2008.12.07

【観戦記】08年第34節 浦和 1-6 横浜M

20081206yokohama1

 G大阪戦の観戦記で「生きながらにしてして死んでいる浦和を埼玉スタジアムでもう一度見る。それは浦和の盛大な葬式そのものなんでしょう。」と書きましたが、実に盛大な葬式でした。

 ここまでボロボロになると次期フィンケ監督はやりやすいだろうでしょうね。「浦和の流儀」を声高に主張する勘違い野郎もいなくなるでしょうし。

 かつて常勝無敗を誇ったホーム埼玉スタジアムで6失点。公式戦でプロのチーム相手に「送別会」をやっちゃ、こうなりますわな。

 横浜M(以下「鞠」)は空気を読んで岡野を手助けしてくれる御人好しじゃない。鞠じゃなくてもプロのチームは皆そうでしょう。

 セルが負傷退場した時点で勝ち目はほぼなくなり、再三炎上していた右サイドをやられて3点目を取られた時にゲームは事実上終了しましたが、その後の送別会で4失点目にしっかり絡み、さらに崩壊したチームの中で盛んにボールを欲しがる岡野。こういう送別会は本意だったのかなぁ・・・

 最後の岡野・内舘両ベテランのご挨拶でうるっと来て、ズタボロだった試合の記憶は遠くに霞んでしまいがちですが、こういう悲惨な試合こそ記憶しておいてしかるべきでしょう。

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-----高崎-----
暢久---ポンテ--セル
---細貝--啓太---
阿部-堀之内-坪井-平川
-----都築-----

52分:セル→相馬
73分:暢久→岡野

-----坂田-----
--斉藤----兵藤--
小宮山------田中隼
--長谷川--河合---
-中澤--松田--栗原-
-----榎本-----

65分:坂田→大島
72分:斉藤→清水
79分:兵藤→水沼

 ゲルトはもう真面目に試合をやる気がなかったのでしょう。

 エジ、闘莉王が出場停止。高原、永井、達也が大なり小なり負傷とFWは非常に苦しい台所事情でしたが、そこでなんと大卒新人の高崎が初スタメン。夏以降はベンチにすら入れず、既に来季水戸へのレンタル移籍が報じられている状況下で突然の抜擢。高崎には非常に気の毒でした。前半はなんとかポストプレーをこなそうとはするものの、如何せんトップチームで一緒に練習していませんからボールを捌いたところで誰にも合わない場面が頻出。時間の経過と共にバテてポストプレーもままならなくなり、自然とボールも回って来なくなりました。さらに悲惨だったのは鞠守備陣にほとんど前を向かせてもらえなかったこと。シュート総数2本。1トップがこの出来じゃそうなるわなぁ・・・ 

 前半こそセルの飛び出しやドリブル突破でなんとか鞠守備陣をこじ開けようとしましたが、そのセルが後半早々に負傷退場してしまうともはや浦和に勝機はほとんどありません。代わりに相馬が左SHに投入されましたが、そこは清水戦で全く機能しなかった因縁のポジション。当然ながら相馬は一人で大迷走を繰り返すだけでした。CKから細貝が1点返したのが奇跡と思えます。

 また摩訶不思議だったのは阿部の左SB&暢久の左SH。闘莉王が出場停止なので当然阿部がCBに入り、左SBに相馬、左SHに梅崎だと思ったのですが、この布陣だといかにも左の守備が心もとない。 ゲルトは丸亀で田中隼にボコボコにやられたのを思い出したのでしょうか? 前半は確かに暢久の守備意識が高く、阿部と上手く連動して田中隼を自由にやらせないようにしていましたが、当然ながら今度は右サイドがボロボロに。

 前半のセルは守備を免除されて事実上高崎と縦並びの2トップを形成しており、ポンテ・啓太・平川で右サイドを守る形になってましたが、前2者の守備に多くは期待できず、自然と平川が標的に。そして案の定炎上。

 見るに見かねたのか、ゲルトは後半立ち上がりから暢久とセルの位置を入れ替えましたが(ハーフタイムでの左右の入れ替えって今年のゲルトを象徴してますwww)、暢久は早々と動けなくなってしまって平川のフォローにも何にもならず、そうこうしているうちに致命的な3点目を取られてしまいました。

 前半の鞠は浦和の緩慢なパス回しを半ば放置・傍観したような格好で引き気味に構えて体力温存。後半から猛然と浦和の守備陣にプレッシャーを掛けてきました(坪井がボールを持ったら”ビッグチャンス!”とばかりに詰めてきますw)が、元来脆弱な浦和守備陣は鞠の攻勢の前にひとたまりもありませんでした。

 これでゲルトは勝負を投げたようで、暢久に代えて岡野を左SHに投入。火に油を注ぐとはまさにこのことで、岡野投入後わずか3分でまたも右サイドを破られて左WB小宮山にこの日2点目を献上してしまいました。

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 その後はもはやサッカーの試合ではなく、単なる送別会。個々人がバラバラにボールを追い、何の意図もなくボールを前に運んで、簡単にカットされて逆襲を喰らう。もはや浦和に守備組織も何にもないものだから鞠はやりたい放題。岡野同様退団が決まっているFW大島には良い餞になりました。

 浦和が今年大不振に陥ったのは点が取れなくなったことではなく、あれほど堅固だった守備があっさりと崩壊したことでしょう。1-6というスコアはその象徴。ゲルトはMDPで

「(清水戦とG大阪戦の)両試合で相手チームを押し込みながらも、残念ながら試合を決定付けたであろう、あと1点が我々の側に生まれませんでした。」

と述懐していますが、最後までゲルトは問題の本質を理解できないままでした。もっともその場凌ぎを繰り返すだけの監督に守備陣の再建なんておよそ期待できませんが。来年フィンケがどういうサッカーを披露してくれるのか判りませんが、守備再建に手をつけないと成績好転は難しいでしょうな。

