2024.12.12

【短感】24-25年第5節:浦和L 2-1 C大阪L

 AWCL参戦の影響で後送りになっていた第5節C大阪戦。浦和はクラシエカップ準決勝を広島R相手に長崎で120分闘って負け、それから遠距離移動を挟んで中2日というこれ以上ない悪条件下での試合でした。

 にも関わらず、浦和のスタメンは池田→福田、塩越→藤﨑の2枚入れ替えのみ。GK池田はカップ戦で「ニアをぶち抜かれ、ビルドアップでまさかのボールロスト、CKで飛び出してパンチングしきれず」と失態の連続で準決勝敗退の主因になってしまったので、ここで福田に代えられるのは仕方ないでしょう。

 一方塩越のベンチ外は試合後の監督コメントによれば「本当に疲労がたまっているのと、回復が間に合わなかった」とのこと。長嶋のベンチ外も同じ。

 コンディション面では圧倒的に不利でしたが、それでも浦和は立ち上がりから一方的にボールを支配してC大阪を自陣に押し込み続けました。しかし残念ながらそこからこれといった決定機を作れず、試合開始早々に角田が放ったミドルシュートが惜しかったくらい。

 しかし、11分角田CKからの流れでこぼれ玉を拾った石川が後方へ戻したボールを角田が遠目からぶち込んで浦和先制!!

 その後も浦和はC大阪を自陣に押し込むもののただそれだけという試合展開は変わらず、23分C大阪がこの試合初めて人数をかけて攻めに出たところで、中谷のシュートを福田がキャッチしきれずにボールはゴールマウスへコロコロ。しかし、ゴールラインを割る寸前で福田が回収して事なきを得ました。

 後半になっても戦況に何の変わりもありませんでしたが、51分センターサークル付近からの石川FK→高橋がヘッドで落としたボールを島田が拾って追加点!!

 ところが後半も半ばを過ぎると浦和も疲労の色が濃くなって高い位置でボールを回収できず、プレス網をあっさり突破される場面が目立ち始めました。62分に藤﨑に代えて高塚を投入した効果も全くありませんでしたし。

 そして70分FKをファーでヘッドで折り返されたのを契機に失点。福田のポジショニングも怪しげでしたが、試合後監督が怒っていたのは福田ではなく、「やってはいけない時間帯にセットプレーを相手に与えてしまう」こと。名指しはしませんでしたが、角田が後方から相手を押してファウルを取られたことを指しているのでしょう。角田は同じようなファウルを自陣深い位置で終盤やらかしていましたし。

 終盤の浦和はヘロヘロで前にボールを蹴りだすだけに。それでもチーム全体で「なりふり構わず逃げ切る!」と意思統一出来ているのが奏功して、ヨレヨレ状態ながらも逃げ切り勝ち。

 コンディション面で大差があることを考えれば「勝てばよかろう!」な試合になってしまうのは致し方ないでしょう。エンタメとしては非常に寂しい試合内容でしたが、ベンチメンバーは若手だらけ(16歳の平川すらベンチ入り!)で競った試合でも安心して投入できる選手がいないので、選手交代で戦況を変えようにも変えられない辛さ。しかもカップ戦準決勝では若手を投入して却って少しリズムが崩れたという反省もあったようですし。

 怪我人が多い上に「戦術兵器清家」に代わるチーム戦術は依然として確立される感じはせず、ボール保持は「相手からボールを取り上げているので失点は少ない」以上の意味が見いだせないまま年内のリーグ戦は終了。

 それでも首位ベレーザと勝ち点1差の3位にいるのはリーグ戦再開時に怪我人復帰という上積みが期待できることを思えば悪くはないかと。

Urawal2_20241212

-----高橋-----
藤﨑---伊藤---島田
---柴田--角田---
栗島-後藤--石川-遠藤
-----福田-----

(得点)
11分 角田
51分 島田
70分 米田(C大阪)

(交代)
62分 藤﨑→高塚
90+2分 島田→西尾

 

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2024.11.25

【短感】24-25年第10節:新潟L 0-0 浦和L

 前節EL埼玉戦から中3日の浦和は前節から後藤→石川、藤﨑→高塚とスタメン2名入れ替え。ただ週央に試合がない新潟と比べてコンディション面での不利は免れない一戦。なおこれまで専ら左SHないし左SBで起用されていた高塚がなぜか右SHで起用されていましたが、その意図は判らずじまい。

 新潟は積極的に最終ラインを押し上げて果敢に前からプレッシング。浦和はそれを逆手に取るかのように11分栗島ロングフィードから高橋が左サイドで新潟最終ラインの裏に抜け出したものの、高橋のクロスはわずかに高塚に合わず。さらにその流れから新潟の不十分なクリアボールが高橋の前に転がるも高橋のシュートはGK正面に飛んでしまって平尾は難なくセーブ。

 17分には自陣でのボール奪取から塩越スルーパス→高橋の決定機を作りましたがやや角度が厳しくてこれも平尾がセーブ。前半終了間際には相手を押し込んだ状態で最前線で高橋ポストプレーを活かして塩越がアーク手前からミドルシュートを放つも僅かに枠外。

 浦和はお疲れなのか、あるいかビッグスワンのピッチ状態は見た目と違ってあまり良くないのか、負担よりもパスやクロスの精度が低く、新潟のタイトな守備ブロックを崩せずじまい。新潟は後方からしっかりボールを繋いではいるものの、結局FWに浦和最終ライン裏を狙わせるだけという単純極まりない攻撃に終始したので全く決定機を作れず、塩分高めで前半終了。

