2023.09.10

【短感】23-24年WEリーグカップGS 第3節:仙台L 0-3 浦和L

・前節相模原戦からGK伊能→福田、CB髙橋→長嶋、左SH佐々木→安藤、右SH島田→清家と4名入れ替え。スタメンには純然たるテスト起用っぽい選手はおらず、同ポジションでの競争を促しながら選手層に厚みを加える監督の意図が色濃くにじみ出ています。今季はAFC Women’s Club Championship 2023への参加が決まった関係で厳しい日程で試合をこなすことが求められている関係もありましょう。

・左足関節内遊離体の手術で北海道キャンプには帯同できなかった塩越が「復帰まで約6週間」と公表されていたにも関わらず予想外に早く戻って来てベンチ入り。丹野が開幕戦以来のベンチ入りとなった一方、GK鈴木、右SB西村、CH角田がベンチ外に。

・先制点は左サイドから水谷が中へ横パス→菅澤スルー→猶本が左へ展開→安藤どフリーでクロス→菅澤がCBの前でちょこんと合わせたもの。もう練習通りとしか言いようがない見事が連携、見事な崩しでした。

・序盤から劣勢を強いられた上にラフプレーを連発していた仙台は37分に隅田が2枚目のイエローというか一発レッドでもおかしくはない悪質なファウルで退場。仙台はまだ2試合しか消化していないのに早くもレギュラーCBがイエロー累積で出場停止を食らっており、ファウルで相手を止めるのが体質になっちゃったようで甚だ残念。

・とはいえ数的優位に立った浦和が仙台をボコボコにし出したのは後半に入ってから。51分遠藤の縦パスを受けた猶本クロス→中で菅澤がCBを引き連れて、ファーでどフリーの安藤が角度がやや厳しいところからきっちり合わせてゴール!

・60分には栗島のロングフィードを受けた清家が単騎右サイドを激走してそのままボックス内に突入するもシュートはGK松本がセーブ。うーん、清家の決定力は未だ安藤に遠く及ばない・・・

・とはいえ、数的優位で2点差となると事実上勝負ありなので、楠瀬監督は61分に遠藤→髙橋、菅澤→島田、栗島→塩越の3枚替えを敢行。塩越は故障明けの試運転の意味合い強めでしょうが、それ以外はやはり純然たるテスト起用っぽい交代ではなく、同ポジションでの競争を促す交代。

・66分にはカウンターが炸裂。伊藤が深い位置から縦パス→最前線で島田が収めて、その横をどフリーで激走する猶本へ。猶本は苦手の一対一を制し、松本の股を抜いて3点目。

・75分になってようやく長嶋→丹野という純然たるテストっぽい交代がなされ、周囲もなんとか丹野に見せ場を作ってやろうとする配慮が見え隠れしましたが、残念ながら丹野はプレーに積極性を欠いて良いところなし。これなら昨季のほうがマシだった気が・・・

・87分にカウンターから島田に決定機がありましたがシュートはGK正面を突き、試合終了間際にはバイタルエリアからミドルシュートを放つもバーを直撃して追加点ならず。

・浦和のピンチは退場者が出る前の時間帯で、自陣でボールを失ってCFパウラに強引なミドルシュートを撃たれた場面くらい。それもGK福田がわずかに触って難を逃れました。

・昨季はぶっちぎりの成績で優勝したのに、さらに高橋の復帰&伊藤の加入で一段と選手層が厚くなっているのが良く判る試合内容だったのは嬉しい反面、清家の出来が好調時から程遠いのが気になりました。

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-----菅澤-----
安藤---猶本---清家
---伊藤--栗島---
水谷-長嶋--石川-遠藤
-----福田-----

(得点)
16分 菅澤
51分 安藤
66分 猶本

(交代)
61分 遠藤→髙橋(髙橋が右CB、石川左CB、長嶋右SBへ)
61分 菅澤→島田(島田&清家の2トップに。猶本右SHへ)
61分 栗島→塩越
68分 水谷→佐々木
75分 長嶋→丹野(丹野左SH、安藤右SH、猶本CH、伊藤右SBへ)

※写真は試合とは全く関係ありません

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2023.08.27

【短感】23-24年WEリーグカップGS 第1節:浦和L 2-2 千葉L

・浦和のスタメンはW杯組(猶本、清家、高橋、石川)が全員お休み & 菅澤ベンチスタート。しかも後半繰り出した選手交代を見ても極めてテスト色が濃い格好に。楠瀬監督は昨季同様、カップ戦序盤は若手のテストの場と割り切って、そこで負けなければ良し。最後の2試合で連勝して帳尻を合わせる算段なのでしょう。

・気になったのはまたしても安藤をCBで起用する羽目に陥ったこと。昨季長期離脱からいったん復帰した長船は再度戦線離脱を余儀なくされましたが、その後の回復具合が芳しくないのかも。交代枠が一つ余っているのに長船は最後まで出番なし。先日浦女加入内定の後藤は本職CBのようで、ちょっと気になりました。

・同じく長期離脱から復帰したばかりのGK池田もベンチ外。

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・試合は浦和がボールを握り、相手を押し込んでいる時間が長いものの、前目でレギュラー陣をごっそり欠いているのが祟ってこれといった攻め手を見いだせないまま千葉のカウンターを二発食らって引き分け止まりに終わった感じ。

・浦和の先制点は遠藤が時折見せるミドルシュートが決まったもの。相手DFに当たってディフレクトしたせいか、場内ではオウンゴールと発表されましたが、シュートが明後日の方向に飛んでいた訳ではないのでその判定は厳しかろうと思っていたら、公式記録は遠藤のゴールに訂正されていました。