 フロントは今季終了と同時にフィンケとの基本合意、及び信藤氏のTD就任を発表。穿った見方をすれば、すかさず前向きな話題を提供することで悲惨だった今年の総括を有耶無耶にしようとしているかのようで、素直に評価する気にはなれません。

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2008.12.05

【展望】08年第34節横浜M戦

・優勝争いにも残留争いにも無関係な最終戦。

・来季に繋げる意味すら持たない最終戦。

・野次と怒号と罵声が飛び交うことが確実視される最終戦。

|-`).。oO 振り返れば開幕わずか2試合でのオジェック解任でこの結末が約束されていたようなものだったなぁ・・・

昨オフの「反オジェック派」の粛清、手のひらを返したようなオジェック解任、リーグ戦実績皆無の監督に「誠意の2年契約」、相次ぐ補強大失敗とこの1年の迷走振りは凄まじかったけれど、最大のターニングポイントだったオジェック解任についてはフロントにプレッシャーを掛け捲った浦和のファン&サポーターに責任がないとは思えないだな、自責をこめて言えば。今の負けっぷりから見れば、たかが2連敗で何をがたがたしていたのかと思う。

来年フィンケになるかどうかまだ判らないけど、フィンケが来たところで最初から順風満帆ということはおそらくありえない。

今年の大失敗から得た教訓は99年降格時以上にかみ締めてしかるべきだろうな。

・浦和はエジミウソン、闘莉王が出場停止。永井が捻挫で欠場濃厚。達也も欠場の可能性ありorz

・横浜は前節から中澤が復帰。狩野が出場停止。

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<前節:横浜M 2-0 東京V>

-----金------
--狩野----兵藤--
田中裕------田中隼
---小椋--河合---
-中澤--松田--栗原-
-----榎本-----

72分:金→坂田
76分:田中隼→清水
86分:小椋→長谷川

得点:58分松田、89分長谷川

<前々節:千葉 0-3 横浜M>

-----金------
--狩野----兵藤--
小宮山------田中隼
---小椋--河合---
-田中裕-松田--栗原-
-----榎本-----

70分:小宮山→清水
76分:河合→長谷川
83分:金→水沼

得点:54分兵藤、57分小宮山、62分金

<前回:浦和 2-2 横浜M>

-----金------
--狩野----兵藤--
小宮山------田中隼
---小椋--河合---
-田中裕-松田--栗原-
-----榎本-----

75分:金→大島
83分:河合→坂田(兵藤がボランチへ)
106分:小宮山→清水

得点:5分狩野、20分田中隼

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2008.11.30

【観戦記】08年第33節:G大阪 1-0 浦和

20081129_gamba1

 とうの昔に求心力は失われ、かつ既に解任が決まっている監督にだらだらと指揮を取らせたところで何も良いことはありません。

 そんな悲惨な状況下でも選手達はプロですから、試合になれば本能的に闘争心を掻き立ててなんとか相手を倒そうとするでしょう。でも、組織的な動きが見られないチームはいくら個々人が頑張ってもたかが知れています。おまけにただでさえ攻守のバランスが悪くて、まさに砂上の楼閣に等しいチーム状態であるにも関わらず、満足に動けない選手が再三気まぐれに攻撃参加していては攻守のバランスなんて保てるはずがありません。

 前半終了間際に山崎が退場になったために、後半立ち上がりから半ばまで浦和が一方的に攻めましたが、その時間帯ですら決定機は僅少。それ以外の時間帯はカウンターから大ピンチになった局面は何度もありましたから、本来2-0、ないし3-0で負けていた試合を運良く1-0で凌いだ、それくらい絶望的な試合だったと思います。

 監督解任決定後も指揮を採り続けると判ってから、残り試合は浦和の死に様を見届ける場になるだろうと覚悟はしていましたが、ある意味実に見事な死に様でした。起死回生の可能性を一片も感じさせない、誠に天晴れな死に様。一縷の生還の望みすらあざ笑うかのように繰り広げられる失態の数々。

 生きながらにしてして死んでいる浦和を埼玉スタジアムでもう一度見る。それは浦和の盛大な葬式そのものなんでしょう。

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-----エジ-----
達也---ポンテ--セル
---啓太--細貝---
阿部-闘莉王-坪井-平川
-----都築-----

73分:達也→梅崎

20081129_gamba4

-----山崎-----
遠藤---ルーカス--佐々木
---橋本--明神---
安田-山口--中澤-加地
-----藤ヶ谷----

84分:佐々木→武井

 長期的な展望を立てる必要すらなくなって(っちゅーか、もともとそんなものを持ち合わせていないのでしょうが)、ある意味やりたい放題状態のゲルトは、またも4-2-3-1の形だけ固執してメンバーを入れ替える策を敢行。前回清水戦からのメンバー変更は相馬に代えてエジ。闘莉王をCBに下げて細貝をボランチに据え、右SBに平川を据えたのはいいのですが、左SBはなんと阿部。一応代表でテストされているので阿部個人としては全くの素人ではないですし、札幌戦以来試行錯誤を続けた中では最もマシだろうと思われましたが、やはり練習していないものは機能しようがなく、現実の厳しさを思い知らされるだけでした。

 ACL優勝を成し遂げたのと引き換えに疲労困憊でズタボロのガンバ。まるで「浦和のように動けない」ガンバ。こんなに酷い状態のガンバを見たのは久しぶりで、浦和はいつものようにガンバに中盤を制圧されることもなく、むしろ出足の悪いガンバを尻目に前半からポゼッションで優位に立ちはじめます。