 58分には前半沈黙していた遠藤のカットイン&斜めのパスから塩越→高橋と良い形を作りかかりましたが、高橋が押し込み切れず。

 楠瀬監督は60分高塚→藤﨑、さらに71分伊藤→島田と代えて2トップ気味にシフトし、新潟を自陣に押し込み続けましたが、新潟は低い位置ながらもコンパクトな守備ブロックを維持し続けたので浦和は攻めきれず、76分新潟のクリアボールを拾った栗島のミドルシュートはバーを直撃。

 終盤になるとコンディション面での不利が如実に表れて浦和は球際での競り負けも目立つようになり、86分即死級のカウンターを食らってしまいましたが、石川が寄せてシュートコースを限定したのがちょっとは効いたのか、滝川のシュートはポストを直撃。新潟はこれがこの試合最大かつ唯一の決定機。

 89分には石川の縦パスを受けた島田がいきなり反転してミドルシュートを放つものの、これまたバーを直撃。お互い決定機をたいして作れない塩試合らしくスコアレスドローで試合終了。

 前節EL埼玉戦はそれなりに決定機を作ってはいるものの相手GKの奮戦で2点目が取れないうちに最後の最後で「かいしんのいちげき」を食らってしまうという「サッカーあるある」だったので「こんな日もある」と切り替えるしかないと思いますが、この試合はそもそもたいして決定機を作れていないので同じドローでもダメージは遥かにデカそう。

 そして中2日&中3日の3連戦なのに怪我人続出の影響で使える手駒は極めて限られていて、鉄板スタメンの10人&残り1枠を島田・藤﨑・高塚の3人で回す他なく、それ以外の選手は競った試合で使うのは躊躇われるくらい信頼がない。

 経験の浅い藤﨑や高塚に多くを期待するのは無理があり(特に藤﨑はスペースがないと辛いのが早々とバレバレ)。そして使い詰めのレギュラー陣は遠藤や塩越を筆頭に見るからにヘロヘロ。うーーーん、これは実に辛い。大宮戦後の監督コメントによると安藤・猶本・水谷は年明けの復帰が見込まれるようなので、リーグ戦は後半戦の巻き返しに期待するしかないのかなぁ。

Niigata2411
-----高橋-----
伊藤---塩越---高塚
---柴田--角田---
栗島-長嶋--石川-遠藤
-----池田-----

(交代)
60分 高塚→藤﨑
71分 伊藤→島田

※写真は試合とは全く関係ありません。

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2024.11.21

【短感】24-25年第4節:浦和L 1-1 EL埼玉

 浦和がAWCLに出ていた関係で順延になっていた「埼玉ダービー」。共に前節から中2日、かつ氷雨という悪条件下の試合となりました。

 浦和は次節も中3日でアウェー新潟戦があることを考慮してか、前節から島田→藤﨑、石川→後藤とスタメン2名入れ替え。

 そして浦和は前節同様高橋のポストプレーを多用しながら相手を押し込もうとしましたが、ちふれはボールを奪うと手数をかけずに最前線の#10へ送り、#10に浦和最終ライン裏を狙わせたり、浦和CBとの一対一を仕掛ける作戦を徹底。

 単純極まりない作戦ですが、それでもボールを奪った後の手立てが何もなかった大宮よりははるかに厄介。経験が浅い後藤はもちろん長嶋も「やらかしはまず無い」とは言い難いCBなので、浦和はちふれのこの作戦に結構悩まされました。

 またちふれは「本当の埼玉ダービーをお見せしましょう!!」と言わんばかりに球際でも善戦。そのため意外にも一方的に浦和がちふれを押し込む展開にはなりませんでした。

 それでも浦和は決定機を量産。だが10分伊藤スルーパス→高橋が飛び出してきたGKを交わしてシュートを放つもやや角度が厳しくて枠を捉えきれず。24分藤﨑クロスをボックス内で塩越がキープ→高橋のシュートは枠を捉えきれず、飛び込んだ伊藤にも合わず。32分にアーク付近から藤﨑が放ったミドルシュートは僅かに枠外。38分には遠藤クロス→塩越→高橋と繋いで伊藤が放ったシュートはGKが好セーブと得点は奪えず。

 ちふれのフォーメーションは基本4-4-2でしたが、守備時に綺麗に4-4のブロックを敷くのではなく、押し込まれると最終ラインを5枚、6枚と増やしてとにかくサイドに穴を開けないような守備をしていましたが、これまた浦和には結構面倒でした。

 そしてちふれは37分こぼれ玉を拾った#3からの縦パスがボックス内でどフリーの#10に繋がる決定機がありましたがシュートはバーの上。ちふれはこれが前半最大かつ唯一の決定機。唯一警戒すべき#10をあそこまでどフリーにしてしまう残念すぎる浦和の守備・・・

Saitama2411002

 後半になるとちふれの「お気持ち守備」も息切れしてきたのか、浦和がセカンドボールを拾える場面が増えはじめ、ここを勝負所と見た楠瀬監督は57分藤﨑に代えて島田を投入。しかも島田のポジションは前節のような純然たる右SHではなく、高橋との2トップ気味でした。

 そしてこの交代は奏功して64分右サイドに流れた高橋クロス→島田の決定機はGKが辛うじてセーブ。そこで得た角田CK→高橋シュートもGKセーブ。73分栗島ハイクロス→GKがパンチングしたボールが島田の元に転がる好機を得ましたが、島田のシュートはまたまたGKがセーブとちふれGKの奮戦でなかなかゴールは奪えず。

 それでも75分ゴールまでやや距離があるところからの塩越FK→高橋がボールの落ち際を右足で合わせてゴール!!