・18分大澤のゴールはGK福田のポジショニングが残念というより、あそこから躊躇なく撃ってきた大澤を褒めるべきなのでしょうが、あれよあれよという間に守備網を突破された2失点目は守備のあんまりな軽さにクラクラ。

・浦和の2点目=栗島縦パス→遠藤が右サイドを激走してクロス→中央に伊藤突っ込むは浦和定番の得点パターン。神戸から浦和へ移籍した伊藤はトップ下で起用されて早速結果を出しました。前目の選手はとにかく結果が大事。即戦力を期待されて移籍してきた選手ならなおさら。

・本職CHの伊藤をトップ下で起用した意図は良く判りませんが、さすがにWEリーグで頭二つくらいレベル的に抜けている猶本の代わりをさせるのは無理があって、伊藤は巧いことは巧いものの、守備強度やボールの受け手、収め処としてのお仕事に物足りなさが少々。ゆずほが故障したので猶本に万一のことがあった場合のオプションとしてテストしたのか、そもそも猶本不在時には4-4-2にしたほうがマシなのか(実際後半その形をテスト)。

・後半はほぼ角田ショー。後方から組み立てて良し、キラーパスを出して良し、ある程度自分で持ち運んで良し、囲まれても簡単にボールを失わず、なんなら距離のあるFKでも一発狙ったるで!!兄ちゃん見てるか!!ともう八面六臂の活躍ぶりで、こりゃレギュラー入りする日も近いかと。ただ後半選手交代に伴って周囲のポジション変更が目まぐるしかったのと、攻撃面での柱だった遠藤を早めに下げたのが仇となってチーム全体が攻め手の模索を続けがちになり、角田の活躍は報われませんでした。

・角田以外の若手はこれといった見せ場なし。唯一64分FW西尾がアーク付近から強烈な一発を放ったのが目を惹いたくらい。「ついに46センチ主砲が唸りを上げたか!!!」と一瞬感動しましたが、無情にもほぼGK正面でゴールならず。でも昨季はそんな見せ場なんて全くなかったんだから遥かにマシ。とにかく頑張れ。

・この試合の観客は1,867人。昨季のカップ戦ホーム開幕戦は1,546人なので、W杯で日本女子代表が予想外の好内容&好成績だったのが多少は観客増に結びついたのかも。

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-----島田-----
丹野---伊藤---水谷
---柴田--栗島---
佐々木-長嶋-安藤-遠藤
-----福田-----

(得点)
17分 遠藤、
18分 大澤(千葉L)
21分 鴨川(千葉L)
45分 伊藤

(交代)
HT 丹野→角田(角田CH、栗島左SHへ)
63分 遠藤→西尾(西尾&島田の2トップに。伊藤右SH、水谷右SB)
73分 水谷→高塚(高塚左SH、栗島右SBへ)
84分 栗島→菅澤(菅澤FW、西尾左SH、高塚右SBへ)

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2023.06.11

【短感】22-23年第22節:ちふれAS 0-5 浦和L ~ 結局他チームに圧倒的な差をつけて今季終了

 前節浦和の優勝が決まり、最終節は共に単なる消化試合。楠瀬監督はこの消化試合を何らのテストに使うことは十二分に予想されましたが、スタメンは大胆な若手抜擢ではなく、栗島・佐々木・長嶋といった「コンスタントにベンチ入りしてはいるがスタメンからは遠ざかっている中堅」のテストという形になりました。前節大怪我から復帰してベンチ入りした池田も今節スタメン起用。
 
 それより驚いたのは長嶋をCBでスタメン起用したことで安藤老師はお休みではなく、なんと左SHでスタメン起用したこと!!大ベテランを窮余の一策でCBにコンバートした労をねぎらって最終節は有休を与えるどころか、さらに消耗が激しいSHで酷使するってどんなブラック企業やねん!!!

 そしてさらに驚いたのは本職に戻った安藤が前半猛威を振るったこと。立ち上がりこそビルドアップのミスが散見されてこのポジションでの試合勘の無さを露呈した感がありましたがたちまち修正。5分には猶本クロス→ボックス内で菅澤が競って、こぼれ玉を拾った清家が低いクロス→DFに当たった跳ね返りに安藤が詰めていきなりゴール!!!
 
 21分には柴田左へ展開→安藤ノープレッシャーで高精度クロス→菅澤がDFの前に飛び込んでヘッドが炸裂して2点目。
 
 普段の浦和は右サイドでチャンスメークが主ですが、この試合は全く逆で安藤を軸とする左サイドからの攻撃が主。安藤が変な形でボールを失う訳がないと安心してか、左SB佐々木も再三前に顔を出して攻撃に厚みを加えていました。
 
 しかも安藤はSHと言っても左サイドからのチャンスメークに徹する訳ではなく、もともと点取り屋でもあった「得点感覚」は全く失われていないようで、その後もゴールの臭いがするところをウロウロしていてわずかに合わない場面が多々。こんなボックス内でのお仕事のセンスは清家は安藤に遠く及ばないかも。
 
 54分にはGKがやたら前に出ているのに気づいた猶本のロングシュートが決まって3点目!!WEリーグだとあの距離のシュートを撃てる選手ってそんなにおらんだろうなぁ・・・いやはや猶本恐るべし。そしてリンセンは入らないが猶本は入る。
 
