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2023.07.14

【観戦記】23年天皇杯3回戦:浦和 1-0 山形 ~ 毎度毎度の「勝てば良かろう」なのだ・・・

 前半はフツーに力負けしてもなんら不思議ではないくらい壊滅的な出来でしたが、後半頭からの3選手交代が効いてなんとか先制。しかし終盤は再びグダグダになり、山形のシュート精度の低さに助けられた感じの逃げ切り勝ちでした。

《スタメン》

 先週末のリーグ戦FC東京戦から中3日の浦和は西川→彩艶、酒井→荻原、マリウス→岩波、伊藤→平野、大久保→髙橋とスタメン5名入れ替え。西川が完全休養で牲川がベンチ入り。小泉と故障した酒井がベンチ外になり、代わって馬渡とリンセンがベンチ入り。

 山形は先週末のリーグ戦磐田戦からからなんとスタメン全員入れ替え!!山形はリーグ戦から中2日と日程面で浦和より厳しいことを考慮したためでしょう。
 
 また山形は4/4にクラモフスキー監督を更迭し、渡邉監督を招聘して一時チーム立て直しに成功したものの、6月半ば以降は仙台に爆勝しただけで再び負けが混み出してプレーオフ圏入りが怪しくなっているという立場。そういう情勢を鑑みると天皇杯に無駄に力を割く余裕もないでしょう。
 
 ただ天皇杯スタメンの右WGイサカやCH藤田は普段コンスタントにリーグ戦に出ている主力で、この両名を磐田戦はベンチスタートにして天皇杯でスタメン起用したところを見ると、天皇杯を完全に捨てたわけでも無さげ。でも終わってみれば天皇杯どころかリーグ戦も負けてしまうという「二兎を追う者は一兎をも得ず」の典型となり、この選手起用は試合後ボロクソに言われたかも。

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《試合展開》

 試合の入りは圧倒的に山形優勢。試合開始早々ロングボールをショルツが跳ね返したこぼれ玉を拾った右WGイサカがいきなり際どいシュートを放ってきたのに象徴されるように、山形は失うものがないものの強みからプレーが非常に積極的で思い切りよく前からプレスをかけてきました。
 
 10分には安居が前を向こうとしたところで山形のプレス網に掴まって自陣でボールを失ったのを契機に加藤に決定機を許したものの、岩波が辛うじてブロックしてシュートはバーの上へ。
 
 浦和は山形の前プレを交わして縦ポンでの裏狙いで対抗するも良いタイミングでパスが出ずにオフサイドに次ぐオフサイド。それはまだましな方で、時間の経過と共に縦パスを入れれば前で収まらず、なんとか収まっても後続なくて孤立の繰り返し。フィニッシュにまで至らず、危ないカウンターを何度も喰らってしまいました。ボールが収まらない興梠、しょっちゅうボールを失う安居といったところはお疲れなのでしょうが、髙橋が攻守とも何の役にも立っていないのには参りました。
 
 25分にはイサカが右サイドからどフリーでクロスを上げるもわずかに中に合わず。29分にはイサカが大畑との一対一を制してカットインからシュートを放つも彩艶の正面。この試合の大畑はイサカとの一対一で苦戦している上に、やたら前に出てしまって右サイドに大穴を開けてしまう場面が目立ちました。
 
 そして32分にはCKからCB西村がヘディングシュートを放つもわずかに枠外。

 35分には双方ラフプレーの応酬の末、最後にCB喜岡の興梠への後方からのほぼ蟹挟みタックルという悪質なプレーでイエローが出た後に関根が思わずエキサイトしてしまう一幕がありましたが、あれはその前に関根が汚いファウルを受けていた(20分吉田にイエロー)のもさることながら、チームの不出来の顕れと感じました。
 
 前半の終わりに髙橋と関根の左右を入れ替えたものの、たいした効き目はなく前半終了。浦和の反撃らしい反撃は38分岩波→関根→興梠とワンタッチパスを繋いで安居ミドルシュートで終わった場面くらいで、しかも枠外。