 後半のちふれは全く攻め手がなく、浦和は80分に伊藤に代えて石川を投入して「CBのやからしリスク」を軽減。5バックではなく、長嶋左SB&栗島左SHの4バックのように伺えましたが、とにもかくにも守備を固めて逃げ切り態勢に入ったのは間違いありません。

 ところが90+1分浦和のクリアボールをどフリーで拾った#5瀬戸口の破れかぶれなミドルシュート=「かいしんのいちげき」が決まってまさかまさかの同点に。浦和は最終ラインにベタベタ人がいるだけで足も止まって瀬戸口に詰める人が全然おらず、メンズならボロクソに言われそうな守備でしたが、レディースであの距離からのシュートはまず入らない、枠にすら飛ばないのが通例なので警戒が緩んだのかも。

 下位チームとの引き分けは優勝を狙うチームなら負けも同然。しかも九分九厘勝利を手中にしていた状況から同点に追いつかれての引き分けなので色々とダメージはデカいでしょう。

 主力を4人も故障で欠いて、さらに清家の後釜は若手起用でなんとかせざるを得ない状況下で中2日、中3日の過密日程をこなすのはやはりしんどく、さらに次節アウェー新潟戦はこの試合と違ってコンディション面での不利を強いられるので一層厳しいものになると予想されますが、なんとか踏ん張って欲しいものです。

 またちふれは前述のように「埼玉ダービー」をバリバリ意識して「これがリアル埼玉だ」と言わんばかりに攻守ともに奮闘。たぶん普段以上の力が出ていたと思います。「さいたまダービー」なんて意識の片隅もなさそうなどこかの残念なアレと違って・・・

Saitama2411001


-----高橋-----
伊藤---塩越---藤﨑
---柴田--角田---
栗島-長嶋--後藤-遠藤
-----池田-----

(得点)
75分 高橋
90+1分 瀬戸口(EL埼玉)

(交代)
57分 藤﨑→島田
80分 伊藤→石川(石川右CB、長嶋左SB、栗島左SH)

 氷雨だったのでメイン2F指定席で観戦していましたが、後ろにいた方が現役を退いてまもないっぽい退役軍人だったようで大声がチャントしまくり。そのためこれまで何を言っているのかよく判らなかったチャントの数々が氷解しただけでなく、完全に間違って覚えていたものも少なくないことが判明。

 浦和のチャントの恐ろしい点はなんせ口伝しかないので何が正解なのかよく判らない上に、往々にしてコールリーダーが間違っている(特に音程)ところだからなぁ・・・

 

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2024.11.19

【短感】24-25年第9節:浦和L 4-0 大宮V

 浦和のスタメンは前節から高塚→島田の一名入れ替えのみ。前節の高塚の出来は上々と思いましたが、それ以上に後半途中投入の島田を評価したのかも。ただ島田のポジションは高橋との2トップ気味ではなく、純然たる右SHだったのは少々意外でした。

 前節から本格採用した「高橋CF」の使い方もすっかり板についたようで、浦和は立ち上がりから高橋へのロングボールを多用。ハイボールを収めるのはどう見ても島田より高橋のほうが上手く、当然ながら浦和が早々に大宮を自陣に押し込む展開になりましたが、残念ながらただ押し込んでいるだけでシュートを撃てず。

 むしろ大宮が守備ブロックを整え切らないうちに手数をかけずに攻めた場面のほうが決定機になるありさまでしたが、残念ながら塩越が決定機逸3連発。

 しかし焦ることなく大宮を自陣に押し込み続けた甲斐あって、34分右サイド奥深くでのスローインから塩越の折り返しを受けた遠藤がドリブルで運んでボックス内突入→斜めのゴロパスに対して栗島がファーへ突っ込んで先制!! 遠藤のゴロパスに対して中で高橋が複数人惹き付けている間に逆サイドから伊藤&栗島と二人突っ込んでくるというヘグモが見たら泣いて喜びそうな得点シーンでした。

 36分は塩越のスルーパスを受けた遠藤が右サイドで大宮DFをあっさり交わしてボックス内突入。角度のないところからシュートを放つor中の高橋に預けるといった選択肢もある中で、遠藤が鋭いクロスを入れたところ#7がクリアしきれずにオウンゴール。自分の裏には伊藤がいたので慌てたのでしょう。

 浦和は後半頭から長嶋を下げて藤﨑を投入。浦和はACL参戦の影響で中2日で次節ちふれ戦を消化しないといけないので、高橋を半ば休ませる意味合いでCBへ下げたのでしょう。

 そして右SHに投入された藤﨑が早速大仕事。角田の縦パスを受けた藤崎は対面の#37を卓越したスピードでわずかに交わしてボックスに入ろうかというタイミングでいきなりシュート!!これが決まって3点目。ボックス内には塩越や島田も入ろうとしていたのですが、藤﨑のファーストチョイスはとにかくシュート!!シンプルにクロスとかいったん切り返すとか一切考えない、これが何も考えない時の藤﨑の怖さか!!!

 勝利を確信した楠瀬監督は50分に一挙3枚替え。中2日での連戦を考慮して塩越&遠藤と代えが効かないポジションの主力を下げただけでなく、なんと怪我でもないのにGKを代えるという舐めプというか、瀕死の大宮の傷口に塩を刷り込む荒業を敢行!!! 実に良い感じのさいたまダービーになりました。

 72分にはハーフライン付近でボールを拾った角田縦パス→島田がDF二人を惹き付けながらポスト→右サイドからどフリーでボックス内に突入した藤﨑が難なく決めて4点目。大宮は藤﨑を全く見ておらず、集中が完全に切れたようで。

 大宮は下位チームの中では失点は少ないほうですが、如何せん得点力不足でここまでリーグ戦総得点わずか1。ただ後ろに人数をかけて守っているだけで、ボールを奪った後何がしたいのかよく判らず前半はなんとシュートゼロ。浦和が続々と主力を下げた後半もシュートは2本しか撃てずに惨敗。