 57分には柴田→安藤→清家→遠藤と左から右へ各駅停車的=スコルジャ流的サイドチェンジ→遠藤低いクロスに菅澤が飛び込んで4点目。今季の菅澤は途中故障もあり、その後もコンディションが上がらずに苦しんだ感がありましたが、最終節の2ゴールは絶好調時を髣髴させる見事なものでした。
 
 4点取ったところで楠瀬監督は徐々に若手に切り替え。まぁ若手と言っても島田はレギュラーですが。70分にはGK池田同様大怪我から復帰したばかりの高橋はなを投入!!81分にはGK池田に代えてこれまた大怪我から復帰したばかりの鈴木を投入する鬼采配。
 
 その後試合は急速にグダグダになったものの、90+3分猶本スルーパス→清家がCBと競り合い、かつなぎ倒してGKとの一対一を制して5点目。その直後にもよりイージーなGKとの一対一がありましたが、今後はGKを交わすのに失敗してゴールならず。一対一があまり上手くないのは清家の課題。
 
 最後の最後で鈴木がハイボールに対して飛び出してボールに触れないという、あんまりな試合勘の無さを露呈してヒヤッとしましたが、ボールがゴールに吸い込まれる直前で石川がクリアして無事完封勝ち。
 
 今季の浦和は安藤CBコンバート&猶本全権委任システムでチームが固まって以降、スタメンにさしたる変化はありませんでした。しかし、楠瀬監督が再三コメントするようにサブの選手達も相当頑張っているようで、スタメン変更という形にはならないもののチーム内の競争は非常に厳しいのでしょう。実際水谷と佐々木、塩越と栗島あたりはいつ立場が逆転しても不思議はありませんから、ここでスタメン起用されたサブ組のモチベーションはさぞかし上がりまくりだったことでしょう。
 
 また猶本や清家といった、目前に迫った女子W杯代表に選ばれる可能性が高い選手は消化試合でも一切手抜きなし。また池田&高橋と大怪我明けの選手達も自らの課題に向き合いながら試合に取り組んでくれました。
 
 久しぶりに本職に戻った安藤老師なんて引退の気配を全く感じさせない無双ぶりでしたし!!
 
 こういった要因が積み重なって消化試合らしいダレた試合になるどころか、浦和はほぼ本気モード。一方ちふれはいかにも消化試合然としていて、前から厳しくプレスをかけるでもなく、後ろでしっかり構えるでもなく、なんとなく試合をしているだけで90分終了。これでは大差がついてしまうのもやむを得ないでしょう。
 
 終わってみれば今季の浦和は昨年の神戸(50)を上回る勝ち点52でフィニッシュ。総得点50はリーグ1位、総失点17は開幕時のザルっぷりからは信じ難い話で2位。反則ポイントも最小(△48)。総得点が多い割には得点者が分散しているので得点王が取れなかったことだけが残念(清家は決定機を外しまくったのが祟っているので仕方ない)でしたが、ケチのつけようがない戦績で今季終了。誠にお疲れさまでした。 

Kumagaya

-----菅澤-----
安藤---猶本---清家
---柴田--栗島---
佐々木-長嶋-石川-遠藤
-----池田-----

(得点)
5分 安藤
21分 菅澤
54分 猶本
57分 菅澤
90分+3 清家

(交代)
58分 菅澤→島田
58分 安藤→丹野
70分 遠藤→髙橋
70分 柴田→角田
81分 池田→鈴木

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2023.06.04

【今季振り返り】22-23年第21節:浦和L 4-0 大宮V ~ WEリーグ優勝おめでとう!!

 前節「田代砲」で気合注入されまくった長野相手に気迫負けという非常に残念な負け方をしてしまった浦和。そこから優勝がかかったホームゲームの大一番でどう立て直すかが見ものでしたが、幸いにも大宮は完全に消化試合モード入りしていて歯ごたえも何もありませんでした。立ち上がりからほぼハーフコートゲームと化し、浦和はその間に着々と得点を重ね、ホームゲーム、しかも5000人弱も集まった大観衆の中でWEリーグ優勝を決めました。

 試合はワンサイドゲームすぎてわざわざ振り返るに値しないので、ここでは今季の浦和について雑感をつらねることにします。
 
 とにかく今季の浦和は後ろ目のやりくりに難儀しました。CB長船が依然長期離脱中な上にGK池田が昨年6月の代表合宿で重傷を負って離脱。また昨秋のカップ戦では不動のレギュラーだった左SB佐々木もコンディションを崩したのか、リーグ戦序盤はベンチ外が続きました。しかもCB南がASローマへ移籍したにも関わらず、CBの補強はなしという何とも不可解な状態で浦和は開幕を迎えました。
 
 そこで楠瀬監督はGK福田、CB石川と若手を抜擢しましたが、相方のCB髙橋はなを含めて経験が浅い選手だらけのせいか開幕時はバカ試合の連続。幸いそれを帳消しにして余りある攻撃力、まさに「鋼鉄のザル」状態で勝ち点3を拾いまくりましたが、ぶっちぎりで優勝したチームがそんな超不安定な状態からスタートしたことは記憶に留めて置くべきでしょう。最初から確信をもって優勝に値すると言えるチーム状態ではなかったと。
 
 転機となったのは昨年11月の代表合宿中に髙橋はなまでも負傷して長期離脱を余儀なくされたこと。いよいよCBの駒がいなくったところで楠瀬監督はなんとCBに安藤のコンバートを決断!!当時安藤40歳、石川19歳と年齢的には「ほぼ母子」で最終ラインを守る格好になりましたが、このコンバートが見事にハマって浦和の最終ラインは急激に安定し、以後複数失点を喫したのは皇后杯準々決勝を含めて4試合に留まりました。
 