 ただこの「ポゼッション」というのが曲者。浦和は文字どおりボールを持っているだけで、全くガンバの守備陣をこじ開けることができません。ボールポゼッションがなんら試合支配に繋がらない典型。サイドの縦のポジションチェンジがない、前目に攻撃陣を多く配置しただけの「なんちゃって4-2-3-1」が通用するのはやはり札幌だけですね。チャンスは時折セルや達也が個人技で斬り込むくらい。止まっている選手の足元から足元へ、まるで「信号よし!」と指差確認しながらゆるゆるとボールを繋ぐだけ。思い出したようにサイドチェンジするのは良いのですが、相手の手薄なサイドにボールを振ったところで今度は中が薄い。

 またそれ以前に攻守の切り替えが遅いのが致命的。常に相手の守備陣形が整ってから攻めている按配で、これでは相当連携を深めないとなかなか相手を崩せません。

 で、膠着状態を打開すべく闘莉王が再三最終ラインから攻撃参加。残念ながらこれは自殺行為そのものでした。攻撃参加が実を結ぶよりも、攻守のバランスが崩れてカウンターを食らう危険が高まる可能性のほうが遥かに高かったからで、シュートで終われずにカウンターを食らうだけならまだしも、攻め上がる途中でドリブルをカットされてカウンターを食らうという重営倉行きの失態すら散見されました。膝の状態が相当悪いのか、上がったら戻れないどころか肝心の守備ですら機能しているとは言いがたく、この日の闘莉王はとてもスタメンで使える状態ではありませんでした。ゲルトと闘莉王の蜜月。これが浦和を死に至らしめた一因であるのは間違いありません。試合終了後、セルの守備が緩慢なことについて都築と言い争いがあったそうですが、都築が真っ先にがなりつけるべきはセルではないでしょうに。

 闘莉王が攻撃参加した穴はボランチのどちらかが埋めていましたが、攻守の切り替えが遅いもので中盤に開いた穴を埋める選手がいない。従って相手のSB、特に加地が上がってくるとサイドで数的優位を確保して守ることができず、阿部が加地と1対1を強いられたあげく(酷い時は阿部が2人見ていることも・・・)にクロスを送られて大ピンチという場面が3度ばかりありました。本来ならそのクロスを闘莉王がなんとか弾きかえしているはずですが、そんな場面はほとんどなく・・・ この日の決勝点もそのパターン。むしろ1失点で済んだのは天佑だったとしかいいようがありません。

 それでも山崎が愚かにも露骨なハンドで2枚目のイエローをもらって退場になり、数的有利になった後半は阿部の攻撃参加が活発になって攻めに攻めたのですが、所詮「各駅停車」を乗り継いでいるだけの、緩急の「緩」しかない攻撃、相手に応対する時間をたっぷり与えている攻撃ではガンバクラスの相手には通用しません。ガンバは数的不利&動けないとはいえ、カウンターやセットプレーでなんとかすれば良いという方針ははっきりしていますから、浦和の攻撃をセーフティーファーストでひたすら凌いでチャンスを待つしぶとい戦いぶり。

 セルがドリブルで2、3人引きつけて頑張っているのは判りますが、回りと全く連動していないがゆえに相手守備陣に穴を開けられないのがなんとも歯がゆい。なんか新加入の選手が一人で張り切っているようにしか見えないんですが、チーム全体に共有された攻撃の形・意図がないのですからセルの責めに帰することはできません。

 そしてかろうじて浦和優勢の礎となっていた「数的優位」が、エジの愚行でパーになってからは浦和は死を待つばかり。達也→梅崎でセルをFWに上げた采配はまずまずでしたが、やはり決定機を掴むには至らず(梅崎が自分で撃てそうな局面でクロスを選択してしまうのには参りましたが・・・)、最後はガンバの狙い通りカウンターに屈してしまいました。これほど強さを感じないガンバに事実上惨敗を喫してしまう浦和はもはや屍そのもの。

 勝たないと優勝どころか、3位すら危うくなるにも関わらず、交代は結局達也→梅崎のみ。勝ちに行くなら啓太や平川を代えて攻撃的な選手を入れる手はあったはずですが、脳死状態のゲルトにそんなことが思いつくわけもなく・・・っちゅーか、3位を確保することすらもはや義務ともなんとも思ってないのでしょう。

 社長はもはや来季のことしか関心がなく、弱化本部長は事実上更迭、解任された監督はお気楽モードで勝手気ままに暴走。せめてチームキャプテンがしっかりしてくれれば良いのですが、暢久はなぜかスタメンから外され(まぁ元々危機管理を期待できるキャプテンではありませんが・・・)、代わりに監督の絶大な信認を受けてキャプテンマークを巻いている選手はバランスもへったくれもなくこれまた勝手気ままに暴走。

 戦力がリーグ平均以下だった90年代よりも深い闇が今の浦和を包み込んでいます。

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2008.11.28

【展望】08年第33節G大阪戦

・ACL敗退後に「年内一杯はゲルト支持」を明言しながら、早々と次期監督候補を物色していることが明るみに出る始末。

・そして今季一杯でのゲルト解任を通告しないまま、次期監督候補が現地視察を続けるという異常事態に耐えかねたのか、残り2試合でようやくゲルトを解任。

・しかも、残り2試合は代行監督を立てるわけではなく、ゲルトが引き続き指揮。

・この残り2試合は選手にとって、そしてファン&サポーターにとってどういう意味があるのでしょうか?

