2010.09.05

【本】主審告白(家本政明著)

・主審による著書自体がそもそも珍しい上に、功成し遂げたどころか、散々叩かれまくって「出世コース」から外れてしまった方ゆえ、淡々としたというか、達観したというか、そんな調子で貫かれている好著でした。読み応え十分。

・現在の審判の評価システムに対する疑問だとか、今の判定方法ではどうしても発生してしまう死角への言及だとか、そういうのは「枯れた」方じゃないと出来ないわなぁ・・・ XEROX杯後の二度目の処分なんて全く納得していないと公言していますし。

・選手とのコミュニケーションを大事にする家本主審。散々手こずらされた「やんちゃな選手」とのやり取りすら、今や微笑ましいエピソードになってしまったわけですが、その割には昔の「迷裁き」は何だったのかという気も。もっともそれは「若気の至り」と本人も認めているようですが。

・読者がアスリートだと体の仕組みに関する件は一層面白いのかもしれんけど、ワシにはそこはちょっと辛かったな。

| | トラックバック (0)

2010.07.02

【本】サッカーの見方は1日で変えられる(木崎伸也)

・普段からサッカーを良く観ている人なら、特段目新しいこと、目からウロコみたいなことは書かれていないと思います。試合観戦後に、飲み屋であーでもないこーでもないと議論している最中に出てくるような切り口、ターム、言い回しが本文中にゴロゴロ出てきます。

・ただ、そうであったとしても試合を見る上で、チーム・選手を分析する上で普遍的かつ重要な切り口を整理し、しかも初心者にも判りやすく書き記した本はありそうでなかなかなく、その点では貴重な本だと思います。著者の趣味・思い込みだとか、最新トレンドと称するものをやたら押し付けるだけの本ならいくらでもありますが。

・サッカーが奥深いなと思うのは、この本の切り口だととても「良いチーム」とは言い難いにも関わらず、そのサッカーに魅力を感じてしまう人が少なくないこと。

・終始陣形が間延びしていて相手に良いようにボールを回され、サイドもバイタルエリアもスカスカ。おまけに自陣深い位置でボールを奪ったところで攻守の切り替えも遅くて、しかもボールホルダーをサポートする動きなんてほとんどない。にも関わらず、エリア内中央の守備だけはやたら固くて失点が少なく、しかもFWの超人的な個人能力で勝ちきってしまう。そんなチームが大好き!っちゅー人が少なくないんですわ、実際(苦笑)

| | トラックバック (0)

2010.06.26

【本】「ジャパン」はなぜ負けるのか─経済学が解明するサッカーの不条理

サイモン・クーパー (著), ステファン・シマンスキー (著), 森田浩之 (翻訳)

・タイトルは本の中身とほぼ関係がありません。もともと英国で出された”Why England Lose”を翻訳して、日本に関する章ををちょこっと追加しただけ。

・また経済学というよりは初等統計学というべき内容で、サッカーを膨大なデータと簡単な統計的手法を用いて様々な角度から論じたもの。従って重回帰分析くらいの知識は持ち合わせておいたほうが楽しく読めます。

・もともとが英国向けだけにプレミアリーグの例が非常に多い。それゆえその辺の知識がないとちょっと辛いかもしれません。

・悪くいえば「井崎脩五郎先生の競馬予想」と大差がない部分もないではありませんが(苦笑)、それはそれとして雑学的な読み物としては非常に良く出来ています。特に「サッカーはビジネスですらない」「スタジアム建設に経済効果はない」という指摘は斬新。

・そしてシーチケで毎試合観戦に訪れるワシは「狂信者」に分類されてしまうのか(´・ω・`)ショボーン

| | トラックバック (0)

2010.06.20

【本】社長・溝畑宏の天国と地獄(木村元彦著)

・溝畑氏がいなかったら大分トリニータは未だにJレベルどころか、JFLにすら到達していない可能性が高かったのは確か。大分をJ1にまで引き上げたどころか、タイトル獲得にまで漕ぎ着けた溝畑氏の手腕は実に見事。

・しかし、その強化プロセスは無理に無理を重ねたもので、全く経営の体をなしていない。しかも最初から最後まで溝畑氏の独走。Jリーグがマルハンの胸スポンサーを認めていれば短期的には破綻は免れていただろうが、こんなやり方では遅かれ早かれ「FC溝畑」は破綻する運命にあっただろう。

・この本で面白いのは、県政財界の支援がほとんど得られずに溝畑氏が独走せざるを得なかった原因の一つとして、ビッグアイなどハコモノを作りまくった平松前知事への批判について触れていること。端的に言えば、県政財界、あるいは少なからずの県民からは、溝畑氏が平松前知事の「落とし子」のように見られていたことに言及しているところにこの本の価値があると思う。

・総じて読み応え十分。

| | トラックバック (0)

2009.03.31

今週のマガ(No.1235)

・ナビスコ杯予選が2試合あったのに、その扱いはたった白黒2ページ。しかもデータのみ。 国内サッカーを中心に扱う雑誌の扱いがこれじゃ、ナビスコ杯に客がこないのも無理はありません。

・先週のレビューをそっちのけにして、次節のプレビューにページを割く意味ってあるのかな? しかも今週の練習を全然見れないのに。プレビューは金曜のエルゴラに勝てないんだから、過去の検証にこそ重点を置くべきでしょうに。