 浦和は清家離脱の影響がモロに出て今季得点力がガタ落ちになった中で久しぶりに大量得点。しかも早い時間帯で事実上勝負がついたので過密日程の中で主力を早々と下げられた上に若手のテストも出来たのでケチのつけようがないかと。

・個人的には角田が凄かったように見えました。あらゆるところに顔を出してボール奪取。前節柴田とポジションが被りがちだった点も完全に修正され、汚れ仕事は角田に任せて柴田はゲームのコントローラーに徹した感。でも角田はボール奪取後にそのまま運んで攻撃の組み立てまでやっていましたから、その働きぶりには恐れ入りました。

・一方今の島田の出来だと純然たるSHで使うのは気の毒すぎでしょう。もっぱら守備の人になっていました。ただ島田のフォローを受けて遠藤が覚醒。そして遠藤の動きに反応して逆サイドから突っ込んでくる伊藤はめっちゃ怖い!! 昨年清家→伊藤で点を取りまくった場面がちょっと再現された感も。

・なおこの試合はDAZNでおっかけ視聴。WEリーグの解説ってなんか知らんけど浦和嫌い臭い方が多いんで、安田さんクラスなら実況だけの方が安心できます。

Urawal2_2024102
-----高橋-----
伊藤---塩越---島田
---柴田--角田---
栗島-長嶋--石川-遠藤
-----池田-----

(得点)
34分 栗島
36分 オウンゴール(西澤)
48分 藤﨑
72分 藤﨑

(交代)
HT 長嶋→藤崎(藤崎右SH、島田CF、高橋CBへ)
60分 池田→福田
60分 遠藤→西尾
60分 塩越→高塚(高塚左SH、伊藤トップ下へ)
76分 角田→前原(前原&島田の2トップ、伊藤CHへ)

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2024.11.10

【短感】24-25年第8節:浦和L 2-1 広島R

 浦和のスタメンは前節相模原戦から丹野→高塚、後藤→石川と2名入れ替え。前節なぜかベンチ外だった石川がスタメンに復帰したのはともかく、それを奇貨としたかのように高橋をCF起用したのにはびっくり。

 前節島田が不振を極め、やむなく「はな大作戦」に転じたのが奏功して辛うじて勝ち点1をもぎとった流れがこのスタメンに反映したのでしょう。前節に続いて勝ち点3を取りこぼすようだとI神戸や東京NBに追いつくのが難しくなってしまうという現実的な計算が働いたと言ってもいいかもしれません。

 また若手の間で競争が激しい左SHには高塚を抜擢。前節前半限りでお役御免となった丹野はなんといきなりベンチ外。

 浦和の試合の入り試合は悪くはなく、立ち上がりから一方的に広島を自陣に押し込み続けましたが、広島の守備ブロックの回りでボールを回しているだけでほとんど決定機を作れないという前節と全く同じ展開に。浦和が初めて掴んだチャンスらしいチャンスは15分伊藤スルーパスを受けて高塚が広島最終ラインを破りかかった場面でしたが、DFに寄せられてシュートコースが狭かったせいか、シュートはGKの正面へ。

 また浦和はわざわざ高橋をCFに起用したにも関わらず、高橋をあまり有効に使えていないようにも見受けられました。さすがに序盤からいきなり「高橋目掛けてロングボール放り込みまくり」みたいなことはやらず、いつも通り地上戦主体で闘っていたように見受けられましたが、正直高橋CF起用時の練習なんてたいしてやっていないのではないかと思われるくらい組織として機能せず。高橋がしょっちゅうサイドに流れてボールを受けたがるのも謎でしたし。

 ただ浦和の選手間の修正力はたいしたもので、30分を過ぎた辺りからようやく高橋の使い方・使われ方も様になり始め、39分広島のミスに乗じて高い位置でボールを拾った塩越→高橋の決定機が生まれましたがシュートはわずかに枠外。

 広島は攻撃時4-1-2-3、守備時4-4-2でしょうか。低い位置にしっかり守備ブロックを作って、ボールを奪ったら手数をかけずに3トップへロングボールを蹴って浦和最終ライン裏を狙うというシンプル極まりない手口でしたが、何をやりたいのか判然としない浦和よりは狙いがはっきりしているだけマシ。

 43分にはなぜかいつもとは逆の右WGに置かれていた中島が対面の長嶋を全く苦にせずにマイナスのクロス→中に滝沢が飛び込む広島の狙い通りの決定機を作りましたが、シュートはバーの上。その直後にも長嶋がボックス内で中島に絡まれてヒヤリとする場面があり、塩試合ながら広島のほうが僅かにゴールの匂いがする戦況で前半終了。

Hirishimar2411001

 そこで戦況を一変すべく楠瀬監督が放った一手は後半頭から角田に代えて藤崎を入れ、伊藤CH、藤崎右SHへ。これは相当効果があって51分右サイドから高橋スルーパス→藤崎シュートはGKがなんとかセーブ。

 そして61分栗島横パスを塩越が最前線で収めそこなったのがかえって良かったのか、その裏にいた藤崎がワンタッチで折り返し、塩越のコントロールショットが見事に決まって浦和先制。塩越のゴールはだいたいゴラッソ伝説再び!!

