ACL2優勝という偉業を成し遂げた監督を不意に強奪されたチームと、ロジカルな理由もないのに無理矢理監督のクビをすげかえたチームとの対戦。
浦和は大宮とのPSMから根本→工藤、長沼→ボザと2枚入れ替え。ベンチメンバーも含めて凡そ想定内で、サプライズはグスタフソンがベンチ外になったくらい。
浦和の試合の入りは上々で、13分には安居がボールを奪ってそのまま持ち運んでミドルシュートに持って行った場面に象徴されるように「ボールを奪ったらとにかく前へ、前へ」の意識が極めて強かったのはPSM同様。そしてその勢いそのままに17分右サイドからの金子クロスに小森が頭で合わせて浦和が早々と先制しました。
しかし、キジェスタイルの負の側面、すなわち常に前がかりなのでカウンターを食らいやすく、カウンターを食らいそうになったら相手の攻めを遅らせるのではなく、ファウルで止めてしまいがちな残念極まりないスタイルが11分サヴィオのイエローという形で露見。
さらに22分カウンターを食らいそうになったところで林が山下を殺人的なタックルで阻止して当然イエロー。これだけでも十分頭が痛いのですが、なぜか林にいちゃもんを付けている安部を当事者でもなんでもないサヴィオが遠方からわざわざ駆け寄ってきて安部を突き飛ばしてしまい、2枚目のイエローをもらって退場。もう何を考えているのかさっぱり判らない、擁護しようがないサヴィオの愚行で浦和は早くも数的不利に陥ってしまいました。
浦和はやむなく「4-4-1のようなもの」で試合に臨みましたが、なんせ浦和の守備ブロックなんて形骸化していて、ただ後ろに人数をかけているだけだというのはPSMでも白日の下に晒されたばかり。36分にはFKからの流れで安部のクロスがいとも簡単にボックス内のジェバリに通って同点に。45+7分にはヒュメットがペナ角付近から見事なコントロールショットを決めてあっさり逆転。浦和はファウル上等の守備しか出来ないので、ファウルできないボックス内&その周辺での守備は苦手なのでしょう(苦笑)。
「数的不利に陥ったので、引いて守ってカウンターとかセットプレーで得点を狙う」という王道が出来そうにない浦和は後半になるとか数的不利を気にせず、リスクマネジメントもへったくれもなく、突撃に次ぐ突撃、とにかく前ハメでショートカウンターを狙いに行く特攻を連発しはじめました。
そしてこの特攻を交わせない、いなせないのが今のG大阪の残念さ。落ち着いてボールを回せばいいのに浦和のドタバタ劇にお付き合いしてくれてありがとう!!52分には小森のシュートがバーを直撃、続く金子のシュートはポストを直撃。
60分小森→オナイウ、笹→南野と前目を代えた浦和は狂気さを増して、78分渡邊のクロスを金子が頭で合わせて同点に。さらに80分左サイドを突破した渡邊のクロスを南野が合わせて逆転に成功しました!!
しかし、逆転に成功したことで浦和のテンションが下がってしまったのが運の尽きなのかどうか。なんとか正気を取り戻したG大阪はようやく落ち着いてボールを回し始めると「とにかく下がったら死ぬ、引いたら死ぬ」浦和はもういけません。84分途中投入のウェルトンがジェバリとのワンツーでいとも簡単に浦和守備陣を切り裂いて同点。さらに86分には右サイドを抜け出した山下のクロスをこれまた途中投入の植中が頭で合わせて再逆転に成功してそのまま試合終了。

シュートの乱れ打ちとなった挙句にサッカーとは思えないくらい点が入り、逆転に次ぐ逆転で第三者的には極上のエンタメだったとは思いますが、当事者、しかも負けた方の当事者的には「クソ中のクソ」としか言いようがない試合でした。PSMでの悪い予感が現実化したと言っても良いでしょう。
まず組織的に守ることが全然出来ないのでとにかく「ボールホルダーへ向って一人一殺」。、イエロー覚悟でファウルで相手を止めてしまう場面があまりにも多すぎて見苦しいのなんの。その裏返しで、ファウルが出来ないボックス内&その周辺の守備は緩すぎて苦笑するしかありません。また最後の失点場面は、PSMの最初の失点場面とそっくり(=クロスを上げる選手もフリーなら中で合わせる選手もフリー)で、キジェのサッカーは「得点は再現性がないが、失点は再現性ありまくる」と揶揄されるのがよく判りました。
また「常にハイテンション」を要求するキジェ流が見事に悪いほうに転んだのがサヴィオの退場劇でしょう。「なんでガンバにはカード出さんのじゃ、ボケェ!!!」と言わんばかりに再三ベンチから飛び出して、周りのコーチが寄ってたかって監督を止めている様がDAZNで映し出されていましたが、普段からあの調子なんでしょうなぁ。そしてあの監督のテンションが選手にうつらない訳がないでしょうに。サヴィオの愚行、サヴィオの退場がなかったら勝てたような気がしてならない試合でしたが、あの愚行、あの退場は割と再現性があるんじゃないかと。
もっとも「常にハイテンション」を要求するキジェ流が良いほうに転んだのが後半の特攻に次ぐ特攻で、「先制されたら最後、そのまま見せ場なく終わりがち」だったリカやスコルジャよりはマシという見方もあるかと思います。ただあればG大阪が相当残念なだけであって、大量失点を喫する可能性のほうがずっと強いと思いますが・・・
「ただの見世物。勝とうが負けようがどうでも良い」と割り切ってしまえば悪くはないのかもしれません。試合後の選手達も前を向いているようですし。でもロジカルに勝つ可能性を上げ、勝ち点を積み上げることを考えると眩暈がする試合しか出来ないんでしょうなぁ。そして毎試合イエローカードが乱舞し、やがてただでさえスモールスカッドなのに常に何人かの出場停止に悩まされるという自業自得ぶりを発揮しながら時が流れてゆくのでしょうなぁ、きっと。

サヴィオ---小森---金子
--渡邊-----笹--
-----安居-----
林--工藤--宮本-ボザ
-----西川-----
(得点)
17分 小森
78分 金子
80分 南野
(交代)
60分 小森→オナイウ
60分 笹→南野
66分 林→長沼
87分 安居→植木
87分 金子→水沼
-----ヒュメット-----
食野---ジェバリ--山下
---美藤--安部---
初瀬-中谷--池谷-岸本
-----荒木-----
(得点)
36分 ジェバリ
45+7分 ヒュメット
84分 ウェルトン
86分 植中
(交代)
59分 ヒュメット→植中
77分 安部→鈴木
77分 食野→ウェルトン
90分 山下→中野
90分 初瀬→佐々木