・さすがに代表のバーレーン戦は巻頭扱いでしたが、なんか親善試合と変わらないくらいのページ数。まぁ、代表がいつも通りの不完全燃焼感が甚だしい試合内容で今更メッタ斬りにしても誰も読まないからかもしれませんが、代表への関心低下を如実に表しているだけかも。そりゃ代表戦の視聴率がルパンに抜かれるはずですわ・・・

・しかも今週は特別定価450円。妙に分厚いなと思ったら、その主因は広告カタログやん( ゚Д゚)ゴルァ

・で、メイン特集は欧州チャンピオンズリーグ。確かにそっちのほうが面白そうなことは否めないんですが、サカマガの立ち位置はそこなのかなぁ?

| | トラックバック (0)

2009.03.05

今週のサカマガ(No.1231)

・サカマガの大半をほとんど情報のない「写真名鑑」が占めていて、ほとんど読むところがない!!! 早朝のキヨスクで慌てて買うと碌なことがないな。やっぱ帰りがけに書店で中身確かめてから買わんと。

・アーセナルのキャラが急に「大学病院」になった。いったん暴走族にしてはみたもののネタが全く膨らまなかったので苦し紛れの一手(笑) これでようやく「スーパーさぶっ」もビッグ4が揃うのか?(^^)?

| | トラックバック (0)

2009.03.04

【本】浦和レッズ敗戦記(小斎秀樹著)

選手へのインタビューを軸に08年浦和を振り返ったものですが、意外といっていいほど新発見はありません。外野から見ていて「おかしい」「変だ」と思ったことは選手も大なり小なりそう思っていて、にも関わらず最後までそれは修正されることなく浦和は最後まで突き進んであえなく脱線転覆。

忘れたいけど忘れてはいけない08年の大迷走を振り返るのに適切な一冊だとは思いますが、どこぞの暴露本と違って読んでいて著者に対して不快感が全く残らないのは大迷走の原因を特定個人に被せたり、逆に特定個人を擁護したりする姿勢が目立たないからかも。

フロントの失態に関する言及が少なくて(フロントへの糾弾は概してサポのダンマクを通じて語っています。ゲルトとの「複数年契約」に点が付されているのが小斎氏の最大限の抗議かなぁ・・・)08年浦和のドキュメントとしては物足りなさを感じるけど、選手の目線から08年を振りかえるというコンセプトからすれば割愛してしかるべきでしょう。 関係者が全員浦和に居座っている中で半ば身内の人間が書けることなんて限られますし、言及したらしたでドロドロしすぎて読み物として成立しないでしょうし。

優勝した時の本なんてバカスカでますけど、惨敗した時の本なんてなかなか出ませんから、ドキュメントではなく読み物として割り切れば良い本だと思います。

| | トラックバック (0)

2008.03.18

続・火の玉ボーイ

「火の玉ボーイ」をちょっと時間が空いた時などを利用してちびちび読んでいます(まぁあっという間に読み終わると思いますが)。

確かに暢久の肉声が伝わってくる良い本だとは思いますが、ところどころ「そんな言葉、暢久は使わんだろう!」とツッコミを入れたくなるところが出てきます。

最も気になったのは「滅却」。「心頭滅却すれば火もまた涼し」の「滅却」です。

暢久はソリが合わなかったケッペル時代のことを忘れ去りたい、キャリアから無かったことにしたいと言ったのでしょうが、「忘却」「抹消」「消去」等々より簡単な言い回しが色々あるのに「滅却」はないわなぁ・・・

中の人の趣味だか、学だが判りませんが、ちょっと出すぎた感じがしました。

| | トラックバック (0)

2008.03.03

火の玉ボーイ

山田暢久、唐突に自叙伝「火の玉ボーイ」を刊行。

詳細説明を見ると

・簡単に取れたスタメン
・浦和脱出失敗(岡野・・・)
・冤罪 -キャバクラ・セブン事件
・夢の小料理屋
・スーパー特売に並ぶのは辛いよ
・息子がトップに上がるまで現役続行だ!

等々といった項目は見受けられないようですが、それはともかく

|-`).。oO 「やる気があってとにかく熱い人」のことを「火の玉」に例えるのがフツーなんじゃ?

| | トラックバック (0)

2007.08.18

「なぜ、浦和レッズだけが世界に認められるのか」

ガンバ戦@万博へ向かう「のぞみ」の車中で通読。

西野氏には申し訳ないが、あんまり面白い本ではなかった。なんかいかにもスポーツ経営学をさらっと勉学して、そこで学んだことを浦和を例にとって当てはめてみましたという感じの内容。従って、そもそも浦和がこれまで何をやってきたかを知っている赤サポならそんなに目新しい事項はないと思いますし、スポーツ経営学を聞きかじった人なら切り口に新鮮味もないと思います。

 またスポーツビジネスを扱った本としては、話がマーケティングに偏っていてファイナンスの話がほとんど出てこないのも気になりました。「世界で認められる」云々と大きく出た割りにはこの辺がいささか寂しいと思いますが、ファイナンスがさしたる問題にならないところが浦和と世界のビッグクラブとの最大の差だということなのかもしれません。

 スポーツ経営学については、「トップスポーツビジネスの最前線―勝利と収益を生む戦略 (講談社BIZ) 」他、近年いくつか面白い本が出ているのでそれらでも読んで、Jリーグの中では浦和はなぜ比較的成功しているのか、逆に隣町のクラブは何から何までダメなのかを自分なりに考えてみたほうがマシじゃないかなという気も。

P.S.

 表題はおおげさ過ぎてかなり痛いのですが、本の表題とは往々にして内容と一致しないのが常。こんなところにツッコミを入れるのは無粋というもの。

| | トラックバック (0)