 あまりの出来の悪さにブチ切れたのか、そもそも週末のアウェーC大阪戦が中3日であることを考慮しての予定通りの交代だったのかは定かでありませんが、スコルジャは後半頭から興梠→カンテ、平野→伊藤、髙橋→大久保の3枚替え。そしてこの交代の効果はてきめんで、浦和はようやくカテゴリーの差を見せつけるように大攻勢を仕掛けました。
 
 46分にはバイタルエリアからカンテが「名刺代わり」と言わんばかりにミドルシュート。48分には右サイドから荻原クロス→ファーで関根が飛び込むもヘッドを撃ち切れず。55分には彩艶のフィードを右サイドタッチ際で荻原が受けたところから始まる速攻で安居→カンテの決定機を得るもGK長谷川がセーブ。
 
 そして浦和の攻勢がついに実ったのは64分。岩波→大久保→伊藤と右サイドでシンプルかつ素早くボールを運び、伊藤がカットイン。伊藤はCB西村を抜き去ってあっさりボックス内に突入し、強烈なシュートでGKをもぶち抜いてゴーーーーール!! カテゴリーの差、そして日本代表に選ばれただけのことはある個人能力の差を相手に見せつけるような圧巻のゴールシーンでした。

 先制したところで72分おそらく関根を休ませる趣旨でリンセンを投入しましたが、久々に出場機会を得たリンセンは攻守とも行方不明状態で再び試合の雲行きは怪しげに。浦和のチャンスらしいチャンスは77分ショルツ縦パス→右サイドで相手最終ライン裏へ飛び出した大久保が折り返し→中で伊藤がミドルシュートくらい。
 
 一方先制されてから矢継ぎ早に選手を代えた山形は再度攻勢に。84分ショルツがボックス内で後方から倒されたのにファウルを取ってもらえずに途中投入の高橋にシュートを撃たれた場面には肝を冷やしましたが幸いシュートはバーの上。
 
 岩尾がお疲れの上に大畑の守備の怪しさを嫌ってか、86分岩尾に代えてマリウスを入れ、マリウス左SBに据えて念には念を入れての守備固めに転じたものの、リンセンが腹立たしいくらいに守備をしないので一向に守備は締まらず。

 90分には荻原が途中投入の横山に右サイドを深々と抉られる失態があり、伊藤がクロスをクリアし損ねたこぼれ球をこれまた途中投入の小西にシュートを撃たれる大ピンチが生じるもシュートは宇宙開発事業団。
 
 AT+3分には相手のバックパスがアバウトすぎて左SHに転じていた大畑がボックス内で拾う好機がありましたが、大畑はシュートをGKにぶち当て。その横で終始どフリーだったリンセンはボールが回って来ずに実に寂しそうでした。チーム内でのリンセンの立ち位置を象徴する場面のようでもあり。

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《総評》

 最終的に勝つこと以外全く意味がないカップ戦なんで、ウノゼロだろうがなんだろうが勝ちは勝ち。しかも怪我人を出さずに90分で勝ち切ったのだから何の問題もないどころか「悪くはないどころか100点満点じゃないか!!」と割り切ってしまうことも出来ましょう。
 
 おまけに中3日&中3日で続く3連戦で、しかも後ろの2試合は宿泊を伴う長距離移動付きですから、その中で勝利しか意味がない天皇杯を90分で勝ち切ったのには花丸を上げても良いのかもしれません。
 
 そしてアルヒラルとやっても関西大学とやっても1-0にしかならないのが今の浦和の仕様なので、山形とやってもやっぱり1-0になってしまうのはもはや仕方ないのかも。

 とはいえスコルジャが「本日の試合は我々の状況を考えると、スタイルのところではあまり評価したくありません」と語るように内容で満足できるようなものではなかったのは確か。決定機の数は大差がなく、結局のところシュート精度の差が勝敗を分けたといっても過言ではないでしょう。そしてそれがカテゴリーの差なのだと。
 
 スカパーのスタッツだと山形の枠内シュートは5本もあったようですが、彩艶に出番があったのは29分イサカのシュートが彩艶の正面に飛んだのと51分にショートコーナーから新垣が相手の意表を突くタイミングでミドルシュートを放った場面くらいしか記憶にありません。
 
