試合だったところから勝ち点1を拾えたので万々歳と言っていいでしょう。また大胆なターンオーバーを試みながらも強敵川崎相手にアウェーで勝ち点1をもぎ取ったという点でも収穫大と言っていいでしょう。そして最後の最後に後半投入の3選手が絡んで点が取れたのも収穫でしょう。

 またスコルジャはこの試合を含めて残るリーグ戦をCWCへの準備期間と位置づけているようですが、その観点からは収穫があったのかどうか。少なくともサンタナが間に合わない場合に備えて髙橋をテスト出来たのは慶事なのでしょうか。

 それにしても川崎は強かった。浦和がズタボロだった時に対戦した柏はともかく、浦和が立ち直った後に対戦した相手では川崎がダントツに強い印象を受けました。現時点で首位を走る鹿島より全然強かったかと。

 ACL決勝で負けるととにかく喪失感が凄まじいもの。浦和2019然り、昨年の横浜Mもそんな印象を受けましたが、驚いたことに今年の川崎にはそんな様子は微塵も感じられませんでした。

 そもそも今季のACLE決勝トーナメントがサウジ中立開催という東地区には無理ゲーで、その中で準々決勝でアル・サッドを、そして準決勝で地元サウジのアル・ナスルを破って決勝へコマを進められたのが大きな自信となり、その自信が喪失感を上回ったのかもしれません。

 そんな川崎と今年はリーグ戦最終節@埼スタで当たることになっていますが、その頃の両チームはどうなっているかなぁ・・・

Kawasakidaishi004_20250522093501

《選手評等》

・浦和の起死回生の同点ゴールは石原が瀬川に頭を蹴られたのにも関わらず、プレーを止めずにボックス内でボールを拾ってサヴィオに繋いだところから。試合終了後さすがに石原も痛みを堪えきれずにピッチに倒れこんでしまいました。石原は試合後インタビューに答えているので大事ではないのでしょうが・・・

・長倉がアウェー新潟戦に続いて最終兵器として機能。これがめっちゃ嬉しい。髙橋とは持ち味が全然違うFWなので、スコルジャは使い分けできるでしょうし。

・長沼と河原は鳥栖で一緒だったのは知っていますたが、髙橋と河原は熊本で3年も一緒だったとは!!そしてその活躍が認められて共にJ1へ個人昇格。なお長沼と河原は経営難の鳥栖が昨年夏に売らざるを得なくなった選手という点で同じ。

・2試合連続して渡邊をCHに下げた途端に失点。ヘロヘロの渡邊をCHで起用したがるスコルジャも大概ですが、柴戸が使える目途が立つまでCHの頭数が足りないのでスコルジャも手の打ちようがないのでしょう。総力戦になると資源が最も薄いところがボトルネックになってしまいます。これは選手や監督を責めても仕方なく、フロントの問題かと。

・長谷部監督は試合後「何があったのかは分かりませんが、大変なスケジュールを組んでいただいています。本当に選手が壊れてしまう、他のチームでもおそらく壊れていると思いますけれども、選手には頭が上がりません」とJリーグがACL組に強いている過密日程に文句つけまくり。浦和が言うと罰金取られるので、代わって川崎がリーグに文句たれまくって欲しいわ!!長谷部監督は如何せん超過密日程のやり過ごし方だけは過去経験してないでしょうから、言いたいことは山ほどあるでしょうが、そんな中でもよくやっていると思います。

・エリソンは味方との交錯という不運極まりない形で負傷交代を余儀なくされましたが、脳震盪の疑い等うかつに選手を動かせないような故障でもないのに、飯田主審がエリソンをピッチ外に出さなかったのは正直疑問。代わって投入する山田のアップの時間を稼ぐのを主審が後押ししているように見られても仕方ないかと。逆に石原が頭を蹴られたのにそのままプレーさせたのもどうかと思いましたが、それが結果的に浦和に幸い。

・この試合のDAZN解説松原氏は、もっともらしいタームをずらずら並べるだけで解説にも何にもなっていない、付加価値ゼロのあんまりな虚無解説ぶりで参りました。まぁそれでもネチネチと浦和の難点を論っては高笑いするあの方よりは個人的にはマシなんですが・・・

Kawasakidaishi002_20250522093501
-----髙橋-----
関根---中島---金子
---安居--松本---
長沼-マリウス--ボザ-石原
-----西川-----

(得点)
42分 中島
90+4分 大久保

(交代)
59分 中島→サヴィオ
59分 髙橋→松尾
66分 金子→大久保
66分 関根→渡邊(渡邊トップ下、サヴィオ左SHへ)
81分 安居→長倉(長倉CF、渡邊CH、松尾左SH、サヴィオトップ下へ)


-----エリソン-----
マルシ-ニョ--脇坂---伊藤
---河原--橘田---
佐々木-丸山-高井-ファンメ
-----山口-----

(得点)
45+2分 マルシーニョ
86分 瀬川

(交代)
32分 エリソン→山田(負傷による交代)
HT 伊藤→瀬川
70分 マルシーニョ→家長(家長右SH、瀬川左SHへ)
70分 河原→山本
85分 橘田→大関

※写真は試合とは全く関係ありません。

|

2025.05.18

【観戦記】25年第17節:浦和 3-2 F東京 ~ スコルジャ、超久しぶりの逆転勝ち!!