 安藤は165cmしかないもののWEリーグだと物理的に殴ってくるCFはほとんどいないので、フィジカルが強い安藤のCB起用は本人さえ納得すればそんなに変ではないとは思いましたが、ここまでやってくれるとは!!サッカー脳が高すぎて「経験の無さ」なんて何の問題にもならなかったみたいで。
 
 そしてメンタルが強靭な安藤が最終ラインに加わったのが良かったのか、若い福田や石川も試合中変に慌てるようなことは次第になくなって安定感を増してゆきました。特に石川の一対一の強さ、そして強気にバンバン縦パスを突き刺してゆく様は圧巻で、おまけに第9節アウェー新潟戦では闘莉王を髣髴させる豪快なヘッドが炸裂。もはや石川アレクサンダー闘璃音。良い意味で浦和には長くおらんでしょうなぁ、これは・・・熊谷→南→石川と続くワールドレベルの浦和産CB列伝・・・
 
 さらに言えば今季の浦和の守備が急激に安定した一因として右SB遠藤の成長も見逃せません。昨季の浦和はとにかく中下位チーム相手に取りこぼしが多くて、それが優勝した神戸に大差をつけられた2位に留まった主因でしたら、今季の取りこぼしは前節の長野戦だけ。昨季は中下位チーム相手にボールを一方的に試合してるのに攻めきれずにカウンターを食らって勝ち点を落とす試合が目立ちましたが、今季はそんな場面すらあまり目にしなくなりました。
 
 昨季の浦和は清家を右SBに配したものの、実際は右SBとは名ばかりで、攻撃時やたら高い位置に押し出して「戦術兵器」として活用していましたが、やはりそれには無理があってカウンターを食らう素地になっていたのでしょう。今季は遠藤を右SBに配して清家を右SHに配したことで攻守のバランスがぐっと良くなったものと目されます。
 
 しかも遠藤は守備専ではないどころか、清家との相性が極めて良くて、相手が清家ばかり警戒しているとその後ろからやたら重心の低いドリブルで右サイドを深々と破り、クロスどころか遠目からシュートを撃ってくるクソめんどくさい選手に!!

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 得点力は昨季同様強力なままどころか、1試合未消化な現時点で45点と昨年の得点(40)を既に上回っています。しかも注目すべきなのは清家11、菅澤9、島田8、猶本6と前目の選手がバランスよく点を取っていること。昨年の得点が菅澤一人に集中(14点)しているのと大違いです。
 
 浦和の攻撃の基本形は何だかんだと言っても「戦術兵器清家」による右サイドからの攻撃。右サイドからチャンスメークして、折り返しを決める選手が多彩になったというとなのでしょう。そしてここで大ブレイクしたのが2年目の左SH島田。
 
 昨年は途中出場で何度もチャンスをもらいながらピッチを徘徊するだけで何のインパクトも残せませんでしたが、今季突如覚醒。シュート精度が高いというか若い割には妙に落ち着きがあり、シュートレンジも広く、身体を張ってボールキープどころか相手DFの邪魔をして味方を助ける小技も出来る。本来2トップの一角が適任と思いますが、左SHといってもサイドアタッカー的な仕事は全然求められず、右サイド攻撃に対してファーから突っ込んでくる役回りが多くて事実上シャドーストライカーなのも悪くはないでしょう。


 そしてシーズンを通じて「戦術兵器清家」の発射ボタンを押しまくっていたのが猶本。今季の基本フォーメーションは当初4-4-2との併用でしたが、途中から完全に猶本をトップ下に配した4-2-3-1「猶本全権委任システム」で固定。WEリーグレベルでは完全に頭二つくらい抜けている猶本の存在がとにかく圧倒的で、しかも猶本のコンディションがシーズンを通じて安定していたのが優勝の原動力といって差し支えないくらい。守備面での貢献も高く、「戦術兵器清家」のみならず浦和のプレッシング開始のスイッチまで押していたといっても過言ではないでしょう。
 
 あえて猶本に苦言を呈すればGKとの一対一が案外下手なこと。そこさえ良くなればなでしこ代表でも不動のレギュラーでしょうに。清家も同じ。

 長くなりましたが、今季はとにかくケチのつけようがないほぼ100点満点の出来での優勝でした。GK福田、CB石川を筆頭に途中交代で若手を盛んに起用し、世代交代の芽を撒きながらの優勝は高く評価できます。選手、監督、スタッフの皆さま、ありがとうございました、そしてお疲れさまでした。
 
《個人評》

・MVP 猶本
・新人賞 石川
・特別功労賞 安藤
Yes/Noまくら 遠藤

Urawaladies2306025

-----菅澤-----
島田---猶本---清家
---柴田--塩越---
水谷-安藤--石川-遠藤
-----福田-----

(得点)
24分 猶本
45分 島田
60分 清家
77分 清家

(交代)
66分 遠藤→栗島
66分 水谷→佐々木
82分 島田→角田(角田CH、塩越左SHへ)

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2023.05.28

【短感】22-23年第20節:長野L 2-1 浦和L ~ いくらなんでもこの負け方はないわ・・・

 残り3試合で2位神戸との勝ち点差は7。この試合に勝てば他会場の結果とは関係なく浦和の優勝が決まる大一番。車でも比新幹線でも割と来やすいためか、ゴール裏にもビジター寄りメインスタンドにもアホほど赤者がやってきました。

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 長野の前プレは非常に厳しくて順位差を全く感じさせない五分五分の形で試合に入りましたが、11分猶本がプレス網を掻い潜って右サイドからカットイン→中でどフリーの島田が決め、浦和が最初の決定機で先制しました。
 
 これで楽勝かと思いきや、長野の動きは依然鋭くて球際も厳しく、浦和はボールを保持しているもののなんだかごわごわボールを回している状態。また左SB水谷が攻撃時にかなり絞ったポジションを取りがちなところを逆用されて、浦和左サイドのスペースを長野に執拗に突かれた感も。22分には浦和左サイドを完全に崩されて決定機を与えてしまいましたが、幸いにもシュートはGK正面。26分にはバイタルエリアでの対応が軽すぎてシュートがクロスバーを直撃!!

