鈴木彩艶選手 シント=トロイデンVVへ期限付き移籍
先日(8/6)鈴木彩艶選手のシント=トロイデンVVへの期限付き移籍が公表されました。期限付き移籍期間は2024年6月30日までのほぼ1年間。天皇杯名古屋戦で故障でもないのにベンチ外だったことからどこかへ移籍するであろうことは推察されましたが、そこから早めの公表となりました。
彩艶の移籍についてはこの一ヶ月マンチェスターUからのビッグディールに翻弄された感がありました。マンチェスターUは、昨季まで正GKだった元スペイン代表GKデヘアが契約満了で退団。インテル・ミラノの元カメルーン代表GKオナナの獲得に動いていて、その過程で彩艶も目に留まった模様。500万ポンド(約9億1700万円)と言われた移籍金の真偽は明らかではありませんが、マンチェスターUが彩艶にオファーがあったことは事実だと彩艶自身が語っています。
しかし、このビッグディールを彩艶は断りました。「今、自分が日本で試合に出られていない中で、マンチェスター・ユナイテッドはオナナ選手を獲得して、その中で自分が出られるレベルにあるかと考えた時に、自分でもなかなか難しいなという風に評価しました。」と彩艶は出場機会の有無を最優先させたようです。
そして彩艶は同時期にオファーがあったシント=トロイデンVVへの期限付き移籍を決断。8/6にスポニチは「シントトロイデンに完完全移籍する可能性が高い」「移籍金は推定350万ユーロ(約5億5000万円)」と報じていましたが、どうもガセを掴まされたようで、彩艶関連の報道合戦は同日「シントトロイデンに期限付き移籍することが5日、決定的となった」と報じた報知の完勝に終わりました。
シント=トロイデンVVには現在日本代表GKでもあるシュミット ダニエルが在籍しているので、こちらでも彩艶が正GKで出られる保証は全くありません。とはいえオナナよりは競争になりうる相手ですし、シュミットが近々移籍することを想定してシント=トロイデンVVは彩艶にオファーしたのかもしれません。
マンチェスターUからの500万ポンドものビッグディールが一転してシント=トロイデンVVへの期限付き移籍に落ち着いたので、個人的には正直がっかりしたのも事実。契約に「買い取りオプション」が付いているとか仔細不明ですが、浦和レッズジュニアから11年もの長きに渡って浦和にお世話になった彩艶が「海外へ行く時には何がしかの移籍金を残してゆくのがユース出身者の責任」との原口の遺訓(死んでませんが!)を忘れようはずがなく、この辺りは今後おいおい明らかになるでしょう。
彩艶はクラブ史上最年少16歳でプロ契約。19年U―20W杯、21年東京五輪など飛び級で年代別代表に選ばれた逸材ながら、浦和ではミレッGKコーチの指導を受けて大ベテランになって再成長した西川の牙城を崩せず、監督がスコルジャに代わった今年はとうとうリーグ戦での出場機会はなく、カップ戦要員に留まりました。
西川と比べると彩艶はハイプレスに来る相手を交わして味方にパスを付ける辺りは格段に巧いのですが、ハイクロスへの対応では見劣りする感は否めず、スコルジャがGKからの細かいビルドアップにはリカほど拘らないのが彩艶には不利に働いたかも。またリカ1年目で西川に代わってリーグ戦で出場機会を得た時期でも少々安定感を欠き(結果的に「曰くつきの没収試合」になった湘南戦が典型)、結局西川にポジションを奪い返されてしまいました。西川の壁を越えられないまま海外へ旅立つことになったのは彩艶も少々忸怩たる思いがあることでしょう。
彩艶が「まずは一歩一歩、確実にステップアップ」と語るように、シント=トロイデンVVを踏み台としてプレミアリーグまで羽ばたけるかどうか、パリ五輪出場は当然、W杯の舞台にたどり着けるかどうか、彩艶の成長ぶりを温かく見守りたいと思います。
| 固定リンク