 試合内容通りの結果が得られたこともさることながら、「超過密日程を睨んでのスタメン入れ替えに部分的ながら目途が立ったこと」、さらに「途中投入の選手が活躍しだしたこと」の2点がこの試合の大きな収穫だと思いました。

《スタメン》

 浦和はこの試合から中3日でアウェー川崎戦、中2日でアウェー名古屋戦、中3日でホームC大阪戦、中3日でホーム横浜C戦と、ちょっと蒸し暑くなってきた環境下でCWC参戦に向けて超過密日程の5連戦が始まります。

 前節アウェー新潟戦でさすがに鉄板スタメン組も疲労の色が濃くて苦戦を余儀なくされたことをスコルジャも認めざるを得なかったのか、浦和は牲川→西川、長沼→大久保、松本→グスタフソン、金子→大久保と前節からスタメンを一気に4枚入れ替え。

 戦前グスタフソンや西川が練習に復帰していると報じられていたのでグスタフソンのスタメン復帰は十分予想できましたが、西川がこんなに早くスタメンに戻ってきたのはポジティブサプライズでした。

 大久保や荻原のスタメン入りは試合前にスコルジャが「今まであまり出場機会がなかった選手たちにそのチャンスを与えたいと思っています。特に来週は川崎戦、名古屋戦と中2日で続きますので、そこで同じメンバーで行くことは難しいと思いますので、必ずローテーションが必要になってくると思います。」と話した通りでしょう。

 グスタフソンと西川が復帰した関係で吉田と髙橋がベンチ外に。長倉と髙橋のベンチ入り競争は実に激烈です。

 一方F東京は前節から小泉→高の入れ替えのみ。

Ftokyo2505003

《試合展開》

 浦和の試合の入りは非常に積極的でした。F東京のビルドアップに難があるのを見越してか、浦和はいつになく高い位置からプレッシングをかけて何度も高い位置でボールを奪って相手ゴールに迫りましたが決定機を掴むには至らず。

 とはいえ、浦和の試合の入りは非常に良かったのですが、7分安居が実にあっさりをPKを献上。ボックス内に突入している遠藤を安居が後方から手で押しているのでPKを取られても仕方がなく、あまりにもPKすぎて主審に抗議する選手もほとんどいませんでした。

 ただJリーグの残念な審判団って概してこの程度のプッシングってファウルを取らない傾向が強く(リンセンや明本が何度泣かされてきたことやら!)、この場面だけきっちりPKを取られたのは正直もやります。9分ヒアンがPKを決めてここまで何もしていなかったはずのF東京が先制。

 昨年のホームF東京戦はCB井上のクリアミスによるオウンゴールで9分に先制を許して試合を難しくしてしまいました、今年もまたしても同じ試合展開に。こうなると試合は一転してカウンター得意のF東京のペースとなり、先制したF東京は高めの位置に5-2-3の守備ブロックを敷いて待ち構える格好に。そんな相手に浦和はボールを持たされ気味に。20分くらいからサヴィオがフリーダムに動き回っていましたがさしたる効果はなく、時折カウンターを食らいかかる場面も。

 28分には安居縦パスで大久保が右サイドで裏抜けに成功→松尾が白井を引き連れながらボックス内で潰れ、こぼれ玉がどフリーのサヴィオに繋がる決定機がありましたが、思った以上にシュートコースがなかったのかサヴィオのシュートはまさかの枠外。

 それでも浦和はF東京を自陣に押し込み続け、執拗に最終ライン裏を狙い続けた甲斐あって、32分には松尾クロス→大久保ヘッドがバーを直撃。その跳ね返りを拾った石原のミドルが決まって浦和同点!! 石原のシュートをF東京守備陣は全く予想していなかったのか、全員足が止まっているのには苦笑せざるを得ませんでした。

 45+1分には荻原がボックス内で佐藤に足を引っかけられた場面があったにも関わらずノーファウル。安居のPKをあっさり取るなら、これも取るだろう、どう考えても・・・さらにその直後に浦和の好機でアドバンテージを取らずに笛を吹いて試合を止める(しかもイエローを出す訳でもない)場面があり、山本主審の残念さが際立ったまま前半終了。