Acnagano2305022
 
 後半も浦和やや劣勢で推移し、反撃らしい反撃と言えば65分猶本スルーパス→左サイドで菅澤折り返しがわずかに清家に合わなかったのが惜しかったくらい。
 
 とは言え、長野も飛ばしに飛ばしていたので足が止まるであろう終盤まで耐えられれば浦和は十分逃げ切れると思っていたのですが、68分やはりというかなんというか浦和左サイド深い位置から中へ折り返したところを大久保がズドン!
 
 ボックス外かなり距離のある位置からのシュートで、威力も強いとは言い難かったのですが、微妙にディフレクトしたのか、GKのブラインドだったのか、GK福田も反応しきれず。長野は浦和守備陣を崩しきらずとも無理目のシュートを撃ちまくっていたのが奏功したとも言えましょう。楠瀬監督は非常に残念なボールの失い方をした遠藤を見切って長嶋を用意していましたが、その前に失点してしまいました。

 まさかの同点に追いつかれた浦和は突如尻に火が付いたかのように動き始めましたが、これといった決定機は掴めず。清家を前に上げて2トップに、さらに島田に代えて植村を投入してはみたものの、さしたる効果なし。プレースキッカーが終盤猶本から塩越に代わりましたが、後半猶本が相手と交錯して傷んだ影響かも。そのせいかどうか、89分猶本は栗島と交代。
 
 さらに悪いことに長野が終盤バテると思っていたら同点に追いついてそのまま勢いづいてしまったのか、先に足が止まったのは浦和のほう。しかも90分浦和右サイド深い位置での長嶋の対応が酷すぎて上田にあっさり抜け出され、最後は鈴木が決めて長野が逆転勝ち。

 総じて浦和の動きの悪さが目についた非常に残念な試合でした。特に浦女ユースゆずほ世代のアカンところ=「上手いだけでひ弱い」という難点が大一番で露呈しちゃったような・・・もっともユイカーもハナエスタも全然ダメでしたし、猶本が途中で傷んだのも痛かったかと。でも「全員前泊の温泉で夜中まで枕投げでもしてたんじゃないのか???」というくらい動きが良くなかったなぁ・・・


 一方、長野は浦和相手に非常に統制が取れた「強度マシマシだが汚くはないサッカー」で完勝したにも関わらず、田代監督は今季一杯で退任なんだとか。傍目には理解しかねる監督人事ですが、「お気持ち全開」な浦女黎明期っぽいサッカーを見せていただきありがとうございました。

Acnagano2305021
 
-----菅澤-----
島田---猶本---清家
---柴田--塩越---
水谷-安藤--石川-遠藤
-----福田-----

(得点)
11分 島田
68分 大久保(長野)
90分 鈴木(長野)

(交代)
68分 遠藤→長嶋
84分 島田→植村
89分 猶本→栗島

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2023.05.22

【短感】22-23年第19節:浦和L 3-0 千葉L ~ 圧倒的ではないか、わが軍は!!

 前節アウェーで2位神戸を破って、残り4試合で勝ち点差が7に再拡大。WEリーグ優勝がいよいよ現実味を帯びてきた浦和はホーム駒場に千葉を迎えました。
 
 浦和はまだまだ優勝を意識して硬くなる時期ではないのか、序盤から千葉を圧倒。5分にはセンターサークル付近で遠藤がボール奪取→こぼれ玉を拾った猶本スルーパスを受けて遠藤ボックス内突入→折り返しを島田シュートの決定機を作りましたが、残念ながらシュートはGKを直撃。
 
 しかし、10分ショートコーナーからペナ角付近でどフリーだった塩越クロス→清家ヘッドが炸裂して浦和がいきなり先制!!その前後のCKでも浦和はショートコーナーを多用しており、事前に仕込みに仕込んだ様子でした。

 その後も浦和は一方的に攻め続け、30分くらいからはハーフコートゲームになりましたが、前半は追加点はならず。

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 暑さのせいか、後半ゲームは双方グダグダになりかかりましたが、試合が動いたのはまたしてもセットプレー。60分CKからの流れで猶本のグラウンダーのクロスをファーで石川が押し込んだものの、これはオフサイド。しかし続く62分CKからの流れでゴール前で混戦となりながらPKスポット付近にいた清家が人混みを一気にぶち抜いて待望の追加点。
 
 しかし、65分千葉の縦ポン攻撃で裏抜けしかかったFW千葉に安藤が対応したところ、スライディングした足が千葉の足を払った格好になってしまったせいか、えらく簡単にPKを取られてびっくり。でも胡散臭いPKは往々にして決まらないもので、FW千葉が蹴ったPKはバーの上へ。
 
 67分センターライン付近でボールを奪った水谷が前方へ展開→アーク付近でこぼれ玉を拾った島田のシュートはポストを直撃!!水谷はこのプレーで残っていた燃料を使い果たしてしまったようで、楠瀬監督は即座に長嶋と交代。
 