 楠瀬監督は全く手を緩めることなく、その直後に高塚に代えて島田を投入してはっきりした2トップへフォーメーション変更。これまた奏功して65分には右サイドから塩越クロスのこぼれ玉に反応した島田が反転シュートを放つものの、ここは至近距離のシュートに反応したGKが見事にセーブ。しかし、73分塩越CKをニアで島田が決めて追加点。もっとも島田に付いていたはずのDFが集中を切らしていて島田がどフリーなのには苦笑するしかありませんが。

 後半の広島には全く何もやらせていなかったのでこの追加点で勝負ありと思ったのですが、浦和の消耗も激しかったようで終盤は双方中盤スカスカのオープンな展開になってしまったのが仇に。79分には後方から上がってきた塩田スルーパス→後半投入された上野がゴールと「まさかやー!!」な鮮やかな中央突破を決められて1点差に。ATにも右サイドを破られてヒヤッとしましたが、クロスを池田ががっちりキャッチして事なきを得てそのまま試合終了。

 1点取られてややこしい試合になってしまいましたが、現地で見ている分にはシュート数16対5というスタッツそのまんま、手数の差通りの試合結果で浦和の勝利は妥当だと思いました。

 ただ攻撃に関して言えば何をやりたいのかはっきりしている広島と比べると浦和はモヤモヤ続き。組織的に相手を崩すと言ってもフィニッシュに持ってゆく形は依然不透明。やっぱこの2シーズン「戦術兵器清家」で相手を崩しまくっていた、悪く言えば清家に頼って楽をしていたツケを払っているのが現状で、塩試合から抜け出すには時間がかかりそう。

 とはいえ「はな大作戦」はなんだかんだと相手DFには脅威だとか、また島田が2トップで使ったほうが遥かに出来が良いとか、左SHの若手のポジション争いでは高塚が一歩抜け出しそうだとか、勝ち点3を得た上で上積みとなる収穫もそれなりに。

 一方藤崎は無理にドリブルで密集を抜け出そうとしてボールロストみたいな「勝っている試合で絶対やったらアカン」プレーが散見されて、「アホの子疑惑」が沸々と・・・

 またこの試合の審判団にはホトホト参りました。主審がファウルを取る基準が滅茶苦茶な上に、メイン側の副審は「その辺のオバハンを借りてきたんとちゃう?」疑惑が浮上するレベル。オフサイド見逃し疑惑、スローインが逆疑惑なんてまだまだ序の口。目の前で後ろから塩越が突き飛ばされているのにファウルの旗降らないって「昭和のプロレスのレフェリー」もびっくりみたいな。

Hirishimar2411002

-----高橋-----
高塚---塩越---伊藤
---柴田--角田---
栗島-長嶋--石川-遠藤
-----池田-----

(得点)
61分 塩越
73分 島田
79分 上野(広島R)


(交代)
HT 角田→藤崎
62分 高塚→島田
90+5分 塩越→西尾

 

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2024.11.04

【短感】24-25年第7節:N相模原 1-1 浦和L

 浦和のスタメンは前節千葉戦から石川→後藤、角田→丹野と2名入れ替え。監督が左SBと左SHの人選に試行錯誤中なのがよく判る入れ替えですが、石川は代表に招集されている間にコンディションでも崩したのか、いきなりベンチ外に。高橋が小破から戻ったと思えば、今度は石川が外れ、左SBは試行錯誤中なので浦和の最終ラインは面子がなかなか固定できません。

 試合は立ち上がりから浦和が相模原を押し込む時間こそ長かったものの、相模原が自陣深い位置に敷いている4-4-2のブロックを全く崩せずに時間が徒過。左サイドは共にリーグ戦初スタメンなせいかまるで連携が出来てない上に、丹野が単騎で盛んにドリブルを仕掛けるものの有効とはいえず。

 高い位置でのボール奪取から時折良い形を作りかかるものの、シュートをブロックされる場面が目立ち、シュートらしいシュートで終わったのは32分の遠藤が初めてかも。

 そして37分GKのロングキックから始まる相模原の反撃に対して、攻め続けていた浦和の守備意識が疎かになってしまったのか、後藤の対応が軽すぎてその裏に南野に走りこまれ、それでも最終ラインは3対2で浦和が数的優位だったにも関わらず遠藤の対応が緩慢すぎて大竹スルーパス→川島ゴールでまさかの失点。

 あんまりな前半を受けて楠瀬監督は丹野→藤崎、後藤→角田と代えて、栗島を左SBに配転。要するにダメダメだった左サイドをテコ入れ。これで左右の攻撃のバランスは良くなりましたが、相模原が中を固めて粘り強く守っているので崩せそうで崩せない。崩したと思いきや、最後の最後でシュートブロックされてしまう場面だらけ。セットプレーも得点の匂い皆無。

 75分くらいに業を煮やしたように「はな大作戦」を敢行。タメを作れる高橋を最前線に置いたのは相当効果があって、88分長嶋ロングフィードを最前線で高橋が収め、伊藤シュートはブロックされたもののこぼれ玉を塩越が拾って、高橋がズドン!!(正直塩越が戻りオフサイドくさいのですが)

 目先の勝ち点を拾うだけなら早々と島田に見切りをつけて「はな大作戦」に移行した方が良かったと思いますが、それでは島田が成長しないので我慢したのでしょうなぁ。ただ相模原は最下位とは思えないレベルで守備ブロックはしっかりしており、かつ集中も切れず。そんな相手を浦和は綺麗に崩すのに拘り過ぎたのかもしれません。

 「上手いだけでパワー不足」「上手いだけで火力不足」。そんなチームに戻ってしまった感のある残念な試合でした。清家がいなくなって、しかも依然菅澤・猶本と前目の主力を欠いている中でユース上がりどころかユースの子まで動員してなんとかしようというのは、さすがに無理があったかなぁ? その不足していたパワーなり火力なりを補ったのが「はな大作戦」だったわけですが。

 ただ試合後の監督会見を読むと、監督はパワープレーで目先の勝ち点を取りに行くのを良しとせず、きっちり崩し切ることに拘る、悪く言えば今季はチーム成長なり世代交代のために勝ち点をある程度犠牲にすると割り切っているようにも伺え、ちょっと辛いのなんの。