 F東京は48分に橋本に代えて小泉を投入。現地では全く判りませんでしたが、橋本の故障に伴うものでしょう。だからF東京は小泉のアップの時間を稼ぐべく、延々と円陣を組んで試合開始を遅らせていたのか・・・実にせこい、せこすぎる・・・

 49分西川が荻原へ付けようとしたパスを白井にカットされたことを契機にヒアンに決定機を与えてしまいましたが、ここは西川自ら火消し。

 55分石原クロス→ファーでサヴィオヘディングシュートの決定機を掴むもここはGK波多野が好セーブ。さらに続く56分左サイド角度のないところからサヴィオが放ったシュートが枠内を襲うもここもGKセーブ。

 62分には頼みのヒアンが故障して、松橋監督はやむなく安斎を投入。ここを勝負どころと見たのか、あるいは単に久々スタメン出場のグスタフソン&大久保に無理をさせたくなかったのか、67分グスタフソン&大久保と久々スタメン組を下げて金子&長倉を投入。

 ところがこの交代で既にヘロヘロの渡邊をCHに下げたのが仇となったのか、68分浦和右サイドを安斎に破られ、クロスを遠藤に押し込まれて再びリードを許してしまいました。しかも遠藤のシュートはボザに当たって、かつポストにも当たってゴールという半ば不運な形で。

 またしてもビハインドに陥った浦和は73分渡邊→松本、サヴィオ→関根と交代。さらに78分荻原→原口を代えて関根を左SBに下げる攻めダルマと化したスコルジャの強攻策が見事に的中。

 80分CKからの流れで右サイドから金子クロス→松本ゴールで浦和同点。現地では金子のゴールがそのまま入ったように見受けられましたが、結果的に松本が押し込んでいました。ただその後長々とVAR検証が・・・(これについては後述)。

 そのためATはなんと11分もありましたが、90+2分には原口が左サイドからカットイン&シュートという得意の形を見せて埼スタが沸き返り、続く90+3分またしてもCKからの流れで関根クロスをファーで胸で収めた松本が倒れ込みながらも逆転ゴール!!

 11分もあるATってどのくらいあるのか体感的に掴めないので実に気持ち悪かったものの、F東京にチャンスらしいチャンスは与えずにそのまま試合終了。

Ftokyo2505001

《総評》

 先制されるととにかく弱いスコルジャ浦和。試合後のやりとりによると2年前は5月に3試合逆転勝利していたそうで、それ以来の逆転勝ちとなるとそりゃ記憶にないはずですわ!!!

 結果的に接戦になってしまいましたが、それは安居のしょーもないPK与から始まったもの。2失点目はともかく試合トータルでは相手に何もさせてないような印象が強く、2失点目も半ば不運が伴ったもの。一方浦和は狙い通りに裏抜けを何度も敢行して決定機を作り、かつ今年に入って滅法強くなったセットプレーを活かして3点取りましたから、試合内容通りの結果に落ち着いたと言えましょう。

 試合内容通りの結果が得られたこともさることながら、「超過密日程を睨んでのスタメン入れ替えに部分的ながら目途が立ったこと」、さらに「途中投入の選手が活躍しだしたこと」の2点がこの試合の大きな収穫だと思いました。

 「超過密日程を睨んでのスタメン入れ替え」という点では特に右SHで大久保と金子の併用に目途が立ったのは大きいかと。同ポジションながら特徴が全く違う大久保と金子。大久保が90分出られるコンディションではないことを考えると当面60分大久保をスタメンで使って、金子が途中出場というパターンになろうかと思いますし、スピードがある金子が途中から出てくるほうが相手も嫌でしょうし。もっとも大久保はちょっと調子が良くなるとまた故障してしまう懸念が拭えませんが・・・

 「途中投入の選手が活躍しだした」点では今季のチームの顔である関根や原口がついに攻撃面で見せ場を作り始め、チームを勢いづけだした感がありました。前節起死回生の同点ゴールを決めた長倉もこの日はゴールこそありませんでしたが、最前線で身体を張りまくり、前から必死にボールを追って攻撃を活性化するのにひと役買っていました。そして2得点の松本はもう文句なし。正直ヘロヘロの渡邊との交代が遅いと思えたくらい。

 この試合の悪材料を挙げると「フリーダムすぎるサヴィオ問題」でしょうか。サヴィオがワンマンショーよろしく勝手に動き回っていて、あとでスコルジャにこってり絞られるものだと思いきや、試合後の会見によると「前半の数分が経ったところから(松尾)佑介がウイングに移る、というのは試合前からのプランでした。1トップとしての佑介が最近は分析されていて、あまり相手がスペースを与えてくれないという状況がありました。それが最も大きな理由です」とスコルジャが話していて、監督公認の徘徊だったとのこと。