 そして74分センターライン付近から塩越が浮き球で清家へ縦パス→ガラガラの右サイドを清家が激走してクロス→中で猶本が詰めるという浦和が最も得意とする形で3点目を取って事実上試合終了。
 
 その後の交代は暑さもあって主力の消耗を避けた以上の意味合いはないでしょう。さすがに守備強度が落ちて千葉に際どいシュートを撃たれる場面も出てきましたが大過はなく、そのまま試合終了。
 
 攻守の切り替えの早さ、プレー強度、足元のスキル、あらゆるファクターで浦和が千葉を圧倒したような試合内容で、正直よく3点差で済んだなという印象を受けました。昔の千葉は強度マシマシ系で、しかもよく走ることで、スキルフルだがどこかしらひ弱い浦和と互角にやっていたはずですが、今やこれといって特徴がないチームになってしまったみたいで。
 
 この試合の温泉賞は文句なしに2ゴール1アシストの清家。俊足を活かしての決定機は外しまくるのにセットプレーで謎の決定力を発揮するとは(苦笑)。もっとも3点目は「戦術兵器清家」の威力が遺憾なく発揮されたものでしたが。
 
 そして遠藤もコンディションがかなり上がって来たようで、清家とのコンビで千葉左サイドを蹂躙。清家だけでも厄介なのに、清家だけを注視しているとその背後からやたら重心の低いドリブルで疾走する遠藤にぶち抜かれるので相手はたまったものではありません。
 
 残り3試合で2位神戸との勝ち点差は7のままなので、次節長野相手に勝てば他会場の結果とは関係なく浦和の優勝が決まります。

Chiba2305039

-----菅澤-----
島田---猶本---清家
---柴田--塩越---
水谷-安藤--石川-遠藤
-----福田-----

(得点)
10分 清家
62分 清家
74分 猶本

(交代)
68分 水谷→長嶋
77分 遠藤→佐々木
77分 柴田→栗島
83分 猶本→植村
83分 島田→丹野

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2023.05.07

【DAZN短感】22-23年第17節:浦和L 2-2 東京NB

・中3日での3連戦の最終戦。浦和のスタメンは前節広島戦と全く同じ。なおベレーザはなんと第15節(4/29)がお休みのため中3日での2連戦でしかなく、日程面ではかなり浦和が不利。こういうことはあるから奇数チームでリーグ戦をやるのは嫌なんだよなぁ・・・

・試合序盤は浦和がベレーザを自陣深くに押し込み続ける展開。しかし、3分猶本スルーパス→菅澤の決定機を逃した後は押しているもののベレーザの守備ブロックを崩しきれず、無理やりシュートを放つ場面だらけで押しているようで優勢とは言い難い内容に。概して球際で優勢でボールが持てるのがかえって災いしてか、帰陣が早い相手の守備ブロック、しかもその狭いところへやたら突っ込んでゆくという昨年の悪い時の試合内容に酷似していた感も。

・15分には攻めきれずにカウンターを浴びてヒヤリ。そして30分珍しく守備に回った時間帯で自陣でドタバタしてしまい、木下浮き球での縦パス→植木ヘッドで先制点を取られてしまいました。この場面、石川がちょっと被ってしまったような・・・

・風下に回った後半はボール保持も怪しくなって劣勢に陥りかかりましたが、58分水谷→長嶋、島田→角田の2枚替えで清家を前に出して2トップにしたのがいきなり奏功。61分高い位置で柴田がボールを奪い、清家がアーク付近からスーペルゴラッソ!!とにかく決定力に乏しいのが残念な清家が、よりによって難易度の高いシュートを決めるとは!!

・選手交代&布陣変更が奏功して完全にペースを取り戻した浦和は68分右サイド深い位置から猶本クロス→ボックス内で清家が倒れ込みながらもボールを繋ぎ、その先で菅澤がDFを巻き込みながら潰れたのが効いて、どフリーの塩越が泥臭く詰めてゴール!!

・これで勝ちを確信した訳ではないのでしょうが、楠瀬監督は77分に菅澤→西尾、塩越→栗島と2枚替え。しかし、西尾は相変わらず実力不足が顕著で最前線で浮遊したままなのは諦めも尽きますが、ベテラン栗島が慣れない左SHに回ったのが良くないのか、ほとんどゲームに入れなかったのは大誤算。

・浦和は深い位置でボールを奪っても前にきっちり繋げなくなって波状攻撃を浴びる羽目に。82分には北村が放ったミドルシュートが遠藤に当たり、軌道がループ気味になったのが効いて結果的にゴラッソに。

・浦和も勝ち越しを狙って反撃に転じ、角田が好位置でファウルゲット→85分猶本FKはポストを直撃。試合終了間際でもボックス内から猶本シュートはバーの上。

・最初の選手交代は大当たりだったのに、2回目の選手交代で流れを失ってしまった挙句に同点に追いつかれるという残念な試合でしたが、2回目の選手交代は「中3日での3連戦」で選手のコンディションを考えての交代なんでしょうなぁ。たぶん普段なら1点リードでベレーザ相手にやる交代ではないと思います。この辺、最後の最後で日程面から来るコンディションの差が響いたのかも。

・とはいえ、今季のリーグ優勝だけを考えればベレーザや神戸相手にはもはや負けさえしなければ何の問題もありません。同日神戸が勝ったので再び神戸との勝ち点差は4に縮まりましたが、ベレーザ戦の引き分けはもはや勝ちに等しい引き分け。今季とうとう浦和に一回も勝てなかったベレーザのほうが落胆の度合いは大きかったかと。

Komaba_20230507174201

-----菅澤-----
島田---猶本---清家
---柴田--塩越---
水谷-安藤--石川-遠藤
-----福田-----

(得点)
29分 植木(東京)
61分 清家
68分 塩越
82分 北村(東京)

(交代)
58分 水谷→長嶋
58分 島田→角田(清家を前に出して4-4-2に。角田CH、塩越左SH、猶本右SH)
77分 菅澤→西尾
77分 塩越→栗島

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2023.05.03

【DAZN短感】22-23年第16節:広島R 1-2 浦和L ~ これが地力の差か!!