・「(残り試合を)無駄にすれば来季も同じ事を繰り返すぞ」と長大ダンマクで訴えたはずですが、フロントは全くの「捨て試合」を選択した模様。それならせめて岡野や内舘の送別の場として活用してもらいたいものです。

・G大阪に二川ら怪我人が出ているとか、水曜の天皇杯(磐田 1-3 G大阪@ヤマハ)から中2日だとか、幾ばくかG大阪にも不安材料はありますが、それ以上に浦和が壮大な自爆行為を繰り返しているので大した慰めにもならず。

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<第32節:川崎 4-0 G大阪>

--ルーカス----播戸--
-安田------佐々木
---橋本--明神---
下平-山口--中澤-加地
-----藤ヶ谷----

61分:安田→倉田
73分:藤ヶ谷→松代
75分:明神→武井

<ACL決勝第2戦:アデレード 0-2 G大阪>

-----ルーカス-----
二川---遠藤--佐々木
---橋本--明神---
安田-山口--中澤-加地
-----藤ヶ谷----

58分:佐々木→山崎
65分:安田→下平

<前回=ACL準決勝第2戦:浦和 1-3 G大阪>

---ロニー---ルーカス---
-遠藤------二川-
---橋本--明神---
安田-山口--中澤-加地
-----藤ヶ谷----

HT:ロニー→佐々木
71分:安田→山崎
90分:ルーカス→播戸

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2008.11.24

【観戦記】08年第32節:浦和 1-2 清水

 「負けて悔しくなくなったらもう終わりだ」とよく言われますが、まさにその心境。

 神戸戦の負けっぷりを見ればこのチームが末期的状況を呈しているのは明々白々。続くACL準決勝第2戦では当然ながら惨敗を喫し、それにも関わらず暫定監督を立てることもなくずるずるゲルトを引っ張れば醜態を晒し続けるだけなのは必然。新潟・愛媛・札幌となんとも微妙な相手にはなんとか勝ったものの、ワンランク上の相手には到底かなわないのは丸亀で実証済み。新監督就任が濃厚とされるフィンケ氏が観戦に訪れながらもゲルトの解任も公表されないという異常事態下で、清水戦は「浦和はもはや死に体である」という至極当たり前の事実を確認しただけの試合でした。

 優勝どころかACL圏内からも脱落。おそらく残り2試合で大分やFC東京にも抜かれ、6位でフィニッシュ。野次と怒号の飛び交う中、頭を垂れながら場内を一周する選手・スタッフの姿が目に浮かびます。

20081123shimizu1

 
 敵を欺くにはまず味方からですか。スタメンを見た時はてっきり3-5-2に戻したのだと思いました。長期的な視野・展望に欠けるゲルトが、丸亀で全く機能しなかった4-2-3-1に早々と見切りをつけて元に戻そうとしたとしても何の不思議はなく、むしろゲルトらしいと思いますが、ピッチ上に現出したフォーメーションは想像を絶するものでした。

 右SBに細貝、1トップに達也、そしてボランチ闘莉王&啓太。何をどう考えればそういう発想に行き着くのでしょうか。

 そして3日間連続の非公開練習でこのフォーメーションを試していたのかと思えばさにあらず。どうやらぶっつけ本番だったとの話。これで勝てると思うほうがどうにかしてますわなぁ・・・

 埼スタで一度も勝ったことがないせいか、清水が妙に慎重な試合運びをしてくれたおかげでスコア上では競った試合になりましたが、引き分けで終る、あるいは浦和が勝ち越す可能性は限りなく低い試合内容。フォーメーションの成熟度が著しく低いにも関わらず、選手まで入れ替えていてはフォーメーションが機能する道理はなく、細貝の入った右サイドは完全に沈黙。

20081123shimizu2

 また札幌戦でも垣間見えましたが、浦和はせっかく4-2-3-1を採用したにも関わらず、サイドの縦のポジションチェンジというものがほとんどなくてSHが個人技で突っかけるだけなんですな。後半相馬とセルがやや中に入って前4人の距離が縮まり、パス交換で清水の右サイドを何度か破りました(右SB市川が早々と負傷退場したのは多少影響したかも)が、これぞまさに個人技の集大成。

 しかもその仕掛けが活発になったのは後半の限られた時間帯だけ。大半の時間を何の意図も感じられないパス回しに費やし(しかも再三清水FWに突かれて、おっとっと・・)、同点に追いついたら追いついたでいきなり闘莉王大作戦。もうフォーメーションとかシステムとか、そういう問題を超越してますわ、浦和は(笑)。

 またゲルトは2点目が取れなかったことを嘆いていますが、本質はそこではなく2点取られたことでしょう。そしてその主因はいうまでもなくスカスカの中盤。ポンテ・闘莉王・啓太を鼎立させて中盤を支えきれるはずがありません。枝村の飛び出しを許した1点目は出し手もフリーなら枝村もフリー(爆笑)。後半は何度となくカウンターを浴び、これでよく2失点で済んだとしか言いようがありません。

 怪我をおして強行出場の闘莉王。1得点を上げましたが、得点が全て、得点で評価されるポジションではありませんからね・・・パスミスを連発し、守備に穴を開けまくってチームの足を引っ張っていたような・・・ っちゅーか、闘莉王をボランチで使う側のほうがどうにかしているわけですが(苦笑)

 残り2試合、ゲルトはどんな新布陣で我々を驚かせてくれるのでしょうか? 非常に楽しみですね(自虐)

<浦和>

-----達也-----
相馬---ポンテ--セル
---啓太--闘莉王--
平川-阿部--坪井-細貝
-----都築-----

82分:相馬→暢久
84分:達也→エジ

爆笑の最終形↓

---エジ--闘莉王--
--ポンテ---セル--
---細貝--啓太---
暢久-阿部--坪井-平川
-----都築-----

<清水>

---原----岡崎--
-----枝村-----
-山本真-----兵働-
-----伊東-----
児玉-高木和-青山-市川
-----山本海----

15分:市川→高木純
68分:原→矢島
87分:岡崎→山西

*長谷川監督のコメントでは2ボランチの4-2-2-2だったとのことですが、現地では気づかず(^^;