Urawal2_2024102

-----島田-----
丹野---塩越---伊藤
---柴田--栗島---
後藤-長嶋--高橋-遠藤
-----池田-----

(得点)
88分 高橋

(交代)
HT 丹野→藤崎
HT 後藤→角田(角田がCH、栗島が左SBへ)
85分 島田→岡村

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2024.10.21

【短感】24-25年第6節:千葉L 0-2 浦和L

 浦和のスタメンはACLホーチミンシティー戦からの比較だと藤崎→角田、岡村→高橋、伊能→池田の3名入れ替え。

 長野戦を欠場し、ACLでは帯同すらしなかった高橋は幸いにも大怪我ではなかったようで、しれっとスタメン復帰。Uー19出場の関係でこれまでリーグ戦に出ていなかった角田をスタメン起用し、相手が疲れている後半に藤崎を投入したほうがより効果的という監督の判断ででしょうか?

 若手の中ではACLで活躍した丹野がサブに入らないのが不思議でしたが、同じサイドアタッカーなら一応SBも出来る高塚のほうがサブに入れやすいのかも。

 ベトナムで1週間で3試合をこなした直後なのでコンディション面で不安がある他、ACLグループステージだとどうしても相手との力の差がありすぎて、WEリーグに戻ったばかりの試合ではプレースピードや強度の違いに戸惑ったりしないかと心配しましたが、浦和はさすがにぼんやりとは試合に入らなかったようでひと安心。

 しかし立ち上がりからボールを握ってはいるもののただそれだけという時間が続く中、5分長嶋の自陣での横パスをカットされ、池田が前に出ているのに気づいた大澤に際どいミドルシュートを撃たれてヒヤリ。

 また15分にはプレスがかからずに浦和右サイド奥に大きく展開されて、そこからのクロスに後方から走り込んだ鴨川ヘッドの決定機を作られましたが枠を捉えきれず。

 一方浦和は16分島田のプレスが効いて相手のパスミスを誘発。伊藤が高い位置でボールを奪ってスルーパス→塩越が決めて最初の決定機で先制。塩越のゴールといえばだいたいゴラッソと相場が決まっていますが、今回はキーパーの位置と空いてるシュートコースを見てそこに流し込むだけという、塩越らしくない基本的なゴールでした

 さらに25分角田CKをファーで高橋がマークを振りほどきながらも泥臭く頭で押し込んで追加点。ヘディングシュートだが高身長は全く関係ない、ここに来る!というところに飛び込んでゆく「点取り屋」らしいゴールでした。

 その後は一方的な浦和ペース。千葉は攻守の切り替えの早さ、そしてプレス強度に勝る浦和に中盤を完全に支配され、やたら浦和のファウルばかり取る主審の助けを借りながら守るだけに。それでも浦和は38分塩越スルーパス→遠藤、39分島田スルーパス→塩越の決定機を作りましたが、共にGKニコレッチがセーブ。ニコレッチの奮戦に千葉は大いに助けられました。

 楠瀬監督は後半頭から栗島に代えて藤崎を投入。依然試合は浦和ペースで、52分高い位置でのボール奪取から伊藤に決定機がありましたが、ここもニコレッチがセーブ。

 61分島田→前原、70分伊藤→高塚と戦術的な意味合いではなく、今後の過密日程を考慮して主力のコンディション時間調整&若手育成が主眼としか思えない交代が相次いでから試合は急激にぐだぐだになってしまいましたが、それでも浦和の守備は最後まで破綻せず、90+2分には岡村&西尾まで投入してそのまま試合終了。

 試合後の監督会見によれば、やはり序盤はACLとWEリーグのレベル差に苦しんだこと、後半試合がぐだぐだになった点について藤崎や前原に物足りなさを感じた点などを問題点として指摘。その反面左SHで起用された角田や途中投入の高塚の出来を褒め、かつなんだかんだと無失点で終えたことを評価。何の違和感もないコメントの数々でした。

Urawal2_2024102

-----島田-----
角田---塩越---伊藤
---柴田--栗島---
長嶋-石川--高橋-遠藤
-----池田-----

(得点)
16分 塩越
25分 高橋

(交代)
HT 栗島→藤崎
61分 島田→前原
70分 伊藤→高塚
90+2分 角田→西尾
90+2分 長嶋→岡村

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2024.10.13

【短感】ACL24-25年GS第3節:浦和L 2-0 ホーチミン・シティ

 共にグループステージ2連勝でグループステージ突破を決めている者同士の中2日での対戦。浦和のスタメンは前節から塩越・伊藤・柴田・遠藤・岡村以外の6人を入れ替え。うち塩越・伊藤・柴田・遠藤の4名は3試合連続スタメンで、柴田と遠藤は前2試合ともフル出場。

 ホーチミンは自陣高めの位置に5-4-1の守備ブロックを敷いてはいるもののあまり前からプレスをかけてこないので、立ち上がりから浦和がボールを握る時間が多く、13分には伊藤が右サイドからクロス→島田に早速決定機。18分には左サイド高い位置でのボール奪取から藤崎のシュートはわずかに枠外。

 そして25分石川のロングフィードで右サイドから相手最終ラインの裏に抜け出しかかった遠藤がトラップ一発で対面のDFを交わしてボックス内突入→マイナスの折り返しを島田がヒールでゴールマウスに流し込んで浦和先制。

 この試合は藤崎を左SHへ回して伊藤を右SHに置きましたが、藤崎より伊藤のほうがボールキープはずっと確実なので遠藤を高い位置に押し出しやすく、その布陣の妙が先制点として結実しました。

 しかし先制点を取られたホーチキンは一転してやや前に出てくるようになり、その出方の変化に浦和は戸惑ったのか急激にグダグダに。右サイドの選手起用が見事にハマったのに対し、左サイドの藤崎&岡村は一緒にプレーした経験なんてないでしょうし、おまけに共に使われてナンボ系なので相互の連携はどう見ても良いとは言い難く、これがグダグダ感の主因だったかも。

 そこで楠瀬監督は後半頭から藤崎に代えて角田を投入。これで左サイドが活性化して両サイドの攻撃のバランスも好転。そして50分栗島のクイックリスタートを受けて相手最終ライン裏へ塩越が抜け出し、その折り返しをファーで角田が詰めて追加点。相手の隙を見逃さなかった栗島&塩越、そしてそんなに足が速そうには見えないのにクロスが来ると信じて走ってホーチミンDFを後方からぶっこ抜いた角田。いずれも天晴れ!!