・故障明けで前節ベンチスタートだった遠藤がスタメンに復帰して、代わりに栗島がベンチスタートに。前節ベンチ外だった佐々木もベンチに復帰。

・前半の浦和は全く良いところなし。広島のプレッシングは極めてタイト、かつファウルでの阻止も辞さないガツガツ来る系で、浦和は全くボールを落ち着かせられないどころか、パスミスも続出。

・また広島は後方からきっちり繋ぐ力は持っているものの、なんだかんだと結局ロングボール一本でFWへ放り込んでくるのが奏功して、浦和の前プレはほぼ空回り。

・延々と中盤での蹴り合いが続き、若干広島ペースで試合が進む中で先制したのは広島。32分近賀のロングフィードはいったん安藤がクリアしたものの、こぼれ玉を瀧澤が拾って中嶋がボックス内右からスーペルゴラッソ!! フィニッシュこそ滅多に決まらんだろうレベルのものですが、15分にも最終ラインからロングボールを蹴って、そのこぼれ玉を拾ってフィニッシュという全く同じ形を作られているので、この先制点は偶然でもなんでもなく、広島の狙い通りなのでしょう。

・全く良いところなく前半を終えた浦和は後半頭から選手を代えずに布陣を変えることで対応。具体的には清家を前に出してはっきりとした4-4-2(猶本が右SHへ)の布陣を敷いたところ、これが見事に奏功して浦和がようやくボールを握れるようになって試合は次第に浦和ペースへ。

・48分広島の守備ブロック周りでボールを繋ぎ、最後は塩越からボックス内右でどフリーになった猶本にボールが繋がるも、シュートは辛うじてGKがセーブし、こぼれ玉もDFがゴールマウス寸前でクリア。

・しかし、64分猶本が距離のあるところからFK→菅澤バッグヘッドが炸裂して同点!!広島のGKは飛び出してボールに触れないという残念さに助けられましたが(苦笑)、しんどい試合、しんどい展開で点を取ってくれる辺りはさすがエースです。

・前半の猛プレスで体力を使い果たしたっぽい広島は、この時間帯から全然プレスがかからなくなってファウルすら出来ない感じに。71分猶本が縦パスで清家を走らせ、清家が右サイド深い位置から折り返し。塩越がボックス内で良い態勢だった島田に繋ぎ、島田がちょっとだけ空いてたシュートコースを冷静に見極めてゴール!!やや距離はあっただけに島田のシュートレンジの広さが光りました。

・楠瀬監督は72分島田のゴール前から用意していたっぽい角田を投入。そしてこの角田が猶本に代わって俄然ゲームのコントローラー然とした輝きを放ち始め、複数人に囲まれても全然ボールを取られないわ、先輩方をこき使わんばかりのパスは出しまくるわと大活躍。1点しかリードしていないのに若手を起用し、しかもその若手が起用に応える。楠瀬監督は勝ちながら世代交代の種を巻くとは!!

・清家は裏抜けに成功しながら毎度毎度の決定力の無さを披露したり、途中投入の西尾が菅澤のお膳立てをぶち壊してしまったりして試合を決定づける3点目は取れませんでしたが、電池切れの広島に反撃の余力はなく、最後はゆずほが相手コーナー付近で無類のキープ力を活かしに活かして鹿島りまくって楽々逃げ切り勝ち。

・「元気のいい前半こそベレーザや神戸相手に善戦して先制点も取れたのに、ガス欠した終盤に逆転される」というちょっと前の浦女っぽい試合内容でした、広島は。

・それにしても選手を代えずに配置を変えて浦和ペースに持って行った楠瀬采配ズバリ!!!と思ったのですが、試合後の監督インタビューであれは監督の指示ではなく、選手達が勝手にやったことだと暴露していたのがこの試合最大の笑いどころでした。

・同日神戸が負けて、ベレーザが引き分けたので、神戸との勝ち点差は6、ベレーザとは9に拡大。しかも得失点差も浦和が上。両者との直接対戦を残していますが、浦和のリーグ優勝がいよいよ現実味を帯びてきました。

Hiroshima2020001_20230503184101
-----菅澤-----
島田---猶本---清家
---柴田--塩越---
水谷-安藤--石川-遠藤
-----福田-----

(得点)
32分 中嶋(広島)
64分 菅澤
71分 島田

(交代)
72分 島田→角田(島田がCH、塩越が左SHへ)
80分 水谷→栗島
80分 清家→西尾
87分 菅澤→植村

※写真は試合とは全く関係ありません。

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2023.04.29

【DAZN短感】22-23年第15節:浦和L 2-0 N相模原

・佐々木がまた小破でもしたのかベンチ外になり、島田が久しぶりにスタメン出場。水谷が左SBに回って右SBに栗島、CHに塩越を起用。

・5分相模原のFKからの流れでバー直撃のシュートを撃たれるも、そのクリアボールが強風に流されてか最後尾に残っていた相模原の選手が目測を誤り、こぼれ玉を拾った猶本が独走してGKと一対一に。最近一対一を外しまくっている猶本だが、この日は無事ゴール。