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2008.11.21

【展望】08年第32節清水戦

・浦和は4名(闘莉王、阿部、達也、都築)、清水は2名(岡崎、高木和)とそれぞれカタール遠征に送り出した直後の一戦。

・代表組を欠いた天皇杯5回戦では、浦和はPK戦で横浜Mに破れた一方、清水は延長にもつれ込みながらも敵地で鹿島を破って勝ち抜け。清水は結果的に4-3の打ち合いを演じていましたが内容は不明。浦和は最終的にPK戦までもつれ込んだとはいえ、前半で惨敗していてもなんらおかしくはない内容。札幌戦で一見機能したかに見えた4-2-3-1を代表組抜きでやってみたら全く機能しなかったっちゅー、なんともいやはや・・・(苦笑)

・で、ゲルトは後半4-2-2-2に変更してようやく攻守が安定したわけですが、代表組+細貝が戻ってくる清水戦ではどうするんでしょうね? 4-3-1-2でサイドが厚めな清水に対して4バックで臨むのが机上論としては妥当なプランなんでしょうが、フォーメーション論以前に相手SBが出てきたら誰がつくとか、そういうごく当たり前の確認・連携ができとらん(ってリーグ戦ももう終わりなんですが・・・)っちゅーのが横浜M戦で露呈。従って現状を踏まえれば4バックがいいとか3バックがいいとか、そういう議論はこの期に及んでほぼ無意味でしょう。

・従ってよりマシな解は「ファイトしよう!」 これに尽きますな(自虐)

・藤本は左足腓骨骨折および左足首内側靭帯損傷で長期離脱中。前回対戦時にはレギュラーだったFW矢島、DMF本田拓、GK西部はスタメンを奪われ、フェルナンジーニョは退団と前回対戦時と大幅にメンバーが代わっています。

・ここ数戦はスタメンにしばしば入れ替えが見られるものの、交代選手を含めて使われる選手はほぼ固定。ナビスコ決勝で大分DFに2トップを完全に封じられて手も脚も出なかったところを見ると、そんなに強いようには見えないのですが・・・

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<第31節:磐田 1-0 清水>

---原----岡崎--
-----枝村-----
-マルコ-----兵働-
-----伊東-----
岩下-高木和-青山-市川
-----山本海----

64分:岩下→児玉
64分:マルコ→山本真
79分:枝村→大前

<ナビスコ決勝:大分 2-0 清水>

---原----岡崎--
-----枝村-----
-兵働-----山本真-
-----伊東-----
児玉-高木和-青山-岩下
-----山本海----

71分:児玉→市川
71分:山本真→マルコ
88分:枝村→矢島

<前回:清水 1-2 浦和>

---矢島--フェル--
-----枝村-----
-藤本------伊東-
-----本田-----
児玉-高木和-青山-市川
-----西部-----

68分:枝村→西澤
74分:本田→マルコス・アウレリオ

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2008.11.16

【観戦記】08年天皇杯5回戦:浦和 2-2(PK 5-6) 横浜M

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 前半のズタボロ加減からすれば、よくぞ同点に追いついた試合というべきであり、それどころか突き放すチャンスさえあったのですから今の浦和としては上出来の試合でしょう。しかしエジが絶好機を逃したのが勝負の分かれ目。その後は選手交代の優劣が響いて横浜M(以下「鞠」)が流れを取り戻し、浦和は暢久に代わって投入された西澤が何本か枠内にミドルシュートを放つものの、PK戦にもつれ込ませるのが精一杯。しかもこの日のGKはPK戦に滅法弱い山岸。案の定一本も止められず、しかも浦和は6人目の啓太(=申し訳ないが、誰もが不安感を抱いた啓太・・・)が止められてしまうという、なんとも予定調和的な幕切れ。

 まぁ双方それなりに見せ場があり、日頃J1の試合を目にする機会の少ない香川の方々には十分楽しめる試合にはなっていたかと思います。ただあんまりな前半の浦和、そしてその時間帯に試合を決められずに同点に追いつかれてしまう鞠と、どちらもそんなに強くはないチームであることもまた明らかな試合でした。

 今年の天皇杯も早々と敗退。付け焼刃で採用した4バックはやはり札幌レベルでしか通用せず、鞠のようなリーグ中位クラス相手にも大苦戦を強いられるというごく当たり前の結果を受けて残りリーグ戦3試合、ゲルトはまた何か思いつくのでしょうか(苦笑)。

-----エジ-----
---永井-ポンテ-セル
---啓太--暢久---
相馬-堀之内-坪井-平川
-----山岸-----

81分:エジ→高原
89分:暢久→西澤
109分:セル→梅崎

20081115_marugame3

-----金------
--狩野----兵藤--
小宮山------田中隼
---小椋--河合---
-田中裕-松田--栗原-
-----榎本-----

75分:金→大島
83分:河合→坂田(兵藤がボランチへ)
106分:小宮山→清水

 前半の浦和はなんだったのでしょう? 4バックで闘っているのに、高い位置に顔を出してくる鞠の右WB田中隼への対応が実にあいまい。立ち上がり早々相馬が田中隼との1対1を強いられるどころか、田中隼を河合が追い越してサイドで数的不利を作られる4バックっていったいどんな守備してんねん??? まぁ札幌戦でゲルトが突然思いつき、その後今週ちょっと練習しただけの4バックですから完璧に機能するわけがないのですが、3-4-2-1の鞠にサイドをズコズコやられるくらいなら浦和はいつもの3-4-1-2でガチンコ勝負したほうがまだマシやん・・・ 

 前半田中隼に徹底的にやられた主因は左SHのはずの永井が全くといっていいほどサイドの守備をやらず(札幌戦の達也とは大違い・・・)、それどころか再三中央に進出したこと。啓太・暢久の両ボランチの出来もあんまりでDFラインに吸収されながら盛んに動き回る鞠の2シャドーに対して中央を防戦するのに精一杯でサイドまでケアできず。そして案の定最初の失点は左サイドから。