 浦和この試合最大のピンチは55分自陣右奥でボール奪取に成功したものの、柴田の縦パスが短くて相手にボールをプレゼントしたような格好になったところから。最後は#24にボックス内から決定的なシュートを浴びてしまいましたが、幸いにもシュートはわずかに枠外。59分にはGK伊能のフィードが相手に直接渡ってしまう残念極まりない場面も。

 2試合フル出場の柴田&遠藤への配慮もあってか、楠瀬監督は60分には柴田→竹内、遠藤→西尾、島田→前原の3枚替えを敢行。しかし、相手はこれまでの2試合と違って守備が格段に固い上に、塩越がお疲れのためかミスが目立つようになって試合は再びグダグダに。見せ場らしい見せ場は82分塩越スルーパスを前原がボックス内で受けてシュートまで持っていった場面と、90+1分に西尾クロス→ファーで竹内シュートくらいでしょうか。

 素早い攻→守の切り替え&高い位置での複数人での囲い込みという浦和得意の守備は過密日程にも関わらず機能し続け、先の55分のピンチ以外で失点する可能性はほとんどありませんでした。ただなんだかんだとお疲れのせいかパスミスというか精度を欠きまくったのも事実で、試合後監督も選手も反省しきりだったのも納得。

 とはいえ、3連勝でグループステージ首位通過を決め、かつ無失点&けが人なしだったのでチームとしては100点満点の出来。次週から再開するWEリーグに備えてのコンディションが大変でしょうが(昨季はAFC女子チャンピオンズリーグ・グループステージでタイから帰国後コンディションを崩したように見受けられました)、それはチャンピオンチームの宿命。なんとか頑張ってほしいものです。

 水谷長期離脱を受けて、楠瀬監督はこの3試合を左SBのテストに使いまくりましたが、お眼鏡にかなう選手はいたかどうか。また監督は西尾の身体能力を高く評価していて、もう前目での起用は難しそうだけど何か使い道はないかとSBやCBで試行錯誤しているようですが、この試合の右SBでの出来は残念ながら壊滅的でした(つД`)  また若手の中では角田が別格なのは一目瞭然。後は丹野が使える目途が立ったという感じでしょうか。

Urawal2_2024102

-----島田-----
藤崎---塩越---伊藤
---柴田--栗島---
岡村-長嶋--石川-遠藤
-----伊能-----

(得点)
25分 島田
50分 角田

(交代)
HT 藤崎→角田
59分 柴田→竹内(竹内左SH、角田CHへ)
60分 遠藤→西尾
60分 島田→前原
80分 岡村→高塚

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2024.10.10

【短感】ACL24-25年GS第2節:浦和L 2-0 台中藍鯨

 浦和のスタメンは前節から塩越・伊藤・柴田・遠藤を除く7名入れ替え。前原&秋本はユース所属の学徒出陣組。

 ホーチミンは試合前に猛烈な雷雨に見舞われてキックオフは20分遅れ。しかもピッチは水はけが悪くていたるところでボールが止まってしまうありさま。こんなピッチではサッカーらしいサッカー、しっかりボールを繋いでの組織だったサッカーなんてやりようがなく、立ち上がりは双方単なる前方への球蹴りに終始。

 それでも10分を過ぎたあたりから浦和が浮き球を多用しながら着実にボールを選手間で繋いで前進させる術を駆使して、次第に台中を自陣に押し込み始めました。14分にはボックス内での混戦からこぼれ球を拾った遠藤→伊藤のシュートがポストを叩いてこの試合初めての決定機。

 その後もびちゃびちゃ&ドロドロのピッチをものともせずにドリブルで力強く前進する丹野&秋本を軸に何回か左サイドから良い形を作りましたが、台中がタイトな5-4-1の守備ブロックを作っている上に、思いのほか守備範囲が広そうなGKに直接キャッチされてしまうようなクロスも目立ってシュートに持ち込めず。

 試合の転機となったのは53分右サイド深い位置での塩越のFKゲット。この試合の主審は前半台中のファウルをあまり取らない割には浦和のファウルはしっかり取る傾向があって難儀でしたが、この場面は塩越に対するなんだがよく判らないファウルを取ってFK。

 そして54分塩越FKに反応した後藤の肩を#3が掴んで引き倒してしまい、当然ながらPK。56分塩越がGKの逆を取り、かつGKが正しく反応しても難しいような左隅にPKを決めてようやく浦和先制。ただでさえ先制点が取れるかどうかというプレッシャーのかかる場面なのに、下手にゴロのシュートを撃つと途中で止まってしまいかねないのでボールを浮かせるしかなく、でも浮かせるとボールコントロールが難しくなるという悪条件も重なって大変だったと思いますが、ここで塩越の巧さが光りました。

 台中この試合唯一かつ最大の決定機は66分#23の縦ポンが最前線の#17に通ったところから。しかし後藤がいったん裏を取られかかりながら最後はなんとか寄せてシュートコースを限定したのが効いてか、シュートはバーの上へ。台中は一貫してこの形を狙っていて、まさに千載一遇のチャンスでしたが残念無念。