・その後も一方的な浦和ペースで試合が進み、30分右サイド深い位置でのスローインからの流れで相手のクリアボールをボックス内で清家(?)がカットして菅澤へ。その菅澤の豪快なシュートが炸裂して2点目。

・40分にも左サイドでのスローインから菅澤→島田の決定機があったが、ここはGKが辛うじてセーブ。

・相模原は浦和の素早い攻守の切り替え&強烈なプレッシングを受けてなかなか自陣から出られず。5分以降の唯一の決定機は33分右サイドからの低いクロスを石田が中で合わせた場面だったが、シュートはバーの上。

・後半頭から栗島に代えて故障明けの遠藤を投入。この試合の後、WEリーグには珍しく中3日&中3日での3連戦が控えているせいか、楠瀬監督は63分水谷→長嶋、78分猶本→角田、菅澤→西尾、88分清家→丹野と早めに主力選手を交代。

・浦和は後半風下に回ったものの何の不便も感じていない模様。相模原は最後尾からしっかり繋ごうとするものの、それをやるには足元の技術が及ばないのか、浦和のプレスを受けて自陣深い位置でボールを失う場面が目立ちましたが、浦和も浦和でその好機に乗じて3点目が取れず。最もゴールに近かったのは87分の決定機だが、島田も西尾も決められず。

・とはいえ、相模原には文字通り何もやらせない完勝でした。

-----菅澤-----
島田---猶本---清家
---柴田--塩越---
水谷-安藤--石川-栗島
-----福田-----

(得点)
5分 猶本
30分 菅澤

(交代)
HT 栗島→遠藤
63分 水谷→長嶋
78分 猶本→角田(角田CH、塩越トップ下へ)
78分 菅澤→西尾
88分 清家→丹野

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2023.04.22

【DAZN短感】22-23年第14節:仙台L 1-2 浦和L ~ 勝つには勝ったが内容はぐだぐだ

 浦和のスタメンは前節から長嶋に代わって塩越が入っただけ。大怪我からいったんピッチに復帰した長船のコンディションがあまり良くなく、しかも前節スタメンでCBに起用された長嶋への楠瀬監督の評価はどうもあんまり芳しくなのか、またまた老師がCBに。
 
 立ち上がりは双方ともプレスがきつくて攻撃の形が作れない塩試合だったが、シンプルかつ執拗に最終ライン裏を狙い続けた浦和が15分くらいから相手を自陣に押し込む格好に。
 
 18分右サイドから猶本クロス→GK松本が弾いたこぼれ玉を清家が拾うもシュートはわずかに枠外。しかし続く22分塩越が相手のミスに乗じて左サイドを深く抉ってシュート→こぼれ玉を拾った菅澤のシュートは当たり損ねだったが、清家が詰めて浦和先制。
 
 その後再び試合はぐだぐだ模様になりかかったが、39分高い位置で清家がボールを奪い、猶本ミドルが炸裂して2点目。
 
 仙台にボールを握られ、自陣に押し込まれる時間帯もそこそこありながら決定機らしい決定機は与えないまま前半終了と思いきや、45分CKからファーの矢形ヘッドを食らってまさかの失点。安藤が被った格好になっていたが、それにしてもちょっとファーの守備が酷すぎた。GK福田も飛び出してボールに触れないという残念さ。
 
 後半も52分大きなサイドチェンジを契機に猶本がボックス内での深い切り返しでDFを交わしてシュートを放つもGK正面。さらに56分ロングパス一本で裏抜けに成功した猶本がGKと一対一になりながらも決められず。
 
 そしてそれ以降は完全に仙台ペース。仙台の前プレが全然衰えないせいか、浦和はボールを奪い返した後にボールをしっかり握らず、簡単に縦に蹴ってしまって仙台の攻撃を受け続ける展開に。67分には左サイドからの低いクロスがFW松窪に通ってヒヤリとしたがシュートは枠外。
 
 選手交代でも形勢を変えられず(最初の交代が単純に塩越→島田じゃなかったのが謎。布陣弄りすぎてぐだぐだ感加速)、90分には宮沢スルーパス→松窪の決定機を作られたが、最後の最後で安藤老師がシュートに持ち込ませず。

 2点先制して間違いなく勝てる試合だったのにワンチャンスで一点取られ、さらに突き放すチャンスを逃してしまって相手ペースの試合になってしまい、最後まで試合を落ち着かせることができず、「強いチーム」と形容するには程遠い試合内容。内容は褒められたものではないにせよ、何だかんだと勝ち点3を取れる辺りは昨年には無い「強さ」ですが、興行的にはかなり残念な試合でした。そしてもっとも見せ場を作ったのは仙台のFW松窪だったかも。
 
 猶本は前節新潟戦でも決定機を外しまくりましたが、一対一が案外苦手なのかなぁ・・・猶本はあれを決めないと代表で鉄板レギュラーは難しいかと。

-----菅澤-----
塩越---猶本---清家
---栗島--柴田---
佐々木-安藤-石川-水谷
-----福田-----

(得点)
22分 清家
39分 猶本
45分 矢形(仙台)

(交代)
70分 佐々木→島田(島田左SH、水谷左SB、栗島右SB、塩越CH)
79分 水谷→長嶋
85分 菅澤→西尾(4-4-2で西尾&島田の2トップ、猶本左SH)

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