 左サイドがボロボロな上に浦和は動きの量及び質で鞠に完敗しており、あらゆる局面で競り負け、かつ後手に回りまくり。バイタルエリアで右から中央、そして左へを簡単にボールを繋がれてどフリーの田中隼のシュートを食らった辺りで大量失点を覚悟しました。実際その後も際どいシュートを浴びまくりましたから、そのうちの一つでも決まっていればこの試合はそこで終わっていたと思います。

 しかし、そこを決めきれないのが鞠の実力。前半鞠の厳しいプレスの前に中盤が全く機能せず、攻撃の形すら作れなかった浦和は鞠の息切れに乗じて前半残り少ない時間帯に反撃。右からのクロスをエジがシュート!これはバーに弾かれましたがセルが再度叩き込んで1点返し、浦和が息を吹き返しました。

20081115_marugame2_2

 後半は立ち上がりから浦和ペース。CKのこぼれを再度ポンテが拾って低いクロスをファーの堀之内が押し込んで同点!前半の様相からすれば奇跡的な浦和の同点劇。前半鞠は飛ばしすぎたのでしょうか、後半は中盤が崩壊してしまって共に中盤スカスカ。後半も早い時間帯からカウンターの掛け合いみたいな、ある意味お粗末な試合になってしまいましたが、こうなると代表組がごっそり抜けているとはいえ個の力が強い浦和ペース。ポンテ&セルを軸に再三右サイドから攻撃を仕掛けます。

---エジ-ポンテ---
--永井----セル--
---啓太--暢久---
相馬-堀之内-坪井-平川
-----山岸-----

 永井が中央に流れる傾向は相変わらずでしたが、ハーフタイムになにがしか指示があったのか、永井のポジションがやや低めになって守備をやるようになりました。セルもかなり中に入るようになって事実上4-2-2-2にシフト。両サイドにスペースができたので両SBが盛んに攻撃参加。これにより鞠のWB、特に田中隼を牽制することに成功して浦和が主導権を奪い返すのに成功しました。

 しかしセルのミドルシュートのこぼれ玉をどフリーのエジがシュートをGKに向けて蹴ってしまう大失態。どう見てもこれがこの日のターニングポイントでした。

 キムラコクオーは金に代えて大島、さらに河合に代えて坂田を投入して2トップ気味にシフト。なぜ坂田をベンチスタートにしたのかは謎でしたが、これが奏功して形勢を五分に戻すのに成功。この日の坪井のパフォーマンスは圧巻で、高さはないものの抜群のカバーリング能力でまさに最後の壁として鞠攻撃陣の前に立ちふさがっていましたが、スピードのある坂田の投入で坪井は坂田のマークに力を注がざるを得なくなり、また堀之内は高さのある大島とミスマッチが生じています。そういう状況下で浦和はしばしば2対2の局面を作られて対応に難儀。啓太がDFラインに入ってカバーしていたようではありますが、浦和はキムラコクオーの妙手=河合を下げて坂田を入れる超攻撃的な采配に終盤から延長戦にかけて悩まされ続けました。

 一方のゲルトの交代はエジ→高原。これはエジの出来もあんまりでしたが、代わって入った高原はそれに輪をかけて悪く、しかもこの交代が戦術的な意味を持たないところがいかにも辛い。後半残り少ない時間帯での暢久→西澤という思い切った交代には驚きましたが、これは攻撃面では大正解。鞠は西澤のマークが全く出来ておらず、西澤はどフリーでミドルシュートを連発。惜しむらくは枠内とはいえ全てGKが簡単に防げる範囲内でしたが、それでも勝ちに行く采配としては成功と評していいでしょう。しかし攻守のバランスという面ではかなり守備が危なっかしい面は否めず、鞠にもまた再三チャンスを与える結果になりました。何事にも表と裏がありますから、これはやむを得ないでしょう。

 残念だったのは延長後半脚が攣ったセルに代えて梅崎を投入せざるを得なかったこと。所詮個人攻撃の集合体でしかない浦和にあって、唯一連携というものを感じさせるセルとポンテ。この日の攻撃は終始その2人で織り成していたようなものでしたから、セルの離脱は痛恨事。梅崎自身は良くも悪くもない出来でしたが、如何せん突破力で今のセルに劣るうえに、誰とも連携が出来ていないので局面を変えるには至らず。

 PK戦での負けとはいえ、代表組を欠いた試合は今年とうとう一勝もできず。その原因は明白ですが、もう書き飽きたので割愛。

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2008.11.14

【展望】天皇杯5回戦-横浜M戦

・駒場でかろうじて愛媛を下して駒を進めた天皇杯5回戦。

・試合会場は丸亀@香川。なんで関東のクラブ同士が遠く四国で試合をせんといかんのか?っちゅーのはクラブによって移動距離に不公平感が強いこと共々天皇杯への代表的な疑問の一つですが、まぁ見る側にとっては「どさ回り」は天皇杯の醍醐味でもあり、そう目くじら立てんでも・・・

・ただそんなことよりも今年の天皇杯の問題は代表合宿と重なってしまったことですな。浦和は闘莉王、達也、阿部、都築が代表召集で欠場(おまけに細貝も出場停止。横浜Mは中澤が代表に召集されていましたが怪我で代表辞退)。まるで代表合宿の裏番組のように開催されるナビスコ杯と違い、天皇杯は開催時期や過密日程といった問題を抱えながらもまがりなりにもメンバーは揃えられる(年末にお休みを取る選手が多いクラブもありますが・・・)ことでカップ戦の権威を保ってきたんじゃないのかなぁ???