 でもそれが効果的だったかどうか。浦和は前半グスタフソンが普段よりかなり前目にいたせいか、相手守備陣の急所にパスを出し、ポケットを取るといった良い形を作りましたが、結局のところそこからシュートに持ち込めなかったのはゼロトップ化しているか故なのかも。また単に松尾や渡邊、そしてサヴィオ自身もお疲れで、肝心なところであと一歩が出なかったからだったのかも。

 次節の川崎は長谷部監督得意の「あえて相手にボールを渡す」形に持ち込まれることが十分予想できるので、「フリーダムすぎるサヴィオ問題」をスコルジャがどう解消するのかが見ものです。

《選手評等》

・80分の松本ゴールを巡って長々と続いたVARの件。

(1)金子クロスをボザが触っていれば松本がオフサイド
(2)松本がハンドくさい

という二つの問題を一遍にVARで確認していれば、その結論はともかく試合進行上は何の問題もなかったのですが、この試合の審判団はあろうことか(1)だけ検討して「ボザは触ってないので松本のオフサイドはない」と判断していったんゴール認定。ところがF東京の抗議を受けて再度VARを見直して(2)を検討し、「松本のハンドもない」と確認して再度ゴールを認めた模様。もう抗議すればゴール認定が覆るってなんなん???山本主審もVARもJ1を担当する資格ないだろう、これでは・・・

・ボザは触っていないのにゴール後やたら喜んでいて、この所作が事態をややこしくする羽目に(苦笑)

・浦和の途中投入の選手たちが躍動したのに対して、同点に追いつかれたF東京が87分に投入したのは長友&森重の大ベテラン。「こいつら勝つ気あるんかよ!!」と思っていたら予想以上に案の定で大笑い・・・長友は最後にしょーもないイエローをもらう始末w そして長友にイエローが出た瞬間に「ブラボー!!!」って叫ぶセンスには脱帽

・またF東京は新潟を辛うじてJ1残留に導いたに過ぎない松橋監督を招聘したものの、新潟でやっていたようなポゼッションにはもはや全然拘らなくなっており、ビルドアップは相変わらず下手なままで、いったい何をしたいのかよくわからないチームのままでした。こんなチームにちゃんと勝てて良かったなぁ、ホンマ。

Ftokyo2505002
-----松尾-----
サヴィオ---渡邊--大久保
---グスタフ--安居---
荻原-マリウス--ボザ-石原
-----西川-----

(得点)
32分 石原
80分 松本
90+3分 松本

(交代)
67分 グスタフソン→長倉(松尾&長倉の2トップ気味に。渡邊CHへ)
67分 大久保→金子
73分 渡邊→松本
73分 サヴィオ→関根
78分 荻原→原口(原口左SH、関根左SBへ

Ftokyo2505004
-----ヒアン----
--俵積田---佐藤--
遠藤-高---橋本-白井
-トレビ--木村--土肥-
-----波多野----

(得点)
9分 ヒアン(PK)
68分 遠藤

(交代)
48分 橋本→小泉
62分 ヒアン→安斎(安斎左WB、遠藤シャドー、佐藤CFへ)
87分 佐藤→仲川
87分 トレヴィザン→森重
87分 遠藤→長友

|

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

ごらんアウェー ココログ被害者の会 サッカー一般 丼もの&ランチ等 我が街川口 旅行・地域 日本代表 浦和レッズ 浦和観戦記&プレビュー 浦和観戦記&展望2009 浦和観戦記&展望2010 浦和観戦記&展望2011 浦和観戦記&展望2012 浦和観戦記&展望2013 浦和観戦記&展望2014 浦和観戦記&展望2015 浦和観戦記&展望2016 浦和観戦記&展望2017 浦和観戦記&展望2018 浦和観戦記&展望2019 浦和観戦記&雑談2020 浦和観戦記&雑談2021 浦和観戦記&雑談2022 浦和観戦記&雑談2023 浦和観戦記&雑談2024 浦和観戦記&雑談2025 浦和雑談 浦女 温泉(北東北) 温泉(南東北) 温泉(埼玉・東京) 温泉(甲信越) 温泉(神奈川・伊豆) 温泉(群馬・栃木) 語るも相場 都内徘徊 駅弁 麺類万歳! 麺類万歳(さいたま市) 麺類万歳(その他埼玉県) 麺類万歳(その他東京都) 麺類万歳(中央区) 麺類万歳(北区) 麺類万歳(千代田区) 麺類万歳(台東区) 麺類万歳(川口・戸田・蕨) 麺類万歳(文京区) 麺類万歳(新宿区) 麺類万歳(板橋区) 麺類万歳(渋谷区) 麺類万歳(港区) 麺類万歳(草加・越谷) 麺類万歳(荒川区) 麺類万歳(豊島区) 麺類万歳(足立区)