 あとは10分加藤のシュートを岩波がブロックして枠外に逸れたようなものが3本あったのでしょう。終盤の2度の決定機は枠内に撃たれていたらヤバかったでしょうが、浦和の守備陣はなんだかんだと最後に身を挺してシュートコースを塞ぎにくるので見た目以上にチャンスはなかったのかもしれません。
 
 またスコルジャは「この試合は我々の今シーズン30試合目でした」と非常に唐突なコメントを残していますが、おそらくACL決勝の影響で他のチームより試合数が多く、しかも決勝へ向けて急仕上げを余儀なくされたことを言いたいのでしょう。この試合の前半は前目の選手の出来がさっぱりでしたが、前目の選手は過密日程の影響で特に体が重い印象を受けました。
 
 そしてそんな中で再度髙橋の左SHにトライしたり、ビルドアップのやり方自体を少し変えたりとスコルジャらしい「練習時間が足りないので公式試合でテストする」要素を加えた結果、グダグダ模様に陥ったものと目されます。
 
 さらにスコルジャは「ここから本気出す!!」と言わんばかりに後半頭からテストを打ち切り、カンテ・伊藤・大久保を投入して、その目論見通りに先制点を奪って逃げ切り勝ち。いやはやスコルジャ恐るべしですわ・・・さすがのスコルジャもリンセン投入後に再度ぐだぐだに陥ってしまうのは想定外だったと思いますが(苦笑)。
 
 4回戦の相手は今季何かと因縁深い名古屋に決定。しかも「CSアセット港サッカー場」というJリーグでは使えないしょぼい、しょぼすぎるスタジアムで開催という、もう試合開始前からトラブルになる予感しかない、いろんな意味で「難しい試合」「面倒な試合」になりそう。

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《選手評等》

・いつ雨が降り出してもおかしくはない雲行きで、実際18時頃にはポンチョを取り出すレベルの雨が降りました。しかしその雨もすぐに止んで試合中は全く降らず。おまけに強めに風も吹いて予想外に快適な観戦環境でした。試合結果以外だとこれが最大の「良かった探し」。そして試合終了と同時に大雨に。

・最近の浦和のCKは点が入る気がしないどころか、相手のカウンターを誘発してるだけになってるのはホンマ頭が痛い。岩尾はお疲れなんやろうし荻原に蹴らせたらいいのに。
 
・マリウスが投入されて誰もが5バックと思ってたら、マリウスが大畑に「お前は前!」みたいな仕草をしてて、大畑の目がテンになってたのは笑いました。マリウスは投入時に手で5とサインを出してましたが、あれは何だったのか?? マリウスのポジションはやたらタッチ際にいて左SBにしか見えませんでしたが・・・
 
・山形のイエローは三枚とも妥当。平野へのファウルは背後から足裏攻撃なので一発レッドでも不思議はないかと。渡邉監督のチームって仙台でも山形でもなんだかんだと結局ラフプレー三昧になるみたいで。

・山形の今季リーグ戦の平均観客数は8000人弱なので、この試合の観客数6520人は平日にしては大善戦。こういうのを見ると天皇杯は下位のカテゴリーの主催でいいと思います。でもこのルールは徹底されず、今季の3回戦を見ると上位のカテゴリーのチームが主催しているところがいくつもあるのが不思議ですが・・・

・天童南駅がNDスタジアムへのアクセスに結構使えることが判りましたが、この件は稿を改めます。

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-----興梠-----
髙橋---安居---関根
---岩尾--平野---
大畑-ショルツ--岩波-荻原
-----彩艶-----

(得点)
64分 伊藤

(交代)
HT 平野→伊藤
HT 髙橋→大久保
HT 興梠→カンテ
72分 関根→リンセン
86分 岩尾→マリウス

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河合---加藤--イサカ
-----後藤-----
---新堀--藤田---
吉田-喜岡--西村-山田
-----長谷川----

(交代)
69分 後藤→田中
69分 新垣→小西
69分 河合→横山
79分 加藤→高橋
85分 藤田→荒川

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