・天皇杯はもともと12月に集中開催していたのを04年度から秋季に前倒し開催となり、J1チームは11月初に登場するのが常となっていましたが、そうすると天皇杯がナビスコ決勝やACLノックアウトステージと被るのはもちろん、代表戦に被るケースも出てきます。天皇杯4回戦では犬飼会長が「ベストメンバー」を揃えなかったことで大分や千葉に噛み付いたそうですが、5回戦ではクラブが物理的に「ベストメンバー」を揃えられない日程をJFAが組んじゃったわけで、いやはや天に唾するというかなんというか・・・

・過密日程問題を棚に上げてクラブに「ベストメンバー」を強要する犬飼会長の姿勢には呆れてしまいますが、それはさておき、自業自得の細貝を含めて5人ものレギュラーメンバーを欠く浦和。しかも前目の選手は余り気味なのに、欠ける選手は達也以外全員後ろ。いやはや今年一勝もできなかったナビスコ杯予選の再来となる可能性は極めて強いような・・・

・で、「4-2-3-1はじめました」っておまえは冷やし中華か?っちゅーゲルトの思いつき采配はどうなるんでしょうね? 戦術の熟成もへったくれもなく、いきなり3-4-1-2に戻してこそ一年中対処療法で、患者が中毒になってしまうほどモルヒネを多用するゲルトの面目躍如なんですが(苦笑)、付け焼刃ながら4バックの練習を始めたそうで。まぁやらんよりは良いのでしょうが、これまでサイドを何度もボコボコにされながら一向に3-4-1-2を改めなかったのに、なんで今頃?

*横浜Mの最近の出場メンバー、フォーメーション等についてはリーグ最終戦での「展望」と重複するので直近の試合のみ。

<第31節:横浜M 1-3 京都>

-----坂田-----
--狩野----兵藤--
田中裕------小宮山
---松田--河合---
--小椋-中澤--ロス-
-----榎本-----

41分:中澤→田中隼
66分:坂田→金
82分:兵藤→斉藤

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2008.11.09

【観戦記】08年第31節:札幌 1-2 浦和

 現在浦和で最も調子がよいと思われる細貝を出場停止で欠いたこの一戦。誰をボランチに据えるかが見物でしたが、ゲルトはなんと闘莉王をボランチに据えただけではなく、フォーメーションをいきなり4バックに変えてきました。愛媛戦でも延長に突入してから突如4バックにシフトし、なんとかボロを出さずに試合を終えましたが、いったい何がゲルトの頭の中でスパークしたのでしょうか?

20081108sapporo4

 愛媛戦は延長突入早々細貝が退場してしまったので、ゲルトが4バックで何をやりたかったのかさっぱり判らず、闘莉王をボランチに上げたことで急激に守備が不安定になっただけのように見えました。で、引き続き4バックを採用したこの試合を見たところ、引いて守る相手に対して浦和は前の4人+闘莉王+SBの片方と攻めの枚数を増やしたかっただけの模様で、サイドでの攻防に重きを置いた様子は微塵もありませんでした(爆笑)

 達也、セルともドリブルが持ち味の選手なのでボールを受けると自分で相手DFに突っかけに行きます。従って相馬、平川の両SBはSHを追い越して攻撃参加なんてなかなかできません。SHとSBに連携が感じられない4-2-3-1なんてあり得ないんですわ(失笑)。

 しかもポストプレーが得意とは言いがたいエジが1トップ。従って前の4人で曲がりなりにもボールがキープできるのはポンテだけ。しかも今年のポンテは凡ミスが多い。これじゃSBどころかさすがの闘莉王もなかなか上がれない。この布陣を機能させようとするなら、せめてどちらかのSHはそこそこボールが持てる永井じゃないとなぁ・・・

 っちゅーことで、おそらくぶっつけ本番に近いであろう4-2-3-1はフォーメーションの本分である厚みのあるサイド攻撃という場面はほとんど見せることなく、ほぼ失敗と言って良い出来でしたが、それが一見機能しているかのように見えるのは札幌の守備があんまりだったに過ぎません。

 愛媛戦で自信を得たセルを筆頭に所詮個々人でドリブル主体に突っかけているだけの浦和の攻撃に対して、札幌は前半引いて守ってはいるものの、単に人がいるだけでバイタルエリアでの寄せが甘すぎ。エリア周辺で容易に浦和にボールを繋がれ、しかもDFライン裏の狭いスペースを突かれすぎ。クライトンからの縦ポン一本がダヴィに通って幸先よく先制したものの、その後の札幌の攻撃はカウンターから一度見せ場を作ったくらいで、後は浦和の波状攻撃を浴び続け、ポンテのミドルシュートのこぼれ玉に詰めた達也のゴールで前半のうちに追いつかれたのは当然といえば当然。

20081108sapporo1

 後半もなお立ち上がりから浦和の攻勢が続き、闘莉王の浮き玉のパスで札幌DF裏に抜け出たエジ、っというか限りなく札幌の連携ミスと思いますが、そこを突いて逆転。札幌の不甲斐ない出来を考えれば久しぶりに大量得点差での勝利かとも思われましたが、再度エジがDFライン裏に抜け出た決定機を決められなかった辺りから浦和は急激に失速。達也もセルも後半15分くらいから運動量が激減し、浦和はボールの出しどころがなくなって攻撃は出詰まりに。

 またこの浦和の急造布陣、中盤で守れないのが一目瞭然なんですわ。動けない選手が中盤に3人ですからなぁ・・・ 逆転された札幌はラインを上げてきっちり中盤を作って攻めあがってくるようになると、浦和の超攻撃的布陣(笑)は馬脚を表し、ボランチが動けないものだから4バックなのにサイドで数的優位どころか同数すら確保できない(笑)。逆サイドに振られてどフリーの選手を作られ、さらにバイタルエリアに易々と侵入を許す始末。これなら札幌は最初から積極的に試合を進めたほうが勝ち目があったような・・・