 そして70分柴田の浮き球縦パスで裏抜けに成功した丹野がゴール右隅に決めて追加点。柴田の浮き球技術の確かさは前半から際立っていて、ここでそれが見事に活きました。そしてこれまた前半から激走につぐ激走を重ねていた丹野の苦労もここで報われました。

 浦和は67分から中2日で控える3試合目を睨んでの選手交代を続々と敢行。丹野が全くへばる様子がない上に、途中から俊足の藤崎が出てきたとあっては台中はたまったものではないようで傷む選手が続出。藤崎や丹野に3点目のチャンスがありましたが追加点は奪えずに試合終了。

 ピッチコンディションが劣悪すぎたので「勝てばよかろう」としか言いようがなく、加えて「無失点」「怪我人が出なかった」の3点セットで満点の出来だと思います。個人的にはぱっと見フィジカルが強いようには見えない丹野が意外にもスタミナ系で長い時間走り回っても全然バてず、しかも重馬場得意だったのは刮目しました。

 台中はユニフォームを掴むような「手癖系」のファウルこそ多かった(=それがPKに直結)ものの、滅茶苦茶なピッチコンディションにも拘らずバックチャージだとかカニばさみだとか相手の大怪我に繋がるようなファウルがなかったのは幸いでした。

Urawal2_2024102

-----前原-----
丹野---塩越---伊藤
---角田--柴田---
秋本-岡村--後藤-遠藤
-----福田-----

(得点)
56分 塩越(PK)
70分 丹野

(交代)
67分 伊藤→藤崎
67分 前原→島田
75分 塩越→栗島(栗島CH、角田トップ下へ)
75分 秋本→西尾
83分 角田→竹内

 

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2024.10.07

【短感】ACL24-25年GS第1節:浦和L 17-0 オリッサFC

 今季から始まったAFC女子チャンピオンズリーグ2024/25。グループステージはグループ開催国での集中開催で1回戦制の総当たり戦を行い、上位2チームのほか、各組3位のうち上位2チームがノックアウトステージへ進出する方式。

 浦和が入ったグループCはベトナム・ホーチミン市での開催で、オリッサ(インド)→台中藍鯨(台湾)→ホーチミン・シティ(べトナム)の順に対戦することに。

 昨年開催されたAFC女子クラブ選手権の経験からグループステージで対戦する相手とはかなり力の差があるのは明白。遠距離移動と不慣れな環境下で1週間で3試合こなす中でコンディションを崩さないかどうかが最大の心配事(昨年はタイでグループステージを3試合消化した後のコンディション悪化に苦しんだ様子)でしたが、浦和は西シェフも帯同する万全の体制でグループステージに臨んだようです。

 実力差&1週間で3試合こなす過密日程を考慮して浦和は若手中心のスタメンを組むと予想する向きも少なくなかったようですが、楠瀬監督の判断はリーグ戦前節長野戦と全く同じスタメンでした。

 オリッサはハナから前からのプレッシングなんて放棄してリトリート一本で守備。しかし、多少寄せたところで簡単にパスワークで交わされる、競り合いでは全く勝てない、スペースを使われるとスピードで太刀打ちできないありさま。

 ゆえに守備ブロックらしくものを作ったところで肝心なところで浦和の選手を掴まえきれず、ただただカラーコーンが立っているだけという悲惨な状況に陥ってしまいました。

 そんな相手に浦和は5分高塚のシュートのこぼれ玉に遠藤が詰めたのを皮切りに序盤から大量得点。そんな序盤目を惹いたのは藤崎のファーストチョイスがどう見てもシュートっぽいこと。20分くらいには水谷長期離脱で適任を試行錯誤中の左SBに高塚を転用(左SH藤崎、右SH伊藤、CH栗島)するテストモードに移行。

 後半頭には一挙に4選手交代。本職FWの西尾をCB起用したのが最大のサプライズでしたが、高橋が負傷(公式発表はありませんが高橋のユニフォームがベンチに飾られているので負傷は軽くはないのでしょう)してCBの層が薄くなったのを受けたテストなのかも。

 浦和は一切手抜きせず、さらには相手を舐めたような素振りも見せず、2列目の選手が最終ラインの裏へ飛び出す、ボックス内でタメを作って後方からフリーの選手が突っ込む、あるいはサイドを深くえぐってクロスを入れてみるといった「ドン引き相手の点の取り方の見本市」みたいな攻撃を延々と繰り返して後半も大量得点。塩越が仲良しの遠藤に点取らせるつもりでクロスを入れたようにしか見えないのに途中で黒幕栗島に突っ込まれて栗島のゴールになったのには苦笑するしかありませんでしたが。

 オリッサの選手達はフィジカル的にもメンタル的にも辛かったろうとは思いますがラフプレーは全くなく、ブチ切れたようなプレーもなかったのは幸いでした。

Urawal2_20241007072401

-----島田-----
高塚---塩越---藤崎
---柴田--伊藤---
栗島-長嶋--石川-遠藤
-----池田-----

(得点)
5分  遠藤
9分  藤﨑
13分 高塚
15分 塩越
17分 島田
18分 塩越
30分 塩越
44分 島田

(後半開始時)

-----塩越-----
丹野---伊藤---栗島
---柴田--角田---
高塚-西尾--後藤-遠藤
-----池田-----

(得点)
53分 丹野
54分 栗島
56分 伊藤
59分 伊藤
62分 伊藤
66分 オウンゴール
68分 角田
83分 竹内
90+4分 伊藤

(交代)
HT 石川→後藤
HT 長嶋→西尾
HT 島田→角田
HT 藤﨑→丹野
61分 塩越→竹内

 

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