 いいかえれば相手が札幌じゃなかったら、この布陣ボコボコにされたでしょうなぁ・・・ おそらくこの一戦限り。ゲルトらしいその場凌ぎの奇策でしょう、これ。

 ボランチ起用された闘莉王は浦和が攻勢を強めている時間帯には不調のポンテに代わって後方からの配球役として機能しており、さらに時折バイタルエリアに侵入してくるのですが、いったん押し込まれ始めるとボランチとしてはあまりにも運動量がない弱点が露になってしまいます。終盤はDFラインに吸収されて5バックっぽくなり、却ってそのほうが札幌の仕掛けるパワープレー対策として役立っていたような・・・

 札幌は浦和の退勢に乗じて後半半ばから攻勢に出たものの、J1とは思えないイージーなパスミスが多く、シュート精度も劣悪。ハーフタイムに選手を代えてクライトンを前目に上げ、さらに相次いで選手を代えましたが、結局セットプレーでチャンスを作ったくらい。

 一方ゲルトはついにポンテを下げる大英断! っちゅーか劣勢に陥ってからのポンテの使えなさから判断すれば交代は遅すぎやっちゅーねんと思いましたが、ゲルトにしてはよくやりました(棒読み)。ポンテに代えて暢久投入は至極妥当。さらにお疲れの達也に代えて永井を入れ、最後は時間稼ぎを兼ねてセルに代えて堤を入れて、この日のゲルトの選手交代には珍しく納得性がありました。

20081108sapporo2

 終盤敵陣深い位置でスローインを受けた闘莉王が全員棒立ちの札幌DF陣を尻目にフリーでエリア内に突入してシュート。シュートは惜しくもGKに弾かれましたが、あのシーンを見ているとこの日の札幌にはもはや集中力も闘争心もなかったのでしょう。昨年同じように早々と降格が決まった横浜Cが浦和に対して見せた「意地」はどこにも感じられませんでした。

 札幌ドームには28000人強の観客が詰めかけ、初めて、あるいは久しぶりにJリーグの試合を見た方もいらっしゃったかもしれませんが、この試合内容ではもう一回見に来ようと思う方は少ないでしょうなぁ・・・

20081108sapporo3

-----エジ-----
達也---ポンテ--セル
---啓太--闘莉王--
相馬-阿部--坪井-平川
-----都築-----

73分:ポンテ→暢久
79分:達也→永井
89分:セル→堤

---ダヴィ-アンデルソン--
西谷--------中山
---西---暗豚---
西嶋-柴田--西澤-坪内
-----佐藤-----

HT:アンデルソン→上里
63分:西谷→砂川
77分:柴田→岡本

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2008.11.07

【展望】08年第31節札幌戦

・リーグ戦も残り4試合。もはや明るい材料を見つけることすら難しい状態に陥った浦和ですが、愛媛戦で強いて好材料を挙げるとすれば久しぶりに長い時間の出場機会を得たセルがそこそこ頑張っていたこと。もっとも他の選手との連携もなにもなく、方向性もバラバラな状態でしたから、いくらJ2下位に低迷する愛媛相手とはいえセル個人でやれることは限られていましたが、それでも積極性だけは評価していいかと思います(積極的に行きたかったのに、諸般の事情(笑)でポンテらに止められていたようですが・・・)。

・もう個人任せ状態に陥っているわけですから、ベストメンバー(笑)に拘らずに出場機会に飢えた選手を使ったほうがよほどマシな結果が出るような気がしてなりませんが、ゲルトがそんなことを思いつくようなら、こんな惨状になっとらんわなぁ・・・

・しかも、大詰めで社長が思いついた補強が通訳(単なる通訳というよりは、追い詰められているゲルトのメンタルケア役に近いようですが・・・)だったというのはぶったまげました。ゲルトの日本語は判るようで判らない、判らないようで判るというのは「語る会」でも薄々感じましたが、毎日顔を合わせているはずに社長が「選手と監督のコミュニケーション不足」に今頃気づくというのにはがっかり。まぁこの期に及んで大原に坂道を作ったり、自転車を買ったりするよりはいいかと思いますが、こういう人事で「今年は最後までゲルトで行く!」とはっきり宣言されるとはなぁ・・・ 今年一杯砂を噛むような日々が続くことが決定しました。

・破滅的なチームにあって比較的マシな動きを見せていた細貝が、愛媛戦で愚かな報復行為で一発退場となって札幌戦欠場(単なる暴力行為なので1試合欠場で済むわけがなく、次の天皇杯5回戦も出場停止)。

・第29節柏戦で早々と降格が決まった札幌。ハズレ外国人だとか、怪我人多発だとか、降格に至った原因はいくつも挙げられるのでしょうが、三浦監督らしく堅守でJ2を勝ち抜いてきたのにその守備がJ1では全く通用しなかったのがその主因といって差し支えないかと思います。前回対戦時にも不調の浦和に4失点を喫しています。

・新潟→愛媛→札幌と微妙な相手ばかりの3連戦。瀕死の浦和に止めを刺すだけの力が札幌に残っているかどうか・・・

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<前節:川崎 3-1 札幌>

---ダヴィ-アンデルソン--
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中山-大塚--暗豚--西
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坪内-西嶋--西澤-マーカス
-----高木-----

53分:大塚→砂川
61分:アンデルソン→上里
70分:坪内→西谷

<前々節:札幌 0-2 柏>

--アンデルソン--中山---
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西--大塚--暗豚-藤田
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池内-西嶋--西澤-マーカス
-----佐藤-----

HT:大塚→砂川
63分:中山→上里
70分:藤田→西谷

*ダヴィは負傷欠場

<前回:浦和 4-2 札幌>

---西---暗豚---
------------
西谷-芳賀--マーカス-砂川
------------
坪内-吉弘--柴田-池内
-----高木-----

64分:西谷→岡本
81分:砂川→石井

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